JP2004244561A - アクリル樹脂、該樹脂を含有する粘着剤、及び該粘着剤を積層してなる光学積層体 - Google Patents
アクリル樹脂、該樹脂を含有する粘着剤、及び該粘着剤を積層してなる光学積層体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004244561A JP2004244561A JP2003037796A JP2003037796A JP2004244561A JP 2004244561 A JP2004244561 A JP 2004244561A JP 2003037796 A JP2003037796 A JP 2003037796A JP 2003037796 A JP2003037796 A JP 2003037796A JP 2004244561 A JP2004244561 A JP 2004244561A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- optical film
- pressure
- sensitive adhesive
- film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Polarising Elements (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Adhesive Tapes (AREA)
- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
Abstract
【課題】可塑剤を配合することがなくとも、光学フィルムの応力集中を緩和し、光学積層体の白抜けや色ムラを抑制し、光学フィルムと粘着剤層と間の浮剥れや、粘着剤層内での発泡を抑制し得る、粘着剤に好適なアクリル樹脂を提供する。
【解決手段】(a)と(b)とを反応して得られるアクリル樹脂。
(a):(I)を主成分とする重合体であって、該重合体の分子内に、1級アミノ基、2級アミノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を含有する重合体
(b):(I)及び(II)を含有する重合体であって、該重合体の分子内には、1級アミノ基、2級アミノ基及びカルボキシル基のいずれの官能基も含有しない重合体
(I):(メタ)アクリル酸エステル
(II):(a)に含有される、1級アミノ基、2級アミノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる少なくとも一種の官能基と反応し得る官能基と、オレフィン性二重結合とを含有するモノマー
【選択図】 なし
【解決手段】(a)と(b)とを反応して得られるアクリル樹脂。
(a):(I)を主成分とする重合体であって、該重合体の分子内に、1級アミノ基、2級アミノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を含有する重合体
(b):(I)及び(II)を含有する重合体であって、該重合体の分子内には、1級アミノ基、2級アミノ基及びカルボキシル基のいずれの官能基も含有しない重合体
(I):(メタ)アクリル酸エステル
(II):(a)に含有される、1級アミノ基、2級アミノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる少なくとも一種の官能基と反応し得る官能基と、オレフィン性二重結合とを含有するモノマー
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクリル樹脂、該樹脂を含有する粘着剤、及び該粘着剤を積層してなる光学積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
TFT、STNなどの液晶表示装置に一般に用いられている液晶セルは、液晶成分が二枚のガラス基材間に挟持された構造を有している。そして、該ガラス基材の表面には、アクリル樹脂を主成分とする粘着剤を介して、偏光フィルム、位相差フィルムなどの光学フィルムが積層されている。
そして、ガラス基板、粘着剤及び光学フィルムを順次積層してなる光学積層体は、まず、光学フィルムに粘着剤を積層して得られる粘着剤付光学フィルムを製造し、続いて、粘着剤の面にガラス基材を積層する方法が、一般に用いられている。
【0003】
このような粘着剤付光学フィルムは、熱または湿熱条件下では伸縮による寸法変化が大きいためカール等を生じ易く、得られる光学積層体の粘着剤層内で発泡したり、粘着剤層とガラス基材との間の浮剥れ等が発生するという問題があった。さらに、熱または湿熱条件下では粘着剤付光学フィルムに作用する残留応力の分布が不均一となり、光学積層体の外周部に応力集中が生じる結果、TN液晶セル(TFT)では白抜け、STN液晶セルでは色ムラが起こるという問題があった。
かかる問題を解消するために、粘着剤として、アクリル樹脂に可塑剤を配合してなる粘着剤(例えば、特許文献1)などが提案されている。
【0004】
【特許文献1】特開平9−87593号公報([特許請求の範囲]参照)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、可塑剤を配合することがなくとも、光学フィルムの伸縮等により生じる応力集中を緩和し、光学積層体の白抜けや色ムラを抑制するとともに、光学積層体における光学フィルムと粘着剤層と間の浮剥れや、粘着剤層内での発泡を抑制し得る、粘着剤に好適なアクリル樹脂;該アクリル樹脂を含有する粘着剤;該粘着剤と光学フィルムとからなる粘着剤付光学フィルム、該粘着剤付光学フィルムの粘着剤層を介して光学フィルムとガラス基板とが積層してなる光学積層体;光学積層体からガラス基材を回収する方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のアクリル樹脂が、粘着剤として好適であることを見出した。また、本発明の粘着剤は、可塑剤を配合することがなくとも、光学フィルムの伸縮等により生じる応力集中を緩和し、得られる光学積層体の白抜けや色ムラを抑制するとともに、光学積層体における光学フィルムと粘着剤層と間の浮剥れや、粘着剤層内での発泡を抑制することを見出した。さらに、粘着剤付光学フィルムを貼り直すために本発明の光学積層体から粘着剤付光学フィルムを剥離すると粘着剤層と接していたガラス基材の表面に、曇りや糊残り等がほとんど発生することなくガラス基材を回収し得ることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、下記(a)と(b)とを反応して得られるアクリル樹脂;該アクリル樹脂と、硬化剤及び/又はシラン系化合物とを配合してなる粘着剤;光学フィルムの両面または片面に該粘着剤を積層してなる粘着剤付光学フィルム;該粘着剤付光学フィルムの粘着剤層にガラス基材を積層してなる光学積層体;該光学積層体を用いて粘着剤付光学フィルムを剥離することを特徴とするガラス基材の回収方法である。
【0008】
(a):下記単量体(I)に由来する構造単位を主成分とする重合体であって、該重合体の分子内に、1級アミノ基、2級アミノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を含有する重合体
(b):下記単量体(I)及び下記単量体(II)に由来する構造単位を含有する重合体であって、該重合体の分子内には、1級アミノ基、2級アミノ基及びカルボキシル基のいずれの官能基も含有しない重合体
(I):下記一般式(1)で表される(メタ)アクリル酸エステル
(式中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は炭素数1〜14のアルキル基または炭素数7〜14のアラルキル基を表す。R2のアルキル基またはアラルキル基には炭素数1〜10のアルコキシ基が結合していてもよい。)
(II):(a)に含有される、1級アミノ基、2級アミノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる少なくとも一種の官能基と反応し得る官能基と、オレフィン性二重結合とを含有するモノマー
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に用いられる単量体(I)は、下記一般式(1)で表される(メタ)アクリル酸エステルである。
(式中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は炭素数1〜14のアルキル基または炭素数7〜14のアラルキル基を表す。R2のアルキル基またはアラルキル基には炭素数1〜10のアルコキシ基が結合していてもよい。)
【0010】
ここで、単量体(I)としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、iso−オクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシエチルアクリレート及びエトキシメチルアクリレートなどのアクリル酸エステル;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、iso−オクチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、メトキシエチルメタクリレート及びエトキシメチルメタクリレートなどのメタクリル酸エステル等を挙げることができる。
【0011】
単量体(II)とは、1級アミノ基、2級アミノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる少なくとも一種の官能基と反応し得る官能基(以下、B官能基と称する場合がある)と、オレフィン性二重結合とを分子内に含有するモノマーである。
尚、B官能基は、後述する(a)に含まれる、1級アミノ基、2級アミノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる少なくとも一種の官能基(以下、A官能基と称する場合がある)と反応することから、単量体(II)に含まれるB官能基は、(a)に含まれるA官能基と反応し得る官能基である。
すなわち、例えば、(a)がカルボキシル基を含有する場合には、単量体(II)はカルボキシル基と反応し得る官能基を含有し、(a)が1級アミノ基を含有する場合には、単量体(II)は1級アミノ基と反応し得る官能基を含有することが好ましい。
【0012】
ここで、1級アミノ基とは窒素原子に水素原子が2個結合した
−NH2
で表される1価のアミノ基を表し、2級アミノ基とは、窒素原子に水素原子が1個結合した
で表される2価のアミノ基を表す。ちなみに、後述する3級アミノ基とは、窒素原子に水素原子が結合していない
で表される3価のアミノ基を表す。
【0013】
B官能基の中でもカルボキシル基と反応し得る官能基としては、例えば、エポキシ基、イソシアネート基などが挙げられ、B官能基の中でも1級アミノ基または2級アミノ基と反応し得る官能基としては、エポキシ基、イソシアネート基、酸無水物基などが挙げられる。B官能基の中でもエポキシ基が好適である。
単量体(II)、すなわち、B官能基とオレフィン性二重結合とを含有するモノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸グリシジル、2−メタクリロイロキシエチルイソシアネート等が挙げられ、中でもメタクリル酸グリシジルが好ましい。
【0014】
本発明に用いられる(a)には、A官能基とオレフィン性二重結合とを分子内に含有するモノマー(以下、単量体(III)という)に由来する構造単位を含有していてもよい。
ここで、単量体(III)としては、例えば、アリルアミン、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸などが挙げられる。
【0015】
(a)及び(b)には、単量体(I)、(II)及び(III)以外のオレフィン性二重結合を分子内に含有するモノマー(以下、単量体(IV)という)に由来する構造単位を含有していてもよい。単量体(IV)としては、例えば、水酸基とオレフィン性二重結合を分子内に含有するモノマー、アミド基とオレフィン性二重結合を分子内に含有するモノマー、オレフィン性二重結合を分子内に2つ以上含有するモノマー、脂肪酸ビニルエステル、3級アミノ基を含有する(メタ)アクリル酸エステル、3級アミノ基を含有する(メタ)アクリルアミド、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、芳香族ビニル、(メタ)アクリロニトリル、共役ジエン化合物などが挙げられる。
【0016】
ここで、水酸基とオレフィン性二重結合を分子内に含有するモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、アミド基とオレフィン性二重結合を分子内に含有するモノマーとしては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等が挙げられる。
オレフィン性二重結合を分子内に2つ以上含有するモノマーとしては、ジビニルベンゼン、エチレンジ(メタ)アクリレート等があげられる。
脂肪酸ビニルとしては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニルなどが挙げられ、3級アミノ基を含有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートが挙げられ、3級アミノ基を含有する(メタ)アクリルアミドとしては、例えば、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
【0017】
ハロゲン化ビニルとしては、塩化ビニルおよび臭化ビニル等が例示され、ハロゲン化ビニリデンとしては、塩化ビニリデン等が例示され、(メタ)アクリロニトリルとしては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルが例示される。
共役ジエン化合物とは、分子内に共役二重結合を有するオレフィンであり、具体例としては、イソプレン、ブタジエン、クロロプレンなどが挙げられる。
芳香族ビニルとは、ビニル基と芳香族基を有する化合物であり、具体例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、トリエチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、ヘプチルスチレン、オクチルスチレン、フロロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨードスチレン、ニトロスチレン、アセチルスチレンおよびメトキシスチレンなどのスチレン系単量体、ビニルピリジン、ビニルカルバゾールなどの含窒素芳香族ビニルなどが挙げられる。
【0018】
単量体(IV)として、2種以上の単量体(IV)を使用してもよい。
単量体(IV)の中でも、水酸基とオレフィン性二重結合を分子内に含有するモノマーが、後述する硬化剤と反応し得ることから好適である。
【0019】
本発明に用いられる(a)とは、単量体(I)に由来する構造単位を主成分とする重合体であって、該重合体の分子内に、A官能基を含有する重合体である。
(a)の製造方法としては、(ア)(a)が単量体(I)を主成分とし、必要に応じて単量体(III)及び(IV)を開始剤にて重合する方法であって、該開始剤として、1級アミノ基、2級アミノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる少なくとも一種の官能基を(a)に含有せしめる開始剤(以下、A官能基を含有せしめる開始剤という場合がある)を用いる方法;(イ)単量体(I)を主成分とし、単量体(III)を必須成分とし、単量体(IV)を任意成分として重合する方法;(ウ)単量体(I)を主成分とし、単量体(IV)を任意成分として重合して得られる重合体に、さらにリビング重合により、単量体(III)をブロック共重合する方法などが例示される。
【0020】
(a)の製造方法として、中でも(ア)の方法が容易に製造し得ることから好ましい。(ア)の方法としては、例えば、溶液重合法、乳化重合法、塊状重合法、懸濁重合法などが挙げられ、とりわけ、溶液重合法が好ましい。
溶液重合法の具体例としては、単量体(I)、必要に応じて単量体(III)及び(IV)、並びに有機溶媒を混合し、窒素雰囲気下にて、A官能基を含有せしめる開始剤を添加して、40〜90℃程度、好ましくは60〜70℃程度にて3〜10時間程度攪拌する方法などが挙げられる。また、反応を制御するために、用いる単量体やA官能基を含有せしめる開始剤を重合中に添加したり、有機溶媒に溶解したのち添加してもよい。
ここで、有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の脂肪族アルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類などが挙げられる。
【0021】
(ア)の方法に用いられるA官能基を含有せしめる開始剤としては、(a)にカルボキシル基を与える開始剤として、例えば、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]、コハク酸パーオキサイドなどが挙げられ、(a)にアミノ基を与える開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミドキシム)などが挙げられる。
(ア)の方法において用いられるA官能基を含有せしめる開始剤の使用量としては、通常、単量体(I)100重量部に対し、0.001〜5重量部程度、好ましくは、0.01〜2重量部である。
【0022】
(a)における単量体(I)に由来する構造単位の含有量としては、(a)の全重量(固形分)100重量部に対し、通常、75〜99.999重量部程度であり、好ましくは73〜99重量部程度である。
(a)における単量体(III)及び(IV)に由来する構造単位の含有量の合計としては、(a)の全重量(固形分)100重量部に対し、通常、0〜24.999重量部程度であり、好ましくは0.5〜15重量部程度である。単量体(III)及び(IV)に由来する構造単位を含有すると得られる粘着剤の凝集力が向上する傾向にあることから好ましく、24.999重量部以下であると、光学フィルムと粘着剤層との浮剥れが抑制される傾向にあることから好ましい。
中でも、後述する硬化剤と反応し得るように、(a)および(b)には、単量体(IV)に由来する構造単位を含有せしめることが好ましい。
【0023】
本発明に用いられる(b)とは、単量体(I)及び単量体(II)に由来する構造単位を含有する重合体であって、該重合体の分子内に、1級アミノ基、2級アミノ基及びカルボキシル基のいずれの官能基も含有しない重合体である。
(b)の製造方法としては、A官能基を含有せしめる開始剤とは異なる開始剤を用いて、単量体(I)及び単量体(II)、必要に応じて単量体(IV)を重合する方法などが挙げられ、具体的には、前記の(a)を(ア)の方法で製造する方法とは、開始剤が、A官能基を含有せしめる開始剤とは異なる以外は、同様にして製造することができる。
【0024】
ここで、A官能基を含有せしめる開始剤とは異なる開始剤としては、1級アミノ基、2級アミノ基及びカルボキシル基のいずれの官能基も(b)に与えない熱重合開始剤や光重合開始剤などが例示され、該光重合開始剤としては、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトンなどが挙げられる。該熱重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)などのアゾ系化合物;ラウリルパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシピバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシドなどの有機過酸化物;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素など無機過酸化物等が挙げられる。
また、該熱重合開始剤と還元剤を併用したレドックス系開始剤なども重合開始剤として使用し得る。
【0025】
(b)として、単量体(I)及び単量体(II)のランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体などが例示される。
(b)における単量体(I)に由来する構造単位と単量体(II)に由来する構造単位との重量比率としては99.9/0.5から80/20程度であり、好ましくは98/2から90/10程度である。
また、A官能基を含有せしめる開始剤とは異なる開始剤の使用量としては、単量体(I)及び(II)の合計100重量部に対し、通常、0.001〜5重量部程度、好ましくは、0.01〜2重量部である。
【0026】
かくして得られた(a)及び(b)の粘度としては、(a)及び(b)のいずれの重合体についても、それぞれの重合体の固形分が30重量%となるように調整した酢酸エチル溶液における粘度(25℃)が、通常、20Pa・s以下、好ましくは10Pa・s以下である。(a)及び(b)の粘度が10Pa・s以下にすることにより、光学フィルムの寸法が変化しても、その寸法変化に得られる粘着剤層が追随して変動するので、液晶セルの周縁部の明るさと中心部の明るさとの間に差がなくなり、白抜け、色ムラが抑制される傾向にあることから好ましい。
【0027】
(a)及び(b)の分子量としては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)の光散乱法による重量平均分子量が、通常、100,000〜6,000,000程度、好ましくは300,000〜1,000,000程度である。重量平均分子量が100,000〜6,000,000の範囲であると、高温高湿下での接着性が向上し、光学フィルムと粘着剤層との間の浮剥れが低下する傾向があり、しかもリワーク性が向上する傾向にあることから好ましい。
【0028】
本発明のアクリル樹脂は、かくして得られた(a)と(b)とを反応させたものである。具体的なアクリル樹脂の製造方法としては、例えば、有機溶液として得られた(a)及び(b)を、80〜190℃程度、好ましくは120〜180℃程度で加熱混合して反応させる方法が挙げられる。用いられた溶媒の沸点によって、還流管を接続して常圧下に(a)と(b)とを反応させてもよいし、耐圧オートクレーブを用いて密閉された反応装置で反応させてもよい。
このときに反応を促進させるため、必要に応じてトリフェニルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−m−トリルホスフィン、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、n−ブチルトリフェニルホスホニウムブロマイド等の触媒を使用してもよい。
【0029】
アクリル樹脂における(a)及び(b)の重量比率(固形分)としては、(b)1重量部に対し、(a)が1.5重量部以上、好ましくは2〜6重量部程度である。(a)が1.5重量部以上であると光学フィルムと粘着剤層との間の浮剥れや白抜けが低下する傾向があることから好ましい。
【0030】
アクリル樹脂の粘度としては、該樹脂の固形分が30重量%となるように調整した酢酸エチル溶液における粘度(25℃)が、通常、100Pa・s以下、好ましくは50Pa・s以下である。粘度が100Pa・s以下にすることにより、光学フィルムの寸法が変化しても、その寸法変化に得られる粘着剤層が追随して変動するので、液晶セルの周縁部の明るさと中心部の明るさとの間に差がなくなり、白抜け、色ムラが抑制される傾向にあることから好ましい。
【0031】
アクリル樹脂の分子量としては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)の光散乱法による重量平均分子量が、通常、1,000,000〜10,000,000程度、好ましくは1,500,000〜8,000,000程度である。重量平均分子量が1,000,000〜10,000,000の範囲であると、高温高湿下での接着性が向上し、光学フィルムと粘着剤層との間の浮剥れが低下する傾向があり、しかもリワーク性が向上する傾向にあることから好ましい。
【0032】
本発明のアクリル樹脂は、例えば、粘着剤、接着剤、塗料、増粘剤等にそのまま使用してもよい。また、アクリル樹脂に硬化剤及び/又はシラン系化合物を配合してなる組成物が、粘着剤として好適である。
ここで、硬化剤とは、(a)に含まれるカルボキシル基及びアミノ基、並びに単量体(IV)に由来する水酸基などの極性官能基と架橋し得る官能基を分子内に2個以上有するものであり、具体的にはイソシアネート系化合物、エポキシ系化合物、アミン系化合物、金属キレート系化合物およびアジリジン系化合物などが例示される。
【0033】
ここで、イソシアネート系化合物とは、例えば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートなどが挙げられる。また、前記イソシアネート化合物にグリセロール、トリメチロールプロパンなどポリオールとを反応せしめたアダクト体やイソシアネート化合物を2、3量体等にしたものについても本発明の硬化剤である。
【0034】
エポキシ系化合物としては、例えば、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂、エチレングリコールグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミンおよび1,3−ビス(N,N’−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンなどが挙げられる。
【0035】
アミン系化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミン、ポリエチレンイミン、ヘキサメチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、トリエチレンジアミン、ポリアミノ樹脂およびメラミン樹脂などを挙げることができる。
金属キレート化合物としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロムおよびジルコニウムなどの多価金属に、アセチルアセトンやアセト酢酸エチルが配位した化合物などが挙げられる。
【0036】
アジリジン系化合物としては、例えば、N,N’−ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキサイド)、N,N’−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキサミド)、トリエチレンメラミン、ビスイソフタロイル−1−(2−メチルアジリジン)、トリ−1−アジリジニルホスフィンオキサイド、N,N’−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキサイド)、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネートおよびテトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネートなどが挙げられる。
【0037】
本発明の粘着剤における硬化剤として、2種類以上の硬化剤を使用してもよい。
粘着剤における硬化剤(固形分)の使用量としては、アクリル樹脂100重量部(固形分)に対して、通常、0.005〜5重量部程度であり、好ましくは0.01〜3重量部程度である。硬化剤の量が0.005重量以上であると、光学フィルムと粘着剤層との間の浮剥れ及びリワーク性が向上する傾向にあることから好ましく、5重量部以下であると、光学フィルムの寸法変化に対して粘着剤層の追随性が優れることから、白抜け、色ムラが低下する傾向にあり、好ましい。
【0038】
本発明の粘着剤に用いられるシラン系化合物としては、通常、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
本発明の粘着剤に、2種類以上のシラン系化合物を使用してもよい。
【0039】
粘着剤におけるシラン系化合物の使用量(溶液)としては、アクリル樹脂100重量部(固形分)に対して、通常、0.0001〜10重量部程度であり、好ましくは0.01〜5重量部の量で使用される。シラン系化合物の量が0.0001重量部以上であると粘着剤層とガラス基板との密着性が向上することから、好ましい。またシラン系化合物の量が10重量部以下であると、粘着剤層からシラン系化合物がブリードアウトすることを抑制し、粘着剤層の凝集破壊を抑制させる傾向にあることから、好ましい。
【0040】
本発明の粘着剤は、上記のようにアクリル樹脂、硬化剤及び/又はシラン系化合物からなるが、さらに、耐候安定剤、タッキファイヤー、可塑剤、軟化剤、染料、顔料、および無機フィラー等を配合させてもよい。
【0041】
本発明の粘着剤付光学フィルムに用いられる光学フィルムとは、光学特性を有するフィルムであり、例えば、偏光フィルム、位相差フィルムなどが挙げられる。
偏光フィルムとは、自然光などの入射光に対して、偏光を出射する機能を持つ光学フィルムである。偏光フィルムとしては、光学軸に対して平行である振動面の直線偏光を吸収し、垂直面である振動面を有する直線偏光を透過する性質を有する直線偏光フィルム、光学軸に対して平行である振動面の直線偏光を反射する偏光分離フィルム、偏光フィルムと後述する位相差フィルムを積層した楕円偏光フィルムなどが挙げられる。
偏光フィルムの具体例としては、一軸延伸されたポリビニルアルコールフィルムにヨウ素、二色性染料などの二色性色素が吸着配向されているものなどが挙げられる。
【0042】
位相差フィルムとは、一軸または二軸などの光学異方性を有する光学フィルムであって、例えば、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアリレート、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリビニリデンフルオライド/ポリメチルメタアクリレート、液晶ポリエステル、アセチルセルロース、環状ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリ塩化ビニルなどからなる高分子フィルムを1.01〜6倍程度に延伸することにより得られる延伸フィルムなどが挙げられる。中でも、ポリカーボネートあるいはポリビニルアルコールを一軸延伸、二軸延伸した高分子フィルムが好ましい。
【0043】
位相差フィルムとしては、一軸性位相差フィルム、広視野角位相差フィルム、低光弾性率位相差フィルム、温度補償型位相差フィルム、LCフィルム(棒状液晶ねじれ配向)、WVフィルム(円盤状液晶傾斜配向)、NHフィルム(棒状液晶傾斜配向)、VACフィルム(完全二軸配向型位相差フィルム)、newVACフィルム(二軸配向型位相差フィルム)などが挙げられる。
【0044】
さらに、これら光学フィルムに保護フィルムをさらに貼着しているものも光学フィルムとして本発明の粘着剤に積層してもよい。保護フィルムとしては、例えば、本発明のアクリル樹脂とは異なるアクリル樹脂フィルム、三酢酸セルロースフィルム等のアセチルセルロース系フィルム、ポリエステル樹脂フィルム、オレフィン樹脂フィルム、ポリカーボネート樹脂フィルム、ポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルム、ポリスルホン樹脂フィルム等が挙げられる。保護フィルムには、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤を配合されていてもよい。保護フィルムの中でも、アセチルセルロース系フィルムが好適である。
【0045】
本発明の光学積層体とは、粘着剤付光学フィルムの粘着剤層にガラス基材を積層してなるものである。ここで、ガラス基材としては、例えば、液晶セルのガラス基板、防眩用ガラス、サングラス用ガラスなどが挙げられる。
中でも、液晶セルの上部のガラス基板に粘着剤付光学フィルム(上板偏光板)を積層し、液晶セルの下部のガラス基板に別の粘着剤付光学フィルム(下板偏光板)を積層してなる光学積層体は液晶表示装置として使用し得ることから好ましい。
ガラス基材の材料としては、例えば、ソーダライムガラス、低アルカリガラス、無アルカリガラスなどが挙げられる
【0046】
粘着剤付光学フィルムおよび光学積層体の製造方法としては、例えば、剥離フィルムの上に粘着剤を積層し、得られた粘着剤層にさらに光学フィルムを積層したのち、剥離フィルムを剥離して粘着剤付光学フィルムを得、続いて、剥離された粘着剤層とガラス基板の面とを積層して光学積層体を製造する方法;光学フィルムの上に粘着剤を積層し、剥離フィルムを貼り合わせて保護して粘着剤付光学フィルムを製造し、ガラス基板の面と積層する際に、該粘着剤付光学フィルムから剥離フィルムを剥離し、剥離された粘着剤層とガラス基板の面とを積層して光学積層体を製造する方法などが挙げられる。
【0047】
ここで、剥離フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート等の各種樹脂からなるフィルムを基材とし、この基材の粘着剤層との接合面に、離型処理(シリコーン処理等)が施されたものなどが挙げられる。
【0048】
かくして得られた本発明の光学積層体が、貼り合せ不良などにより被着体であるガラス基材を回収したい場合(リワークする場合)、本発明の光学積層体であれば、室温あるいはやや加熱した程度、具体的には、5〜80℃程度にて粘着剤付光学フィルムを容易に剥離させることができ、しかも、回収されたガラス基材の表面に曇りや糊残り等がほとんど発生することなく、ガラス基材を再び光学積層体に供することができる。
【0049】
【発明の効果】
本発明のアクリル樹脂は、柔軟性に優れ、光学フィルムなどに優れた密着性を有する。また、該アクリル樹脂と硬化剤及び/又はシラン系化合物とを配合してなる組成物は粘着剤として好適である。
光学フィルムと該粘着剤とを積層した粘着剤付光学フィルムは、例えば液晶セルのガラス基板に積層すると、本発明の光学積層体を与える。
かかる光学積層体は、湿熱条件下、光学フィルムおよびガラス基板の寸法変化に起因する応力を粘着剤層が吸収・緩和するため、局部的な応力集中を軽減し、ガラス基板に対し粘着剤層が浮剥れを抑制することができる。
また、不均一な応力分布に起因する光学的欠陥を防止することから、ガラス基板がTN液晶セル(TFT)である場合、白ヌケを抑制したり、ガラス基板がSTN液晶セルである場合、色ムラを抑制することができる。
さらに、リワーク性に優れることから、一度積層した粘着剤付光学フィルムを光学積層体のガラス基板から剥離してもガラス基板の表面に糊残りや曇りを抑制することができる。
【0050】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。尚、実施例中「部」、「%」とあるのは特に断りのない限り重量基準である。また固形分は、JIS K−5407に準じた測定方法で行った。具体的には粘着剤溶液を任意の重量、シャーレにとり防爆オーブンにて115℃、2時間乾燥させた後の残留固形分重量を最初に測りとった溶液の重量に対して割合で表したものである。粘度は、25℃でブルックフィールド粘度計により測定した値である。分子量は、GPCの光散乱法による重量平均分子量であり、具体的には、検出器として光散乱光度計と示差屈折計を備えたGPC装置を用い、試料濃度5mg/ml、試料導入量100μml,カラム温度40℃、流速1ml/minの条件で、溶出液としてテトラヒドロフランを用いて得られた結果である。
【0051】
(製造例1:(a)の製造)
冷却管、窒素導入管、温度計、撹拌機を備えた反応器に、アクリル酸ブチル93.8部、アクリル酸4−ヒドロキシブチル6.2部およびメタノール208.3部を仕込み、反応容器内を窒素置換し、酸素不含としたあと、内温を60℃に昇温した。4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)0.18部を添加した後、60℃で6時間保温し反応を完結した。得られた反応物をメタノール溶媒によって沈殿精製した後、溶媒を留去し、(a)を得た。(a)を酢酸エチルに溶解し固形分を30.0%に調整したところ、粘度は1020mPa・sであった。また、該(a)の分子量は約450,000であった。
【0052】
(製造例2:(b)の製造)
実施例1の反応器に、アクリル酸ブチル90部、アクリル酸4−ヒドロキシブチル4.7部および酢酸エチル156部を仕込み、反応容器内を窒素置換し、酸素不含とした。内温を70℃に昇温した後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4部を添加した。次に、反応溶液を70℃程度に保温しながら、メタクリル酸グリシジル5.3部と酢酸エチル26部の混合溶液を3時間かけて添加し、さらに1時間攪拌しながら保温して反応を完結した。得られた反応物をメタノール溶媒によって沈殿精製した後、溶媒を留去し、(b)を得た。得られた(b)を再度酢酸エチルに溶解したところ、固形分29.4%で、粘度が1680mPa・sであった(30%で1860mPa・sに相当)。GPCの光散乱法による重量平均分子量は約740,000であった。
【0053】
(製造例3:(b)の製造)
製造例2のうち、反応容器に仕込むアクリル酸ブチルを94部、メタクリル酸グリシジルを2.9部に、昇温後に添加するメタクリル酸グリシジルを3.1部に変えた他は同様にして重合体溶液を得た。
【0054】
(製造例4:(b)の製造)
製造例1の反応器に、酢酸エチル235部を仕込、窒素ガスで装置内の空気を置換し、酸素不含としたあと、内温を70℃に昇温した。アゾビスイソブチロニトリル0.1部を添加したあと、内温を65〜75℃に保ちながら、アクリル酸ブチル96部、4−ヒドロキシアクリル酸ブチル4部の混合溶液を、3時間かけて反応系内に滴下した。その後65〜75℃で5時間保温して(b)を得た。粘度、分子量の結果を表1にまとめた。
【0055】
(製造例5:(b)の製造)
重合例1と同様の反応器に、アクリル酸ブチル96部、4−ヒドロキシアクリル酸ブチル4部及び酢酸エチル235部を仕込、窒素ガスで装置内の空気を置換し、酸素不含としたあと、内温を50℃に昇温した。アゾビスイソブチロニトリル0.05部を添加したあと、50℃で10時間保温し、反応を完結した。得られた反応物をメタノール溶媒によって沈殿精製した後、溶媒を留去し、(b)を得た。(b)を再度酢酸エチルで溶解させ粘度、分子量の結果を表1にまとめた。
【0056】
【表1】
単量体(I):アクリル酸ブチル
単量体(II):メタクリル酸グリシジル
単量体(IV):アクリル酸4−ヒドロキシブチル
触媒1:4,4’−アゾビス(4−シアノバレリン酸)
触媒2:2,2’−アゾビスイソブチロニトリル
【0057】
(実施例1)
<アクリル樹脂の製造例>
製造例1で得られた(a)75部、製造例2で得られた(b)25部およびキシレン233部を混合し、140℃に昇温した後、トリフェニルフォスフィン(TPP)2部を添加して30時間攪拌し、アクリル樹脂のキシレン溶液を得た。得られたアクリル樹脂は、固形分27.6%における粘度が4500mPa・s(30%で7300mPa・sに相当)、重量平均分子量は約2,400,000であった。
【0058】
<粘着剤及び粘着剤付光学フィルムの製造例>
アクリル樹脂溶液に硬化剤としてトリメチロールプロパントリレンジイソシアネート(商品名:コロネートL、日本ポリウレタン製)0.1部およびシラン系化合物として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM−403、信越シリコーン製)0.2部を混合し、アプリケーターを用いて離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムの離型処理面に乾燥後の厚さが25μmになるように塗布し、90℃で1分間乾燥して、シート状の粘着剤を得た。
光学フィルムの一種である偏光フィルム(ポリビニルアルコールにヨウ素を吸着させて延伸したものの両面にトリアセチルセルロース系保護フィルムで挟んだ3層構造にしたフィルム)に、前記で得られた粘着剤を有する面をラミネーターによって貼り合せたのち、離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離して粘着剤付光学フィルムを得た。
【0059】
<光学積層体の製造例>
液晶セル用ガラス板(日本板硝子(株)製 ソーダライムガラス)の両面に、前記で得られた粘着剤付光学フィルムの剥離された面(粘着剤層)を直交ニコルになるようにラミネーターを用いて貼り合わせて、光学積層体を得、リワーク性の評価に供した。
白ヌケ性及び耐久性の評価に供する光学積層体は、ガラス板(日本板硝子(株)製 ソーダライムガラス)の片面に、前記で得られた粘着剤付光学フィルムの剥離された面(粘着剤層)をラミネーターで貼り合わせて、光学積層体を得た。リワーク性の評価に供した。
【0060】
<光学積層体の白ヌケ性>
製造例で得られた光学積層体を80℃、Dryで500時間の耐久条件に投入した後、白ヌケの発現状態を下記の要領で4段階に評価し、結果を表2に示した。
◎ :白ヌケが全くみられない。
○ :白ヌケがほとんど目立たない。
△ :白ヌケがやや目立つ。
× :白ヌケが顕著にみとめられる。
【0061】
<光学積層体の耐久性>
製造例で得られた光学積層体を60℃、90%RHで500時間の耐久条件に投入した後、光学積層体の耐久性を下記の要領で4段階に評価し、結果を表2に示した。
◎ :浮き、剥れ、発泡等の外観変化が全くみられない。
○ :浮き、剥れ、発泡等の外観変化がほとんどみられない。
△ :浮き、剥れ、発泡等の外観変化がやや目立つ。
× :浮き、剥れ、発泡等の外観変化が顕著にみとめられる。
【0062】
<リワーク性>
光学積層体から粘着剤付光学フィルムの剥離のしやすさ、すなわち、リワーク性の評価を行うために、まず、前記光学積層体を25mm×150mmの試験片に調製した。次に試験片を長期保存する代わりに、この試験片を貼付装置(富士プラスチック機械(株)製「ラミパッカー」)を用いて液晶セル用ガラス基板(日本板硝子(株)製 ソーダライムガラス)に貼付し、50℃、5kg/cm2(490.3kPa)で20分間オートクレーブ処理を行い、続いて70℃で2時間加熱処理を行なった後、70℃のオーブン中にて24時間保管した。
リワーク性の評価は、以下のように行った。試験片を23℃、相対湿度50%RH雰囲気中にて300mm/minの速度で180°方向に剥離し、下記要領で分類したガラス板表面の状態を観察した結果を、表2に示した。
ガラス板表面の状態によりリワーク性の評価は以下の4段階で行った。
◎ :ガラス板表面に曇りおよび糊残りが全くみられない。
○ :ガラス板表面に曇り等がほとんど認められない。
△ :ガラス板表面に曇り等が認められる。
× :ガラス板表面に糊残りが認められる。
【0063】
(実施例2)
製造例1で得られた(a)、製造例3で得られた(b)及びTPPを表2に記載の重量(固形分)で用いる以外は実施例1と同様にしてアクリル樹脂を得た。得られたアクリル樹脂は、固形分25.6%における粘度が1400mPa・s(30%で3400mPa・sに相当)、重量平均分子量は約1,700,000であった。
得られたアクリル樹脂を用いて、実施例1と同様に粘着剤、粘着剤付光学フィルム及び光学積層体を製造し、評価した結果を表2にまとめた。
【0064】
(比較例1)
製造例1で得られた(a)と製造例2で得られた(b)とを表2に記載の重量で混合し、固形分30.3%の粘度が1250mPa・s(30%で1200mPa・sに相当)、重量平均分子量約500,000のアクリル樹脂組成物を得た。続いて、実施例1のアクリル樹脂をアクリル樹脂組成物とに置き換え、表2に記載の重量で硬化剤を用いる以外は実施例1と同様にして、粘着剤、粘着剤付光学フィルム及び光学積層体を製造し、評価した結果を表2にまとめた。
【0065】
(比較例2及び3)
比較例1のアクリル樹脂組成物を製造例4(比較例2)、製造例5(比較例3)に用いる以外は比較例1と同様にして、粘着剤、粘着剤付光学フィルム及び光学積層体を製造し、評価した結果を表2にまとめた。
【0066】
【表2】
硬化剤:トリメチロールプロパントリレンジイソシアネート(商品名:コロネートL、日本ポリウレタン製)
シラン系化合物:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM−403、信越シリコーン製)
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクリル樹脂、該樹脂を含有する粘着剤、及び該粘着剤を積層してなる光学積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
TFT、STNなどの液晶表示装置に一般に用いられている液晶セルは、液晶成分が二枚のガラス基材間に挟持された構造を有している。そして、該ガラス基材の表面には、アクリル樹脂を主成分とする粘着剤を介して、偏光フィルム、位相差フィルムなどの光学フィルムが積層されている。
そして、ガラス基板、粘着剤及び光学フィルムを順次積層してなる光学積層体は、まず、光学フィルムに粘着剤を積層して得られる粘着剤付光学フィルムを製造し、続いて、粘着剤の面にガラス基材を積層する方法が、一般に用いられている。
【0003】
このような粘着剤付光学フィルムは、熱または湿熱条件下では伸縮による寸法変化が大きいためカール等を生じ易く、得られる光学積層体の粘着剤層内で発泡したり、粘着剤層とガラス基材との間の浮剥れ等が発生するという問題があった。さらに、熱または湿熱条件下では粘着剤付光学フィルムに作用する残留応力の分布が不均一となり、光学積層体の外周部に応力集中が生じる結果、TN液晶セル(TFT)では白抜け、STN液晶セルでは色ムラが起こるという問題があった。
かかる問題を解消するために、粘着剤として、アクリル樹脂に可塑剤を配合してなる粘着剤(例えば、特許文献1)などが提案されている。
【0004】
【特許文献1】特開平9−87593号公報([特許請求の範囲]参照)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、可塑剤を配合することがなくとも、光学フィルムの伸縮等により生じる応力集中を緩和し、光学積層体の白抜けや色ムラを抑制するとともに、光学積層体における光学フィルムと粘着剤層と間の浮剥れや、粘着剤層内での発泡を抑制し得る、粘着剤に好適なアクリル樹脂;該アクリル樹脂を含有する粘着剤;該粘着剤と光学フィルムとからなる粘着剤付光学フィルム、該粘着剤付光学フィルムの粘着剤層を介して光学フィルムとガラス基板とが積層してなる光学積層体;光学積層体からガラス基材を回収する方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のアクリル樹脂が、粘着剤として好適であることを見出した。また、本発明の粘着剤は、可塑剤を配合することがなくとも、光学フィルムの伸縮等により生じる応力集中を緩和し、得られる光学積層体の白抜けや色ムラを抑制するとともに、光学積層体における光学フィルムと粘着剤層と間の浮剥れや、粘着剤層内での発泡を抑制することを見出した。さらに、粘着剤付光学フィルムを貼り直すために本発明の光学積層体から粘着剤付光学フィルムを剥離すると粘着剤層と接していたガラス基材の表面に、曇りや糊残り等がほとんど発生することなくガラス基材を回収し得ることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、下記(a)と(b)とを反応して得られるアクリル樹脂;該アクリル樹脂と、硬化剤及び/又はシラン系化合物とを配合してなる粘着剤;光学フィルムの両面または片面に該粘着剤を積層してなる粘着剤付光学フィルム;該粘着剤付光学フィルムの粘着剤層にガラス基材を積層してなる光学積層体;該光学積層体を用いて粘着剤付光学フィルムを剥離することを特徴とするガラス基材の回収方法である。
【0008】
(a):下記単量体(I)に由来する構造単位を主成分とする重合体であって、該重合体の分子内に、1級アミノ基、2級アミノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を含有する重合体
(b):下記単量体(I)及び下記単量体(II)に由来する構造単位を含有する重合体であって、該重合体の分子内には、1級アミノ基、2級アミノ基及びカルボキシル基のいずれの官能基も含有しない重合体
(I):下記一般式(1)で表される(メタ)アクリル酸エステル
(式中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は炭素数1〜14のアルキル基または炭素数7〜14のアラルキル基を表す。R2のアルキル基またはアラルキル基には炭素数1〜10のアルコキシ基が結合していてもよい。)
(II):(a)に含有される、1級アミノ基、2級アミノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる少なくとも一種の官能基と反応し得る官能基と、オレフィン性二重結合とを含有するモノマー
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に用いられる単量体(I)は、下記一般式(1)で表される(メタ)アクリル酸エステルである。
(式中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は炭素数1〜14のアルキル基または炭素数7〜14のアラルキル基を表す。R2のアルキル基またはアラルキル基には炭素数1〜10のアルコキシ基が結合していてもよい。)
【0010】
ここで、単量体(I)としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、iso−オクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシエチルアクリレート及びエトキシメチルアクリレートなどのアクリル酸エステル;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、iso−オクチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、メトキシエチルメタクリレート及びエトキシメチルメタクリレートなどのメタクリル酸エステル等を挙げることができる。
【0011】
単量体(II)とは、1級アミノ基、2級アミノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる少なくとも一種の官能基と反応し得る官能基(以下、B官能基と称する場合がある)と、オレフィン性二重結合とを分子内に含有するモノマーである。
尚、B官能基は、後述する(a)に含まれる、1級アミノ基、2級アミノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる少なくとも一種の官能基(以下、A官能基と称する場合がある)と反応することから、単量体(II)に含まれるB官能基は、(a)に含まれるA官能基と反応し得る官能基である。
すなわち、例えば、(a)がカルボキシル基を含有する場合には、単量体(II)はカルボキシル基と反応し得る官能基を含有し、(a)が1級アミノ基を含有する場合には、単量体(II)は1級アミノ基と反応し得る官能基を含有することが好ましい。
【0012】
ここで、1級アミノ基とは窒素原子に水素原子が2個結合した
−NH2
で表される1価のアミノ基を表し、2級アミノ基とは、窒素原子に水素原子が1個結合した
で表される2価のアミノ基を表す。ちなみに、後述する3級アミノ基とは、窒素原子に水素原子が結合していない
で表される3価のアミノ基を表す。
【0013】
B官能基の中でもカルボキシル基と反応し得る官能基としては、例えば、エポキシ基、イソシアネート基などが挙げられ、B官能基の中でも1級アミノ基または2級アミノ基と反応し得る官能基としては、エポキシ基、イソシアネート基、酸無水物基などが挙げられる。B官能基の中でもエポキシ基が好適である。
単量体(II)、すなわち、B官能基とオレフィン性二重結合とを含有するモノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸グリシジル、2−メタクリロイロキシエチルイソシアネート等が挙げられ、中でもメタクリル酸グリシジルが好ましい。
【0014】
本発明に用いられる(a)には、A官能基とオレフィン性二重結合とを分子内に含有するモノマー(以下、単量体(III)という)に由来する構造単位を含有していてもよい。
ここで、単量体(III)としては、例えば、アリルアミン、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸などが挙げられる。
【0015】
(a)及び(b)には、単量体(I)、(II)及び(III)以外のオレフィン性二重結合を分子内に含有するモノマー(以下、単量体(IV)という)に由来する構造単位を含有していてもよい。単量体(IV)としては、例えば、水酸基とオレフィン性二重結合を分子内に含有するモノマー、アミド基とオレフィン性二重結合を分子内に含有するモノマー、オレフィン性二重結合を分子内に2つ以上含有するモノマー、脂肪酸ビニルエステル、3級アミノ基を含有する(メタ)アクリル酸エステル、3級アミノ基を含有する(メタ)アクリルアミド、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、芳香族ビニル、(メタ)アクリロニトリル、共役ジエン化合物などが挙げられる。
【0016】
ここで、水酸基とオレフィン性二重結合を分子内に含有するモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、アミド基とオレフィン性二重結合を分子内に含有するモノマーとしては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等が挙げられる。
オレフィン性二重結合を分子内に2つ以上含有するモノマーとしては、ジビニルベンゼン、エチレンジ(メタ)アクリレート等があげられる。
脂肪酸ビニルとしては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニルなどが挙げられ、3級アミノ基を含有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートが挙げられ、3級アミノ基を含有する(メタ)アクリルアミドとしては、例えば、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
【0017】
ハロゲン化ビニルとしては、塩化ビニルおよび臭化ビニル等が例示され、ハロゲン化ビニリデンとしては、塩化ビニリデン等が例示され、(メタ)アクリロニトリルとしては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルが例示される。
共役ジエン化合物とは、分子内に共役二重結合を有するオレフィンであり、具体例としては、イソプレン、ブタジエン、クロロプレンなどが挙げられる。
芳香族ビニルとは、ビニル基と芳香族基を有する化合物であり、具体例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、トリエチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、ヘプチルスチレン、オクチルスチレン、フロロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨードスチレン、ニトロスチレン、アセチルスチレンおよびメトキシスチレンなどのスチレン系単量体、ビニルピリジン、ビニルカルバゾールなどの含窒素芳香族ビニルなどが挙げられる。
【0018】
単量体(IV)として、2種以上の単量体(IV)を使用してもよい。
単量体(IV)の中でも、水酸基とオレフィン性二重結合を分子内に含有するモノマーが、後述する硬化剤と反応し得ることから好適である。
【0019】
本発明に用いられる(a)とは、単量体(I)に由来する構造単位を主成分とする重合体であって、該重合体の分子内に、A官能基を含有する重合体である。
(a)の製造方法としては、(ア)(a)が単量体(I)を主成分とし、必要に応じて単量体(III)及び(IV)を開始剤にて重合する方法であって、該開始剤として、1級アミノ基、2級アミノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる少なくとも一種の官能基を(a)に含有せしめる開始剤(以下、A官能基を含有せしめる開始剤という場合がある)を用いる方法;(イ)単量体(I)を主成分とし、単量体(III)を必須成分とし、単量体(IV)を任意成分として重合する方法;(ウ)単量体(I)を主成分とし、単量体(IV)を任意成分として重合して得られる重合体に、さらにリビング重合により、単量体(III)をブロック共重合する方法などが例示される。
【0020】
(a)の製造方法として、中でも(ア)の方法が容易に製造し得ることから好ましい。(ア)の方法としては、例えば、溶液重合法、乳化重合法、塊状重合法、懸濁重合法などが挙げられ、とりわけ、溶液重合法が好ましい。
溶液重合法の具体例としては、単量体(I)、必要に応じて単量体(III)及び(IV)、並びに有機溶媒を混合し、窒素雰囲気下にて、A官能基を含有せしめる開始剤を添加して、40〜90℃程度、好ましくは60〜70℃程度にて3〜10時間程度攪拌する方法などが挙げられる。また、反応を制御するために、用いる単量体やA官能基を含有せしめる開始剤を重合中に添加したり、有機溶媒に溶解したのち添加してもよい。
ここで、有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の脂肪族アルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類などが挙げられる。
【0021】
(ア)の方法に用いられるA官能基を含有せしめる開始剤としては、(a)にカルボキシル基を与える開始剤として、例えば、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]、コハク酸パーオキサイドなどが挙げられ、(a)にアミノ基を与える開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミドキシム)などが挙げられる。
(ア)の方法において用いられるA官能基を含有せしめる開始剤の使用量としては、通常、単量体(I)100重量部に対し、0.001〜5重量部程度、好ましくは、0.01〜2重量部である。
【0022】
(a)における単量体(I)に由来する構造単位の含有量としては、(a)の全重量(固形分)100重量部に対し、通常、75〜99.999重量部程度であり、好ましくは73〜99重量部程度である。
(a)における単量体(III)及び(IV)に由来する構造単位の含有量の合計としては、(a)の全重量(固形分)100重量部に対し、通常、0〜24.999重量部程度であり、好ましくは0.5〜15重量部程度である。単量体(III)及び(IV)に由来する構造単位を含有すると得られる粘着剤の凝集力が向上する傾向にあることから好ましく、24.999重量部以下であると、光学フィルムと粘着剤層との浮剥れが抑制される傾向にあることから好ましい。
中でも、後述する硬化剤と反応し得るように、(a)および(b)には、単量体(IV)に由来する構造単位を含有せしめることが好ましい。
【0023】
本発明に用いられる(b)とは、単量体(I)及び単量体(II)に由来する構造単位を含有する重合体であって、該重合体の分子内に、1級アミノ基、2級アミノ基及びカルボキシル基のいずれの官能基も含有しない重合体である。
(b)の製造方法としては、A官能基を含有せしめる開始剤とは異なる開始剤を用いて、単量体(I)及び単量体(II)、必要に応じて単量体(IV)を重合する方法などが挙げられ、具体的には、前記の(a)を(ア)の方法で製造する方法とは、開始剤が、A官能基を含有せしめる開始剤とは異なる以外は、同様にして製造することができる。
【0024】
ここで、A官能基を含有せしめる開始剤とは異なる開始剤としては、1級アミノ基、2級アミノ基及びカルボキシル基のいずれの官能基も(b)に与えない熱重合開始剤や光重合開始剤などが例示され、該光重合開始剤としては、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトンなどが挙げられる。該熱重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)などのアゾ系化合物;ラウリルパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシピバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシドなどの有機過酸化物;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素など無機過酸化物等が挙げられる。
また、該熱重合開始剤と還元剤を併用したレドックス系開始剤なども重合開始剤として使用し得る。
【0025】
(b)として、単量体(I)及び単量体(II)のランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体などが例示される。
(b)における単量体(I)に由来する構造単位と単量体(II)に由来する構造単位との重量比率としては99.9/0.5から80/20程度であり、好ましくは98/2から90/10程度である。
また、A官能基を含有せしめる開始剤とは異なる開始剤の使用量としては、単量体(I)及び(II)の合計100重量部に対し、通常、0.001〜5重量部程度、好ましくは、0.01〜2重量部である。
【0026】
かくして得られた(a)及び(b)の粘度としては、(a)及び(b)のいずれの重合体についても、それぞれの重合体の固形分が30重量%となるように調整した酢酸エチル溶液における粘度(25℃)が、通常、20Pa・s以下、好ましくは10Pa・s以下である。(a)及び(b)の粘度が10Pa・s以下にすることにより、光学フィルムの寸法が変化しても、その寸法変化に得られる粘着剤層が追随して変動するので、液晶セルの周縁部の明るさと中心部の明るさとの間に差がなくなり、白抜け、色ムラが抑制される傾向にあることから好ましい。
【0027】
(a)及び(b)の分子量としては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)の光散乱法による重量平均分子量が、通常、100,000〜6,000,000程度、好ましくは300,000〜1,000,000程度である。重量平均分子量が100,000〜6,000,000の範囲であると、高温高湿下での接着性が向上し、光学フィルムと粘着剤層との間の浮剥れが低下する傾向があり、しかもリワーク性が向上する傾向にあることから好ましい。
【0028】
本発明のアクリル樹脂は、かくして得られた(a)と(b)とを反応させたものである。具体的なアクリル樹脂の製造方法としては、例えば、有機溶液として得られた(a)及び(b)を、80〜190℃程度、好ましくは120〜180℃程度で加熱混合して反応させる方法が挙げられる。用いられた溶媒の沸点によって、還流管を接続して常圧下に(a)と(b)とを反応させてもよいし、耐圧オートクレーブを用いて密閉された反応装置で反応させてもよい。
このときに反応を促進させるため、必要に応じてトリフェニルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−m−トリルホスフィン、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、n−ブチルトリフェニルホスホニウムブロマイド等の触媒を使用してもよい。
【0029】
アクリル樹脂における(a)及び(b)の重量比率(固形分)としては、(b)1重量部に対し、(a)が1.5重量部以上、好ましくは2〜6重量部程度である。(a)が1.5重量部以上であると光学フィルムと粘着剤層との間の浮剥れや白抜けが低下する傾向があることから好ましい。
【0030】
アクリル樹脂の粘度としては、該樹脂の固形分が30重量%となるように調整した酢酸エチル溶液における粘度(25℃)が、通常、100Pa・s以下、好ましくは50Pa・s以下である。粘度が100Pa・s以下にすることにより、光学フィルムの寸法が変化しても、その寸法変化に得られる粘着剤層が追随して変動するので、液晶セルの周縁部の明るさと中心部の明るさとの間に差がなくなり、白抜け、色ムラが抑制される傾向にあることから好ましい。
【0031】
アクリル樹脂の分子量としては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)の光散乱法による重量平均分子量が、通常、1,000,000〜10,000,000程度、好ましくは1,500,000〜8,000,000程度である。重量平均分子量が1,000,000〜10,000,000の範囲であると、高温高湿下での接着性が向上し、光学フィルムと粘着剤層との間の浮剥れが低下する傾向があり、しかもリワーク性が向上する傾向にあることから好ましい。
【0032】
本発明のアクリル樹脂は、例えば、粘着剤、接着剤、塗料、増粘剤等にそのまま使用してもよい。また、アクリル樹脂に硬化剤及び/又はシラン系化合物を配合してなる組成物が、粘着剤として好適である。
ここで、硬化剤とは、(a)に含まれるカルボキシル基及びアミノ基、並びに単量体(IV)に由来する水酸基などの極性官能基と架橋し得る官能基を分子内に2個以上有するものであり、具体的にはイソシアネート系化合物、エポキシ系化合物、アミン系化合物、金属キレート系化合物およびアジリジン系化合物などが例示される。
【0033】
ここで、イソシアネート系化合物とは、例えば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートなどが挙げられる。また、前記イソシアネート化合物にグリセロール、トリメチロールプロパンなどポリオールとを反応せしめたアダクト体やイソシアネート化合物を2、3量体等にしたものについても本発明の硬化剤である。
【0034】
エポキシ系化合物としては、例えば、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂、エチレングリコールグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミンおよび1,3−ビス(N,N’−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンなどが挙げられる。
【0035】
アミン系化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミン、ポリエチレンイミン、ヘキサメチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、トリエチレンジアミン、ポリアミノ樹脂およびメラミン樹脂などを挙げることができる。
金属キレート化合物としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロムおよびジルコニウムなどの多価金属に、アセチルアセトンやアセト酢酸エチルが配位した化合物などが挙げられる。
【0036】
アジリジン系化合物としては、例えば、N,N’−ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキサイド)、N,N’−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキサミド)、トリエチレンメラミン、ビスイソフタロイル−1−(2−メチルアジリジン)、トリ−1−アジリジニルホスフィンオキサイド、N,N’−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキサイド)、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネートおよびテトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネートなどが挙げられる。
【0037】
本発明の粘着剤における硬化剤として、2種類以上の硬化剤を使用してもよい。
粘着剤における硬化剤(固形分)の使用量としては、アクリル樹脂100重量部(固形分)に対して、通常、0.005〜5重量部程度であり、好ましくは0.01〜3重量部程度である。硬化剤の量が0.005重量以上であると、光学フィルムと粘着剤層との間の浮剥れ及びリワーク性が向上する傾向にあることから好ましく、5重量部以下であると、光学フィルムの寸法変化に対して粘着剤層の追随性が優れることから、白抜け、色ムラが低下する傾向にあり、好ましい。
【0038】
本発明の粘着剤に用いられるシラン系化合物としては、通常、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
本発明の粘着剤に、2種類以上のシラン系化合物を使用してもよい。
【0039】
粘着剤におけるシラン系化合物の使用量(溶液)としては、アクリル樹脂100重量部(固形分)に対して、通常、0.0001〜10重量部程度であり、好ましくは0.01〜5重量部の量で使用される。シラン系化合物の量が0.0001重量部以上であると粘着剤層とガラス基板との密着性が向上することから、好ましい。またシラン系化合物の量が10重量部以下であると、粘着剤層からシラン系化合物がブリードアウトすることを抑制し、粘着剤層の凝集破壊を抑制させる傾向にあることから、好ましい。
【0040】
本発明の粘着剤は、上記のようにアクリル樹脂、硬化剤及び/又はシラン系化合物からなるが、さらに、耐候安定剤、タッキファイヤー、可塑剤、軟化剤、染料、顔料、および無機フィラー等を配合させてもよい。
【0041】
本発明の粘着剤付光学フィルムに用いられる光学フィルムとは、光学特性を有するフィルムであり、例えば、偏光フィルム、位相差フィルムなどが挙げられる。
偏光フィルムとは、自然光などの入射光に対して、偏光を出射する機能を持つ光学フィルムである。偏光フィルムとしては、光学軸に対して平行である振動面の直線偏光を吸収し、垂直面である振動面を有する直線偏光を透過する性質を有する直線偏光フィルム、光学軸に対して平行である振動面の直線偏光を反射する偏光分離フィルム、偏光フィルムと後述する位相差フィルムを積層した楕円偏光フィルムなどが挙げられる。
偏光フィルムの具体例としては、一軸延伸されたポリビニルアルコールフィルムにヨウ素、二色性染料などの二色性色素が吸着配向されているものなどが挙げられる。
【0042】
位相差フィルムとは、一軸または二軸などの光学異方性を有する光学フィルムであって、例えば、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアリレート、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリビニリデンフルオライド/ポリメチルメタアクリレート、液晶ポリエステル、アセチルセルロース、環状ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリ塩化ビニルなどからなる高分子フィルムを1.01〜6倍程度に延伸することにより得られる延伸フィルムなどが挙げられる。中でも、ポリカーボネートあるいはポリビニルアルコールを一軸延伸、二軸延伸した高分子フィルムが好ましい。
【0043】
位相差フィルムとしては、一軸性位相差フィルム、広視野角位相差フィルム、低光弾性率位相差フィルム、温度補償型位相差フィルム、LCフィルム(棒状液晶ねじれ配向)、WVフィルム(円盤状液晶傾斜配向)、NHフィルム(棒状液晶傾斜配向)、VACフィルム(完全二軸配向型位相差フィルム)、newVACフィルム(二軸配向型位相差フィルム)などが挙げられる。
【0044】
さらに、これら光学フィルムに保護フィルムをさらに貼着しているものも光学フィルムとして本発明の粘着剤に積層してもよい。保護フィルムとしては、例えば、本発明のアクリル樹脂とは異なるアクリル樹脂フィルム、三酢酸セルロースフィルム等のアセチルセルロース系フィルム、ポリエステル樹脂フィルム、オレフィン樹脂フィルム、ポリカーボネート樹脂フィルム、ポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルム、ポリスルホン樹脂フィルム等が挙げられる。保護フィルムには、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤を配合されていてもよい。保護フィルムの中でも、アセチルセルロース系フィルムが好適である。
【0045】
本発明の光学積層体とは、粘着剤付光学フィルムの粘着剤層にガラス基材を積層してなるものである。ここで、ガラス基材としては、例えば、液晶セルのガラス基板、防眩用ガラス、サングラス用ガラスなどが挙げられる。
中でも、液晶セルの上部のガラス基板に粘着剤付光学フィルム(上板偏光板)を積層し、液晶セルの下部のガラス基板に別の粘着剤付光学フィルム(下板偏光板)を積層してなる光学積層体は液晶表示装置として使用し得ることから好ましい。
ガラス基材の材料としては、例えば、ソーダライムガラス、低アルカリガラス、無アルカリガラスなどが挙げられる
【0046】
粘着剤付光学フィルムおよび光学積層体の製造方法としては、例えば、剥離フィルムの上に粘着剤を積層し、得られた粘着剤層にさらに光学フィルムを積層したのち、剥離フィルムを剥離して粘着剤付光学フィルムを得、続いて、剥離された粘着剤層とガラス基板の面とを積層して光学積層体を製造する方法;光学フィルムの上に粘着剤を積層し、剥離フィルムを貼り合わせて保護して粘着剤付光学フィルムを製造し、ガラス基板の面と積層する際に、該粘着剤付光学フィルムから剥離フィルムを剥離し、剥離された粘着剤層とガラス基板の面とを積層して光学積層体を製造する方法などが挙げられる。
【0047】
ここで、剥離フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート等の各種樹脂からなるフィルムを基材とし、この基材の粘着剤層との接合面に、離型処理(シリコーン処理等)が施されたものなどが挙げられる。
【0048】
かくして得られた本発明の光学積層体が、貼り合せ不良などにより被着体であるガラス基材を回収したい場合(リワークする場合)、本発明の光学積層体であれば、室温あるいはやや加熱した程度、具体的には、5〜80℃程度にて粘着剤付光学フィルムを容易に剥離させることができ、しかも、回収されたガラス基材の表面に曇りや糊残り等がほとんど発生することなく、ガラス基材を再び光学積層体に供することができる。
【0049】
【発明の効果】
本発明のアクリル樹脂は、柔軟性に優れ、光学フィルムなどに優れた密着性を有する。また、該アクリル樹脂と硬化剤及び/又はシラン系化合物とを配合してなる組成物は粘着剤として好適である。
光学フィルムと該粘着剤とを積層した粘着剤付光学フィルムは、例えば液晶セルのガラス基板に積層すると、本発明の光学積層体を与える。
かかる光学積層体は、湿熱条件下、光学フィルムおよびガラス基板の寸法変化に起因する応力を粘着剤層が吸収・緩和するため、局部的な応力集中を軽減し、ガラス基板に対し粘着剤層が浮剥れを抑制することができる。
また、不均一な応力分布に起因する光学的欠陥を防止することから、ガラス基板がTN液晶セル(TFT)である場合、白ヌケを抑制したり、ガラス基板がSTN液晶セルである場合、色ムラを抑制することができる。
さらに、リワーク性に優れることから、一度積層した粘着剤付光学フィルムを光学積層体のガラス基板から剥離してもガラス基板の表面に糊残りや曇りを抑制することができる。
【0050】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。尚、実施例中「部」、「%」とあるのは特に断りのない限り重量基準である。また固形分は、JIS K−5407に準じた測定方法で行った。具体的には粘着剤溶液を任意の重量、シャーレにとり防爆オーブンにて115℃、2時間乾燥させた後の残留固形分重量を最初に測りとった溶液の重量に対して割合で表したものである。粘度は、25℃でブルックフィールド粘度計により測定した値である。分子量は、GPCの光散乱法による重量平均分子量であり、具体的には、検出器として光散乱光度計と示差屈折計を備えたGPC装置を用い、試料濃度5mg/ml、試料導入量100μml,カラム温度40℃、流速1ml/minの条件で、溶出液としてテトラヒドロフランを用いて得られた結果である。
【0051】
(製造例1:(a)の製造)
冷却管、窒素導入管、温度計、撹拌機を備えた反応器に、アクリル酸ブチル93.8部、アクリル酸4−ヒドロキシブチル6.2部およびメタノール208.3部を仕込み、反応容器内を窒素置換し、酸素不含としたあと、内温を60℃に昇温した。4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)0.18部を添加した後、60℃で6時間保温し反応を完結した。得られた反応物をメタノール溶媒によって沈殿精製した後、溶媒を留去し、(a)を得た。(a)を酢酸エチルに溶解し固形分を30.0%に調整したところ、粘度は1020mPa・sであった。また、該(a)の分子量は約450,000であった。
【0052】
(製造例2:(b)の製造)
実施例1の反応器に、アクリル酸ブチル90部、アクリル酸4−ヒドロキシブチル4.7部および酢酸エチル156部を仕込み、反応容器内を窒素置換し、酸素不含とした。内温を70℃に昇温した後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4部を添加した。次に、反応溶液を70℃程度に保温しながら、メタクリル酸グリシジル5.3部と酢酸エチル26部の混合溶液を3時間かけて添加し、さらに1時間攪拌しながら保温して反応を完結した。得られた反応物をメタノール溶媒によって沈殿精製した後、溶媒を留去し、(b)を得た。得られた(b)を再度酢酸エチルに溶解したところ、固形分29.4%で、粘度が1680mPa・sであった(30%で1860mPa・sに相当)。GPCの光散乱法による重量平均分子量は約740,000であった。
【0053】
(製造例3:(b)の製造)
製造例2のうち、反応容器に仕込むアクリル酸ブチルを94部、メタクリル酸グリシジルを2.9部に、昇温後に添加するメタクリル酸グリシジルを3.1部に変えた他は同様にして重合体溶液を得た。
【0054】
(製造例4:(b)の製造)
製造例1の反応器に、酢酸エチル235部を仕込、窒素ガスで装置内の空気を置換し、酸素不含としたあと、内温を70℃に昇温した。アゾビスイソブチロニトリル0.1部を添加したあと、内温を65〜75℃に保ちながら、アクリル酸ブチル96部、4−ヒドロキシアクリル酸ブチル4部の混合溶液を、3時間かけて反応系内に滴下した。その後65〜75℃で5時間保温して(b)を得た。粘度、分子量の結果を表1にまとめた。
【0055】
(製造例5:(b)の製造)
重合例1と同様の反応器に、アクリル酸ブチル96部、4−ヒドロキシアクリル酸ブチル4部及び酢酸エチル235部を仕込、窒素ガスで装置内の空気を置換し、酸素不含としたあと、内温を50℃に昇温した。アゾビスイソブチロニトリル0.05部を添加したあと、50℃で10時間保温し、反応を完結した。得られた反応物をメタノール溶媒によって沈殿精製した後、溶媒を留去し、(b)を得た。(b)を再度酢酸エチルで溶解させ粘度、分子量の結果を表1にまとめた。
【0056】
【表1】
単量体(I):アクリル酸ブチル
単量体(II):メタクリル酸グリシジル
単量体(IV):アクリル酸4−ヒドロキシブチル
触媒1:4,4’−アゾビス(4−シアノバレリン酸)
触媒2:2,2’−アゾビスイソブチロニトリル
【0057】
(実施例1)
<アクリル樹脂の製造例>
製造例1で得られた(a)75部、製造例2で得られた(b)25部およびキシレン233部を混合し、140℃に昇温した後、トリフェニルフォスフィン(TPP)2部を添加して30時間攪拌し、アクリル樹脂のキシレン溶液を得た。得られたアクリル樹脂は、固形分27.6%における粘度が4500mPa・s(30%で7300mPa・sに相当)、重量平均分子量は約2,400,000であった。
【0058】
<粘着剤及び粘着剤付光学フィルムの製造例>
アクリル樹脂溶液に硬化剤としてトリメチロールプロパントリレンジイソシアネート(商品名:コロネートL、日本ポリウレタン製)0.1部およびシラン系化合物として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM−403、信越シリコーン製)0.2部を混合し、アプリケーターを用いて離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムの離型処理面に乾燥後の厚さが25μmになるように塗布し、90℃で1分間乾燥して、シート状の粘着剤を得た。
光学フィルムの一種である偏光フィルム(ポリビニルアルコールにヨウ素を吸着させて延伸したものの両面にトリアセチルセルロース系保護フィルムで挟んだ3層構造にしたフィルム)に、前記で得られた粘着剤を有する面をラミネーターによって貼り合せたのち、離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離して粘着剤付光学フィルムを得た。
【0059】
<光学積層体の製造例>
液晶セル用ガラス板(日本板硝子(株)製 ソーダライムガラス)の両面に、前記で得られた粘着剤付光学フィルムの剥離された面(粘着剤層)を直交ニコルになるようにラミネーターを用いて貼り合わせて、光学積層体を得、リワーク性の評価に供した。
白ヌケ性及び耐久性の評価に供する光学積層体は、ガラス板(日本板硝子(株)製 ソーダライムガラス)の片面に、前記で得られた粘着剤付光学フィルムの剥離された面(粘着剤層)をラミネーターで貼り合わせて、光学積層体を得た。リワーク性の評価に供した。
【0060】
<光学積層体の白ヌケ性>
製造例で得られた光学積層体を80℃、Dryで500時間の耐久条件に投入した後、白ヌケの発現状態を下記の要領で4段階に評価し、結果を表2に示した。
◎ :白ヌケが全くみられない。
○ :白ヌケがほとんど目立たない。
△ :白ヌケがやや目立つ。
× :白ヌケが顕著にみとめられる。
【0061】
<光学積層体の耐久性>
製造例で得られた光学積層体を60℃、90%RHで500時間の耐久条件に投入した後、光学積層体の耐久性を下記の要領で4段階に評価し、結果を表2に示した。
◎ :浮き、剥れ、発泡等の外観変化が全くみられない。
○ :浮き、剥れ、発泡等の外観変化がほとんどみられない。
△ :浮き、剥れ、発泡等の外観変化がやや目立つ。
× :浮き、剥れ、発泡等の外観変化が顕著にみとめられる。
【0062】
<リワーク性>
光学積層体から粘着剤付光学フィルムの剥離のしやすさ、すなわち、リワーク性の評価を行うために、まず、前記光学積層体を25mm×150mmの試験片に調製した。次に試験片を長期保存する代わりに、この試験片を貼付装置(富士プラスチック機械(株)製「ラミパッカー」)を用いて液晶セル用ガラス基板(日本板硝子(株)製 ソーダライムガラス)に貼付し、50℃、5kg/cm2(490.3kPa)で20分間オートクレーブ処理を行い、続いて70℃で2時間加熱処理を行なった後、70℃のオーブン中にて24時間保管した。
リワーク性の評価は、以下のように行った。試験片を23℃、相対湿度50%RH雰囲気中にて300mm/minの速度で180°方向に剥離し、下記要領で分類したガラス板表面の状態を観察した結果を、表2に示した。
ガラス板表面の状態によりリワーク性の評価は以下の4段階で行った。
◎ :ガラス板表面に曇りおよび糊残りが全くみられない。
○ :ガラス板表面に曇り等がほとんど認められない。
△ :ガラス板表面に曇り等が認められる。
× :ガラス板表面に糊残りが認められる。
【0063】
(実施例2)
製造例1で得られた(a)、製造例3で得られた(b)及びTPPを表2に記載の重量(固形分)で用いる以外は実施例1と同様にしてアクリル樹脂を得た。得られたアクリル樹脂は、固形分25.6%における粘度が1400mPa・s(30%で3400mPa・sに相当)、重量平均分子量は約1,700,000であった。
得られたアクリル樹脂を用いて、実施例1と同様に粘着剤、粘着剤付光学フィルム及び光学積層体を製造し、評価した結果を表2にまとめた。
【0064】
(比較例1)
製造例1で得られた(a)と製造例2で得られた(b)とを表2に記載の重量で混合し、固形分30.3%の粘度が1250mPa・s(30%で1200mPa・sに相当)、重量平均分子量約500,000のアクリル樹脂組成物を得た。続いて、実施例1のアクリル樹脂をアクリル樹脂組成物とに置き換え、表2に記載の重量で硬化剤を用いる以外は実施例1と同様にして、粘着剤、粘着剤付光学フィルム及び光学積層体を製造し、評価した結果を表2にまとめた。
【0065】
(比較例2及び3)
比較例1のアクリル樹脂組成物を製造例4(比較例2)、製造例5(比較例3)に用いる以外は比較例1と同様にして、粘着剤、粘着剤付光学フィルム及び光学積層体を製造し、評価した結果を表2にまとめた。
【0066】
【表2】
硬化剤:トリメチロールプロパントリレンジイソシアネート(商品名:コロネートL、日本ポリウレタン製)
シラン系化合物:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM−403、信越シリコーン製)
Claims (12)
- 下記(a)と(b)とを反応して得られるアクリル樹脂。
(a):下記単量体(I)に由来する構造単位を主成分とする重合体であって、該重合体の分子内に、1級アミノ基、2級アミノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を含有する重合体
(b):下記単量体(I)及び下記単量体(II)に由来する構造単位を含有する重合体であって、該重合体の分子内には、1級アミノ基、2級アミノ基及びカルボキシル基のいずれの官能基も含有しない重合体
(I):下記一般式(1)で表される(メタ)アクリル酸エステル
(式中、R1は水素原子またはメチル基を表し、R2は炭素数1〜14のアルキル基または炭素数7〜14のアラルキル基を表す。R2のアルキルまたはアラルキル基には炭素数1〜10のアルコキシ基が結合していてもよい。)
(II):(a)に含有される、1級アミノ基、2級アミノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる少なくとも一種の官能基と反応し得る官能基と、オレフィン性二重結合とを含有するモノマー - (a)が開始剤を用いて重合してなる重合体であって、該開始剤に由来する1級アミノ基、2級アミノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる少なくとも一種の官能基を(a)に含有せしめてなることを特徴とする請求項1に記載のアクリル樹脂。
- 単量体(II)が、エポキシ基とオレフィン性二重結合とを含有するモノマーであることを特徴とする請求項1または2に記載のアクリル樹脂。
- アクリル樹脂の粘度(25℃、固形分30重量%)が100Pa・s以下であり、アクリル樹脂の重量平均分子量が1,000,000以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアクリル樹脂。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のアクリル樹脂と、硬化剤及び/又はシラン系化合物とを配合してなる粘着剤。
- 光学フィルムの両面または片面に請求項5に記載の粘着剤を積層してなる粘着剤付光学フィルム。
- 光学フィルムが、偏光フィルム及び/又は位相差フィルムであることを特徴とする請求項6に記載の粘着剤付光学フィルム。
- 光学フィルムが、さらにアセチルセルロース系フィルムを保護フィルムとして貼着してなる光学フィルムであることを特徴とする請求項6に記載の粘着剤付光学フィルム。
- 粘着剤付光学フィルムの粘着剤層に、さらに、剥離フィルムを積層してなる請求項6〜8のいずれかに記載の粘着剤付光学フィルム。
- 請求項6〜9のいずれかに記載の粘着剤付光学フィルムの粘着剤層にガラス基材を積層してなる光学積層体。
- 請求項9に記載の粘着剤付光学フィルムから剥離フィルムを剥離したのち、剥離して得られた粘着剤層にガラス基材を積層してなる光学積層体。
- 請求項10または11に記載の光学積層体を用いて粘着剤付光学フィルムを剥離することを特徴とするガラス基材の回収方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003037796A JP2004244561A (ja) | 2003-02-17 | 2003-02-17 | アクリル樹脂、該樹脂を含有する粘着剤、及び該粘着剤を積層してなる光学積層体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003037796A JP2004244561A (ja) | 2003-02-17 | 2003-02-17 | アクリル樹脂、該樹脂を含有する粘着剤、及び該粘着剤を積層してなる光学積層体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004244561A true JP2004244561A (ja) | 2004-09-02 |
Family
ID=33022492
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003037796A Pending JP2004244561A (ja) | 2003-02-17 | 2003-02-17 | アクリル樹脂、該樹脂を含有する粘着剤、及び該粘着剤を積層してなる光学積層体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004244561A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009008470A1 (ja) * | 2007-07-11 | 2009-01-15 | Soken Chemical & Engineering Co., Ltd. | 偏光板用粘着剤および粘着剤層付き偏光板 |
-
2003
- 2003-02-17 JP JP2003037796A patent/JP2004244561A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009008470A1 (ja) * | 2007-07-11 | 2009-01-15 | Soken Chemical & Engineering Co., Ltd. | 偏光板用粘着剤および粘着剤層付き偏光板 |
US8188194B2 (en) | 2007-07-11 | 2012-05-29 | Soken Chemical & Engineering Co., Ltd. | Adhesive for polarizing plate and polarizing plate having adhesive layer |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN1690097B (zh) | 丙烯酸树脂 | |
CN102618183B (zh) | 粘合剂薄片、带粘合剂的光学膜和光学层叠体 | |
JP5269282B2 (ja) | 粘着剤 | |
JP4549389B2 (ja) | 帯電防止性能を有するアクリル系粘着剤組成物 | |
JP5023470B2 (ja) | アクリル樹脂組成物及び粘着剤 | |
JP4819128B2 (ja) | 粘着剤組成物 | |
JP2007126559A5 (ja) | ||
KR20070046721A (ko) | 점착제 | |
JP2005239805A (ja) | アクリル樹脂、該樹脂を含有する粘着剤、及び該粘着剤を積層してなる光学積層体 | |
JP2007119667A5 (ja) | ||
US20040092689A1 (en) | Acrylic resin, adhesive comprising the resin, and optical laminate comprising the adhesive | |
JP5011798B2 (ja) | 粘着剤 | |
JP2005314595A (ja) | アクリル樹脂組成物 | |
JP6019910B2 (ja) | 粘着剤組成物、粘着剤シート、粘着剤付き光学フィルム及び光学積層体 | |
JP4251060B2 (ja) | アクリル樹脂、該樹脂を含有する粘着剤、及び該粘着剤を積層してなる光学積層体 | |
JP4370888B2 (ja) | 粘着剤付光学フィルム及びそれを用いた光学積層体 | |
JP4839745B2 (ja) | 光学積層体 | |
JP4507774B2 (ja) | アクリル樹脂組成物及びその用途 | |
JP6024125B2 (ja) | 粘着剤組成物 | |
JP2006113574A (ja) | 光学積層体及びその製造方法 | |
JP6441018B2 (ja) | 粘着剤組成物及び粘着シート | |
JP2005263894A (ja) | アクリル樹脂組成物、該組成物を含有する粘着剤、及び該粘着剤を積層してなる光学積層体 | |
JP2004244561A (ja) | アクリル樹脂、該樹脂を含有する粘着剤、及び該粘着剤を積層してなる光学積層体 | |
JP2006321871A (ja) | アクリル樹脂の製造方法 | |
KR20060050292A (ko) | 아크릴 수지 조성물 |