JP2004242028A - A/dコンバータとd/aコンバータの自己調整方法およびその自己調整装置 - Google Patents
A/dコンバータとd/aコンバータの自己調整方法およびその自己調整装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】複数のA/Dコンバータ及びD/Aコンバータを無線通信機等に使用する場合に、その出力レベルの誤差調整を外部回路を必要なしに自動で行う。
【解決手段】この発明は、A/Dコンバータ3、4間の出力レベルおよびD/Aコンバータ11、12の出力レベルの誤差調整を行うために、スイッチ1、2、出力レベル調整部5、入力レベル調整部10、及び調整部15を備えている。A/Dコンバータ3、4間の出力レベルの誤差調整を行う場合は、調整用データ生成部16からの調整用データが、入力レベル調整部10、1つのD/Aコンバータ12を経由して、A/Dコンバータ3、4、および出力レベル調整部5に供給されるようにする。レベル測定部5は、A/Dコンバータ3、4の各出力レベルを測定し、この測定レベルの誤差に応じて、調整制御部19は、出力レベル調整部5の出力レベルの調整を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】この発明は、A/Dコンバータ3、4間の出力レベルおよびD/Aコンバータ11、12の出力レベルの誤差調整を行うために、スイッチ1、2、出力レベル調整部5、入力レベル調整部10、及び調整部15を備えている。A/Dコンバータ3、4間の出力レベルの誤差調整を行う場合は、調整用データ生成部16からの調整用データが、入力レベル調整部10、1つのD/Aコンバータ12を経由して、A/Dコンバータ3、4、および出力レベル調整部5に供給されるようにする。レベル測定部5は、A/Dコンバータ3、4の各出力レベルを測定し、この測定レベルの誤差に応じて、調整制御部19は、出力レベル調整部5の出力レベルの調整を行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のA/Dコンバータおよび複数のD/Aコンバータとを有する複合装置に適用されるものであって、そのA/DコンバータとそのD/Aコンバータの自己調整方法およびその自己調整装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複数のA/Dコンバータおよび複数のD/Aコンバータを含む機器として、無線通信機などが知られている。
例えば、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing) 信号を送受信できる無線通信機では、復調器と変調器とを有している。そして、その復調器はアナログ形態のI信号とQ信号をそれぞれA/D変換する2個のA/Dコンバータを含み、その変調器はデジタル形態のI信号とQ信号をそれぞれD/A変換する2個のD/Aコンバータを含んでいる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、その2個のA/Dコンバータとその2個のD/Aコンバータには、それぞれ製造のばらつきがあり、このばらつきにより出力レベルなどに誤差が生じてしまう場合がある。
このため、その製造のばらつきによる出力レベルの誤差などの調整を行うために、A/DコンバータとD/Aコンバータの調整用の各外部回路を設け、この各外部回路を用いて所定の手順でA/DコンバータとD/Aコンバータの出力レベルの調整をそれぞれ行うようにしていた。
【0004】
しかし、このような従来の調整方法では、各外部回路が必要な上に、その調整に人手が必要であるという不都合があった。
そこで、本発明の目的は、複数のA/Dコンバータおよび複数のD/Aコンバータを無線通信機などに使用する場合に、その出力レベルの誤差調整を外部回路を必要とせずに自動で行うことができるようにした、A/DコンバータとD/Aコンバータの自己調整方法およびその自己調整装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決し本発明の目的を達成するために、各発明は、以下のように構成した。
即ち、第1の発明は、N(Nは2以上の整数)個のA/Dコンバータと、M(Mは、M=NまたはM<Nとする)個のD/Aコンバータとを有する複合装置において、前記M個のD/Aコンバータのうちの1つに調整用デジタル信号を入力してD/A変換させてアナログ信号を取得し、この取得したアナログ信号を前記N個のA/Dコンバータにそれぞれ入力させてA/D変換させて各デジタル信号を取得し、この取得した各デジタル信号のレベル差に基づいて前記N個のA/Dコンバータの入力レベルまたは出力レベルのうちの少なくとも一方を調整する第1のステップと、調整用デジタル信号を前記M個の各D/Aコンバータに入力してそれぞれD/A変換させて各アナログ信号を取得し、この取得した各アナログ信号を前記調整済みのN個のA/Dコンバータにそれぞれ入力させてA/D変換させて各デジタル信号を取得し、この取得した各デジタル信号のレベル差に基づいて前記M個のD/Aコンバータの入力レベルまたは出力レベルの少なくとも一方を調整をする第2のステップと、からなることを特徴とするものである。
【0006】
第2の発明は、N(Nは2以上の整数)個のA/Dコンバータと、M(Mは、M=NまたはM<Nとする)個のD/Aコンバータとを有する複合装置において、前記M個のD/Aコンバータのうちの1つに調整用デジタル信号を入力してD/A変換させてアナログ信号を取得し、この取得したアナログ信号を前記N個のA/Dコンバータにそれぞれ入力させてA/D変換させて各デジタル信号を取得し、この取得した各デジタル信号のレベル差に基づいて前記N個のA/Dコンバータの入力レベルまたは出力レベルのうちの少なくとも一方を調整し、この調整後、調整用デジタル信号を前記M個の各D/Aコンバータに入力してそれぞれD/A変換させて各アナログ信号を取得し、この取得した各アナログ信号を前記調整済みのN個のA/Dコンバータにそれぞれ入力させてA/D変換させて各デジタル信号を取得し、この取得した各デジタル信号のレベル差に基づいて前記M個のD/Aコンバータの入力レベルまたは出力レベルの少なくとも一方を調整をする調整手段を、備えたことを特徴とするものである。
【0007】
第3の発明は、N(Nは2以上の整数)個のA/Dコンバータと、M(Mは、M=NまたはM<Nとする)個のD/Aコンバータとを有する複合装置において、前記N個のA/Dコンバータの入力レベルまたは出力レベルのうちの少なくとも一方を調整する調整値をそれぞれ設定できる第1レベル調整手段と、前記M個のD/Aコンバータの入力レベルまたは出力レベルのうちの少なくとも一方を調整する調整値をそれぞれ設定できる第2レベル調整手段と、前記M個のD/Aコンバータの各出力側と前記N個のA/Dコンバータの各入力側との間の任意の接続を行うスイッチと、前記M個のD/Aコンバータのうちの所定の1つのD/Aコンバータの出力側と前記N個のA/Dコンバータの各入力側とがそれぞれ接続されるように前記スイッチを制御し、その後、前記1つのD/Aコンバータに調整用のデジタル信号を入力させて前記N個のA/Dコンバータの各出力レベルをそれぞれ測定し、その各測定値の差に応じて前記第1レベル調整手段の入力レベルまたは出力レベルのうちの少なくとも一方を調整する調整値を設定する第1調整制御手段と、前記M個のD/Aコンバータの各出力側と前記N個のA/Dコンバータの対応する各入力側とがそれぞれ接続されるように前記スイッチを制御し、その後、前記M個のD/Aコンバータに調整用のデジタル信号をそれぞれ入力させ、前記N個のA/Dコンバータの各出力レベルをそれぞれ測定し、その各測定値の差に応じて前記第2レベル調整手段の入力レベルまたは出力レベルのうちの少なくとも一方を調整する調整値を設定する第2調整制御手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0008】
第4の発明は、第2の発明または第3の発明において、前記複合装置は、OFDM信号を送受信できる無線通信機に設けられていることを特徴とするものである。
このように、本発明によれば、複数のA/Dコンバータおよび複数のD/Aコンバータを無線通信機などに使用する場合に、その出力レベルの誤差調整を外部回路を必要とせずに自動で行うことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態をOFDM信号を送受信できる無線通信機に適用したものである。
この第1実施形態に係る無線通信機は、図1に示すように、切換スイッチ1、2と、2個のA/Dコンバータ3、4と、出力レベル調整部5と、復調データ処理部6とで受信系の一部を構成している。ここで、切換スイッチ1、2と、A/Dコンバータ3、4とは、図示しない発振器や乗算器とで復調器の一部を構成している。
【0010】
このような構成の受信系は、OFDM信号を受信の際には、入力端子7、8から入力されるアナログ形態のI信号とQ信号が、A/Dコンバータ3、4でそれぞれA/D変換され、このA/D変換されたデジタルデータが出力レベル調整部5を経て復調データ処理部6で復調処理される。
また、この無線通信機は、図1に示すように、変調データ生成部9と、入力レベル調整部10と、図示しない発振器や乗算器と変調器の一部を構成する2個のD/Aコンバータ11、12とで送信系の一部を構成している。
【0011】
このような構成の送信系では、送信の際には、変調データ生成部9で生成されたデジタル形態の変調データが、入力レベル調整部10を経てD/Aコンバータ11、12でそれぞれD/A変換された各アナログ信号が出力端子13、14から出力される。
さらに、この無線通信機は、A/Dコンバータ3、4間の出力レベルの誤差調整と、D/Aコンバータ11、12間の出力レベルの誤差調整とを行うために、上記の切換スイッチ1、2、出力レベル調整部5および入力レベル調整部10の他に、調整部15を備えている。
【0012】
この調整部15は、図1に示すように、調整用データ生成部16と、レベル測定部17と、スイッチ切換制御部18と、調整制御部19とからなる。
なお、出力レベル調整部5と、復調データ処理部6と、変調データ生成部9と、入力レベル調整部10と、調整部15とによりベースバンド部を構成するようになっている。
【0013】
さらに詳述すると、切り換えスイッチ1は3つの端子1a、1b、1cを備え、スイッチ切換制御部18からのスイッチ切換信号により切り換え接点が端子1a、1b、1cのうちの1つと接続できるようになっており、通常は、図1に示すように切り換え接点が端子1aと接続されるようになっている。
同様に、切り換えスイッチ2は3つの端子2a、2b、2cを備え、スイッチ切換制御部18からのスイッチ切換信号により切り換え接点が端子2a、2b、2cのうちの1つと接続できるようになっており、通常は、図1に示すように切り換え接点が端子2aと接続されるようになっている。
【0014】
出力レベル調整部5は、A/Dコンバータ3、4間の出力レベルの誤差調整を行うものであり、その各出力レベルを調整する調整値が、調整制御部19によって設定されるようになっている。
この出力レベル調整部5は、例えば、A/Dコンバータ3、4から出力される各デジタル値に対してそれぞれ掛け算を行う2つの掛け算器からなる。そして、この2つの掛け算器は、その掛け算の際の各係数値がそれぞれ設定でき、かつ調整制御部19によりその各係数値が設定できるようになっている。
【0015】
入力レベル調整部10は、D/Aコンバータ11、12間の出力レベルの誤差調整をするためのものであり、そのD/Aコンバータ11、12の各入力レベルを調整する調整値が、調整制御部19によりそれぞれ設定できるようになっている。
この入力レベル調整部10は、例えば、D/Aコンバータ11、12に入力される各デジタル値に対してそれぞれ掛け算を行う2つの掛け算器からなる。そして、この2つの掛け算器は、その掛け算の際の各係数値がそれぞれ設定でき、かつ調整制御部19により、その各係数値が設定できるようになっている。
【0016】
調整用データ生成部16は、後述のように、A/Dコンバータ3、4間の出力レベルの誤差調整、およびD/Aコンバータ11、12間の出力レベルの誤差調整の際に、調整制御部19からの指示に基づいて所定の調整用データ(デジタルデータ)を生成して出力するものである。
レベル測定部17は、後述のように誤差調整の際に、A/Dコンバータ3、4の各出力レベルをそれぞれ測定するものであり、その各測定値は調整制御部19に供給されるようになっている。
【0017】
スイッチ切換制御部18は、後述のように誤差調整の際に、切り換えスイッチ1、2の各切り換え接点の切り換え制御を行うものであり、その切り換えは例えば調整制御部19からの指示に基づいて行うようになっている。
調整制御部19は、後述のように誤差調整の際に、各部の制御を行うものであり、例えばマイクロコンピュータで構成されるとともに、その制御手順を記憶するROMや各種のデータを記憶するRAMを含む。
【0018】
次に、このような構成からなる第1実施形態において、調整部15が行うA/Dコンバータ3、4間の出力レベルの誤差調整、およびD/Aコンバータ11、12間の出力レベルの誤差調整について説明する。
この誤差調整は、例えば、製品の製造/出荷時、ユーザの使用の際の電源投入時などに行うが、以下では電源投入時の場合について説明する。
【0019】
まず、A/Dコンバータ3、4間の出力レベルの誤差調整について、図1を参照して説明する。
この場合には、スイッチ切換制御部18からの切り換え制御信号により、切り換えスイッチ1の切り換え接点が端子1bの位置に切り換えられるとともに、切り換えスイッチ2の切り換え接点が端子2bの位置に切り換えられる。
【0020】
次に、調整用データ生成部16は、調整制御部19からの指示に基づいて所定の調整用データ(デジタルデータ)を生成する。この生成された調整用データは、入力レベル調整部10を経てD/Aコンバータ12のみに供給される。このとき、入力レベル調整部10には、調整制御部19により所定の調整値が設定されている。
【0021】
その調整用データは、D/Aコンバータ12でアナログ信号に変換される。この変換された各アナログ信号は、スイッチ1を経由してA/Dコンバータ3に供給されると同時に、スイッチ2を経由してA/Dコンバータ4に供給される。
その供給された各アナログ信号は、A/Dコンバータ3、4でデジタル信号にそれぞれ変換され、この変換された各デジタル信号は、出力レベル調整部5とレベル測定部17にそれぞれ供給される。レベル測定部17は、その各デジタル信号の各レベルをそれぞれ測定し、その各測定値を調整制御部19に供給する。
【0022】
調整制御部19は、その両デジタル信号の両レベルを比較し、その両レベル差に応じて、出力レベル調整部5の出力レベルの調整を行う。
例えば、出力レベル調整部5が、A/Dコンバータ3、4から出力される各デジタル値に対してそれぞれ掛け算を行う2つの掛け算器からなり、その掛け算の各係数値が設定できる場合には、その各係数値が調整制御部19により以下のように設定し、以後、その設定値に固定される。
【0023】
すなわち、調整制御部19は、その測定した両デジタル信号の両レベルが同じ場合には、予め決められている同一の係数値を、その2つの掛け算器に対してそれぞれ設定する。
一方、調整制御部19は、その測定した両デジタル信号の両レベルに差があるときには、その差に応じて予め決められている異なる各係数値を、その2つの掛け算器に対してそれぞれ設定し、以後、その設定値に固定される。
【0024】
ここで、両デジタル信号の両レベルの差に対応して、その2つの掛け算器に対して設定する各係数値は予め決められている。このため、そのレベル差と、これに対応する各係数値との関係を示すテーブルを予め作成しておけば、いわゆるテーブル処理により上記の処理を容易に実現できる。
このような処理の結果、A/Dコンバータ3、4から出力される各デジタル値に誤差があるような場合に、その誤差が出力レベル調整部5で調整されるので、誤差のないデジタル信号が復調データ処理部6に供給できる。
【0025】
次に、D/Aコンバータ11、12間の出力レベルの誤差調整について説明する。
この場合には、スイッチ切換制御部18からの切り換え制御信号により、切り換えスイッチ1の切り換え接点を端子1cの位置に切り換えるとともに、切り換えスイッチ2の切り換え接点を端子2bの位置のままとする。
【0026】
次に、調整用データ生成部16は、調整制御部19からの指示に基づいて所定の調整用データ(デジタルデータ)を生成する。この生成された調整用データは、入力レベル調整部10を経てD/Aコンバータ11、12にそれぞれ供給させる。このとき、入力レベル調整部10には、調整制御部19により所定の調整値が設定されている。
【0027】
その調整用データは、D/Aコンバータ11、12でアナログ信号にそれぞれ変換される。D/Aコンバータ11で変換されたアナログ信号は、スイッチ1を経由してA/Dコンバータ3に供給され、D/Aコンバータ12で変換されたアナログ信号は、スイッチ2を経由してA/Dコンバータ4に供給される。
その変換された各アナログ信号は、A/Dコンバータ3、4でデジタル信号にそれぞれ変換され、この変換された各デジタル信号は、出力レベル調整部5とレベル測定部17にそれぞれ供給される。レベル測定部17は、その各デジタル信号の各レベルをそれぞれ測定し、その各測定値を調整制御部19に供給する。
【0028】
調整制御部19は、その両デジタル信号の両レベルを比較し、その両レベル差に応じて、入力レベル調整部10の出力レベルの調整を行う。
例えば、入力レベル調整部10が、D/Aコンバータ11、12に入力される各デジタル値に対してそれぞれ掛け算を行う2つの掛け算器からなり、その掛け算の各係数値が設定できる場合には、その各係数値が調整制御部19により以下のように設定される。
【0029】
すなわち、調整制御部19は、その測定した両デジタル信号の両レベルが同じ場合には、予め決められている同一の係数値を、その2つの掛け算器に対してそれぞれ設定し、以後、その設定値に固定される。
一方、調整制御部19は、その測定した両デジタル信号の両レベルに差があるときには、その差に応じて予め決められている異なる各係数値を、その2つの掛け算器に対してそれぞれ設定し、以後、その設定値に固定される。
【0030】
このような処理の結果、D/Aコンバータ11、12の出力レベルに誤差があるような場合に、その誤差が入力レベル調整部10で調整されるので、D/Aコンバータ11、12から誤差のないアナログ信号が出力される。
以上説明したように、この第1実施形態によれば、A/Dコンバータ3、4間の出力レベルおよびD/Aコンバータ11、12間の出力レベルの誤差調整を、外部回路を必要とせずに自動的に行うことができる。
【0031】
図2は、本発明の第2実施形態をOFDM信号を送受信できる無線通信機に適用したものである。
この第2実施形態に係る無線通信機は、図2に示すように、切換スイッチ1、2と、可変利得増幅器21、22と、A/Dコンバータ3、4と、復調データ処理部6とで受信系の一部を構成している。
【0032】
ここで、この受信系と図1に示す第1実施形態に係る無線通信機の受信系との差異は、図1に示す出力レベル調整部5を可変利得増幅器21、22に置き換え、可変利得増幅器21、22でA/Dコンバータ3、4の入力レベルを調整するようにした点である。
また、この第2実施形態に係る無線通信機は、図2に示すように、変調データ生成部9と、D/Aコンバータ11、12と、可変利得増幅器23、24とで送信系の一部を構成している。
【0033】
ここで、この送信系と図1に示す第1実施形態に係る無線通信機の送信系との差異は、図1に示す入力レベル調整部10を可変利得増幅器23、24に置き換え、可変利得増幅器23、24でD/Aコンバータ11、12の出力レベルを調整するようにした点である。
そして、この無線通信機では、A/Dコンバータ3、4間の出力レベルの誤差調整と、D/Aコンバータ11、12間の出力レベルの誤差調整とを行うために、上記の切換スイッチ1、2、および可変利得増幅器21〜24の他に、調整部15Aを備えている。
【0034】
この調整部15Aは、図2に示すように、調整用データ生成部16と、レベル測定部17と、スイッチ切換制御部18と、調整制御部19Aとからなる。
可変利得増幅器21、22は、A/Dコンバータ3、4間の出力レベルの誤差調整を行うものであり、調整制御部19Aによる利得制御により、そのA/Dコンバータ3、4の入力レベルが調整されて結果的にその出力レベルが調整されるようになっている。
【0035】
可変利得増幅器21、22は、D/Aコンバータ11、12間の出力レベルの誤差調整を行うものであり、調整制御部19Aによる利得制御により、そのD/Aコンバータ11、12の各出力レベルが調整できるようになっている。
調整用データ生成部16は、後述のように、A/Dコンバータ3、4間の出力レベルの誤差調整、およびD/Aコンバータ11、12間の出力レベルの誤差調整の際に、調整制御部19Aからの指示に基づいて所定の調整用データ(デジタルデータ)を生成して出力するものである。
【0036】
レベル測定部17は、後述のように誤差調整の際に、A/Dコンバータ3、4の各出力レベルをそれぞれ測定するものであり、その各測定値は調整制御部19Aに供給されるようになっている。
スイッチ切換制御部18は、後述のように誤差調整の際に、切り換えスイッチ1、2の各切り換え接点の切り換え制御を行うものであり、その切り換えは例えば調整制御部19Aからの指示に基づいて行うようになっている。
【0037】
調整制御部19Aは、後述のように誤差調整の際に、各部の制御を行うものであり、例えばマイクロコンピュータで構成されるとともに、その制御手順を記憶するROMや各種のデータを記憶するRAMを含む。
次に、このような構成からなる第2実施形態において、調整部15Aが行うA/Dコンバータ3、4間の出力レベルの誤差調整、およびD/Aコンバータ11、12間の出力レベルの誤差調整について説明する。
【0038】
この誤差調整は、例えば、製品の製造/出荷時、ユーザの使用の際の電源投入時などに行うが、以下では電源投入時の場合について説明する。
まず、A/Dコンバータ3、4間の出力レベルの誤差調整について、図2を参照して説明する。
この場合には、スイッチ切換制御部18からの切り換え制御信号により、例えば切り換えスイッチ1の切り換え接点が端子1bの位置に切り換えられるとともに、切り換えスイッチ2の切り換え接点が端子2bの位置に切り換えられる。
【0039】
次に、調整用データ生成部16は、調整制御部19Aからの指示に基づいて所定の調整用データ(デジタルデータ)を生成する。この生成された調整用データは、D/Aコンバータ12のみに供給されてアナログ信号に変換される。
この変換されたアナログ信号は、可変利得増幅器24を経由したのち、スイッチ1を経由してA/Dコンバータ3に供給されると同時に、スイッチ2を経由してA/Dコンバータ4に供給される。この時には、可変利得増幅器24の利得は、調整制御部19Aにより所定値に設定されている。
【0040】
その供給された各アナログ信号は、A/Dコンバータ3、4でデジタル信号にそれぞれ変換され、この変換された各デジタル信号は復調データ処理部6に出力されると同時にレベル測定部17に供給される。レベル測定部17は、その各デジタル信号の各レベルをそれぞれ測定し、その各測定値を調整制御部19Aに供給する。
【0041】
調整制御部19Aは、その測定した両デジタル信号の両レベルを比較し、その両レベル差に応じて、可変利得増幅器21、24の利得を制御する。
すなわち、調整制御部19Aは、その測定した両デジタル信号の両レベルが同じ場合には、予め決められている同一の利得値(ゲイン)を、可変利得増幅器21、22にそれぞれ設定し、以後、その設定値を固定させる。
【0042】
一方、調整制御部19Aは、その測定した両デジタル信号の両レベルに差があるときには、その差に応じて予め決められている異なる各利得値を、可変利得増幅器23、24にそれぞれ設定し、以後、その設定値を固定させる。
このような処理の結果、A/Dコンバータ3、4から出力される各デジタル値に誤差があるような場合に、その誤差が可変利得増幅器21、22で調整されるので、誤差のないデジタル信号が復調データ処理部6に供給できる。
【0043】
次に、D/Aコンバータ11、12間の出力レベルの誤差調整について説明する。
この場合には、スイッチ切換制御部18からの切り換え制御信号により、例えば、切り換えスイッチ1の切り換え接点を端子1cの位置に切り換えるとともに、切り換えスイッチ2の切り換え接点を端子2bの位置のままとする。
【0044】
次に、調整用データ生成部16は、調整制御部19Aからの指示に基づいて所定の調整用データ(デジタルデータ)を生成する。この生成された調整用データは、D/Aコンバータ11、12にそれぞれ供給される。
その調整用データは、D/Aコンバータ11、12でアナログ信号にそれぞれ変換される。D/Aコンバータ11でD/A変換されたアナログ信号は、可変利得増幅器23およびスイッチ1を経由してA/Dコンバータ3に供給される。また、D/Aコンバータ12でD/A変換されたアナログ信号は、可変利得増幅器24およびスイッチ2を経由してA/Dコンバータ4に供給される。この時には、可変利得増幅器23、24の各利得は、調整制御部19Aにより所定値にそれぞれ設定されている。
【0045】
その変換された各アナログ信号は、A/Dコンバータ3、4でデジタル信号にそれぞれ変換され、この変換された各デジタル信号は復調データ処理部6に出力されると同時にレベル測定部17に供給される。レベル測定部17は、その各デジタル信号の各レベルをそれぞれ測定し、その各測定値を調整制御部19Aに供給する。
【0046】
調整制御部19Aは、その両デジタル信号の両レベルを比較し、その両レベル差に応じて、可変利得増幅器23、24の利得の調整を行う。
すなわち、調整制御部19Aは、その測定した両デジタル信号の両レベルが同じ場合には、予め決められている同一の利得値(ゲイン)を、可変利得増幅器23、24にそれぞれ設定し、以後、その設定値を固定させる。
【0047】
一方、調整制御部19Aは、その測定した両デジタル信号の両レベルに差があるときには、その差に応じて予め決められている異なる各利得値を、可変利得増幅器23、24にそれぞれ設定し、以後、その設定値を固定させる。
このような処理の結果、D/Aコンバータ11、12の出力レベルに誤差があるような場合に、その誤差が可変利得増幅器23、24で調整されるので、可変利得増幅器23、24から誤差のないアナログ信号が出力されることになる。
【0048】
以上説明したように、この第2実施形態によれば、A/Dコンバータ3、4間の出力レベルおよびD/Aコンバータ11、12間の出力レベルの誤差調整を、外部回路を必要とせずに自動的に行うことができる。
図3は、本発明の第3実施形態をOFDM信号を送受信できる無線通信機に適用したものである。
【0049】
この第3実施形態に係る無線通信機は、図1に示す第1実施形態に係る無線通信機とその基本的な構成を同一とし、さらに以下の構成要素を追加するようにしたものである。
すなわち、この第3実施形態に係る無線通信機は、図3に示すように、D/Aコンバータ11、12の各出力側にコンデンサC1、C2をそれぞれ設け、D/Aコンバータ11、12の各出力信号から直流成分をカットし、この直流成分をカットした出力信号を、出力端子17、18から取り出すことができるようにするとともにA/Dコンバータ3、4に供給できるようにした。
【0050】
なお、この第3実施形態に係る無線通信機の他の部分の構成は、図1に示す第1実施形態に係る無線通信機の構成と同一であるので、同一の構成要素には同一符号を付してその説明は省略する。
このような構成からなる第3実施形態では、第1実施形態と同様に、調整部15が、A/Dコンバータ3、4間の出力レベルの誤差調整、およびD/Aコンバータ11、12間の出力レベルの誤差調整を行う。
【0051】
しかし、この第3実施形態の誤差調整の場合には、D/Aコンバータ11、12でA/D変換された各変換信号中の直流成分がコンデンサC1、C2によりカットされ、その直流成分がカットされたアナログ信号がA/Dコンバータ3、4に供給される。このため、第3実施形態によれば、上記の誤差調整の精度を向上させることができる。
【0052】
次に、本発明の第4実施形態をOFDM信号を送受信できる無線通信機に適用した場合について、図2を参照して説明する。
この第4実施形態に係る無線通信機は、図2に示す第1実施形態に係る無線通信機とその基本的な構成を同一とし、さらに以下の構成要素を追加するようにしたものである。
【0053】
すなわち、この第4実施形態に係る無線通信機は、図2に示すD/Aコンバータ11、12の各出力側にコンデンサ(図示せず)をそれぞれ設け、D/Aコンバータ11、12の各出力信号から直流成分をカットし、この直流成分をカットした出力信号を、出力端子17、18から取り出すことができるようにするとともにA/Dコンバータ3、4に供給できるようにした。
【0054】
このような構成からなる第4実施形態では、第2実施形態と同様に、調整部15Aが、可変利得増幅器21〜24の利得の調整を行う。
しかし、この第4実施形態の誤差調整の場合には、D/Aコンバータ11、12でA/D変換された各変換信号中の直流成分がコンデンサ(図示せず)によりカットされ、その直流成分がカットされたアナログ信号がA/Dコンバータ3、4に供給される。このため、第4実施形態によれば、上記の誤差調整の精度を向上させることができる。
【0055】
なお、上記の各実施形態では、A/Dコンバータ3、4間の出力レベルの誤差調整、およびD/Aコンバータ11、12間の出力レベルの誤差調整をユーザの使用の際の電源投入時に行う場合について説明した。しかし、その誤差調整は、製品の製造/出荷時に行うこともできる。
この場合には、その誤差調整は、上記の場合と同様に行うが、その誤差調整の際に得られる出力レベル調整部5や入力レベル調整部10に設定される各設定値を、その誤差調整の終了後に不揮発性メモリに記憶しておく必要がある。そして、ユーザが使用の際の電源投入時には、その不揮発性メモリに記憶されている各設定値を出力レベル調整部5や入力レベル調整部10に設定するようにすれば良い。
【0056】
また、上記の各実施形態では、A/DコンバータおよびD/Aコンバータがそれぞれ2個の場合について説明した。
しかし、本発明では、A/DコンバータとD/Aコンバータは、それぞれ2個以上でも良い。その場合には、A/Dコンバータの個数をN個、D/Aコンバータの個数をM個とした場合に、N=MまたはN>Mの関係を満たせば良い。
【0057】
また、上記の各実施形態では、A/Dコンバータ3、4間の出力レベルおよびD/Aコンバータ11、12間の出力レベルの誤差調整を、その入力側のレベルまたは出力側のレベルのいずれか一方を調整して行うようにした。しかし、これに代えて入力側と出力側の双方のレベルを調整して行うようにしても良い。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数のA/Dコンバータおよび複数のD/Aコンバータを無線通信機などに使用する場合に、その出力レベルの誤差調整を外部回路を必要とせずに自動で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を無線通信機に適用した場合の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第2実施形態を無線通信機に適用した場合の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第3実施形態を無線通信機に適用した場合の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1、2は切換スイッチ、3、4はA/Dコンバータ、5は出力レベル調整部、6は復調データ処理部、9は変調データ生成部、10は入力レベル調整部、11、12はD/Aコンバータ、15、15Aは調整部、16は調整用データ生成部、17はレベル測定部、18はスイッチ切換制御部、19、19Aは調整制御部、21〜24は可変利得増幅器、C1、C2はコンデンサである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のA/Dコンバータおよび複数のD/Aコンバータとを有する複合装置に適用されるものであって、そのA/DコンバータとそのD/Aコンバータの自己調整方法およびその自己調整装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複数のA/Dコンバータおよび複数のD/Aコンバータを含む機器として、無線通信機などが知られている。
例えば、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing) 信号を送受信できる無線通信機では、復調器と変調器とを有している。そして、その復調器はアナログ形態のI信号とQ信号をそれぞれA/D変換する2個のA/Dコンバータを含み、その変調器はデジタル形態のI信号とQ信号をそれぞれD/A変換する2個のD/Aコンバータを含んでいる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、その2個のA/Dコンバータとその2個のD/Aコンバータには、それぞれ製造のばらつきがあり、このばらつきにより出力レベルなどに誤差が生じてしまう場合がある。
このため、その製造のばらつきによる出力レベルの誤差などの調整を行うために、A/DコンバータとD/Aコンバータの調整用の各外部回路を設け、この各外部回路を用いて所定の手順でA/DコンバータとD/Aコンバータの出力レベルの調整をそれぞれ行うようにしていた。
【0004】
しかし、このような従来の調整方法では、各外部回路が必要な上に、その調整に人手が必要であるという不都合があった。
そこで、本発明の目的は、複数のA/Dコンバータおよび複数のD/Aコンバータを無線通信機などに使用する場合に、その出力レベルの誤差調整を外部回路を必要とせずに自動で行うことができるようにした、A/DコンバータとD/Aコンバータの自己調整方法およびその自己調整装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決し本発明の目的を達成するために、各発明は、以下のように構成した。
即ち、第1の発明は、N(Nは2以上の整数)個のA/Dコンバータと、M(Mは、M=NまたはM<Nとする)個のD/Aコンバータとを有する複合装置において、前記M個のD/Aコンバータのうちの1つに調整用デジタル信号を入力してD/A変換させてアナログ信号を取得し、この取得したアナログ信号を前記N個のA/Dコンバータにそれぞれ入力させてA/D変換させて各デジタル信号を取得し、この取得した各デジタル信号のレベル差に基づいて前記N個のA/Dコンバータの入力レベルまたは出力レベルのうちの少なくとも一方を調整する第1のステップと、調整用デジタル信号を前記M個の各D/Aコンバータに入力してそれぞれD/A変換させて各アナログ信号を取得し、この取得した各アナログ信号を前記調整済みのN個のA/Dコンバータにそれぞれ入力させてA/D変換させて各デジタル信号を取得し、この取得した各デジタル信号のレベル差に基づいて前記M個のD/Aコンバータの入力レベルまたは出力レベルの少なくとも一方を調整をする第2のステップと、からなることを特徴とするものである。
【0006】
第2の発明は、N(Nは2以上の整数)個のA/Dコンバータと、M(Mは、M=NまたはM<Nとする)個のD/Aコンバータとを有する複合装置において、前記M個のD/Aコンバータのうちの1つに調整用デジタル信号を入力してD/A変換させてアナログ信号を取得し、この取得したアナログ信号を前記N個のA/Dコンバータにそれぞれ入力させてA/D変換させて各デジタル信号を取得し、この取得した各デジタル信号のレベル差に基づいて前記N個のA/Dコンバータの入力レベルまたは出力レベルのうちの少なくとも一方を調整し、この調整後、調整用デジタル信号を前記M個の各D/Aコンバータに入力してそれぞれD/A変換させて各アナログ信号を取得し、この取得した各アナログ信号を前記調整済みのN個のA/Dコンバータにそれぞれ入力させてA/D変換させて各デジタル信号を取得し、この取得した各デジタル信号のレベル差に基づいて前記M個のD/Aコンバータの入力レベルまたは出力レベルの少なくとも一方を調整をする調整手段を、備えたことを特徴とするものである。
【0007】
第3の発明は、N(Nは2以上の整数)個のA/Dコンバータと、M(Mは、M=NまたはM<Nとする)個のD/Aコンバータとを有する複合装置において、前記N個のA/Dコンバータの入力レベルまたは出力レベルのうちの少なくとも一方を調整する調整値をそれぞれ設定できる第1レベル調整手段と、前記M個のD/Aコンバータの入力レベルまたは出力レベルのうちの少なくとも一方を調整する調整値をそれぞれ設定できる第2レベル調整手段と、前記M個のD/Aコンバータの各出力側と前記N個のA/Dコンバータの各入力側との間の任意の接続を行うスイッチと、前記M個のD/Aコンバータのうちの所定の1つのD/Aコンバータの出力側と前記N個のA/Dコンバータの各入力側とがそれぞれ接続されるように前記スイッチを制御し、その後、前記1つのD/Aコンバータに調整用のデジタル信号を入力させて前記N個のA/Dコンバータの各出力レベルをそれぞれ測定し、その各測定値の差に応じて前記第1レベル調整手段の入力レベルまたは出力レベルのうちの少なくとも一方を調整する調整値を設定する第1調整制御手段と、前記M個のD/Aコンバータの各出力側と前記N個のA/Dコンバータの対応する各入力側とがそれぞれ接続されるように前記スイッチを制御し、その後、前記M個のD/Aコンバータに調整用のデジタル信号をそれぞれ入力させ、前記N個のA/Dコンバータの各出力レベルをそれぞれ測定し、その各測定値の差に応じて前記第2レベル調整手段の入力レベルまたは出力レベルのうちの少なくとも一方を調整する調整値を設定する第2調整制御手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0008】
第4の発明は、第2の発明または第3の発明において、前記複合装置は、OFDM信号を送受信できる無線通信機に設けられていることを特徴とするものである。
このように、本発明によれば、複数のA/Dコンバータおよび複数のD/Aコンバータを無線通信機などに使用する場合に、その出力レベルの誤差調整を外部回路を必要とせずに自動で行うことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態をOFDM信号を送受信できる無線通信機に適用したものである。
この第1実施形態に係る無線通信機は、図1に示すように、切換スイッチ1、2と、2個のA/Dコンバータ3、4と、出力レベル調整部5と、復調データ処理部6とで受信系の一部を構成している。ここで、切換スイッチ1、2と、A/Dコンバータ3、4とは、図示しない発振器や乗算器とで復調器の一部を構成している。
【0010】
このような構成の受信系は、OFDM信号を受信の際には、入力端子7、8から入力されるアナログ形態のI信号とQ信号が、A/Dコンバータ3、4でそれぞれA/D変換され、このA/D変換されたデジタルデータが出力レベル調整部5を経て復調データ処理部6で復調処理される。
また、この無線通信機は、図1に示すように、変調データ生成部9と、入力レベル調整部10と、図示しない発振器や乗算器と変調器の一部を構成する2個のD/Aコンバータ11、12とで送信系の一部を構成している。
【0011】
このような構成の送信系では、送信の際には、変調データ生成部9で生成されたデジタル形態の変調データが、入力レベル調整部10を経てD/Aコンバータ11、12でそれぞれD/A変換された各アナログ信号が出力端子13、14から出力される。
さらに、この無線通信機は、A/Dコンバータ3、4間の出力レベルの誤差調整と、D/Aコンバータ11、12間の出力レベルの誤差調整とを行うために、上記の切換スイッチ1、2、出力レベル調整部5および入力レベル調整部10の他に、調整部15を備えている。
【0012】
この調整部15は、図1に示すように、調整用データ生成部16と、レベル測定部17と、スイッチ切換制御部18と、調整制御部19とからなる。
なお、出力レベル調整部5と、復調データ処理部6と、変調データ生成部9と、入力レベル調整部10と、調整部15とによりベースバンド部を構成するようになっている。
【0013】
さらに詳述すると、切り換えスイッチ1は3つの端子1a、1b、1cを備え、スイッチ切換制御部18からのスイッチ切換信号により切り換え接点が端子1a、1b、1cのうちの1つと接続できるようになっており、通常は、図1に示すように切り換え接点が端子1aと接続されるようになっている。
同様に、切り換えスイッチ2は3つの端子2a、2b、2cを備え、スイッチ切換制御部18からのスイッチ切換信号により切り換え接点が端子2a、2b、2cのうちの1つと接続できるようになっており、通常は、図1に示すように切り換え接点が端子2aと接続されるようになっている。
【0014】
出力レベル調整部5は、A/Dコンバータ3、4間の出力レベルの誤差調整を行うものであり、その各出力レベルを調整する調整値が、調整制御部19によって設定されるようになっている。
この出力レベル調整部5は、例えば、A/Dコンバータ3、4から出力される各デジタル値に対してそれぞれ掛け算を行う2つの掛け算器からなる。そして、この2つの掛け算器は、その掛け算の際の各係数値がそれぞれ設定でき、かつ調整制御部19によりその各係数値が設定できるようになっている。
【0015】
入力レベル調整部10は、D/Aコンバータ11、12間の出力レベルの誤差調整をするためのものであり、そのD/Aコンバータ11、12の各入力レベルを調整する調整値が、調整制御部19によりそれぞれ設定できるようになっている。
この入力レベル調整部10は、例えば、D/Aコンバータ11、12に入力される各デジタル値に対してそれぞれ掛け算を行う2つの掛け算器からなる。そして、この2つの掛け算器は、その掛け算の際の各係数値がそれぞれ設定でき、かつ調整制御部19により、その各係数値が設定できるようになっている。
【0016】
調整用データ生成部16は、後述のように、A/Dコンバータ3、4間の出力レベルの誤差調整、およびD/Aコンバータ11、12間の出力レベルの誤差調整の際に、調整制御部19からの指示に基づいて所定の調整用データ(デジタルデータ)を生成して出力するものである。
レベル測定部17は、後述のように誤差調整の際に、A/Dコンバータ3、4の各出力レベルをそれぞれ測定するものであり、その各測定値は調整制御部19に供給されるようになっている。
【0017】
スイッチ切換制御部18は、後述のように誤差調整の際に、切り換えスイッチ1、2の各切り換え接点の切り換え制御を行うものであり、その切り換えは例えば調整制御部19からの指示に基づいて行うようになっている。
調整制御部19は、後述のように誤差調整の際に、各部の制御を行うものであり、例えばマイクロコンピュータで構成されるとともに、その制御手順を記憶するROMや各種のデータを記憶するRAMを含む。
【0018】
次に、このような構成からなる第1実施形態において、調整部15が行うA/Dコンバータ3、4間の出力レベルの誤差調整、およびD/Aコンバータ11、12間の出力レベルの誤差調整について説明する。
この誤差調整は、例えば、製品の製造/出荷時、ユーザの使用の際の電源投入時などに行うが、以下では電源投入時の場合について説明する。
【0019】
まず、A/Dコンバータ3、4間の出力レベルの誤差調整について、図1を参照して説明する。
この場合には、スイッチ切換制御部18からの切り換え制御信号により、切り換えスイッチ1の切り換え接点が端子1bの位置に切り換えられるとともに、切り換えスイッチ2の切り換え接点が端子2bの位置に切り換えられる。
【0020】
次に、調整用データ生成部16は、調整制御部19からの指示に基づいて所定の調整用データ(デジタルデータ)を生成する。この生成された調整用データは、入力レベル調整部10を経てD/Aコンバータ12のみに供給される。このとき、入力レベル調整部10には、調整制御部19により所定の調整値が設定されている。
【0021】
その調整用データは、D/Aコンバータ12でアナログ信号に変換される。この変換された各アナログ信号は、スイッチ1を経由してA/Dコンバータ3に供給されると同時に、スイッチ2を経由してA/Dコンバータ4に供給される。
その供給された各アナログ信号は、A/Dコンバータ3、4でデジタル信号にそれぞれ変換され、この変換された各デジタル信号は、出力レベル調整部5とレベル測定部17にそれぞれ供給される。レベル測定部17は、その各デジタル信号の各レベルをそれぞれ測定し、その各測定値を調整制御部19に供給する。
【0022】
調整制御部19は、その両デジタル信号の両レベルを比較し、その両レベル差に応じて、出力レベル調整部5の出力レベルの調整を行う。
例えば、出力レベル調整部5が、A/Dコンバータ3、4から出力される各デジタル値に対してそれぞれ掛け算を行う2つの掛け算器からなり、その掛け算の各係数値が設定できる場合には、その各係数値が調整制御部19により以下のように設定し、以後、その設定値に固定される。
【0023】
すなわち、調整制御部19は、その測定した両デジタル信号の両レベルが同じ場合には、予め決められている同一の係数値を、その2つの掛け算器に対してそれぞれ設定する。
一方、調整制御部19は、その測定した両デジタル信号の両レベルに差があるときには、その差に応じて予め決められている異なる各係数値を、その2つの掛け算器に対してそれぞれ設定し、以後、その設定値に固定される。
【0024】
ここで、両デジタル信号の両レベルの差に対応して、その2つの掛け算器に対して設定する各係数値は予め決められている。このため、そのレベル差と、これに対応する各係数値との関係を示すテーブルを予め作成しておけば、いわゆるテーブル処理により上記の処理を容易に実現できる。
このような処理の結果、A/Dコンバータ3、4から出力される各デジタル値に誤差があるような場合に、その誤差が出力レベル調整部5で調整されるので、誤差のないデジタル信号が復調データ処理部6に供給できる。
【0025】
次に、D/Aコンバータ11、12間の出力レベルの誤差調整について説明する。
この場合には、スイッチ切換制御部18からの切り換え制御信号により、切り換えスイッチ1の切り換え接点を端子1cの位置に切り換えるとともに、切り換えスイッチ2の切り換え接点を端子2bの位置のままとする。
【0026】
次に、調整用データ生成部16は、調整制御部19からの指示に基づいて所定の調整用データ(デジタルデータ)を生成する。この生成された調整用データは、入力レベル調整部10を経てD/Aコンバータ11、12にそれぞれ供給させる。このとき、入力レベル調整部10には、調整制御部19により所定の調整値が設定されている。
【0027】
その調整用データは、D/Aコンバータ11、12でアナログ信号にそれぞれ変換される。D/Aコンバータ11で変換されたアナログ信号は、スイッチ1を経由してA/Dコンバータ3に供給され、D/Aコンバータ12で変換されたアナログ信号は、スイッチ2を経由してA/Dコンバータ4に供給される。
その変換された各アナログ信号は、A/Dコンバータ3、4でデジタル信号にそれぞれ変換され、この変換された各デジタル信号は、出力レベル調整部5とレベル測定部17にそれぞれ供給される。レベル測定部17は、その各デジタル信号の各レベルをそれぞれ測定し、その各測定値を調整制御部19に供給する。
【0028】
調整制御部19は、その両デジタル信号の両レベルを比較し、その両レベル差に応じて、入力レベル調整部10の出力レベルの調整を行う。
例えば、入力レベル調整部10が、D/Aコンバータ11、12に入力される各デジタル値に対してそれぞれ掛け算を行う2つの掛け算器からなり、その掛け算の各係数値が設定できる場合には、その各係数値が調整制御部19により以下のように設定される。
【0029】
すなわち、調整制御部19は、その測定した両デジタル信号の両レベルが同じ場合には、予め決められている同一の係数値を、その2つの掛け算器に対してそれぞれ設定し、以後、その設定値に固定される。
一方、調整制御部19は、その測定した両デジタル信号の両レベルに差があるときには、その差に応じて予め決められている異なる各係数値を、その2つの掛け算器に対してそれぞれ設定し、以後、その設定値に固定される。
【0030】
このような処理の結果、D/Aコンバータ11、12の出力レベルに誤差があるような場合に、その誤差が入力レベル調整部10で調整されるので、D/Aコンバータ11、12から誤差のないアナログ信号が出力される。
以上説明したように、この第1実施形態によれば、A/Dコンバータ3、4間の出力レベルおよびD/Aコンバータ11、12間の出力レベルの誤差調整を、外部回路を必要とせずに自動的に行うことができる。
【0031】
図2は、本発明の第2実施形態をOFDM信号を送受信できる無線通信機に適用したものである。
この第2実施形態に係る無線通信機は、図2に示すように、切換スイッチ1、2と、可変利得増幅器21、22と、A/Dコンバータ3、4と、復調データ処理部6とで受信系の一部を構成している。
【0032】
ここで、この受信系と図1に示す第1実施形態に係る無線通信機の受信系との差異は、図1に示す出力レベル調整部5を可変利得増幅器21、22に置き換え、可変利得増幅器21、22でA/Dコンバータ3、4の入力レベルを調整するようにした点である。
また、この第2実施形態に係る無線通信機は、図2に示すように、変調データ生成部9と、D/Aコンバータ11、12と、可変利得増幅器23、24とで送信系の一部を構成している。
【0033】
ここで、この送信系と図1に示す第1実施形態に係る無線通信機の送信系との差異は、図1に示す入力レベル調整部10を可変利得増幅器23、24に置き換え、可変利得増幅器23、24でD/Aコンバータ11、12の出力レベルを調整するようにした点である。
そして、この無線通信機では、A/Dコンバータ3、4間の出力レベルの誤差調整と、D/Aコンバータ11、12間の出力レベルの誤差調整とを行うために、上記の切換スイッチ1、2、および可変利得増幅器21〜24の他に、調整部15Aを備えている。
【0034】
この調整部15Aは、図2に示すように、調整用データ生成部16と、レベル測定部17と、スイッチ切換制御部18と、調整制御部19Aとからなる。
可変利得増幅器21、22は、A/Dコンバータ3、4間の出力レベルの誤差調整を行うものであり、調整制御部19Aによる利得制御により、そのA/Dコンバータ3、4の入力レベルが調整されて結果的にその出力レベルが調整されるようになっている。
【0035】
可変利得増幅器21、22は、D/Aコンバータ11、12間の出力レベルの誤差調整を行うものであり、調整制御部19Aによる利得制御により、そのD/Aコンバータ11、12の各出力レベルが調整できるようになっている。
調整用データ生成部16は、後述のように、A/Dコンバータ3、4間の出力レベルの誤差調整、およびD/Aコンバータ11、12間の出力レベルの誤差調整の際に、調整制御部19Aからの指示に基づいて所定の調整用データ(デジタルデータ)を生成して出力するものである。
【0036】
レベル測定部17は、後述のように誤差調整の際に、A/Dコンバータ3、4の各出力レベルをそれぞれ測定するものであり、その各測定値は調整制御部19Aに供給されるようになっている。
スイッチ切換制御部18は、後述のように誤差調整の際に、切り換えスイッチ1、2の各切り換え接点の切り換え制御を行うものであり、その切り換えは例えば調整制御部19Aからの指示に基づいて行うようになっている。
【0037】
調整制御部19Aは、後述のように誤差調整の際に、各部の制御を行うものであり、例えばマイクロコンピュータで構成されるとともに、その制御手順を記憶するROMや各種のデータを記憶するRAMを含む。
次に、このような構成からなる第2実施形態において、調整部15Aが行うA/Dコンバータ3、4間の出力レベルの誤差調整、およびD/Aコンバータ11、12間の出力レベルの誤差調整について説明する。
【0038】
この誤差調整は、例えば、製品の製造/出荷時、ユーザの使用の際の電源投入時などに行うが、以下では電源投入時の場合について説明する。
まず、A/Dコンバータ3、4間の出力レベルの誤差調整について、図2を参照して説明する。
この場合には、スイッチ切換制御部18からの切り換え制御信号により、例えば切り換えスイッチ1の切り換え接点が端子1bの位置に切り換えられるとともに、切り換えスイッチ2の切り換え接点が端子2bの位置に切り換えられる。
【0039】
次に、調整用データ生成部16は、調整制御部19Aからの指示に基づいて所定の調整用データ(デジタルデータ)を生成する。この生成された調整用データは、D/Aコンバータ12のみに供給されてアナログ信号に変換される。
この変換されたアナログ信号は、可変利得増幅器24を経由したのち、スイッチ1を経由してA/Dコンバータ3に供給されると同時に、スイッチ2を経由してA/Dコンバータ4に供給される。この時には、可変利得増幅器24の利得は、調整制御部19Aにより所定値に設定されている。
【0040】
その供給された各アナログ信号は、A/Dコンバータ3、4でデジタル信号にそれぞれ変換され、この変換された各デジタル信号は復調データ処理部6に出力されると同時にレベル測定部17に供給される。レベル測定部17は、その各デジタル信号の各レベルをそれぞれ測定し、その各測定値を調整制御部19Aに供給する。
【0041】
調整制御部19Aは、その測定した両デジタル信号の両レベルを比較し、その両レベル差に応じて、可変利得増幅器21、24の利得を制御する。
すなわち、調整制御部19Aは、その測定した両デジタル信号の両レベルが同じ場合には、予め決められている同一の利得値(ゲイン)を、可変利得増幅器21、22にそれぞれ設定し、以後、その設定値を固定させる。
【0042】
一方、調整制御部19Aは、その測定した両デジタル信号の両レベルに差があるときには、その差に応じて予め決められている異なる各利得値を、可変利得増幅器23、24にそれぞれ設定し、以後、その設定値を固定させる。
このような処理の結果、A/Dコンバータ3、4から出力される各デジタル値に誤差があるような場合に、その誤差が可変利得増幅器21、22で調整されるので、誤差のないデジタル信号が復調データ処理部6に供給できる。
【0043】
次に、D/Aコンバータ11、12間の出力レベルの誤差調整について説明する。
この場合には、スイッチ切換制御部18からの切り換え制御信号により、例えば、切り換えスイッチ1の切り換え接点を端子1cの位置に切り換えるとともに、切り換えスイッチ2の切り換え接点を端子2bの位置のままとする。
【0044】
次に、調整用データ生成部16は、調整制御部19Aからの指示に基づいて所定の調整用データ(デジタルデータ)を生成する。この生成された調整用データは、D/Aコンバータ11、12にそれぞれ供給される。
その調整用データは、D/Aコンバータ11、12でアナログ信号にそれぞれ変換される。D/Aコンバータ11でD/A変換されたアナログ信号は、可変利得増幅器23およびスイッチ1を経由してA/Dコンバータ3に供給される。また、D/Aコンバータ12でD/A変換されたアナログ信号は、可変利得増幅器24およびスイッチ2を経由してA/Dコンバータ4に供給される。この時には、可変利得増幅器23、24の各利得は、調整制御部19Aにより所定値にそれぞれ設定されている。
【0045】
その変換された各アナログ信号は、A/Dコンバータ3、4でデジタル信号にそれぞれ変換され、この変換された各デジタル信号は復調データ処理部6に出力されると同時にレベル測定部17に供給される。レベル測定部17は、その各デジタル信号の各レベルをそれぞれ測定し、その各測定値を調整制御部19Aに供給する。
【0046】
調整制御部19Aは、その両デジタル信号の両レベルを比較し、その両レベル差に応じて、可変利得増幅器23、24の利得の調整を行う。
すなわち、調整制御部19Aは、その測定した両デジタル信号の両レベルが同じ場合には、予め決められている同一の利得値(ゲイン)を、可変利得増幅器23、24にそれぞれ設定し、以後、その設定値を固定させる。
【0047】
一方、調整制御部19Aは、その測定した両デジタル信号の両レベルに差があるときには、その差に応じて予め決められている異なる各利得値を、可変利得増幅器23、24にそれぞれ設定し、以後、その設定値を固定させる。
このような処理の結果、D/Aコンバータ11、12の出力レベルに誤差があるような場合に、その誤差が可変利得増幅器23、24で調整されるので、可変利得増幅器23、24から誤差のないアナログ信号が出力されることになる。
【0048】
以上説明したように、この第2実施形態によれば、A/Dコンバータ3、4間の出力レベルおよびD/Aコンバータ11、12間の出力レベルの誤差調整を、外部回路を必要とせずに自動的に行うことができる。
図3は、本発明の第3実施形態をOFDM信号を送受信できる無線通信機に適用したものである。
【0049】
この第3実施形態に係る無線通信機は、図1に示す第1実施形態に係る無線通信機とその基本的な構成を同一とし、さらに以下の構成要素を追加するようにしたものである。
すなわち、この第3実施形態に係る無線通信機は、図3に示すように、D/Aコンバータ11、12の各出力側にコンデンサC1、C2をそれぞれ設け、D/Aコンバータ11、12の各出力信号から直流成分をカットし、この直流成分をカットした出力信号を、出力端子17、18から取り出すことができるようにするとともにA/Dコンバータ3、4に供給できるようにした。
【0050】
なお、この第3実施形態に係る無線通信機の他の部分の構成は、図1に示す第1実施形態に係る無線通信機の構成と同一であるので、同一の構成要素には同一符号を付してその説明は省略する。
このような構成からなる第3実施形態では、第1実施形態と同様に、調整部15が、A/Dコンバータ3、4間の出力レベルの誤差調整、およびD/Aコンバータ11、12間の出力レベルの誤差調整を行う。
【0051】
しかし、この第3実施形態の誤差調整の場合には、D/Aコンバータ11、12でA/D変換された各変換信号中の直流成分がコンデンサC1、C2によりカットされ、その直流成分がカットされたアナログ信号がA/Dコンバータ3、4に供給される。このため、第3実施形態によれば、上記の誤差調整の精度を向上させることができる。
【0052】
次に、本発明の第4実施形態をOFDM信号を送受信できる無線通信機に適用した場合について、図2を参照して説明する。
この第4実施形態に係る無線通信機は、図2に示す第1実施形態に係る無線通信機とその基本的な構成を同一とし、さらに以下の構成要素を追加するようにしたものである。
【0053】
すなわち、この第4実施形態に係る無線通信機は、図2に示すD/Aコンバータ11、12の各出力側にコンデンサ(図示せず)をそれぞれ設け、D/Aコンバータ11、12の各出力信号から直流成分をカットし、この直流成分をカットした出力信号を、出力端子17、18から取り出すことができるようにするとともにA/Dコンバータ3、4に供給できるようにした。
【0054】
このような構成からなる第4実施形態では、第2実施形態と同様に、調整部15Aが、可変利得増幅器21〜24の利得の調整を行う。
しかし、この第4実施形態の誤差調整の場合には、D/Aコンバータ11、12でA/D変換された各変換信号中の直流成分がコンデンサ(図示せず)によりカットされ、その直流成分がカットされたアナログ信号がA/Dコンバータ3、4に供給される。このため、第4実施形態によれば、上記の誤差調整の精度を向上させることができる。
【0055】
なお、上記の各実施形態では、A/Dコンバータ3、4間の出力レベルの誤差調整、およびD/Aコンバータ11、12間の出力レベルの誤差調整をユーザの使用の際の電源投入時に行う場合について説明した。しかし、その誤差調整は、製品の製造/出荷時に行うこともできる。
この場合には、その誤差調整は、上記の場合と同様に行うが、その誤差調整の際に得られる出力レベル調整部5や入力レベル調整部10に設定される各設定値を、その誤差調整の終了後に不揮発性メモリに記憶しておく必要がある。そして、ユーザが使用の際の電源投入時には、その不揮発性メモリに記憶されている各設定値を出力レベル調整部5や入力レベル調整部10に設定するようにすれば良い。
【0056】
また、上記の各実施形態では、A/DコンバータおよびD/Aコンバータがそれぞれ2個の場合について説明した。
しかし、本発明では、A/DコンバータとD/Aコンバータは、それぞれ2個以上でも良い。その場合には、A/Dコンバータの個数をN個、D/Aコンバータの個数をM個とした場合に、N=MまたはN>Mの関係を満たせば良い。
【0057】
また、上記の各実施形態では、A/Dコンバータ3、4間の出力レベルおよびD/Aコンバータ11、12間の出力レベルの誤差調整を、その入力側のレベルまたは出力側のレベルのいずれか一方を調整して行うようにした。しかし、これに代えて入力側と出力側の双方のレベルを調整して行うようにしても良い。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数のA/Dコンバータおよび複数のD/Aコンバータを無線通信機などに使用する場合に、その出力レベルの誤差調整を外部回路を必要とせずに自動で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を無線通信機に適用した場合の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第2実施形態を無線通信機に適用した場合の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第3実施形態を無線通信機に適用した場合の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1、2は切換スイッチ、3、4はA/Dコンバータ、5は出力レベル調整部、6は復調データ処理部、9は変調データ生成部、10は入力レベル調整部、11、12はD/Aコンバータ、15、15Aは調整部、16は調整用データ生成部、17はレベル測定部、18はスイッチ切換制御部、19、19Aは調整制御部、21〜24は可変利得増幅器、C1、C2はコンデンサである。
Claims (4)
- N(Nは2以上の整数)個のA/Dコンバータと、M(Mは、M=NまたはM<Nとする)個のD/Aコンバータとを有する複合装置において、
前記M個のD/Aコンバータのうちの1つに調整用デジタル信号を入力してD/A変換させてアナログ信号を取得し、この取得したアナログ信号を前記N個のA/Dコンバータにそれぞれ入力させてA/D変換させて各デジタル信号を取得し、この取得した各デジタル信号のレベル差に基づいて前記N個のA/Dコンバータの入力レベルまたは出力レベルのうちの少なくとも一方を調整する第1のステップと、
調整用デジタル信号を前記M個の各D/Aコンバータに入力してそれぞれD/A変換させて各アナログ信号を取得し、この取得した各アナログ信号を前記調整済みのN個のA/Dコンバータにそれぞれ入力させてA/D変換させて各デジタル信号を取得し、この取得した各デジタル信号のレベル差に基づいて前記M個のD/Aコンバータの入力レベルまたは出力レベルの少なくとも一方を調整をする第2のステップと、
からなることを特徴とするA/DコンバータとD/Aコンバータの自己調整方法。 - N(Nは2以上の整数)個のA/Dコンバータと、M(Mは、M=NまたはM<Nとする)個のD/Aコンバータとを有する複合装置において、
前記M個のD/Aコンバータのうちの1つに調整用デジタル信号を入力してD/A変換させてアナログ信号を取得し、この取得したアナログ信号を前記N個のA/Dコンバータにそれぞれ入力させてA/D変換させて各デジタル信号を取得し、この取得した各デジタル信号のレベル差に基づいて前記N個のA/Dコンバータの入力レベルまたは出力レベルのうちの少なくとも一方を調整し、
この調整後、調整用デジタル信号を前記M個の各D/Aコンバータに入力してそれぞれD/A変換させて各アナログ信号を取得し、この取得した各アナログ信号を前記調整済みのN個のA/Dコンバータにそれぞれ入力させてA/D変換させて各デジタル信号を取得し、この取得した各デジタル信号のレベル差に基づいて前記M個のD/Aコンバータの入力レベルまたは出力レベルの少なくとも一方を調整をする調整手段を、備えたことを特徴とするA/DコンバータとD/Aコンバータの自己調整装置。 - N(Nは2以上の整数)個のA/Dコンバータと、M(Mは、M=NまたはM<Nとする)個のD/Aコンバータとを有する複合装置において、
前記N個のA/Dコンバータの入力レベルまたは出力レベルのうちの少なくとも一方を調整する調整値をそれぞれ設定できる第1レベル調整手段と、
前記M個のD/Aコンバータの入力レベルまたは出力レベルのうちの少なくとも一方を調整する調整値をそれぞれ設定できる第2レベル調整手段と、
前記M個のD/Aコンバータの各出力側と前記N個のA/Dコンバータの各入力側との間の任意の接続を行うスイッチと、
前記M個のD/Aコンバータのうちの所定の1つのD/Aコンバータの出力側と前記N個のA/Dコンバータの各入力側とがそれぞれ接続されるように前記スイッチを制御し、その後、前記1つのD/Aコンバータに調整用のデジタル信号を入力させて前記N個のA/Dコンバータの各出力レベルをそれぞれ測定し、その各測定値の差に応じて前記第1レベル調整手段の入力レベルまたは出力レベルのうちの少なくとも一方を調整する調整値を設定する第1調整制御手段と、
前記M個のD/Aコンバータの各出力側と前記N個のA/Dコンバータの対応する各入力側とがそれぞれ接続されるように前記スイッチを制御し、その後、前記M個のD/Aコンバータに調整用のデジタル信号をそれぞれ入力させ、前記N個のA/Dコンバータの各出力レベルをそれぞれ測定し、その各測定値の差に応じて前記第2レベル調整手段の入力レベルまたは出力レベルのうちの少なくとも一方を調整する調整値を設定する第2調整制御手段と、
を備えたことを特徴とするA/DコンバータとD/Aコンバータの自己調整装置。 - 前記複合装置は、OFDM信号を送受信できる無線通信機に設けられていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のA/DコンバータとD/Aコンバータの自己調整装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009017359A (ja) * | 2007-07-06 | 2009-01-22 | Denso Corp | 半導体集積回路 |
US7843369B2 (en) | 2007-12-27 | 2010-11-30 | Hitachi, Ltd. | Analog-to-digital converter and communication device and wireless transmitter and receiver using the same |
JP2012120229A (ja) * | 2012-01-30 | 2012-06-21 | Denso Corp | 半導体集積回路 |
JP2013150184A (ja) * | 2012-01-20 | 2013-08-01 | Renesas Electronics Corp | 半導体集積回路装置 |
JP2015233296A (ja) * | 2015-07-13 | 2015-12-24 | ルネサスエレクトロニクス株式会社 | 半導体集積回路装置 |
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-
2003
- 2003-02-05 JP JP2003028677A patent/JP2004242028A/ja not_active Withdrawn
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