JP2004244914A - 瓦固定金具及び瓦屋根構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】瓦本体を釘や固定ねじによって固定する作業が不要となり、施工作業が簡単で短時間に瓦屋根葺き作業ができる瓦固定金具を提供することにある。
【解決手段】屋根に敷設される瓦本体12に、左右に隣合う瓦同士または上下に隣合う瓦同士が互いに係合する係合部を有するとともに、瓦本体12の裏面における上縁部に突起部16を有した屋根瓦を固定する瓦固定金具であって、金属板状体からなる固定金具本体1の長手方向に沿う一側縁に屋根に敷設される瓦本体12の上縁部の突起部16が係合される凹溝2を設け、他側縁に上方に向かって略L字状に折曲することにより前記瓦本体12の上縁部を包むように瓦本体12の表面に係合される係合片3を設けたことを特徴とする。
【選択図】 図3
【解決手段】屋根に敷設される瓦本体12に、左右に隣合う瓦同士または上下に隣合う瓦同士が互いに係合する係合部を有するとともに、瓦本体12の裏面における上縁部に突起部16を有した屋根瓦を固定する瓦固定金具であって、金属板状体からなる固定金具本体1の長手方向に沿う一側縁に屋根に敷設される瓦本体12の上縁部の突起部16が係合される凹溝2を設け、他側縁に上方に向かって略L字状に折曲することにより前記瓦本体12の上縁部を包むように瓦本体12の表面に係合される係合片3を設けたことを特徴とする。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、屋根に敷設される屋根瓦を固定する瓦固定金具及び瓦屋根構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、瓦屋根は、野地面上にルーフィングを敷設し、このルーフィング上に瓦固定桟が固定される。この瓦固定桟は屋根の棟軒方向と直交する方向で、しかも瓦本体の上下方向の寸法に相当する間隔を存して配置され、釘等によって野地面に固定される。
【0003】
瓦本体の裏面における上縁部には突起部が設けられ、この突起部を瓦固定桟に係止した状態で、釘または固定ねじによって瓦本体が瓦固定桟に固定される。瓦本体の左右両側縁には横方向に隣合う瓦同士が係合する係合部を有していて、吹上げ風に対して瓦本体が浮き上がらないようにしている。
【0004】
また、瓦下地材を用いる瓦屋根施工においては、野地面上に発泡スチロール等の発泡材からなる瓦下地材を敷設している。瓦下地材の表面に複数枚の瓦を載置する瓦載置部を有し、瓦載置部は瓦の形状に倣った凹部に形成されているため、瓦を安定した状態に載置でき、耐震性及び耐風性に優れていることから普及している。
【0005】
この瓦下地材は、その裏面を屋根の野地面の勾配面に接合し、接着剤または接着剤とビス止め併用によって固定した後、瓦下地材の表面の瓦載置部に瓦本体を載せ、接着剤または接着剤と釘またはねじ止め併用によって固定し、瓦本体の上下部及び左右部を互いに重ね合わせることにより、瓦屋根を葺いている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、瓦固定桟を用いる施工及び瓦下地材を用いる施工のいずれにおいても瓦本体の上縁部を釘や固定ねじによって瓦固定桟または野地面に固定している。
【0007】
従って、瓦固定桟を用いる場合は、瓦の種類、寸法によって瓦固定桟の間隔や寸法を設定しなくてはならない。また、瓦下地材は、瓦本体を安定した状態に載置するために、瓦下地材の表面に瓦本体の形状に倣った凹部からなる瓦載置部を形成しているために、瓦の種類、寸法、配置形態によって異なる複数の瓦下地材を用意する必要があり、コストアップの原因となっている。
【0008】
また、前記いずれの施工においても、瓦本体の上縁部を釘や固定ねじによって固定する必要があり、施工が面倒で、施工日数も長く、コストアップの原因となっている。
【0009】
この発明は、前記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、瓦本体の種類、寸法及び配置形態が異なっても1種類の瓦固定金具によって瓦本体を簡単に、しかも強固に固定することができ、材料費、施工費の削減を図ることができる瓦固定金具及び瓦屋根構造を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明は、前述した目的を達成するために、請求項1は、屋根に敷設される瓦本体に、左右に隣合う瓦同士または上下に隣合う瓦同士が互いに係合する係合部を有するとともに、瓦本体の裏面における上縁部に突起部を有した屋根瓦を固定する瓦固定金具であって、金属板状体からなる固定金具本体の長手方向に沿う一側縁に屋根に敷設される瓦本体の上縁部の突起部が係合される凹溝を設け、他側縁に上方に向かって略L字状に折曲することにより前記瓦本体の上縁部を包むように瓦本体の表面に係合される係合片を設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項2は、請求項1の前記係合片は、横方向に複数並設され、瓦本体の寸法及び配置に応じて選択的に折曲されることを特徴とする。
【0012】
請求項3は、屋根の野地面上に載置された瓦下地材と、前記屋根の棟軒方向と直交する方向に、瓦本体の上下方向の寸法に相当する間隔を存して配置され、前記瓦下地材を介して前記野地面に固定される瓦固定金具とからなり、前記瓦固定金具は、金属板状体からなる固定金具本体と、この固定金具本体の長手方向に沿う一側縁に設けられ前記瓦下地材に敷設される瓦本体の上縁部の突起部が係合される凹溝と、前記固定金具本体の長手方向に沿う他側縁に設けられ上方に向かって略L字状に折曲することにより前記瓦本体の上縁部を包むように瓦本体の表面に係合する複数の係合片とを備えたことを特徴とする瓦屋根構造にある。
【0013】
請求項4は、請求項3の前記瓦下地材の上面には棟軒方向に延長する雨水排水溝と凸条部とが交互に設けられ、前記瓦固定金具は前記凸条部に接触し、雨水排水溝との間に隙間を設けた状態で固定されることを特徴とする。
【0014】
前記構成によれば、屋根の棟軒方向と直交する方向に、棟軒方向に瓦本体の上下方向の寸法に相当する間隔を存して瓦固定金具を固定し、瓦固定金具の凹溝に瓦本体の突起部を係合する。次に、瓦固定金具の複数の係合片のうち、いずれか1個または2個の係合片を工具等を用いてその付け根から上方に略直角に折曲し、さらに係合片の先端部を軒方向に略直角に折曲して瓦本体の水返し部の上面に重ねる。このように係合片を略L字状に折曲すると、瓦本体の上縁部が部分的に包まれた状態となり、瓦本体に浮き上がり方向の外力が加わっても係合片によって阻止される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は第1の実施形態を示し、瓦固定金具の斜視図である。固定金具本体1は、例えばアルミニウム、ステンレス、鉄等の金属板状体を折曲することにより形成されている。固定金具本体1の長手方向に沿う一側縁には上向きコ字状の凹溝2が設けられ、他側縁には複数の係合片3が横方向に並設されている。
【0017】
凹溝2は後述する瓦本体の裏面における上縁部に設けられた突起部が係合する幅を有しており、底部には所定間隔を存して水抜き兼用の取付け孔4が穿設されている。複数の係合片3は帯状板体の長手方向に所定間隔を存して幅方向に切込み部5を入れることにより形成され、その付け根部3aから上方に向かって略L字状に折曲できるようになっている。
【0018】
図2は瓦固定金具の固定金具本体1を瓦下地材6に固定した状態を示し、(a)は平面図、(b)はA−A線に沿う断面図である。瓦下地材6は屋根の野地面7に接着剤等によって固定されており、瓦下地材6は発泡スチロール等の断熱材であり、その上面には屋根の棟軒方向(屋根の勾配方向)に延長する雨水排水溝8と凸条部9とが交互に設けられている。
【0019】
前記固定金具本体1は、屋根の棟軒方向と直交する方向に、棟軒方向に瓦本体の上下方向の寸法に相当する間隔を存して配置される。このとき、固定金具本体1は、凹溝2が軒側、係合片3が棟側に位置するようにして凹溝2の底面を瓦下地材6の凸条部9に接触させる。そして、取付け孔4に固定ねじ10を挿通し、瓦下地材6を貫通して野地面7に固定すると、凹溝2の底面と雨水排水溝8との間に隙間11ができ、雨水を排水することができる。また、凹溝2に侵入した雨水は取付け孔4から瓦下地材6の雨水排水溝8に排水される。
【0020】
さらに、瓦下地材6の下面には縦方向と横方向に格子状に連通する通気溝6aが設けられていて、野地面7との間に通気性を持たせ、結露により野地面7が腐食するのを防止している。
【0021】
図3は瓦本体12を示し、矩形状で、表面(上面)は緩やかな凹曲面に形成され、一側縁にはアンダーラップ部13が、他側縁にはオーバラップ部14が設けられている。瓦本体12の表面における上縁部には水返し部15が設けられ、裏面における上縁部には2個の突起部16が設けられている。さらに、瓦本体12の表面における下縁部には瓦葺きしたときに下段側の瓦本体12の水返し部15にオーバラップする垂面17が設けられている。
【0022】
また、瓦本体12のアンダーラップ部13における一部には係合凹部18が設けられ、水返し部15における一部には係合部としての係合凹部18に係合する係合凸部19が設けられている。従って、瓦本体12を敷設したとき、上下方向に隣合う瓦本体12の係合凹部18と係合凸部19が係合するようになっている。
【0023】
次に、瓦下地材6に屋根の棟軒方向と直交する方向に、棟軒方向に瓦本体12の上下方向の寸法に相当する間隔を存して配置された固定金具本体1を用いて瓦葺きする施工方法について説明する。
【0024】
屋根の最も軒側に設けられた固定金具本体1の凹溝2に瓦本体12の突起部16を係合する(図4参照)。次に、固定金具本体1の複数の係合片3のうち、いずれか1個または2個の係合片3を工具等を用いてその付け根3aから上方に略直角に折曲し、さらに係合片3の先端部を軒方向に略直角に折曲して瓦本体12の水返し部15の上面に重ねる。このように係合片3を略L字状に折曲すると、瓦本体12の上縁部が部分的に包まれた状態となり、瓦本体12に浮き上がり方向の外力が加わっても係合片3によって阻止される。
【0025】
次に、既設された瓦本体12の側部に別の瓦本体12を並べ、アンダーラップ部13とオーバラップ部14とを重ね合わせるとともに、固定金具本体1の凹溝2に瓦本体12の突起部16を係合する。そして、前述と同様に、固定金具本体1の複数の係合片3のうち、いずれか1個または2個の係合片3を工具等を用いて略L字状に折曲し、瓦本体12の水返し部15の上面に重ね、瓦本体12に浮き上がり方向の外力が加わっても係合片3によって阻止する。
【0026】
このように手順を繰り返して瓦本体12を横一列敷設した後、棟側に配置された固定金具本体1に対して前述と同様な手順により瓦本体12を敷設し、棟側の瓦本体12の垂面17を軒側の瓦本体12の水返し部15にオーバラップさせる。そして、瓦本体12を横方向にずらすと、係合凹部18と係合凸部19が係合し、軒側と棟側の瓦本体12同士が係合する。また、瓦本体12を押え固定した係合片3はその上段の瓦本体12の下縁部によって覆われるため、係合片3が露出することはない。
【0027】
このようにして瓦本体12を瓦下地材6の軒側から順次棟側に向かって敷設することを繰り返すことにより瓦屋根が施工される。しかも、固定金具本体1の係合片3を折曲することにより、各瓦本体12を固定することができ、従来のように、各瓦本体12を釘や固定ねじによって固定する作業が不要となり、施工作業が簡単で短時間に瓦屋根葺き作業ができる。
【0028】
さらに、固定金具本体1に複数の係合片3を設け、瓦本体12の種類、寸法、配置形態によって選択的に係合片3を折曲することにより、固定できるため、1種類の瓦固定金具によって対応できる。
【0029】
なお、前記実施形態においては、瓦本体12に係合凹部18と係合凸部19を設け、瓦本体12を敷設したとき、上下方向に隣合う瓦本体12の係合凹部18と係合凸部19が係合するようにした。しかし、係合凹部18と係合凸部19を設ける位置は前記実施形態に限定されるものではなく、横方向に隣合う瓦本体12同士が係合する係合凹部18と係合凸部19を設けてもよい。なお、係合凹部18に雨水が侵入しても瓦下地材6の雨水排水溝8から排水される。
【0030】
さらに、前記実施形態においては、瓦下地材を用いた瓦屋根構造について説明したが、瓦下地材を用いず、野地面に直接またはルーフィングを介して瓦固定金具を固定してもよい。なお、この場合、瓦固定金具を固定する釘孔やねじ孔から雨水が漏水しないようにパッキング、パテ等で防水処理する必要がある。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、固定金具本体の係合片を折曲することにより、各瓦本体を固定することができ、従来のように、各瓦本体を釘や固定ねじによって固定する作業が不要となり、施工作業が簡単で短時間に瓦屋根葺き作業ができる。
【0032】
さらに、固定金具本体に複数の係合片を設け、瓦本体の種類、寸法、配置形態によって選択的に係合片を折曲することにより、固定できるため、1種類の瓦固定金具によって対応でき、コストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態を示す瓦固定金具の斜視図。
【図2】同実施形態の瓦固定金具を瓦下地材に固定した状態を示し、(a)は平面図、(b)はA−A線に沿う断面図。
【図3】同実施形態の瓦屋根構造の斜視図。
【図4】同実施形態の瓦固定金具に瓦本体が固定された状態の一部を示す側面図。
【符号の説明】
1…瓦固定部材、2…凹溝、3…係合片、6…瓦下地材、12…瓦本体、
16…突起部。
【発明の属する技術分野】
この発明は、屋根に敷設される屋根瓦を固定する瓦固定金具及び瓦屋根構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、瓦屋根は、野地面上にルーフィングを敷設し、このルーフィング上に瓦固定桟が固定される。この瓦固定桟は屋根の棟軒方向と直交する方向で、しかも瓦本体の上下方向の寸法に相当する間隔を存して配置され、釘等によって野地面に固定される。
【0003】
瓦本体の裏面における上縁部には突起部が設けられ、この突起部を瓦固定桟に係止した状態で、釘または固定ねじによって瓦本体が瓦固定桟に固定される。瓦本体の左右両側縁には横方向に隣合う瓦同士が係合する係合部を有していて、吹上げ風に対して瓦本体が浮き上がらないようにしている。
【0004】
また、瓦下地材を用いる瓦屋根施工においては、野地面上に発泡スチロール等の発泡材からなる瓦下地材を敷設している。瓦下地材の表面に複数枚の瓦を載置する瓦載置部を有し、瓦載置部は瓦の形状に倣った凹部に形成されているため、瓦を安定した状態に載置でき、耐震性及び耐風性に優れていることから普及している。
【0005】
この瓦下地材は、その裏面を屋根の野地面の勾配面に接合し、接着剤または接着剤とビス止め併用によって固定した後、瓦下地材の表面の瓦載置部に瓦本体を載せ、接着剤または接着剤と釘またはねじ止め併用によって固定し、瓦本体の上下部及び左右部を互いに重ね合わせることにより、瓦屋根を葺いている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、瓦固定桟を用いる施工及び瓦下地材を用いる施工のいずれにおいても瓦本体の上縁部を釘や固定ねじによって瓦固定桟または野地面に固定している。
【0007】
従って、瓦固定桟を用いる場合は、瓦の種類、寸法によって瓦固定桟の間隔や寸法を設定しなくてはならない。また、瓦下地材は、瓦本体を安定した状態に載置するために、瓦下地材の表面に瓦本体の形状に倣った凹部からなる瓦載置部を形成しているために、瓦の種類、寸法、配置形態によって異なる複数の瓦下地材を用意する必要があり、コストアップの原因となっている。
【0008】
また、前記いずれの施工においても、瓦本体の上縁部を釘や固定ねじによって固定する必要があり、施工が面倒で、施工日数も長く、コストアップの原因となっている。
【0009】
この発明は、前記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、瓦本体の種類、寸法及び配置形態が異なっても1種類の瓦固定金具によって瓦本体を簡単に、しかも強固に固定することができ、材料費、施工費の削減を図ることができる瓦固定金具及び瓦屋根構造を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明は、前述した目的を達成するために、請求項1は、屋根に敷設される瓦本体に、左右に隣合う瓦同士または上下に隣合う瓦同士が互いに係合する係合部を有するとともに、瓦本体の裏面における上縁部に突起部を有した屋根瓦を固定する瓦固定金具であって、金属板状体からなる固定金具本体の長手方向に沿う一側縁に屋根に敷設される瓦本体の上縁部の突起部が係合される凹溝を設け、他側縁に上方に向かって略L字状に折曲することにより前記瓦本体の上縁部を包むように瓦本体の表面に係合される係合片を設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項2は、請求項1の前記係合片は、横方向に複数並設され、瓦本体の寸法及び配置に応じて選択的に折曲されることを特徴とする。
【0012】
請求項3は、屋根の野地面上に載置された瓦下地材と、前記屋根の棟軒方向と直交する方向に、瓦本体の上下方向の寸法に相当する間隔を存して配置され、前記瓦下地材を介して前記野地面に固定される瓦固定金具とからなり、前記瓦固定金具は、金属板状体からなる固定金具本体と、この固定金具本体の長手方向に沿う一側縁に設けられ前記瓦下地材に敷設される瓦本体の上縁部の突起部が係合される凹溝と、前記固定金具本体の長手方向に沿う他側縁に設けられ上方に向かって略L字状に折曲することにより前記瓦本体の上縁部を包むように瓦本体の表面に係合する複数の係合片とを備えたことを特徴とする瓦屋根構造にある。
【0013】
請求項4は、請求項3の前記瓦下地材の上面には棟軒方向に延長する雨水排水溝と凸条部とが交互に設けられ、前記瓦固定金具は前記凸条部に接触し、雨水排水溝との間に隙間を設けた状態で固定されることを特徴とする。
【0014】
前記構成によれば、屋根の棟軒方向と直交する方向に、棟軒方向に瓦本体の上下方向の寸法に相当する間隔を存して瓦固定金具を固定し、瓦固定金具の凹溝に瓦本体の突起部を係合する。次に、瓦固定金具の複数の係合片のうち、いずれか1個または2個の係合片を工具等を用いてその付け根から上方に略直角に折曲し、さらに係合片の先端部を軒方向に略直角に折曲して瓦本体の水返し部の上面に重ねる。このように係合片を略L字状に折曲すると、瓦本体の上縁部が部分的に包まれた状態となり、瓦本体に浮き上がり方向の外力が加わっても係合片によって阻止される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は第1の実施形態を示し、瓦固定金具の斜視図である。固定金具本体1は、例えばアルミニウム、ステンレス、鉄等の金属板状体を折曲することにより形成されている。固定金具本体1の長手方向に沿う一側縁には上向きコ字状の凹溝2が設けられ、他側縁には複数の係合片3が横方向に並設されている。
【0017】
凹溝2は後述する瓦本体の裏面における上縁部に設けられた突起部が係合する幅を有しており、底部には所定間隔を存して水抜き兼用の取付け孔4が穿設されている。複数の係合片3は帯状板体の長手方向に所定間隔を存して幅方向に切込み部5を入れることにより形成され、その付け根部3aから上方に向かって略L字状に折曲できるようになっている。
【0018】
図2は瓦固定金具の固定金具本体1を瓦下地材6に固定した状態を示し、(a)は平面図、(b)はA−A線に沿う断面図である。瓦下地材6は屋根の野地面7に接着剤等によって固定されており、瓦下地材6は発泡スチロール等の断熱材であり、その上面には屋根の棟軒方向(屋根の勾配方向)に延長する雨水排水溝8と凸条部9とが交互に設けられている。
【0019】
前記固定金具本体1は、屋根の棟軒方向と直交する方向に、棟軒方向に瓦本体の上下方向の寸法に相当する間隔を存して配置される。このとき、固定金具本体1は、凹溝2が軒側、係合片3が棟側に位置するようにして凹溝2の底面を瓦下地材6の凸条部9に接触させる。そして、取付け孔4に固定ねじ10を挿通し、瓦下地材6を貫通して野地面7に固定すると、凹溝2の底面と雨水排水溝8との間に隙間11ができ、雨水を排水することができる。また、凹溝2に侵入した雨水は取付け孔4から瓦下地材6の雨水排水溝8に排水される。
【0020】
さらに、瓦下地材6の下面には縦方向と横方向に格子状に連通する通気溝6aが設けられていて、野地面7との間に通気性を持たせ、結露により野地面7が腐食するのを防止している。
【0021】
図3は瓦本体12を示し、矩形状で、表面(上面)は緩やかな凹曲面に形成され、一側縁にはアンダーラップ部13が、他側縁にはオーバラップ部14が設けられている。瓦本体12の表面における上縁部には水返し部15が設けられ、裏面における上縁部には2個の突起部16が設けられている。さらに、瓦本体12の表面における下縁部には瓦葺きしたときに下段側の瓦本体12の水返し部15にオーバラップする垂面17が設けられている。
【0022】
また、瓦本体12のアンダーラップ部13における一部には係合凹部18が設けられ、水返し部15における一部には係合部としての係合凹部18に係合する係合凸部19が設けられている。従って、瓦本体12を敷設したとき、上下方向に隣合う瓦本体12の係合凹部18と係合凸部19が係合するようになっている。
【0023】
次に、瓦下地材6に屋根の棟軒方向と直交する方向に、棟軒方向に瓦本体12の上下方向の寸法に相当する間隔を存して配置された固定金具本体1を用いて瓦葺きする施工方法について説明する。
【0024】
屋根の最も軒側に設けられた固定金具本体1の凹溝2に瓦本体12の突起部16を係合する(図4参照)。次に、固定金具本体1の複数の係合片3のうち、いずれか1個または2個の係合片3を工具等を用いてその付け根3aから上方に略直角に折曲し、さらに係合片3の先端部を軒方向に略直角に折曲して瓦本体12の水返し部15の上面に重ねる。このように係合片3を略L字状に折曲すると、瓦本体12の上縁部が部分的に包まれた状態となり、瓦本体12に浮き上がり方向の外力が加わっても係合片3によって阻止される。
【0025】
次に、既設された瓦本体12の側部に別の瓦本体12を並べ、アンダーラップ部13とオーバラップ部14とを重ね合わせるとともに、固定金具本体1の凹溝2に瓦本体12の突起部16を係合する。そして、前述と同様に、固定金具本体1の複数の係合片3のうち、いずれか1個または2個の係合片3を工具等を用いて略L字状に折曲し、瓦本体12の水返し部15の上面に重ね、瓦本体12に浮き上がり方向の外力が加わっても係合片3によって阻止する。
【0026】
このように手順を繰り返して瓦本体12を横一列敷設した後、棟側に配置された固定金具本体1に対して前述と同様な手順により瓦本体12を敷設し、棟側の瓦本体12の垂面17を軒側の瓦本体12の水返し部15にオーバラップさせる。そして、瓦本体12を横方向にずらすと、係合凹部18と係合凸部19が係合し、軒側と棟側の瓦本体12同士が係合する。また、瓦本体12を押え固定した係合片3はその上段の瓦本体12の下縁部によって覆われるため、係合片3が露出することはない。
【0027】
このようにして瓦本体12を瓦下地材6の軒側から順次棟側に向かって敷設することを繰り返すことにより瓦屋根が施工される。しかも、固定金具本体1の係合片3を折曲することにより、各瓦本体12を固定することができ、従来のように、各瓦本体12を釘や固定ねじによって固定する作業が不要となり、施工作業が簡単で短時間に瓦屋根葺き作業ができる。
【0028】
さらに、固定金具本体1に複数の係合片3を設け、瓦本体12の種類、寸法、配置形態によって選択的に係合片3を折曲することにより、固定できるため、1種類の瓦固定金具によって対応できる。
【0029】
なお、前記実施形態においては、瓦本体12に係合凹部18と係合凸部19を設け、瓦本体12を敷設したとき、上下方向に隣合う瓦本体12の係合凹部18と係合凸部19が係合するようにした。しかし、係合凹部18と係合凸部19を設ける位置は前記実施形態に限定されるものではなく、横方向に隣合う瓦本体12同士が係合する係合凹部18と係合凸部19を設けてもよい。なお、係合凹部18に雨水が侵入しても瓦下地材6の雨水排水溝8から排水される。
【0030】
さらに、前記実施形態においては、瓦下地材を用いた瓦屋根構造について説明したが、瓦下地材を用いず、野地面に直接またはルーフィングを介して瓦固定金具を固定してもよい。なお、この場合、瓦固定金具を固定する釘孔やねじ孔から雨水が漏水しないようにパッキング、パテ等で防水処理する必要がある。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、固定金具本体の係合片を折曲することにより、各瓦本体を固定することができ、従来のように、各瓦本体を釘や固定ねじによって固定する作業が不要となり、施工作業が簡単で短時間に瓦屋根葺き作業ができる。
【0032】
さらに、固定金具本体に複数の係合片を設け、瓦本体の種類、寸法、配置形態によって選択的に係合片を折曲することにより、固定できるため、1種類の瓦固定金具によって対応でき、コストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態を示す瓦固定金具の斜視図。
【図2】同実施形態の瓦固定金具を瓦下地材に固定した状態を示し、(a)は平面図、(b)はA−A線に沿う断面図。
【図3】同実施形態の瓦屋根構造の斜視図。
【図4】同実施形態の瓦固定金具に瓦本体が固定された状態の一部を示す側面図。
【符号の説明】
1…瓦固定部材、2…凹溝、3…係合片、6…瓦下地材、12…瓦本体、
16…突起部。
Claims (4)
- 屋根に敷設される瓦本体に、左右に隣合う瓦同士または上下に隣合う瓦同士が互いに係合する係合部を有するとともに、瓦本体の裏面における上縁部に突起部を有した屋根瓦を固定する瓦固定金具であって、
金属板状体からなる固定金具本体の長手方向に沿う一側縁に屋根に敷設される瓦本体の上縁部の突起部が係合される凹溝を設け、他側縁に上方に向かって略L字状に折曲することにより前記瓦本体の上縁部を包むように瓦本体の表面に係合される係合片を設けたことを特徴とする瓦固定金具。 - 前記係合片は、横方向に複数並設され、瓦本体の寸法及び配置に応じて選択的に折曲されることを特徴とする請求項1記載の瓦固定金具。
- 屋根の野地面上に載置された瓦下地材と、前記屋根の棟軒方向と直交する方向に、瓦本体の上下方向の寸法に相当する間隔を存して配置され、前記瓦下地材を介して前記野地面に固定される瓦固定金具とからなり、
前記瓦固定金具は、金属板状体からなる固定金具本体と、この固定金具本体の長手方向に沿う一側縁に設けられ前記瓦下地材に敷設される瓦本体の上縁部の突起部が係合される凹溝と、前記固定金具本体の長手方向に沿う他側縁に設けられ上方に向かって略L字状に折曲することにより前記瓦本体の上縁部を包むように瓦本体の表面に係合する複数の係合片とを備えたことを特徴とする瓦屋根構造。 - 前記瓦下地材の上面には棟軒方向に延長する雨水排水溝と凸条部とが交互に設けられ、前記瓦固定金具は前記凸条部に接触し、雨水排水溝との間に隙間を設けた状態で固定されることを特徴とする請求項3記載の瓦屋根構造。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003035590A JP2004244914A (ja) | 2003-02-13 | 2003-02-13 | 瓦固定金具及び瓦屋根構造 |
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JP2003035590A JP2004244914A (ja) | 2003-02-13 | 2003-02-13 | 瓦固定金具及び瓦屋根構造 |
Publications (1)
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JP2004244914A true JP2004244914A (ja) | 2004-09-02 |
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ID=33020967
Family Applications (1)
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JP (1) | JP2004244914A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015121083A (ja) * | 2013-11-19 | 2015-07-02 | ケイミュー株式会社 | 屋根構造 |
-
2003
- 2003-02-13 JP JP2003035590A patent/JP2004244914A/ja active Pending
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