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JP2004261726A - 含ハロゲン化学物質の分解処理方法及び分解処理装置 - Google Patents

含ハロゲン化学物質の分解処理方法及び分解処理装置 Download PDF

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JP2004261726A JP2003055303A JP2003055303A JP2004261726A JP 2004261726 A JP2004261726 A JP 2004261726A JP 2003055303 A JP2003055303 A JP 2003055303A JP 2003055303 A JP2003055303 A JP 2003055303A JP 2004261726 A JP2004261726 A JP 2004261726A
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Abstract

【目的】含ハロゲン化学物質を従来にもまして、大量処理が容易となり、さらには、吸着剤の選択幅も広げることができる含ハロゲン化学物質の分解処理方法を提供すること。
【構成】含ハロゲン化学物質の分解処理方法。吸着剤からなる充填層12を備えた反応管14に、含ハロゲン化学物質(被処理ガス)を連続的に導入・導出して、被処理ガスを分解させながら吸着剤に反応吸着させる。そして、充填層12に、ガスの流れ方向に沿ってガス拡散帯18および反応帯22を連続的に形成する。分解反応温度未満に制御されたガス拡散帯18を介して分解反応温度に維持した反応帯22に被処理ガスを導入する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【技術分野】
この発明は、フロン類、ハロン類、六フッ化硫黄、ハロゲン化水素類等のハロゲンを含む化合物や、ハロゲンガス等(以下、これらを総称して「含ハロゲン化学物質」という。)を大量分解(破壊)処理するための分解処理方法及び分解処理装置に関する。本明細書で「反応」とは、「分解」、「解離」を含む広い意味である。
【0002】
【背景技術】
昨今、オゾン層破壊低減の見地からフロン類生産・使用規制が始まる前に生産された冷蔵庫や冷房装置(エアコン)が廃棄されつつある。また、フロン類、ハロン類は、工業製品等の洗浄に、六フッ化硫黄は電気絶縁用気体として電気機器にそれぞれ多用されている。それらの含ハロゲン化合物は、高い温暖化係数を示す温室効果ガスとして(フロン類はさらにオゾン層破壊ガスとしても)知られている。
【0003】
このため、使用済みの回収した廃棄含ハロゲン化合物を、効率的に分解処理する方法及び装置が要望されている。そこで、当該要望に応えるべく分解処理装置(吸着剤を含む。)が、例えば、特許文献1〜4等において提案されている。
【0004】
特許文献1・2に示す分解処理装置は、立て型石灰焼成炉を利用したもので、導入部から有機ハロゲン化合物をその炉内に導入することができるとともに、炉内には石灰石又はドロマイトからなる吸着剤が配置されるようになっている。そして、炉内において800〜1400℃の温度下で吸着剤と有機ハロゲン化合物とを接触させることで、有機ハロゲン化合物が分解処理できるようになっている。(特許文献4
【0003】から引用)
しかし、上記処理装置の場合、800〜1400℃の炉内温度で融着して、吸着剤が塊状となって、大量の分解処理が困難であった。石灰又はドロマイトと含ハロゲン化合物が反応して生成する塩化カルシウム(CaCl)や塩化マグネシウム(MgCl)の融点(CaCl:772℃、MgCl:712℃)が炉内温度より低いためである(同
【0004】、
【0005】参照)。
【0005】
そこで、下記構成の有機ハロゲン吸着剤(特許文献3)、及び該吸着剤を使用した有機ハロゲン分解処理装置が提案されている(特許文献4)。
【0006】
この有機ハロゲン吸着剤は、
(a)酸化マグネシウムを50重量%以上含有する吸着剤、又は、
(b)酸化マグネシウムと酸化カルシウムとを含有し、その含有量が合わせて50重量%以上であるとともに、[酸化カルシウム/(酸化マグネシウム+酸化カルシウム)](モル比)が0.67以下である吸着剤、
であり、有機ハロゲン化合物の分解処理装置は、
反応部に有機ハロゲン化合物と吸着剤が反応部から連続的に排出されるように構成した有機ハロゲン化合物の分解処理装置であって、吸着剤が上記の(a)又は(b)であることを特徴とするものである。
【0007】
しかし、上記構成においては、ある程度大量処理(効率処理)が可能になるが、やはり、大量処理を行なおうとすると、固体アルカリ材(酸化マグネシウム、酸化カルシウム等)(以下「吸着剤」と称す。)が腐食性ガス(ハロゲンガス等)と反応中に融着する現象が若干見られた。
【0008】
したがって、有機ハロゲン化合物を大量(例えば、20kg/h程度)に処理することが機構的に困難であった。
【0009】
また、吸着剤(分解処理剤)も、MgOを所定比率以上(CaOを併用する場合は、13%以上)含有することが必須であり、吸着剤の選択幅が狭かった。このような問題は、ハロゲンガスやハロゲン化水素類等の分解処理時にもいえることである。
【0010】
【特許文献1】
特許第2795837号公報
【特許文献2】
特開平10−225618号公報
【特許文献3】
特開2001−79344公報
【特許文献4】
特開2002−165898公報
【0011】
【発明の開示】
本発明は、上記にかんがみて、含ハロゲン化学物質を従来にもまして、大量処理が容易となり、さらには、吸着剤の選択幅も広げることができる含ハロゲン化学物質の分解処理方法及び分解処理装置を提供することにある。
【0012】
本発明は、上記課題を、解決するために鋭意開発に努力をする過程で、前述の「吸着剤が融着する」という課題の原因は、「高温の吸着剤と、含ハロゲン化学物質が大量に(高濃度で)接触することにより、部分的ないし局所的に過剰反応が発生して、融点の低い化合物(塩化物、臭化物など)が局所的ないし部分的に大量生成するためである。」ことを解明して、下記構成の含ハロゲン化学物質の分解処理方法に想到した。
【0013】
吸着剤からなる充填層を備えた反応管に、含ハロゲン化学物質(被処理ガス)を連続的に導入・導出して、被処理ガスを分解反応させながら吸着剤に(反応)吸着させて前記含ハロゲン化学物質を分解処理する方法において、
充填層にガスの流れ方向に沿ってガス拡散帯および反応帯を連続的に形成し、反応帯を分解反応温度に維持しながら、ガス拡散帯を分解反応温度未満に制御し、反応帯にガス拡散帯を介して被処理ガスを導入することを特徴とする。
【0014】
反応帯に分解反応温度未満に制御された吸着剤からなるガス拡散帯を介して被処理ガスが導入されるため、被処理ガスが分解反応温度以上に維持された反応帯に直接導入される場合に発生する問題点(吸着剤の融着現象)が発生しない。ガス拡散帯により導入ガスが分散(希釈)されながら反応帯に移動するため、導入ガスが高濃度で吸着剤と接触して、部分的ないし局所的に急激な(過剰な)反応が発生し難い。
【0015】
上記構成において、分解反応温度の設定は、通常、600℃以上とする。600℃未満では、効率的な含ハロゲン化学物質の分解反応が期待できないためである。
【0016】
上記構成において、反応管に吸着剤を連続的又は間欠的に供給・排出することにより、充填層を流動層とすることが望ましい。吸着剤の流動により、導入ガスの拡散及び温度傾斜帯が形成され易く、さらには、たとえ、吸着剤粒子相互が融着しようとしても、当該融着が阻止(防止)される。
【0017】
そして、上記構成において、ガス拡散帯の被処理ガス導入口と、反応帯のガス導出口との間で差圧制御を行なうことが望ましい。ガス流れの円滑化のためである。
【0018】
反応管を立て型とすることにより、吸着剤からなる充填層の形成及び、該充填層の流動化も、重力を利用でき容易となる。
【0019】
そして、上記方法に使用する含ハロゲン化学物質の分解処理装置は、下記構成となる。
【0020】
吸着剤の充填層を備えた反応管に、含ハロゲン化学物質(被処理ガス)を連続的に導入・導出して、被処理ガスを吸着剤に接触させて含ハロゲン化学物質の処理を行なうための装置であって、
充填層が、被処理ガスの流れ方向に沿って、被処理ガス導入口を備えたガス拡散帯と、被処理ガス導出口を備えた反応帯とを備え、
反応管の反応帯対応部位には加熱手段が配されている、
ことを特徴とする。
【0021】
【発明を実施するための最良の形態】
本発明の含ハロゲン化学物質の分解処理方法に使用する分解処理装置の一例を図例(図1に示すモデル図)に基づいて説明をする。
【0022】
本分解処理方法に使用する装置は、上位概念的には、吸着剤からなる充填層12を備えた反応管14に、含ハロゲン化学物質(被処理ガス)を連続的に導入・導出して、被処理ガスを分解させながら吸着剤に主として反応吸着させて接触させて含ハロゲン化学物質の処理を行なうための装置である。
【0023】
ここで、吸着剤としては、通常、カルシウム系のものを使用し、石灰石やドロマイトを焼成して得られる生石灰(CaO)や軽焼ドロマイト(CaO・MgO)を使用するが、さらには、消石灰(Ca(OH))石灰石(炭酸カルシウム(CaCO))、けい酸カルシウム(CaSiO)等も使用可能である。
【0024】
また、吸収剤の粒径は、粒子形状により異なるが、通常2〜50mm、望ましくは5〜20mmとする。粒径が小さすぎては、充填層12(ガス拡散帯、反応帯)の空隙率が低くてガス流れが阻害されて、また、粒径が大きすぎては、粒子内へのガス拡散が不充分であるため、それぞれ、最適な処理効率(拡散効率及び吸着反応効率)を得難い。
【0025】
そして、該充填層12は、ガスの流れ方向に沿って、被処理ガス導入口16を備えたガス拡散帯18と、被処理ガス導出口20を備えた反応帯22とを備えている。図例では、反応管14は立て型(図例では垂直)とされ、ガス拡散帯18と反応帯22が上下に形成されるようになっている。また、ガス導入口16は、ガス拡散帯18にガス流れが下方に向かうようにガイド(案内)キャップ24が取り付けられている。
【0026】
そして、ガス導入口16(導入パイプ)とガス導出口20(導出パイプ)との一方側又は双方側には、ガス流れを吸引により発生させるために、差圧発生手段(気体輸送機)、図例ではブロア26がガス導出口20側に配されている。気体輸送機としては、通常、加圧輸送機となる送風機(ファン、ブロア)又は減圧輸送機となる圧縮機(コンプレッサ)を、適宜、要求処理量、反応管14の充填密度に対応させて適宜選定する。
【0027】
反応管14の反応帯22対応部位には電熱ヒータ(加熱手段)28、30が配されている。この電熱ヒータは、図示しない制御手段で出力制御可能なものを使用する。加熱手段としては、電熱ヒータ(抵抗発熱体)に限らず、誘導加熱等の他の電気加熱手段あるいは燃焼加熱等の火力加熱手段であってもよい。
【0028】
図例では筒状電熱ヒータからなる外設ヒータ28、及び反応帯22対応部位のみ加熱部とされたシーズドヒータ(電熱ヒータ)からなる内設ヒータ30とからなる。反応帯22の横断面内外の温度差を小さくするためである。ここで、外設ヒータ28のみ又は内設ヒータ30のみでもよい。また、内設ヒータを複数本としてもよい。
【0029】
他方、反応管14のガス拡散帯18対応部位には、第一冷却手段32が配されている。第一冷却手段32は、反応管14の一部を放熱蛇腹部で形成した空冷手段であるが、水冷手段であってもよい。
【0030】
さらに、反応管14の上方には、吸着剤供給ホッパ34が、反応管14の下方には吸着剤排出手段(機構)36が配されている。そして、吸着剤排出手段は、通常、の強制排出手段(図例ではねじコンベヤ(スクリューコンベヤ))36とし、強制排出手段の吸着剤流入口側と、反応管14の下端側(吸着剤流出口)との間には、吸着剤が移動する導管(連絡管、ダクト)38が配されている。そして、導管38の外周には第二冷却手段(図例では水冷ジャケット40)が配されている。
【0031】
この導管38は、反応管14の下端側から流出(流下)してきた吸着剤を冷却する作用を奏して吸着剤冷却帯42を形成するものである。吸着剤冷却帯42を介さずにねじコンベヤ36等の強制排出手段に直接吸着剤を流入させると、強制排出手段として特別な耐熱仕様のものを使用する必要がある。なお、この吸着剤冷却帯42は、ねじコンベヤ36等の強制排出手段と協働して、強制排出手段の出口36aを介してのガス導出口20との間のガス流れを絞る作用も奏する。ガス導出口20と強制排出手段出口36aとの間に、流体流れの圧損を発生させる吸着剤充填部が形成されるためである。この作用により、ガス導入口16からガス導出口20への被処理ガスの流れが円滑となる。
【0032】
すなわち、ガス導出口20と(強制)排出手段排出口36aの間のガス流れが絞られないと(自由であると)、被処理ガスを差圧制御により輸送(ガス移動)させるに際して、吸引制御の場合は外気が吸引されて、加圧制御の場合は排出手段出口に処理済みガスが逃げて、ガス流れが円滑に行なわれない。
【0033】
なお、該ガス流れをより円滑とする必要がある場合は、強制排出手段出口36aを回収コンテナ48も含めて略密閉状態とすることが望ましい。
【0034】
ここで、強制排出手段(コンベヤ)としては、図例のねじコンベヤ36でなくても、ベルトコンベヤ、エプロンコンベヤ、バケットコンベヤ等でもよい。なお、ねじコンベヤ(スクリューコンベヤ)36の方が他のコンベヤに比して、吸着剤を密状態で搬送可能なため外気封鎖性を確保し易い。なお、ねじコンベヤ36のねじ部(スクリュー軸)37には、適宜、冷水を通過させて排出吸着剤を積極的に冷却するようにしてもよい。
【0035】
また、間欠的に吸着剤を排出させる場合は、プランジャー方式でもよく、さらには、自由落下方式としてもよい。
【0036】
なお、図例中、44は歯車伝動手段であり、通常、原動機46の出力軸と接続されている。
【0037】
次に、上記含ハロゲン化学物質の分解処理装置の使用態様、すなわち、本発明の含ハロゲン化学物質の分解処理方法について説明する。
【0038】
まず、ねじコンベヤ36を停止させた状態で、吸収剤供給ホッパ34内に投入口34aの蓋46をあけて、導管38内および反応管14内が充填され、さらに、供給ホッパ34が略一杯になるまで吸着剤を投入する。
【0039】
次に、外設・内設電熱ヒータ28、30をオン(ON)として、反応帯22の内部雰囲気温度を、含ハロゲン化学物質の分解反応温度以上となるまで昇温させ維持する。ここで、分解反応温度の設定温度は、分解反応(効率)の見地から、通常、600℃以上、望ましくは、700℃以上、さらに望ましくは、900℃以上とする。そして、上限は、熱効率及び化学平衡の見地から、約1400℃以下、望ましくは1200℃以下とする。
【0040】
ここで、当該設定温度は、反応帯22の略中央部位置、例えば、図1のD点ないしE点におけるものとする。
【0041】
そして、通常、第一冷却手段(放熱蛇腹)32を備えたガス拡散帯18は、分解反応温度未満である。ここで、ガス拡散帯18は、通常、分解反応温度より格段に低い温度、高くて200℃以下、通常100℃以下の温度雰囲気になっている(例えば、図1のB点)。これは、ガス拡散帯18を形成する吸着剤の充填層12の熱伝導率が非常に低く、反応帯22の温度影響を受け難いためである。
【0042】
この状態で、ブロア26を運転(稼動)させると、含ハロゲン化学物質は、ガス導入口16から反応管14の充填層12内へ吸引導入される。すると、ガス導入口16から吸引導入された被処理ガスは、ガス拡散帯18で拡散されながら反応帯22ヘ輸送(搬送)される。
【0043】
このとき、ガス拡散帯18の吸着剤雰囲気温度は、被処理ガスの分解反応温度未満である。このため、被処理ガスは、吸着剤の充填隙間で拡散されながら反応帯22に移動する。
【0044】
反応帯22に到達した被処理ガスは、反応帯22で、分解後、反応吸着されてハロゲン成分が除去された排ガスとしてガス導出口20から排出される。
【0045】
なお、ガス拡散帯18の反応帯22との境界部には、温度傾斜ゾーン(例えば、100℃以上600℃未満)である移行帯(中間帯)が存在する。
【0046】
また、ガス導出口20は、図示しないが、例えば、脱水槽、集塵槽等の所要の後処理設備に接続されている。
【0047】
そして、ねじコンベヤ36を駆動させると、反応管14内の吸着剤は重力により、下方へ徐々に移動して、吸着反応が済んだ使用済み吸着剤は、導管38を介してねじコンベヤ36の入口に到達し、さらに、コンベヤ出口36aから回収コンテナ48内に落下排出される。
【0048】
このとき、反応管14内の充填層12は流動状態になり、たとえ、吸着剤の表面に融点の低い吸着反応生成物層が発生して吸着剤相互が融着しようとしても、吸着剤相互が流動しているため融着による吸着剤固着現象が発生することがない。
【0049】
また、導管38内の吸着剤は移動により放熱冷却されるとともに、水冷ジャケット(第二冷却手段)40でさらに強制冷却されて、コンベヤ36に達する。このため、コンベヤ36が耐熱仕様でなくてもコンベヤ36を傷めることがない。さらには、導管38内及びコンベア36内には、吸着剤の充填部が形成されて、ガス導出口20とコンベヤ出口36aとの間のガス流れが絞られ、外気がコンベヤ出口36aからガス導出口20へ吸引されるのが抑制される。このため、処理ガスのガス導入口16からガス導出口20への流れが円滑となる。結果的に、含ハロゲン化学物質の大量分解処理が容易となる。
【0050】
上記実施形態において、反応管14内の吸着剤充填層12を固定層として、バッチ的に所定量のガスを処理後、処理ガス導入を止めて、コンベヤ36を駆動させて、反応管14内の吸着剤充填層12を、供給ホッパ34から未使用吸着剤を流下させた未使用吸着剤に入れ替えてもよい。
【0051】
上記では反応管14を垂直立て型としたが、傾斜立て型であっても、吸着剤を自重落下可能な傾斜角度なら、上記立て型と同様な作用効果を期待できる。
【0052】
また、反応管14を横型としてもよい。この場合、流動層を形成される場合、スクリュー等の耐熱送り機構を反応管14内に配設する。
【0053】
ここで、本発明の特徴的機構及び成果を、まとめると、下記の如くになる。
【0054】
A.特徴的機構
(1)拡散機構
吸着剤と含ハロゲン化学物質が高温で局所的に接触することを防ぐためには、拡散帯において低温の吸着剤と接触させ、吸着剤中に含ハロゲン化学物質を十分拡散させることが必要である。吸着剤は断熱材と同様に蓄熱する性質を有しており、吸着剤の温度は容易に下がらない。したがって、反応管上部に温度の低い吸着剤充填層からなる拡散帯を形成し、該拡散帯に含ハロゲン化学物質を導入し、含ハロゲン化学物質が十分拡散させた機構を設けた。
(2)強制排出機構
吸着剤が多少融着しても、連続的な排出を容易にするために、機械的に強制排出する機構を設けた。
(3)差圧制御機構
反応管上部から含ハロゲン化学物質の導入を促進させるため、差圧制御機構をも設けた。
【0055】
B.本発明の効果
(1)含ハロゲン化学物質の処理結果
上記の対処により、本装置では吸着剤の融着が生じなくなり、大量の含ハロゲン化学物質を処理することが可能となった。
(2)吸着剤の選択幅の拡大
吸着剤が融着しにくくなったことより、従来法では使用できなかったMgO含有率33%未満の吸着剤も使用できるようになり、吸着剤の選択の幅が広がった。
【0056】
【試験例】
次に、本発明の効果を確認するために行なった、実施例と比較例について、行なった比較試験について説明をする。
【0057】
【試験例】
本発明の効果を確認するために行った図1(実施例)又は図2(比較例)の含ハロゲン化学物質の分解処理装置を使用して、下記各条件で含ハロゲン化学物質の分解処理試験を行った。
【0058】
<分解処理装置の説明>
実施例の分解処理装置は、図1において下記の仕様のものを使用した。
【0059】
反応管14:10Bインコネル管(267.4mmφ×1400mm)にステンレス伸縮管(250A×205mm)を接続して形成しもの。充填量:約800kg。
【0060】
導管38:ステンレス20鋼管(508mmφ×550mm)で形成したもの。充填量:約500kg。
【0061】
ねじコンベヤ36:排出速度35〜110kg/h、開口口20B鋼管。
【0062】
内設ヒータ:12kW、外設ヒータ:24kW。
【0063】
ガス導入口、ガス導出口:1B鋼管(34.0mm)
また、比較例の分解処理装置は、図2に示す如く、ガス導入を下側のガス導入口16Aから行い、ガス導出を上側のガス導出口20Aから行なうガス拡散帯が存在しない機構とするとともに、ガイドキャップ24を取り外したものを使用した。他の構成・仕様は、実施例に使用した分解処理装置と同一である。
【0064】
<分解処理試験方法・結果>
図1(実施例)の分解処理装置に、ハロン(1301)濃度50%のエア混合ガス(被処理ガス)を、100L/min(ガス処理量20kg/h)の条件で導入して、分解処理を行った。そして、ガス導出口からの排ガス中のハロンガス含有率は、3ppmで、処理ガスの分解率は99.99%であった。
【0065】
これに対して、図2(比較例)の分解処理装置に、ハロン(1301)濃度32%の空気混合ガス(被処理ガス)を、54L/min(ガス処理量7kg/h)の条件で導入して、分解処理を行った。しかし、吸着剤が融着して実質的に分解処理ができなかった。なお、ガス処理量2kgでは、分解処理可能なことを確認している。
【0066】
表1に、上記分解処理時の図1及び図2における各点温度を測定したので、参考的に示す。
【0067】
【表1】
Figure 2004261726

【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分解処理装置の一実施例における構成断面図。
【図2】図1の装置を処理ガスを下部導入した比較例における構成断面図。
【符号の説明】
12・・・充填層
14・・・反応管
16・・・ガス導入口
18・・・ガス拡散帯
20・・・ガス導出口
22・・・反応帯
26・・・差圧発生手段(ブロア)
28・・・外設ヒータ(加熱手段)
30・・・内設ヒータ(加熱手段)
32・・・第一冷却手段(蛇腹放熱)
36・・・吸着剤排出手段(ねじコンベヤ)
38・・・導管
40・・・第二冷却手段(水冷ジャケット)

Claims (10)

  1. 吸着剤からなる充填層を備えた反応管に、含ハロゲン化学物質(被処理ガス)を連続的に導入・導出して、被処理ガスを分解させながら前記吸着剤に反応吸着させて前記含ハロゲン化学物質を分解処理する方法において、前記充填層に、ガスの流れ方向に沿ってガス拡散帯および反応帯を連続的に形成し、該反応帯を分解反応温度に維持しながら、前記ガス拡散帯を前記分解反応温度未満に制御し、該ガス拡散帯を介して前記反応帯に前記被処理ガスを導入する、
    ことを特徴とする含ハロゲン化学物質の分解処理方法。
  2. 前記分解反応温度の設定温度を600℃以上とすることを特徴とする請求項1記載の含ハロゲン化学物質の分解処理方法。
  3. 前記反応管に前記吸着剤を連続的又は間欠的に供給・排出することにより、前記充填層を流動層とすることを特徴とする請求項1又は2記載の含ハロゲン化学物質の分解処理方法。
  4. 前記ガス拡散帯の被処理ガス導入口と、前記反応帯のガス導出口との間で差圧制御を行なうことを特徴とする請求項1、2又は3記載の含ハロゲン化学物質の分解処理方法。
  5. 前記反応管が立て型であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の含ハロゲン化学物質の分解処理方法。
  6. 吸着剤からなる充填層を備えた反応管に、含ハロゲン化学物質(被処理ガス)を連続的に導入・導出して、被処理ガスを分解させながら前記吸着剤に反応吸着させて含ハロゲン化学物質の分解処理を行なうための装置であって、
    前記充填層が、ガスの流れ方向に沿って、被処理ガス導入口を備えたガス拡散帯と、被処理ガス導出口を備えた反応帯とを備え、
    前記反応管の反応帯対応部位には加熱手段が配されている、
    ことを特徴とする含ハロゲン化学物質の分解処理装置。
  7. 前記反応管のガス拡散帯対応部位に冷却手段が配されていることを特徴とする請求項6記載の含ハロゲン化学物質の分解処理装置。
  8. 前記反応管に前記吸着剤の連続強制排出手段が接続されていることを特徴とする請求項6又は7記載の含ハロゲン化学物質の分解処理装置。
  9. 前記ガス拡散帯のガス導入口と前記反応帯のガス導出口の間に差圧を発生させる差圧制御手段を備えていることを特徴とする請求項6、7又は8記載の含ハロゲン化学物質の分解処理装置。
  10. 前記反応管が立て型であることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の含ハロゲン化学物質の分解処理装置。
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