JP2004247370A

JP2004247370A - MnZn FERRITE

Info

Publication number: JP2004247370A
Application number: JP2003033146A
Authority: JP
Inventors: Osamu Kobayashi; 修小林; Osamu Yamada; 修山田; Kiyoshi Ito; 清伊藤
Original assignee: Minebea Co Ltd
Current assignee: Minebea Co Ltd
Priority date: 2003-02-12
Filing date: 2003-02-12
Publication date: 2004-09-02
Also published as: TW200423159A; US6984337B2; US20040183048A1; EP1447825A3; EP1447825A2; CN1521771A

Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide an MnZn ferrite that has a high electrical resistance and can obtain good soft magnetism even in a high frequency range of >1 MHz. <P>SOLUTION: When the Fe<SB>2</SB>O<SB>3</SB>and Mn<SB>2</SB>O<SB>3</SB>contents of this MnZn ferrite are respectively suppressed to <50 mol% and a trace amount (≤0.5 mol%), the ferrite does not cause abnormal grain growth, and a high electrical resistance at which the specific resistance becomes ≥1.5×10<SP>4</SP>(Ωm) and the surface resistance becomes ≥1.5×10<SP>7</SP>(Ω) is obtained even when the content of CaO is increased from 0.20 mass% as a secondary component. In addition, since the ferrite contains TiO<SB>2</SB>and/or SnO<SB>2</SB>at the rate of 0.1-4.0 mol%, the initial permeability of the ferrite becomes sufficiently high, and the ferrite can obtain good soft magnetism even in a high frequency range of >1 MHz. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO&NCIPI

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軟磁性を有する代表的な酸化物磁性材料に係り、より詳しくはスイッチング電源トランス等に使用される低損失材、各種インダクタンス素子、ＥＭＩ対策用インピーダンス素子、電波吸収材などに向けて好適なＭｎＺｎフェライトに関する。
【０００２】
【従来の技術】
軟磁性を有する代表的な酸化物磁性材料としては、ＭｎＺｎフェライトがある。このＭｎＺｎフェライトは、従来一般には化学量論組成である５０ｍｏｌ％よりも多いＦｅ_２Ｏ_３、平均的には５２〜５５ｍｏｌ％のＦｅ_２Ｏ_３と、１０〜２４ｍｏｌ％のＺｎＯと、残部ＭｎＯとを含有する基本成分組成となっている。そして、通常は、Ｆｅ_２Ｏ_３、ＺｎＯ、ＭｎＯの各原料粉末を所定の割合で混合した後、仮焼、粉砕、成分調整、造粒、成形の各工程を経て所定の形状とし、しかる後、窒素を流すことにより、下記（１）式に従って酸素分圧を制御した還元性雰囲気中で、１２００〜１４００℃に２〜４時間保持する焼成並びに焼成後の冷却を行って製造される。
ｌｏｇＰｏ_２＝−１４５４０／（Ｔ＋２７３）＋ｂ … （１）
この（１）式中、Ｔは温度（℃）、Ｐｏ_２は酸素分圧、ｂは定数であり、通常、この定数として７〜８が採用されている。
【０００３】
ここで、ＭｎＺｎフェライトにおけるマンガン成分に関しては、Ｍｎ^３＋またはＭｎ^２＋として存在可能であること、Ｍｎ^３＋とＭｎ^２＋との存在比は焼成時の雰囲気酸素分圧に依存すること、Ｍｎ^３＋はＭｎＺｎフェライトの軟磁性を著しく損なうことなどが一般的に知られている。また、Ｍｎ^３＋とＭｎ^２＋との間で電子の授受があり、このことが電気抵抗を低下させる原因になることも知られている。つまり、良好な軟磁性を確保しかつ高い電気抵抗を確保するには、Ｍｎ^３＋の生成を極力抑えるような焼成時の雰囲気（酸素分圧）制御が必要であり、上記した（１）式中の定数ｂ＝７〜８は、この点並びに工業的な実現可能性を考慮して定められている。なお、この定数ｂが７〜８ということは、焼成中の酸素分圧を狭い範囲に制御しなければならないことを意味し、焼成処理が極めて面倒になって、製造コストも嵩むことになる。
一方、５０ｍｏｌ％よりも多いＦｅ_２Ｏ_３を含む一般的なＭｎＺｎフェライトにおいては、鉄成分がＦｅ^３＋またはＦｅ^２＋として存在可能であり、上記した還元性雰囲気で焼成を行うと、Ｆｅ^３＋の一部が還元されてＦｅ^２＋が生成する。このＦｅ^２＋は、正の結晶磁気異方性を有し、Ｆｅ^３＋の負の結晶磁気異方性を打ち消して軟磁性を高める効果がある反面、電気抵抗を著しく低下させる。また、マンガンの場合と同じく、Ｆｅ^３＋とＦｅ^２＋との間で電子の授受があり、このことが電気抵抗を著しく低下させる原因になる。
【０００４】
ところで、近年、電子機器の小型高性能化に伴い、処理信号が高周波数化される傾向にあり、高周波数帯域においても優れた磁気特性を有する磁性材料が必要になってきている。
ＭｎＺｎフェライトを磁心材料として用いる場合は、使用する周波数帯域が高くなるに従って渦電流が流れ、これによる損失が大きくなる。したがって、磁心材料として使用できる周波数の上限を高めるには、その電気抵抗（比抵抗）をできるだけ大きくする必要がある。しかし、上記した一般的なＭｎＺｎフェライトは、Ｆｅ_２Ｏ_３が化学量論組成である５０ｍｏｌ％よりも過剰であるため、Ｆｅ^２＋が多く存在し、上記したＦｅ^３＋とＦｅ^２＋との間（イオン間）での電子の授受が容易なこともあって、その比抵抗はおよそ１Ωｍのオーダーより小さい値である。したがって、使用できる周波数も数百ｋＨｚ程度が限界で、これを超える周波数帯域では初透磁率が著しく低下し、軟磁性材料としての特性を全く失ってしまう、という問題があった。
【０００５】
そこで、例えば、特許文献１または特許文献２には、Ｆｅ_２Ｏ_３を５０ｍｏｌ％未満とするとともに、ＣａＯ、ＳｉＯ_２を副成分として加えて高抵抗化を図ったＭｎＺｎフェライトが開示され、また、特許文献３には、Ｆｅ_２Ｏ_３を５０ｍｏｌ％未満とするとともに、ＴｉＯ_２またはＳｎＯ_２を加え、さらにＣａＯ、ＳｉＯ_２を副成分として加えて高抵抗化を図ったＭｎＺｎフェライトが開示されている。
【０００６】
【特許文献１】
特開平７−２３０９０９号公報
【特許文献２】
特開平１０−２０８９２６号公報
【特許文献３】
特許第３１０８８０３号公報
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献１および特許文献２に記載のＭｎＺｎフェライトによれば、用途が偏向ヨーク用コア材であることから、１００ｋＨｚ以下の周波数帯域での使用に限られており（各特許文献の実施例参照）、１ＭＨｚを超えるような高周波数帯域において良好な磁気特性（軟磁性）が得られる保証はない。つまり、１ＭＨｚを超えるような高周波数帯域において磁心材料として使用することは不可能である。
なお、特許文献１には、ＣａＯおよびＳｉＯ_２を最大で０．５０重量％まで添加できる示唆があるが、その実施例で添加しているＣａＯ量は、０．１０重量％未満であり、０．２０ｍａｓｓ％よりも多いＣａＯの添加についての実績はない。また、この特許文献１には、Ｆｅ_２Ｏ_３との和が略５０ｍｏｌ％になるようにＭｎ_２Ｏ_３を添加することが記載されているが、そこで規定されているＦｅ_２Ｏ_３４５．０〜４８．５ｍｏｌ％から逆算すると、Ｍｎ_２Ｏ_３つまりＭｎ^３＋量は１．４〜５．０ｍｏｌ％となり、このように多くのＭｎ^３＋を含む場合は、軟磁性と電気抵抗とを両立させることは困難である。
一方、上記特許文献３に記載のＭｎＺｎフェライトによれば、ＣａＯが０．００５〜０．２０ｍａｓｓ％、ＳｉＯ_２が０．００５〜０．０５ｍａｓｓ％と低めになっているため、いま一つ、高抵抗化の効果が不足する、という問題があった。なお、さらに抵抗を上げようとして、単にＣａＯやＳｉＯ_２の添加量を高めると、焼成時に異常粒成長が起こって磁気特性（軟磁性）が著しく劣化してしまう。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、大きな電気抵抗を有し、１ＭＨｚを超える高周波数帯域においても良好な軟磁性が得られるＭｎＺｎフェライトを提供することにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係るＭｎＺｎフェライトは、基本成分組成が、Ｆｅ_２Ｏ_３４４．０〜４９．８ｍｏｌ％、ＺｎＯ４．０〜２６．５ｍｏｌ％、ＴｉＯ_２およびＳｎＯ_２のうちの１種または２種０．１〜４．０ｍｏｌ％、Ｍｎ_２Ｏ_３０．５ｍｏｌ％以下、残部ＭｎＯからなり、副成分として、ＣａＯ０．２０〜１．００ｍａｓｓ％（ただし、０．２０ｍａｓｓ％は除く）を含有し、かつ比抵抗が１．５×１０^４Ωｍ以上、表面抵抗が１．５×１０^７Ω以上であることを特徴とする。
本発明は、ＦｅＯ含有量を、０．２０ｍｏｌ％以下に抑えるようにするのが望ましい。
本発明はまた、副成分として、ＳｉＯ_２０．０１〜０．１０ｍａｓｓ％を含有する構成としてもよい。
本発明さらに、副成分として、Ｖ_２Ｏ_５０．０１〜０．２０ｍａｓｓ％、ＭｏＯ_３０．０１〜０．２０ｍａｓｓ％、ＺｒＯ_２０．０１〜０．２０ｍａｓｓ％、Ｔａ_２Ｏ_５０．０１〜０．２０ｍａｓｓ％、ＨｆＯ_２０．０１〜０．２０ｍａｓｓ％、Ｎｂ_２Ｏ_５０．０１〜０．２０ｍａｓｓ％およびＣｕＯ０．０１〜６．００ｍａｓｓ％のうちの１種または２種以上を含有する構成としてもよい。
【０００９】
【発明の実施の形態】
上述したように、Ｆｅ_２Ｏ_３が５０ｍｏｌ％を超える一般的なＭｎＺｎフェライトを、前記した式（１）における定数ｂが７〜８という還元性雰囲気にて焼成を行えば、軟磁性を劣化させるＭｎ^３＋はほとんど生成されないが、電気抵抗を著しく低下させるＦｅ^２＋が生成されてしまう。これは、５０ｍｏｌ％よりも多い分のＦｅ_２Ｏ_３つまりＦｅ^３＋が還元されるためである。これに対し、本発明においては、Ｆｅ_２Ｏ_３を５０ｍｏｌ％未満の４４．０〜４９．８ｍｏｌ％としているため、式（１）における定数ｂが７〜８という還元性雰囲気で焼成を行ってもＦｅ^２＋はほとんど生成されない。
また、式（１）における定数ｂが８よりも大きい酸化性雰囲気にて焼成を行うと、Ｍｎ^２＋が酸化されてＭｎ^３＋が生成してしまう。Ｍｎ^３＋は、結晶格子を歪ませる等の理由で初透磁率を著しく低下させることに加え、抵抗も低下させる。しかしながら、本発明においては、ＴｉＯ_２および／またはＳｎＯ_２を適当量含ませているので、Ｔｉ^４＋またはＳｎ^４＋がスピネル格子中に固溶し、これによりＭｎ^３＋が還元されてＭｎ^２＋が生成する。
【００１０】
すなわち、本発明によれば、電気抵抗を著しく低下させるＦｅ^２＋の生成が抑制されることに加え、軟磁性と電気抵抗とを劣化させるＭｎ^３＋の生成も抑制され、良好な軟磁性と高い電気抵抗とが両立する。この結果、本発明においては、比抵抗が１．５×１０^４Ωｍ以上、表面抵抗が１．５×１０^７Ω以上という著しく高い電気抵抗が得られるようになる。ただし、ＴｉＯ_２および／またはＳｎＯ_２は、その含有量が０．１ｍｏｌ％未満では前記した効果が小さく、４．０ｍｏｌ％よりも多いと初透磁率がかえって低下するので、０．１〜４．０ｍｏｌ％の範囲とした。
この場合、Ｍｎ^３＋の量は、上記した良好な軟磁性と高い電気抵抗とを両立させる重要な指標となるので、本発明では、このＭｎ^３＋量つまりＭｎ_２Ｏ_３量を０．５ｍｏｌ％以下に抑えるようにしている。
また、ＭｎＺｎフェライト中の鉄成分は、一般にＦｅＯ（Ｆｅ^２＋）を含めてＦｅ_２Ｏ_３として表記されるが、Ｆｅ^２＋は、上記したように電気抵抗を低下させる大きな原因になるので、このＦｅＯ量は０．２ｍｏｌ％以下に抑えるのが望ましい。
【００１１】
主成分としてのＺｎＯは、キュリー温度や飽和磁化に影響を与えるが、少なすぎると初透磁率が低下し、逆に多すぎると飽和磁化やキュリー温度が低下してしまう。電源トランス用フェライトは８０〜１００ ℃程度の環境で使用される場合が多く、キュリー温度や飽和磁化が高いことが特に重要になるため、上記範囲４．０〜２６．５ｍｏｌ％とする。
【００１２】
本発明は、上記したように副成分としてＣａＯを０．２０ｍａｓｓ％よりも多く含有させることを特徴とする。このＣａＯは、結晶粒界に偏析して高抵抗化に寄与するが、その含有量が０．２０ｍａｓｓ％よりも多いと、異常粒成長が起こって磁気特性の劣化が著しくなる。このため、従来は、このＣａＯを０．２０ｍａｓｓ％以下に抑えるようにしていたが、本発明においては、Ｆｅ_２Ｏ_３を５０ｍｏｌ％未満（４９．８ｍｏｌ％以下）に抑え、かつＭｎ_２Ｏ_３を微量（０．５ｍｏｌ％以下）に抑え、所望によりＦｅＯを微量（０．２ｍｏｌ％以下）に抑えているので、ＣａＯを０．２０ｍａｓｓ％よりも多く含有させても、異常粒成長が起こらない。さらに、ＣａＯは、好ましくは０．５０ｍａｓｓ％よりも多く含有させることにより高抵抗化に寄与するところが大きい。ただし、その含有量が多すぎると軟磁性が低下してしまうため、ＣａＯは上記範囲０．２０〜１．００ｍａｓｓ％（ただし、０．２０ｍａｓｓ％は除く）とした。なお、高抵抗化には、ＳｉＯ_２も寄与するので、所望によりこのＳｉＯ_２を０．０１〜０．１０ｍａｓｓ％含有させてもよい。
【００１３】
本発明はまた、副成分として、Ｖ_２Ｏ_５、ＭｏＯ_３、ＺｒＯ_２、Ｔａ_２Ｏ_５、ＨｆＯ_２、Ｎｂ_２Ｏ_５およびＣｕＯのうちの１種または２種以上を含有することができるが、これらは、何れも焼結を促進する作用や高抵抗化する作用がある。ただし、それらの含有量が少なすぎるとその効果が小さく、逆に多すぎると異常粒成長が起こってしまうため、Ｖ_２Ｏ_５、ＭｏＯ_３、ＺｒＯ_２、Ｔａ_２Ｏ_５、ＨｆＯ_２、Ｎｂ_２Ｏ_５およびＶ_２Ｏ_５については０．０１〜０．２０ｍａｓｓ％の範囲で、ＣｕＯについては０．０１〜６．００ｍａｓｓ％の範囲で含有させるのが望ましい。
【００１４】
本発明では、上記したように焼成および焼成後の冷却を、前記（１）式における定数ｂとして７〜１５の範囲内の任意の値を用いて求めた酸素分圧の雰囲気中で行うことができる。このことは、一般的に用いられる定数ｂ＝７〜８に比べて、雰囲気制御が容易になることを意味し、その分、製造コストの低減を達成できる。ただし、定数ｂとして１５より大きい値を選択した場合は、フェライト中のＭｎ^３＋が０．５ｍｏｌ％よりも多くなり、初透磁率が急激に低下してしまう。
【００１５】
ＭｎＺｎフェライトの製造に際しては、予め主成分としてのＦｅ_２Ｏ_３、ＺｎＯおよびＭｎＯの各原料粉末を所定の比率となるように秤量、混合した後、この混合粉末を仮焼、微粉砕する。前記仮焼温度は、目標組成によって多少異なるが、８００〜１０００℃の温度範囲内で適宜の温度を選択する。また、混合粉末の微粉砕には汎用のボールミルをはじめ、アトライターを用いることができる。そして、この微細な混合粉末に、ＴｉＯ_２、ＳｎＯ_２、ＣａＯ、ＳｉＯ_２等の必要な粉末を適量添加混合し、目標成分の混合粉末を得る。その後は、通常のフェライト製造プロセスに従って造粒、成形を行い、さらに、１０００〜１３００℃で焼成を行う。なお、前記造粒は、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、メチルセルロース、ポリエチレンオキシド、グリセリン等のバインダーを添加する方法を、また成形は、例えば、８０ＭＰａ以上の圧力を加えて行う方法をそれぞれ採用することができる。
上記した焼成および焼成後の冷却は、焼成炉中に窒素ガス等の不活性ガスを流して酸素分圧を制御する。この場合、前記（１）式中の定数は７〜１５の範囲内で任意の値を選択することができるので、従来一般の、Ｆｅ_２Ｏ_３が５０ｍｏｌ％よりも多いＭｎＺｎフェライトを焼成する場合に選択した定数ｂ（７〜８）と比較して、その許容範囲はかなり広く、容易に酸素分圧の制御を行うことができる。また、この場合、上記（１）式に基づく焼成後の冷却は、５００ ℃より低い温度では、酸素濃度によらず酸化または還元の反応を無視できるため、５００ ℃までとすれば十分である。
【００１６】
【実施例】
所定量のＦｅ_２Ｏ_３、ＺｎＯおよびＭｎＯの各原料粉末をアトライターにて混合した後、空気中、８５０℃で２時間仮焼し、さらにアトライターにて１時間粉砕して、混合粉末を得た。次に、この混合粉末にＴｉＯ_２、ＳｎＯ_２、ＣａＯ、ＳｉＯ_２、ＣｕＯ、Ｎｂ_２Ｏ_５、Ｖ_２Ｏ_５、ＺｒＯ_２等の粉末を適当な割合で添加混合して成分調整を行い、さらにアトライターにて１時間混合した。次に、この混合粉末にポリビニルアルコールを加えて造粒し、８０ＭＰａの圧力で外径２５ｍｍ，内径１５ｍｍ，高さ５ｍｍのトロイダルコア（成形体）を成形した。その後、この成形体を焼成炉に入れ、窒素を流すことにより、前記（１）式中の定数ｂを９として求められる酸素分圧となるように雰囲気を調整し、１２００℃で２時間焼成および焼成後の冷却を行い、本発明試料１〜７と比較試料１〜４とを得た。
そして、上記のようにして得た各試料について、蛍光Ｘ線分析によって最終的な成分組成を確認すると共に、滴定法によりＭｎ_２Ｏ_３量とＦｅＯ量とを分析した。また、上記各試料について、１ＭＨｚにおける初透磁率、比抵抗および表面抵抗を測定した。それらの結果を一括して表１および表２に示す。
【００１７】
【表１】

【００１８】
【表２】

【００１９】
表１および表２に示す結果より、本発明試料１〜７は、いずれもＭｎ_２Ｏ_３が０．５ｍｏｌ％以下、ＦｅＯが０．２ｍｏｌ％以下となっている。本発明試料１〜７はまた、いずれも初透磁率が７００以上、比抵抗が１．５×１０^４Ωｍ以上、表面抵抗が１．５×１０^７Ω以上となっており、良好な軟磁性と高い電気抵抗とが得られることが明らかとなった。
これに対し、比較試料１は、Ｆｅ_２Ｏ_３が５０．０ｍｏｌ％以上の一般的なＭｎＺｎフェライトであるため、抵抗が著しく低くなっている。また、比較試料２は、ＣａＯの含有量が多く、異常粒成長が起こり、初透磁率が著しく低下している。また、比較試料３は、ＴｉＯ_２もＳｎＯ_２も含有していないため、Ｍｎ_２Ｏ_３すなわちＭｎ^３＋が多く存在し、軟磁性が劣化しかつ電気抵抗が低下している。さらに、比較試料４は、逆にＳｎＯ_２の含有量が多すぎるため、同様に軟磁性が劣化しかつ電気抵抗が低下している。
【００２０】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明に係るＭｎＺｎフェライトによれば、Ｆｅ_２Ｏ_３を５０ｍｏｌ％未満に抑え、かつＭｎ_２Ｏ_３を微量（０．５ｍｏｌ％以下）に抑えることで、ＣａＯを０．２０ｍａｓｓ％よりも多く含有させても、異常粒成長が起こらず、比抵抗が１．５×１０^４Ωｍ以上、表面抵抗が１．５×１０^７Ω以上となる高い電気抵抗が得られる。また、ＴｉＯ_２および／またはＳｎＯ_２を適当量含ませているので、初透磁率も十分高くなり、１ＭＨｚのような高周波数帯域においても良好な軟磁性が得られる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a typical oxide magnetic material having soft magnetism, and more specifically, to a low-loss material, various inductance elements, an EMI countermeasure impedance element, and a radio wave absorbing material used in a switching power supply transformer and the like. It relates to a suitable MnZn ferrite.
[0002]
[Prior art]
A typical oxide magnetic material having soft magnetism is MnZn ferrite. Conventionally, this MnZn ferrite generally contains more than 50 mol% of stoichiometric Fe ₂ O ₃ , on average 52 to 55 mol% of Fe ₂ O ₃ , and 10 to 24 mol% of ZnO 2, The basic component composition contains the balance MnO. Usually, each raw material powder of Fe ₂ O ₃ , ZnO ₂ , and MnO ₂ is mixed at a predetermined ratio, then calcined, pulverized, component-adjusted, granulated, and molded to form a predetermined shape. Then, by flowing nitrogen, firing is performed in a reducing atmosphere in which the oxygen partial pressure is controlled according to the following formula (1), firing at 1200 to 1400 ° C. for 2 to 4 hours, and cooling after firing is performed.
log Po ₂ = −14540 / (T + 273) + b (1)
In the equation (1), T is a temperature (° C.), Po ₂ is an oxygen partial pressure, and b is a constant. Usually, 7 to 8 is adopted as this constant.
[0003]
Here, with respect to the manganese component in MnZn ferrite, it can exist as ^{Mn 3+} or ^{Mn 2+,} the abundance ratio of ^{Mn 3+} and ^{Mn 2+} is relying on atmospheric oxygen partial pressure during firing, ^{Mn 3+} is MnZn ferrite It is generally known that the soft magnetism is significantly impaired. It is also known that electrons are exchanged between Mn ³⁺ and Mn ^2+, which causes a reduction in electric resistance. That is, in order to secure good soft magnetism and high electric resistance, it is necessary to control the atmosphere (oxygen partial pressure) during firing so as to minimize the generation of Mn ^3+. Is determined in consideration of this point and industrial feasibility. When the constant b is 7 to 8, it means that the oxygen partial pressure during firing must be controlled in a narrow range, and the firing process becomes extremely troublesome and the production cost increases.
On the other hand, 50 in a general MnZn ferrite containing more _Fe 2 _{O 3} than mol%, the iron component is can exist as ^{Fe 3+} or ^{Fe 2+,} burning is carried out a reducing atmosphere as described above, the ^{Fe 3+} Part is reduced to produce Fe ²⁺ . This Fe ²⁺ has a positive crystal magnetic anisotropy, and has an effect of canceling out the negative crystal magnetic anisotropy of Fe ³⁺ to increase soft magnetism, but significantly lowers electric resistance. Further, as in the case of manganese, electrons are exchanged between Fe ³⁺ and Fe ^2+, which causes a significant decrease in electric resistance.
[0004]
By the way, in recent years, the frequency of processed signals tends to be higher with the miniaturization and higher performance of electronic devices, and a magnetic material having excellent magnetic properties even in a high frequency band is required.
When MnZn ferrite is used as the magnetic core material, an eddy current flows as the frequency band used increases, resulting in a large loss. Therefore, in order to increase the upper limit of the frequency that can be used as the magnetic core material, it is necessary to increase the electric resistance (specific resistance) as much as possible. However, since the above-mentioned general MnZn ferrite contains Fe ₂ O _{3 in} excess of the stoichiometric composition of 50 mol%, a large amount of Fe ²⁺ is present, and between the above-mentioned Fe ³⁺ and Fe ²⁺ ( Since the transfer of electrons between ions is easy, the specific resistance is smaller than about 1 Ωm. Therefore, there is a problem that the usable frequency is limited to about several hundred kHz, and in a frequency band exceeding this limit, the initial magnetic permeability is remarkably reduced, and the characteristics as a soft magnetic material are completely lost.
[0005]
Therefore, for example, Patent Document 1 or Patent Document 2 discloses MnZn ferrite in which Fe ₂ O ₃ is less than 50 mol% and CaO and SiO ₂ are added as subcomponents to increase the resistance, and Patent Document 3 discloses a MnZn ferrite in which Fe ₂ O ₃ is less than 50 mol%, TiO ₂ or SnO ₂ is added, and CaO and SiO ₂ are added as subcomponents to increase resistance. ing.
[0006]
[Patent Document 1]
JP-A-7-230909 [Patent Document 2]
JP-A-10-208926 [Patent Document 3]
Japanese Patent No. 3108803
[Problems to be solved by the invention]
However, according to the MnZn ferrites described in Patent Documents 1 and 2 described above, the use thereof is limited to a frequency band of 100 kHz or less because the application is a core material for a deflection yoke. (See Examples) There is no guarantee that good magnetic properties (soft magnetism) can be obtained in a high frequency band exceeding 1 MHz. That is, it cannot be used as a magnetic core material in a high frequency band exceeding 1 MHz.
Although Patent Document 1 suggests that CaO ₂ and SiO ₂ can be added up to 0.50% by weight, the amount of CaO added in the examples is less than 0.10% by weight and 0% by weight. There is no record of adding more than 0.20 mass% of CaO 2. Further, Patent Document 1 describes that Mn ₂ O ₃ is added so that the sum with Fe ₂ O ₃ becomes approximately 50 mol%, but Fe ₂ O ₃ 45 specified therein is added. When calculated backward from 0.0 to 48.5 mol%, the amount of Mn ₂ O _3, that is, Mn ³⁺ is 1.4 to 5.0 mol%. When such a large amount of Mn ³⁺ is contained, the soft magnetism and the electric resistance are reduced. It is difficult to achieve both.
On the other hand, according to the MnZn ferrite disclosed in Patent Document 3, CaO is 0.005 to 0.20 mass%, because the SiO ₂ is in the low and 0.005 to 0.05 mass%, one more However, there is a problem that the effect of increasing the resistance is insufficient. If the added amount of CaO or SiO ₂ is simply increased in order to further increase the resistance, abnormal grain growth occurs during firing and the magnetic characteristics (soft magnetism) are significantly deteriorated.
The present invention has been made in view of the above-mentioned conventional problems, and an object of the present invention is to provide a MnZn ferrite having a large electric resistance and capable of obtaining good soft magnetism even in a high frequency band exceeding 1 MHz. Is to do.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
To achieve the above object, MnZn ferrite according to the present invention, the basic component _{_{composition, Fe 2 O 3 44.0 ~49.8 mol}} %, ZnO 4.0 ~26.5 mol%, TiO 2 and SnO ₂ one or 0.1 to 4.0 _mol% of, _Mn 2 O 3 0.5 mol% or less, the balance being MnO, as an auxiliary component, CaO 0.20 to 1.00 mass% (provided that , 0.20 mass%), and has a specific resistance of 1.5 × 10 ⁴ Ωm or more and a surface resistance of 1.5 × 10 ⁷ Ω or more.
In the present invention, the FeO content is desirably controlled to 0.20 mol% or less.
The present invention also provides, as an accessory component _may be configured to contain SiO 2 0.01~0.10 mass%.
The present invention Further, as _{_{_{subcomponent, V 2 O 5 0.01~0.20 mass%}}} , MoO 3 0.01~0.20 mass%, ZrO 2 0.01~0.20 mass%, Ta 2 O 5 _{0.01~0.20 mass%, HfO 2 0.01~0.20 mass} %, Nb 2 O 5 0.01~0.20 mass% and one of CuO 0.01 to 6.00 mass% It is good also as composition containing a kind or two or more kinds.
[0009]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
As described above, if the general MnZn ferrite in which Fe ₂ O ₃ exceeds 50 mol% is fired in a reducing atmosphere where the constant b in the above formula (1) is 7 to 8, the soft magnetism is deteriorated. Almost no Mn ³⁺ is generated, but Fe ²⁺ that significantly lowers the electric resistance is generated. This is because more than 50 mol% of Fe ₂ O _3, that is, Fe ³⁺ is reduced. On the other hand, in the present invention, since Fe ₂ O _{3 is set} to 44.0 to 49.8 mol%, which is less than 50 mol%, sintering is performed in a reducing atmosphere in which the constant b in the formula (1) is 7 to 8. Almost no Fe ²⁺ is generated even if the process is performed.
Further, when firing is performed in an oxidizing atmosphere where the constant b in the formula (1) is larger than 8, Mn ²⁺ is oxidized to generate Mn ³⁺ . Mn ³⁺ remarkably lowers the initial magnetic permeability due to, for example, distorting the crystal lattice, and also lowers the resistance. However, in the present invention, since TiO ₂ and / or SnO ₂ is contained in an appropriate amount, Ti ⁴⁺ or Sn ⁴⁺ forms a solid solution in the spinel lattice, thereby reducing Mn ³⁺ to form Mn ²⁺ . .
[0010]
That is, according to the present invention, in addition to suppressing the generation of Fe ²⁺ which significantly lowers the electric resistance, the generation of Mn ³⁺ which deteriorates the soft magnetism and the electric resistance is also suppressed, so that good soft magnetism and high electricity Resistance and compatibility. As a result, in the present invention, a remarkably high electric resistance having a specific resistance of 1.5 × 10 ⁴ Ωm or more and a surface resistance of 1.5 × 10 ⁷ Ω or more can be obtained. However, if the content of TiO ₂ and / or SnO ₂ is less than 0.1 mol%, the above effect is small, and if the content is more than 4.0 mol%, the initial permeability is rather lowered. The range was 4.0 mol%.
In this case, the amount of Mn ³⁺ is an important index for achieving both the above-described good soft magnetism and high electric resistance. Therefore, in the present invention, the amount of Mn ³⁺ , that is, the amount of Mn ₂ O ₃ is 0.5 mol%. I try to keep it below.
The iron component in the MnZn ferrite is generally expressed as Fe ₂ O ₃ including FeO 2 (Fe ²⁺ ). Since Fe ²⁺ is a major cause of lowering the electric resistance as described above, this FeO It is desirable to keep the amount below 0.2 mol%.
[0011]
ZnO 2 as a main component affects the Curie temperature and the saturation magnetization, but if it is too small, the initial permeability decreases, and if it is too large, the saturation magnetization and the Curie temperature decrease. Ferrites for power transformers are often used in an environment of about 80 to 100 ° C., and it is particularly important that the Curie temperature and the saturation magnetization are high. Therefore, the above range is set to 4.0 to 26.5 mol%.
[0012]
As described above, the present invention is characterized in that CaO 2 is contained in an amount of more than 0.20 mass% as an auxiliary component. This CaO segregates at the crystal grain boundaries and contributes to increasing the resistance. However, if the content is more than 0.20 mass%, abnormal grain growth occurs, and the magnetic properties are significantly deteriorated. For this reason, conventionally, this CaO was suppressed to 0.20 mass% or less, but in the present invention, Fe ₂ O ₃ is suppressed to less than 50 mol% (49.8 mol% or less) and Mn is reduced. _{Since 2} O ₃ is suppressed to a very small amount (0.5 mol% or less), and if desired, FeO 2 is suppressed to a very small amount (0.2 mol% or less), even if CaO 2 is contained more than 0.20 mass%, it is abnormal. No grain growth occurs. Furthermore, CaO 2 preferably contributes to high resistance by containing more than 0.50 mass%. However, if the content is too large, the soft magnetism is reduced. Therefore, CaO is set in the above range of 0.20 to 1.00 mass% (however, excluding 0.20 mass%). Since SiO ₂ also contributes to increasing the resistance, this SiO ₂ may be contained at 0.01 to 0.10 mass% as desired.
[0013]
The present invention can also contain one or more of V ₂ O ₅ , MoO ₃ , ZrO ₂ , Ta ₂ O ₅ , HfO ₂ , Nb ₂ O ₅ and CuO as accessory components. All of these have the effect of promoting sintering and the effect of increasing resistance. However, if the content is too small, the effect is small, and if the content is too large, abnormal grain growth occurs. Therefore, V ₂ O ₅ , MoO ₃ , ZrO ₂ , Ta ₂ O ₅ , HfO ₂ , Nb ₂ in the range of 0.01 to 0.20 mass% for O ₅ and _V 2 _{O 5,} for CuO it is preferable that its content be within a range of 0.01-6.00 mass%.
[0014]
In the present invention, the calcination and the cooling after the calcination are performed in an atmosphere having an oxygen partial pressure determined by using an arbitrary value within the range of 7 to 15 as the constant b in the formula (1) as described above. it can. This means that the atmosphere control becomes easier as compared with the generally used constant b = 7 to 8, and the manufacturing cost can be reduced accordingly. However, when a value larger than 15 is selected as the constant b, Mn ^{3+ in} the ferrite becomes larger than 0.5 mol%, and the initial magnetic permeability is sharply reduced.
[0015]
In the production of MnZn ferrite, raw material powders of Fe ₂ O ₃ , ZnO and MnO as main components are weighed and mixed so as to have a predetermined ratio, and then the mixed powder is calcined and pulverized. The calcination temperature varies somewhat depending on the target composition, but an appropriate temperature is selected within a temperature range of 800 to 1000 ° C. For fine pulverization of the mixed powder, an attritor such as a general-purpose ball mill can be used. Then, an appropriate amount of a required powder such as TiO ₂ , SnO ₂ , CaO ₂ or SiO ₂ is added to the fine mixed powder and mixed to obtain a mixed powder of a target component. Thereafter, granulation and molding are performed according to a normal ferrite manufacturing process, and further firing is performed at 1000 to 1300 ° C. The granulation can be performed by a method of adding a binder such as polyvinyl alcohol, polyacrylamide, methylcellulose, polyethylene oxide, and glycerin, and the molding can be performed by, for example, a method of applying a pressure of 80 MPa or more. .
In the above-described firing and cooling after the firing, an oxygen partial pressure is controlled by flowing an inert gas such as nitrogen gas into the firing furnace. In this case, since the constant in the above formula (1) can be selected arbitrarily within a range of 7 to 15, the conventional general MnZn ferrite in which Fe ₂ O ₃ contains more than 50 mol% is fired. Compared with the constant b (7 to 8) selected in that case, the allowable range is considerably wide, and the oxygen partial pressure can be easily controlled. In this case, the cooling after firing based on the above formula (1) is sufficient if the temperature is lower than 500 ° C., because the oxidation or reduction reaction can be ignored regardless of the oxygen concentration.
[0016]
【Example】
After a predetermined amount of each raw material powder of Fe ₂ O ₃ , ZnO and MnO was mixed by an attritor, the mixture was calcined at 850 ° C. for 2 hours in the air and further pulverized by an attritor for 1 hour. Obtained. Next, powder such as TiO ₂ , SnO ₂ , CaO, SiO ₂ , CuO, Nb ₂ O ₅ , V ₂ O ₅ , ZrO _{2 and the} like are added and mixed at an appropriate ratio to the mixed powder, and the components are adjusted. The mixture was mixed for 1 hour with an attritor. Next, polyvinyl alcohol was added to the mixed powder, and the mixture was granulated to form a toroidal core (molded body) having an outer diameter of 25 mm, an inner diameter of 15 mm, and a height of 5 mm at a pressure of 80 MPa. Thereafter, the molded body is placed in a firing furnace, and the atmosphere is adjusted so that the oxygen partial pressure is obtained by setting the constant b in the above formula (1) to 9 by flowing nitrogen. Cooling after baking was performed to obtain inventive samples 1 to 7 and comparative samples 1 to 4.
For each sample obtained as described above, the final component composition was confirmed by X-ray fluorescence analysis, and the amount of Mn ₂ O _{3 and the} amount of FeO were analyzed by titration. The initial permeability, specific resistance and surface resistance at 1 MHz of each sample were measured. The results are collectively shown in Tables 1 and 2.
[0017]
[Table 1]

[0018]
[Table 2]

[0019]
From the results shown in Tables 1 and 2, all of the present invention samples 1 to 7 have Mn ₂ O ₃ of 0.5 mol% or less and FeO 2 of 0.2 mol% or less. Samples 1 to 7 of the present invention also have an initial magnetic permeability of 700 or more, a specific resistance of 1.5 × 10 ⁴ Ωm or more, and a surface resistance of 1.5 × 10 ⁷ Ω or more. And high electrical resistance can be obtained.
On the other hand, the comparative sample 1 is a general MnZn ferrite with Fe ₂ O ₃ of 50.0 mol% or more, so that the resistance is extremely low. In Comparative Sample 2, the content of CaO 2 was large, abnormal grain growth occurred, and the initial magnetic permeability was significantly reduced. Further, since Comparative Sample 3 contains neither TiO ₂ nor SnO ₂ , Mn ₂ O _3, that is, Mn ³⁺ is present in a large amount, and the soft magnetism is deteriorated and the electric resistance is lowered. Further, in Comparative Sample 4, the content of SnO ₂ was too large, so that the soft magnetism was similarly deteriorated and the electric resistance was lowered.
[0020]
【The invention's effect】
As described above, according to the MnZn ferrite according to the present invention, CaO is suppressed by suppressing Fe ₂ O ₃ to less than 50 mol% and Mn ₂ O ₃ to a trace amount (0.5 mol% or less). Contains more than 0.20 mass%, abnormal grain growth does not occur, and a high electric resistance with a specific resistance of 1.5 × 10 ⁴ Ωm or more and a surface resistance of 1.5 × 10 ⁷ Ω or more is obtained. can get. In addition, since an appropriate amount of TiO ₂ and / or SnO ₂ is contained, the initial permeability is sufficiently high, and good soft magnetism can be obtained even in a high frequency band such as 1 MHz.

Claims

Fundamental component _{_{composition, Fe 2 O 3 44.0 ~49.8 mol}} %, ZnO 4.0 ~26.5 mol%, 1 kind of TiO ₂ and SnO _2, or two or 0.1-4.0 mol%, 0.5 mol% or less of Mn ₂ O ₃ , the balance being MnO ₂ , containing 0.20 to 1.00 mass% of CaO (excluding 0.20 mass%) as a subcomponent, and specific resistance. Is MnZn ferrite, characterized in that it has a surface resistivity of 1.5 × 10 ⁴ Ωm or more and a surface resistance of 1.5 × 10 ⁷ Ω or more.

The MnZn ferrite according to claim 1, wherein the FeO content is 0.2 mol% or less.

3. The MnZn ferrite according to claim 1, comprising 0.01 to 0.10 mass% of SiO ₂ as an auxiliary component. 4.

As an auxiliary _{_{_{component, V 2 O 5 0.01~0.20 mass%}}} , MoO 3 0.01~0.20 mass%, ZrO 2 0.01~0.20 mass%, Ta 2 O 5 0.01~ _{_{0.20 mass%, HfO 2 0.01~0.20mass%}} , Nb 2 O 5 0.01~0.20 mass% and CuO from .01 to 6.00 1 kind or 2 or more of the mass% The MnZn ferrite according to any one of claims 1 to 3, further comprising: