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JP2004277188A - 建材用組成物及び調湿建材 - Google Patents

建材用組成物及び調湿建材 Download PDF

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JP2004277188A JP2003067597A JP2003067597A JP2004277188A JP 2004277188 A JP2004277188 A JP 2004277188A JP 2003067597 A JP2003067597 A JP 2003067597A JP 2003067597 A JP2003067597 A JP 2003067597A JP 2004277188 A JP2004277188 A JP 2004277188A
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Masatsugu Yamamoto
正嗣 山本
Kazusumi Nishio
和純 西尾
Naoki Goto
直樹 後藤
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    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
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    • C04B22/08Acids or salts thereof
    • C04B22/14Acids or salts thereof containing sulfur in the anion, e.g. sulfides
    • C04B22/142Sulfates
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
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Abstract

【課題】水硬性物質に特定の金属硫酸塩を添加して、強度に優れ、さらに、優れた調湿機能を示し、臭気も発生させない建材用組成物及び調湿建材を提供する。
【解決手段】建材用組成物は、(a)スラグと石膏とからなるスラグ・石膏硬化材と、(b)無機系調湿材と、(c)硫酸鉄その他の金属硫酸塩と、(d)金属硫酸塩100重量部に対し少なくとも5重量部を越える量、好ましくは30〜235重量部の硬化剤と、を含有する。水硬性物質と特定の金属硫酸塩との硬化反応、高い調湿機能、消臭機能を合わせもって優れた調湿建材を得る。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建材用組成物及び調湿建材に係り、特に、吸放湿性、強度、無臭性に優れた建材用組成物及び調湿建材に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、一般家庭でのエアーコンディショナ等の空調機器使用が常識化したことにより、その空調効率を良好にさせるさせるために建築物の気密性を向上させることが要求されるようになっている。一方、建築物の現状としては、内壁としてスラグ石膏ボードや、石膏ボードが用いられ、これらにクロスを張ること等が一般的に行なわれている。これらのスラグ石膏ボードや石膏ボード等は、気密性、耐火性、さらには遮音性能に優れたものであり、特に、夏場における空調機器使用下では良くその性能を発揮する反面、調湿機能が十分でなく、そのぶん室内空調についての空調機器に対する依存度が高く、空調に多くのエネルギーが必要となっている。また、冬場では、早朝などの大きな室内外温度差により屋内に結露が生じ、これがカビ等の原因となり新たな問題となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
これに対し、建材自体の調湿性能の改善に着目してなされた提案として、例えば特開2002−29360号[特許文献1]、特開2001−247348号[特許文献2]あるいは特開2000−202815号[特許文献3]などがある。特許文献1は、異なる種類の吸放湿材料を混合した吸放湿材料と二水石膏、水硬性物質、パーライト等の無機質系材料と補強繊維からなる調湿性建材を提案している。この特許文献1の建材は、その実施例にも示されるように、周囲の湿度が高い場合はある程度は吸湿し、平均吸放湿量が214.2(g/m2 ・サイクル)であるものの、強度がスラグ石膏板に比して25%程度劣る。これは、水硬性の材料を用いた建材に単に吸放湿材料を混入した場合には、硬化に必要な水分が吸放湿材料に吸収されるため、硬化が十分に進まなかった結果である。また、石膏ボードに吸放湿材料を混入すると、吸着した水分により、石膏の結合が弱くなるために強度の低下、膨張等の不具合を生ずる。一方、単にスラグ、石膏、セメント等の水硬性物質を多くする場合には、吸放湿性能の低下が起こり、その調整が困難であるという問題がある。したがって、この特許文献1の調湿性建材は、強度が弱く、衝撃による欠け、取り扱いの不備による折れ等が発生しやすくなるという問題があった。また、特許文献2では、石膏に黄土微粉末を混合させて黄土石膏ボードを形成し、これによって、調湿性、悪臭成分吸着性を有する建材を提供するものが開示されている。しかしながら、この文献2の黄土石膏ボードについても、硬化に必要な水分は多孔質の黄土が吸収してしまい、硬化が十分に進まず、さらに石膏の結合を弱めて強度を低下させる問題が生じるものであった。さらに、特許文献3では、特許文献2の課題を解決すべく、調湿材を含まない材料で基材層を形成し、その表面に調湿材を堆積させて新たに調湿材層を形成する方法が提案されている。しかしながら、新たに調湿材層の材料を計量し、均等に基材表面に堆積させるための装置が必要になり、層間の密着についても必ずしも十分ではない等の課題があった。さらに、一般に、セメント系材料に含まれる無機物の一部がアルカリ溶液中で分解することに起因して、高温または高湿度条件下において異臭を放ちやすく、特に、密閉された空間では不快感を生じる場合が多く、単に調湿性材料を導入しただけの上述の文献では、そのおそれが高く、実用上難点があるという問題があった。
【特許文献1】特開2002−29360号
【特許文献2】特開2001−247348号
【特許文献3】特開2000−202815号
【0004】
本発明者らは、上記の従来技術の課題を解消すべく、鋭意検討した結果、水硬性物質に特定の金属硫酸塩を添加することにより、強度に優れ、さらに、優れた調湿機能を示し、水硬性物質に含まれる成分が発する臭気も低減させるとともに、周囲の揮発性有機化合物(VOC)あるいは生活臭の原因物質をも吸着し得ることを見出した。すなわち、本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単な配合でコストを低廉に維持しつつ、十分な強度と高い調湿性を保持し、さらに、無臭性を保持し得る実用に優れた建材用組成物及び調湿建材を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、(a)スラグと石膏とからなるスラグ・石膏硬化材と、(b)無機系調湿材と、(c)硫酸鉄、硫酸マンガン、硫酸亜鉛、硫酸アンモニウム鉄、硫酸水素カリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸ニッケル、硫酸マグネシウムのうちから選ばれたいずれか1種または2種以上の金属硫酸塩と、(d)金属硫酸塩100重量部に対し少なくとも5重量部を越える量、好ましくは30〜235重量部の硬化剤と、を含有する建材用組成物から構成される。
【0006】
その際、(a)スラグ・石膏硬化材100重量部に対し、(c)金属硫酸塩2〜15重量部を含有するとよい。
【0007】
さらに、(d)硬化剤が、消石灰、セメント、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムのうちから選ばれたいずれか1種あるいはそれらの混合物からなるようにするとよい。
【0008】
また、本発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の建材用組成物を水と混合して常法により成型させた板状成型体からなる調湿建材から構成される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明の建材用組成物は、水硬性硬化体の本体要素としてのスラグ・石膏硬化材(a)と、無機系調湿材(b)と、金属硫酸塩(c)と、所要の量の硬化剤(d)とを含有する。特に、本発明では、スラグ・石膏材に調湿剤とともに、所定の金属硫酸塩を混合させ、さらに、本来のスラグ・石膏のアルカリ反応に加えて金属硫酸塩の配合による水硬反応低下をスラグ・石膏の硬化用の硬化剤として用いられる同様の硬化剤を含有させて、調湿性、強度、並びに無臭性を同時に保持し得る建材用組成物及びそれを用いた調湿建材を得るものである。すなわち、スラグ・石膏硬化材に一定の金属硫酸塩を添加することにより、強度に優れ、高い調湿機能を保持し、さらに、臭気低減効果を保持する。また、スラグ・石膏硬化材に金属硫酸塩とともに無機系調湿材を添加することにより、調湿サイクルを早くし、周囲の揮発性有機化合物(VOC)あるいは生活臭の原因物質吸着機能を有効に行なわせる。
【0010】
建材用組成物を用いて得られる板状成形体の調湿建材は、例えば繊維強化セメント板類のうちのスラグ石膏板として形成され、内壁、内装、天井などの建材として用いてよい。
【0011】
本発明の建材用組成物は、上記のように、いわゆる繊維強化セメント板用の組成物を構成するものであり、抄造工程に必要なボードの原形を得るためのパルプ等の繊維質材が必要であるとともに、その他の無機材料や繊維質材料等を適宜必要に応じて添加してもよい。
【0012】
一つの実施形態として、スラグ・石膏の硬化用の硬化剤として、セメント、消石灰、水酸化カリウムあるいはそれらの混合物が好適に適用される。高炉スラグあるいは石膏単独では水硬性を示さないがセメント、消石灰等のアルカリ性物質が水中で共存すると、これらがアルカリ刺激剤となり、高炉スラグ中の生石灰分と石膏が反応し、水和することにより、エトリンガイトと呼ばれる結晶が成長し、硬化に寄与する。そして、石膏の量等を調節することにより、この結晶の成長度合い、残存率を変えることができる。この結晶は、針状結晶であるため、基材内部の構造が多孔質になりやすく、それにより湿気等を取り込みやすくなる。よって、配合比を適当な値に設定することにより、強度と多孔質性のバランスを変えることができるなど、調湿建材として適した材料をえやすい。調湿性向上のためには、さらに、別途の調湿機能物質が配合される。
【0013】
以下、本実施形態の建材用組成物において使用する材料について説明する。
(スラグ・石膏硬化材)スラグ・石膏硬化材は、高炉スラグと石膏からなる、スラグ・石膏板の本体の硬化体となる構成要素である。高炉スラグは、溶鉱炉で鉄鉱石から銑鉄を造る際に副産する溶融スラグを水・空気で急冷し、乾燥後所定の粉末度に粉砕したものである。高炉スラグ微粉末はそれ自身では水硬性を示さないが、アルカリまたは石膏等の刺激作用により、水硬性を発揮する。石膏は、無水石膏、半水石膏等がある。通常のスラグ石膏板は、高炉スラグと石膏の他に、水中で硬化反応を起こさせる硬化反応剤としてのセメント等が配合されている。この硬化反応用のセメントの量は、反応時の他の条件、混和剤等によって変化するので一律には決定し得ないが、通常は、スラグ及び石膏の量の3%〜5%の重量である。
【0014】
(無機系調湿材)無機系調湿材は、周囲の温度が高い場合は吸湿し、低い場合は放湿することにより、周囲をある一定の湿度範囲に調節する機能を有する材料であり、これを組成物中に配合することにより、さらに調湿容量を大きくし、VOCや生活臭の原因物質も吸着する量を増大させて、飛躍的に高い調湿機能を具備させる。調湿性の顕著な材料として有機物質もあるが、建材については不燃性が求められるから、多量には使用できない。そのため、無機系の調質性材料を使用するべきである。無機系調湿材としては、珪藻土、活性白土、酸性白土、シリカゲル、アパタイト、セピオライト、バーミキュライト、ゼオライト、シラス、炭、多孔質炭酸カルシウムが適している。これらは、すべて多孔質物質で、その空孔に水分子を取り込むことができる。そして、周囲の湿度が低くなり、水の蒸気圧が低下するとこの水分子を放出することにより、調湿作用を示す。この中でも、珪藻土、活性白土、酸性白土、シリカゲル、バーミキュライト、ゼオライト、炭、多孔質炭酸カルシウムがより好適である。なお、調湿材の使用量は特に制限されないが、好ましくは、スラグ・石膏硬化材100重量部に対して5〜50重量部であるのが良い。スラグ・石膏及びセメント等の硬化剤の種類、調合方法によっては調湿材料が少ないと、その効果が小さく、多すぎると硬化不良の原因になる場合がある。
【0015】
(金属硫酸塩)本実施形態の建材用組成物に含まれる金属硫酸塩が調湿性に対して有効である明確な理由は不明であるが、一つの推論として、以下のことが考えられる。すなわち、これらの結晶体は、一般的に水和物である。しかも、結晶中に含まれる水分が風化等により脱落することにより、若干不安定になり、周囲の水分を吸着しやすいにも拘らず元来あるような強固な結合ができないため、周囲の状況によっては放出も可能となる。調湿性に対し、有効に寄与しうる金属硫酸塩は、硫酸鉄、硫酸マンガン、硫酸亜鉛、硫酸アンモニウム鉄、硫酸水素カリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸ニッケル、硫酸マグネシウム、のうちから選ばれたいずれか1種のものまたは2種以上の混合物である。特に、硫酸鉄を含む組み合わせは上記傾向が強く、本発明には、最適である。建材用組成物中の金属硫酸塩の含有量は、本発明の完成にとって、特には制限されないが、スラグ・石膏硬化材100重量部に対し、金属硫酸塩2〜15重量部を含むのが好ましい。この範囲よりも金属硫酸塩が少ないと、得られる調湿容量が小さくなり、多過ぎると、硬化不良あるいは逆に必要以上に急結が生じる等、ワーカビリティーを低下させる。
【0016】
(硬化剤)本実施形態の建材用組成物には、金属硫酸塩100重量部に対し少なくとも6重量部以上、好ましくは30〜235重量部の硬化剤が配合される。硬化剤は、スラグ・石膏硬化材の硬化反応を促すアルカリ刺激剤としての硬化剤であり、例えば普通ポルトランドセメントを含むセメント、消石灰、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、あるいはそれらの混合物がある。金属硫酸塩は一般に酸性度が高く水溶してpH値を低下させる。したがって、高炉スラグと石膏のアルカリ刺激による水硬反応では、アルカリ性が低下すると硬化不良を起こしやすくなる。また、セメントや消石灰、その他の水硬反応硬化剤は、水溶して液体の粘性を高くさせ、取扱性を低下させる。したがって、これらを考慮して金属硫酸塩に対する硬化剤の配合量を決定する必要がある。前述のように、スラグ、石膏硬化反応剤としての量は、通常は、スラグ及び石膏の合計重量の3%〜5%である。したがって、金属硫酸塩100重量部に対し少なくとも5重量部を越える量の硬化剤が必要である。実験例にも示すように、金属硫酸塩100重量部に対し、好ましくは硬化剤30〜235重量部とするのが良い。硬化剤、例えば消石灰を添加するに際し、その配合量が金属硫酸塩100重量部に対して5重量部以下の場合、上記のように硬化不良を起こしやすくなる。また、同100重量部に対して235重量部を越えると原料スラリーの粘度が上昇し、ワーカビリティーを著しく低下させる。このように、金属硫酸塩に対応する量の反応硬化剤により、建材の生産時におけるpH値の低下を防止し、水硬性物質の硬化不良を有効に解消する。このとき、金属硫酸塩による調湿容量及び速度の低下を起こさず、また、無機不純物を原因とする臭気の放出にもつながらないことが必要であり、実施形態では、これを実現し得る。
【0017】
前記した必須成分が含まれておれば、他に軽量骨材、増量剤、ボード形成用繊維質材等が含まれていても良い。例えば、軽量化のためにパーライトなどの無機発泡体、発泡スチレン、発泡ウレタンなどの有機発泡体、各種フライアッシュ、パルプスラッジの焼却灰、シリコン製品生産の際に生じるシリカ微粉などの廃棄物扱いされる微粉も利用が可能である。特にフライアッシュはセメント等との反応性もあり、硬化促進には有効である。その他、炭酸カルシウム、ウォラストナイト、タルク、マイカ、等がある。繊維質材料として、ロックウール、グラスウール、ポリビニルアルコール繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、カーボン繊維、各種ウィスカ等がある。さらに、カルシウムアルミネートトリサルフェートハイドレート(TSH)を添加してもよく、これにより、建材の強度向上に資する。
【0018】
図6は、実施形態の建材用組成物を用いて得られる調湿建材としての板状成形体の常法による概略の製造工程を示している。タンク10内にスラグ、石膏、セメント等硬化剤、パルプ、無機調湿材、水等を投入し、攪拌混合する。配管12を経て抄き取りタンク14内に導入された原料スラリーは、抄き取りドラム16に設置された金網に繊維要素を係止させながらスラグ、石膏等を含むスラリーを繊維要素に担持させつつ、押えローラ18と協働して所要の厚みを有する長い帯板状成形体を得、これを所要長さに切断20して所要の大きさの板に成形させる。これらを蒸気養生22させ、乾燥24後、塗装、切断して調湿建材としての例えばスラグ・石膏ボードを得る。これらは、建築用等の内壁、内装、天井などの建材として有効に適用し得る。
【0019】
本発明の建材用組成物は、上記のように、いわゆる繊維強化セメント板用の組成物を構成するものであり、抄造工程に必要なボードの原形を得るためのパルプ等の繊維質材が必要であるとともに、その他の無機材料や繊維質材料を適宜必要に応じて添加してもよい。
【0020】
以下に実施例をあげて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例構成にのみ限定されるものではない。
【実施例】(1)高炉スラグ、二水石膏、普通ポルトランドセメント、珪藻土、叩解再生紙、珪藻土、硫酸第一鉄及び消石灰を図1、図2の通り、水中に配合し、10分間攪拌混合し、成形用スラリーを得た。その後60メッシュの金網の上にろ紙を置き、そこに当スラリーを流し込み、吸引濾過することにより25cm×25cmの生板を得た。その後、得られたシート状の塊に10トンの荷重を1分間加え、40℃の蒸気中で4時間、続いて60℃の蒸気の中で20時間養生して、おおよそ6mmの厚みの板を得た。
(2)この方法で、図1、図2のように10パターンの実験例と、4パターンの比較例を作成し、それぞれについて、曲げ強度試験、調湿量試験、臭い試験を行なった。各実施例及び比較例の縦の欄の高炉スラグ〜硫酸アルミニウムの数値の単位はグラム(g)である。曲げ強度はMpa(=N/mm2 )で表される。高炉スラグと二水石膏の重量は一律に同じ値に設定されている。反応硬化剤としての普通ポルトランドセメントと、消石灰は、実施例9のみが混合して使用され、それ以外は、いずれか一方のみを用いてある。金属硫酸塩としては、硫酸鉄と硫酸マンガンと硫酸アルミニウムの例を示した。最下欄の実施例1、3の硫酸鉄minは硫酸鉄の下限付近6(g)の意味、硫酸鉄maxは硫酸鉄の上限付近30(g)の意味である。実施例5、6の消石灰minは消石灰の下限付近6(g)の意味、消石灰maxは消石灰の上限付近30(g)の意味である。
(3)材料は、スラグとして、JIS A6202の高炉スラグ微粉末4000、石膏は発電所から得られる排煙脱硫石膏二水和物、普通ポルトランドセメントはJIS R5202に規定される普通ポルトランドセメント、その他の材料は工業的に生産されているもの又はその副生成物として得られるものを使用した。[臭気パネル試験]このとき3名に臭いをかいでもらい、強く臭う、鼻を近づけるとかすかに臭う、鼻を近づけても全く臭わない、の3段階評価で、それぞれ1、2、3点とした。最終的に3人の合計が8点以上を○、5〜7点を△、3〜4点を×とした。
[強度試験]その後60℃で3日間乾燥させた。この試験片(6mm厚板)を100mm幅で切断し、曲げ試験を行なった。島津製作所製オートグラフAG−1000を用いて、スパン間20cm、クロスヘッドスピード1mm/minに設定して破壊荷重を測定し、曲げ応力度を計算した。
[調湿試験]曲げ試験の残りの板から10cm×10cmの板を切り出し、裏面をテフロン(登録商標)シートで封止して恒温槽に投入した。25℃、40RH%で2日間放置した後、重量(この重量を重量Aとする)を測定し、25℃、75RH%で24時間放置した。すばやく重量を測定した後、25℃、40RH%にして24時間後の重量を測定した。再び25℃、75RH%で24時間後と25℃、40RH%でさらに、24時間後の重量(それぞれ重量B、C)を測定した。そして、下記の算出式により調湿量を計算した。
吸湿量=重量C−重量A
放湿量=重量C−重量D
調湿量=吸湿量+放湿量
[評価]
(比較例1)比較例1は、金属硫酸塩を含まない実験例であるが、曲げ強度が7.4Mpaであり、10Mpaを目安とした他の実施例に比較して大幅に低く(図4参照)、また、調湿量も155g/m2 であり、最も低い数値で240g/m2 である実施例1と比較しても大幅に調湿効果において劣る(図3参照)。さらに、強く臭う臭気がある(図5参照)。
(比較例2)比較例2は、硫酸鉄を45gとした例であり、スラグ・石膏硬化材に対して硫酸鉄が多過ぎてpH値を大きく低下させて硬化不良となっている。
(比較例3)さらに、比較例3は、硫酸鉄が15gで実施例での添加量の中間値であるが、消石灰量が45gで多過ぎ、曲げ強度及び調湿量ともに低く、しかもある程度の臭気も感じられる。
(比較例4)また、比較例4は、金属硫酸塩を硫酸アルミニウム15gとし、消石灰量を45gとしたものであるが、やはり強度、調湿性において劣り、かつ強い臭いがあった。
(実施例全体)実施例1〜10の曲げ強度の平均値は11.3Mpa、調湿量では277g/m2 であった。従来技術の特許文献1の建材の曲げ強度の9N/mm2 、調湿量の214.2g/m2 に比較して、詳細な試験条件等の違いはあるとしても、大幅にその吸放湿効果の改善が行なわれ、かつ、曲げ強度にも優れていることが確認された。また、臭気も図5に示すように、いずれの実施例構成においても鼻を近づけても全く臭わない評価であり、無臭性が確認された。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の建材用組成物及び調湿建材によれば、簡単な配合でコストを低廉に維持しつつ、十分な強度と高い調湿性を保持し、さらに、無臭性を保持し得る実用に優れた建材用組成物及び調湿建材を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の成分構成及び試験結果を示す図である。
【図2】図1の実施例に対応する比較例の成分構成及び試験結果を示す図である。
【図3】図1、図2の実施例、比較例の調湿試験結果を示すグラフの図である。
【図4】図1、図2の実施例、比較例の曲げ強度試験結果を示すグラフの図である。
【図5】図1、図2の実施例、比較例の臭い試験結果を示す図である。
【図6】抄造法による建材用ボードの製造工程を説明する図である。
【符号の説明】
10 タンク、12 配管、14 抄き取りタンク、16 抄き取りドラム、18 押えローラ、20 切断工程、22 蒸気養生工程 24 乾燥工程

Claims (4)

  1. (a)スラグと石膏とからなるスラグ・石膏硬化材と、
    (b)無機系調湿材と、
    (c)硫酸鉄、硫酸マンガン、硫酸亜鉛、硫酸アンモニウム鉄、硫酸水素カリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸ニッケル、硫酸マグネシウムのうちから選ばれたいずれか1種または2種以上の金属硫酸塩と、
    (d)金属硫酸塩100重量部に対し少なくとも5重量部を越える量、好ましくは30〜235重量部の硬化剤と、を含有する建材用組成物。
  2. (a)スラグ・石膏硬化材100重量部に対し、(c)金属硫酸塩2〜15重量部を含有することを特徴とする請求項1記載の建材用組成物。
  3. (d)硬化剤が、消石灰、セメント、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムのうちから選ばれたいずれか1種あるいはそれらの混合物からなる請求項1または2記載の建材用組成物。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の建材用組成物を水と混合して常法により成型させた板状成型体からなる調湿建材。
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Cited By (6)

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