JP2004252244A - 光ファイバコリメータアレイ - Google Patents
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Abstract
【課題】組み立てを高精度、かつ低コストで行うことができる光ファイバコリメータアレイを提供する。
【解決手段】複数の光ファイバ5が一定の方向に配置された光ファイバアレイ2Aと、複数のマイクロレンズ9が一定の方向に配置されたマイクロレンズアレイ3Aと、光ファイバアレイ2Aとマイクロレンズアレイ3Aとの間に配置され、所定の厚みを持つスペーサ4Aとを有し、光ファイバアレイ2A及びマイクロレンズアレイ3Aを各々構成する基板6、10の周辺部に、円筒形状のガイド孔7a、7cを設け、ガイド孔7a、7cの孔径にほぼ等しい外径寸法を持つガイドピン11を、対向配置された光ファイバアレイ2A及びマイクロレンズアレイ3Aのガイド孔7a、7cに挿入することで、光ファイバアレイ2Aとマイクロレンズアレイ3Aとを位置合わせすると共に固定した光ファイバコリメータアレイ。
【選択図】 図1
【解決手段】複数の光ファイバ5が一定の方向に配置された光ファイバアレイ2Aと、複数のマイクロレンズ9が一定の方向に配置されたマイクロレンズアレイ3Aと、光ファイバアレイ2Aとマイクロレンズアレイ3Aとの間に配置され、所定の厚みを持つスペーサ4Aとを有し、光ファイバアレイ2A及びマイクロレンズアレイ3Aを各々構成する基板6、10の周辺部に、円筒形状のガイド孔7a、7cを設け、ガイド孔7a、7cの孔径にほぼ等しい外径寸法を持つガイドピン11を、対向配置された光ファイバアレイ2A及びマイクロレンズアレイ3Aのガイド孔7a、7cに挿入することで、光ファイバアレイ2Aとマイクロレンズアレイ3Aとを位置合わせすると共に固定した光ファイバコリメータアレイ。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバコリメータアレイに関し、例えば、光通信システムにおける光スイッチ、アイソレータ、半導体レーザモジュール等の光機能回路と光ファイバとの接続部に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
データトラフィックの急激な増大により、基幹ネットワークの大容量化が求められている。ネットワークの伝送路部分は、既にWDM(Wavelength division multiplexing)技術を用いた大容量光ネットワークが導入されている。しかしながら、ノード部分においては、一旦光信号を電気信号に変換し、従来の電気回路を用いたスイッチで方路の切り替えを行った後、再び光信号に変換してネットワークに戻す方法が採られている。
【0003】
このような電気信号から光信号、又は光信号から電気信号に変換する装置では、そのコストや消費電力が信号帯域の向上に伴って大幅に上昇することが指摘されている(「A. S. MorrisIII、 “In search of transparent networks”、 IEEE Spectrum、 pp. 47−51、 Oct. 2001」参照)。そこで、この問題を解決するため、光信号を光のままスイッチングする光スイッチの導入が積極的に進められている。特に、光ビームをスイッチ内部の結線及びスイッチ間の結線に用いるフリースペース型光スイッチは、大規模な光スイッチをコンパクトに構成することができるため、大規模ルータを構成するスイッチ部への導入が見込まれる。
【0004】
図4は、従来のフリースペース型光スイッチの一例を示す概略図である(非特許文献1参照)。
フリースペース型光スイッチは、主に、光ファイバコリメータアレイ21と、複数のマイクロ可動ミラーを有するマイクロ可動ミラーアレイ26と、所定の位置、角度に固定された固定ミラー27とから構成される。
【0005】
光ファイバコリメータアレイ21は、複数の光ファイバが保持された光ファイバアレイ22と、複数のマイクロレンズを有するマイクロレンズアレイ23と、光ファイバアレイ22とマイクロレンズアレイ23との間に配置されたスペーサ24とを有している。又、マイクロ可動ミラーアレイ26の各マイクロ可動ミラーは、マイクロマシンの作製技術を用いて半導体基板上に形成された能動素子であり、図4中に示すミラー面の傾き角度θを動的に変化させることができるものである。図4においては、簡略化のため、それぞれ一次元配列された構成素子(光ファイバ、マイクロレンズ及びマイクロ可動ミラー)を図示してあるが、光ファイバアレイ22、マイクロレンズアレイ23及びマイクロ可動ミラーアレイ26は、それぞれ二次元的に配列された複数の光ファイバ、マイクロレンズ及びマイクロ可動ミラーにより構成されている。
【0006】
図4中に示した矢印a、b、c、dは、光ビーム25の進行方向を示す。具体的には、光ファイバコリメータアレイ21を構成する各光ファイバから出射した光ビーム25は、マイクロレンズアレイ23のマイクロレンズにより平行光に変換され、マイクロ可動ミラーアレイ26のマイクロ可動ミラーに到達する(矢印a)。マイクロ可動ミラーにより反射された光ビーム25は固定ミラー27に到達し(矢印b)、固定ミラー27により反射されて他のマイクロ可動ミラーへ到達し(矢印c)、他のマイクロ可動ミラーで反射されて進行方向を変えてマイクロレンズへ到達し(矢印d)、最終的にマイクロレンズにより光ファイバへ集光される。この時、マイクロ可動ミラーの傾き角度θを変更することにより光ビーム25の進行方向を変化させ、光信号を所望の光ファイバへ導くことができる。
【0007】
このようなタイプの従来の光スイッチの内部で生じる接続損失やクロストークは、光スイッチを構成する光学部品間の位置ずれ量、特に、光ファイバコリメータアレイを構成する光ファイバアレイとマイクロレンズアレイとの位置ずれ量に依存する。このため、従来の光スイッチでは、高精度に光ファイバが配列された二次元光ファイバアレイと、高精度にマイクロレンズが配列された二次元マイクロレンズアレイが必要とされ、更に、光ファイバアレイとマイクロレンズアレイとの高精度な位置合わせ技術が求められている。
【0008】
図5は、従来の光ファイバコリメータアレイの一例を示す斜視図である(非特許文献2参照)。
図5に示す従来の光ファイバコリメータアレイ31の構成を簡単に説明すると、主に、複数の光ファイバ35が保持された光ファイバアレイ32と、複数のマイクロレンズ36を有するマイクロレンズアレイ33と、光ファイバアレイ32とマイクロレンズアレイ33との間に配置されたスペーサ34とから構成されているものである。このような構成の従来の光ファイバコリメータアレイ31の作製方法について、図5を用いて説明する。
【0009】
最初に、マイクロレンズアレイ33を、中央部に空間を有するスペーサ34に接着固定する。次に、スペーサ34が取り付けられたマイクロレンズアレイ33と光フィアバアレイ32とを近接させ、光ファイバアレイ32を構成する各光ファイバ35とこれに対応するマイクロレンズ36との光軸位置が、おおむね一致するように配置する。その後、光ファイバアレイ32を構成する光ファイバ35のうち4隅の光ファイバ35にレーザ光源を接続し、マイクロレンズアレイ33を通じて出射される光ビームの形状及びその強度中心位置を、このレーザ光源波長に感度を持つモニタカメラ等を用いてモニタしながらマイクロレンズアレイ33の位置を調整する。所望の光ビーム伝搬特性が得られた場合には、その位置において、マイクロレンズアレイ33が接着固定されたスペーサ34に、光ファイバアレイ32を接着固定する。
【0010】
【非特許文献1】
D. T. Neilson、 et al.、 ”Fully provisioned 112x112 micro−mechanical optical crossconnect with 35.8Tb/s demonstrated capacity”、 in proceedings of Optical Fiber Communication Conference (OFC2000)、 PD12−1、 pp.202−204、 2000
【非特許文献2】
山本、他6名、「3−D MEMS 大規模光スイッチ」、電子情報通信学会技術報告、PS2002−55、 pp.35−40、 2002
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図5に示した従来の光ファイバコリメータアレイ31では、光ファイバアレイ32を構成する各光ファイバ35と、マイクロレンズアレイ33を構成する各マイクロレンズ36との光軸間の位置合わせに、数μm(ミクロン)以下の高い精度が要求されるだけではなく、接着固定を行う際の接着剤の収縮の影響を無視することができない。このような高精度な位置合わせや接着剤の収縮状態の精密な管理を伴う部品の製造は大量生産に適さず、その製造コストを下げることは容易ではない。
【0012】
更に、光スイッチ等を組み立てる場合には、光学部品のレイアウト変更等の理由により、光ビームの伝搬状態を調整するためのスペーサ34の厚みを適時変更する必要があった。しかしながら、従来の光ファイバコリメータアレイ31では、各構成部品間を接着固定しているため、この調整、つまりスペーサ34の厚みを変更することができなかった。
【0013】
本発明は上記課題に鑑みなされたもので、組み立てを高精度、かつ低コストで行うことができる光ファイバコリメータアレイを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明に係る光ファイバコリメータアレイは、複数の光ファイバが一定の方向に配置された光ファイバアレイと、複数のマイクロレンズが一定の方向に配置されたマイクロレンズアレイと、光ファイバアレイとマイクロレンズアレイとの間に配置され、所定の厚みを持つスペーサとを有し、光ファイバアレイ及びマイクロレンズアレイを各々構成する基板の周辺部に、円筒形状のガイド用孔部を複数設け、ガイド用孔部の孔径にほぼ等しい外径寸法を持つガイドピンを、対向配置された光ファイバアレイ及びマイクロレンズアレイの各ガイド用孔部に挿入することで、光ファイバアレイとマイクロレンズアレイとを位置合わせすると共に固定したことを特徴とする。
【0015】
又、上記課題を解決する本発明に係る光ファイバコリメータアレイは、光ファイバアレイ及びマイクロレンズアレイを各々構成する基板のうち、どちらか一方の基板の少なくとも1つのガイド用孔部の断面形状を長孔形としたこと特徴とする。
【0016】
又、上記課題を解決する本発明に係る光ファイバコリメータアレイは、光ファイバアレイ及びマイクロレンズアレイを各々構成する基板の両方、又はどちらか一方を、ポリマー樹脂等の弾性率の高い材料で作製したことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る光ファイバコリメータアレイの実施の形態例を、図面を用いて説明する。
【0018】
(実施例1)
図1は、本発明に係る光ファイバコリメータアレイの実施形態の一例を示すものであり、光ファイバコリメータアレイを構成する各部品を斜視図にて示したものである。
本発明に係る光ファイバコリメータアレイ1Aは、主に、光ファイバアレイ2Aと、マイクロレンズアレイ3Aと、光ファイバアレイ2Aとマイクロレンズアレイ3Aとの間に配置され、所定の厚さを有するスペーサ4Aとにより構成される。
【0019】
光ファイバアレイ2Aは、複数の光ファイバ5と、一定間隔で形成された複数の孔部を中央部に備えたファイバ整列基板6とを有しており、各々の光ファイバ5が一定方向に配置されて、ファイバ整列基板6の複数の孔部に接着固定されているものである。更に、ファイバ整列基板6の周辺部の2カ所に、円筒形状(円形断面)のガイド孔7aが設けられている。マイクロレンズアレイ3Aは、一定間隔、一定方向に配置された複数のマイクロレンズ9を中央部に備えたマイクロレンズアレイ基板10からなり、その周辺部の2カ所にも、上記と同等の円筒形状(円形断面)のガイド孔7bがそれぞれ設けられている。スペーサ4Aは、その中央部に光信号が通過するための中空部8を有しており、中空部8の周辺部となるスペーサ4Aの基板の2ヶ所にも、上記と同等の円筒形状(円形断面)のガイド孔7cが設けられている。なお、本実施例においては、光ファイバ5、マイクロレンズ9が二次元的、かつ等間隔に配列されているが、必ずしもこれらの形態に制限されることなく、本発明を適用可能である。
【0020】
上記ガイド孔7a、7b、7c(ガイド用孔部)は、スペーサ4Aを間に挟んで、ファイバ整列基板6とマイクロレンズアレイ基板10とを対向配置して重ねた時に、同じ位置になるように形成されている。これらのガイド孔7a、7b、7cに、ガイド孔7a、7b、7cの孔径にほぼ等しい外形寸法を持つガイドピン11を挿入することで、光ファイバアレイ2Aとマイクロレンズアレイ3Aとを、簡易に位置合わせすると共に密着固定することが可能となる。なお、各基板におけるガイド孔7a、7b、7cの数は、必ずしも2個に限ることは無く、複数個設けてもよい。又、スペーサ4Aのガイド孔7cは、ガイド孔7a、7bと必ずしも同じ大きさである必要はなく、ガイドピン11が挿通できる大きさであればよい。更には、中空部8を確実に確保でき、光ファイバアレイ2Aとマイクロレンズアレイ3Aとを、正確に位置合わせして固定できれば、必ずしも設ける必要は無い。
【0021】
次に、本発明に係る光ファイバコリメータアレイの組み立て方法について、図2を用いて説明する。
まず、図2(a)に示すように、マイクロレンズアレイ3Aとスペーサ4Aの位置を合わせて重ね、マイクロレンズアレイ3Aのガイド孔7bからスペーサ4Aのガイド孔7cへガイドピン11を各々挿入する。次に図2(b)に示すように、光ファイバアレイ2Aの位置を、マイクロレンズアレイ3A及びスペーサ4Aの位置に合わせて重ね、ガイドピン11を光ファイバアレイ2Aのガイド孔7aに挿入し、最終的には、図2(c)に示すように、各部品間を密着固定させる。
【0022】
このように、本発明に係る光ファイバコリメータアレイの組み立て方法では、光ファイバアレイ2Aとマイクロレンズアレイ3Aとの位置合わせがガイドピン11を用いて行われるため、接着剤を用いる必要がなく、又、モニタカメラ等による微調整も必要ないので、極めて簡単な方法で光ファイバコリメータアレイ1Aの組み立てを完了することができる。又、光ファイバアレイ2Aとマイクロレンズアレイ3Aとの合わせ位置は、ガイドピン11により決定されるため、従来のように接着剤の収縮による光軸ずれの影響を考慮する必要は無い。
【0023】
一般的に、光ファイバ出射端面とマイクロレンズアレイ主面との光軸方向の距離は、光スイッチ等を構成する光学系に応じて、異なる最適値を有している。従来の光ファイバコリメータアレイでは、各構成部品間を接着して固定していたため、厚みの異なるスペーサに変更することができなかったが、本発明に係る光ファイバコリメータアレイでは、ガイドピン11を用いて各構成部品間を密着固定しているため、スペーサ4Aの取り外しが可能となり、厚みの異なるスペーサに適時変更可能である。つまり、光ファイバ出射端面とマイクロレンズアレイ主面との光軸方向の距離を、使用する光学系に応じて適宜に変更することが可能となる。
【0024】
なお、光ファイバ5とマイクロレンズ9の光軸間の位置ずれ量は、光ファイバアレイ2Aに形成されたガイド孔7aの位置と光ファイバ光軸及びマイクロレンズアレイ3Aに形成されたガイド孔7bの位置とマイクロレンズ光軸との相対的な位置ずれ量、ガイド孔7a、7bの径とガイドピン11の外径との差(クリアランス)に依存する。
【0025】
(実施例2)
図3は、本発明に係る光ファイバコリメータアレイの実施形態の他の一例を示す斜視図であり、図中にてガイド孔12付近を拡大して示したものである。なお、本実施例の光ファイバコリメータアレイの基本的な構成は、図1に示した実施例1の光ファイバコリメータアレイとほぼ同等であるため、同等の構成要素の説明を簡略し、主に特徴的な部分を説明する。
【0026】
図3に示すように、本実施例の光ファイバコリメータアレイ1Bは、主に、光ファイバアレイ2Aと、マイクロレンズアレイ3Bと、光ファイバアレイ2Aとマイクロレンズアレイ3Bとの間に配置されるスペーサ4Aとにより構成される。図1において示した実施例1の光ファイバコリメータアレイ1Aとの違いは、図1に示す光ファイバコリメータアレイ1Aのマイクロレンズアレイ3Aでは、ガイド孔7bが単純な円形断面の貫通孔であるのに対して、本実施例の光ファイバコリメータアレイ1Bのマイクロレンズアレイ3Bでは、一方のガイド孔12が長孔形断面の貫通孔であることである。なお、本実施例のマイクロレンズアレイ3Bの他方のガイド孔7bは、実施例1のマイクロレンズアレイ3Aのガイド孔7bと同等の円形断面の貫通孔である。
【0027】
ガイド孔12は、具体的には、図3中の拡大図に示したように、長円の長孔形断面の貫通孔であり、その内部でガイドピン11を適切な位置に配置できるようになっている。つまり、ガイドピン11をより容易にガイド孔12へ挿入するために、ガイド孔12の孔径をガイドピン11の外径よりも若干大きく取り、クリアランスを設けている。
【0028】
ガイドピンをガイド孔に容易に挿入するためには、通常は、ガイド孔の孔径をガイドピンの外径よりも若干大きく取り、クリアランスを設ける必要がある。このクリアランスが小さい場合には、ガイドピンの挿入が困難となり、一方、このクリアランスが大きい場合には、光ファイバコリメータアレイにおける光ファイバとマイクロレンズとの光軸ずれ量を拡大する結果をもたらす。又、光ファイバアレイ、マイクロレンズアレイ上に形成されたガイド孔の位置と、光ファイバ光軸及びマイクロレンズ光軸との相対的な位置ずれ量の影響を考慮すると、クリアランスを小さくすることはさらに難しい。
【0029】
このような問題を解決するため、本実施例では、マイクロレンズアレイ3Bに形成される2つのガイド孔7b、12の内、少なくとも1つのガイド孔の断面形状を長孔形状とし、ガイド孔12に必要となるクリアランスを大きくとると共に、このクリアランスの大きさに伴う光ファイバとマイクロレンズとの光軸ずれ量拡大の影響を抑えるようにした。
【0030】
つまり、光ファイバアレイ2A及びマイクロレンズアレイ3Bを各々構成する基板のうち、どちらか一方側(本実施例の場合は、マイクロレンズアレイ3Bのマイクロレンズアレイ基板10)の少なくとも1つのガイド孔12の断面形状を長孔形として、クリアランスを大きくして、位置合わせのための調整側とし、他方側(本実施例の場合は、光ファイバアレイ2Aのファイバ整列基板11)のガイド孔7aの断面形状は円形として、位置合わせのための基準側とした。このような構成であるため、ガイド孔12にクリアランスを設けて、ガイドピン11を挿入し易くしたにも拘らず、そのクリアランスの大きさが光ファイバとマイクロレンズとの位置合わせ精度にできるだけ影響を及ぼさないようになっている。
【0031】
(実施例3)
本発明に係る光ファイバコリメータアレイの実施形態の更なる他の一例を説明する。
本実施例の光ファイバコリメータアレイは、図1、図3に示した実施例1、実施例2とほぼ同等の構成でよい。しかしながら、本実施例では、光ファイバアレイを構成するファイバ整列基板やマイクロレンズアレイ基板の素材に、ポリマー樹脂等の弾性率が比較的高い材料を用いたことが特徴である。一般的に、光ファイバアレイを構成するファイバ整列基板やマイクロレンズアレイ基板の素材には、非弾性材料、例えば、金属やガラス等を用いており、この場合、ガイド孔にガイドピンを挿入するためにはクリアランスを比較的大きくとる必要があり、このため、このクリアランスの大きさに伴い光ファイバとマイクロレンズとの光軸ずれ量が拡大する可能性がある。この問題を回避するため、本実施例においてはファイバ整列基板及びマイクレンズアレイ基板の両方、又はどちらか一方を、弾性率が比較的高いポリマー樹脂材料を用いて作製した。
【0032】
このような構成にすることで、ガイド孔のクリアランスを大きくとる必要がないため、光ファイバとマイクロレンズとの光軸合わせの精度を保つと共に、ガイド孔へのガイドピンの挿入又はガイド孔からの抜出が容易となる。
【0033】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、光ファイバコリメータアレイにおいて、光ファイバアレイ及びマイクロレンズアレイを各々構成する基板の周辺部に、円筒形状のガイド用孔部を複数設け、ガイド用孔部の孔径にほぼ等しい外径寸法を持つガイドピンを、対向配置された光ファイバアレイ及びマイクロレンズアレイの各ガイド用孔部に挿入することで、光ファイバアレイとマイクロレンズアレイとを位置合わせすると共に密着固定したので、接着剤等の収縮の影響を排除して、各光ファイバと各マイクロレンズとの光軸間の位置合わせ精度を向上させると共に、組み立てを簡易にして、組立に要する時間を短縮して、低コストで作製することができる。又、接着剤等を用いることなく、ガイドピンを用いて各構成部品間を密着固定しているので、スペーサの取り外しができ、光学部品に応じてスペーサの厚みを適宜に変更して、光ビームの伝搬状態を調整することが可能となる。
【0034】
請求項2に係る発明によれば、光ファイバアレイ及びマイクロレンズアレイを各々構成する基板のうち、どちらか一方の基板の少なくとも1つのガイド用孔部の断面形状を長孔形としたので、光ファイバコリメータアレイの組み立ての際に、ガイドピンの挿入に必要な機械的なクリアランスを拡大させたり、又はガイド用孔部の形成位置の精度が低下したりした場合でも、各光ファイバと各マイクロレンズの光軸間の位置合わせの精度劣化の影響を緩和することができる。
【0035】
請求項3に係る発明によれば、光ファイバアレイ及びマイクロレンズアレイを各々構成する基板の両方、又はどちらか一方を、ポリマー樹脂等の弾性率の高い材料で作製したので、各光ファイバと各マイクロレンズの光軸間の位置合わせの精度を落とすことなく、ガイドピンの挿抜を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ファイバコリメータアレイの実施形態の一例を示す斜視図である。
【図2】図1の光ファイバコリメータアレイの組み立て方法を示す図である。
【図3】本発明に係る光ファイバコリメータアレイの実施形態の他の一例を示す斜視図である。
【図4】従来のフリースペース型光スイッチの一例を示す概略図である。
【図5】従来の光ファイバコリメータアレイの一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1A、1B 光ファイバコリメータアレイ
2A 光ファイバアレイ
3A、3B マイクロレンズアレイ
4A スペーサ
5 光ファイバ
6 ファイバ整列基板
7a、7b、7c ガイド孔
8 中空部
9 マイクロレンズ
10 マイクロレンズアレイ基板
11 ガイドピン
12 ガイド孔
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバコリメータアレイに関し、例えば、光通信システムにおける光スイッチ、アイソレータ、半導体レーザモジュール等の光機能回路と光ファイバとの接続部に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
データトラフィックの急激な増大により、基幹ネットワークの大容量化が求められている。ネットワークの伝送路部分は、既にWDM(Wavelength division multiplexing)技術を用いた大容量光ネットワークが導入されている。しかしながら、ノード部分においては、一旦光信号を電気信号に変換し、従来の電気回路を用いたスイッチで方路の切り替えを行った後、再び光信号に変換してネットワークに戻す方法が採られている。
【0003】
このような電気信号から光信号、又は光信号から電気信号に変換する装置では、そのコストや消費電力が信号帯域の向上に伴って大幅に上昇することが指摘されている(「A. S. MorrisIII、 “In search of transparent networks”、 IEEE Spectrum、 pp. 47−51、 Oct. 2001」参照)。そこで、この問題を解決するため、光信号を光のままスイッチングする光スイッチの導入が積極的に進められている。特に、光ビームをスイッチ内部の結線及びスイッチ間の結線に用いるフリースペース型光スイッチは、大規模な光スイッチをコンパクトに構成することができるため、大規模ルータを構成するスイッチ部への導入が見込まれる。
【0004】
図4は、従来のフリースペース型光スイッチの一例を示す概略図である(非特許文献1参照)。
フリースペース型光スイッチは、主に、光ファイバコリメータアレイ21と、複数のマイクロ可動ミラーを有するマイクロ可動ミラーアレイ26と、所定の位置、角度に固定された固定ミラー27とから構成される。
【0005】
光ファイバコリメータアレイ21は、複数の光ファイバが保持された光ファイバアレイ22と、複数のマイクロレンズを有するマイクロレンズアレイ23と、光ファイバアレイ22とマイクロレンズアレイ23との間に配置されたスペーサ24とを有している。又、マイクロ可動ミラーアレイ26の各マイクロ可動ミラーは、マイクロマシンの作製技術を用いて半導体基板上に形成された能動素子であり、図4中に示すミラー面の傾き角度θを動的に変化させることができるものである。図4においては、簡略化のため、それぞれ一次元配列された構成素子(光ファイバ、マイクロレンズ及びマイクロ可動ミラー)を図示してあるが、光ファイバアレイ22、マイクロレンズアレイ23及びマイクロ可動ミラーアレイ26は、それぞれ二次元的に配列された複数の光ファイバ、マイクロレンズ及びマイクロ可動ミラーにより構成されている。
【0006】
図4中に示した矢印a、b、c、dは、光ビーム25の進行方向を示す。具体的には、光ファイバコリメータアレイ21を構成する各光ファイバから出射した光ビーム25は、マイクロレンズアレイ23のマイクロレンズにより平行光に変換され、マイクロ可動ミラーアレイ26のマイクロ可動ミラーに到達する(矢印a)。マイクロ可動ミラーにより反射された光ビーム25は固定ミラー27に到達し(矢印b)、固定ミラー27により反射されて他のマイクロ可動ミラーへ到達し(矢印c)、他のマイクロ可動ミラーで反射されて進行方向を変えてマイクロレンズへ到達し(矢印d)、最終的にマイクロレンズにより光ファイバへ集光される。この時、マイクロ可動ミラーの傾き角度θを変更することにより光ビーム25の進行方向を変化させ、光信号を所望の光ファイバへ導くことができる。
【0007】
このようなタイプの従来の光スイッチの内部で生じる接続損失やクロストークは、光スイッチを構成する光学部品間の位置ずれ量、特に、光ファイバコリメータアレイを構成する光ファイバアレイとマイクロレンズアレイとの位置ずれ量に依存する。このため、従来の光スイッチでは、高精度に光ファイバが配列された二次元光ファイバアレイと、高精度にマイクロレンズが配列された二次元マイクロレンズアレイが必要とされ、更に、光ファイバアレイとマイクロレンズアレイとの高精度な位置合わせ技術が求められている。
【0008】
図5は、従来の光ファイバコリメータアレイの一例を示す斜視図である(非特許文献2参照)。
図5に示す従来の光ファイバコリメータアレイ31の構成を簡単に説明すると、主に、複数の光ファイバ35が保持された光ファイバアレイ32と、複数のマイクロレンズ36を有するマイクロレンズアレイ33と、光ファイバアレイ32とマイクロレンズアレイ33との間に配置されたスペーサ34とから構成されているものである。このような構成の従来の光ファイバコリメータアレイ31の作製方法について、図5を用いて説明する。
【0009】
最初に、マイクロレンズアレイ33を、中央部に空間を有するスペーサ34に接着固定する。次に、スペーサ34が取り付けられたマイクロレンズアレイ33と光フィアバアレイ32とを近接させ、光ファイバアレイ32を構成する各光ファイバ35とこれに対応するマイクロレンズ36との光軸位置が、おおむね一致するように配置する。その後、光ファイバアレイ32を構成する光ファイバ35のうち4隅の光ファイバ35にレーザ光源を接続し、マイクロレンズアレイ33を通じて出射される光ビームの形状及びその強度中心位置を、このレーザ光源波長に感度を持つモニタカメラ等を用いてモニタしながらマイクロレンズアレイ33の位置を調整する。所望の光ビーム伝搬特性が得られた場合には、その位置において、マイクロレンズアレイ33が接着固定されたスペーサ34に、光ファイバアレイ32を接着固定する。
【0010】
【非特許文献1】
D. T. Neilson、 et al.、 ”Fully provisioned 112x112 micro−mechanical optical crossconnect with 35.8Tb/s demonstrated capacity”、 in proceedings of Optical Fiber Communication Conference (OFC2000)、 PD12−1、 pp.202−204、 2000
【非特許文献2】
山本、他6名、「3−D MEMS 大規模光スイッチ」、電子情報通信学会技術報告、PS2002−55、 pp.35−40、 2002
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図5に示した従来の光ファイバコリメータアレイ31では、光ファイバアレイ32を構成する各光ファイバ35と、マイクロレンズアレイ33を構成する各マイクロレンズ36との光軸間の位置合わせに、数μm(ミクロン)以下の高い精度が要求されるだけではなく、接着固定を行う際の接着剤の収縮の影響を無視することができない。このような高精度な位置合わせや接着剤の収縮状態の精密な管理を伴う部品の製造は大量生産に適さず、その製造コストを下げることは容易ではない。
【0012】
更に、光スイッチ等を組み立てる場合には、光学部品のレイアウト変更等の理由により、光ビームの伝搬状態を調整するためのスペーサ34の厚みを適時変更する必要があった。しかしながら、従来の光ファイバコリメータアレイ31では、各構成部品間を接着固定しているため、この調整、つまりスペーサ34の厚みを変更することができなかった。
【0013】
本発明は上記課題に鑑みなされたもので、組み立てを高精度、かつ低コストで行うことができる光ファイバコリメータアレイを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明に係る光ファイバコリメータアレイは、複数の光ファイバが一定の方向に配置された光ファイバアレイと、複数のマイクロレンズが一定の方向に配置されたマイクロレンズアレイと、光ファイバアレイとマイクロレンズアレイとの間に配置され、所定の厚みを持つスペーサとを有し、光ファイバアレイ及びマイクロレンズアレイを各々構成する基板の周辺部に、円筒形状のガイド用孔部を複数設け、ガイド用孔部の孔径にほぼ等しい外径寸法を持つガイドピンを、対向配置された光ファイバアレイ及びマイクロレンズアレイの各ガイド用孔部に挿入することで、光ファイバアレイとマイクロレンズアレイとを位置合わせすると共に固定したことを特徴とする。
【0015】
又、上記課題を解決する本発明に係る光ファイバコリメータアレイは、光ファイバアレイ及びマイクロレンズアレイを各々構成する基板のうち、どちらか一方の基板の少なくとも1つのガイド用孔部の断面形状を長孔形としたこと特徴とする。
【0016】
又、上記課題を解決する本発明に係る光ファイバコリメータアレイは、光ファイバアレイ及びマイクロレンズアレイを各々構成する基板の両方、又はどちらか一方を、ポリマー樹脂等の弾性率の高い材料で作製したことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る光ファイバコリメータアレイの実施の形態例を、図面を用いて説明する。
【0018】
(実施例1)
図1は、本発明に係る光ファイバコリメータアレイの実施形態の一例を示すものであり、光ファイバコリメータアレイを構成する各部品を斜視図にて示したものである。
本発明に係る光ファイバコリメータアレイ1Aは、主に、光ファイバアレイ2Aと、マイクロレンズアレイ3Aと、光ファイバアレイ2Aとマイクロレンズアレイ3Aとの間に配置され、所定の厚さを有するスペーサ4Aとにより構成される。
【0019】
光ファイバアレイ2Aは、複数の光ファイバ5と、一定間隔で形成された複数の孔部を中央部に備えたファイバ整列基板6とを有しており、各々の光ファイバ5が一定方向に配置されて、ファイバ整列基板6の複数の孔部に接着固定されているものである。更に、ファイバ整列基板6の周辺部の2カ所に、円筒形状(円形断面)のガイド孔7aが設けられている。マイクロレンズアレイ3Aは、一定間隔、一定方向に配置された複数のマイクロレンズ9を中央部に備えたマイクロレンズアレイ基板10からなり、その周辺部の2カ所にも、上記と同等の円筒形状(円形断面)のガイド孔7bがそれぞれ設けられている。スペーサ4Aは、その中央部に光信号が通過するための中空部8を有しており、中空部8の周辺部となるスペーサ4Aの基板の2ヶ所にも、上記と同等の円筒形状(円形断面)のガイド孔7cが設けられている。なお、本実施例においては、光ファイバ5、マイクロレンズ9が二次元的、かつ等間隔に配列されているが、必ずしもこれらの形態に制限されることなく、本発明を適用可能である。
【0020】
上記ガイド孔7a、7b、7c(ガイド用孔部)は、スペーサ4Aを間に挟んで、ファイバ整列基板6とマイクロレンズアレイ基板10とを対向配置して重ねた時に、同じ位置になるように形成されている。これらのガイド孔7a、7b、7cに、ガイド孔7a、7b、7cの孔径にほぼ等しい外形寸法を持つガイドピン11を挿入することで、光ファイバアレイ2Aとマイクロレンズアレイ3Aとを、簡易に位置合わせすると共に密着固定することが可能となる。なお、各基板におけるガイド孔7a、7b、7cの数は、必ずしも2個に限ることは無く、複数個設けてもよい。又、スペーサ4Aのガイド孔7cは、ガイド孔7a、7bと必ずしも同じ大きさである必要はなく、ガイドピン11が挿通できる大きさであればよい。更には、中空部8を確実に確保でき、光ファイバアレイ2Aとマイクロレンズアレイ3Aとを、正確に位置合わせして固定できれば、必ずしも設ける必要は無い。
【0021】
次に、本発明に係る光ファイバコリメータアレイの組み立て方法について、図2を用いて説明する。
まず、図2(a)に示すように、マイクロレンズアレイ3Aとスペーサ4Aの位置を合わせて重ね、マイクロレンズアレイ3Aのガイド孔7bからスペーサ4Aのガイド孔7cへガイドピン11を各々挿入する。次に図2(b)に示すように、光ファイバアレイ2Aの位置を、マイクロレンズアレイ3A及びスペーサ4Aの位置に合わせて重ね、ガイドピン11を光ファイバアレイ2Aのガイド孔7aに挿入し、最終的には、図2(c)に示すように、各部品間を密着固定させる。
【0022】
このように、本発明に係る光ファイバコリメータアレイの組み立て方法では、光ファイバアレイ2Aとマイクロレンズアレイ3Aとの位置合わせがガイドピン11を用いて行われるため、接着剤を用いる必要がなく、又、モニタカメラ等による微調整も必要ないので、極めて簡単な方法で光ファイバコリメータアレイ1Aの組み立てを完了することができる。又、光ファイバアレイ2Aとマイクロレンズアレイ3Aとの合わせ位置は、ガイドピン11により決定されるため、従来のように接着剤の収縮による光軸ずれの影響を考慮する必要は無い。
【0023】
一般的に、光ファイバ出射端面とマイクロレンズアレイ主面との光軸方向の距離は、光スイッチ等を構成する光学系に応じて、異なる最適値を有している。従来の光ファイバコリメータアレイでは、各構成部品間を接着して固定していたため、厚みの異なるスペーサに変更することができなかったが、本発明に係る光ファイバコリメータアレイでは、ガイドピン11を用いて各構成部品間を密着固定しているため、スペーサ4Aの取り外しが可能となり、厚みの異なるスペーサに適時変更可能である。つまり、光ファイバ出射端面とマイクロレンズアレイ主面との光軸方向の距離を、使用する光学系に応じて適宜に変更することが可能となる。
【0024】
なお、光ファイバ5とマイクロレンズ9の光軸間の位置ずれ量は、光ファイバアレイ2Aに形成されたガイド孔7aの位置と光ファイバ光軸及びマイクロレンズアレイ3Aに形成されたガイド孔7bの位置とマイクロレンズ光軸との相対的な位置ずれ量、ガイド孔7a、7bの径とガイドピン11の外径との差(クリアランス)に依存する。
【0025】
(実施例2)
図3は、本発明に係る光ファイバコリメータアレイの実施形態の他の一例を示す斜視図であり、図中にてガイド孔12付近を拡大して示したものである。なお、本実施例の光ファイバコリメータアレイの基本的な構成は、図1に示した実施例1の光ファイバコリメータアレイとほぼ同等であるため、同等の構成要素の説明を簡略し、主に特徴的な部分を説明する。
【0026】
図3に示すように、本実施例の光ファイバコリメータアレイ1Bは、主に、光ファイバアレイ2Aと、マイクロレンズアレイ3Bと、光ファイバアレイ2Aとマイクロレンズアレイ3Bとの間に配置されるスペーサ4Aとにより構成される。図1において示した実施例1の光ファイバコリメータアレイ1Aとの違いは、図1に示す光ファイバコリメータアレイ1Aのマイクロレンズアレイ3Aでは、ガイド孔7bが単純な円形断面の貫通孔であるのに対して、本実施例の光ファイバコリメータアレイ1Bのマイクロレンズアレイ3Bでは、一方のガイド孔12が長孔形断面の貫通孔であることである。なお、本実施例のマイクロレンズアレイ3Bの他方のガイド孔7bは、実施例1のマイクロレンズアレイ3Aのガイド孔7bと同等の円形断面の貫通孔である。
【0027】
ガイド孔12は、具体的には、図3中の拡大図に示したように、長円の長孔形断面の貫通孔であり、その内部でガイドピン11を適切な位置に配置できるようになっている。つまり、ガイドピン11をより容易にガイド孔12へ挿入するために、ガイド孔12の孔径をガイドピン11の外径よりも若干大きく取り、クリアランスを設けている。
【0028】
ガイドピンをガイド孔に容易に挿入するためには、通常は、ガイド孔の孔径をガイドピンの外径よりも若干大きく取り、クリアランスを設ける必要がある。このクリアランスが小さい場合には、ガイドピンの挿入が困難となり、一方、このクリアランスが大きい場合には、光ファイバコリメータアレイにおける光ファイバとマイクロレンズとの光軸ずれ量を拡大する結果をもたらす。又、光ファイバアレイ、マイクロレンズアレイ上に形成されたガイド孔の位置と、光ファイバ光軸及びマイクロレンズ光軸との相対的な位置ずれ量の影響を考慮すると、クリアランスを小さくすることはさらに難しい。
【0029】
このような問題を解決するため、本実施例では、マイクロレンズアレイ3Bに形成される2つのガイド孔7b、12の内、少なくとも1つのガイド孔の断面形状を長孔形状とし、ガイド孔12に必要となるクリアランスを大きくとると共に、このクリアランスの大きさに伴う光ファイバとマイクロレンズとの光軸ずれ量拡大の影響を抑えるようにした。
【0030】
つまり、光ファイバアレイ2A及びマイクロレンズアレイ3Bを各々構成する基板のうち、どちらか一方側(本実施例の場合は、マイクロレンズアレイ3Bのマイクロレンズアレイ基板10)の少なくとも1つのガイド孔12の断面形状を長孔形として、クリアランスを大きくして、位置合わせのための調整側とし、他方側(本実施例の場合は、光ファイバアレイ2Aのファイバ整列基板11)のガイド孔7aの断面形状は円形として、位置合わせのための基準側とした。このような構成であるため、ガイド孔12にクリアランスを設けて、ガイドピン11を挿入し易くしたにも拘らず、そのクリアランスの大きさが光ファイバとマイクロレンズとの位置合わせ精度にできるだけ影響を及ぼさないようになっている。
【0031】
(実施例3)
本発明に係る光ファイバコリメータアレイの実施形態の更なる他の一例を説明する。
本実施例の光ファイバコリメータアレイは、図1、図3に示した実施例1、実施例2とほぼ同等の構成でよい。しかしながら、本実施例では、光ファイバアレイを構成するファイバ整列基板やマイクロレンズアレイ基板の素材に、ポリマー樹脂等の弾性率が比較的高い材料を用いたことが特徴である。一般的に、光ファイバアレイを構成するファイバ整列基板やマイクロレンズアレイ基板の素材には、非弾性材料、例えば、金属やガラス等を用いており、この場合、ガイド孔にガイドピンを挿入するためにはクリアランスを比較的大きくとる必要があり、このため、このクリアランスの大きさに伴い光ファイバとマイクロレンズとの光軸ずれ量が拡大する可能性がある。この問題を回避するため、本実施例においてはファイバ整列基板及びマイクレンズアレイ基板の両方、又はどちらか一方を、弾性率が比較的高いポリマー樹脂材料を用いて作製した。
【0032】
このような構成にすることで、ガイド孔のクリアランスを大きくとる必要がないため、光ファイバとマイクロレンズとの光軸合わせの精度を保つと共に、ガイド孔へのガイドピンの挿入又はガイド孔からの抜出が容易となる。
【0033】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、光ファイバコリメータアレイにおいて、光ファイバアレイ及びマイクロレンズアレイを各々構成する基板の周辺部に、円筒形状のガイド用孔部を複数設け、ガイド用孔部の孔径にほぼ等しい外径寸法を持つガイドピンを、対向配置された光ファイバアレイ及びマイクロレンズアレイの各ガイド用孔部に挿入することで、光ファイバアレイとマイクロレンズアレイとを位置合わせすると共に密着固定したので、接着剤等の収縮の影響を排除して、各光ファイバと各マイクロレンズとの光軸間の位置合わせ精度を向上させると共に、組み立てを簡易にして、組立に要する時間を短縮して、低コストで作製することができる。又、接着剤等を用いることなく、ガイドピンを用いて各構成部品間を密着固定しているので、スペーサの取り外しができ、光学部品に応じてスペーサの厚みを適宜に変更して、光ビームの伝搬状態を調整することが可能となる。
【0034】
請求項2に係る発明によれば、光ファイバアレイ及びマイクロレンズアレイを各々構成する基板のうち、どちらか一方の基板の少なくとも1つのガイド用孔部の断面形状を長孔形としたので、光ファイバコリメータアレイの組み立ての際に、ガイドピンの挿入に必要な機械的なクリアランスを拡大させたり、又はガイド用孔部の形成位置の精度が低下したりした場合でも、各光ファイバと各マイクロレンズの光軸間の位置合わせの精度劣化の影響を緩和することができる。
【0035】
請求項3に係る発明によれば、光ファイバアレイ及びマイクロレンズアレイを各々構成する基板の両方、又はどちらか一方を、ポリマー樹脂等の弾性率の高い材料で作製したので、各光ファイバと各マイクロレンズの光軸間の位置合わせの精度を落とすことなく、ガイドピンの挿抜を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ファイバコリメータアレイの実施形態の一例を示す斜視図である。
【図2】図1の光ファイバコリメータアレイの組み立て方法を示す図である。
【図3】本発明に係る光ファイバコリメータアレイの実施形態の他の一例を示す斜視図である。
【図4】従来のフリースペース型光スイッチの一例を示す概略図である。
【図5】従来の光ファイバコリメータアレイの一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1A、1B 光ファイバコリメータアレイ
2A 光ファイバアレイ
3A、3B マイクロレンズアレイ
4A スペーサ
5 光ファイバ
6 ファイバ整列基板
7a、7b、7c ガイド孔
8 中空部
9 マイクロレンズ
10 マイクロレンズアレイ基板
11 ガイドピン
12 ガイド孔
Claims (3)
- 複数の光ファイバが一定の方向に配置された光ファイバアレイと、複数のマイクロレンズが一定の方向に配置されたマイクロレンズアレイと、前記光ファイバアレイと前記マイクロレンズアレイとの間に配置され、所定の厚みを持つスペーサとを有する光ファイバコリメータアレイにおいて、
前記光ファイバアレイ及び前記マイクロレンズアレイを各々構成する基板の周辺部に、円筒形状のガイド用孔部を複数設け、
前記ガイド用孔部の孔径にほぼ等しい外径寸法を持つガイドピンを、対向配置された前記光ファイバアレイ及び前記マイクロレンズアレイの各ガイド用孔部に挿入することで、前記光ファイバアレイと前記マイクロレンズアレイとを位置合わせすると共に固定したことを特徴とする光ファイバコリメータアレイ。 - 請求項1記載の光ファイバコリメータアレイにおいて、
前記光ファイバアレイ及び前記マイクロレンズアレイを各々構成する基板のうち、どちらか一方の基板の少なくとも1つの前記ガイド用孔部の断面形状を長孔形としたこと特徴とする光ファイバコリメータアレイ。 - 請求項1又は請求項2記載の光ファイバコリメータアレイにおいて、
前記光ファイバアレイ及び前記マイクロレンズアレイを各々構成する基板の両方、又はどちらか一方を、弾性率の高い材料で作製したことを特徴とする光ファイバコリメータアレイ。
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