[go: up one dir, main page]

JP2004288899A - 成膜方法および基板処理装置 - Google Patents

成膜方法および基板処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2004288899A
JP2004288899A JP2003079485A JP2003079485A JP2004288899A JP 2004288899 A JP2004288899 A JP 2004288899A JP 2003079485 A JP2003079485 A JP 2003079485A JP 2003079485 A JP2003079485 A JP 2003079485A JP 2004288899 A JP2004288899 A JP 2004288899A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
processing
processing gas
processed
gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Ceased
Application number
JP2003079485A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Jinriki
博 神力
Mikio Suzuki
幹夫 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Electron Ltd
Original Assignee
Tokyo Electron Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Electron Ltd filed Critical Tokyo Electron Ltd
Priority to JP2003079485A priority Critical patent/JP2004288899A/ja
Publication of JP2004288899A publication Critical patent/JP2004288899A/ja
Ceased legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Chemical Vapour Deposition (AREA)
  • Formation Of Insulating Films (AREA)

Abstract

【課題】基板処理装置の処理ガスの利用効率を向上させる
【解決手段】被処理基板に成膜する成膜方法であって、前記被処理基板表面に処理ガスを吸着させる吸着工程を含み、前記吸着工程において前記処理ガスは前記被処理基板表面に沿って流れるように供給され、前記処理ガスが前記被処理基板に沿って流れる流速が50m/sec以上で音速程度以下であることを特徴とする成膜方法。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、成膜方法および基板処理装置に係り、特には被処理基板上に金属酸化膜を成膜する成膜方法および基板処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
化学気相堆積(CVD法)は、基本的な半導体装置の製造プロセスであり、アスペクト比の大きい複雑な構造上においても良好なカバレッジで成膜できるため、半導体装置や液晶表示装置などの表示装置の製造工程において、絶縁膜や半導体膜、あるいは金属膜の堆積に広く使われている。
【0003】
前記CVD法は、今日の超高速高速半導体装置では、例えばゲート電極の材料で、比誘電率がSiO膜のものよりもはるかに大きい、いわゆる高誘電体材料であるTa,Al,ZrO,HfO,ZrSiO,HfSiOなどの成膜に用いられる場合がある。
【0004】
図1は、従来のCVD法による基板処理装置500の概略図を示したものである。図1を参照するに、被処理基板Wfを保持する、ヒータ511aを内臓する保持台511Aを内部に有する処理容器511は、前記処理容器511内を排気する手段であるターボ分子ポンプ512およびドランポンプ513が排気口511Cに接続され、前記処理容器511内を減圧・排気することが可能な構造となっている。
【0005】
前記処理容器511上には、シャワーヘッド511bを有するガス供給構造511Bが設けられており、前記ガス供給構造511Bには、バルブ514Aを介してガス供給源Aが、またバルブ514Bを介してガス供給源Bが接続されている。
【0006】
被処理基板上に成膜を行う際は、前記バルブ514Aを開放することで、前記ガス供給部511Bから前記シャワーヘッド511bを介して前記被処理基板Wf上にガスAを供給し、また前記バルブ514Bを開放することで、前記ガス供給部511Bから前記被処理基板Wf上にガスBを供給する。
【0007】
薄膜形成方法としては、従来のCVD方式に加えて、原子層成膜(ALD: Atomic Layer Deposition)が極薄膜形成方法として有望である。この場合には、図1のガスAとBを同時に処理容器511内に流入させることはなく、別々に流入させる。つまり、ガスAを基板表面に吸着させる工程と、ガスBを吸着したガスAと反応させる工程からなる。しかしながら、このCVDとALDとの技術の境界は必ずしも明確でなく、原料ガスA,Bの性質によっては、ガスAとBを同時に流す工程と、別々に流す工程とを含む場合もある。つまり、ガスAとBを同時に流す場合、別々に流す場合、部分的に同時に流す工程も含んでいる場合がある。ただし、ガスAとガスBの反応が起こりやすく、気相で混合しただけで反応して、粉末上の生成物を発生させるような場合には、処理容器511同時に導入することはできず、別々に導入することが必要になる。
【0008】
前述した高誘電体材料の成膜の場合、例えばガスAにトリメチルアルミニウム(TMA)、ガスBに酸素またはOを用いる場合には、反応性が強いので、ALD方式によって交互にガスを導入することにより、前記被処理基板Wf上にAl膜を成膜することができる。
【0009】
【特許文献1】
US 6306216
【0010】
【特許文献2】
US 6015590
【0011】
【特許文献3】
特開2000−319772号公報
【0012】
【特許文献4】
特開2001−68423号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、吸着工程を含むような成膜プロセス装置において、原料をより効率的に吸着させることが必要である。
【0014】
前記基板処理装置500では、ガスAおよびガスBを供給する際、前記シャワーヘッド511bから前記被処理基板Wfまでは、距離Hだけ離れていてガスの拡散領域があるため、当該ガスAおよびガスBは、前記シャワーヘッド511bから前記被処理基板Wfまで到達するまでの間に前記処理容器内を拡散し、供給されたガスAおよびガスBの大半は、前記被処理基板Wfに到達する事無く、前記排気口511Cより排出されてしまう。そのために、高価なガスであるTMAの大半が成膜に利用されること無く消費され、成膜のためのコストがかかる要因となっていた。
【0015】
そこで、本発明では上記の課題を解決した成膜方法および基板処理装置を提供することを目的としている。
【0016】
本発明の具体的な課題は、被処理基板上に成膜する場合に、成膜に用いるガスの利用効率を向上させて、生産性が良好となる成膜方法および基板処理装置を供給することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、上記の課題を解決するために、
請求項1に記載したように、
被処理基板に成膜する成膜方法であって、
前記被処理基板表面に処理ガスを吸着させる吸着工程を含み、前記吸着工程において前記処理ガスは前記被処理基板表面に供給され、前記処理ガスが前記被処理基板に沿って流れる流速が50m/sec以上で音速程度以下であることを特徴とし、原料の基板への供給方法としては、基板面に対向するシャワーヘッド面から基板面に垂直に供給してもよいし、基板面に平行な位置より平行に供給してもよいが、いずれも原料ガスは基板表面で境界層を形成し、基板面上を平行に流れて排出される成膜方法により、また、
請求項2に記載したように、
前記被処理基板に成膜する基板処理装置は、前記被処理基板を保持する保持台を内部に有する処理容器を有し、前記処理容器には前記処理ガスを前記処理容器内に供給する処理ガス供給口と、前記処理ガスを前記処理容器内から排気する排気口が設けられ、前記処理ガス供給口から供給される前記処理ガスは前記被処理基板に沿って流れ、前記排気口より排気されることを特徴とする請求項1記載の成膜方法により、また、
請求項3に記載したように、
前記処理容器内の、前記被処理基板表面に対向する側には前記被処理基板と略平行に天井面が形成され、前記処理ガスは前記被処理基板と前記天井面の間に形成される処理空間を流れることを特徴とする請求項1または2記載の成膜方法により、また、
請求項4に記載したように、
前記処理空間の、前記被処理基板から前記天井面までの高さが0.5〜3.5mmであることを特徴とする請求項3記載の成膜方法により、また、
請求項5に記載したように、
前記被処理基板から前記天井面までの高さが、前記処理ガスの流れ方向に向かって減少し、前記高さが最も小さくなった部分が0.5〜3.5mmであることを特徴とする請求項4項記載の成膜方法により解決する。
【0018】
前記処理空間の、前記被処理基板から前記天井面までの高さがガスの流れ方向に従い、狭くなっていくことにより、境界層の厚みは次第に減少していく。従って、流れ方向で原料濃度が減少していったとしても、境界層を連続的に薄くすることにより、原料の使用効率を増大させて基板への吸着効率を上げ、結果的に一定な吸着率を得ることができる。
【0019】
また、本発明は上記の課題を解決するために、
請求項6に記載したように、
さらに、前記被処理基板表面に別の処理ガスを吸着させる別の吸着工程を含み、前記別の吸着工程において前記別の処理ガスは前記被処理基板表面に供給され、前記別の処理ガスが前記被処理基板表面に沿って流れる流速が50m/sec以上で音速程度以下であることを特徴とする請求項1〜5のうち、いずれか1項記載の成膜方法により、また、
請求項7に記載したように、
前記処理ガスは金属を含むガスで、前記別の処理ガスは前記処理ガスを酸化する酸化ガスであり、前記吸着工程で前記被処理基板表面に吸着した前記処理ガスは、前記別の吸着工程で前記酸化ガスによって酸化されることを特徴とする請求項6記載の成膜方法により、また、
請求項8に記載したように、
前記処理ガスは金属を含むガスで、前記別の処理ガスは前記処理ガスを窒化する窒化ガスであり、前記吸着工程で前記被処理基板表面に吸着した前記処理ガスは、前記別の吸着工程で前記窒化ガスによって窒化されることを特徴とする請求項6記載の成膜方法により、また、
請求項9に記載したように、
前記吸着工程と、前記別の吸着工程が、交互に繰り返されることを特徴とする請求項6〜8のうち、いずれか1項記載の成膜方法により、また、
請求項10に記載したように、
前記処理ガス供給口は前記天井面に形成されていることを特徴とする請求項3〜9のうち、いずれか1項記載の成膜方法により、また、
請求項11に記載したように、
前記処理ガス供給口の中心は、前記天井面の、前記被処理基板の略中心に対応する位置に形成されていることを特徴とする請求項10記載の成膜方法により、また、
請求項12に記載したように、
前記排気口は、前記処理容器内の、前記天井面に対向する下面に設けられ、前記保持台を囲むように複数形成されていることを特徴とする請求項10または11記載の成膜方法により、また、
請求項13に記載したように、
前記処理ガス供給口は、前記被処理基板を囲むように複数形成されることを特徴とする請求項3〜9のうち、いずれか1項記載の成膜方法により、また、
請求項14に記載したように、
前記排気口は、前記天井面に形成されることを特徴とする請求項13記載の成膜方法により、また、
請求項15に記載したように、
前記排気口の中心は、前記天井面の、前記被処理基板の略中心に対応する位置に形成されていることを特徴とする請求項14記載の成膜方法により、また、
請求項16に記載したように、
前記処理容器中、前記処理ガス供給口は前記保持台の第1の側に形成され、前記排気口は前記第1の側に対向する前記保持台の第2の側に形成され、前記処理ガスは前記処理ガス供給口より前記被処理基板表面を流れるように供給されて、前記排気口より排気され、
さらに前記第2の側には別の処理ガス供給口が形成され、当該別の処理ガス供給口からは前記別の処理ガスが前記被処理基板表面を流れるように供給されて、前記第1の側に形成された別の排気口から排気されることを特徴とする請求項6〜9のうち、いずれか1項記載の成膜方法により、また、
請求項17に記載したように、
前記排気口および前記別の排気口は、それぞれ前記処理ガスおよび別の処理ガスの流れ方向に略直行する方向に延在するスリット状の開口部よりなることを特徴とする請求項14記載の成膜方法により、また、
請求項18に記載したように、
処理容器と、
前記処理容器中に、被処理基板を保持可能に設けられた保持台と、
前記処理容器中、前記被処理基板と略平行に設けられた天井面と、
前記天井面に形成され、前記処理容器中に処理ガスを、前記保持台に保持された被処理基板の略中心から周縁部に向かって前記被処理基板表面に沿って流れるように供給する処理ガス供給口と、
前記処理容器中、前記天井面と対向する下面に形成された、前記処理容器を排気する排気口とを有し、
前記被処理基板と前記天井面の間には前記処理ガスが供給される処理空間が画成され、前記処理空間の前記被処理基板から前記天井面までの高さが0.5〜8mmであることを特徴とする基板処理装置により、また、
請求項19に記載したように、
前記高さが0.5〜3.5mmであることを特徴とする請求項18記載の基板処理装置により、また、
請求項20に記載したように、
前記処理ガス供給口の中心は、前記天井面の、前記被処理基板の略中心に対応する位置に形成されていることを特徴とする請求項18または19記載の基板処理装置により、また、
請求項21に記載したように、
前記排気口は、前記保持台を囲むように複数形成されていることを特徴とする請求項18〜20のうち、いずれか1項記載の基板処理装置により、また、
請求項22に記載したように、
前記保持台は回動自在の構造であることを特徴とする請求項18〜21のうち、いずれか1項記載の基板処理装置により、また、
請求項23に記載したように、
処理容器と、
前記処理容器中に、被処理基板を保持可能に設けられた保持台と、
前記処理容器中、前記被処理基板と略平行に設けられた天井面と、
前記処理容器の側壁面に形成され、前記処理容器中に処理ガスを、前記保持台に保持された前記被処理基板の周縁部からに略中心向かって前記被処理基板表面に沿って流れるように供給する処理ガス供給口と、
前記天井面に形成された、前記処理容器を排気する排気口とを有し、
前記被処理基板と前記天井面の間には前記処理ガスが供給される処理空間が画成され、前記処理空間の前記被処理基板から前記天井面までの高さが0.5〜8mmであることを特徴とする基板処理装置により、また、
請求項24に記載したように、
前記高さが0.5〜3.5mmであることを特徴とする請求項23記載の基板処理装置により、また、
請求項25に記載したように、
前記排気口の中心は、前記天井面の、前記被処理基板の略中心に対応する位置に形成されていることを特徴とする請求項23または24記載の基板処理装置により、また、
請求項26に記載したように、
前記処理ガス供給口は、前記保持台を囲むように複数形成されていることを特徴とする請求項23〜25のうち、いずれか1項記載の基板処理装置により、また、
請求項27に記載したように、
前記保持台は回動自在の構造であることを特徴とする請求項23〜26のうち、いずれか1項記載の基板処理装置により、また、
請求項28に記載したように、
処理容器と、
前記処理容器中に、被処理基板を保持可能に設けられた保持台と、
前記処理容器中、前記被処理基板と略平行に設けられた天井面と、
前記処理容器中、前記保持台の第1の側に形成され、前記保持台上の前記被処理基板表面に第1の処理ガスを、前記第1の処理ガスが前記被処理基板表面に沿って、前記第1の側から前記第1の側に対向する第2の側に向かって流れるように供給する第1の処理ガス供給口と、
前記処理容器中、前記保持台の第2の側に形成された第1の排気口と、
前記処理容器中、前記保持台の前記第2の側に形成され、前記保持台上の前記被処理基板表面に第2の処理ガスを、前記第2の処理ガスが前記被処理基板表面に沿って、前記第2の側から前記第1の側に向かって流れるように供給する第2の処理ガス供給口と、
前記処理容器中、前記保持台の前記第1の側に形成された第2の排気口とを備え、
前記被処理基板と前記天井面の間に前記第1の処理ガスおよび第2の処理ガスが供給される処理空間が画成され、前記処理空間の前記被処理基板から前記天井面までの高さが0.5〜8mmであることを特徴とする基板処理装置により、また、
請求項29に記載したように、
前記高さが0.5〜3.5mmであることを特徴とする請求項28記載の基板処理装置により、また、
請求項30に記載したように、
前記第1の排気口および第2の排気口は、それぞれ前記第1の処理ガスおよび第2の処理ガスの流れ方向に略直行する方向に延在するスリット状の開口部よりなることを特徴とする請求項28または29のうち、いずれか1項記載の基板処理装置により、また、
請求項31に記載したように、
前記保持台は回動自在の構造であることを特徴とする請求項28〜30のうち、いずれか1項記載の基板処理装置により、解決する。
[作用]
本発明によれば、被処理基板に成膜を行う際に、被処理基板表面に原料ガスを供給し、基板表面に形成された原料ガスの流れを増大させるようにする。これにより、原料ガスの流れと基板表面の間の境界層が薄くなる結果として、より容易に原料ガスが基板表面に到達するようになる。このため、原料の使用効率が改善されるので、原料流量が一定である場合には、処理時間の短縮を達成することができる。原料の流速を増大させる方法としては、原料流量を増加する、真空レベルを高真空化する、ギャップを小さくして滞在時間を縮小することにより結果的に流速を増加することにより、生産性を高めることができるという効果が得られる。
【0020】
【発明の実施の形態】
[原理]
まず、本発明によって、基板処理装置による成膜処理において、処理ガスの利用効率を最適化し、もって生産性を良好とする基板処理方法の概略を説明する。
【0021】
図2(A),(B)は、従来の成膜方法と、本発明による成膜方法を模擬的に比較したものである。図2(A),(B)に示した基板処理装置は、被処理基板Wを保持する保持台E3を有し、成膜処理に用いる成膜ガスF1を、天井面E2に形成されたガス供給部E1から供給して、被処理基板上に成膜処理を行う構造になっている。
【0022】
まず、従来の成膜方法を示した、図2(A)を参照するに、基板処理装置の天井面E2に形成されたガス供給部E1から供給される処理ガスF1は、保持台E3に保持された被処理基板Wに到達するまで、前記天井面E2と前記被処理基板Wの間を拡散する。その際に、処理ガスF1が被処理基板Wに到達して成膜に用いられる量に比べて、前記保持台E3の側部を通って、図示しない排気口より排気されてしまう割合が多い。
【0023】
これは、前記天井面E2と被処理基板WがギャップGaだけ離れているために供給されるガスF1の拡散量が多く、効率的にガスF1を成膜に利用することが困難になっているためである。
【0024】
次に、本発明による成膜方法を示した図2(B)を参照するに、前記天井面E2と前記被処理基板WのギャップGbが前記ギャップGaにくらべて小さく、ガス供給部E1から供給された処理ガスF1が拡散する空間が狭いため、前記ガス供給部E1から供給される処理ガスF1が効率的に前記被処理基板Wに到達し、成膜に利用される。
【0025】
つまり、天井面E2と被処理基板との間に形成される空間の容積が縮小された結果、処理ガスF1はより早い流速で排出される。従って、基板表面に形成される境界層の厚さは薄くなり、処理ガスは効率良く基板に到達する。
【0026】
このため、処理ガスを効率的に成膜に利用することができ、排気される処理ガスF1の量を減らして、効率のよい成膜を行う事が可能となる。
【0027】
次に、本発明の実施の形態について、図面に基づき以下に説明する。
[第1実施例]
図3は、本発明による基板処理装置300の概略を示した断面図である。
【0028】
図3を参照するに、被処理基板Wを保持する保持台302を内部に有する処理容器301は、天井部304および中間容器303および下部容器305より形成されている。前記基板保持台302中には、図示を省略する加熱機構が設けられている。
【0029】
前記被処理基板Wと前記天井部304の間には、成膜のための処理ガスが供給されるプロセス空間301Aが形成される。
【0030】
前記天井部304は、前記被処理基板Wに対向する面の前記被処理基板Wの略中心に対応する部分に処理ガス供給口304Aが設けられ、成膜処理の際に前記プロセス空間301Aに処理ガスを供給する。前記処理ガス供給口は、バルブ319を介して処理ガスライン320に接続されている。前記処理ガスライン320は、バルブ308を介して、第1の処理ガスライン311に接続され、さらに第1の処理ガスであるTMA(トリメチルアルミニウム、Al(CH)の供給源であるTMA供給源321、および第1のパージガスであるAr供給源322に接続され、前記プロセス空間301AにTMAおよびArを供給する構造になっている。
【0031】
さらに前記処理ガスライン320には、バルブ309を介して、第2の処理ガスライン312が接続され、第2の処理ガスであるO/O供給源323と、第2のパージガスであるAr供給源324に接続され、前記プロセス空間301AにO/Oおよび、Arが供給される構造となっている。
【0032】
また、前記処理ガスライン320には、バルブ310を介して排気ライン313が接続され、前記処理ガスライン320を減圧・排気が可能となっており、前記処理ガスライン320をパージすることが可能な構造となっている。
【0033】
例えば、前記バルブ308を開放して前記処理ガスライン320にTMAを供給した後、前記処理ガスライン320から残留TMAを排除するために、前記バルブ308を閉じて前記バルブ310を開放して処理ガスライン320を排気し、さらに前記バルブ308を開放して今度は前記第1のパージガスであるArを供給し、前記処理ガスライン320を排気する作業を行い、残留TMAを排除することが可能な構造になっている。
【0034】
同様に、前記バルブ309を開放して前記処理ガスライン320にO/Oを供給した後、前記処理ガスライン320から残留O/Oを排除するために、前記バルブ308を閉じて前記バルブ310を開放して処理ガスライン320を排気し、さらに前記バルブ308を開放して今度は前記第2のパージガスであるArを供給し、前記処理ガスライン320を排気する作業を行い、残留O/Oを排除することが可能な構造になっている。
【0035】
また、前記処理ガス供給口304Aは、前記天井部に複数設けても良い。
【0036】
前記中間容器303は、前記保持台302を囲むように、排気空間303Aを画成し、前記排気空間303A上には、略ドーナツ状の排気プレート306が設置されている。前記プロセス空間301Aは、前記排気プレート306に形成された複数の排気穴306Aから前記排気空間303Aを介して排気される。
【0037】
前記排気空間303Aには複数の排気管314が接続され、前記排気空間303Aは当該排気管314に接続された真空ポンプによって排気・減圧される構造になっている。この構造については後述する。
【0038】
前記保持台302は前記下部容器305により回動自在に、また同時に上下動自在に保持されている。前記保持台302は最上位のプロセス位置と最下位の基板出入位置との間を上下動可能に保持されている。また、前記保持台が最下位の基板搬入出入位置で、図示しない搬入出開口部より、被処理基板の搬入・搬出を行う構造になっている。
【0039】
被処理基板Wを保持した基板保持台302は、軸受部317中に磁気シール318により保持された回動軸316により回動自在に、また上下動自在に保持されており、前記回動軸316が上下動する空間は、ベローズ315等の隔壁により密閉されている。
【0040】
前記基板処理装置300により、プロセス空間301Aに第1の処理ガスおよび第2の処理ガスを供給することで、被処理基板W上に成膜を行う事が可能となる。例えば、第1の処理ガスにTMA、第2の処理ガスにO/Oを供給することで被処理基板W上にAl膜を形成することが可能となる。
【0041】
また、その際に、前記被処理基板W上に形成される前記プロセス空間301Aの高さであるギャップGが狭いため、すなわち被処理基板Wから前記天井部304までの距離が短いために、前記ギャップGが広い場合に比べて、供給される第1の処理ガス、第2の処理ガスが一定流量と仮定した場合には、第1の処理ガス、第2の処理ガスの流速が増大する。そのとき、被処理基板W上に形成される境界層厚さをδ、処理ガスの流速をuとした場合、以下の関係が成り立つ。
【0042】
【数1】
Figure 2004288899
すなわち、流速を増加させることで境界層厚さδは小さくなるので、処理ガスが拡散しやすくなり、処理ガスが被処理基板Wに到達する割合を増大させることができ、成膜の原料となるガスの利用効率を向上させることが可能となる。
【0043】
また、成膜を行う際に処理容器内を排気する方法に関して、次に、図4を用いて説明する。図4は、前記排気プレート306および排気管314を示した斜視図であり、前記基板処理装置300に設置されている場合の位置関係を示してある。ただし図中、先に説明した部分には同一の参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0044】
図4を参照するに、前記基板処理装置300の前記プロセス空間301Aは、前記排気プレート上に、前記保持台302を囲むように形成された複数の前記排気穴306Aから排気される。その際に、前記排気穴306は、前記被処理基板Wを中心とした同心円状に、等間隔で配置されているため、前記被処理基板Wを中心として均等に排気することが可能である。
【0045】
また、処理ガスは被処理基板の中心に対応する位置に形成された前記処理ガス供給口304Aから供給されるが、処理ガスは基板表面に吸着するので、吸着が飽和すれば均一な吸着層を形成することができる。
【0046】
さらに、処理ガスの排気経路は、前記排気穴306Aから前記排気空間306A、さらに当該排気空間306Aに接続される前記排気管314につながる構造となっている。前記排気管314も、前記排気穴306Aと同様に、前記被処理基板Wを中心とした同心円状に、等間隔で配置されているため、前記被処理基板Wを中心として均等に排気することが可能であり、被処理基板の面内で均一な成膜が可能になる。
また、その場合、被処理基板Wの中心部分から周縁部に向かって、前記ギャップGを狭くするような形状にすることで、処理ガスを均一に被処理基板に吸着させることができる。このような例を図5に示す。ただし図中、先に説明した部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0047】
図5を参照するに、図5においては、前記天井部304の形状が変更されており、前記被処理基板Wから天井面までの高さが、前記被処理基板の中心部から周縁部にかけて、すなわち処理ガスの流れる方向に従って狭くなる形状をしている。
【0048】
この場合、前記処理空間の、前記被処理基板から前記天井面までの高さがガスの流れ方向に狭くなっていくことにより、被処理基板上に形成される境界層の厚みは次第に減少していく。従って、流れ方向で原料濃度が減少していったとしても、境界層を連続的に薄くすることにより、原料の使用効率を増大させて基板への吸着効率を上げ、結果的に一定な吸着率を得ることができる。
【0049】
また、成膜する場合には前記保持台302を回動させることにより、処理ガスの流れに不均一があった場合の成膜の不均一への影響を小さくして、さらに被処理基板面内での均一性を向上させることができる。
【0050】
このように、前記処理ガス供給口304Aから供給される第1の処理ガスおよび第2の処理ガスは、前記天井部304と前記被処理基板Wによって形成される前記プロセス空間301Aを、前記被処理基板Wの表面を沿って流れるように供給され、前記被処理基板Wの中心部から周縁部を通ってさらに前記排気穴306Aにて排気される。
【0051】
その際に、第1の処理ガスおよび第2の処理ガスを気相中で反応させること無く、おもに前記被処理基板Wでの表面反応を用いた方法で、分子層・原子層レベルの高品質の成膜を行う事が可能であり、その概略を、図6を用いて以下に説明する。
[第2実施例]
図6(A)〜(D)は、分子層・原子層レベルの成膜を行う方法の概略図を示したものである。前記した分子層・原子層レベルの成膜を行うには、被処理基板上に第1の処理ガスと第2の処理ガスとを交互に、被処理基板表面に沿って流れる形で供給し、第1の処理ガス中の処理ガス分子を被処理基板表面に吸着させ、これを第2の処理ガス中の処理ガス分子と反応させることにより、略1分子層分の厚さの膜を形成する。このプロセスを繰り返すことにより、被処理基板上に、高品質な膜を形成することが可能になる。
【0052】
具体的には、まず図6(A)を参照するに、被処理基板W上に、第1の処理ガスFaを、前記被処理基板W上を流れるように供給し、第1の処理ガスFaの分子を前記被処理基板W上に吸着させ、図6(B)においては、前記吸着が完了した後の余剰な第1の処理ガスFaの分子を被処理基板上から除去する。
【0053】
次に、図6(C)において、第1の処理ガスFaの分子が吸着した前記被処理基板W上に、第2の処理ガスFbを、前記被処理基板W上を流れるように供給し、第1の処理ガスFaの分子と第2の処理ガスFbの分子を反応させる。
【0054】
次に図6(D)において、未反応の第2の処理ガスFbの分子と、副生成物Fab’を被処理基板表面より除去して、成膜の1工程が完了し、略1分子層〜数分子層程度の厚さの膜Fabを形成する。この図6(A)〜(D)を1サイクルとして、このプロセスを繰り返し行うことにより、被処理基板表面に、所望の厚さの、高品質の膜、例えば半導体装置のゲート絶縁膜として使用可能な高品質な誘電体膜、特に高誘電体膜を形成することが可能となる。形このような成膜をALD(Atomic Layer Deposition、原子層堆積)と呼ぶことがある。
【0055】
このようにして形成された膜は膜中の欠陥や不純物が少なく、また膜厚の均一性が良好であるという特徴を有する。例えば、前記基板処理装置300では、第1の処理ガスにTMA、第2の処理ガスにO/Oを用いることにより、被処理基板上に高品質のAl膜を形成することができる。
【0056】
次に、前記基板処理装置300を用いて、前記した分子層・原子層レベルの成膜を行う方法を、図7に基づき、具体的に示す。
[第3実施例]
図7は、図3に示した前記基板処理装置300を用いて、第2実施例に前記した分子層・原子層レベルの成膜を行う方法を示したフローチャートである。図7を参照するに、まず、工程100(図中S100と表記、以下同様)で前記バルブ308を開放して第1の処理ガスであるTMAを前記プロセス空間301Aに導入する。その際、キャリアガスとしてArを同時に導入する。そこで、TMAは、キャリアガスと共に前記被処理基板Wの表面を沿うように流れ、TMA分子が前記被処理基板W表面に吸着する。
【0057】
次に、工程200において、バルブ308を閉じてTMAおよびArの前記プロセス空間301Aへの導入を停止する。前記プロセス空間301Aは真空排気され、余剰なTMA分子が前記プロセス空間301Aより排気される。
【0058】
また、その際に、前記バルブ310を開放して前記処理ガスライン320の中に残留したTMAを排気する。さらに必要に応じてバルブ308を開放して第1のパージガスであるArを供給し、またバルブ308を閉じ、バルブ310を開放して前記処理ガスライン320から、残留TMAを完全に除去するようにする。
【0059】
また、必要に応じて前記プロセス空間301AにArを導入して、前記プロセス空間301Aに残留したTMAを排出するようにしてもよい。
【0060】
次に、工程300において、前記バルブ309を開放して、第2の処理ガスであるO/Oを前記プロセス空間301Aに導入する。その際、キャリアガスとしてArを同時に導入する。そこで、O/Oは、キャリアガスと共にTMA分子が吸着した前記被処理基板Wの表面を沿うように流れ、前記被処理基板W表面でTMA分子と反応して、前記被処理基板W上に略1〜数分子層のAl膜が形成される。
【0061】
次に、工程400において、バルブ309を閉じてTMAおよびArの前記プロセス空間301Aへの導入を停止する。前記プロセス空間301Aは真空排気され、未反応の余剰なO/Oが前記プロセス空間301Aより排気される。
【0062】
また、その際に、前記バルブ310を開放して前記処理ガスライン320の中に残留したO/Oを排気する。さらに必要に応じてバルブ309を開放して第2のパージガスであるArを供給し、またバルブ309を閉じてバルブ310を開放して前記処理ガスライン320から、O/Oを完全に除去するようにする。
【0063】
また、必要に応じて前記プロセス空間301AにArを導入して、前記プロセス空間301Aに残留したO/Oを排出するようにしてもよい。
【0064】
このように、工程100〜400の工程を繰り返すことにより、所望の膜厚の、高品質なAl膜を形成することが可能になる。
【0065】
また、本実施例では第1の処理ガスにTMA、第2の処理ガスにO/Oを用いてAlを形成する例、すなわち金属酸化膜を形成する例を示したが、同様の方法で金属窒化膜を形成することも可能である。例えば第1の処理ガスにTiCl、第2の処理ガスにNHを用いることにより、TiN膜を形成することも可能である。また他に、TaN、AlNなども形成することが可能である。
【0066】
ここで、以下に示すように、被処理基板表面を流れる処理ガスの流速を上げることで、処理ガスの吸着の効率を向上させて、さらに処理ガスの利用効率を向上させることができる。
【0067】
そのためには、図3の基板処理装置300において前記被処理基板Wと前記天井部304までの距離である前記ギャップGを最適化する必要がある。次に、前記ギャップGと処理ガスの吸着の関係について、図8に基づき、説明する。図8は、図3の基板処理装置300のうち、前記天井部304と前記被処理基板Wを含む部分を拡大して示したものである。前記被処理基板の中心側を方向Cで、端部側を方向Eで示す。
【0068】
図8を参照するに、このような構造において前記被処理基板Wと前記天井部304との間の狭い空間を、前記処理ガス供給口304から供給されるTMAやO/Oなどの処理ガス流Fを通過させた場合、前記被処理基板Wの表面および前記天井部304の表面には境界層Bが形成され、処理ガス流F中をキャリアガスに乗って輸送されているTMA分子やO/O分子などの処理ガス分子は、かかる境界層B中を拡散することで前記被処理基板Wの表面に到達する。
【0069】
このような境界層Bの厚さδは前記処理ガス流Fの流速によって変化し、厚さδは流速が減少すると増大し、流速が増大すると減少する。前記境界層Bの厚さδが減少すると、前記処理ガス流Fから放出された処理ガス分子が前記境界層B中を拡散して前記被処理基板Wの表面に到達するまでの時間が短縮され、所定時間により多くの処理ガス分子が被処理基板の表面に到達することになる。その結果、原料の利用効率が向上する。
【0070】
このような処理ガス流Fの流速は、前記プロセス空間301Aの高さ、すなわち前記ギャップGを減少させることにより増大させることができる。
【0071】
図9は、このようなギャップGと、前記被処理基板Wの表面がTMA分子で飽和するまでのTMAガス供給時間との関係を示す。ただし図9中、横軸は前記処理容器301内の前記プロセス空間301Aの容積を示しているが、前記プロセス空間301Aの径は同一に維持されるので、前記プロセス空間301Aの容積は前記キャップGに対応する。一方図9中、縦軸は被処理基板表面が吸着したTMA分子で飽和するまでのTMAガスの供給時間を示しており、この値が小さい程、短時間で飽和吸着が実現され、また供給したTMAガスのうち基板表面に吸着したものの割合を示す吸着率が増大する。
【0072】
図9を参照するに、ギャップGが40mmの場合にTMA分子の吸着率は13%であるのに対し、ギャップGが20mmの場合には吸着率は14%に向上するのがわかる。さらに前記ギャップGが8mmまで減少した場合、吸着率は30%にまで向上する。図9中、▲1▼は被処理基板Wに吸着されるTMA分子の割合を、▲2▼は被処理基板Wに吸着されずに排出されるTMA分子の割合を示している。
【0073】
このように、前記ギャップGを減少させることにより前記プロセス空間において被処理基板Wの表面に形成される境界層Bの厚さδが減少し、吸着率が向上することで成膜工程の際の処理ガスの利用効率が向上することが確認される。
【0074】
例えば、前記被処理基板W上にTMAが飽和吸着する時間は、ギャップGが40mmの場合、0.5秒であったのに対して、ギャップGを2.5mmとすると0.05秒に短縮することが可能になっており、処理ガスの利用効率を向上させると共に、成膜時間を短縮して効率のよい成膜を行う事が可能となる。
【0075】
一方、前記ギャップGをさらに減少させ、プロセス空間の容積を約0.5リットル以下に設定した場合には、前記したようなギャップGを小さくすることによってガス流速を増大させる効果はなくなる。このような傾向に関して、以下に詳細を説明する。
【0076】
前記したようなギャップGに対して処理ガス流Fの流速が変化する状態を、図10に示す。図10を参照するに、曲線l1は処理ガスの流量が0.5Lの場合を示し、曲線l2は処理ガスの流量が5Lの場合を示すが、それぞれの場合において、すなわち処理ガス流量が0.5〜5Lの範囲において同様の傾向を示しており、例えば、前記したようにギャップGを小さくするに従い、流速が増大していくことがわかる。
【0077】
また、前記したようなギャップGを小さくすることにより流速が増大し、処理ガスの利用効率を上昇させる効果が大きくなるのはギャップGを8mm程度とした場合からであり、さらに処理ガスの利用効率を向上させる効果が顕著となる流速50m/secでは、ギャップを3.5mm程度とする必要がある。
【0078】
しかし、さらに流速を増大させようとして、さらにギャップを小さくした場合、ギャップが0.5mm程度とした場合に、流速が図中領域Mで示す、略音速領域となり、ギャップを狭めることにより流速を増大させる効果が収束すると考えられる。
【0079】
このため、前記第1の処理ガスおよび第2の処理ガスを前記プロセス空間に前記被処理基板W上を流れるように供給する場合、ギャップGを0.5〜8mmの範囲とするのが好ましく、処理ガスの利用効率が向上する。さらに、より好ましくは、処理ガスの利用効率がさらに向上する効果が得られる第1の処理ガスおよび第2の処理ガスの流速が50m/sec〜略音速とするために、前記ギャップGを0.5mm〜3.5mmの範囲に設定するのがよい。
[第4実施例]
また、前記した基板処理装置300は、次に示すように変更して実施することも可能であり、以下に示す場合も前記基板処理装置300の場合と同様の効果を奏する。図11は、本発明の第4実施例による基板処理装置400の概略を示す断面図である。ただし図中、先に説明した部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0080】
図11を参照するに、前記保持台302を内部に有する処理容器401は、前記保持台302が挿入された下部容器403、および前記保持台302に載置される前記被処理基板Wと略平行に設置される天井部404および前記下部容器403と前記天井部404との間に挿入される処理ガス導入リング405からなる。
【0081】
前記被処理基板Wと前記天井部404に挟まれた空間にはプロセス空間401Aが画成され、前記プロセス空間401Aには、成膜処理の際に前記処理ガス導入リング405に形成されたガス穴405Aより、前記第1の処理ガスおよび前記第2の処理ガスが供給される構造になっている。
【0082】
前記処理ガス導入リング405は、図12に示すように略環状をしており、前記プロセス空間401Aに面する側には、前記保持台302を囲むように、前記被処理基板Wを中心とする略同心円上に前記ガス穴405Aが形成されている。
【0083】
前記ガス導入リング405の内部には、前記ガス穴405Aに連通し、処理ガスやパージガスの流路である略環状の図示しないガス溝が形成されている。前記ガス溝にはガスライン406より処理ガスやパージガスが供給され、排気ライン407より前記ガス溝を排気する構造になっている。
【0084】
前記ガスライン406は、バルブ409を介して前記第1の処理ガスライン311に接続され、第1の処理ガスであるトリメチルアルミニウム(TMA)供給源321、および第1のパージガスであるAr供給源322に接続され、前記プロセス空間401AにTMAおよびArを供給する構造になっている。
【0085】
さらに前記ガスライン406には、バルブ410を介して、前記第2の処理ガスライン312が接続され、第2の処理ガスであるO/O供給源323と、第2のパージガスであるAr供給源324に接続され、前記プロセス空間401AにO/Oおよび、Arが供給される構造となっている。
【0086】
また、前記排気ライン407にはバルブ411が接続され、前記バルブ411を開放することで、前記ガス導入リング405内部、すなわち前記ガス溝の減圧・排気が可能となっており、前記ガス溝をパージすることが可能な構造となっている。
【0087】
例えば、前記バルブ409を開放して前記ガスライン406および前記ガス溝にTMAを供給した後、残留TMAを排除するために、前記バルブ409を閉じて前記バルブ411を開放して前記ガス溝を排気し、さらに前記バルブ409を開放して今度は前記第1のパージガスであるArを供給し、前記ガス溝を排気する作業を行い、残留TMAを排除することが可能な構造になっている。
【0088】
同様に、前記バルブ410を開放して前記ガスライン406および前記ガス溝にO/Oを供給した後、残留O/Oを排除するために、前記バルブ410を閉じて前記バルブ411を開放して前記ガス溝を排気し、さらに前記バルブ410を開放して今度は前記第2のパージガスであるArを供給し、前記ガス溝を排気する作業を行い、残留O/Oを排除することが可能な構造になっている。
【0089】
前記プロセス空間401Aは、前記天井部404に形成され排気管408に接続された排気口404Aより排気される構造になっており、前記プロセス空間401Aに供給された処理ガス、パージガスなどは前記排気口404Aから、図示しない真空ポンプなどの排気手段が接続された排気管408を介して排気される構造になっている。前記排気口404Aは、その中心が、前記被処理基板Wの略中心と対応する位置に設けられている。
【0090】
そのため、前記ガス穴405Aから供給される処理ガスは、被処理基板Wに対して当該被処理基板の端部から中心部に向かって均等に排気され、成膜を行う場合の膜厚の均一性が良好となる。さらにその場合には前記保持台302を回動させることにより、さらに被処理基板面内での均一性を向上させることができる。前記保持台の上下動自在、回動自由な機構については前記基板処理装置300の場合と同一である。
【0091】
前記基板処理装置400により、プロセス空間401Aに第1の処理ガスおよび第2の処理ガスを供給することで、被処理基板W上に成膜を行う事が可能となる。例えば、第1の処理ガスにTMA、第2の処理ガスにO/Oを供給することで被処理基板W上にAl膜を形成することが可能となる。
【0092】
また、その際に、前記被処理基板W上に形成される前記プロセス空間401Aの高さであるギャップGが狭いため、すなわち被処理基板Wから前記天井部404までの距離が短いために、前記ギャップGが広い場合に比べて供給される第1の処理ガス、第2の処理ガスが被処理基板Wに到達する割合を増大させることができ、成膜の原料となるガスの利用効率を向上させることが可能となる。
【0093】
また前記基板処理装置300の場合と同様に、前記ガス穴405Aから供給される第1の処理ガスおよび第2の処理ガスは、前記被処理基板Wの表面を沿って流れるように供給され、前記被処理基板Wの周縁部から中心部を通ってさらに前記排気口404Aにて排気される。
【0094】
そのため、前記基板処理装置300の場合と同様に、前記図7に示したフローチャートに従って分子層・原子層レベルの成膜を行う事ができる。
【0095】
まず、図7に示すフローチャートに従い、工程100において、前記バルブ409を開放して第1の処理ガスであるTMAを前記プロセス空間401Aに導入する。その際、キャリアガスとしてArを同時に導入する。そこで、TMAは、キャリアガスと共に前記被処理基板Wの表面を沿うように流れ、TMA分子が前記被処理基板W表面に吸着する。
【0096】
次に、工程200において、バルブ409を閉じてTMAおよびArの前記プロセス空間401Aへの導入を停止する。前記プロセス空間401Aは真空排気され、余剰なTMA分子が前記プロセス空間401Aより排気される。
【0097】
また、その際に、前記バルブ411を開放して前記処理ガス導入リング405の中に残留したTMAを排気する。さらに必要に応じてバルブ409を開放して第1のパージガスであるArを供給し、またバルブ409を閉じてバルブ411を開放し、前記処理ガス導入リング405から、残留TMAを完全に除去するようにする。
【0098】
また、必要に応じて前記プロセス空間401AにArを導入して、前記プロセス空間401Aに残留したTMAを排出するようにしてもよい。
【0099】
次に、工程300において、前記バルブ410を開放して、第2の処理ガスであるO/Oを前記プロセス空間401Aに導入する。その際、キャリアガスとしてArを同時に導入する。そこで、O/Oは、キャリアガスと共にTMA分子が吸着した前記被処理基板Wの表面を沿うように流れ、前記被処理基板W表面でTMA分子と反応して、前記被処理基板W上に略1〜数分子層のAl膜が形成される。
【0100】
次に、工程400において、バルブ410を閉じてTMAおよびArの前記プロセス空間401Aへの導入を停止する。前記プロセス空間301Aは真空排気され、未反応の余剰なO/Oが前記プロセス空間301Aより排気される。
【0101】
また、その際に、前記バルブ411を開放して前記処理ガス導入リング405の中に残留したO/Oを排気する。さらに必要に応じてバルブ410を開放して第2のパージガスであるArを供給し、またバルブ410を閉じてバルブ411を開放し、前記処理ガス導入リング405から、O/Oを完全に除去するようにする。
【0102】
また、必要に応じて前記プロセス空間401AにArを導入して、前記プロセス空間401Aに残留したO/Oを排出するようにしてもよい。
【0103】
このように、工程100〜400を繰り返すことにより、所望の膜厚の、高品質なAl膜を形成することが可能になる。
【0104】
また、本実施例においても、前記基板処理装置300の場合において図8〜10に示した場合と同様に、供給される処理ガスの流速が増大すると、処理ガスが前記被処理基板Wの表面に到達するまでの時間が短縮され、所定時間により多くの処理ガス分子が被処理基板の表面に到達することになる。その結果、原料の利用効率が向上し、このような処理ガスの流速は、前記プロセス空間401Aの高さ、すなわち前記ギャップGを減少させることにより増大させることができる。
【0105】
このため、前記図9および図10の結果を基板処理装置400においても適用することが可能となり、前記第1の処理ガスおよび第2の処理ガスを前記プロセス空間に前記被処理基板W上を流れるように供給する場合、ギャップGを0.5〜8mmの範囲とするのが好ましく、処理ガスの利用効率が向上する。さらに、より好ましくは、処理ガスの利用効率がさらに向上する効果が得られる第1の処理ガスおよび第2の処理ガスの流速が50m/sec〜略音速とするために、前記ギャップGを0.5mm〜3.5mmの範囲に設定するのがよい。
[第5実施例]
また、前記したような分子層・原子層レベルの成膜方法は、以下に示す基板処理装置においても実施することが可能である。
【0106】
図13は、前記した分子層・原子層レベルの成膜(ALD成膜)を行う基板処理装置(ALD成膜装置)10の構成を示す。
【0107】
図13を参照するに、前記基板処理装置10は被処理基板Wを隔てて互いに対向する処理ガス導入口13Aおよび13Bと、前記被処理基板Wを隔てて前記処理ガス導入口13Aおよび13Bにそれぞれ対向する細長いスリット状の排気口14A,14Bとを備えた処理容器11を含み、前記排気口14Aおよび14Bはそれぞれコンダクタンスバルブ15Aおよび15Bを介してトラップ100に接続され、前記処理容器11は前記トラップ100を介して排気される。
【0108】
さらに、前記処理容器11には、前記処理ガス導入口13Aに隣接して、別の処理ガス導入口13Cが、前記排気口14Aに対向するように形成されている。
【0109】
前記処理ガス導入口13Aは切替バルブ16Aの第1の出口に接続され、前記切替バルブ16Aはバルブ17A,質量流量コントローラ18A,および別のバルブ19Aを含む第1の原料供給ライン16aを介してTMAを保持する原料容器20Aに接続される。さらに、前記第1の原料供給ライン16aに隣接して、バルブ21A,22Aを含み、Ar等の不活性ガスを供給するパージライン21aが設けられる。
【0110】
さらに、前記切替バルブ16Aには、Ar等の不活性ガス源に接続され、質量流量コントローラ23Aおよび24Aを含むバルブパージライン23aが接続され、前記切替バルブ16Aの第2の出口はパージライン100aを介して前記トラップ100に接続される。
【0111】
同様に、前記処理ガス導入口13Bは切替バルブ16Bの第1の出口に接続され、前記切替バルブ16Bはバルブ17B,質量流量コントローラ18B,および別のバルブ19Bを含む第1の原料供給ライン16bを介してO/Oを保持する原料容器20Bに接続される。さらに、前記第1の原料供給ライン16bに隣接して、バルブ21B,22Bを含み、Ar等の不活性ガスを供給するパージライン21bが設けられる。
【0112】
さらに、前記切替バルブ16Bには、Ar等の不活性ガス源に接続され、質量流量コントローラ23Bおよび24Bを含むバルブパージライン23bが接続され、前記切替バルブ16Bの第2の出口はパージライン100bを介して前記トラップ100に接続される。
【0113】
さらに前記処理ガス導入口13Cは切替バルブ16Cの第1の出口に接続され、前記切替バルブ16Cはバルブ17C,質量流量コントローラ18C,および別のバルブ19Cを含む第1の原料供給ライン16cを介してSiClを保持する原料容器20Cに接続される。さらに、前記第1の原料供給ライン16cに隣接して、バルブ21C,22Cを含み、Ar等の不活性ガスを供給するパージライン21cが設けられる。
【0114】
さらに、前記切替バルブ16Cには、Ar等の不活性ガス源に接続され、質量流量コントローラ23Cおよび24Cを含むバルブパージライン23cが接続され、前記切替バルブ16Cの第2の出口はパージライン100cを介して前記トラップ100に接続される。
【0115】
また、図13の基板処理装置10には成膜プロセスを制御する制御装置10Aが設けられ、前記制御装置10Aは後ほど説明するように、前記切替バルブ16A〜16Cおよびコンダクタンスバルブ15Aおよび15Bを制御する。
【0116】
図14は、図13の処理容器11を含む部分の詳細を示す。ただし図14中、図13に対応する部分は同一の参照符号で示されている。
【0117】
図14を参照するに、前記処理容器11はAl等よりなる外側容器201と石英ガラスよりなる内側反応容器202とを有し、前記内側反応容器202は、前記外側容器201中に画成され、前記外側容器201の一部を構成するカバープレート201Aにより覆われる凹部中に収められる。
【0118】
前記内側反応容器202は、前記凹部内において前記外側容器201の底面を覆う石英底板202Aと、前記凹部内において前記石英底板202Aを覆う石英カバー202Bとよりなり、さらに前記外側容器の底部には、被処理基板Wを保持したディスク状の基板保持台203が収められる円形の開口部201Dが形成されている。前記基板保持台203中には、図示を省略する加熱機構が設けられている。
【0119】
前記被処理基板W上には、前記石英カバー202Bとの間にプロセス空間11Aが画成され、前記プロセス空間11Aの高さ、すなわち前記被処理基板Wと、前記石英カバー202Bの前記被処理基板Wに面する側との距離はギャップG1である。
【0120】
前記基板保持台203は前記外側処理容器201の下部に設けられた基板搬送部204により回動自在に、また同時に上下動自在に保持されている。
【0121】
前記基板処理装置10により成膜を行う場合は、前記基板保持台203を回動することにより、被処理基板の面内での均一性が良好となる。
【0122】
前記基板保持台203は最上位のプロセス位置と最下位の基板出入位置との間を上下動可能に保持されており、前記プロセス位置は、前記保持台203上の被処理基板Wの表面が前記石英底板202Aの表面と略一致するように決定されている。
【0123】
一方、前記基板出入位置は、前記基板搬送部204の側壁面に形成された基板搬入出開口部204Aに対応して設定されており、前記基板保持台203が前記基板出入位置まで下降した場合、前記基板搬入出口204Aから搬送アーム204Bが挿入され、リフタピン(図示せず)により基板保持台203表面から持ち上げられた被処理基板Wを保持して取り出し、次の工程に送る。また、前記搬送アーム204Bは、新たな被処理基板Wを、前記基板搬入出開口部204Aを介して前記基板搬送部204中に導入し、これを前記基板保持台203上に載置する。
【0124】
前記新たな被処理基板Wを保持した基板保持台203は、軸受部205中に磁気シール205Aにより保持された回動軸205Bにより回動自在に、また上下動自在に保持されており、前記回動軸205Bが上下動する空間は、ベローズ206等の隔壁により密閉されている。その際、前記空間は図示を省略した排気口を介して前記内側容器202内部よりも高真空状態に排気され、前記内側容器202内で行われる基板処理プロセスへの汚染が回避される。
【0125】
かかる差動排気を確実に行うため、前記基板保持台203には被処理基板Wを囲むように石英ガラスよりなるガードリング203Aが設けられている。かかるガードリング203Aは、前記基板保持台203と前記外側容器201中に前記基板保持台を収容するように形成された前記開口部201Dの側壁面との間のコンダクタンスを抑制し、これにより前記ベローズ206で画成された空間内を高真空に排気した場合に前記内側反応容器202との間に差圧が確実に形成される。
【0126】
前記外側容器201の底部に形成された前記開口部201Dは、側壁面が石英ライナー201dにより覆われており、前記石英ライナー201dはさらに下方に延在して前記基板搬送部204の内壁を覆う。
【0127】
前記外側容器201の底部には、前記開口部201Dの両側にそれぞれ排気装置に接続された排気溝部201aおよび201bが形成されており、前記排気溝部201aは導管207aおよびコンダクタンスバルブ15Aを介して、また前記排気溝部201bは導管207bおよびコンダクタンスバルブ15Bを介して排気される。図14の状態では、前記コンダクタンスバルブ15Aが略閉状態に、また前記コンダクタンスバルブ15Bが開状態に設定されている。前記コンダクタンスバルブ15A,15Bは、信頼性の高い開閉状態を実現するために、閉状態といえども完全に閉鎖するのではなく3%程度の弁開度を残しておく。
【0128】
前記排気溝部201aおよび201bは石英ガラスよりなるライナー208により覆われており、前記排気溝部201a,201bに対応してスリット状の開口部209A,209Bが前記石英底板202Aに形成される。図14の実施例では、かかるスリット状の開口部209A,209Bに、図13で説明した排気口14Aあるいは14Bが形成された整流板209が、前記内側反応容器202内部の排気を促進する目的で形成されている。
【0129】
さらに前記内側反応容器202内には、石英ガスノズル13Aおよび13Bが、それぞれ前記排気溝部201aおよび201bに、前記ウェハ12を隔てて対向するように設けられている。そこで前記ガスノズル13Aから導入された第1の処理ガスは、前記内側反応容器202内を前記被処理基板12の表面に沿って流れ、対向する排気口14Aから前記コンダクタンスバルブ15Aを介して排気される。同様に前記ガスノズル15Bから導入された第2の処理ガスは、前記内側反応容器202内を前記被処理基板Wの表面に沿って流れ、対抗する排気口14Bから前記コンダクタンスバルブ15Bを介して排気される。このように第1および第2の処理ガスを交互に前記ガスノズル13Aから排気口14Aへと、あるいは前記ガスノズル13Bから排気口14Bへと流すことにより、先に説明した分子層を基本単位とする膜形成が可能になる。
【0130】
図15は、前記内側反応容器202を構成する石英底板202Aの構成を詳細に示す。
【0131】
図15を参照するに、前記石英底板202Aには前記被処理基板Wに対応した円形の開口部202aが形成されており、前記開口部202aの両側には、前記排気溝部201a,201bに対応した開口部209Aおよび209Bが形成されている。さらに図15の例では、前記開口部209A,209Bに対応して前記排気口14Aあるいは14Bを構成するスリットを有する整流板209が設けられている。また前記石英底板202Aには、前記ガスノズル13Aに対応して開口部210aが、また前記ガスノズル13Bに対応して開口部210bが形成されている。前記石英底板202Aに前記開口部210aあるいは210bを複数個形成することにより、前記内側処理容器202内に前記ガスノズル13Aあるいは13Bを複数個設けることが可能になる。
【0132】
図16は、図12,13の基板処理装置10において被処理基板W上にAl膜を略1分子層ずつ形成する際に、前記制御装置10Aの制御の下に実行される成膜プロセスを示すフローチャートである。
【0133】
図16を参照するに、最初の工程1において、前記コンダクタンスバルブ15A,15Bは開放され、前記切替バルブ16Aおよび16Bは、いずれも処理ガス供給ライン16a,16b中の処理ガスをそれぞれパージライン100aおよび100bを介してトラップ100に供給するように第1の状態、すなわちパージ状態に制御される。その結果前記石英反応容器202中には前記パージライン23a中のArガスが、また前記パージライン23b中のArガスが、それぞれ処理ガス導入口13Aおよび13Bを介して供給される。このようにして供給されたArパージガスは、それぞれ前記排気口14Aおよび14Bからトラップ100に排出される。
【0134】
次に工程2において、前記コンダクタンバルブ15Aの開度が増大され、コンダクタンスバルブ15Bの開度が減少される。その結果、前記石英反応容器202中には、前記ガス導入口13Aから排気口14Aに流れるガス流が生じる。
【0135】
次に工程3において前記切替バルブ16Aが前記第1の状態から第2の状態に切り替えられ、前記処理ガス供給ライン16a中のTMAガスが前記第1の処理ガス導入口13Aから前記石英反応容器202中に、図17に示すようにガス流LFとして導入される。このようにして導入されたTMAガス流LFは先に説明したように、前記被処理基板Wの表面を流れ、前記排気口14Aより排出される。かかる工程により、前記被処理基板Wの表面にはTMAが1分子層程度吸着される。前記工程3においては、前記第2の切替バルブ16Bは前記第1の状態にあり、ライン23a中のArパージガスが前記第2の処理ガス導入口13Bから前記石英反応容器202中に導入される。その結果、前記第1の処理ガス導入口13Aから導入されたTMAが前記第2の処理ガス導入口13Bに侵入し、析出物を生じる問題は生じない。
【0136】
次に工程4において前記切替バルブ16Aが元の第1の状態に戻され、前記反応容器202中がArガスによりパージされる。
【0137】
さらに工程5において、前記コンダクタンバルブ15Aの開度が減少され、コンダクタンスバルブ15Bの開度が増大される。その結果、前記石英反応容器202中には、前記ガス導入口13Bから排気口14Bに流れるガス流が生じる。
【0138】
次に工程6において前記切替バルブ16Bが前記第1の状態から第2の状態に切り替えられ、前記処理ガス供給ライン16b中のO/Oガスが前記第2の処理ガス導入口13Bから前記石英反応容器202中に、図18に示すようにガス流LFとして導入される。このようにして導入されたO/Oガス流LFは先に説明したように、前記被処理基板Wの表面を流れ、前記排気口14Bより排出される。かかる工程により、前記被処理基板Wの表面において、先に吸着していたTMAが加水分解され、約1分子層厚さのAl膜が形成される。前記工程6においては、前記第1の切替バルブ16Aは前記第1の状態にあり、ライン23a中のArパージガスが前記第2の処理ガス導入口13Aから前記石英反応容器202中に導入される。その結果、前記第2の処理ガス導入口13Bから導入されたO/Oガスが前記第1の処理ガス導入口13Aに侵入し、析出物を生じる問題は生じない。
【0139】
また、成膜の際は、前記基板保持台203を回動させることにより、前記ガス流LF、LFの不均一性が成膜に与える影響を小さくすることができ、形成される膜の均一性を向上させることができる。
【0140】
また、本実施例では第1の処理ガスにTMA、第2の処理ガスにO/Oを用いてAlを形成する例、すなわち金属酸化膜を形成する例を示したが、同様の方法で金属窒化膜を形成することも可能である。例えば第1の処理ガスにTiCl、第2の処理ガスにNHを用いることにより、TiN膜を形成することも可能である。また他に、TaN、AlNなども形成することが可能である。
【0141】
本実施例においても、前記成膜装置300および前記成膜装置400の場合と同様に、処理ガスを被処理基板に吸着させることによって成膜を行う、表面反応を用いた成膜を行う場合は、被処理基板表面を流れる処理ガスの流速が早い場合に、処理ガスの吸着の効率がよく、さらに処理ガスの利用効率を向上させることができる。
【0142】
すなわち、前記ガス流LFをおよび前記ガス流LFのなど処理ガスの流れを処理ガス流F12とすると、図8に前記した場合と同様に、被処理基板W上に形成される境界層の厚さδ12は、前記処理ガス流F12の流速に依存し、流速が増大すると減少する。前記境界層の厚さδ12が減少すると、前記処理ガス流Fから放出された処理ガス分子であるTMA分子やO/O分子が境界層中を拡散して前記被処理基板Wの表面に到達するまでの時間が短縮され、所定時間により多くの処理ガス分子、すなわちTMA分子およびスO/O分子が被処理基板の表面に到達することになる。その結果、原料の利用効率が向上する。
【0143】
このような処理ガス流F12の流速は、前記プロセス空間11Aの高さ、すなわち前記ギャップG1を減少させることにより増大させることができる。
【0144】
図19は、このようなギャップG1と、前記被処理基板Wの表面がTMA分子で飽和するまでのTMAガス供給時間との関係を示す。ただし図19中、横軸は前記処理容器11内の前記プロセス空間11Aの容積を示しているが、前記プロセス空間11Aの径は同一に維持されるので、前記プロセス空間11Aの容積は前記キャップG1に対応する。一方図19中、縦軸は被処理基板表面が吸着したTMA分子で飽和するまでのTMAガスの供給時間を示しており、この値が小さい程、短時間で飽和吸着が実現され、また供給したTMAガスのうち基板表面に吸着したものの割合を示す吸着率が増大する。
【0145】
図19を参照するに、ギャップG1が40mmの場合にTMA分子の吸着率は13%であるのに対し、ギャップG1が20mmの場合には吸着率は14%に向上するのがわかる。さらに前記ギャップG1が8mmまで減少した場合、吸着率は30%にまで向上する。図19中、▲3▼は被処理基板Wに吸着されるTMA分子の割合を、▲4▼は被処理基板Wに吸着されずに排出されるTMA分子の割合を示している。
【0146】
このように、前記ギャップG1を減少させることにより前記プロセス空間において被処理基板Wの表面に形成される前記境界層の厚さδ12が減少し、吸着率が向上することで成膜工程の際の処理ガスの利用効率が向上することが確認される。
【0147】
また、処理ガスの利用効率が向上することで、処理時間を短縮することが可能となり、例えば、前記被処理基板W上にTMAが飽和吸着する時間は、ギャップGが40mmの場合、0.5秒であったのに対して、ギャップGを8mmとすると0.1秒に短縮することが可能になっており、処理ガスの利用効率を向上させると共に、成膜時間を短縮して効率のよい成膜を行う事が可能となる。
【0148】
一方、前記ギャップG1をさらに減少させ、プロセス空間の容積を約0.5リットル以下に設定した場合には、前記したようなギャップG1を小さくすることによってガス流速を増大させる効果はなくなる。このような傾向に関して、以下に詳細を説明する。
【0149】
前記したようなギャップG1に対して処理ガス流F12の流速が変化する状態を、図20に示す。図20を参照するに、曲線l3は処理ガスの流量が0.5Lの場合を示し、曲線l4は処理ガスの流量が5Lの場合を示すが、それぞれの場合において、すなわち処理ガス流量が0.5〜5Lの範囲において同様の傾向を示しており、例えば、前記したようにギャップG1を小さくするに従い、流速が増大していくことがわかる。
【0150】
また、前記したようなギャップG1を小さくすることにより流速が増大し、処理ガスの利用効率を上昇させる効果が大きくなるのはギャップG1を8mm程度とした場合からであり、さらに処理ガスの利用効率を向上させる効果が顕著となる流速50m/secでは、ギャップを3.5mm程度とする必要がある。
【0151】
しかし、さらに流速を増大させようとして、さらにギャップを小さくした場合、ギャップが0.5mm程度とした場合に、流速が図中領域M示す、略音速領域となり、ギャップを狭めることにより流速を増大させる効果が収束すると考えられる。
【0152】
このため、前記第1の処理ガスおよび第2の処理ガスを前記プロセス空間に前記被処理基板W上を流れるように供給する場合、ギャップを0.5〜8mmの範囲とするのが好ましく、処理ガスの利用効率が向上する。さらに、より好ましくは、処理ガスの利用効率がより向上する効果が得られる第1の処理ガスおよび第2の処理ガスの流速が50m/sec〜略音速とするために、前記ギャップG1を0.5mm〜3.5mmの範囲に設定するのがよい。
【0153】
また、この場合、例えば図21に示すように、処理ガスが流れる空間を、処理ガスが流れる方向に向かって狭くするような形状にして、処理ガスの吸着を均一にすることも可能である。ただし図中、先に説明した部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0154】
図21を参照するに、前記プロセス空間11Aの高さが、処理ガスが流れる方向に従い、狭くなる形状となっている。このため、前記処理空間の、前記被処理基板から前記天井面までの高さがガスの流れ方向に従い、狭くなっていくことにより、被処理基板上に形成される境界層の厚みは次第に減少していく。従って、流れ方向で原料濃度が減少していったとしても、境界層を連続的に薄くすることにより、原料の使用効率を増大させて基板への吸着効率を上げ、結果的に一定な吸着率を得ることができる。
【0155】
以上の説明では本発明をAl膜の形成を例に説明したが、本発明はかかる特定の系の成膜に限定されるものではなく、ZrO膜、HfSiO膜、ZrSiO膜、Ta膜、TaN膜、AlN膜、TiN膜等、様々な膜の形成に適用が可能である。
【0156】
また、以上に説明した本発明の基板処理装置および処理方法は、被処理基板表面に膜を1分子層ずつ積層するいわゆるALDプロセスにおいて非常に有用であるが、MOCVD法などの原子層成長に限定されない成膜プロセスに対しても、吸着工程を利用するような工程を含む場合は有効である。
【0157】
以上、本発明を好ましい実施例について説明したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した要旨内において様々な変形・変更が可能である。
【0158】
【発明の効果】
本発明によれば、被処理基板上に成膜を行う際に、被処理基板上に形成される処理ガスが供給される処理空間を小さくし、成膜に利用される処理ガスの利用効率を向上させて、生産性の良好な成膜を行う事が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の基板処理装置の概略図である。
【図2】(A),(B)は、従来の成膜方法と本発明による成膜方法を示した図である。
【図3】本発明による基板処理装置の概略を示した図(その1)である。
【図4】図3の基板処理装置の排気方法を示した図である。
【図5】図3の基板処理装置の変更例を示した図である。
【図6】表面反応を用いた成膜方法を模擬的に示した図である。
【図7】本発明による成膜方法のフローチャートを示した図(その1)である。
【図8】図3の基板処理装置の動作を説明する図である。
【図9】図3の基板処理装置の処理ガスの流速と、処理ガスが飽和吸着するための供給時間の関係を示す図である。
【図10】図3の基板処理装置のギャップと処理ガスの流速の関係を示す図である。
【図11】本発明による基板処理装置の概略を示す図(その2)である。
【図12】図11の装置で用いる処理ガス導入リングの斜視図である。
【図13】本発明による基板処理装置のガス・排気の系統図である。
【図14】本発明による基板処理装置の概略図(その3)である。
【図15】図14の基板処理装置で用いられる処理容器内部の部品を示す図である。
【図16】本発明による成膜方法のフローチャートを示した図(その2)である。
【図17】図14の基板処理装置の処理ガスの流れを示した図(その1)である。
【図18】図14の基板処理装置の処理ガスの流れを示した図(その2)である。
【図19】図14の基板処理装置の処理ガスの流速と、処理ガスが飽和吸着するための供給時間の関係を示す図である。
【図20】図14の基板処理装置のギャップと処理ガスの流速の関係を示す図である。
【図21】図14の基板処理装置の変更例である。
【符号の説明】
10,300,400,500 基板処理装置
Wf,W 被処理基板
13A,13B,13C 処理ガス導入口
14A,14B 排気口
16A,16B,16C 切替バルブ
15A,15B コンダクタンスバルブ
10A 制御装置
11 処理容器
16a 第1の処理ガス供給ライン
16b 第2の処理ガス供給ライン
16c 第3の処理ガス供給ライン
311,312,320 ガスライン
313,407 排気ライン
314,408 排気管
304A 処理ガス供給口
11A,301A,401A プロセス空間
17A,17B,17C,19A,19B,19C,21A,22A,21B,22B,21C,22C,24A,24B,24C,514A,514B,308,309,310,319,409,410,411 バルブ
18A,18B,18C,23A,23B,23C 質量流量コントローラ
21a,21b,21c,23a,23b,23c,100a,100b,100c パージライン
20A,20B,20C 原料容器
321,322,323,324 ガス供給源
100 トラップ
11,511,301,401 処理容器
304,404 天井部
404A 排気口
303 中間容器
303A 排気空間
305,403 下部容器
405 処理ガス導入リング
405A ガス穴
306 排気プレート
306A 排気穴
201 外側容器
201A カバープレート
201D 開口部
201a,201b 排気溝部
201d 石英ライナー
202 石英反応容器
202A 石英底板
202B 石英カバー
203,302,511A,E3 保持台
511a ヒータ
203A ガードリング
204 基板搬送部
204A 基板搬送口
204B 搬送アーム
205,317 軸受部
205A,318 磁気シール
205B,316 回動軸
206,315 ベローズ
511B,E1 処理ガス供給部
511b シャワーヘッド
511C 排気口
512 ターボ分子ポンプ
513 ドライポンプ
Ga,Gb,G,G1 ギャップ
F1,Fa,Fb ガス流
E2 天井面
δ 境界層厚さ
B 境界層

Claims (31)

  1. 被処理基板に成膜する成膜方法であって、
    前記被処理基板表面に処理ガスを吸着させる吸着工程を含み、前記吸着工程において前記処理ガスは前記被処理基板表面に沿って供給され、前記処理ガスが前記被処理基板に沿って流れる流速が50m/sec以上で音速程度以下であることを特徴とする成膜方法。
  2. 前記被処理基板に成膜する基板処理装置は、前記被処理基板を保持する保持台を内部に有する処理容器を有し、前記処理容器には前記処理ガスを前記処理容器内に供給する処理ガス供給口と、前記処理ガスを前記処理容器内から排気する排気口が設けられ、前記処理ガス供給口から供給される前記処理ガスは前記被処理基板に沿って流れ、前記排気口より排気されることを特徴とする請求項1記載の成膜方法。
  3. 前記処理容器内の、前記被処理基板表面に対向する側には前記被処理基板と略平行に天井面が形成され、前記処理ガスは前記被処理基板と前記天井面の間に形成される処理空間を流れることを特徴とする請求項1または2記載の成膜方法。
  4. 前記処理空間の、前記被処理基板から前記天井面までの高さが0.5〜3.5mmであることを特徴とする請求項3記載の成膜方法。
  5. 前記被処理基板から前記天井面までの高さが、前記処理ガスの流れ方向に向かって減少し、前記高さが最も小さくなった部分が0.5〜3.5mmであることを特徴とする請求項4項記載の成膜方法。
  6. さらに、前記被処理基板表面に別の処理ガスを吸着させる別の吸着工程を含み、前記別の吸着工程において前記別の処理ガスは前記被処理基板表面に供給され、前記別の処理ガスが前記被処理基板表面に沿って流れる流速が50m/sec以上で音速程度以下であることを特徴とする請求項1〜5のうち、いずれか1項記載の成膜方法。
  7. 前記処理ガスは金属を含むガスで、前記別の処理ガスは前記処理ガスを酸化する酸化ガスであり、前記吸着工程で前記被処理基板表面に吸着した前記処理ガスは、前記別の吸着工程で前記酸化ガスによって酸化されることを特徴とする請求項6記載の成膜方法。
  8. 前記処理ガスは金属を含むガスで、前記別の処理ガスは前記処理ガスを窒化する窒化ガスであり、前記吸着工程で前記被処理基板表面に吸着した前記処理ガスは、前記別の吸着工程で前記窒化ガスによって窒化されることを特徴とする請求項6記載の成膜方法。
  9. 前記吸着工程と、前記別の吸着工程が、交互に繰り返されることを特徴とする請求項6〜8のうち、いずれか1項記載の成膜方法。
  10. 前記処理ガス供給口は前記天井面に形成されていることを特徴とする請求項3〜9のうち、いずれか1項記載の成膜方法。
  11. 前記処理ガス供給口の中心は、前記天井面の、前記被処理基板の略中心に対応する位置に形成されていることを特徴とする請求項10記載の成膜方法。
  12. 前記排気口は、前記処理容器内の、前記天井面に対向する下面に設けられ、前記保持台を囲むように複数形成されていることを特徴とする請求項10または11記載の成膜方法。
  13. 前記処理ガス供給口は、前記被処理基板を囲むように複数形成されることを特徴とする請求項3〜9のうち、いずれか1項記載の成膜方法。
  14. 前記排気口は、前記天井面に形成されることを特徴とする請求項13記載の成膜方法。
  15. 前記排気口の中心は、前記天井面の、前記被処理基板の略中心に対応する位置に形成されていることを特徴とする請求項14記載の成膜方法。
  16. 前記処理容器中、前記処理ガス供給口は前記保持台の第1の側に形成され、前記排気口は前記第1の側に対向する前記保持台の第2の側に形成され、前記処理ガスは前記処理ガス供給口より前記被処理基板表面を流れるように供給されて、前記排気口より排気され、
    さらに前記第2の側には別の処理ガス供給口が形成され、当該別の処理ガス供給口からは前記別の処理ガスが前記被処理基板表面を流れるように供給されて、前記第1の側に形成された別の排気口から排気されることを特徴とする請求項6〜9のうち、いずれか1項記載の成膜方法。
  17. 前記排気口および前記別の排気口は、それぞれ前記処理ガスおよび別の処理ガスの流れ方向に略直行する方向に延在するスリット状の開口部よりなることを特徴とする請求項16記載の成膜方法。
  18. 処理容器と、
    前記処理容器中に、被処理基板を保持可能に設けられた保持台と、
    前記処理容器中、前記被処理基板と略平行に設けられた天井面と、
    前記天井面に形成され、前記処理容器中に処理ガスを、前記保持台に保持された被処理基板の略中心から周縁部に向かって前記被処理基板表面に沿って流れるように供給する処理ガス供給口と、
    前記処理容器中、前記天井面と対向する下面に形成された、前記処理容器を排気する排気口とを有し、
    前記被処理基板と前記天井面の間には前記処理ガスが供給される処理空間が画成され、前記処理空間の前記被処理基板から前記天井面までの高さが0.5〜8mmであることを特徴とする基板処理装置。
  19. 前記高さが0.5〜3.5mmであることを特徴とする請求項18記載の基板処理装置。
  20. 前記処理ガス供給口の中心は、前記天井面の、前記被処理基板の略中心に対応する位置に形成されていることを特徴とする請求項18または19記載の基板処理装置。
  21. 前記排気口は、前記保持台を囲むように複数形成されていることを特徴とする請求項18〜20のうち、いずれか1項記載の基板処理装置。
  22. 前記保持台は回動自在の構造であることを特徴とする請求項18〜21のうち、いずれか1項記載の基板処理装置。
  23. 処理容器と、
    前記処理容器中に、被処理基板を保持可能に設けられた保持台と、
    前記処理容器中、前記被処理基板と略平行に設けられた天井面と、
    前記処理容器の側壁面に形成され、前記処理容器中に処理ガスを、前記保持台に保持された前記被処理基板の周縁部からに略中心向かって前記被処理基板表面に沿って流れるように供給する処理ガス供給口と、
    前記天井面に形成された、前記処理容器を排気する排気口とを有し、
    前記被処理基板と前記天井面の間には前記処理ガスが供給される処理空間が画成され、前記処理空間の前記被処理基板から前記天井面までの高さが0.5〜8mmであることを特徴とする基板処理装置。
  24. 前記高さが0.5〜3.5mmであることを特徴とする請求項23記載の基板処理装置。
  25. 前記排気口の中心は、前記天井面の、前記被処理基板の略中心に対応する位置に形成されていることを特徴とする請求項23または24記載の基板処理装置。
  26. 前記処理ガス供給口は、前記保持台を囲むように複数形成されていることを特徴とする請求項23〜25のうち、いずれか1項記載の基板処理装置。
  27. 前記保持台は回動自在の構造であることを特徴とする請求項23〜26のうち、いずれか1項記載の基板処理装置。
  28. 処理容器と、
    前記処理容器中に、被処理基板を保持可能に設けられた保持台と、
    前記処理容器中、前記被処理基板と略平行に設けられた天井面と、
    前記処理容器中、前記保持台の第1の側に形成され、前記保持台上の前記被処理基板表面に第1の処理ガスを、前記第1の処理ガスが前記被処理基板表面に沿って、前記第1の側から前記第1の側に対向する第2の側に向かって流れるように供給する第1の処理ガス供給口と、
    前記処理容器中、前記保持台の第2の側に形成された第1の排気口と、
    前記処理容器中、前記保持台の前記第2の側に形成され、前記保持台上の前記被処理基板表面に第2の処理ガスを、前記第2の処理ガスが前記被処理基板表面に沿って、前記第2の側から前記第1の側に向かって流れるように供給する第2の処理ガス供給口と、
    前記処理容器中、前記保持台の前記第1の側に形成された第2の排気口とを備え、
    前記被処理基板と前記天井面の間に前記第1の処理ガスおよび第2の処理ガスが供給される処理空間が画成され、前記処理空間の前記被処理基板から前記天井面までの高さが0.5〜8mmであることを特徴とする基板処理装置。
  29. 前記高さが0.5〜3.5mmであることを特徴とする請求項28記載の基板処理装置。
  30. 前記第1の排気口および第2の排気口は、それぞれ前記第1の処理ガスおよび第2の処理ガスの流れ方向に略直行する方向に延在するスリット状の開口部よりなることを特徴とする請求項28または29記載の基板処理装置。
  31. 前記保持台は回動自在の構造であることを特徴とする請求項28〜30のうち、いずれか1項記載の基板処理装置。
JP2003079485A 2003-03-24 2003-03-24 成膜方法および基板処理装置 Ceased JP2004288899A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003079485A JP2004288899A (ja) 2003-03-24 2003-03-24 成膜方法および基板処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003079485A JP2004288899A (ja) 2003-03-24 2003-03-24 成膜方法および基板処理装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004288899A true JP2004288899A (ja) 2004-10-14

Family

ID=33293589

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003079485A Ceased JP2004288899A (ja) 2003-03-24 2003-03-24 成膜方法および基板処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004288899A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007103966A (ja) * 2006-12-27 2007-04-19 Hitachi Kokusai Electric Inc 基板処理装置
JPWO2005117083A1 (ja) * 2004-05-27 2008-07-31 東京エレクトロン株式会社 基板処理装置
WO2009104732A1 (ja) * 2008-02-20 2009-08-27 東京エレクトロン株式会社 ガス供給装置
JP2010272765A (ja) * 2009-05-22 2010-12-02 Tokyo Electron Ltd 熱処理装置
WO2013088680A1 (ja) * 2011-12-14 2013-06-20 東京エレクトロン株式会社 成膜装置
US8598047B2 (en) 2003-08-15 2013-12-03 Hitachi Kokusai Electric Inc. Substrate processing apparatus and producing method of semiconductor device
JP2017224850A (ja) * 2017-08-22 2017-12-21 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドApplied Materials,Incorporated エピタキシャル成長による成膜方法、および、エピタキシャル成長装置
JP2019071497A (ja) * 2019-02-13 2019-05-09 豊田合成株式会社 半導体装置およびその製造方法
CN113140480A (zh) * 2020-01-19 2021-07-20 聚昌科技股份有限公司 具有提升温度均匀性上盖导流板的晶圆加热模块
US11427928B2 (en) 2013-03-14 2022-08-30 Applied Materials, Inc. Lower side wall for epitaxtail growth apparatus

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02279589A (ja) * 1989-04-19 1990-11-15 Sumitomo Metal Ind Ltd 気相成長装置
JPH02291114A (ja) * 1989-04-29 1990-11-30 Toyoda Gosei Co Ltd 化合物半導体膜の気相成長装置
JPH0574724A (ja) * 1991-09-12 1993-03-26 Toppan Printing Co Ltd アルミニウム化合物の原子層成長方法
JPH05152207A (ja) * 1991-11-28 1993-06-18 Toshiba Mach Co Ltd 気相成長方法
JPH05304098A (ja) * 1992-04-28 1993-11-16 Matsushita Electric Ind Co Ltd 量子ドット結晶成長装置および半導体装置の製造方法
JPH08139046A (ja) * 1994-11-09 1996-05-31 Hitachi Ltd 熱処理装置
JPH08181076A (ja) * 1994-10-26 1996-07-12 Fuji Xerox Co Ltd 薄膜形成方法および薄膜形成装置
JPH08306632A (ja) * 1995-04-27 1996-11-22 Shin Etsu Handotai Co Ltd 気相エピタキシャル成長装置
JPH11335868A (ja) * 1998-05-20 1999-12-07 Seiko Epson Corp 表面処理方法及び装置
JP2000306846A (ja) * 1999-04-19 2000-11-02 Kokusai Electric Co Ltd 基板処理装置

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02279589A (ja) * 1989-04-19 1990-11-15 Sumitomo Metal Ind Ltd 気相成長装置
JPH02291114A (ja) * 1989-04-29 1990-11-30 Toyoda Gosei Co Ltd 化合物半導体膜の気相成長装置
JPH0574724A (ja) * 1991-09-12 1993-03-26 Toppan Printing Co Ltd アルミニウム化合物の原子層成長方法
JPH05152207A (ja) * 1991-11-28 1993-06-18 Toshiba Mach Co Ltd 気相成長方法
JPH05304098A (ja) * 1992-04-28 1993-11-16 Matsushita Electric Ind Co Ltd 量子ドット結晶成長装置および半導体装置の製造方法
JPH08181076A (ja) * 1994-10-26 1996-07-12 Fuji Xerox Co Ltd 薄膜形成方法および薄膜形成装置
JPH08139046A (ja) * 1994-11-09 1996-05-31 Hitachi Ltd 熱処理装置
JPH08306632A (ja) * 1995-04-27 1996-11-22 Shin Etsu Handotai Co Ltd 気相エピタキシャル成長装置
JPH11335868A (ja) * 1998-05-20 1999-12-07 Seiko Epson Corp 表面処理方法及び装置
JP2000306846A (ja) * 1999-04-19 2000-11-02 Kokusai Electric Co Ltd 基板処理装置

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8598047B2 (en) 2003-08-15 2013-12-03 Hitachi Kokusai Electric Inc. Substrate processing apparatus and producing method of semiconductor device
JPWO2005117083A1 (ja) * 2004-05-27 2008-07-31 東京エレクトロン株式会社 基板処理装置
JP4652327B2 (ja) * 2004-05-27 2011-03-16 東京エレクトロン株式会社 基板処理装置
JP2007103966A (ja) * 2006-12-27 2007-04-19 Hitachi Kokusai Electric Inc 基板処理装置
TWI498988B (zh) * 2008-02-20 2015-09-01 Tokyo Electron Ltd A gas supply device, a film forming apparatus, and a film forming method
WO2009104732A1 (ja) * 2008-02-20 2009-08-27 東京エレクトロン株式会社 ガス供給装置
JP2009224775A (ja) * 2008-02-20 2009-10-01 Tokyo Electron Ltd ガス供給装置、成膜装置及び成膜方法
CN101772833B (zh) * 2008-02-20 2012-04-18 东京毅力科创株式会社 气体供给装置
KR101204614B1 (ko) * 2008-02-20 2012-11-23 도쿄엘렉트론가부시키가이샤 가스 공급 장치, 성막 장치, 및 성막 방법
US8945306B2 (en) 2008-02-20 2015-02-03 Tokyo Electron Limited Gas supply device
JP2010272765A (ja) * 2009-05-22 2010-12-02 Tokyo Electron Ltd 熱処理装置
WO2013088680A1 (ja) * 2011-12-14 2013-06-20 東京エレクトロン株式会社 成膜装置
US11427928B2 (en) 2013-03-14 2022-08-30 Applied Materials, Inc. Lower side wall for epitaxtail growth apparatus
JP2017224850A (ja) * 2017-08-22 2017-12-21 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドApplied Materials,Incorporated エピタキシャル成長による成膜方法、および、エピタキシャル成長装置
JP2019071497A (ja) * 2019-02-13 2019-05-09 豊田合成株式会社 半導体装置およびその製造方法
CN113140480A (zh) * 2020-01-19 2021-07-20 聚昌科技股份有限公司 具有提升温度均匀性上盖导流板的晶圆加热模块

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI523970B (zh) 成膜裝置(一)
KR101425253B1 (ko) 성막 장치, 성막 방법 및 컴퓨터 판독 가능한 기억 매체
KR101324367B1 (ko) 성막 장치, 성막 방법 및 컴퓨터 판독 가능 기억 매체
KR101588083B1 (ko) 성막 방법
JP5141607B2 (ja) 成膜装置
US11047044B2 (en) Film forming apparatus and film forming method
JP5262452B2 (ja) 成膜装置及び基板処理装置
CN104821283B (zh) 衬底处理装置以及半导体装置的制造方法
JP2004006733A (ja) 基板処理装置および基板処理方法、高速ロータリバルブ、クリーニング方法
KR20110074700A (ko) 성막 장치 및 성막 방법
KR20170007132A (ko) 기판 처리 장치
JP2010135510A (ja) 成膜装置
TW201606118A (zh) 成膜裝置
JP2004288899A (ja) 成膜方法および基板処理装置
JP4361921B2 (ja) 基板処理装置
US20210087684A1 (en) Deposition apparatus and deposition method
KR101734779B1 (ko) 성막 방법
US11702739B2 (en) Film deposition method and film deposition apparatus
JP2004288900A (ja) 基板処理装置および基板処理方法、ガスノズル
US20230069624A1 (en) Apparatus for performing film forming process on substrate, and method of exhausting processing gas from apparatus for performing film forming process on substrate
KR100810783B1 (ko) 기판 처리 장치 및 기판 처리 방법
JP6441050B2 (ja) 成膜方法
JP2003338497A (ja) 基板処理装置および基板処理方法
JP2025021970A (ja) 成膜方法、および成膜装置
JP2016129243A (ja) 成膜方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060308

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080626

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090127

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090310

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100223

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100426

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20100512

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101026

A313 Final decision of rejection without a dissenting response from the applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A313

Effective date: 20110131

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20110304