JP2004281079A - セパレータ、燃料電池装置及び燃料電池装置の温度調整方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷却用流体を円滑に流動させて発電部からの放熱効率を高める。
【解決手段】発電部30を構成するセパレータ31は、セパレータ31の間に発電体としての接合体32を挟み込むように積層され、接合体32を接するセパレータ本体部31aの側縁部には放熱フィン33が設けられている。放熱フィン33は、略矩形状の断面形状を有する中央部72と、略テーパ−形状の断面形状を有する縁部71から構成される。このような放熱フィン33によれば、発電部30の側面側から流動される空気に対する抵抗を低減することができ、各放熱フィン33の間に十分な流量の空気を流しながら放熱を行うことができる。
【選択図】 図3
【解決手段】発電部30を構成するセパレータ31は、セパレータ31の間に発電体としての接合体32を挟み込むように積層され、接合体32を接するセパレータ本体部31aの側縁部には放熱フィン33が設けられている。放熱フィン33は、略矩形状の断面形状を有する中央部72と、略テーパ−形状の断面形状を有する縁部71から構成される。このような放熱フィン33によれば、発電部30の側面側から流動される空気に対する抵抗を低減することができ、各放熱フィン33の間に十分な流量の空気を流しながら放熱を行うことができる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セパレータ、燃料電池装置及び燃料電池装置の温度調整方法に関する。さらに詳しくは、スタック構造を有する発電部に放熱フィンが設けられ、装置外部から取り込まれた空気を放熱フィンの周辺に流動させて発電部からの放熱を行うセパレータ、燃料電池装置及び燃料電池装置の温度調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、例えば水素ガスの如き燃料ガスと空気に含まれる酸素ガスの如き酸化剤ガスを電気化学的に反応させることにより発電を行う発電素子である。燃料電池は、発電により生成される生成物が水であることから環境を汚染することがない発電素子として近年注目されている。
【0003】
また、燃料電池は、発電セルを複数結合させることにより出力される電力量を高めることが可能である。例えば固体高分子電解質膜の両面に電極を形成してなる接合体を発電体とし、この発電体をセパレータで挟みこんで発電セルが形成される。さらに、このような発電セルが積層されたスタック構造を有する燃料電池本体を発電部とする燃料電池も開発されている。
【0004】
燃料電池は水素と酸素の化学反応によって発電を行うため、電気化学的な反応による損失分や発電部を構成する材料の電気抵抗などによって発熱し、発電セルが積層されてなる燃料電池本体の温度が上昇する。燃料電池本体は、実質的に発電を行う発電部であり、発電部の温度上昇は安定した発電を行うためには好ましくない。例えば、固体高分子電解質膜とかかる固体高分子電解質膜を挟む電極とから構成される発電体を有する固体高分子型燃料電池においては、固体高分子電解質膜に含まれる水分量が温度上昇と共に減少し、ドライアップと呼ばれる不具合を招く場合がある。よって、固体高分子電解質膜に好適な水分を吸湿させた状態で安定した発電を行うためには、燃料電池本体とされる発電部から熱を外部へ放熱する技術が重要とされる。
【0005】
このような問題点を改善するために各種技術開発が活発に行われており、スタック構造を有する発電部から熱を放熱するための技術として、スタック構造を有する発電部に配設された各セパレータに放熱フィンを設けることにより放熱を行う技術が知られている(例えば、特許文献1。)。また、プレート型ヒートパイプにより発電部を冷却する技術も提案されている(例えば、特許文献2,3。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−162842号公報
【特許文献2】
特開平11−214017号公報
【特許文献3】
特開2000−353536号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、放熱フィンから効率良く放熱させるためには、放熱フィンと、放熱フィンの周辺に存在して放熱フィンを冷却する空気との間で熱が伝達されやすい環境条件を整えることが重要となる。さらに、放熱フィンからの放熱量は、放熱フィンのサイズや形状に応じて変動し、特に発電部を小型化する際には、効率良く放熱が行われるように放熱フィンのサイズや形状を設計することも重要となる。しかしながら、特許文献1においては、発電部からの放熱を行う放熱フィンがアルミニウムなどの金属材料で形成されていることや平板形状を有していることを述べるに止まっており、さらに放熱効率を高めることを可能とする放熱フィンの詳細な形状については言及されていない。
【0008】
特許文献2,3により開示された技術によれば、熱を発電部の外部に放熱するための伝熱部材としてヒートパイプが用いられている。このようなヒートパイプが接続されたセパレータを備える燃料電池においては、燃料電池の構造が複雑となり、燃料電池を小型化する際に支障をきたす場合がある。したがって、燃料電池から効率良く放熱して安定した発電を行うことが可能とされ、且つ燃料電池の小型化に十分対応することができる技術が求められている。
【0009】
よって、本発明は上述の如き問題点を鑑み、発電部からの放熱効率を高めることができると共に燃料電池を小型化することが可能であるセパレータ、燃料電池装置及び燃料電池装置の温度調整方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかるセパレータは、発電体と他の発電体とを電気的に導通させるように積層されるセパレータであって、発電体と接するセパレータ本体部と、セパレータ本体部の側縁部に突設される放熱部とを備え、放熱部の縁部の少なくとも一部の厚みは、放熱部の中央部の厚みに比べて薄いことを特徴とする。本発明にかかるセパレータによれば、放熱部から熱が伝達される冷却用流体が放熱部の周辺を流動する際の流れに対する抵抗を低減することが可能となり、放熱部の間に流動される冷却用流体の流量を殆ど低減させることがない。したがって、外部から一定の流量で供給される冷却用流体に応じた放熱量を確保することができる。
【0011】
本発明にかかるセパレータにおいては、放熱部を冷却するための冷却用流体が放熱部の周辺に流動されることを特徴とする。このようなセパレータによれば、放熱部から熱を受け取った冷却用流体を排出しながら新たな冷却用流体を放熱部の周辺に流動させることが可能となり、発電を行う際に常時十分な熱容量を有する冷却用流体に放熱することができる。
【0012】
このようなセパレータにおいては、放熱部の縁部は、発電体とセパレータ本体部とが積層される積層方向で隣り合うように位置する放熱部の間に冷却用流体が流れ込む入口側に臨むことを特徴とする。このようなセパレータによれば、冷却用流体を隣り合う放熱部の間に滑らかに流動させることが可能となる。したがって、隣り合う放熱部の間を狭めた場合でも冷却用流体の流量を低下させることがないため、放熱部からの放熱効率を殆ど低下させることがない。
【0013】
また、このようなセパレータにおいては、放熱部の縁部は、発電体とセパレータ本体部とが積層される積層方向で隣り合うように位置する放熱部の間から冷却用流体が流れ出る出口側に臨むことを特徴とする。このようなセパレータによれば、隣り合う放熱部の間の出口側で生じる圧力損失を低減することが可能となる。よって、隣り合う放熱部の間を狭めた場合でも冷却用流体の流量を低下させることがないため放熱効率を殆ど低下させることがない。
【0014】
本発明にかかるセパレータにおいては、放熱部の縁部は、放熱部がセパレータ本体部の側縁部から突設されて延在される向きに沿って延在することを特徴とする。このようなセパレータによれば、冷却用流体が流動する際の圧力損失を放熱部の全体で低減することができ、放熱部の表面全体から効率良く放熱することができる。
【0015】
本発明にかかるセパレータにおいては、縁部の断面はテーパー形状とされることを特徴とする。このようなセパレータによれば、冷却用流体の流動が放熱部の縁部によって殆ど阻害されることなく円滑に流動される。
【0016】
このようなセパレータにおいては、中央部の断面は矩形状とされ、縁部は中央部の表面に対して傾斜した傾斜面を備えることを特徴とする。このようなセパレータによれば、縁部から中央部に亘って冷却用流体が流動する際に冷却用流体を円滑に流動させることができ、放熱部の表面に沿って流動する冷却用流体と、隣り合う放熱部の間に流動する冷却用流体との干渉を抑制することができる。これにより、隣り合う放熱部の間に流動する冷却用流体の流量を低減させることなく、放熱効率を殆ど低下させることがない。
【0017】
さらに、このようなセパレータにおいては、中央部の表面と傾斜面との境界は曲面とされることを特徴とする。このようなセパレータによれば、縁部と中央部を曲面によって滑らかに繋ぐことにより、冷却用流体を放熱部の表面に沿って隣り合う放熱部の間に滑らかに流動させることができる。
【0018】
また、このようなセパレータにおいては、傾斜面と縁部の端面との境界は曲面とされることを特徴とする。このようなセパレータによれば、縁部の端面と傾斜面とを滑らかに繋ぐことにより、縁部によって冷却用流体の流動が阻害されることが殆どない。
【0019】
さらにまた、このようなセパレータにおいては、中央部の表面と傾斜面との境界とされる曲面の曲率は、傾斜面と縁部の端面との境界とされる曲面の曲率より大きいことを特徴とする。このようなセパレータによれば、縁部の端面と縁部の主面との境界とされる曲面に沿って冷却用流体を滑らかに流動させることができる。さらに、隣り合う放熱部の間に流動する冷却用流体と、放熱部の表面に近い領域を流動する冷却用流体との干渉を抑制することもできる。
【0020】
また、このようなセパレータにおいては、発電体とセパレータ本体部とが積層される積層方向で放熱部が配設される位置の違いに応じて、中央部の表面と傾斜面との境界とされる曲面の曲率と、傾斜面と縁部の端面との境界とされる曲面の曲率とが所要の値となるように設定されることを特徴とする。このようなセパレータによれば、積層方向に関して発電体及びセパレータ本体部の温度に応じて放熱部毎に冷却用流体の流量を調整することが可能であり、温度が上昇し易い発電体及びセパレータ本体部からの放熱量を他の発電体及びセパレータ本体部より高めておくことができる。
【0021】
本発明にかかるセパレータにおいては、放熱部の縁部は、セパレータ本体部の側縁部から延在されるように設けられる放熱部の先端部であることを特徴とする。このようなセパレータによれば、放熱部が延在される向きと略直交する向きに冷却用流体が流動される際に、冷却用流体の流動が放熱部の先端部によって阻害されることが殆どなく、冷却用流体の流量を低下させることがない。
【0022】
本発明にかかるセパレータにおいては、放熱部の表面は、放熱部を冷却するための冷却用流体の流動を阻害する抵抗を低減するように所要の表面粗さを有することを特徴とする。このようなセパレータによれば、放熱部の形状だけでなく、放熱部の表面により冷却用流体の流量を調整することができ、隣り合う放熱部の間を狭めた場合でも十分な流量を確保して放熱を行うことができる。
【0023】
本発明にかかる燃料電池装置は、発電体と、発電体と他の発電体とを電気的に導通させるセパレータとが積層されてなる燃料電池本体を備える燃料電池装置であって、セパレータは、発電体と接するセパレータ本体部とセパレータ本体部の側縁部に突設される放熱部とを備え、放熱部の縁部の少なくとも一部の厚みが放熱部の中央部の厚みに比べて薄くなるように設定されていることを特徴とする。このような燃料電池装置によれば、隣り合う放熱部の間に冷却用流体が流動される際に冷却用流体の流動を妨げることなく、十分な流量を確保することができる。さらに、燃料電池装置の小型化する際に、隣り合う放熱部の間に冷却用流体を流動させるための十分なスペースを確保することが困難な場合でも、冷却用流体の干渉を抑制することにより十分な流量を維持することができる。これにより、燃料電池本体の温度上昇を抑制しながら安定して発電を行うことができる。
【0024】
本発明にかかる燃料電池装置の温度調整方法は、発電体と、発電体と他の発電体とを電気的に導通させるセパレータとが積層されてなる燃料電池本体の温度を調整する燃料電池装置の温度調整方法であって、発電体と接するセパレータ本体部と、セパレータ本体部の側縁部に突設される放熱部とによりセパレータを構成し、放熱部の縁部の少なくとも一部の厚みを放熱部の中央部の厚みに比べて薄くなるように設定し、燃料電池本体を冷却するための冷却用流体を前記放熱部の周辺に流動させることを特徴とする。このような燃料電池装置の温度調整方法によれば、冷却用流体の流動を阻害することなく円滑に流動させることができ、発電を行う際に熱を受け取った冷却用流体を排出しながら十分な熱容量を有する冷却用流体を隣り合う放熱部の間に常時取り込むことが可能となる。よって、放熱部を介して燃料電池本体から十分に放熱することができ、温度上昇を抑制しながら安定した発電を行うことが可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1乃至図9を参照しながら本発明にかかるセパレータ、燃料電池装置及び燃料電池装置の温度調整方法について説明する。図1に示すように、燃料電池装置1は、筐体10、制御基板20、発電部30、冷却ファン51、空気供給ファン52,53、水素パージバルブ54、レギュレータ55及び手動バルブ56を備える。また、燃料電池装置1は、水素ガスを吸蔵させた水素吸蔵カートリッジ60から供給される水素ガスを受け取り、発電を行う。
【0026】
図1及び図2に示すように、筐体10は略直方体形状の外形を有し、燃料電池装置1に搭載される各種機器を覆うように内部が空洞とされると共に底面が開放されている。筐体10は排気口11,12及び13、吸気口14,15を備え、筐体10の上面の端部は排気口11,12,13が形成された側面に向かう傾斜面とされる。図2(a)に示すように、排気口11と排気口12,13とは筐体10の側面に隣り合うように形成され、発電部30を冷却するために燃料電池装置1内で流動された空気と発電部30による発電反応後の空気とが排気口11,12,13からそれぞれ排出される。排気口11は、発電部30を構成するセパレータに設けられた放熱部から熱を放熱させるために、燃料電池装置1から空気を排出する吐き出し口である。さらに、排気口11は、筐体10の側面に略矩形状に開口し、上下方向に複数形成されている。排気口12、13は、発電部30が発電を行った後の排気を排出するための吐き出し口とされる。排気口12、13は、筐体10の側面に矩形状に開口し、排気口11に沿って上下方向に複数形成されている。
【0027】
図2(b)に示しように、吸気口14,15は、筐体10の排気口11及び排気口12,13が形成された筐体10の側面と対面する側面に形成され、吸気口14,15から発電部30を冷却するための空気と発電部30による発電反応に供される酸素を含む空気とがそれぞれ燃料電池装置1内に取り込まれる。吸気口14は、発電部30を構成するセパレータに設けられた放熱部から熱を放熱させるための空気を取り込むための取り込み口であり、筐体10の側面に略矩形状に開口し、上下方向に複数形成されている。吸気口15は、発電部30が発電を行う際に発電部30に供給される空気が取り込まれるための取り込み口とされ、吸気口14と同様に筐体10の側面に略矩形状に開口し、吸気口14に沿って上下方向に複数形成されている。
【0028】
また、図1、図2(c)及び(d)に示すように、筐体10の一の端面には燃料電池装置1と外部との間で各種信号を送受信するための配線が通される接続孔16を形成されている。切り欠き部17は接続孔16が形成された端面の下側の一部に形成され、外部と燃料電池装置1の内部との間で各種信号を送受信するための配線が切り欠き部17に通される。接続孔16及び切り欠き部17が形成された端面の反対側に位置する端面にも接続孔16及び切り欠き部17と同様に配線などを通すための接続孔18が形成されている。
【0029】
図1に示すように、制御基板20は発電部30の上側に配設され、燃料電池装置1を構成する各種機器を制御するための制御回路が形成されている。制御回路の詳細については図中において詳細に示さないが、例えば冷却ファン51、空気供給ファン52,53の駆動の制御、或いは水素パージバルブ54の開閉動作の制御回路、発電部30により出力される電圧を昇圧するDC/DCコンバータの如き電圧変換回路を制御基板20に搭載することができる。さらにセンサにて検知された温度や湿度などの各種環境条件を取得することにより各種機器の駆動に関する指示を制御基板20に実装された回路に行わせることもできる。また、本例の燃料電池装置1においては燃料電池装置1内に制御基板20が配設されるが、制御基板20は燃料電池装置1の外部に配設されていても良く、例えば、燃料電池装置1から駆動用の電力が提供される各種電子機器に制御基板20を配設しておくこともできる。
【0030】
次に、図1及び図3を参照しながら、燃料電池本体とされる発電部30の構造について説明する。図3は、発電部30の斜視図である。
【0031】
図1及び図3に示すように、発電部30は略直方体形状を有し、基台57に配設される。発電部30は、9枚のセパレータ31の間にそれぞれ発電体としての接合体32が挟みこまれてなる発電セルから構成され、これら発電セルが8個直列に接続された構造を有している。このような発電セルは1素子で約0.6Vの電圧を出力することができるため、発電部30の全体では4.8Vの電圧を出力することが可能である。発電部30は、約2Aの電流を流すことが可能であり出力される電力は理想的には9.6Wとなるが、発電反応における発熱などによって実際の出力電力は理想的な出力電力の約7割である約6.7Wとされる。しかしながら、接合体32に含まれる水分量の調整や発電部30への水素ガスの円滑な供給によりさらに出力電力を高めることができる。また、発電部30を形成する発電セルは本例のように8素子に限定するものではなく、各種電子機器を駆動するために必要とされる出力電力に合わせて所要の数の発電セルにより発電部30を形成することもできる。発電部30の側面39には各セパレータ31に形成された開口部34が臨み、後述するように発電部30の側面39の反対側の側面にも各開口部34に対応するように開口部40が形成されている。開口部34と、開口部34が臨む側面39と反対側の側面に臨む開口部40を介して、発電部30に対する空気の供給、及び排出が行われる。
【0032】
また、図1及び図3に示すように、発電部30の側面39に沿って、冷却ファン51、空気供給ファン52,53が隣り合うように配設されている。発電部30を構成するセパレータ31は、セパレータ31の間に発電体としての接合体32を挟み込むように積層され、接合体32を接するセパレータ本体部31aの側縁部には放熱フィン33が設けられている。放熱フィン33は、略矩形状の断面形状を有する中央部72と、略テーパ−形状の断面形状を有する縁部71から構成される。縁部71はセパレータ31と接合体32とが積層される積層方向で隣り合う放熱フィン33の間に空気が流動される際の入口側と出口側とにそれぞれ臨む。冷却ファン51は、放熱フィン33の側面側から各放熱フィン33の間に空気を流動させ、放熱フィン33から放熱させる。冷却ファン51が放熱フィン33から熱が伝達された空気を排出し、十分な熱容量を有する空気が装置外部から放熱フィン33の間に供給されることにより、放熱フィン33の間に空気が流動する。縁部71の断面形状が略テーパ−形状であることから、縁部71の断面形状が矩形状である場合に比べて空気の流動を円滑に行うことができる。なお、図3は、図1に示した発電部30の最も上側に配設される絶縁部材を取り除いた状態を示している。
【0033】
このように、冷却ファン51が放熱フィン33の間に強制的に空気を流動させることにより、放熱フィン33からの放熱効率を殆ど低下させることなく、発電部30の温度上昇を抑制して安定した発電を発電部30に行わせることが可能となる。さらに、本例にかかる発電部30が備える放熱フィン33の縁部71の断面形状が略テーパ−形状であることから、冷却ファン51により放熱フィン33の間に給排気される空気の流量を低下させることが殆どない。さらに、発電部30が出力する出力電力により冷却ファン51及び空気供給ファン52,53を駆動させる場合には、発電部30による発電と、冷却ファン51及び空気供給ファン52,53の駆動とを安定して行うことができ、冷却ファン51の電力損失を抑制すると共に発電部30及び各種機器が搭載された燃料電池装置1の全体を安定して駆動させることができる。
【0034】
続いて、図4乃至図7を参照しながら発電部30と、発電部30を構成するセパレータ31の構造についてさらに詳細に説明する。図4は発電部30の分解斜視図、図5はセパレータ31の斜視図、図6は放熱フィン33の断面図、図7はセパレータ31の平面図である。
【0035】
図4に示すように、発電部30は、セパレータ31と接合体32とが積層されてなる発電セル50が複数積層されたスタック構造を有する。発電部30を構成する発電セル50は2枚のセパレータ31とセパレータ31に挟み込まれる接合体32によって形成され、例えば、図4には直列に接続される2つの発電セル50が示されている。
【0036】
セパレータ31は、表面に溝部43が設けられたセパレータ本体部31aとセパレータ本体部31aの側縁部に設けられた放熱フィン33から構成される。セパレータ本体部31aにより挟み込まれる接合体32は、吸湿した際にイオン伝導性を有する固体高分子電解質膜36及び固体高分子電解質膜36を両面から挟み込む電極37から形成される。さらに、スタック構造を形成した際にセパレータ本体部31aと接合体32との間を封止する封止部材35が接合体32の周縁付近に配置されている。封止部材35は、セパレータ31aの周縁部と接合体32の周縁部とを十分に絶縁することができる材質を用いれば良い。固体高分子電解質膜36としては、例えばスルホン酸系の固体高分子電解質膜を用いることができる。電極37は、発電反応を促進するための白金の如き触媒が担持された電極を用いることもできる。
【0037】
図5に示すように、セパレータ31は、溝部43が設けられたセパレータ本体部31aと、セパレータ本体部31aの側縁部に設けられた放熱フィン33から構成される。放熱フィン33の縁部71は、空気の流れに対して略垂直に対面する端面73と、放熱フィン33の中央部72の表面に対して傾斜した傾斜面74とを有し、縁部71の断面形状は略テーパー形状とされる。一方の縁部71は、積層方向に沿って隣り合う放熱フィン33の間に流動する空気の入口側に臨み、他方の縁部71が空気の出口側に臨む。縁部71の表面のうち上側と下側にそれぞれ臨む傾斜面74は、セパレータ本体部31aの側縁部から放熱フィン33の先端部まで延在されており、放熱フィン33全体で空気に対する抵抗を低減することができる。
【0038】
図6を参照しながら、放熱フィン33についてさらに詳細に説明する。放熱フィン33の中央部72の断面形状は略矩形状とされ、中央部72の上面及び下面はセパレータ本体部31aの上面及び下面に対して略平行とされる。放熱フィン33の縁部71の断面形状は略テーパ−形状とされ、縁部71は、空気の流れに略垂直に対面する端面73と、端面73と中央部72の上面及び下面とをそれぞれ繋ぐ傾斜面74とを有する。端面73と傾斜面74とは曲面75により繋がれ、傾斜面74と中央部72の上面及び下面とは曲面76により繋がれ、端面73から中央部72の上面及び下面に亘って連続した放熱フィン33の表面が形成されている。曲面76の曲率Rは曲面75の曲率rより大きくなるように設定されている。隣り合う放熱フィン33の間において、空気の流れの入口側に臨む縁部71の断面形状が略テーパー形状であることにより、断面形状が矩形状とされる場合に比べて空気の流れに対する圧力損失、すなわち空気を流れ難くする抵抗を低減することができる。すなわち、冷却ファン51により一定の出力で空気を流動する際に、実質的に放熱フィン33の間に流れる空気の流量を低下させることが殆どない。よって、冷却ファン51の駆動するための電力が一定の状態で、実質的に放熱フィンの間を流れる空気の流量を一定に維持しながら、これら空気を介して放熱フィン33から放熱を行うことが可能となり、発電部30の温度を一定に維持しながら安定した発電を行うことができる。また、曲面76の曲率Rと曲面75の曲率rは、積双方向で放熱フィン33が配設される位置の違いに応じて所要の値に設定され、積層方向で空気の流れに対する抵抗を設定することもできる。積層方向で空気に対する抵抗が異なることにより、各放熱フィン33からの放熱量を調整することができ、発電部30における温度勾配を低減し、発電部30全体の温度を略均一にすることができる。また、放熱フィン33の表面の表面粗さを調整し、放熱フィン33の表面に沿って流れる空気に対する抵抗を低減することにより、隣り合う放熱フィン33の間に流れる空気の流量を維持することもできる。
【0039】
図7は、セパレータ31の構造を示す平面図である。セパレータ本体部31aの両面にはそれぞれ溝部38,43が形成されており、発電部30を組み上げた際に溝部43が接合体32の燃料極と接し、溝部38が接合体32の空気極と接する。また、セパレータ本体部31aには、溝部43に接続された供給孔42及び排出孔41、溝部43と供給孔42とを接続する接続部45、溝部43と排出孔41とを接続する接続部46が形成されている。また、溝部38,43が形成されるセパレータ本体部31aの側縁部に放熱フィン33が設けられている。
【0040】
図7(a)に示すように、溝部43は、燃料ガスとされる水素ガスを接合体32に供給するための面内流路とされる。溝部43は発電反応の効率を高めるためにセパレータ本体部31aの表面内を蛇行するように形成されており、水素ガスが接合体32の燃料極全体に供給されるような形状とされる。供給孔42は、発電部30の外部に設けられた水素吸蔵カートリッジ60の如き水素ガス貯蔵部から溝部43に水素ガスを供給する際の水素ガスの流路とされる。接続部45は溝部43と供給孔42とを接続し、溝部43に水素ガスを供給する。また、接続部46は溝部43と排出孔41とを接続し、溝部43から発電反応後の水素ガスを排出する。本例にかかるセパレータ31においては、接続部45,46の断面積はセパレータ31と接合体32とによりスタック構造を形成した際の溝部43の断面積より小さくなるように形成され、例えば接続部45,46の幅が溝部43の幅より狭くなるように形成される。さらに、接続部45の幅を接続部46の幅より狭くなるように形成し、溝部43への水素ガスの入口側の幅を出口側の幅より狭くしておく。
【0041】
供給孔42及び排出孔41は、スタック構造を形成した際に積層される各セパレータ31の間で接続され、水素ガスを各セパレータ31に供給する供給路と発電後の水素ガスを排出するための排出路を形成する。溝部43に水が蓄積された際には、この排出路を水素パージバルブ54により大気開放して溝部43に蓄積された水の供給路側と排出路側とに圧力差を生じさせ、この圧力差によって水を排出することができる。さらに、スタック構造を形成した際の任意のセパレータ31の溝部43に水が蓄積された場合でも、水が蓄積された溝部43内にのみ瞬間的に圧力差を生じさせることが可能であり、水を排出し発電部30に安定して水素ガスを供給することができる。
【0042】
図7(b)に示すように、溝部38はセパレータ本体部31aの溝部43が形成された面の裏面側に形成され、酸素を含む空気を流すための流路とされる。溝部38は、セパレータ31の幅方向に延在するように形成されてセパレータ本体部31aの側面に開口する。さらに、溝部38は、セパレータ本体部31aの長手方向に沿って複数形成されている。また、溝部38がセパレータ本体部31aの側面にそれぞれ開口する開口部34,40を介して酸素を含む空気が溝部38に供給されて、排気される。開口部34,40の幅は溝部38の幅より大きめとされ、開口部34,40の側壁が溝部38の側壁に対して傾斜したテーパー形状になるように開口部34,40をすることができる。このような開口部34,40によれば、溝部38への空気の取りこみ又は溝部38から空気を排出する際の空気に対する流路抵抗を低減することができ、溝部38に円滑に空気を流動させることができる。また、開口部34,40の高さ方向に沿った開口幅が溝部38の高さ寸法より大きめになるように開口部34,40を形成して、流路抵抗をさらに低減することが可能となる。
【0043】
続いて、図8を参照しながら、放熱フィンの間を流れる空気の流動状態について説明する。図8は放熱フィン周辺における空気の流動状態を説明する図である。図8(a)は、略矩形状とされる断面形状を有する放熱フィン80が一定間隔で配置され、これら放熱フィン80の間における空気の流動状態を説明する図であり、同図(b)は発電部30を構成する放熱フィン33の間における空気の流動状態を説明する図である。
【0044】
図8(a)に示すように、セパレータ本体部81の側縁部に設けられた放熱フィン80の間における空気の流れは、図中矢印で示した空気の流れA,B,Cの3つに分類することができる。空気の流れAは、放熱フィン80にぶつかることなくそのまま放熱フィン80の間のスペースに流れ込む空気の流れである。空気の流れAは、放熱フィン80からの放熱量の大部分に寄与する空気の流れである。空気の流れBは、放熱フィン80の端面80aにより流れの向きが曲げられた空気の流れであり、放熱フィン80と平行に流動する空気の流れに対面する端面80aにより空気の流れが曲げられたものである。
【0045】
空気の流れBは、放熱フィン80の端面80aによって流れが阻害されて流れが曲げられ、空気が放熱フィン80の間のスペースに流れ込む。空気の流れBは、空気の流れAと干渉し、空気の流れAに沿って流れる空気の流量が減少する。特に、放熱フィン80の間のスペースを狭めるほど空気の流れA,Bの干渉の度合いが大きくなり、空気の流れAに沿って流れる空気の流量が減少する割合も増大する。放熱フィン80の間のスペースを流れる空気の流量が減少した場合、放熱フィン80からの放熱量が減少し、発電部の温度上昇を効率良く抑制することが困難となる。
【0046】
さらに、放熱フィン80の間を流れる空気の出口側においては、渦状に空気が流れる空気の流れCが発生する。空気の流れCは、放熱フィン80の間のスペースに比べて広いスペースに空気が流れ出る際に生じ、特に放熱フィン80の間のスペースの幅が狭いほど生じ易い。すなわち、燃料電池装置を小型化するために放熱フィンの間のスペースを狭めるほど空気の流れCは生じ易くなる。空気の流れCは、放熱フィン80の間のスペースから流れ出る空気の流れAを妨げ、これにより空気の流れAの流量が減少する。
【0047】
放熱フィン80からの放熱量は空気の流れAによるところが大きく、空気の流れAによる流量を十分に確保することが重要となる。空気の流れB,Cによる空気の流れAの流量が減少することは、発電部の温度調整の範囲を狭めることに繋がる。よって、このような空気の流れB,Cを抑制することが空気の流量を制御して発電部の温度を調整するためには重要となる。
【0048】
図8(b)に示すように、本例の放熱フィン33によれば、図8(a)に示す空気の流れB,Cを殆ど生じることなく、空気の流れAによる空気の流量を十分に確保することが可能となる。既に述べたように放熱フィン33の縁部の断面形状は略テーパー形状とされ、放熱フィン33の縁部から中央部に亘って緩やかに放熱フィンの間のスペースが狭められている。したがって、放熱フィン33の間のスペース、すなわち空気の流路が滑らかに狭められていることにより、空気の入口側においては、空気の流れBに相当する空気の流れB’が滑らかに放熱フィンの間のスペースに流れ込んで空気の流れAと合流する。また、空気の出口側においては放熱フィン33の中央部72から縁部71に亘って空気の流路が緩やかに広がるため、空気の流れCに相当する空気の流れC’は渦状の流れを殆ど生じることなく、空気は放熱フィンの間のスペースから外側に滑らかに流れ出る。
【0049】
このように、放熱フィンの縁部の断面形状をテーパ−形状とし、さらに空気の流れに臨むそれぞれの面の境界を曲面にすることにより放熱フィンの間のスペースにおける圧力損失を低減することができ、空気を滑らかに流動させることが可能となる。したがって、放熱フィンの間のスペースに供給される空気の流量を精度良く制御することができ、これにより放熱フィンからの放熱量を調整して発電部の温度調整を精度良く行うことができる。さらに、発電部を小型化する際にも冷却ファンの出力を抑制しながら所要の流量で空気を流動させることができ、安定した発電を行うために必要とされる電力を抑制しながら、発電を行うことが可能である。したがって、燃料電池装置を小型、且つ発電を行う際の消費電力が抑制された装置とすることができる。
【0050】
次に、図9を参照しながら、本発明にかかるセパレータの別の例について説明する。図9は、セパレータの構造を示す斜視図である。セパレータ91は、セパレータ本体部91aと放熱フィン93とから構成され、セパレータ本体部91aはセパレータ本体部31aとほぼ同様の構造を有する。セパレータ本体部91aの表面には燃料とされる水素ガスを発電体に供給するための溝部98が設けられ、裏面側には発電体に空気を供給するための溝部が形成されている。
【0051】
放熱フィン93の縁部101は、空気の流れに対して略垂直に対面する端面103と、放熱フィン93の中央部102の表面に対して傾斜した傾斜面104とを有し、縁部101の断面形状は略テーパー形状とされる。一方の縁部101は、スタック構造を有する発電部を構成する際に隣り合うように配設される放熱フィン93の間に流動する空気の入口側に臨み、他方の縁部101が空気の出口側に臨む。縁部101の傾斜面104は、セパレータ本体部91aの側縁部から放熱フィン93の先端部まで延在され、放熱フィン93の縁部101の全体に形成されている。また、セパレータ本体部91aの側縁部と略平行に延在し、放熱フィン93の先端部105の断面形状も、縁部101の断面形状と同様に略テーパ−形状を有する。本例にかかるセパレータ91によれば、縁部101の断面形状が略テーパ−形状を有している場合に比べて、放熱フィン93の間のスペースにおける空気の流れに対する抵抗をさらに低減することができ、放熱フィン93の先端部105とされる縁部の近傍において空気の円滑に流すことが可能となる。流れに対する抵抗を低減することが可能となる。よって、燃料電池本体とされる発電部をセパレータ91と発電体とを積層して形成した場合に、積層方向に一定の間隔を有して配設される放熱フィン93の全体に空気を流動させた際の抵抗を低減することでき、放熱フィン93から熱を伝えられる空気の流量を常時十分に確保することができる。すなわち、空気を一定の流量で流すことができることから、空気の流量に応じて放熱フィン93から放熱される放熱量を調整することができ、発電部の温度調整を精度良く行うことができる。
【0052】
また、本発明にかかる燃料電池装置の温度調整方法によれば、上述した放熱フィン33、或いは放熱フィン93を備えるセパレータによりスタック構造を有する発電部を構成し、空気を放熱フィンの周辺に流動させ、放熱フィンの間のスペースにおいて円滑に入れ替わる空気に対して放熱することができ、冷却ファンによって流量を調整することにより放熱量を調整することができる。したがって、発電部の温度調整を精度良く行うことができる。さらに、冷却ファンの出力を上げることなく空気の流量を一定に維持することができ、冷却ファン、及び燃料電池装置に搭載される各種機器を発電部から供給される電力によって駆動させる場合には、駆動電力の損失の低減にも繋がる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかるセパレータ及び燃料電池装置によれば、空気の流動に対する抵抗を低減することができ、スタック構造を有する燃料電池本体に設けられる放熱フィンの間に円滑に空気を流動させることができる。したがって、放熱フィンの間に流れる空気の流量を精度良く制御することが可能となり、空気の流量に応じて放熱フィンからの放熱量を精度良く調整することができる。これにより、燃料電池本体とされる発電部を冷却して温度調整することができる。
【0054】
さらに、本発明にかかるセパレータ及び燃料電池装置によれば、燃料電池装置に搭載される各種機器を駆動するための駆動電力を発電部から供給する場合には、これら機器の消費電力を低減することができ、燃料電池装置全体の発電効率を向上させることが可能となる。
【0055】
さらにまた、本発明にかかるセパレータ及び燃料電池装置によれば、冷却ファンなどによって空気の流量を精度良く制御することができることから、空気の流量に応じて精度良く発電部の温度を調整できると共に温度の調整範囲を流量に応じて広げることが可能となる。
【0056】
また、本発明にかかるセパレータ及び燃料電池装置によれば、燃料電池装置を小型化する際に放熱フィンの間のスペースが狭められた場合でも、放熱フィンの間のスペースに十分な流量で空気を流動させることができる。したがって、放熱フィンからの放熱量を増大させることも可能であり、放熱量の増大分に応じて、放熱フィンの小型化してさらなる燃料電池装置の小型化に繋げることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる燃料電池装置の構成を示す分解斜視図である。
【図2】同燃料電池を構成する筐体の構造を示す構造図であって、(a)は側面図、(b)は他の側面を示す側面図、(c)は端面図、(d)は他の端面を示す端面図である。
【図3】同燃料電池装置を構成する発電部の概観を示す斜視図である。
【図4】同燃料電池装置を構成する発電部の一部を示す分解斜視図である。
【図5】本発明にかかるセパレータの概観を示す斜視図である。
【図6】同セパレータに設けられる放熱フィンの構造を示す断面図である。
【図7】同セパレータの構造を示す平面図であって、(a)はセパレータの表面側の構造を示す平面図、(b)は裏面側の構造を示す平面図である。
【図8】放熱フィンの近傍を流れる空気の流れを説明する図であり、(a)は断面形状が矩形状である放熱フィンの近傍における空気の流れを説明する図、(b)は本発明にかかるセパレータに設けられる放熱フィンの近傍における空気の流れを説明する図である。
【図9】本発明にかかるセパレータの別の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 燃料電池装置、10 筐体、11,12,13 排気口、14,15 吸気口、20 制御基板、30 発電部、31 セパレータ、31a セパレータ本体、32 接合体、33 放熱フィン、34,40 開口部、35 封止部材、36 固体高分子電解質膜、37 電極、38,43 溝部、50 発電セル、51 冷却ファン、52,53 空気供給ファン、54 水素パージバルブ、55 レギュレータ、56 手動バルブ、57 基台、60 水素吸蔵カートリッジ、80 放熱フィン、81 セパレータ本体部、91 セパレータ、91aセパレータ本体部、93 放熱フィン、98 セパレータ、98 溝部
【発明の属する技術分野】
本発明は、セパレータ、燃料電池装置及び燃料電池装置の温度調整方法に関する。さらに詳しくは、スタック構造を有する発電部に放熱フィンが設けられ、装置外部から取り込まれた空気を放熱フィンの周辺に流動させて発電部からの放熱を行うセパレータ、燃料電池装置及び燃料電池装置の温度調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、例えば水素ガスの如き燃料ガスと空気に含まれる酸素ガスの如き酸化剤ガスを電気化学的に反応させることにより発電を行う発電素子である。燃料電池は、発電により生成される生成物が水であることから環境を汚染することがない発電素子として近年注目されている。
【0003】
また、燃料電池は、発電セルを複数結合させることにより出力される電力量を高めることが可能である。例えば固体高分子電解質膜の両面に電極を形成してなる接合体を発電体とし、この発電体をセパレータで挟みこんで発電セルが形成される。さらに、このような発電セルが積層されたスタック構造を有する燃料電池本体を発電部とする燃料電池も開発されている。
【0004】
燃料電池は水素と酸素の化学反応によって発電を行うため、電気化学的な反応による損失分や発電部を構成する材料の電気抵抗などによって発熱し、発電セルが積層されてなる燃料電池本体の温度が上昇する。燃料電池本体は、実質的に発電を行う発電部であり、発電部の温度上昇は安定した発電を行うためには好ましくない。例えば、固体高分子電解質膜とかかる固体高分子電解質膜を挟む電極とから構成される発電体を有する固体高分子型燃料電池においては、固体高分子電解質膜に含まれる水分量が温度上昇と共に減少し、ドライアップと呼ばれる不具合を招く場合がある。よって、固体高分子電解質膜に好適な水分を吸湿させた状態で安定した発電を行うためには、燃料電池本体とされる発電部から熱を外部へ放熱する技術が重要とされる。
【0005】
このような問題点を改善するために各種技術開発が活発に行われており、スタック構造を有する発電部から熱を放熱するための技術として、スタック構造を有する発電部に配設された各セパレータに放熱フィンを設けることにより放熱を行う技術が知られている(例えば、特許文献1。)。また、プレート型ヒートパイプにより発電部を冷却する技術も提案されている(例えば、特許文献2,3。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−162842号公報
【特許文献2】
特開平11−214017号公報
【特許文献3】
特開2000−353536号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、放熱フィンから効率良く放熱させるためには、放熱フィンと、放熱フィンの周辺に存在して放熱フィンを冷却する空気との間で熱が伝達されやすい環境条件を整えることが重要となる。さらに、放熱フィンからの放熱量は、放熱フィンのサイズや形状に応じて変動し、特に発電部を小型化する際には、効率良く放熱が行われるように放熱フィンのサイズや形状を設計することも重要となる。しかしながら、特許文献1においては、発電部からの放熱を行う放熱フィンがアルミニウムなどの金属材料で形成されていることや平板形状を有していることを述べるに止まっており、さらに放熱効率を高めることを可能とする放熱フィンの詳細な形状については言及されていない。
【0008】
特許文献2,3により開示された技術によれば、熱を発電部の外部に放熱するための伝熱部材としてヒートパイプが用いられている。このようなヒートパイプが接続されたセパレータを備える燃料電池においては、燃料電池の構造が複雑となり、燃料電池を小型化する際に支障をきたす場合がある。したがって、燃料電池から効率良く放熱して安定した発電を行うことが可能とされ、且つ燃料電池の小型化に十分対応することができる技術が求められている。
【0009】
よって、本発明は上述の如き問題点を鑑み、発電部からの放熱効率を高めることができると共に燃料電池を小型化することが可能であるセパレータ、燃料電池装置及び燃料電池装置の温度調整方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかるセパレータは、発電体と他の発電体とを電気的に導通させるように積層されるセパレータであって、発電体と接するセパレータ本体部と、セパレータ本体部の側縁部に突設される放熱部とを備え、放熱部の縁部の少なくとも一部の厚みは、放熱部の中央部の厚みに比べて薄いことを特徴とする。本発明にかかるセパレータによれば、放熱部から熱が伝達される冷却用流体が放熱部の周辺を流動する際の流れに対する抵抗を低減することが可能となり、放熱部の間に流動される冷却用流体の流量を殆ど低減させることがない。したがって、外部から一定の流量で供給される冷却用流体に応じた放熱量を確保することができる。
【0011】
本発明にかかるセパレータにおいては、放熱部を冷却するための冷却用流体が放熱部の周辺に流動されることを特徴とする。このようなセパレータによれば、放熱部から熱を受け取った冷却用流体を排出しながら新たな冷却用流体を放熱部の周辺に流動させることが可能となり、発電を行う際に常時十分な熱容量を有する冷却用流体に放熱することができる。
【0012】
このようなセパレータにおいては、放熱部の縁部は、発電体とセパレータ本体部とが積層される積層方向で隣り合うように位置する放熱部の間に冷却用流体が流れ込む入口側に臨むことを特徴とする。このようなセパレータによれば、冷却用流体を隣り合う放熱部の間に滑らかに流動させることが可能となる。したがって、隣り合う放熱部の間を狭めた場合でも冷却用流体の流量を低下させることがないため、放熱部からの放熱効率を殆ど低下させることがない。
【0013】
また、このようなセパレータにおいては、放熱部の縁部は、発電体とセパレータ本体部とが積層される積層方向で隣り合うように位置する放熱部の間から冷却用流体が流れ出る出口側に臨むことを特徴とする。このようなセパレータによれば、隣り合う放熱部の間の出口側で生じる圧力損失を低減することが可能となる。よって、隣り合う放熱部の間を狭めた場合でも冷却用流体の流量を低下させることがないため放熱効率を殆ど低下させることがない。
【0014】
本発明にかかるセパレータにおいては、放熱部の縁部は、放熱部がセパレータ本体部の側縁部から突設されて延在される向きに沿って延在することを特徴とする。このようなセパレータによれば、冷却用流体が流動する際の圧力損失を放熱部の全体で低減することができ、放熱部の表面全体から効率良く放熱することができる。
【0015】
本発明にかかるセパレータにおいては、縁部の断面はテーパー形状とされることを特徴とする。このようなセパレータによれば、冷却用流体の流動が放熱部の縁部によって殆ど阻害されることなく円滑に流動される。
【0016】
このようなセパレータにおいては、中央部の断面は矩形状とされ、縁部は中央部の表面に対して傾斜した傾斜面を備えることを特徴とする。このようなセパレータによれば、縁部から中央部に亘って冷却用流体が流動する際に冷却用流体を円滑に流動させることができ、放熱部の表面に沿って流動する冷却用流体と、隣り合う放熱部の間に流動する冷却用流体との干渉を抑制することができる。これにより、隣り合う放熱部の間に流動する冷却用流体の流量を低減させることなく、放熱効率を殆ど低下させることがない。
【0017】
さらに、このようなセパレータにおいては、中央部の表面と傾斜面との境界は曲面とされることを特徴とする。このようなセパレータによれば、縁部と中央部を曲面によって滑らかに繋ぐことにより、冷却用流体を放熱部の表面に沿って隣り合う放熱部の間に滑らかに流動させることができる。
【0018】
また、このようなセパレータにおいては、傾斜面と縁部の端面との境界は曲面とされることを特徴とする。このようなセパレータによれば、縁部の端面と傾斜面とを滑らかに繋ぐことにより、縁部によって冷却用流体の流動が阻害されることが殆どない。
【0019】
さらにまた、このようなセパレータにおいては、中央部の表面と傾斜面との境界とされる曲面の曲率は、傾斜面と縁部の端面との境界とされる曲面の曲率より大きいことを特徴とする。このようなセパレータによれば、縁部の端面と縁部の主面との境界とされる曲面に沿って冷却用流体を滑らかに流動させることができる。さらに、隣り合う放熱部の間に流動する冷却用流体と、放熱部の表面に近い領域を流動する冷却用流体との干渉を抑制することもできる。
【0020】
また、このようなセパレータにおいては、発電体とセパレータ本体部とが積層される積層方向で放熱部が配設される位置の違いに応じて、中央部の表面と傾斜面との境界とされる曲面の曲率と、傾斜面と縁部の端面との境界とされる曲面の曲率とが所要の値となるように設定されることを特徴とする。このようなセパレータによれば、積層方向に関して発電体及びセパレータ本体部の温度に応じて放熱部毎に冷却用流体の流量を調整することが可能であり、温度が上昇し易い発電体及びセパレータ本体部からの放熱量を他の発電体及びセパレータ本体部より高めておくことができる。
【0021】
本発明にかかるセパレータにおいては、放熱部の縁部は、セパレータ本体部の側縁部から延在されるように設けられる放熱部の先端部であることを特徴とする。このようなセパレータによれば、放熱部が延在される向きと略直交する向きに冷却用流体が流動される際に、冷却用流体の流動が放熱部の先端部によって阻害されることが殆どなく、冷却用流体の流量を低下させることがない。
【0022】
本発明にかかるセパレータにおいては、放熱部の表面は、放熱部を冷却するための冷却用流体の流動を阻害する抵抗を低減するように所要の表面粗さを有することを特徴とする。このようなセパレータによれば、放熱部の形状だけでなく、放熱部の表面により冷却用流体の流量を調整することができ、隣り合う放熱部の間を狭めた場合でも十分な流量を確保して放熱を行うことができる。
【0023】
本発明にかかる燃料電池装置は、発電体と、発電体と他の発電体とを電気的に導通させるセパレータとが積層されてなる燃料電池本体を備える燃料電池装置であって、セパレータは、発電体と接するセパレータ本体部とセパレータ本体部の側縁部に突設される放熱部とを備え、放熱部の縁部の少なくとも一部の厚みが放熱部の中央部の厚みに比べて薄くなるように設定されていることを特徴とする。このような燃料電池装置によれば、隣り合う放熱部の間に冷却用流体が流動される際に冷却用流体の流動を妨げることなく、十分な流量を確保することができる。さらに、燃料電池装置の小型化する際に、隣り合う放熱部の間に冷却用流体を流動させるための十分なスペースを確保することが困難な場合でも、冷却用流体の干渉を抑制することにより十分な流量を維持することができる。これにより、燃料電池本体の温度上昇を抑制しながら安定して発電を行うことができる。
【0024】
本発明にかかる燃料電池装置の温度調整方法は、発電体と、発電体と他の発電体とを電気的に導通させるセパレータとが積層されてなる燃料電池本体の温度を調整する燃料電池装置の温度調整方法であって、発電体と接するセパレータ本体部と、セパレータ本体部の側縁部に突設される放熱部とによりセパレータを構成し、放熱部の縁部の少なくとも一部の厚みを放熱部の中央部の厚みに比べて薄くなるように設定し、燃料電池本体を冷却するための冷却用流体を前記放熱部の周辺に流動させることを特徴とする。このような燃料電池装置の温度調整方法によれば、冷却用流体の流動を阻害することなく円滑に流動させることができ、発電を行う際に熱を受け取った冷却用流体を排出しながら十分な熱容量を有する冷却用流体を隣り合う放熱部の間に常時取り込むことが可能となる。よって、放熱部を介して燃料電池本体から十分に放熱することができ、温度上昇を抑制しながら安定した発電を行うことが可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1乃至図9を参照しながら本発明にかかるセパレータ、燃料電池装置及び燃料電池装置の温度調整方法について説明する。図1に示すように、燃料電池装置1は、筐体10、制御基板20、発電部30、冷却ファン51、空気供給ファン52,53、水素パージバルブ54、レギュレータ55及び手動バルブ56を備える。また、燃料電池装置1は、水素ガスを吸蔵させた水素吸蔵カートリッジ60から供給される水素ガスを受け取り、発電を行う。
【0026】
図1及び図2に示すように、筐体10は略直方体形状の外形を有し、燃料電池装置1に搭載される各種機器を覆うように内部が空洞とされると共に底面が開放されている。筐体10は排気口11,12及び13、吸気口14,15を備え、筐体10の上面の端部は排気口11,12,13が形成された側面に向かう傾斜面とされる。図2(a)に示すように、排気口11と排気口12,13とは筐体10の側面に隣り合うように形成され、発電部30を冷却するために燃料電池装置1内で流動された空気と発電部30による発電反応後の空気とが排気口11,12,13からそれぞれ排出される。排気口11は、発電部30を構成するセパレータに設けられた放熱部から熱を放熱させるために、燃料電池装置1から空気を排出する吐き出し口である。さらに、排気口11は、筐体10の側面に略矩形状に開口し、上下方向に複数形成されている。排気口12、13は、発電部30が発電を行った後の排気を排出するための吐き出し口とされる。排気口12、13は、筐体10の側面に矩形状に開口し、排気口11に沿って上下方向に複数形成されている。
【0027】
図2(b)に示しように、吸気口14,15は、筐体10の排気口11及び排気口12,13が形成された筐体10の側面と対面する側面に形成され、吸気口14,15から発電部30を冷却するための空気と発電部30による発電反応に供される酸素を含む空気とがそれぞれ燃料電池装置1内に取り込まれる。吸気口14は、発電部30を構成するセパレータに設けられた放熱部から熱を放熱させるための空気を取り込むための取り込み口であり、筐体10の側面に略矩形状に開口し、上下方向に複数形成されている。吸気口15は、発電部30が発電を行う際に発電部30に供給される空気が取り込まれるための取り込み口とされ、吸気口14と同様に筐体10の側面に略矩形状に開口し、吸気口14に沿って上下方向に複数形成されている。
【0028】
また、図1、図2(c)及び(d)に示すように、筐体10の一の端面には燃料電池装置1と外部との間で各種信号を送受信するための配線が通される接続孔16を形成されている。切り欠き部17は接続孔16が形成された端面の下側の一部に形成され、外部と燃料電池装置1の内部との間で各種信号を送受信するための配線が切り欠き部17に通される。接続孔16及び切り欠き部17が形成された端面の反対側に位置する端面にも接続孔16及び切り欠き部17と同様に配線などを通すための接続孔18が形成されている。
【0029】
図1に示すように、制御基板20は発電部30の上側に配設され、燃料電池装置1を構成する各種機器を制御するための制御回路が形成されている。制御回路の詳細については図中において詳細に示さないが、例えば冷却ファン51、空気供給ファン52,53の駆動の制御、或いは水素パージバルブ54の開閉動作の制御回路、発電部30により出力される電圧を昇圧するDC/DCコンバータの如き電圧変換回路を制御基板20に搭載することができる。さらにセンサにて検知された温度や湿度などの各種環境条件を取得することにより各種機器の駆動に関する指示を制御基板20に実装された回路に行わせることもできる。また、本例の燃料電池装置1においては燃料電池装置1内に制御基板20が配設されるが、制御基板20は燃料電池装置1の外部に配設されていても良く、例えば、燃料電池装置1から駆動用の電力が提供される各種電子機器に制御基板20を配設しておくこともできる。
【0030】
次に、図1及び図3を参照しながら、燃料電池本体とされる発電部30の構造について説明する。図3は、発電部30の斜視図である。
【0031】
図1及び図3に示すように、発電部30は略直方体形状を有し、基台57に配設される。発電部30は、9枚のセパレータ31の間にそれぞれ発電体としての接合体32が挟みこまれてなる発電セルから構成され、これら発電セルが8個直列に接続された構造を有している。このような発電セルは1素子で約0.6Vの電圧を出力することができるため、発電部30の全体では4.8Vの電圧を出力することが可能である。発電部30は、約2Aの電流を流すことが可能であり出力される電力は理想的には9.6Wとなるが、発電反応における発熱などによって実際の出力電力は理想的な出力電力の約7割である約6.7Wとされる。しかしながら、接合体32に含まれる水分量の調整や発電部30への水素ガスの円滑な供給によりさらに出力電力を高めることができる。また、発電部30を形成する発電セルは本例のように8素子に限定するものではなく、各種電子機器を駆動するために必要とされる出力電力に合わせて所要の数の発電セルにより発電部30を形成することもできる。発電部30の側面39には各セパレータ31に形成された開口部34が臨み、後述するように発電部30の側面39の反対側の側面にも各開口部34に対応するように開口部40が形成されている。開口部34と、開口部34が臨む側面39と反対側の側面に臨む開口部40を介して、発電部30に対する空気の供給、及び排出が行われる。
【0032】
また、図1及び図3に示すように、発電部30の側面39に沿って、冷却ファン51、空気供給ファン52,53が隣り合うように配設されている。発電部30を構成するセパレータ31は、セパレータ31の間に発電体としての接合体32を挟み込むように積層され、接合体32を接するセパレータ本体部31aの側縁部には放熱フィン33が設けられている。放熱フィン33は、略矩形状の断面形状を有する中央部72と、略テーパ−形状の断面形状を有する縁部71から構成される。縁部71はセパレータ31と接合体32とが積層される積層方向で隣り合う放熱フィン33の間に空気が流動される際の入口側と出口側とにそれぞれ臨む。冷却ファン51は、放熱フィン33の側面側から各放熱フィン33の間に空気を流動させ、放熱フィン33から放熱させる。冷却ファン51が放熱フィン33から熱が伝達された空気を排出し、十分な熱容量を有する空気が装置外部から放熱フィン33の間に供給されることにより、放熱フィン33の間に空気が流動する。縁部71の断面形状が略テーパ−形状であることから、縁部71の断面形状が矩形状である場合に比べて空気の流動を円滑に行うことができる。なお、図3は、図1に示した発電部30の最も上側に配設される絶縁部材を取り除いた状態を示している。
【0033】
このように、冷却ファン51が放熱フィン33の間に強制的に空気を流動させることにより、放熱フィン33からの放熱効率を殆ど低下させることなく、発電部30の温度上昇を抑制して安定した発電を発電部30に行わせることが可能となる。さらに、本例にかかる発電部30が備える放熱フィン33の縁部71の断面形状が略テーパ−形状であることから、冷却ファン51により放熱フィン33の間に給排気される空気の流量を低下させることが殆どない。さらに、発電部30が出力する出力電力により冷却ファン51及び空気供給ファン52,53を駆動させる場合には、発電部30による発電と、冷却ファン51及び空気供給ファン52,53の駆動とを安定して行うことができ、冷却ファン51の電力損失を抑制すると共に発電部30及び各種機器が搭載された燃料電池装置1の全体を安定して駆動させることができる。
【0034】
続いて、図4乃至図7を参照しながら発電部30と、発電部30を構成するセパレータ31の構造についてさらに詳細に説明する。図4は発電部30の分解斜視図、図5はセパレータ31の斜視図、図6は放熱フィン33の断面図、図7はセパレータ31の平面図である。
【0035】
図4に示すように、発電部30は、セパレータ31と接合体32とが積層されてなる発電セル50が複数積層されたスタック構造を有する。発電部30を構成する発電セル50は2枚のセパレータ31とセパレータ31に挟み込まれる接合体32によって形成され、例えば、図4には直列に接続される2つの発電セル50が示されている。
【0036】
セパレータ31は、表面に溝部43が設けられたセパレータ本体部31aとセパレータ本体部31aの側縁部に設けられた放熱フィン33から構成される。セパレータ本体部31aにより挟み込まれる接合体32は、吸湿した際にイオン伝導性を有する固体高分子電解質膜36及び固体高分子電解質膜36を両面から挟み込む電極37から形成される。さらに、スタック構造を形成した際にセパレータ本体部31aと接合体32との間を封止する封止部材35が接合体32の周縁付近に配置されている。封止部材35は、セパレータ31aの周縁部と接合体32の周縁部とを十分に絶縁することができる材質を用いれば良い。固体高分子電解質膜36としては、例えばスルホン酸系の固体高分子電解質膜を用いることができる。電極37は、発電反応を促進するための白金の如き触媒が担持された電極を用いることもできる。
【0037】
図5に示すように、セパレータ31は、溝部43が設けられたセパレータ本体部31aと、セパレータ本体部31aの側縁部に設けられた放熱フィン33から構成される。放熱フィン33の縁部71は、空気の流れに対して略垂直に対面する端面73と、放熱フィン33の中央部72の表面に対して傾斜した傾斜面74とを有し、縁部71の断面形状は略テーパー形状とされる。一方の縁部71は、積層方向に沿って隣り合う放熱フィン33の間に流動する空気の入口側に臨み、他方の縁部71が空気の出口側に臨む。縁部71の表面のうち上側と下側にそれぞれ臨む傾斜面74は、セパレータ本体部31aの側縁部から放熱フィン33の先端部まで延在されており、放熱フィン33全体で空気に対する抵抗を低減することができる。
【0038】
図6を参照しながら、放熱フィン33についてさらに詳細に説明する。放熱フィン33の中央部72の断面形状は略矩形状とされ、中央部72の上面及び下面はセパレータ本体部31aの上面及び下面に対して略平行とされる。放熱フィン33の縁部71の断面形状は略テーパ−形状とされ、縁部71は、空気の流れに略垂直に対面する端面73と、端面73と中央部72の上面及び下面とをそれぞれ繋ぐ傾斜面74とを有する。端面73と傾斜面74とは曲面75により繋がれ、傾斜面74と中央部72の上面及び下面とは曲面76により繋がれ、端面73から中央部72の上面及び下面に亘って連続した放熱フィン33の表面が形成されている。曲面76の曲率Rは曲面75の曲率rより大きくなるように設定されている。隣り合う放熱フィン33の間において、空気の流れの入口側に臨む縁部71の断面形状が略テーパー形状であることにより、断面形状が矩形状とされる場合に比べて空気の流れに対する圧力損失、すなわち空気を流れ難くする抵抗を低減することができる。すなわち、冷却ファン51により一定の出力で空気を流動する際に、実質的に放熱フィン33の間に流れる空気の流量を低下させることが殆どない。よって、冷却ファン51の駆動するための電力が一定の状態で、実質的に放熱フィンの間を流れる空気の流量を一定に維持しながら、これら空気を介して放熱フィン33から放熱を行うことが可能となり、発電部30の温度を一定に維持しながら安定した発電を行うことができる。また、曲面76の曲率Rと曲面75の曲率rは、積双方向で放熱フィン33が配設される位置の違いに応じて所要の値に設定され、積層方向で空気の流れに対する抵抗を設定することもできる。積層方向で空気に対する抵抗が異なることにより、各放熱フィン33からの放熱量を調整することができ、発電部30における温度勾配を低減し、発電部30全体の温度を略均一にすることができる。また、放熱フィン33の表面の表面粗さを調整し、放熱フィン33の表面に沿って流れる空気に対する抵抗を低減することにより、隣り合う放熱フィン33の間に流れる空気の流量を維持することもできる。
【0039】
図7は、セパレータ31の構造を示す平面図である。セパレータ本体部31aの両面にはそれぞれ溝部38,43が形成されており、発電部30を組み上げた際に溝部43が接合体32の燃料極と接し、溝部38が接合体32の空気極と接する。また、セパレータ本体部31aには、溝部43に接続された供給孔42及び排出孔41、溝部43と供給孔42とを接続する接続部45、溝部43と排出孔41とを接続する接続部46が形成されている。また、溝部38,43が形成されるセパレータ本体部31aの側縁部に放熱フィン33が設けられている。
【0040】
図7(a)に示すように、溝部43は、燃料ガスとされる水素ガスを接合体32に供給するための面内流路とされる。溝部43は発電反応の効率を高めるためにセパレータ本体部31aの表面内を蛇行するように形成されており、水素ガスが接合体32の燃料極全体に供給されるような形状とされる。供給孔42は、発電部30の外部に設けられた水素吸蔵カートリッジ60の如き水素ガス貯蔵部から溝部43に水素ガスを供給する際の水素ガスの流路とされる。接続部45は溝部43と供給孔42とを接続し、溝部43に水素ガスを供給する。また、接続部46は溝部43と排出孔41とを接続し、溝部43から発電反応後の水素ガスを排出する。本例にかかるセパレータ31においては、接続部45,46の断面積はセパレータ31と接合体32とによりスタック構造を形成した際の溝部43の断面積より小さくなるように形成され、例えば接続部45,46の幅が溝部43の幅より狭くなるように形成される。さらに、接続部45の幅を接続部46の幅より狭くなるように形成し、溝部43への水素ガスの入口側の幅を出口側の幅より狭くしておく。
【0041】
供給孔42及び排出孔41は、スタック構造を形成した際に積層される各セパレータ31の間で接続され、水素ガスを各セパレータ31に供給する供給路と発電後の水素ガスを排出するための排出路を形成する。溝部43に水が蓄積された際には、この排出路を水素パージバルブ54により大気開放して溝部43に蓄積された水の供給路側と排出路側とに圧力差を生じさせ、この圧力差によって水を排出することができる。さらに、スタック構造を形成した際の任意のセパレータ31の溝部43に水が蓄積された場合でも、水が蓄積された溝部43内にのみ瞬間的に圧力差を生じさせることが可能であり、水を排出し発電部30に安定して水素ガスを供給することができる。
【0042】
図7(b)に示すように、溝部38はセパレータ本体部31aの溝部43が形成された面の裏面側に形成され、酸素を含む空気を流すための流路とされる。溝部38は、セパレータ31の幅方向に延在するように形成されてセパレータ本体部31aの側面に開口する。さらに、溝部38は、セパレータ本体部31aの長手方向に沿って複数形成されている。また、溝部38がセパレータ本体部31aの側面にそれぞれ開口する開口部34,40を介して酸素を含む空気が溝部38に供給されて、排気される。開口部34,40の幅は溝部38の幅より大きめとされ、開口部34,40の側壁が溝部38の側壁に対して傾斜したテーパー形状になるように開口部34,40をすることができる。このような開口部34,40によれば、溝部38への空気の取りこみ又は溝部38から空気を排出する際の空気に対する流路抵抗を低減することができ、溝部38に円滑に空気を流動させることができる。また、開口部34,40の高さ方向に沿った開口幅が溝部38の高さ寸法より大きめになるように開口部34,40を形成して、流路抵抗をさらに低減することが可能となる。
【0043】
続いて、図8を参照しながら、放熱フィンの間を流れる空気の流動状態について説明する。図8は放熱フィン周辺における空気の流動状態を説明する図である。図8(a)は、略矩形状とされる断面形状を有する放熱フィン80が一定間隔で配置され、これら放熱フィン80の間における空気の流動状態を説明する図であり、同図(b)は発電部30を構成する放熱フィン33の間における空気の流動状態を説明する図である。
【0044】
図8(a)に示すように、セパレータ本体部81の側縁部に設けられた放熱フィン80の間における空気の流れは、図中矢印で示した空気の流れA,B,Cの3つに分類することができる。空気の流れAは、放熱フィン80にぶつかることなくそのまま放熱フィン80の間のスペースに流れ込む空気の流れである。空気の流れAは、放熱フィン80からの放熱量の大部分に寄与する空気の流れである。空気の流れBは、放熱フィン80の端面80aにより流れの向きが曲げられた空気の流れであり、放熱フィン80と平行に流動する空気の流れに対面する端面80aにより空気の流れが曲げられたものである。
【0045】
空気の流れBは、放熱フィン80の端面80aによって流れが阻害されて流れが曲げられ、空気が放熱フィン80の間のスペースに流れ込む。空気の流れBは、空気の流れAと干渉し、空気の流れAに沿って流れる空気の流量が減少する。特に、放熱フィン80の間のスペースを狭めるほど空気の流れA,Bの干渉の度合いが大きくなり、空気の流れAに沿って流れる空気の流量が減少する割合も増大する。放熱フィン80の間のスペースを流れる空気の流量が減少した場合、放熱フィン80からの放熱量が減少し、発電部の温度上昇を効率良く抑制することが困難となる。
【0046】
さらに、放熱フィン80の間を流れる空気の出口側においては、渦状に空気が流れる空気の流れCが発生する。空気の流れCは、放熱フィン80の間のスペースに比べて広いスペースに空気が流れ出る際に生じ、特に放熱フィン80の間のスペースの幅が狭いほど生じ易い。すなわち、燃料電池装置を小型化するために放熱フィンの間のスペースを狭めるほど空気の流れCは生じ易くなる。空気の流れCは、放熱フィン80の間のスペースから流れ出る空気の流れAを妨げ、これにより空気の流れAの流量が減少する。
【0047】
放熱フィン80からの放熱量は空気の流れAによるところが大きく、空気の流れAによる流量を十分に確保することが重要となる。空気の流れB,Cによる空気の流れAの流量が減少することは、発電部の温度調整の範囲を狭めることに繋がる。よって、このような空気の流れB,Cを抑制することが空気の流量を制御して発電部の温度を調整するためには重要となる。
【0048】
図8(b)に示すように、本例の放熱フィン33によれば、図8(a)に示す空気の流れB,Cを殆ど生じることなく、空気の流れAによる空気の流量を十分に確保することが可能となる。既に述べたように放熱フィン33の縁部の断面形状は略テーパー形状とされ、放熱フィン33の縁部から中央部に亘って緩やかに放熱フィンの間のスペースが狭められている。したがって、放熱フィン33の間のスペース、すなわち空気の流路が滑らかに狭められていることにより、空気の入口側においては、空気の流れBに相当する空気の流れB’が滑らかに放熱フィンの間のスペースに流れ込んで空気の流れAと合流する。また、空気の出口側においては放熱フィン33の中央部72から縁部71に亘って空気の流路が緩やかに広がるため、空気の流れCに相当する空気の流れC’は渦状の流れを殆ど生じることなく、空気は放熱フィンの間のスペースから外側に滑らかに流れ出る。
【0049】
このように、放熱フィンの縁部の断面形状をテーパ−形状とし、さらに空気の流れに臨むそれぞれの面の境界を曲面にすることにより放熱フィンの間のスペースにおける圧力損失を低減することができ、空気を滑らかに流動させることが可能となる。したがって、放熱フィンの間のスペースに供給される空気の流量を精度良く制御することができ、これにより放熱フィンからの放熱量を調整して発電部の温度調整を精度良く行うことができる。さらに、発電部を小型化する際にも冷却ファンの出力を抑制しながら所要の流量で空気を流動させることができ、安定した発電を行うために必要とされる電力を抑制しながら、発電を行うことが可能である。したがって、燃料電池装置を小型、且つ発電を行う際の消費電力が抑制された装置とすることができる。
【0050】
次に、図9を参照しながら、本発明にかかるセパレータの別の例について説明する。図9は、セパレータの構造を示す斜視図である。セパレータ91は、セパレータ本体部91aと放熱フィン93とから構成され、セパレータ本体部91aはセパレータ本体部31aとほぼ同様の構造を有する。セパレータ本体部91aの表面には燃料とされる水素ガスを発電体に供給するための溝部98が設けられ、裏面側には発電体に空気を供給するための溝部が形成されている。
【0051】
放熱フィン93の縁部101は、空気の流れに対して略垂直に対面する端面103と、放熱フィン93の中央部102の表面に対して傾斜した傾斜面104とを有し、縁部101の断面形状は略テーパー形状とされる。一方の縁部101は、スタック構造を有する発電部を構成する際に隣り合うように配設される放熱フィン93の間に流動する空気の入口側に臨み、他方の縁部101が空気の出口側に臨む。縁部101の傾斜面104は、セパレータ本体部91aの側縁部から放熱フィン93の先端部まで延在され、放熱フィン93の縁部101の全体に形成されている。また、セパレータ本体部91aの側縁部と略平行に延在し、放熱フィン93の先端部105の断面形状も、縁部101の断面形状と同様に略テーパ−形状を有する。本例にかかるセパレータ91によれば、縁部101の断面形状が略テーパ−形状を有している場合に比べて、放熱フィン93の間のスペースにおける空気の流れに対する抵抗をさらに低減することができ、放熱フィン93の先端部105とされる縁部の近傍において空気の円滑に流すことが可能となる。流れに対する抵抗を低減することが可能となる。よって、燃料電池本体とされる発電部をセパレータ91と発電体とを積層して形成した場合に、積層方向に一定の間隔を有して配設される放熱フィン93の全体に空気を流動させた際の抵抗を低減することでき、放熱フィン93から熱を伝えられる空気の流量を常時十分に確保することができる。すなわち、空気を一定の流量で流すことができることから、空気の流量に応じて放熱フィン93から放熱される放熱量を調整することができ、発電部の温度調整を精度良く行うことができる。
【0052】
また、本発明にかかる燃料電池装置の温度調整方法によれば、上述した放熱フィン33、或いは放熱フィン93を備えるセパレータによりスタック構造を有する発電部を構成し、空気を放熱フィンの周辺に流動させ、放熱フィンの間のスペースにおいて円滑に入れ替わる空気に対して放熱することができ、冷却ファンによって流量を調整することにより放熱量を調整することができる。したがって、発電部の温度調整を精度良く行うことができる。さらに、冷却ファンの出力を上げることなく空気の流量を一定に維持することができ、冷却ファン、及び燃料電池装置に搭載される各種機器を発電部から供給される電力によって駆動させる場合には、駆動電力の損失の低減にも繋がる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかるセパレータ及び燃料電池装置によれば、空気の流動に対する抵抗を低減することができ、スタック構造を有する燃料電池本体に設けられる放熱フィンの間に円滑に空気を流動させることができる。したがって、放熱フィンの間に流れる空気の流量を精度良く制御することが可能となり、空気の流量に応じて放熱フィンからの放熱量を精度良く調整することができる。これにより、燃料電池本体とされる発電部を冷却して温度調整することができる。
【0054】
さらに、本発明にかかるセパレータ及び燃料電池装置によれば、燃料電池装置に搭載される各種機器を駆動するための駆動電力を発電部から供給する場合には、これら機器の消費電力を低減することができ、燃料電池装置全体の発電効率を向上させることが可能となる。
【0055】
さらにまた、本発明にかかるセパレータ及び燃料電池装置によれば、冷却ファンなどによって空気の流量を精度良く制御することができることから、空気の流量に応じて精度良く発電部の温度を調整できると共に温度の調整範囲を流量に応じて広げることが可能となる。
【0056】
また、本発明にかかるセパレータ及び燃料電池装置によれば、燃料電池装置を小型化する際に放熱フィンの間のスペースが狭められた場合でも、放熱フィンの間のスペースに十分な流量で空気を流動させることができる。したがって、放熱フィンからの放熱量を増大させることも可能であり、放熱量の増大分に応じて、放熱フィンの小型化してさらなる燃料電池装置の小型化に繋げることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる燃料電池装置の構成を示す分解斜視図である。
【図2】同燃料電池を構成する筐体の構造を示す構造図であって、(a)は側面図、(b)は他の側面を示す側面図、(c)は端面図、(d)は他の端面を示す端面図である。
【図3】同燃料電池装置を構成する発電部の概観を示す斜視図である。
【図4】同燃料電池装置を構成する発電部の一部を示す分解斜視図である。
【図5】本発明にかかるセパレータの概観を示す斜視図である。
【図6】同セパレータに設けられる放熱フィンの構造を示す断面図である。
【図7】同セパレータの構造を示す平面図であって、(a)はセパレータの表面側の構造を示す平面図、(b)は裏面側の構造を示す平面図である。
【図8】放熱フィンの近傍を流れる空気の流れを説明する図であり、(a)は断面形状が矩形状である放熱フィンの近傍における空気の流れを説明する図、(b)は本発明にかかるセパレータに設けられる放熱フィンの近傍における空気の流れを説明する図である。
【図9】本発明にかかるセパレータの別の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 燃料電池装置、10 筐体、11,12,13 排気口、14,15 吸気口、20 制御基板、30 発電部、31 セパレータ、31a セパレータ本体、32 接合体、33 放熱フィン、34,40 開口部、35 封止部材、36 固体高分子電解質膜、37 電極、38,43 溝部、50 発電セル、51 冷却ファン、52,53 空気供給ファン、54 水素パージバルブ、55 レギュレータ、56 手動バルブ、57 基台、60 水素吸蔵カートリッジ、80 放熱フィン、81 セパレータ本体部、91 セパレータ、91aセパレータ本体部、93 放熱フィン、98 セパレータ、98 溝部
Claims (15)
- 発電体と他の発電体とを電気的に導通させるように積層されるセパレータであって、
前記発電体と接するセパレータ本体部と、
前記セパレータ本体部の側縁部に突設される放熱部とを備え、
前記放熱部の縁部の少なくとも一部の厚みは、前記放熱部の中央部の厚みに比べて薄いこと
を特徴とするセパレータ。 - 前記放熱部を冷却するための冷却用流体が前記放熱部の周辺に流動されること
を特徴とする請求項1記載のセパレータ。 - 前記放熱部の縁部は、前記発電体と前記セパレータ本体部とが積層される積層方向で隣り合うように位置する前記放熱部の間に前記冷却用流体が流れ込む入口側に臨むこと
を特徴とする請求項2記載のセパレータ。 - 前記放熱部の縁部は、前記発電体と前記セパレータ本体部とが積層される積層方向で隣り合うように位置する前記放熱部の間から前記冷却用流体が流れ出る出口側に臨むこと
を特徴とする請求項2記載のセパレータ。 - 前記放熱部の縁部は、前記放熱部が前記セパレータ本体部の側縁部から突設されて延在される向きに沿って延在すること
を特徴とする請求項1記載のセパレータ。 - 前記縁部の断面はテーパー形状とされること
を特徴とする請求項1記載のセパレータ。 - 前記中央部の断面は矩形状とされ、前記縁部は前記中央部の表面に対して傾斜した傾斜面を備えること
を特徴とする請求項6記載のセパレータ。 - 前記中央部の表面と前記傾斜面との境界は曲面とされること
を特徴とする請求項7記載のセパレータ。 - 前記傾斜面と前記縁部の端面との境界は曲面とされること
を特徴とする請求項7記載のセパレータ。 - 前記中央部の表面と前記傾斜面との境界とされる曲面の曲率は、前記傾斜面と前記縁部の端面との境界とされる曲面の曲率より大きいこと
を特徴とする請求項7記載のセパレータ。 - 前記発電体と前記セパレータ本体部とが積層される積層方向で前記放熱部が配設される位置の違いに応じて、前記中央部の表面と前記傾斜面との境界とされる曲面の曲率と、前記傾斜面と前記縁部の端面との境界とされる曲面の曲率とが所要の値となるように設定されること
を特徴とする請求項7記載のセパレータ。 - 前記放熱部の縁部は、前記セパレータ本体部の側縁部から延在されるように設けられる前記放熱部の先端部であること
を特徴とする請求項1記載のセパレータ。 - 前記放熱部の表面は、前記放熱部を冷却するための冷却用流体の流動を阻害する抵抗を低減するように所要の表面粗さを有すること
を特徴とする請求項1記載のセパレータ。 - 発電体と、前記発電体と他の発電体とを電気的に導通させるセパレータとが積層されてなる燃料電池本体を備える燃料電池装置であって、
前記セパレータは、前記発電体と接するセパレータ本体部と前記セパレータ本体部の側縁部に突設される放熱部とを備え、
前記放熱部の縁部の少なくとも一部の厚みが前記放熱部の中央部の厚みに比べて薄くなるように設定されていること
を特徴とする燃料電池装置。 - 発電体と、前記発電体と他の発電体とを電気的に導通させるセパレータとが積層されてなる燃料電池本体の温度を調整する燃料電池装置の温度調整方法であって、
前記発電体と接するセパレータ本体部と、前記セパレータ本体部の側縁部に突設される放熱部とにより前記セパレータを構成し、
前記放熱部の縁部の少なくとも一部の厚みを前記放熱部の中央部の厚みに比べて薄くなるように設定し、
前記燃料電池本体を冷却するための冷却用流体を前記放熱部の周辺に流動させること
を特徴とする燃料電池装置の温度調整方法。
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