JP2004247950A - 無線パケット伝送方法及び無線基地局 - Google Patents
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Abstract
【課題】無線リソースのさらなる有効利用を図り、ユーザ満足度の向上を図ることができる無線パケット伝送方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る無線パケット伝送方法は、複数の移動局と基地局とによって構成される移動通信システムにおいて、基地局と複数の移動局との間で送受信されるパケットを多重する共通パケットチャネルと、基地局とそれぞれの移動局との間で個別に設定される個別制御チャネルと、によって基地局と移動局との通信を行う無線パケット伝送方法であって、共通パケットチャネルと個別制御チャネルに割り当てられる無線リソースを、それぞれのトラフィックに応じて動的に変化させる。
【選択図】 図2
【解決手段】本発明に係る無線パケット伝送方法は、複数の移動局と基地局とによって構成される移動通信システムにおいて、基地局と複数の移動局との間で送受信されるパケットを多重する共通パケットチャネルと、基地局とそれぞれの移動局との間で個別に設定される個別制御チャネルと、によって基地局と移動局との通信を行う無線パケット伝送方法であって、共通パケットチャネルと個別制御チャネルに割り当てられる無線リソースを、それぞれのトラフィックに応じて動的に変化させる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動通信システムにおける無線パケット伝送方法及び基地局に関する。
【0002】
【従来の技術】
非特許文献1に記載されているように、下りパケット伝送方式であるHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)では、パケットデータ伝送には、共通パケットチャネルを複数の移動局で時分割により共有して使用する。また、各移動局ごとに各種の制御情報を伝送する個別制御チャネルが設定される。HSDPAにおいては、これら共通パケットチャネル及び個別制御チャネルの送信電力は、システム設計時に固定されたままで一定であった。
【0003】
【非特許文献1】
3GRP TR 25.848 v4.0.0、 2001−03
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように従来は、共通パケットチャネルと個別制御チャネルの送信電力は一定でトラフィックの状況を考慮していなかったので、無線リソースの有効利用を図れない場合があった。例えば、共通パケットチャネルにおけるトラフィックが少なく共通パケットチャネルの無線リソースに余裕がある場合であっても、個別制御チャネルを設定するために必要な電力が確保できない場合は、個別制御チャネルの設定要求は拒否されてしまっていた。
【0005】
本発明は、無線リソースのさらなる有効利用を図り、ユーザ満足度の向上を図ることができる無線パケット伝送方法及び基地局を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る無線パケット伝送方法は、複数の移動局と基地局とによって構成される移動通信システムにおいて、基地局と複数の移動局との間で送受信されるパケットを多重する共通パケットチャネルと、基地局とそれぞれの移動局との間で個別に設定される個別制御チャネルと、によって基地局と移動局との通信を行う無線パケット伝送方法であって、共通パケットチャネルと個別制御チャネルに割り当てられる無線リソースを、それぞれのトラフィックに応じて動的に変化させることを特徴とする。
【0007】
このように共通パケットチャネルと個別制御チャネルの無線リソースを動的に配分できることとすれば、個別制御チャネルの無線リソースに余裕がある場合には、その分の無線リソースを共通パケットチャネルに割り当てることによりQoSの向上を図ることができ、逆に個別制御チャネルの無線リソースに余裕がない場合には、共通パケットチャネルに割り当てられている無線リソースを個別制御チャネルに配分することで、個別制御チャネルの設定要求を拒否するケースを減らすことができる。
【0008】
上記無線パケット伝送方法は、基地局が、個別制御チャネルの設定及び解放に基づいて共通パケットチャネルの送信電力を変化させる、ことを特徴としてもよい。
【0009】
個別制御チャネルは、基地局と通信する移動局数によって変化するので、その個別制御チャネルの設定及び解除に基づいて共通パケットチャネルの送信電力(無線リソース)を変化させることが好ましい。例えば、個別制御チャネルが解放されたときにその分の無線リソースを共通パケットチャネルに割り当てることにより、共通パケットチャネルを用いたパケット伝送のQoSを向上させることができる。通常、基地局には最大送信電力が定められているが、上記のように無線リソースの割り当てを行うことにより、限られた無線リソースを有効利用できる。
【0010】
上記無線パケット伝送方法は、共通パケットチャネルの無線リソースを個別制御チャネルに配分する際に、共通パケットチャネルの無線リソースがあらかじめ定められた最低送信電力を保持できるか否か判定し、最低送信電力を保持できないと判定された場合には個別制御チャネルへの無線リソースの配分を拒否する、ことを特徴としてもよい。
【0011】
共通パケットチャネルの送信電力の低下は伝送品質の低下につながるが、あらかじめ最低限必要な共通パケットチャネルの送信電力を定めておくことにより、伝送品質を最低限のレベルを保証することができる。従って、「最低送信電力」は、セル端のユーザに一定品質を提供するための必要最低限の電力値に基づいて決定されることが好ましい。
【0012】
上記無線パケット伝送方法は、基地局が、個別制御チャネルの設定及び解放に基づいて共通パケットチャネルの変調方式及び符号化率の変更を移動局に通知する、ことを特徴としてもよい。
【0013】
このように共通パケットチャネルの変調方式及び符号化率の変更を移動局に通知することにより、移動局から基地局へパケットが送信される上りのパケット伝送においても、共通パケットチャネルと個別制御チャネルの無線リソースを配分することができる。この際、個別制御チャネルは、基地局と通信する移動局数によって変化するので、その個別制御チャネルの設定及び解除に基づいて共通パケットチャネルの送信電力(無線リソース)を変化させることが好ましい。例えば、個別制御チャネルが解放されたときにその分の無線リソースを共通パケットチャネルに割り当てることにより、共通パケットチャネルを用いたパケット伝送のQoSを向上させることができる。
【0014】
上記無線パケット伝送方法は、個別制御チャネルに新たに設定する際に基地局における受信総電力が干渉マージンを超えるか否か判定し、受信総電力が干渉マージンを超えると判定された場合には個別制御チャネルの設定要求を拒否する、ことを特徴としてもよい。
【0015】
個別制御チャネルの設定は基地局の干渉を大きくするが、基地局にはあらかじめ許容できる干渉量が干渉マージンとして定められている。基地局における受信総電力が干渉マージンを超える場合には、個別制御チャネルの設定を拒否することにより、基地局における受信品質を保つことができる。
【0016】
上記無線パケット伝送方法は、共通パケットチャネルの使用率をモニタし、その使用率が所定の閾値より高い場合には、個別制御チャネルの設定要求を拒否する、ことを特徴としてもよい。
【0017】
共通パケットチャネルの使用率が高い場合には、共通パケットチャネルのリソースを個別制御チャネルに配分したときの影響が大きいので、個別制御チャネルの設定要求を拒否することが好ましい。
【0018】
本発明に係る基地局は、複数の移動局との間で送受信されるパケットを多重する共通パケットチャネルと、それぞれの移動局との間で個別に設定される個別制御チャネルと、によって移動局との間で無線パケット伝送を行う基地局であって、共通パケットチャネルと個別制御チャネルに割り当てられる無線リソースを、それぞれのトラフィックに応じて動的に変化させる手段を備えることを特徴とする。
【0019】
このように共通パケットチャネルと個別制御チャネルの無線リソースを動的に配分できる構成を採用すれば、個別制御チャネルの無線リソースに余裕がある場合には、その分の無線リソースを共通パケットチャネルに割り当てることによりQoSの向上を図ることができ、逆に個別制御チャネルの無線リソースに余裕がない場合には、共通パケットチャネルに割り当てられている無線リソースを個別制御チャネルに配分することで、個別制御チャネルの設定要求を拒否するケースを減らすことができる。
【0020】
上記基地局は、個別制御チャネルの設定及び解放に基づいて、共通パケットチャネルと個別制御チャネルとに無線リソースを配分する無線リソース配分手段を備えることを特徴としてもよい。
【0021】
個別制御チャネルは、基地局と通信する移動局数によって変化するので、その個別制御チャネルの設定及び解除に基づいて共通パケットチャネルの送信電力(無線リソース)を変化させることが好ましい。例えば、個別制御チャネルが解放されたときにその分の無線リソースを共通パケットチャネルに割り当てることにより、共通パケットチャネルを用いたパケット伝送のQoSを向上させることができる。通常、基地局には最大送信電力が定められているが、上記のように無線リソースの割り当てを行うことにより、限られた無線リソースを有効利用できる。
【0022】
上記基地局は、移動局へパケットを送信する下り無線パケット通信においては共通パケットチャネルの最低送信電力に基づいて、移動局からパケットを受信する上り無線パケット通信においては受信総電力と干渉マージンとに基づいて、個別制御チャネルの設定を許可するか否か判定する判定手段を備えることを特徴としてもよい。
【0023】
共通パケットチャネルの送信電力の低下は伝送品質の低下につながるが、あらかじめ最低限必要な共通パケットチャネルの送信電力を定めておくことにより、伝送品質を最低限のレベルを保証することができる。また、基地局における受信総電力が干渉マージンを超える場合には、個別制御チャネルの設定を拒否することにより、基地局における受信品質を保つことができる。
【0024】
上記基地局は、共通パケットチャネルの使用率をモニタする使用率モニタ手段と、使用率モニタ手段によってモニタされた使用率に基づいて、個別制御チャネルの設定を許可するか否か判定する第2の判定手段と、を備えることを特徴としてもよい。
【0025】
共通パケットチャネルの使用率が高い場合には、共通パケットチャネルのリソースを個別制御チャネルに配分したときの影響が大きいので、個別制御チャネルの設定要求を拒否することが好ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明に係る無線パケット伝送方法の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0027】
本発明の第1実施形態として、下り通信(基地局から移動局へのパケット伝送)の場合について説明する。ここでは、無線アクセス方式がCDMA(Code Division Multiple Access)で、下りパケット伝送方式としてHSDPAが適用されている場合を例とする。
【0028】
図1は、下り無線チャネルの構成を示す図である。図1に示されるように、下り無線チャネルは、データ通信チャネルとして各移動局が共通して使用する共通パケットチャネル(CPCH:Common Packet Channel)と、制御チャネルとして各移動局に個別に設定される個別制御チャネル(DCCH:Dedicated Control Channel)、パイロット信号を伝送するパイロットチャネル(CPICH:Common Pilot Channel)、セル毎の制御信号を報知する報知チャネル(BCCH:Broadcasting Control Channel)、及びフォワードアクセスチャネル(FACH:Forward Access Channel)から構成されている。
【0029】
これらの各無線チャネルに対する初期送信電力値は、ある一定の範囲内の移動局に対して通信可能なように、すなわち所要SINRを満足するように定められる。例えば、基地局の最大送信電力を20[W]とした場合の、各チャネルの送信電力の決定例を以下に示す。なお、それぞれの無線チャネルの送信電力及び拡散率を次表のように表す。
【0030】
【表1】
その他の各種制御チャネル(報知チャネル、パイロットチャネル、フォワードアクセスチャネル)の送信電力の合計POTHERの合計を2[W]とする。なお、これらの送信電力(無線リソース)はシステム設計時に固定的に配分される。
【0031】
所要SINRを2.0[dB]とすると、
【式1】
ここで、dは基地局から移動局までの距離、Iは干渉電力、Nは従来方式における1セル当たりの最大移動局数である。N=30としたとき、上式より、
【式2】
と個別制御チャネルの送信電力が決定される。
【0032】
次に、共通パケットチャネル及び個別制御チャネル間の動的な送信電力配分について説明する。HSDPAでは、AMC(Adaptive Modulation and Coding)が採用されている。AMCとは、伝播環境の変動に応じて、変調方式や誤り訂正符号化レートを適応的に変更する伝送方式である。具体的には、各移動局で随時下りの伝播状態を観測し、測定結果を基地局へ送信し、基地局ではその測定結果に基づいて、伝播環境が良好であるほど高速の変調方式を用い、誤り符号化レートを大きくすることで、伝送レートを高速にし情報伝送する。
【0033】
本実施形態では、共通パケットチャネルの送信電力を以下のように決定する。なお、以下の説明では図2(a)及び図2(b)を参照するが、図2(a)は従来の無線リソースの割り当てを示し、図2(b)は本実施形態による無線リソースの割り当てを示す。個別チャネルがn(≦N)本設定されている場合、共通パケットチャネルの送信電力をPCPCH=20−n×PDCCH−POTHERと設定する(図2(b))。例えば、n=10の場合の共通パケットチャネルの送信電力は、PCPCH=20−10×0.22−2=15.8[W]となる。このように新たな個別制御チャネルの設定要求を出している移動局に対して個別制御チャネルを割り当てた後、なお、基地局の最大送信電力に余裕がある場合には、共通パケットチャネルの送信電力を上げることにより、SINRの向上を図ることができ、AMCにおいてより高速な変調パラメータセットが割り当てられる。図2(a)の左図を参照すると、従来は、基地局の送信電力に余裕があっても、共通パケットチャネルの送信電力は一定であったが、図2(b)の左図に示されるように、本実施形態によれば割り当てられていない個別制御チャネルの無線リソースを共通パケットチャネルに割り当てることができる。つまり、共通パケットチャネルの伝送レートを向上させることができる。
【0034】
次に、移動局からの個別制御チャネルの設定要求に対し、従来の方式では個別制御チャネルを設定するための電力が確保できない場合、つまり、n>Nの場合について説明する。従来の方法であれば、このような場合は個別制御チャネルの送信電力を確保できないので、この個別制御チャネルの設定要求の受付は拒否されていた。本実施形態に係る無線パケット伝送方法では、共通パケットチャネルに割り当てられている電力を下げ、個別制御チャネルのための電力を確保する。図2(b)に示されるように、共通パケットチャネルの送信電力を個別制御チャネルに配分することで、個別制御チャネルを多く設定することができる。具体例を挙げると、n=35の場合、PCPCH=20−35×0.22−2=10.3[W]と送信電力を下げることで、伝送レートは低下してしまうが、新たに移動局5局分の個別制御チャネルを設定することができる。この方法によれば、個別制御チャネル設定の受付拒否によるユーザ満足度の低下を防ぐことができるという効果がある。また、この方法は、ハンドオーバの際にも適用することができる。例えば、第1の基地局から第2の基地局にハンドオーバする場合を考える。第2の基地局において個別制御チャネルの設定をしている移動局数がn≧30であった場合、第1の基地局からハンドオーバしてくる移動局に対して個別制御チャネルを設定するために、第2の基地局の共通パケットチャネルの送信電力を下げることで、個別制御チャネル用の送信電力を確保し、ハンドオーバ要求を受け付けることができる。
【0035】
ただし、共通パケットチャネルの送信電力の低下は伝送品質の劣化を招くため、個別制御チャネル用に共通パケットチャネルから割り当て可能な電力をあらかじめ設定しておく必要がある。例えば、セル端のユーザに一定品質(伝送レート)の通信を提供するための送信電力を共通パケットチャネルの送信電力下限値としてあらかじめ設定しておき(例えば8[W])、個別制御チャネルの設定時に個別制御チャネル用の電力を確保する際、共通パケットチャネルの送信電力が送信電力下限値を下回るか否か判定し、下回る場合にはその個別制御チャネル設定要求を拒否する。
【0036】
次に、共通パケットチャネルのトラフィック状況に応じて、個別制御チャネルの設定要求の受付可否を決定する方法について説明する。図3(a)及び図3(b)は、共通パケットチャネルの使用率を示す図であり、図3(a)は共通パケットチャネルの使用率が低い場合を示し、図3(b)は共通パケットチャネルの使用率が高い場合を示す。個別制御チャネルの設定要求に応じて、新たな個別制御チャネルを設定するためには、共通パケットチャネルから無線リソースを割り当てる必要がある。図3(a)に示されるように共通パケットチャネルの使用率が低い場合には影響は少ないが、図3(b)に示されるように共通パケットチャネルの使用率が高い場合には、共通パケットチャネルにおける伝送レートの低下が大きい。基地局に接続しているユーザの中にある一定の伝送レートが保証されたサービスを受けているユーザがいる場合に、個別制御チャネルの設定要求があった際、その個別制御チャネルの設定要求を受け付けることによってユーザの要求する伝送レートを保証することができない場合には、その個別制御チャネル設定要求を拒否する。
【0037】
次に、本実施形態において用いられる基地局について説明する。図4は、本実施形態に係る基地局の構成を示すブロック図である。図4に示されるように、基地局は、サーキュレータ100、個別制御チャネル設定要求判定回路101、復調回路102、復号回路103、送信電力計算回路104、共通パケットチャネルモニタリング回路113、符号化回路110、変調回路111、送信電力割当回路112を有する。個別制御チャネル設定要求判定回路101は、移動局から送信された個別制御チャネル設定要求の受付可否を判定する機能を有する。送信電力計算回路104は送信電力値を計算する機能を有し、計算された値を送信電力割当回路112に入力する。送信電力割当回路112は、入力された電力値に基づいて送信電力を割り当てる機能を有する。共通パケットチャネルモニタリング回路113は、共通パケットチャネルの使用率をモニタする機能を有し、そのモニタ結果を個別制御チャネル設定要求判定回路101に入力する。
【0038】
続いて、この基地局の動作について図5を参照しながら説明する。図5は、基地局の動作を示すフローチャートである。まず、基地局は、移動局から送信される個別制御チャネルの設定要求を受信する(S10)と、現在の共通パケットチャネルの送信電力をモニタし、個別制御チャネル用の電力を確保しても共通パケットチャネルの送信電力が送信電力下限値を下回らないか否か判定する(S12)。判定の結果、共通パケットチャネルの送信電力が送信電力下限値を下回ると判定された場合には、個別制御チャネルの設定要求を拒否する(S20)。逆に、共通パケットチャネルの送信電力が送信電力下限値を下回らない場合には、共通パケットチャネルの使用率をモニタし、使用率が高いか否か判定する(S14)。ここでの判定は、例えば、あらかじめ定められた閾値を使用率とを比較し、共通パケットチャネルの使用率がその閾値を越える場合には使用率が高いと判定し、使用率が閾値以下の場合には使用率が低いと判定することができる。判定の結果、共通パケットチャネルの使用率が低い場合には、個別制御チャネルを設定すると共に、共通パケットチャネルの送信電力を設定する(S18)。逆に、共通パケットチャネルの使用率が高い場合には、個別制御チャネルの設定をしても各ユーザのQoS要求を満足できるか否か、さらに判定する(S16)。この結果、各ユーザのQoS要求を満足できると判定された場合には、個別制御チャネルを設定すると共に、共通パケットチャネルの送信電力を設定する(S18)。逆に、各ユーザのQoS要求を満足できない場合には、個別制御チャネルの設定要求の受付を拒否する(S20)。なお、フローチャートには記載していないが、個別制御チャネルが解放された場合には、解放された電力を基地局の最大送信電力を超えない範囲で、共通パケットチャネルに割り当てる。
【0039】
次に、本実施形態に係る無線パケット伝送方法の効果について説明する、この無線パケット伝送方法では、個別制御チャネルと共通パケットチャネルに割り当てられる無線リソースを動的に変更することによって、個別制御チャネルの設定要求の受付拒否を減らしてユーザ満足度を高めることができる。
【0040】
また、個別制御チャネルの設定に際しては、共通パケットチャネルの送信電力値、使用率などに基づいて、設定できるか否かの判定を行っているので、共通パケットチャネルによる通信品質を保証することができる。
【0041】
次に、本発明の第2実施形態に係る無線パケット伝送方法について説明する。第2実施形態では、上り通信(移動局から基地局へのパケット伝送)の場合について説明する。
【0042】
図6は、上り無線チャネルの構成を示す図である。図6に示されるように、上り無線チャネルは、共通パケットチャネル、個別制御チャネル、及びランダムアクセスチャネル(RACH:Random Access Channel)から構成されている。上り通信においては、基地局は、複数の移動局から送信された信号を同時に受信する。これらの信号は互いが干渉として作用するので、移動局の接続数が増えて干渉が増加すると、基地局は所要の品質を確保できなくなる。そのため、基地局では、移動局からの信号の受信総電力値があらかじめ定められており、この値は干渉マージンと呼ばれている。つまり、干渉マージンは、基地局においてどの程度の干渉を許容できるかを示す値である。上り通信においては、この干渉マージンが無線リソースになり、この干渉マージンを超えないように制御する必要がある。
【0043】
以下、個別制御チャネルの設定及び解放に伴う無線リソースの動的割り当てについて説明する。図7は、本実施形態における無線リソースの割り当てを概念的に示す図である。左図では、1本の個別制御チャネルが設定されているが、新たに個別制御チャネルを設定する場合には、受信総電力が干渉マージンを超えないように、共通パケットチャネルの受信電力を下げる必要がある。そこで、基地局は、共通パケットチャネルの変調パラメータセットをより低速のものにする。例えば、現在64QAMで変調している場合は、より低電力で所要品質を満足することができるQPSKに変更する旨及び変調パラメータセットで基地局において所要SIRを満足するために必要な送信電力値を、基地局は移動局に対して通知する。移動局は、この通知に基づいて共通パケットチャネルの変調パラメータセットを変更し、基地局における受信電力を下げることができ、基地局は新たな個別制御チャネルを設定することができる(図7右図)。ただし、共通パケットチャネルの変調パラメータをより低速なものしても、個別制御チャネルを設定した場合に、基地局における受信総電力値が干渉マージンを超えてしまうような場合には、基地局は個別制御チャネルの設定要求を拒否する。逆に、個別制御チャネルの解放によって、干渉マージンに余裕ができた場合には、共通パケットチャネルに対する変調パラメータセットをより高速なものに変更することにより、伝送レートを向上させることができる。
【0044】
次に、共通パケットチャネルのトラフィック状況に応じて個別制御チャネルの設定要求の受付可否を決定する方法について説明する。第1実施形態の場合と同様に、共通パケットチャネル使用率の低い場合と高い場合とを考える(図3参照)。個別制御チャネルを新たに設定するためには、共通パケットチャネルの干渉を抑える必要がある。図3(a)に示されるように共通パケットチャネルの使用率が低い場合には影響が少ないが、図3(b)に示されるように共通パケットチャネルの使用率が高い場合には、共通パケットチャネルの伝送レートが低下してしまう。そのため、図3(b)に示されるような場合には、例えば、ベストエフォート型であるユーザから個別制御チャネルの設定要求があった場合には、その個別制御チャネルの設定要求を受け付けることができるが、一定の伝送レートが保証されているユーザから個別制御チャネルの設定要求があった場合には、その個別制御チャネル設定要求を受け付けることによってユーザの要求する伝送レートを保証することができない場合には、その個別制御チャネルの設定要求を拒否する。
【0045】
次に、第2実施形態において用いられる基地局について説明する。図8は、本実施形態に係る基地局の構成を示すブロック図である。図8に示されるように、基地局は、サーキュレータ100、個別制御チャネル設定要求判定回路101、復調回路102、復号回路103、送信電力計算回路104、共通パケットチャネルモニタリング回路113、符号化回路110、変調回路111、パラメータ通知回路112aを有する。これらの各構成要素は、図4に示した対応する各構成要素同じ機能を有する。ただし、パラメータ通知回路112aは、変更後のパラメータを移動局に対して通知する機能を有する。
【0046】
続いて、この基地局の動作について図9を参照しながら説明する。図9は、基地局の動作を示すフローチャートである。まず、基地局は、移動局から送信される個別制御チャネルの設定要求を受信する(S30)と、現在の基地局の受信総電力をモニタし、個別制御チャネル用の電力を確保しても受信総電力が干渉マージンを上回らないか否か判定する(S32)。判定の結果、基地局の受信総電力が干渉マージンを上回ると判定された場合には、個別制御チャネルの設定要求を拒否する(S40)。逆に、基地局の受信総電力が干渉マージンを上回らない場合には、共通パケットチャネルの使用率をモニタし、使用率が高いか否か判定する(S34)。ここでの判定は、例えば、あらかじめ定められた閾値を使用率とを比較し、共通パケットチャネルの使用率がその閾値を越える場合には使用率が高いと判定し、使用率が閾値以下の場合には使用率が低いと判定することができる。判定の結果、共通パケットチャネルの使用率が低い場合には、個別制御チャネルを設定すると共に、共通パケットチャネルの変調パラメータセットを移動局に送信する(S38)。逆に、共通パケットチャネルの使用率が高い場合には、個別制御チャネルの設定をしても各ユーザのQoS要求を満足できるか否か、さらに判定する(S36)。この結果、各ユーザのQoS要求を満足できると判定された場合には、個別制御チャネルを設定すると共に、共通パケットチャネルの変調パラメータセットを移動局に送信する(S38)。逆に、各ユーザのQoS要求を満足できない場合には、個別制御チャネルの設定要求の受付を拒否する(S40)。
【0047】
次に、第2実施形態に係る無線パケット伝送方法の効果について説明する、この無線パケット伝送方法では、個別制御チャネルと共通パケットチャネルに割り当てられる無線リソースを動的に変更することによって、個別制御チャネルの設定要求の受付拒否を減らしてユーザ満足度を高めることができる。
【0048】
また、個別制御チャネルの設定に際しては、基地局の受信総電力、共通パケットチャネルの使用率などに基づいて、設定できるか否かの判定を行っているので、共通パケットチャネルによる通信品質を保証することができる。
【0049】
以上、本発明に係る無線パケット伝送方法について実施形態を挙げて詳しく説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0050】
上記実施形態では、第1実施形態において下り通信における無線パケット伝送方法、第2実施形態において上り通信における無線パケット伝送方法、を説明したが、上り通信と下り通信とも無線リソースを動的に制御することとしてもよい。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、設定している個別制御チャネル数の設定及び解放に応じて、無線リソースを動的に配分する。個別制御チャネルに余裕がある場合には、多くのリソースを割り当てることで伝送レートの向上を見込むことができるという効果がある。また、逆に、設定している個別制御チャネルに余裕がない場合には、共通パケットチャネルに割り当てられている無線リソースを個別制御チャネルに割り当てることで、より多くのユーザを収容することができ、個別制御チャネルの設定要求の受付拒否によるユーザ満足度の低下を防ぐという効果がある。
【0052】
さらに、この方法によれば、下り通信の場合、基地局は常にあらかじめ定められた最大送信電力で通信を行っていることになり、他セルへ与える干渉の変動が一定になり、急激な干渉の増加によるパケット送信に失敗するケースを少なくすることができ、QoS満足度の劣化を防止する効果がある。さらに、共通パケットチャネルのトラフィック状況に応じて個別制御チャネルの設定要求の受付可否を決定することにより、柔軟なQoSのサポートができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】下り通信のチャネル構成を示す図である。
【図2】(a)は従来のチャネル構成の変化を示す図、(b)は第1実施形態に係る無線パケット伝送方法によるチャネル構成の変化を示す図である。
【図3】(a)(b)は、共通パケットチャネルの使用率について説明する図である。
【図4】第1実施形態における基地局の構成を示す図である。
【図5】第1実施形態における基地局の動作を示すフローチャートである。
【図6】上り通信のチャネル構成を示す図である。
【図7】第2実施形態に係る無線パケット伝送方法によるチャネル構成の変化を示す図である。
【図8】第2実施形態における基地局の構成を示す図である。
【図9】第2実施形態における基地局の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
100・・・サーキュレータ、101・・・個別制御チャネル設定要求判定回路、102・・・復調回路、103・・・復号回路、104・・・送信電力計算回路、113・・・共通パケットチャネルモニタリング回路、110・・・符号化回路、111・・・変調回路、112・・・送信電力割当回路、112a・・・パラメータ通知回路、113・・・共通パケットチャネルモニタリング回路。
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動通信システムにおける無線パケット伝送方法及び基地局に関する。
【0002】
【従来の技術】
非特許文献1に記載されているように、下りパケット伝送方式であるHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)では、パケットデータ伝送には、共通パケットチャネルを複数の移動局で時分割により共有して使用する。また、各移動局ごとに各種の制御情報を伝送する個別制御チャネルが設定される。HSDPAにおいては、これら共通パケットチャネル及び個別制御チャネルの送信電力は、システム設計時に固定されたままで一定であった。
【0003】
【非特許文献1】
3GRP TR 25.848 v4.0.0、 2001−03
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように従来は、共通パケットチャネルと個別制御チャネルの送信電力は一定でトラフィックの状況を考慮していなかったので、無線リソースの有効利用を図れない場合があった。例えば、共通パケットチャネルにおけるトラフィックが少なく共通パケットチャネルの無線リソースに余裕がある場合であっても、個別制御チャネルを設定するために必要な電力が確保できない場合は、個別制御チャネルの設定要求は拒否されてしまっていた。
【0005】
本発明は、無線リソースのさらなる有効利用を図り、ユーザ満足度の向上を図ることができる無線パケット伝送方法及び基地局を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る無線パケット伝送方法は、複数の移動局と基地局とによって構成される移動通信システムにおいて、基地局と複数の移動局との間で送受信されるパケットを多重する共通パケットチャネルと、基地局とそれぞれの移動局との間で個別に設定される個別制御チャネルと、によって基地局と移動局との通信を行う無線パケット伝送方法であって、共通パケットチャネルと個別制御チャネルに割り当てられる無線リソースを、それぞれのトラフィックに応じて動的に変化させることを特徴とする。
【0007】
このように共通パケットチャネルと個別制御チャネルの無線リソースを動的に配分できることとすれば、個別制御チャネルの無線リソースに余裕がある場合には、その分の無線リソースを共通パケットチャネルに割り当てることによりQoSの向上を図ることができ、逆に個別制御チャネルの無線リソースに余裕がない場合には、共通パケットチャネルに割り当てられている無線リソースを個別制御チャネルに配分することで、個別制御チャネルの設定要求を拒否するケースを減らすことができる。
【0008】
上記無線パケット伝送方法は、基地局が、個別制御チャネルの設定及び解放に基づいて共通パケットチャネルの送信電力を変化させる、ことを特徴としてもよい。
【0009】
個別制御チャネルは、基地局と通信する移動局数によって変化するので、その個別制御チャネルの設定及び解除に基づいて共通パケットチャネルの送信電力(無線リソース)を変化させることが好ましい。例えば、個別制御チャネルが解放されたときにその分の無線リソースを共通パケットチャネルに割り当てることにより、共通パケットチャネルを用いたパケット伝送のQoSを向上させることができる。通常、基地局には最大送信電力が定められているが、上記のように無線リソースの割り当てを行うことにより、限られた無線リソースを有効利用できる。
【0010】
上記無線パケット伝送方法は、共通パケットチャネルの無線リソースを個別制御チャネルに配分する際に、共通パケットチャネルの無線リソースがあらかじめ定められた最低送信電力を保持できるか否か判定し、最低送信電力を保持できないと判定された場合には個別制御チャネルへの無線リソースの配分を拒否する、ことを特徴としてもよい。
【0011】
共通パケットチャネルの送信電力の低下は伝送品質の低下につながるが、あらかじめ最低限必要な共通パケットチャネルの送信電力を定めておくことにより、伝送品質を最低限のレベルを保証することができる。従って、「最低送信電力」は、セル端のユーザに一定品質を提供するための必要最低限の電力値に基づいて決定されることが好ましい。
【0012】
上記無線パケット伝送方法は、基地局が、個別制御チャネルの設定及び解放に基づいて共通パケットチャネルの変調方式及び符号化率の変更を移動局に通知する、ことを特徴としてもよい。
【0013】
このように共通パケットチャネルの変調方式及び符号化率の変更を移動局に通知することにより、移動局から基地局へパケットが送信される上りのパケット伝送においても、共通パケットチャネルと個別制御チャネルの無線リソースを配分することができる。この際、個別制御チャネルは、基地局と通信する移動局数によって変化するので、その個別制御チャネルの設定及び解除に基づいて共通パケットチャネルの送信電力(無線リソース)を変化させることが好ましい。例えば、個別制御チャネルが解放されたときにその分の無線リソースを共通パケットチャネルに割り当てることにより、共通パケットチャネルを用いたパケット伝送のQoSを向上させることができる。
【0014】
上記無線パケット伝送方法は、個別制御チャネルに新たに設定する際に基地局における受信総電力が干渉マージンを超えるか否か判定し、受信総電力が干渉マージンを超えると判定された場合には個別制御チャネルの設定要求を拒否する、ことを特徴としてもよい。
【0015】
個別制御チャネルの設定は基地局の干渉を大きくするが、基地局にはあらかじめ許容できる干渉量が干渉マージンとして定められている。基地局における受信総電力が干渉マージンを超える場合には、個別制御チャネルの設定を拒否することにより、基地局における受信品質を保つことができる。
【0016】
上記無線パケット伝送方法は、共通パケットチャネルの使用率をモニタし、その使用率が所定の閾値より高い場合には、個別制御チャネルの設定要求を拒否する、ことを特徴としてもよい。
【0017】
共通パケットチャネルの使用率が高い場合には、共通パケットチャネルのリソースを個別制御チャネルに配分したときの影響が大きいので、個別制御チャネルの設定要求を拒否することが好ましい。
【0018】
本発明に係る基地局は、複数の移動局との間で送受信されるパケットを多重する共通パケットチャネルと、それぞれの移動局との間で個別に設定される個別制御チャネルと、によって移動局との間で無線パケット伝送を行う基地局であって、共通パケットチャネルと個別制御チャネルに割り当てられる無線リソースを、それぞれのトラフィックに応じて動的に変化させる手段を備えることを特徴とする。
【0019】
このように共通パケットチャネルと個別制御チャネルの無線リソースを動的に配分できる構成を採用すれば、個別制御チャネルの無線リソースに余裕がある場合には、その分の無線リソースを共通パケットチャネルに割り当てることによりQoSの向上を図ることができ、逆に個別制御チャネルの無線リソースに余裕がない場合には、共通パケットチャネルに割り当てられている無線リソースを個別制御チャネルに配分することで、個別制御チャネルの設定要求を拒否するケースを減らすことができる。
【0020】
上記基地局は、個別制御チャネルの設定及び解放に基づいて、共通パケットチャネルと個別制御チャネルとに無線リソースを配分する無線リソース配分手段を備えることを特徴としてもよい。
【0021】
個別制御チャネルは、基地局と通信する移動局数によって変化するので、その個別制御チャネルの設定及び解除に基づいて共通パケットチャネルの送信電力(無線リソース)を変化させることが好ましい。例えば、個別制御チャネルが解放されたときにその分の無線リソースを共通パケットチャネルに割り当てることにより、共通パケットチャネルを用いたパケット伝送のQoSを向上させることができる。通常、基地局には最大送信電力が定められているが、上記のように無線リソースの割り当てを行うことにより、限られた無線リソースを有効利用できる。
【0022】
上記基地局は、移動局へパケットを送信する下り無線パケット通信においては共通パケットチャネルの最低送信電力に基づいて、移動局からパケットを受信する上り無線パケット通信においては受信総電力と干渉マージンとに基づいて、個別制御チャネルの設定を許可するか否か判定する判定手段を備えることを特徴としてもよい。
【0023】
共通パケットチャネルの送信電力の低下は伝送品質の低下につながるが、あらかじめ最低限必要な共通パケットチャネルの送信電力を定めておくことにより、伝送品質を最低限のレベルを保証することができる。また、基地局における受信総電力が干渉マージンを超える場合には、個別制御チャネルの設定を拒否することにより、基地局における受信品質を保つことができる。
【0024】
上記基地局は、共通パケットチャネルの使用率をモニタする使用率モニタ手段と、使用率モニタ手段によってモニタされた使用率に基づいて、個別制御チャネルの設定を許可するか否か判定する第2の判定手段と、を備えることを特徴としてもよい。
【0025】
共通パケットチャネルの使用率が高い場合には、共通パケットチャネルのリソースを個別制御チャネルに配分したときの影響が大きいので、個別制御チャネルの設定要求を拒否することが好ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明に係る無線パケット伝送方法の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0027】
本発明の第1実施形態として、下り通信(基地局から移動局へのパケット伝送)の場合について説明する。ここでは、無線アクセス方式がCDMA(Code Division Multiple Access)で、下りパケット伝送方式としてHSDPAが適用されている場合を例とする。
【0028】
図1は、下り無線チャネルの構成を示す図である。図1に示されるように、下り無線チャネルは、データ通信チャネルとして各移動局が共通して使用する共通パケットチャネル(CPCH:Common Packet Channel)と、制御チャネルとして各移動局に個別に設定される個別制御チャネル(DCCH:Dedicated Control Channel)、パイロット信号を伝送するパイロットチャネル(CPICH:Common Pilot Channel)、セル毎の制御信号を報知する報知チャネル(BCCH:Broadcasting Control Channel)、及びフォワードアクセスチャネル(FACH:Forward Access Channel)から構成されている。
【0029】
これらの各無線チャネルに対する初期送信電力値は、ある一定の範囲内の移動局に対して通信可能なように、すなわち所要SINRを満足するように定められる。例えば、基地局の最大送信電力を20[W]とした場合の、各チャネルの送信電力の決定例を以下に示す。なお、それぞれの無線チャネルの送信電力及び拡散率を次表のように表す。
【0030】
【表1】
その他の各種制御チャネル(報知チャネル、パイロットチャネル、フォワードアクセスチャネル)の送信電力の合計POTHERの合計を2[W]とする。なお、これらの送信電力(無線リソース)はシステム設計時に固定的に配分される。
【0031】
所要SINRを2.0[dB]とすると、
【式1】
ここで、dは基地局から移動局までの距離、Iは干渉電力、Nは従来方式における1セル当たりの最大移動局数である。N=30としたとき、上式より、
【式2】
と個別制御チャネルの送信電力が決定される。
【0032】
次に、共通パケットチャネル及び個別制御チャネル間の動的な送信電力配分について説明する。HSDPAでは、AMC(Adaptive Modulation and Coding)が採用されている。AMCとは、伝播環境の変動に応じて、変調方式や誤り訂正符号化レートを適応的に変更する伝送方式である。具体的には、各移動局で随時下りの伝播状態を観測し、測定結果を基地局へ送信し、基地局ではその測定結果に基づいて、伝播環境が良好であるほど高速の変調方式を用い、誤り符号化レートを大きくすることで、伝送レートを高速にし情報伝送する。
【0033】
本実施形態では、共通パケットチャネルの送信電力を以下のように決定する。なお、以下の説明では図2(a)及び図2(b)を参照するが、図2(a)は従来の無線リソースの割り当てを示し、図2(b)は本実施形態による無線リソースの割り当てを示す。個別チャネルがn(≦N)本設定されている場合、共通パケットチャネルの送信電力をPCPCH=20−n×PDCCH−POTHERと設定する(図2(b))。例えば、n=10の場合の共通パケットチャネルの送信電力は、PCPCH=20−10×0.22−2=15.8[W]となる。このように新たな個別制御チャネルの設定要求を出している移動局に対して個別制御チャネルを割り当てた後、なお、基地局の最大送信電力に余裕がある場合には、共通パケットチャネルの送信電力を上げることにより、SINRの向上を図ることができ、AMCにおいてより高速な変調パラメータセットが割り当てられる。図2(a)の左図を参照すると、従来は、基地局の送信電力に余裕があっても、共通パケットチャネルの送信電力は一定であったが、図2(b)の左図に示されるように、本実施形態によれば割り当てられていない個別制御チャネルの無線リソースを共通パケットチャネルに割り当てることができる。つまり、共通パケットチャネルの伝送レートを向上させることができる。
【0034】
次に、移動局からの個別制御チャネルの設定要求に対し、従来の方式では個別制御チャネルを設定するための電力が確保できない場合、つまり、n>Nの場合について説明する。従来の方法であれば、このような場合は個別制御チャネルの送信電力を確保できないので、この個別制御チャネルの設定要求の受付は拒否されていた。本実施形態に係る無線パケット伝送方法では、共通パケットチャネルに割り当てられている電力を下げ、個別制御チャネルのための電力を確保する。図2(b)に示されるように、共通パケットチャネルの送信電力を個別制御チャネルに配分することで、個別制御チャネルを多く設定することができる。具体例を挙げると、n=35の場合、PCPCH=20−35×0.22−2=10.3[W]と送信電力を下げることで、伝送レートは低下してしまうが、新たに移動局5局分の個別制御チャネルを設定することができる。この方法によれば、個別制御チャネル設定の受付拒否によるユーザ満足度の低下を防ぐことができるという効果がある。また、この方法は、ハンドオーバの際にも適用することができる。例えば、第1の基地局から第2の基地局にハンドオーバする場合を考える。第2の基地局において個別制御チャネルの設定をしている移動局数がn≧30であった場合、第1の基地局からハンドオーバしてくる移動局に対して個別制御チャネルを設定するために、第2の基地局の共通パケットチャネルの送信電力を下げることで、個別制御チャネル用の送信電力を確保し、ハンドオーバ要求を受け付けることができる。
【0035】
ただし、共通パケットチャネルの送信電力の低下は伝送品質の劣化を招くため、個別制御チャネル用に共通パケットチャネルから割り当て可能な電力をあらかじめ設定しておく必要がある。例えば、セル端のユーザに一定品質(伝送レート)の通信を提供するための送信電力を共通パケットチャネルの送信電力下限値としてあらかじめ設定しておき(例えば8[W])、個別制御チャネルの設定時に個別制御チャネル用の電力を確保する際、共通パケットチャネルの送信電力が送信電力下限値を下回るか否か判定し、下回る場合にはその個別制御チャネル設定要求を拒否する。
【0036】
次に、共通パケットチャネルのトラフィック状況に応じて、個別制御チャネルの設定要求の受付可否を決定する方法について説明する。図3(a)及び図3(b)は、共通パケットチャネルの使用率を示す図であり、図3(a)は共通パケットチャネルの使用率が低い場合を示し、図3(b)は共通パケットチャネルの使用率が高い場合を示す。個別制御チャネルの設定要求に応じて、新たな個別制御チャネルを設定するためには、共通パケットチャネルから無線リソースを割り当てる必要がある。図3(a)に示されるように共通パケットチャネルの使用率が低い場合には影響は少ないが、図3(b)に示されるように共通パケットチャネルの使用率が高い場合には、共通パケットチャネルにおける伝送レートの低下が大きい。基地局に接続しているユーザの中にある一定の伝送レートが保証されたサービスを受けているユーザがいる場合に、個別制御チャネルの設定要求があった際、その個別制御チャネルの設定要求を受け付けることによってユーザの要求する伝送レートを保証することができない場合には、その個別制御チャネル設定要求を拒否する。
【0037】
次に、本実施形態において用いられる基地局について説明する。図4は、本実施形態に係る基地局の構成を示すブロック図である。図4に示されるように、基地局は、サーキュレータ100、個別制御チャネル設定要求判定回路101、復調回路102、復号回路103、送信電力計算回路104、共通パケットチャネルモニタリング回路113、符号化回路110、変調回路111、送信電力割当回路112を有する。個別制御チャネル設定要求判定回路101は、移動局から送信された個別制御チャネル設定要求の受付可否を判定する機能を有する。送信電力計算回路104は送信電力値を計算する機能を有し、計算された値を送信電力割当回路112に入力する。送信電力割当回路112は、入力された電力値に基づいて送信電力を割り当てる機能を有する。共通パケットチャネルモニタリング回路113は、共通パケットチャネルの使用率をモニタする機能を有し、そのモニタ結果を個別制御チャネル設定要求判定回路101に入力する。
【0038】
続いて、この基地局の動作について図5を参照しながら説明する。図5は、基地局の動作を示すフローチャートである。まず、基地局は、移動局から送信される個別制御チャネルの設定要求を受信する(S10)と、現在の共通パケットチャネルの送信電力をモニタし、個別制御チャネル用の電力を確保しても共通パケットチャネルの送信電力が送信電力下限値を下回らないか否か判定する(S12)。判定の結果、共通パケットチャネルの送信電力が送信電力下限値を下回ると判定された場合には、個別制御チャネルの設定要求を拒否する(S20)。逆に、共通パケットチャネルの送信電力が送信電力下限値を下回らない場合には、共通パケットチャネルの使用率をモニタし、使用率が高いか否か判定する(S14)。ここでの判定は、例えば、あらかじめ定められた閾値を使用率とを比較し、共通パケットチャネルの使用率がその閾値を越える場合には使用率が高いと判定し、使用率が閾値以下の場合には使用率が低いと判定することができる。判定の結果、共通パケットチャネルの使用率が低い場合には、個別制御チャネルを設定すると共に、共通パケットチャネルの送信電力を設定する(S18)。逆に、共通パケットチャネルの使用率が高い場合には、個別制御チャネルの設定をしても各ユーザのQoS要求を満足できるか否か、さらに判定する(S16)。この結果、各ユーザのQoS要求を満足できると判定された場合には、個別制御チャネルを設定すると共に、共通パケットチャネルの送信電力を設定する(S18)。逆に、各ユーザのQoS要求を満足できない場合には、個別制御チャネルの設定要求の受付を拒否する(S20)。なお、フローチャートには記載していないが、個別制御チャネルが解放された場合には、解放された電力を基地局の最大送信電力を超えない範囲で、共通パケットチャネルに割り当てる。
【0039】
次に、本実施形態に係る無線パケット伝送方法の効果について説明する、この無線パケット伝送方法では、個別制御チャネルと共通パケットチャネルに割り当てられる無線リソースを動的に変更することによって、個別制御チャネルの設定要求の受付拒否を減らしてユーザ満足度を高めることができる。
【0040】
また、個別制御チャネルの設定に際しては、共通パケットチャネルの送信電力値、使用率などに基づいて、設定できるか否かの判定を行っているので、共通パケットチャネルによる通信品質を保証することができる。
【0041】
次に、本発明の第2実施形態に係る無線パケット伝送方法について説明する。第2実施形態では、上り通信(移動局から基地局へのパケット伝送)の場合について説明する。
【0042】
図6は、上り無線チャネルの構成を示す図である。図6に示されるように、上り無線チャネルは、共通パケットチャネル、個別制御チャネル、及びランダムアクセスチャネル(RACH:Random Access Channel)から構成されている。上り通信においては、基地局は、複数の移動局から送信された信号を同時に受信する。これらの信号は互いが干渉として作用するので、移動局の接続数が増えて干渉が増加すると、基地局は所要の品質を確保できなくなる。そのため、基地局では、移動局からの信号の受信総電力値があらかじめ定められており、この値は干渉マージンと呼ばれている。つまり、干渉マージンは、基地局においてどの程度の干渉を許容できるかを示す値である。上り通信においては、この干渉マージンが無線リソースになり、この干渉マージンを超えないように制御する必要がある。
【0043】
以下、個別制御チャネルの設定及び解放に伴う無線リソースの動的割り当てについて説明する。図7は、本実施形態における無線リソースの割り当てを概念的に示す図である。左図では、1本の個別制御チャネルが設定されているが、新たに個別制御チャネルを設定する場合には、受信総電力が干渉マージンを超えないように、共通パケットチャネルの受信電力を下げる必要がある。そこで、基地局は、共通パケットチャネルの変調パラメータセットをより低速のものにする。例えば、現在64QAMで変調している場合は、より低電力で所要品質を満足することができるQPSKに変更する旨及び変調パラメータセットで基地局において所要SIRを満足するために必要な送信電力値を、基地局は移動局に対して通知する。移動局は、この通知に基づいて共通パケットチャネルの変調パラメータセットを変更し、基地局における受信電力を下げることができ、基地局は新たな個別制御チャネルを設定することができる(図7右図)。ただし、共通パケットチャネルの変調パラメータをより低速なものしても、個別制御チャネルを設定した場合に、基地局における受信総電力値が干渉マージンを超えてしまうような場合には、基地局は個別制御チャネルの設定要求を拒否する。逆に、個別制御チャネルの解放によって、干渉マージンに余裕ができた場合には、共通パケットチャネルに対する変調パラメータセットをより高速なものに変更することにより、伝送レートを向上させることができる。
【0044】
次に、共通パケットチャネルのトラフィック状況に応じて個別制御チャネルの設定要求の受付可否を決定する方法について説明する。第1実施形態の場合と同様に、共通パケットチャネル使用率の低い場合と高い場合とを考える(図3参照)。個別制御チャネルを新たに設定するためには、共通パケットチャネルの干渉を抑える必要がある。図3(a)に示されるように共通パケットチャネルの使用率が低い場合には影響が少ないが、図3(b)に示されるように共通パケットチャネルの使用率が高い場合には、共通パケットチャネルの伝送レートが低下してしまう。そのため、図3(b)に示されるような場合には、例えば、ベストエフォート型であるユーザから個別制御チャネルの設定要求があった場合には、その個別制御チャネルの設定要求を受け付けることができるが、一定の伝送レートが保証されているユーザから個別制御チャネルの設定要求があった場合には、その個別制御チャネル設定要求を受け付けることによってユーザの要求する伝送レートを保証することができない場合には、その個別制御チャネルの設定要求を拒否する。
【0045】
次に、第2実施形態において用いられる基地局について説明する。図8は、本実施形態に係る基地局の構成を示すブロック図である。図8に示されるように、基地局は、サーキュレータ100、個別制御チャネル設定要求判定回路101、復調回路102、復号回路103、送信電力計算回路104、共通パケットチャネルモニタリング回路113、符号化回路110、変調回路111、パラメータ通知回路112aを有する。これらの各構成要素は、図4に示した対応する各構成要素同じ機能を有する。ただし、パラメータ通知回路112aは、変更後のパラメータを移動局に対して通知する機能を有する。
【0046】
続いて、この基地局の動作について図9を参照しながら説明する。図9は、基地局の動作を示すフローチャートである。まず、基地局は、移動局から送信される個別制御チャネルの設定要求を受信する(S30)と、現在の基地局の受信総電力をモニタし、個別制御チャネル用の電力を確保しても受信総電力が干渉マージンを上回らないか否か判定する(S32)。判定の結果、基地局の受信総電力が干渉マージンを上回ると判定された場合には、個別制御チャネルの設定要求を拒否する(S40)。逆に、基地局の受信総電力が干渉マージンを上回らない場合には、共通パケットチャネルの使用率をモニタし、使用率が高いか否か判定する(S34)。ここでの判定は、例えば、あらかじめ定められた閾値を使用率とを比較し、共通パケットチャネルの使用率がその閾値を越える場合には使用率が高いと判定し、使用率が閾値以下の場合には使用率が低いと判定することができる。判定の結果、共通パケットチャネルの使用率が低い場合には、個別制御チャネルを設定すると共に、共通パケットチャネルの変調パラメータセットを移動局に送信する(S38)。逆に、共通パケットチャネルの使用率が高い場合には、個別制御チャネルの設定をしても各ユーザのQoS要求を満足できるか否か、さらに判定する(S36)。この結果、各ユーザのQoS要求を満足できると判定された場合には、個別制御チャネルを設定すると共に、共通パケットチャネルの変調パラメータセットを移動局に送信する(S38)。逆に、各ユーザのQoS要求を満足できない場合には、個別制御チャネルの設定要求の受付を拒否する(S40)。
【0047】
次に、第2実施形態に係る無線パケット伝送方法の効果について説明する、この無線パケット伝送方法では、個別制御チャネルと共通パケットチャネルに割り当てられる無線リソースを動的に変更することによって、個別制御チャネルの設定要求の受付拒否を減らしてユーザ満足度を高めることができる。
【0048】
また、個別制御チャネルの設定に際しては、基地局の受信総電力、共通パケットチャネルの使用率などに基づいて、設定できるか否かの判定を行っているので、共通パケットチャネルによる通信品質を保証することができる。
【0049】
以上、本発明に係る無線パケット伝送方法について実施形態を挙げて詳しく説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0050】
上記実施形態では、第1実施形態において下り通信における無線パケット伝送方法、第2実施形態において上り通信における無線パケット伝送方法、を説明したが、上り通信と下り通信とも無線リソースを動的に制御することとしてもよい。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、設定している個別制御チャネル数の設定及び解放に応じて、無線リソースを動的に配分する。個別制御チャネルに余裕がある場合には、多くのリソースを割り当てることで伝送レートの向上を見込むことができるという効果がある。また、逆に、設定している個別制御チャネルに余裕がない場合には、共通パケットチャネルに割り当てられている無線リソースを個別制御チャネルに割り当てることで、より多くのユーザを収容することができ、個別制御チャネルの設定要求の受付拒否によるユーザ満足度の低下を防ぐという効果がある。
【0052】
さらに、この方法によれば、下り通信の場合、基地局は常にあらかじめ定められた最大送信電力で通信を行っていることになり、他セルへ与える干渉の変動が一定になり、急激な干渉の増加によるパケット送信に失敗するケースを少なくすることができ、QoS満足度の劣化を防止する効果がある。さらに、共通パケットチャネルのトラフィック状況に応じて個別制御チャネルの設定要求の受付可否を決定することにより、柔軟なQoSのサポートができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】下り通信のチャネル構成を示す図である。
【図2】(a)は従来のチャネル構成の変化を示す図、(b)は第1実施形態に係る無線パケット伝送方法によるチャネル構成の変化を示す図である。
【図3】(a)(b)は、共通パケットチャネルの使用率について説明する図である。
【図4】第1実施形態における基地局の構成を示す図である。
【図5】第1実施形態における基地局の動作を示すフローチャートである。
【図6】上り通信のチャネル構成を示す図である。
【図7】第2実施形態に係る無線パケット伝送方法によるチャネル構成の変化を示す図である。
【図8】第2実施形態における基地局の構成を示す図である。
【図9】第2実施形態における基地局の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
100・・・サーキュレータ、101・・・個別制御チャネル設定要求判定回路、102・・・復調回路、103・・・復号回路、104・・・送信電力計算回路、113・・・共通パケットチャネルモニタリング回路、110・・・符号化回路、111・・・変調回路、112・・・送信電力割当回路、112a・・・パラメータ通知回路、113・・・共通パケットチャネルモニタリング回路。
Claims (11)
- 複数の移動局と基地局とによって構成される移動通信システムにおいて、前記基地局と複数の前記移動局との間で送受信されるパケットを多重する共通パケットチャネルと、前記基地局とそれぞれの前記移動局との間で個別に設定される個別制御チャネルと、によって前記基地局と前記移動局との通信を行う無線パケット伝送方法であって、
前記共通パケットチャネルと前記個別制御チャネルに割り当てられる無線リソースを、それぞれのトラフィックに応じて動的に変化させることを特徴とする無線パケット伝送方法。 - 前記基地局が、前記個別制御チャネルの設定及び解放に基づいて前記共通パケットチャネルの送信電力を変化させる、ことを特徴とする請求項1に記載の無線パケット伝送方法。
- 前記共通パケットチャネルの無線リソースを前記個別制御チャネルに配分する際に、前記共通パケットチャネルの無線リソースがあらかじめ定められた最低送信電力を保持できるか否か判定し、最低送信電力を保持できないと判定された場合には前記個別制御チャネルへの無線リソースの配分を拒否する、ことを特徴とする請求項2に記載の無線パケット伝送方法。
- 前記最低送信電力は、セル端のユーザに一定品質を提供するための必要最低限の電力値に基づいて決定される、ことを特徴とする請求項3に記載の無線パケット伝送方法。
- 前記基地局が、前記個別制御チャネルの設定及び解放に基づいて前記共通パケットチャネルの変調方式及び符号化率の変更を前記移動局に通知する、ことを特徴とする請求項1に記載の無線パケット伝送方法。
- 前記個別制御チャネルに新たに設定する際に前記基地局における受信総電力が干渉マージンを超えるか否か判定し、受信総電力が干渉マージンを超えると判定された場合には前記個別制御チャネルの設定要求を拒否する、ことを特徴とする請求項5に記載の無線パケット伝送方法。
- 前記共通パケットチャネルの使用率をモニタし、その使用率が所定の閾値より高い場合には、前記個別制御チャネルの設定要求を拒否する、ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の無線パケット伝送方法。
- 複数の前記移動局との間で送受信されるパケットを多重する共通パケットチャネルと、それぞれの前記移動局との間で個別に設定される個別制御チャネルと、によって前記移動局との間で無線パケット伝送を行う基地局であって、
前記共通パケットチャネルと前記個別制御チャネルに割り当てられる無線リソースを、それぞれのトラフィックに応じて動的に変化させる手段を備えることを特徴とする基地局。 - 個別制御チャネルの設定及び解放に基づいて、前記共通パケットチャネルと前記個別制御チャネルとに無線リソースを配分する無線リソース配分手段を備えることを特徴とする請求項8に記載の基地局。
- 前記移動局へパケットを送信する下り無線パケット通信においては前記共通パケットチャネルの最低送信電力に基づいて、前記移動局からパケットを受信する上り無線パケット通信においては受信総電力と干渉マージンとに基づいて、前記個別制御チャネルの設定を許可するか否か判定する判定手段を備えることを特徴とする請求項8又は9に記載の基地局。
- 前記共通パケットチャネルの使用率をモニタする使用率モニタ手段と、
前記使用率モニタ手段によってモニタされた使用率に基づいて、前記個別制御チャネルの設定を許可するか否か判定する第2の判定手段と、
を備えることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の基地局。
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