JP2004283869A - 双ドラム式連続鋳造装置および連続鋳造開始方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】双ドラム式連続鋳造装置において、ダミーシートを用いた鋳造開始時の安定性を高める。
【解決手段】互いに逆方向に回転する機能を有する一対の冷却ドラムと、前記一対の冷却ドラム間の上部空間の両端にサイド堰を配置した双ドラム式連続鋳造装置において、冷却ドラム直下に鋳片冷却用流体噴射ノズルを設けたことを特徴とする双ドラム式連続鋳造装置。また、前記冷却用流体噴射ノズルが退避機能を有することを特徴とする双ドラム式連続鋳造装置。また、冷却ドラムからダミーシートに引き続き排出された鋳片をドラム直下で冷却用流体を吹き付けて冷却することを特徴とする双ドラム式連続鋳造開始方法。
【選択図】 図1
【解決手段】互いに逆方向に回転する機能を有する一対の冷却ドラムと、前記一対の冷却ドラム間の上部空間の両端にサイド堰を配置した双ドラム式連続鋳造装置において、冷却ドラム直下に鋳片冷却用流体噴射ノズルを設けたことを特徴とする双ドラム式連続鋳造装置。また、前記冷却用流体噴射ノズルが退避機能を有することを特徴とする双ドラム式連続鋳造装置。また、冷却ドラムからダミーシートに引き続き排出された鋳片をドラム直下で冷却用流体を吹き付けて冷却することを特徴とする双ドラム式連続鋳造開始方法。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は双ドラム式連続鋳造装置による薄帯鋳片の製造において、ダミーシートを用いた鋳造装置及び鋳造開始方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
双ドラム式連続鋳造装置による薄帯鋳片の製造においては、一対の冷却ドラムの両端面に一対のサイド堰を押し付けて湯溜まり部を形成し、この湯溜まり部に溶鋼を連続的に供給しながら一対の冷却ドラムを互いに反対方向に回転させ、ドラム周面に沿って生成した一対の凝固シェルをドラム最小ギャップ部(ドラムキス点)で圧着して鋳片とする。
【0003】
前記装置での鋳造開始時は、予めダミーシートをドラムで挟んでおき、そこに溶鋼を注入して凝固シェルと前記ダミーシート端部を溶着により接合させて、ダミーシートを引っ張ることにより、鋳片をコイラーまで搬送する。ダミーシートとの接合部近傍の鋳片はドラムが停止状態あるいはドラム速度が極めて低いので、一旦形成した凝固シェルがノズルからの溶鋼流により再溶解されて、不健全な鋳片となりやすく、特に浸漬ノズル(SEN)の直下部分はその程度がひどく、鋳片に孔が開いたり捲れたり破断したりし、鋳片の搬送に支障を来たす事が多い。
【0004】
上記のようなトラブルの対策として、補助シートを用いる方法が特許文献1に記載されている。この方法は、補助シートを鋳片の下面に配置し、ベルトコンベヤーのようにして搬送するものである。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−293605号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1の方法では、鋳片の上面側の捲れ部が途中のロール等に突っかかることがあり、完全に防止出来るものではない。補助シートは最低でもコイラーまでの長さが必要であり、ライン長が長い場合コストアップが顕著になり、また設備的にもシャーが必要であり大掛かりなものとなる。
本発明は双ドラム式連続鋳造装置による薄帯鋳片の製造において、ダミーシートを用いた鋳造開始時の安定性を高める装置および方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、以下の通りである。
(1)互いに逆方向に回転する機能を有する一対の冷却ドラムと、前記一対の冷却ドラム間の上部空間の両端にサイド堰を配置した双ドラム式連続鋳造装置において、冷却ドラム直下に鋳片冷却用流体噴射ノズルを設けたことを特徴とする双ドラム式連続鋳造装置。
(2)冷却用流体噴射ノズルが退避機能を有することを特徴とする前記(1)に記載の双ドラム式連続鋳造装置。
(3)一対の冷却ドラムとその両端のサイド堰に囲まれた空間に、浸漬ノズルから溶鋼を供給し、一対の冷却ドラムを互いに逆方向に回転することにより薄板状の鋳片を下方向へ排出するに際し、ダミーシートを用いて鋳造を開始する場合において、冷却ドラムからダミーシートに引き続き排出された鋳片をドラム直下で冷却用流体を吹き付けて冷却することを特徴とする双ドラム式連続鋳造開始方法。
(4)鋳片を冷却用流体で冷却する幅が浸漬ノズルの幅以上であることを特徴とする前記(3)に記載の双ドラム式連続鋳造開始方法。
(5)冷却用流体を吹き付ける際に、冷却用流体噴射ノズルを用いて鋳片を冷却した後、冷却用流体噴射ノズルを退避させることを特徴とする前記(3)または(4)に記載の双ドラム式連続鋳造開始方法。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、双ドラム式連続鋳造を開始する際に、鋳片の不健全部は冷却式双ドラムから排出される薄板状鋳片のうち、初期に排出される部分にほぼ特定されており、それ以降の部分の薄板状鋳片は概ね健全あることに着目し、少なくともその不健全部分をガス冷却して、この部分の強度を高めることで、安定して鋳造を開始できることを新たに見出したものである。
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明を実施するための双ドラム式連続鋳造装置を示す側面図の一例で、鋳造開始前のダミーシート2をセットした状態を示したものである。
また図2は、冷却ドラム1a,1bと鋳片冷却用流体噴射ノズル3a,3bの配置をドラムの真下から見たものである。
ダミーシート2は冷却ドラム1a,1bに挟み込まれた状態でセットされている。さらに、冷却ドラム1a,1bの直下には鋳片冷却用流体噴射ノズル3a,3bが配置されている。
【0010】
この状態で浸漬ノズル4から溶鋼が注ぎ込まれ、冷却ドラム1a,1bが互いに逆方向の回転を開始すると、冷却ドラムから排出された鋳片は溶着によりダミーシート2のドラム最小ギャップ部6側の先端と接合され、冷却ドラム最小ギャップ部6から下方に送り出される。次に、冷却用流体噴射ノズル3a,3bから冷却用流体を吹き付けることにより、ダミーシート2に引き続き、冷却ドラムから排出された脆弱な鋳片は冷却され、これにより鋳片の脆弱部の冷却が促進されることでシェルの強度が向上し、脆弱な鋳片は補強される。
さらに、ダミーシート2と冷却された鋳片は、冷却ドラムと同期して駆動するピンチロール5a,5bにより、コイラーの方向(図1では右側)に送られる。
【0011】
冷却ドラムから排出された鋳片のシェル表面温度は、排出された直後から一旦復熱により温度が上昇し、その後低下する。冷却ドラムから排出された直後の鋳片の脆弱部は、前述の復熱により鋳片のシェルの強度が低下するために、シェルが破れる現象が発生し易い。
従って、冷却ドラム近傍で鋳片の強度を向上させることがより効果的であるため、冷却ノズル3a,3bは冷却ドラム直下に配置することが好ましい。ここで冷却ドラム直下とは、鋳片のシェルを補強できる距離であれば特に規定するものではないが、冷却ドラムに近いほど好ましい。
【0012】
また、冷却用流体としては、窒素、アルゴン等の不活性ガスあるいは液体窒素等を用いることができるが、鋳片への酸化が品質上問題ない場合であれば、空気を用いてもよい。
さらに冷却用流体噴射ノズルとしては、ガス、液体とも基本的には同一構造のものを一般的な工業製品を利用できるが、液体窒素等の極めて低温の流体を扱う場合は、ノズルの材質の選定に配慮が必要で、低温靭性に優れた金属材料を適宜選定して用いることが好ましい。
【0013】
また、鋳片を冷却用流体で冷却する幅は浸漬ノズル4の幅以上であることが好ましい。その理由として、浸漬ノズル4の直下部は特に溶鋼の流速が速いため、凝固シェルの再溶解が起こり、脆弱な鋳片になりやすいため、その部分を補強することが効果的であることが挙げられる。
さらに、冷却用流体で冷却を行う鋳片長さの上限値は特に規定するものではないが、少なくとも冷却ドラムから排出された鋳片の脆弱部を補強できる長さであることが好ましく、通常は高々冷却ドラム1周分以内程度である。但し、鋳造条件等により適宜設定すれば良い。
【0014】
冷却用流体噴射ノズル3a,3bを用いて冷却ドラムから排出された脆弱な鋳片を冷却した後は、その後の健全な鋳片は冷却する必要がないため、鋳片からの熱による設備損傷を回避するために、冷却用流体噴射ノズル3a,3bを退避させる機能を有することが好ましい。
冷却用流体噴射ノズル3a,3bの退避を実施する装置として、例えばエアーシリンダーを用いた退避装置等が考えられるが、特にこれに限定するものではない。
【0015】
【実施例】
直径、幅がそれぞれ1200mm、1300mmの冷却ドラムと680mm幅の浸漬ノズルを用いて、低炭素鋼を鋳造した。鋳造開始前に0.4mm厚の鋼板製ダミーシートの先端をドラムで挟んでおく。更に、図1,2に示すように、ドラム最小ギャップ部から下方600mmの位置で、ドラム幅中央700mmの範囲に対応する部分に、ダミーシートの両面から冷却できるように流体噴射ノズルを配置した。
この状態で鋳造を開始すると同時に、流体噴射ノズルからArガスを総量で270Nm3 /hの流量で流して冷却し、ボトム鋳片長さ3000mmに相当する部分が流体噴射ノズル位置を通過した時点で通ガスを停止した。
その結果、最ボトム鋳片には凝固シェルの部分的な破れ等の異常は見られず、問題なくコイラーまで通板できた。
【0016】
一方、ドラム直下での鋳片のArガス冷却を行なわず、それ以外は前記と同様の条件にて鋳造を行った場合は、最ボトム鋳片の幅中央600mm、ダミーシートとの接合部から長さ2000mmまでの部分に、凝固シェルの部分的な破れが散在し、その最も激しい部分が捲れ、ピンチロールに突っかかって鋳造停止となった。
【0017】
【発明の効果】
本発明は、上述したごとく、双ドラムで鋳造したボトム側鋳片が脆弱であっても、確実かつ効果的に冷却、補強することが出来、安定した鋳造スタートアップを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を説明する双ドラム式連続鋳造装置の一部の側面図。
【図2】ドラムと鋳片冷却用流体噴射ノズルを下面からみた平面図。
【符号の説明】
1a,1b:冷却ドラム
2 :ダミーシート
3a,3b:鋳片冷却用流体噴射ノズル
4 :浸漬ノズル
5a,5b:ピンチロール
6 :冷却ドラム最小ギャップ部
【発明の属する技術分野】
本発明は双ドラム式連続鋳造装置による薄帯鋳片の製造において、ダミーシートを用いた鋳造装置及び鋳造開始方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
双ドラム式連続鋳造装置による薄帯鋳片の製造においては、一対の冷却ドラムの両端面に一対のサイド堰を押し付けて湯溜まり部を形成し、この湯溜まり部に溶鋼を連続的に供給しながら一対の冷却ドラムを互いに反対方向に回転させ、ドラム周面に沿って生成した一対の凝固シェルをドラム最小ギャップ部(ドラムキス点)で圧着して鋳片とする。
【0003】
前記装置での鋳造開始時は、予めダミーシートをドラムで挟んでおき、そこに溶鋼を注入して凝固シェルと前記ダミーシート端部を溶着により接合させて、ダミーシートを引っ張ることにより、鋳片をコイラーまで搬送する。ダミーシートとの接合部近傍の鋳片はドラムが停止状態あるいはドラム速度が極めて低いので、一旦形成した凝固シェルがノズルからの溶鋼流により再溶解されて、不健全な鋳片となりやすく、特に浸漬ノズル(SEN)の直下部分はその程度がひどく、鋳片に孔が開いたり捲れたり破断したりし、鋳片の搬送に支障を来たす事が多い。
【0004】
上記のようなトラブルの対策として、補助シートを用いる方法が特許文献1に記載されている。この方法は、補助シートを鋳片の下面に配置し、ベルトコンベヤーのようにして搬送するものである。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−293605号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1の方法では、鋳片の上面側の捲れ部が途中のロール等に突っかかることがあり、完全に防止出来るものではない。補助シートは最低でもコイラーまでの長さが必要であり、ライン長が長い場合コストアップが顕著になり、また設備的にもシャーが必要であり大掛かりなものとなる。
本発明は双ドラム式連続鋳造装置による薄帯鋳片の製造において、ダミーシートを用いた鋳造開始時の安定性を高める装置および方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、以下の通りである。
(1)互いに逆方向に回転する機能を有する一対の冷却ドラムと、前記一対の冷却ドラム間の上部空間の両端にサイド堰を配置した双ドラム式連続鋳造装置において、冷却ドラム直下に鋳片冷却用流体噴射ノズルを設けたことを特徴とする双ドラム式連続鋳造装置。
(2)冷却用流体噴射ノズルが退避機能を有することを特徴とする前記(1)に記載の双ドラム式連続鋳造装置。
(3)一対の冷却ドラムとその両端のサイド堰に囲まれた空間に、浸漬ノズルから溶鋼を供給し、一対の冷却ドラムを互いに逆方向に回転することにより薄板状の鋳片を下方向へ排出するに際し、ダミーシートを用いて鋳造を開始する場合において、冷却ドラムからダミーシートに引き続き排出された鋳片をドラム直下で冷却用流体を吹き付けて冷却することを特徴とする双ドラム式連続鋳造開始方法。
(4)鋳片を冷却用流体で冷却する幅が浸漬ノズルの幅以上であることを特徴とする前記(3)に記載の双ドラム式連続鋳造開始方法。
(5)冷却用流体を吹き付ける際に、冷却用流体噴射ノズルを用いて鋳片を冷却した後、冷却用流体噴射ノズルを退避させることを特徴とする前記(3)または(4)に記載の双ドラム式連続鋳造開始方法。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、双ドラム式連続鋳造を開始する際に、鋳片の不健全部は冷却式双ドラムから排出される薄板状鋳片のうち、初期に排出される部分にほぼ特定されており、それ以降の部分の薄板状鋳片は概ね健全あることに着目し、少なくともその不健全部分をガス冷却して、この部分の強度を高めることで、安定して鋳造を開始できることを新たに見出したものである。
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明を実施するための双ドラム式連続鋳造装置を示す側面図の一例で、鋳造開始前のダミーシート2をセットした状態を示したものである。
また図2は、冷却ドラム1a,1bと鋳片冷却用流体噴射ノズル3a,3bの配置をドラムの真下から見たものである。
ダミーシート2は冷却ドラム1a,1bに挟み込まれた状態でセットされている。さらに、冷却ドラム1a,1bの直下には鋳片冷却用流体噴射ノズル3a,3bが配置されている。
【0010】
この状態で浸漬ノズル4から溶鋼が注ぎ込まれ、冷却ドラム1a,1bが互いに逆方向の回転を開始すると、冷却ドラムから排出された鋳片は溶着によりダミーシート2のドラム最小ギャップ部6側の先端と接合され、冷却ドラム最小ギャップ部6から下方に送り出される。次に、冷却用流体噴射ノズル3a,3bから冷却用流体を吹き付けることにより、ダミーシート2に引き続き、冷却ドラムから排出された脆弱な鋳片は冷却され、これにより鋳片の脆弱部の冷却が促進されることでシェルの強度が向上し、脆弱な鋳片は補強される。
さらに、ダミーシート2と冷却された鋳片は、冷却ドラムと同期して駆動するピンチロール5a,5bにより、コイラーの方向(図1では右側)に送られる。
【0011】
冷却ドラムから排出された鋳片のシェル表面温度は、排出された直後から一旦復熱により温度が上昇し、その後低下する。冷却ドラムから排出された直後の鋳片の脆弱部は、前述の復熱により鋳片のシェルの強度が低下するために、シェルが破れる現象が発生し易い。
従って、冷却ドラム近傍で鋳片の強度を向上させることがより効果的であるため、冷却ノズル3a,3bは冷却ドラム直下に配置することが好ましい。ここで冷却ドラム直下とは、鋳片のシェルを補強できる距離であれば特に規定するものではないが、冷却ドラムに近いほど好ましい。
【0012】
また、冷却用流体としては、窒素、アルゴン等の不活性ガスあるいは液体窒素等を用いることができるが、鋳片への酸化が品質上問題ない場合であれば、空気を用いてもよい。
さらに冷却用流体噴射ノズルとしては、ガス、液体とも基本的には同一構造のものを一般的な工業製品を利用できるが、液体窒素等の極めて低温の流体を扱う場合は、ノズルの材質の選定に配慮が必要で、低温靭性に優れた金属材料を適宜選定して用いることが好ましい。
【0013】
また、鋳片を冷却用流体で冷却する幅は浸漬ノズル4の幅以上であることが好ましい。その理由として、浸漬ノズル4の直下部は特に溶鋼の流速が速いため、凝固シェルの再溶解が起こり、脆弱な鋳片になりやすいため、その部分を補強することが効果的であることが挙げられる。
さらに、冷却用流体で冷却を行う鋳片長さの上限値は特に規定するものではないが、少なくとも冷却ドラムから排出された鋳片の脆弱部を補強できる長さであることが好ましく、通常は高々冷却ドラム1周分以内程度である。但し、鋳造条件等により適宜設定すれば良い。
【0014】
冷却用流体噴射ノズル3a,3bを用いて冷却ドラムから排出された脆弱な鋳片を冷却した後は、その後の健全な鋳片は冷却する必要がないため、鋳片からの熱による設備損傷を回避するために、冷却用流体噴射ノズル3a,3bを退避させる機能を有することが好ましい。
冷却用流体噴射ノズル3a,3bの退避を実施する装置として、例えばエアーシリンダーを用いた退避装置等が考えられるが、特にこれに限定するものではない。
【0015】
【実施例】
直径、幅がそれぞれ1200mm、1300mmの冷却ドラムと680mm幅の浸漬ノズルを用いて、低炭素鋼を鋳造した。鋳造開始前に0.4mm厚の鋼板製ダミーシートの先端をドラムで挟んでおく。更に、図1,2に示すように、ドラム最小ギャップ部から下方600mmの位置で、ドラム幅中央700mmの範囲に対応する部分に、ダミーシートの両面から冷却できるように流体噴射ノズルを配置した。
この状態で鋳造を開始すると同時に、流体噴射ノズルからArガスを総量で270Nm3 /hの流量で流して冷却し、ボトム鋳片長さ3000mmに相当する部分が流体噴射ノズル位置を通過した時点で通ガスを停止した。
その結果、最ボトム鋳片には凝固シェルの部分的な破れ等の異常は見られず、問題なくコイラーまで通板できた。
【0016】
一方、ドラム直下での鋳片のArガス冷却を行なわず、それ以外は前記と同様の条件にて鋳造を行った場合は、最ボトム鋳片の幅中央600mm、ダミーシートとの接合部から長さ2000mmまでの部分に、凝固シェルの部分的な破れが散在し、その最も激しい部分が捲れ、ピンチロールに突っかかって鋳造停止となった。
【0017】
【発明の効果】
本発明は、上述したごとく、双ドラムで鋳造したボトム側鋳片が脆弱であっても、確実かつ効果的に冷却、補強することが出来、安定した鋳造スタートアップを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を説明する双ドラム式連続鋳造装置の一部の側面図。
【図2】ドラムと鋳片冷却用流体噴射ノズルを下面からみた平面図。
【符号の説明】
1a,1b:冷却ドラム
2 :ダミーシート
3a,3b:鋳片冷却用流体噴射ノズル
4 :浸漬ノズル
5a,5b:ピンチロール
6 :冷却ドラム最小ギャップ部
Claims (5)
- 互いに逆方向に回転する機能を有する一対の冷却ドラムと、前記一対の冷却ドラム間の上部空間の両端にサイド堰を配置した双ドラム式連続鋳造装置において、冷却ドラム直下に鋳片冷却用流体噴射ノズルを設けたことを特徴とする双ドラム式連続鋳造装置。
- 冷却用流体噴射ノズルが退避機能を有することを特徴とする請求項1に記載の双ドラム式連続鋳造装置。
- 一対の冷却ドラムとその両端のサイド堰に囲まれた空間に、浸漬ノズルから溶鋼を供給し、一対の冷却ドラムを互いに逆方向に回転することにより薄板状の鋳片を下方向へ排出するに際し、ダミーシートを用いて鋳造を開始する場合において、冷却ドラムからダミーシートに引き続き排出された鋳片をドラム直下で冷却用流体を吹き付けて冷却することを特徴とする双ドラム式連続鋳造開始方法。
- 鋳片を冷却用流体で冷却する幅が浸漬ノズルの幅以上であることを特徴とする請求項3に記載の双ドラム式連続鋳造開始方法。
- 冷却用流体を吹き付ける際に、冷却用流体噴射ノズルを用いて鋳片を冷却した後、冷却用流体噴射ノズルを退避させることを特徴とする請求項3または4に記載の双ドラム式連続鋳造開始方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003079524A JP2004283869A (ja) | 2003-03-24 | 2003-03-24 | 双ドラム式連続鋳造装置および連続鋳造開始方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003079524A JP2004283869A (ja) | 2003-03-24 | 2003-03-24 | 双ドラム式連続鋳造装置および連続鋳造開始方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004283869A true JP2004283869A (ja) | 2004-10-14 |
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ID=33293616
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003079524A Withdrawn JP2004283869A (ja) | 2003-03-24 | 2003-03-24 | 双ドラム式連続鋳造装置および連続鋳造開始方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004283869A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020505235A (ja) * | 2017-11-15 | 2020-02-20 | ノベリス・インコーポレイテッドNovelis Inc. | 流速要求の移行時における金属レベルのオーバーシュートまたはアンダーシュートの軽減 |
-
2003
- 2003-03-24 JP JP2003079524A patent/JP2004283869A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020505235A (ja) * | 2017-11-15 | 2020-02-20 | ノベリス・インコーポレイテッドNovelis Inc. | 流速要求の移行時における金属レベルのオーバーシュートまたはアンダーシュートの軽減 |
US10632528B2 (en) | 2017-11-15 | 2020-04-28 | Novelis Inc. | Metal level overshoot or undershoot mitigation at transition of flow rate demand |
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