JP2004250471A - 粉末成形用パウダーおよび粉末成形体 - Google Patents
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Abstract
【課題】機械的強度、耐磨耗性、柔軟性に優れる粉末成形体を得ることができ、粉体流動性、溶融性に優れる粉末成形用パウダー、および、該パウダーを粉末成形してなる粉末成形体を提供すること。
【解決手段】下記成分(I)および(II)を含有する熱可塑性エラストマー組成物パウダーであって、成分(I)100重量部に対する成分(II)の含有量が0.1〜10重量部であり、平均粒径が30〜1000μmである熱可塑性エラストマー組成物パウダー100重量部と、平均粒径が0.01〜10μmである無機粉体0.1〜10重量部との割合でドライブレンドしてなる粉末成形用パウダー。
(I)下記要件(A)および(B)を充足する熱可塑性エラストマー
(A)A硬度が30〜95であること
(B)メルトフローレートが10〜200g/10分であること
(II)25℃における粘度が10〜10000cSであるシリコーンオイル
【選択図】 なし
【解決手段】下記成分(I)および(II)を含有する熱可塑性エラストマー組成物パウダーであって、成分(I)100重量部に対する成分(II)の含有量が0.1〜10重量部であり、平均粒径が30〜1000μmである熱可塑性エラストマー組成物パウダー100重量部と、平均粒径が0.01〜10μmである無機粉体0.1〜10重量部との割合でドライブレンドしてなる粉末成形用パウダー。
(I)下記要件(A)および(B)を充足する熱可塑性エラストマー
(A)A硬度が30〜95であること
(B)メルトフローレートが10〜200g/10分であること
(II)25℃における粘度が10〜10000cSであるシリコーンオイル
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉末成形用パウダーおよび粉末成形体に関するものである。更に詳しくは、本発明は、機械的強度、耐磨耗性、柔軟性に優れる粉末成形体を得ることができ、粉体流動性、溶融性に優れる粉末成形用パウダー、および、該パウダーを粉末成形してなる粉末成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車内装部品などの表皮材として、柔軟であり、表面に皮しぼ、ステッチ等の複雑な凹凸模様を有する成形体が用いられており、たとえば、エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合体ゴムとポリプロピレン樹脂とからなる熱可塑性エラストマーパウダーを粉末成形することにより製造される粉末成形体が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このような成形体に対しては、布などで表面を擦ったときに表面の傷付きが少ないこと、すなわち耐磨耗性を高めることが求められているが、上記パウダーの粉末成形体は、十分満足のいくものではなかった。また、昨今、成形体の形状は複雑化しており、たとえば、上記のパウダーを用いて複雑な形状の成形体を粉末成形する場合、パウダーの粉体流動性、溶融性が十分でないため、粉末成形体にピンホールや欠肉などが発生することがあったり、粉末成形品の機械的強度が低下することがあった。
【0003】
【特許文献1】
特開平2−57310号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
かかる状況のもと、本発明が解決しようとする課題は、機械的強度、耐磨耗性、柔軟性に優れる粉末成形体を得ることができ、粉体流動性、溶融性に優れる粉末成形用パウダー、および、該パウダーを粉末成形してなる粉末成形体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の第一は、下記成分(I)および(II)を含有する熱可塑性エラストマー組成物パウダーであって、成分(I)100重量部に対する成分(II)の含有量が0.1〜10重量部であり、平均粒径が30〜1000μmである熱可塑性エラストマー組成物パウダーと、平均粒径が0.01〜10μmである無機粉体とを、熱可塑性エラストマー組成物パウダー100重量部、無機粉体0.1〜10重量部の割合でドライブレンドしてなる粉末成形用パウダーに係るものである。
(I)下記要件(A)および(B)を充足する熱可塑性エラストマー
(A):JIS K−6253(1997)に従い測定されるA硬度が、30〜95であること
(B):JIS K−7210(1976)に従い、荷重21.18N、温度230℃で測定されるメルトフローレートが、10〜200g/10分であること
(II)25℃における粘度が10〜10000cSであるシリコーンオイル
また、本発明の第二は、上記粉末成形用パウダーを粉末成形してなる粉末成形体に係るものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物パウダーに用いられる熱可塑性エラストマーとは、代表的には、ポリオレフィン系樹脂とポリオレフィン系ゴムとの組成物などのオレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン−ジエン系共重合体などのスチレン系熱可塑性エラストマーをあげることができる。これらは、単独または2種以上組み合わせて用いられる。
【0007】
上記ポリオレフィン系樹脂とは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセンなどの炭素原子数2〜10のオレフィン1種または2種以上から誘導される繰り返し単位を50重量%以上含有する重合体であって、JIS K−6253(1997)のA硬度が98を超える重合体である。ポリオレフィン系樹脂はオレフィン以外の単量体から誘導される繰り返し単位を含有していてもよく、オレフィン以外の単量体としては、たとえば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどの炭素数4〜8の共役ジエン;ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ジシクロオクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネンなどの炭素原子数5〜15の非共役ジエン;酢酸ビニルなどのビニルエステル化合物;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどの不飽和カルボン酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸があげられる。
【0008】
ポリオレフィン系樹脂としては、たとえば、エチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、1−ブテン単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−1−オクテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−プロピレン−1−オクテン共重合体があげられ、これらポリオレフィン系樹脂は1種または2種以上組み合わせて用いられる。これらは公知の方法で製造することができる。
【0009】
ポリオレフィン系樹脂の中では、成形体の耐熱性の観点から、プロピレンから誘導される繰り返し単位の含有量が80重量%以上であるポリプロピレン系樹脂が好ましい。該ポリプロピレン系樹脂のプロピレンから誘導される繰り返し単位の含有量は、より好ましくは90重量%以上であり、更に好ましくは95重量%以上である。
【0010】
ポリオレフィン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は、粉末成形用パウダーの溶融性、成形体の機械的強度をより高める観点から、好ましくは10〜500g/10分であり、より好ましくは50〜400g/10分であり、更に好ましくは100〜300g/10分である。なお、MFRは、JIS K−7210(1976)に従って、温度230℃、荷重21.18Nの条件で測定される。
【0011】
上記ポリオレフィン系ゴムとは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−メチルプロピレン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセンなどの炭素原子数2〜10のオレフィン1種または2種以上から誘導される繰り返し単位を50重量%以上含有する重合体であって、JIS K−6253(1997)のA硬度が98以下の重合体である。ポリオレフィン系ゴムはオレフィン以外の単量体から誘導される繰り返し単位を含有していてもよく、オレフィン以外の単量体としては、たとえば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどの炭素数4〜8の共役ジエン;ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ジシクロオクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネンなどの炭素原子数5〜15の非共役ジエン;酢酸ビニルなどのビニルエステル化合物;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどの不飽和カルボン酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸があげられる。
【0012】
ポリオレフィン系ゴムとしては、たとえば、プロピレン単独重合体、1−ブテン単独重合体、2−メチルプロパン単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−3−メチル−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−1−オクテン共重合体、エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−プロピレン−1−オクテン共重合体があげられ、これらポリオレフィン系ゴムは1種または2種以上組み合わせて用いられる。これらは公知の方法で製造することができる。
【0013】
ポリオレフィン系ゴムの中では、成形体の機械的強度をより高める観点から、エチレンから誘導される繰り返し単位を含有するポリエチレン系ゴムが好ましく、エチレン−α−オレフィン共重合体がより好ましい。ここで、α−オレフィンとしては、入手容易性の観点から、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましい。
【0014】
ポリオレフィン系ゴムの中では、成形体の柔軟性をより高める観点から、JIS K−6253(1997)のA硬度が80以下であるポリオレフィン系ゴムが好ましい。(要件▲1▼)
【0015】
スチレン−ジエン系共重合体とは、ビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体、ビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物である。ビニル芳香族化合物としては、例えば、炭素原子数8〜12のビニル芳香族化合物が用いられ、そのビニル基の1位又は2位がメチル基などのアルキル基などで置換されていてもよく、具体的には、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレンなどをあげることができ、これらは1種又は2種以上組み合わせて用いられる。これらの中では、成形体の機械的強度をより高める観点から、スチレンが好ましい。共役ジエンとしては、例えば、炭素原子数4〜8の共役ジエンが用いられ、1,3−ブタジエン、イソプレン、ペンタジエン、2−3−ジメチルブタジエンなどをあげることができ、これらは1種又は2種以上組み合わせて用いられる。これらの中では、得られる成形体の機械的強度をより高める観点から、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。
【0016】
ビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体としては、たとえば、スチレン−1,3−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体などがあげられ、これらは1種または2種以上用いられる。また、これらは公知の方法により製造することができる。
【0017】
ビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体は、構造が1つのブロックからなるものでもよく、構造が異なる2以上のブロックから構成されてもよい。構造が1つのブロックからなるものとしては、ビニル芳香族化合物と共役ジエンとがランダムに配列した構造の共重合体、たとえば、スチレン−ブタジエンランダム共重合体、スチレン−イソプレンランダム共重合体があげられる。構造が異なる2以上のブロックから構成されるものとしては、たとえば、スチレン単独重合体ブロック−ブタジエン単独重合体から構成される共重合体、スチレン単独重合体ブロック−イソプレン単独重合体ブロックから構成される共重合体、スチレン単独重合体ブロック−ブタジエン単独重合体ブロック−スチレン単独重合体ブロックから構成される共重合体、スチレン単独重合体ブロック−イソプレン単独重合体ブロック−スチレン単独重合体ブロックから構成される共重合体、スチレン単独重合体ブロック−ブタジエン−イソプレン共重合体ブロック−スチレン単独重合体ブロックから構成される共重合体、スチレン単独重合体ブロック−スチレン−ブタジエン共重合体ブロック−スチレン単独重合体ブロックから構成される共重合体があげられ、かかる共重合体においてスチレン−ブタジエン共重合体ブロックはスチレンとブタジエンとがランダムに共重合した構造のブロックであってもよいし、スチレン単位の含有量が徐々に減少するテーパー状の構造のブロックであってもよい。
【0018】
ビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物とは、前述のビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体を水素添加することにより得られる重合体であり、ビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体と同様、構造が1つのブロックからなるものでもよく、構造が異なる2以上のブロックから構成されてもよい。ビニル芳香族化合物と共役ジエンの共重合体の水添物としては、たとえば、水添スチレン−1,3−ブタジエン共重合体、水添スチレン−イソプレン共重合体があげられ、これらは1種または2種以上組み合わせて用いられる。
【0019】
スチレン−ジエン系共重合体のJIS K−7210に従って230℃、荷重21.18Nで測定したメルトフローレート(MFR)は、成形体の機械的強度、粉末成形用パウダーの溶融性をより高める観点から、好ましくは0.1〜200g/10分であり、より好ましくは1〜100g/10分であり、更に好ましくは3〜80g/10分である。
【0020】
スチレン−ジエン系共重合体は、官能基で変性してもよく、官能基としては、酸無水物基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、イソシアネート基及びエポキシ基から選ばれた少なくとも一種の官能基を用いることができる。これら官能基で変性したスチレン−ジエン系共重合体を用いた場合、たとえば得られる成形体をポリウレタン発泡層と接着して二層成形体又は多層成形体を製造する場合に、ポリウレタン発泡層との接着性が向上するという利点を得ることが可能である。
【0021】
スチレン−ジエン系共重合体の中では、成形体の機械的強度の観点から、下記(a)及び(b)のブロックを含有するビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物が好ましい。(要件▲2▼)
(a):ビニル芳香族化合物重合体ブロック
(b):下記(b1)、(b2)から選ばれる少なくとも一種類のブロック
(b1):ビニル芳香族化合物と共役ジエンの共重合体ブロックが水添されてなるブロック
(b2):共役ジエン重合体ブロックが水添されてなるブロック
【0022】
上記の要件▲2▼を充足するビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物としては、一般式[(a)−(b)]n、[(a)−(b)]n−(a)、[(b)−(a)]n−(b)(ただし、nは1以上の整数であり、(a)及び(b)が複数の場合、複数の(a)及び(b)はそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。)で表わされる構成を有し、例えば[(a)−(b1)]n−(a)、[(a)−(b2)]n−(a)で表わされるビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物があげられる。
【0023】
上記の要件▲2▼を充足するビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物中では、成形体の機械的強度の観点から、(a)−(b1)−(a)、(a)−(b2)−(a)で表わされるビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物が好ましく、例えばスチレン単独重合体ブロック−ブタジエン−スチレン共重合体ブロック(ランダム共重合ブロックまたはスチレンが漸増するテーパー状ブロック)−スチレン単独重合体ブロックから構成された重合体の水添物、スチレン単独重合体ブロック−ブタジエン単独重合体ブロック−スチレン単独重合体ブロックから構成された重合体の水添物、スチレン単独重合体ブロック−イソプレン−スチレン共重合体ブロック(ランダム共重合ブロックまたはスチレンが漸増するテーパー状ブロック)−スチレン単独重合体ブロックから構成された重合体の水添物、スチレン単独重合体ブロック−イソプレン単独重合体ブロック−スチレン単独重合体ブロックから構成された重合体の水添物などがあげら、これらの中では、(a)−(b2)−(a)で表わされるビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物がより好ましく、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体水添物が特に好ましい。
【0024】
スチレン−ジエン系共重合体の全ビニル芳香族化合物単位含有量(T)は、成形体の柔軟性や耐折り曲げ白化性、成形体表面の光沢およびブリード物防止の観点から、10〜18重量%であることが好ましく、12〜17重量%であることがより好ましい。(要件▲3▼)ただし、スチレン−ジエン系共重合体中に含まれる全単量体単位含有量を100重量%とする。なお、全ビニル芳香族化合物単位含有量は、スチレン−ジエン系共重合体の四塩化炭素等溶液を用いて、1H−NMR測定により求めることができる。
【0025】
スチレン−ジエン系共重合体としては、成形体の柔軟性、耐折り曲げ白化性、耐光性の観点から、水添率が80%以上のビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物が好ましく、水添率が90%以上のビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物がより好ましく、水添率が96%以上のビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物が更に好ましい。(要件▲4▼)該水添率は、原料であるビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体中の共役ジエン単位の二重結合が水添処理により飽和される割合であって、該水添率をHR(%)、原料であるビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体中の共役ジエン単位の二重結合量をV、ビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物中の共役ジエン単位中の二重結合量をVHとして、下記式(イ)から求められる。
HR = (V−VH)×100/V (イ)
なお、該水添率は、原料であるビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体の四塩化炭素溶液と、該ビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体を水添した重合体(ビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物)の四塩化炭素溶液とを用いて、1H−NMR測定により求めることができる。
【0026】
スチレン−ジエン系共重合体の数平均分子量は、粉末成形用パウダーの溶融性、成形体の耐熱性や耐光性や柔軟性、成形体表面の光沢およびブリード物防止の観点から、5万〜40万であることが好ましく、10万〜30万であることがより好ましい。(要件▲5▼)数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法によって測定される。
【0027】
要件▲2▼〜▲5▼を充足するスチレン−ジエン系共重合体は、たとえば特開平3―72512号公報、特開平5―271325号公報、特開平5―271327号公報、特開平6−287365号公報などに記載された方法によって製造することができる。
【0028】
熱可塑性エラストマーとしては、ポリオレフィン系樹脂、ポリオレフィン系ゴム、スチレン−ジエン系共重合体を含有する組成物であることが好ましい。ポリオレフィン系ゴムの含有量は、成形体の機械的強度をより高める観点から、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し、30〜200重量部であり、好ましくは50〜100重量部である。また、スチレン−ジエン系共重合体の含有量は、成形体の機械的強度、耐折り曲げ白化性の観点から、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し、50〜200重量部であり、好ましくは80〜150重量部である。
【0029】
熱可塑性エラストマーのA硬度は30〜95であり、好ましくは40〜90である。該値が小さすぎると粉末成形用パウダーの粉体流動性が低下することがあり、該値が大きすぎると成形体の柔軟性が劣ることがある。なお、A硬度は、JIS K−6253(1997)に従い測定される。
【0030】
熱可塑性エラストマーのメルトフローレート(MFR)は、10〜200g/10分であり、好ましくは30〜100g/10分である。MFRが低すぎると、粉末成形用パウダーの溶融性に劣ることがあり、高すぎると成形体の機械的強度が劣ることがある。なお、MFRは、JIS K−7210(1976)に従って、温度230℃、荷重21.18Nの条件で測定される。
【0031】
本発明のシリコーンオイルとは、分子中にシロキサン結合を有するシリコーン化合物であり、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイルなどがあげられる。
【0032】
シリコーンオイルの粘度は、10〜10000cSである。該値が小さすぎると成形品の耐摩耗性が不十分となることがあり、該値が大きすぎると、粉末成形用パウダーの溶融性が劣ることがあり、成形品の機械的強度が低下することがあり、成形体の耐磨耗性が劣ることがある。ここでシリコーンオイルの粘度は、JIS Z−8803に従い25℃にて測定される。
【0033】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、熱可塑性エラストマーおよび粘度が10000cS以下のシリコーンオイルを含有し、熱可塑性エラストマー100重量部に対する粘度が10000cS以下のシリコーンオイルの含有量は、0.1〜10重量部であり、好ましくは0.3〜7重量部であり、より好ましくは0.5〜5重量部である。該含有量が少なすぎると成形体の耐摩耗性が不十分となることがあり、該含有量が多すぎると成形体の機械的強度が劣ることがあり、粉末成形用パウダーの溶融性が劣ることがある。
【0034】
熱可塑性エラストマー組成物は、鉱物油系軟化剤、酸化防止剤(フェノール系、硫黄系、リン系、アミン系等)、耐候安定剤、帯電防止剤、顔料、金属石鹸、ワックス、防かび剤、抗菌剤、フィラー、発泡剤などの各種添加剤を含有してもよい。
【0035】
熱可塑性エラストマー組成物を構成する成分を配合する方法としては、該成分をタンブルミキサー等によりコールドブレンドを行ってもよいし、一軸押出機、二軸押出機、ニーダー、ロール、バンバリーミキサー等により溶融混練を行ってもよい。溶融混練するときは、混練する全成分を一括して溶融混練を行ってもよいし、一部の成分を混練した後に選択しなかった成分を加え溶融混練を行ってもよい。
【0036】
熱可塑性エラストマー組成物パウダーの平均粒子径は、30〜1000μmであり、好ましくは100〜600μmであり、より好ましくは200〜500μmである。該粒子径が大きすぎると、粉末成形法により製造される成形体の肉厚を薄厚に制御するのが困難となる場合がある。該平均粒子径が小さすぎると粉末成形用パウダーの粉体流動性が低下する場合がある。なお、熱可塑性エラストマー組成物パウダーの平均粒径は、JIS Z−8801(1976)に規定される標準篩を用い、JIS R−6002(1978)に従い、篩い分け法により測定される。
【0037】
平均粒径30〜1000μmからなる熱可塑性エラストマー組成物パウダーを得る方法としては、例えば、特開2000−344962号公報に記載されているように、冷凍粉砕法、ストランドカット法、ダイフェースカット法、溶剤処理法等の公知の方法が用いられる。
【0038】
無機粉体としては、アルミナ、シリカ、アルミナシリカ、炭酸カルシウムなどがあげられ、これらの中では、パウダーの粉体流動性の観点で、アルミナ、シリカが好ましい。
【0039】
無機粉体の平均粒径は、0.01〜10μmであり、好ましくは0.02〜7μmであり、より好ましくは0.03〜5μmである。平均粒径が小さすぎる、あるいは、大きすぎると、パウダーの粉体流動性が劣ることがある。なお、無機粉体の平均粒径は、無機粉体を2000〜30000倍の倍率で電子顕微鏡にて観察し、その中から任意に50個の無機粉体の直径を測定し、その数平均値より求められる。
【0040】
本発明の粉末成形用パウダーは、平均粒径が30〜1000μmである熱可塑性エラストマー組成物パウダーと、平均粒径が0.1〜10μmである無機粉体とをドライブレンドしたものである。該無機粉体のドライブレンド量は、該熱可塑性エラストマー組成物パウダー100重量部に対し、0.1〜10重量部であり、好ましくは0.3〜7重量部であり、より好ましくは0.5〜5重量部である。該ドライブレンド量が少なすぎると、粉末成形用パウダーの粉体流動性が十分でない場合があり、該ドライブレンド量が多すぎると、成形体の機械的強度が低下する場合がある。
【0041】
平均粒径が30〜1000μmである熱可塑性エラストマー組成物パウダーと平均粒径が0.1〜10μmである無機粉体とをドライブレンドする方法は、特に限定されるものではなく、タンブルミキサー、ヘンシェルミキサーなどの公知の粉粒体混合機を使用してブレンドする方法があげられる。これらの中でも、混合の均一性の観点で、ヘンシェルミキサーを用いる方法が好ましい。
【0042】
本発明の粉末成形用パウダーは、粉末スラッシュ成形法、流動浸漬法、静電塗装法、粉末溶射法、回転成形法などの種々の粉末成形法に好適に用いられる。
【0043】
例えば、粉末スラッシュ成形法による成形体の製造方法は、以下に示す第一工程から第五工程からなる方法により行われる。
第一工程:熱可塑性エラストマーの溶融温度以上に加熱された金型の成形面上に、粉末成形用パウダーを供給する工程
第二工程:第一工程の成形面上で粉末成形用パウダーを所定の時間加熱し、少なくともその表面が溶融したパウダーを互いに融着させる工程
第三工程:第二工程において所定時間経過した後に、融着しなかった粉末成形用パウダーを回収する工程
第四工程:必要に応じて、溶融した粉末成形用パウダーがのっている金型をさらに加熱する工程
第五工程:第四工程の後、金型を冷却して、その上に形成された成形体を金型から取り外す工程
【0044】
上記粉末スラッシュ成形法において、通常、金型温度は160〜320℃であり、金型の加熱方法は、ガス加熱炉方式、熱媒体油循環方式、熱媒体油内又は熱流動砂内への浸漬方式、高周波誘導加熱方式などが用いられる。
【0045】
本発明の粉末成形用パウダーには発泡剤が配合されていてもよく、粉末成形した成形体を発泡させることにより、発泡成形体を製造することができる。発泡剤としては、通常、熱分解型発泡剤が用いられ、例えば、アゾジカルボンアミド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾジアミノベンゼンなどのアゾ化合物;ベンゼンスルホニルヒドラジド、ベンゼン−1,3−スルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルヒドラジドなどのスルホニルヒドラジド化合物;N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジニトロソ−N,N’−ジメチルテレフタルアミドなどのニトロソ化合物、テレフタルアジドなどのアジド化合物;重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウムなどの炭酸塩類をあげることができる。発泡剤は、熱可塑性エラストマー組成物パウダーにメルトブレンドされていてもよいし、熱可塑性エラストマー組成物パウダーにドライブレンドされていれもよい。
【0046】
本発明の粉末成形用パウダーからなる成形体の片面及び/又は両面に他の層を積層して、多層成形体としてもよい。他の層としては、合成樹脂層や金属層などがあげられ、該合成樹脂層を構成する合成樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、熱可塑性エラストマー、ポリアミド樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリエステル樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)、接着性樹脂などをあげることができ、これらの層は発泡処理されていてもよい。
【0047】
本発明の成形体は、たとえばインストルメントパネル、ドアトリム、コンソールボックス、ピラー等の自動車内装部品等に最適に使用できる。
【0048】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
はじめに、物性の評価方法および原料について説明する。
[1]評価方法
(1)A硬度
JIS K−6253(1997)に従い測定を行った。
(2)メルトフローレート(MFR)
JIS K−7210(1976)に従い、荷重21.18Nで測定した。
(3)熱可塑性エラストマー組成物パウダーの平均粒径
JIS Z−8801(1976)にて規定されている標準篩を用いて、JIS R−6002(1978)に従い、篩い分け法により測定した。
(4)無機粉体の平均粒径
無機粉体を2000〜30000倍の倍率で電子顕微鏡にて観察し、その中から任意に50個の無機粉体の直径を測定し、数平均値より求めた。
【0049】
(5)粉体流動性
JIS K−6722(1977)に記載のかさ比重測定装置の漏斗に100cm3の粉末成形用パウダーを入れた後、ダンパーを開いてから全パウダーが漏斗から抜け出るまでの時間を測定した。
(6)溶融性
粉末成形時の溶融性の評価として、成形体の表面形状を下記の様に評価した。数字が高い方が、溶融性に優れることを表す。
1:金型と接していなかった側の成形体表面が、著しくザラザラしている
2:金型と接していなかった側の成形体表面が、ザラザラしている
3:金型と接していなかった側の成形体表面が、ザラザラしていない
(7)引張特性
JIS K−7113(1981)に従い、3号試験片、試験速度200mm/分の条件で、破断伸び率、破断強度の測定を行った。
(8)耐摩耗性
(株)興亜商会社製 学振型摩耗試験機を用い、荷重500g、往復回数100、300回、磨耗振幅10mmの条件で、金型に接していた側の成形体表面に綿布を擦りつけ、試験前の成形体表面のグロス値に対する試験後の成形体表面のグロス値の割合を耐磨耗性として評価した。数字が大きい方が、耐磨耗性に優れることを表す。なお、グロスは、JIS K−7105(1981)に従い、入射角及び受光角60度の条件でスガ試験機(株)社製デジタル変角光沢計(型式UGV−5DP型)を使用し測定を行った。
【0050】
(9)ビニル芳香族化合物単位含有量
スチレン−ジエン系共重合体中に含まれる全ビニル芳香族化合物単位含有量は、スチレン−ジエン系共重合体の四塩化炭素溶液を用いて、1H−NMR測定法(周波数90MHz)より求めた。
(10)スチレン−ジエン系共重合体の水添率
測定溶媒として四塩化炭素を用いて、1H−NMR測定法(周波数90MHz)より求めた。
(11)数平均分子量
スチレン−ジエン系共重合体の数平均分子量は、スチレン−ジエン系共重合体のテトラヒドロフラン溶液を用いて、38℃におけるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、ポリスチレン換算値として求めた。
【0051】
[2]原料
▲1▼熱可塑性エラストマー
ポリオレフィン樹脂:プロピレン−エチレン共重合体樹脂(住友化学工業株式会社製 PPD200、エチレン単位含有量5重量%、MFR=220g/10分(温度230℃))
ポリオレフィンゴム:エチレン−オクテン共重合体(デュポンダウエラストマー社製 エンゲージ 8411、MFR=18g/10分(温度190℃)
スチレン−ジエン系共重合体:スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体の水添物(全ビニル芳香族化合物単位含有量=15重量%、水添率=98%、数平均分子量=13万)
▲2▼シリコーン
シリコーンオイル:東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)社製 SRX310、25℃粘度=100cS
シリコーンガム:東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)社製 BY27−001
▲3▼添加剤
水添テルペン樹脂:ヤスハラケミカル(株)社製、クリアロンM115
酸化防止剤:チバスペシャリティーケミカルズ(株)社製 IRGANOX1076
滑剤:日本精化(株)社製 ニュートロンS(エルカ酸アミド)
顔料:茶色顔料(住化カラー(株)社製 ブラウンPPM−9Y1342)
▲4▼無機粉体
シリカ:日本アエロジル(株)社製 OX50、平均粒径50nm
アルミナシリカ:水澤化学工業(株)社製 JC30、平均粒径3μm
【0052】
実施例1
プロピレン−エチレン共重合体樹脂32重量部、エチレン−オクテン共重合体27重量部、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体の水添物36重量部、水添テルペン樹脂5重量部、シリコーンオイル1.5重量部、酸化防止剤0.5重量部、滑剤0.2重量部、顔料3重量部を、二軸混練機(日本製鋼所(株)社製、TEX−44HCT)を用いて、シリンダー温度150℃で混練して熱可塑性エラストマー組成物を作成し、これを切断機で切断してペレットとした。該ペレットを、液体窒素により−120℃に冷却後、冷却状態を保ったまま粉砕し、更に、粉砕物をタイラー標準篩42メッシュ(目開き355μm×355μm)により篩うことにより熱可塑性エラストマー組成物パウダーを得た。パウダーの平均粒径は198μmであった。次いで、この熱可塑性エラストマー組成物パウダー100重量部あたりに、シリカ1重量部、アルミナシリカ2重量部をヘンシェルミキサーで配合し、粉末成形用パウダーを得た。
【0053】
表面が鏡面仕上げされたニッケル製金型(15cm×30cm×3mm厚)を、290℃に加熱し、該金型の成形面(鏡面仕上げされた面)に粉末成形用パウダーを800gふりかけ、粉末成形用パウダーを溶融させ、粉末成形用パウダー同士を互いに融着させた。11秒後、融着しなかった粉末成形用パウダーを払い落とした。その後、更に該金型を290℃に加熱されたオーブン中に60秒間置いた後、該金型を水冷することにより成形体を得た。得られた成形体の評価結果を表2に示す。
【0054】
比較例1
シリコーンオイル1.5重量部に代えて、シリコーンガムマスターバッチ(シリコーンガム含有量50wt%、ベース樹脂:ポリプロピレン)3重量部を用いる以外は、実施例1と同様に行った。得られた成形体の評価結果を表2に示す。なお、熱可塑性エラストマー組成物パウダーの平均粒径は215μmであった。
【0055】
比較例2
シリコーンオイル1.5重量部を用いない以外は、実施例1と同様に行った。得られた成形体の評価結果を表2に示す。なお、熱可塑性エラストマー組成物パウダーの平均粒径は185μmであった。
【0056】
比較例3
比較例2で使用した熱可塑性エラストマー組成物パウダーの粉体流動性の評価結果を表2に示す。(無機粉体未混合)
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【発明の効果】
本発明により、機械的強度、耐磨耗性、柔軟性に優れる粉末成形体を得ることができ、粉体流動性、溶融性に優れる粉末成形用パウダー、および、該パウダーを粉末成形してなる粉末成形体を提供することができた。更には、該パウダーを粉末成形してなる粉末成形体は、耐折り曲げ白化性、耐光性、耐熱性などにも優れうる。そのため、該粉末成形体は、インストルメントパネル、ドアトリム、コンソールボックス、ピラー等の自動車内装部品等に使用される。
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉末成形用パウダーおよび粉末成形体に関するものである。更に詳しくは、本発明は、機械的強度、耐磨耗性、柔軟性に優れる粉末成形体を得ることができ、粉体流動性、溶融性に優れる粉末成形用パウダー、および、該パウダーを粉末成形してなる粉末成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車内装部品などの表皮材として、柔軟であり、表面に皮しぼ、ステッチ等の複雑な凹凸模様を有する成形体が用いられており、たとえば、エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合体ゴムとポリプロピレン樹脂とからなる熱可塑性エラストマーパウダーを粉末成形することにより製造される粉末成形体が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このような成形体に対しては、布などで表面を擦ったときに表面の傷付きが少ないこと、すなわち耐磨耗性を高めることが求められているが、上記パウダーの粉末成形体は、十分満足のいくものではなかった。また、昨今、成形体の形状は複雑化しており、たとえば、上記のパウダーを用いて複雑な形状の成形体を粉末成形する場合、パウダーの粉体流動性、溶融性が十分でないため、粉末成形体にピンホールや欠肉などが発生することがあったり、粉末成形品の機械的強度が低下することがあった。
【0003】
【特許文献1】
特開平2−57310号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
かかる状況のもと、本発明が解決しようとする課題は、機械的強度、耐磨耗性、柔軟性に優れる粉末成形体を得ることができ、粉体流動性、溶融性に優れる粉末成形用パウダー、および、該パウダーを粉末成形してなる粉末成形体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の第一は、下記成分(I)および(II)を含有する熱可塑性エラストマー組成物パウダーであって、成分(I)100重量部に対する成分(II)の含有量が0.1〜10重量部であり、平均粒径が30〜1000μmである熱可塑性エラストマー組成物パウダーと、平均粒径が0.01〜10μmである無機粉体とを、熱可塑性エラストマー組成物パウダー100重量部、無機粉体0.1〜10重量部の割合でドライブレンドしてなる粉末成形用パウダーに係るものである。
(I)下記要件(A)および(B)を充足する熱可塑性エラストマー
(A):JIS K−6253(1997)に従い測定されるA硬度が、30〜95であること
(B):JIS K−7210(1976)に従い、荷重21.18N、温度230℃で測定されるメルトフローレートが、10〜200g/10分であること
(II)25℃における粘度が10〜10000cSであるシリコーンオイル
また、本発明の第二は、上記粉末成形用パウダーを粉末成形してなる粉末成形体に係るものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物パウダーに用いられる熱可塑性エラストマーとは、代表的には、ポリオレフィン系樹脂とポリオレフィン系ゴムとの組成物などのオレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン−ジエン系共重合体などのスチレン系熱可塑性エラストマーをあげることができる。これらは、単独または2種以上組み合わせて用いられる。
【0007】
上記ポリオレフィン系樹脂とは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセンなどの炭素原子数2〜10のオレフィン1種または2種以上から誘導される繰り返し単位を50重量%以上含有する重合体であって、JIS K−6253(1997)のA硬度が98を超える重合体である。ポリオレフィン系樹脂はオレフィン以外の単量体から誘導される繰り返し単位を含有していてもよく、オレフィン以外の単量体としては、たとえば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどの炭素数4〜8の共役ジエン;ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ジシクロオクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネンなどの炭素原子数5〜15の非共役ジエン;酢酸ビニルなどのビニルエステル化合物;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどの不飽和カルボン酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸があげられる。
【0008】
ポリオレフィン系樹脂としては、たとえば、エチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、1−ブテン単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−1−オクテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−プロピレン−1−オクテン共重合体があげられ、これらポリオレフィン系樹脂は1種または2種以上組み合わせて用いられる。これらは公知の方法で製造することができる。
【0009】
ポリオレフィン系樹脂の中では、成形体の耐熱性の観点から、プロピレンから誘導される繰り返し単位の含有量が80重量%以上であるポリプロピレン系樹脂が好ましい。該ポリプロピレン系樹脂のプロピレンから誘導される繰り返し単位の含有量は、より好ましくは90重量%以上であり、更に好ましくは95重量%以上である。
【0010】
ポリオレフィン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は、粉末成形用パウダーの溶融性、成形体の機械的強度をより高める観点から、好ましくは10〜500g/10分であり、より好ましくは50〜400g/10分であり、更に好ましくは100〜300g/10分である。なお、MFRは、JIS K−7210(1976)に従って、温度230℃、荷重21.18Nの条件で測定される。
【0011】
上記ポリオレフィン系ゴムとは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−メチルプロピレン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセンなどの炭素原子数2〜10のオレフィン1種または2種以上から誘導される繰り返し単位を50重量%以上含有する重合体であって、JIS K−6253(1997)のA硬度が98以下の重合体である。ポリオレフィン系ゴムはオレフィン以外の単量体から誘導される繰り返し単位を含有していてもよく、オレフィン以外の単量体としては、たとえば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどの炭素数4〜8の共役ジエン;ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ジシクロオクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネンなどの炭素原子数5〜15の非共役ジエン;酢酸ビニルなどのビニルエステル化合物;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどの不飽和カルボン酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸があげられる。
【0012】
ポリオレフィン系ゴムとしては、たとえば、プロピレン単独重合体、1−ブテン単独重合体、2−メチルプロパン単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−3−メチル−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−1−オクテン共重合体、エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−プロピレン−1−オクテン共重合体があげられ、これらポリオレフィン系ゴムは1種または2種以上組み合わせて用いられる。これらは公知の方法で製造することができる。
【0013】
ポリオレフィン系ゴムの中では、成形体の機械的強度をより高める観点から、エチレンから誘導される繰り返し単位を含有するポリエチレン系ゴムが好ましく、エチレン−α−オレフィン共重合体がより好ましい。ここで、α−オレフィンとしては、入手容易性の観点から、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましい。
【0014】
ポリオレフィン系ゴムの中では、成形体の柔軟性をより高める観点から、JIS K−6253(1997)のA硬度が80以下であるポリオレフィン系ゴムが好ましい。(要件▲1▼)
【0015】
スチレン−ジエン系共重合体とは、ビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体、ビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物である。ビニル芳香族化合物としては、例えば、炭素原子数8〜12のビニル芳香族化合物が用いられ、そのビニル基の1位又は2位がメチル基などのアルキル基などで置換されていてもよく、具体的には、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレンなどをあげることができ、これらは1種又は2種以上組み合わせて用いられる。これらの中では、成形体の機械的強度をより高める観点から、スチレンが好ましい。共役ジエンとしては、例えば、炭素原子数4〜8の共役ジエンが用いられ、1,3−ブタジエン、イソプレン、ペンタジエン、2−3−ジメチルブタジエンなどをあげることができ、これらは1種又は2種以上組み合わせて用いられる。これらの中では、得られる成形体の機械的強度をより高める観点から、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。
【0016】
ビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体としては、たとえば、スチレン−1,3−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体などがあげられ、これらは1種または2種以上用いられる。また、これらは公知の方法により製造することができる。
【0017】
ビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体は、構造が1つのブロックからなるものでもよく、構造が異なる2以上のブロックから構成されてもよい。構造が1つのブロックからなるものとしては、ビニル芳香族化合物と共役ジエンとがランダムに配列した構造の共重合体、たとえば、スチレン−ブタジエンランダム共重合体、スチレン−イソプレンランダム共重合体があげられる。構造が異なる2以上のブロックから構成されるものとしては、たとえば、スチレン単独重合体ブロック−ブタジエン単独重合体から構成される共重合体、スチレン単独重合体ブロック−イソプレン単独重合体ブロックから構成される共重合体、スチレン単独重合体ブロック−ブタジエン単独重合体ブロック−スチレン単独重合体ブロックから構成される共重合体、スチレン単独重合体ブロック−イソプレン単独重合体ブロック−スチレン単独重合体ブロックから構成される共重合体、スチレン単独重合体ブロック−ブタジエン−イソプレン共重合体ブロック−スチレン単独重合体ブロックから構成される共重合体、スチレン単独重合体ブロック−スチレン−ブタジエン共重合体ブロック−スチレン単独重合体ブロックから構成される共重合体があげられ、かかる共重合体においてスチレン−ブタジエン共重合体ブロックはスチレンとブタジエンとがランダムに共重合した構造のブロックであってもよいし、スチレン単位の含有量が徐々に減少するテーパー状の構造のブロックであってもよい。
【0018】
ビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物とは、前述のビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体を水素添加することにより得られる重合体であり、ビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体と同様、構造が1つのブロックからなるものでもよく、構造が異なる2以上のブロックから構成されてもよい。ビニル芳香族化合物と共役ジエンの共重合体の水添物としては、たとえば、水添スチレン−1,3−ブタジエン共重合体、水添スチレン−イソプレン共重合体があげられ、これらは1種または2種以上組み合わせて用いられる。
【0019】
スチレン−ジエン系共重合体のJIS K−7210に従って230℃、荷重21.18Nで測定したメルトフローレート(MFR)は、成形体の機械的強度、粉末成形用パウダーの溶融性をより高める観点から、好ましくは0.1〜200g/10分であり、より好ましくは1〜100g/10分であり、更に好ましくは3〜80g/10分である。
【0020】
スチレン−ジエン系共重合体は、官能基で変性してもよく、官能基としては、酸無水物基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、イソシアネート基及びエポキシ基から選ばれた少なくとも一種の官能基を用いることができる。これら官能基で変性したスチレン−ジエン系共重合体を用いた場合、たとえば得られる成形体をポリウレタン発泡層と接着して二層成形体又は多層成形体を製造する場合に、ポリウレタン発泡層との接着性が向上するという利点を得ることが可能である。
【0021】
スチレン−ジエン系共重合体の中では、成形体の機械的強度の観点から、下記(a)及び(b)のブロックを含有するビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物が好ましい。(要件▲2▼)
(a):ビニル芳香族化合物重合体ブロック
(b):下記(b1)、(b2)から選ばれる少なくとも一種類のブロック
(b1):ビニル芳香族化合物と共役ジエンの共重合体ブロックが水添されてなるブロック
(b2):共役ジエン重合体ブロックが水添されてなるブロック
【0022】
上記の要件▲2▼を充足するビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物としては、一般式[(a)−(b)]n、[(a)−(b)]n−(a)、[(b)−(a)]n−(b)(ただし、nは1以上の整数であり、(a)及び(b)が複数の場合、複数の(a)及び(b)はそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。)で表わされる構成を有し、例えば[(a)−(b1)]n−(a)、[(a)−(b2)]n−(a)で表わされるビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物があげられる。
【0023】
上記の要件▲2▼を充足するビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物中では、成形体の機械的強度の観点から、(a)−(b1)−(a)、(a)−(b2)−(a)で表わされるビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物が好ましく、例えばスチレン単独重合体ブロック−ブタジエン−スチレン共重合体ブロック(ランダム共重合ブロックまたはスチレンが漸増するテーパー状ブロック)−スチレン単独重合体ブロックから構成された重合体の水添物、スチレン単独重合体ブロック−ブタジエン単独重合体ブロック−スチレン単独重合体ブロックから構成された重合体の水添物、スチレン単独重合体ブロック−イソプレン−スチレン共重合体ブロック(ランダム共重合ブロックまたはスチレンが漸増するテーパー状ブロック)−スチレン単独重合体ブロックから構成された重合体の水添物、スチレン単独重合体ブロック−イソプレン単独重合体ブロック−スチレン単独重合体ブロックから構成された重合体の水添物などがあげら、これらの中では、(a)−(b2)−(a)で表わされるビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物がより好ましく、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体水添物が特に好ましい。
【0024】
スチレン−ジエン系共重合体の全ビニル芳香族化合物単位含有量(T)は、成形体の柔軟性や耐折り曲げ白化性、成形体表面の光沢およびブリード物防止の観点から、10〜18重量%であることが好ましく、12〜17重量%であることがより好ましい。(要件▲3▼)ただし、スチレン−ジエン系共重合体中に含まれる全単量体単位含有量を100重量%とする。なお、全ビニル芳香族化合物単位含有量は、スチレン−ジエン系共重合体の四塩化炭素等溶液を用いて、1H−NMR測定により求めることができる。
【0025】
スチレン−ジエン系共重合体としては、成形体の柔軟性、耐折り曲げ白化性、耐光性の観点から、水添率が80%以上のビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物が好ましく、水添率が90%以上のビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物がより好ましく、水添率が96%以上のビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物が更に好ましい。(要件▲4▼)該水添率は、原料であるビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体中の共役ジエン単位の二重結合が水添処理により飽和される割合であって、該水添率をHR(%)、原料であるビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体中の共役ジエン単位の二重結合量をV、ビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物中の共役ジエン単位中の二重結合量をVHとして、下記式(イ)から求められる。
HR = (V−VH)×100/V (イ)
なお、該水添率は、原料であるビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体の四塩化炭素溶液と、該ビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体を水添した重合体(ビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物)の四塩化炭素溶液とを用いて、1H−NMR測定により求めることができる。
【0026】
スチレン−ジエン系共重合体の数平均分子量は、粉末成形用パウダーの溶融性、成形体の耐熱性や耐光性や柔軟性、成形体表面の光沢およびブリード物防止の観点から、5万〜40万であることが好ましく、10万〜30万であることがより好ましい。(要件▲5▼)数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法によって測定される。
【0027】
要件▲2▼〜▲5▼を充足するスチレン−ジエン系共重合体は、たとえば特開平3―72512号公報、特開平5―271325号公報、特開平5―271327号公報、特開平6−287365号公報などに記載された方法によって製造することができる。
【0028】
熱可塑性エラストマーとしては、ポリオレフィン系樹脂、ポリオレフィン系ゴム、スチレン−ジエン系共重合体を含有する組成物であることが好ましい。ポリオレフィン系ゴムの含有量は、成形体の機械的強度をより高める観点から、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し、30〜200重量部であり、好ましくは50〜100重量部である。また、スチレン−ジエン系共重合体の含有量は、成形体の機械的強度、耐折り曲げ白化性の観点から、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し、50〜200重量部であり、好ましくは80〜150重量部である。
【0029】
熱可塑性エラストマーのA硬度は30〜95であり、好ましくは40〜90である。該値が小さすぎると粉末成形用パウダーの粉体流動性が低下することがあり、該値が大きすぎると成形体の柔軟性が劣ることがある。なお、A硬度は、JIS K−6253(1997)に従い測定される。
【0030】
熱可塑性エラストマーのメルトフローレート(MFR)は、10〜200g/10分であり、好ましくは30〜100g/10分である。MFRが低すぎると、粉末成形用パウダーの溶融性に劣ることがあり、高すぎると成形体の機械的強度が劣ることがある。なお、MFRは、JIS K−7210(1976)に従って、温度230℃、荷重21.18Nの条件で測定される。
【0031】
本発明のシリコーンオイルとは、分子中にシロキサン結合を有するシリコーン化合物であり、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイルなどがあげられる。
【0032】
シリコーンオイルの粘度は、10〜10000cSである。該値が小さすぎると成形品の耐摩耗性が不十分となることがあり、該値が大きすぎると、粉末成形用パウダーの溶融性が劣ることがあり、成形品の機械的強度が低下することがあり、成形体の耐磨耗性が劣ることがある。ここでシリコーンオイルの粘度は、JIS Z−8803に従い25℃にて測定される。
【0033】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、熱可塑性エラストマーおよび粘度が10000cS以下のシリコーンオイルを含有し、熱可塑性エラストマー100重量部に対する粘度が10000cS以下のシリコーンオイルの含有量は、0.1〜10重量部であり、好ましくは0.3〜7重量部であり、より好ましくは0.5〜5重量部である。該含有量が少なすぎると成形体の耐摩耗性が不十分となることがあり、該含有量が多すぎると成形体の機械的強度が劣ることがあり、粉末成形用パウダーの溶融性が劣ることがある。
【0034】
熱可塑性エラストマー組成物は、鉱物油系軟化剤、酸化防止剤(フェノール系、硫黄系、リン系、アミン系等)、耐候安定剤、帯電防止剤、顔料、金属石鹸、ワックス、防かび剤、抗菌剤、フィラー、発泡剤などの各種添加剤を含有してもよい。
【0035】
熱可塑性エラストマー組成物を構成する成分を配合する方法としては、該成分をタンブルミキサー等によりコールドブレンドを行ってもよいし、一軸押出機、二軸押出機、ニーダー、ロール、バンバリーミキサー等により溶融混練を行ってもよい。溶融混練するときは、混練する全成分を一括して溶融混練を行ってもよいし、一部の成分を混練した後に選択しなかった成分を加え溶融混練を行ってもよい。
【0036】
熱可塑性エラストマー組成物パウダーの平均粒子径は、30〜1000μmであり、好ましくは100〜600μmであり、より好ましくは200〜500μmである。該粒子径が大きすぎると、粉末成形法により製造される成形体の肉厚を薄厚に制御するのが困難となる場合がある。該平均粒子径が小さすぎると粉末成形用パウダーの粉体流動性が低下する場合がある。なお、熱可塑性エラストマー組成物パウダーの平均粒径は、JIS Z−8801(1976)に規定される標準篩を用い、JIS R−6002(1978)に従い、篩い分け法により測定される。
【0037】
平均粒径30〜1000μmからなる熱可塑性エラストマー組成物パウダーを得る方法としては、例えば、特開2000−344962号公報に記載されているように、冷凍粉砕法、ストランドカット法、ダイフェースカット法、溶剤処理法等の公知の方法が用いられる。
【0038】
無機粉体としては、アルミナ、シリカ、アルミナシリカ、炭酸カルシウムなどがあげられ、これらの中では、パウダーの粉体流動性の観点で、アルミナ、シリカが好ましい。
【0039】
無機粉体の平均粒径は、0.01〜10μmであり、好ましくは0.02〜7μmであり、より好ましくは0.03〜5μmである。平均粒径が小さすぎる、あるいは、大きすぎると、パウダーの粉体流動性が劣ることがある。なお、無機粉体の平均粒径は、無機粉体を2000〜30000倍の倍率で電子顕微鏡にて観察し、その中から任意に50個の無機粉体の直径を測定し、その数平均値より求められる。
【0040】
本発明の粉末成形用パウダーは、平均粒径が30〜1000μmである熱可塑性エラストマー組成物パウダーと、平均粒径が0.1〜10μmである無機粉体とをドライブレンドしたものである。該無機粉体のドライブレンド量は、該熱可塑性エラストマー組成物パウダー100重量部に対し、0.1〜10重量部であり、好ましくは0.3〜7重量部であり、より好ましくは0.5〜5重量部である。該ドライブレンド量が少なすぎると、粉末成形用パウダーの粉体流動性が十分でない場合があり、該ドライブレンド量が多すぎると、成形体の機械的強度が低下する場合がある。
【0041】
平均粒径が30〜1000μmである熱可塑性エラストマー組成物パウダーと平均粒径が0.1〜10μmである無機粉体とをドライブレンドする方法は、特に限定されるものではなく、タンブルミキサー、ヘンシェルミキサーなどの公知の粉粒体混合機を使用してブレンドする方法があげられる。これらの中でも、混合の均一性の観点で、ヘンシェルミキサーを用いる方法が好ましい。
【0042】
本発明の粉末成形用パウダーは、粉末スラッシュ成形法、流動浸漬法、静電塗装法、粉末溶射法、回転成形法などの種々の粉末成形法に好適に用いられる。
【0043】
例えば、粉末スラッシュ成形法による成形体の製造方法は、以下に示す第一工程から第五工程からなる方法により行われる。
第一工程:熱可塑性エラストマーの溶融温度以上に加熱された金型の成形面上に、粉末成形用パウダーを供給する工程
第二工程:第一工程の成形面上で粉末成形用パウダーを所定の時間加熱し、少なくともその表面が溶融したパウダーを互いに融着させる工程
第三工程:第二工程において所定時間経過した後に、融着しなかった粉末成形用パウダーを回収する工程
第四工程:必要に応じて、溶融した粉末成形用パウダーがのっている金型をさらに加熱する工程
第五工程:第四工程の後、金型を冷却して、その上に形成された成形体を金型から取り外す工程
【0044】
上記粉末スラッシュ成形法において、通常、金型温度は160〜320℃であり、金型の加熱方法は、ガス加熱炉方式、熱媒体油循環方式、熱媒体油内又は熱流動砂内への浸漬方式、高周波誘導加熱方式などが用いられる。
【0045】
本発明の粉末成形用パウダーには発泡剤が配合されていてもよく、粉末成形した成形体を発泡させることにより、発泡成形体を製造することができる。発泡剤としては、通常、熱分解型発泡剤が用いられ、例えば、アゾジカルボンアミド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾジアミノベンゼンなどのアゾ化合物;ベンゼンスルホニルヒドラジド、ベンゼン−1,3−スルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルヒドラジドなどのスルホニルヒドラジド化合物;N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジニトロソ−N,N’−ジメチルテレフタルアミドなどのニトロソ化合物、テレフタルアジドなどのアジド化合物;重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウムなどの炭酸塩類をあげることができる。発泡剤は、熱可塑性エラストマー組成物パウダーにメルトブレンドされていてもよいし、熱可塑性エラストマー組成物パウダーにドライブレンドされていれもよい。
【0046】
本発明の粉末成形用パウダーからなる成形体の片面及び/又は両面に他の層を積層して、多層成形体としてもよい。他の層としては、合成樹脂層や金属層などがあげられ、該合成樹脂層を構成する合成樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、熱可塑性エラストマー、ポリアミド樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリエステル樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)、接着性樹脂などをあげることができ、これらの層は発泡処理されていてもよい。
【0047】
本発明の成形体は、たとえばインストルメントパネル、ドアトリム、コンソールボックス、ピラー等の自動車内装部品等に最適に使用できる。
【0048】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
はじめに、物性の評価方法および原料について説明する。
[1]評価方法
(1)A硬度
JIS K−6253(1997)に従い測定を行った。
(2)メルトフローレート(MFR)
JIS K−7210(1976)に従い、荷重21.18Nで測定した。
(3)熱可塑性エラストマー組成物パウダーの平均粒径
JIS Z−8801(1976)にて規定されている標準篩を用いて、JIS R−6002(1978)に従い、篩い分け法により測定した。
(4)無機粉体の平均粒径
無機粉体を2000〜30000倍の倍率で電子顕微鏡にて観察し、その中から任意に50個の無機粉体の直径を測定し、数平均値より求めた。
【0049】
(5)粉体流動性
JIS K−6722(1977)に記載のかさ比重測定装置の漏斗に100cm3の粉末成形用パウダーを入れた後、ダンパーを開いてから全パウダーが漏斗から抜け出るまでの時間を測定した。
(6)溶融性
粉末成形時の溶融性の評価として、成形体の表面形状を下記の様に評価した。数字が高い方が、溶融性に優れることを表す。
1:金型と接していなかった側の成形体表面が、著しくザラザラしている
2:金型と接していなかった側の成形体表面が、ザラザラしている
3:金型と接していなかった側の成形体表面が、ザラザラしていない
(7)引張特性
JIS K−7113(1981)に従い、3号試験片、試験速度200mm/分の条件で、破断伸び率、破断強度の測定を行った。
(8)耐摩耗性
(株)興亜商会社製 学振型摩耗試験機を用い、荷重500g、往復回数100、300回、磨耗振幅10mmの条件で、金型に接していた側の成形体表面に綿布を擦りつけ、試験前の成形体表面のグロス値に対する試験後の成形体表面のグロス値の割合を耐磨耗性として評価した。数字が大きい方が、耐磨耗性に優れることを表す。なお、グロスは、JIS K−7105(1981)に従い、入射角及び受光角60度の条件でスガ試験機(株)社製デジタル変角光沢計(型式UGV−5DP型)を使用し測定を行った。
【0050】
(9)ビニル芳香族化合物単位含有量
スチレン−ジエン系共重合体中に含まれる全ビニル芳香族化合物単位含有量は、スチレン−ジエン系共重合体の四塩化炭素溶液を用いて、1H−NMR測定法(周波数90MHz)より求めた。
(10)スチレン−ジエン系共重合体の水添率
測定溶媒として四塩化炭素を用いて、1H−NMR測定法(周波数90MHz)より求めた。
(11)数平均分子量
スチレン−ジエン系共重合体の数平均分子量は、スチレン−ジエン系共重合体のテトラヒドロフラン溶液を用いて、38℃におけるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、ポリスチレン換算値として求めた。
【0051】
[2]原料
▲1▼熱可塑性エラストマー
ポリオレフィン樹脂:プロピレン−エチレン共重合体樹脂(住友化学工業株式会社製 PPD200、エチレン単位含有量5重量%、MFR=220g/10分(温度230℃))
ポリオレフィンゴム:エチレン−オクテン共重合体(デュポンダウエラストマー社製 エンゲージ 8411、MFR=18g/10分(温度190℃)
スチレン−ジエン系共重合体:スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体の水添物(全ビニル芳香族化合物単位含有量=15重量%、水添率=98%、数平均分子量=13万)
▲2▼シリコーン
シリコーンオイル:東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)社製 SRX310、25℃粘度=100cS
シリコーンガム:東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)社製 BY27−001
▲3▼添加剤
水添テルペン樹脂:ヤスハラケミカル(株)社製、クリアロンM115
酸化防止剤:チバスペシャリティーケミカルズ(株)社製 IRGANOX1076
滑剤:日本精化(株)社製 ニュートロンS(エルカ酸アミド)
顔料:茶色顔料(住化カラー(株)社製 ブラウンPPM−9Y1342)
▲4▼無機粉体
シリカ:日本アエロジル(株)社製 OX50、平均粒径50nm
アルミナシリカ:水澤化学工業(株)社製 JC30、平均粒径3μm
【0052】
実施例1
プロピレン−エチレン共重合体樹脂32重量部、エチレン−オクテン共重合体27重量部、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体の水添物36重量部、水添テルペン樹脂5重量部、シリコーンオイル1.5重量部、酸化防止剤0.5重量部、滑剤0.2重量部、顔料3重量部を、二軸混練機(日本製鋼所(株)社製、TEX−44HCT)を用いて、シリンダー温度150℃で混練して熱可塑性エラストマー組成物を作成し、これを切断機で切断してペレットとした。該ペレットを、液体窒素により−120℃に冷却後、冷却状態を保ったまま粉砕し、更に、粉砕物をタイラー標準篩42メッシュ(目開き355μm×355μm)により篩うことにより熱可塑性エラストマー組成物パウダーを得た。パウダーの平均粒径は198μmであった。次いで、この熱可塑性エラストマー組成物パウダー100重量部あたりに、シリカ1重量部、アルミナシリカ2重量部をヘンシェルミキサーで配合し、粉末成形用パウダーを得た。
【0053】
表面が鏡面仕上げされたニッケル製金型(15cm×30cm×3mm厚)を、290℃に加熱し、該金型の成形面(鏡面仕上げされた面)に粉末成形用パウダーを800gふりかけ、粉末成形用パウダーを溶融させ、粉末成形用パウダー同士を互いに融着させた。11秒後、融着しなかった粉末成形用パウダーを払い落とした。その後、更に該金型を290℃に加熱されたオーブン中に60秒間置いた後、該金型を水冷することにより成形体を得た。得られた成形体の評価結果を表2に示す。
【0054】
比較例1
シリコーンオイル1.5重量部に代えて、シリコーンガムマスターバッチ(シリコーンガム含有量50wt%、ベース樹脂:ポリプロピレン)3重量部を用いる以外は、実施例1と同様に行った。得られた成形体の評価結果を表2に示す。なお、熱可塑性エラストマー組成物パウダーの平均粒径は215μmであった。
【0055】
比較例2
シリコーンオイル1.5重量部を用いない以外は、実施例1と同様に行った。得られた成形体の評価結果を表2に示す。なお、熱可塑性エラストマー組成物パウダーの平均粒径は185μmであった。
【0056】
比較例3
比較例2で使用した熱可塑性エラストマー組成物パウダーの粉体流動性の評価結果を表2に示す。(無機粉体未混合)
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【発明の効果】
本発明により、機械的強度、耐磨耗性、柔軟性に優れる粉末成形体を得ることができ、粉体流動性、溶融性に優れる粉末成形用パウダー、および、該パウダーを粉末成形してなる粉末成形体を提供することができた。更には、該パウダーを粉末成形してなる粉末成形体は、耐折り曲げ白化性、耐光性、耐熱性などにも優れうる。そのため、該粉末成形体は、インストルメントパネル、ドアトリム、コンソールボックス、ピラー等の自動車内装部品等に使用される。
Claims (4)
- 下記成分(I)および(II)を含有する熱可塑性エラストマー組成物パウダーであって、成分(I)100重量部に対する成分(II)の含有量が0.1〜10重量部であり、平均粒径が30〜1000μmである熱可塑性エラストマー組成物パウダーと、平均粒径が0.01〜10μmである無機粉体とを、熱可塑性エラストマー組成物パウダー100重量部、無機粉体0.1〜10重量部の割合でドライブレンドしてなる粉末成形用パウダー。
(I)下記要件(A)および(B)を充足する熱可塑性エラストマー
(A):JIS K−6253(1997)に従い測定されるA硬度が、30〜95であること
(B):JIS K−7210(1976)に従い、荷重21.18N、温度230℃で測定されるメルトフローレートが、10〜200g/10分であること
(II)25℃における粘度が10〜10000cSであるシリコーンオイル - 無機粉体が、アルミナおよび/またはシリカである請求項1記載の粉末成形用パウダー。
- 成分(I)の熱可塑性エラストマーが下記成分(1)〜(3)を含有し、該熱可塑性エラストマーにおいて、成分(1)の含有量100重量部に対し、成分(2)の含有量が30〜200重量部であり、成分(3)の含有量が50〜200重量部である請求項1記載の粉末成形用パウダー。
(1)ポリオレフィン系樹脂
(2)下記要件▲1▼を充足するエチレン−α−オレフィン共重合体
▲1▼:JIS K−6253(1997)に従い測定されるA硬度が80以下であること
(3)下記要件▲2▼〜▲5▼のすべてを充足するビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物
▲2▼:ビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物が下記(a)及び(b)のブロックを含有すること
(a):ビニル芳香族化合物重合体ブロック
(b):下記(b1)、(b2)から選ばれる少なくとも一種類のブロック
(b1):ビニル芳香族化合物と共役ジエンの共重合体ブロックが水添されてなるブロック
(b2):共役ジエン重合体ブロックが水添されてなるブロック
▲3▼:ビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物中に含まれる全ビニル芳香族化合物単位含有量が10〜18重量%であること(ただし、ビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物中に含まれる全単量体単位含有量を100重量%とする。)
▲4▼:ビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物の水添率が80%以上であること
▲5▼:ビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合体水添物の数平均分子量が5万〜40万であること - 請求項1〜3いずれかに記載の粉末成形用パウダーを粉末成形してなる粉末成形体。
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