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JP2004256563A - スターポリマーの製造方法 - Google Patents

スターポリマーの製造方法 Download PDF

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JP2004256563A
JP2004256563A JP2003045335A JP2003045335A JP2004256563A JP 2004256563 A JP2004256563 A JP 2004256563A JP 2003045335 A JP2003045335 A JP 2003045335A JP 2003045335 A JP2003045335 A JP 2003045335A JP 2004256563 A JP2004256563 A JP 2004256563A
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JP
Japan
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star polymer
vinyl monomer
polymerization
core
monomer
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP2003045335A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Sogabe
敦 曽我部
Kazuyuki Miyazawa
和之 宮沢
Koji Ishizu
浩二 石津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shiseido Co Ltd
Original Assignee
Shiseido Co Ltd
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Publication date
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Priority to JP2003045335A priority Critical patent/JP2004256563A/ja
Publication of JP2004256563A publication Critical patent/JP2004256563A/ja
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Abstract

【課題】アームとして希望するモノマーの重合と、多官能なコアを構成するモノマーの重合とを、それぞれのモノマーから同一反応容器(ワンポット)内で同時に行い、一段階の工程で多分枝のスターポリマーを重合する製造方法を提供すること。
【解決手段】リビングラジカル重合の開始種となる官能基を有するビニルモノマー(1)と、該モノマーと重合溶媒中にて優先的に共重合を行うビニルモノマー(2)と、過剰量のその他のビニルモノマー(3)とを、反応容器に一括して仕込み、熱若しくは紫外線、超音波、金属錯体の添加によりリビングラジカル重合を開始させ、最初に、該ビニルモノマー(1)と該ビニルモノマー(2)とが重合溶媒中にてコンプレックスを生成し優先的に共重合が開始されスターポリマーのコアとなる共重合体が生成し、次に、該コアとなる共重合体を中心とし、該ビニルモノマー(3)の重合が開始されてスターポリマーの複数のアームが構成されることを特徴とするスターポリマーの製造方法。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はスターポリマーの製造方法に関する。さらに詳しくは、スターポリマーの中心となるコアのみを構成するモノマーと、そのコアを中心としてアームとなる重合体を構成するモノマーとを一括して一つの反応容器に充填し、ワンステップで、スターポリマーを重合することが可能な製造方法に関するものである。
また、多くのアームを有し、分子量分布が狭く、有機溶媒や水に可溶なスターポリマーに関する。
【0002】
【従来の技術】
スターポリマーは、アニオンリビングポリマーを多官能カップリング剤によりカップリングして製造する方法(アームファースト法)と、あらかじめ多官能開始種を合成して、そこから腕を伸ばす方法(コアファースト法)が一般的である。
例えば、アームファースト法では、(メタ)アクリル酸エステル系スターポリマーの製造方法として、リビングアニオン重合法により、(メタ)アクリル酸エステル類を共重合した後、多官能のポリハロゲン化合物を用いてカップリング反応を行うことにより、(メタ)アクリル酸エステル系スターポリマーを製造している(例えば、特許文献1参照)。
また、コアファースト法では、(メタ)アクリル酸エステル系スターポリマーの製造方法として、リビングラジカル重合法により、(メタ)アクリル酸エステル類とジビニルモノマーの共重合により多官能開始種を合成し、その後、腕となるビニルポリマーを新たに添加することにより、(メタ)アクリル酸エステル系スターポリマーを製造している(例えば、非特許文献1参照)。また、特許文献2の実施例では、コアファースト法によるリビングラジカル重合により、ポリスチレンをアームとするスターポリマーを製造している。
【0003】
このように、スターポリマーの製造は、アームとなるポリマー鎖の重合反応と、そのポリマー鎖を中心となるべきコアに複数連結させる反応とは、2段階に分けて別々に行われている。
【0004】
一般に、スターポリマーは、「3本以上のアームとなるポリマー鎖が、そのアームの中心であるコアで連結したポリマー」と定義され、その中心となるコアは、上記特許文献1に見られる多官能のポリハロゲン化合物や、多官能モノマーの架橋重合体が使用されている。
【0005】
アームが10本以上の多分枝のスターポリマー(マルチアームスターポリマー)は、ジビニルベンゼンの架橋体をコアとして、モノカルバニオンのポリマー鎖を、ジビニルベンゼンで架橋する方法が行われている(例えば、非特許文献2〜4参照)。また、特許文献3の実施例においては、多官能モノマーにジビニルベンゼンを用い、マクロモノマーと共重合させて、多分枝のマルチアームスターポリマーが製造されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−29617号公報
【特許文献2】
特開平8−81514号公報
【特許文献3】
特開2000−290326号公報
【非特許文献1】
Sawamoto , Macromolecules 2001,34,7629−7635
【非特許文献2】
Bi,L.K.; Fetters,L.J. Macromolecules 1975,8,90.
【非特許文献3】
Bi,L.K.; Fetters,L.J. Macromolecules 1976,9,732.
【非特許文献4】
Alward,D.B.; Kinning, D.J.;Thomas,E.L.; Fetters,L.J. .Macromolecules 1986,19,215.
【0007】
しかしながら、アームとなるポリマー鎖をジビニルベンゼンを使用して架橋する方法は、スターポリマーがさらに架橋してマクロゲル化するため、溶媒に不溶となり、その利用が制限されてしまうという問題点がある。また、分子量分布が狭いものは得られない。
【0008】
また、アームとなるマクロモノマーの重合と、コアとなるジビニルベンゼンなどの多官能モノマーの重合を一緒に行うことは出来ない。すなわち、コアを構成する多官能のモノマーと、アームを構成するビニルモノマーとを、反応容器に一括して仕込み、ワンポットで重合反応を行うと、複雑に架橋したポリマーが生成し、スターポリマーは得られない。また、コアを構成するモノマーとアームを構成するモノマーとが互いに共重合して、アームとなるべきポリマー鎖中にコアを構成するモノマーが重合してしまう。
【0009】
例えば、リニアなポリメタクリル酸メチルをアームとするスターポリマーを得たい場合に、コアとなる多官能モノマーとメタクリル酸メチルとを同時に一括して反応容器に仕込み、ワンポットで重合を行ったとしても、多官能モノマーのみがコアを構成し、メタクリル酸メチルのみがアームを構成するスターポリマーを得ることは決して出来ない。コアを構成するモノマーが多官能であればあるほど、アームを構成するメタクリル酸メチルが多官能モノマーの影響を大きく受けてしまう。
【0010】
一方、コアファースト法では、あらかじめ多官能開始種を有機合成的な手法により得る方法がとられる。しかしながら、ひとつのコアに開始種を多数を持たせることが困難である。多数の開始種を持たせる場合には、合成操作が何ステップにもおよび煩雑になりかつ精製も困難である。
【0011】
また、開始種と架橋剤を同時に仕込み、重合反応を行い、多官能の開始種を有するコアを合成することができる。しかしながら、アームとなるモノマーを同時に仕込んでおくことはできない。アームとなるモノマーを同時に仕込むと、アームとなるモノマーと架橋剤が反応し、架橋されたアームができてしまう。これではスターポリマーを得ることができない。
【0012】
したがって、従来のスターポリマーの製造方法は、アームとなるポリマー鎖の重合(例えばマクロモノマーの製造)と、多官能開始種を有するコアの合成とは独立して別に行わなければならず、所謂2段階の工程が必要であった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、全く新しい発想に基づくスターポリマーの製造方法であって、その特徴は、アームとして希望するモノマーの重合と、多官能なコアを構成するモノマーの重合とを、それぞれのモノマーから同一反応容器(ワンポット)内で同時に行い、一段階の工程で多分枝のスターポリマーを製造する方法を提供するものである。
【0014】
本発明の製造方法によれば、アームとなるポリマー鎖の重合をコアとなるべき多官能のモノマーと同一容器内で一緒に重合を進めても、アームは希望するモノマーのみからなるリニアなポリマー鎖となる。すなわち、アームのポリマー鎖は共存するコアとなるべきモノマーによって影響を受けず、多官能モノマーが共存していてもアームの重合鎖が分枝することはない。また、架橋が起らず、得られるスターポリマーは溶媒(有機溶媒若しくは水)に可溶である。この事実は決して予期し得ない、驚くべき効果である。
【0015】
また、スターポリマーは、そのコアが、多数のアームを結合させることが可能な多官能コアであればあるほど、スターポリマーとしての特異性は発揮される。本発明の方法によれば、そのコアとなるモノマーの仕込み量を変化させるだけでコアの多官能性を自由に調製することができ、多数のアームを有するマルチアームスターポリマーを容易に製造することが出来る。
しかも、そのコア自身に関しても、非常に分枝が多いハイパーブランチドコア(超多分枝コア)を極めて容易に製造できる。ハイパーブランチドコアであれば、コア自身の密度が高く、多官能コアの利点を十分に発揮出来る。そして、得られるスターポリマーは極めて高密度のものとなる。
【0016】
さらに、前記リビングラジカル重合の開始種が、ジチオカルバメート基誘導体である場合には、アニオン重合で一般的に使用される高価な遷移金属触媒を使用する必要がない。また、同一容器(ワンポット)による一工程でスターポリマーが製造できるため、工業的に極めて有利な製造方法である。
【0017】
本発明の製造方法によって得られるスターポリマーは熱や光や超音波、金属触媒によって重合が開始されるリビングポリマーであるため、分子量を調整することが容易であり、狭い分子量分布を有する。また、得られたスターポリマーに、若しくは本発明の一工程によるスターポリマー製造後に引き続いて異なるビニルモノマーを反応容器に添加すれば、容易にブロック共重合体やランダム共重合体がさらに伸びていくアームが得られ、その応用範囲は極めて広い。
【0018】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、リビングラジカル重合の開始種となる官能基を有するビニルモノマー(1)と、該モノマーと重合溶媒中にて優先的に共重合を行うビニルモノマー(2)と、過剰量のその他のビニルモノマー(3)とを、反応容器に一括して仕込み、熱若しくは紫外線、超音波、金属錯体の添加によりリビングラジカル重合を開始させ、最初に、該ビニルモノマー(1)と該ビニルモノマー(2)とが重合溶媒中にてコンプレックスを生成し優先的に共重合が開始されスターポリマーのコアとなる共重合体が生成し、次に、該コアとなる共重合体を中心とし、該ビニルモノマー(3)の重合が開始されてスターポリマーの複数のアームが構成されることを特徴とするスターポリマーの製造方法を提供するものである。
【0019】
また、本発明は、該モノマーと重合溶媒中にて優先的に共重合を行うビニルモノマー(2)が、ラジカル重合性2重結合を2以上有する多官能モノマーであることを特徴とする上記のスターポリマーの製造方法を提供するものである。
【0020】
さらに、本発明は、リビングラジカル重合の開始種となる官能基を有するスチレン系ビニルモノマーと、マレイミドの誘導体と、過剰量のその他のビニルモノマーとを、反応容器に一括して仕込み、熱若しくは紫外線によりラジカル重合を開始させ、最初に、前記スチレン系ビニルモノマーと、マレイミドの誘導体とが優先的に共重合を開始しスターポリマーのコアとなる共重合体が生成し、次に、該コアとなる共重合体を中心とし、その他のビニルモノマーの重合が開始されてスターポリマーの複数のアームが構成されることを特徴とするスターポリマーの製造方法を提供するものである。
【0021】
また、本発明は、前記リビングラジカル重合の開始種となる官能基が、ジチオカルバメート基誘導体であることを特徴とする上記のスターポリマーの製造方法を提供するものである。
【0022】
さらに、本発明は、前記マレイミドの誘導体がビス体であることを特徴とする上記のスターポリマーの製造方法を提供するものである。
【0023】
また、本発明は、N、N−ジエチルジチオカルバミルメチルスチレンと、4、4’−ビスマレイミデジフェノルメタンと、過剰量のその他のビニルモノマーとを反応容器に一括して仕込み、紫外線を照射してリビングラジカル重合を開始させ、最初に、N、N−ジエチルジチオカルバミルメチルスチレンと4、4’−ビスマレイミデジフェノルメタンとが交互共重合してなる分枝共重合体が生成し、次に、該分枝共重合体がスターポリマーのコアとなり、該コアを中心とし、前記その他のビニルモノマーが重合してスターポリマーの複数のアームが構成されることを特徴とするスターポリマーの製造方法を提供するものである。
【0024】
さらに、本発明は、前記過剰量のその他のビニルモノマーが、(メタ)アクリル酸エステルであることを特徴とする上記のスターポリマーの製造方法を提供するものである。
【0025】
また、本発明は、得られるスターポリマーが溶媒に可溶であることを特徴とする上記のスターポリマーの製造方法を提供するものである。
【0026】
さらに、本発明は、N、N−ジエチルジチオカルバミルメチルスチレンと4、4’−ビスマレイミデジフェノルメタンとが交互共重合してなる分枝共重合体をスターポリマーのコアとし、該コアを中心とし、N、N−ジエチルジチオカルバミルメチル基を末端とするビニルモノマーが重合してなる複数のアームが伸びており、重量平均分子量が9000〜1000000であることを特徴とするスターポリマーを提供するものである。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳述する。
【0028】
本発明の製造方法において、第一の要件は、コアを構成する2種類のモノマーと、アームを構成するモノマーとを、同一容器内に一括して仕込み、重合を行うということである。ワンポット重合とも言い、これは一の容器内に、コアを構成するモノマーとアームを構成するモノマーとが存在することを意味する。そして、最初に、コアを構成する2種類のモノマーのみが優先的に共重合を行い、次に、コア上に存在するラジカル発生の官能基によって、アームを構成するモノマーのみの重合が開始される。その結果、希望するモノマーのみからなり、しかも分枝がないリニアなポリマー鎖をアームとするスターポリマーが一段階で製造するということである。従来は、コアを構成する多官能モノマーと、アームを構成するモノマーとを共存させて、重合を行うと、複雑に架橋してしまい、スターポリマーを得ることは不可能であった。したがって、スターポリマーの製造は、アームとなるモノマーの重合と、スターポリマーの重合とは別個に行い、2段階の工程を要するものである。本発明により、コアを構成するモノマーとアームを構成するモノマーとを共存させ、一容器内で連続的に一段階でスターポリマーを製造できるワンポット重合が実証され、完成した。
【0029】
(1)コアを構成するモノマー
リビングラジカル重合の開始種となる官能基を有するビニルモノマー(1)と、該モノマーと重合溶媒中にて優先的に共重合を行うビニルモノマー(2)とが、スターポリマーのコアを構成する。これは公知のビニルモノマー若しくは新規に今後合成されるビニルモノマーの組み合わせが適宜選択される。
本発明において、リビングラジカル重合の開始種となる官能基とは、熱、紫外線、超音波、金属錯体の添加等によりラジカルとなる官能基を意味する。また、ビニルモノマーとは、ビニル基を有するモノマーやラジカル重合性の2重結合を有するモノマーを広く意味する。
例えば、紫外線によりラジカルとなる官能基を有するビニルモノマー(1)には、N、N−ジエチルジチオカルバメート基を有するスチレン系モノマーが使用できる。公知のスチレン系モノマーに、N、N−ジエチルジチオカルバメート基を常法により導入して希望のモノマーを合成できる。N、N−ジエチルジチオカルバメート基を有するスチレン系モノマーと重合溶媒中にて優先的に共重合を行うビニルモノマーには、マレイミドの誘導体が使用出来る。マレイミドの誘導体とは、マレイミド、及びこれらから誘導される化合物であって、マレイミドが有する2重結合に基づいてラジカル重合を行うビニルモノマーを意味する。
優先的に共重合を行うとは、アームとなるその他のビニルモノマー(3)が共存する場合であっても、ビニルモノマー(1)及び(2)がすべて消費されるまで、上記のビニルモノマー(1)及び(2)のみによる共重合しか進まないことを意味している。
このようなビニルモノマー(1)及び(2)の組み合わせは、例えば、重合溶媒中にてコンプレックスを形成し、そのコンプレックスによる単独重合が進行するモノマーである。1:1のコンプレックスが生成する場合には、交互共重合体が生成する。なお、ここで言うコンプレックスとは共有結合をしていないという意味であり、ビニルモノマー(1)と(2)とが静電的に隣接して存在する場合なども意味する。すなわち、ビニルモノマー(1)と(2)が存在する位置的な関係が密接であって、その他のビニルモノマー(3)が存在しても、ビニルモノマー(1)若しくは(2)と、その他のビニルモノマー(3)との共重合が行われない状態を意味している。
【0030】
リビングラジカル重合の開始種となる官能基には、N、N−ジエチルジチオカルバメート基の他に下記の官能基が挙げられる。
熱によりラジカルとなる官能基(熱イニファータ)の例として、1,1,2,2−テトラフェニルエタン誘導体があり、例えば1−メチル−1,1,2,2−テトラフェニルエチル基、1−エチル−1,1,2,2−テトラフェニルエチル基、1−ヒドロキシ−1,1,2,2−テトラフェニルエチル基、1−メトキシ−1,1,2,2−テトラフェニルエチル基、1−エトキシ−1,1,2,2−テトラフェニルエチル基、1−ベンジルオキシ−1,1,2,2−テトラフェニルエチル基、1−シアノ−1,1,2,2−テトラフェニルエチル基、1−カルボキシエチル−1,1,2,2−テトラフェニルエチル基、1−トリメチルシリルオキシ−1,1,2,2−テトラフェニルエチル基が挙げられる。
紫外線によりラジカルとなる官能基(光イニファータ)の例として、N、N−ジメチルジチオカルバメート基、N、N−ジヒドロキシエチルジチオカルバメート基、N、N−ジメチルフェニルジチオカルバメート基、N−メチル−N−エチルジチオカルバメート基、N−メチル−N−ヒドロキシエチルジチオカルバメート基、N−メチル−N−メチルフェニルジチオカルバメート基、N−エチル−N−ヒドロキシエチルジチオカルバメート基、N−エチル−N−メチルフェニルジチオカルバメート基、N−ヒドロキシエチル−N−メチルフェニルジチオカルバメート基が挙げられる。
また、金属錯体の添加によってラジカルを生成する、原子移動ラジカル重合(ATRP)による開始種の官能基としては、ハロゲン化アルキル誘導体があり、ハロアルカン類、ハロケトン類、ハロニトリル類、ハロエステル類、ハロアルキルベンゼン類などがある。例えば、下記に示した官能基が挙げられる。
【化1】
ハロアルカン類
Figure 2004256563
ハロケトン類
Figure 2004256563
ハロニトリル類
Figure 2004256563
ハロエステル類
Figure 2004256563
ハロアルキルベンゼン類
Figure 2004256563
【0031】
上記の官能基を有する具体的なビニルモノマー(1)は、N、N−ジエチルジチオカルバミルメチルスチレン及びN、N−ジエチルジチオカルバミルメチルスチレンから誘導されるスチレン系ビニルモノマーが好ましい。これに優先的に共重合体を行うビニルモノマー(2)としては、マレイミドが使用される。最も好ましくは、N−ジエチルジチオカルバミルメチルスチレンと、4、4’−ビスマレイミデジフェノルメタンとの組み合わせであるが、本発明はこれらに限定されない、公知のビニルモノマー、若しくは今後新規に合成されるビニルモノマーも、本発明の製造方法においてスターポリマーが生成する限り、上記のビニルモノマー(1)及びビニルモノマー(2)の均等物として、本発明により保護される。
ビニルモノマー(1)及びビニルモノマー(2)の組み合わせが可能なビニルモノマーを例示する。
「ビニルモノマー(1)」
N、N−ジメチルジチオカルバミルメチルスチレン、N、N−ジヒドロキシエチルジチオカルバミルメチルスチレン、N、N−ジメチルフェニルジチオカルバミルメチルスチレン、N−メチル−N−エチルジチオカルバミルメチルスチレン、N−メチル−N−ヒドロキシエチルジチオカルバミルメチルスチレン、N−メチル−N−メチルフェニルジチオカルバミルメチルスチレン、N−エチル−N−ヒドロキシエチルジチオカルバミルメチルスチレン、N−エチル−N−メチルフェニルジチオカルバミルメチルスチレン、N−ヒドロキシエチル−N−メチルフェニルジチオカルバミルメチルスチレン、1−メチル−1,1,2,2−テトラフェニルエチルメチルスチレン、1−エチル−1,1,2,2−テトラフェニルエチルメチルスチレン、1−ヒドロキシ−1,1,2,2−テトラフェニルエチルメチルスチレン、1−メトキシ−1,1,2,2−テトラフェニルエチルメチルスチレン、1−エトキシ−1,1,2,2−テトラフェニルエチルメチルスチレン、1−ベンジルオキシ−1,1,2,2−テトラフェニルエチルメチルスチレン、1−シアノ−1,1,2,2−テトラフェニルエチルメチルスチレン、1−カルボキシエチル−1,1,2,2−テトラフェニルエチルメチルスチレン、1−トリメチルシリルオキシ−1,1,2,2−テトラフェニルエチルメチルスチレン、そのほか下記に示すビニルモノマーが挙げられる。
【化2】
Figure 2004256563
Figure 2004256563
Figure 2004256563
Figure 2004256563
Figure 2004256563
Figure 2004256563
Figure 2004256563
Figure 2004256563
Figure 2004256563
Figure 2004256563
Figure 2004256563
Figure 2004256563
Figure 2004256563
「ビニルモノマー(2)」
4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタン、4,4’、4’’−トリスマレイミドトリフェニルメタン、4,4’、4’’、4’’’−テトラキスマレイミドテトラフェニルメタン、N,N’−(1,2−フェニレン)ビスマレイミド、N,N’−(1,4−フェニレン)ビスマレイミド、1,11−ビス−マレイミドテトラエチレングリコール、1,8−ビス−マレイミドトリエチレングリコール、そのほか下記に示すビニルモノマーが挙げられる。
【化3】
2官能
Figure 2004256563
3官能
Figure 2004256563
4官能
Figure 2004256563
【0032】
本発明においては、重合溶媒中にて優先的に共重合を行うビニルモノマー(2)が、2以上のラジカル重合性2重結合を有する多官能モノマーである場合に、多数の分枝が生じるハイパーブランチドコアを生成するため、スターポリマーの製造にとって好ましい。例えば、前記マレイミドの誘導体がビス体の場合であり、具体的には、4、4’−ビスマレイミデジフェノルメタン等である。
【0033】
(2)アームを構成するビニルモノマー
アームを構成するビニルモノマーは、請求項1記載の本願発明において、その他のビニルモノマー(3)として、定義されているものである。
ビニルモノマー(1)またはビニルモノマー(2)とコンプレックスを形成しないモノマーである限り、通常の汎用ビニルモノマーを好ましく利用できる。例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ジメチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、エチレン、プロピレン、クロロエチレン、1,1−ジクロロエチレン、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、ビニルシクロヘキサン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−ブトキシアクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド、N−イソブトキシメチルアクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、メタクリルアミド、アクロイルモルホリン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、ビニルピリジン;アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸シクロペンチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸2−ピリジル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸2−エトキシエチル、アクリル酸n−ラウリル、アクリル酸n−ドデシル、アクリル酸n−ステアリル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸アリル、アクリル酸エチルカルビノール、ジメチルアミノアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、アクリル酸ソーダ、等のアクリル酸及びアクリル酸エステル化合物;メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸2−ピリジル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−メトキシエチル、メタクリル酸2−エトキシエチル、メタクリル酸n−ラウリル、メタクリル酸n−ドデシル、メタクリル酸n−ステアリル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸アリル、メタクリル酸エチルカルビノール、ジメチルアミノメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、メタクリル酸ソーダ、等のメタクリル酸及びメタクリル酸エステル化合物などのラジカル重合性モノマーを挙げることができる。特に、(メタ)アクリル酸エステル系のビニルモノマーやスチレン、ビニルピロリドンが好ましく、メチルメタクリレートが最も好ましい。
【0034】
これらのビニルモノマーは、ビニル基若しくはラジカル重合に関与できる2重結合の部分を一つ有する単官能性のモノマーである。多官能性のビニルモノマーを使用すると、アームが分枝したり架橋したりするため、望ましいスターポリマーを製造出来ない。
【0035】
上記のビニルモノマー(3)において、1種類のビニルモノマーを用いた場合はリニアな単独重合体からなるアームが生成し、また、2種類以上を用いた場合は共重合体からなるアームが構成される。
【0036】
用いるビニルモノマー(3)は、上記のコアを構成するビニルモノマー(1)及び(2)との組み合わせによって、適宜選択される。すなわち、コアを構成するモノマーの重合が完了した後に、初めて重合が開始するビニルモノマーが適宜選択されて使用される。
例えば、コアを構成するモノマーが、N、N−ジエチルジチオカルバミルメチルスチレンと、4、4’−ビスマレイミデジフェノルメタンである場合は、エチレン、プロピレン、クロロエチレン、1,1−ジクロロエチレン、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、ビニルシクロヘキサン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−ブトキシアクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド、N−イソブトキシメチルアクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、メタクリルアミド、アクロイルモルホリン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、メチルビニルケトン、N−ビニルカルバゾール、ビニルピリジン、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸シクロペンチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸2−ピリジル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸2−エトキシエチル、アクリル酸n−ラウリル、アクリル酸n−ドデシル、アクリル酸n−ステアリル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸アリル、アクリル酸エチルカルビノール、ジメチルアミノアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、アクリル酸ソーダ、等のアクリル酸及びアクリル酸エステル化合物、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸2−ピリジル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−メトキシエチル、メタクリル酸2−エトキシエチル、メタクリル酸n−ラウリル、メタクリル酸n−ドデシル、メタクリル酸n−ステアリル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸アリル、メタクリル酸エチルカルビノール、ジメチルアミノメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、メタクリル酸ソーダ、等のメタクリル酸及びメタクリル酸エステル化合物等を使用することが可能である。
【0037】
上記の(1)コアを構成するモノマーと、(2)アームを構成するモノマーは、同一容器内に一括して仕込まれる。
その条件は、(2)アームを構成するモノマーは、(1)コアを構成するモノマーに対して過剰量である。これは、コアは分子量が小さい方がよく、また、アームは分子量が大きいほど(アームが長いほど)、スターポリマーの特性が発揮されるからである。
具体的な仕込み比は、適宜決定されるが、コアを構成する2種類のモノマーをそれぞれ1モル仕込んだ場合に、アームを構成するモノマーを50〜1000モルの仕込み組成で重合を行うことが好ましい。
なお、(1)コアを構成するビニルモノマー(1)と(2)の仕込み組成は、交互共重合体が生成する場合は、1:1のモル比である。
本発明においては、この仕込み量を適宜調整することにより、容易に、アームの分子量や、コアの分枝度及び官能基の数(すなわちアームの数)を制御可能である。
【0038】
スターポリマーを重合する本発明の製造方法において、重合溶媒はコアを形成する2種のモノマーがコンプレックスを組むことを阻害しなければ特に限定されず、リビングラジカル重合に使用される溶媒(有機溶媒若しくは水)が使用出来る。例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂環族炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、テトラヒドロフランなどのエーテル系化合物類を使用する。
重合温度は、ラジカル重合の開始種により適宜決定される。例えば、N,N−ジエチルジチオカルバメート基であれば、紫外線照射によってラジカルを発生するため、特に制限されない。また、開始種がハロゲン化アルキルで金属錯体によってラジカルが生成される場合においても、重合温度は特に制限されない。開始種が、1,1,2,2−テトラフェニルエタン誘導体である場合には、熱でラジカルが発生するため、50〜150℃で重合を行う。
この開始種はビニルモノマー(1)の官能基に由来するものであり、その他の開始剤や触媒は、金属錯体の添加によって開始種が生成する場合を除き、特に用いる必要はない。
重合時間は、数分(1〜5分程度)で完了する場合もあれば、100時間程度を必要とする場合もあり、この範囲内で重合を行う。
反応容器は、通常のリビングラジカル重合で使用されるものを用いるが、ラジカル生成反応に紫外線照射を用いる場合のみ、透明容器を用いる。
重合開始前には、反応系内の酸素を十分に除去することが必要であり、窒素、アルゴンなどの不活性ガスで系内を置換させることが必要である。
重合の停止は、紫外線照射によってラジカル生成を起こしているのであれば、紫外線照射の停止によって速やかに重合は停止される。また、金属錯体の添加によってラジカルを生成しているのであれば、金属錯体の除去、もしくは酸素の封入などによる不活性化によって速やかに重合は停止される。また、熱によりラジカルを生成しているのであれば、冷却によって速やかに重合は停止される。もしくは、モノマーを全て重合により消費した場合にも重合は停止される。
スターポリマーの精製は、一般的なポリマーの精製方法に従い、貧溶媒による沈殿、透析、重合溶媒の留去などによって行う。
【0039】
重合スキームを「図1」に示す。
図1において、VA−R−VAは、ビニルモノマー(2)であり、4、4’−ビスマレイミデジフェノルメタン(BMIMと略している)を表している。ここで、VAはビニル基を表し、ラジカル重合性の官能基である。Rは2つのビニル基を除いた残基である。
ビニルモノマー(2)は、2つのVAを有する2官能性のモノマーである。間のRはアルキル基を示す。VB−DCは、ビニルモノマー(1)であり、N、N−ジエチルジチオカルバミルメチルスチレン(DTCSと略している)を表している。VB−DCにおいて、DCは、紫外線照射によりラジカルを生成す官能基を表し、N、N−ジエチルジチオカルバメート基を表している(−DCをDC基と称する)。VBは、DC基を除いた残基であり、ビニル基を有する部分を表している。
ここでは、BMIMとDTCSが、コンプレックスを組み、(VB−DC)VA−R−VA(VB―DC)が形成される。このコンプレックスは、重合反応で結合しているのではなく、静電的な相互作用により電荷移動錯体を形成し、ごく近傍に接近していることを示す。
VCは、ビニルモノマー(3)であり、アームを構成するメチルメタクリレート(MMAと略している)を表している。
【0040】
重合機構を「図2」にさらに詳細に示す。まず、紫外線照射によりVA−DCからラジカルが発生する。発生したラジカルは、2−1に示すコンプレックスと反応する。モノマーVAまたはVBまたはVAのビニル部分と付加反応する。ここではまずVAが付加した場合を例にとる。VAはVB−R−VBのVBの部分とコンプレックスを組んでいるため、速やかにVBであるビニル部分と付加反応を起こす。その結果、2−2に示すような生成物ができる。この生成物は、重合に関与しているDCと新たに付加反応したVAが持つDC基を有しており、都合2つのC基を有し、いずれもさらに新たなコンプレックスのVAもしくはVBとラジカル重合していくことが可能である。例えば新たに付加したVA−DCのDC基から生成したラジカルが他のコンプレックスと重合反応すると、2−3に示す分岐ポリマーを生成する。また、DCから生成したラジカルが他のコンプレックスと重合反応すると、2−4に示すリニアポリマーが生成する。また、2官能ビニル基のうち片方が重合された2−4に示すVB−R−VB部分においては、他方のビニル部分VBが未反応であり、他のラジカル−VA−DCによって、2−5に示す多分岐構造をとることが可能である。この場合、リビングラジカル重合の機構により、DC基同士は反応せず常にラジカルは活性である。そのために架橋反応が起ってもラジカル生成部分は減少しないため、非常にコンパクトかつ多数のラジカル開始点を有するハイパーブランチドミクロゲルを形成する。
【0041】
図1に示されている網目模様の円は、ハイパーブランチドミクロゲルと称し、これはスターポリマーのコアを表している。なお、ミクロゲルという意味は、必ずしも共重合体が架橋している意味ではなく、分枝が多数の共重合体分子同士がからみあって、重合溶媒中で凝縮して溶解し、全体として1つのスターポリマーのコアをなっていることを意味している。
【0042】
この網目模様の円を、VA−R−VAをA、VB−DCをB−DCと表して、簡易的に模式すると、「図3」に示す構造になっている。図3は交互共重合体の一態様を模式的に示すものである。これはあらゆる分枝構造が可能であるが、Aから構成される重合単位と、B−DCから構成される重合単位が必ず隣り合っており、交互に共重合している。
この共重合体は、常にB−DCのDC基から生成したラジカルにより重合が開始される。図3の3−1の部分に示すように、DC基より生成したラジカルにより、モノマーAとB−DCのビニル部分と交互共重合が行われるが、その末端は必ずDC基が可逆的に結合している。また、図3の3−2に示すように、重合したB−DCのビニル部分は重合に用いられるが、DC基はラジカル生成能を有しており、新たな重合開始点となり得る。例えば、図3の3−3に示すように、DCからラジカルを生成し、新たにAが重合され、分岐を生成する。
またAはラジカル重合性のビニル部分を2つ有する2官能性であり、例えば、図3の3−1に示すB−DCのDC基によって生成したラジカルによって重合する。また、図3の3−4に示すB−DCのDC基によって生成したラジカルによっても重合する。これにより分岐を生成する。
その結果得られるハイパーブランチドミクロゲルは、図3で示すように、高密度多分岐構造体であり、その末端は常にDC基が存在している。これらDC基同士は、ラジカル停止反応を起こすことなく、重合に関与できるため、ラジカル開始点を消失することは起きない。
【0043】
VA−R−VA、VB−DCモノマーがコンプレックスを形成し交互共重合する速度がVCモノマーと重合する速度より速いことから、重合初期の段階においてVA−R−VA、VB−DCモノマーは全て消費される。VA−R−VA、VB−DCモノマーより生成されたハイパーブランチドミクロゲルは、多数のDC基を有しており、残ったモノマーVCが重合していき、アームとなるポリマー鎖を生成する。モノマーVCは、重合に関与するビニル部分以外は有しておらず、分岐や架橋を起こすことなく、直鎖のアームを形成する。アームの最終末端は、DC基でブロックされており、これは、紫外線を照射することにより、ラジカルを発生しリビングポリマーと成り得る。スターポリマーのアームの末端がDC基でブロックされていることは、リビングポリマーの活用という点からは極めて有用ではあり、その他のビニルモノマーをさらに添加することにより、アームをブロック共重合体にすることが可能である。また、複数のビニルモノマーを添加して、VCのみからなるアームにランダム共重合体を伸ばすことも可能である。
なお、得られるスターポリマーを最終製品として使用する場合や、ラジカルを発生して反応を起こす必要はない場合、あるいは紫外線や熱によりラジカルが発生すると好ましくない用途に使用する場合には、重合禁止剤で重合を停止して、DC基によるブロックを阻止したり、あるいはDC末端を他の置換基で置き換えたりして、末端構造を変えることも自由である。すなわち、本発明のスターポリマー自体の性質は末端構造により大きく影響を受けない。例えば、コアやアームを構成するモノマー自体に由来する性質と、スターポリマーの基本的構造に由来する物性(多数のアーム、リニアなアーム、コアの多分枝性)は、リビング性を除いては、ラジカルとなる官能基のDC基で必ずしもブロックされている必要はなく、本発明においてスターポリマーの末端構造は限定されない。
【0044】
本発明により製造されるスターポリマーの分子量は、アームを構成するポリマー鎖の分子量と、そのアームに数により決定される。アームを構成するポリマー鎖の分子量は、反応容器内に過剰に添加される(2)アームを構成するモノマーの仕込み量によって決定され、また、アームの数は、(1)コアを構成するモノマーの仕込み量によって決定されるので、あらかじめ、希望する分子量やアームの数を設計することが可能である。
なお、分子量は任意の分子量を有するスターポリマーを製造可能であるが、ポリスチレン換算のGPC測定による重量平均分子量で9000〜100万程度のスターポリマーが好ましい。
【0045】
本発明により製造されるスターポリマーのアーム数は、コアを形成するモノマー濃度によって決定される。コアを構成するモノマーの仕込み濃度を調整することによって、あらかじめ、希望するアームの数を設計することが可能である。なお、アーム数は、任意のアーム数を有するスターポリマーを製造可能であるが、コアを構成するモノマーの仕込み濃度が、0.1〜10モル%が好ましい。また生成するアーム数は、10〜500本が好ましい。
本発明の製造方法で得られるスターポリマーは、同じモノマーからなり同じ分子量を有するポリマーや、従来のスターポリマーより小さい分子容積を有している。これは、特に、スターポリマーのコアがハイパーブランチド(超多分枝)な共重合体であることに由来している。したがって、同じモノマーからなり同じ分子量を有するポリマーや、従来のスターポリマーよりその溶液粘度は低く、密度は高いものとなる。
【0046】
【実施例】
次に、本発明を実施例により説明する。本発明は以下の実施例によって限定されない。
【0047】
得られたスターポリマーは次の方法により物性を測定した。
「分子量及び分子量分布」
トーソー社製の高速液体クロマトグラフHLC−8120に、低角光散乱検出器LS−8(He−Neレーザー、検出角度5度)がついたものをGPCとして用いた。カラムは、2本のTSKゲルカラムを用い、GMHXL、G2000HXLを用い、単分散ポリスチレン標準試料を用いて検量線を求め、ポリスチレン換算により求めた。溶媒はテトラヒドロフラン、測定温度は38℃である。
「アームの分子量」
JEOL社製の1H−NMRにより、DC基由来のメチレン基(δ3.7と4.0ppm)とPMMA由来のメトキシ基(δ4.06ppm)のピーク面積比をもとに、MMAユニットに対するDCユニットの比を見積もった。測定はCDCl中で行った。スターポリマーのアーム数の長さは、DCユニット1つあたりのMMAユニットに相当するため、これによりアームの長さすなわちアーム1本あたりの分子量が求められる。
「アームの数」
スターポリマーは、コア部分は非常にコンパクトであり、またコア部分の分子量はアームの分子量に比較して非常に小さく、全体の分子量にほとんど影響を与えない。そのためさきほど求めたスターポリマー全体の分子量をアーム1本の分子量で除することで、アームの数が求められる。
「粘度」
ウベローデ粘度計を用いて、ベンゼン中30℃における固有粘度[η]を求めた。
【0048】
「モノマーの調製」
N、N−ジエチルジチオカルバミルメチルスチレンは、公知文献(Macromolecules 2002、35、3781)に記載されている方法により、市販品のパラクロロメチルスチレンとN、N−ジエチルジチオカルバミルナトリウムとをアセトン中にて反応させて調製した。
4、4’−ビスマレイミデジフェノルメタンと、メタクリル酸メチルは、市販品を常法により精製して用いた。
【0049】
「実施例1〜5」
N、N−ジエチルジチオカルバミルメチルスチレン(DTCSと略す。0.499g)と、4、4’−ビスマレイミデジフェノルメタン(BMIMと略す。0.336g)と、メタクリル酸メチル(MMAと略す。10ml)とを、モノマーの合計の全質量が50質量%になるように、ベンゼン溶媒に溶解し、透明の反応容器に充填して、脱気した後、封菅した。この仕込みモノマーの組成モル比は、DTCS:BMIM:MMA=2:4:100である。
照射時間を変えて紫外線を照射し、実施例1〜5のスターポリマー(得られるスターポリマーを、それぞれ、HS1、HS2、HS3、HS4、HS5と略す。)を重合した。紫外線照射は、ウシオ電機製のSX−UI250HAMQを使用した。250Wの高圧水銀ランプを使用し、照射距離は15センチで、30℃にて照射した。
重合終了後(照射終了後)、メタノール中にポリマーを沈殿させ、メタノールで十分に洗浄し、減圧下で乾燥した。重合の転化率はポリマー収量から求めた。
表1に、照射時間及び得られたスターポリマーの特性を示す。
【0050】
【表1】
Figure 2004256563
*1:FT−IRにより求めたフェニルユニットフラクション
*2:30℃ベンゼン中にて測定
*3:ブランチングファクターg’=〔η〕/〔η〕
*4:収量が少ないため、未測定
*5:括弧内の数値は理論値
【0051】
上記実施例1〜5にて光照射時間を変えて重合を行ったところ、いずれの実施例においても、アームの架橋や、スターポリマー同士の架橋は起らず、溶媒に溶解するスターポリマーが生成した。このことから、重合の初期の段階において、多分岐のコアが形成され、それ以後アームの成長過程においては、分岐が起っていない。なお、MMAの代りにt−ブチルメタクリレートを用いる場合も実施例1〜5と同様の方法にてスターポリマーが得られ、これを加水分解すれば、メタクリル酸アームからなる水溶性のスターポリマーが得られる。
【0052】
図4に、スターポリマーHS1(照射時間0.5時間)、HS2(照射時間1時間)、HS3(照射時間2時間)のGPCチャートを示す。いずれもチャートは単峰性であり、分子量分布は狭い。また、分子量は照射時間(重合時間)に依存して増加していることから、リビング的に重合が進行していることが考えられる。
【0053】
図5に、光照射時間すなわち重合時間に対するモノマー消費濃度の1次プロットを示す。直線関係が得られたことから、重合速度は、モノマー濃度の1次に比例し、ラジカル濃度は一定であることがわかる。すなわち、重合はリビング的に進行しており、いずれもアームの長さがそろったスターポリマーが得られている。
【0054】
図6に、転化率に対する分子量(左軸)と、転化率に対する分子量分布(右軸)を示す。転化率が増加するにつれて、分子量の対数は直線上にプロットされ、また分子量分布は狭いことから。重合がリビング的に進行していることが確認された。
【0055】
図7に、スターポリマーの転化率に対する、スターポリマー1分子中のMMAユニットに対するDTCSとBMIM交互共重合ユニットの比(左軸)と、多分岐度のファクターg’の値(右軸)の関係を示す。
転化率に対するDTCSとBMIM交互共重合ユニットの比(左軸)より、転化率の低い段階で、ポリマー中のDTCSとBMIM交互共重合ユニットの比が高く、重合初期において、DTCSとBMIM交互共重合からなるハイパーブランチドコアが形成されていることが確認された。
右軸は、転化率に対するg’を表す。g’は、同じ分子量としたときのリニアポリマーの固有粘度[η]に対する得られたスターポリマーの固有粘度[η]の比、g’=[η]/[η]によって定義される。図7から、得られたスターポリマーは、リニアなポリマーに比べて分岐が多く、体積が小さいことから、粘度が低くなっていることが分る。このことから、実施例によって得られたポリマーは、いずれもコアに複数のアームを有するスターポリマーであることがわかる。
【0056】
スターポリマーの構造を明らかにするために、アーム数(腕数)をH−NMRによって求めた。
図8に、実施例2で得られたポリマーのHS2(M=7.48×10、M/M=1.49)の1H−NMRチャートを示す。δ6.9−7.4ppmがDTCSとBMIMコンプレックスのフェニル基のピークであり、δ4.06ppmがMMAのメトキシ基のピークであり、δ3.7と4.0ppmがDC基のメチレン基のピークと同定された。チャートのピーク面積比から、DC基とMMA基の比を見積もったところ、DC:MMA=1:70であった。このことから、アーム1本の平均重合度は70であることがわかり、アームの分子量は7000と見積もることができた。またHS2の数平均分子量は7.48×10/1.49=5.02×10である。コアの分子量は非常に小さいことから、ここでは、全体の分子量に影響を与えないと考えることができる。したがって、スターポリマー全体の分子量をアーム1本の分子量で除すると、アーム数が7本であることが算出された。すなわち、HS2は、アーム数7本、アームの分子量7000のスターポリマーであることがわかった。
【0057】
【発明の効果】
本発明は、全く新しい発想に基づくスターポリマーの製造方法であって、その特徴は、アームとして希望するポリマー鎖の重合と、多官能なコアを構成するモノマーの重合とを、それぞれのモノマーから、同一反応容器(ワンポット)内で一段階の工程により、多分枝のスターポリマーを製造する方法を提供するものである。
【0058】
本発明の製造方法によれば、コアとなるべき多官能のモノマーと同一容器内で一緒に重合を進めても、アームは希望するモノマーのみからなる単独重合のリニアな重合鎖となる。すなわち、共存するコアとなるべきモノマーによって影響されず、多官能モノマーによってもアームの重合鎖が分枝することはない。また、架橋が起らず、得られるスターポリマーは溶媒に可溶である。
【0059】
スターポリマーは、そのコアが、多数のアームを結合させることが可能な多官能コアであればあるほど、スターポリマーとしての特異性は発揮される。本発明の方法によれば、そのコアとなるモノマーの仕込み量を変化させるだけでコアの多官能性を自由に調製することができ、多数のアームを有するマルチアームスターポリマーを容易に製造することが出来る。
しかも、そのコア自身に関しても、非常に分枝が多いハイパーブランチドコア(超多分枝コア)を極めて容易に製造できる。ハイパーブランチドコアであれば、コア自身の密度が低く、それぞれの分枝を結合点とするアームが容易に重合可能となり、多官能コアの利点を十分に発揮出来る。そして、得られるスターポリマーは極めて低密度のものとなる。
【0060】
そして、同一容器(ワンポット)による一工程で行うことが出来るため、工業的に極めて有利な製造方法である。
【0061】
本発明の製造方法によって得られるスターポリマーは熱や光によって重合が開始されるリビングポリマーであるため、分子量を調整することが容易であり、狭い分子量分布を有する。また、得られたスターポリマーに、若しくは一工程によるスターポリマー製造後に異なるビニルモノマーを反応容器に引き続いて添加すれば、ブロック共重合体やランダム共重合体がさらに伸びるアームが得られ、その応用範囲は極めて広い。
【0062】
本発明製造方法によるスターポリマーは、例えば、高分子成形品、高分子添加剤、化粧料の配合成分などの用途に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法の重合スキームである。
【図2】本発明の製造方法の重合機構である。
【図3】本発明においてコアとなる交互共重合の一模式図である。
【図4】実施例1〜3で得られたスターポリマーHS1、HS2、HS3のGPCチャートである。
【図5】実施例1〜5で得られたスターポリマーの紫外線照射時間に対する分子量の関係である。
【図6】実施例1〜5で得られたスターポリマーの転化率に対する分子量(左軸)と分子量分布(右軸)の関係である。
【図7】スターポリマーの転化率に対する、スターポリマー1分子中のMMAユニットに対するDTCSとBMIM交互共重合ユニットの比(左軸)とファクターg’の値(右軸)の関係である。
【図8】実施例2で得られたスターポリマーHS2のHNMRスペクトル及びその帰属である。

Claims (9)

  1. リビングラジカル重合の開始種となる官能基を有するビニルモノマー(1)と、該モノマーと重合溶媒中にて優先的に共重合を行うビニルモノマー(2)と、過剰量のその他のビニルモノマー(3)とを、反応容器に一括して仕込み、熱若しくは紫外線、超音波、金属錯体の添加によりリビングラジカル重合を開始させ、最初に、該ビニルモノマー(1)と該ビニルモノマー(2)とが重合溶媒中にてコンプレックスを生成し優先的に共重合が開始されスターポリマーのコアとなる共重合体が生成し、次に、該コアとなる共重合体を中心とし、該ビニルモノマー(3)の重合が開始されてスターポリマーの複数のアームが構成されることを特徴とするスターポリマーの製造方法。
  2. 該モノマーと重合溶媒中にて優先的に共重合を行うビニルモノマー(2)が、ラジカル重合性2重結合を2以上有する多官能モノマーであることを特徴とする請求項1記載のスターポリマーの製造方法。
  3. リビングラジカル重合の開始種となる官能基を有するスチレン系ビニルモノマーと、マレイミドの誘導体と、過剰量のその他のビニルモノマーとを、反応容器に一括して仕込み、熱若しくは紫外線、超音波、金属錯体の添加によりラジカル重合を開始させ、最初に、前記スチレン系ビニルモノマーと、マレイミドの誘導体とが優先的に共重合を開始しスターポリマーのコアとなる共重合体が生成し、次に、該コアとなる共重合体を中心とし、その他のビニルモノマーの重合が開始されてスターポリマーの複数のアームが構成されることを特徴とするスターポリマーの製造方法。
  4. 前記リビングラジカル重合の開始種となる官能基が、ジチオカルバメート基誘導体であることを特徴とする請求項3記載のスターポリマーの製造方法。
  5. 前記マレイミドの誘導体がビス体であることを特徴とする請求項3または4記載のスターポリマーの製造方法。
  6. N、N−ジエチルジチオカルバミルメチルスチレンと、4、4’−ビスマレイミデジフェノルメタンと、過剰量のその他のビニルモノマーとを反応容器に一括して仕込み、紫外線を照射してリビングラジカル重合を開始させ、最初に、N、N−ジエチルジチオカルバミルメチルスチレンと4、4’−ビスマレイミデジフェノルメタンとが交互共重合してなる分枝共重合体が生成し、次に、該分枝共重合体がスターポリマーのコアとなり、該コアを中心とし、前記その他のビニルモノマーが重合してスターポリマーの複数のアームが構成されることを特徴とするスターポリマーの製造方法。
  7. 前記過剰量のその他のビニルモノマーが、(メタ)アクリル酸エステルであることを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載のスターポリマーの製造方法。
  8. 得られるスターポリマーが有機溶媒や水に可溶であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7記載のスターポリマーの製造方法。
  9. N、N−ジエチルジチオカルバミルメチルスチレンと4、4’−ビスマレイミデジフェノルメタンとが交互共重合してなる分枝共重合体をスターポリマーのコアとし、該コアを中心とし、N、N−ジエチルジチオカルバミルメチル基を末端とするビニルモノマーが重合してなる複数のアームが伸びており、重量平均分子量が9000〜1000000であることを特徴とするスターポリマー。
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