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JP2004278224A - 壁面施工アセンブリ,化粧板,化粧板固定部材,目地部材および壁面施工方法 - Google Patents

壁面施工アセンブリ,化粧板,化粧板固定部材,目地部材および壁面施工方法 Download PDF

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JP2004278224A
JP2004278224A JP2003074005A JP2003074005A JP2004278224A JP 2004278224 A JP2004278224 A JP 2004278224A JP 2003074005 A JP2003074005 A JP 2003074005A JP 2003074005 A JP2003074005 A JP 2003074005A JP 2004278224 A JP2004278224 A JP 2004278224A
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JP
Japan
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decorative
decorative plate
plate
fixing member
wall
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Application number
JP2003074005A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kurosawa
博 黒澤
Keisuke Hasegawa
敬介 長谷川
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HERIKKUSU KK
Original Assignee
HERIKKUSU KK
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Publication date
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Abstract

【課題】化粧板の仕上がり面を容易かつ好適に面合わせでき,目地部の施工が容易で,化粧板を安定して壁面に固定することができるとともに,簡便かつ迅速に施工することが可能な,壁面施工アセンブリを提供すること。
【解決手段】複数の化粧板で壁面を覆う壁面施工アセンブリが提供される。この壁面施工アセンブリは,略矩形状を有する複数の化粧板1と;複数の化粧板1を連設する方向を長手方向とする化粧板固定部材100と;を備える。この化粧板固定部材100は,壁面9に取り付けられる,基底部4と;基底部4とは他側に形成され,少なくともその一側を化粧板1の被係止部に引っ掛けて化粧板1を掛止する,掛止部3と;基底部4に設けられ,化粧板1の裏面を押し上げて掛止部との間に化粧板1を挟み込んで固定する,化粧板押し上げ機構5と;を備えることを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は建造物の壁面を化粧板で覆うための壁面施工アセンブリ,化粧板,化粧板固定部材,目地部材および壁面施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の化粧板貼り壁面の施工方法には,コンクリートやモルタル等を用いて化粧板(石板など)を建造物の壁面に直接に貼り付ける湿式工法と,アンカーボルトや金属金具等を用いて化粧板を当該壁面に貼り付ける乾式工法と,がある。このうち,乾湿工法,施工性が早いという利点がある。
【0003】
図34に示すように,従来の乾式工法では,例えば,建造物の壁面9に穿孔したドリル孔25にアンカーボルト26を挿入して固定し,かかるアンカーボルト26に連結された金属線28と接着剤31を用いて,壁面9に化粧板1を固定する。さらに,相隣接する化粧板1の端面に穿孔したドリル孔29に合わせ棒30を挿入し,この合わせ棒30で双方の化粧板1の表面10レベルを揃えて,仕上がり面を平坦になるようにする。さらに,化粧板1間の目地部には,シール剤32を充填する。
【0004】
より詳細に説明すると,化粧板1の一側端面上の所定位置にドリル孔27を形成するとともに,その両端面上の所定位置にドリル孔29を形成しておく。一方,建造物の壁面9には,所定位置に穿孔したドリル孔25にアンカーボルト26を設置しておく。次いで,略直角に折り曲げた金属線28の一端を,上記化粧板1のドリル孔27に挿入して引っ掛けるとともに,この金属線28の他端を,アンカーボルト26のネジ頭部にあけた細い孔に通して固定する。さらに,金属線28,ドリル孔27およびアンカーボルト26を全体的に接着剤31で固定する。これにより,壁面9に化粧板1を固定することができる。
【0005】
さらに,複数の化粧板1の表面10側を面合わせするべく,相隣接する化粧板1のドリル孔29に合わせ棒30を挿入して双方の化粧板1を連結する手法と,金属線28の長さを調整して化粧板1の面合わせを行う方法とが,一般的に行われていた。また,化粧板1間の目地部の施工法としては,この目地部に大量のシール剤32等を充填してすっきりとした外観にする,或いは,目地部にシール剤を使わずに隙間を開けて貼りあげて,建造物の下地面(即ち,壁面9)が見えるような仕上がりとするなどしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,上記従来の施工方法では,以下のような問題点があった。
【0007】
従来の乾式工法で使用する薄い化粧板1は,一般的には厚さが例えば20mm程度であった。従って,壁面9からの仕上がり寸法が少なくとも例えば40mm以上必要であり,建造物の内壁に化粧板1を施工する時には,建物の有効内容積がその分少なくなってしまうという問題があった。
【0008】
かかる問題の対応策として,壁面9がコンクリート下地である場合などには,化粧板1をセメントや接着剤を使って直接にコンクリート下地に固定し,目地部をモルタルやシール剤で形成する手法(上記湿式工法)も実施されている。しかし,かかる工法では,化粧板1の厚さのバラツキなどが原因で,貼り上げた化粧板1の表面の面合わせ調整が非常に困難であり,施工手間もかかるという問題があった。さらに,セメントや接着剤の硬化に時間が必要であり,施工工期が長期化するという欠点もあった。
【0009】
さらに,建造物が鉄骨や木造の場合には,壁面9と化粧板1の熱膨張率の相違に起因する寸法変化を吸収する必要が生じる。これに対処するためには,一般的には,金属線28を使用したアンカーボルト26による施工は行わず,弾性接着剤と,弾力性のあるシール剤とを用いて,厚さを極力薄くして重量を減らした化粧板1を,直接に壁面9に全面接着して貼り上げていた。しかし,かかる手法では,上述したように,化粧板1の厚さのバラツキを好適に調整できないという問題を解消できなかった。
【0010】
また,乾式工法で上記目地部を開けたまま仕上げる場合には,目地の底面において接着剤31の表面や合わせ棒30の一部が見えるため,仕上がり面の綺麗さを欠くという問題もあった。
【0011】
一方,シール剤32を目地部に充填する場合には,シール剤32が化粧板1の表面側に付着すると見苦しくなるために,施工時には特別な付着防止テーピングを行って施工するなどしていたので,施工手間がかかるという問題があった。
【0012】
従って,石板貼り壁面の施工業者やメーカーでは,目地部に機械的にシール剤32を充填するなどしていた。また,目地部にシール剤32の代わりに軟質樹脂成形品を目地部に押し込んで固定するなどの施工もしていた。この場合,樹脂成形品に挿入時に接着剤で同時に固定して,目地部の施工を簡便化していた。しかし,シール剤32や樹脂成形品は,低温の外気や太陽熱や紫外線などにより変形,収縮して劣化するので,例えば5〜6年で目地部の補修が必要となるという問題もあった。
【0013】
さらに,上記湿式工法では,重量の大きい化粧板1を,短く部分的な固定金具と接着剤とで,建造物の壁面9に貼り合わせただけであるので,長期の使用中に接着剤32が劣化したり,化粧板1のドリル孔周辺で割れが生じた場合には,化粧板1が剥離,落下する可能性が高いという問題があった。化粧板1が壁面から落下すると,人身事故等の重大な事故につながる危険性があった。
【0014】
対策として,石板メーカーでは,かかる事故を防止すべく,化粧板1の厚さを薄くする,或いは強力な弾性接着剤を用いる等の改良を行っているが,接着強度を長期間に維持・保証できるかどうか疑問があった。また,一方では,化粧板1の厚さにバラツキがあるので,化粧板1の表面を面一に仕上げるために,壁面9と化粧板1の裏面との間に厚さ調整用部材等を用いるなどの施工手間をかけて,石板壁面の仕上げをしていた。
【0015】
本発明は,上記従来の壁面施工方法が有する上記問題点に鑑みてなされたものであり,本発明の目的は,建造物壁面からの仕上がり寸法を薄くでき,化粧板の仕上がり表面を容易かつ好適に面合わせでき,目地部の施工が容易でシール剤の使用量も低減でき,化粧板を安定して長期間固定することができるとともに,簡便かつ迅速に施工することが可能な,新規かつ改良された壁面施工アセンブリ及び壁面施工方法等を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため,本発明の第1の観点によれば,複数の化粧板で壁面を覆う壁面施工アセンブリが提供される。この壁面施工アセンブリは,略矩形状を有する複数の化粧板と;複数の化粧板を連設する方向を長手方向とする化粧板固定部材と;を備える。この化粧板固定部材は,壁面に取り付けられる,基底部と;基底部とは他側に形成され,少なくともその一側を化粧板の表面に引っ掛けて化粧板を掛止する,掛止部と;基底部に設けられ,化粧板の裏面を押し上げて掛止部との間に化粧板を挟み込んで固定する,化粧板押し上げ機構と;を備えることを特徴とする。
【0017】
かかる構成により,化粧板固定部材は,その長手方向に複数の化粧板を連接することができる。具体的には,化粧板固定部材は,基底部が壁面に取り付けられる。また,掛止部が化粧板の表面側の側端部を掛止するとともに,化粧板押し上げ機構が化粧板の裏面を掛止部方向に押し上げる。このため,化粧板固定部材は,化粧板の側端部を挟持・固定することにより,この化粧板を壁面に安定して取り付けることができる。従って,化粧板の仕上がり面を容易かつ正確に面合わせできるとともに,化粧板の剥離,落下の危険性を低減できる。また,この化粧板固定部材は,その短手方向に相隣接する化粧板の隙間の目地部を構成する。また,化粧板固定部材は,化粧板と建造物壁面材の熱膨張差による目地寸法の変化を吸収することができる。
【0018】
また,上記掛止部は,その両側で2つの化粧板を掛止する場合には,一側の掛かり代と他側の掛かり代の大きさに差を設けてもよい。この掛かり代の大きさの差は,例えば少なくとも1.5倍以上であることが好ましい。これにより,壁面に予め設置された2つの化粧板固定部材の間に,障子を嵌め込むようにして化粧板を取り付けることができる。
【0019】
また,上記化粧板押し上げ機構は,弾性力により化粧板の裏面を押し上げる1または2以上のバネ部,を備える,ように構成してもよい。かかる構成により,バネ部の弾性力によって押圧された化粧板の表面側の端部が,掛止部の掛かり代に押し付けられる。この結果,掛止部とバネ部との間で化粧板の端部が挟持される。
【0020】
また,上記バネ部は,基底部の端部の少なくとも一部を折り返して形成される,ように構成してもよい。また,上記バネ部は,基底部の少なくとも一部を切り起こして形成される,ように構成してもよい。かかる構成により,バネ部を簡単に形成できるとともに,バネ部が化粧板の裏面を押圧する弾性力を好適に調整できる。
【0021】
また,上記バネ部は,基底部に設けられたバネホルダー部に保持されるバネ部材からなる,ように構成してもよい。かかる構成により,バネ部のみを弾性に優れた部材で形成できる。
【0022】
また,上記化粧板押し上げ機構は,基底部のうち少なくとも掛止部に対向する部分を,化粧板の裏面に対して略傾斜面となるように形成した傾斜面部と;化粧板の裏面と傾斜面部との間に押し込まれる固定スペーサと;を備える,ように構成してもよい。かかる構成により,固定スペーサによって押圧された化粧板の表面側の端部が,掛止部の掛かり代に押しつけられる。この結果,掛止部と固定スペーサとの間で化粧板の端部が挟持される。この固定スペーサは,例えば略円柱または円筒形状を有するコロ部材である。また,この固定スペーサを,上記バネ部の内側に挿入して,バネ部を支持するように構成してもよい。
【0023】
また,上記化粧板固定部材は,1枚の金属平板を折り曲げ加工して形成される,ように構成してもよい。かかる構成により,化粧板固定部材を迅速かつ容易に製造できる。
【0024】
また,上記化粧板固定部材は,基底部に連結されて壁面に固定される固定板を備えており,基底部は,固定板を介して壁面に取り付けられる,ように構成してもよい。かかる構成により,固定板は,例えばネジ釘等の固定部材で壁面に固設される。このとき,固定板は壁面の不陸に対応して好適に撓むので,化粧板固定部材を壁面に好適に取り付けることができる。従って,化粧板表面を面一に施工し易くなる。
【0025】
また,上記基底部は,壁面の凹凸による不陸を吸収不可能なときには,1または2枚以上の不陸調整シートを介して壁面に取り付けられることもできる,ように構成してもよい。かかる構成により,固定板は,不陸の存在する壁面に対しても,化粧板固定部材を好適に取り付けることができる。
【0026】
また,上記化粧板固定部材は,その短手方向に相隣接する化粧板同士を離隔して固定するための隙間部を備える,ように構成してもよい。かかる構成により,隙間部は,化粧板の熱膨張をある程度吸収することができる。この隙間部の存在により,相隣接する化粧板同士が,化粧板固定部材を介して押し合って,破損したりすることがない。
【0027】
また,上記化粧板固定部材は,1または2以上の通水孔が形成されている,ように構成してもよい。かかる構成により,化粧板裏面と壁面との間に浸入した水分を,外部に好適に排出できる。この通水孔は,例えば掛止部付近に設けられることが好ましい。
【0028】
また,上記化粧板は,少なくとも裏面側に補強板が取り付けられている,ように構成してもよい。かかる構成により,化粧板の強度を補強することができるので,薄い化粧板を採用することができる。また,化粧板表面側に外力を受けて,薄い化粧板が破損することを防止できる。
【0029】
また,上記前記化粧板の被係止部は,前記化粧板の表面である,ように構成してもよい。かかる構成により,掛止部は,例えば化粧板の表面端部に引っ掛けられる。
【0030】
また,上記化粧板の被係止部は,前記化粧板の端面に形成された掛止部用溝である,ように構成してもよい。かかる構成により,掛止部は,例えば化粧板の端面に形成された掛止部用溝に挿入されて引っ掛けられる。
【0031】
また,上記化粧板の被係止部は,化粧板の表面の少なくとも一側端に形成された掛止部用切り欠きである,ように構成してもよい。かかる構成により,掛止部を掛止部用切り欠きに引っ掛けることで,より好適に化粧板を固定できる。また,化粧板固定部材を取り付けたときに,掛止部が化粧板表面より外側にはみ出ないようにできる。
【0032】
また,上記掛止部および掛止部用切り欠きで囲まれるスペースには,シール剤を充填可能である,ように構成してもよい。かかる構成により,当該スペースにシール加工を施して,化粧板固定部材と化粧板の隙間を埋めることができる。このとき,シール加工の手間や,シール剤の使用量等を大幅に低減できる。
【0033】
また,上記化粧板固定部材が連設する複数の化粧板は,相互に隙間を空けて並列され,壁面施工アセンブリは,さらに,隙間に嵌合するよう形成された1または2以上の目地部材を備える,ように構成してもよい。かかる構成により,例えば,略格子状の目地部を有する化粧板貼り壁面を施工できる。即ち,化粧板の隙間には,化粧板固定部材の掛止部が一方向の目地(例えば,横目地)を構成し,目地部材の上面がこれと例えば略垂直な目地(例えば,縦目地)を構成する。さらに,金属製の化粧板固定部材および目地部材を用いれば,目地部を金属目地とすることができる。
【0034】
また,上記目地部材は,その長手方向の両端に,化粧板固定部材の掛止部に引っ掛けられる突起部を有する,ように構成してもよい。かかる構成により,目地部材の長手方向両側に配された化粧板固定部材の掛止部の下側に,目地部材の突起部をそれぞれ挿入して引っ掛けることができる。これにより,両端の突起部が掛止部によって掛止されるので,化粧板の隙間に嵌合した目地部材が外れにくい。
【0035】
また,上記課題を解決するため,本発明の別の観点によれば,上記のような壁面施工アセンブリに用いられることを特徴とする,化粧板が提供される。
【0036】
また,上記課題を解決するため,本発明の別の観点によれば,上記のような壁面施工アセンブリに用いられることを特徴とする,化粧板固定部材が提供される。
【0037】
また,上記課題を解決するため,本発明の別の観点によれば,上記のような壁面施工アセンブリに用いられることを特徴とする,目地部材が提供される。
【0038】
また,上記課題を解決するため,本発明の別の観点によれば,略矩形状を有する複数の化粧板と;複数の化粧板を壁面に連設する化粧板固定部材と;を用いた壁面施工方法が提供される。化粧板固定部材は,壁面に取り付けられる基底部と;基底部とは他側に形成され,少なくともその一側を化粧板の表面に引っ掛けて化粧板を掛止する掛止部と;基底部に設けられ,化粧板の裏面を押し上げて掛止部との間に化粧板を挟み込んで固定する化粧板押し上げ機構と;を備えている。この壁面施工方法は,壁面に取り付けられた2つの化粧板固定部材が,掛止部と化粧板押し上げ機構との間に,複数の化粧板の両側端をそれぞれ挟持することにより,複数の化粧板を壁面に連設することを特徴とする。
【0039】
また,上記壁面施工方法は,(1) 1の化粧板固定部材を壁面に取り付ける工程と;(2) 取り付けられた化粧板固定部材の掛止部と化粧板押し上げ機構との間に,複数の化粧板の一側端を挿入する工程と;(3) 他の化粧板固定部材の掛止部と化粧板押し上げ機構との間に,複数の化粧板の他側端を挿入するようにして,他の化粧板固定部材を壁面に取り付ける工程と;(4) (2)および(3)の工程を必要に応じて繰り返す工程と;を含む,ようにしてもよい。
【0040】
また,上記壁面施工方法は,(1) 複数の化粧板固定部材を,壁面に対して,化粧板の大きさに応じた所定のピッチで略平行に取り付ける工程と;(2) 取り付けられた複数の化粧板固定部材のうち1の化粧板固定部材の掛止部と化粧板押し上げ機構との間に,化粧板の一側端を挿入した後,1の化粧板固定部材に隣接する別の化粧板固定部材の掛止部と化粧板押し上げ機構との間に,一側端が挿入された化粧板の他側端を嵌め込む工程と;(3) 複数の化粧板について(2)の工程を繰り返して,相隣接する化粧板固定部材の間に,複数の化粧板を連設する工程と;を含む,ようにしてもよい。
【0041】
また,上記化粧板押し上げ機構は,弾性力により化粧板の裏面を押し上げる1または2以上のバネ部,を備える,ようにしてもよい。
【0042】
また,上記化粧板押し上げ機構は,基底部のうち掛止部に対向する部分を,化粧板の裏面に対して略傾斜面となるように形成した傾斜面部と;化粧板の裏面と傾斜面部との間に押し込まれる固定スペーサと;を備える,ようにしてもよい。
【0043】
また,上記化粧板固定部材は,基底部に連結され壁面に固定される固定板を介して,壁面に取り付けられる,ようにしてもよい。また,上記基底部は,壁面の凹凸を吸収不可能な場合には,1または2枚以上の不陸調整シートを介して壁面に取り付けられる,ようにしてもよい。
【0044】
また,上記前記化粧板の被係止部は,前記化粧板の表面である,ようにしてもよい。また,上記化粧板の被係止部は,前記化粧板の端面に形成された掛止部用溝である,ようにしてもよい。
【0045】
また,上記化粧板の被係止部は,化粧板の表面の少なくとも一側端に形成された掛止部用切り欠きである,ようにしてもよい。また,上記掛止部および掛止部用切り欠きで囲まれるスペースには,シール剤が充填される,ようにしてもよい。
【0046】
また,上記化粧板固定部材が連設する複数の化粧板は,相互に隙間を空けて並列されており,隙間に嵌合するよう形成された1または2以上の目地部材が,隙間に取り付けられる,ようにしてもよい。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0048】
(第1の実施の形態)
以下に,本発明の第1の実施形態にかかる壁面施工アセンブリおよびこれを用いた壁面施工方法について説明する。
【0049】
まず,第1の実施形態にかかる壁面施工アセンブリについて説明する。本実施形態にかかる壁面施工アセンブリは,例えば建造物の壁面(内壁または外壁を問わない。)に,化粧板(例えば石板)貼り施工する際に用いられる組立部材である。ここでいう建造物とは,例えば,家屋,店舗,工場,ビル,組立家屋などの各種建物や,タワー,広告塔,看板,塀,橋脚,陸橋,道路の法面など,あらゆる構築物を含むものである。この壁面施工アセンブリは,例えば,化粧板と,化粧板固定部材と,目地部材と,から構成される。
【0050】
まず,化粧板について説明する。化粧板は,例えば,建造物の内壁または外壁などの意匠性を高めるために壁面に取り付けられる略平板状の建築部材などである。この化粧板は,例えば,平面形状が略矩形状である石板であり,例えば大理石若しくは御影石等の天然石を例えば切断加工したもの,人工大理石等の人工石または陶磁器,タイル若しくはレンガ等の窯業製品などであり,薄板状に成形したものである。かかる化粧板の側面は,一般に,表面に対して例えば略垂直となるよう整形されている。また,化粧板の表面(施工後に外側に現れる面をいう。以下同じ。)には,例えば,幾何学的模様や自然調等の各種の柄などが施されていてもよい。
【0051】
化粧板は,その平面形状が,例えば,二組の対辺がそれぞれ平行となるような略矩形状を有しており,例えば略長方形状または略正方形状である。しかし,かかる例に限定されず,化粧板の平面形状は,例えば,略正方形,略長方形等のみならず,略台形,平行四辺形,菱形などの矩形状や,略平行な一組の対辺を有するあらゆる形状であってもよい。また,このような化粧板の大きさは,例えば予め定めた所定の働き幅(化粧板固定部材によって掛止される対辺の間の距離)と,任意の長さ(化粧板固定部材によって連接される方向の長さ)と,を有するように形成される。ただし,同じ段に連接される複数の化粧板については,例えば,それらの働き幅が略同一となるように統一しておくことが好ましいが,それらの長さは1種類から複数種類まで自由に決定することができる。また,化粧板は,例えば,その厚さがほぼ一定のものを使用することが好ましい。化粧板の大きさの具体例を挙げると,例えば,働き幅385mm,長さ600mm,厚さ6mm程度などであるが,用途に応じて任意の大きさとすることができる。
【0052】
このように,化粧板は,例えば上記のように矩形状の石板などであるが,全ての化粧板が略均一な大きさでなくてもよい。例えば,1つの段で連接される方向(化粧板固定部材の長手方向)の化粧板の長さは,例えば,化粧板毎に異なるようにしてもよい。また,化粧板としては,全てが略均一な形状を有していなくても良く,例えば,台形と長方形のものを組み合わせて使用するなどしてもよい。
【0053】
なお,この化粧板20は,上記のような石板の例に限定されず,例えば,プラスチック等の各種合成樹脂板,スレート板,コンクリート板,ガラス板,セラミック板,セメント板または各種の金属板など各種の建築用壁材であってもよい。
【0054】
なお,本実施形態にかかる化粧板の被係止部は,例えば,化粧板の表面端部であるように構成されている。換言すると,後述する化粧板固定部材の掛止部は,例えば,化粧板の表面の両側端部に引っ掛けられる。
【0055】
次に,図1および図2に基づいて,本実施形態にかかる大きな特徴である化粧板固定部材100について詳細に説明する。なお,図1は,本実施形態にかかる化粧板固定部材100を示す斜視図である。また,図2は,本実施形態にかかる化粧板固定部材100が化粧板1を壁面9に固定する態様を示す断面図である。
【0056】
図1及び図2に示すように,化粧板固定部材100は,例えば,上記化粧板1を建造物の壁面に固定するための金属目地金具などである。この化粧板固定部材100は,例えば,その短手方向両側で化粧板1の端部を挟持して,その長手方向に例えば複数の化粧板1を連接することができる。
【0057】
化粧板固定部材100の材質は,例えば,鉄板,ステンレス鋼板,各種の鋼板,表面処理塗装鋼板,銅板,真鍮板,アルミ板,チタン板など各種の金属板である。この金属板の厚さは,金属板の材料強度と化粧板1の重量などに応じて決定され,例えば,0.1mm〜1mmであるが,化粧板1が薄い物ほど当該金属板の厚さもより薄い物を使うことができる。この化粧板固定部材100は,例えば,平板状の上記金属板を,折り曲げ加工またはプレス加工などといった成形加工して形成される。しかし,かかる例に限定されず,化粧板固定部材100は,例えば,異形押し出し金属材などを押し出し成形加工して,形成することもできる。また,化粧板固定部材100は,上記金属類に限られず,例えば,各種の合成樹脂などで作成することもできる。この場合には,化粧板固定部材100は,合成樹脂板を成形加工したり,または異形押し出し合成樹脂材料等を押し出し成形加工したりして,形成してもよい。
【0058】
この化粧板固定部材100は,図1及び図2に示すように,例えば,掛止部3と,基底部4と,連結部2と,バネ部5a,5b(以下,バネ部5と総称する場合もある。)と,固定板8と,を主に備える。
【0059】
化粧板固定部材100は,図1に示すように,例えば,1枚の金属板を曲げ加工することにより,基底部4,掛止部3,連結部2およびバネ部5などから成る本体部が一体形成されている。このように,例えば,1枚の金属平板からロール成形のみで,化粧板固定部材100の本体部を一体形成することが可能である。さらに,例えば,同様なロール成形によって形成された固定板8が,上記一体形成された本体部に対して,基底部4の下面側に溶接等により連結される。
【0060】
化粧板固定部材100の本体部側の金属板は,例えば,バネ性(弾力性)がある材料であることが好ましい。一方,固定板8を成す金属板は,例えば,比較的軟らかいものが好ましい。また,化粧板固定部材100の長手方向の長さについては,例えば,施工性を考慮して化粧板1の長さ以上とすることが好ましい。
【0061】
以下に,化粧板固定部材100を構成する各部について詳細に説明する。
【0062】
掛止部3は,例えば,上部断面が略半球状であり,下部断面が略直線上となるような形状を有する。この掛止部3は,例えばその両側の下面(掛かり代)を化粧板1の端部に引っ掛けることにより,両側に化粧板1を掛止することができる。この掛止部3の掛かり代のレベル(面位置)は,両側で略同一となるように形成されているので,双方の掛かり代で掛止された2つの化粧板1の表面レベルが,フラットになる。このため,貼り上げた化粧板1の仕上げ面を高精度で面一にできる。
【0063】
また,掛止部3は,例えば,固定板8側の掛かり代が短く,反対側の掛かり代が長くなるように構成されており,この長い方の掛かり代は短い方の掛かり代と比べて,少なくとも例えば約1.5倍以上(好ましくは例えば2〜3倍)の長さを有する。これら2つの掛かり代の大きさおよび双方の比率は,例えば,化粧板1の加工精度等に応じて,掛止した化粧板1が外れ出さないように決定される。このように掛かり代の大きさに差を付けることにより,後述する施工時において,所定のピッチで取り付けられた2つの化粧板固定部材100の間に,化粧板1を好適に嵌め込んで外れないようにすることができる。なお,図1の例では,掛止部3の長い方の掛かり代は,固定板8とは反対側に形成されているが,かかる例に限定されない。
【0064】
また,この掛止部3は,図2に示すようにその上面が施工後の仕上がり面に現れる。このため,化粧板固定部材100を,例えば,その長手方向を水平方向として壁面9に設置することにより,例えば垂直方向に相隣接する化粧板1間の水平方向の目地部(以下では,横目地という。)を,金属目地加工することができる。
【0065】
基底部4は,化粧板固定部材100のベースとなる部分であり,例えば,固定板8を介して,建造物の壁面9に取りつけられる部分である。この基底部4は,連結部2を介して他側に位置する掛止部3を支持すると共に,例えば,その両側端にはバネ部5a,5bが,設けられる。
【0066】
バネ部5は,本実施形態にかかる化粧板押し上げ機構として構成されている。このバネ部5は,例えば,化粧板固定部材100の本体部を構成する金属板の両端(即ち,基底部4の両端)をロール成形して形成される。具体的には,バネ部5は,例えば,当該金属板の両端部の全てを,略均一に折り返して形成される。
【0067】
このバネ部5のうち,固定板8側のバネ部5bは,例えば,固定板8を点溶接等で接合できるスペースを確保しつつ,掛止部3に極力近づけて構成することが好ましい。一方,バネ部5aも,加工性を考慮して掛止部3に極力近づけて構成することが好ましい。このように,バネ部5と掛止部3との位置関係,およびバネ部5の形状は,例えば,化粧板1の厚さのバラツキや,バネ部5の弾性力によって化粧板1を押し出す力などを考慮して決定されるが,例えば,建造物の壁面9に固定板8を固定するためのネジ釘80のネジ頭の形状や高さなども考慮して決定される。なお,本実施形態では,バネ部8は,金属板の両端部全体を折り曲げて構成されているが,かかる例に限定されず,例えば,基底部4の金属板を部分的に切り起こして構成することもできる。また,バネ部5は,上記のように連続したバネ部でもよいが,例えば,掛止部3の変形を少なくするために,基底部の端部を部分的に切り欠いて折り曲げる,或いは,基底部4を部分的に切り起こすなどして形成された部分バネとすることもできる。
【0068】
かかるバネ部8は,上記のように弾力性を有する金属板で構成されているので,さらに深く折り返される力に対して反力を発揮する。従って,図2に示すように,掛止部4とバネ部5と間に化粧板1が挿入されると,バネ部5は,通常状態より圧縮されるため,弾性力を発揮して当該化粧板1を押し上げる。これにより,化粧板1は,掛止部3の掛かり代側に押しつけられるので,掛止部3とバネ部5との間に挟持・固定される。
【0069】
このように,バネ部5は,化粧板1を掛止部3との間に挟み込んで固定する機能を有する。かかるバネ部5の機能により,化粧板1の表面が掛止部3の掛かり代のレベルとなるように化粧板1が押圧される。このため,たとえ,図2に示すように化粧板1の厚さに多少バラツキがあったとしても,その差分量はバネ部5の撓み量で吸収できるので,双方の化粧板1の表面レベルは一定のレベルとなる。従って,化粧板貼り壁面施工において,仕上がり面の面合わせが容易に実現できる。
【0070】
連結部2は,掛止部3と基底部4とを連結する細長い部分であり,図2に示すように,例えば,化粧板1の一方が接触する。この連結部2の内部には,所定幅に調整された空間である隙間部7が確保されている。この隙間部7の存在により,化粧板固定部材100の両側に固定された化粧板1の端面同士が,極度に隣接しないようにできる。かかる隙間部7の寸法を調整しておくことで,例えば,日光や紫外線,外気の変化等が原因で,化粧板1が膨張収縮したとしても,この隙間部7が当該膨張収縮量を吸収できるので,化粧板1同士が連結部2を介して押し合わないようすることができる。さらに,地震等による建造物の変形量を事前に予測して隙間部7の間隔を決定しておくことにより,金属のバネ性を利用した特性で耐震性の高い施工が可能となる。さらに,地震やその他の外力で化粧板1が破損する事を防止する効果も期待できる。
【0071】
固定板8は,例えば,上記基底部4および掛止部3等が一体形成された金属板とは,別体に構成された金属板などからなる。
【0072】
この固定板8の金属板の厚さは,固定板8が壁面9状態に応じて柔軟に変形するように,例えば,上記化粧板固定部材100の本体部の金属板の厚さよりも薄くなるように調整されている。しかし,固定板8の金属板の厚さは,壁面9の不陸の状態や,壁面9の使用態様に応じて任意の厚さに変更できる。
【0073】
この固定板8は,上記の基底部4に応じた大きさを有しており,例えば,複数箇所をスポット溶接(点溶接)73等されることにより,基底部4の下側(壁面9側)に接合される。この,双方の金属板の接合方法は,スポット溶接に限られず,例えば,鋲螺類または接着剤等で接合することもでき,或いは,強度的に保証できればカシメ接合などであってもよい。
【0074】
また,この固定板8の一側端には,例えば,ハゼ折り部19が設けられている。このハゼ折り部19は,固定板8の一側端をロール成形により折り返すことで形成される。このハゼ折り部19によって,化粧板固定部材100の端部を丸めることができるので,例えば施工時に作業員が鋭敏な端部で傷つくことを防止できる。
【0075】
かかる固定板8は,図2に示すように,建造物の壁面9にネジ釘80で固定される。このように,固定板8を壁面9に固定することにより,化粧板固定部材100全体を壁面9に取り付けて固定することができる。このように,基底部4を壁面9に直接固定するのではなく,固定板8を介して固定することにより,壁面9の凹凸や傾斜などに対応して,化粧板固定部材100を正しい向き(例えば壁面9に対して垂直方向)で好適に設置できる。即ち,壁面9に凹凸や傾斜等の不陸がある場合であっても,固定板8をネジ釘80等で締め付けて固定する際に,固定板8が当該壁面9の形状に応じて柔軟に撓んで変形するので,かかる壁面9の不陸を吸収することができる。
【0076】
次に,図3に基づいて,本実施形態にかかる目地部材について説明する。なお,図3は,本実施形態にかかる目地部材200を示す斜視図である。
【0077】
図3に示すように,目地部材200は,相隣接する化粧板1の隙間に嵌合するように延長形成された例えば略棒状の部材である。この目地部材200の材質は,上記化粧板固定部材100と同様に,例えば,鉄板,ステンレス鋼板,各種の鋼板,表面処理塗装鋼板,銅板,真鍮板,アルミ板,チタン板など各種の金属板などである。このように化粧板固定部材100および目地部材200を,例えば略同一の金属板を素材とすることで,施工後に表面に現れる化粧板1の目地部分を統一された金属目地で構成することができる。この目地部材200は,上記金属板を折り曲げ加工またはプレス加工などして形成される。しかし,かかる例に限定されず,目地部材200は,例えば,金属類または合成樹脂などを押し出し成形して形成されてもよい。この目地部材200の長さは,例えば,壁面9を施工した際に,所定間隔で配された化粧板固定部材100間のピッチの長さより若干短い長さである。
【0078】
この目地部材200は,例えば,目地表面部202と,支持部204と,張出部206とを備える。
【0079】
目地表面部202は,例えば,化粧板1間の目地となって外部に現れる部分である。この目地表面部202は,例えば,その断面が上記化粧板固定部材100の掛止部3と略同一な断面形状を有しており,両側下面に掛かり代も備える。よって,かかる目地部材200は,例えば,化粧板固定部材100の掛止部3と略同一の機能構成の掛止部としても機能する。また,支持部204は,例えば,上記化粧板1の隙間に挿入して配置され,目地表面部202を支持する部分である。
【0080】
また,張出部206は,支持部204の他端に外側に張り出すように設けられた部分である。この張出部206を,両側の化粧板1の裏面に引っ掛けることにより,当該化粧板1同士の隙間に嵌合した目地部材200が好適に固定され,外れないようにできる。また,この張出部206を化粧板1の裏面に好適に引っ掛けるために,例えば,化粧板1の裏面の端部に面取り状の切り欠き部を形成し,かかる切り欠き部に張出部206を引っ掛けるようにしてもよい。なお,この切り欠き部は,化粧板1裏面の端部に沿って全体に施しても良く,また,部分的に施しても良い。
【0081】
この目地部材200を上記隙間に挿入する際には,目地部材200の支持部204が目地表面部202との連結部を支点として弾性的に開閉可能であるので,張出部206が邪魔になることはない。
【0082】
以上のような目地部材200を,化粧板1間の隙間に嵌合させることにより,目地部材200の目地表面部202が施工後の仕上がり面に現れるので,例えば左右に相隣接する化粧板1間の垂直方向の目地部(以下では,縦目地という。)を,金属目地加工することができる。
【0083】
以上,本実施形態にかかる壁面施工アセンブリを構成する化粧板1,化粧板固定部材100及び目地部材200について説明した。かかる壁面施工アセンブリを複数用いて組立加工することで,建造物の壁面に化粧板貼り壁面を施工することができる。
【0084】
次に,図2,図4および図5に基づいて,上記壁面施工アセンブリを用いた壁面施工方法について説明する。なお,図4は,本実施形態にかかる壁面施工アセンブリを用いた壁面施工方法を示すフローチャートである。また,図5は,本実施形態にかかる壁面施工方法によって施工されている壁面9の態様を示す斜視図である。
【0085】
なお,以下では,化粧板貼り施工する壁面として,建造物の略垂直な壁面の例を挙げて説明するが,かかる例に限定されず,施工壁面は,傾斜壁面,天井面などであってもよい。また,壁面施工方法として,複数の上記化粧板1を一段毎に例えば略水平方向(壁面9の左右方向)に貼り合わせていく横貼り方式の例を挙げて説明するが,かかる例に限定されず,例えば略垂直方向(壁面9の上下方向)に貼り合わせていく縦貼り方式などとしても勿論よい。
【0086】
図4に示すように,まず,ステップS100では,最下段の化粧板固定部材100−1が壁面9に取りつけられる(ステップS100)。図5に示すように,施工対象である建造物の壁面9における最下端部分に,最下段の化粧板固定部材100−1が,その長手方向が略水平となるように取り付けられる。このような化粧板固定部材100の取り付けは,例えば,ネジ釘80により上記固定板8を壁面9に固定することによりなされる。この際,例えば,化粧板固定部材100の固定板8側(バネ部5b側)が,上側となるように固定される。
【0087】
次いで,ステップS102では,壁面9に対して,複数の化粧板固定部材100−2,3…が,所定のピッチで平行に取り付けられる(ステップS102)。まず,2段目の化粧板固定部材100−2が,上記最下段の化粧板固定部材100−1に対して所定のピッチで壁面9に取り付けられる。この所定のピッチは,例えば,化粧板1の働き幅と掛止部3の寸法に基づいて計算されるピッチである。より具体的には,当該ピッチは,例えば,化粧板1の働き幅と,化粧板1を挿入する時に必要な掛止部3の下側の空間部寸法と,金属板の厚さ2枚分の寸法と,さらに若干の余裕分とを合計した寸法である。次いで,同様にして,3段目の化粧板固定部材100−3が,上記2段目の化粧板固定部材100−2に対して所定のピッチで壁面9に取り付けられる。さらに,同様にして,複数の化粧板固定部材100−4,5,…の取付を,壁面9全体をカバーするまで繰り返す。この結果,複数の化粧板固定部材100−1,2,3,…が,建造物の壁面9全体に予め等間隔で取り付け施工される。
【0088】
なお,壁面9に凹凸や傾斜部分(以下,不陸という)が大きく存在する場合には,例えば,化粧板固定部材100と壁面9との間に不陸調整シートを挟んだ上で,ネジ釘80で化粧板固定部材100を壁面9に固定してもよい。これにより,化粧板固定部材100を安定的に,かつ好適な方向で取り付けることができる。しかし,例えば,小さく部分的な不陸の場合には,固定板8が撓むことにより不陸調整機能が働くので,不陸調整シートを使わなくてもよい。
【0089】
さらに,ステップS104では,相隣接する化粧板固定部材100の間に,1つの化粧板1が嵌め込まれる(ステップS104)。ここでは,最下段の化粧板固定部材100−1と,2段目の化粧板固定部材100−2との間(以下では,1段目の嵌込スペースという。その他の段も同様とする。)に,1つの化粧板1を嵌め込む例について説明する。例えば,まず,表面側を手前にした化粧板1の上端部を,2段目の化粧板固定部材100−2の下側の掛止部3とバネ部5aと隙間に,バネ部5aを押圧しながら当該隙間の奥まで上限一杯に挿入する。次いで,この化粧板1の下端部を,最下段の化粧板固定部材100−1の上側の掛止部3とバネ部5bとの隙間に,バネ部5bを押圧しながら嵌め込んで,化粧板1を落とし込むように押し下げて挿入する。このように,本実施形態では,例えば,予め設置された相隣接する化粧板固定部材100の間に,障子や襖を入れるようにして,化粧板1が嵌め込まれる。
【0090】
上記のようにして化粧板1が嵌め込まれた状態では,例えば,図2に示したように,化粧板固定部材100の下端は,下側に位置する化粧板固定部材100の連結部2に直接的に接触する一方,化粧板1の上端は,上側に位置する化粧板固定部材100の連結部2からは多少の挿入用隙間50が空くようになる。このため,化粧板1は,通常時には安定性にさほど問題がないが,地震時などには外れてしまう危険性がある。そこで,施工後に化粧板固定部材100が外れないようにするために,例えば,1つの化粧板1を嵌め込む度に,上記挿入用隙間50に1個ずつ木片や弾力のある樹脂棒等のくさびを挿入してもよい。これにより,化粧板1の例えば上下方向への移動を制限して,より確実に化粧板1を固定できる。
【0091】
その後,ステップS106では,その段に全ての化粧板1が設置されたか否かが判定される(ステップS106)。例えば,上記1段目の嵌込スペースに,上記ステップS104と同様にして,新たな化粧板1が順次嵌め込まれてゆく。この結果,上記1段目の嵌込スペースの全領域をカバーする分の化粧板1が配列されて嵌め込まれた場合には,その段の化粧板1の嵌め込みがすべて完了したことになり,ステップS108に進む。
【0092】
次いで,ステップS108では,化粧板1の間に目地部材200が取り付けられる(ステップS108)。例えば,1段目の嵌合スペースに配列された複数の化粧板1間の隙間に,上記図3で説明したような目地部材200が,それぞれ嵌め込まれる。この目地部材200は,上記張出部206が,化粧板1の裏面に引っ掛かることにより,当該隙間に嵌合して安定的に保持される。なお,構築物の壁面9の意匠的な観点から,例えば,あえて目地部材200を使用しないで,化粧板1を近接させて配列し,金属の縦目地を使わないようにしてもよい。
【0093】
さらに,ステップS110では,壁面9全体の施工が終了したか否かが判定される(ステップS110)。例えば,上記1段目の嵌込スペースが終了した場合には,上記ステップS104に戻って,1段目の嵌込スペースについて上記と同様の施工が成される。かかる例えば段毎の施工を繰り返して,全ての嵌込スペースに,化粧板1が取り付け完了した場合には,当該壁面9の施工を終了する。
【0094】
以上のように,本実施形態にかかる壁面施工方法では,構築物の壁面9に化粧板1を貼り上げるために,例えば,まず,化粧板固定部材100−1を壁面9の最下端に設置し,さらに,所定のピッチで2,3…段目の化粧板固定部材100−2,3…を,事前に略平行に設置する。しかる後に,化粧板1の上端部を,上側の化粧板固定部材100の下側のバネ部5aと掛止部3との間に挟持される状態で持ち上げるようにして嵌め込み,次いで,当該化粧板1の下端部を下側の化粧板固定部材100の上側のバネ部5bと掛止部3との間に,落とし込むようにする。これにより,当該化粧板1の両端を上下2つの化粧板固定部材100で挟持・固定できる。
【0095】
なお,上記施工方法では,予め全ての化粧板固定部材100を設置した上で,化粧板1を嵌め込んでいったが,かかる例に限定されない。例えば,まず,再下段の化粧板固定部材100−1および2段目の化粧板固定部材100−2のみを設置し,次いで,この2つの化粧板固定部材100−1,2間に化粧板1を全て嵌め込み完了した後に,3段目の化粧板固定部材100−3を設置して,化粧板固定部材100−2,3間に化粧板1を嵌め込むといったように,化粧板固定部材100の設置と,該当する段の化粧板1の嵌め込みとを,一段毎に交互に繰り返して施工しても良い。
【0096】
(第2の実施の形態)
次に,本発明の第2の実施形態にかかる壁面施工アセンブリおよびこれを用いた壁面施工方法について説明する。なお,第2の実施形態にかかる壁面施工アセンブリおよび壁面施工方法は,以下に説明する事項以外の機能構成は,上記第1の実施形態にかかる壁面施工アセンブリおよび壁面施工方法と略同一であるので,その説明は省略する。
【0097】
まず,図6〜図8に基づいて,本実施形態にかかる化粧板固定部材100について詳細に説明する。なお,図6は,本実施形態にかかる化粧板固定部材100を示す斜視図である。また,図7は,図6の化粧板固定部材100を作成する際の加工工程中の半製品を示す側面図である。また,図8は,本実施形態にかかる化粧板固定部材100が化粧板1を壁面9に固定する態様を示す断面図である。
【0098】
図6〜図8に示すように,化粧板固定部材100は,上記と同様に,その長手方向の長さが上記化粧板1の平行な対辺の長さ以上の寸法を有する長尺金具などとして形成されている。この化粧板固定部材100は,1枚の上記金属板を折り曲げ加工することにより,基底部4,掛止部3,連結部2およびバネ部5などから成る本体部だけでなく,固定板8もが一体形成されている点が特徴である。また,化粧板固定部材100は,複数のバネ部5aが基底部4を部分的に切り起こして形成されている点と,バネ部5bが基底部の端部を部分的に切り欠いて折り返している点にも特徴がある。
【0099】
このような化粧板固定部材100の製造方法の例について,以下に詳細に説明する。まず,例えば,予め長尺の金属板において,所定の位置にバネ部5a及びバネ部5bとなる部分を展開抜き(切り抜き)しておく。次いで,例えば,かかる金属板をロール成形して,図7の実線で示すように,掛止部3,連結部2,およびバネ部5bを成形する。その後,例えば,予め潰し部16のみに金型を配したプレス機を用いて,潰し曲げ加工をすることにより,図7の2点鎖線で示すように,固定板8をさらに深く折り曲げて基底部4に合わせるとともに,バネ部5aを立ち上げ(例えば,固定板8の折り曲げに伴って自然に起きあがる。),不要な潰し部16を潰す。しかる後に,図6に示すように,スポット溶接73などで基底部4と固定板8とを接合して,化粧板固定部材100が完成する。
【0100】
上記のようにして,本実施形態にかかる固定板8は,例えば,一枚の金属板から本体部と一体に形成される。このように,化粧板固定部材100の全てを一体形成することで,化粧板固定部材100の製作コストと手間の低減を図ることができる。また,固定板8は,壁面9にネジ釘80等で固定する際,壁面9の不陸を吸収できる。また,固定板8を上記のように折り返してスポット溶接73などにより接合することで,固定板8と基底部4からなる2枚の金属板となる部分が生じるので,強度の高い化粧板固定部材100に仕上げる事ができる。なお,接合方法は接着剤などで行う事もでき,また,金属板に強度のある場合には,別段の接合作業をしなくても,折り曲げた状態でそのまま使用することもできる。
【0101】
また,バネ部5は,化粧板固定部材100の長手方向に沿って全体的に形成されるのではなく,部分的に形成されている。これにより,当該バネ部5が化粧板1の裏面に加える弾性力を好適に低減して調整することができる。
【0102】
次に,図9および図10に基づいて,本実施形態にかかる目地部材200について説明する。なお,図9は,本実施形態にかかる目地部材200を示す斜視図である。また,図10は,本実施形態の変更例にかかる目地部材200を示す斜視図である。
【0103】
図9に示すように,目地部材200は,例えば,仕上がり面に表れる目地表面部202と,化粧板1間の隙間に挿入されて上記目地表面部202を支持する支持部204と,突起部208とを有する。
【0104】
突起部208は,目地部材200の長手方向の例えば両端から突出形成され,目地表面部202に対して若干の段差を有する略突起状の部分であり,上記化粧板固定部材100の掛止部3の下側に挿入可能な形状を有する。かかる突起部208は,上記掛止部3の下側に引っ掛けられることにより,相隣接する化粧板1の隙間に嵌合した目地部材200を固定して,隙間から外れないようにする機能を有する。また,突起部208の目地表面部202に対する段差を好適に調整することにより,例えば,化粧板固定部材100の掛止部3と,目地部材200の目地表面部202と,からなる金属目地部の表面を,ほぼ同じ高さに仕上げることができる。
【0105】
この目地部材200は,上述したような金属板を予め展開抜きした後にプレス加工等によって形成される。この場合,目地表面部202となる部分は,例えば,平面,略半円筒状など任意の形状であってよく,化粧板固定部材100の形状に合わせたものとするのことが好ましい。
【0106】
具体的には,例えば,図10に示すように,目地部材200の目地表面部202を平面にし,突起部208を切り起こすように形成しても良い。かかる図10の目地部材200は,例えば,事前に金属板を展開抜き等により1次加工し,次いで,プレス加工等で2次加工して形成することができる。このような目地表面部202の態様については,例えば,上記のように平面状や円弧状など任意の形状であってよく,さらに,エンボス加工などを施してもよい。
【0107】
次に,図8,図11および図12に基づいて,上記壁面施工アセンブリを用いた壁面施工方法について説明する。なお,図11は,本実施形態にかかる壁面施工アセンブリを用いた壁面施工方法を示すフローチャートである。また,図12は,本実施形態にかかる壁面施工方法によって施工されている壁面9の態様を示す斜視図である。なお,以下でも,垂直壁面に対して上記横貼り方式で施工する例について説明するが,かかる例に限定されず,任意の壁面に縦貼り方式などで施工してもよい。
【0108】
図11に示すように,まず,ステップS200では,最下段の化粧板固定部材100−1が壁面9に取りつけられる(ステップS200)。図12に示すように,施工対象である建造物の壁面9における最下端部分に,スターターとして,最下段の化粧板固定部材100−1が,その長手方向が略水平となるように取り付けられる。このような化粧板固定部材100の取り付けは,例えば,ネジ釘80により上記固定板8を壁面9に固定することによりなされる。この際,例えば,化粧板固定部材100の固定板8側(バネ部5b側)が,上側となるように固定される。
【0109】
次いで,ステップS202では,設置された化粧板固定部材100の上側に,1つの化粧板1が取り付けられる(ステップS202)。ここでは,例えば,最下段の化粧板固定部材100−1の上側のスペース(以下では,1段目の嵌込スペースという。その他の段も同様とする。)に,1つの化粧板1を取り付ける例について説明する。表面側を手前にした化粧板1の下端部を,最下段の化粧板固定部材100−1の掛止部3上側の隙間に挿入する。換言すると,当該化粧板1の下端部を,最下段の化粧板固定部材100−1の掛止部3とバネ部5bとの間に,奥まで挿入する。これにより,挿入された化粧板1は,バネ部5bの弾性力によって表面側に押されて,掛止部3の掛かり代に押し付けられる。なお,この時点では,化粧板1は,その下端部のみが例えば化粧板固定部材100−1によって挟持された状態であり,未だ不安定な状態で取り付けられている。
【0110】
その後,ステップS204では,その段に全ての化粧板1が設置されたか否かが判定される(ステップS204)。例えば,最下段の化粧板固定部材100−1の上側に,上記ステップS202と同様にして,新たな化粧板1が順次挿入されてゆく。この結果,上記1段目の嵌込スペースの全領域をカバーする分の化粧板1が配列された場合には,その段の化粧板1の設置がすべて完了したので,ステップS206に進む。
【0111】
次いで,ステップS206では,化粧板1の間に目地部材200が取り付けられる(ステップS206)。例えば,上記のようにして1段目の嵌合スペースに配列された複数の化粧板1間の隙間に,上記図9で説明したような目地部材200が,それぞれ嵌め込まれる。この目地部材200は,例えば,下側の上記突出部208が,最下段の化粧板固定部材100−1の掛止部3に引っ掛けられて,掛止される。なお,構築物の壁面9の意匠的な観点から,例えば,あえて目地部材200を使用しないで,化粧板1を近接させて配列し,金属の縦目地を使わないようにしてもよい。
【0112】
次いで,ステップS208では,次の段の化粧板固定部材100が,壁面9に取り付けられる(ステップS208)。例えば,2段目の化粧板固定部材100−2が,上記最下段の化粧板固定部材100−1に対して平行に取り付けられる。このとき,2段目の化粧板固定部材100−2は,自身の下側の掛止部3とバネ部5aの間に,上記ステップS202〜ステップS204で取り付けられた複数の化粧板1の上端を,挿入するような位置に設置される。この結果,当該複数の化粧板1は,その下端を最下段の化粧板固定部材100−1によって挟持され,その上端を2段目の化粧板固定部材100−2によって挟持されるので,壁面9に対して安定的に固定された状態となる。
【0113】
かかる化粧板1の状態をより詳細に説明すると,例えば,図8に示したように,化粧板1の下端は,下側に位置する化粧板固定部材100の連結部2に直接的に接触する一方,化粧板1の上端も,上側に位置する化粧板固定部材100の連結部2に直接接触する。このため,上記図2の場合のように挿入用隙間50が生じることがないので,化粧板1は,上下の化粧板固定部材100によって確実に挟持・固定される。
【0114】
また,化粧板1だけでなく,上記ステップS206で取り付けられた目地部材200も,その上側の突起部208が2段目の化粧板固定部材100−2の掛止部3に引っ掛けられて,双方の化粧板固定部材100−1,2間で固定される。なお,2段目の化粧板固定部材100−2は,例えば釘打ち用の固定板8がネジ釘80等によって壁面9に直接に固定されることで,壁面9に固設される。
【0115】
さらに,ステップS210では,壁面9全体の施工が終了したか否かが判定される(ステップS210)。例えば,上記1段目の嵌込スペースにおける化粧板1の設置が終了した場合には,上記ステップS204に戻って,2段目の嵌込スペースについて上記と同様の施工が成される。かかる例えば段毎の施工を繰り返して,全ての嵌込スペースに,化粧板1が取り付け完了した場合には,当該壁面9の施工を終了する。
【0116】
以上のように,本実施形態にかかる壁面施工方法では,構築物の壁面9に化粧板1を貼り上げる壁面施工時に,例えば,まず,化粧板固定部材100−1を壁面9の最下端にスターターとして設置し,次いで,複数の化粧板1をこの化粧板固定部材100−1に沿って並列して取り付け,さらに,目地部材200を取り付けた上で,2段目の化粧板固定部材100−2を,これら化粧板1および目地部材200を挟み込むようにして設置・固定する。これにより,当該化粧板1の両端が,上下2つの化粧板固定部材100により安定的に挟持・固定される。このような複数の化粧板1の配列と,化粧板固定部材100の設置とを繰り返すことにより,壁面9全体を化粧板貼り施工することができる。
【0117】
以上説明したように,上記第1および第2の実施形態にかかる壁面施工アセンブリおよび壁面施工方法によれば,化粧板固定部材100が化粧板1を挟持・固定した状態では,化粧板固定部材100の双方のバネ部5a,5bが,化粧板1を掛止部3の方向へ押し出すよう作用する。化粧板固定部材100の基底部4と掛止部3との距離は,化粧板1の厚さとバネ部5の反発力を考慮した好適な寸法を予め計算して決定されているので,上記バネ部5の押し出す力が適切な大きさとなる。また,同時に,固定板8に使用するネジ釘80等の頭の寸法等も考慮して,バネ部5の形状が決定されている。固定板8は,厚さの薄い金属板を使用することにより,構築物9の下地の小さな不陸を吸収できる。従って,このような掛止部3,バネ部5および固定板8の作用により,設置された化粧板1の表面を面一に仕上げることができる。
【0118】
また,熱や湿気による化粧板1の膨張収縮で,化粧板1同士が干渉する可能性が考えられる。また,化粧板1と建造物の壁面材との伸縮量差の影響により,化粧板1が安定的に固定されない可能性も考えられる。しかし,上記実施形態にかかる化粧板固定部材100は,連結部2の内部に隙間部7が設けられるように成形加工される。この隙間部7の幅は,上記のような熱や湿気による化粧板1の伸縮量と,建造物の壁面材の伸縮量との差を吸収できるように設定されている。
【0119】
よって,この隙間部7が存在することにより,双方の化粧板1を,ある程度離隔して配設することが可能であり,熱膨張により双方の化粧板1が連結部1を介して押し合うことを防止できる。また,この隙間部7は,化粧板1と建造物の壁面材の伸縮量の差によって,化粧板1の隙間が無くなることを避けることができる。特に,構築物本体が木材や鉄骨造の場合には熱膨張率が異なるために,上記隙間部7は重要である。
【0120】
また,本実施形態にかかる壁面施工方法では,化粧板固定部材100の掛止部3表面が例えば横目地となり,さらに目地部材200の目地表面部202が縦目地となるので,隣接する化粧板1間の目地部を金属製目地とすることができる。
【0121】
さらに,化粧板1を外壁に施工した後に,例えば,化粧板固定部材100および目地部材200と,化粧板1との隙間に,シール剤を塗布するとともに,化粧板固定部材100と目地部材200との接触部の隙間にもシール剤を塗布してもよい。これにより,貼り上げた化粧板1の内側に外部から雨水等が侵入することを防止できる。また,本施工法によるとシール剤の使用量を大幅に節約できる。
【0122】
(変更例)
次に,上記実施形態にかかる壁面施工アセンブリの各種変更例について説明する。
【0123】
(変更例1)
最初に,変更例1にかかる壁面施工アセンブリの化粧板1および化粧板固定部材100について説明する。
【0124】
まず,図13に基づいて,変更例1にかかる化粧板1について説明する。なお,図13(a),(b),(c)は,変更例1にかかる化粧板1を示す斜視図,側面図,正面図である。
【0125】
図13(a),(b)に示すように,化粧板1は,例えば,表面側の両側端部に,掛止部用切り欠き20が連続形成されている。この掛止部用切り欠き20は,図13(b)に示すように,例えば,その断面形状が略L字型となるような段差状を有する。この段差状の形状及び大きさは,化粧板固定部材100の掛止部3の形状および大きさと対応するように調整されている。かかる掛止部用切り欠き20には,当該掛止部3が引っ掛けられて,双方が好適に係合してずれることがない。このため,化粧板固定部材100は,化粧板1を安定かつ好適に固定することができる。
【0126】
また,図13(a),(c)に示すように,化粧板1は,例えば,表面側のもう一方の両側端部に,断面が例えば略傾斜面状の面取り部57が形成されている。この面取り部57を設けることにより,化粧板1同士が接触して破損することを防止できるとともに,施工後の仕上がり面に立体感が生まれ,意匠性を高めることができる。なお,上記のように,化粧板1の端面に掛止部用切り欠き20と面取り部57を施した例を挙げたが,かかる例に限定されず,例えば,薄い化粧板1の場合には,上記掛止部用切り欠き20と面取り部57を施さないようにしてもよい。
【0127】
次に,図14および図15に基づいて,変更例1にかかる化粧板固定部材100について詳細に説明する。なお,図14は,変更例1にかかる化粧板固定部材100を示す斜視図である。また,図15は,変更例1にかかる化粧板固定部材100が化粧板1を壁面9に固定する態様を示す断面図である。
【0128】
図14に示すように,化粧板固定部材100は,基底部4の下側に上記のような固定版8が取り付けられておらず,基底部4に直接,ネジ釘80を設置して,壁面9に固定するような構成である。また,この化粧板固定部材100のバネ部5は,例えば,掛止部3の一側に配列された切り起こしタイプのバネ部5aと,掛止部3の他側に配列された部分的な折り返しタイプのバネ部5bと,からなる。
【0129】
バネ部5aは,例えば,一側の基底部4の略平面部分の金属板を,プレス加工などにより部分的に切り起こして形成される。また,このバネ部5aの外側の基底部4には,ネジ釘80が設置されるスペースが確保されており,さらに,基底部4の端部にはハゼ折り部19が形成されている。一方,バネ部5bは,他側の基底部4の端部を部分的に折り返して形成されている。このバネ部5bは,例えば,複数の切り込みが入れられた基底部4の端部を,ある程度折り返し,不要な潰し部16を十分に潰しきることにより,残って幾分立ち上がっている部分である。このように,固定版8を用いず,バネ部5aを切り起こすなどして形成することにより,材料となる金属板の使用量を低減することができる。
【0130】
図15には,この化粧板固定部材100によって,上記図13で示したような化粧板1が,壁面9に組み付けられた状態が示されている。
【0131】
図15に示すように,掛止部3が,化粧板1の掛止部用切り欠き20と好適に係合しているので,化粧板固定部材100は化粧板1を確実に固定することができる。また,掛止部3の表面側は,上記のように金属目地部(横目地)を構成するが,上記掛止部用切り欠き20を設けることにより,掛止部3は,その表面が化粧板1の表面より凹んだ状態で化粧板1を掛止できる。これにより,金属目地部が化粧板1の表面より凹んだ状態となるような,石板貼り壁面を仕上げることができる。
【0132】
また,変更例1にかかる化粧板固定部材100は,バネ部5aを切り起して形成した結果,基底部4には複数の開口部が形成されており,この開口部の存在により壁面9の不陸に追従して設置やすい構成となっている。しかし,図15に示すように,壁面9の広い範囲での不陸がある場合には,例えば,化粧板固定部材100は,基底部4と壁面9との間に配設された不陸調整シート51を介して設置されても良い。これにより,化粧板固定部材100は,不陸があるにもかかわらず,化粧板1を好適かつ面一に支持することができる。
【0133】
(変更例2)
次に,変更例2にかかる壁面施工アセンブリの化粧板1および化粧板固定部材100について説明する。
【0134】
まず,図16〜図19に基づいて,変更例2にかかる補強板300が取り付けられた化粧板1について説明する。なお,図16は,変更例2にかかる1枚用の補強板300を示す斜視図であり,図17は,変更例2にかかる3枚用の補強板300を示す斜視図である。また,図18および図19は,変更例2にかかる3枚用の補強板300が取り付けられた化粧板1を示す側面図および斜視図である。
【0135】
図16および図17に示すように,補強板300は,化粧板1を補強するための例えば板状の部材であり,例えば,鉄板,ステンレス板または銅板等の平板状の金属板などを,折り曲げ加工などして形成される。このように,補強板300に金属板を使用する場合には,例えば,厚さが0.05mm〜0.4mmの薄い金属板であることが好ましいが,大きい化粧板1や素材強度の弱い化粧板1を用いる場合には,例えば,更に厚い2mm低度の材料を使う事もできる。また,補強板300に金属板を使用する場合には,例えば,化粧板1の石材との熱膨張率の差が少ない材質の金属板を使うのことが好ましいが,例えば,金属板の全方向にランダムな凹凸を付けて金属の伸び強度を減らす,或いは,接着剤の種類も弾性接着材とするなど,予め化粧板1と補強板300の熱膨張率の差を予測して対策しておくのもよい。
【0136】
なお,補強板300は,上記金属平板以外にも,例えば,網状の金属板や布状の材料,或いは,吸水性の低いハードボードや,金属の押し出し成形品などからでも製造する事ができる。また,樹脂の押し出し成形品で製造することもできる。
【0137】
図16に示す補強板300は,例えば1枚の化粧板1を補強するためのものであり,例えば1枚の化粧板1の裏面形状に略相似する底面部52を有する。また,図17に示す補強板300は,例えば3枚の化粧板1を同時に補強するためのものであり,例えば3枚の化粧板1の裏面形状に略相似する底面部52を有する。
【0138】
いずれの補強板300も,例えば,底面部52の上辺から略垂直に立ち上がる上側立ち上げ部54と,底面部52の下辺から略垂直に立ち上がる下側立ち上げ部55とを備え,これらの底面部52,上側立ち上げ部54および下側立ち上げ部55は一体形成されている。また,かかる上側立ち上げ部54および下側立ち上げ部55の立ち上げ高さは,例えば化粧板1の厚さに応じて決定される。
【0139】
重ね合わせ部53は,例えば,化粧板1を接着剤等で張り合わせるときに,隣の化粧板1の下になる領域である。また,上側立ち上げ部54は,例えば,この重ね合わせ部53に相当する部分が切り取られている。また,下側立ち上げ部55には,上記重ね合わせ部53に相当する部分に切り込み56が形成されている。なお,補強板300は,上側立ち上げ部54および下側立ち上げ部55を,必ずしも具備しなくとも良い。
【0140】
図18および図19には,化粧板1を複数枚貼り合わせる場合の補強板300の一例を示す。この例では,例えば,上記3枚用の補強板300に,3枚の化粧板1を連続して取り付けている例を示している。
【0141】
かかる取り付け時には,例えば,補強板300の内側に接着剤58を塗布し,次いで,この補強板300の内側に,予め決められた所定幅の重ね合わせ部53を残して,例えば3枚の化粧板1が接着される。
【0142】
かかる補強板300を化粧板1に取り付けることにより,化粧板1の強度を高めることができる。このため,例えば,薄い化粧板1を用いることができ,また,壁面施工時の取り扱い性がよくなるという利点がある。さらに,上記上側および下側立ち上げ部54,55を設けることで,化粧板1を取り付けた状態での強度をより高めることができる。
【0143】
また,上側立ち上げ部54は,重ね合わせ部53に相当する部分が切り取られている。このため,例えば,図19に示すような1つの補強板300に固定された3枚の化粧板1を1つのユニットとし,このユニットを上記第1の実施形態の壁面施工法(図5参照)で複数連接していくときに,上側立ち上げ部54が邪魔になることなく,隣接するユニット同士を好適に組み合わせることができる。
【0144】
また,下側立ち上げ部55の切り込み56は,化粧板1の厚さのバラツキを吸収する働きをするためのものであり,厚みの精度が高い化粧板1の場合には当該切り込み56を設けなくても良い。また,補強板300において重ね合わせ部53を設ける位置は,例えば,施工方向の関係から,図19での左側のみ,または左右対称などとすることもできるのは言うまでもない。また,重ね合わせ部53を設けなくてもよい。
【0145】
この補強板300の長さは,補強する化粧板1の枚数および長さに応じて自由に決めることができる。また,例えば,補強板300の長さを予め決めておき,長さや材質等の異なる複数種類の化粧板1を組み合わせて,組み品として作る事もできる。また,補強板300は,施工順序に応じた施工性を考慮して,例えば,左右対称な形状にすることもできる。なお,化粧板1は,例えば,充分な厚さと強度がある場合には,上記のような補強板300を貼り付けないで直に化粧板固定部材100に取り付けることもできる。
【0146】
次に,図20〜図22に基づいて,変更例2にかかる化粧板固定部材100について詳細に説明する。なお,図20は,変更例2にかかる化粧板固定部材100を示す斜視図である。また,図21は,変更例2にかかる化粧板固定部材100が,補強板300が取り付けられた化粧板1を壁面に固定する態様を示す断面図である。また,図22は,変更例2にかかる別の態様の化粧板固定部材100を示す断面図である。
【0147】
図20に示すように,変更例2にかかる化粧板固定部材100は,例えば1枚の金属板を折り曲げ加工等して形成されており,掛止部3,連結部2,バネ部5,基底部4および固定板8等が一体形成されている。バネ部5bは,基底部4の端部を部分的に折り返して形成されており,一方,双方が,バネ部5aは,固定板8の端部を部分的に折り返して形成されている。
【0148】
図21に示すように,この化粧板固定部材100は,上記のようにして補強板300が取り付けられた化粧板1を好適に固定できる。具体的には,上記バネ部5aおよびバネ部5bが補強板300を押し上げることで,化粧板1表面の両端部が掛止部3の掛かり代に押し付けられる。これにより,補強板300付の化粧板1が掛止部3とバネ部5との間に挟持される。このとき,バネ部5は補強板300と接触しているので,化粧板1が傷つけられることがない。
【0149】
また,この化粧板固定部材100は,例えば,2つの通水孔40,41が形成されている点に特徴がある。より詳細には,例えば,掛止部3の近傍の連結部2には,略円形状等の通水孔40が貫通形成されており,また,掛止部3の例えば下側の掛かり代には,略円形状等の通水孔41が貫通形成されている。かかる構成により,図21に示すように,例えば,化粧板1と壁面9との間で連結部2より上側の領域に溜まった水分が,通水孔40および通水孔41を通って,掛止部3下側の化粧板1の表面側に流出できる。
【0150】
さらに,バネ部5b側(例えば設置方向上方側)において,基底部4と固定板8とが連結する部分の金属板を折り曲げた折返し部38が設けられている。また,連結部2と基底部4との連結部分に,例えば傾斜面部77を設けることにより,その内部に毛細管現象を止めるための水切り空間部39が形成されている。このような折返し部38および水切り空間部39などを設けることにより,例えば,化粧板1と壁面9との間の水分が,化粧板固定部材100を構成する金属板間の隙間を,毛細管現象によって上昇などして,建造物の壁面9側に浸入する事を防止できる。
【0151】
このように,変更例2にかかる化粧板固定部材100は,排水性および建造物側への水の遮断性に優れるので,建造物の外壁や,水を多用する室内の壁などに好適に適用できる。図21では,化粧板1の裏面に補強板300が接着剤等で貼り合わせられた一例を示すが,化粧板固定部材100が外壁材として使用された場合,特に冬季において建造物の内部から浸透してくる水蒸気が,化粧板1付近で冷却され凝縮して水滴となる。しかし,上記化粧板固定部材100の通水孔40,41,折返し部38および水切り空間部39などが作用することにより,この水滴を,内部に浸入させることなく,外部に好適に排出できる。
【0152】
また,化粧板1の表面を加工する前に,補強板300を化粧板1に接着すると,表面の平坦度が向上するため,化粧板1をさらに薄く加工し,仕上げることができる。その結果,化粧板1の全重量を低減することができる。
【0153】
また,図22には,通水孔を備えた化粧板固定部材100の別の変更例を示す。図22に示すように,この化粧板固定部材100では,掛止部3付近に上記と同様に通水孔40,41が形成されている。また,折返し部38は,例えば,上側の基底部4の下に入り込まない程度に立ち上げ,水滴が逆流しないように立ち下げられるようにして,形成されている。さらに,例えば,連結部2と基底部4との間には,毛細管現象を防止するための水切り空間部39が,例えば傾斜面部77などを設けることによって形成されている。これらにより,また建造物の外壁や,水を多用する室内の壁などに適用できる。また,例えば,バネ部5aが下側の基底部4と一体形成されている。なお,図示はしないが,例えば,バネ部5aと反対側に,上記のようなバネ部5bを折り曲げ形成,あるいは切り起こし形成しても,勿論よい。
【0154】
(変更例3)
次に,図23に基づいて,変更例3にかかる壁面施工アセンブリの化粧板固定部材100について説明する。なお,図23は,変更例3にかかる化粧板固定部材100を示す側面図である。
【0155】
図23に示すように,化粧板固定部材100は,例えば,掛止部3と,連結部2と,基底部4と,バネ部5a,5bと,このバネ部5a,5bを保持・固定するバネホルダー部6a,6bと,からなる。
【0156】
この化粧板固定部材100において,例えば,掛止部3,連結部2,基底部4,固定板8およびバネホルダー部6が一体形成されており,例えば,上記と同様な金属板などをロール成形して形成される。これらの部分は,強度を高めるために厚さの厚いものを使う事ができる。固定板8は,例えば両側に設けられている。また,基底部4をプレス等により切り起こすことにより,バネホルダー部6a,6b(以下ではバネホルダー部6と総称する場合もある。)が両側に設けられている。このバネホルダー部6a,6bには,バネ部5a,5bをそれぞれ保持・固定する。
【0157】
一方,バネ部5は,これらの部分とは別体に構成されており,例えば,弾力性(バネ性)に優れた薄い金属材料などから形成されている。このバネ部5は,バネホルダー部6にそれぞれ挿入され,このバネホルダー部6を潰すことで,バネ部5がバネホルダー部6に保持される。
【0158】
このように,バネ部5と,それ以外の部分との材質を変え,双方を連結して用いることにより,それぞれの機能に適した材質および形状とすることができるので,有益である。
【0159】
(変更例4)
次に,変更例4にかかる壁面施工アセンブリの化粧板固定部材100について説明する。
【0160】
まず,図24および図25に基づいて,変更例4にかかる化粧板固定部材100について詳細に説明する。なお,図24は,変更例4にかかる化粧板固定部材100を示す斜視図である。なお,図25は,変更例4にかかる化粧板固定部材100の別の態様を示す斜視図である。
【0161】
図24に示す化粧板固定部材100は,例えば,掛止部3及び基底部4が一体形成された部材70と,両側にバネ部5a,5bを備えた一体バネ部材71と,一側端にハゼ折り部19が形成された固定板8という3部材から構成されている。この3つの部材は,例えば,基底部4においてスポット溶接73等で一体に接合されている。かかる構成により,部材70に比較硬質な材質を用いたとしてもロール成形が容易であり,また,バネ部5の金属材としてバネ性のある材料を用いることができ,さらに,固定板8の材質には比較的軟らかい材料(軟鋼板など)を用いることができる。このように,化粧板固定部材100を構成する各部を分離形成した上で接合することで,各部材にそれぞれの機能に応じた材質を適用することができる。
【0162】
また,図25に示す化粧板固定部材100は,例えば,掛止部3及び基底部4が一体形成された部材70と,一側にバネ部5を,他側にハゼ折り部19を備えた固定板8という2部材から構成される。この2つの部材は,例えば,一側の基底部4において,リベット74等で一体に接合されている。なお,この2つの部材は,例えば,接着剤等により貼り合わせて接合されてもよい。
【0163】
上記図24および図25に示したように,連続形成された一体バネ部材71や,固定板8を有する化粧板固定部材100を使用することにより,雨水等に対する防水性を高めることができる。
【0164】
(変更例5)
次に,変更例5にかかる壁面施工アセンブリの化粧板固定部材100について説明する。
【0165】
ここで,図26および図28に基づいて,変更例5にかかる化粧板固定部材100について詳細に説明する。なお,図26は,変更例5にかかる化粧板固定部材100を示す斜視図である。また,図27は,変更例5にかかる化粧板固定部材の固定スペーサ65,66を示す斜視図である。また,図28は,変更例5にかかる化粧板固定部材100が化粧板1を壁面9に固定する態様を示す断面図である。
【0166】
図26に示すように,化粧板固定部材100は,例えば,異形押し出し金属材から形成されており,掛止部3と,固定板8と,バネホルダー部6a,6bとが一体形成されている。さらに,バネホルダー部6a,6bの内部に,それぞれ,バネ性に富む材質で薄く形成されたバネ部5a,5bが装着されている。なお,この化粧板固定部材100は,合成樹脂等で同様に製造できる事は言うまでもない。また,樹脂や金属等の異形押し出し品として形成された化粧板固定部材100は,例えば,ともに,固定板8の肉厚を他の部分より薄くすることが好ましい。
【0167】
また,図27に示すように,固定スペーサ65,66は,例えば,略円柱形状若しくは略円筒形状のコロ部材である。なお,固定スペーサ65,66の断面形状は,図示した円形状またはパイプ状に限定されず,例えば,四角形,三角形,楕円,など任意の形状であてもよい。
【0168】
この固定スペーサ65は,例えば,図28に示すように,傾斜面部77と化粧板1裏面との隙間に挿入されて,化粧板1を押し上げる機能を有する。また,固定スペーサ66は,例えば,バネ部5の内側に挿入されて,バネ部5を押し上げる機能を有する。このように固定スペーサ65,66および傾斜面部77は,上記バネ部5と同様に,本実施形態にかかる化粧板押し上げ機構として構成されている。
【0169】
このような構成の化粧板固定部材100を用いることにより,例えば補強板300付きの化粧板1を壁面9により安定的に固定することができる。詳細には,下側の化粧板1は,例えば,バネ部5aと,固定スペーサ66とによって押し上げられ,掛止部3の下側の掛かり代に押圧される。一方,上側の化粧板1は,例えば,バネ部5bと,傾斜面部77および固定スペーサ65とによって押し上げられ,掛止部3の上側の掛かり代に押圧される。このような固定スペーサ65,66により,化粧板1が表面側から押された時でも,化粧板1が後退しないようにできる。なお,固定スペーサ65は,例えば,化粧板1の補強板300の背面と,傾斜面77との間に,化粧板1設置の都度挿入される。また,同様に,固定スペーサ66をバネ部5aの内側に挿入しておくと,化粧板1がより強固に固定できる。
【0170】
なお,化粧板固定部材100は,例えば,その長手方向を略水平方向にして壁面9に取り付けられるときには,例えば急に形成した傾斜面部77に固定スペーサ65を押し込むことにより,バネ部5bを設けないようにしてもよい。また,例えば,金属板等をロール成形して,化粧板固定部材100を図20や図22の如き形状にした場合であっても,化粧板押し上げ機構として固定スペーサ65および傾斜面部77等を利用することにより,バネ部5を省略することができる。
【0171】
(変更例6)
次に,図29〜図30に基づいて,変更例6にかかる壁面施工アセンブリの化粧板固定部材100について説明する。なお,図29は,変更例6にかかる化粧板固定部材100を示す斜視図である。また,図30は,変更例6にかかる化粧板固定部材100が化粧板1を壁面9に固定する態様を示す断面図である。
【0172】
図29に示す化粧板固定部材100は,例えば,掛止部3,傾斜面部77及び基底部4が一体形成された部材76と,一側にバネ部5aを,他側にハゼ折り部19を備えた固定板8という2部材から構成される。この2つの部材は,例えば,一側の基底部4において,スポット溶接73等で一体に接合されている。なお,この2つの部材は,例えば,リベット若しくは接着剤等により接合されてもよい。
【0173】
図30に示すように,例えば,不陸の大きい壁面9のくぼんだ面に事前にネジ釘80等で水平に固定された化粧板固定部材100に対して,化粧板1が石板サイディングとして取り付けられている。この石板サイディングは,例えば,化粧板1に貼り付けられた補強板300の裏面に断熱材シート79を粘着材等で貼り付けたものである。このように,補強板300の裏面に結露防止用のシート,例えば,ウレタンフォームシートやポリエチレンフォームシート等からなる断熱材シート79を接着することで,化粧板1を外壁材などとして利用することもできる。また,壁面9に若干の不陸があっても,固定板8が不陸に応じて好適に撓んで固定されるので,施工された化粧板1の面一の精度を高めることができる。
【0174】
また,例えば,化粧板1(石板サイディング)を化粧板固定部材100に取り付ける毎に,固定スペーサ65を,傾斜面部77と補強板300との間に断熱材シート79を押し潰すようにして挿入することで,化粧板1を安定的に固定することができる。また,例えば,バネ部5a内部に固定スペーサ66を挿入することで,バネ部5aのたわみ量を制限し,表面側に外力が加わった場合に化粧板1が押し戻されないように作用する。断熱材シート79と,バネ部5a若しくは傾斜面部77との位置関係を事前に調整しておく事により,より水密性の高い外壁を構成できる。また,補強板300の裏面に上記のような断熱材シート79を貼り付けることにより,更に防水性を高めることができる。
【0175】
(変更例7)
次に,変更例7にかかる壁面施工アセンブリの化粧板1および化粧板固定部材100について説明する。
【0176】
まず,図31に基づいて,変更例7にかかる化粧板1について説明する。なお,図31(a),(b),(c)は,変更例7にかかる化粧板1を示す斜視図,側面図,正面図である。
【0177】
図31(a),(b),(c)に示すように,化粧板1は,例えば,両端面に,掛止部用溝59が形成されている。この掛止部用溝59は,変更例7にかかる被係止部として構成されている。この掛止部用溝59は,図31(b)に示すように,例えば,その断面形状が略コの字型となるように,化粧板1の端面を切り欠いて形成されている。この掛止部用溝59の深さや及び幅は,化粧板固定部材100の掛止部3の形状および大きさと対応するように調整されている。また,この掛止部用溝59を形成する位置は,複数の化粧板1について,例えば,化粧板1の表面から略同一の位置となるように形成することが好ましい。これにより,設置された複数の化粧板1の表面を好適に面合わせできる。
【0178】
かかる掛止部用溝59は,変更例7にかかる化粧板1の被係止部として構成されている。かかる掛止部用溝59には,挿入された当該掛止部3が引っ掛けられて,双方が好適に係合してずれることがない。このため,化粧板固定部材100は,化粧板1を安定かつ好適に固定することができる。
【0179】
なお,この掛止部用溝59は,その断面形状は上記のような略コの字型の例に限定されず,例えば,略U字形,略半円型,略V字形など任意の形状であってもよい。
【0180】
また,図31(a),(c)に示すように,化粧板1は,例えば,表面側のもう一方の両側端部に,断面が例えば略傾斜面状の面取り部57が形成されている。この面取り部57を設けることにより,化粧板1同士が接触して破損することを防止できるとともに,施工後の仕上がり面に立体感が生まれ,意匠性を高めることができる。
【0181】
次に,図32に基づいて,変更例7にかかる化粧板固定部材100について詳細に説明する。また,図32は,変更例7にかかる化粧板固定部材100が,化粧板1を壁面9に固定する態様を示す断面図である。
【0182】
図32に示すように,変更例7にかかる化粧板固定部材100は,上記第2の実施形態にかかる化粧板固定部材100と略同一であるのでその説明は省略する(図8等参照)。
【0183】
この化粧板固定部材100の掛止部3は,図32に示すように,その両側が上記のような化粧板1の掛止部用溝59に挿入された状態で,両側の化粧板1を掛止している。また,化粧板1の裏面からはバネ部5a,5bが化粧板1を押し上げている。かかる構成により,掛止部3の掛かり代とバネ部5a,5bとの間で,化粧板1の端部の一部(例えば,化粧板1の裏面から掛止部用溝59までの部分)を好適に挟持・固定できる。また,複数の化粧板1について,掛止部用溝59が化粧板1の表面から略同一の箇所に形成されているので,化粧板固定部材100によって挟持・固定された複数の化粧板1の表面を,高精度で面合わせでき,美しい仕上がり面を施工できる。
【0184】
また,上記掛止部用溝59の深さと,掛止部3の掛かり代の大きさを調整することにより,掛止部3の仕上がり表面側に見える部分の幅(即ち,相隣接する化粧板1の隙間の幅)を,連結部2の金属板2枚程度以上の任意の幅に調整できる。例えば,掛止部用溝59の深さを,掛止部3の掛かり代の略全部が挿入可能なほど十分深くすることで,例えば,上記隙間の幅を極めて小さく(連結部2の金属板2枚程度等)することができ,施工された仕上がり面上では掛止部3の表面がほとんど見えないようにできる。
【0185】
このように,変更例7にかかる掛止部用溝59付きの化粧板1と,化粧板固定部材100を用いることにより,隣接する化粧板1の隙間を好適に調整することができる。さらに,この変更例7にかかる壁面施工アセンブリと,上記説明したような壁面施工アセンブリとを組み合わせることで,化粧板貼り壁面のデザインの多様性の要請に応えることができる。
【0186】
(変更例8)
次に,変更例8にかかる壁面施工アセンブリの化粧板固定部材100について説明する。
【0187】
ここでは,図33に基づいて,変更例8にかかる化粧板固定部材100の掛止部3について詳細に説明する。なお,図33は,変更例8にかかる化粧板固定部材100の掛止部3の形状の変更例を示す側面図である。
【0188】
図33に示すように,掛止部3の形状は,化粧板1の端部を掛止可能な形状であれば,多様に変更することができる。例えば,掛止部3の表面側(外部に現れる側)の断面形状は,略円弧上(図33(a),(e)),略平面状(図33(c),(d),(f)),山型形状(図33(b))などとすることができる。また,掛止部3の断面形状は,例えば,図33(a)〜(d)のように左右対称であっても,また,図33(e)〜(f)のように左右非対称であってもよい。
【0189】
さらに,図33(a),(b)および(e)等に示すように,掛止部3の上面を略平坦ではなく例えば略曲面状等にすれば,例えば横目地が化粧板1より盛り上がったような外観となり,例えば略額縁状の金属目地を形成できる。
【0190】
また,掛止部3の表面は,例えば,表面側に現れる金属目地部となる部分であるので,意匠性を向上するために,この掛止部3に例えば樹脂製のフィルムカバー21を取り付けたり(図33(d)),各種のコーティング加工,エンボス加工等を施したりしてもよい。このために,例えば,樹脂フィルムやテープ等を化粧板固定部材100もしくは目地部材200の材料となる金属板等に事前に貼り付けておく事もできる。また,例えば,施工後にテープ状のものを掛止部3等に貼り付けて施工する事もできる。一例としては,図33(d)に示すように,フィルムカバー21は,例えば,粘着剤等を使って掛止部3の裏側まで巻きつけるのが好適である。
【0191】
以上,本実施形態にかかる壁面施工アセンブリ,壁面施工方法,これらの変更例について説明した。
【0192】
従来では,建造物の壁面9に石板等の化粧板1を,アンカーボルトや接着剤を使って取り付け,その目地部にシール剤を詰めて施工していた。このため,化粧板1の合わせ加工や厚さ調整を伴うためには,石工の専門施工が必要であるとともに,シール剤の目地施工は現地加工が主であるので,施工手間が長時間となり,その手間代が高価なものであった。しかし,本実施形態にかかる化粧板固定部材100を使用した金属目地工法では,大工や板金加工が出来る職人であれば施工することができ,壁面施工現場での施工手間,施工時間を大幅に低減できる。
【0193】
さらに,上記化粧板固定部材100を用いることにより,バネ部5,傾斜面部77および固定スペーサ65,66等で構成された化粧板押し上げ機構の作用により,化粧板1を,裏面側から押し上げて掛止部3の掛かり代に押圧することができる。このため,化粧板1の厚さにバラツキがある場合であっても,掛止部3の掛かり代の高さレベルを一定にしておくことにより,連接した化粧板1の表面レベルを合わせることができる。従って,施工された化粧板1の仕上がり面を,容易に面一にすることができる。
【0194】
また,上記の壁面施工アセンブリで施工された壁面は,化粧板1の隙間から接着剤やアンカーボルト等が見えることがないので美観に優れる。また,金属目地加工されているので,耐候性,耐久性なども優れる。さらに,化粧板固定部材100または目地部材200は容易に取り付けることができるため,目地加工の簡便化,施工能率の向上,施工コストの削減が図れる。
【0195】
また,従来方法では,接着剤の劣化や地震等による外力で化粧板1が破損して落下する危険性があった。しかし,本実施形態では,化粧板1の両側端部を化粧板固定部材100で把持し壁面9に好適に固定できる。また,化粧板1の目地部を例えば2本の金属製の化粧板固定部材100で保護・固定することにより,外力が加わっても化粧板1に割れが発生し難く,化粧板1が剥離して落下することを好適に防止できる。
【0196】
また,例えば,金属で目地部を形成することにより,金属の腐食強度の強い素材を使う事によって目地部の劣化を抑制することができる。このため,目地部の寿命が大幅に延びる。
【0197】
構築物の壁面9に貼り上げる化粧板1,化粧板固定部材100,および目地部材200は,ともに,予め工場生産することができる。このため,一定の目地寸法にて精度を高めて生産することが容易に可能となる。
【0198】
化粧板1に接する金属目地部の側面に,例えば軟質の樹脂テープ等を貼り付けておくことにより,水密性を向上できる。また,隙間部7を有する化粧板固定部材100の弾力性や,目地部材200の弾力性によって,金属の弾性変形の範囲内であれば,化粧板1と建造物壁面材の熱膨張率の差による寸法変化を十分に吸収することができる。このため,例えば,化粧板固定部材100間に化粧板1が密接して収まるように施工したとき(上記第2の実施形態の壁面施工方法の場合等)に,熱膨張差による化粧板1の変形や割れを防止できる。
【0199】
また,隙間部7の寸法を,建造物が地震などで受ける寸法変形を吸収できるように事前に設定しておくことにより,地震発生時等に化粧板1が破損することも防止できる。
【0200】
従来方法による壁面の仕上がり寸法は,少ないものでも約40mm程度であったが,本実施形態にかかる壁面施工工法では,例えば,約12mmまで低減できる。このため,化粧板1を室内の壁面に施工した場合,建物に占める有効床面積を広げることができる。また,化粧板1に補強板300を取り付けることにより,化粧板1の強度が向上するだけでなく,化粧板1の厚さを薄くすることができるため,壁面の仕上がり寸法を更に低減できるという効果もある。
【0201】
本実施形態にかかる壁面施工方法を展示場の内装などに採用した場合,化粧板1の交換が容易かつ迅速になる。また,化粧板1を再利用する際にも,化粧板1の破損を低減できるので,資源の有効活用を図ることができる。
【0202】
また,化粧板固定部材100は,上記のような通水孔40,41,折返し部38,および水切り空間部39などを設けることで,雨水等の排水性および遮断性等に優れるものとなる。このため,この化粧板固定部材100は,内壁用としては勿論のこと,外壁用としても十分に対応できる。
【0203】
化粧板1の裏面に補強板300として金属板や樹脂フィルム等を接着する事により,外力を受けた際に化粧板1が破損して飛散する事を防止できる。また,例えば,補強板300と化粧板固定部材100とを併用することで,化粧板1をより薄い物にすることが可能で,建造物の壁材重量を低減することができる。
【0204】
例えば,補強板300を予め決められた長さの物にし,複数枚の化粧板1を組み品として事前に工場生産しておくことが可能となる。このため,施工コストを低減できる。
【0205】
補強板300を透水性が低い材料で製作することにより,例えば,外部から雨水等が化粧板1内側に浸入することなどを,好適に防止することができる。さらに,壁面施工時において,例えば,重ね合わせ部53にシール剤を塗布することにより,防水性を更に高めることができる。
【0206】
補強板300の裏面に断熱材シート79を貼付した化粧板1と,連続したバネ部5を有する化粧板固定部材100とを外壁用に使用することにより,防水性の高い外壁を施工することができ,特に,寒冷地等において,化粧板1と壁面9との間の内部空間における結露を防止することができる。
【0207】
また,例えば,建造物の壁面9で化粧板固定部材100が固定される部分(被固定部)の一部に,通気用の溝等を設けることにより,化粧板1と壁面9との間にできる空間部を活用して,化粧板1内側の通気性を確保できる。このため,通気性を確保した工法で壁面を施工できるため,上記壁面内部の結露を好適に防止することができる。
【0208】
このように,本実施形態にかかる壁面施工方法は,建造物の外壁に使用する時,例えば,外断熱工法において断熱材の保護用に使用することもできる。さらに,化粧板固定部材100を使用して,補強板300を貼り付けた状態の化粧板1を施工すると,建物からの水蒸気の透過と雨水の浸透による壁面の内部の結露問題を改善できる。また,冬季等には,化粧板1の背面に結露が発生するが,補強板300により化粧板1への浸透を防止し,外断熱表面との空間部において通気工法で仕上げる事ができ,結露した水滴が断熱材を濡らさないように施工できる。
【0209】
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0210】
例えば,上記実施形態では,化粧板1は略長方形(矩形)状を有していたが,かかる例に限定されない。化粧板1は,例えば,平行四辺形,菱形,台形,丸形,楕円形など任意の形状であってもよい。ただし,化粧板固定部材100によって掛止・固定される両側端部が略平行な形状であることが好ましい。例えば,化粧板1が略台形状である場合には,当該台形の平行な対辺を例えば当該両側端部とすることが好ましい。この場合には,例えば縦目地が,例えば略垂直方向ではなく傾斜した方向の目地となる。
【0211】
また,上記実施形態では,化粧板1として,石板を利用した例を説明したが,かかる例に限定されず,化粧板1は,スレート板,コンクリート板,ガラス板,セラミック板,窯業系サイディングなど各種の建築用壁材で構成することができる。
【0212】
また上記実施形態では,化粧板固定部材100および目地部材200は,例えば,鉄板やステンレス板や銅板などの金属板をロール成形等して形成されたが,かかる例に限定されず,金属材料,合成樹脂材料などの素材を異形押し出し加工などして形成してもよい。
【0213】
また,補強板300は,例えば,鉄板やステンレス板や銅板など金属の板状の製品から製作した物でもよく,網状の金属板や布状の材料でも,また,吸水性の少ないハードボードや金属の押し出し成形品でも製作することができる。また,合成樹脂の押し出し成形品で製作することもできる
【0214】
また,上記実施形態では,化粧板固定部材100,目地部材200を金属製とし,仕上がり面に金属目地部が形成されるように施工したが,本発明はかかる例に限定されない。例えば,化粧板固定部材100または目地部材200を,例えば,プラスチック等の各種合成樹脂,木材,石材,ガラス,石綿セメント,セラミック,石膏ボードまたは窯業材など各種の素材で形成してもよい。木材としては,例えば焼杉板,鎧貼りした板に塗装したものなどである。窯業材とは,例えば,木材チップ,化学繊維,カーボン繊維などとセメントを混ぜて固めたものなどである。プラスチック材とは例えばPVCやPP材などである。
【0215】
また,上記実施形態では,化粧板固定部材100は,ネジ釘80等を用いて壁面9に設置・固定されていたが,かかる例に限定されず,例えば,接着剤,両面テープ,ウレタンフォーム発泡体,ビス,ボルト及びナットなどを用いて,設置してもよい。
【0216】
また,上記実施形態では,目地部材200は,断面が略コの字形,略U字型等であったが,本発明はかかる例に限定されない。目地部材200は,相隣接する化粧板1の隙間に嵌合可能であれば,各種の形状とすることができる。また,目地部材200の目地表面部202に,例えばテープまたはフィルムなどを,事前にまたは施工後に貼り付けてもよい。さらに,このテープまたはフィルムに,模様や色彩などを施して,目地部の意匠性を高めてもよい。また,目地部材200を構成する金属板そのものにエンボス加工またはコーティング加工などを施し,意匠性の向上を図ることもできる。
【0217】
また,目地部材200の張出部206は,略L字形,突起状,湾曲形状など各種の断面形状を有するように形成してもよい。また,目地部材200は,上記張出部206を必ずしも備えなくともよい。また,目地部材200は,上記のような突起部208も必ずしも具備しなくともよい。
【0218】
例えば,目地部材200が,突起部208のみを有する場合には,その両端を,化粧板固定部材100の掛止部3に引っ掛けて,相隣接する化粧板1の隙間内に十分安定的に固定される。
【0219】
また,目地部材200が,張出部206のみを有する場合には,例えば両側の張出部206を化粧板1の裏面に掛止させて,当該隙間内に十分安定的に固定される。なお,この場合には,施工時に,目地部材200を後付けしてもよい。即ち,化粧板固定部材100と化粧板1とを例えば複数組み合わせて,化粧板1を貼り合わせた後に,目地部材200をそれぞれの化粧板1の隙間に嵌め込んでもよい。これにより,目地部材200の設置に要する手間と時間を低減できる。
【0220】
また,壁面施工アセンブリとして目地部材200を必ずしも設けなくてもよく,例えば縦目地を金属目地で構成しないようにしてもよい。この場合,目地部材200の代わりに,例えば,弾力性のある樹脂成形品や,弾力性の高い合成ゴム板などを使用することも可能である。また,例えば,目地部材200の代用品として,化粧板1の隙間に何も用いることなく,そのままの仕上げとしても良い。また,この場合には,相隣接する化粧板1間には,例えば微小な隙間(幅が例えば1mm程度)を設けることが好ましい。このような構成により,化粧板1が熱膨張した際に,上記微小な隙間でかかる膨張量を吸収できるので,化粧板1同士が干渉して破損,脱落することがない。この微小な隙間の幅は,化粧板1の素材や大きさなどに依存する化粧板1の膨張・収縮率に応じて調整することが好ましい。さらに,かかる微小な隙間には,例えば,シール剤を充填したり,軟質樹脂成形品を挿入したりしてもよい。
【0221】
また,上記実施形態では,施工後の目地部は,化粧板固定部材100および目地部材200の上面を露出させた金属目地としたが,本発明は,かかる例に限定されない。例えば,化粧板固定部材100および目地部材200の厚さを調整して,掛止部用切り欠き20と掛止部3上面で囲まれるスペース,または化粧板1側面と目地部材200上面とで囲まれるスペースを確保することで,かかるスペースにシール剤などを充填してもよい。これにより,化粧板固定部材100および目地部材200と化粧板1との隙間をシール剤などで埋めることができる。即ち,例えば,金属目地の上にさらにシール加工できるので,目地部からの雨水等の進入を防止でき,化粧板貼り壁面の耐久性がより高まる。また,この場合のシール剤の消費量は,従来の目地部のシール加工に要する消費量と比して,大幅に削減できる。
【0222】
また,化粧板1の側面に,例えば,軟質の樹脂テープ,発泡ウレタン等を貼り付けて挿入しておくことで,化粧板固定部材100または目地部材200と化粧板1側面との隙間をふさぎ,水密性を向上できる。
【0223】
また,上記実施形態では,横貼り方式の壁面施工であったため,掛止部材30が横目地,目地部材200が縦目地を構成したが,かかる例に限定されない。例えば,縦貼り方式の壁面施工を行うことで,掛止部材30が縦目地,目地部材200が横目地を構成するようにしてもよい。また,化粧板1が例えば台形である場合には,目地部材200が斜め方向の目地を構成することもできる。
【0224】
また,上記実施形態では,上記のような化粧板1を左から右に貼り上げて行く横貼り方式の施工方法について説明したが,かかる例に限定されず,例えば,縦貼り方式などでもよい。具体的には,複数の化粧板固定部材100をその長手方向が垂直方向となるように壁面9の右又は左端部を基準に上記と同様のピッチで設置し,化粧板1を縦方向に積み上げるように順次施工することもできる。この場合には,連結部2と化粧板1との挿入用隙間50には,化粧板1を嵌め込む度に1個ずつ木片や弾力のある樹脂棒等のくさびや,接着剤などを挿入して,化粧板1が横移動する事を防止するようにしてもよい。
【0225】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明によれば,化粧板の仕上がり表面の面合わせを,容易かつ高精度で行うことができる。また,薄い化粧板を利用して,建造物壁面からの仕上がり寸法を薄くできるので,建物の有効内容積を確保することができる。また,化粧板の端部を掛止部で引っ掛けて固定するので,より安定的に化粧板を壁面に固定できる。このため,長期間の使用によっても化粧板の剥離や落下を防止できる。また,化粧板間の目地部の施工が容易で,耐久性も高いだけでなく,シール剤の使用量を低減することもできる。
【0226】
従って,化粧板貼り壁面施工を大幅に迅速化および容易化できるとともに,仕上がり面の質および寿命も向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は,第1の実施形態にかかる化粧板固定部材を示す斜視図である。
【図2】図2は,第1の実施形態にかかる化粧板固定部材が化粧板を壁面に固定する態様を示す断面図である。
【図3】図3は,第1の実施形態にかかる目地部材を示す斜視図である。
【図4】図4は,第1の実施形態にかかる壁面施工アセンブリを用いた壁面施工方法を示すフローチャートである。
【図5】図5は,第1の実施形態にかかる壁面施工方法によって施工されている壁面の態様を示す斜視図である。
【図6】図6は,第2の実施形態にかかる化粧板固定部材を示す斜視図である。
【図7】図7は,図6の化粧板固定部材を作成する際の加工工程中の半製品を示す側面図である。
【図8】図8は,第2の実施形態にかかる化粧板固定部材が化粧板を壁面に固定する態様を示す断面図である。
【図9】図9は,第2の実施形態にかかる目地部材を示す斜視図である。
【図10】図10は,第2の実施形態の変更例にかかる目地部材を示す斜視図である。
【図11】図11は,第2の実施形態にかかる壁面施工アセンブリを用いた壁面施工方法を示すフローチャートである。
【図12】図12は,第2の実施形態にかかる壁面施工方法によって施工されている壁面の態様を示す斜視図である。
【図13】図13(a),(b),(c)は,変更例1にかかる化粧板を示す斜視図,側面図,正面図である。
【図14】図14は,変更例1にかかる化粧板固定部材を示す斜視図である。
【図15】図15は,変更例1にかかる化粧板固定部材が化粧板を壁面に固定する態様を示す断面図である。
【図16】図16は,変更例2にかかる1枚用の補強板を示す斜視図である。
【図17】図17は,変更例2にかかる3枚用の補強板を示す斜視図である。
【図18】図18は,変更例2にかかる3枚用の補強板が取り付けられた化粧板を示す側面図である。
【図19】図19は,変更例2にかかる3枚用の補強板が取り付けられた化粧板を示す斜視図である。
【図20】図20は,変更例2にかかる化粧板固定部材を示す斜視図である。
【図21】図21は,変更例2にかかる化粧板固定部材が,補強板が取り付けられた化粧板を壁面に固定する態様を示す断面図である。
【図22】図22は,変更例2にかかる別の態様の化粧板固定部材を示す断面図である。
【図23】図23は,変更例3にかかる化粧板固定部材を示す側面図である。
【図24】図24は,変更例4にかかる化粧板固定部材を示す斜視図である。
【図25】図25は,変更例4にかかる化粧板固定部材の別の態様を示す斜視図である。
【図26】図26は,変更例5にかかる化粧板固定部材を示す斜視図である。
【図27】図27は,変更例5にかかる化粧板固定部材の固定スペーサを示す斜視図である。
【図28】図28は,変更例5にかかる化粧板固定部材が化粧板を壁面に固定する態様を示す断面図である。
【図29】図29は,変更例6にかかる化粧板固定部材を示す斜視図である。
【図30】図30は,変更例6にかかる化粧板固定部材が化粧板を壁面に固定する態様を示す断面図である。
【図31】図31は,変更例7にかかる化粧板を示す斜視図,側面図,正面図である。
【図32】図32は,変更例7にかかる化粧板固定部材が,化粧板を壁面に固定する態様を示す断面図である。
【図33】図33は,変更例8にかかる化粧板固定部材の掛止部3の形状の変更例を示す側面図である。
【図34】図34は,従来の乾式工法により,化粧板を壁面に固定する態様を示す断面図である。
【符号の説明】
1:化粧板
2:連結部
3:掛止部
4:基底部
5:バネ部
5a,5b:バネ部
6:バネホルダー部
6a,6b:バネホルダー部
7:隙間部
8:固定板
9:壁面
16:潰し部
19:ハゼ折り部
21:フィルムカバー
25:ドリル孔
26:アンカーボルト
27:ドリル孔
28:金属線
29:ドリル孔
30:合わせ棒
31:接着剤
32:シール剤
38:折返し部
39:水切り空間部
40:通水孔
41:通水孔
50:挿入用隙間
51:不陸調整シート
52:底面部
53:重ね合わせ部
54:上側立ち上げ部
55:下側立ち上げ部
56:切り込み
57:面取り部
58:接着剤
59:掛止部用溝
65:固定スペーサ
66:固定スペーサ
71:一体バネ部材
73:スポット溶接部
74:リベット
77:傾斜面部
79:断熱材シート
80:ネジ釘
100:化粧板固定部材
200:目地部材
202:目地表面部
204:支持部
206:張出部
208:突起部
300:補強板

Claims (31)

  1. 複数の化粧板で壁面を覆う壁面施工アセンブリであって:
    略矩形状を有する複数の化粧板と;
    前記複数の化粧板を連設する方向を長手方向とする化粧板固定部材と;
    を備え,
    前記化粧板固定部材は,
    前記壁面に取り付けられる,基底部と;
    前記基底部とは他側に形成され,少なくともその一側を前記化粧板の被係止部に引っ掛けて前記化粧板を掛止する,掛止部と;
    前記基底部に設けられ,前記化粧板の裏面を押し上げて前記掛止部との間に前記化粧板を挟み込んで固定する,化粧板押し上げ機構と;
    を備えることを特徴とする,壁面施工アセンブリ。
  2. 前記化粧板押し上げ機構は,
    弾性力により前記化粧板の裏面を押し上げる1または2以上のバネ部,を備えることを特徴とする,請求項1に記載の壁面施工アセンブリ。
  3. 前記バネ部は,前記基底部の端部の少なくとも一部を折り返して形成されることを特徴とする,請求項2に記載の壁面施工アセンブリ。
  4. 前記バネ部は,前記基底部の少なくとも一部を切り起こして形成されることを特徴とする,請求項2または3のいずれかに記載の壁面施工アセンブリ。
  5. 前記バネ部は,前記基底部に設けられたバネホルダー部に保持されるバネ部材からなることを特徴とする,請求項2,3または4のいずれかにに記載の壁面施工アセンブリ。
  6. 前記化粧板押し上げ機構は,
    前記基底部のうち少なくとも前記掛止部に対向する部分を,前記化粧板の裏面に対して略傾斜面となるように形成した傾斜面部と;
    前記化粧板の裏面と前記傾斜面部との間に押し込まれる固定スペーサと;
    を備えることを特徴とする,請求項1,2,3,4または5のいずれかに記載の壁面施工アセンブリ。
  7. 前記化粧板固定部材は,1枚の金属平板を折り曲げ加工して形成されることを特徴とする,請求項1,2,3,4,5または6のいずれかに記載の壁面施工アセンブリ。
  8. 前記化粧板固定部材は,
    前記基底部に連結され,前記壁面に固定される固定板,を備えており,
    前記基底部は,前記固定板を介して前記壁面に取り付けられることを特徴とする,請求項1,2,3,4,5,6または7のいずれかに記載の壁面施工アセンブリ。
  9. 前記化粧板固定部材は,
    その短手方向に相隣接する前記化粧板同士を離隔して固定するための隙間部を備えることを特徴とする,請求項1,2,3,4,5,6,7または8のいずれかに記載の壁面施工アセンブリ。
  10. 前記化粧板固定部材は,1または2以上の通水孔が形成されていることを特徴とする,請求項1,2,3,4,5,6,7,8または9のいずれかに記載の壁面施工アセンブリ。
  11. 前記化粧板は,少なくとも裏面側に補強板が取り付けられていることを特徴とする,請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9または10のいずれかに記載の壁面施工アセンブリ。
  12. 前記化粧板の被係止部は,前記化粧板の表面であることを特徴とする,請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10または11のいずれかに記載の壁面施工アセンブリ。
  13. 前記化粧板の被係止部は,前記化粧板の端面に形成された掛止部用溝であることを特徴とする,請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10または11のいずれかに記載の壁面施工アセンブリ。
  14. 前記化粧板の被係止部は,前記化粧板の表面の少なくとも一側端に形成された掛止部用切り欠きであることを特徴とする,請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11または12のいずれかに記載の壁面施工アセンブリ。
  15. 前記掛止部および前記掛止部用切り欠きで囲まれるスペースには,シール剤を充填可能であることを特徴とする,請求項14に記載の壁面施工アセンブリ。
  16. 前記化粧板固定部材が連設する前記複数の化粧板は,相互に隙間を空けて並列され,
    前記壁面施工アセンブリは,さらに,前記隙間に嵌合するよう形成された1または2以上の目地部材を備えることを特徴とする,請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14または15のいずれかに記載の壁面施工アセンブリ。
  17. 前記目地部材は,その長手方向の両端に,前記化粧板固定部材の前記掛止部に引っ掛けられる突起部を有することを特徴とする,請求項16に記載の壁面施工アセンブリ。
  18. 請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,1011,12,13,14,15,16または17のいずれかに記載の壁面施工アセンブリに用いられることを特徴とする,化粧板。
  19. 請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,1011,12,13,14,15,16または17のいずれかに記載の壁面施工アセンブリに用いられることを特徴とする,化粧板固定部材。
  20. 請求項16または17のいずれかに記載の壁面施工アセンブリに用いられることを特徴とする,目地部材。
  21. 略矩形状を有する複数の化粧板と;前記複数の化粧板を壁面に連設する化粧板固定部材と;を用いた壁面施工方法であって:
    前記化粧板固定部材は,
    前記壁面に取り付けられる基底部と;
    前記基底部とは他側に形成され,少なくともその一側を前記化粧板の被係止部に引っ掛けて前記化粧板を掛止する掛止部と;
    前記基底部に設けられ,前記化粧板の裏面を押し上げて前記掛止部との間に前記化粧板を挟み込んで固定する化粧板押し上げ機構と;
    を備えており,
    前記壁面施工方法は,
    前記壁面に取り付けられた2つの前記化粧板固定部材が,前記掛止部と前記化粧板押し上げ機構との間に,前記複数の化粧板の両側端をそれぞれ挟持することにより,前記複数の化粧板を前記壁面に連設することを特徴とする,壁面施工方法。
  22. 前記壁面施工方法は,
    (1) 1の前記化粧板固定部材を前記壁面に取り付ける工程と;
    (2) 前記取り付けられた化粧板固定部材の前記掛止部と前記化粧板押し上げ機構との間に,前記複数の化粧板の一側端を挿入する工程と;
    (3) 他の前記化粧板固定部材の前記掛止部と前記化粧板押し上げ機構との間に,前記複数の化粧板の他側端を挿入するようにして,前記他の前記化粧板固定部材を前記壁面に取り付ける工程と;
    (4) 前記(2)および(3)の工程を必要に応じて繰り返す工程と;
    を含むことを特徴とする,請求項21に記載の壁面施工方法。
  23. 前記壁面施工方法は,
    (1) 複数の前記化粧板固定部材を,前記壁面に対して,前記化粧板の大きさに応じた所定のピッチで略平行に取り付ける工程と;
    (2) 取り付けられた複数の前記化粧板固定部材のうち1の前記化粧板固定部材の前記掛止部と前記化粧板押し上げ機構との間に,前記化粧板の一側端を挿入した後,前記1の化粧板固定部材に隣接する別の前記化粧板固定部材の前記掛止部と前記化粧板押し上げ機構との間に,前記一側端が挿入された化粧板の他側端を嵌め込む工程と;
    (3) 複数の前記化粧板について前記(2)の工程を繰り返して,前記相隣接する化粧板固定部材の間に,前記複数の化粧板を連設する工程と;
    を含むことを特徴とする,請求項21に記載の壁面施工方法。
  24. 前記化粧板押し上げ機構は,
    弾性力により前記化粧板の裏面を押し上げる1または2以上のバネ部,を備えることを特徴とする,請求項21,22または23のいずれかに記載の壁面施工方法。
  25. 前記化粧板押し上げ機構は,
    前記基底部のうち前記掛止部に対向する部分を,前記化粧板の裏面に対して略傾斜面となるように形成した傾斜面部と;
    前記化粧板の裏面と前記傾斜面部との間に押し込まれる固定スペーサと;
    を備えることを特徴とする,請求項21,22,23または24のいずれかに記載の壁面施工方法。
  26. 前記前記化粧板固定部材は,
    前記基底部に連結され前記壁面に固定される固定板を介して,前記壁面に取り付けられることを特徴とする,請求項21,22,23,24または25のいずれかに記載の壁面施工方法。
  27. 前記化粧板の被係止部は,前記化粧板の表面であることを特徴とする,請求項21,22,23,24,25または26のいずれかに記載の壁面施工方法。
  28. 前記化粧板の被係止部は,前記化粧板の端面に形成された掛止部用溝であることを特徴とする,請求項21,22,23,24,25,26,27または26のいずれかに記載の壁面施工方法。
  29. 前記化粧板の被係止部は,前記化粧板の表面の少なくとも一側端に形成された掛止部用切り欠きであることを特徴とする,請求項22,23,24,25,26または27のいずれかに記載の壁面施工方法。
  30. 前記掛止部および前記掛止部用切り欠きで囲まれるスペースには,シール剤が充填されることを特徴とする,請求項29に記載の壁面施工方法。
  31. 前記化粧板固定部材が連設する前記複数の化粧板は,相互に隙間を空けて並列されており,
    前記隙間に嵌合するよう形成された1または2以上の目地部材が,前記隙間に取り付けられることを特徴とする,請求項21,22,23,24,25,26,27,28,29または30のいずれかに記載の壁面施工方法。
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