JP2004235708A - 電話装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】受話音声信号から騒音成分を省き、受話音声信号の音声成分に対してのみ出力音量レベル調節を行う。
【解決手段】音声判別部102が、音声コーデック部104からのトリガ信号に従って、回線データ伝送制御部101からの受話音声信号の騒音成分を検出・除去して通信相手の発声音声のみを抽出し、音量調節部103が、予め設定された参照値と音声判別部102から抽出された発声音声のみの受話音声信号の音量レベルとを比較し、その結果に応じて発声音声のみの受話音声信号の出力音量レベルを調節する。
【選択図】 図1
【解決手段】音声判別部102が、音声コーデック部104からのトリガ信号に従って、回線データ伝送制御部101からの受話音声信号の騒音成分を検出・除去して通信相手の発声音声のみを抽出し、音量調節部103が、予め設定された参照値と音声判別部102から抽出された発声音声のみの受話音声信号の音量レベルとを比較し、その結果に応じて発声音声のみの受話音声信号の出力音量レベルを調節する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電話装置に関するものであり、例えばAV通信端末及びデジタル電話器の受話音声を自動調節する機能に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の受話音量自動調節機能は受話音量を予め定められた適正音量の適正値と比較して、その結果に応じて受話音量を調節する構成になっている(例えば、特許文献1)。また、送話側の騒音量に応じて、受話音量の調節レベル範囲を制御する構成になっているものもある(例えば、特許文献2)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−13500号公報(第3〜7頁、図1)
【特許文献2】
特開2001−177607号公報(第3〜5頁、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の受話音量自動調節機能は以上のように構成されているので、ユーザが面倒な調節をすることなく受話音量の調節が可能ではあるが、通信相手側の騒音レベルも含んで調節されるため、相手の声音に騒音が加わり、必ずしも聞取り易い調節結果になるとは限らない。
また、受話側の聴音レベル(聴力)によっては、調節された音量レベルが適正と判断するのが難しいなどの問題があった。
【0005】
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、受話音声信号から騒音を省き、自動的あるいは使用者の聴力レベルに応じた適正レベルに音量を合わせ、常に聞き取り易い受話音声に自動調節する機能を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る電話装置は、
他の電話装置から受話音声信号を受信する受話音声信号受信部と、
前記受話音声信号受信部により受信された受話音声信号から音声成分以外の不要音成分を除去する不要音成分除去部と、
前記不要音成分除去部により不要音成分が除去された不要音成分除去後の受話音声信号を出力する受話音声信号出力部とを有することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図を参照して説明する。
図1において、AV通信端末(電話装置)1は、ISDN回線網100とのインターフェースを行い、送受話信号回線データの伝送制御を行う回線データ伝送制御部(受話音声信号受信部)101と、音声コーデック部104からのトリガ信号の変化のタイミングで受話音声信号の音声信号成分を検出し、騒音レベル(不要音成分)を省いた受話音声信号を抽出する音声判別部(不要音成分除去部)102と、音声判別部102からの受話音声信号の音量レベルを予め設定された参照値と比較演算し受話音声信号の出力音量レベルを自動調節する音量調節部103(出力音量調節部)と、例えばハンドセットのマイク部などを想定した送話部105と、ハンドセットのスピーカ部などを想定した受話部(受話音声信号出力部)106と、送話部105からのアナログ送話電気信号をデジタル送話電気信号に、デジタル受話電気信号をアナログ受話電気信号に変換し受話部106へ送る音声コーデック部104とを備える。
【0008】
次に実施の形態1の音声判別部102と音量調節部103を詳細に説明するための図2、図3について説明する。
図2は音声判別部102の内部構成例を示しており、回線データ伝送制御部101からの受話音声信号は音声検出部110と演算部112のニ系統に入力され、音声コーデック部104からのトリガ信号の変化するタイミングで受話音声信号の音声信号成分(音声成分)を検出する音声検出部110と、検出された音声信号成分を分析し騒音レベルとして抽出する騒音分析部111と、騒音分析部111からの出力と回線データ伝送制御部101からの受話音声信号とで演算処理を施し、受話音声信号から騒音(不要音成分)を省いた音声信号(不要音成分除去後の受話音声信号)を出力する演算部112とを備える。
【0009】
次に図3について説明する。図3は音量調節部103の内部構成例を示しており、音声判別部102からの音声信号の音量レベルを検出する音声レベル検出部120と、予め適正レベルとして設定した参照値が格納されたデータテーブル(参照値記憶部)121と、音声レベル検出部120の検出出力とデータテーブル121の参照値を比較する比較部123と、比較結果に応じた制御データの生成及びデータテーブル121の参照値を更新制御する制御部122と、制御部122からの制御データに応じた音量レベルに調節する音声レベル調節部124とを備える。
【0010】
以下、この発明の実施の形態1の上記構成について動作を説明する。
回線データ伝送制御部101から出力される受話音声信号は二系統に分かれ、その一方は音声検出部110と、騒音分析部111を経て、演算部112へ送られる。ニ系統に分かれた受話音声信号のもう一方は演算部112へ直接送られる。音声検出部110では、例えば図4に示すような音声コーデック部104からのトリガ信号の変化するタイミングで正(H)レベルの期間のみ音声信号成分を検出する。図4に示すトリガ信号の切換わりタイミングは、送話側発声音と受話側発声音の有/無の切り換りとする。すなわち、通常音声通話する場合、送話側と受話側が同時に話すことは少ない(会話しない)という人的特性を利用している。音声検出部110は、受話音声信号に通話相手の発声音が含まれない(受話音声信号に音声成分が含まれていない)時、すなわち、送話側発声時の受話音声信号成分(無音声、騒音成分のみの信号)を検出することになる。この音声信号成分は音質、周波数、電圧など、レベルが判断でき、演算可能なものであれば手段は問わない。
【0011】
音声検出部110で検出された音声信号成分は騒音分析部111へ送られ、相手側が発声していない時、すなわち相手側の通話中の環境騒音(例えば、通話を邪魔するような騒がしい現場、繁華街、家庭内の騒音など)のレベル(音質、周波数、電圧などのレベル)を分析処理して演算部112へ送る。演算部112には、騒音分析部111からの分析結果と受話音声信号が入力され、相手通話者の発声音がある受話音声信号が受信された場合に相手通話者の発声音がある受話音声信号から騒音レベルの分析結果を引き算することで、騒音レベルが省かれた受話音声信号のみが抽出される。
【0012】
音声判別部102で抽出された騒音が省かれた受話音声信号は、音量調節部103に入力されニ系統に分かれる。その一方は、音声レベル検出部120に送られ、レベル検出される。もう一方の受話音声信号は、直接音声レベル調節部124へ送られる構成になっている。音声レベル検出部120では、音声判別部102からの受話音声信号の音量レベルを一定時間検出する。検出された結果は、比較部123の一方に入力される。比較部123のもう一方にはデータテーブル121に格納された参照値が入力される。この参照値は例えば、人間が適正音量と感じる(例えば、出来るだけ多くのモニタに視聴テストを行い、その結果から平均化したサンプル値などを用いる)デジタル受話音声値を示すものである。
【0013】
比較部123では、データテーブル121の参照値と、音声レベル検出部120の検出結果(受話音声信号の音量レベル)が比較される。その比較結果は、例えば、データテーブル121の参照値より音声レベル検出部120の検出結果値が大きい場合には、参照値から検出結果値を減算して得られるマイナスのデジタル差分値を、逆に小さい場合は検出結果値から参照値を減算して得られるプラスのデジタル差分値で表す。さらに比較部123では比較限度範囲(リミッタ)として最大値、最小値を超えないよう比較が行われる。最大値は通信端末の最大音量規格値を越えないレベルで、最小値は暗雑音と判断されるレベルである。この最大値、最小値間をリミットとして比較され、音割れ、暗雑音の状態にならないよう制限している。
【0014】
比較部123の比較結果は、制御部122に入力され主に2つの制御を行なう。
その1つは、音声レベル調節部124の制御、すなわち出力音量レベルの決定であり、比較部123からのプラスあるいはマイナスのデジタル差分値を基に、差分値がマイナスの場合はプラス方向に反対にプラスの場合はマイナス方向に音量レベルを制御するためのデータを生成し、音声レベル調節部124を制御する。この制御により、音声判別部102で騒音の省かれた受話音声信号を自動的に聞き取り易い出力音量レベルに調節することができ、受話部106は、騒音の省かれた受話音声信号を調節された出力音量レベルにて出力する。
制御部122が行うもう1つの制御は、データテーブル121の参照値の更新であり、比較部123から得られる比較結果、すなわち決定された出力音量レベルを基にデジタル差分値を平均分布化するための演算処理を行い、通話終了のタイミング(オンフック時)で参照値を書きかえる(更新する)。この制御で、通話終了後、参照値は常に更新され、通話した件数分がサンプルデータとなり参照値の精度を上げることが可能である。
【0015】
以上のように、この実施の形態1によれば、通話相手の環境騒音を省いた状態で音量調節するよう構成したので、使用者が面倒な操作をすることなく、受話音声をより聞き取り易い状態で通話ができる効果がある。
【0016】
実施の形態2.
本実施の形態では、通話相手ごと(通話相手となる他の電話装置ごと)に、出力音量レベルを決定し、通話相手ごと(通話相手となる他の電話装置ごと)に出力音量レベルを記憶する場合について説明する。以下、この発明の実施の形態2を図5を参照して説明する。
図1〜図3と同一符号は、同一又は同様の動作を示し説明を省略する。
図5において比較部123からの比較結果を基に演算制御を行う第2の制御部125と、第2の制御部125に接続され、使用者が設定などの操作が行える操作部126と、第2の制御部125の演算結果を保存、読み出し可能とする記憶部(個別参照値記憶部)127とを備える。
【0017】
以下、この発明の実施の形態2の動作について説明する。
音声判別部102で抽出された騒音が省かれた受話音声信号は、音量調節部103に入力され、ニ系統に分かれる。その一方は、音声レベル検出部120に送られ、レベル検出される。もう一方の受話音声信号は、直接音声レベル調節部124へ送られる構成になっている。音声レベル検出部120では、音声判別部102からの受話音声信号の音量レベルを一定時間検出する。検出された結果は、比較部123の一方に入力される。比較部123のもう一方にはデータテーブル121に格納された参照値が入力される。データテーブル121の参照値は、記憶部127から読み出された値が利用される。
【0018】
比較部123では、データテーブル121の参照値と、音声レベル検出部120の検出結果が比較される。その比較結果は、例えば、データテーブル121の参照値より音声レベル検出部120の検出結果値が大きい場合には、参照値から検出結果値を減算して得られるマイナスのデジタル差分値を、逆に小さい場合は検出結果値から参照値を減算して得られるプラスのデジタル差分値で表す。
【0019】
比較部123の比較結果は、第2の制御部125に入力され主に3つの制御を行なう。
その1つは、音声レベル調節部124の制御であり、比較部123からのプラスあるいはマイナスのデジタル差分値を基に、差分値がマイナスの場合はプラス方向に反対にプラスの場合はマイナス方向に音量レベルを制御するためのデータを生成し、音声レベル調節部124を制御する。この制御により、音声判別部102で騒音の省かれた受話音声信号を自動的に聞き取り易い出力音量レベルに調節することができる。
第2の制御部125が行う2つめの制御は、データテーブル121の参照値の更新であり、比較部123から得られる比較結果を基にデジタル差分値を平均分布化するための演算処理を行い、通話終了のタイミング(オンフック時)で参照値を書きかえる(更新する)。
さらに第2の制御部125が行う3つめの制御は、データテーブル121の参照値を更新すると同時に更新データを操作部126の操作により記憶部127に保存することができる。保存の手段として例えば、通話相手のアドレス登録時または、アドレス帳登録内容編集時に電話番号などと一緒に参照値を登録する。この結果、参照値が登録済みの相手から電話がかかってきた場合に、自動もしくは、操作部126の操作により記憶部127から保存された参照値を呼出し、データテーブル121の参照値として利用することができる。
【0020】
以上のように、この実施の形態2によれば、音量レベルを比較するための参照値をアドレス帳などに保存できるように構成したので、通話相手毎の発声音量の傾向に応じて、より適切なレベルに音量調節できる効果がある。
【0021】
実施の形態3.
以下、この発明の実施の形態3を図6を参照して説明する。
図1〜図5と同一符号は、同一又は同様の動作を示し説明を省略する。
図6において、音声コーデック部104からの送話音声信号と回線データ伝送制御部101からの受話音声信号とを入力として二択選択可能な選択部130と、選択部130を制御する操作部131とを備える。また、図7は操作手順を示すフロー図である。
【0022】
以下、この発明の実施の形態3の上記構成について動作を説明する。
回線データ伝送制御部101からの受話音声信号は選択部130の一方に入力され、音声コーデック部104からの送話音声信号は選択部130のもう一方と回線データ伝送制御部101に入力される。例えば、図7に示すように非通信時の場合、使用者は、通話中の受話音量調節レベルを使用者の聴力レベルに合わせるよう次の操作を行う。
【0023】
まず、ステップ1(S1)として、使用者は操作部131により、保守的な機能である自端末音声折り返し機能を実行し送話部105から発声を行う。この機能は保守点検用に自端末内部回路で音声を折り返し、送話部105から発声した音声(送話音声信号)を受話部106で確認検査する機能である。自端末音声折り返し機能を実行した場合、図7のステップ2(S2)の処理となり、選択部130の入力は送話音声信号側に切換わり、送話音声信号が音声判別部102へ送られ(音声判別部102は上記実施の形態1〜2に記載の動作と同一または同様の処理なため説明を省く)、騒音成分(不要音成分)が除去された後、騒音成分除去後の送話音声信号(不要音成分除去後の送話音声信号)が音量調節部103に送られる。
【0024】
音量調節部103では、音声レベル検出部120で送話音声の音量レベルが検出され、比較部123の一方に送られる。比較部123のもう一方にはデータテーブル121に格納された参照値が入力される。
比較部123では、データテーブル121の参照値と、音声レベル検出部120の検出結果値(送話音声信号の音量レベル)が比較される。その比較結果は、例えば、データテーブル121の参照値より音声レベル検出部120の検出結果値が大きい場合には、参照値から検出結果値を減算して得られるマイナスのデジタル差分値を、逆に小さい場合は検出結果値から参照値を減算して得られるプラスのデジタル差分値で表す。
【0025】
比較部123の比較結果は、第2の制御部125に入力され3つの制御を行なう。
その1つは、音声レベル調節部124の制御であり、比較部123からのプラスあるいはマイナスのデジタル差分値を基に、差分値がマイナスの場合はプラス方向に反対にプラスの場合はマイナス方向に音量レベルを制御するためのデータを生成し、音声レベル調節部124を制御する。図7のステップ3(S3)に示すように、使用者はこの調節をしながら自分の聞き取り易いレベルを決める。
第2の制御部125が行う2つめの制御は、データテーブル121の参照値の変更であり、使用者が操作部126で決めた音量レベルの元になる参照値をデータテーブル121に送り更新する。この参照値を使用して通話中の音量レベルを調節することで、使用者の聴力レベルを基準として比較が行われることになる。
さらに第2の制御部125は、使用者が決定した参照値を操作部126の操作により記憶部127に任意なタイミングで保存することができる。例えば、自己アドレス登録時に自局の電話番号などと一緒に参照値を登録する。
この結果、電話をかけるあるいは相手から電話がかかってきた場合に、操作部126の操作により記憶部127からデータテーブル121へ登録された参照値を呼び出し、比較部123で比較すべき参照値として使用する。
【0026】
なお、図7では、実施の形態3に記載の非通信時に送話音声信号を用いて騒音成分除去後の受話音声信号の出力音量レベルを決定する処理及び実施の形態1、2に記載の通信中に騒音成分除去後の受話音声信号そのものを用いて出力音量レベルを決定する処理の両者が示されている。このように、1台のAV通信端末で実施の形態3に記載の処理及び実施の形態1、2に記載の処理の両者を行うことが可能である。
【0027】
以上のように、この実施の形態3によれば、非通信時に送話音声信号を用いて受話音声信号の出力音量レベルを自端末で調節できるよう構成したので、使用者の聴力レベルを基準として、受話音声をより聞き取り易く、使用者の聴力レベルに合った音量レベルに調節することができる効果がある。
【0028】
実施の形態4.
上記発明の実施の形態3では、使用者が決定した参照値を記憶部127に1つだけ設定できるよう構成したが、複数の使用者が使用する場合などに対応して、記憶部127に複数設定できるように構成し、使用者によって個々の設定した参照値を記憶部127から読み出すようにすることができる。
【0029】
以上のように、この実施の形態4によれば、非通信時に送話音声信号を用いて受話音声信号の出力音量レベルを自端末で調節できるよう構成し、参照値を複数設定保存できるようにしたので、電話を受ける使用者に応じて、またはその日、その時の聴力レベルに合った参照値を選択利用して、より適切なレベルに音量調節できる効果がある。
【0030】
実施の形態5.
上記発明の実施の形態1〜4では、音声コーデック部からのトリガ信号の変化タイミングを送話側と受話側の発声音の有無を条件として切換え、そのタイミングで音声判別部102の検出を行うよう構成したが、操作部126により使用者の任意のタイミングでトリガ信号を変化、開始、停止させるよう構成し、より適切なタイミングで相手の騒音レベルを検出することができる。
【0031】
以上のように、この実施の形態5によれば、騒音レベルを検出するタイミングとなるトリガ信号を任意に変化、開始、停止できるように構成したので、相手側の騒音レベルの異なる環境や変化タイミングの誤動作の防止などに対応して、より忠実に騒音を省くことができる効果がある。
【0032】
実施の形態6.
上記発明の実施の形態1〜5では、通信終了時、非通信時、またはアドレス帳に参照値が登録された相手から電話がかかってきたときに操作部126で操作した場合のみ、データテーブル121の参照値を変更及び更新可能な構成としたが、通信中に任意に参照値をデータテーブル121に設定できるよう構成することで、より使用者が聞き取り易いレベル調節が可能となる。
【0033】
以上のように、この実施の形態6によれば、通信中に任意に参照値を変更できるように構成したので、通話中に任意に精度よく音量調節ができる効果がある。
【0034】
ここで、実施の形態1〜6に記載のAV通信端末の特徴を以下にて再言する。
【0035】
実施の形態1に記載のAV通信端末は、ISDN回線網を使用し、映像と音声が同時通信可能であって、少なくともISDN回線データの転送制御を行う回線データ伝送制御部とアナログ送話電気信号をデジタル送話電気信号に、デジタル受話電気信号をアナログ受話電気信号に変換する音声コーデック部を備えたAV通信端末であって、受話音声信号から騒音信号を抜き取り、通信相手の発声音声を抽出する音声判別部と、抽出された通信相手の発生音声を基に参照値との比較を行い、その結果に応じて音量の大小を自動調節する音量調節部を有することを特徴とする。
すなわち、回線データ伝送制御部からの受話音声信号の騒音レベルを検出し通信相手の発生音声のみを抽出する音声判別部と、予め設定された参照値と音量レベルとを比較し、その結果に応じて音量レベルを自動的に調節する音量調節部とを備えたことを特徴とする。
また、音声判別部は、音声コーデック部からのトリガ信号を基準に音声成分を検出する音声検出部と、検出結果を分析する騒音分析部と、騒音分析部の出力と受話音声信号とを入力し騒音成分を省く演算処理を行う演算部とを備えたことを特徴とする。
また、音量調節部は、音声判別部からの出力信号のレベルを検出する音声レベル検出部と、音声レベルの比較を行うための参照値が格納されたデータテーブルと、参照値に対する検出した音声レベルの差を比較する比較部と、比較部の結果に応じて音量レベルを調節する音量レベル調節部と、音量レベル調節部の制御及びデータテーブルの参照値更新制御を行う制御部とを備えたことを特徴とする。
【0036】
実施の形態2に記載のAV通信端末は、上記音量調節部において、内部に第2の制御部を備え、前記第2の制御部に接続する操作部と、前記第2の制御部に接続する記憶部を設け、通話相手によって音声レベル調節の比較値を保存および参照することを特徴とする。
すなわち、音量調節部に第2の制御部を設け、第2の制御部に接続された操作部と記憶部を備え、操作部からの操作により参照値を記憶部に保存および読み出しができるようにしたことを特徴とする。
【0037】
実施の形態3に記載のAV通信端末は、ISDN回線データの転送制御を行う回線データ伝送制御部と音声コーデック部を備えたAV通信端末であって、送話音声信号をニ系統した一方と前記回線データ伝送制御部からの受話音声信号とを選択する選択部と、選択部の制御を行う操作部と、前記選択部で選択された音声信号から騒音信号を抜き取り、発声者の発声音声を抽出する音声判別部と、抽出された発声音声を基に参照値との比較を行い、その結果に応じて音量レベルの大小を自動調節する音量調節部を有することを特徴とする。
すなわち、送話音声信号及び通信相手からの回線データ伝送制御部を経た受話音声信号を入力として、二択選択可能な選択部と、その選択部を制御する操作部とを備えたことを特徴とする。
【0038】
実施の形態4に記載のAV通信端末は、非通信時に使用者が決定した参照値を複数設定できることを特徴とする。
すなわち、非通信時に使用者が送話音声信号を調節した結果得られた参照値を、記憶部に複数設定可能にしたことを特徴とする。
【0039】
実施の形態5に記載のAV通信端末は、音声判別部に送るトリガ信号を操作部からも制御可能としたことを特徴とする。
すなわち、音声コーデック部からのトリガ信号の変化タイミング、開始、停止を操作部により操作可能にしたことを特徴とする。
【0040】
実施の形態6に記載のAV通信端末は、通信中にデータテーブルの参照値を記憶部に保存された中から任意に選び設定可能なことを特徴とする。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、受話音声信号から不要音成分を除去し、不要音声分が除去された不要音成分除去後の受話音声信号が出力されるため、ユーザは騒音のない聞き取りやすい状態の受話音声を聞くことができ、通話を快適に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1によるAV通信端末の構成例を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1によるAV通信端末の音声判別部の構成例を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態1によるAV通信端末の音量調節部の構成例を示すブロック図である。
【図4】この発明の実施の形態1によるトリガ信号の変化タイミングを示す図である。
【図5】この発明の実施の形態2のAV通信端末の音量調節部の構成例を示すブロック図である。
【図6】この発明の実施の形態3のAV通信端末の構成例を示すブロック図である。
【図7】この発明の実施の形態3の受話音声調節機能の操作手順を示すフロー図である。
【符号の説明】
100 ISDN回線網、101 回線データ伝送制御部、102 音声判別部、103 音量調節部、104 音声コーデック部、105 送話部、106受話部、110 音声検出部、111 騒音分析部、112 演算部、120音声レベル検出部、121 データテーブル、122 制御部、123 比較部、124 音声レベル調節部、125 第2の制御部、126 操作部、127 記憶部、130 選択部、131 操作部。
【発明の属する技術分野】
この発明は、電話装置に関するものであり、例えばAV通信端末及びデジタル電話器の受話音声を自動調節する機能に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の受話音量自動調節機能は受話音量を予め定められた適正音量の適正値と比較して、その結果に応じて受話音量を調節する構成になっている(例えば、特許文献1)。また、送話側の騒音量に応じて、受話音量の調節レベル範囲を制御する構成になっているものもある(例えば、特許文献2)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−13500号公報(第3〜7頁、図1)
【特許文献2】
特開2001−177607号公報(第3〜5頁、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の受話音量自動調節機能は以上のように構成されているので、ユーザが面倒な調節をすることなく受話音量の調節が可能ではあるが、通信相手側の騒音レベルも含んで調節されるため、相手の声音に騒音が加わり、必ずしも聞取り易い調節結果になるとは限らない。
また、受話側の聴音レベル(聴力)によっては、調節された音量レベルが適正と判断するのが難しいなどの問題があった。
【0005】
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、受話音声信号から騒音を省き、自動的あるいは使用者の聴力レベルに応じた適正レベルに音量を合わせ、常に聞き取り易い受話音声に自動調節する機能を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る電話装置は、
他の電話装置から受話音声信号を受信する受話音声信号受信部と、
前記受話音声信号受信部により受信された受話音声信号から音声成分以外の不要音成分を除去する不要音成分除去部と、
前記不要音成分除去部により不要音成分が除去された不要音成分除去後の受話音声信号を出力する受話音声信号出力部とを有することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図を参照して説明する。
図1において、AV通信端末(電話装置)1は、ISDN回線網100とのインターフェースを行い、送受話信号回線データの伝送制御を行う回線データ伝送制御部(受話音声信号受信部)101と、音声コーデック部104からのトリガ信号の変化のタイミングで受話音声信号の音声信号成分を検出し、騒音レベル(不要音成分)を省いた受話音声信号を抽出する音声判別部(不要音成分除去部)102と、音声判別部102からの受話音声信号の音量レベルを予め設定された参照値と比較演算し受話音声信号の出力音量レベルを自動調節する音量調節部103(出力音量調節部)と、例えばハンドセットのマイク部などを想定した送話部105と、ハンドセットのスピーカ部などを想定した受話部(受話音声信号出力部)106と、送話部105からのアナログ送話電気信号をデジタル送話電気信号に、デジタル受話電気信号をアナログ受話電気信号に変換し受話部106へ送る音声コーデック部104とを備える。
【0008】
次に実施の形態1の音声判別部102と音量調節部103を詳細に説明するための図2、図3について説明する。
図2は音声判別部102の内部構成例を示しており、回線データ伝送制御部101からの受話音声信号は音声検出部110と演算部112のニ系統に入力され、音声コーデック部104からのトリガ信号の変化するタイミングで受話音声信号の音声信号成分(音声成分)を検出する音声検出部110と、検出された音声信号成分を分析し騒音レベルとして抽出する騒音分析部111と、騒音分析部111からの出力と回線データ伝送制御部101からの受話音声信号とで演算処理を施し、受話音声信号から騒音(不要音成分)を省いた音声信号(不要音成分除去後の受話音声信号)を出力する演算部112とを備える。
【0009】
次に図3について説明する。図3は音量調節部103の内部構成例を示しており、音声判別部102からの音声信号の音量レベルを検出する音声レベル検出部120と、予め適正レベルとして設定した参照値が格納されたデータテーブル(参照値記憶部)121と、音声レベル検出部120の検出出力とデータテーブル121の参照値を比較する比較部123と、比較結果に応じた制御データの生成及びデータテーブル121の参照値を更新制御する制御部122と、制御部122からの制御データに応じた音量レベルに調節する音声レベル調節部124とを備える。
【0010】
以下、この発明の実施の形態1の上記構成について動作を説明する。
回線データ伝送制御部101から出力される受話音声信号は二系統に分かれ、その一方は音声検出部110と、騒音分析部111を経て、演算部112へ送られる。ニ系統に分かれた受話音声信号のもう一方は演算部112へ直接送られる。音声検出部110では、例えば図4に示すような音声コーデック部104からのトリガ信号の変化するタイミングで正(H)レベルの期間のみ音声信号成分を検出する。図4に示すトリガ信号の切換わりタイミングは、送話側発声音と受話側発声音の有/無の切り換りとする。すなわち、通常音声通話する場合、送話側と受話側が同時に話すことは少ない(会話しない)という人的特性を利用している。音声検出部110は、受話音声信号に通話相手の発声音が含まれない(受話音声信号に音声成分が含まれていない)時、すなわち、送話側発声時の受話音声信号成分(無音声、騒音成分のみの信号)を検出することになる。この音声信号成分は音質、周波数、電圧など、レベルが判断でき、演算可能なものであれば手段は問わない。
【0011】
音声検出部110で検出された音声信号成分は騒音分析部111へ送られ、相手側が発声していない時、すなわち相手側の通話中の環境騒音(例えば、通話を邪魔するような騒がしい現場、繁華街、家庭内の騒音など)のレベル(音質、周波数、電圧などのレベル)を分析処理して演算部112へ送る。演算部112には、騒音分析部111からの分析結果と受話音声信号が入力され、相手通話者の発声音がある受話音声信号が受信された場合に相手通話者の発声音がある受話音声信号から騒音レベルの分析結果を引き算することで、騒音レベルが省かれた受話音声信号のみが抽出される。
【0012】
音声判別部102で抽出された騒音が省かれた受話音声信号は、音量調節部103に入力されニ系統に分かれる。その一方は、音声レベル検出部120に送られ、レベル検出される。もう一方の受話音声信号は、直接音声レベル調節部124へ送られる構成になっている。音声レベル検出部120では、音声判別部102からの受話音声信号の音量レベルを一定時間検出する。検出された結果は、比較部123の一方に入力される。比較部123のもう一方にはデータテーブル121に格納された参照値が入力される。この参照値は例えば、人間が適正音量と感じる(例えば、出来るだけ多くのモニタに視聴テストを行い、その結果から平均化したサンプル値などを用いる)デジタル受話音声値を示すものである。
【0013】
比較部123では、データテーブル121の参照値と、音声レベル検出部120の検出結果(受話音声信号の音量レベル)が比較される。その比較結果は、例えば、データテーブル121の参照値より音声レベル検出部120の検出結果値が大きい場合には、参照値から検出結果値を減算して得られるマイナスのデジタル差分値を、逆に小さい場合は検出結果値から参照値を減算して得られるプラスのデジタル差分値で表す。さらに比較部123では比較限度範囲(リミッタ)として最大値、最小値を超えないよう比較が行われる。最大値は通信端末の最大音量規格値を越えないレベルで、最小値は暗雑音と判断されるレベルである。この最大値、最小値間をリミットとして比較され、音割れ、暗雑音の状態にならないよう制限している。
【0014】
比較部123の比較結果は、制御部122に入力され主に2つの制御を行なう。
その1つは、音声レベル調節部124の制御、すなわち出力音量レベルの決定であり、比較部123からのプラスあるいはマイナスのデジタル差分値を基に、差分値がマイナスの場合はプラス方向に反対にプラスの場合はマイナス方向に音量レベルを制御するためのデータを生成し、音声レベル調節部124を制御する。この制御により、音声判別部102で騒音の省かれた受話音声信号を自動的に聞き取り易い出力音量レベルに調節することができ、受話部106は、騒音の省かれた受話音声信号を調節された出力音量レベルにて出力する。
制御部122が行うもう1つの制御は、データテーブル121の参照値の更新であり、比較部123から得られる比較結果、すなわち決定された出力音量レベルを基にデジタル差分値を平均分布化するための演算処理を行い、通話終了のタイミング(オンフック時)で参照値を書きかえる(更新する)。この制御で、通話終了後、参照値は常に更新され、通話した件数分がサンプルデータとなり参照値の精度を上げることが可能である。
【0015】
以上のように、この実施の形態1によれば、通話相手の環境騒音を省いた状態で音量調節するよう構成したので、使用者が面倒な操作をすることなく、受話音声をより聞き取り易い状態で通話ができる効果がある。
【0016】
実施の形態2.
本実施の形態では、通話相手ごと(通話相手となる他の電話装置ごと)に、出力音量レベルを決定し、通話相手ごと(通話相手となる他の電話装置ごと)に出力音量レベルを記憶する場合について説明する。以下、この発明の実施の形態2を図5を参照して説明する。
図1〜図3と同一符号は、同一又は同様の動作を示し説明を省略する。
図5において比較部123からの比較結果を基に演算制御を行う第2の制御部125と、第2の制御部125に接続され、使用者が設定などの操作が行える操作部126と、第2の制御部125の演算結果を保存、読み出し可能とする記憶部(個別参照値記憶部)127とを備える。
【0017】
以下、この発明の実施の形態2の動作について説明する。
音声判別部102で抽出された騒音が省かれた受話音声信号は、音量調節部103に入力され、ニ系統に分かれる。その一方は、音声レベル検出部120に送られ、レベル検出される。もう一方の受話音声信号は、直接音声レベル調節部124へ送られる構成になっている。音声レベル検出部120では、音声判別部102からの受話音声信号の音量レベルを一定時間検出する。検出された結果は、比較部123の一方に入力される。比較部123のもう一方にはデータテーブル121に格納された参照値が入力される。データテーブル121の参照値は、記憶部127から読み出された値が利用される。
【0018】
比較部123では、データテーブル121の参照値と、音声レベル検出部120の検出結果が比較される。その比較結果は、例えば、データテーブル121の参照値より音声レベル検出部120の検出結果値が大きい場合には、参照値から検出結果値を減算して得られるマイナスのデジタル差分値を、逆に小さい場合は検出結果値から参照値を減算して得られるプラスのデジタル差分値で表す。
【0019】
比較部123の比較結果は、第2の制御部125に入力され主に3つの制御を行なう。
その1つは、音声レベル調節部124の制御であり、比較部123からのプラスあるいはマイナスのデジタル差分値を基に、差分値がマイナスの場合はプラス方向に反対にプラスの場合はマイナス方向に音量レベルを制御するためのデータを生成し、音声レベル調節部124を制御する。この制御により、音声判別部102で騒音の省かれた受話音声信号を自動的に聞き取り易い出力音量レベルに調節することができる。
第2の制御部125が行う2つめの制御は、データテーブル121の参照値の更新であり、比較部123から得られる比較結果を基にデジタル差分値を平均分布化するための演算処理を行い、通話終了のタイミング(オンフック時)で参照値を書きかえる(更新する)。
さらに第2の制御部125が行う3つめの制御は、データテーブル121の参照値を更新すると同時に更新データを操作部126の操作により記憶部127に保存することができる。保存の手段として例えば、通話相手のアドレス登録時または、アドレス帳登録内容編集時に電話番号などと一緒に参照値を登録する。この結果、参照値が登録済みの相手から電話がかかってきた場合に、自動もしくは、操作部126の操作により記憶部127から保存された参照値を呼出し、データテーブル121の参照値として利用することができる。
【0020】
以上のように、この実施の形態2によれば、音量レベルを比較するための参照値をアドレス帳などに保存できるように構成したので、通話相手毎の発声音量の傾向に応じて、より適切なレベルに音量調節できる効果がある。
【0021】
実施の形態3.
以下、この発明の実施の形態3を図6を参照して説明する。
図1〜図5と同一符号は、同一又は同様の動作を示し説明を省略する。
図6において、音声コーデック部104からの送話音声信号と回線データ伝送制御部101からの受話音声信号とを入力として二択選択可能な選択部130と、選択部130を制御する操作部131とを備える。また、図7は操作手順を示すフロー図である。
【0022】
以下、この発明の実施の形態3の上記構成について動作を説明する。
回線データ伝送制御部101からの受話音声信号は選択部130の一方に入力され、音声コーデック部104からの送話音声信号は選択部130のもう一方と回線データ伝送制御部101に入力される。例えば、図7に示すように非通信時の場合、使用者は、通話中の受話音量調節レベルを使用者の聴力レベルに合わせるよう次の操作を行う。
【0023】
まず、ステップ1(S1)として、使用者は操作部131により、保守的な機能である自端末音声折り返し機能を実行し送話部105から発声を行う。この機能は保守点検用に自端末内部回路で音声を折り返し、送話部105から発声した音声(送話音声信号)を受話部106で確認検査する機能である。自端末音声折り返し機能を実行した場合、図7のステップ2(S2)の処理となり、選択部130の入力は送話音声信号側に切換わり、送話音声信号が音声判別部102へ送られ(音声判別部102は上記実施の形態1〜2に記載の動作と同一または同様の処理なため説明を省く)、騒音成分(不要音成分)が除去された後、騒音成分除去後の送話音声信号(不要音成分除去後の送話音声信号)が音量調節部103に送られる。
【0024】
音量調節部103では、音声レベル検出部120で送話音声の音量レベルが検出され、比較部123の一方に送られる。比較部123のもう一方にはデータテーブル121に格納された参照値が入力される。
比較部123では、データテーブル121の参照値と、音声レベル検出部120の検出結果値(送話音声信号の音量レベル)が比較される。その比較結果は、例えば、データテーブル121の参照値より音声レベル検出部120の検出結果値が大きい場合には、参照値から検出結果値を減算して得られるマイナスのデジタル差分値を、逆に小さい場合は検出結果値から参照値を減算して得られるプラスのデジタル差分値で表す。
【0025】
比較部123の比較結果は、第2の制御部125に入力され3つの制御を行なう。
その1つは、音声レベル調節部124の制御であり、比較部123からのプラスあるいはマイナスのデジタル差分値を基に、差分値がマイナスの場合はプラス方向に反対にプラスの場合はマイナス方向に音量レベルを制御するためのデータを生成し、音声レベル調節部124を制御する。図7のステップ3(S3)に示すように、使用者はこの調節をしながら自分の聞き取り易いレベルを決める。
第2の制御部125が行う2つめの制御は、データテーブル121の参照値の変更であり、使用者が操作部126で決めた音量レベルの元になる参照値をデータテーブル121に送り更新する。この参照値を使用して通話中の音量レベルを調節することで、使用者の聴力レベルを基準として比較が行われることになる。
さらに第2の制御部125は、使用者が決定した参照値を操作部126の操作により記憶部127に任意なタイミングで保存することができる。例えば、自己アドレス登録時に自局の電話番号などと一緒に参照値を登録する。
この結果、電話をかけるあるいは相手から電話がかかってきた場合に、操作部126の操作により記憶部127からデータテーブル121へ登録された参照値を呼び出し、比較部123で比較すべき参照値として使用する。
【0026】
なお、図7では、実施の形態3に記載の非通信時に送話音声信号を用いて騒音成分除去後の受話音声信号の出力音量レベルを決定する処理及び実施の形態1、2に記載の通信中に騒音成分除去後の受話音声信号そのものを用いて出力音量レベルを決定する処理の両者が示されている。このように、1台のAV通信端末で実施の形態3に記載の処理及び実施の形態1、2に記載の処理の両者を行うことが可能である。
【0027】
以上のように、この実施の形態3によれば、非通信時に送話音声信号を用いて受話音声信号の出力音量レベルを自端末で調節できるよう構成したので、使用者の聴力レベルを基準として、受話音声をより聞き取り易く、使用者の聴力レベルに合った音量レベルに調節することができる効果がある。
【0028】
実施の形態4.
上記発明の実施の形態3では、使用者が決定した参照値を記憶部127に1つだけ設定できるよう構成したが、複数の使用者が使用する場合などに対応して、記憶部127に複数設定できるように構成し、使用者によって個々の設定した参照値を記憶部127から読み出すようにすることができる。
【0029】
以上のように、この実施の形態4によれば、非通信時に送話音声信号を用いて受話音声信号の出力音量レベルを自端末で調節できるよう構成し、参照値を複数設定保存できるようにしたので、電話を受ける使用者に応じて、またはその日、その時の聴力レベルに合った参照値を選択利用して、より適切なレベルに音量調節できる効果がある。
【0030】
実施の形態5.
上記発明の実施の形態1〜4では、音声コーデック部からのトリガ信号の変化タイミングを送話側と受話側の発声音の有無を条件として切換え、そのタイミングで音声判別部102の検出を行うよう構成したが、操作部126により使用者の任意のタイミングでトリガ信号を変化、開始、停止させるよう構成し、より適切なタイミングで相手の騒音レベルを検出することができる。
【0031】
以上のように、この実施の形態5によれば、騒音レベルを検出するタイミングとなるトリガ信号を任意に変化、開始、停止できるように構成したので、相手側の騒音レベルの異なる環境や変化タイミングの誤動作の防止などに対応して、より忠実に騒音を省くことができる効果がある。
【0032】
実施の形態6.
上記発明の実施の形態1〜5では、通信終了時、非通信時、またはアドレス帳に参照値が登録された相手から電話がかかってきたときに操作部126で操作した場合のみ、データテーブル121の参照値を変更及び更新可能な構成としたが、通信中に任意に参照値をデータテーブル121に設定できるよう構成することで、より使用者が聞き取り易いレベル調節が可能となる。
【0033】
以上のように、この実施の形態6によれば、通信中に任意に参照値を変更できるように構成したので、通話中に任意に精度よく音量調節ができる効果がある。
【0034】
ここで、実施の形態1〜6に記載のAV通信端末の特徴を以下にて再言する。
【0035】
実施の形態1に記載のAV通信端末は、ISDN回線網を使用し、映像と音声が同時通信可能であって、少なくともISDN回線データの転送制御を行う回線データ伝送制御部とアナログ送話電気信号をデジタル送話電気信号に、デジタル受話電気信号をアナログ受話電気信号に変換する音声コーデック部を備えたAV通信端末であって、受話音声信号から騒音信号を抜き取り、通信相手の発声音声を抽出する音声判別部と、抽出された通信相手の発生音声を基に参照値との比較を行い、その結果に応じて音量の大小を自動調節する音量調節部を有することを特徴とする。
すなわち、回線データ伝送制御部からの受話音声信号の騒音レベルを検出し通信相手の発生音声のみを抽出する音声判別部と、予め設定された参照値と音量レベルとを比較し、その結果に応じて音量レベルを自動的に調節する音量調節部とを備えたことを特徴とする。
また、音声判別部は、音声コーデック部からのトリガ信号を基準に音声成分を検出する音声検出部と、検出結果を分析する騒音分析部と、騒音分析部の出力と受話音声信号とを入力し騒音成分を省く演算処理を行う演算部とを備えたことを特徴とする。
また、音量調節部は、音声判別部からの出力信号のレベルを検出する音声レベル検出部と、音声レベルの比較を行うための参照値が格納されたデータテーブルと、参照値に対する検出した音声レベルの差を比較する比較部と、比較部の結果に応じて音量レベルを調節する音量レベル調節部と、音量レベル調節部の制御及びデータテーブルの参照値更新制御を行う制御部とを備えたことを特徴とする。
【0036】
実施の形態2に記載のAV通信端末は、上記音量調節部において、内部に第2の制御部を備え、前記第2の制御部に接続する操作部と、前記第2の制御部に接続する記憶部を設け、通話相手によって音声レベル調節の比較値を保存および参照することを特徴とする。
すなわち、音量調節部に第2の制御部を設け、第2の制御部に接続された操作部と記憶部を備え、操作部からの操作により参照値を記憶部に保存および読み出しができるようにしたことを特徴とする。
【0037】
実施の形態3に記載のAV通信端末は、ISDN回線データの転送制御を行う回線データ伝送制御部と音声コーデック部を備えたAV通信端末であって、送話音声信号をニ系統した一方と前記回線データ伝送制御部からの受話音声信号とを選択する選択部と、選択部の制御を行う操作部と、前記選択部で選択された音声信号から騒音信号を抜き取り、発声者の発声音声を抽出する音声判別部と、抽出された発声音声を基に参照値との比較を行い、その結果に応じて音量レベルの大小を自動調節する音量調節部を有することを特徴とする。
すなわち、送話音声信号及び通信相手からの回線データ伝送制御部を経た受話音声信号を入力として、二択選択可能な選択部と、その選択部を制御する操作部とを備えたことを特徴とする。
【0038】
実施の形態4に記載のAV通信端末は、非通信時に使用者が決定した参照値を複数設定できることを特徴とする。
すなわち、非通信時に使用者が送話音声信号を調節した結果得られた参照値を、記憶部に複数設定可能にしたことを特徴とする。
【0039】
実施の形態5に記載のAV通信端末は、音声判別部に送るトリガ信号を操作部からも制御可能としたことを特徴とする。
すなわち、音声コーデック部からのトリガ信号の変化タイミング、開始、停止を操作部により操作可能にしたことを特徴とする。
【0040】
実施の形態6に記載のAV通信端末は、通信中にデータテーブルの参照値を記憶部に保存された中から任意に選び設定可能なことを特徴とする。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、受話音声信号から不要音成分を除去し、不要音声分が除去された不要音成分除去後の受話音声信号が出力されるため、ユーザは騒音のない聞き取りやすい状態の受話音声を聞くことができ、通話を快適に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1によるAV通信端末の構成例を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1によるAV通信端末の音声判別部の構成例を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態1によるAV通信端末の音量調節部の構成例を示すブロック図である。
【図4】この発明の実施の形態1によるトリガ信号の変化タイミングを示す図である。
【図5】この発明の実施の形態2のAV通信端末の音量調節部の構成例を示すブロック図である。
【図6】この発明の実施の形態3のAV通信端末の構成例を示すブロック図である。
【図7】この発明の実施の形態3の受話音声調節機能の操作手順を示すフロー図である。
【符号の説明】
100 ISDN回線網、101 回線データ伝送制御部、102 音声判別部、103 音量調節部、104 音声コーデック部、105 送話部、106受話部、110 音声検出部、111 騒音分析部、112 演算部、120音声レベル検出部、121 データテーブル、122 制御部、123 比較部、124 音声レベル調節部、125 第2の制御部、126 操作部、127 記憶部、130 選択部、131 操作部。
Claims (8)
- 他の電話装置から受話音声信号を受信する受話音声信号受信部と、
前記受話音声信号受信部により受信された受話音声信号から音声成分以外の不要音成分を除去する不要音成分除去部と、
前記不要音成分除去部により不要音成分が除去された不要音成分除去後の受話音声信号を出力する受話音声信号出力部とを有することを特徴とする電話装置。 - 前記受話音声信号受信部は、
他の電話装置から音声成分が含まれない受話音声信号を受信する場合があり、
前記不要音成分除去部は、
前記受話音声信号受信部により受信された音声成分が含まれない受話音声信号について分析を行い、以降に受信される受話音声信号から除去すべき不要音成分を特定し、不要音成分の特定後に前記受話音声信号受信部により受話音声信号が受信された場合に、不要音成分の特定結果に従って、受信された受話音声信号から不要音成分を除去することを特徴とする請求項1に記載の電話装置。 - 前記電話装置は、更に、
前記受話音声信号出力部が不要音成分除去後の受話音声信号を出力する際の出力音量レベルを決定する出力音量調節部を有し、
前記受話音声信号出力部は、
前記出力音量調節部により決定された出力音量レベルにて不要音成分除去後の受話音声信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の電話装置。 - 前記電話装置は、
不要音成分除去後の受話音声信号の出力音量レベルの決定のための参照値を記憶する参照値記憶部を有し、
前記出力音量調節部は、
前記不要音成分除去部より不要音成分除去後の受話音声信号を入力するとともに、不要音成分除去後の受話音声信号の音量レベルと前記参照値記憶部に記憶されている参照値とを比較して出力音量レベルを決定することを特徴とする請求項3に記載の電話装置。 - 前記出力音量調節部は、
決定した出力音量レベルに基づいて前記参照値記憶部の参照値を更新することを特徴とする請求項4に記載の電話装置。 - 前記受話音声信号受信部は、
複数の他の電話装置から受話音声信号の受信が可能であり、
前記出力音量調節部は、
他の電話装置ごとに不要音成分除去後の受話音声信号の音量レベルと前記参照値記憶部に記憶されている参照値とを比較し、他の電話装置ごとに出力音量レベルを決定することを特徴とする請求項4に記載の電話装置。 - 前記電話装置は、更に、
前記出力音量調節部により他の電話装置ごとに決定された出力音量レベルを他の電話装置ごとに個別に記憶する個別参照値記憶部を有することを特徴とする請求項6に記載の電話装置。 - 前記不要音成分除去部は、
送話音声信号を入力するとともに、入力した送話音声信号から音声成分以外の不要音成分を除去し、
前記出力音量調節部は、
前記不要音成分除去部より不要音成分が除去された不要音成分除去後の送話音声信号を入力するとともに、入力した不要音成分除去後の送話音声信号に基づき、前記受話音声信号出力部が不要音成分除去後の受話音声信号を出力する際の出力音量レベルを決定することを特徴とする請求項3に記載の電話装置。
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