JP2004226299A - 回転電機巻線の劣化診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転電機巻線の絶縁状態そのものをオンラインのまま計測し、その計測を回転電機の形式の如何に拘らず可能にすること。
【解決手段】診断対象の回転電機1の電源ケーブル3を一次側導体とした零相変流器5は、回転電機1の巻線表面でのシンチレーション放電に伴う高周波電流を捕らえる。電源ケーブル3における零相変流器5と電源との間に位置した部分には、外部ノイズを除去するためのローパスフィルタ4が介挿される。零相変流器5の二次側出力を受ける判断装置6は、その出力を信号増幅用のアンプで増幅した後、シンチレーション放電に伴う高周波電流信号の周波数帯域である100kHz〜1MHzのバンドパスフィルタでノイズを除去し、零相変流器5で捕らえた信号のレベルが予め設定されたしきい値レベル以上であるかを比較回路によって判断し、当該信号のレベルがしきい値レベル以上であれば異常検知信号を発生する。
【選択図】 図1
【解決手段】診断対象の回転電機1の電源ケーブル3を一次側導体とした零相変流器5は、回転電機1の巻線表面でのシンチレーション放電に伴う高周波電流を捕らえる。電源ケーブル3における零相変流器5と電源との間に位置した部分には、外部ノイズを除去するためのローパスフィルタ4が介挿される。零相変流器5の二次側出力を受ける判断装置6は、その出力を信号増幅用のアンプで増幅した後、シンチレーション放電に伴う高周波電流信号の周波数帯域である100kHz〜1MHzのバンドパスフィルタでノイズを除去し、零相変流器5で捕らえた信号のレベルが予め設定されたしきい値レベル以上であるかを比較回路によって判断し、当該信号のレベルがしきい値レベル以上であれば異常検知信号を発生する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転電機巻線の劣化をオンラインのままの状態で検出できるようにした劣化診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
巻線を使用している回転電機においては、その巻線絶縁が熱、機械力、電圧、環境条件などの各種劣化要因によって経年劣化し、最終的には絶縁低下することは避けられない。このような絶縁低下が発生した場合には、その巻線の劣化度合いに応じて、機器ごと交換したり或いは巻線のみを交換するというメンテナンスを行う必要がある。しかしながら、実際には、回転電機巻線の劣化を外見から判断することはきわめて困難であるため、巻線絶縁の低下により回転電機が焼損して始めて回転電機巻線が劣化していたことを知る場合が多い。このような事情に対処するため、従来では、次のような方法で回転電機巻線の劣化検出を行うと共に、その交換時期を決定していた。
【0003】
第1の方法は、回転電機の製作時において、予め推定された使用寿命と設置場所の環境や使用条件などを考慮した推定により、機器ごと或いは巻線の交換時期を決定し、これに基づいて回転電機の焼損が発生する前に機器或いは巻線を交換する方法。
【0004】
第2の方法は、環境や使用条件などがほぼ同一の回転電機の中から劣化調査用試料をサンプリングし、サンプリングした回転電機の巻線に各種破壊試験(絶縁破壊電圧の測定など)を行い、その試験結果に基づいて巻線の劣化度合いを判断して交換時期を決定する方法。
【0005】
第3の方法は、定期的に回転電機を停止し、回転電機巻線の絶縁抵抗、誘電正接、成極指数などの絶縁状態についての非破壊試験を行って、その絶縁状態を測定し、これに基づいて巻線の劣化状態、焼損発生時期を予測する方法。
【0006】
しかしながら、上記した従来方法のうち、第1の方法は、あくまでも推定に基づいたものであるため、実際の使用条件、回転電機の個体差により想定した条件との間にずれが生ずることが避けられない。この場合の想定条件は、一般的には、安全性を考慮して厳しい条件を想定することが多く、このため、回転電機の使用寿命を実際に使用し得る寿命より短く判断しがちであり不経済である。又、これとは逆に使用条件の方が想定条件より厳しい場合には、使用中の劣化が早期に進行して、予測より早く故障が生じてしまう不具合がある。
【0007】
第2の方法では、サンプリングした巻線の劣化度合いを比較的正確に判断できて交換時期を比較的正確に決定できる。しかし、破壊試験を行った巻線は再使用できないため、全部の回転電機について巻線の劣化度合いを診断することができない。又、破壊試験による劣化診断は時間及び費用が多くかかるという問題点もある。
【0008】
第3の方法は、回転電機停止時に各回転電機の配線を外し個々に非破壊試験を行う必要があるため、絶縁状態の測定に多大な労力が必要になる。又、その測定時の空気の乾燥状態などの環境条件により測定値が左右されたり、回転電機の運転中に巻線に付着する汚損物の影響が大きくなるため、測定値に対して正しい評価ができない場合もある。
【0009】
このような問題点を解決する方法として、従来から、オンラインのまま回転電機の絶縁状態を調査できる方法が種々提案されている。例えば、回転電機巻線の電気的性質に大きな影響を与える吸湿度をオンラインで測定する方法(例えば、特許文献1参照)、或いは機器の表面絶縁状態を模擬電極でオンライン測定する方法(例えば、特許文献2参照)、さらには、回転電機内で発生するガスをガスセンサでオンライン計測したり、放電を光センサでオンライン計測したりする方法(例えば、特許文献3参照)などがある。
【0010】
【特許文献1】
特開昭63−59748号公報
【0011】
【特許文献2】
特開平2−227675号公報
【0012】
【特許文献3】
実開平4−63045号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報に記載された方法のうち、回転電機巻線の吸湿度をオンラインで測定する方法や、機器の表面絶縁状態を模擬電極でオンライン測定する方法では、それらの測定値と回転電機自身の絶縁状態との相関が悪い場合があり、測定結果に対する信頼性が低くなるという問題点がある。又、ガスセンサ、光センサによる計測方法は、回転電機そのものの劣化検出としては可能であるが、回転電機の中でも比較的環境の影響を受けずに寿命予測がしやすい全閉形のものに取り付けて効果のある方法で、環境の影響で劣化度合いが急変する開放形のものでは設置が難しいという問題点がある。
【0014】
本発明は上記のような問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、回転電機巻線の絶縁状態そのものをオンラインのまま計測し、その計測を回転電機の形式の如何に拘らず可能となる回転電機巻線の劣化診断装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、上記目的を達成するために、電源から回転電機に給電するための電源ケーブルと、この電源ケーブルを一次側導体とした零相変流器と、前記零相変流器の二次側に接続された通過周波数帯域が100kHz〜1MHzのバンドパスフィルタと、このバンドパスフィルタからの出力信号のレベルが予め設定されたしきい値レベル以上となったときに異常検知信号を出力する劣化診断動作を行う比較回路とを備えた構成としたものである。
【0016】
一般的に、回転電機においては、その経年使用に連れて巻線の表面に汚損が蓄積され、この汚損状態で吸湿すると巻線の表面抵抗の低下と共に、運転時の低電位差においてもシンチレーション放電と呼ばれる局部的な微少発光放電が発生し、これによって巻線被覆の浸食劣化が進むトラッキング劣化現象が発生することが良く知られている。トラッキング劣化の原因となるシンチレーション放電は、高圧機器で一般的に計測される部分放電に比べてエネルギーレベルが非常に大きいものであり、mAオーダーの高周波電流(周波数は数百kHzオーダー)が観測される。従って、回転電機巻線の表面でシンチレーション放電が発生した場合、これに伴う高周波電流は回転電機に給電するための電源ケーブルまで伝播することになる。
【0017】
このため、請求項1に記載した手段によれば、電源ケーブルを一次導体とした零相変流器からは、シンチレーション放電に応じた周波数が数百kHzオーダーの高周波電流の成分を含む信号が出力されるようになる。零相変流器の二次側に接続された通過周波数帯域が100kHz〜1MHzのバンドパスフィルタは、上記出力信号からシンチレーション放電に応じた高周波電流の成分のみを通過させるようになり、比較回路は、バンドパスフィルタを通過した信号のレベルが予め設定されたしきい値レベル以上となったときに異常検知信号を出力する劣化診断動作を行う。つまり、シンチレーション放電に応じた高周波電流のレベルは、回転電機巻線の絶縁劣化状態の目安を示す信号として利用できるものであり、このような高周波電流のレベルに基づいて当該巻線の劣化診断をリアルタイムで行うことができる。この場合、零相変流器の二次側出力は、回転電機がオンライン状態のままでも監視可能であるため、回転電機巻線そのものの絶縁状態の変化に対してタイムリーに劣化診断が可能であると共に、電気特性の変化を計測する構成であるため、回転電機の形式(全閉形、開放形など)にこだわらずほとんどの回転電機に適用可能になる。
【0018】
請求項2記載の発明は、前記電源ケーブルにおける前記電源と前記零相変流器との間に位置した部分に、通過周波数帯域が1kHz以下とされたローパスフィルタを介挿したことに特徴を有する。
この構成によれば、電源と零相変流器との間にローパスフィルタが介挿されているから、電源側から電源ケーブルに重畳して伝播してくる高周波ノイズを零相変流器の前でカットできる。つまり、シンチレーション放電に応じた高周波電流の検出に悪影響を及ぼすノイズ電流がカットされることになるから、その高周波電流のレベルに基づいて行われる劣化診断動作の信頼性が向上するようになる。
【0019】
請求項3記載の発明は、前記回転電機の始動時などのように前記零相変流器の出力に悪影響が及びやすい特定期間中は、前記比較回路による劣化診断動作を一時的に中断し、その特定期間終了後に当該比較回路による劣化診断動作を再開させる診断動作制御手段を設けたものである。
この構成によれば、回転電機起動時の電流アンバランスや始動用マグネットスイッチなどに起因して発生するサージ電流により、劣化診断動作が誤って行われる事態を未然に回避可能になる。
【0020】
請求項4記載の発明は、前記電源ケーブルと並行した状態で引き回された模擬ケーブルと、この模擬ケーブルに接続され、商用電源周波数帯域に対して高インピーダンスを有するハイパスフィルタと、前記零相変流器と同定格に構成され、前記模擬ケーブルを一次側導体とした状態で設けられた補助零相変流器とを備えた上で、前記補助零相変流器の二次側を前記零相変流器の二次側に対してそれぞれの出力が互いに逆相となるように接続したものである。
この構成によれば、電源ケーブルと並行に引き回された模擬ケーブルには、商用電源周波数帯域に対して高インピーダンスを有するハイパスフィルタが接続されているから、当該模擬ケーブルにシンチレーション放電に伴う高周波電流と同じ周波数帯のノイズ電流が流れ得る状態となる。外部からのノイズが重畳した場合、電源ケーブル及び模擬ケーブルにはノイズ電流が同等に流れるようになり、このようなノイズ電流が流れた場合、各ケーブルを一次側導体とした零相変流器及び補助零相変流器からそれぞれ出力される信号は、その位相及び大きさが同程度になる。この場合、零相変流器及び補助零相変流器の二次側はそれぞれの出力が互いに逆相となるように接続されているから、電源ケーブルに流れるノイズ電流を模擬ケーブルに流れるノイズ電流により完全にキャンセルできるようになる。この結果、回転電機でのシンチレーション放電に伴う高周波電流のみを零相変流器により取り込むことができ、巻線の劣化診断動作を正確に行い得るようになる。
【0021】
請求項5記載の発明は、前記零相変流器の二次側出力を受ける前記バンドパスフィルタ回路の後段に、当該バンドパスフィルタからの出力信号をA/D変換するインタフェース及びこのインタフェースの出力を受けるマイクロコンピュータを接続し、このマイクロコンピュータを、前記インタフェースからの入力信号パターンを前記回転電機の巻線の劣化パターンに対応した基準データと比較した結果に基づいて当該巻線の劣化診断を行う構成としたものである。
この構成によれば、零相変流器からシンチレーション放電に応じた高周波電流の成分を含む信号が出力された場合に、その信号がバンドパスフィルタを通過した後にA/D変換されてマイクロコンピュータに与えられる。マイクロコンピュータでは、与えられた信号パターンを回転電機の巻線の劣化パターンに対応した基準データと比較することにより、当該巻線の劣化診断を行う。この場合、マイクロコンピュータにおいて、運転時間、周囲環境条件などのデータも含めた解析を行うことが可能であり、これにより一段と精度の高い劣化診断が可能になる。
【0022】
請求項6記載の発明は、前記電源ケーブルの少なくとも一部に適切な静電容量を有するシールドケーブルを用い、このシールドケーブルのシールド材をアースに接続したことに特徴を有する。
この構成によれば、電源線上を電源側からの高周波電流成分を含む外部ノイズが進行してきた場合に、そのノイズ電流は零相変流器に到達する前にシールドケーブルからアースへパスされるようになる。従って、零相変流器においては、回転電機でのシンチレーション放電に応じた高周波電流を高精度に検出できるようになり、劣化診断動作の正確化に寄与できるようになる。
【0023】
請求項7記載の発明は、前記電源線が貫通された状態の高透磁率材料製環状コアを設けたことに特徴を有する。
この構成によれば、高透磁率材料製環状コアのインダクタンス成分が、電源線に外部ノイズとして重畳する高周波電流成分を遮断するローパスフィルタとして機能するようになり、従って、零相変流器において回転電機でのシンチレーション放電に応じた高周波電流を検出する場合に、外部ノイズの影響を抑制できるようになる。特に、この手段は、請求項6記載の発明と組み合わせることにより一段と効果を増大させることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1実施例について図1〜図3を参照しながら説明する。尚、この第1実施例は、請求項1、2に対応するものである。
【0025】
図1には、本実施例による回転電機巻線の劣化診断装置の電気的構成が機能ブロックの組み合わせにより示されている。この図1において、診断対象の回転電機1は、回転電機制御用配電盤2から電源ケーブル3を通じて給電される構成となっており、その電源ケーブル3には通過周波数帯域が1kHz以下とされたローパスフィルタ4が介挿されている。電源ケーブル3における回転電機1及びローパスフィルタ4間の位置には、当該電源ケーブル3を一次側導体とした高感度の零相変流器(以下、ZCTと呼ぶ)5が取り付けられており、その二次側出力は、劣化診断を行うための判断装置6に与えられる。これらローパスフィルタ4、ZCT5及び判断装置6は、劣化検出装置7を構成するものであり、特に、判断装置6は、計測結果出力用ケーブル8により配電盤2に接続されている。
【0026】
図2には、判断装置6の内部構成が機能ブロックの組み合わせにより示されている。この図2において、判断装置6は、入力段にZCT5からの信号を増幅するアンプ9を備えており、このアンプ9の後段に、通過周波数帯域が100kHz〜1MHzのバンドパスフィルタ10、半波整流回路11、比較回路12、結果固定リレー用ラッチ回路13を接続した構成となっている。
【0027】
ここで、回転電機1の巻線表面での劣化メカニズムについて説明する。即ち、回転電機1は、その経年使用に連れて巻線の表面に汚損が蓄積され(開放形回転電機において顕著となる)、この汚損状態で吸湿すると巻線の表面抵抗の低下と共に、運転時の低電位差においてもシンチレーション放電と呼ぶ局部的な微少発光放電が発生し、これによって巻線被覆(エナメル線など)の浸食劣化が進むトラッキング劣化現象が発生することが良く知られている。このトラッキング劣化が進むと、絶縁表面に炭化導電路を形成し遂には絶縁破壊に至る。従って、上記のようなシンチレーション放電を外部から検出できれば、回転電機1の巻線劣化原因となるトラッキング劣化の有無を判断できることになる。
【0028】
トラッキング劣化が発生してから最終的な絶縁破壊に至るまでの時間は、環境或いは使用条件により大幅に異なるが、ある程度の猶予期間が存在するものであり、従って、トラッキング劣化の発生の有無を正確に判断できれば、回転電機1が破壊する前の時点で回転電機1ごとの交換或いは巻線の交換が可能である。
【0029】
トラッキング劣化の原因となるシンチレーション放電は、高圧機器で一般的に計測される部分放電に比べてエネルギーレベルが非常に大きく、mAオーダーの高周波電流(周波数は数百kHzオーダー)が観測される。このため回転電機1の巻線表面でシンチレーション放電が発生した場合、これに伴う高周波電流は回転電機1の電源ケーブル3まで伝播する。従って、上記のような高周波電流をZCT5で計測すれば、回転電機1の巻線で発生したシンチレーション放電を検出できることになり、これにより当該回転電機1の絶縁劣化を検出可能になる。
【0030】
図3には、シンチレーション放電が発生するモデル巻線について、電源側ケーブルに流れる高周波電流をCTで計測した結果の一例が示されている。この図3の例では、数百kHzの高周波電流(大きさは電圧表示で1mV=1mA)が流れている。本実施例においては、回転電機1の電源ケーブル3にZCT5を取り付け、回転電機1の巻線表面で発生するシンチレーション放電に伴う高周波電流を当該ZCT5で捕らえ、その出力を信号増幅用のアンプ9で約10倍程度に増幅した後、シンチレーション放電に伴う高周波電流信号の周波数帯域である100kHz〜1MHzのバンドパスフィルタ10でノイズを除去し、比較回路12によってZCT5で捕らえた信号のレベルが予め設定されたしきい値レベル以上であるか判断する。
【0031】
この比較回路12は、ZCT5で捕らえた信号のレベルがしきい値レベル以上であれば次のラッチ回路13に異常検知信号を出力するという劣化診断動作を行い、このラッチ回路13は、異常検知信号を受けたときに配電盤2に当該異常検知検信号を与える。この異常検知信号を受けた配電盤2は、例えば、回転電機1の絶縁劣化又は絶縁低下を知らせる警報を表示手段によって出力するものであり、必要に応じて回転電機1に対する電力供給を停止若しくは制限する制御を行う。
【0032】
要するに、本実施例では、ZCT5を通じて検出した高周波電流、つまりシンチレーション放電に応じた高周波電流のレベルを、回転電機1における巻線の絶縁劣化状態の目安を示す信号として利用するものであり、その高周波電流のレベルに基づいて当該巻線の劣化診断をリアルタイムで行うことができる。この場合、ZCT5の二次側出力は、回転電機1がオンライン状態のままでも監視可能であるため、回転電機1の巻線そのものの絶縁状態の変化に対してタイムリーな劣化診断が可能になると共に、電気特性の変化を計測する構成であるため、回転電機1の形式(全閉形、開放形など)にこだわらずほとんどの回転電機に適用可能になる。
【0033】
又、本実施例では、電源ケーブル3における配電盤2とZCT5との間の位置に、通過周波数帯域が1kHz以下とされたローパスフィルタ4が介挿されているから、電源側から電源ケーブル3に重畳して伝播してくる高周波ノイズをZCT5の前でカットできる。つまり、シンチレーション放電に応じた高周波電流の検出に悪影響を及ぼすノイズ電流がカットされることになるから、ZCT5を通じて検出する高周波電流のレベルに基づいて行われる劣化診断動作の信頼性が向上するようになる。
【0034】
(第2の実施の形態)
図4には本発明の第2実施例が示されており、以下これについて前記第1実施例と異なる部分のみ説明する。尚、この第2実施例は、請求項4に対応するものである。
【0035】
回転電機巻線の劣化診断装置の電気的構成を機能ブロックの組み合わせにより示す図4において、配電盤2から引き出された電源ケーブル3と並行した状態で当該電源ケーブル3と同様の模擬ケーブル14を引き回し、その模擬ケーブル14の先端に、商用電源周波数帯域に対して高インピーダンスを有した状態、例えば、通過周波数帯域が10kHz以上に設定された状態のハイパスフィルタ15を接続する。これにより、模擬ケーブル14には、回転電機1の巻線表面で発生するシンチレーション放電に伴う高周波電流信号と同じ周波数帯域のノイズ電流が流れ得る状態となる。
【0036】
そして、この模擬ケーブル14にシンチレーション放電に伴う高周波電流計測用のZCT5と同定格の補助零相変流器(以下、補助ZCT)16を取り付けると共に、この補助ZCT16の二次側をZCT5の二次側に対しそれぞれの出力が互いに逆相となるように接続する。この結果、外部からのノイズが重畳した場合、電源ケーブル3及び模擬ケーブル14にはノイズ電流が同等に流れるようになり、このようなノイズ電流が流れた場合にZCT5及び補助ZCT16から出力される信号は、その位相及び大きさが同じ状態になる。このとき、ZCT5及び補助ZCT16の二次側はそれぞれの出力が互いに逆相となるように接続されているから、電源ケーブル3に流れるノイズ電流を模擬ケーブル14に流れるノイズ電流により完全にキャンセルできるようになる。尚、この例では、図1に示したローパスフィルタ4は不要になる。
【0037】
以上のような簡単な回路構成のノイズキャンセル回路を取り付けることにより、回転電機1でのシンチレーション放電に伴う高周波電流のみをZCT5により取り込むことができ、結果的に巻線の劣化診断動作を正確に行い得るようになる。
【0038】
(第3の実施の形態)
図5には本発明の第3実施例が示されており、以下これについて前記第1実施例と異なる部分のみ説明する。尚、この第3実施例は、請求項5に対応するものである。
【0039】
回転電機巻線の劣化診断装置の構成を機能ブロックの組み合わせにより示す図5において、電源ケーブル3に取り付けたZCT5からの二次側出力を、通過周波数帯域が100kHz〜1MHzに設定されたバンドパスフィルタ回路17を通した後、入力インタフェース18によりA/D変換してマイクロコンピュータ19に与える。このマイクロコンピュータ19では、入力インタフェース18を通じて得られた波形から周波数、電流レベルを演算し、その演算結果を予め記憶した巻線劣化パターンに対応した基準データと比較することにより回転電機1の巻線の絶縁低下を検出し、その検出結果に応じた異常検知信号を配電盤2へ出力する。この場合、マイクロコンピュータ19においては、上記演算により得られた周波数、電流レベルと共に、他の情報(運転時間、周囲環境条件、巻線温度など)も含めた解析を行うことが可能であり、これにより一段と精度の高い劣化診断が可能になる。
【0040】
(第4の実施の形態)
図6には本発明の第4実施例が示されており、以下これについて前記第1実施例と異なる部分のみ説明する。尚、この第4実施例は、請求項6、7に対応するものである。
【0041】
回転電機巻線の劣化診断装置の構成を機能ブロックの組み合わせにより示す図6において、回転電機1の電源ケーブル3の一部に、電力供給ライン用として適切な静電容量を有するシールドケーブル20を用い、このシールドケーブル20のシールド材をアースに接続する。これによって電源ケーブル3を進行してくる外部からの高周波電流は、このシールドケーブル20部分でアースヘパスされる。従って、ZCT5においては、回転電機1でのシンチレーション放電に応じた高周波電流を高精度に検出できるようになり、劣化診断動作の正確化に寄与できるようになる。
【0042】
この場合、図6に示すように、電力供給ラインの組み込み用として適切なインダクタンスを有した環状のフェライトコア21(高透磁率材料製環状コアに相当)を用意し、このフェライトコア21を回転電機1とシールドケーブル20の間の電源ケーブル3に貫通された状態で設置する構成とすれば、フェライトコア21のインダクタンス成分が、電源線3に外部ノイズとして重畳する高周波電流成分を遮断するローパスフィルタとして機能するようになる。つまり、そのフェライトコア21が高周波電流の抵抗となってアースへのパスが確実に行われる。この結果、ZCT5において回転電機1でのシンチレーション放電に応じた高周波電流を検出する場合に、外部ノイズによる影響を抑制できて、その高周波電流を高精度に検出できるようになり、この面からも劣化診断動作の正確化に寄与できるようになる。
【0043】
(その他の実施の形態)
尚、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、以下に述べるような変形或いは拡張が可能である。
例えば、第1実施例における判断装置3に対して、回転電機1の始動時などのようにZCT5の出力に悪影響が及びやすい特定期間中は比較回路12による劣化診断動作を一時的に中断し、その特定期間終了後に当該比較回路12による劣化診断動作を再開させる機能を診断動作制御手段として付加する構成としても良い(請求項3に対応)。
この構成によれば、回転電機始動時の電流アンバランスや始動用マグネットスイッチなどに起因して発生するサージ電流により、劣化診断動作が誤って行われる事態を未然に回避可能になる。
【0044】
【発明の効果】
以上のように、本発明による回転電機巻線の劣化診断装置によれば、回転電機の巻線に流れる異常高周波電流を常時監視しているため、確実かつ早急に劣化診断できると共に回転電機の形式にとらわれず正確に診断できるようになり、回転電機の運転中の事故を未然に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の電気的構成を示す機能ブロック図
【図2】判断装置の内部構成を示す機能ブロック図
【図3】シンチレーション放電が発生するモデル巻線について、電源側ケーブルに流れる高周波電流を計測した結果を示す特性図
【図4】本発明の第2実施例を示す図1相当図
【図5】本発明の第3実施例を示す図1相当図
【図6】本発明の第4実施例を示す図1相当図
【符号の説明】
1は回転電機、2は配電盤、3は電源ケーブル、4はローパスフィルタ、5は零相変流器、6は判断装置、7は劣化検出装置、8は計測結果出力用ケーブル、9はアンプ、10はバンドパスフィルタ、11は半波整流回路、12は比較回路、13はラッチ回路、14は模擬ケーブル、15はハイパスフィルタ、16は補助零相変流器、17はバンドパスフィルタ、18は入力インタフェース、19はマイクロコンピュータ、20はシールドケーブル、21はフェライトコア(高透磁率材料製環状コア)を示す。
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転電機巻線の劣化をオンラインのままの状態で検出できるようにした劣化診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
巻線を使用している回転電機においては、その巻線絶縁が熱、機械力、電圧、環境条件などの各種劣化要因によって経年劣化し、最終的には絶縁低下することは避けられない。このような絶縁低下が発生した場合には、その巻線の劣化度合いに応じて、機器ごと交換したり或いは巻線のみを交換するというメンテナンスを行う必要がある。しかしながら、実際には、回転電機巻線の劣化を外見から判断することはきわめて困難であるため、巻線絶縁の低下により回転電機が焼損して始めて回転電機巻線が劣化していたことを知る場合が多い。このような事情に対処するため、従来では、次のような方法で回転電機巻線の劣化検出を行うと共に、その交換時期を決定していた。
【0003】
第1の方法は、回転電機の製作時において、予め推定された使用寿命と設置場所の環境や使用条件などを考慮した推定により、機器ごと或いは巻線の交換時期を決定し、これに基づいて回転電機の焼損が発生する前に機器或いは巻線を交換する方法。
【0004】
第2の方法は、環境や使用条件などがほぼ同一の回転電機の中から劣化調査用試料をサンプリングし、サンプリングした回転電機の巻線に各種破壊試験(絶縁破壊電圧の測定など)を行い、その試験結果に基づいて巻線の劣化度合いを判断して交換時期を決定する方法。
【0005】
第3の方法は、定期的に回転電機を停止し、回転電機巻線の絶縁抵抗、誘電正接、成極指数などの絶縁状態についての非破壊試験を行って、その絶縁状態を測定し、これに基づいて巻線の劣化状態、焼損発生時期を予測する方法。
【0006】
しかしながら、上記した従来方法のうち、第1の方法は、あくまでも推定に基づいたものであるため、実際の使用条件、回転電機の個体差により想定した条件との間にずれが生ずることが避けられない。この場合の想定条件は、一般的には、安全性を考慮して厳しい条件を想定することが多く、このため、回転電機の使用寿命を実際に使用し得る寿命より短く判断しがちであり不経済である。又、これとは逆に使用条件の方が想定条件より厳しい場合には、使用中の劣化が早期に進行して、予測より早く故障が生じてしまう不具合がある。
【0007】
第2の方法では、サンプリングした巻線の劣化度合いを比較的正確に判断できて交換時期を比較的正確に決定できる。しかし、破壊試験を行った巻線は再使用できないため、全部の回転電機について巻線の劣化度合いを診断することができない。又、破壊試験による劣化診断は時間及び費用が多くかかるという問題点もある。
【0008】
第3の方法は、回転電機停止時に各回転電機の配線を外し個々に非破壊試験を行う必要があるため、絶縁状態の測定に多大な労力が必要になる。又、その測定時の空気の乾燥状態などの環境条件により測定値が左右されたり、回転電機の運転中に巻線に付着する汚損物の影響が大きくなるため、測定値に対して正しい評価ができない場合もある。
【0009】
このような問題点を解決する方法として、従来から、オンラインのまま回転電機の絶縁状態を調査できる方法が種々提案されている。例えば、回転電機巻線の電気的性質に大きな影響を与える吸湿度をオンラインで測定する方法(例えば、特許文献1参照)、或いは機器の表面絶縁状態を模擬電極でオンライン測定する方法(例えば、特許文献2参照)、さらには、回転電機内で発生するガスをガスセンサでオンライン計測したり、放電を光センサでオンライン計測したりする方法(例えば、特許文献3参照)などがある。
【0010】
【特許文献1】
特開昭63−59748号公報
【0011】
【特許文献2】
特開平2−227675号公報
【0012】
【特許文献3】
実開平4−63045号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報に記載された方法のうち、回転電機巻線の吸湿度をオンラインで測定する方法や、機器の表面絶縁状態を模擬電極でオンライン測定する方法では、それらの測定値と回転電機自身の絶縁状態との相関が悪い場合があり、測定結果に対する信頼性が低くなるという問題点がある。又、ガスセンサ、光センサによる計測方法は、回転電機そのものの劣化検出としては可能であるが、回転電機の中でも比較的環境の影響を受けずに寿命予測がしやすい全閉形のものに取り付けて効果のある方法で、環境の影響で劣化度合いが急変する開放形のものでは設置が難しいという問題点がある。
【0014】
本発明は上記のような問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、回転電機巻線の絶縁状態そのものをオンラインのまま計測し、その計測を回転電機の形式の如何に拘らず可能となる回転電機巻線の劣化診断装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、上記目的を達成するために、電源から回転電機に給電するための電源ケーブルと、この電源ケーブルを一次側導体とした零相変流器と、前記零相変流器の二次側に接続された通過周波数帯域が100kHz〜1MHzのバンドパスフィルタと、このバンドパスフィルタからの出力信号のレベルが予め設定されたしきい値レベル以上となったときに異常検知信号を出力する劣化診断動作を行う比較回路とを備えた構成としたものである。
【0016】
一般的に、回転電機においては、その経年使用に連れて巻線の表面に汚損が蓄積され、この汚損状態で吸湿すると巻線の表面抵抗の低下と共に、運転時の低電位差においてもシンチレーション放電と呼ばれる局部的な微少発光放電が発生し、これによって巻線被覆の浸食劣化が進むトラッキング劣化現象が発生することが良く知られている。トラッキング劣化の原因となるシンチレーション放電は、高圧機器で一般的に計測される部分放電に比べてエネルギーレベルが非常に大きいものであり、mAオーダーの高周波電流(周波数は数百kHzオーダー)が観測される。従って、回転電機巻線の表面でシンチレーション放電が発生した場合、これに伴う高周波電流は回転電機に給電するための電源ケーブルまで伝播することになる。
【0017】
このため、請求項1に記載した手段によれば、電源ケーブルを一次導体とした零相変流器からは、シンチレーション放電に応じた周波数が数百kHzオーダーの高周波電流の成分を含む信号が出力されるようになる。零相変流器の二次側に接続された通過周波数帯域が100kHz〜1MHzのバンドパスフィルタは、上記出力信号からシンチレーション放電に応じた高周波電流の成分のみを通過させるようになり、比較回路は、バンドパスフィルタを通過した信号のレベルが予め設定されたしきい値レベル以上となったときに異常検知信号を出力する劣化診断動作を行う。つまり、シンチレーション放電に応じた高周波電流のレベルは、回転電機巻線の絶縁劣化状態の目安を示す信号として利用できるものであり、このような高周波電流のレベルに基づいて当該巻線の劣化診断をリアルタイムで行うことができる。この場合、零相変流器の二次側出力は、回転電機がオンライン状態のままでも監視可能であるため、回転電機巻線そのものの絶縁状態の変化に対してタイムリーに劣化診断が可能であると共に、電気特性の変化を計測する構成であるため、回転電機の形式(全閉形、開放形など)にこだわらずほとんどの回転電機に適用可能になる。
【0018】
請求項2記載の発明は、前記電源ケーブルにおける前記電源と前記零相変流器との間に位置した部分に、通過周波数帯域が1kHz以下とされたローパスフィルタを介挿したことに特徴を有する。
この構成によれば、電源と零相変流器との間にローパスフィルタが介挿されているから、電源側から電源ケーブルに重畳して伝播してくる高周波ノイズを零相変流器の前でカットできる。つまり、シンチレーション放電に応じた高周波電流の検出に悪影響を及ぼすノイズ電流がカットされることになるから、その高周波電流のレベルに基づいて行われる劣化診断動作の信頼性が向上するようになる。
【0019】
請求項3記載の発明は、前記回転電機の始動時などのように前記零相変流器の出力に悪影響が及びやすい特定期間中は、前記比較回路による劣化診断動作を一時的に中断し、その特定期間終了後に当該比較回路による劣化診断動作を再開させる診断動作制御手段を設けたものである。
この構成によれば、回転電機起動時の電流アンバランスや始動用マグネットスイッチなどに起因して発生するサージ電流により、劣化診断動作が誤って行われる事態を未然に回避可能になる。
【0020】
請求項4記載の発明は、前記電源ケーブルと並行した状態で引き回された模擬ケーブルと、この模擬ケーブルに接続され、商用電源周波数帯域に対して高インピーダンスを有するハイパスフィルタと、前記零相変流器と同定格に構成され、前記模擬ケーブルを一次側導体とした状態で設けられた補助零相変流器とを備えた上で、前記補助零相変流器の二次側を前記零相変流器の二次側に対してそれぞれの出力が互いに逆相となるように接続したものである。
この構成によれば、電源ケーブルと並行に引き回された模擬ケーブルには、商用電源周波数帯域に対して高インピーダンスを有するハイパスフィルタが接続されているから、当該模擬ケーブルにシンチレーション放電に伴う高周波電流と同じ周波数帯のノイズ電流が流れ得る状態となる。外部からのノイズが重畳した場合、電源ケーブル及び模擬ケーブルにはノイズ電流が同等に流れるようになり、このようなノイズ電流が流れた場合、各ケーブルを一次側導体とした零相変流器及び補助零相変流器からそれぞれ出力される信号は、その位相及び大きさが同程度になる。この場合、零相変流器及び補助零相変流器の二次側はそれぞれの出力が互いに逆相となるように接続されているから、電源ケーブルに流れるノイズ電流を模擬ケーブルに流れるノイズ電流により完全にキャンセルできるようになる。この結果、回転電機でのシンチレーション放電に伴う高周波電流のみを零相変流器により取り込むことができ、巻線の劣化診断動作を正確に行い得るようになる。
【0021】
請求項5記載の発明は、前記零相変流器の二次側出力を受ける前記バンドパスフィルタ回路の後段に、当該バンドパスフィルタからの出力信号をA/D変換するインタフェース及びこのインタフェースの出力を受けるマイクロコンピュータを接続し、このマイクロコンピュータを、前記インタフェースからの入力信号パターンを前記回転電機の巻線の劣化パターンに対応した基準データと比較した結果に基づいて当該巻線の劣化診断を行う構成としたものである。
この構成によれば、零相変流器からシンチレーション放電に応じた高周波電流の成分を含む信号が出力された場合に、その信号がバンドパスフィルタを通過した後にA/D変換されてマイクロコンピュータに与えられる。マイクロコンピュータでは、与えられた信号パターンを回転電機の巻線の劣化パターンに対応した基準データと比較することにより、当該巻線の劣化診断を行う。この場合、マイクロコンピュータにおいて、運転時間、周囲環境条件などのデータも含めた解析を行うことが可能であり、これにより一段と精度の高い劣化診断が可能になる。
【0022】
請求項6記載の発明は、前記電源ケーブルの少なくとも一部に適切な静電容量を有するシールドケーブルを用い、このシールドケーブルのシールド材をアースに接続したことに特徴を有する。
この構成によれば、電源線上を電源側からの高周波電流成分を含む外部ノイズが進行してきた場合に、そのノイズ電流は零相変流器に到達する前にシールドケーブルからアースへパスされるようになる。従って、零相変流器においては、回転電機でのシンチレーション放電に応じた高周波電流を高精度に検出できるようになり、劣化診断動作の正確化に寄与できるようになる。
【0023】
請求項7記載の発明は、前記電源線が貫通された状態の高透磁率材料製環状コアを設けたことに特徴を有する。
この構成によれば、高透磁率材料製環状コアのインダクタンス成分が、電源線に外部ノイズとして重畳する高周波電流成分を遮断するローパスフィルタとして機能するようになり、従って、零相変流器において回転電機でのシンチレーション放電に応じた高周波電流を検出する場合に、外部ノイズの影響を抑制できるようになる。特に、この手段は、請求項6記載の発明と組み合わせることにより一段と効果を増大させることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1実施例について図1〜図3を参照しながら説明する。尚、この第1実施例は、請求項1、2に対応するものである。
【0025】
図1には、本実施例による回転電機巻線の劣化診断装置の電気的構成が機能ブロックの組み合わせにより示されている。この図1において、診断対象の回転電機1は、回転電機制御用配電盤2から電源ケーブル3を通じて給電される構成となっており、その電源ケーブル3には通過周波数帯域が1kHz以下とされたローパスフィルタ4が介挿されている。電源ケーブル3における回転電機1及びローパスフィルタ4間の位置には、当該電源ケーブル3を一次側導体とした高感度の零相変流器(以下、ZCTと呼ぶ)5が取り付けられており、その二次側出力は、劣化診断を行うための判断装置6に与えられる。これらローパスフィルタ4、ZCT5及び判断装置6は、劣化検出装置7を構成するものであり、特に、判断装置6は、計測結果出力用ケーブル8により配電盤2に接続されている。
【0026】
図2には、判断装置6の内部構成が機能ブロックの組み合わせにより示されている。この図2において、判断装置6は、入力段にZCT5からの信号を増幅するアンプ9を備えており、このアンプ9の後段に、通過周波数帯域が100kHz〜1MHzのバンドパスフィルタ10、半波整流回路11、比較回路12、結果固定リレー用ラッチ回路13を接続した構成となっている。
【0027】
ここで、回転電機1の巻線表面での劣化メカニズムについて説明する。即ち、回転電機1は、その経年使用に連れて巻線の表面に汚損が蓄積され(開放形回転電機において顕著となる)、この汚損状態で吸湿すると巻線の表面抵抗の低下と共に、運転時の低電位差においてもシンチレーション放電と呼ぶ局部的な微少発光放電が発生し、これによって巻線被覆(エナメル線など)の浸食劣化が進むトラッキング劣化現象が発生することが良く知られている。このトラッキング劣化が進むと、絶縁表面に炭化導電路を形成し遂には絶縁破壊に至る。従って、上記のようなシンチレーション放電を外部から検出できれば、回転電機1の巻線劣化原因となるトラッキング劣化の有無を判断できることになる。
【0028】
トラッキング劣化が発生してから最終的な絶縁破壊に至るまでの時間は、環境或いは使用条件により大幅に異なるが、ある程度の猶予期間が存在するものであり、従って、トラッキング劣化の発生の有無を正確に判断できれば、回転電機1が破壊する前の時点で回転電機1ごとの交換或いは巻線の交換が可能である。
【0029】
トラッキング劣化の原因となるシンチレーション放電は、高圧機器で一般的に計測される部分放電に比べてエネルギーレベルが非常に大きく、mAオーダーの高周波電流(周波数は数百kHzオーダー)が観測される。このため回転電機1の巻線表面でシンチレーション放電が発生した場合、これに伴う高周波電流は回転電機1の電源ケーブル3まで伝播する。従って、上記のような高周波電流をZCT5で計測すれば、回転電機1の巻線で発生したシンチレーション放電を検出できることになり、これにより当該回転電機1の絶縁劣化を検出可能になる。
【0030】
図3には、シンチレーション放電が発生するモデル巻線について、電源側ケーブルに流れる高周波電流をCTで計測した結果の一例が示されている。この図3の例では、数百kHzの高周波電流(大きさは電圧表示で1mV=1mA)が流れている。本実施例においては、回転電機1の電源ケーブル3にZCT5を取り付け、回転電機1の巻線表面で発生するシンチレーション放電に伴う高周波電流を当該ZCT5で捕らえ、その出力を信号増幅用のアンプ9で約10倍程度に増幅した後、シンチレーション放電に伴う高周波電流信号の周波数帯域である100kHz〜1MHzのバンドパスフィルタ10でノイズを除去し、比較回路12によってZCT5で捕らえた信号のレベルが予め設定されたしきい値レベル以上であるか判断する。
【0031】
この比較回路12は、ZCT5で捕らえた信号のレベルがしきい値レベル以上であれば次のラッチ回路13に異常検知信号を出力するという劣化診断動作を行い、このラッチ回路13は、異常検知信号を受けたときに配電盤2に当該異常検知検信号を与える。この異常検知信号を受けた配電盤2は、例えば、回転電機1の絶縁劣化又は絶縁低下を知らせる警報を表示手段によって出力するものであり、必要に応じて回転電機1に対する電力供給を停止若しくは制限する制御を行う。
【0032】
要するに、本実施例では、ZCT5を通じて検出した高周波電流、つまりシンチレーション放電に応じた高周波電流のレベルを、回転電機1における巻線の絶縁劣化状態の目安を示す信号として利用するものであり、その高周波電流のレベルに基づいて当該巻線の劣化診断をリアルタイムで行うことができる。この場合、ZCT5の二次側出力は、回転電機1がオンライン状態のままでも監視可能であるため、回転電機1の巻線そのものの絶縁状態の変化に対してタイムリーな劣化診断が可能になると共に、電気特性の変化を計測する構成であるため、回転電機1の形式(全閉形、開放形など)にこだわらずほとんどの回転電機に適用可能になる。
【0033】
又、本実施例では、電源ケーブル3における配電盤2とZCT5との間の位置に、通過周波数帯域が1kHz以下とされたローパスフィルタ4が介挿されているから、電源側から電源ケーブル3に重畳して伝播してくる高周波ノイズをZCT5の前でカットできる。つまり、シンチレーション放電に応じた高周波電流の検出に悪影響を及ぼすノイズ電流がカットされることになるから、ZCT5を通じて検出する高周波電流のレベルに基づいて行われる劣化診断動作の信頼性が向上するようになる。
【0034】
(第2の実施の形態)
図4には本発明の第2実施例が示されており、以下これについて前記第1実施例と異なる部分のみ説明する。尚、この第2実施例は、請求項4に対応するものである。
【0035】
回転電機巻線の劣化診断装置の電気的構成を機能ブロックの組み合わせにより示す図4において、配電盤2から引き出された電源ケーブル3と並行した状態で当該電源ケーブル3と同様の模擬ケーブル14を引き回し、その模擬ケーブル14の先端に、商用電源周波数帯域に対して高インピーダンスを有した状態、例えば、通過周波数帯域が10kHz以上に設定された状態のハイパスフィルタ15を接続する。これにより、模擬ケーブル14には、回転電機1の巻線表面で発生するシンチレーション放電に伴う高周波電流信号と同じ周波数帯域のノイズ電流が流れ得る状態となる。
【0036】
そして、この模擬ケーブル14にシンチレーション放電に伴う高周波電流計測用のZCT5と同定格の補助零相変流器(以下、補助ZCT)16を取り付けると共に、この補助ZCT16の二次側をZCT5の二次側に対しそれぞれの出力が互いに逆相となるように接続する。この結果、外部からのノイズが重畳した場合、電源ケーブル3及び模擬ケーブル14にはノイズ電流が同等に流れるようになり、このようなノイズ電流が流れた場合にZCT5及び補助ZCT16から出力される信号は、その位相及び大きさが同じ状態になる。このとき、ZCT5及び補助ZCT16の二次側はそれぞれの出力が互いに逆相となるように接続されているから、電源ケーブル3に流れるノイズ電流を模擬ケーブル14に流れるノイズ電流により完全にキャンセルできるようになる。尚、この例では、図1に示したローパスフィルタ4は不要になる。
【0037】
以上のような簡単な回路構成のノイズキャンセル回路を取り付けることにより、回転電機1でのシンチレーション放電に伴う高周波電流のみをZCT5により取り込むことができ、結果的に巻線の劣化診断動作を正確に行い得るようになる。
【0038】
(第3の実施の形態)
図5には本発明の第3実施例が示されており、以下これについて前記第1実施例と異なる部分のみ説明する。尚、この第3実施例は、請求項5に対応するものである。
【0039】
回転電機巻線の劣化診断装置の構成を機能ブロックの組み合わせにより示す図5において、電源ケーブル3に取り付けたZCT5からの二次側出力を、通過周波数帯域が100kHz〜1MHzに設定されたバンドパスフィルタ回路17を通した後、入力インタフェース18によりA/D変換してマイクロコンピュータ19に与える。このマイクロコンピュータ19では、入力インタフェース18を通じて得られた波形から周波数、電流レベルを演算し、その演算結果を予め記憶した巻線劣化パターンに対応した基準データと比較することにより回転電機1の巻線の絶縁低下を検出し、その検出結果に応じた異常検知信号を配電盤2へ出力する。この場合、マイクロコンピュータ19においては、上記演算により得られた周波数、電流レベルと共に、他の情報(運転時間、周囲環境条件、巻線温度など)も含めた解析を行うことが可能であり、これにより一段と精度の高い劣化診断が可能になる。
【0040】
(第4の実施の形態)
図6には本発明の第4実施例が示されており、以下これについて前記第1実施例と異なる部分のみ説明する。尚、この第4実施例は、請求項6、7に対応するものである。
【0041】
回転電機巻線の劣化診断装置の構成を機能ブロックの組み合わせにより示す図6において、回転電機1の電源ケーブル3の一部に、電力供給ライン用として適切な静電容量を有するシールドケーブル20を用い、このシールドケーブル20のシールド材をアースに接続する。これによって電源ケーブル3を進行してくる外部からの高周波電流は、このシールドケーブル20部分でアースヘパスされる。従って、ZCT5においては、回転電機1でのシンチレーション放電に応じた高周波電流を高精度に検出できるようになり、劣化診断動作の正確化に寄与できるようになる。
【0042】
この場合、図6に示すように、電力供給ラインの組み込み用として適切なインダクタンスを有した環状のフェライトコア21(高透磁率材料製環状コアに相当)を用意し、このフェライトコア21を回転電機1とシールドケーブル20の間の電源ケーブル3に貫通された状態で設置する構成とすれば、フェライトコア21のインダクタンス成分が、電源線3に外部ノイズとして重畳する高周波電流成分を遮断するローパスフィルタとして機能するようになる。つまり、そのフェライトコア21が高周波電流の抵抗となってアースへのパスが確実に行われる。この結果、ZCT5において回転電機1でのシンチレーション放電に応じた高周波電流を検出する場合に、外部ノイズによる影響を抑制できて、その高周波電流を高精度に検出できるようになり、この面からも劣化診断動作の正確化に寄与できるようになる。
【0043】
(その他の実施の形態)
尚、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、以下に述べるような変形或いは拡張が可能である。
例えば、第1実施例における判断装置3に対して、回転電機1の始動時などのようにZCT5の出力に悪影響が及びやすい特定期間中は比較回路12による劣化診断動作を一時的に中断し、その特定期間終了後に当該比較回路12による劣化診断動作を再開させる機能を診断動作制御手段として付加する構成としても良い(請求項3に対応)。
この構成によれば、回転電機始動時の電流アンバランスや始動用マグネットスイッチなどに起因して発生するサージ電流により、劣化診断動作が誤って行われる事態を未然に回避可能になる。
【0044】
【発明の効果】
以上のように、本発明による回転電機巻線の劣化診断装置によれば、回転電機の巻線に流れる異常高周波電流を常時監視しているため、確実かつ早急に劣化診断できると共に回転電機の形式にとらわれず正確に診断できるようになり、回転電機の運転中の事故を未然に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の電気的構成を示す機能ブロック図
【図2】判断装置の内部構成を示す機能ブロック図
【図3】シンチレーション放電が発生するモデル巻線について、電源側ケーブルに流れる高周波電流を計測した結果を示す特性図
【図4】本発明の第2実施例を示す図1相当図
【図5】本発明の第3実施例を示す図1相当図
【図6】本発明の第4実施例を示す図1相当図
【符号の説明】
1は回転電機、2は配電盤、3は電源ケーブル、4はローパスフィルタ、5は零相変流器、6は判断装置、7は劣化検出装置、8は計測結果出力用ケーブル、9はアンプ、10はバンドパスフィルタ、11は半波整流回路、12は比較回路、13はラッチ回路、14は模擬ケーブル、15はハイパスフィルタ、16は補助零相変流器、17はバンドパスフィルタ、18は入力インタフェース、19はマイクロコンピュータ、20はシールドケーブル、21はフェライトコア(高透磁率材料製環状コア)を示す。
Claims (7)
- 電源から回転電機に給電するための電源ケーブルと、
この電源ケーブルを一次側導体とした零相変流器と、
前記零相変流器の二次側に接続された通過周波数帯域が100kHz〜1MHzのバンドパスフィルタと、
このバンドパスフィルタからの出力信号のレベルが予め設定されたしきい値レベル以上となったときに異常検知信号を出力する劣化診断動作を行う比較回路とを備えたことを特徴とする回転電機巻線の劣化診断装置。 - 前記電源ケーブルにおける前記電源と前記零相変流器との間に位置した部分に、通過周波数帯域が1kHz以下とされたローパスフィルタを介挿したことを特徴とする請求項1記載の回転電機巻線の劣化診断装置。
- 前記回転電機の始動時などのように前記零相変流器の出力に悪影響が及びやすい特定期間中は、前記比較回路による劣化診断動作を一時的に中断し、その特定期間終了後に当該比較回路による劣化診断動作を再開させる診断動作制御手段を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の回転電機巻線の劣化診断装置。
- 前記電源ケーブルと並行した状態で引き回された模擬ケーブルと、
この模擬ケーブルに接続され、商用電源周波数帯域に対して高インピーダンスを有するハイパスフィルタと、
前記零相変流器と同定格に構成され、前記模擬ケーブルを一次側導体とした状態で設けられた補助零相変流器とを備え、
前記補助零相変流器の二次側を前記零相変流器の二次側に対してそれぞれの出力が互いに逆相となるように接続したことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の回転電機巻線の劣化診断装置。 - 前記バンドパスフィルタ回路の後段に、当該バンドパスフィルタからの出力信号をA/D変換するインタフェース及びこのインタフェースの出力を受けるマイクロコンピュータを接続し、このマイクロコンピュータは、前記インタフェースからの入力信号パターンを前記回転電機の巻線の劣化パターンに対応した基準データと比較した結果に基づいて当該巻線の劣化診断を行うように構成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の回転電機巻線の劣化診断装置。
- 前記電源ケーブルの少なくとも一部に適切な静電容量を有するシールドケーブルを用い、このシールドケーブルのシールド材をアースに接続したことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の回転電機巻線の劣化診断装置。
- 前記電源線が貫通された状態の高透磁率材料製環状コアを設けたことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の回転電機巻線の劣化診断装置。
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