JP2004241658A - 半導体デバイスのエッジ部の研削方法及び研削装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体デバイスの外周エッジ部を研削した後の洗浄工程を不要にすることができる半導体デバイスのエッジ部の研削装置を提供する。
【解決手段】円盤状の回転砥石27を回転させながら、回転中の半導体デバイス23の外周エッジ部23aに沿って表裏両面間を送り移動させる。半導体デバイス23の外周エッジ部23aを回転砥石27の外周面にて研削する。前記半導体デバイス23の基板61aの下面に形成された積層膜61bと対応するように噴射流路形成板67を配置する。純水供給源71から供給パイプ70を通して、純水を噴射流路68に供給し回転砥石27による外周エッジ部23aの研削部に純水を供給する。これによって、研削工程において研削屑が積層膜61bの表面に付着するのが防止され、後工程で洗浄工程が不要となる。
【選択図】 図1
【解決手段】円盤状の回転砥石27を回転させながら、回転中の半導体デバイス23の外周エッジ部23aに沿って表裏両面間を送り移動させる。半導体デバイス23の外周エッジ部23aを回転砥石27の外周面にて研削する。前記半導体デバイス23の基板61aの下面に形成された積層膜61bと対応するように噴射流路形成板67を配置する。純水供給源71から供給パイプ70を通して、純水を噴射流路68に供給し回転砥石27による外周エッジ部23aの研削部に純水を供給する。これによって、研削工程において研削屑が積層膜61bの表面に付着するのが防止され、後工程で洗浄工程が不要となる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばシリコン単結晶ウエーハ等の半導体基板の裏面に例えば多結晶シリコン層等の積層膜を形成した半導体デバイスの外周エッジ部を研削する半導体デバイスのエッジ部の研削方法及び研削装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上述のように半導体基板の裏面に積層膜を形成した半導体デバイスのエッジ部を研磨して、積層膜の外周側の不要部分を除去する装置として、特許文献1に開示されたものが提案されている。この装置は所定位置において垂直軸線の中心として回転される保持板の上面に前記積層膜が上側になるように半導体基板を載置保持する。そして、前記保持板の側方の所定位置において同じく垂直軸線を中心として回転される研磨体の研磨パッドの研磨部位を、前記半導体デバイスのエッジ部に接触させて半導体基板の外周エッジ部を研磨するとともに、エッジ部の積層膜を除去研磨するようになっている。
【0003】
なお、半導体基板のエッジ部に積層膜が残存していると、この残存部の多結晶シリコン層はデバイス製造工程中の熱処理により粒成長し、熱処理時に石英ボードと接触したり、基板搬送中等にエッジ部が他の部位に接触したときにパーティクルを発生させる。これを防ぐために、前述した積層膜の除去研磨が行われる。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−308039
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の半導体デバイスのエッジ部の研磨方法においては、研磨作業中に砥粒を含んだスラリーを用いるので、高価で、スラリに含まれる砥粒や半導体デバイス自体から生じる研磨粉がエッジ部に付着し、二次汚染が生じる。このため研磨工程の後に、砥粒等の付着物を洗浄するための工程が必要になるという問題があった。
【0006】
この発明は、上記従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、半導体デバイスの外周エッジ部を研削した後の洗浄工程を不要にすることができる半導体デバイスのエッジ部の研削方法及び研削装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、円形基板の表面に積層膜を形成した半導体デバイスのエッジ部をその中心を軸線として回転させるとともに、回転砥石により半導体デバイスのエッジ部を研削するに際し、前記半導体デバイスの中心側から外周側の研削部に向かって流体を噴射するようにしたことを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記流体は半導体デバイスの中心側から前記円形基板の外周面全体に向かって噴射されるようにしたことを要旨とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、円形基板の表面に積層膜を形成した半導体デバイスを保持するとともに、半導体デバイスを自身の軸線を中心に回転させる半導体デバイス保持手段と、半導体デバイスのエッジ部を研削する研削手段と、前記半導体デバイスの中心側から外周側の研削部に向かって流体を噴射する流体噴射手段とを備えたことを要旨とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項3において、前記流体噴射手段は、前記積層膜の表面に対し所定の隙間を以て対向され、かつ該積層膜との間に流体の噴射流路を形成する噴射流路形成板と、該噴射流路形成板の内側に形成された開口に接続された流体供給パイプとを含むものであることを要旨とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4において、前記流体噴射手段は、半導体デバイスに接近した作動位置と、退避位置との間で位置切換機構により位置の切り換え可能に構成されていることを要旨とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項3〜5のいずれか一項において、流体は純水又は清浄エアであることを要旨とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の半導体デバイスのエッジ部の研削装置を具体化した一実施形態を、図面に基づいて説明する。
【0014】
図2〜図4に示すように、研削装置のベッド21上にはコラム22が立設され、そのコラム22には半導体ウエハ等の円形薄板よりなる半導体デバイス23を保持するための半導体デバイス保持手段としての半導体デバイス保持機構24が配設されている。半導体デバイス保持機構24に対応して、ベッド21上には研削手段としての研削機構25が配設されている。この研削機構25には、半導体デバイス23の外周エッジ部23aを研削するための2個の円盤状の研削用回転砥石27,28が装備されている。
【0015】
なお、この実施形態では、前記研削用回転砥石27として、例えば#2000以上のレジノイドボンドのダイヤモンド砥石が使用され、前記研削用回転砥石28として、例えば二酸化珪素(Si O2)の粒子をボンドで固めて、その二酸化珪素を固定砥粒化した仕上げ研削用の砥石が使用されている。
【0016】
前記研削機構25の左側において、ベッド21上には搬入ステーション29が配設され、複数枚の未加工の半導体デバイス23を収納したカセット30が、この搬入ステーション29に搬入される。搬入ステーション29の後部には第1作業ロボット31が装設され、この第1作業ロボット31により、カセット30から未加工の半導体デバイス23が1枚ずつ取り出されて、半導体デバイス保持機構24に受け渡される。
【0017】
前記研削機構25の右側において、ベッド21上には搬出ステーション32が配設されている。搬出ステーション32の後部には第2作業ロボット34が装設され、この第2作業ロボット34により、加工済みの半導体デバイス23が半導体デバイス保持機構24から受け取られて、搬出ステーション32上のカセット30内に収納される。
【0018】
次に、前記半導体デバイス保持機構24の構成について詳細に説明する。図3に示すように、コラム22の側面には半導体デバイスヘッド37がガイドレール38を介してZ軸方向(上下方向)へ移動可能に支持されている。半導体デバイスヘッド37には回転軸39がZ軸方向に延びる軸線L1を中心に回転可能に支持され、その下端には半導体デバイス23を吸着保持するための吸盤40が設けられている。
【0019】
前記半導体デバイスヘッド37上には半導体デバイス回転用モータ41が配設され、このモータ41により回転軸39が回転されて、吸盤40に吸着保持された半導体デバイス23がその中心を軸線L1として回転される。コラム22上にはZ軸移動用モータ42が配設され、このモータ42によりボールネジ43が回転されて、ナット44を介して半導体デバイスヘッド37がZ軸方向に移動される。
【0020】
続いて、前記研削機構25の構成について詳細に説明する。図3及び図4に示すように、ベッド21上には、支持テーブル47が一対のガイドレール48を介してX軸方向(左右方向)へ移動可能に配設されている。支持テーブル47上には、サドル49が一対のガイドロッド50を介してY軸方向(前後方向)へ移動可能に支持されている。
【0021】
前記ベッド21上にはX軸移動用モータ51が配設され、このモータ51によりボールネジ52が回転されて、ナット53を介して支持テーブル47がX軸方向に移動される。支持テーブル47の後部にはY軸移動用モータ54が配設され、このモータ54によりボールネジ55が回転されて、ナット56を介してサドル49がY軸方向に移動される。前記X軸移動用モータ51,Y軸移動用モータ54,及びZ軸移動用モータ42は、NC制御され、NCプログラムに基づいて自動制御を可能としている。
【0022】
前記サドル49上には砥石回転用モータ59が配設され、左側面に突出したモータ軸60には前記2個の円盤状の研削用回転砥石27,28が所定の間隔をおいて取り付けられている。そして、この研削用回転砥石27,28が砥石回転用モータ59により、半導体デバイス23の平面と平行な軸線L3を中心に回転されるようになっている。
【0023】
次に、本発明の特徴的構成について、図1及び図3を中心に説明する。
図1に示すように、前記半導体デバイス23は、例えばシリコン単結晶ウエハ等の円形基板61aと、その円形基板61aの表面(下面)に積層された例えば多結晶シリコン層等の積層膜61bとにより形成されている。円形基板61aは、その外周エッジ部23aがデバイス形成前において、例えば先端円弧状の先細り形状に加工されており、前記積層膜61bは形成時、円形基板61aの表面から外周エッジ部23aにかけて付着され、そして、この外周エッジ部23aにかかった部分は不要なため、除去する必要がある。
【0024】
図3に示すように、前記半導体デバイスヘッド37の側面には前記半導体デバイス23の中心側から外周側の研削部に向かって流体を噴射する流体噴射手段としての純水噴射機構62が装着されている。この純水噴射機構62について説明すると、半導体デバイスヘッド37の側面に固定されたブラケット63に対し垂直支持アーム64が連結ピン65を介して垂直面内で傾動可能に連結されている。この垂直支持アーム64の下端部には水平支持アーム66が垂直支持アーム64と直交するように連結され、この水平支持アーム66の上面には平面円形状の噴射流路形成板67が例えば溶接等によって取り付けられている。
【0025】
図1に示すように、前記噴射流路形成板67の上面と、前記半導体デバイス23の表面に積層された積層膜61bの下面との間には純水の噴射流路68が形成されるようになっている。前記水平支持アーム66の先端部には純水の通路66aが上下方向に貫通形成され、噴射流路68の中央部には前記通路66aと対応して穴67aが形成されている。前記通路66aには継手69を介して純水の供給パイプ70が接続され、この供給パイプ70の基端は純水供給源71に接続されている。
【0026】
図3に示すように前記半導体デバイスヘッド37と垂直支持アーム64との間には垂直支持アーム64及び水平支持アーム66を前記連結ピン65を中心に傾動動作して、噴射流路形成板67を作動位置から退避位置に切り換えるための位置切換機構72が装着されている。前記半導体デバイスヘッド37の側面にはブラケット73が溶接等により取り付けられ、このブラケット73には傾動用シリンダ74の上端部が連結ピン75によって垂直面内で傾動可能に連結されている。この傾動用シリンダ74のピストンロッド76の先端部には、前記垂直支持アーム64の基端部寄りに取り付けられたブラケット77に連結ピン78を介して連結されている。
【0027】
従って、前記位置切換機構72の傾動用シリンダ74が作動されると、ピストンロッド76によって純水噴射機構62の垂直支持アーム64、水平支持アーム66及び噴射流路形成板67が連結ピン65を中心に図3において時計回り方向又はその反対方向に回動される。(矢印参照)そして、吸盤40に対する半導体デバイス23の脱着作業の際に、位置切換機構72が作動されて、噴射流路形成板67の位置切換えが行われる。
【0028】
次に、前記のように構成された研削装置を使用して、半導体デバイス23の外周エッジ部23aを研削する場合の研削方法について説明する。
さて、この半導体デバイスのエッジ部の研削方法においては、図3に示すように半導体デバイス保持機構24の吸盤40に半導体デバイス23が吸着保持されるとともに、純水噴射機構62の噴射流路形成板67が半導体デバイス23と対応する作動位置に保持される。この状態で、Z軸移動用モータ42により、半導体デバイス23が研削用回転砥石27と対応する高さ位置に移動配置される。そして、この状態で、半導体デバイス23が半導体デバイス回転用モータ41により軸線L1を中心に回転されるとともに、研削用回転砥石27が半導体デバイス23の軸線L1と対応する接線位置に移動配置される。〔図5(a)の正面及び図5(b)の平面参照〕。この状態で、半導体デバイス23が半導体デバイス回転用モータ41により回転されるとともに、研削用回転砥石27が砥石回転用モータ59により、半導体デバイス23の平面と平行でかつ半導体デバイス23の半径方向と直交する方向に延びる軸線L3を中心に回転される。さらに、純水供給源71から供給パイプ70を通して純水が噴射流路68に供給され、噴射流路68の外周側開口から回転砥石27の研削部に向かって純水が供給される。
【0029】
これと同時に、予め設定されたNCプログラムに基づいて半導体デバイス23がZ軸移動用モータ42によりZ軸方向に移動されるとともに、研削用回転砥石27がY軸移動用モータ54によりY軸方向に移動される。そして、同時2軸制御によって、図1に示すように、その回転砥石27が半導体デバイス23に対し半導体デバイス23の外周エッジ部23aに沿って表裏両面間を所定の移動軌跡を描くように送り移動される。これにより、図6に示すように、半導体デバイス23の外周エッジ部23aが回転砥石27の外周砥石面にて予め円形基板61aに形成されたエッジ形状と同様の、例えば先端円弧状の先細り形状となるように研削され、外周エッジ部23aに付着した積層膜61bの不要部分が除去される。さらに、続いて仕上げ研削工程が行われる。図示しないが半導体デバイス23が吸盤40に吸着保持されたままの状態で、X軸移動用モータ51により、研削用回転砥石28が半導体デバイス23の軸線L1と対応する接線位置に移動配置される。この状態で、半導体デバイス23が半導体デバイス回転用モータ41により回転されるとともに、仕上げ研削用の回転砥石28が砥石回転用モータ59により、前記軸線L3を中心に回転される。又、純水供給源71から供給パイプ70を通して純水が噴射流路68に供給され、噴射流路68の外周側開口から回転砥石27の研削部に向かって純水が供給される。
【0030】
これと同時に、予め設定されたNCプログラムに基づいて半導体デバイス23がZ軸移動用モータ42によりZ軸方向に移動されるとともに、仕上げ研削用の回転砥石28がY軸移動用モータ54によりY軸方向に移動される。そして、同時2軸制御によって、その回転砥石28が半導体デバイス23に対し半導体デバイス23の外周エッジ部23aに沿って表裏両面間を所定の移動軌跡を描くように送り移動される。これにより、半導体デバイス23の外周エッジ部23a表面が、回転砥石28の外周砥石面にて仕上げ研削される。
【0031】
さらに、前記のように半導体デバイス23の外周エッジ部23aが仕上げ研削された後、半導体デバイス23はカセット30に収納された状態で、研削装置から別のステーションに搬送される。
【0032】
前記の実施形態によって期待できる効果について、以下に記載する。
(1)この実施形態では、前記回転砥石27,28による半導体デバイス23の外周エッジ部23aの研削時において、純水供給源71から供給パイプ70を介して純水を噴射流路形成板67から研削部に噴射するようにした。このため、研削部において排出される砥粒や研削屑が積層膜61bの表面に付着するのを防止して、研削工程の後の洗浄工程を省略することができ、作業能率を向上することができる。
【0033】
(2)この実施形態においては、垂直支持アーム64、水平支持アーム66及び噴射流路形成板67を連結ピン65を中心に作動位置と退避位置との間で位置の切り換え可能に構成したので、吸盤40に対する半導体デバイス23の脱着作業において噴射流路形成板67の位置を切り換えることができる。
【0034】
(3)この実施形態では、噴射流路68から研削部に向かって純水を供給するようにしたので、研削部を冷却して研削を適正に行うことができる。
(4)この実施形態では、純水噴射機構62を基本的に噴射流路形成板67、供給パイプ70、純水供給源71及び位置切換機構72により構成したので、構造を簡素化して製造及び組み付けを容易に行うことができる。
【0035】
(5)この実施形態では、研削用回転砥石28として、二酸化珪素を固定砥粒化した仕上げ研削用の砥石を用いている。このため、二酸化珪素の還元作用による化学作用により、半導体デバイス23の外周エッジ部23aを高い仕上げ研削面粗度で研削することができる。
【0036】
(変更例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 前記実施形態では吸盤40によって半導体デバイス23を吸着するとともに半導体デバイス23の下方に噴射流路形成板67を配設したが、この吸盤40と噴射流路形成板67の位置関係を上下逆にしてもよい。
【0037】
・ 前記実施形態では積層膜61b全体を覆うように噴射流路形成板67を平面から見て円板状に形成したが、これを前記回転砥石27,28と対応するように部分的に設けてもよい。この場合には例えば偏平状の純水噴射ノズルを用いるのが望ましい。
【0038】
・ 純粋に代えて、清浄エア又はその他の清浄な流体を用いてもよい。
・ 前記実施形態では、位置切換機構72によって噴射流路形成板67を傾動するようにしたが、これに代えて水平方向に往復運動して位置の切り換え可能に構成してもよい。
【0039】
・ 研削用回転砥石28の固定砥粒として、通常使用される炭化珪素等を用いてもよい。
・ 回転砥石27,28側にZ軸方向の移動機構を設け、半導体デバイス23を移動させずに回転砥石27,28側のZ軸方向とY軸方向の送り移動によって半導体デバイス23の外周エッジ部23aを研削するようにしてもよい。或いは、半導体デバイス23側をX軸方向,Y軸方向に移動可能にするとともに、回転砥石27,28側をZ軸方向に移動可能にしてもよい。
【0040】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1又は2に記載の半導体デバイスのエッジ部の研削方法の発明は、半導体デバイスの外周エッジ部を研削した後の洗浄工程を不要にして、研削コストを低減することができる。
【0041】
請求項2記載の発明は、流体が半導体デバイスの中心側から円形基板の外周面全体に向かって噴射されるので、デバイスへの研削屑の付着を確実に防止することができる。
【0042】
請求項3〜6のいずれか一項に記載の半導体デバイスのエッジ部の研削装置の発明は、半導体デバイスの外周エッジ部を研削した後の洗浄工程を不要にして、研削コストを低減することができる。
【0043】
請求項4に記載の半導体デバイスのエッジ部の研削装置の発明は、流体噴射手段の構成を簡素化して、製造及び組み付け作業を容易に行いコストを低減することができる。
【0044】
請求項5に記載の半導体デバイスのエッジ部の研削装置の発明は、前記流体噴射手段が位置切換機構により位置の切り換え可能に構成されているので、半導体デバイスの脱着作業を容易に行うことができる。
【0045】
請求項6に記載の半導体デバイスのエッジ部の研削装置の発明は、流体が純水又は清浄エアであるので、流体のコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の研削装置の一実施形態を示す要部拡大断面図。
【図2】研削装置全体の平面図。
【図3】研削装置の要部拡大断面図。
【図4】研削装置の要部拡大平面図。
【図5】(a)は研削工程を示す正面図、(b)は平面図。
【図6】半導体デバイスの外周エッジ部の研削後の形状を示す部分断面図。
【符号の説明】L1,L3…軸線、23…半導体デバイス、40…吸盤、27,28…研削用回転砥石、61a…円形基板、61b…積層膜、62…純水噴射機構、64…垂直支持アーム、66…水平支持アーム、67…噴射流路形成板、68…噴射流路、70…供給パイプ、71…純水供給源、72…位置切換機構、74…傾動用シリンダ。
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばシリコン単結晶ウエーハ等の半導体基板の裏面に例えば多結晶シリコン層等の積層膜を形成した半導体デバイスの外周エッジ部を研削する半導体デバイスのエッジ部の研削方法及び研削装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上述のように半導体基板の裏面に積層膜を形成した半導体デバイスのエッジ部を研磨して、積層膜の外周側の不要部分を除去する装置として、特許文献1に開示されたものが提案されている。この装置は所定位置において垂直軸線の中心として回転される保持板の上面に前記積層膜が上側になるように半導体基板を載置保持する。そして、前記保持板の側方の所定位置において同じく垂直軸線を中心として回転される研磨体の研磨パッドの研磨部位を、前記半導体デバイスのエッジ部に接触させて半導体基板の外周エッジ部を研磨するとともに、エッジ部の積層膜を除去研磨するようになっている。
【0003】
なお、半導体基板のエッジ部に積層膜が残存していると、この残存部の多結晶シリコン層はデバイス製造工程中の熱処理により粒成長し、熱処理時に石英ボードと接触したり、基板搬送中等にエッジ部が他の部位に接触したときにパーティクルを発生させる。これを防ぐために、前述した積層膜の除去研磨が行われる。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−308039
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の半導体デバイスのエッジ部の研磨方法においては、研磨作業中に砥粒を含んだスラリーを用いるので、高価で、スラリに含まれる砥粒や半導体デバイス自体から生じる研磨粉がエッジ部に付着し、二次汚染が生じる。このため研磨工程の後に、砥粒等の付着物を洗浄するための工程が必要になるという問題があった。
【0006】
この発明は、上記従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、半導体デバイスの外周エッジ部を研削した後の洗浄工程を不要にすることができる半導体デバイスのエッジ部の研削方法及び研削装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、円形基板の表面に積層膜を形成した半導体デバイスのエッジ部をその中心を軸線として回転させるとともに、回転砥石により半導体デバイスのエッジ部を研削するに際し、前記半導体デバイスの中心側から外周側の研削部に向かって流体を噴射するようにしたことを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記流体は半導体デバイスの中心側から前記円形基板の外周面全体に向かって噴射されるようにしたことを要旨とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、円形基板の表面に積層膜を形成した半導体デバイスを保持するとともに、半導体デバイスを自身の軸線を中心に回転させる半導体デバイス保持手段と、半導体デバイスのエッジ部を研削する研削手段と、前記半導体デバイスの中心側から外周側の研削部に向かって流体を噴射する流体噴射手段とを備えたことを要旨とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項3において、前記流体噴射手段は、前記積層膜の表面に対し所定の隙間を以て対向され、かつ該積層膜との間に流体の噴射流路を形成する噴射流路形成板と、該噴射流路形成板の内側に形成された開口に接続された流体供給パイプとを含むものであることを要旨とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4において、前記流体噴射手段は、半導体デバイスに接近した作動位置と、退避位置との間で位置切換機構により位置の切り換え可能に構成されていることを要旨とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項3〜5のいずれか一項において、流体は純水又は清浄エアであることを要旨とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の半導体デバイスのエッジ部の研削装置を具体化した一実施形態を、図面に基づいて説明する。
【0014】
図2〜図4に示すように、研削装置のベッド21上にはコラム22が立設され、そのコラム22には半導体ウエハ等の円形薄板よりなる半導体デバイス23を保持するための半導体デバイス保持手段としての半導体デバイス保持機構24が配設されている。半導体デバイス保持機構24に対応して、ベッド21上には研削手段としての研削機構25が配設されている。この研削機構25には、半導体デバイス23の外周エッジ部23aを研削するための2個の円盤状の研削用回転砥石27,28が装備されている。
【0015】
なお、この実施形態では、前記研削用回転砥石27として、例えば#2000以上のレジノイドボンドのダイヤモンド砥石が使用され、前記研削用回転砥石28として、例えば二酸化珪素(Si O2)の粒子をボンドで固めて、その二酸化珪素を固定砥粒化した仕上げ研削用の砥石が使用されている。
【0016】
前記研削機構25の左側において、ベッド21上には搬入ステーション29が配設され、複数枚の未加工の半導体デバイス23を収納したカセット30が、この搬入ステーション29に搬入される。搬入ステーション29の後部には第1作業ロボット31が装設され、この第1作業ロボット31により、カセット30から未加工の半導体デバイス23が1枚ずつ取り出されて、半導体デバイス保持機構24に受け渡される。
【0017】
前記研削機構25の右側において、ベッド21上には搬出ステーション32が配設されている。搬出ステーション32の後部には第2作業ロボット34が装設され、この第2作業ロボット34により、加工済みの半導体デバイス23が半導体デバイス保持機構24から受け取られて、搬出ステーション32上のカセット30内に収納される。
【0018】
次に、前記半導体デバイス保持機構24の構成について詳細に説明する。図3に示すように、コラム22の側面には半導体デバイスヘッド37がガイドレール38を介してZ軸方向(上下方向)へ移動可能に支持されている。半導体デバイスヘッド37には回転軸39がZ軸方向に延びる軸線L1を中心に回転可能に支持され、その下端には半導体デバイス23を吸着保持するための吸盤40が設けられている。
【0019】
前記半導体デバイスヘッド37上には半導体デバイス回転用モータ41が配設され、このモータ41により回転軸39が回転されて、吸盤40に吸着保持された半導体デバイス23がその中心を軸線L1として回転される。コラム22上にはZ軸移動用モータ42が配設され、このモータ42によりボールネジ43が回転されて、ナット44を介して半導体デバイスヘッド37がZ軸方向に移動される。
【0020】
続いて、前記研削機構25の構成について詳細に説明する。図3及び図4に示すように、ベッド21上には、支持テーブル47が一対のガイドレール48を介してX軸方向(左右方向)へ移動可能に配設されている。支持テーブル47上には、サドル49が一対のガイドロッド50を介してY軸方向(前後方向)へ移動可能に支持されている。
【0021】
前記ベッド21上にはX軸移動用モータ51が配設され、このモータ51によりボールネジ52が回転されて、ナット53を介して支持テーブル47がX軸方向に移動される。支持テーブル47の後部にはY軸移動用モータ54が配設され、このモータ54によりボールネジ55が回転されて、ナット56を介してサドル49がY軸方向に移動される。前記X軸移動用モータ51,Y軸移動用モータ54,及びZ軸移動用モータ42は、NC制御され、NCプログラムに基づいて自動制御を可能としている。
【0022】
前記サドル49上には砥石回転用モータ59が配設され、左側面に突出したモータ軸60には前記2個の円盤状の研削用回転砥石27,28が所定の間隔をおいて取り付けられている。そして、この研削用回転砥石27,28が砥石回転用モータ59により、半導体デバイス23の平面と平行な軸線L3を中心に回転されるようになっている。
【0023】
次に、本発明の特徴的構成について、図1及び図3を中心に説明する。
図1に示すように、前記半導体デバイス23は、例えばシリコン単結晶ウエハ等の円形基板61aと、その円形基板61aの表面(下面)に積層された例えば多結晶シリコン層等の積層膜61bとにより形成されている。円形基板61aは、その外周エッジ部23aがデバイス形成前において、例えば先端円弧状の先細り形状に加工されており、前記積層膜61bは形成時、円形基板61aの表面から外周エッジ部23aにかけて付着され、そして、この外周エッジ部23aにかかった部分は不要なため、除去する必要がある。
【0024】
図3に示すように、前記半導体デバイスヘッド37の側面には前記半導体デバイス23の中心側から外周側の研削部に向かって流体を噴射する流体噴射手段としての純水噴射機構62が装着されている。この純水噴射機構62について説明すると、半導体デバイスヘッド37の側面に固定されたブラケット63に対し垂直支持アーム64が連結ピン65を介して垂直面内で傾動可能に連結されている。この垂直支持アーム64の下端部には水平支持アーム66が垂直支持アーム64と直交するように連結され、この水平支持アーム66の上面には平面円形状の噴射流路形成板67が例えば溶接等によって取り付けられている。
【0025】
図1に示すように、前記噴射流路形成板67の上面と、前記半導体デバイス23の表面に積層された積層膜61bの下面との間には純水の噴射流路68が形成されるようになっている。前記水平支持アーム66の先端部には純水の通路66aが上下方向に貫通形成され、噴射流路68の中央部には前記通路66aと対応して穴67aが形成されている。前記通路66aには継手69を介して純水の供給パイプ70が接続され、この供給パイプ70の基端は純水供給源71に接続されている。
【0026】
図3に示すように前記半導体デバイスヘッド37と垂直支持アーム64との間には垂直支持アーム64及び水平支持アーム66を前記連結ピン65を中心に傾動動作して、噴射流路形成板67を作動位置から退避位置に切り換えるための位置切換機構72が装着されている。前記半導体デバイスヘッド37の側面にはブラケット73が溶接等により取り付けられ、このブラケット73には傾動用シリンダ74の上端部が連結ピン75によって垂直面内で傾動可能に連結されている。この傾動用シリンダ74のピストンロッド76の先端部には、前記垂直支持アーム64の基端部寄りに取り付けられたブラケット77に連結ピン78を介して連結されている。
【0027】
従って、前記位置切換機構72の傾動用シリンダ74が作動されると、ピストンロッド76によって純水噴射機構62の垂直支持アーム64、水平支持アーム66及び噴射流路形成板67が連結ピン65を中心に図3において時計回り方向又はその反対方向に回動される。(矢印参照)そして、吸盤40に対する半導体デバイス23の脱着作業の際に、位置切換機構72が作動されて、噴射流路形成板67の位置切換えが行われる。
【0028】
次に、前記のように構成された研削装置を使用して、半導体デバイス23の外周エッジ部23aを研削する場合の研削方法について説明する。
さて、この半導体デバイスのエッジ部の研削方法においては、図3に示すように半導体デバイス保持機構24の吸盤40に半導体デバイス23が吸着保持されるとともに、純水噴射機構62の噴射流路形成板67が半導体デバイス23と対応する作動位置に保持される。この状態で、Z軸移動用モータ42により、半導体デバイス23が研削用回転砥石27と対応する高さ位置に移動配置される。そして、この状態で、半導体デバイス23が半導体デバイス回転用モータ41により軸線L1を中心に回転されるとともに、研削用回転砥石27が半導体デバイス23の軸線L1と対応する接線位置に移動配置される。〔図5(a)の正面及び図5(b)の平面参照〕。この状態で、半導体デバイス23が半導体デバイス回転用モータ41により回転されるとともに、研削用回転砥石27が砥石回転用モータ59により、半導体デバイス23の平面と平行でかつ半導体デバイス23の半径方向と直交する方向に延びる軸線L3を中心に回転される。さらに、純水供給源71から供給パイプ70を通して純水が噴射流路68に供給され、噴射流路68の外周側開口から回転砥石27の研削部に向かって純水が供給される。
【0029】
これと同時に、予め設定されたNCプログラムに基づいて半導体デバイス23がZ軸移動用モータ42によりZ軸方向に移動されるとともに、研削用回転砥石27がY軸移動用モータ54によりY軸方向に移動される。そして、同時2軸制御によって、図1に示すように、その回転砥石27が半導体デバイス23に対し半導体デバイス23の外周エッジ部23aに沿って表裏両面間を所定の移動軌跡を描くように送り移動される。これにより、図6に示すように、半導体デバイス23の外周エッジ部23aが回転砥石27の外周砥石面にて予め円形基板61aに形成されたエッジ形状と同様の、例えば先端円弧状の先細り形状となるように研削され、外周エッジ部23aに付着した積層膜61bの不要部分が除去される。さらに、続いて仕上げ研削工程が行われる。図示しないが半導体デバイス23が吸盤40に吸着保持されたままの状態で、X軸移動用モータ51により、研削用回転砥石28が半導体デバイス23の軸線L1と対応する接線位置に移動配置される。この状態で、半導体デバイス23が半導体デバイス回転用モータ41により回転されるとともに、仕上げ研削用の回転砥石28が砥石回転用モータ59により、前記軸線L3を中心に回転される。又、純水供給源71から供給パイプ70を通して純水が噴射流路68に供給され、噴射流路68の外周側開口から回転砥石27の研削部に向かって純水が供給される。
【0030】
これと同時に、予め設定されたNCプログラムに基づいて半導体デバイス23がZ軸移動用モータ42によりZ軸方向に移動されるとともに、仕上げ研削用の回転砥石28がY軸移動用モータ54によりY軸方向に移動される。そして、同時2軸制御によって、その回転砥石28が半導体デバイス23に対し半導体デバイス23の外周エッジ部23aに沿って表裏両面間を所定の移動軌跡を描くように送り移動される。これにより、半導体デバイス23の外周エッジ部23a表面が、回転砥石28の外周砥石面にて仕上げ研削される。
【0031】
さらに、前記のように半導体デバイス23の外周エッジ部23aが仕上げ研削された後、半導体デバイス23はカセット30に収納された状態で、研削装置から別のステーションに搬送される。
【0032】
前記の実施形態によって期待できる効果について、以下に記載する。
(1)この実施形態では、前記回転砥石27,28による半導体デバイス23の外周エッジ部23aの研削時において、純水供給源71から供給パイプ70を介して純水を噴射流路形成板67から研削部に噴射するようにした。このため、研削部において排出される砥粒や研削屑が積層膜61bの表面に付着するのを防止して、研削工程の後の洗浄工程を省略することができ、作業能率を向上することができる。
【0033】
(2)この実施形態においては、垂直支持アーム64、水平支持アーム66及び噴射流路形成板67を連結ピン65を中心に作動位置と退避位置との間で位置の切り換え可能に構成したので、吸盤40に対する半導体デバイス23の脱着作業において噴射流路形成板67の位置を切り換えることができる。
【0034】
(3)この実施形態では、噴射流路68から研削部に向かって純水を供給するようにしたので、研削部を冷却して研削を適正に行うことができる。
(4)この実施形態では、純水噴射機構62を基本的に噴射流路形成板67、供給パイプ70、純水供給源71及び位置切換機構72により構成したので、構造を簡素化して製造及び組み付けを容易に行うことができる。
【0035】
(5)この実施形態では、研削用回転砥石28として、二酸化珪素を固定砥粒化した仕上げ研削用の砥石を用いている。このため、二酸化珪素の還元作用による化学作用により、半導体デバイス23の外周エッジ部23aを高い仕上げ研削面粗度で研削することができる。
【0036】
(変更例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 前記実施形態では吸盤40によって半導体デバイス23を吸着するとともに半導体デバイス23の下方に噴射流路形成板67を配設したが、この吸盤40と噴射流路形成板67の位置関係を上下逆にしてもよい。
【0037】
・ 前記実施形態では積層膜61b全体を覆うように噴射流路形成板67を平面から見て円板状に形成したが、これを前記回転砥石27,28と対応するように部分的に設けてもよい。この場合には例えば偏平状の純水噴射ノズルを用いるのが望ましい。
【0038】
・ 純粋に代えて、清浄エア又はその他の清浄な流体を用いてもよい。
・ 前記実施形態では、位置切換機構72によって噴射流路形成板67を傾動するようにしたが、これに代えて水平方向に往復運動して位置の切り換え可能に構成してもよい。
【0039】
・ 研削用回転砥石28の固定砥粒として、通常使用される炭化珪素等を用いてもよい。
・ 回転砥石27,28側にZ軸方向の移動機構を設け、半導体デバイス23を移動させずに回転砥石27,28側のZ軸方向とY軸方向の送り移動によって半導体デバイス23の外周エッジ部23aを研削するようにしてもよい。或いは、半導体デバイス23側をX軸方向,Y軸方向に移動可能にするとともに、回転砥石27,28側をZ軸方向に移動可能にしてもよい。
【0040】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1又は2に記載の半導体デバイスのエッジ部の研削方法の発明は、半導体デバイスの外周エッジ部を研削した後の洗浄工程を不要にして、研削コストを低減することができる。
【0041】
請求項2記載の発明は、流体が半導体デバイスの中心側から円形基板の外周面全体に向かって噴射されるので、デバイスへの研削屑の付着を確実に防止することができる。
【0042】
請求項3〜6のいずれか一項に記載の半導体デバイスのエッジ部の研削装置の発明は、半導体デバイスの外周エッジ部を研削した後の洗浄工程を不要にして、研削コストを低減することができる。
【0043】
請求項4に記載の半導体デバイスのエッジ部の研削装置の発明は、流体噴射手段の構成を簡素化して、製造及び組み付け作業を容易に行いコストを低減することができる。
【0044】
請求項5に記載の半導体デバイスのエッジ部の研削装置の発明は、前記流体噴射手段が位置切換機構により位置の切り換え可能に構成されているので、半導体デバイスの脱着作業を容易に行うことができる。
【0045】
請求項6に記載の半導体デバイスのエッジ部の研削装置の発明は、流体が純水又は清浄エアであるので、流体のコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の研削装置の一実施形態を示す要部拡大断面図。
【図2】研削装置全体の平面図。
【図3】研削装置の要部拡大断面図。
【図4】研削装置の要部拡大平面図。
【図5】(a)は研削工程を示す正面図、(b)は平面図。
【図6】半導体デバイスの外周エッジ部の研削後の形状を示す部分断面図。
【符号の説明】L1,L3…軸線、23…半導体デバイス、40…吸盤、27,28…研削用回転砥石、61a…円形基板、61b…積層膜、62…純水噴射機構、64…垂直支持アーム、66…水平支持アーム、67…噴射流路形成板、68…噴射流路、70…供給パイプ、71…純水供給源、72…位置切換機構、74…傾動用シリンダ。
Claims (6)
- 円形基板の表面に積層膜を形成した半導体デバイスのエッジ部をその中心を軸線として回転させるとともに、回転砥石により半導体デバイスのエッジ部を研削するに際し、前記半導体デバイスの中心側から外周側の研削部に向かって流体を噴射するようにしたことを特徴とした半導体デバイスのエッジ部の研削方法。
- 請求項1において、前記流体は半導体デバイスの中心側から前記円形基板の外周面全体に向かって噴射されるようにした半導体デバイスのエッジ部の研削方法。
- 円形基板の表面に積層膜を形成した半導体デバイスを保持するとともに、半導体デバイスを自身の軸線を中心に回転させる半導体デバイス保持手段と、
半導体デバイスのエッジ部を研削する研削手段と、
前記半導体デバイスの中心側から外周側の研削部に向かって流体を噴射する流体噴射手段と
を備えたことを特徴とする半導体デバイスのエッジ部の研削装置。 - 請求項3において、前記流体噴射手段は、前記積層膜の表面に対し所定の隙間を以て対向され、かつ該積層膜との間に流体の噴射流路を形成する噴射流路形成板と、該噴射流路形成板の内側に形成された開口に接続された流体供給パイプとを含むものである半導体デバイスのエッジ部の研削装置。
- 請求項3又は4において、前記流体噴射手段は、半導体デバイスに接近した作動位置と、退避位置との間で位置切換機構により位置の切り換え可能に構成されている半導体デバイスのエッジ部の研削装置。
- 請求項3〜5のいずれか一項において、流体は純水又は清浄エアである半導体デバイスのエッジ部の研削装置。
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CN104117882A (zh) * | 2014-07-30 | 2014-10-29 | 苏州鸿大金属制品有限公司 | 一种集屑金属管打磨装置 |
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