JP2004287132A - 光学素子及び分光素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構造で、迷光が少ない光学素子を提供する。
【解決手段】波長域がλ1〜λ3の入射光は、上部からフォトニック結晶構造部分の入射面3に入射し、結晶内を波長ごとに異なる方向に進行し、フォトニック結晶部分の出射面4の波長毎に異なる位置からフォトニック結晶構造外に出射する。この波長分散素子においては、A部の光路のみが必要とされるが、実際には破線で示すように結晶構造と通常媒質界面である出射面4で反射が生じ、これが迷光となる。この迷光はA部では直進するが、B部に達すると、進行するにつれて進行方向が図のように曲がり、入射面3で反射された迷光λ’1は、A部に入り込むことはない。よって、迷光により分光素子の特性が悪化するのを、抑えることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】波長域がλ1〜λ3の入射光は、上部からフォトニック結晶構造部分の入射面3に入射し、結晶内を波長ごとに異なる方向に進行し、フォトニック結晶部分の出射面4の波長毎に異なる位置からフォトニック結晶構造外に出射する。この波長分散素子においては、A部の光路のみが必要とされるが、実際には破線で示すように結晶構造と通常媒質界面である出射面4で反射が生じ、これが迷光となる。この迷光はA部では直進するが、B部に達すると、進行するにつれて進行方向が図のように曲がり、入射面3で反射された迷光λ’1は、A部に入り込むことはない。よって、迷光により分光素子の特性が悪化するのを、抑えることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はフォトニック結晶を使用した光学素子、及び分光素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、高分解能で分光を行うために、フォトニック結晶を利用することが提案され、例えば、特開平11−271541号公報(特許文献1)、特開2002−71982号公報(特許文献2)、特願2002−289962号公報(特許文献3)に記載されている。フォトニック結晶は、第1の媒質(背景媒質)中に異なった屈折率を有する第2の媒質(原子媒質)が光の波長程度の周期で配列された結晶構造を有している。図4に2次元フォトニック結晶の例を示す。背景媒質1の中に、円筒状の原子媒質2が、正方格子状に並んでいる。格子間隔はaであり、円筒の半径rは、格子間隔aの1/2よりもわずかに小さくされている。この例においては、背景媒質1の屈折率はnであり、原子媒質2としては空気を使用している。
【0003】
このフォトニック結晶は異常分散という性質を持つことがあり、同一入射角での入射光でも、波長が微小に変化しただけで、結晶内での進行方向が大きく変化することがあることが知られている(スーパープリズム効果)。したがって、フォトニック結晶を用いることにより、高分解能を有し、かつ小型の分光素子を作成することができる。
【0004】
【特許文献1】特開平11−271541号公報
【特許文献2】特開2002−71982号公報
【特許文献3】特願2002−289962号公報
【特許文献4】特開2002−71981号公報
【特許文献5】特開2001−91701号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、フォトニック結晶に光を入射させ、分散した光を取り出す際に、入射面と出射面での反射率が大きくなることがある。特に異常分散を用いる場合は、バンド端に近く、有効屈折率の大きな部分でフォトニック結晶を使用することが多いため、この傾向は顕著である。分光素子においては、表面反射率が高いと素子の光透過効率が下がることに加え、素子内で反射した光が迷光となって、信号光の検出に影響を与えることが問題となる。
【0006】
この様子を図5に示す。波長λ1〜λ3の波長分布を有する光がフォトニック結晶に入射すると、異常分散のため、大きくその進行方向が変化する。即ち、図に示すように、フォトニック結晶の入射面3で、入射光は波長毎に分光され、波長によって定まる方向に直進する。そして、分光された波長λ1〜λ3の光は、フォトニック結晶を出射するときは、再び入射光と同じ進行方向に進行する。
【0007】
このとき、出射面4で反射された波長λ1の光は、図に示すように入射面3で反射され、再び出射面4に戻ってくる(λ’1)。そして、図において波長λ3の光が出射する点に近い点から出射する。よって、このような、出射面4で反射された迷光(λ’1)により、波長分解性能が劣化するという問題点がある。
【0008】
このような問題点を解決する方法として、特開2002−71981号公報(特許文献4)などには、結晶の端部での構造を変形させることによって結晶表面での反射を抑える技術が開示されている。しかし、この方法ではフォトニック結晶の平均屈折率を連続的に変化させる必要があるため、フォトニック結晶の端の部分では十分に細かな構造が必要となる。可視光〜近赤外の波長帯を対象とした構造の場合、そのような非対称かつ微細な構造を精度良く作成するのは困難であるという問題点がある。
【0009】
一方、フォトニック結晶の異常分散を利用する光学素子においては、その性質上、光学素子や入射条件の変化に対する制限が厳しく、これらが微小に変化しただけで光線の経路が大きく変化してしまい、目的の性能が示せなくなるという問題点がある。
【0010】
この問題に関しては、特開2001−91701号公報(特許文献5)などには、素子の構造の周期を一定方向に向けて徐々に変化させることにより、素子をその方向に移動させることによって特定の波長に対する異常分散を起こさせるようにしている。しかしながら、この方法では素子を移動させる機構が必要となる上、素子の構造内にむらがあるような場合には必ずしも適用することはできない。
【0011】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、簡単な構造で、迷光が少ない光学素子、これを利用した波長分解性能が良い分光素子、入射光の波長や入射角が微小変化した場合でも大きく特性が変わらない光学素子、小型化の可能な分光素子を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための第1の手段は、使用される波長域でバンドギャップを持たないフォトニック結晶構造を有し、前記フォトニック結晶構造のうちで素子の機能上必要な部分の周囲においてフォトニック結晶の構造が徐々に変化する部分を有し、当該変化は、機能上不必要な光を系外に排除するような変化とされていることを特徴とする光学素子(請求項1)である。
【0013】
本手段においては、素子の機能上必要とされる光が通過する部分においては、フォトニック結晶の構造が、所定の規則正しい構造を有している。よって、素子の機能上必要とされる光は、設計に従った光路を通過し、設計に従った変化を受けることができる。しかし、素子の機能上必要とされる光が通過する部分の周囲には、フォトニック結晶の構造が徐々に変化する部分が設けられているので、この領域に入り込んだ光(迷光等)は、この構造が徐々に変化する部分の作用を受けて、系外(即ち、素子の機能上必要とされる領域外)に排除される。よって、余分な光が必要とされる光に混じり込むことが無くなるので、光学素子の性能を向上させることができる。なお、フォトニック結晶の構造が変化する部分においては、その構造が徐々に変化するので、この部分において反射が起こることが少ない。
【0014】
前記課題を解決するための第2の手段は、前記第1の手段である光学素子からなり、分光機能を有することを特徴とする分光素子(請求項2)である。
【0015】
本手段においては、従来技術の問題点で述べたような迷光が系外に排除されるので、優れた分光特性を有する分光素子とすることができる。
【0016】
前記課題を解決するための第3の手段は、前記第2の手段であって、背景媒質の中に原子媒質を格子状に配列してなり、格子間隔は一定とされており、入射して分光された光の通路に当たる領域においては各原子媒質の寸法は同一とされ、前記領域に隣接する領域であって、光の出射側界面で反射された光が通過する領域の所定の部分では、前記原子媒質の寸法が徐々に変化する構造とされていることを特徴とするもの(請求項3)である。
【0017】
本手段においては、入射して分光された光の通路に当たる領域においては各原子媒質の寸法は同一とされ、かつ、格子間隔も一定であるので、公知のフォトニック結晶が有するような分光特性を有する。そして、この光が出射側の界面で反射された光が、この領域の外に出たとき、この領域に隣接する領域の所定の部分が、前記原子媒質の寸法が徐々に変化する構造とされているので、光の進行方向が変化し、入射側界面で反射されて、再び出射側界面に戻ってきたときは、分光された光が出射する部分と異なる位置に到達する。よって、迷光により分光特性が悪化することを防止できる。
【0018】
前記課題を解決するための第4の手段は、使用される波長域でバンドギャップを持たないフォトニック結晶構造を有し、波長に応じて光の進行方向を変える機能を有する光学素子であって、その少なくとも一部において、光の進行方向に向かってフォトニック結晶の構造が徐々に変化し、当該変化は、波長に応じた光の進行方向の変化の度合いが、フォトニック結晶の構造が変化しないときより小さくなるような変化とされていることを特徴とする光学素子(請求項4)である。
【0019】
本手段においては、フォトニック結晶の構造の変化は、波長に応じた光の進行方向の変化の度合いが、フォトニック結晶の構造が変化しないときより小さくなるような変化とされている。よって、入射する波長に微小なずれがあっても、その光路の変化は、従来知られている規則的な結晶構造を有するフォトニック結晶における光路の変化より小さくなる。従って、例えば所定の波長を有する光を特定の方向に進行させるためにフォトニック結晶からなる光学素子を使用するような場合に、本手段によれば、波長の微小変化に対する特性の変化を小さく抑えることができる。
【0020】
前記課題を解決するための第5の手段は、使用される波長域でバンドギャップを持たないフォトニック結晶構造を有し、光の入射角に応じて光の進行方向を変える機能を有する光学素子であって、その光路の少なくとも一部において、光の進行方向に向かってフォトニック結晶の構造が徐々に変化し、当該変化は、入射角に応じた光の進行方向の変化の度合いが、フォトニック結晶の構造が変化しないときより小さくなるような変化とされていることを特徴とする光学素子(請求項5)である。
【0021】
本手段においては、フォトニック結晶の構造の変化は、光の入射角に応じた光の進行方向の変化の度合いが、フォトニック結晶の構造が変化しないときより小さくなるような変化とされている。よって、入射する光の入射角に微小なずれがあっても、その光路の変化は、従来知られている規則的な結晶構造を有するフォトニック結晶における光路の変化より小さくなる。これにより、入射角変化に対する特性の変化を小さく抑えることができる。従って、例えば所定の入射角を有する光を特定の方向に進行させるためにフォトニック結晶からなる光学素子を使用するような場合に、本手段によれば、入射角の微小変化に対する特性の変化を小さく抑えることができる。
【0022】
前記課題を解決するための第6の手段は、前記第4の手段、又は第5の手段での光学素子であって、背景媒質の中に原子媒質を格子状に配列してなり、格子間隔は一定とされており、光の通路にあたる少なくとも一部の領域においては、前記原子媒質の寸法が徐々に変化する構造とされていることを特徴とするもの(請求項6)である。
【0023】
本手段においては、格子間隔は一定とされており、入射して分光された光の通路に当たる領域のうち少なくとも一部の領域においては、前記原子媒質の寸法が徐々に変化する構造とされているので、容易に前記第4の手段、又は第5の手段に必要な特性を持たせることができる。
【0024】
前記課題を解決するための第7の手段は、前記第4の手段又は第6の手段に記載の光学素子からなる分光素子(請求項7)である。
【0025】
本手段においては、従来のフォトニック結晶を使用した分光素子に比して、分光された光が出射する位置の範囲を狭くすることができるので、分光素子を小型化することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の例を、図を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態であるフォトニック結晶を用いた分光器の構成を示す概要図である。
【0027】
このフォトニック結晶は、基本構造として、屈折率2.117の平板状の背景媒質1の一部分に、原子媒質2として2次元正方格子状に円筒状の空気穴を配置した構造を有しており、格子定数aに対し、穴の半径r=0.4aである。ただし、この図においては素子の構造が分かるように、周期を実際の素子に比べて拡大して示している。
【0028】
そして、図1のA部で示す、分光された光が通過する部分、及びその左側の部分では、この基本構造を有しているが、A部に隣接するB部では、格子定数はaであるが、穴の半径が右上に行くほど小さくなっている。C部では、穴の半径は同一とされている。なお、一点鎖線は各部の境界を示す。
【0029】
格子定数をa、真空中の光の速度をc、光の角周波数をωとし、ω’=ωa/2πcを格子定数で正規化された光の角周波数とするとき、この構造は、電場が空気穴に並行な偏光の入射光に対してω’=0.61、空気換算した入射角10deg付近で異常分散を示し、分散dθ/dφ〜9.6である。ここで、φは入射角、θ は結晶内での進行角である。
【0030】
波長域がλ1〜λ3の入射光は、上部からフォトニック結晶構造部分の入射面3に入射し、結晶内を波長ごとに異なる方向に進行し、フォトニック結晶部分の出射面4の波長毎に異なる位置からフォトニック結晶構造外に出射する。この波長分光素子においては、A部の光路のみが必要とされるが、実際には破線で示すように結晶構造と通常媒質界面である出射面4で反射が生じ、これが迷光となる。
【0031】
この迷光はA部では直進するが、B部に達すると、進行するにつれて進行方向が図のように曲がり、入射面3で反射された迷光λ’1は、A部に入り込むことはない。よって、迷光により分光素子の特性が悪化するのを、抑えることができる。又、この実施の形態において、分光に使用されるA部の結晶構造は、従来のものと変わらないので、分光特性は従来のものと変わることはない。
【0032】
図2に、図1に示すような基本構造のフォトニック結晶において、入射角(空気中換算)が10°および15°の場合、穴の半径が変化した場合の進行角の変化を示す。これから分かるように、いずれの入射角の場合も、穴の半径が小さくなれば進行角は大きくなる。よって、B部において右上(迷光の進行方向)に行くに従って穴の半径を徐々に小さくしていくことにより、光の進行角を曲げ、入射面で反射した光を、A部の外に出すことができる。B部における穴半径の変化は徐々に行われるので、反射はほとんど起こらず、反射の影響は少ない。
【0033】
図3は、本発明の第2の実施の形態であるフォトニック結晶を使用した光学素子の構造のうち、その出射面4近くの結晶構造を示した図である。このフォトニック結晶の基本構造は図1に示したものと同じであるが、その出射面4近くでは、穴の半径が、光の進行方向である右側に行くに従って大きくなるようにされている。
【0034】
図2から分かるように、入射角が変化した場合でも、穴の半径が大きくなるに従って、光線の進行方向の差が小さくなる。
【0035】
設計上波長λの光が入射するように設定されていた場合、もし、使用波長が微小変化してλ’となったときに、穴の大きさが同一のフォトニック結晶を用いた場合には、入射面による波長分散により、図3において本来λで示される光路をたどるはずであった光線が、λ’で示される光路をたどることになる。
【0036】
ところが、本実施の形態においては、上述のように、穴の半径が、光の出射面4の近くで光の進行方向である右側に行くに従って大きくなるようにされているので、光がこの領域に侵入すると、進行角が徐々に小さくなり、図3にλ”で示す光路をたどって出射面4から放出される。よって、入射する光の波長が微少量ずれた場合でも、従来のフォトニック結晶を使用した光学素子に比して、光路のずれを小さく抑えることができる。
【0037】
なお、本手段においては、結晶構造の変化を穴の大きさの変化によって実現している。結晶構造の変化を格子間隔を変えること以外の手段により実現すれば、図の横方向の波数は保存されるため、曲線的な経路をたどった光の光路が他の波長の光の光路と交差することはない。
【0038】
図3に示すような構造を有するフォトニック結晶において、光の入射角が設計値より微小変化した場合でも、従来のフォトニック結晶を使用した光学素子に比較して、光路の変化を小さく抑えることができることは、説明を要しないであろう。さらに、素子の構造(格子間隔、穴の大きさ)が、設計値から微少量違った値となっている場合でも、同様の理由により、従来のフォトニック結晶を使用した光学素子に比して、光路の変化を小さく抑えることができる。よって、素子を機械的に調整すること無しに、光路の変化を許容範囲である領域内に留めておくことが容易になる。
【0039】
さらに、フォトニック結晶を使用した分光素子において、分光された光の光路部分の少なくとも一部において、図3に示すように、穴の半径が光が進行するに従って大きくなるようにしておけば、従来のフォトニック結晶を使用した分光素子に比べて、分光された光が出射する範囲を狭くすることができ、分光素子を小型化することが可能になる。もちろん、この場合は分解能が下がることになるが、フォトニック結晶による波長分解能は、もともと波長により不均一であるので、光分散部分の分解能が下がることは、素子の機能を下げることにはならない。むしろ、分光素子を小型化することにメリットがある。
【0040】
以上述べたような実施の形態に使用されるフォトニック結晶においては、穴の大きさを変えるだけでよいので、リソグラフィによってパターンを生成するタイプの2次元フォトニック結晶の場合は、通常のフォトニック結晶の場合と同手順で、目的のパターンを作成することができる。さらに、迷光を除去するだけであれば、穴の大きさに関しては変化量に急激な段差が生じない限り、厳密に制御する必要はない。出射位置を調整する場合でも、素子の作成後に波長と出射位置の関係を測定しておけば十分である。したがって、本発明に使用する素子は通常の素子と同程度の手間で作成することが可能である。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、簡単な構造で、迷光が少ない光学素子、これを利用した波長分解性能が良い分光素子、入射光の波長や入射角が微小変化した場合でも大きく特性が変わらない光学素子、小型化の可能な分光素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態であるフォトニック結晶を用いた分光器の構成を示す概要図である。
【図2】図1に示すような基本構造のフォトニック結晶において、入射角(空気中換算)が10°および15°の場合、穴の半径が変化した場合の進行角の変化を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態であるフォトニック結晶を使用した光学素子の構造のうち、その出射面近くの結晶構造を示したものである。
【図4】従来のフォトニック結晶の概要を示す図である。
【図5】従来のフォトニック結晶を使用した分光素子における光路を示す図である。
【符号の説明】
1…背景媒質、2…原子媒質、3…入射面、4…出射面
【発明の属する技術分野】
本発明はフォトニック結晶を使用した光学素子、及び分光素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、高分解能で分光を行うために、フォトニック結晶を利用することが提案され、例えば、特開平11−271541号公報(特許文献1)、特開2002−71982号公報(特許文献2)、特願2002−289962号公報(特許文献3)に記載されている。フォトニック結晶は、第1の媒質(背景媒質)中に異なった屈折率を有する第2の媒質(原子媒質)が光の波長程度の周期で配列された結晶構造を有している。図4に2次元フォトニック結晶の例を示す。背景媒質1の中に、円筒状の原子媒質2が、正方格子状に並んでいる。格子間隔はaであり、円筒の半径rは、格子間隔aの1/2よりもわずかに小さくされている。この例においては、背景媒質1の屈折率はnであり、原子媒質2としては空気を使用している。
【0003】
このフォトニック結晶は異常分散という性質を持つことがあり、同一入射角での入射光でも、波長が微小に変化しただけで、結晶内での進行方向が大きく変化することがあることが知られている(スーパープリズム効果)。したがって、フォトニック結晶を用いることにより、高分解能を有し、かつ小型の分光素子を作成することができる。
【0004】
【特許文献1】特開平11−271541号公報
【特許文献2】特開2002−71982号公報
【特許文献3】特願2002−289962号公報
【特許文献4】特開2002−71981号公報
【特許文献5】特開2001−91701号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、フォトニック結晶に光を入射させ、分散した光を取り出す際に、入射面と出射面での反射率が大きくなることがある。特に異常分散を用いる場合は、バンド端に近く、有効屈折率の大きな部分でフォトニック結晶を使用することが多いため、この傾向は顕著である。分光素子においては、表面反射率が高いと素子の光透過効率が下がることに加え、素子内で反射した光が迷光となって、信号光の検出に影響を与えることが問題となる。
【0006】
この様子を図5に示す。波長λ1〜λ3の波長分布を有する光がフォトニック結晶に入射すると、異常分散のため、大きくその進行方向が変化する。即ち、図に示すように、フォトニック結晶の入射面3で、入射光は波長毎に分光され、波長によって定まる方向に直進する。そして、分光された波長λ1〜λ3の光は、フォトニック結晶を出射するときは、再び入射光と同じ進行方向に進行する。
【0007】
このとき、出射面4で反射された波長λ1の光は、図に示すように入射面3で反射され、再び出射面4に戻ってくる(λ’1)。そして、図において波長λ3の光が出射する点に近い点から出射する。よって、このような、出射面4で反射された迷光(λ’1)により、波長分解性能が劣化するという問題点がある。
【0008】
このような問題点を解決する方法として、特開2002−71981号公報(特許文献4)などには、結晶の端部での構造を変形させることによって結晶表面での反射を抑える技術が開示されている。しかし、この方法ではフォトニック結晶の平均屈折率を連続的に変化させる必要があるため、フォトニック結晶の端の部分では十分に細かな構造が必要となる。可視光〜近赤外の波長帯を対象とした構造の場合、そのような非対称かつ微細な構造を精度良く作成するのは困難であるという問題点がある。
【0009】
一方、フォトニック結晶の異常分散を利用する光学素子においては、その性質上、光学素子や入射条件の変化に対する制限が厳しく、これらが微小に変化しただけで光線の経路が大きく変化してしまい、目的の性能が示せなくなるという問題点がある。
【0010】
この問題に関しては、特開2001−91701号公報(特許文献5)などには、素子の構造の周期を一定方向に向けて徐々に変化させることにより、素子をその方向に移動させることによって特定の波長に対する異常分散を起こさせるようにしている。しかしながら、この方法では素子を移動させる機構が必要となる上、素子の構造内にむらがあるような場合には必ずしも適用することはできない。
【0011】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、簡単な構造で、迷光が少ない光学素子、これを利用した波長分解性能が良い分光素子、入射光の波長や入射角が微小変化した場合でも大きく特性が変わらない光学素子、小型化の可能な分光素子を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための第1の手段は、使用される波長域でバンドギャップを持たないフォトニック結晶構造を有し、前記フォトニック結晶構造のうちで素子の機能上必要な部分の周囲においてフォトニック結晶の構造が徐々に変化する部分を有し、当該変化は、機能上不必要な光を系外に排除するような変化とされていることを特徴とする光学素子(請求項1)である。
【0013】
本手段においては、素子の機能上必要とされる光が通過する部分においては、フォトニック結晶の構造が、所定の規則正しい構造を有している。よって、素子の機能上必要とされる光は、設計に従った光路を通過し、設計に従った変化を受けることができる。しかし、素子の機能上必要とされる光が通過する部分の周囲には、フォトニック結晶の構造が徐々に変化する部分が設けられているので、この領域に入り込んだ光(迷光等)は、この構造が徐々に変化する部分の作用を受けて、系外(即ち、素子の機能上必要とされる領域外)に排除される。よって、余分な光が必要とされる光に混じり込むことが無くなるので、光学素子の性能を向上させることができる。なお、フォトニック結晶の構造が変化する部分においては、その構造が徐々に変化するので、この部分において反射が起こることが少ない。
【0014】
前記課題を解決するための第2の手段は、前記第1の手段である光学素子からなり、分光機能を有することを特徴とする分光素子(請求項2)である。
【0015】
本手段においては、従来技術の問題点で述べたような迷光が系外に排除されるので、優れた分光特性を有する分光素子とすることができる。
【0016】
前記課題を解決するための第3の手段は、前記第2の手段であって、背景媒質の中に原子媒質を格子状に配列してなり、格子間隔は一定とされており、入射して分光された光の通路に当たる領域においては各原子媒質の寸法は同一とされ、前記領域に隣接する領域であって、光の出射側界面で反射された光が通過する領域の所定の部分では、前記原子媒質の寸法が徐々に変化する構造とされていることを特徴とするもの(請求項3)である。
【0017】
本手段においては、入射して分光された光の通路に当たる領域においては各原子媒質の寸法は同一とされ、かつ、格子間隔も一定であるので、公知のフォトニック結晶が有するような分光特性を有する。そして、この光が出射側の界面で反射された光が、この領域の外に出たとき、この領域に隣接する領域の所定の部分が、前記原子媒質の寸法が徐々に変化する構造とされているので、光の進行方向が変化し、入射側界面で反射されて、再び出射側界面に戻ってきたときは、分光された光が出射する部分と異なる位置に到達する。よって、迷光により分光特性が悪化することを防止できる。
【0018】
前記課題を解決するための第4の手段は、使用される波長域でバンドギャップを持たないフォトニック結晶構造を有し、波長に応じて光の進行方向を変える機能を有する光学素子であって、その少なくとも一部において、光の進行方向に向かってフォトニック結晶の構造が徐々に変化し、当該変化は、波長に応じた光の進行方向の変化の度合いが、フォトニック結晶の構造が変化しないときより小さくなるような変化とされていることを特徴とする光学素子(請求項4)である。
【0019】
本手段においては、フォトニック結晶の構造の変化は、波長に応じた光の進行方向の変化の度合いが、フォトニック結晶の構造が変化しないときより小さくなるような変化とされている。よって、入射する波長に微小なずれがあっても、その光路の変化は、従来知られている規則的な結晶構造を有するフォトニック結晶における光路の変化より小さくなる。従って、例えば所定の波長を有する光を特定の方向に進行させるためにフォトニック結晶からなる光学素子を使用するような場合に、本手段によれば、波長の微小変化に対する特性の変化を小さく抑えることができる。
【0020】
前記課題を解決するための第5の手段は、使用される波長域でバンドギャップを持たないフォトニック結晶構造を有し、光の入射角に応じて光の進行方向を変える機能を有する光学素子であって、その光路の少なくとも一部において、光の進行方向に向かってフォトニック結晶の構造が徐々に変化し、当該変化は、入射角に応じた光の進行方向の変化の度合いが、フォトニック結晶の構造が変化しないときより小さくなるような変化とされていることを特徴とする光学素子(請求項5)である。
【0021】
本手段においては、フォトニック結晶の構造の変化は、光の入射角に応じた光の進行方向の変化の度合いが、フォトニック結晶の構造が変化しないときより小さくなるような変化とされている。よって、入射する光の入射角に微小なずれがあっても、その光路の変化は、従来知られている規則的な結晶構造を有するフォトニック結晶における光路の変化より小さくなる。これにより、入射角変化に対する特性の変化を小さく抑えることができる。従って、例えば所定の入射角を有する光を特定の方向に進行させるためにフォトニック結晶からなる光学素子を使用するような場合に、本手段によれば、入射角の微小変化に対する特性の変化を小さく抑えることができる。
【0022】
前記課題を解決するための第6の手段は、前記第4の手段、又は第5の手段での光学素子であって、背景媒質の中に原子媒質を格子状に配列してなり、格子間隔は一定とされており、光の通路にあたる少なくとも一部の領域においては、前記原子媒質の寸法が徐々に変化する構造とされていることを特徴とするもの(請求項6)である。
【0023】
本手段においては、格子間隔は一定とされており、入射して分光された光の通路に当たる領域のうち少なくとも一部の領域においては、前記原子媒質の寸法が徐々に変化する構造とされているので、容易に前記第4の手段、又は第5の手段に必要な特性を持たせることができる。
【0024】
前記課題を解決するための第7の手段は、前記第4の手段又は第6の手段に記載の光学素子からなる分光素子(請求項7)である。
【0025】
本手段においては、従来のフォトニック結晶を使用した分光素子に比して、分光された光が出射する位置の範囲を狭くすることができるので、分光素子を小型化することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の例を、図を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態であるフォトニック結晶を用いた分光器の構成を示す概要図である。
【0027】
このフォトニック結晶は、基本構造として、屈折率2.117の平板状の背景媒質1の一部分に、原子媒質2として2次元正方格子状に円筒状の空気穴を配置した構造を有しており、格子定数aに対し、穴の半径r=0.4aである。ただし、この図においては素子の構造が分かるように、周期を実際の素子に比べて拡大して示している。
【0028】
そして、図1のA部で示す、分光された光が通過する部分、及びその左側の部分では、この基本構造を有しているが、A部に隣接するB部では、格子定数はaであるが、穴の半径が右上に行くほど小さくなっている。C部では、穴の半径は同一とされている。なお、一点鎖線は各部の境界を示す。
【0029】
格子定数をa、真空中の光の速度をc、光の角周波数をωとし、ω’=ωa/2πcを格子定数で正規化された光の角周波数とするとき、この構造は、電場が空気穴に並行な偏光の入射光に対してω’=0.61、空気換算した入射角10deg付近で異常分散を示し、分散dθ/dφ〜9.6である。ここで、φは入射角、θ は結晶内での進行角である。
【0030】
波長域がλ1〜λ3の入射光は、上部からフォトニック結晶構造部分の入射面3に入射し、結晶内を波長ごとに異なる方向に進行し、フォトニック結晶部分の出射面4の波長毎に異なる位置からフォトニック結晶構造外に出射する。この波長分光素子においては、A部の光路のみが必要とされるが、実際には破線で示すように結晶構造と通常媒質界面である出射面4で反射が生じ、これが迷光となる。
【0031】
この迷光はA部では直進するが、B部に達すると、進行するにつれて進行方向が図のように曲がり、入射面3で反射された迷光λ’1は、A部に入り込むことはない。よって、迷光により分光素子の特性が悪化するのを、抑えることができる。又、この実施の形態において、分光に使用されるA部の結晶構造は、従来のものと変わらないので、分光特性は従来のものと変わることはない。
【0032】
図2に、図1に示すような基本構造のフォトニック結晶において、入射角(空気中換算)が10°および15°の場合、穴の半径が変化した場合の進行角の変化を示す。これから分かるように、いずれの入射角の場合も、穴の半径が小さくなれば進行角は大きくなる。よって、B部において右上(迷光の進行方向)に行くに従って穴の半径を徐々に小さくしていくことにより、光の進行角を曲げ、入射面で反射した光を、A部の外に出すことができる。B部における穴半径の変化は徐々に行われるので、反射はほとんど起こらず、反射の影響は少ない。
【0033】
図3は、本発明の第2の実施の形態であるフォトニック結晶を使用した光学素子の構造のうち、その出射面4近くの結晶構造を示した図である。このフォトニック結晶の基本構造は図1に示したものと同じであるが、その出射面4近くでは、穴の半径が、光の進行方向である右側に行くに従って大きくなるようにされている。
【0034】
図2から分かるように、入射角が変化した場合でも、穴の半径が大きくなるに従って、光線の進行方向の差が小さくなる。
【0035】
設計上波長λの光が入射するように設定されていた場合、もし、使用波長が微小変化してλ’となったときに、穴の大きさが同一のフォトニック結晶を用いた場合には、入射面による波長分散により、図3において本来λで示される光路をたどるはずであった光線が、λ’で示される光路をたどることになる。
【0036】
ところが、本実施の形態においては、上述のように、穴の半径が、光の出射面4の近くで光の進行方向である右側に行くに従って大きくなるようにされているので、光がこの領域に侵入すると、進行角が徐々に小さくなり、図3にλ”で示す光路をたどって出射面4から放出される。よって、入射する光の波長が微少量ずれた場合でも、従来のフォトニック結晶を使用した光学素子に比して、光路のずれを小さく抑えることができる。
【0037】
なお、本手段においては、結晶構造の変化を穴の大きさの変化によって実現している。結晶構造の変化を格子間隔を変えること以外の手段により実現すれば、図の横方向の波数は保存されるため、曲線的な経路をたどった光の光路が他の波長の光の光路と交差することはない。
【0038】
図3に示すような構造を有するフォトニック結晶において、光の入射角が設計値より微小変化した場合でも、従来のフォトニック結晶を使用した光学素子に比較して、光路の変化を小さく抑えることができることは、説明を要しないであろう。さらに、素子の構造(格子間隔、穴の大きさ)が、設計値から微少量違った値となっている場合でも、同様の理由により、従来のフォトニック結晶を使用した光学素子に比して、光路の変化を小さく抑えることができる。よって、素子を機械的に調整すること無しに、光路の変化を許容範囲である領域内に留めておくことが容易になる。
【0039】
さらに、フォトニック結晶を使用した分光素子において、分光された光の光路部分の少なくとも一部において、図3に示すように、穴の半径が光が進行するに従って大きくなるようにしておけば、従来のフォトニック結晶を使用した分光素子に比べて、分光された光が出射する範囲を狭くすることができ、分光素子を小型化することが可能になる。もちろん、この場合は分解能が下がることになるが、フォトニック結晶による波長分解能は、もともと波長により不均一であるので、光分散部分の分解能が下がることは、素子の機能を下げることにはならない。むしろ、分光素子を小型化することにメリットがある。
【0040】
以上述べたような実施の形態に使用されるフォトニック結晶においては、穴の大きさを変えるだけでよいので、リソグラフィによってパターンを生成するタイプの2次元フォトニック結晶の場合は、通常のフォトニック結晶の場合と同手順で、目的のパターンを作成することができる。さらに、迷光を除去するだけであれば、穴の大きさに関しては変化量に急激な段差が生じない限り、厳密に制御する必要はない。出射位置を調整する場合でも、素子の作成後に波長と出射位置の関係を測定しておけば十分である。したがって、本発明に使用する素子は通常の素子と同程度の手間で作成することが可能である。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、簡単な構造で、迷光が少ない光学素子、これを利用した波長分解性能が良い分光素子、入射光の波長や入射角が微小変化した場合でも大きく特性が変わらない光学素子、小型化の可能な分光素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態であるフォトニック結晶を用いた分光器の構成を示す概要図である。
【図2】図1に示すような基本構造のフォトニック結晶において、入射角(空気中換算)が10°および15°の場合、穴の半径が変化した場合の進行角の変化を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態であるフォトニック結晶を使用した光学素子の構造のうち、その出射面近くの結晶構造を示したものである。
【図4】従来のフォトニック結晶の概要を示す図である。
【図5】従来のフォトニック結晶を使用した分光素子における光路を示す図である。
【符号の説明】
1…背景媒質、2…原子媒質、3…入射面、4…出射面
Claims (7)
- 使用される波長域でバンドギャップを持たないフォトニック結晶構造を有し、前記フォトニック結晶構造のうちで素子の機能上必要な部分の周囲においてフォトニック結晶の構造が徐々に変化する部分を有し、当該変化は、機能上不必要な光を系外に排除するような変化とされていることを特徴とする光学素子。
- 請求項1に記載の光学素子からなり、分光機能を有することを特徴とする分光素子。
- 請求項2に記載の分光素子であって、背景媒質の中に原子媒質を格子状に配列してなり、格子間隔は一定とされており、入射して分光された光の通路に当たる領域においては各原子媒質の寸法は同一とされ、前記領域に隣接する領域であって、光の出射側界面で反射された光が通過する領域の所定の部分では、前記原子媒質の寸法が徐々に変化する構造とされていることを特徴とする分光素子。
- 使用される波長域でバンドギャップを持たないフォトニック結晶構造を有し、波長に応じて光の進行方向を変える機能を有する光学素子であって、その光路の少なくとも一部において、光の進行方向に向かってフォトニック結晶の構造が徐々に変化し、当該変化は、波長に応じた光の進行方向の変化の度合いが、フォトニック結晶の構造が変化しないときより小さくなるような変化とされていることを特徴とする光学素子。
- 使用される波長域でバンドギャップを持たないフォトニック結晶構造を有し、光の入射角に応じて光の進行方向を変える機能を有する光学素子であって、その光路の少なくとも一部において、光の進行方向に向かってフォトニック結晶の構造が徐々に変化し、当該変化は、入射角に応じた光の進行方向の変化の度合いが、フォトニック結晶の構造が変化しないときより小さくなるような変化とされていることを特徴とする光学素子。
- 請求項4又は請求項5に記載の光学素子であって、背景媒質の中に原子媒質を格子状に配列してなり、格子間隔は一定とされており、光の通路にあたる少なくとも一部の領域においては、前記原子媒質の寸法が徐々に変化する構造とされていることを特徴とする光学素子。
- 請求項4又は請求項6に記載の光学素子からなる分光素子。
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