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JP2004243464A - 大型部品の研磨方法およびこれに用いる研磨粒 - Google Patents

大型部品の研磨方法およびこれに用いる研磨粒 Download PDF

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JP2004243464A
JP2004243464A JP2003035571A JP2003035571A JP2004243464A JP 2004243464 A JP2004243464 A JP 2004243464A JP 2003035571 A JP2003035571 A JP 2003035571A JP 2003035571 A JP2003035571 A JP 2003035571A JP 2004243464 A JP2004243464 A JP 2004243464A
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polishing
abrasive grains
abrasive
polished
turbine
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JP2003035571A
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Kenji Kamimura
健司 上村
Satoru Asai
知 浅井
Satoru Yanaka
悟 谷中
Ryusuke Tsuboi
竜介 坪井
Tadashi Tanuma
唯士 田沼
Masataka Kikuchi
正孝 菊地
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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    • B24C1/00Methods for use of abrasive blasting for producing particular effects; Use of auxiliary equipment in connection with such methods
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B24GRINDING; POLISHING
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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

【課題】研磨の難しかった大型部品の狭隘部、嵌合部を含む表面研磨を可能し、しかも表面粗さを悪化させることなく、表面の酸化皮膜を除去することを可能にして非破壊検査の品質向上を図ることにある。
【解決手段】弾性を有する比重0.5〜1.8g/cm、弾性率10〜200ckg/mの石油化学系高分子材料、あるいは弾性を有する天然素材と砥粒からなる研磨粒を分速600m〜3800mの速度で且つ単位面積あたり5〜300cc/cm・secの体積量となるように大型部品の被研磨面に投射、衝突させて該研磨粒を滑動させることにより、大型部品の被研磨面を研磨する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、大型部品の表面に研磨粒を投射、衝突させて研磨する大型部品の研磨方法およびこの方法に用いる研磨粒に関する。
【0002】
【従来の技術】
大型部品の代表的なものである蒸気タービンや蒸気タービンにおける、特に動静翼、タービンロータ、流体通路部の部品(蒸気弁、蒸気管、クロスオーバ管、タービン入口部、出口部、ノズルボックス内部)は、その表面粗さの状態がタービン性能に大きな影響を与えることから、これらの表面状態を研磨により改善する必要がある。
【0003】
ここで、大型部品の代表的なものである一般的な蒸気タービンを例にとりその概略構成を図6及び図7により述べる。
【0004】
図7は蒸気タービン全体を概略的に示す断面図である。タービンロータ1には、その周方向に動翼がおよそ百枚前後植設されて翼列を形成するとともに、この翼列は、そこに通過する蒸気の圧力および温度に応じて、軸方向に動翼1aの長さを異にして数列程度互いに間隔を有して配設されている。
【0005】
一方、タービンケーシング2には図6に示すノズルダイアフラム3が配設されており、前記各翼列間に配置されている。ノズルダイアフラム3は、ノズルダイアフラム内輪4およびノズルダイアフラム外輪5から形成されており、その間に静翼6が挟持されている。そして、タービンケーシング2を設置することにより、タービンロータ1の軸方向には前記翼列間にノズルダイアフラム3の静翼6が配設されることになる。その結果、タービンロータ1の軸方向に対しては動翼1aと静翼6が交互に並び、この動翼と静翼の1組の組合せで段落を形成している。このような段落を数段並べることにより、高圧タービン7、中圧タービン8、低圧タービン9が形成されている。
【0006】
次に、このような蒸気タービンにおける蒸気の流れについて説明する。図7において、図示しないボイラから導入される高温高圧の蒸気は、最初に高圧タービンに送られ熱エネルギが機械的な回転エネルギに前記各段落により変換され高圧タービン7を回転させる。高圧タービン7で仕事をした蒸気は、再度ボイラ内の再熱器で再び高温高圧の蒸気になり、中圧タービンに導入される。ここで、中圧タービン8を回転させて仕事をした蒸気は、そのままクロスオーバ管10に排気されるとともにその内部を流れて低圧タービン9に導入される。同様に、低圧タービン9を回転させて仕事をした蒸気は復水器11に排気され、ここで凝縮されて復水として水に戻される。この復水は再度ボイラに戻されて蒸気となり、タービンに導入されるという循環を繰返している。
【0007】
このような構成の蒸気タービンにおいて、その性能を向上させるためには、蒸気が流れる際の流路抵抗を低下させるべく研磨によりタービン部品の表面粗さが極力少なくなるようにする必要がある。
【0008】
図8は、現在の設計仕様である表面粗さRy6.3における段落の効率を100とした場合、さらに表面粗さを改善した際の段落効率を表している。この図から、動翼と静翼で構成される段落内の蒸気が通過する部分をより滑らかに仕上げることにより、現在より約3.5%の効率改善につながることが分かる。現在、さまざまな手段で、蒸気タービンの効率改善ひいては発電効率の改善のための技術開発を行っているが、このような大きな設計変更や機器の改造を必要としない方法は注目され、既に実機に適用されはじめている。しかしながら、例えば動翼1本が1mも越えるなど、その形状が極めて複雑で、狭隘な部分を研磨しなければならないため、自動化や機械化が困難である。
【0009】
このため、従来のタービン部品の研磨作業としては、圧縮空気や電動によるグラインダなどと呼ばれる回転工具によるもの、若しくは研磨効果のある液体、紙、布、化学繊維等によるバフ研磨と呼ばれる手作業研磨が行われていた。
【0010】
しかし、このようなタービン部品の研磨方法では、多くのコストと時間を要するという問題がある。
【0011】
最近の被研磨材の研磨方法としては、圧縮空気によりセラミックス系の投射材を投射して被研磨部材の表面を研磨するサンドブラスト法がある。
【0012】
しかし、このサンドブラスト法は、投射範囲全域において、表面の洗浄、皮膜などの除去の処理が可能であるが、加工性がよい反面、表面の減肉量が多いこと、表面粗さの悪化、粉塵等の環境についての問題がある。特にタービン部品のように表面粗さについて、仕上りでRy6.3若しくはRa1.0以下の表面粗さを得ることは非常に難しい。
【0013】
一方、蒸気タービンにおいては一定期間毎に定期点検が行なわれ、その際には内部の動翼1aや静翼6をはじめとする高温の蒸気が通過する部分の検査が行なわれる。このような蒸気には、ごく微量ながらいわゆる酸化スケールと呼ばれる不純物が含まれ、これが長期の運転に伴い前記動翼1aや静翼6に堆積したりする。そのため酸化皮膜がその表面に付着することが多々ある。そして、これらの酸化スケールや酸化皮膜は、定期点検時に行なわれる非破壊検査に対する精度を著しく落とすと言われている。すなわち、非破壊検査は、表面から液体を内部に浸透させたり、X線や超音波などを照射して内部からの反射波などで内部の状態を検査しているため、いわば内部からの情報の窓となる表面の粗さの状態が悪いと、これら内部からの情報が表面で乱され、検査精度が落ちる。よって、定期点検時の検査には、必ずこれら酸化スケールや酸化皮膜を落としてから行なわれており、その表面粗さを極力少なくするために手作業で行なわれていた。そのために時間および手間がかかっていたが、人手の作業であるがゆえに場所により表面の粗さの程度が異なり、検査精度が必ずしも良いとは言えなかった。
【0014】
さらに、上記動翼1aと静翼6に付着した酸化スケールなどは、設計時の翼断面形状を変化させてしまうため、蒸気タービンそのものの性能を落とす原因にもなる。そのため、定期点検時には、これらの酸化スケール等を剥ぎ取る作業が行なわれるが、特に翼の後縁端は非常に薄い構造のため、上記サンドプラスト法ではかえって変形が増してしまうという不具合があった。
【0015】
ところで、ワーク表面の研削方法として、弾力性のある多孔質の植物繊維からなる担体に、植物繊維に含まれる脂肪分又は糖分を粘着剤として研削紛を付着させてなる砥粒を、研削液を混合した上でワーク表面に斜めから多数噴射して衝突させ、担体を塑性変形させながら上記砥粒をワーク表面で滑動させて、研削紛によりワーク表面を仕上げるようにしたものがある(例えば特許文献1)。
【0016】
【特許文献1】
特許第2957492号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この研削方法では、歯科補綴物のような小型のワーク研磨には適しているが、タービン部品のように大形であると同時に、蒸気流入の特性上、その形状が極めて複雑で、狭隘な部分の表面を研磨することは困難である。
【0018】
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたもので、研磨の難しかったタービン部品の狭隘部、嵌合部を含む表面研磨を可能とし、しかも表面研磨を悪化させることなく、表面の酸化皮膜を除去することを可能にして非破壊検査の品質向上を図ることができる大型部品の研磨方法およびこの方法に用いる研磨粒を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の目的を達成するために次のような大型部品の研磨方法およびこの方法に用いる研磨粒を提供するものである。
【0020】
請求項1に対応する発明は、研磨材である砥粒が投射材の周囲に添付されたもしくはこの投射材の内部に分散した0.1mm以上10.0mm以下の粒状体の研磨粒を、分速600m以上3,800m以下で、単位面積当たり5〜300cm/cm・secなる量を、被研磨面に吹き付けることにより、前記研磨粒がこの被研磨面上をごく短時間滑動し、これにより前記研磨粒に添付もしくは分散した砥粒が前記研磨面を研磨することを特徴とする。
【0021】
請求項2に対応する発明は、請求項1に対応する発明の大型部品の研磨方法において、投射材は比重が0.5〜1.8×10−3kg/cmで、弾性率が10〜200kg/cmである合成繊維、合成樹脂、合成ゴムなどで形成される石油化学系高分子材料もしくは天然ゴム、植物性繊維、植物性種子などで形成される天然素材からなることを特徴とする。
【0022】
請求項3に対応する発明は、請求項1または請求項2に対応する発明の大型部品の研磨方法において、研磨粒は、被研磨面の法線方向に対して30°〜80°の方向から吹き付けることを特徴とする。
【0023】
請求項4に対応する発明は、請求項1に対応する発明の大型部品の研磨方法において、砥粒は、SiC、SiO、Al、ZrOのいずれかであることを特徴とする。
【0024】
請求項5に対応する発明は、請求項1、請求項2又は請求項4のいずれに対応する発明の大型部品の研磨方法において、投射材および砥粒は、少なくとも塩素、硫酸、シリカ、ホウ素、鉄、銅、ニッケル、クロム、コバルト以外の成分から構成されていることを特徴とする。
【0025】
請求項6に対応する発明は、請求項2に対応する発明の大型部品の研磨方法において、研磨粒は、核となる投射材の周囲にこの投射材自体が有する粘着力で研磨材である砥粒が添付されているか、この投射材周囲に弾性を有する接着材を塗布しこれを介して研磨材である砥粒が添付されているか、この投射材内に研磨材である砥粒を分散させ添付されているかのいずれかの方法で形成されていることを特徴とする。
【0026】
請求項7に対応する発明は、請求項6に対応する発明の大型部品の研磨方法に用いる研磨粒において、砥粒は、SiC、SiO、Al、ZrOのいずれかであることを特徴とする。
【0027】
請求項8に対応する発明は、請求項6に対応する発明の大型部品の研磨方法に用いる研磨粒において、投射材および砥粒は、少なくとも塩素、硫酸、シリカ、ホウ素、鉄、銅、ニッケル、クロム、コバルト以外の成分から構成されていることを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の第1の実施形態を図面を参照して説明する。
【0029】
図1は、本発明に使用される研磨粒の断面構造図である。研磨粒110は、中心にコアとなる投射材111を配し、その周囲に研磨材である砥粒112を添付したものである。図2は本研磨方法の特徴を概略的に示した図である。研磨粒110は、被研磨面113に対してある角度を有して吹き付けられ被研磨面113に衝突するが、研磨粒110は弾性変形しながらその表面上を極短時間ではあるが滑る。そして、再び研磨面113に対してある角度を有して飛ばされてゆく。
【0030】
この被研磨面113上を滑る際に、研磨粒110の表面に添付された砥粒112が被研磨面113を研磨してゆくというものである。このような原理から、研磨粒110のコアである投射材111は、被研磨面の材質よりも軟らかく、被研磨面113に吹き付けられた際に適度な弾性を有して跳ね返るものであれば基本的には材質は問わない。
【0031】
ところで、本発明の対象とする被研磨材は、大型の部品を対象としており、その代表的なものとされる蒸気タービンの構成部品である動翼、静翼、ロータ、蒸気弁、大口径の蒸気配管類、などである。そして、これらの部品の研磨作業は手元に置いてもしくは手に持ちながら研磨作業するのではなく、部品のあるところまで研磨機器を移動させるか、大型の作業台の上に載せて研磨作業するのが一般的である。
【0032】
そのため、本発明では、先の研磨原理の関係から、前記研磨粒が研磨機器から被研磨面まであるエネルギを持って届かなければ、全く研磨作業は出来ない。すなわち、研磨粒の比重が大きいものと小さいものとを同じ速度で吹き付けた場合には、研磨粒の比重が大きいものほど運動エネルギが大きくなり遠くまで飛ぶことができるため、遠くに被研磨面を設定でき、かつ被研磨面での速度も落ちず効率良い研磨ができる。一方、比重の小さいものは、空気抵抗等により、届く距離は短くさらに被研磨面での速度も落ちるため、効率のよい研磨作業を行うには被研磨面を近づける必要がある。
【0033】
そこで、発明者等は本発明の研磨方法の最適な投射材の物性値を見出すべく以下のような実験を試みた。すなわち、投射材の初速を1,450m/mim、投射距離(すなわち、被研磨面までの距離)を1,200mmとして、比重0.5の発泡ウレタンと比重1.7のポリ塩化ビニリデンでその研磨効果を調べた。その結果、この範囲の比重であれば研磨効果は良好であることが分かった。すなわち、これ以上の比重のものであると、研磨が進みすぎかえって表面が粗くなる場合があり、一方これ以下の比重であると、被研磨面で投射材の速度が落ちてしまい満足な研磨が出来ないためである。そこで、本発明では投射材の比重を0.5〜1.8g/cmに限定した。
【0034】
次に、被研磨面への衝突時の変形量(すなわち被研磨面での扁平率)、被研磨面を滑る時間、被研磨面に衝突した後に跳ね返る度合い等を表す弾性率に関しても実験を行った。望ましい投射材の弾性率は、その投射材に与えられる運動エネルギに対する影響(速度依存性)と、被研磨面上における滑動時に生じる摩擦熱による影響(温度依存性)の2点に依存し、被研磨面に早い速度で衝突する場合は低い弾性率のものが、被研磨面における滑動時に温度が高くなる場合には高い弾性率のものが、良好な研磨効率を示す。
【0035】
また、この速度依存性と温度依存性とは互いに影響を及ぼしあっているが、発明者等は実験の結果、速度依存性の方が温度依存性よりも研磨効果により影響を及ぼすことを実験の結果見出した。すなわち、投射距離を一定とし、投射速度(初速)を600m/minとすると弾性率200kg/cm程度の比較的硬質なものでも研磨効果が認められ、一方、投射速度(初速)3,800m/minに上げると弾性率10kg/cm程度の軟質なものでも研磨効果が得られた。そこで、本発明の投射材の弾性率は、10〜200kg/cmの範囲に限定した。
【0036】
本発明の投射材は、基本的には弾性を有するものであれば何でも使用可能である。よって、上記実験の結果から工業的に広く用いられている石油化学系高分子材料、すなわち、上記実験の用いた発泡ポリウレタンやポリ塩化ビニリデン、軟質塩化ビニルなどの合成樹脂、合成繊維、合成ゴムなどや、弾性を有する天然素材、例えば軟化させた米粒、へちま、海綿、ゼラチンなどが挙げられる。
【0037】
本発明の研磨方法においては研磨粒を用いて研削を行うため、同じ研磨粒を用いて比較した場合、より研磨効率の高い研磨作業を行う場合には、投射速度(初速)が同一であれば、研磨粒の噴射量が多く単位時間および単位面積あたりに衝突させる研磨粒の量が多い方が、また、同じ量の研磨粒であれば投射速度が速い方が、それぞれ効率のよい研磨が可能である。そこで、発明者等はこの投射速度(初速)の最適値を見出すために、実験を行った。
【0038】
図3は、本発明の研磨方法の最適な投射速度(初速)に関する実験の結果を示している。
【0039】
図中、縦軸は研磨後の被研磨面の表面粗さを、横軸は投射材の投射速度(初速)をそれぞれあらわしている。そして、縦軸のRy=6.3は現状の蒸気タービン部品の設計時の表面粗さ許容値を示しており、この値以下であれば性能上問題ないとする値である。この図から分かるように投射速度(初速)600m/sec未満では表面粗さの改善は見られない。この速度は、従来の研削作業であるビトリファイド砥石を用いた内面研削時の下限周速と一致し、本発明の研磨方法でも顕著な研削効果が得られない。
【0040】
一方、投射速度(初速)3,800m/sec以上では、表面粗さの改善効果は限界に達している。この速度は、従来のネジ研削や溝研削で用いられるエラスティック砥石における周速のほぼ上限値であるが、本発明の研磨方法では、この速度では投射材が被研磨面与えるダメージや投射装置の構造を考えると、ほぼ3,000m/secが上限と考えられる。そこで、本発明では投射材の投射速度(初速)を600〜3,800m/secと限定した。
【0041】
投射量の体積は、被研磨物の形状、投射距離、研磨粒の密度によって大きく変化する。狭隘部における微小領域の研磨では、投射量を減らし、投射速度を小さくし、5cc/cm・sec程度で研磨を行う。比較的広い領域の研磨を行う場合は、300cc/cm・secもの投射量を確保できれば、非常に効率的である。
【0042】
基本的には、被研磨物が小さな部品である場合、研磨領域が狭い場合は、投射速度を大きくし、投射量を絞って研磨を行い、研磨による変形が懸念される場合は、投射速度を小さくし、投射量を大きくして研磨を行う。投射距離が大きい場合は比重の大きな研磨粒を使う方が、研磨効果が大きい。以上の結果から研磨粒の比重で変化するが、本実施形態では単位面積あたり5〜300cc/cm・secに特定した。
【0043】
このように弾性を有する比重0.5〜1.8g/cm、弾性率10〜200kg/cmの石油化学系高分子材料(合成繊維、合成樹脂、合成ゴム)あるいは、弾性を有する天然素材(天然ゴム、植物性繊維、植物性種子)の投射材と砥粒からなる研磨粒を分速600m以上3800m以下の速度で単位面積あたり5〜300cc/cm・secの体積量で投射、衝突させることにより、被研磨材の表面の表面粗さを向上させることができる。
【0044】
次に本発明の第2の実施形態として、本発明の研磨方法に用いる研磨粒の創出について説明する。
【0045】
図1に示した研磨粒110のコアとなる投射材111の物性値については上記した通り石油化学系高分子材料、すなわち、上記実験の用いた発泡ポリウレタンやポリ塩化ビニリデンなどの合成樹脂、合成繊維、合成ゴムなどや、弾性を有する天然素材、例えば軟化させた米粒、へちま、海綿、ゼラチンなどが用いられる。
【0046】
そしてこれらの投射材111の周囲に研磨材である砥粒を添付(付与)して研磨粒とするものであるが、その添付の方法として、本発明では下記4つの方法がある。
【0047】
第1の研磨粒は、投射材111に用いる材料そのものが有する粘着性を利用するものである。すなわち、投射材111がフタル酸エステルのような可塑材を添加した軟質塩化ビニルのような場合には、それ自体が接着性、粘着性を有するため、これを利用して砥粒をこの投射材111の周囲に添付(付与)する。
【0048】
第2の研磨粒は、投射材111に用いた高分子材料に接着性、粘着性が無い場合であり、通常のプラスチックと呼ばれる材料全般に適用される方法である。このような場合には、投射材111の周囲に弾性を有する接着材を用いて砥粒を添付する。このような弾性を有する接着材の代表的なものとして、いわゆる木工用のボンドの1種である酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着材がある。これは硬化後に半透明の外観を呈し十分な弾性を有している。その他、ウレタン系、エマルジョン系、合成ゴム系の接着材やシリコンポリマーを含む接着材が適用可能である。また、工業的に広く使われている砥石の結合材であるエラスティックボンドと呼ばれるラバーボンド、レジノイドボンド、シェラックボンド、ポリビニールアルコールボンドも適用できる。
【0049】
第3の研磨粒は、投射材111に物理的に砥粒を投錨させるか、静電気を用いて付与(添付)する方法である。
【0050】
第4の研磨粒は、投射材111が合成ゴムや天然ゴム、合成繊維や植物繊維などの材料から構成されている場合である。上記第1から第3の研磨粒では、砥粒は投射材111の周囲にしか添付されないが、第4の研磨粒では、研磨粒を製作する際に砥粒を投射材111の内部にまで分散させることが簡単に可能となる。
【0051】
そして、本発明の研磨方法におけるこれら第1の研磨粒から第4の研磨粒のいずれも、その研磨効果を投射材111に持たせるのではなく、その周囲もしくは内部に分散させた砥粒に持たせていることに特徴がある。さらに、本発明の研磨方法では、従来のように研削液などを用いることなく、研磨粒のみの乾燥状態で研磨作業を行なう点にも特徴がある。研削液を用いないことにより、上記第2の研磨粒のように、水分に弱いとされている接着材を使用しての砥粒の投射材への添付(付与)が可能となる。
【0052】
上記方法で創出された研磨粒の大きさは、被研磨面の状況に応じて適宜選択可能である。しかし、上記したように本発明の研磨方法では、研磨粒を被研磨面に投射する関係から、0.1mm以下の研磨粒では、微小領域の研磨には最適ではあるが、投射する際に空気の抵抗等の関係から、高速に投射することが難しい。一方、10mm以上の研磨粒では、むしろ被研磨面に与えるダメージが大きくなり、また投射装置が大型化するため作業性が著しく低下する。よって、本発明では研磨粒の大きさを0.1〜10.0mmと限定した。
【0053】
また、研磨粒の形状としては、球状に近いことが研磨原理上望ましいが、実質的には粒状であれば工業的に十分適用可能である。
【0054】
さらに、コアである投射材の周囲に添付する砥粒材質としては、酸化物系セラミックス、炭化物系セラミックス、ダイヤモンド等の高硬度のものであれば基本的にどのようなものでも適用可能であるが、ここでは工業的に広く使用されているSiC,SiO,Al,ZrOを選定した。
【0055】
上記第1ないし第4の研磨粒において、研磨効果を創出している投射材表面の砥粒は、研磨施工中の連続的な噴射、衝突により投射材表面から徐々に脱落していく。この砥粒の脱落に起因する研磨効果の低下は、砥粒を再度投射材表面に付与することで、十分再生可能である。
【0056】
なお、研磨粒の大きさ、形状の範囲とその化学成分を次のようにしてもよい。
【0057】
第1ないし第4の研磨粒の大きさ、形状については、微小領域研磨用の0.2mmから5.0mmの範囲の粒状とし、化学成分については投射材、砥粒の化学成分を原子力機器で厳密に管理されている塩素、硫酸、シリカ、ホウ素、鉄、銅、ニッケル、クロム、コバルトを含まないようにしてもよい。
【0058】
このような寸法、形状と化学成分からなる研磨粒とすることにより、原子力機器にも適用できる。
【0059】
さらに、前述した第1の実施形態又は第2の実施形態の大型部品の研磨方法において、被研磨対象物である大型部品の表面状態、表面硬さ、表面粗さによって前述した第1ないし第4の研磨粒の砥粒を変えることで段階的に表面粗さを改善可能としてもよい。
【0060】
従来の手法で鏡面研磨する場合において、粗い粒度を用いて粗研磨をし、徐々に砥粒粒度を細かくして表面粗さを改善させているように本実施形態においても、研磨粒の選択によって研磨後の表面粗さレベルをコントロールすることが可能である。そのためには、投射材に付与してある砥粒を変える、あるいは付与してある砥粒の異なる研磨粒を多種類準備しておく必要がある。
【0061】
次に本発明の第3の実施形態について説明する。
【0062】
本実施の形態は、前述の第1の実施形態および第2の実施形態で説明した研磨粒110を用いた大型部品の研磨方法において、被研磨面法線方向に対して30°〜80°の角度方向から研磨粒110を投射することにより、被研磨面の表面粗さを向上させるようにしたものである。
【0063】
本発明による研磨方法は上記したように、研磨粒を被研磨面に投射することにより、その衝突の際に極短時間だけ研磨粒が被研磨面を滑動することを利用したものであるため、被研磨面と投射された研磨粒との成す角度が研磨効果に与える影響は大きい。
【0064】
図4は、研磨粒の投射角度(被研磨面の法線角度)と単位時間投射後の表面粗さの関係を示したものである。この図より、法線角度が大きい場合、すなわち被研磨面に対して研磨粒を接線方向に近い角度から投射した方が表面粗さの改善効果が大きことを表している。これは、研磨粒が被研磨面に対して接線に近い方が、表面を滑動する時間が長くなるためである。逆に角度が大きくなり過ぎると、投射時に研磨粒に与えられたエネルギが、滑動方向にのみ働き被研磨面方向に対してはほとんど働かなくなるため、研磨効果が得られなくなる。
【0065】
一方、法線角度が小さい場合、すなわち被研磨面に対して研磨粒が垂直方向に近い角度から投射される場合には、研磨粒が滑動する時間がより短時間になるとともに、投射時に研磨粒に与えられたエネルギが、非被研磨面の面方向に対して多く働きすぎ、滑動方向にはほとんど働かなくなるため、研磨粒が被研磨面をほとんど滑動しなくなり、その結果、研磨粒外周に添付(付与)された砥粒による研磨効果が得られなくなる。
【0066】
発明者等の実験では、法線方向角度45°〜80°で十分な研磨効果を確認しているが、実際の3次元形状を有する大型部品の研磨作業を考慮すると、研磨粒の投射方向が必ずしも上記効果のある角度で可能であるとは限らない。そのため、本発明の研磨方法では、多少研磨効果は悪化するが十分現状の表面粗さを改善できる法線方向角度30°〜80°を研磨粒の投射角度と定めた。
【0067】
次に、前述した第1の実施形態ないし第3の実施形態の研磨方法により、代表的な大型部品であるガスタービンや蒸気タービン部品、特に長期間運転に供されて、その表面粗さの悪化したタービンの動静翼、タービンロータ及び蒸気や燃焼ガスなどの流体流通路部の部品(蒸気弁、蒸気配管、クロスオーバ管、タービン入口部、出口部、ノズルボックス内部)を研磨した場合の効果について述べる。
【0068】
タービン部品の研磨では、その目的とするところは対象物表面に付着、生成しているスケール若しくは酸化物を除去すると同時に表面粗さを回復、向上させることにある。
【0069】
前述したように動静翼、ロータ、燃焼ガスや蒸気通路部の部品の多くは、運転中に高温高圧の蒸気やガスに晒され表面に酸化皮膜が生成され、これに加えて燃焼器やボイラ側から飛来した錆びや汚れも表面にうろこ状に付着する。これらは点検時の非破壊検査の外乱要素となっており、従来ではセラミック系投射材を用いるエアーブラスト法により除去されてきた。従来手法でも有害要因の除去は可能であるが、表面粗さを悪化させてしまうケースもあった。
【0070】
また、回転部品へのセラミックス系投射材を用いるエアーブラスト法の適用は、被対象物の研削量が大きいことから回転体本体の重量バランスを壊す可能性があり、実際に蒸気タービン動翼の洗浄作業によるアンバランスが起った事例もある。
【0071】
前述した第1の実施形態乃至第3の実施形態の研磨方法によれば、硬質な酸化物、スケールを含む上記の有害要因を除去しつつ、また回転体のバランスを壊すことなく、表面粗さを回復、向上させることが可能であり、健全な洗浄効果に加えて研磨効果も享受することができる。
【0072】
また、前述した第1の実施形態乃至第3の実施形態の研磨方法により、既設の蒸気タービン動翼をタービンロータから抜き取ることなく、植込んだ状態で表面粗さを回復、向上させることもできる。
【0073】
蒸気タービンの動翼は、発電機と直結しタービンロータを回転させる上で極めて重要な働きをしており、反動タービン、衝動タービンのタイプの違いに関わらず動翼の表面粗さがタービン性能に影響を与える。特に高温高圧の蒸気流通路部の表面粗さは、タービン性能への影響が顕著であるが、高温高圧の蒸気通路部に位置する動翼(いわゆる高圧タービン)は、有効部と呼ばれる蒸気に晒される部分が短くシュラウドと呼ばれる外周側の拘束板が大きいため、狭隘個所が多く、研磨作業が極めて難しい。
【0074】
前述した第1の実施形態乃至第3の実施形態の研磨方法によれば、研磨粒を所定の角度で被研磨対象物に衝突させて研磨することができるので、動翼をタービンロータに植込んだ状態でもタービン翼の狭隘部を研磨することが可能である。
【0075】
さらに、本発明の研磨方法においては、蒸気タービンの静翼を円環状のノズルダイアフラムそのままの状態又はそれを半リングの状態(180°の位置で分割した状態)で、研磨時の後縁端の変形量が2mm以下となり、酸化スケールの付着や腐食など経年的に新設時に較べ薄くなった後縁端部の研磨も十分可能で、形状を壊すことなく、表面粗さを回復、向上させることができる。
【0076】
同様に研磨粒を所定の角度で被研磨対象物に衝突させることにより、研磨することができるので、作業の難しい狭隘部の研磨が可能である。
【0077】
よって、従来手法では困難であった蒸気タービン静翼の翼面、蒸気通路部の壁面、ノズルダイアフラムと壁面嵌合部等の狭隘部を分解することなく研磨が可能である。
【0078】
一方、前述した第1の実施形態乃至第3の実施形態の研磨方法により、耐食、耐摩耗コーティングを施してあるタービン動静翼、タービンロータ、その他のタービン部品の耐食、耐摩耗コーティング表面の表面粗さも回復、向上させることができる。
【0079】
耐食コーティングは、電気的、化学的腐食環境下における母材の腐食防止を目的として施工されており、特に地熱発電に供される蒸気タービン部材に多く適用されている。
【0080】
また、耐摩耗コーティングは、ボイラースケール等の固体粒子エロージョンによるもの、摺動、衝撃、振動等による機械的な減肉対策として、様々な材質が適用されている。
【0081】
大型部品のうち特にタービン部品のように複雑な形状部品に施工されたこれらのコーティングは、皮膜の欠落や剥離等を起こし易く、通常は皮膜層へのダメージも回避するため、施工後の皮膜に対しては表面粗さに対する処理は行われていない。
【0082】
しかし、第1の実施形態乃至第3の実施形態の研磨方法によれば、摩耗による減肉量が極めて少ないこと、被研磨面への物理的、機械的影響が小さいことから、複雑な形状でコーティング施工後のタービン部品であってもその表面粗さの改善を図ることができる。
【0083】
また、前述した第1の実施形態乃至第3の実施形態の研磨方法によれば、研磨粒の衝突効果により被研磨対象物の極表層部に圧縮応力を付与することが可能である。
【0084】
例えば、動翼の新製品部品において、従来では素材の機械加工後に形状の最終調整と表面の研磨を目的として主として回転工具による研磨を翼有効部全面に行っていた。このような従来の製作方法では、新製動翼有効部の極表層部に引張りの残留応力が残る。特に運転時の動翼には、タービンロータ回転に伴う遠心力による引張応力が常に負荷されるため、静止時にもこの引張の残留応力が残ることは、回転時の応力に対する余裕を無くすことになるため、設計上好ましくない。
【0085】
前述した第1の実施形態乃至第3の実施形態の研磨方法では、図5に示すように研磨工程において、研磨粒の衝突効果により残留応力のレベルは小さいものの、従来のピーニング効果に似た圧縮の残留応力を翼の表層部に与えることができる。
【0086】
さらに、前述した第1の実施形態乃至第3の実施形態の研磨方法において、被研面に付着、生成している硬質の酸化皮膜を除去すると共に、表面粗さを向上させることにより、非破壊検査の品質を向上させることができる。
【0087】
すなわち、運転に供されている蒸気タービンは、予め決められた一定期間毎に目的に応じて多種多様の非破壊検査を行っている。その中でも特に高温高圧下で使用される部品は、高度な検査技術と精度が要求されている。しかし、現状では運転中に付着、生成した硬質の酸化皮膜の除去が難しく、検査精度に限界があった。
【0088】
前述した第1の実施形態乃至第3の実施形態の研磨方法によれば、表面の酸化皮膜を除去すると同時に表面粗さを向上させることが可能であり、結果的に非破壊検査の品質向上を図ることができる。
【0089】
次に本発明の第4の実施形態について述べる。
【0090】
第4の実施形態では、前述した第1ないし第3の実施形態による研磨方法で特に代表的な大型部品であるタービン動静翼を研磨する際、後縁線に対しては略直交方向から研磨粒を投射、衝突させるものである。
【0091】
この第4の実施形態によれば、蒸気タービン動静翼の後縁線に略直交方向、すなわち蒸気の流れ方向に平行に研磨を行うことで、研磨による微細な傷(研磨痕)が蒸気の流れ方向と平行になり流体(蒸気)へ与える表面粗さの影響を最小限にすることができる。従って、同じ表面粗さにおいても、後縁線に略直交方向で研磨しなかった場合に比較して流体への抵抗が大きくなることを防止できる。
【0092】
ここで、本発明による大型部品の研磨方法により蒸気タービン動翼を研磨する場合の実施例について説明する。
【0093】
蒸気タービン動翼は、12Cr鋼の圧延若しくは鍛造の素材から動翼形状に削り出され、最終的な段階で表面研磨され、タービンロータに組み込まれる。この時、表面状態はRy6.3若しくはRy1.0程度に仕上げられる。
【0094】
従来技術による研磨では、3次元的な曲線を持つ翼の有効部を蒸気の流れ方向に沿って手研磨を行なうことで研磨による表面粗さの方向性を一定にしている。ここで言う方向性とは、直交する2方向の表面粗さを測定した場合に、表面粗さが最大になる方向を蒸気の流れ方向と直交させるような研磨である。即ち、蒸気の流れる方向に平行に研磨による傷(研磨痕)が存在するように研磨が行なわれていた。
【0095】
本発明による大型部品の研磨方法では、従来手法の研磨では避けられなかった研磨傷(研磨痕)がなくなること、研磨による被研磨面側の減肉量が極めて小さいことにより精密で高精度な表面研磨が可能となった。研磨傷(研磨痕)が無くなることは、研磨による方向性がなくなることを意味し、高度な技術を要する手作業による研磨作業への依存度を大きく低減させることが可能となる。
【0096】
また、研磨による被研磨面側の減肉量が極めて小さいことは、研磨を行なわない部分に対する養生を簡素化することができる。さらに、精密で高精度な表面研磨が可能であることは精密検査前の表面処理にも大きな効果をもたらすことができる。
【0097】
なお、上記各実施形態では主に蒸気タービンやガスタービンの主要部品であるタービンの動翼や静翼を研磨する場合を中心に説明したが、本発明による研磨方法の適用部品はこれに限らず、中型から大型の部品であれば特に限定しない。このような部品の例として回転駆動機器類の車軸回転部、油圧機器のピストンの外表面、鉄道車輪のレール接触面などが挙げられる。
【0098】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、研磨の難しかった大型部品の狭隘部、嵌合部を含む表面研磨を可能にし、しかも表面研磨面を悪化させることなく、表面に成長した酸化皮膜を除去することを可能にして非破壊検査の品質向上を図ることができる大型部品の研磨方法およびこの方法を用いた研磨粒を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による大型部品の研磨方法の第1および第2の実施形態を説明するための研磨粒の概略構成を示す断面図。
【図2】研磨材を被研磨面に衝突させて研磨効果を創出させるため原理を説明するための模式図。
【図3】本発明による大型部品の研磨方法の第1の実施形態を説明するための投射材速度と研磨効率の相関を示すグラフ。
【図4】本発明による大型部品の研磨方法の第3の実施形態を説明するための投射角度と研磨効率の相関を示すグラフ。
【図5】本発明による大型部品の研磨方法の第1乃至第3の実施形態において、研磨工程で研磨粒の衝突による翼表面からの深さ方向における残留応力分布を示すグラフ。
【図6】蒸気タービンのノズルダイヤフラムの半分(180°分)を示す斜視図。
【図7】蒸気タービン設備全体を概略的に示す断面図。
【図8】蒸気タービンの熱効率と蒸気通路部の表面粗さの相関を示すグラフ。
【符号の説明】
1…タービンロータ
1a…動翼
2…動翼
3…ノズルダイアフラム
4…ノズルダイアラム内輪
5…ノズルダイアフラム外輪
6…静翼
7…高圧タービン
8…中圧タービン
9…低圧タービン
10…クロスオーバ管
11…復水器
110…研磨粒
111…コア(投射材)
112…砥粒
113…被研磨面

Claims (8)

  1. 研磨材である砥粒が投射材の周囲に添付されたもしくはこの投射材の内部に分散した0.1mm以上10.0mm以下の粒状体の研磨粒を
    分速600m以上3,800m以下で
    単位面積当たり5〜300cm/cm・secなる量を
    被研磨面に吹き付けることにより、前記研磨粒がこの被研磨面上に衝突し、滑動することにより前記研磨粒に添付もしくは分散した砥粒が前記研磨面を研磨する
    ことを特徴とする大型部品の研磨方法。
  2. 前記投射材は
    比重が0.5〜1.8×10−3kg/cmで、
    弾性率が10〜200kg/cmである
    合成繊維、合成樹脂、合成ゴムなどで形成される石油化学系高分子材料もしくは天然ゴム、植物性繊維、植物性種子などで形成される天然素材からなる
    ことを特徴とする請求項1記載の大型部品の研磨方法。
  3. 前記研磨粒は、被研磨面の法線方向に対して30°〜80°の方向から吹き付けることを特徴とする請求項1または2記載の大型部品の研磨方法。
  4. 前記砥粒は、SiC、SiO、Al、ZrOのいずれかであることを特徴とする請求項1記載の大型部品の研磨方法。
  5. 請求項1、請求項2又は請求項4のいずれかに記載の大型部品の研磨方法において、前記投射材および前記砥粒は、少なくとも塩素、硫酸、シリカ、ホウ素、鉄、銅、ニッケル、クロム、コバルト以外の成分から構成されていることを特徴とする大型部品の研磨方法。
  6. 前記研磨粒は、核となる投射材の周囲にこの投射材自体が有する粘着力で研磨材である砥粒が添付されているか、この投射材周囲に弾性を有する接着材を塗布しこれを介して研磨材である砥粒が添付されているか、この投射材内に研磨材である砥粒を分散させ添付されているかのいずれかの方法で形成されていることを特徴とする請求項2記載の大型部品の研磨方法に用いる研磨粒。
  7. 前記砥粒は、SiC、SiO、Al、ZrOのいずれかであることを特徴とする請求項6記載の大型部品の研磨方法に用いる研磨粒。
  8. 前記投射材および前記砥粒は、少なくとも塩素、硫酸、シリカ、ホウ素、鉄、銅、ニッケル、クロム、コバルト以外の成分から構成されていることを特徴とする請求項6記載の大型部品の研磨方法に用いる研磨粒。
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