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JP2004225060A - 銅合金およびその製造方法 - Google Patents

銅合金およびその製造方法 Download PDF

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JP2004225060A JP2002374080A JP2002374080A JP2004225060A JP 2004225060 A JP2004225060 A JP 2004225060A JP 2002374080 A JP2002374080 A JP 2002374080A JP 2002374080 A JP2002374080 A JP 2002374080A JP 2004225060 A JP2004225060 A JP 2004225060A
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Abstract

【課題】コネクタなどの電気電子部品用材料に要求される諸特性を兼備した銅合金、すなわち強度、導電性、耐応力緩和特性、ヤング率、プレス成形性、熱間加工性およびコストに優れた銅合金およびその製造方法を提供する。
【解決手段】20〜46重量%のZnと0.1〜5.0重量%のSnと0.001〜0.5重量%のBとを含有し、残部がCuおよび不可避的不純物からなる銅合金材料に粒径5μm以下のB酸化物を含有させることによって、鋳造結晶粒微細化と動的再結晶促進効果による熱間加工性に優れ、また、展伸方向の0.2%耐力が600N/mm以上、引張強さが650N/mm以上、ヤング率が120kN/mm以下、導電率が20%IACS以上、応力緩和率が20%以下であり、展伸方向に対して直角方向の0.2%耐力が650N/mm以上、引張強さが700N/mm以上、ヤング率が130kN/mm以下であるコネクタ用銅合金を得る。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コネクタなどの電気電子部品用材料として好適な強度、導電性、耐応力緩和特性などを有し、さらに熱間加工性やコストに優れた銅合金およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のエレクトロニクスの発達により、種々の機械の電気配線の複雑化や高集積化が進み、それに伴ってコネクタなどの電気電子部品用の伸銅品材料の使用量が増加している。また、コネクタなどの電気電子部品では、軽量化、高信頼性化および低コスト化が要求されている。これらの要求を満たすために、コネクタ用銅合金材料は、薄肉化され、また、複雑な形状にプレスされるので、強度、弾性、導電性およびプレス成形性が良好でなければならない。
【0003】
具体的には、コネクタ用銅合金材料では、端子の挿抜や曲げに対して座屈や変形しない強度、電線の加締めや嵌合保持に対する強度として、0.2%耐力が600N/mm以上、好ましくは650N/mm以上、さらに好ましくは700N/mm以上であり、引張強さが650N/mm以上、好ましくは700N/mm以上、さらに好ましくは750N/mm以上であることが要求されている。また、端子をプレスする際に、連鎖方向の関係から、圧延などにおける展伸方向に対して直角方向の強度が所定の強度であることが要求されており、この直角方向の強度として、0.2%耐力が650N/mm以上、好ましくは700N/mm以上、さらに好ましくは750N/mm以上であることが要求され、引張強さが700N/mm以上、好ましくは750N/mm以上、さらに好ましくは800N/mm以上であることが要求されている。また、通電によるジュ−ル熱の発生を抑えるために、導電率が20%IACS以上であることが好ましい。
【0004】
さらに、コネクタ用銅合金材料では、耐食性や耐応力腐食割れ性に優れていることが必要であり、メス端子の場合には、熱的負荷が加わるため、耐応力緩和特性にも優れていなければならない。具体的には、応力腐食割れ寿命が従来の黄銅一種の3倍以上であり、応力緩和率が150℃において黄銅一種の半分以下、好ましくは25%以下、さらに好ましくは20%以下であることが必要である。
【0005】
従来、コネクタ材として一般に黄銅やりん青銅などが使用されていた。黄銅は低コストの材料として使用されているが、0.2%耐力および引張強さは、質別がH08(ばね材用)でもそれぞれ570N/mmおよび640N/mm程度であり、0.2%耐力が600N/mm以上で引張強さが650N/mm以上というコネクタ材としての要求を満足できない。また、黄銅は、耐食性、耐応力腐食割れ性および耐応力緩和特性にも劣っている。一方、りん青銅は、強度、耐食性、耐応力腐食割れ性および耐応力緩和特性のバランスに優れているが、例えば、ばね用りん青銅の場合、導電率が12%IACSと小さく、且つ熱間加工することができず、コスト的にも不利である。
【0006】
ここで、黄銅およびりん青銅のヤング率は、いずれも展伸方向において110〜120kN/mm、直角方向において115〜130kN/mmであり、このように小さいヤング率は、コネクタ材としての要求に合致し、最近、これらの材料が見直されている。したがって、黄銅とりん青銅の特長を兼備し、黄銅に近い価格で、展伸方向の0.2%耐力が600N/mm以上、引張強さが650N/mm以上、ヤング率が120kN/mm以下、導電率が20%IACS以上、応力緩和率が20%以下であり、展伸方向に対して直角方向の0.2%耐力が650N/mm以上、引張強さが700N/mm以上、ヤング率が130kN/mm以下である材料が望まれている。
【0007】
また、コネクタ用の材料は、Snめっきされる機会が多くなり、合金にSnを含んでいる方が原料としての利用度が高まる。さらに、黄銅に代表されるように、Znを含むと、強度、加工性およびコストのバランスに優れた合金が得られ易い。このような見地から、Cu−Zn−Sn合金は注目に値する合金系である。
【0008】
例えば、CDA規格のC42500は、Cu−9.5Zn−2.0Sn−0.2P合金であり、コネクタ用の材料として良く知られている。また、C43400は、Cu−14Zn−0.7Sn合金であり、少量ではあるがスイッチ、リレ−、端子用として使用されている。しかしながら、これよりZn量が多いCu−Zn−Sn合金は、コネクタ用の材料としてほとんど使用されていない。Zn量とSn量が増加すると熱間加工性が低下するためである。例えば、C42500よりZn量が多い銅合金として、C43500(Cu−18Zn−0.9Sn)、C44500(Cu−28Zn−1Sn−0.05P)、C46700(Cu−39Zn−0.8Sn−0.05P)などが挙げられるが、楽器用、船舶用、雑貨品用などの用途としての板、棒、管などの製品があるだけであり、コネクタ用の展伸材料、特に条材としては利用されていない。また、これらの材料の特性についても、展伸方向の0.2%耐力が600N/mm以上、引張強さが650N/mm以上、ヤング率が120kN/mm以下、導電率が20%IACS以上、応力緩和率が20%以下であり、展伸方向に対して直角方向の0.2%耐力が650N/mm以上、引張強さが700N/mm以上、ヤング率が130kN/mm以下であり、且つプレス性や耐応力腐食割れ性などのコネクタ材に必要な特性の全てを満たすことはできない。特に、上記の諸特性を維持するためには、一定量以上のZnとSnを含有する必要がある。しかし、Zn量とSn量が増加すると、熱間割れを生じ易く、歩留まりの低下によるコストアップの問題がある。
【0009】
このような現状に鑑み、適量のZnとSnを含有させ、あるいはさらにSiなどを含有させ、適切な製造方法を採ることにより、優れた特性を有する銅合金を得ることが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−294957号公報(段落番号0014)
【特許文献2】
特開2002−88428号公報(段落番号0014)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの従来の方法では、熱間圧延条件の制御が非常に厳しく、また、微細なひび割れによる歩留まりの低下を生じる場合があるため、熱間圧延性にも優れた銅合金を提供することが望まれている。
【0012】
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、エレクトロニクスの発達に伴ってコネクタなどの電気電子部品用材料に要求される上記のような諸特性を兼備した銅合金、すなわち、0.2%耐力、引張強さ、導電率、ヤング率、耐応力緩和特性、プレス性、熱間加工性およびコストに優れた銅合金およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、20〜46重量%のZnと、0.1〜5.0重量%のSnと、0.001〜0.5重量%のBとを含有し、残部がCuおよび不可避的不純物からなる銅合金材料に、粒径5μm以下のB酸化物を含有させることによって、鋳造結晶粒微細化と動的再結晶促進効果による熱間加工性に優れ、展伸方向の0.2%耐力が600N/mm以上、引張強さが650N/mm以上、ヤング率が120kN/mm以下、導電率が20%IACS以上、応力緩和率が20%以下であり、展伸方向に対して直角方向の0.2%耐力が650N/mm以上、引張強さが700N/mm以上、ヤング率が130kN/mm以下である銅合金を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0014】
すなわち、本発明による銅合金は、20〜46重量%のZnと、0.1〜5.0重量%のSnと、0.001〜0.5重量%のBとを含有し、残部がCuおよび不可避的不純物からなり、粒径5μm以下のB酸化物を含有することまたはB酸化物を含有し且つB酸化物の粒径が5μm以下であることを特徴とする。
【0015】
この銅合金において、粒径1μm未満のB酸化物を含有し且つ粒径1〜5μmのB酸化物を含有するのが好ましい。また、展伸方向の0.2%耐力が600N/mm以上、引張強さが650N/mm以上、ヤング率が120kN/mm以下、導電率が20%IACS以上、応力緩和率が20%以下であり、展伸方向に対して直角方向の0.2%耐力が650N/mm以上、引張強さが700N/mm以上、ヤング率が130kN/mm以下であるのが好ましい。また、この銅合金が、さらに0.01〜3重量%のFeと、0.01〜5重量%のNiと、0.01〜3重量%のCoと、0.01〜3重量%のTiと、0.01〜2重量%のMgと、0.01〜2重量%のZrと、0.01〜1重量%のCaと、0.01〜3重量%のSiと、0.01〜10重量%のMnと、0.01〜3重量%のCdと、0.01〜5重量%のAlと、0.01〜3重量%のPbと、0.01〜3重量%のBiと、0.01〜3重量%のBeと、0.01〜1重量%のTeと、0.01〜3重量%のYと、0.01〜3重量%のLaと、0.01〜3重量%のCrと、0.01〜3重量%のCeと、0.01〜1重量%のVと、0.01〜1重量%のBaと、0.01〜5重量%のAuと、0.01〜5重量%のAgと、0.005〜0.5重量%のPのうち少なくとも1種以上の元素を、その総量が0.01〜5重量%になるように含んでもよい。
【0016】
また、本発明による銅合金の製造方法は、20〜46重量%のZnと、0.1〜5.0重量%のSnと、0.001〜0.5重量%のBとを含有し、残部がCuおよび不可避的不純物からなる銅合金の製造方法において、銅合金の原料を溶解し、液相線温度から600℃までの温度域において50℃/分以上の冷却速度で冷却して鋳塊を得た後、900℃以下の温度で熱間圧延を行い、次いで冷間圧延と300〜650℃の温度域における焼鈍を繰り返すことによって焼鈍後の結晶粒径を25μm以下にし、次いで30%以上の加工率の冷間圧延と450℃以下の低温焼鈍を行うことを特徴とする。
【0017】
この銅合金の製造方法において、熱間圧延に際して、1パス目の熱間圧延における圧下率を5〜30%とし、次のパスの熱間圧延における圧下率を5〜40%とし、最終パス目の熱間圧延における圧下率を25%以上とするのが好ましく、1パス目の熱間圧延における圧下率を10〜20%とするのがさらに好ましい。また、焼鈍後の結晶粒径を15μm以下とするのが好ましく、30%以上の加工率の冷間圧延の加工率を60%以上とするのが好ましい。また、銅合金が、粒径5μm以下のB酸化物を含有するのが好ましく、展伸方向の0.2%耐力が600N/mm以上、引張強さが650N/mm以上、ヤング率が120kN/mm以下、導電率が20%IACS以上、応力緩和率が20%以下であり、展伸方向に対して直角方向の0.2%耐力が650N/mm以上、引張強さが700N/mm以上、ヤング率が130kN/mm以下であるのが好ましい。
【0018】
この銅合金の製造方法によれば、銅より安価な成分を添加することにより低コスト化を図りつつ、コネクタなどの電気電子部品用材料に要求される諸特性を兼備した銅合金、すなわち、0.2%耐力、引張強さ、導電率、ヤング率、耐応力緩和特性、プレス性、熱間加工性およびコストなどに優れたコネクタ用銅合金を提供することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明による銅合金の実施の形態は、20〜46重量%のZnと、0.1〜5.0重量%のSnと、0.001〜0.5重量%のBとを含有し、残部がCuおよび不可避的不純物からなり、粒径5μm以下のB酸化物を含有することを特徴とする。このように銅合金の成分の量の限定した理由は以下の通りである。
【0020】
銅合金にZnを添加すると、銅合金の強度やばね性が向上し、また、ZnはCuより安価であるため、Znを多量に添加することが望ましい。しかし、Zn量が46重量%を超えると、Snとの共存下で粒界偏析が激しくなり、銅合金の熱間加工性が著しく低下する。また、銅合金の冷間加工性、耐食性および耐応力腐食割れ性も低下する。さらに、湿気や加熱によるめっき性やはんだ付け性も低下する。一方、Zn量が20重量%より少ないと、銅合金の0.2%耐力や引張強さなどの強度やばね性が不足し、ヤング率が大きくなり、さらに、Snを表面処理したスクラップを原料とする場合には、銅合金の溶解時の水素ガス吸蔵が多くなり、インゴットのブロ−ホ−ルが発生し易くなる。また、安価なZnの量が少なく、経済的にも不利になる。したがって、Zn量は、好ましくは20〜46重量%の範囲、さらに好ましくは24〜37重量%の範囲である。
【0021】
Snは、微量でも銅合金のヤング率を大きくすることなく0.2%耐力や引張強さなどの強度や弾性などの機械的特性を向上させる効果を有する。また、SnめっきなどのSnで表面処理した材料の再利用の点からも、銅合金が添加元素としてSnを含有するのが好ましい。しかし、Sn含有量が増加すると、銅合金の導電率が急激に低下し、また、Znとの共存下で粒界偏析が激しくなり、熱間加工性が著しく低下する。熱間加工性を確保するためには、Sn含有量は5.0重量%を超えない範囲でなければならない。一方、Sn含有量が0.1重量%より少ないと、銅合金の機械的特性の向上の効果が少なく、また、Snめっきなどを施したプレスくずなどを原料として利用し難くなる。したがって、Sn含有量は、好ましくは0.1〜5.0重量%の範囲、さらに好ましくは0.5〜1.8重量%の範囲である。
【0022】
Bは、本発明による銅合金の主成分であるCu、ZnおよびSnよりも酸素との親和力が大きいため、Cu、ZnおよびSnの酸化防止効果を有する。
【0023】
また、Bは、CaやMgなどの強脱酸剤ではなく、添加過程中のロスが少なく、生成される酸化物がクラスタ化し難い。
【0024】
さらに、Bは、溶湯または凝固過程で酸素と反応させることができ、粒径が数十nmから数μmの粒状酸化物を得ることができる。この酸化物は、結晶粒の核として鋳造結晶粒を微細化し、また、粒成長を阻止する効果を有する。特に、約1〜5μmの粒状酸化物が動的再結晶を促進して、さらに1μm以下の酸化物が再結晶粒成長を阻止することより、動的再結晶による熱間加工性の向上と再結晶粒微細化とを両立させることができる。これらの相乗効果により、熱間加工性を大幅に向上させることができる。B酸化物の粒径が5μmより大きい場合には、圧延中に粒子付近の応力集中によって割れが発生し易くなる。一方、粒径が1μm未満のB酸化物は、動的再結晶の発生と再結晶粒成長の両方を抑制する効果を有し、約1〜5μmの粒状酸化物は、動的再結晶の発生を促進する効果を有する。したがって、動的再結晶の発生を促進すると同時に再結晶粒成長を抑制するためには、粒径5μm以下の(すなわち、最大粒径が5μmで微細粒も含む)B酸化物を含有することが必要であり、粒径1μm未満のB酸化物を含有し且つ粒径1〜5μmのB酸化物を含有するのが好ましい。なお、B酸化物の同定は電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)によって行い、その粒径は走査電子顕微鏡(SEM)によって確認することができる。但し、簡易的には、光学顕微鏡などによってB酸化物のおおよその粒径を知ることができ、参考にすることができる。
【0025】
また、Bは、分散強化効果を有するので、最終製品の軟化温度および耐応力緩和特性を向上させる効果も有する。
【0026】
Bの量が0.001重量%より少ないと、上記のような熱間加工性の向上効果がなくなる。一方、Bの量が0.5重量%を超えると、生成される第2相のサイズが大きくなり、逆に熱間加工性を著しく低下させ、コスト面でも不利となる。したがって、Bの量は、好ましくは0.001〜0.5重量%の範囲、さらに好ましくは0.002〜0.05重量%の範囲である。
【0027】
また、以上のように限定された成分であれば、鋳造や熱間圧延などの高温時に粒界に析出するSn酸化物の形成を抑制することができ、展伸方向の0.2%耐力が600N/mm以上、引張強さが650N/mm以上、ヤング率が120kN/mm以下、導電率が20%IACS以上、応力緩和率が20%以下であり、展伸方向に対して直角方向の0.2%耐力が650N/mm以上、引張強さが700N/mm以上、ヤング率が130kN/mm以下であり、さらにコネクタ材として必要な諸特性、具体的には、耐食性、耐応力腐食割れ性(アンモニア蒸気中での割れ寿命が黄銅一種の3倍以上)、耐応力緩和特性(150℃における緩和率が黄銅一種の半分以下でりん青銅並)、プレス打ち抜き性などを満足する銅合金を作成することができる。
【0028】
さらに、銅合金が、第3添加元素として、0.01〜3重量%のFeと、0.01〜5重量%のNiと、0.01〜3重量%のCoと、0.01〜3重量%のTiと、0.01〜2重量%のMgと、0.01〜2重量%のZrと、0.01〜1重量%のCaと、0.01〜3重量%のSiと、0.01〜10重量%のMnと、0.01〜3重量%のCdと、0.01〜5重量%のAlと、0.01〜3重量%のPbと、0.01〜3重量%のBiと、0.01〜3重量%のBeと、0.01〜1重量%のTeと、0.01〜3重量%のYと、0.01〜3重量%のLaと、0.01〜3重量%のCrと、0.01〜3重量%のCeと、0.01〜1重量%のVと、0.01〜1重量%のBaと、0.01〜5重量%のAuと、0.01〜5重量%のAgと、0.005〜0.5重量%のPのうち少なくとも1種以上の元素を、その総量が0.01〜5重量%になるように含んでも良い。
【0029】
これらの元素は、導電率、ヤング率および成形加工性を大きく損なうことなく、強度を向上させることができる。また、各元素の含有範囲からはずれると、所望の効果を得られないか、熱間加工性、冷間加工性、プレス性、導電率、ヤング率およびコスト面などにおいて不利になる。
【0030】
次に、本発明による銅合金の製造方法の実施の形態を説明する。
【0031】
まず最初に、本発明による銅合金の原料を溶解して鋳造する。原料を溶解するに際して、B粉末またはCu−B、Ni−BあるいはFe−Bなどの母合金により、Bを添加することができる。ただし、原料の半分程度が溶解したときにBを投入するのが望ましい。Bの投入時期が早すぎると、Bの酸化によるロスが多い。また、雰囲気は大気雰囲気で十分であるが、不活性ガスでシ−ルした方が酸化防止の面から好ましい。ただし、還元ガス雰囲気では、高温になると水分の分解による水素の吸収や拡散によって不利になる。
【0032】
次に、原料の溶解後、インゴットを連続鋳造によって鋳造するのが望ましい。この連続鋳造は、縦型と横型のいずれでも構わない。ただし、液相線温度から600℃まで温度域において50℃/分以上の冷却速度で冷却する。冷却速度が50℃/分未満では、粒界にSnの偏析が生じ、B酸化粒子がクラスタ(凝集)し易く、その後の熱間加工性を悪化させ、歩留まりの低下を引き起こす。冷却速度を規定する温度域は、液相線温度から600℃までの温度域で良い。液相線以上の温度域を規定しても効果がなく、一方、600℃以下では、鋳造時の冷却工程の時間程度では粒界へのSnの過度な偏析を生じないので、冷却速度を規定する温度域は、液相線温度から600℃までの温度域とする。
【0033】
溶解鋳造後に熱間圧延を行う。熱間圧延の加熱温度は900℃以下とする。900℃を超える温度では、Snの粒界への偏析による熱間割れが生じ、歩留まりが低下する。900℃以下の温度で1パス目の熱間圧延を行う際の圧下率を5〜30%とする。圧下率が30%を超えると、鋳造結晶粒界に沿って割れが発生し易い。一方、圧下率が5%未満であると、動的再結晶またはパス間の静的再結晶が発生し難く、2パス目の圧延時に熱間割れが発生する場合もある。また、圧延パス回数が多くなり、効率的ではない。2〜3パス後に動的再結晶することによって、鋳造時のミクロな偏析および鋳造組織の消失により、本発明による銅合金の組成のZn量およびSn量を含んでも、組織的に均質な材料を得ることができる。さらに好ましくは1パス目の圧下率を10〜20%とする。次のパスでは、圧下率が5〜40%で良く、熱間割れの発生を防止し、続いて効率良く圧延することができる。さらに、最終パス目の圧下率が出来るだけ大きくなることが好ましく、具体的には圧下率25%以上が好ましい。これにより、熱間圧延後の結晶粒径を35μm以下、好ましくは15μm以下に制御することができる。熱間圧延後の結晶粒径が35μmを越えると、その後の冷間加工率や焼鈍条件の管理幅が狭く、少しでも逸脱すると、結晶粒が混粒になり易く、特性が劣化する。
【0034】
熱間圧延後に必要に応じて表面を面削する。その後、冷間圧延と300〜650℃の温度域における焼鈍を繰り返し、焼鈍後の結晶粒径を25μm以下とする。300℃未満の温度では、結晶粒の制御に要する時間が長くなって不経済であり、650℃を越えると、短時間で結晶粒が粗大化する。焼鈍後の結晶粒径が25μmを越えると、0.2%耐力などの機械特性や加工性が低下する。焼鈍後の結晶粒径は、好ましくは15μm以下、さらに好ましくは10μm以下である。
【0035】
このようにして得られた焼鈍材を、30%以上の加工率による冷間圧延と450℃以下の低温焼鈍によって、展伸方向の0.2%耐力が600N/mm以上、引張強さが650N/mm以上、ヤング率が120kN/mm以下、導電率が20%IACS以上、応力緩和率が20%以下であり、展伸方向に対して直角方向の0.2%耐力が650N/mm以上、引張強さが700N/mm以上、ヤング率が130kN/mm以下である銅合金とする。冷間加工率が30%未満では、加工硬化による強度の向上が不十分であり、機械特性の向上が不十分である。さらに好ましくは60%以上の加工率とする。低温焼鈍は、0.2%耐力、引張強さ、ばね限界値および耐応力緩和特性をさらに向上させるために必要である。450℃を越える温度では、与える熱容量が大き過ぎて短時間で軟化し、また、バッチ式と連続式のいずれの場合でもワ−ク内における特性ばらつきが発生し易くなる。したがって、低温焼鈍の温度条件を450℃以下とする。
【0036】
このようにして得られた材料を端子にプレスした後に、100〜280℃の温度で1〜180分間熱処理しても良い。この熱処理によって、プレス加工によって低下したばね限界値や耐応力緩和特性が改善され、さらに、ウイスカ対策を実現することができる。100℃未満の温度では、このような効果が十分でなく、280℃を超えると、拡散や酸化により、接触抵抗、はんだ付け性および加工性が低下する。また、熱処理時間が1分未満では、効果が十分でなく、180分を超えると、拡散や酸化による前述の特性の低下が起こり、また経済的でもない。
【0037】
【実施例】
以下、本発明による銅合金およびその製造方法の実施例について詳細に説明する。
【0038】
[実施例1〜6、比較例1〜6]
表1に化学成分(重量%)を示す各銅合金を、液相線温度より70℃高い温度で溶解した後、縦型の小型連続鋳造機を用いて、30×70×1000(mm)の鋳塊に鋳造した。ただし、鋳型による一次冷却と水シャワ−による二次冷却を調整することにより、液相線から600℃までの冷却速度は50℃/分を大きく上回る条件であった。
【0039】
また、Bを含有する実施例1〜6および比較例2の銅合金について、電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)によってB酸化物を同定し、走査型電子顕微鏡(SEM)によってB酸化物の粒径を確認したところ、実施例1〜6の銅合金には粒径0.02〜1μmのB酸化物と粒径1〜3μmのB酸化物が分布していたが、比較例2の銅合金には粒径が5μmより大きいB酸化物が確認された。
【0040】
その後、各鋳塊を800〜840℃に加熱した後、厚さ5mmまで熱間圧延し、表面やエッジの割れによって熱間加工性を評価した。但し、熱間圧延は10パス行い、1パス当たりの圧下率を15%として、最終パスの圧下率を25%とした。酸洗後に50倍の光学顕微鏡により割れが全く確認されないものを◎、割れ深さが0.3mm以下(すなわち、片面0.3mmで面削またはミ−リングした後に割れが全く確認されない)のものを○、割れ深さが0.3mm以上のものを×とした。さらに、熱間圧延終了温度を約600℃とし、熱間圧延後の急冷によって結晶粒径が約20μmになるように制御した。
【0041】
次に、冷間圧延によって厚さ1mmまで圧延し、450〜520℃の温度で熱処理し、結晶粒径が約10μmになるように調整した。酸洗後に、厚さ0.25mmまで冷間圧延し、最終工程で230℃の低温焼鈍を施した。このようにして得られた条材から試験片を採取した。
【0042】
以上のようにして得られた条材を用いて、0.2%耐力、引張強さ、ヤング率、導電率、応力緩和率および応力腐食割れ寿命の測定を行った。0.2%耐力、引張強さおよびヤング率の測定はJIS−Z−2241、導電率はJIS−H−0505に従って行った。ただし、圧延方向に対して直角方向の0.2%耐力、引張強さおよびヤング率は、長さ70mmの小型の試験片を用いて測定した。応力緩和試験は、試料表面に0.2%耐力の80%に当たる曲げ応力を加え、150℃で500時間保持し、曲げぐせを測定することによって行った。また、応力緩和率は下記の式によって計算した。
【0043】
応力緩和率(%)=[(L1−L2)/(L1−L0)]×100
[L0:治具の長さ(mm) 、L1:開始時の試料の長さ(mm)、L2:処理後の試料端間の水平距離(mm)]
【0044】
応力腐食割れ試験は、0.2%耐力の80%に当たる曲げ応力を加え、12.5%のアンモニア水を入れたデシケ−タ内に保持することによって行った。暴露時間は、10分単位とし、150分まで試験した。暴露後に各時間の試験片を取り出し、必要に応じて皮膜を酸洗除去し、光学顕微鏡で100倍の倍率で割れを観察した。そして、割れを確認した10分前の時間を応力腐食割れ寿命とした。
【0045】
これらの結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
Figure 2004225060
【0047】
表1に示す結果から、実施例1〜6の銅合金は、熱間加工性に優れ、製造面でも有利であり、且つ0.2%耐力、引張強さ、ヤング率および導電率のバランスに優れ、また、耐応力緩和特性および耐応力腐食割れ性も良好である。したがって、実施例1〜6の銅合金は、コネクタなどの電気電子用材料として極めて優れた特性を有する銅合金である。
【0048】
これに対して、Bを添加しない比較例1の銅合金およびBの添加量が多い比較例2の銅合金は、実施例1の銅合金とほぼ同等の量のZnとSnを含有して同等の特性を有するが、熱間加工性に劣っており、歩留まり低下によるコストアップの問題がある。
【0049】
また、Sn含有量が少ない比較例3の銅合金およびZn含有量が少ない比較例4の銅合金は、熱間加工性に特に劣っていないが、0.2%耐力、引張強さおよび耐応力緩和特性に劣っている。また、比較例3の銅合金はヤング率も劣っている。
【0050】
さらに、Bを添加せずにCaまたはMgを単独で添加した比較例5および6の銅合金は、熱間圧延の途中で割れが入り、その後の冷間加工との兼ね合いで最終板厚まで歩留まり良く製造することができなかった。
【0051】
[実施例7、比較例7、8]
表1に示す実施例1の銅合金と同じ銅合金(実施例7)と、市販の黄銅1種(C26000−H08)(比較例7)と、ばね用りん青銅(C52100−H08)(比較例8)について、実施例1〜6と同様の方法により、0.2%耐力、引張強さ、ヤング率、導電率、応力緩和率および応力腐食割れ寿命を測定した。これらの結果を表2に示す。なお、これらの市販の材料は、質別がH08(ばね材用)であり、同一成分の中でも高強度な質別である。
【0052】
【表2】
Figure 2004225060
【0053】
表2に示す結果から、実施例7の銅合金は、従来の代表的なコネクタなどの電気電子用材料である黄銅(比較例7)と比較して、0.2%耐力、引張強さ、耐応力緩和特性、耐応力腐食割れ性などが向上していることがわかる。また、ばね用りん青銅(比較例8)と比較しても、ヤング率および導電率に優れている。また、ばね用りん青銅は、高価なSnを8%も含有し、原料費が高騰し易く、且つ熱間圧延できないため、製法が限定され、製造費を含めたト−タルコスト面で劣っている。したがって、実施例7の銅合金は、従来の黄銅やりん青銅と比較して十分に優れているといえる。
【0054】
[実施例8、比較例9]
表1に示す実施例1の銅合金を、一次と二次の冷却条件と引き抜き速度を変えることによって、冷却速度を変化させて連続鋳造した。冷却速度は、熱電対を一緒に鋳込みながら測定した。この銅合金の液相線は約950℃であり、この温度から600℃までの平均冷却速度を求めた。
【0055】
その後、840℃に加熱して、1パス当たり約15%の圧下率で熱間圧延を10パス行い、表面とエッジの割れを観察した。この結果、50℃/分以上の平均冷却速度で鋳造した鋳片(実施例8)には、熱間割れが全く生じなかった。特に、80℃/分以上の平均冷却速度の鋳片は、熱間圧延温度をさらに上げても、圧下率を上げても対応することができ、条件範囲に余裕がある。これに対し、50℃/分未満の冷却速度(比較例9)では、熱間割れが発生し、適切な成分範囲であっても、鋳造時の平均冷却速度によっては熱間割れを生じることがあり、歩留まり低下をもたらす場合があることがわかった。
【0056】
[実施例9、比較例10、11]
表1に示す実施例1と同じ組成の銅合金を840℃に加熱し、熱間圧延を2パス行った。各パスの圧延直後に水冷したサンプルをリン酸と蒸留水(1:1)の溶液中で電解研磨して腐食させた後、光学顕微鏡により300倍の倍率で結晶粒組織を観察した。但し、1パス目の圧下率をそれぞれ15%(実施例9)、5%(比較例9)、35%(比較例10)として、2パス目の圧下率をいずれも25%とした。
【0057】
実施例9の銅合金の組織では、1パス目の圧延後にすべての結晶粒界に沿って動的再結晶粒が生じ、2パス目の圧延後にほぼ全域にわたって動的再結晶粒組織が観察された。これに対し、比較例9の組織では、1パス目の圧延後に動的再結晶粒がほとんど観察されず、2パス目の圧延後に一部の結晶粒界に沿ってクラックが観察された。また、比較例10の組織では、1パス目の圧延後に動的再結晶粒が不均一に分布して、一部の結晶粒界に沿ってクラックが観察され、2パス目の圧延後にこれらのクラックがさらに拡大した。したがって、1パス目の圧下率によっては熱延割れを生じることがあり、歩留まり低下をもたらす場合があることがわかった。
【0058】
[実施例10〜11、比較例12〜13]
表1に示す実施例1および比較例1と同じ組成の銅合金の鋳塊の断面中央部の鋳造組織(実施例10および比較例12)と、これらの銅合金を840℃に加熱して圧下率15%で熱間圧延を1パス行った後に水冷したサンプルの断面中央部の組織(実施例11および比較例13)を、リン酸と蒸留水(1:1)の溶液中で電解研磨して腐食させた後、光学顕微鏡により300倍の倍率で結晶粒組織を観察した。これらの光学顕微鏡写真をそれぞれ図1〜図4に示す。
【0059】
図1に示すように、実施例10の銅合金の鋳造組織では、結晶粒界と粒内のいずれにおいても第2相粒子が観察された(この第2相粒子は、EPMAとSIMSで同定した結果、Bの酸化物であると判定された)。また、粒子の結晶粒成長に対する阻止効果による粒界が凹凸化していることがわかる。これに対し、図2に示すように、比較例12の銅合金の鋳造組織では、第2相粒子がほとんど観察されず、結晶粒界が滑らかで、粒径も大きくなっている。
【0060】
また、図3に示すように、実施例11の銅合金の組織では、結晶粒界だけではなく、粒内においても第2相粒子のまわりに動的再結晶粒が観察された。これに対し、図4に示すように、比較例13の銅合金の組織では、動的再結晶粒がほとんど観察されず、一部の結晶粒界に沿ってクラックが観察された。
【0061】
したがって、本発明による銅合金は、B酸化物の鋳造組織の微細化および動的再結晶促進効果により、熱間加工性を向上することがわかった。
【0062】
【発明の効果】
上述したように、本発明による銅合金は、従来の黄銅やりん青銅などと比較して、0.2%耐力、引張強さ、導電率およびヤング率のバランスや、耐応力緩和率特性、耐応力腐食割れ性およびプレス性などに優れ、さらに熱間加工性が良く、安価に製造できるため、黄銅やりん青銅に代わるコネクタなどの電気電子部品用材料として最適なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例10の銅合金の鋳造組織の光学顕微鏡写真。
【図2】比較例12の銅合金の鋳造組織の光学顕微鏡写真。
【図3】実施例11の銅合金の鋳造組織の光学顕微鏡写真。
【図4】比較例13の銅合金の鋳造組織の光学顕微鏡写真。

Claims (12)

  1. 20〜46重量%のZnと、0.1〜5.0重量%のSnと、0.001〜0.5重量%のBとを含有し、残部がCuおよび不可避的不純物からなり、粒径5μm以下のB酸化物を含有することを特徴とする、銅合金。
  2. 20〜46重量%のZnと、0.1〜5.0重量%のSnと、0.001〜0.5重量%のBとを含有し、残部がCuおよび不可避的不純物からなり、B酸化物を含有し且つB酸化物の粒径が5μm以下であることを特徴とする、銅合金。
  3. 粒径1μm未満のB酸化物を含有し且つ粒径1〜5μmのB酸化物を含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の銅合金。
  4. 展伸方向の0.2%耐力が600N/mm以上、引張強さが650N/mm以上、ヤング率が120kN/mm以下、導電率が20%IACS以上、応力緩和率が20%以下であり、展伸方向に対して直角方向の0.2%耐力が650N/mm以上、引張強さが700N/mm以上、ヤング率が130kN/mm以下であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の銅合金。
  5. 前記銅合金が、さらに0.01〜3重量%のFeと、0.01〜5重量%のNiと、0.01〜3重量%のCoと、0.01〜3重量%のTiと、0.01〜2重量%のMgと、0.01〜2重量%のZrと、0.01〜1重量%のCaと、0.01〜3重量%のSiと、0.01〜10重量%のMnと、0.01〜3重量%のCdと、0.01〜5重量%のAlと、0.01〜3重量%のPbと、0.01〜3重量%のBiと、0.01〜3重量%のBeと、0.01〜1重量%のTeと、0.01〜3重量%のYと、0.01〜3重量%のLaと、0.01〜3重量%のCrと、0.01〜3重量%のCeと、0.01〜1重量%のVと、0.01〜1重量%のBaと、0.01〜5重量%のAuと、0.01〜5重量%のAgと、0.005〜0.5重量%のPのうち少なくとも1種以上の元素を、その総量が0.01〜5重量%になるように含むことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の銅合金。
  6. 20〜46重量%のZnと、0.1〜5.0重量%のSnと、0.001〜0.5重量%のBとを含有し、残部がCuおよび不可避的不純物からなる銅合金の製造方法において、銅合金の原料を溶解し、液相線温度から600℃までの温度域において50℃/分以上の冷却速度で冷却して鋳塊を得た後、900℃以下の温度で熱間圧延を行い、次いで冷間圧延と300〜650℃の温度域における焼鈍を繰り返すことによって焼鈍後の結晶粒径を25μm以下にし、次いで30%以上の加工率の冷間圧延と450℃以下の低温焼鈍を行うことを特徴とする、銅合金の製造方法。
  7. 前記熱間圧延において、1パス目の熱間圧延における圧下率を5〜30%とし、次のパスの熱間圧延における圧下率を5〜40%とし、最終パス目の熱間圧延における圧下率を25%以上とすることを特徴とする、請求項6に記載の銅合金の製造方法。
  8. 前記1パス目の熱間圧延における圧下率を10〜20%とすることを特徴とする、請求項7に記載の銅合金の製造方法。
  9. 前記焼鈍後の結晶粒径を15μm以下とすることを特徴とする、請求項6乃至8のいずれかに記載の銅合金の製造方法。
  10. 前記30%以上の加工率の冷間圧延の加工率を60%以上とすることを特徴とする、請求項6乃至9のいずれかに記載の銅合金の製造方法。
  11. 前記銅合金が粒径5μm以下のB酸化物を含有することを特徴とする、請求項6乃至10のいずれかに記載の銅合金の製造方法。
  12. 前記銅合金が、展伸方向の0.2%耐力が600N/mm以上、引張強さが650N/mm以上、ヤング率が120kN/mm以下、導電率が20%IACS以上、応力緩和率が20%以下であり、展伸方向に対して直角方向の0.2%耐力が650N/mm以上、引張強さが700N/mm以上、ヤング率が130kN/mm以下であることを特徴とする、請求項6乃至11のいずれかに記載の銅合金の製造方法。
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