JP2004266556A - 無線アドホックネットワークにおける状態整合方法、無線携帯端末および該無線携帯端末における状態整合プログラム - Google Patents
無線アドホックネットワークにおける状態整合方法、無線携帯端末および該無線携帯端末における状態整合プログラム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】各無線携帯端末における管理状態を周期的に確認して整合を適確にとり、リアルタイムな双方向通信を可能とするとともに、トラヒックの低減化を図った無線アドホックネットワークにおける状態整合方法を提供する。
【解決手段】端末1Bは自端末が通信可能な端末1A、1Cに状態整合パケットを送信し、端末1Cは該パケットに基づき管理状態を必要に応じて更新し、状態整合パケットを通信可能な端末1Dに送信する。端末1Dは該パケットに基づき自端末の管理状態を必要に応じて更新し、自端末で変更のあった管理状態情報を送信元の端末1Cに点線のように返信し、更に同様に通信可能な端末1E、1Fに状態整合パケットを送信するという処理を各端末において所定周期で繰り返し行う。
【選択図】 図2
【解決手段】端末1Bは自端末が通信可能な端末1A、1Cに状態整合パケットを送信し、端末1Cは該パケットに基づき管理状態を必要に応じて更新し、状態整合パケットを通信可能な端末1Dに送信する。端末1Dは該パケットに基づき自端末の管理状態を必要に応じて更新し、自端末で変更のあった管理状態情報を送信元の端末1Cに点線のように返信し、更に同様に通信可能な端末1E、1Fに状態整合パケットを送信するという処理を各端末において所定周期で繰り返し行う。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の無線携帯端末の各々がそれぞれの接続状態を含む管理状態情報を保持しながら各無線携帯端末間で互いに無線通信を行う無線アドホックネットワークにおいて各無線携帯端末における接続状態を整合する状態整合方法、無線携帯端末および該無線携帯端末における状態整合プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
無線アドホックネットワークは、無線技術のアドホックモードを用いて無線携帯端末間で一時的に構築されるネットワークである。このような無線アドホックネットワークでは、ユーザが自由にネットワークに参加したり、ネットワークから離脱することが可能であり、柔軟なネットワークの構築が可能である。従って、近年、例えば災害地などのようにネットワークインフラが被害を受け、従来のネットワークが使用不可能となった場合に本技術を用いてネットワークを一時的に構築して、災害現場でのリアルタイムな情報の享受を実現する方式として注目されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
従来、無線アドホックネットワーク上でサービスを実現する場合は、インスタントメッセージなどの送信動作のみでサービス、すなわち片方向型サービスを実現するアプリケーションが大半であった。これは、受信側の状況や状態、受信結果などの確認および報告などを行なう必要がなく、単純送信のみのサービスが可能だからである。すなわち、通信可能な各無線携帯端末の状態をリアルタイムに把握してなく、到達確認ができない状況であることから、本ネットワーク上では単純送信のみが実現可能なサービスが最も実現性の高いサービスとなっている。
【0004】
また、状態管理を実施する際には、各無線携帯端末で状態が変化した時に、本ネットワークに対して変更した旨の状態変更通知をブロードキャスト送信し、通知を受信した無線携帯端末は、自らの管理状態を更新することで、状態の把握を行なっている。しかしながら、この方式では、変更通知を受信した無線携帯端末は、正確な情報を得ることができるが、情報を受信できなかった無線携帯端末では、前の状態のままとなり、サービスに影響する危険性がある。
【0005】
更に、変更通知をブロードキャスト送信することにより、無線アドホックネットワークの帯域(例えば、2MHz相当)上に流れるトラヒックを増加させ、ネットワークに負荷をかけることが懸念される。また、無線アドホックネットワーク上ではQoSパケットなどのような様々な制御パケットを送受信することから、無駄なトラヒックはサービスの快適性に影響するので、極力控えることが望まれる。また、受信側においても各無線携帯端末がブロードキャスト送信する変更の状態と自らの管理状態の整合をパケット毎に実施する必要があるため、無線携帯端末に与える負荷も大きく、CPU性能の低い無線携帯端末においては他のサービスや処理への影響が懸念される。
【0006】
また、無線アドホックネットワークは、無線携帯端末が自由に移動するため、電波環境の影響を顕著に受けて、通信状態が不安定になることが多く、リアルタイムに無線携帯端末間で通信を継続的に確立することが困難である。従って、リアルタイムに双方向な通信を必要とするサービスへの適用は不適と考えられている。
【0007】
図面を参照して具体的に説明すると、まず図5(a)の状態1に示すように、無線携帯端末1B〜1F間でネットワークが形成され、各種サービスを享受可能な状態の既存の無線アドホックネットワーク内に同図(b)の状態2に示すように無線携帯端末1Aが移動すると、この無線携帯端末1Aと1B間でネットワークが形成され、これによりネットワーク全体としては無線携帯端末1A〜1Fの間で無線アドホックネットワークが形成される。
【0008】
また、同図(c)の状態3に示すように、無線携帯端末1Cが移動して、無線携帯端末1Cと1Dとの間のネットワークが切断されると、ネットワークは無線携帯端末1Aから1Cと、無線携帯端末1D〜1Fの2つのネットワークに分断される。
【0009】
上述したように、無線アドホックネットワークでは、各無線携帯端末の移動によりネットワークの形成、分断(切断)が頻繁に発生するため、ユーザ間でサービスを享受するためには、常に接続状態を管理することが必要である。そして、接続状態を管理できない場合には、双方向通信を行うことは困難であり、送信のみのサービスが実現できるインスタントメッセージなどのような片方向サービスのみがサービス適用領域となる。
【0010】
また、図6(a)の状態1に示すように、ビル内やビルの間などでは、論理的に問題ない距離でも、周りの環境の影響を受けて物理的に通信できないことが多く、同図(b)の状態2に示すように、電波環境の影響により本来無線携帯端末1Aから1Fまでのネットワークが形成されるはずが、無線携帯端末1A−1B、1C−1F、1Eの3つのネットワークに分断され、これによりサービス提供範囲が減少する。
【0011】
図6(b)の状態2から同図(c)の状態3に移って、無線携帯端末1Eが移動すると、無線携帯端末1Eと1D間でネットワークが形成され、無線携帯端末1Eを介意して無線携帯端末1C〜1Fまでのネットワークが形成される。上述したように、各無線携帯端末の移動や電波環境の影響によりネットワークが常に変化し、ユーザ間でサービスを享受できない。
【0012】
更に、図7(a)の状態1に示すように、無線携帯端末1Aと1B間でネットワークが形成されると、両者の管理状態に差分が生じ、無線携帯端末1Aと1Bは状態が変更した旨をネットワークにブロードキャスト送信して通知する。また、同図(b)の状態2に示すように、無線携帯端末1Aと1Bからの変更通知により他の無線携帯端末1C〜1Fでも管理状態が変更したため、各無線携帯端末から同様に変更通知がブロードキャスト送信される。この結果、ネットワークのトラヒックは2次関数的に増大し、ネットワークへの負荷が増大する。このような事象による影響はネットワークだけでなく、通知を送受信する各無線携帯端末の処理負荷(すなわち、受信毎に管理状態情報との照合)としても影響するため、無線アドホックネットワーク全体に影響を与える。
【0013】
【非特許文献1】
無線アドホックネットワークの現状(ART適応コミュニケーション研究所)http://www.acr.atr.co.jp/acr/general/event/workshop/pdf/workshop1.pdf
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、無線アドホックネットワークは、無線携帯端末が自由に移動するため、電波環境の影響を顕著に受けて、通信状態が不安定になることが多く、リアルタイムに無線携帯端末間で通信を継続的に確立することが困難であるとともに、また受信側の状況や状態、受信結果などの確認および報告などを行なう必要がなく、単純送信のみでよいため、単純送信のみの片方向型サービスが実現可能なサービスとして実施され、リアルタイムに双方向な通信を必要とするサービスへの適用は不適であるという問題がある。
【0015】
また、各無線携帯端末で状態が変化した時に、従来は、状態変更通知をブロードキャスト送信しているが、この状態変更通知を受信できなかった無線携帯端末では、前の状態のままとなり、サービスに影響する危険性があるという問題がある。
【0016】
更に、変更通知をブロードキャスト送信することにより、無線アドホックネットワークのトラヒックが増加し、ネットワークに負荷をかけるだけでなく、各無線携帯端末に与える負荷も大きく、CPU性能の低い無線携帯端末においては他のサービスや処理への影響が懸念される。
【0017】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、各無線携帯端末における管理状態を周期的に確認して整合を適確にとり、リアルタイムな双方向通信を可能とするとともに、トラヒックの低減化を図った無線アドホックネットワークにおける状態整合方法、無線携帯端末および該無線携帯端末における状態整合プログラムを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の本発明は、複数の無線携帯端末の各々がそれぞれの接続状態を含む管理状態情報を保持しながら各無線携帯端末間で互いに無線通信を行う無線アドホックネットワークにおいて各無線携帯端末における管理状態を整合する状態整合方法であって、各無線携帯端末は、自端末が直接通信可能な無線携帯端末のうちの所定数の無線携帯端末のみに自端末における管理状態情報を含み、かつ管理状態が変更されているか否かを確認するための状態整合パケットを所定の周期毎に送信し、前記状態整合パケットを受信した各無線携帯端末は、この受信した状態整合パケットに基づいて自端末の管理状態を確認し、変更がある場合には、必要に応じて自端末の管理状態を更新し、かつ自端末における管理状態に変更があった場合には変更があった管理状態情報を前記状態整合パケットの送信元の無線携帯端末に返信し、前記変更があった管理状態情報を受信した送信元の無線携帯端末は、該変更があった管理状態情報に基づいて自端末の管理状態を更新することを要旨とする。
【0019】
請求項1記載の本発明にあっては、各無線携帯端末は直接通信可能な端末のうちの所定数の端末のみに状態整合パケットを所定の周期毎に送信し、該パケットを受信した各無線携帯端末は該状態整合パケットに基づいて自端末の管理状態を確認し、必要に応じて自端末の管理状態を更新し、かつ自端末の管理状態に変更があった場合には変更があった管理状態情報を送信元の無線携帯端末に返信し、送信元の無線携帯端末は変更があった管理状態情報に基づいて自端末の管理状態を更新するため、各無線携帯端末間における管理状態が適確に整合され、この整合のとれた管理状態に基づいて従来困難であった双方向通信サービス(例えばネットゲームやコラボレーションツールなど)を適確かつリアルタイムに行なうことが可能になるとともに、各無線携帯端末は例えば従来のようにすべての端末にブロードキャスト送信を行なうのでなく、通信可能な端末のみに、特に通信可能な端末のうちの所定の数の端末のみに状態整合パケットを送信することによりネットワークのトラヒックを増加させることもなく、かつ無線携帯端末に対する負荷も増大することなく、無線アドホックネットワークにおける双方向通信を行うことができ、利便性を著しく向上することができる。
【0020】
また、請求項2記載の本発明は、自己の接続状態を含む管理状態情報を保持しながら各無線携帯端末間で互いに無線通信を行う無線アドホックネットワークにおける無線携帯端末であって、自端末が通信可能な無線携帯端末のうちの所定数の無線携帯端末のみに自端末における管理状態情報を含み、かつ管理状態が変更されているか否かを確認するための状態整合パケットを所定の周期毎に送信するパケット送信手段と、状態整合パケットを受信するパケット受信手段と、この受信した状態整合パケットに基づいて自己の管理状態を確認し、変更がある場合には、必要に応じて自己の管理状態を更新し、かつ自端末における管理状態に変更があった場合には変更があった管理状態情報を前記状態整合パケットの送信元の無線携帯端末に返信する返信手段と、変更があった管理状態情報を受信する管理状態受信手段と、この受信した変更があった管理状態情報に基づいて自己の管理状態を更新する更新手段とを有することを要旨とする。
【0021】
請求項2記載の本発明にあっては、無線携帯端末は直接通信可能な端末のうちの所定数の端末のみに状態整合パケットを送信し、該パケットに基づいて自端末の管理状態を確認し、自端末の管理状態を更新し、自端末の管理状態に変更があった場合には変更があった管理状態情報を送信元の端末に返信し、送信元の端末は変更があった管理状態情報に基づいて自端末の管理状態を更新するため、各無線携帯端末間における管理状態が適確に整合され、この整合のとれた管理状態に基づいて従来困難であった双方向通信サービス(例えばネットゲームやコラボレーションツールなど)を適確かつリアルタイムに行なうことが可能になるとともに、各無線携帯端末は例えば従来のようにすべての端末にブロードキャスト送信を行なうのでなく、通信可能な端末のみに、特に通信可能な端末のうちの所定の数の端末のみに状態整合パケットを送信することによりネットワークのトラヒックを増加させることもなく、かつ無線携帯端末に対する負荷も増大することなく、無線アドホックネットワークにおける双方向通信を行うことができ、利便性を著しく向上することができる。
【0022】
更に、請求項3記載の本発明は、自己の接続状態を含む管理状態情報を保持しながら各無線携帯端末間で互いに無線通信を行う無線アドホックネットワークにおける無線携帯端末において状態整合処理を行うためのコンピュータが実行可能な無線携帯端末における状態整合プログラムであって、前記コンピュータを自端末が通信可能な無線携帯端末のうちの所定数の無線携帯端末のみに自端末における管理状態の情報を含み、かつ管理状態が変更されているか否かを確認するための状態整合パケットを所定の周期毎に送信するパケット送信手段と、状態整合パケットを受信するパケット受信手段と、この受信した状態整合パケットに基づいて自己の管理状態を確認し、変更がある場合には、必要に応じて自己の管理状態を更新し、かつ自端末における管理状態に変更があった場合には変更があった管理状態情報を前記状態整合パケットの送信元の無線携帯端末に返信する返信手段と、変更があった管理状態情報を受信する管理状態受信手段と、この受信した変更があった管理状態情報に基づいて自己の管理状態を更新する更新手段として機能させることを要旨とする。
【0023】
請求項3記載の本発明にあっては、各無線携帯端末は直接通信可能な端末のうちの所定数の端末のみに状態整合パケットを所定の周期毎に送信し、各無線携帯端末は該状態整合パケットに基づいて自端末の管理状態を確認し、自端末の管理状態を更新し、自端末の管理状態に変更があった場合には変更があった管理状態情報を送信元の無線携帯端末に返信し、送信元の無線携帯端末は変更があった管理状態情報に基づいて自端末の管理状態を更新するため、各無線携帯端末間における管理状態が適確に整合され、この整合のとれた管理状態に基づいて従来困難であった双方向通信サービス(例えばネットゲームやコラボレーションツールなど)を適確かつリアルタイムに行なうことが可能になるとともに、各無線携帯端末は例えば従来のようにすべての端末にブロードキャスト送信を行なうのでなく、通信可能な端末のみに、特に通信可能な端末のうちの所定の数の端末のみに状態整合パケットを送信することによりネットワークのトラヒックを増加させることもなく、かつ無線携帯端末に対する負荷も増大することなく、無線アドホックネットワークにおける双方向通信を行うことができ、利便性を著しく向上することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係わる無線アドホックネットワークにおける状態整合方法を説明するためのネットワーク構成図である。同図に示す無線アドホックネットワークは、複数の無線携帯端末1A〜1Fから構成され、無線携帯端末1Aは1Bに接続され、1Bは1Cに接続され、1Cは1Dに接続され、1Dは1Eと1Fに接続されている。
【0025】
このような接続構成の無線アドホックネットワークにおいて、例えば図1に示すように、無線携帯端末1Bにおいて接続状態を含む管理状態に変更が生じると、この変更された管理状態情報を含み、かつ管理状態が変更されているか否かを確認するための状態整合パケットを当該無線携帯端末1Bが直接通信可能な無線携帯端末1Aと1Cに送信する。
【0026】
なお、無線携帯端末1Bには、その管理状態を示す管理状態情報として同図に表として示すようにユーザ名である無線携帯端末1A、1C、1D、1E、1Fに対応して当該無線携帯端末1Bから直接通信可能な無線携帯端末に対して「1」が設定され、直接通信不可能な無線携帯端末に対しては「0」が設定されている。すなわち、図1の例では、無線携帯端末1Bは、無線携帯端末1Aと1Cと直接通信可能であるので、無線携帯端末1Bの管理状態情報では、無線携帯端末1Aと1Cに対して「1」が設定され、その他の無線携帯端末1D、1E、1Fに対しては「0」が設定されている。
【0027】
そして、無線携帯端末1Bから前記状態整合パケットを受信した無線携帯端末1Aと1Cのうち、まず無線携帯端末1Aは、どこにも接続されていないので、すなわち無線携帯端末1B以外とは通信できないので、無線携帯端末1Bから受信した状態整合パケットをどこにも送信せず、この受信した状態整合パケットに基づいて自端末の管理状態を確認し、変更がある場合には、必要に応じて自端末の管理状態を更新するのみであるが、無線携帯端末1Cは、無線携帯端末1Bから状態整合パケットを受信すると、この受信した状態整合パケットに基づいて自端末の管理状態を確認し、変更がある場合には、必要に応じて自端末の管理状態を更新しかつ自端末における管理状態に変更があった場合には変更があった管理状態情報を状態整合パケットの送信元の無線携帯端末1Bに返信し、更に当該無線携帯端末1Cは、自端末の管理状態情報を含み、かつ管理状態が変更されているか否かを確認するための状態整合パケットを当該無線携帯端末1Bが直接通信可能な無線携帯端末1Bと1Dのうちの無線携帯端末1Dのみに送信する。
【0028】
無線携帯端末1Dは、無線携帯端末1Cからの状態整合パケットを受信すると、この受信した状態整合パケットに基づいて自端末の管理状態を確認し、変更がある場合には、必要に応じて自端末の管理状態を更新し、かつ自端末における管理状態に変更があった場合には変更があった管理状態情報を状態整合パケットの送信元の無線携帯端末1Cに返信し、更に当該無線携帯端末1Dは、自端末の管理状態情報を含み、かつ管理状態が変更されているか否かを確認するための状態整合パケットを当該無線携帯端末1Dが直接通信可能な無線携帯端末1Eと1Fに送信する。
【0029】
また、無線携帯端末1Eと1Fは、それぞれ無線携帯端末1Dから状態整合パケットを受信すると、この受信した状態整合パケットに基づいて自端末の管理状態を確認し、変更がある場合には、必要に応じて自端末の管理状態を更新し、かつ自端末における管理状態に変更があった場合には変更があった管理状態情報を状態整合パケットの送信元の無線携帯端末1Dに返信し、更に当該無線携帯端末1Eと1Fは、それぞれ自端末の管理状態情報を含み、かつ管理状態が変更されているか否かを確認するための状態整合パケットを当該無線携帯端末1Eおよび1Fが直接通信可能な無線携帯端末1Fと1Eに送信する。
【0030】
なお、この説明では、状態整合パケットは、無線携帯端末1Bにおいて自端末の管理状態に変更が生じた場合に無線携帯端末1A、1Cに送信しているが、この状態整合パケットは、以下に説明するように、所定の周期で各無線携帯端末から送信されるものである。
【0031】
上述したように、本実施形態では、各無線携帯端末は、自端末が通信可能な無線携帯端末のみに状態整合パケットを送信するため、無線アドホックネットワークにおけるトラヒック負荷および各無線携帯端末における負荷を低減することができる。
【0032】
図2は、図1と同様な構成の無線アドホックネットワークにおいて無線携帯端末1Dにおいて管理状態に変更があった場合においてこの変更があった管理状態情報を状態整合パケットの送信元に返信する処理を点線の矢印で具体的に示している図である。
【0033】
すなわち、図2において、無線携帯端末1Cが自端末の管理状態情報を含み、かつ管理状態が変更されているか否かを確認するための状態整合パケットを上述したように当該無線携帯端末1Cが直接通信可能な無線携帯端末1Dに送信した場合において、無線携帯端末1Dは、無線携帯端末1Cからの状態整合パケットを受信すると、この受信した状態整合パケットに基づいて自端末の管理状態を確認し、変更がある場合には、必要に応じて状態整合パケットに基づき自端末の管理状態を更新し、自端末における管理状態に変更があったか否か判定するが、ここで自端末における管理状態に変更があったとすると、すなわち前回状態整合パケットを受信した時から今回状態整合パケットを受信するまでの間に自端末における管理状態に変更があったとすると、この変更があった管理状態情報を図2において点線で示すように状態整合パケットの送信元の無線携帯端末1Cに返信する。なお、このように、変更があった管理状態情報の送信元への返信は、自端末における管理状態に変更がない場合、すなわち前回状態整合パケットを受信した時から今回状態整合パケットを受信するまでの間に自端末における管理状態に変更がない場合には、行なわれない。
【0034】
また、前記変更があった管理状態情報を図2の点線で示すように受信した送信元の無線携帯端末1Cは、この受信した管理状態情報に基づいて自端末の管理状態を更新する。
【0035】
また、無線携帯端末1Dから返信された変更があった管理状態情報を受信した無線携帯端末1Cは、この変更があった管理状態情報に基づいて自端末の管理状態を変更するが、この変更通知はこの時点では無線携帯端末1Bやその他の無線携帯端末に行なわず、次回に状態整合パケットを無線携帯端末1Bから状態整合パケットを受信した時に当該変更通知を行なう。
【0036】
上述した処理においては、各無線携帯端末は、自端末から通信可能な無線携帯端末のうちの所定数の無線携帯端末のみに状態整合パケットを送信するとともに、この状態整合パケットの送信は、各線携帯端末から所定の周期で繰り返し行なわれる。例えば、図3に示すように、無線アドホックネットワークが無線携帯端末1A、1B、1C、…1K、1Lで構成されていたとすると、無線携帯端末1Aが状態整合パケットを無線携帯端末1B、1Cに所定の周期で送信すると、無線携帯端末1Bと1Cもそれぞれ状態整合パケットを無線携帯端末1Iと1F、1Hに所定の周期で送信し、また無線携帯端末1Iも状態整合パケットを無線携帯端末1Kに所定の周期で送信し、無線携帯端末1Fと1Hもそれぞれ状態整合パケットを無線携帯端末1Eと1J、1Lに所定の周期で送信し、更に無線携帯端末1Eは状態整合パケットを無線携帯端末1G、1Dに所定の周期で送信するというように無線アドホックネットワークは各無線携帯端末が状態整合パケット毎に階層構造的に構成管理されることになる。
【0037】
次に、図4に示すシーケンス図を参照して、本実施形態の状態整合方法の処理手順について説明する。なお、図4の処理は、図3に示した無線携帯端末1A、1B、1C、…1K、1Lからなる無線アドホックネットワークにおいて実施されるものである。
【0038】
図4では、まず無線携帯端末1Aは、自端末が直接通信可能な無線携帯端末1Bと1Cに対して、自端末の管理状態情報を含み、かつ管理状態が変更されているか否かを確認するための状態整合パケットを最初の周期で送信する(ステップS11)。
【0039】
この状態整合パケットを受信した無線携帯端末1Bは、該状態整合パケットに基づいて自端末の管理状態を確認し、変更があるか否かを判定し、変更がある場合には、必要に応じて自端末の管理状態を更新し、かつ自端末における管理状態に変更があった場合には(ステップS13)、この変更があった管理状態情報を状態整合パケットの送信元の無線携帯端末1Aに返信する(ステップS15)。
【0040】
送信元の無線携帯端末1Aは、前記変更のあった管理状態情報を受信すると、この管理状態情報に基づいて自端末の管理状態を更新する(ステップS17)。
【0041】
一方、無線携帯端末1Aから状態整合パケットを受信した無線携帯端末1Cは、該状態整合パケットに基づいて自端末の管理状態を確認し、変更があるか否かを判定し、変更がないことを認識するとともに、また前回状態整合パケットを受信した時点から今回状態整合パケットを受信する時点までの間においても自端末における管理状態に変更がないと認識すると、送信元に対する情報の返信もない(ステップS19)。
【0042】
上述したように、無線携帯端末1Aからの状態整合パケットの送信、無線携帯端末1B、1Cにおける状態整合パケットの受信、該状態整合パケットによる管理状態の確認、変更があった管理状態の返信などの基本処理(ステップS21)は、無線携帯端末1Aから所定の周期毎に実施される。なお、無線携帯端末1Aにおける状態整合パケット送信の次の周期は、図4のステップS111である。
【0043】
このステップS111においても、上記と同様に、無線携帯端末1Aは、直接通信可能な無線携帯端末1Bと1Cに状態整合パケットを送信し(ステップS111)、無線携帯端末1Bは、該状態整合パケットに基づいて自端末の管理状態を確認し、変更があるか否かを判定し、変更がないことを認識し、かつ自端末における管理状態に変更がないと認識すると、送信元に対する情報の返信もないが、他方の無線携帯端末1Cは、該状態整合パケットに基づいて自端末の管理状態を確認し、変更があるか否かを判定し、変更がある場合には、必要に応じて自端末の管理状態を更新し、かつ自端末における管理状態に変更があったことを認識すると(ステップS113)、この変更があった管理状態情報を送信元の無線携帯端末1Aに返信する(ステップS115)。
【0044】
送信元の無線携帯端末1Aは、この変更のあった管理状態情報を無線携帯端末1Cから受信すると、この管理状態情報に基づいて自端末の管理状態を更新する(ステップS117)。
【0045】
上記基本処理(ステップS21)が行なわれた後、次に無線携帯端末1Bが同様に自端末の管理状態情報を含み、かつ管理状態が変更されているか否かを確認するための状態整合パケットを自端末が通信可能な無線携帯端末1Iに最初の周期で送信する(ステップS31)。
【0046】
この状態整合パケットを受信した無線携帯端末1Iは、該状態整合パケットに基づいて自端末の管理状態を確認し、変更があるか否かを判定し、変更がないことを認識するとともに、また前回状態整合パケットを受信した時点から今回状態整合パケットを受信する時点までの間においても自端末における管理状態に変更がないと認識すると、送信元に対する情報の返信もない(ステップS33)。
【0047】
この無線携帯端末1Bからの状態整合パケットの送信、無線携帯端末1Iにおける状態整合パケットの受信、該状態整合パケットによる管理状態の確認、変更があった管理状態の返信などの処理も同様に無線携帯端末1Bから図で所定の周期毎に実施される。
【0048】
次に、以下同様に、無線携帯端末1Cも、自端末が直接通信可能な無線携帯端末1Fと1Hに対して、同じ状態整合パケットを図の最初の周期で送信する(ステップS35)。この状態整合パケットを受信した無線携帯端末1Fは、該状態整合パケットに基づいて自端末の管理状態を確認し、変更があるか否かを判定し、変更がないことを認識するとともに、また自端末における管理状態に変更がないと認識すると、送信元に対して管理状態情報を返信することもないのに対して、前記状態整合パケットを受信した無線携帯端末1Hは、該状態整合パケットに基づいて自端末の管理状態を確認し、変更があるか否かを判定し、変更がある場合には、必要に応じて自端末の管理状態を更新し、かつ自端末における管理状態に変更があった場合には(ステップS37)、この変更があった管理状態情報を送信元の無線携帯端末1Cに返信する(ステップS39)。
【0049】
送信元の無線携帯端末1Cは、変更のあった管理状態情報を無線携帯端末1Hから受信すると、この管理状態情報に基づいて自端末の管理状態を更新する(ステップS41)。
【0050】
上記処理がすべての無線携帯端末1A〜1Lについて行なわれると、次に最初の無線携帯端末1Aが戻り、上述したステップS111が行なわれるというように所定の周期で繰り返し行なわれる。
【0051】
なお、上記実施形態の無線携帯端末における状態整合方法の処理手順をプログラムとして例えばCDやFDなどの記録媒体に記録して、この記録媒体を無線携帯端末のコンピュータシステムに組み込んだり、または記録媒体に記録されたプログラムを通信回線を介して無線携帯端末のコンピュータシステムにダウンロードしたり、または記録媒体からインストールし、該プログラムで無線携帯端末のコンピュータシステムを作動させることにより、状態整合方法を実施する無線携帯端末として機能させることができることは勿論であり、このような記録媒体を用いることにより、その流通性を高めることができるものである。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、各無線携帯端末は直接通信可能な端末のうちの所定数の端末のみに状態整合パケットを所定の周期毎に送信し、各無線携帯端末は該状態整合パケットに基づいて自端末の管理状態を確認し、自端末の管理状態を更新し、変更があった管理状態情報を送信元の無線携帯端末に返信し、送信元端末は変更があった管理状態情報に基づいて自端末の管理状態を更新するので、各無線携帯端末間における管理状態が適確に整合され、この整合のとれた管理状態に基づいて従来困難であった双方向通信サービス(例えばネットゲームやコラボレーションツールなど)を適確かつリアルタイムに行なうことが可能になるとともに、各無線携帯端末は例えば従来のようにすべての端末にブロードキャスト送信を行なうのでなく、通信可能な端末のうちの所定の数の端末のみに状態整合パケットを送信するでネットワークのトラヒックを増加させることもなく、かつ無線携帯端末に対する負荷も増大することなく、無線アドホックネットワークにおける双方向通信を行うことができ、利便性を著しく向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係わる無線アドホックネットワークにおける状態整合方法を説明するためのネットワーク構成図である。
【図2】図1と同様な構成の無線アドホックネットワークにおいて無線携帯端末1Dにおいて管理状態に変更があった場合においてこの変更があった管理状態情報を状態整合パケットの送信元に返信する処理を点線の矢印で具体的に示している図である。
【図3】図1に示す実施形態の状態整合方法において無線アドホックネットワークを構成する複数の無線携帯端末に対して送信される状態整合パケットが複数の無線携帯端末間を階層構造的に送信されることを説明するための図である。
【図4】図1に示す実施形態の状態整合方法の処理手順を示すシーケンス図である。
【図5】従来の無線アドホックネットワークにおけるリアルタイムな双方向通信での問題を説明するための図である。
【図6】従来の無線アドホックネットワークにおける電波環境問題を説明するための図である。
【図7】従来の無線アドホックネットワークにおけるトラヒック増加問題を説明するための図である。
【符号の説明】
1A〜1L 無線携帯端末
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の無線携帯端末の各々がそれぞれの接続状態を含む管理状態情報を保持しながら各無線携帯端末間で互いに無線通信を行う無線アドホックネットワークにおいて各無線携帯端末における接続状態を整合する状態整合方法、無線携帯端末および該無線携帯端末における状態整合プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
無線アドホックネットワークは、無線技術のアドホックモードを用いて無線携帯端末間で一時的に構築されるネットワークである。このような無線アドホックネットワークでは、ユーザが自由にネットワークに参加したり、ネットワークから離脱することが可能であり、柔軟なネットワークの構築が可能である。従って、近年、例えば災害地などのようにネットワークインフラが被害を受け、従来のネットワークが使用不可能となった場合に本技術を用いてネットワークを一時的に構築して、災害現場でのリアルタイムな情報の享受を実現する方式として注目されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
従来、無線アドホックネットワーク上でサービスを実現する場合は、インスタントメッセージなどの送信動作のみでサービス、すなわち片方向型サービスを実現するアプリケーションが大半であった。これは、受信側の状況や状態、受信結果などの確認および報告などを行なう必要がなく、単純送信のみのサービスが可能だからである。すなわち、通信可能な各無線携帯端末の状態をリアルタイムに把握してなく、到達確認ができない状況であることから、本ネットワーク上では単純送信のみが実現可能なサービスが最も実現性の高いサービスとなっている。
【0004】
また、状態管理を実施する際には、各無線携帯端末で状態が変化した時に、本ネットワークに対して変更した旨の状態変更通知をブロードキャスト送信し、通知を受信した無線携帯端末は、自らの管理状態を更新することで、状態の把握を行なっている。しかしながら、この方式では、変更通知を受信した無線携帯端末は、正確な情報を得ることができるが、情報を受信できなかった無線携帯端末では、前の状態のままとなり、サービスに影響する危険性がある。
【0005】
更に、変更通知をブロードキャスト送信することにより、無線アドホックネットワークの帯域(例えば、2MHz相当)上に流れるトラヒックを増加させ、ネットワークに負荷をかけることが懸念される。また、無線アドホックネットワーク上ではQoSパケットなどのような様々な制御パケットを送受信することから、無駄なトラヒックはサービスの快適性に影響するので、極力控えることが望まれる。また、受信側においても各無線携帯端末がブロードキャスト送信する変更の状態と自らの管理状態の整合をパケット毎に実施する必要があるため、無線携帯端末に与える負荷も大きく、CPU性能の低い無線携帯端末においては他のサービスや処理への影響が懸念される。
【0006】
また、無線アドホックネットワークは、無線携帯端末が自由に移動するため、電波環境の影響を顕著に受けて、通信状態が不安定になることが多く、リアルタイムに無線携帯端末間で通信を継続的に確立することが困難である。従って、リアルタイムに双方向な通信を必要とするサービスへの適用は不適と考えられている。
【0007】
図面を参照して具体的に説明すると、まず図5(a)の状態1に示すように、無線携帯端末1B〜1F間でネットワークが形成され、各種サービスを享受可能な状態の既存の無線アドホックネットワーク内に同図(b)の状態2に示すように無線携帯端末1Aが移動すると、この無線携帯端末1Aと1B間でネットワークが形成され、これによりネットワーク全体としては無線携帯端末1A〜1Fの間で無線アドホックネットワークが形成される。
【0008】
また、同図(c)の状態3に示すように、無線携帯端末1Cが移動して、無線携帯端末1Cと1Dとの間のネットワークが切断されると、ネットワークは無線携帯端末1Aから1Cと、無線携帯端末1D〜1Fの2つのネットワークに分断される。
【0009】
上述したように、無線アドホックネットワークでは、各無線携帯端末の移動によりネットワークの形成、分断(切断)が頻繁に発生するため、ユーザ間でサービスを享受するためには、常に接続状態を管理することが必要である。そして、接続状態を管理できない場合には、双方向通信を行うことは困難であり、送信のみのサービスが実現できるインスタントメッセージなどのような片方向サービスのみがサービス適用領域となる。
【0010】
また、図6(a)の状態1に示すように、ビル内やビルの間などでは、論理的に問題ない距離でも、周りの環境の影響を受けて物理的に通信できないことが多く、同図(b)の状態2に示すように、電波環境の影響により本来無線携帯端末1Aから1Fまでのネットワークが形成されるはずが、無線携帯端末1A−1B、1C−1F、1Eの3つのネットワークに分断され、これによりサービス提供範囲が減少する。
【0011】
図6(b)の状態2から同図(c)の状態3に移って、無線携帯端末1Eが移動すると、無線携帯端末1Eと1D間でネットワークが形成され、無線携帯端末1Eを介意して無線携帯端末1C〜1Fまでのネットワークが形成される。上述したように、各無線携帯端末の移動や電波環境の影響によりネットワークが常に変化し、ユーザ間でサービスを享受できない。
【0012】
更に、図7(a)の状態1に示すように、無線携帯端末1Aと1B間でネットワークが形成されると、両者の管理状態に差分が生じ、無線携帯端末1Aと1Bは状態が変更した旨をネットワークにブロードキャスト送信して通知する。また、同図(b)の状態2に示すように、無線携帯端末1Aと1Bからの変更通知により他の無線携帯端末1C〜1Fでも管理状態が変更したため、各無線携帯端末から同様に変更通知がブロードキャスト送信される。この結果、ネットワークのトラヒックは2次関数的に増大し、ネットワークへの負荷が増大する。このような事象による影響はネットワークだけでなく、通知を送受信する各無線携帯端末の処理負荷(すなわち、受信毎に管理状態情報との照合)としても影響するため、無線アドホックネットワーク全体に影響を与える。
【0013】
【非特許文献1】
無線アドホックネットワークの現状(ART適応コミュニケーション研究所)http://www.acr.atr.co.jp/acr/general/event/workshop/pdf/workshop1.pdf
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、無線アドホックネットワークは、無線携帯端末が自由に移動するため、電波環境の影響を顕著に受けて、通信状態が不安定になることが多く、リアルタイムに無線携帯端末間で通信を継続的に確立することが困難であるとともに、また受信側の状況や状態、受信結果などの確認および報告などを行なう必要がなく、単純送信のみでよいため、単純送信のみの片方向型サービスが実現可能なサービスとして実施され、リアルタイムに双方向な通信を必要とするサービスへの適用は不適であるという問題がある。
【0015】
また、各無線携帯端末で状態が変化した時に、従来は、状態変更通知をブロードキャスト送信しているが、この状態変更通知を受信できなかった無線携帯端末では、前の状態のままとなり、サービスに影響する危険性があるという問題がある。
【0016】
更に、変更通知をブロードキャスト送信することにより、無線アドホックネットワークのトラヒックが増加し、ネットワークに負荷をかけるだけでなく、各無線携帯端末に与える負荷も大きく、CPU性能の低い無線携帯端末においては他のサービスや処理への影響が懸念される。
【0017】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、各無線携帯端末における管理状態を周期的に確認して整合を適確にとり、リアルタイムな双方向通信を可能とするとともに、トラヒックの低減化を図った無線アドホックネットワークにおける状態整合方法、無線携帯端末および該無線携帯端末における状態整合プログラムを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の本発明は、複数の無線携帯端末の各々がそれぞれの接続状態を含む管理状態情報を保持しながら各無線携帯端末間で互いに無線通信を行う無線アドホックネットワークにおいて各無線携帯端末における管理状態を整合する状態整合方法であって、各無線携帯端末は、自端末が直接通信可能な無線携帯端末のうちの所定数の無線携帯端末のみに自端末における管理状態情報を含み、かつ管理状態が変更されているか否かを確認するための状態整合パケットを所定の周期毎に送信し、前記状態整合パケットを受信した各無線携帯端末は、この受信した状態整合パケットに基づいて自端末の管理状態を確認し、変更がある場合には、必要に応じて自端末の管理状態を更新し、かつ自端末における管理状態に変更があった場合には変更があった管理状態情報を前記状態整合パケットの送信元の無線携帯端末に返信し、前記変更があった管理状態情報を受信した送信元の無線携帯端末は、該変更があった管理状態情報に基づいて自端末の管理状態を更新することを要旨とする。
【0019】
請求項1記載の本発明にあっては、各無線携帯端末は直接通信可能な端末のうちの所定数の端末のみに状態整合パケットを所定の周期毎に送信し、該パケットを受信した各無線携帯端末は該状態整合パケットに基づいて自端末の管理状態を確認し、必要に応じて自端末の管理状態を更新し、かつ自端末の管理状態に変更があった場合には変更があった管理状態情報を送信元の無線携帯端末に返信し、送信元の無線携帯端末は変更があった管理状態情報に基づいて自端末の管理状態を更新するため、各無線携帯端末間における管理状態が適確に整合され、この整合のとれた管理状態に基づいて従来困難であった双方向通信サービス(例えばネットゲームやコラボレーションツールなど)を適確かつリアルタイムに行なうことが可能になるとともに、各無線携帯端末は例えば従来のようにすべての端末にブロードキャスト送信を行なうのでなく、通信可能な端末のみに、特に通信可能な端末のうちの所定の数の端末のみに状態整合パケットを送信することによりネットワークのトラヒックを増加させることもなく、かつ無線携帯端末に対する負荷も増大することなく、無線アドホックネットワークにおける双方向通信を行うことができ、利便性を著しく向上することができる。
【0020】
また、請求項2記載の本発明は、自己の接続状態を含む管理状態情報を保持しながら各無線携帯端末間で互いに無線通信を行う無線アドホックネットワークにおける無線携帯端末であって、自端末が通信可能な無線携帯端末のうちの所定数の無線携帯端末のみに自端末における管理状態情報を含み、かつ管理状態が変更されているか否かを確認するための状態整合パケットを所定の周期毎に送信するパケット送信手段と、状態整合パケットを受信するパケット受信手段と、この受信した状態整合パケットに基づいて自己の管理状態を確認し、変更がある場合には、必要に応じて自己の管理状態を更新し、かつ自端末における管理状態に変更があった場合には変更があった管理状態情報を前記状態整合パケットの送信元の無線携帯端末に返信する返信手段と、変更があった管理状態情報を受信する管理状態受信手段と、この受信した変更があった管理状態情報に基づいて自己の管理状態を更新する更新手段とを有することを要旨とする。
【0021】
請求項2記載の本発明にあっては、無線携帯端末は直接通信可能な端末のうちの所定数の端末のみに状態整合パケットを送信し、該パケットに基づいて自端末の管理状態を確認し、自端末の管理状態を更新し、自端末の管理状態に変更があった場合には変更があった管理状態情報を送信元の端末に返信し、送信元の端末は変更があった管理状態情報に基づいて自端末の管理状態を更新するため、各無線携帯端末間における管理状態が適確に整合され、この整合のとれた管理状態に基づいて従来困難であった双方向通信サービス(例えばネットゲームやコラボレーションツールなど)を適確かつリアルタイムに行なうことが可能になるとともに、各無線携帯端末は例えば従来のようにすべての端末にブロードキャスト送信を行なうのでなく、通信可能な端末のみに、特に通信可能な端末のうちの所定の数の端末のみに状態整合パケットを送信することによりネットワークのトラヒックを増加させることもなく、かつ無線携帯端末に対する負荷も増大することなく、無線アドホックネットワークにおける双方向通信を行うことができ、利便性を著しく向上することができる。
【0022】
更に、請求項3記載の本発明は、自己の接続状態を含む管理状態情報を保持しながら各無線携帯端末間で互いに無線通信を行う無線アドホックネットワークにおける無線携帯端末において状態整合処理を行うためのコンピュータが実行可能な無線携帯端末における状態整合プログラムであって、前記コンピュータを自端末が通信可能な無線携帯端末のうちの所定数の無線携帯端末のみに自端末における管理状態の情報を含み、かつ管理状態が変更されているか否かを確認するための状態整合パケットを所定の周期毎に送信するパケット送信手段と、状態整合パケットを受信するパケット受信手段と、この受信した状態整合パケットに基づいて自己の管理状態を確認し、変更がある場合には、必要に応じて自己の管理状態を更新し、かつ自端末における管理状態に変更があった場合には変更があった管理状態情報を前記状態整合パケットの送信元の無線携帯端末に返信する返信手段と、変更があった管理状態情報を受信する管理状態受信手段と、この受信した変更があった管理状態情報に基づいて自己の管理状態を更新する更新手段として機能させることを要旨とする。
【0023】
請求項3記載の本発明にあっては、各無線携帯端末は直接通信可能な端末のうちの所定数の端末のみに状態整合パケットを所定の周期毎に送信し、各無線携帯端末は該状態整合パケットに基づいて自端末の管理状態を確認し、自端末の管理状態を更新し、自端末の管理状態に変更があった場合には変更があった管理状態情報を送信元の無線携帯端末に返信し、送信元の無線携帯端末は変更があった管理状態情報に基づいて自端末の管理状態を更新するため、各無線携帯端末間における管理状態が適確に整合され、この整合のとれた管理状態に基づいて従来困難であった双方向通信サービス(例えばネットゲームやコラボレーションツールなど)を適確かつリアルタイムに行なうことが可能になるとともに、各無線携帯端末は例えば従来のようにすべての端末にブロードキャスト送信を行なうのでなく、通信可能な端末のみに、特に通信可能な端末のうちの所定の数の端末のみに状態整合パケットを送信することによりネットワークのトラヒックを増加させることもなく、かつ無線携帯端末に対する負荷も増大することなく、無線アドホックネットワークにおける双方向通信を行うことができ、利便性を著しく向上することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係わる無線アドホックネットワークにおける状態整合方法を説明するためのネットワーク構成図である。同図に示す無線アドホックネットワークは、複数の無線携帯端末1A〜1Fから構成され、無線携帯端末1Aは1Bに接続され、1Bは1Cに接続され、1Cは1Dに接続され、1Dは1Eと1Fに接続されている。
【0025】
このような接続構成の無線アドホックネットワークにおいて、例えば図1に示すように、無線携帯端末1Bにおいて接続状態を含む管理状態に変更が生じると、この変更された管理状態情報を含み、かつ管理状態が変更されているか否かを確認するための状態整合パケットを当該無線携帯端末1Bが直接通信可能な無線携帯端末1Aと1Cに送信する。
【0026】
なお、無線携帯端末1Bには、その管理状態を示す管理状態情報として同図に表として示すようにユーザ名である無線携帯端末1A、1C、1D、1E、1Fに対応して当該無線携帯端末1Bから直接通信可能な無線携帯端末に対して「1」が設定され、直接通信不可能な無線携帯端末に対しては「0」が設定されている。すなわち、図1の例では、無線携帯端末1Bは、無線携帯端末1Aと1Cと直接通信可能であるので、無線携帯端末1Bの管理状態情報では、無線携帯端末1Aと1Cに対して「1」が設定され、その他の無線携帯端末1D、1E、1Fに対しては「0」が設定されている。
【0027】
そして、無線携帯端末1Bから前記状態整合パケットを受信した無線携帯端末1Aと1Cのうち、まず無線携帯端末1Aは、どこにも接続されていないので、すなわち無線携帯端末1B以外とは通信できないので、無線携帯端末1Bから受信した状態整合パケットをどこにも送信せず、この受信した状態整合パケットに基づいて自端末の管理状態を確認し、変更がある場合には、必要に応じて自端末の管理状態を更新するのみであるが、無線携帯端末1Cは、無線携帯端末1Bから状態整合パケットを受信すると、この受信した状態整合パケットに基づいて自端末の管理状態を確認し、変更がある場合には、必要に応じて自端末の管理状態を更新しかつ自端末における管理状態に変更があった場合には変更があった管理状態情報を状態整合パケットの送信元の無線携帯端末1Bに返信し、更に当該無線携帯端末1Cは、自端末の管理状態情報を含み、かつ管理状態が変更されているか否かを確認するための状態整合パケットを当該無線携帯端末1Bが直接通信可能な無線携帯端末1Bと1Dのうちの無線携帯端末1Dのみに送信する。
【0028】
無線携帯端末1Dは、無線携帯端末1Cからの状態整合パケットを受信すると、この受信した状態整合パケットに基づいて自端末の管理状態を確認し、変更がある場合には、必要に応じて自端末の管理状態を更新し、かつ自端末における管理状態に変更があった場合には変更があった管理状態情報を状態整合パケットの送信元の無線携帯端末1Cに返信し、更に当該無線携帯端末1Dは、自端末の管理状態情報を含み、かつ管理状態が変更されているか否かを確認するための状態整合パケットを当該無線携帯端末1Dが直接通信可能な無線携帯端末1Eと1Fに送信する。
【0029】
また、無線携帯端末1Eと1Fは、それぞれ無線携帯端末1Dから状態整合パケットを受信すると、この受信した状態整合パケットに基づいて自端末の管理状態を確認し、変更がある場合には、必要に応じて自端末の管理状態を更新し、かつ自端末における管理状態に変更があった場合には変更があった管理状態情報を状態整合パケットの送信元の無線携帯端末1Dに返信し、更に当該無線携帯端末1Eと1Fは、それぞれ自端末の管理状態情報を含み、かつ管理状態が変更されているか否かを確認するための状態整合パケットを当該無線携帯端末1Eおよび1Fが直接通信可能な無線携帯端末1Fと1Eに送信する。
【0030】
なお、この説明では、状態整合パケットは、無線携帯端末1Bにおいて自端末の管理状態に変更が生じた場合に無線携帯端末1A、1Cに送信しているが、この状態整合パケットは、以下に説明するように、所定の周期で各無線携帯端末から送信されるものである。
【0031】
上述したように、本実施形態では、各無線携帯端末は、自端末が通信可能な無線携帯端末のみに状態整合パケットを送信するため、無線アドホックネットワークにおけるトラヒック負荷および各無線携帯端末における負荷を低減することができる。
【0032】
図2は、図1と同様な構成の無線アドホックネットワークにおいて無線携帯端末1Dにおいて管理状態に変更があった場合においてこの変更があった管理状態情報を状態整合パケットの送信元に返信する処理を点線の矢印で具体的に示している図である。
【0033】
すなわち、図2において、無線携帯端末1Cが自端末の管理状態情報を含み、かつ管理状態が変更されているか否かを確認するための状態整合パケットを上述したように当該無線携帯端末1Cが直接通信可能な無線携帯端末1Dに送信した場合において、無線携帯端末1Dは、無線携帯端末1Cからの状態整合パケットを受信すると、この受信した状態整合パケットに基づいて自端末の管理状態を確認し、変更がある場合には、必要に応じて状態整合パケットに基づき自端末の管理状態を更新し、自端末における管理状態に変更があったか否か判定するが、ここで自端末における管理状態に変更があったとすると、すなわち前回状態整合パケットを受信した時から今回状態整合パケットを受信するまでの間に自端末における管理状態に変更があったとすると、この変更があった管理状態情報を図2において点線で示すように状態整合パケットの送信元の無線携帯端末1Cに返信する。なお、このように、変更があった管理状態情報の送信元への返信は、自端末における管理状態に変更がない場合、すなわち前回状態整合パケットを受信した時から今回状態整合パケットを受信するまでの間に自端末における管理状態に変更がない場合には、行なわれない。
【0034】
また、前記変更があった管理状態情報を図2の点線で示すように受信した送信元の無線携帯端末1Cは、この受信した管理状態情報に基づいて自端末の管理状態を更新する。
【0035】
また、無線携帯端末1Dから返信された変更があった管理状態情報を受信した無線携帯端末1Cは、この変更があった管理状態情報に基づいて自端末の管理状態を変更するが、この変更通知はこの時点では無線携帯端末1Bやその他の無線携帯端末に行なわず、次回に状態整合パケットを無線携帯端末1Bから状態整合パケットを受信した時に当該変更通知を行なう。
【0036】
上述した処理においては、各無線携帯端末は、自端末から通信可能な無線携帯端末のうちの所定数の無線携帯端末のみに状態整合パケットを送信するとともに、この状態整合パケットの送信は、各線携帯端末から所定の周期で繰り返し行なわれる。例えば、図3に示すように、無線アドホックネットワークが無線携帯端末1A、1B、1C、…1K、1Lで構成されていたとすると、無線携帯端末1Aが状態整合パケットを無線携帯端末1B、1Cに所定の周期で送信すると、無線携帯端末1Bと1Cもそれぞれ状態整合パケットを無線携帯端末1Iと1F、1Hに所定の周期で送信し、また無線携帯端末1Iも状態整合パケットを無線携帯端末1Kに所定の周期で送信し、無線携帯端末1Fと1Hもそれぞれ状態整合パケットを無線携帯端末1Eと1J、1Lに所定の周期で送信し、更に無線携帯端末1Eは状態整合パケットを無線携帯端末1G、1Dに所定の周期で送信するというように無線アドホックネットワークは各無線携帯端末が状態整合パケット毎に階層構造的に構成管理されることになる。
【0037】
次に、図4に示すシーケンス図を参照して、本実施形態の状態整合方法の処理手順について説明する。なお、図4の処理は、図3に示した無線携帯端末1A、1B、1C、…1K、1Lからなる無線アドホックネットワークにおいて実施されるものである。
【0038】
図4では、まず無線携帯端末1Aは、自端末が直接通信可能な無線携帯端末1Bと1Cに対して、自端末の管理状態情報を含み、かつ管理状態が変更されているか否かを確認するための状態整合パケットを最初の周期で送信する(ステップS11)。
【0039】
この状態整合パケットを受信した無線携帯端末1Bは、該状態整合パケットに基づいて自端末の管理状態を確認し、変更があるか否かを判定し、変更がある場合には、必要に応じて自端末の管理状態を更新し、かつ自端末における管理状態に変更があった場合には(ステップS13)、この変更があった管理状態情報を状態整合パケットの送信元の無線携帯端末1Aに返信する(ステップS15)。
【0040】
送信元の無線携帯端末1Aは、前記変更のあった管理状態情報を受信すると、この管理状態情報に基づいて自端末の管理状態を更新する(ステップS17)。
【0041】
一方、無線携帯端末1Aから状態整合パケットを受信した無線携帯端末1Cは、該状態整合パケットに基づいて自端末の管理状態を確認し、変更があるか否かを判定し、変更がないことを認識するとともに、また前回状態整合パケットを受信した時点から今回状態整合パケットを受信する時点までの間においても自端末における管理状態に変更がないと認識すると、送信元に対する情報の返信もない(ステップS19)。
【0042】
上述したように、無線携帯端末1Aからの状態整合パケットの送信、無線携帯端末1B、1Cにおける状態整合パケットの受信、該状態整合パケットによる管理状態の確認、変更があった管理状態の返信などの基本処理(ステップS21)は、無線携帯端末1Aから所定の周期毎に実施される。なお、無線携帯端末1Aにおける状態整合パケット送信の次の周期は、図4のステップS111である。
【0043】
このステップS111においても、上記と同様に、無線携帯端末1Aは、直接通信可能な無線携帯端末1Bと1Cに状態整合パケットを送信し(ステップS111)、無線携帯端末1Bは、該状態整合パケットに基づいて自端末の管理状態を確認し、変更があるか否かを判定し、変更がないことを認識し、かつ自端末における管理状態に変更がないと認識すると、送信元に対する情報の返信もないが、他方の無線携帯端末1Cは、該状態整合パケットに基づいて自端末の管理状態を確認し、変更があるか否かを判定し、変更がある場合には、必要に応じて自端末の管理状態を更新し、かつ自端末における管理状態に変更があったことを認識すると(ステップS113)、この変更があった管理状態情報を送信元の無線携帯端末1Aに返信する(ステップS115)。
【0044】
送信元の無線携帯端末1Aは、この変更のあった管理状態情報を無線携帯端末1Cから受信すると、この管理状態情報に基づいて自端末の管理状態を更新する(ステップS117)。
【0045】
上記基本処理(ステップS21)が行なわれた後、次に無線携帯端末1Bが同様に自端末の管理状態情報を含み、かつ管理状態が変更されているか否かを確認するための状態整合パケットを自端末が通信可能な無線携帯端末1Iに最初の周期で送信する(ステップS31)。
【0046】
この状態整合パケットを受信した無線携帯端末1Iは、該状態整合パケットに基づいて自端末の管理状態を確認し、変更があるか否かを判定し、変更がないことを認識するとともに、また前回状態整合パケットを受信した時点から今回状態整合パケットを受信する時点までの間においても自端末における管理状態に変更がないと認識すると、送信元に対する情報の返信もない(ステップS33)。
【0047】
この無線携帯端末1Bからの状態整合パケットの送信、無線携帯端末1Iにおける状態整合パケットの受信、該状態整合パケットによる管理状態の確認、変更があった管理状態の返信などの処理も同様に無線携帯端末1Bから図で所定の周期毎に実施される。
【0048】
次に、以下同様に、無線携帯端末1Cも、自端末が直接通信可能な無線携帯端末1Fと1Hに対して、同じ状態整合パケットを図の最初の周期で送信する(ステップS35)。この状態整合パケットを受信した無線携帯端末1Fは、該状態整合パケットに基づいて自端末の管理状態を確認し、変更があるか否かを判定し、変更がないことを認識するとともに、また自端末における管理状態に変更がないと認識すると、送信元に対して管理状態情報を返信することもないのに対して、前記状態整合パケットを受信した無線携帯端末1Hは、該状態整合パケットに基づいて自端末の管理状態を確認し、変更があるか否かを判定し、変更がある場合には、必要に応じて自端末の管理状態を更新し、かつ自端末における管理状態に変更があった場合には(ステップS37)、この変更があった管理状態情報を送信元の無線携帯端末1Cに返信する(ステップS39)。
【0049】
送信元の無線携帯端末1Cは、変更のあった管理状態情報を無線携帯端末1Hから受信すると、この管理状態情報に基づいて自端末の管理状態を更新する(ステップS41)。
【0050】
上記処理がすべての無線携帯端末1A〜1Lについて行なわれると、次に最初の無線携帯端末1Aが戻り、上述したステップS111が行なわれるというように所定の周期で繰り返し行なわれる。
【0051】
なお、上記実施形態の無線携帯端末における状態整合方法の処理手順をプログラムとして例えばCDやFDなどの記録媒体に記録して、この記録媒体を無線携帯端末のコンピュータシステムに組み込んだり、または記録媒体に記録されたプログラムを通信回線を介して無線携帯端末のコンピュータシステムにダウンロードしたり、または記録媒体からインストールし、該プログラムで無線携帯端末のコンピュータシステムを作動させることにより、状態整合方法を実施する無線携帯端末として機能させることができることは勿論であり、このような記録媒体を用いることにより、その流通性を高めることができるものである。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、各無線携帯端末は直接通信可能な端末のうちの所定数の端末のみに状態整合パケットを所定の周期毎に送信し、各無線携帯端末は該状態整合パケットに基づいて自端末の管理状態を確認し、自端末の管理状態を更新し、変更があった管理状態情報を送信元の無線携帯端末に返信し、送信元端末は変更があった管理状態情報に基づいて自端末の管理状態を更新するので、各無線携帯端末間における管理状態が適確に整合され、この整合のとれた管理状態に基づいて従来困難であった双方向通信サービス(例えばネットゲームやコラボレーションツールなど)を適確かつリアルタイムに行なうことが可能になるとともに、各無線携帯端末は例えば従来のようにすべての端末にブロードキャスト送信を行なうのでなく、通信可能な端末のうちの所定の数の端末のみに状態整合パケットを送信するでネットワークのトラヒックを増加させることもなく、かつ無線携帯端末に対する負荷も増大することなく、無線アドホックネットワークにおける双方向通信を行うことができ、利便性を著しく向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係わる無線アドホックネットワークにおける状態整合方法を説明するためのネットワーク構成図である。
【図2】図1と同様な構成の無線アドホックネットワークにおいて無線携帯端末1Dにおいて管理状態に変更があった場合においてこの変更があった管理状態情報を状態整合パケットの送信元に返信する処理を点線の矢印で具体的に示している図である。
【図3】図1に示す実施形態の状態整合方法において無線アドホックネットワークを構成する複数の無線携帯端末に対して送信される状態整合パケットが複数の無線携帯端末間を階層構造的に送信されることを説明するための図である。
【図4】図1に示す実施形態の状態整合方法の処理手順を示すシーケンス図である。
【図5】従来の無線アドホックネットワークにおけるリアルタイムな双方向通信での問題を説明するための図である。
【図6】従来の無線アドホックネットワークにおける電波環境問題を説明するための図である。
【図7】従来の無線アドホックネットワークにおけるトラヒック増加問題を説明するための図である。
【符号の説明】
1A〜1L 無線携帯端末
Claims (3)
- 複数の無線携帯端末の各々がそれぞれの接続状態を含む管理状態情報を保持しながら各無線携帯端末間で互いに無線通信を行う無線アドホックネットワークにおいて各無線携帯端末における管理状態を整合する状態整合方法であって、
各無線携帯端末は、自端末が直接通信可能な無線携帯端末のうちの所定数の無線携帯端末のみに自端末における管理状態情報を含みかつ管理状態が変更されているか否かを確認するための状態整合パケットを所定の周期毎に送信し、
前記状態整合パケットを受信した各無線携帯端末は、この受信した状態整合パケットに基づいて自端末の管理状態を確認し、変更がある場合には、必要に応じて自端末の管理状態を更新しかつ自端末における管理状態に変更があった場合には変更があった管理状態情報を前記状態整合パケットの送信元の無線携帯端末に返信し、
前記変更があった管理状態情報を受信した送信元の無線携帯端末は、該変更があった管理状態情報に基づいて自端末の管理状態を更新する
ことを特徴とする無線アドホックネットワークにおける状態整合方法。 - 自己の接続状態を含む管理状態情報を保持しながら各無線携帯端末間で互いに無線通信を行う無線アドホックネットワークにおける無線携帯端末であって、
自端末が通信可能な無線携帯端末のうちの所定数の無線携帯端末のみに自端末における管理状態情報を含みかつ管理状態が変更されているか否かを確認するための状態整合パケットを所定の周期毎に送信するパケット送信手段と、
状態整合パケットを受信するパケット受信手段と、
この受信した状態整合パケットに基づいて自己の管理状態を確認し、変更がある場合には、必要に応じて自己の管理状態を更新し、かつ自端末における管理状態に変更があった場合には変更があった管理状態情報を前記状態整合パケットの送信元の無線携帯端末に返信する返信手段と、
変更があった管理状態情報を受信する管理状態受信手段と、
この受信した変更があった管理状態情報に基づいて自己の管理状態を更新する更新手段と
を有することを特徴とする無線アドホックネットワークにおける無線携帯端末。 - 自己の接続状態を含む管理状態情報を保持しながら各無線携帯端末間で互いに無線通信を行う無線アドホックネットワークにおける無線携帯端末において状態整合処理を行うためのコンピュータが実行可能な無線携帯端末における状態整合プログラムであって、
前記コンピュータを
自端末が通信可能な無線携帯端末のうちの所定数の無線携帯端末のみに自端末における管理状態の情報を含みかつ管理状態が変更されているか否かを確認するための状態整合パケットを所定の周期毎に送信するパケット送信手段と、
状態整合パケットを受信するパケット受信手段と、
この受信した状態整合パケットに基づいて自己の管理状態を確認し、変更がある場合には、必要に応じて自己の管理状態を更新し、かつ自端末における管理状態に変更があった場合には変更があった管理状態情報を前記状態整合パケットの送信元の無線携帯端末に返信する返信手段と、
変更があった管理状態情報を受信する管理状態受信手段と、
この受信した変更があった管理状態情報に基づいて自己の管理状態を更新する更新手段と
して機能させることを特徴とする無線携帯端末における状態整合プログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003054506A JP2004266556A (ja) | 2003-02-28 | 2003-02-28 | 無線アドホックネットワークにおける状態整合方法、無線携帯端末および該無線携帯端末における状態整合プログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003054506A JP2004266556A (ja) | 2003-02-28 | 2003-02-28 | 無線アドホックネットワークにおける状態整合方法、無線携帯端末および該無線携帯端末における状態整合プログラム |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2004266556A true JP2004266556A (ja) | 2004-09-24 |
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ID=33118834
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003054506A Pending JP2004266556A (ja) | 2003-02-28 | 2003-02-28 | 無線アドホックネットワークにおける状態整合方法、無線携帯端末および該無線携帯端末における状態整合プログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004266556A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7706344B2 (en) | 2006-02-28 | 2010-04-27 | Nagoya Institute Of Technology | Mobile terminal device, control method, and mobile communication system |
-
2003
- 2003-02-28 JP JP2003054506A patent/JP2004266556A/ja active Pending
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