JP2004231808A - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のエポキシ樹脂の熱時特性を生かしながら、接着性に優れるとともに硬化後、加熱により接着強度が著しく低下して容易に被着物を剥がすことができ、エポキシ樹脂から被着物であるプラスチックや金属等の成形品、加工品等を容易に解体することができるエポキシ樹脂組成物を提供する。
【解決の手段】エポキシ化合物、エポキシ樹脂用硬化剤、及び、上記エポキシ化合物100重量部に対して110〜310重量部のポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリブチレンメタクリレート等の熱可塑性樹脂粉体又は熱硬化性樹脂粉体等の有機ポリマー粉体を含有してなるエポキシ樹脂組成物。
【選択図】 なし
【解決の手段】エポキシ化合物、エポキシ樹脂用硬化剤、及び、上記エポキシ化合物100重量部に対して110〜310重量部のポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリブチレンメタクリレート等の熱可塑性樹脂粉体又は熱硬化性樹脂粉体等の有機ポリマー粉体を含有してなるエポキシ樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エポキシ樹脂組成物、さらに詳しくは、エポキシ化合物、エポキシ樹脂用硬化剤及び有機ポリマー粉体からなり、接着性に優れるとともに、硬化後、加熱により接着強度が著しく低下して容易に被着物を引き剥がすことが可能なエポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
エポキシ樹脂組成物は、各種構造接着剤や電装部品等の接着材、金属やプラスチック等との複合成形材、電気・電子分野等の用途に広く用いられている。しかしながら、ポリプロピレンやPET等の熱可塑性樹脂と異なり、エポキシ樹脂が硬化した後は、加熱により樹脂が若干軟化するものの接着強度が高温でもゼロとならないので、被着物であるプラスチックや金属等はこれを容易に剥がすことができない。すなわち、硬化エポキシ樹脂の引張剪断接着強さは、一般に加熱により低下していくが、ガラス転移点を超えても接着強度は依然としてゼロとならず、一般の予想に反して200℃を超える高温下でも依然、残存強度が存在する。このため、加熱により容易に被着物を引き剥がすということができない。また、エポキシ樹脂は酸、アルカリ、溶剤等にも溶解しない。従って、エポキシ樹脂と接着したプラスチックや金属等は、これを引き剥がして再び利用するということが極めて困難である。このことは、エポキシ樹脂を使用した複合成形品の解体、再利用が困難であり資源の有効利用の観点から不都合であるのみならず、また、接着及び解体又は剥離の双方が可能であることを要請する用途への適用を阻み、エポキシ樹脂の用途拡大の観点からも不都合である。
【0003】
このような問題に対しては、熱硬化性樹脂の作業性、接着強度を有しながら、加熱により溶融するエポキシ樹脂を使用する方法がある(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。しかし、このような樹脂は、耐熱性が必ずしも充分でなく、100℃以上の高温では充分な接着強度を保持することができない。
【0004】
一方、エポキシ樹脂に粉末状重合体を特定量配合した擬似硬化後の剥離除去性を有する樹脂を使用する技術がある(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、この特許文献からは、本硬化後の引張剪断接着強さが高温時に著しく低下するか否か一切明らかでなく、このような樹脂は上述の問題を解決するものとはいえない。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−154237号公報2〜3頁
【特許文献2】
特開2001−348419号公報2頁
【特許文献3】
特開平2−80483号公報6〜7頁
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述の現状に鑑み、本発明の目的は、従来のエポキシ樹脂の熱時特性を生かしながら、接着性に優れるとともに硬化後、加熱により接着強度が著しく低下して容易に被着物を剥がすことができ、エポキシ樹脂から被着物であるプラスチックや金属等の成形品、加工品等を容易に解体することができるエポキシ樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記問題点を解決すべく、種々の実験を重ねた結果、エポキシ化合物、エポキシ樹脂用硬化剤、及び、上記エポキシ化合物に対して特定量の有機ポリマー粉体を含有してなる組成物を使用すると、高温加熱時に接着強度が実質的にゼロとなることを見いだした。
【0008】
本発明は上記の知見に基づいてなされたものである。すなわち、本発明は、エポキシ化合物、エポキシ樹脂用硬化剤、及び、上記エポキシ化合物100重量部に対して110〜310重量部の有機ポリマー粉体を含有してなるエポキシ樹脂組成物である。
【0009】
また、本発明は、エポキシ化合物、エポキシ樹脂用硬化剤、及び、有機ポリマー粉体からなるエポキシ樹脂組成物を主要構成成分として含有してなり、上記樹脂組成物のアルミ板に対する硬化物の引張剪断接着強さが、ガラス転移点より高温でかつ樹脂分解温度未満の範囲内に属するいずれかの温度領域において実質的にゼロである高温剥離性を有する接着性エポキシ樹脂組成物でもある。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明において、上記エポキシ化合物としては特に限定されず、常温で液状又は固形状の公知のエポキシ化合物を用途に応じて適宜使用することができ、具体的には、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂(たとえばジグリシジルフタレート、ジグリシジルテトラヒドロフタレート、ダイマー酸ジグリシジルエステルなど)、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(たとえばジグリシジルアニリン、ジグリシジルトルイジン、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェニルメタン、トリグリシジル−m−アミノフェニルメタン、テトラグリシジル−m−キシリレンジアミンなど)、複素環式エポキシ樹脂、ジアリールスルホン型エポキシ樹脂、ヒドロキノン型エポキシ樹脂(たとえばヒドロキノンジグリシジルエーテル、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノンジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテルなど)、アルキレングリシジルエーテル系化合物(たとえばブタンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテルなど)、グリシジル基含有ヒダントイン化合物(たとえば1,3−ジグリシジル−5,5−ジアルキルヒダントイン、1−グリシジル−3−(グリシドキシアルキル)−5,5−ジアルキルヒダントインなど)、グリシジル基含有シロキサン(たとえば1,3−ビス(3−グリシドキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、α,β−ビス(3−グリシドキシプロピル)ポリジメチルシロキサンなど)およびそれらの変性物等のエポキシ化合物等の2官能以上のエポキシ化合物等を挙げることができる。これらのうちでは、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が、反応性および作業性の点から好ましい。
【0011】
必要により、また、例えば、tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、1−(3−グリシドキシプロピル)1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキサン、N−グリシジル−N,N−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アミンなどのモノグリシジル化合物、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのモノ脂環式エポキシ化合物等の1官能エポキシ化合物を反応性希釈剤として使用することができる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0012】
本発明において、エポキシ樹脂用硬化剤としては特に限定されず、公知のエポキシ樹脂用硬化剤を使用することができ、例えば、アミン系硬化剤、フェノール系硬化剤、酸無水物系硬化剤、潜在性硬化剤等であってよい。
【0013】
上記アミン系硬化剤としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチルアミノプロピルアミン、メンタンジアミン、イソホロンジアミン、ビス[4−アミノ−3−メチルジシクロヘキシル]メタン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、m−キシリレンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジエチルジフェニルメタン及びこれらをエポキシアダクト、マイケル付加、マンニッヒ反応等により変性した変性ポリアミン、ポリアミドアミン等が挙げられる。
【0014】
上記フェノール系硬化剤としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールB、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS等のビスフェノール類;ビフェノール、ヒドロキシフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル等のフェノール類;2,6−ビス[(2−ヒドロキシフェニル)メチル]−フェノール等のフェノールノボラック類、o−クレゾールノボラック、m−クレゾールノボラック、p−クレゾールノボラック等のクレゾールノボラック類等を挙げることができる。
【0015】
上記潜在性硬化剤としては、例えば、ジシアンジアミド系硬化剤、尿素系硬化剤、有機酸ヒドラジド系硬化剤、ポリアミン塩系硬化剤、アミンアダクト系硬化剤等を挙げることができる。
【0016】
上記酸無水物系硬化剤としては、例えば、ジデセニル無水コハク酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビストリメリテート、グリセロールトリストリメリテート等を挙げることができる。
【0017】
エポキシ樹脂用硬化剤の配合量は、使用する化合物や組成等により適宜決定することができる。例えば、フェノール樹脂を使用する場合、通常、エポキシ化合物100重量部に対して1〜80重量部、好ましくは3〜50重量部であり、ジシアンジアミド系硬化剤を使用する場合は、エポキシ化合物100重量部に対して1〜20重量部、より好ましくは3〜10重量部である。
【0018】
本発明において、有機ポリマー粉体は、粉体状の有機ポリマーである。粉体粒子の形状は特に限定されず、球状、不定形状、微小繊維状等であってよい。
【0019】
上記粉体を構成する有機ポリマーとしては、例えば、プラスチック、ゴム等のほか多糖類、セルロース等の天然高分子等を挙げることができる。上記プラスチックとしては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂であってよい。
【0020】
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリアクリレート及びこれらの共重合体等が挙げられる。また、コア/シェル構造のポリマーであってもよい。
【0021】
上記熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール系ポリマー、メラミン系ポリマー等が挙げられる。熱硬化性樹脂の粉体は、例えば、硬化樹脂の粉砕等の方法により得ることも可能である。
【0022】
本発明のエポキシ樹脂組成物において、上記有機ポリマー粉体の含有量は、上記エポキシ化合物100重量部に対して、110〜310重量部である。有機ポリマー粉体の含有量が上記範囲であると、接着性能が良好であり、かつ、高温加熱時の引張剪断接着強さが著しく低下し、ガラス転移点より高温でかつ樹脂分解温度未満の範囲内に属するいずれかの温度領域において実質的に接着強度がなくなる。逆に、有機ポリマー粉体の含有量が上記範囲未満であると、高温加熱時の引張剪断接着強さが著しく低下するということがなく、高温加熱時にも残存接着強度が存在する。また、有機ポリマー粉体の含有量が上記範囲を超えると、接着性能が不充分となり、また、粉体の配合自体が困難となる。配合量の下限は、好ましくは、110重量部、より好ましくは120重量部であり、配合量の上限は、好ましくは300重量部であり、より好ましくは250重量部、さらに好ましくは200重量部である。
【0023】
本発明においては、必要に応じて、本発明の目的を阻害しない範囲で、その他の添加材を配合することができる。上記添加材としては、例えば、硬化促進剤、粘度調整剤、無機フィラー、消泡剤、シランカップリング剤等のカップリング剤、顔料等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0024】
上記硬化促進剤としては、例えば、3級アミン系化合物、イミダゾール類、リン系化合物等が挙げられる。
上記3級アミン系化合物としては、例えば、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリエチレンジアミン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン等を挙げることができる。
【0025】
上記イミダゾール類としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール,2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−5−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾールアジン、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−5−メチルイミダゾール等を挙げることができる。
【0026】
上記リン系化合物としては、例えば、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン、トリ−o−トリルホスフィン、トリ−m−トリルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、シクロヘキシルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン−トリフェニルボロン錯体、テトラフェニルホスホニウム−テトラフェニルボレート等の3個の有機基を有する有機リン系化合物等を挙げることができる。これらのうち、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、トリフェニルホスフィン−トリフェニルボロン錯体を用いると貯蔵安定性のよい一液型のエポキシ樹脂組成物とすることができる。
【0027】
上記硬化促進剤の添加量は、使用する化合物の種類や組成等により異なるが、通常、エポキシ化合物100重量部に対して0.1〜1重量部、好ましくは0.1〜0.8重量部、より好ましくは0.2〜0.6重量部である。
【0028】
上記粘度調整剤としては、例えば、反応性希釈剤等を使用することができる。
【0029】
上記無機フィラーとしては、例えば、球状溶融シリカ、鉄などの金属の金属粉、珪砂、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、酸性白土、珪藻土、カオリン、石英、酸化チタン、シリカ、フェノール樹脂マイクロバルーン、ガラスバルーン等が挙げられる。
上記無機フィラーの添加量は、通常、配合物における充填率が1〜70%、好ましくは30〜60%である。
【0030】
上記消泡剤としては、例えば、シリコーン系消泡剤等が挙げられ、具体的には、例えば、ST86PA(商品名、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)などの純粋なシリコーン系消泡剤等を挙げることができる。
上記消泡剤の添加量は、通常、エポキシ化合物100重量部に対して0.005〜0.1重量部、好ましくは0.01〜0.05重量部である。
【0031】
上記顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛等を挙げることができる。
【0032】
本発明の組成物を得る方法としては特に限定されず、エポキシ化合物、エポキシ樹脂用硬化剤及び有機ポリマー粉体、並びに、必要に応じて、硬化促進剤等の添加材を混合すればよい。上記混合の方法としては、公知の混合装置を使用する方法を適用可能である。例えば、ニーダー、ヘンシェルミキサー、ディスパー、3本ロール、パドルミキサー、プラネタリーミキサー等の混合機を使用することができる。その際、必要に応じて、適宜、溶剤を使用することができる。
【0033】
上記溶剤としては特に限定されず、例えば、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等のアミド系溶剤、トルエン、キシレン、ベンゼン等の炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール等のアルコール系溶剤が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0034】
本発明においては、上記溶剤を、有機ポリマー粉体の充填や硬化剤の溶解等のために、通常、エポキシ化合物100重量部あたり150〜800重量部程度使用することができる。
【0035】
本発明の高温剥離性を有する接着性エポキシ樹脂組成物は、エポキシ化合物、エポキシ樹脂用硬化剤、及び、有機ポリマー粉体からなるエポキシ樹脂組成物を主要構成成分として含有してなり、上記樹脂組成物のアルミ板に対する硬化物の引張剪断接着強さが、ガラス転移点より高温でかつ樹脂分解温度未満の範囲内に属するいずれかの温度領域において実質的にゼロである。引張剪断接着強さが実質的にゼロであるとは、通常行われるように、脱脂アルミ板の片面に樹脂を塗布し、貼り合わせ、加熱硬化した試験片について試験機で引張剪断接着強さを測定した場合に、ゼロより大きい接着強度の値が測定できない程度に引張剪断接着強さが小さいことをいう。本発明の高温剥離性を有する接着性エポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂組成物としては、例えば、上述した本発明のエポキシ樹脂組成物を好適に使用することができる。
【0036】
本発明の高温剥離性を有する接着性エポキシ樹脂組成物は、用途に応じて、また、加工性、施工性、取り扱い性、安定性等のために、公知の、硬化促進剤、無機フィラー、消泡剤、カップリング剤、顔料、粘度調整剤、溶剤、難燃剤、発泡剤、酸化防止剤等を副成分として含有することができる。これらの含有量は、本発明の目的を阻害しない範囲で用途に応じて適宜設定することができる。例えば、接着剤用途の場合、カップリング剤等を配合することができ、それらの配合量は、主要構成成分100重量部に対して好ましくは0.1〜5重量部である。
【0037】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、各種構造接着剤や電装部品等の接着材、金属やプラスチック等との複合成形材、電気・電子分野等の用途において、接着剤、成形材料等として使用することができ、硬化後、加熱することにより、例えば、200℃以上の温度で、引張剪断接着強さが実質的にゼロとなるので、エポキシ樹脂を用いた接着物を容易に剥離、解体することができる。また、充分な接着性能をも有しているので、接着及び剥離又は解体の両方が要請される用途、例えば、金属とプラスチックとの組み合わせ体の製造等に適用することにより、製造効率を向上することができる。さらに、接着体の分解、解体が可能であるので、再生利用が可能となり、資源の有効利用に資する。
【0038】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0039】
実施例1
ジメチルアセトアミド600重量部にフェノライトTD−2093Y(大日本インキ社製、フェノール樹脂)50重量部を80℃で溶解させた後、30℃まで冷却し、TPP−S(北興化学社製、トリフェニルホスフィントリフェニルボレート)0.5重量部、AER260(旭化成エポキシ社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂)100重量部、パラロイドEXL2655(呉羽化学工業社製、ブタジエン−メタクリル酸アルキルスチレン共重合体粉体)170重量部を加えて混合した。得られたエポキシ樹脂組成物を、脱脂アルミ板の接着試験片に塗布し、100℃で10分間乾燥した後、試験片を貼り合わせて、170℃で30分間硬化させた。得られた試験片を、インストロン万能試験機で25℃と200℃における引張剪断接着強さを測定した。結果を表1に示した。また、示差走査熱量分析からガラス転移点は約140℃であった。
【0040】
実施例2〜6、比較例1〜3
表1の配合を用いたこと以外は実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得、その引張剪断接着強さを測定した。ただし、実施例3は、加熱を行わず、室温で混合した。また、実施例2、5〜7について、25℃と120℃と200℃における引張剪断接着強さを、実施例3、4及び比較例については、25℃と200℃における引張剪断接着強さを、それぞれ、実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示した。
【0041】
なお、表1において、組成物成分の略称は以下の通りである:
AER260:旭化成エポキシ社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂
TD−2093Y:フェノライトTD−2093Y、大日本インキ社製、フェノール樹脂
CG1400:ピィ・ティ・アイ・ジャパン社製、ジシアンジアミド
UF1.5:フローセンUF1.5、住友精化社製、ポリエチレン粉体
EXL2655:パラロイドEXL2655、呉羽化学工業社製、ブタジエン−メタクリル酸アルキルスチレン共重合体粉体
PBM:ポリブチルメタクリレート粉体
PVC:ポリ塩化ビニル粉体
TPP−S:北興化学社製、トリフェニルホスフィントリフェニルボレート
溶剤:ジメチルアセトアミド
【0042】
【表1】
【0043】
表1の結果から、本発明のエポキシ樹脂組成物は、25℃で実用上充分な接着強度を発揮するとともに、200℃で引張剪断接着強さはゼロであった。なお、実施例2、5〜7の組成物について120℃における引張剪断接着強さを測定したところ、それぞれ、4.2N/mm2、4.2N/mm2、1.9N/mm2及び2.8N/mm2であり、100℃以上の接着性能も充分確保できることがわかった。一方、樹脂粉体を含有しない比較例1は、25℃での接着強度が実施例1の配合より勝るものの、200℃における残存接着強度は1.7N/mm2であり、容易に引き剥がすことはできなかった。また、樹脂粉体が65重量部である比較例2や100重量部である比較例3は、樹脂粉体含量が少なく、やはり、200℃において引張剪断接着強さはゼロとならなかった。
【0044】
【発明の効果】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上述の構成により、常温で充分な接着強度を有し、耐熱性も有するとともに、高温時に引張剪断接着強さが著しく低下して容易に被着物を剥離することが可能であるので、エポキシ樹脂を使用した複合成形品の解体、再利用が可能であり資源の有効利用に資する。また、接着及び解体又は剥離の双方が可能であることを要請する用途への適用により、エポキシ樹脂の用途拡大を図ることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、エポキシ樹脂組成物、さらに詳しくは、エポキシ化合物、エポキシ樹脂用硬化剤及び有機ポリマー粉体からなり、接着性に優れるとともに、硬化後、加熱により接着強度が著しく低下して容易に被着物を引き剥がすことが可能なエポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
エポキシ樹脂組成物は、各種構造接着剤や電装部品等の接着材、金属やプラスチック等との複合成形材、電気・電子分野等の用途に広く用いられている。しかしながら、ポリプロピレンやPET等の熱可塑性樹脂と異なり、エポキシ樹脂が硬化した後は、加熱により樹脂が若干軟化するものの接着強度が高温でもゼロとならないので、被着物であるプラスチックや金属等はこれを容易に剥がすことができない。すなわち、硬化エポキシ樹脂の引張剪断接着強さは、一般に加熱により低下していくが、ガラス転移点を超えても接着強度は依然としてゼロとならず、一般の予想に反して200℃を超える高温下でも依然、残存強度が存在する。このため、加熱により容易に被着物を引き剥がすということができない。また、エポキシ樹脂は酸、アルカリ、溶剤等にも溶解しない。従って、エポキシ樹脂と接着したプラスチックや金属等は、これを引き剥がして再び利用するということが極めて困難である。このことは、エポキシ樹脂を使用した複合成形品の解体、再利用が困難であり資源の有効利用の観点から不都合であるのみならず、また、接着及び解体又は剥離の双方が可能であることを要請する用途への適用を阻み、エポキシ樹脂の用途拡大の観点からも不都合である。
【0003】
このような問題に対しては、熱硬化性樹脂の作業性、接着強度を有しながら、加熱により溶融するエポキシ樹脂を使用する方法がある(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。しかし、このような樹脂は、耐熱性が必ずしも充分でなく、100℃以上の高温では充分な接着強度を保持することができない。
【0004】
一方、エポキシ樹脂に粉末状重合体を特定量配合した擬似硬化後の剥離除去性を有する樹脂を使用する技術がある(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、この特許文献からは、本硬化後の引張剪断接着強さが高温時に著しく低下するか否か一切明らかでなく、このような樹脂は上述の問題を解決するものとはいえない。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−154237号公報2〜3頁
【特許文献2】
特開2001−348419号公報2頁
【特許文献3】
特開平2−80483号公報6〜7頁
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述の現状に鑑み、本発明の目的は、従来のエポキシ樹脂の熱時特性を生かしながら、接着性に優れるとともに硬化後、加熱により接着強度が著しく低下して容易に被着物を剥がすことができ、エポキシ樹脂から被着物であるプラスチックや金属等の成形品、加工品等を容易に解体することができるエポキシ樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記問題点を解決すべく、種々の実験を重ねた結果、エポキシ化合物、エポキシ樹脂用硬化剤、及び、上記エポキシ化合物に対して特定量の有機ポリマー粉体を含有してなる組成物を使用すると、高温加熱時に接着強度が実質的にゼロとなることを見いだした。
【0008】
本発明は上記の知見に基づいてなされたものである。すなわち、本発明は、エポキシ化合物、エポキシ樹脂用硬化剤、及び、上記エポキシ化合物100重量部に対して110〜310重量部の有機ポリマー粉体を含有してなるエポキシ樹脂組成物である。
【0009】
また、本発明は、エポキシ化合物、エポキシ樹脂用硬化剤、及び、有機ポリマー粉体からなるエポキシ樹脂組成物を主要構成成分として含有してなり、上記樹脂組成物のアルミ板に対する硬化物の引張剪断接着強さが、ガラス転移点より高温でかつ樹脂分解温度未満の範囲内に属するいずれかの温度領域において実質的にゼロである高温剥離性を有する接着性エポキシ樹脂組成物でもある。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明において、上記エポキシ化合物としては特に限定されず、常温で液状又は固形状の公知のエポキシ化合物を用途に応じて適宜使用することができ、具体的には、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂(たとえばジグリシジルフタレート、ジグリシジルテトラヒドロフタレート、ダイマー酸ジグリシジルエステルなど)、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(たとえばジグリシジルアニリン、ジグリシジルトルイジン、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェニルメタン、トリグリシジル−m−アミノフェニルメタン、テトラグリシジル−m−キシリレンジアミンなど)、複素環式エポキシ樹脂、ジアリールスルホン型エポキシ樹脂、ヒドロキノン型エポキシ樹脂(たとえばヒドロキノンジグリシジルエーテル、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノンジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテルなど)、アルキレングリシジルエーテル系化合物(たとえばブタンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテルなど)、グリシジル基含有ヒダントイン化合物(たとえば1,3−ジグリシジル−5,5−ジアルキルヒダントイン、1−グリシジル−3−(グリシドキシアルキル)−5,5−ジアルキルヒダントインなど)、グリシジル基含有シロキサン(たとえば1,3−ビス(3−グリシドキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、α,β−ビス(3−グリシドキシプロピル)ポリジメチルシロキサンなど)およびそれらの変性物等のエポキシ化合物等の2官能以上のエポキシ化合物等を挙げることができる。これらのうちでは、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が、反応性および作業性の点から好ましい。
【0011】
必要により、また、例えば、tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、1−(3−グリシドキシプロピル)1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキサン、N−グリシジル−N,N−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アミンなどのモノグリシジル化合物、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのモノ脂環式エポキシ化合物等の1官能エポキシ化合物を反応性希釈剤として使用することができる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0012】
本発明において、エポキシ樹脂用硬化剤としては特に限定されず、公知のエポキシ樹脂用硬化剤を使用することができ、例えば、アミン系硬化剤、フェノール系硬化剤、酸無水物系硬化剤、潜在性硬化剤等であってよい。
【0013】
上記アミン系硬化剤としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチルアミノプロピルアミン、メンタンジアミン、イソホロンジアミン、ビス[4−アミノ−3−メチルジシクロヘキシル]メタン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、m−キシリレンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジエチルジフェニルメタン及びこれらをエポキシアダクト、マイケル付加、マンニッヒ反応等により変性した変性ポリアミン、ポリアミドアミン等が挙げられる。
【0014】
上記フェノール系硬化剤としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールB、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS等のビスフェノール類;ビフェノール、ヒドロキシフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル等のフェノール類;2,6−ビス[(2−ヒドロキシフェニル)メチル]−フェノール等のフェノールノボラック類、o−クレゾールノボラック、m−クレゾールノボラック、p−クレゾールノボラック等のクレゾールノボラック類等を挙げることができる。
【0015】
上記潜在性硬化剤としては、例えば、ジシアンジアミド系硬化剤、尿素系硬化剤、有機酸ヒドラジド系硬化剤、ポリアミン塩系硬化剤、アミンアダクト系硬化剤等を挙げることができる。
【0016】
上記酸無水物系硬化剤としては、例えば、ジデセニル無水コハク酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビストリメリテート、グリセロールトリストリメリテート等を挙げることができる。
【0017】
エポキシ樹脂用硬化剤の配合量は、使用する化合物や組成等により適宜決定することができる。例えば、フェノール樹脂を使用する場合、通常、エポキシ化合物100重量部に対して1〜80重量部、好ましくは3〜50重量部であり、ジシアンジアミド系硬化剤を使用する場合は、エポキシ化合物100重量部に対して1〜20重量部、より好ましくは3〜10重量部である。
【0018】
本発明において、有機ポリマー粉体は、粉体状の有機ポリマーである。粉体粒子の形状は特に限定されず、球状、不定形状、微小繊維状等であってよい。
【0019】
上記粉体を構成する有機ポリマーとしては、例えば、プラスチック、ゴム等のほか多糖類、セルロース等の天然高分子等を挙げることができる。上記プラスチックとしては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂であってよい。
【0020】
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリアクリレート及びこれらの共重合体等が挙げられる。また、コア/シェル構造のポリマーであってもよい。
【0021】
上記熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール系ポリマー、メラミン系ポリマー等が挙げられる。熱硬化性樹脂の粉体は、例えば、硬化樹脂の粉砕等の方法により得ることも可能である。
【0022】
本発明のエポキシ樹脂組成物において、上記有機ポリマー粉体の含有量は、上記エポキシ化合物100重量部に対して、110〜310重量部である。有機ポリマー粉体の含有量が上記範囲であると、接着性能が良好であり、かつ、高温加熱時の引張剪断接着強さが著しく低下し、ガラス転移点より高温でかつ樹脂分解温度未満の範囲内に属するいずれかの温度領域において実質的に接着強度がなくなる。逆に、有機ポリマー粉体の含有量が上記範囲未満であると、高温加熱時の引張剪断接着強さが著しく低下するということがなく、高温加熱時にも残存接着強度が存在する。また、有機ポリマー粉体の含有量が上記範囲を超えると、接着性能が不充分となり、また、粉体の配合自体が困難となる。配合量の下限は、好ましくは、110重量部、より好ましくは120重量部であり、配合量の上限は、好ましくは300重量部であり、より好ましくは250重量部、さらに好ましくは200重量部である。
【0023】
本発明においては、必要に応じて、本発明の目的を阻害しない範囲で、その他の添加材を配合することができる。上記添加材としては、例えば、硬化促進剤、粘度調整剤、無機フィラー、消泡剤、シランカップリング剤等のカップリング剤、顔料等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0024】
上記硬化促進剤としては、例えば、3級アミン系化合物、イミダゾール類、リン系化合物等が挙げられる。
上記3級アミン系化合物としては、例えば、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリエチレンジアミン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン等を挙げることができる。
【0025】
上記イミダゾール類としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール,2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−5−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾールアジン、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−5−メチルイミダゾール等を挙げることができる。
【0026】
上記リン系化合物としては、例えば、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン、トリ−o−トリルホスフィン、トリ−m−トリルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、シクロヘキシルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン−トリフェニルボロン錯体、テトラフェニルホスホニウム−テトラフェニルボレート等の3個の有機基を有する有機リン系化合物等を挙げることができる。これらのうち、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、トリフェニルホスフィン−トリフェニルボロン錯体を用いると貯蔵安定性のよい一液型のエポキシ樹脂組成物とすることができる。
【0027】
上記硬化促進剤の添加量は、使用する化合物の種類や組成等により異なるが、通常、エポキシ化合物100重量部に対して0.1〜1重量部、好ましくは0.1〜0.8重量部、より好ましくは0.2〜0.6重量部である。
【0028】
上記粘度調整剤としては、例えば、反応性希釈剤等を使用することができる。
【0029】
上記無機フィラーとしては、例えば、球状溶融シリカ、鉄などの金属の金属粉、珪砂、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、酸性白土、珪藻土、カオリン、石英、酸化チタン、シリカ、フェノール樹脂マイクロバルーン、ガラスバルーン等が挙げられる。
上記無機フィラーの添加量は、通常、配合物における充填率が1〜70%、好ましくは30〜60%である。
【0030】
上記消泡剤としては、例えば、シリコーン系消泡剤等が挙げられ、具体的には、例えば、ST86PA(商品名、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)などの純粋なシリコーン系消泡剤等を挙げることができる。
上記消泡剤の添加量は、通常、エポキシ化合物100重量部に対して0.005〜0.1重量部、好ましくは0.01〜0.05重量部である。
【0031】
上記顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛等を挙げることができる。
【0032】
本発明の組成物を得る方法としては特に限定されず、エポキシ化合物、エポキシ樹脂用硬化剤及び有機ポリマー粉体、並びに、必要に応じて、硬化促進剤等の添加材を混合すればよい。上記混合の方法としては、公知の混合装置を使用する方法を適用可能である。例えば、ニーダー、ヘンシェルミキサー、ディスパー、3本ロール、パドルミキサー、プラネタリーミキサー等の混合機を使用することができる。その際、必要に応じて、適宜、溶剤を使用することができる。
【0033】
上記溶剤としては特に限定されず、例えば、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等のアミド系溶剤、トルエン、キシレン、ベンゼン等の炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール等のアルコール系溶剤が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0034】
本発明においては、上記溶剤を、有機ポリマー粉体の充填や硬化剤の溶解等のために、通常、エポキシ化合物100重量部あたり150〜800重量部程度使用することができる。
【0035】
本発明の高温剥離性を有する接着性エポキシ樹脂組成物は、エポキシ化合物、エポキシ樹脂用硬化剤、及び、有機ポリマー粉体からなるエポキシ樹脂組成物を主要構成成分として含有してなり、上記樹脂組成物のアルミ板に対する硬化物の引張剪断接着強さが、ガラス転移点より高温でかつ樹脂分解温度未満の範囲内に属するいずれかの温度領域において実質的にゼロである。引張剪断接着強さが実質的にゼロであるとは、通常行われるように、脱脂アルミ板の片面に樹脂を塗布し、貼り合わせ、加熱硬化した試験片について試験機で引張剪断接着強さを測定した場合に、ゼロより大きい接着強度の値が測定できない程度に引張剪断接着強さが小さいことをいう。本発明の高温剥離性を有する接着性エポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂組成物としては、例えば、上述した本発明のエポキシ樹脂組成物を好適に使用することができる。
【0036】
本発明の高温剥離性を有する接着性エポキシ樹脂組成物は、用途に応じて、また、加工性、施工性、取り扱い性、安定性等のために、公知の、硬化促進剤、無機フィラー、消泡剤、カップリング剤、顔料、粘度調整剤、溶剤、難燃剤、発泡剤、酸化防止剤等を副成分として含有することができる。これらの含有量は、本発明の目的を阻害しない範囲で用途に応じて適宜設定することができる。例えば、接着剤用途の場合、カップリング剤等を配合することができ、それらの配合量は、主要構成成分100重量部に対して好ましくは0.1〜5重量部である。
【0037】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、各種構造接着剤や電装部品等の接着材、金属やプラスチック等との複合成形材、電気・電子分野等の用途において、接着剤、成形材料等として使用することができ、硬化後、加熱することにより、例えば、200℃以上の温度で、引張剪断接着強さが実質的にゼロとなるので、エポキシ樹脂を用いた接着物を容易に剥離、解体することができる。また、充分な接着性能をも有しているので、接着及び剥離又は解体の両方が要請される用途、例えば、金属とプラスチックとの組み合わせ体の製造等に適用することにより、製造効率を向上することができる。さらに、接着体の分解、解体が可能であるので、再生利用が可能となり、資源の有効利用に資する。
【0038】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0039】
実施例1
ジメチルアセトアミド600重量部にフェノライトTD−2093Y(大日本インキ社製、フェノール樹脂)50重量部を80℃で溶解させた後、30℃まで冷却し、TPP−S(北興化学社製、トリフェニルホスフィントリフェニルボレート)0.5重量部、AER260(旭化成エポキシ社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂)100重量部、パラロイドEXL2655(呉羽化学工業社製、ブタジエン−メタクリル酸アルキルスチレン共重合体粉体)170重量部を加えて混合した。得られたエポキシ樹脂組成物を、脱脂アルミ板の接着試験片に塗布し、100℃で10分間乾燥した後、試験片を貼り合わせて、170℃で30分間硬化させた。得られた試験片を、インストロン万能試験機で25℃と200℃における引張剪断接着強さを測定した。結果を表1に示した。また、示差走査熱量分析からガラス転移点は約140℃であった。
【0040】
実施例2〜6、比較例1〜3
表1の配合を用いたこと以外は実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得、その引張剪断接着強さを測定した。ただし、実施例3は、加熱を行わず、室温で混合した。また、実施例2、5〜7について、25℃と120℃と200℃における引張剪断接着強さを、実施例3、4及び比較例については、25℃と200℃における引張剪断接着強さを、それぞれ、実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示した。
【0041】
なお、表1において、組成物成分の略称は以下の通りである:
AER260:旭化成エポキシ社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂
TD−2093Y:フェノライトTD−2093Y、大日本インキ社製、フェノール樹脂
CG1400:ピィ・ティ・アイ・ジャパン社製、ジシアンジアミド
UF1.5:フローセンUF1.5、住友精化社製、ポリエチレン粉体
EXL2655:パラロイドEXL2655、呉羽化学工業社製、ブタジエン−メタクリル酸アルキルスチレン共重合体粉体
PBM:ポリブチルメタクリレート粉体
PVC:ポリ塩化ビニル粉体
TPP−S:北興化学社製、トリフェニルホスフィントリフェニルボレート
溶剤:ジメチルアセトアミド
【0042】
【表1】
【0043】
表1の結果から、本発明のエポキシ樹脂組成物は、25℃で実用上充分な接着強度を発揮するとともに、200℃で引張剪断接着強さはゼロであった。なお、実施例2、5〜7の組成物について120℃における引張剪断接着強さを測定したところ、それぞれ、4.2N/mm2、4.2N/mm2、1.9N/mm2及び2.8N/mm2であり、100℃以上の接着性能も充分確保できることがわかった。一方、樹脂粉体を含有しない比較例1は、25℃での接着強度が実施例1の配合より勝るものの、200℃における残存接着強度は1.7N/mm2であり、容易に引き剥がすことはできなかった。また、樹脂粉体が65重量部である比較例2や100重量部である比較例3は、樹脂粉体含量が少なく、やはり、200℃において引張剪断接着強さはゼロとならなかった。
【0044】
【発明の効果】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上述の構成により、常温で充分な接着強度を有し、耐熱性も有するとともに、高温時に引張剪断接着強さが著しく低下して容易に被着物を剥離することが可能であるので、エポキシ樹脂を使用した複合成形品の解体、再利用が可能であり資源の有効利用に資する。また、接着及び解体又は剥離の双方が可能であることを要請する用途への適用により、エポキシ樹脂の用途拡大を図ることができる。
Claims (7)
- エポキシ化合物、エポキシ樹脂用硬化剤、及び、前記エポキシ化合物100重量部に対して110〜310重量部の有機ポリマー粉体を含有してなるエポキシ樹脂組成物。
- 前記有機ポリマー粉体は、熱可塑性樹脂粉体又は熱硬化性樹脂粉体である請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記熱可塑性樹脂粉体は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリアクリレート及びこれらの共重合体からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂の粉体である請求項2記載のエポキシ樹脂組成物。
- さらに、硬化促進剤、粘度調整剤、無機フィラー、消泡剤、カップリング剤及び顔料からなる群から選択される少なくとも1種の添加材を含有する請求項1〜3のいずれか記載のエポキシ樹脂組成物。
- 接着剤組成物である請求項1〜4のいずれか記載のエポキシ樹脂組成物。
- 成形用組成物である請求項1〜4のいずれか記載のエポキシ樹脂組成物。
- エポキシ化合物、エポキシ樹脂用硬化剤、及び、有機ポリマー粉体からなるエポキシ樹脂組成物を主要構成成分として含有してなり、前記樹脂組成物のアルミ板に対する引張剪断接着強さが、ガラス転移点より高温でかつ樹脂分解温度未満の範囲内に属するいずれかの温度領域において実質的にゼロであることを特徴とする高温剥離性を有する接着性エポキシ樹脂組成物。
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