JP2004286905A - 連続用紙用電子写真印刷装置およびその定着装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は電子写真方式による印刷装置の定着装置に関するものであり、加熱ロール軸方向における用紙蛇行を、用紙走行開始持、用紙安定状態時など、用紙走行状態に関係なく矯正することができ安定した用紙走行性を実現し、常に安定した印刷品質を得ることにある。
【解決手段】前記の課題は、加熱ロールとその加熱ロールに対し接触加圧可能に設けられた加圧ロールからなる挟持搬送機構と、用紙蛇行センサの出力により用紙蛇行の補正を加圧ロールと加熱ロールとにより発生する挟持力のバランスを可変できる機構とにより、用紙蛇行センサの出力する用紙蛇行データの蛇行量に対する挟持力バランスの関係と、単位時間あたりの用紙蛇行データの蛇行量変化量に対する挟持力バランスの関係を各々数通りづつ有し、印刷開始より随時、用紙走行状態を用紙蛇行センサの出力する用紙蛇行データの変化を監視しながら、蛇行量に対する挟持力バランスの関係と蛇行量変化量に対する挟持力バランスの関係を任意に選択し用紙走行位置を制御することにより解決することができる
【選択図】 図2
【解決手段】前記の課題は、加熱ロールとその加熱ロールに対し接触加圧可能に設けられた加圧ロールからなる挟持搬送機構と、用紙蛇行センサの出力により用紙蛇行の補正を加圧ロールと加熱ロールとにより発生する挟持力のバランスを可変できる機構とにより、用紙蛇行センサの出力する用紙蛇行データの蛇行量に対する挟持力バランスの関係と、単位時間あたりの用紙蛇行データの蛇行量変化量に対する挟持力バランスの関係を各々数通りづつ有し、印刷開始より随時、用紙走行状態を用紙蛇行センサの出力する用紙蛇行データの変化を監視しながら、蛇行量に対する挟持力バランスの関係と蛇行量変化量に対する挟持力バランスの関係を任意に選択し用紙走行位置を制御することにより解決することができる
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真式印刷装置およびその定着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5は、従来の定着装置の一実施例を示す概略図である。また、図6は従来の定着装置の要部斜視図である。
【0003】
図5、図6において、印刷用紙1上のトナー像2は、内部にヒータ4を有する予熱板3より前記印刷用紙1裏面から熱を受け軟化し始める。軟化した前記トナー像2は、内部に複数の発熱ランプ6a,6b,6c,6dを有する加熱ロール5と、支持体7a,7bで保持される加圧ロール8により挟持搬送されることで、前記印刷用紙1上に定着される。
【0004】
この時、前記加熱ロール5の表面温度検出手段として、前記加熱ロール5の非印刷用紙走行領域に取付けた温度センサ9aと検出部9b、例えば、磁気センサと磁気チップによる検出等の手法によるものを備える。さらに、前記加熱ロール5の印刷用紙走行領域に前記発熱ランプ6a,6b,6cの各々の発熱領域に対向し、且つ前記加熱ロール5とある隙間を持たせて取付けられた温度センサ10a,10b,10cを備える。そして、例えば、サーミスタによる検出等の手法を併用し、前記加熱ロール5の表面温度を、トナー像定着に必要なある温度範囲内に保つよう、前記発熱ランプ6a,6b,6c,6d各々の点灯を制御部11にて制御している。
【0005】
ここで、左右一対の前記支持体7a,7bは、各々に回転中心7ac,7bcを有し、各々の前記支持体7a,7b上端部にて、スプリング12,ワイヤ13にて繋がれており、前記ワイヤ13には、走行調整モータ14により任意の回転方向及び回転量が得られるように取付けられている走行調整プーリ15に巻付けられている構成になっている。前記走行調整モータ14により、前記加圧ロール8の前記加熱ロール5への押付け具合を変化させ、前記両者により発生する左右の挟持力のバランスを可変させることが可能な構成となっている。
【0006】
更に、蛇行センサ16は、前記印刷用紙1端部付近に設けられており、前記印刷用紙1端部の走行位置により異なった出力を持ち、用紙走行位置が規定の位置に対し、どちら側へどれぐらいずれて蛇行しているかを検出するセンサである。
【0007】
前記印刷用紙1の走行時に、一定周期にて随時、前記蛇行センサ16の出力からの用紙蛇行方向と用紙蛇行量との情報である用紙蛇行データが、制御部17内に設けられているメモリ18へ記憶されて行く。
【0008】
更に、前記制御部17では、蛇行量の平均値を算出し、図7に示すような一通りに定義された関係から、その蛇行量平均値に応じた前記加圧ロール8と前記加熱ロール5とにより発生する挟持力バランスの関係分A(前記走行調整モータ14の駆動量A)と、単位時間当りの蛇行量変化量を算出する。そして、図8に示すような、一通りに定義された関係から、その蛇行量変化量に応じた前記加圧ロール8と前記加熱ロール5とにより発生する挟持力バランスの関係分B(前記走行調整モータ14の駆動量B)とを決定し、これら2つの挟持力バランス関係分の和(A+B)を取り、その結果に基づいた回転方向と回転量にて前記走行調整モータ14を駆動し、前記印刷用紙1の蛇行補正を行っている。
【0009】
例えば、図6において、印刷用紙1がL側に蛇行していた場合、加圧ロール8と加熱ロール5とにより発生する挟持力バランスのR側を大きく、L側を小さくする為に、走行調整モータ14を、図6中の矢印A方向に回転させる。これにより、ワイヤ13が巻き取られ、支持体7bの加圧ロールを支持している側が支点7bcを中心に上方向(矢印B方向)に動き、加圧ロール8と加熱ロール5により発生する挟持力はR側が大きく、反対に支持体7aは下方向に動き、加圧ロール8と加熱ロール5により発生する挟持力はL側が小さくなる。このような挟持力バランスにすることにより、印刷用紙1は挟持力の大きいR側に寄っていくことになる。
【0010】
ここで、前記加圧ロール8及び前記加熱ロール5のいづれか一方もしくは両方が、前記挟持力バランスの変化が起こし易いように、ある決められた量の逆クラウン形状になっている。
【0011】
前記した構成では、前記印刷用紙1の蛇行補正は、予め一通りに印刷用紙蛇行状態により定義されたものであり、印刷用紙幅、又用紙が受けている熱や走行などに起因する用紙ストレスにより変化する印刷用紙走行状態に関係無く、前記印刷用紙1の蛇行補正を行っていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
前記した従来技術の定着装置において、印刷用紙の蛇行補正は蛇行センサによる印刷用紙端部の蛇行状態に基づくものであり、蛇行センサ通過以前の用紙走行中に印刷用紙端部が熱や用紙走行補助用部材等との接触により局部的に変形した場合、印刷用紙の走行が蛇行した場合と区別して制御することは出来ない。
【0013】
この状態は、高速な両面印刷を行うタンデム印刷時において、表面印刷時の1台目の定着装置内にて未定着トナー像を印刷用紙に定着させる際に短時間により多くの熱エネルギーを供給できるよう設定温度を高温にて制御されている予熱板や加熱ロールからの熱により局部的に熱収縮をおこした印刷用紙が、裏面印刷時の2台目の定着装置内にて用紙蛇行補正を行う場合、印刷用紙端部の蛇行が用紙走行状態によるものなのか、又は局部的な印刷用紙端部の変形によるものなのか、蛇行センサ自身は判断がつかない状態となり顕著に現れる。
【0014】
このような印刷用紙走行開始より一定期間が経過した後、用紙走行が安定している状態において、突如として印刷用紙は蛇行していないにも関わらず印刷用紙端部の変形により、蛇行センサにおいて印刷用紙が急激な蛇行を起こしたと検出し用紙蛇行補正が行われると、加圧ロールと加熱ロールとにより発生する挟持力バランスは走行中の印刷用紙に急激に過剰な蛇行矯正力を与えることになり、加圧ロールと加熱ロールとによる挟持搬送中に発生する印刷用紙しわという問題を引起すことになり、用紙走行が安定している際には、必要な挟持力バランスは蛇行矯正力をなるべく小さくする方向の設定が望ましい。
【0015】
また逆に、このような状態を避ける為など、加圧ロールと加熱ロールとにより発生する挟持力バランスを蛇行矯正力がなるべく小さくなる方向に設定した場合、用紙走行開始時に起る過渡的な用紙蛇行を補正する必要が有る時や、加圧ロールや加熱ロールに付加されている逆クラウン形状の為に挟持力バランスが元々偏った状態で用紙走行させなければならない幅狭用紙走行時には、用紙蛇行矯正力が不足し用紙走行が不安定になり、その結果、予熱板及び加熱ロールから供給されるトナー像定着に必要な熱エネルギーが印刷用紙全面に均等に与えられず、部分的な熱量過少による定着不良を引起すことになり、このような際には、必要な挟持力バランスは蛇行矯正力をなるべく大きくする設定が望ましい。
【0016】
以上の様に、加圧ロールと加熱ロールとにより発生する挟持力バランスによる用紙蛇行矯正力設定が一通りしかない為、用紙走行状態関係無く一義的に用紙への蛇行矯正力が働くことになり、印刷用紙走行が不安定な状況になっていた。
【0017】
本発明の目的は、加熱ロール軸方向における用紙蛇行を、用紙走行開始持、用紙安定状態時など、用紙走行状態に関係なく矯正することができ安定した用紙走行性を実現し、常に安定した印刷品質を得ることにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明では、印刷用紙上の未定着トナー像を定着させる為、内部に複数のランプを配置した加熱ロール、該加熱ロールに対し印刷時には接触加圧し非印刷時には後退するように構成された加圧ロールを有する挟持搬送機構と、用紙蛇行を検出する用紙蛇行センサを備え、且つ該用紙蛇行センサの出力により前記加熱ロールと前記加圧ロールとにより発生する挟持力のバランスを可変させて用紙蛇行補正を行う蛇行補正機構とを備える連続用紙用電子写真式印刷装置の定着装置において、前記用紙蛇行センサの出力する用紙蛇行データの蛇行量に対する前記挟持力バランスの関係と、単位時間あたりの前記用紙蛇行データの蛇行量変化量に対する前記挟持力バランスの関係とを各々複数通りずつ、定着装置内の記憶装置に格納し、用紙走行が安定して用紙蛇行量が最小限になるように、印刷開始より随時、用紙走行状態を前記用紙蛇行センサの出力する前記用紙蛇行データの変化を監視しながら、蛇行量に対する挟持力バランスの関係と蛇行量変化量に対する挟持力バランスの関係とを任意に選択し、用紙走行位置を制御することを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1および図2を用いて、本発明の一実施例を説明する。従来例と同様の部材については、同一記号を付けその説明は省略する。
【0020】
印刷用紙1の走行時には、一定周期にて随時、用紙蛇行方向と用紙蛇行量との情報である用紙蛇行データが蛇行センサ16から出力され、制御部19内に設けられているメモリ20へ記憶されて行く。それと共に、前記制御部19では前記用紙蛇行データを随時監視している。
【0021】
更に、前記制御部19は、蛇行量の平均値を算出し、図3に示すような前記用紙蛇行データの変化に応じて、幾通りかに定義された関係の中から蛇行量平均値に応じた前記加圧ロール8と前記加熱ロール5とにより発生する挟持力バランスの関係分C(前記走行調整モータ14の駆動量C)を決定する。さらに、単位時間当りの蛇行量変化量を算出し、図4に示すような前記用紙蛇行データの変化に応じて幾通りかに定義された関係の中からその蛇行量変化量に応じた前記加圧ロール8と前記加熱ロール5とにより発生する挟持力バランスの関係分D(前記走行調整モータ14の駆動量D)を決定し、これら2つの挟持力バランス関係分の和(C+D)を取り、その結果に基づいた回転方向と回転量にて前記走行調整モータ14を駆動し、前記印刷用紙1の蛇行補正を行う。
【0022】
まず、用紙走行開始時や印刷用紙幅が狭い場合など、印刷用紙は過渡的に蛇行する為、前記用紙蛇行データはある一定期間大きく変化する。この場合、蛇行矯正力が大きくなるように設定された加圧ロールと加熱ロールとにより発生する挟持力バランスの関係を前記制御部19にて選択する。更に、用紙走行開始より一定期間が経過した後など、用紙走行が安定してくるにつれ、前記用紙蛇行データの変化が小さくなる。この場合には、蛇行補正力が小さくなるように設定された加圧ロールと加熱ロールとにより発生する挟持力バランスの関係を前記制御部19にて選択する。
【0023】
次に、前記蛇行センサ16通過以前の用紙走行中に、印刷用紙端部が熱や用紙走行用補助部材等との接触により局部的に変形した前記印刷用紙1では、用紙走行開始より一定期間が経過した後、用紙走行が安定している状態において、突如として印刷用紙は蛇行していないにも関わらず印刷用紙端部の変形により、前記蛇行センサ16で前記印刷用紙1が急激な蛇行を起こしたと検出する為、前記用紙蛇行データは変化が小さい状態から大きい状態へと変化する。この場合には、走行中の印刷用紙に急激に過剰な蛇行矯正力を与えることがないよう、蛇行補正力が小さくなるように設定された加圧ロールと加熱ロールとにより発生する挟持力バランスの関係を前記制御部19にて選択する。
【0024】
このように、前記用紙蛇行センサ16の出力からの前記用紙蛇行データ変化を随時監視しながら、用紙走行状態の変化に適した、蛇行量平均値に応じた前記加圧ロール8と前記加熱ロール5とにより発生する挟持力バランスの関係分と蛇行量変化量に応じた同様の挟持力バランスの関係分とにより、用紙蛇行状態に適した蛇行矯正力にて用紙蛇行補正を行うことが可能となる。
【0025】
そのため、用紙走行が安定な状態となり、前記予熱板3及び前記加熱ロール5から前記トナー像2定着に適切な熱エネルギーが印刷用紙全面に均等に与えられることになり、常に安定した定着強度が得られることになる。また、前記印刷用紙1へ無理の掛からない前記蛇行矯正力が働くため、用紙しわの発生も無くなる。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、如何なる用紙走行状態においても、加熱ロールの軸方向に発生する印刷用紙の蛇行補正を可能とする。また、常に安定した印刷用紙走行を可能とする。従って、定着不良や用紙しわなどの印刷品質の低下を防ぎ、かつ安価な定着装置を供給することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による定着装置の一実施例を示す概略図である。
【図2】本発明による定着装置の要部斜視図である。
【図3】本発明による平均蛇行量に応じた加圧ロールと加熱ロールとにより発生する挟持力バランスの関係図である。
【図4】本発明による単位時間あたりの蛇行量変化量に応じた加圧ロールと加熱ロールとにより発生する挟持力バランスの関係図である。
【図5】従来の定着装置の一実施例を示す概略図である。
【図6】従来の定着装置の要部斜視図である。
【図7】従来の平均蛇行量に応じた加圧ロールと加熱ロールとにより発生する挟持力バランスの関係図である。
【図8】従来の単位時間あたりの蛇行量変化量に応じた加圧ロールと加熱ロールとにより発生する挟持力バランスの関係図である。
【符号の説明】
1は印刷用紙、2はトナー像、3は予熱板、4はヒータ、5は加熱ロール、6a,6b,6c,6dは発熱ランプ、7a,7bは支持体、7ac,7bcは回転中心、8は加圧ロール、9aは温度センサ、9bは検出部、10a,10b,10c,10dは温度センサ、11は制御部、12はスプリング、13はワイヤ、14は走行調整モータ、15は走行調整プーリ、16は蛇行センサ、17は制御部、18はメモリ、19は制御部、20はメモリである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真式印刷装置およびその定着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5は、従来の定着装置の一実施例を示す概略図である。また、図6は従来の定着装置の要部斜視図である。
【0003】
図5、図6において、印刷用紙1上のトナー像2は、内部にヒータ4を有する予熱板3より前記印刷用紙1裏面から熱を受け軟化し始める。軟化した前記トナー像2は、内部に複数の発熱ランプ6a,6b,6c,6dを有する加熱ロール5と、支持体7a,7bで保持される加圧ロール8により挟持搬送されることで、前記印刷用紙1上に定着される。
【0004】
この時、前記加熱ロール5の表面温度検出手段として、前記加熱ロール5の非印刷用紙走行領域に取付けた温度センサ9aと検出部9b、例えば、磁気センサと磁気チップによる検出等の手法によるものを備える。さらに、前記加熱ロール5の印刷用紙走行領域に前記発熱ランプ6a,6b,6cの各々の発熱領域に対向し、且つ前記加熱ロール5とある隙間を持たせて取付けられた温度センサ10a,10b,10cを備える。そして、例えば、サーミスタによる検出等の手法を併用し、前記加熱ロール5の表面温度を、トナー像定着に必要なある温度範囲内に保つよう、前記発熱ランプ6a,6b,6c,6d各々の点灯を制御部11にて制御している。
【0005】
ここで、左右一対の前記支持体7a,7bは、各々に回転中心7ac,7bcを有し、各々の前記支持体7a,7b上端部にて、スプリング12,ワイヤ13にて繋がれており、前記ワイヤ13には、走行調整モータ14により任意の回転方向及び回転量が得られるように取付けられている走行調整プーリ15に巻付けられている構成になっている。前記走行調整モータ14により、前記加圧ロール8の前記加熱ロール5への押付け具合を変化させ、前記両者により発生する左右の挟持力のバランスを可変させることが可能な構成となっている。
【0006】
更に、蛇行センサ16は、前記印刷用紙1端部付近に設けられており、前記印刷用紙1端部の走行位置により異なった出力を持ち、用紙走行位置が規定の位置に対し、どちら側へどれぐらいずれて蛇行しているかを検出するセンサである。
【0007】
前記印刷用紙1の走行時に、一定周期にて随時、前記蛇行センサ16の出力からの用紙蛇行方向と用紙蛇行量との情報である用紙蛇行データが、制御部17内に設けられているメモリ18へ記憶されて行く。
【0008】
更に、前記制御部17では、蛇行量の平均値を算出し、図7に示すような一通りに定義された関係から、その蛇行量平均値に応じた前記加圧ロール8と前記加熱ロール5とにより発生する挟持力バランスの関係分A(前記走行調整モータ14の駆動量A)と、単位時間当りの蛇行量変化量を算出する。そして、図8に示すような、一通りに定義された関係から、その蛇行量変化量に応じた前記加圧ロール8と前記加熱ロール5とにより発生する挟持力バランスの関係分B(前記走行調整モータ14の駆動量B)とを決定し、これら2つの挟持力バランス関係分の和(A+B)を取り、その結果に基づいた回転方向と回転量にて前記走行調整モータ14を駆動し、前記印刷用紙1の蛇行補正を行っている。
【0009】
例えば、図6において、印刷用紙1がL側に蛇行していた場合、加圧ロール8と加熱ロール5とにより発生する挟持力バランスのR側を大きく、L側を小さくする為に、走行調整モータ14を、図6中の矢印A方向に回転させる。これにより、ワイヤ13が巻き取られ、支持体7bの加圧ロールを支持している側が支点7bcを中心に上方向(矢印B方向)に動き、加圧ロール8と加熱ロール5により発生する挟持力はR側が大きく、反対に支持体7aは下方向に動き、加圧ロール8と加熱ロール5により発生する挟持力はL側が小さくなる。このような挟持力バランスにすることにより、印刷用紙1は挟持力の大きいR側に寄っていくことになる。
【0010】
ここで、前記加圧ロール8及び前記加熱ロール5のいづれか一方もしくは両方が、前記挟持力バランスの変化が起こし易いように、ある決められた量の逆クラウン形状になっている。
【0011】
前記した構成では、前記印刷用紙1の蛇行補正は、予め一通りに印刷用紙蛇行状態により定義されたものであり、印刷用紙幅、又用紙が受けている熱や走行などに起因する用紙ストレスにより変化する印刷用紙走行状態に関係無く、前記印刷用紙1の蛇行補正を行っていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
前記した従来技術の定着装置において、印刷用紙の蛇行補正は蛇行センサによる印刷用紙端部の蛇行状態に基づくものであり、蛇行センサ通過以前の用紙走行中に印刷用紙端部が熱や用紙走行補助用部材等との接触により局部的に変形した場合、印刷用紙の走行が蛇行した場合と区別して制御することは出来ない。
【0013】
この状態は、高速な両面印刷を行うタンデム印刷時において、表面印刷時の1台目の定着装置内にて未定着トナー像を印刷用紙に定着させる際に短時間により多くの熱エネルギーを供給できるよう設定温度を高温にて制御されている予熱板や加熱ロールからの熱により局部的に熱収縮をおこした印刷用紙が、裏面印刷時の2台目の定着装置内にて用紙蛇行補正を行う場合、印刷用紙端部の蛇行が用紙走行状態によるものなのか、又は局部的な印刷用紙端部の変形によるものなのか、蛇行センサ自身は判断がつかない状態となり顕著に現れる。
【0014】
このような印刷用紙走行開始より一定期間が経過した後、用紙走行が安定している状態において、突如として印刷用紙は蛇行していないにも関わらず印刷用紙端部の変形により、蛇行センサにおいて印刷用紙が急激な蛇行を起こしたと検出し用紙蛇行補正が行われると、加圧ロールと加熱ロールとにより発生する挟持力バランスは走行中の印刷用紙に急激に過剰な蛇行矯正力を与えることになり、加圧ロールと加熱ロールとによる挟持搬送中に発生する印刷用紙しわという問題を引起すことになり、用紙走行が安定している際には、必要な挟持力バランスは蛇行矯正力をなるべく小さくする方向の設定が望ましい。
【0015】
また逆に、このような状態を避ける為など、加圧ロールと加熱ロールとにより発生する挟持力バランスを蛇行矯正力がなるべく小さくなる方向に設定した場合、用紙走行開始時に起る過渡的な用紙蛇行を補正する必要が有る時や、加圧ロールや加熱ロールに付加されている逆クラウン形状の為に挟持力バランスが元々偏った状態で用紙走行させなければならない幅狭用紙走行時には、用紙蛇行矯正力が不足し用紙走行が不安定になり、その結果、予熱板及び加熱ロールから供給されるトナー像定着に必要な熱エネルギーが印刷用紙全面に均等に与えられず、部分的な熱量過少による定着不良を引起すことになり、このような際には、必要な挟持力バランスは蛇行矯正力をなるべく大きくする設定が望ましい。
【0016】
以上の様に、加圧ロールと加熱ロールとにより発生する挟持力バランスによる用紙蛇行矯正力設定が一通りしかない為、用紙走行状態関係無く一義的に用紙への蛇行矯正力が働くことになり、印刷用紙走行が不安定な状況になっていた。
【0017】
本発明の目的は、加熱ロール軸方向における用紙蛇行を、用紙走行開始持、用紙安定状態時など、用紙走行状態に関係なく矯正することができ安定した用紙走行性を実現し、常に安定した印刷品質を得ることにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明では、印刷用紙上の未定着トナー像を定着させる為、内部に複数のランプを配置した加熱ロール、該加熱ロールに対し印刷時には接触加圧し非印刷時には後退するように構成された加圧ロールを有する挟持搬送機構と、用紙蛇行を検出する用紙蛇行センサを備え、且つ該用紙蛇行センサの出力により前記加熱ロールと前記加圧ロールとにより発生する挟持力のバランスを可変させて用紙蛇行補正を行う蛇行補正機構とを備える連続用紙用電子写真式印刷装置の定着装置において、前記用紙蛇行センサの出力する用紙蛇行データの蛇行量に対する前記挟持力バランスの関係と、単位時間あたりの前記用紙蛇行データの蛇行量変化量に対する前記挟持力バランスの関係とを各々複数通りずつ、定着装置内の記憶装置に格納し、用紙走行が安定して用紙蛇行量が最小限になるように、印刷開始より随時、用紙走行状態を前記用紙蛇行センサの出力する前記用紙蛇行データの変化を監視しながら、蛇行量に対する挟持力バランスの関係と蛇行量変化量に対する挟持力バランスの関係とを任意に選択し、用紙走行位置を制御することを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1および図2を用いて、本発明の一実施例を説明する。従来例と同様の部材については、同一記号を付けその説明は省略する。
【0020】
印刷用紙1の走行時には、一定周期にて随時、用紙蛇行方向と用紙蛇行量との情報である用紙蛇行データが蛇行センサ16から出力され、制御部19内に設けられているメモリ20へ記憶されて行く。それと共に、前記制御部19では前記用紙蛇行データを随時監視している。
【0021】
更に、前記制御部19は、蛇行量の平均値を算出し、図3に示すような前記用紙蛇行データの変化に応じて、幾通りかに定義された関係の中から蛇行量平均値に応じた前記加圧ロール8と前記加熱ロール5とにより発生する挟持力バランスの関係分C(前記走行調整モータ14の駆動量C)を決定する。さらに、単位時間当りの蛇行量変化量を算出し、図4に示すような前記用紙蛇行データの変化に応じて幾通りかに定義された関係の中からその蛇行量変化量に応じた前記加圧ロール8と前記加熱ロール5とにより発生する挟持力バランスの関係分D(前記走行調整モータ14の駆動量D)を決定し、これら2つの挟持力バランス関係分の和(C+D)を取り、その結果に基づいた回転方向と回転量にて前記走行調整モータ14を駆動し、前記印刷用紙1の蛇行補正を行う。
【0022】
まず、用紙走行開始時や印刷用紙幅が狭い場合など、印刷用紙は過渡的に蛇行する為、前記用紙蛇行データはある一定期間大きく変化する。この場合、蛇行矯正力が大きくなるように設定された加圧ロールと加熱ロールとにより発生する挟持力バランスの関係を前記制御部19にて選択する。更に、用紙走行開始より一定期間が経過した後など、用紙走行が安定してくるにつれ、前記用紙蛇行データの変化が小さくなる。この場合には、蛇行補正力が小さくなるように設定された加圧ロールと加熱ロールとにより発生する挟持力バランスの関係を前記制御部19にて選択する。
【0023】
次に、前記蛇行センサ16通過以前の用紙走行中に、印刷用紙端部が熱や用紙走行用補助部材等との接触により局部的に変形した前記印刷用紙1では、用紙走行開始より一定期間が経過した後、用紙走行が安定している状態において、突如として印刷用紙は蛇行していないにも関わらず印刷用紙端部の変形により、前記蛇行センサ16で前記印刷用紙1が急激な蛇行を起こしたと検出する為、前記用紙蛇行データは変化が小さい状態から大きい状態へと変化する。この場合には、走行中の印刷用紙に急激に過剰な蛇行矯正力を与えることがないよう、蛇行補正力が小さくなるように設定された加圧ロールと加熱ロールとにより発生する挟持力バランスの関係を前記制御部19にて選択する。
【0024】
このように、前記用紙蛇行センサ16の出力からの前記用紙蛇行データ変化を随時監視しながら、用紙走行状態の変化に適した、蛇行量平均値に応じた前記加圧ロール8と前記加熱ロール5とにより発生する挟持力バランスの関係分と蛇行量変化量に応じた同様の挟持力バランスの関係分とにより、用紙蛇行状態に適した蛇行矯正力にて用紙蛇行補正を行うことが可能となる。
【0025】
そのため、用紙走行が安定な状態となり、前記予熱板3及び前記加熱ロール5から前記トナー像2定着に適切な熱エネルギーが印刷用紙全面に均等に与えられることになり、常に安定した定着強度が得られることになる。また、前記印刷用紙1へ無理の掛からない前記蛇行矯正力が働くため、用紙しわの発生も無くなる。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、如何なる用紙走行状態においても、加熱ロールの軸方向に発生する印刷用紙の蛇行補正を可能とする。また、常に安定した印刷用紙走行を可能とする。従って、定着不良や用紙しわなどの印刷品質の低下を防ぎ、かつ安価な定着装置を供給することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による定着装置の一実施例を示す概略図である。
【図2】本発明による定着装置の要部斜視図である。
【図3】本発明による平均蛇行量に応じた加圧ロールと加熱ロールとにより発生する挟持力バランスの関係図である。
【図4】本発明による単位時間あたりの蛇行量変化量に応じた加圧ロールと加熱ロールとにより発生する挟持力バランスの関係図である。
【図5】従来の定着装置の一実施例を示す概略図である。
【図6】従来の定着装置の要部斜視図である。
【図7】従来の平均蛇行量に応じた加圧ロールと加熱ロールとにより発生する挟持力バランスの関係図である。
【図8】従来の単位時間あたりの蛇行量変化量に応じた加圧ロールと加熱ロールとにより発生する挟持力バランスの関係図である。
【符号の説明】
1は印刷用紙、2はトナー像、3は予熱板、4はヒータ、5は加熱ロール、6a,6b,6c,6dは発熱ランプ、7a,7bは支持体、7ac,7bcは回転中心、8は加圧ロール、9aは温度センサ、9bは検出部、10a,10b,10c,10dは温度センサ、11は制御部、12はスプリング、13はワイヤ、14は走行調整モータ、15は走行調整プーリ、16は蛇行センサ、17は制御部、18はメモリ、19は制御部、20はメモリである。
Claims (2)
- 印刷用紙上の未定着トナー像を定着させる為、内部に複数のランプを配置した加熱ロール、該加熱ロールに対し印刷時には接触加圧し非印刷時には後退するように構成された加圧ロールを有する挟持搬送機構と、用紙蛇行を検出する用紙蛇行センサを備え、且つ該用紙蛇行センサの出力により前記加熱ロールと前記加圧ロールとにより発生する挟持力のバランスを可変させて用紙蛇行補正を行う蛇行補正機構とを備える連続用紙用電子写真式印刷装置の定着装置において、
前記用紙蛇行センサの出力する用紙蛇行データの蛇行量に対する前記挟持力バランスの関係と、単位時間あたりの前記用紙蛇行データの蛇行量変化量に対する前記挟持力バランスの関係とを各々複数通りずつ、定着装置内の記憶装置に格納し、用紙走行が安定して用紙蛇行量が最小限になるように、印刷開始より随時、用紙走行状態を前記用紙蛇行センサの出力する前記用紙蛇行データの変化を監視しながら、蛇行量に対する挟持力バランスの関係と蛇行量変化量に対する挟持力バランスの関係とを任意に選択し、用紙走行位置を制御することを特徴とする連続用紙用電子写真式印刷装置の定着装置。 - 請求項1記載の定着装置を備えることを特徴とする連続紙用電子写真式印刷装置。
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JP2003076755A JP2004286905A (ja) | 2003-03-20 | 2003-03-20 | 連続用紙用電子写真印刷装置およびその定着装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2003
- 2003-03-20 JP JP2003076755A patent/JP2004286905A/ja active Pending
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