JP2004251823A - 振動式レベルセンサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】検出部の振動板2の自由端に設けたマグネット3に若干のギャップを介して電磁石を対向させる。電磁石において、検出部の共振周波数を中心として所定の範囲内で周波数が掃引される交流電流を、所定の周期ごとにコイルに印加する。交流電流を印加したときに、振動板2に被検出物が接触するか否かに応じて生じてくる位相の変化を検出し、検出結果に基づいて被検出物の有無を判別する。同時に、所定の測定周期の前半の期間で検出された位相の変化に基づいて温度を測定し、所定の周期の後半の期間で、温度測定の結果に基づいて掃引する周波数を変化させる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、振動式レベルセンサに関し、より特定的には、微細な粉体や液体および粘性体のレベルの変化を検出する振動式レベルセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
図17は、特許文献1に記載されている従来の振動式レベルセンサの概略ブロック図である。
【0003】
図17において、検出パイプ部10は、その基部11が固定端とされ、その先端部が閉塞部12で閉塞されて自由端とされる。検出パイプ部10の内部には、細長い矩形状の振動板2が設けられる。振動板2は、一端が検出パイプ部10の閉塞部12に固着され、他端にはマグネット3が設けられて自由端とされる。したがって、検出パイプ部10と閉塞部12と振動板2とは、検出パイプ部10が閉塞部12で折返され、その折返し部分を振動板2とする、折返し片持ち梁を構成している。
【0004】
さらに、振動板2の軸方向と向き合うように、電磁石7が検出パイプ部10の内壁に密着するように取付けられる。電磁石7が交流電流で駆動されると、電磁石7が発生する磁界と、マグネット3の磁界の吸引反発作用により、振動板2と閉塞部12と検出パイプ部10とで、基部11を固定端として折返し片持ち梁の振動を発生させる。
【0005】
検出パイプ部10の基部11側の内側の壁には歪検出素子13が設けられる。歪検出素子13は、検出パイプ部10の基部11側の振幅振動状態を検知して電気信号に変換し、増幅回路14に与える。増幅回路14は、入力された信号を増幅して、再び電磁石7に入力する。
【0006】
電磁石7に加えられる電流の極性と電磁石7に発生する磁界との関係が図17(b)に示す関係であるとすると、電磁石7のマグネット3に向き合う極がN極となり、振動板2に取付けられたマグネット3のS極との間には吸引力が生じ、マグネット3のN極との間には反発力が生じ、振動板2の自由端は、図17(b)において、上側に力を受けて変位することになる。
【0007】
逆に、電磁石7に加わる電流の極性を逆にすると、図17(c)に示すように、
電磁石7のマグネット3に向かい合う側の極性が逆転してS極となり、振動板2のマグネット3のS極と反発し、N極と吸引するために、振動板2の自由端は下側に力を受け、振動状態が変化する。したがって、電磁石7に加わる電流の極性を折返し片持ち梁の振動系の固有振動周波数に合せて切換えることにより、振動を生じ、継続させることができる。
【0008】
従来の振動式レベルセンサの他の例としては、音叉型の振動子を用いたセンサが広く知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0009】
この振動式レベルセンサは、互いに間隔をおいて縁部で張架された膜に取り付けられて容器内に突出する2つの振動棒を有する音叉からなる機械的振動系と、振動棒をそれらの縦軸方向を横切る反対方向の振動に励起するための励起装置と、交流電圧によって励起可能な圧電素子を有する励起変換器と、機械的振動系の振動を電気的出力信号に変換するための圧電素子を備えた受信変換器と、受信変換器の出力信号に依存して表示過程を起動するための評価回路とを備える。
【0010】
本構成に係る振動式レベルセンサは、被検出物のわずかな荷重や密度の変化に対しても、機械的振動系の固有共振周波数が大きく変化することから、高い検出感度と信頼性を確保することができる。
【0011】
【特許文献1】
特開平11−351944号公報(第1図)
【0012】
【特許文献2】
特公平2−60245号公報(第4−5頁、第1図)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
図17に示す従来の振動式レベルセンサにおいては、折返し片持ち梁の振動モードを用いることにより、振動体を例えばシリコンのような柔軟なものでかつ薄膜状のもので支持する必要がなく、タンク側壁に強固に固定することが可能となり、十分な強度を確保でき、耐食性なども向上できる。
【0014】
また、振動板2は、検出パイプ部10内に封入されていることから、被検出物が直接接触することがないため、磨耗や破損などの経年変化の影響を受けず、安定した動作を行なうことができる。
【0015】
さらに、検出パイプ部10は、内部で振動板2と電磁石7とマグネット3とを一列に並べるように配置したことによって、1本の簡易な構成とすることができ、被検出物が検出部に堆積することがなく、耐付着性に優れており、誤動作を抑制することができる。
【0016】
一方で、従来の音叉式の振動式レベルセンサにおいては、検出部に被検出物が直接接触するという点で高い検出感度が期待できる一方で、音叉の2つの振動棒の間に粉体が堆積することによって誤動作してしまうという欠点があった。 また、検出部と被検出物との接触による磨耗や衝撃による変形などによって、音叉の振動特性が損なわれてしまうため、機械的に非常に弱いといった問題も有している。
【0017】
したがって、図17に示す従来の振動式レベルセンサは、特に、粉体の検出に適しているとして、広く使用されている。
【0018】
しかしながら、この振動式レベルセンサを、水などの液体や粘性体の検出に応用しようとすると、液体が検出パイプ部10に接触しても、内部の振動板2には被検出物に直接接触しないことから、振動を減衰および停止させるには至らず、十分な検出感度が得られない。
【0019】
それゆえ、この発明の目的は、高い検出感度を有し、かつ被検出物との接触による磨耗や衝撃による変形に影響されない振動式レベルセンサを提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
この発明のある局面に従えば、被検出物の有無を検出する振動式レベルセンサであって、振動式レベルセンサの本体部分と、本体部分に固定された検出部分とを備える。検出部分は、一端が本体部分に固定されかつ他端が自由端であり、折返し部分で折返された形状を有する折返し部材と、折返し部材の他端に装着されたマグネットとを含み、折返し部材の一端と折返し部分との間は支持板を構成し、折返し部材の他端と折返し部分との間は振動板を構成する。本体部分は、マグネットに対して一定の間隔を空けて対向するように配される電磁石と、電磁石のコイルの振動周波数における電流の位相を検出する検出回路と、検出された位相の変化に基づいて、被検出物の有無を判定する判定部とを含む。
【0021】
好ましくは、検出回路は、検出部分の共振周波数を中心として所定の範囲内の掃引周波数を持つ交流電流を所定の測定周期ごとに前記電磁石のコイルに印加する交流電流印加手段と、交流電流印加手段によって交流電流を印加したときに、振動板に被検出物が接触するか否かに応じて生じる位相の変化を検出する位相検出手段とを含む。判定部は、位相検出手段によって検出された位相の変化に基づいて被検出物の有無を判別する判別手段を含む。
【0022】
より好ましくは、検出回路は、所定の測定周期における前半の期間で、位相検出手段の検出出力に基づいて温度を測定する温度測定手段と、所定の測定周期における後半の期間で、温度測定手段の測定結果に基づいて、掃引する周波数を変化させる周波数変化手段とをさらに備える。
【0023】
好ましくは、位相検出手段は、検出部分の振動周波数と交流電流の掃引周波数との混合によって電磁石のコイルに生じるビート周波数成分による位相の揺らぎを検出する。
【0024】
より好ましくは、位相検出手段は、ビート周波数成分を抽出するためのフィルタを含む。
【0025】
好ましくは、温度測定手段は、コイルの温度による抵抗値の変化によって生じる電流の位相角度の変化に基づいて温度を測定する。
【0026】
この発明の別の局面に従えば、被検出物の有無を検出する振動式レベルセンサであって、振動式レベルセンサの本体部分と、本体部分に固定された検出部分とを備える。検出部分は、一端が本体部分に固定されかつ他端が自由端であり、折返し部分で折返された形状を有する折返し部材と、折返し部材の他端に装着されたマグネットとを含み、折返し部材の一端と折返し部分との間は支持板を構成し、折返し部材の他端と折返し部分との間は振動板を構成する。本体部分は、マグネットに対して一定の間隔を空けて対向するように配される電磁石と、電磁石のコイルに所定の期間電圧を印加して、電磁石に磁界を発生し、振動板を電磁石の磁界とマグネットの吸引反発作用によって変位させ、所定の期間経過後に、電磁石の磁界を消滅して、検出部分を残響振動状態へと移行させる電圧印加手段と、残響振動状態において、振動板に被検出物が接触するか否かに応じて生じる、振動が減衰するまでの減衰期間の変化を検出する減衰期間検出手段と、減衰期間検出手段によって検出された減衰期間の変化に基づいて、被検出物の有無を判別する判別手段とを備える。
【0027】
好ましくは、本体部分は、所定の期間において第1の電圧状態を示し、所定の期間後において第2の電圧状態を示すパルス電圧に応じて、コイルと電圧印加手段とを電気的に結合/分離するスイッチ回路をさらに備える。
【0028】
好ましくは、減衰期間検出手段は、残響振動状態において、電磁石に発生する検出部分の振動周波数に比例した起電圧と比較電圧とを比較する電圧比較手段と、電圧比較手段において、起電圧が比較電圧以上となる回数を計数する計数手段と、計数手段の計数値と設定値とを比較して比較結果信号を出力する比較部とを備える。判別手段は、比較部において、振動板に被検出物が接触するか否かに応じて生じる、比較結果信号の変化に基づいて、被検出物の有無を判別する。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一符号は同一または相当部分を示す。
【0030】
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1に従う振動式レベルセンサの構造を示す斜視図(図1(a))と、側面図(図1(b))と、上面図(図1(c))とである。
【0031】
図1(a)〜(c)を参照して、振動式レベルセンサは、支持板1と振動板2とからなる検出部と、ねじ部4と、プラグ5とを含む。
【0032】
検出部は、支持板1の一端がねじ部4にて固定され、他端が折り返されて自由端とされ、折返し片持ち梁を構成している。支持板1の折返し部分は、振動板2を構成し、その自由端にはマグネット3が接着される。
【0033】
ねじ部4は、さらに、プラグ5の一方の面に結合される。プラグ5の他方の面からは、図示しないねじ部4内部の電磁石に電流を駆動するための2本のリード線6が引き出される。
【0034】
本実施の形態の振動式レベルセンサは、図17に示す従来の振動式レベルセンサに対して、検出パイプ部を有しない点で異なる。これによって、検出部である振動板2は、露出した状態となり、被検出物が直接接触することとなる。
【0035】
さらに、図1(c)から明らかなように、支持板1と振動板2とは、ともに薄板で構成される。本構成は、パイプで構成する従来の振動式レベルセンサに対して、振動振幅がより大きくなり、高い検出感度が期待できる。
【0036】
図2は、図1の振動式レベルセンサの断面図である。
図2を参照して、ねじ部4の内部には、振動板2の軸方向において、マグネット3と若干のギャップを介して対向するように、電磁石7が配設される。電磁石7は、リード線6から供給される駆動電流に応じた磁界を発生する。振動板2と支持板1とは、マグネット3の磁界と電磁石7の発生する磁界との吸引反発作用により、支持板1の一端を固定端として、折返し片持ち梁の振動モードを発生させる。
【0037】
図3は、図1の振動式レベルセンサにおける振動モードを示す図である。
図3を参照して、図3(a),(b)は、電磁石7に発生する磁界とマグネット3の磁界との間の吸引反発作用を示す図であり、図3(c)は、上記の作用によって発生する支持板1と振動板2との振動モードを示す図である。
【0038】
まず、電磁石7に加えられる電流の極性と電磁石7に発生する磁界の関係が図3(a)に示す関係であるとする。このとき、電磁石7のマグネット3に向き合う極がN極となり、マグネット3のS極との間には吸引力が生じ、マグネット3のN極との間には反発力が生じる。したがって、振動板2の自由端は、図3(a)に示すように、上側に力を受けて変位することになる。このときの振動板2と支持板1の振動は、図3(c)(iv)から(ii)に示す状態となる。
【0039】
次に、電磁石7に加えられる電流の極性を逆にすると、図3(b)に示すように、電磁石7のマグネット3に向き合う極がS極となる。このため、マグネット3のS極との間には反発力が生じ、マグネット3のN極との間には吸引力が生じる。したがって、振動板2の自由端は、図3(b)に示すように、下側に力を受けて変位する。したがって、支持板1と振動板2の振動は、図3(c)(ii)に示す状態から、図3(c)(iv)を経由して(vi)に示す状態へと変化する。
【0040】
したがって、電磁石7に加える電流の極性を折返し片持ち梁の振動系の固有振動周波数に合わせて切換えることにより、振動を生じ、継続させることができる。
【0041】
図4は、図1の振動式レベルセンサの原理を説明するための図である。
図4(a)に示すように、棒状の電磁石7とマグネット3とを若干のギャップを有して対向させ、電磁石7に流れる電流の方向を切換えると、電磁石7の極性が切換わり、対向するマグネット3の極性と同極の場合は反発し、異極の場合は吸引することは、周知の事実である。
【0042】
この原理を図4(b)に示す振動板2に応用した場合、振動板2の先端のマグネット3の分極を厚み方向(図4(b)では、上側がN極で、下側がS極)とすることで、マグネット3に対して、電流によって上下方向に力を加えることが可能となる。
【0043】
マグネット3は、振動板2の自由端にあるため、電磁石7に流れる電流の向きの切換え周期と、振動板2の共振する周期とを一致させれば、振動板2は最大限に振動することになる。
【0044】
なお、従来の振動式レベルセンサでは、図17に示したように、駆動部としての電磁石7と受信部としての検出素子5とが別の部品で構成されているが、本実施の形態では、駆動部と受信部とを共通の電磁石7で構成する。
【0045】
図5は、図1の振動式レベルセンサの原理を示す図である。
図5を参照して、例えば、モータ31に電池32などの電源を接続すると、電流が流れてモータ31が回転する。このとき、モータ31を流れる電流は、電流計33から電流値aが得られたとする。
【0046】
次に、モータ31の回転軸を手で掴み、回転を止めると、モータ31を流れる電流は、電流値bに増加する。これは、モータ31が回転中は、モータ31が回ることによる発電作用によって、逆向きの電流(電力)が発生し、電流を抑制するためであり、モータ31の回転を止めると、この逆向きの電流(電力)が消失し、抑制効果がなくなることによる。
【0047】
本実施の形態の振動式レベルセンサは、図5に示すようなモータ31ではないが、図4(b)に示すように、電磁石7に電流を流して、マグネット3を振動させると、振動しているマグネット3の発電作用で、電磁石7に逆向きの電流が生じ、図5のモータ31の説明と同様にして、駆動するために流している電流を抑制する。
【0048】
ここで、検出部が、被検出物に覆われて振動しない場合は、振動板2に固定されているマグネット3の発電作用がなくなり、駆動電流は、抑制を受けることなく流れることになる。
【0049】
したがって、駆動電流を検出することで、振動の大きさが分かり、被検出物の有無の検出が可能となる。
【0050】
ところで、振動式レベルセンサでは、振動板2の共振周波数に駆動電流の周波数を一致させることで、振動を発生させているが、振動板2が振動する周波数幅は、80Hz(代表値)の中心周波数に対して、±0.1Hzと非常に狭い範囲であることから、駆動電流の周波数を常にこの範囲に保つことは困難である。
【0051】
そこで、本実施の形態では、図6に示すように、中心周波数の上下の一定の範囲で繰り返して周波数を変化(掃引)させている。このように、周波数を掃引させることにより、共振状態が検出できなくなるおそれを排除することができる。
【0052】
また、振動板2の振動周波数は、約−0.1Hz/℃の割合で、温度に対して変化するため、掃引周波数もこの割合で温度制御(補正)を行なっている。すなわち、温度の上昇に伴なって掃引周波数は低くなるように補正される。
【0053】
周波数の掃引範囲は、一例として、基準値の下20Hzから上10Hzの30Hz間である。ここで、基準値は、振動板2の共振周波数ではなく、干渉電圧のピークに対する周波数であり、これについては後述する。
【0054】
なお、周波数の掃引速度は、16.67Hz/秒で、30Hzを1.8秒で掃引している。掃引速度は、遅いほど振動の変化を詳細に観測できるが、計測時間との兼ね合いなどから、この値に設定される。
【0055】
図7は、干渉電圧(ビート)について説明するための波形図である。
ある2つの周波数を混合したときに、その周波数の和と差の周波数成分が新たに発生することが知られている。例えば、80Hzと85Hzとの周波数を混合した場合は、165Hzと5Hzとの周波数成分が発生する。
【0056】
本実施の形態では、図6で説明したように、振動板の共振周波数の上下30Hzの周波数範囲を16.67Hz/秒の速度で掃引している。
【0057】
図7の▲1▼に示すように、掃引開始直後は、掃引周波数と共振周波数とが離れているために振動は起こらず、逆起電流の発生はない。
【0058】
次に、▲2▼に示すように、掃引周波数が共振周波数に接近すると、振動板の振動が増加し始め、周波数が一致したときには最大となり、逆起電流も最大となる。
【0059】
続いて、▲3▼に示すように、その後、掃引周波数は一定速度で変化し続ける。振動板は、振動周波数を、▲2▼で最大となった共振周波数に保ったまま、振動振幅が徐々に減衰する。
【0060】
ここで、▲3▼の振動の減衰期間において、振動周波数が変化しないことが重要であり、周波数が変化する駆動電流の掃引周波数と、周波数が変化しない逆起電流の振動周波数との混合により、ビート周波数が発生する。発生したビート周波数のうち、差の周波数成分(変数)のみフィルタで抽出し、その大きさで被検出物の有無を判断する。
【0061】
検出部が被検出物で覆われて、振動板が振動しないと、逆起電流は発生せず、ビート周波数も生じない。この原理を用いた振動式レベルセンサの実施形態について詳細に説明する。
【0062】
図8は、図1の振動式レベルセンサのブロック図である。
図8において、マイクロコンピュータ40は、掃引周波数のパルス電圧を発生するパルス発生回路41を含む。発生されたパルス電圧は、駆動回路51から電流検出回路52を介して電磁石7に供給される。
【0063】
電流検出回路52は、電磁石7に流れたパルス電流を検出して位相比較回路53に与える。
【0064】
位相比較回路53は、電流検出回路52からのパルス電流と、パルス発生回路41から与えられるパルス電圧との位相差を検出する。
【0065】
振動板2に被検出物が接触していないときには、振動板2が振動することにより、先述のビート成分が駆動電流に発生するため、位相比較回路53の出力には、揺らぎが発生する。
【0066】
一方、振動板2に被検出物が接触しているときには、振動板2が振動しないため、この位相の揺らぎは発生しない。
【0067】
この位相比較回路53の出力は、平滑回路54に与えられるとともに、マイクロコンピュータ40のキャプチャ信号として取込まれる。
【0068】
平滑回路54は、位相比較回路53の出力が一種のPWM(パルス幅変調)信号であるので、扱いやすいアナログ電圧に変換する。平滑回路54によって変換されたアナログ電圧は、BPF(バンドパスフィルタ)55に与えられるとともに、マイクロコンピュータ40内部のA/Dコンバータ42に与えられて、デジタル信号に変換される。このデジタル信号は、温度計測用の入力として用いられる。
【0069】
BPF55は、5Hz近傍のみの揺らぎ(ビート)を検出する。検出信号は、増幅回路56を経由して、マイクロコンピュータ40に内蔵されるA/Dコンバータ43に与えられる。A/Dコンバータ43で変換されたデジタル信号は、検出信号として、マイクロコンピュータ40に読込まれる。
【0070】
マイクロコンピュータ40には、リレー回路65と動作表示灯66とが接続される。マイクロコンピュータ40は、読込んだ検出信号を演算処理してそのピーク値を求め、そのピーク値と予め定めた設定値とを比較する。さらに、マイクロコンピュータ40は、比較結果に基づいて、被検出物の有無を示す信号をリレー回路65および動作表示灯66に出力する。
【0071】
また、マイクロコンピュータ40は、電磁石7の接続が外れていると、通常あり得ない温度値を示すので、これをエラーとして、ブザー57などの手段によって警報を発することができる。
【0072】
なお、本実施の形態では、位相比較回路53で揺らぎを検出するようにしたが、これに限ることなく、位相差を検出する他の手段を用いてもよい。
【0073】
図9は、図8の振動式レベルセンサの計測シーケンスを示す図であり、図10は、図9の計測シーケンスにおける被検出物の検出期間の詳細を示す図である。
【0074】
マイクロコンピュータ40は、図9(a)に示すように、例えば、約4秒を一定周期としてレベル計測を行なう。約4秒の1測定周期のうち、例えば、前半分約2.2秒を温度測定周期とし、後半分約1.8秒を計測周期として定められている。前半分の温度測定周期では、マイクロコンピュータ40は、A/Dコンバータ42のデジタル出力に基づいて温度値を計測する。そして、マイクロコンピュータ40は、測定した温度値より検出期間の掃引周波数を制御する。
【0075】
温度計測期間中は、図9(b)に示すように、掃引周波数は500Hzに固定される。図10(a)の検出期間のうち検出開始後0.54秒は、図10(b)に見られるように、500Hzから掃引周波数への切換えによる駆動電流の乱れの影響があるため、その後の期間において、A/Dコンバータ43の出力をオンして電圧を読込む。
【0076】
液体がないときには、図10(b)に示すように、ビート電圧などによる揺らぎ成分が生じる。一方、液体に覆われて振動しないときには、図10(b)の太線で示すように、揺らぎによる電圧が発生しない。この振幅値が振動値とされる。
【0077】
図11は、図8に示す振動式レベルセンサの温度測定の詳細を示す図である。
図11(b)に示すように、電磁石7はコイルを含んでおり、等価的にインダクタンスXLと抵抗Rとが直列接続されたものと考えることができる。
【0078】
この回路に交流(パルス)電圧を加えると、インダクタンスXLと抵抗Rとで決まる位相だけ遅れた電流が流れる。コイルの温度が変化すると、抵抗値は変化するが、インダクタンスXLは、温度による変動を受けない。したがって、図11(a)に示すように、温度変化による抵抗値変化で、流れる電流の位相角度が変化する。
【0079】
ここで、駆動周波数を500Hz一定にしているのは、機械的振動の影響を避けるとともに、周波数変動による誤差をなくすためである。
【0080】
電磁石7に流れる電流の位相は、図8の位相比較回路53において、駆動回路51に供給される基準の位相と比較され、平滑回路54において、位相差に応じた直流電圧となり、A/Dコンバータ42に与えられる。
【0081】
したがって、温度の分解能は、A/Dコンバータ42の分解能で決定され、図8の回路では、約3.3℃の変化に対して温度データが1カウント変化する。
【0082】
なお、振動データに対しては、BPF55で直流変化分を除去しているので、温度変化による電圧変化は影響しない。
【0083】
ここで、振動板2の振動周波数は、製作上ある程度のばらつきがあり、また、振動板2の形状によっても振動周波数が異なることから、組立終了後や検出部交換後に検出部の動作周波数をマイクロコンピュータ40に記憶させる必要がある。この動作はチューニングと呼ばれる。
【0084】
そして、チューニング時に記憶した温度データと周波数データと、計測時の温度データとから、次式に基づいて、計測時の基準(掃引)周波数範囲を算出する。これにより、最良の掃引周波数を決定して、計測を行なうことができる。
【0085】
Fs=(Ts−Tt)・k+Ft
Tt:チューニング時の温度データ,Ts:計測時の温度データ
Ft:チューニング時の周波数データ,Fs:計測時の基準周波数
k:比例係数
図12は、図1の振動式レベルセンサが水を検出している状態を示す図である。
【0086】
図12(a)は、周波数−位相特性であり、図12(b)は、周波数−利得特性である。
【0087】
図12(a),(b)を参照して、振動板2に被検出物である水が接触していない(空気中にある)ときと、振動板2に水が接触しているときとでは、明らかに後者の方が位相および利得の変化が小さい。したがって、被検出物の有無の判断に誤りを生じることはない。
【0088】
以上のように、この発明の実施の形態1に従えば、振動式レベルセンサの検出部において、振動板を露出し、被検出物が直接接触する構造とすることにより、検出感度を向上することができ、液体および粘性体のレベル検出を精度良く行なうことが可能となる。
【0089】
なお、検出部分を音叉ではなく、支持板と振動板とによる折返し片持ち梁構造とすることで、機械的強度を高くすることができ、安定動作が保証される。
【0090】
[変更例]
図13は、この発明の実施の形態1の変更例に従う振動式レベルセンサを示す斜視図(図13(a))と、側面図(図13(b))と、上面図(図13(c))とである。
【0091】
図13(a)〜(c)を参照して、振動式レベルセンサは、支持板1と、振動板2と、振動板2の自由端に接着されたマグネット3とからなる検出部と、検出部を支持するねじ部4と、プラグ5とから構成される。
【0092】
本変更例の振動式レベルセンサは、図1に示す実施の形態1の振動式レベルセンサに対して、基本的な構成は同じであるが、検出部の折返し片持ち梁の構造が異なる。したがって、共通する部分については、説明を繰り返さない。
【0093】
図1に示す実施の形態1では、検出部が、振動板2が両脇に位置する支持板1によって支持される構造であるが、図13の変更例では、振動板2は、片側の1つの支持板1によって支えられる構造となっている。
【0094】
図14は、図13の振動式レベルセンサの断面図である。
図14を参照して、ねじ部4内部には、振動板2の軸方向において、マグネット3に対向して若干の隙間を設けて、電磁石7が配置される。電磁石7には、電流を駆動するためのリード線6が接続される。
【0095】
以上のように、本変更例に従う振動式レベルセンサは、実施の形態1の振動式レベルセンサに対して、検出部の形状のみが異なっている。この場合においても、折返し片持ち梁の振動モードおよび振動式レベルセンサの作用効果については、実施の形態1と同じである。
【0096】
このように、検出部が、被検出物に直接接触し、かつ折返し片持ち梁構造の振動モードであれば、その形状は、必ずしも図1の形状に制限されることはなく、図14の変更例を含む様々な形状を適用することができる。
【0097】
[実施の形態2]
図15は、この発明の実施の形態2に従う振動式レベルセンサのブロック図である。
【0098】
図15を参照して、マイクロコンピュータ40は、ワンショットパルス電圧を発生する基本パルス発生回路46を含む。発生されたパルス電圧は、接点制御部60に供給される。接点制御部60は、パルス電圧に対応する制御信号をスイッチ回路59に入力する。
【0099】
スイッチ回路59は、電磁石7と電源部61との間に配設されており、接点制御部60からの制御信号に応じて、電磁石7と電源部61または増幅回路62とを選択的に結合する。スイッチ回路59は、発生したパルス電圧に基づく制御信号を受けると、電磁石7と電源部61とを電気的に結合する。一方、パルス電圧が消滅すると、スイッチ回路59は、これまでの電源部61との結合を増幅回路62への結合状態へと切換える。
【0100】
増幅回路62は、電磁石7と電気的に結合されると、振動板2の振動周波数に比例した起電圧を受ける。この起電圧は増幅回路62において増幅され、電圧比較回路63へと供給される。
【0101】
電圧比較回路63は、内部に設定された一定の比較電圧と増幅された起電圧とを比較し、比較結果を示す信号を計数回路64に出力する。比較結果信号として、例えば、起電圧が比較電圧以上となる期間にH(論理ハイ)となり、比較電圧以下となる期間にL(論理ロー)となるパルス信号を発生する。
【0102】
パルス信号は、続いて計数回路64に入力される。計数回路64は、パルス信号がHレベルとなる回数をカウントし、カウント値をマイクロコンピュータ40内部の比較部45に出力する。
【0103】
比較部45は、計数回路64からのカウント値と、マイクロコンピュータ40内部で予め記憶されている設定値とが入力されると、これらの2値を比較して、比較結果信号をリレー回路65および動作表示灯66へと転送する。
【0104】
次に、以上の回路構成を備えた本実施の形態の振動式レベルセンサの検出動作について説明する。
【0105】
最初に、基本パルス発生回路46で発生したパルスは、接点制御部60を介して制御信号としてスイッチ回路59に入力されると、電磁石7と電源部61とを電気的に結合する。これにより、電磁石7には、駆動電流の方向によって極性が決められた磁界が発生する。
【0106】
ここで、電磁石7には、振動板2の自由端に接着されたマグネット3が対向しており、電磁石7の発生する磁界とマグネット3の磁界との吸引反発作用により、マグネット3は、上下方向のいずれか一方向に変位する。パルス電圧がHレベルであって、電源部61と電磁石7とが結合している期間において、この変位は固定された状態に保たれる。
【0107】
次に、基本パルス発生回路46においてパルスが消滅し、パルス電圧がLレベルに立下がると、接点制御部60からの制御信号によって、スイッチ回路59は、スイッチング動作を行ない、電磁石7と増幅回路62とを電気的に結合する。
【0108】
電磁石7では、電源部61からの駆動電流が途絶えたことによって、磁界の発生が停止する。これによって、マグネット3には、電磁石7との間の吸引反発作用がなくなり、振動板2は、変位して固定されていた状態から元の状態に戻ろうとする。以降、振動板2を含む検出部は、図15に示すように、電磁石の上下方向に振幅を減衰させながら振動する残響振動モードとなる。
【0109】
一方、電磁石7においては、振動板2に接着されたマグネット3が振動することによって、振動周波数に比例した起電圧が発生する。この起電圧は増幅回路62へと伝達される。
【0110】
さらに、増幅回路62において増幅された起電圧(図15中のA点の電位に相当)は、電圧比較回路63に入力されると、比較電圧と比較される。比較結果として、電圧レベルが比較電圧以上となるときにHレベルを示すパルス信号が出力される(図15中のB点の電位に相当)。
【0111】
図16は、図15中のA点およびB点での電位を示す波形図である。図16(a)は、振動板2に被検出物が接触していないときの電位波形であり、図16(b)は、振動板2に被検出物が接触しているときの電位波形である。
【0112】
図16(a)と図16(b)とを参照して、A点の波形には、いずれも、振幅が減衰していく残響振動モードが見られるが、振幅が0レベルに収束するまでの期間(以下、減衰期間とも称する)は、振動板2に被検出物が接触していない図16(a)の方が明らかに長い。したがって、比較電圧との比較結果信号を示すB点の波形においても、図16(a)は、図16(b)よりも、パルスの発生回数が多い結果となる。
【0113】
計数回路64は、B点の波形からパルスの発生回数をカウントして、カウント値を比較部45へと出力するが、図16(a)および(b)の波形からは、それぞれ4回および1回とカウントされる。
【0114】
比較部45は、これらのカウント値とを設定値44とを比較する。ここで、例えば、設定値が3回とすれば、図16(b)の場合、カウント値が設定値以下であることを示す比較結果信号が出力される。リレー回路65および動作表示灯66は、この比較結果信号を制御信号として、被検出物が検出されたことを表示する。
【0115】
一方、図16(a)の場合は、カウント値が設定値以上であることを示す比較結果信号が出力されると、動作表示灯66およびリレー回路65は、被検出物が検出されていないと認識して、上記の表示動作を行なわない。
【0116】
なお、以上の検出動作の説明は、基本パルス発生回路46で発生されるパルスを1つとして行なったが、複数でも同じである。
【0117】
以上のように、この発明の実施の形態2によれば、電磁石に発生した磁界によって振動板を変位させ、その後、磁界を取り除いたときに生じる振動板の残響振動モードにおいて、その減衰期間を計測することにより、被検出物の有無を検出することができる。
【0118】
なお、本実施の形態の検出方法は、検出部の振動板が、図17に示す従来の検出パイプ部に対して、薄板で構成され、振動振幅が大きい特性をもつ本発明の振動式レベルセンサにおいて、初めて実現可能となったものである。
【0119】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0120】
【発明の効果】
以上のように、この発明のある局面によれば、振動式レベルセンサの検出部において、振動板を露出し、被検出物が直接接触する構造とすることにより、検出感度を向上することができ、液体および粘性体のレベル検出を精度良く行なうことが可能となる。
【0121】
さらに、検出部を支持板と振動板とによる折返し片持ち梁の構造とすることで、音叉で問題となる機械的強度を高くすることができ、安定動作が保証される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に従う振動式レベルセンサの構造を示す斜視図(図1(a))と、側面図(図1(b))と、上面図(図1(c))とである。
【図2】図1の振動式レベルセンサの断面図である。
【図3】図1の振動式レベルセンサにおける振動モードを示す図である。
【図4】図1の振動式レベルセンサの原理を説明するための図である。
【図5】図1の振動式レベルセンサの原理を示す図である。
【図6】周波数掃引と温度補正との関係を示すグラフである。
【図7】干渉電圧(ビート)について説明するための波形図である。
【図8】図1の振動式レベルセンサのブロック図である。
【図9】図8の振動式レベルセンサの計測シーケンスを示す図である。
【図10】図9の計測シーケンスにおける被検出物の検出期間の詳細を示す図である。
【図11】図8に示す振動式レベルセンサの温度測定の詳細を示す図である。
【図12】図1の振動式レベルセンサが水を検出している状態を示す図である。
【図13】この発明の実施の形態1の変更例に従う振動式レベルセンサを示す斜視図(図13(a))と、側面図(図13(b))と、上面図(図13(c))とである。
【図14】図13の振動式レベルセンサの断面図である。
【図15】この発明の実施の形態2に従う振動式レベルセンサのブロック図である。
【図16】図15中のA点およびB点での電位を示す波形図である。
【図17】特許文献1に記載されている従来の振動式レベルセンサの概略ブロック図である。
【符号の説明】
1 支持板、2 振動板、3 マグネット、4 ねじ部、5 プラグ、6 リード線、7 電磁石、10 検出パイプ部、11 基部、12 閉塞部、31 モータ、32 電池、33 電流計、40 マイクロコンピュータ、41 パルス発生回路、42,43 A/Dコンバータ、44 設定値、45 比較部、46 基本パルス発生回路、51 駆動回路、52 電流検出回路、53 位相比較回路、54 平滑回路、55 BPF、56 増幅回路、57 ブザー、59スイッチ回路、60 接点制御部、61 電源部、62 増幅回路、63 電圧比較回路、64 計測回路、65 リレー回路、66 動作表示灯。
Claims (9)
- 被検出物の有無を検出する振動式レベルセンサであって、
前記振動式レベルセンサの本体部分と、
前記本体部分に固定された検出部分とを備え、
前記検出部分は、
一端が前記本体部分に固定されかつ他端が自由端であり、折返し部分で折返された形状を有する折返し部材と、
前記折返し部材の他端に装着されたマグネットとを含み、
前記折返し部材の前記一端と前記折返し部分との間は支持板を構成し、前記折返し部材の前記他端と前記折返し部分との間は振動板を構成し、
前記本体部分は、
前記マグネットに対して一定の間隔を空けて対向するように配される電磁石と、
前記電磁石のコイルの振動周波数における電流の位相を検出する検出回路と、
前記検出された位相の変化に基づいて、前記被検出物の有無を判定する判定部とを含む、振動式レベルセンサ。 - 前記検出回路は、
前記検出部分の共振周波数を中心として所定の範囲内で周波数が掃引される交流電流を所定の測定周期ごとに前記電磁石のコイルに印加する交流電流印加手段と、
前記交流電流印加手段によって交流電流を印加したときに、前記振動板に前記被検出物が接触するか否かに応じて生じる位相の変化を検出する位相検出手段とを含み、
前記判定部は、
前記位相検出手段によって検出された位相の変化に基づいて前記被検出物の有無を判別する判別手段を含む、請求項1に記載の振動式レベルセンサ。 - 前記検出回路は、
前記所定の測定周期における前半の期間で、前記位相検出手段の検出出力に基づいて温度を測定する温度測定手段と、
前記所定の測定周期における後半の期間で、前記温度測定手段の測定結果に基づいて、前記掃引する周波数を変化させる周波数変化手段とをさらに備える、請求項2に記載の振動式レベルセンサ。 - 前記位相検出手段は、前記検出部分の振動周波数と前記交流電流の掃引周波数との混合によって前記電磁石のコイルに生じるビート周波数成分による位相の揺らぎを検出する、請求項3に記載の振動式レベルセンサ。
- 前記位相検出手段は、前記ビート周波数成分を抽出するためのフィルタを含む、請求項4に記載の振動式レベルセンサ。
- 前記温度測定手段は、前記コイルの温度による抵抗値の変化によって生じる電流の位相角度の変化に基づいて温度を測定する、請求項3に記載の振動式レベルセンサ。
- 被検出物の有無を検出する振動式レベルセンサであって、
前記振動式レベルセンサの本体部分と、
前記本体部分に固定された検出部分とを備え、
前記検出部分は、
一端が前記本体部分に固定されかつ他端が自由端であり、折返し部分で折返された形状を有する折返し部材と、
前記折返し部材の他端に装着されたマグネットとを含み、
前記折返し部材の前記一端と前記折返し部分との間は支持板を構成し、前記折返し部材の前記他端と前記折返し部分との間は振動板を構成し、
前記本体部分は、
前記マグネットに対して一定の間隔を空けて対向するように配される電磁石と、
前記電磁石のコイルに所定の期間電圧を印加して、前記電磁石に磁界を発生し、前記振動板を前記電磁石の磁界と前記マグネットの吸引反発作用によって変位させ、前記所定の期間経過後に、前記電磁石の磁界を消滅して、前記検出部分を残響振動状態へと移行させる電圧印加手段と、
前記残響振動状態において、前記振動板に被検出物が接触するか否かに応じて生じる、振動が減衰するまでの減衰期間の変化を検出する減衰期間検出手段と、
前記減衰期間検出手段によって検出された減衰期間の変化に基づいて、前記被検出物の有無を判別する判別手段とを備える、振動式レベルセンサ。 - 前記本体部分は、前記所定の期間において第1の電圧状態を示し、前記所定の期間後において第2の電圧状態を示すパルス電圧に応じて、前記コイルと前記電圧印加手段とを電気的に結合/分離するスイッチ回路をさらに備える、請求項7に記載の振動式レベルセンサ。
- 前記減衰期間検出手段は、
前記残響振動状態において、前記電磁石に発生する前記検出部分の振動周波数に比例した起電圧と比較電圧とを比較する電圧比較手段と、
前記電圧比較手段において、前記起電圧が前記比較電圧以上となる回数を計数する計数手段と、
前記計数手段の計数値と設定値とを比較して比較結果信号を出力する比較部とを備え、
前記判別手段は、前記比較部において、前記振動板に前記被検出物が接触するか否かに応じて生じる、前記比較結果信号の変化に基づいて、前記被検出物の有無を判別する、請求項7に記載の振動式レベルセンサ。
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