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JP2004243477A - 炭素質ナノ構造体の製造方法、炭素質ナノ構造体及びそれを用いた電子源 - Google Patents

炭素質ナノ構造体の製造方法、炭素質ナノ構造体及びそれを用いた電子源 Download PDF

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JP2004243477A JP2003036697A JP2003036697A JP2004243477A JP 2004243477 A JP2004243477 A JP 2004243477A JP 2003036697 A JP2003036697 A JP 2003036697A JP 2003036697 A JP2003036697 A JP 2003036697A JP 2004243477 A JP2004243477 A JP 2004243477A
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carbonaceous
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nanohole
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Ryuta Iijima
竜太 飯島
Takashi Kyotani
隆 京谷
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Abstract

【課題】低温で炭素質ナノ構造体を製造できる簡便な方法、並びにその方法により低温で製造された炭素質ナノ構造体及び電子源を提供する。
【解決手段】複数のナノホール5を有するナノホール構造体4bを用意する工程と、複数のナノホール5の少なくとも一つの内部に原料ガスを供給して、化学気相成長法により、少なくとも一つのナノホール5の内表面に炭素を堆積させる工程とを包含する。原料ガスは、少なくともジオレフィン系化合物とモノオレフィン系化合物とを含む。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭素質ナノ構造体の製造方法、炭素質ナノ構造体及びそれを用いた電子源に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、カーボンナノテクノロジーを利用した材料設計により製造され、従来のカーボン材料にはない特性を示す炭素質ナノ構造体が注目を集めている。本明細書において、「炭素質ナノ構造体」とは、カーボンを主成分とし、ナノメートルオーダーの形状を有するカーボンナノファイバーを含む構造体を意味している。
従って、「炭素質ナノ構造体」には、ナノメートルオーダーの直径を有するカーボンナノファイバー及びそのようなカーボンファイバーの集合体の他、ナノメートルオーダーの直径を有するカーボンナノファイバーを少なくとも一部に含む三次元ネットワーク構造体等も含まれるものとする。また、上記「カーボンナノファイバー」は、カーボンナノチューブ、グラファイトナノファイバー、アモルファスカーボンナノファイバー、ダイアモンドナノファイバー等を広く含むものとする。
【0003】
代表的な炭素質ナノ構造体はカーボンナノチューブ(以下、「CNT」と略す場合がある)である。非特許文献1には、カーボンナノチューブの代表例が記載されている。CNTは、グラファイトの構造単位と同じ六角網目状に配列した炭素原子からなるグラファイトシートを円筒状に丸めた構造を備えている。CNTの直径はナノメートルオーダーである。一般に、一層のグラファイトシートからなる単層CNTは1〜2nmの直径を有し、複数のグラファイトシートからなる多層CNTは数nmから数十nmの直径を有している。また、CNTの電気的特性は、直径や六角網目状構造の螺旋の巻き方(カイラリティ)によって変化する。これまでに、金属と等しい電気的特性を有するものや、さまざまな大きさのバンドギャップを持つ半導体特性を備えたものが合成されている。また、CNTは熱伝導性に優れるため、電子デバイスに用いた際に熱暴走を招き難いことから、安定な動作特性を示すことが期待されている。CNTは低電圧で電子を放出することができるので、CNTを用いたフィールドエミッションディスプレィの電子源の開発が盛んである。
【0004】
CNTの代表的な合成法として、アーク放電法、レーザー蒸発法、化学的気相成長(以下CVD)法が挙げられる。アーク放電法では、大気圧よりやや低い圧力のアルゴンや水素雰囲気下、陽極及び陰極となる二本の炭素棒の間でアーク放電を行うことにより、陰極側の堆積物の一部として多層CNTが生成される。また、ニッケル、コバルトなどの触媒を含んだ炭素棒を用いてアーク放電を行うと、アーク放電に用いた容器の内側に付着するすすの一部として単層CNTが生成される。アーク放電法によれば、欠陥が少なく品質の良いCNTが得られるが、大量に合成することは困難である。
【0005】
また、レーザ蒸発法では、ニッケル、コバルトなどの触媒が添加された炭素をYAGレーザの強いパルス光で照射することにより、単層CNTが得られる。この方法によれば、比較的高い純度の単層CNTを得ることができる。また、反応温度等の条件を調整することによりCNTの直径を制御できる等の利点がある。
しかし、この方法ではCNTの収量が少ないので、CNTを工業的に合成することは困難である。
【0006】
このように、上記ニつの合成法を用いれば、良好なCNTが得られる。しかし、CNTを大量に合成することは困難であったり、CNTを基板に対して垂直に形成することが困難であるなどの問題があった。
【0007】
一方、化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、以下、「CVD法」と略すことがある)では、炭素源となる炭素化合物を含むガスを500〜1000℃で触媒金属微粒子と接触させることにより、CNTを合成する。触媒金属の種類およびその配置の仕方、炭素化合物の種類などの条件によって、多層CNT及び単層CNTの何れも合成することができる。また、触媒金属微粒子を基板上に配置することにより、基板に垂直な方向に沿って配向したCNTを得ることも可能である。CVD法によって合成されたCNTは、一般的に、他の方法により合成されたCNTよりも多くの欠陥を有する。しかしながら、原料(炭素化合物)をガスとして供給できるので、CVD法はCNTを大量に合成することに最も適する方法と言われている。
【0008】
CVD法によるCNTの合成法の一つとして、自己組織化されたポーラスアルミナを鋳型として用いてCNTを形成する方法が非特許文献2で提案されている。ポーラスアルミナはナノホールを有している。なお、本明細書では、「ナノホール」とは、ナノメートルレベル(数nm〜数百nm)の直径を有する微細孔をいう。この方法では、まず、基板表面に形成されたポーラスアルミナを反応器内に設置し、反応器内の温度を800℃に加温する。反応器内をプロピレンガスで満たすと、プロピレンガスはポーラスアルミナのナノホール内表面で熱分解する。その結果、ナノホールの内壁に炭素が堆積する。この後、ポーラスアルミナを除去することにより、基板上にナノホールの形状を反映したCNTが形成される。ポーラスアルミナは、例えば非特許文献3で報告されているように、酸性電解質中でAlを陽極酸化することによって作製される。このポーラスアルミナには、略均一な直径(数nm〜数百nm)を有するナノホールが数nm〜数百nmの間隔(セルサイズ)で形成されている。また、陽極酸化条件を最適化することにより、当該ポーラスアルミナに形成されるナノホールが高規則的なハニカム構造で配列することが知られている。従って、このようなポーラスアルミナを鋳型として用いて炭素を気相成長させると、チューブの直径及びチューブの長さがほぼ等しいCNTが得られる。
【0009】
しかし、上記の非特許文献2の方法では、触媒金属を用いないので、炭素を成長させるためには、反応器内を特に高い温度(800℃)まで加温する必要がある。そのため、ポーラスアルミナを支持する基板として、耐熱性の低い材料を用いて形成された基板、例えば安価なガラス基板などを用いることは困難である。
【0010】
このような問題を克服する方法として、非特許文献4には、ナノホールの底部に触媒金属を堆積させることにより、CNTを低温(炭素成長温度:650℃)で形成する方法が報告されている。また、非特許文献5には、炭素化合物を含むガスとして、プロピレンより反応性の高いアセチレンガスを用いることにより、触媒金属を用いずに、CNTを低温で成長させる方法が報告されている。
【0011】
【非特許文献1】
「ネイチャー誌(Nature)」1991年、354巻、56頁
【非特許文献2】
「ケミカル・マテリアル誌(Chemical Material)」1996年、8巻、2190頁
【非特許文献3】
「ネイチャー誌(Nature)」1989年、337巻、149頁
【非特許文献4】
「アプライドフィジクスレターズ誌(Applied Physics Letters)」1999年、75巻、367頁
【非特許文献5】
「カーボン誌(Carbon)」2002年、40巻、1011頁
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
非特許文献4の方法には、触媒金属を用いない従来の合成方法と比べて以下のような問題がある。
【0013】
非特許文献4の方法では、ナノホール底部に触媒金属を堆積させる工程(鍍金)、触媒金属の形状の調整する工程(一酸化炭素中で熱処理)、触媒金属を除去する工程(酸溶液処理など)といった三つの工程が新たに必要となる。また、触媒金属をナノホール底部に効率良く堆積させるためには、ナノホールの直径を30nm以上まで広げる必要がある。従って、非特許文献4の方法では、30nmよりも小さい直径を有するCNTの合成が困難であり、アスペクト比を大きくしたり、CNTのバンドギャップを制御したりすることができない。
【0014】
一方、非特許文献5の方法では、触媒金属を用いないので上記のような問題は無い。また、非特許文献の方法におけるCNTの形成温度、すなわち炭素成長温度は550℃であり、これは従来の合成方法におけるCNTの形成温度よりも低い。しかし、この方法によっても、550℃よりも低い温度、例えば510℃未満でCNTを形成することは困難である。そのため、CNTの支持体として、安価なガラス基板であるソーダライムガラス(軟化点510℃程度)を用いることができない等、支持体の材料に制約がある。
【0015】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、低温で炭素質ナノ構造体を製造できる簡便な方法、その方法により低温で製造された炭素質ナノ構造体及び電子源を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明による炭素質ナノ構造体の製造方法は、複数のナノホールを有するナノホール構造体を用意する工程と、前記複数のナノホールの少なくとも一つの内部に原料ガスを供給して、化学気相成長法により、前記少なくとも一つのナノホールの内表面に炭素を堆積させる工程とを包含し、前記原料ガスは、少なくともジオレフィン系化合物とモノオレフィン系化合物とを含むことを特徴とし、そのことによって上記目的が達成される。
【0017】
ある好ましい実施形態において、前記炭素を堆積する工程は、450℃以上 700℃以下の温度で炭素を堆積することを含む。
【0018】
ある好ましい実施形態において、前記ジオレフィン系化合物と前記モノオレフィン系化合物とを、1:1以上2:1以下の流量比で供給する。
【0019】
前記ナノホール構造体はアルミナを含むことができる。
【0020】
前記ナノホール構造体を用意する工程が、アルミニウムを主成分とする金属層を陽極酸化することによって支持体上にポーラスアルミナ層を形成する工程を含むことができる。
【0021】
前記堆積させた炭素の少なくとも一部がカーボンナノファイバーを構成することができる。好ましくは、前記堆積させた炭素の少なくとも一部がカーボンナノチューブを構成する。
【0022】
前記炭素を堆積させる工程の後に、前記アルミナ層を除去する工程をさらに含んでもよい。
【0023】
前記ジオレフィン化合物がブタジエンを含んでもよい。また、前記モノオレフィン化合物がプロピレンを含んでもよい。
【0024】
前記ナノホール構造体を用意する工程において、前記ナノホール構造体は支持体に形成されており、前記支持体は、500℃以上660℃未満の軟化点を有するガラスから形成されていてもよい。
【0025】
本発明による炭素質ナノ構造体は、上記に記載の方法により製造された炭素質ナノ構造体であることを特徴とし、そのことによって上記目的が達成される。
【0026】
本発明による炭素質ナノ構造体は、複数のカーボンファイバーを有する炭素質ナノ構造体であって、前記炭素質ナノ構造体は、500℃以上550℃未満の軟化点を有する材料を用いて形成された支持体によって支持されており、前記複数のカーボンファイバーの直径の平均は30nmより小さいことを特徴とし、そのことによって上記目的が達成される。
【0027】
前記炭素質ナノ構造体は前記複数のカーボンナノファイバにアルミナを含む集合体を形成している炭素質ナノ構造体であってもよい。
【0028】
前記500℃以上550℃未満の軟化点を有する材料はガラスであってもよい。
【0029】
本発明による電子源は、上記に記載の炭素質ナノ構造体を用いていることを特徴とし、そのことによって上記目的が達成される。
【0030】
本発明による表示装置は、上記に記載の電子源を備えていることを特徴とし、そのことによって上記目的が達成される。
【0031】
【発明実施の形態】
以下、図1〜図6を参照しながら、本発明による炭素質ナノ構造体及びその製造方法の実施形態を説明する。
【0032】
図1は、本発明による炭素質ナノ構造体が形成された基板を模式的に示している。本実施形態では、ガラス基板等の基板3の上に、例えばNbを用いて形成された電極2が設けられている。電極2の上に炭素質ナノ構造体1が形成されている。本実施形態の炭素質ナノ構造体1は、例えばカーボンナノファイバー(例えば直径5nm以上100nm未満)の集合体である。なお、カーボンナノファイバーは、ナノメートルオーダー(数nmから数百nm)の直径を有し、カーボンを主成分とするファイバーであればよく、例えばカーボンナノチューブ、グラファイトナノファイバー、アモルファスカーボンナノファイバー、ダイアモンドナノファイバー等である。
【0033】
なお、炭素質ナノ構造体1は、図1に示すようなカーボンナノファイバーの集合体に限定されない。後述するように、例えば、ナノメートルオーダーの直径を有し、カーボンを主成分とするカーボナノファイバーを構成要素とするネットワーク構造体であってもよい。
【0034】
図1では、炭素質ナノ構造体1は基板3及び電極2上に形成されている。
【0035】
基板3は、絶縁性を備えていることが好ましく、例えば、ガラス基板、絶縁性シリコン基板などを基板3として用いることができる。基板3は、後述する炭素を成長させる工程における炭素の成長温度以下で軟化しない材料、例えば軟化点が500℃以上のガラスから形成されていることが好ましい。後述するように、本実施形態では比較的低い温度(例えば450℃以上700℃以下の所定温度)で炭素の成長させることができるので、石英ガラス基板などの高耐熱性の基板に限らず、比較的耐熱性の低いガラス(例えば軟化点が500℃以上650℃未満のガラス)を用いて形成された基板でもよい。製造コストを抑えるためには、軟化点が500℃以上550℃未満のガラスから形成された基板、例えば軟化点510℃程度のソーダライムガラスを用いて形成された安価なガラス基板を用いることもできる。
【0036】
電極2は、例えば、後述するAlを陽極酸化する工程において電極として用いることができればよく、典型的にはAl、Ta、Nb、Ti、Zr、Hf等の金属材料を用いて形成される。
【0037】
図1では、炭素質ナノ構造体1は電極2及び基板3によって支持されているが、炭素質ナノ構造体1の支持体はこれに限られず、炭素質ナノ構造体1を支持することができればよい。支持体は、後述する炭素を成長させる工程における炭素の成長温度以下で劣化しないことが好ましい。ここで、支持体の「劣化」には、高温下で支持体が変形したり、支持体に含まれる材料が軟化したりすることを含むものとする。本実施形態では比較的低い温度(例えば450℃以上700℃以下の所定温度)で炭素の成長させることができるので、450℃より低い温度で劣化しない支持体が好ましい。また、本実施形態の支持体は、炭素の成長温度以下で劣化しなければよく、例えば780℃以下の温度で劣化するような耐熱性の低い支持体でも良い。なお、炭素質ナノ構造体1は、支持体に固定されていなくてもよい。
【0038】
次に、図2を参照しながら、本実施形態における炭素質ナノ構造体1の製造方法を説明する。
【0039】
まず、図2(a)に示すように、ガラス基板等の基板3に、例えば電子ビーム蒸着法により、厚さが250nm程度のNbからなる電極2を形成する。電極は、図1を参照しながら例示したような導電性材料を、基板表面に付与することによって形成すればよく、導電性材料の付与方法として、スパッタリング法、メッキ等の公知の薄膜形成方法等を用いることもできる。また、基板3として絶縁性のシリコン基板を用いる場合には、シリコン基板に不純物を導入することにより、基板表面に電極2を形成することもできる。電極の好適な厚さは、陽極酸化しようとするアルミニウム層の厚さや電極に用いる導電性材料の電気抵抗等により異なるが、典型的には50nm以上500nm以下である。
【0040】
次いで、電極2の上にナノホールを有する構造体(以下、「ナノホール構造体」と称する)を形成する。本実施形態では、ナノホール構造体としてポーラスアルミナを以下に説明する方法によって形成する。なお、ナノホール構造体の材料、構成、形成方法などは以下に限定されない。
【0041】
図2(b)に示すように、電極2の上に、例えば電子ビーム蒸着法により、厚さ約600nmのアルミニウム層4aを形成する。なお、本明細書において、アルミニウム層4aとは、アルミニウムを主成分とする金属層であればよく、シリコン、ニオブ等の不純物を含んでいても良い。また、アルミニウム層4aは、スパッタリング法、真空蒸着法、化学的気相堆積(CVD)法等により形成してもよい。アルミニウム層4aの好ましい厚さは、50nm以上1500nm以下である。薄すぎると連続膜にならず、厚すぎると剥離やクラックが起きやすいからである。
【0042】
この後、アルミニウム層4aを陽極酸化する。陽極酸化は、例えば20%の硫酸溶液(溶液温度:室温)等の酸性溶液に基板3を浸漬した状態で、例えば10Vの電圧を30分間、電極2に印加することにより行う。なお、陽極酸化の条件は、電極2の材料や所望の炭素質ナノ構造体の寸法等によって適宜選択することができる。
【0043】
陽極酸化が進むと、図2(c)に示すように、アルミニウム層4aが酸化されてアルミナ層4bになるとともに、アルミナ層4bにナノホール5が形成される。アルミナ層4bに形成されたナノホール5の直径は、印加電圧にのみ依存することが分かっており、例えば10Vの場合は10nm程度であり、30nmを下回っている。なお、本実施形態では、炭素を成長させる工程において、触媒金属をナノホール底部に堆積させないので、各ナノホール5の直径を30nm以上に広げる必要はない。ナノホール5の深さは、陽極酸化時間にほぼ比例し、最大でほぼアルミナ層の厚さである。典型的には、ナノホール5は基板3に略垂直に形成され、アルミナ層4bを貫通している。また、ナノホール5の密度は、印加電圧にのみ依存することが分かっており、例えば10Vの場合は1011個/cm程度である。このように、アルミニウム層4aを適当な条件で陽極酸化すると、リソグラフィーを用いずに、略同じサイズのナノホールがある程度規則的に配置されたナノホール構造体(アルミナ層4b)を形成することができる。
【0044】
次に、図2(d)に示すように、アルミナ層4bを鋳型(template)として用いて炭素を気相成長させる。以下にその方法及び条件を説明する。
【0045】
まず、基板3を反応器内に設置し、反応器内の圧力及び温度を、例えば常圧及び630℃にそれぞれ設定する。この反応器内に、プロピレン等のモノオレフィン系化合物とブタジエン等のジオレフィン系化合物と(以下、単に「炭素化合物」と呼ぶことがある)を含む原料ガスを例えば1時間導入する。
【0046】
上記原料ガスは、例えば窒素等のキャリアガスを用いて反応器内に導入する。典型的には、モノオレフィン系化合物とジオレフィン系化合物とを別々に1:1以上2:1以下の流量比でキャリアガスに流入させる。または、モノオレフィン系化合物とジオレフィン系化合物とを1:1以上2:1以下のモル比となるように混合した後、キャリアガスに流入させてもよい。なお、原料ガスは、2種類以上のモノオレフィン系化合物またはジオレフィン系化合物を含んでもよいし、炭素を含む他の化合物をさらに含んでもよい。
【0047】
反応器内に導入する原料ガス及びキャリアガスの総流量は、例えば100cm/min以上10000cm/min以下である。また、キャリアガスの流量に対する原料ガス(モノオレフィン系化合物及びジオレフィン系化合物を含む)の流量の割合は、例えば2%以上50%以下である。
【0048】
原料ガスを反応器内に導入すると、原料ガスに含まれる炭素化合物は、アルミナ層4bの上面及びナノホール5の内表面で熱分解する。その結果、アルミナ層4bの上面及びナノホール5の内表面で炭素が堆積する。図2(d)に示すように、アルミナ層4bの上面に堆積した炭素を炭素7、ナノホール5の内表面に堆積した炭素を炭素6とする。炭素6は、1個のナノホールにつき1本のカーボンナノファイバーを構成する。カーボンナノファイバーの直径はそれぞれのナノホールの直径に応じて決まるので、カーボンナノファイバーの直径を容易に制御できる。好ましくは、炭素6はCNTを構成する。従って、それぞれのナノホールの直径と、そのナノホール内に形成されたCNTの直径(外径)とは略等しい。一方、炭素7は、典型的には炭素薄膜を構成する。
【0049】
本実施形態では、CVD法により630℃の成長温度で1時間、炭素を成長させているが、成長条件はこれに限定されず、ナノホール5の寸法や原料ガスの流量等の応じて適宜選択することができる。本実施形態では、温度が450℃以上であれば炭素を成長させることができる。好ましくは、炭素の成長温度は500℃以上700℃以下である。炭素の成長温度が500℃以上であれば、炭素を均質に成長させることがより確実となる。一方、炭素の成長温度が700℃であれば、基板3の材料に要求される耐熱性のレベルが低くなるので、材料の制約が緩和される。より好ましくは、炭素の成長温度は660℃以下である。660℃以下であれば、耐熱性の低い安価なガラス基板等を基板3として用いることができるため、製造コスト面で有利である。さらに炭素の成長温度が550℃未満(例えば510℃以下)であれば、ガラス基板の中でもさらに安価なソーダライムガラス基板を使用できるため、より有利である。
【0050】
炭素を気相成長させた後、図2(e)に示すように、ナノホール5の内表面の炭素6は残して、アルミナ層4の表面に堆積した炭素7を、例えば酸素プラズマエッチングを行うことによって除去する。
【0051】
次いで、図2(f)に示すように、アルミナ層4bを除去する。アルミナ層4bは、例えば水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ性溶液またはフッ酸、リン酸等の酸性溶液を用いてエッチングすることにより除去される。これにより、炭素質ナノ構造体1が得られる。本実施形態の炭素質ナノ構造体1は、例えば直径10nm程度のカーボンナノファイバー(炭素6)を含む集合体である。
【0052】
本実施形態では、ナノホール構造体としては、陽極酸化によって作製されたポーラスアルミナ(アルミナ層4b)を用いているが、本発明はこれに限定されない。ナノホール構造体は、複数のナノホール(ナノホール構造)を有し、かつ炭素を気相成長させる工程において鋳型(template)として用いることができればよい。例えば、シリコン基板をフッ素溶液中で陽極化成すると、ナノホールを有するポーラスシリコンが作製できる。これをナノホール構造体として用いてもよい。
【0053】
ナノホール構造体に形成されるナノホール5は種々の形状を有することができ、上記に例示したような基板に略垂直に配列した貫通孔に限定されない。ナノホール5の形状は、ナノホール構造体の材料の選択や製造条件等によって調整することができる。例えば、アルミニウム層4aを陽極酸化する工程において、アルミニウム層4aに印加する電圧を所定条件で変化させると、種々の形状のナノホールを有するナノホール構造体(アルミナ層4b)を形成することができる。ナノホール5は、例えば、複数のナノホールが所定の深さで部分的に結合することによって形成された三次元的なネットワーク形状を有していてもよい。
【0054】
なお、炭素質ナノ構造体1の構造は、図1に示したようなカーボンファイバーの集合体に限定されない。ナノホール構造体に形成されるナノホール5の形状によって、所望の構造を有する炭素質ナノ構造体1を製造することができる。例えば、アルミナ層4bに形成されたナノホールが三次元的なネットワーク形状を有する場合、このアルミナ層4bを鋳型として用いて炭素を気相成長させると、ナノホール5の形状に応じて、三次元ネットワーク構造を有する炭素質ナノ構造体1であるメソポーラスカーボンが得られる。炭素質ナノ構造体1は、その構造にかかわらず、主に六角網目状に配列した炭素原子によって構成されることが好ましい。
【0055】
以下に、炭素の気相成長に用いる原料ガスについて、発明者らが行った比較実験の結果を説明する。
【0056】
図2(a)〜(c)を参照しながら説明した方法と同様の方法で、基板3上にアルミナ層4b及び電極2が形成された基板3を3個作製した。次いで、プロピレン及びブタジエンからなる原料ガスA、ブタジエンからなる原料ガスB、プロピレンからなる原料ガスCをそれぞれ用いて、アルミナ層4b表面及びナノホール5内表面に炭素を気相成長させることにより、試料a〜cを作製した。炭素の成長温度及び成長時間は630℃及び1時間とした。原料ガスA〜Cのガス流量は、単位時間当りに供給される各原料ガスに含まれる炭素原子数(または炭素原子数の合計)が同じとなるように調整した。また、原料ガスAのプロピレンとブタジエンは、流量比が1:1となるようにそれぞれのガス流量を調整してキャリアガスに別個に供給した。
【0057】
炭素を気相成長させた後、試料a〜cのアルミナ層4bの表面を可視光で照射して、その反射スペクトルを測定した。測定結果を図3に示す。図3から、各試料のアルミナ層4bの表面及びナノホール5の内表面における炭素化合物の分解性について、以下のことがわかった。
【0058】
原料ガスA(プロピレン及びブタジエン)を用いて作製された試料aでは、アルミナ層4bの表面は、他の試料b及びcのアルミナ層4bの表面と比べて反射率が最も低く、すなわち最も黒色化されていた。このことから、試料aのアルミナ層4b表面で原料ガスAに含まれる炭素化合物の分解が進み、その結果、アルミナ層4b表面に炭素が成長して炭素薄膜7が形成されたことがわかる。原料ガスB(ブタジエン)を用いて作製された試料bでは、アルミナ層4bの表面の反射率は低く抑えられていることから、アルミナ層4bの表面には炭素薄膜7は形成されていることがわかる。しかし、炭素薄膜7の厚さが小さいため、照射光がアルミナ層4bまで侵入して、若干干渉を起こしていることがわかる。原料ガスC(プロピレン)を用いて作製された試料cでは、反射スペクトルの測定結果からも目視からも、アルミナ層4bの表面に炭素がほとんど付着していないことがわかった。なお、どの試料においても、アルミナ層4bの表面以外、例えばガラス基板3や電極2の表面では炭素の付着による色の変化は見られなかった。
【0059】
この測定は、上述したように炭素の成長温度を630℃に設定して行っているが、成長温度を高温にするか、または触媒金属を用いれば、原料ガスA〜Cのいずれを用いた場合でもアルミナ層4bの表面に所定の厚さの炭素薄膜7が形成されることは公知である。従って、原料ガスとして、プロピレンやブタジエンを単独で用いるよりも(原料ガスB、C)、プロピレンとブタジエンの混合ガスを用いると(原料ガスA)、アルミナ層4bの表面やナノホール5の内表面において、触媒金属を用いなくても、炭素化合物の熱分解性が向上し、より低温で炭素が気相成長することがわかった。これは、ブタジエンが持つ二つの炭素二重結合とプロピレンの持つ一つの炭素二重結合が反応して、シクロオレフィン類が形成されるため、続いて炭素化が容易に進行する。そして、この過程がポーラスアルミナの触媒効果により促進されるからと考えられる。
【0060】
なお、プロピレンの代わりにブチレン、エチレン等の他のモノオレフィン系化合物を用いても、上記と同様の結果が得られることもわかった。また、ブタジエンの代わりにぺンタジエン、ヘキサジエン等の他のジオレフィン系化合物を用いても、上記と同様の結果が得られることもわかった。好ましいジオレフィン系化合物はブタジエンである。ブタジエンは、常温で気体であるため、取り扱いが容易だからである。
【0061】
図4は、本実施形態において、陽極酸化によって得られたアルミナ層4bの表面のSEM写真である。この写真から、アルミナ層4bには、平均直径10nm程度のナノホール5が形成されているのがわかる。これらのナノホールは、ほぼこの直径のまま、基板3に略垂直にアルミナ層4bを貫通してNb電極2まで到達している。
【0062】
図5は、本実施形態において製造された炭素質ナノ構造体1のSEM写真である。炭素質ナノ構造体1は、平均直径10nm程度の繊維の集合体であり、それぞれが寄り添うようにして、基板3に略垂直に配向している。炭素質ナノ構造体1の直径は、図4に示すアルミナ層4bのナノホール5の直径に依存している。本実施形態では、このような炭素質ナノ構造体1が基板3上に均質に製造された。
【0063】
次に、本実施形態の炭素質ナノ構造体1の真空電子放出特性を評価した結果を説明する。
【0064】
まず、炭素質ナノ構造体試料A及びBを作製した。炭素質ナノ構造体試料A及びBの作製方法は、図2(a)〜(f)を参照しながら説明した方法と同様の方法であるが、原料ガスとして、上記原料ガスA(プロピレン及びブタジエン)、原料ガスB(ブタジエン)をそれぞれ用いて、600℃で炭素を気相成長させた点で異なっている。続いて、真空中で、各炭素質ナノ構造体試料の上方に設けた電極と電極2との間に電界を印加したときの各炭素質ナノ構造体試料からの放出電流密度を調べた。
【0065】
図6は炭素質ナノ構造体試料A及びBそれぞれの電界強度―電流密度特性を示すグラフである。図6から、炭素質ナノ構造体試料Aは印加電界が2.5V/μm付近からエミッション(電子放出)を開始しており、印加電界が6V/μmのときに約10mA/cmの電流密度が得られることがわかる。このように、炭素質ナノ構造体試料Aは、低駆動電圧で充分な電流を放出できるので、フィールドエミッションディスプレイ用の電子源あるいは電子放出素子として好適に用いることができる。これに対し、炭素質ナノ構造体試料Bの電子放出特性は炭素質ナノ構造体試料Aの電子放出特性よりも劣っていることがわかる。例えば、炭素質ナノ構造体試料Bでは、炭素質構造体試料Aと比較して、エミッションを開始する電界強度が11V/μmと大きく、また印加電界が17V/μm程度のときに得られる電流密度が1mA/cmと小さい。この結果、プロピレンとブタジエンとを含む原料ガスを用いると、低い炭素成長温度でも良好な炭素を成長させることが可能になることが確認された。
【0066】
次に、さらに低温形成が可能であるかを検討するために、炭素成長温度を500℃として炭素質ナノ構造体試料Cを形成する実験を行なった.図7は、作製した炭素質ナノ構造体試料Cの電界強度―電流密度特性を示すグラフである。得られた炭素質ナノ構造体試料Cは、エミッションを開始する電界強度が7V/μmとやや大きいが、前記炭素質ナノ構造体試料B(炭素成長温度:600℃)よりも優れた特性を有している。例えば、印加電界が16V/μmのとき、電流密度が1mA/cmに達している。また、炭素質ナノ構造体試料CのSEM写真から、図5と同様の直径10nmの炭素質ナノ構造体が得られていることを確認した。このように、510℃未満の低温で炭素を成長させることにより、炭素質ナノ構造体の支持体(基板3)として、ガラス基板の中でもさらに安価であるソーダライムガラス基板(軟化点が510℃程度)を用いることが可能となるので、炭素質ナノ構造体の量産化に特に有利である。
【0067】
本発明の実施形態による炭素質ナノ構造体1の製造方法では、モノオレフィン系化合物とジオレフィン系化合物とを含む原料ガスを用いて炭素を気相成長させるので、上述したように、炭素化合物の分解温度を低く抑えることができる。従って、触媒金属を用いることなく、炭素を気相成長させる温度を低くできるため、工程数の増加を抑えることが可能になる。また、炭素質ナノ構造体1を耐熱性の低い安価なガラス基板に形成することができるので、製造コストを低減できる。さらに、上述したように、上記の原料ガスを用いて製造した炭素質ナノ構造体1は真空電子放出特性に優れているので、電子源として好適に用いることができる。
【0068】
本発明の実施形態による炭素質ナノ構造体1は、上記方法によって製造されるので、炭素質ナノ構造体1を支持する基板として、比較的耐熱性の低い材料から形成された基板を用いることができる。このため、基板材料の選択の幅が広がる。また、安価なガラス基板等を用いることにより、製造コストを低減できる。
【0069】
さらに、製造工程において用いるナノホール構造体のナノホールの直径を、触媒金属を堆積させるために広げる必要がない。そのため、触媒金属を用いて炭素を成長させる場合と比較して、各ナノホールに形成されるカーボンファイバーの直径を小さくすることができる。直径の小さいカーボンナノファイバーを有する炭素質ナノ構造体1は、より電界集中しやすいので有利である。
【0070】
本実施形態の炭素質ナノ構造体1を電子源として用いて、公知の方法によってフィールドエミッションディスプレイを構成することができる。上記のように、本実施形態の炭素質ナノ構造体1は安価で簡便な方法によって製造されるので、フィールドエミッションディスプレイの製造コストを低減できる利点がある。また、本実施形態の炭素質ナノ構造体1は優れた電子放出特性を有しているので、高輝度なフィールドエミッションディスプレイを提供できる。
【0071】
【発明の効果】
本発明によると、低温で炭素質ナノ構造体を製造できる簡便な方法、並びにその方法により低温で製造された炭素質ナノ構造体及び電子源を提供することができる。本発明は、特に、フィールドエミッションディスプレイ等の表示装置に好適に適用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における炭素質ナノ構造体を示す模式図である。
【図2】(a)から(f)は、本発明の実施形態における炭素質ナノ構造体の製造工程を説明するための断面模式図である。
【図3】本発明の実施形態において、炭素を気相成長させた後のアルミナ層表面における可視光の反射スペクトルを示すグラフである。
【図4】本発明の実施形態において、陽極酸化によって形成されたアルミナ層表面の走査型電子顕微鏡写真である。
【図5】本発明の実施形態における炭素質ナノ構造体の走査型電子顕微鏡写真である。
【図6】本発明の実施形態において、600℃で形成した炭素質ナノ構造体の電界強度―電流密度特性を示すグラフである。
【図7】本発明の実施形態において、500℃で形成した炭素質ナノ構造体の電界強度―電流密度特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 炭素質ナノ構造体
2 電極
3 ガラス基板
4a アルミニウム層
4b アルミナ層
5 ナノホール
6、7 炭素

Claims (17)

  1. 複数のナノホールを有するナノホール構造体を用意する工程と、
    前記複数のナノホールの少なくとも一つの内部に原料ガスを供給して、化学気相成長法により、前記少なくとも一つのナノホールの内表面に炭素を堆積させる工程とを包含し、
    前記原料ガスは、少なくともジオレフィン系化合物とモノオレフィン系化合物とを含む、炭素質ナノ構造体の製造方法。
  2. 前記炭素を堆積する工程は、450℃以上700℃以下の温度で炭素を堆積することを含む、請求項1に記載の炭素質ナノ構造体の製造方法。
  3. 前記ジオレフィン系化合物と前記モノオレフィン系化合物とを、 1:1以上2:1以下の流量比で供給する、請求項1または2に記載の炭素質ナノ構造体の製造方法。
  4. 前記ナノホール構造体がアルミナを含む、請求項1から3のいずれかに記載の炭素質ナノ構造体の製造方法。
  5. 前記ナノホール構造体を用意する工程が、アルミニウムを主成分とする金属層を陽極酸化することによって支持体上にポーラスアルミナ層を形成する工程を含む、請求項4に記載の炭素質ナノ構造体の製造方法。
  6. 前記堆積させた炭素の少なくとも一部がカーボンナノファイバーを構成する、請求項1から5のいずれかに記載の炭素質ナノ構造体の製造方法。
  7. 前記堆積させた炭素の少なくとも一部がカーボンナノチューブを構成する、請求項6に記載の炭素質ナノ構造体の製造方法。
  8. 前記炭素を堆積させる工程の後に、前記アルミナ層を除去する工程をさらに含む、請求項1から7のいずれかに記載の炭素質ナノ構造体の製造方法。
  9. 前記ジオレフィン化合物がブタジエンを含む、請求項1から8のいずれかに記載の炭素質ナノ構造体の製造方法。
  10. 前記モノオレフィン化合物がプロピレンを含む、請求項1から9のいずれかに記載の炭素質ナノ構造体の製造方法。
  11. 前記ナノホール構造体を用意する工程において、前記ナノホール構造体は支持体に形成されており、前記支持体は、500℃以上660℃未満の軟化点を有するガラスから形成されている、請求項1から10のいずれかに記載の炭素質ナノ構造体の製造方法。
  12. 請求項1から11のいずれかに記載の方法により製造された炭素質ナノ構造体。
  13. 複数のカーボンナノファイバーを有する炭素質ナノ構造体であって、前記炭素質ナノ構造体は、500℃以上550℃未満の軟化点を有する材料を用いて形成された支持体によって支持されており、前記複数のカーボンナノファイバーの直径の平均は30nmより小さい、炭素質ナノ構造体。
  14. 前記複数のカーボンナノファイバーはアルミナを含む集合体を形成している、請求項13に記載の炭素質ナノ構造体。
  15. 前記500℃以上550℃未満の軟化点を有する材料はガラスである、請求項13に記載の炭素質ナノ構造体。
  16. 請求項12から15のいずれかに記載の炭素質ナノ構造体を用いた電子源。
  17. 請求項16に記載の電子源を備えた表示装置。
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