JP2004221259A - 熱電変換素子モジュール及びこれを用いた電子冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光学部品の全面に直接当接させても光の通過に影響を及ぼすことなく該光学部品を効率良く冷却できようにする。
【解決手段】ペルチェモジュール10において、上側基板11aと下側基板11bはサファイアガラス等の透明部材から構成されている。熱電変換素子12a,12bは、基板11a,11bに沿った全体として四角形を成す領域内の外周部にのみ配列され、その中央部分(熱電変換素子未配列領域15)には未配列である。かかる構成のペルチェモジュール10では、熱電変換素子未配列領域15と上下両側の基板11a,11bにおける熱電変換素子未配列領域15に対応する透明領域とが光通過窓として機能し、上側基板11aと下側基板11bを通して光を通過させることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】ペルチェモジュール10において、上側基板11aと下側基板11bはサファイアガラス等の透明部材から構成されている。熱電変換素子12a,12bは、基板11a,11bに沿った全体として四角形を成す領域内の外周部にのみ配列され、その中央部分(熱電変換素子未配列領域15)には未配列である。かかる構成のペルチェモジュール10では、熱電変換素子未配列領域15と上下両側の基板11a,11bにおける熱電変換素子未配列領域15に対応する透明領域とが光通過窓として機能し、上側基板11aと下側基板11bを通して光を通過させることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、対向する基板間にペルチェ効果を有する熱電変換素子を挟持して成る熱電変換素子モジュール及びこれを用いた電子冷却装置に係わり、詳しくは、液晶プロジェクション等の光学部品実装装置内の光学部品の冷却に有用な熱電変換素子モジュール及びこれを用いた電子冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ペルチェ効果を利用して冷却、加熱を行う熱電変換素子モジュールを用いた電子冷却装置として、例えば、液晶プロジェクションに実装される液晶パネル等の光学部品の冷却を行なう電子冷却装置が知られている。
【0003】
この種の電子冷却装置としては、例えば、特許文献1に記載するように、ペルチェ素子の低温端部に吸熱器を伝熱結合すると共に、冷却用ダクトと冷却用ファンを設け、ペルチェ素子に電流を流した状態で、冷却用ファンによって取り入れ吸熱器によって冷却された外気を、冷却用ダクトを通じて光学部品に送って冷却する構造を有するものがある。
【0004】
しかしながら、かかる従来の電子冷却装置では、ペルチェ素子の低温端部に伝熱結合した冷却器に触れた外気により間接的に光学部品を冷却するために、冷却効率が悪かった。
【0005】
この他、冷却対象の光学部品である例えば液晶パネルにペルチェ素子を当接させて直接に冷却する方法(特許文献1の明細書中、段落0012参照)もあった。
【0006】
しかしながら、この場合において、通常、ペルチェ素子は不透明の基板を用いて構成されているため、液晶パネルの光を通過しない端部にペルチェ素子の低温端部を電熱結合させた構造しか取り得ず、端部のみしか冷却対象とならないことから、やはり冷却効率の低下は免れなかった。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−355937号公報
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の電子冷却装置に用いられる熱電変換素子モジュールは、基板が不透明な材質で構成されていたため、液晶プロジェクション等の光学部品実装装置内の光学部品を冷却する場合、熱電変換素子モジュールの低温端部に伝熱結合した冷却機構に触れた外気等を送りこんで間接的に光学部品を冷却するか、あるいは、光学部品の光を通過しない端部に熱電変換素子モジュールの低温端部を電熱結合させて部分的に冷却する構造しか取り得ず、冷却効率が悪いという問題点があった。
【0008】
本発明は上述の問題点を解消し、光学部品の全面に直接当接させても光の通過に影響を及ぼすことなく該光学部品を効率良く冷却でき、液晶プロジェクション等の光学部品実装装置内の光学部品の効率的冷却に有用な熱電変換素子モジュール及びこれを用いた電子冷却装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、対向する基板間にペルチェ効果を有する熱電変換素子を挟持して成る熱電変換素子モジュールにおいて、前記基板が透明部材によって構成されると共に、モジュール全体として、両側の基板を通して光学的に透明な領域が形成された構造を有することを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、前記基板間に前記熱電変換素子を配列しない未配列領域を設け、前記未配列領域と、両側の基板における前記未配列領域に対応する領域との積層により前記透明領域が形成されることを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、対向する基板間にペルチェ効果を有する熱電変換素子を挟持して成る熱電変換素子モジュールにおいて、前記基板のうちの少なくともいずれか一方が透明部材により構成されると共に、両側の基板を通して光を通過させる光通過部を有することを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、上記請求項3記載の発明において、両側の前記基板が透明部材から構成されると共に、前記基板間に前記熱電変換素子を配列しない未配列領域を設け、前記未配列領域と、両側の基板における前記未配列領域に対応する透明領域との積層により前記光通過部が形成されることを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の発明は、上記請求項3記載の発明において、一方の基板が透明部材から構成され、他方の基板が所定領域の打抜き部を有する非透明部材から構成されると共に、前記基板間に前記熱電変換素子を配列しない未配列領域を前記打抜き部に対応して設け、一方の基板の前記打抜き部、前記未配列領域、他方の基板における前記未配列領域に対応する透明領域の積層により前記光通過部が形成されることを特徴とする。
【0014】
請求項6記載の発明は、上記請求項1または3記載の発明において、前記透明部材は、サファイアガラスから成ることを特徴とする。
【0015】
請求項7記載の発明は、上記請求項1または3記載の発明において、前記透明部材は、表面にダイヤモンドを被覆したガラスから成ることを特徴とする。
【0016】
請求項8記載の発明は、対向する基板間にペルチェ効果を有する熱電変換素子を挟持して成る熱電変換素子モジュールを用いて光学部品実装装置に実装された光学部品を冷却する電子冷却装置において、前記熱電変換素子モジュールは、前記基板が透明部材によって構成されると共に、モジュール全体として、両側の基板を通して光学的に透明な領域が形成された構造を有し、前記熱電変換素子モジュールの冷却側基板の全面が前記光学部品に直接接合され、かつ、前記光学部品の光を通過する領域が当該モジュールの前記透明領域内に収まるように位置合わせされて成ることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明に係わる熱電変換素子モジュール(以下、ペルチェモジュールと略称する)10の構成を示す概念斜視構成図である。
【0019】
このペルチェモジュール10は、N型熱電変換素子(ペルチェ素子)12aとP型熱電変換素子(ペルチェ素子)12bを縦及び横方向に交互に複数対並べたうえで、隣接する素子同士を上側の接合板(電極板)13aと下側の接合板13bとで電気的に直列接続となるよう相互に接合し、これらを上側の基板10aと下側の基板10b間に挟持せしめた構造を有する。
【0020】
上側の各接合板13aと下側の各接合板13bは、それぞれ、上側基板11aと下側基板11bに対して熱伝結合されている。
【0021】
また、下側の接合板13bのうちの端部の2つは電源端子として共用され、それぞれ、リード線14a,14bが接続されている。
【0022】
このペルチェモジュール10において、上側基板11aと下側基板11bは光学的に透明な部材(例えば、サファイアガラス)から構成されている。
【0023】
また、上側基板11aと下側基板11bとの間に挟持される熱電変換素子12a,12bは、当該基板11a,11bに沿った全体として四角形を成す領域内の外周部にのみ配列され、その中央部分(熱電変換素子未配列領域15:この例では四角形)には未配列となっている。
【0024】
このように、上側基板11aと下側基板11bを透明部材で構成したペルチェモジュール10によれば、上述した熱電変換素子未配列領域15と上下両側の基板11a,11bにおける熱電変換素子未配列領域15に対応する透明領域とが光通過窓として機能し、上側基板11aと下側基板11bを通して光を通過させることができる。
【0025】
つまり、本発明に係わるペルチェモジュール10は、熱電変換素子12a,12bを挟持する上下の基板11a,11bを通して光を通過させる光通過部(熱電変換素子未配列領域15によって規定される)を有するものである。
【0026】
言い換えれば、このペルチェモジュール10は、モジュール全体として、両側の基板11a,11bを通して光学的に透明な領域(光通過部)が形成された構造を有するものである。
【0027】
このペルチェモジュール10に対して、図示しない直流電源からリード線14a,14bを介してN型からP型の方向に直流電流を流すと、上側の接合板13aは冷却してこれに熱伝結合される上側基板11aを介して周囲から熱を奪い、下側の接合板13bは発熱してこれに熱伝結合される下側基板11bを介して周囲に熱を放出するように動作する。
【0028】
つまり、上記給電パターンの際には、上側基板11aが冷却側基板として機能し、下側基板11bが発熱側基板として機能する。
【0029】
この場合、上側基板11aを対象物に当接配置したうえで、上記給電パターンで直流電源を供給することで、当該冷却側基板11aを介して上記対象物を冷却することができる。
【0030】
なお、このペルチェモジュール10では、上記とは逆の給電パターンにより、P型からN型の方向に直流電流を流すと、下側基板11bが冷却側基板として機能し、上側基板11aが発熱側基板として機能する。
【0031】
次に、本発明に係わるペルチェモジュール10の実施例について説明する。
【0032】
第1の実施例:
図2は、第1の実施例に係わるペルチェモジュール10Aの構造を示す図であり、特に、同図(a)は上面図を示し、同図(b)は同図(a)の側面図を示している。
【0033】
なお、図2において、熱電変換素子12(12a,12b)間を電気的に直列に接続せしめる上側接合板13a,下側接合板13bについては、説明の便宜上、図示を省略している。
【0034】
このペルチェジュール10Aにおいて、上側の基板11aと下側の基板11bとの間にN型熱電変換素子12aとP型熱電変換素子12bを縦及び横方向に交互に複数対並べたうえで、隣接する素子同士を上側の接合板13a(図示せず)と下側の接合板13b(図示せず)とで電気的に直列接続となるよう相互に接合した点は、図1に示したペルチェモジュール10と同様である。
【0035】
このペルチェモジュール10Aにおいて、上側の基板11a及び下側の基板11bは、共に、サファイアガラスによって構成される。
【0036】
また、上側基板11aと下側基板11bとの間に挟持される熱電変換素子12a,12bは、当該基板11a,11bに沿った全体として四角形を成す領域内の外周部にのみ配列され、その中央部分(熱電変換素子未配列領域15:この例では四角形)には未配列となっている。
【0037】
このように、上側基板11aと下側基板11bをサファイアガラス(透明部材)で構成したペルチェモジュール10Aによれば、上述した熱電変換素子未配列領域15と上下両側の基板11a,11bにおける熱電変換素子未配列領域15に対応する透明領域との積層構造が光通過部として機能し、上側基板11aと下側基板11bを通して光を通過させることができる。
【0038】
このペルチェモジュール10Aに対して、図示しない直流電源からリード線14a,14bを介してN型からP型の方向に直流電流を流すことで、上側基板11aを冷却側基板として機能させ、下側基板11bを発熱側基板として機能させることができる。
【0039】
なお、上側基板11aと下側基板11bは光学的に透明な部材であればサファイアガラスに限るものではなく、例えば、通常のガラスの表面にダイヤモンドを塗布を施したものを用いても良い。
【0040】
第2の実施例:
図3は、第2の実施例に係わるペルチェモジュール10Bの構造を示す図であり、特に、同図(a)は上面図を示し、同図(b)は同図(a)のA−A線による概念断面構成図を示している。
【0041】
なお、図3において、熱電変換素子12(12a,12b)間を電気的に直列に接続せしめる上側接合板13a,下側接合板13bについては、説明の便宜上、図示を省略している。
【0042】
このペルチェモジュール10Bにおいて、上側の基板11aと下側の基板11bとの間にN型熱電変換素子12aとP型熱電変子12bを縦及び横方向に交互に複数対並べたうえで、隣接する素子同士を上側の接合板13a(図示せず)と下側の接合板13b(図示せず)とで電気的に直列接続となるよう相互に接合した点は、図1に示したペルチェモジュール10と同様である。
【0043】
このペルチェモジュール10Bにおいて、例えば、下側の基板11bは光学的に透明な部材、例えば、サファイアガラスによって構成されている。
【0044】
一方、上側の基板11aは不透明な部材(セラミック等)から成る。但し、この上側の基板11aには、該基板11aの中央部分を例えば四角形に打抜いた打抜き部111aが形成される。
【0045】
また、上側基板11aと下側基板11bとの間に挟持される熱電変換素子12a,12bは、当該基板11a,11bに沿った全体として四角形を成す領域内の外周部にのみ配列され、その中央部分、つまり上記打抜き部111aに対応する領域(熱電変換素子未配列領域)には未配列となっている。
【0046】
このように、上側基板11aに打抜き部111aを設け、下側基板11bを透明部材で構成したペルチェモジュール10Bによれば、上側基板11aの打抜き部111a、熱電変換素子未配列領域、下側基板11bにおける上記熱電変換素子未配列領域に対応する透明領域の積層構造が光を通過させる光通過部として機能し、上側基板11aと下側基板11bを通して光を通過させることができる。
【0047】
このペルチェモジュール10Bに対して、図示しない直流電源からリード線14a,14bを介してN型からP型の方向に直流電流を流すことで、上側基板11aを冷却側基板として機能させ、下側基板11bを発熱側基板として機能させることができる。
【0048】
なお、この第2の実施例に係わるペルチェモジュール10Bにおいては、上述した光通過部を持たせるという意味では、上側基板11aを透明部材で構成し、下側基板11bに打抜き部111bを設けた構造としても良い。
【0049】
上記第1及び第2の実施例に示したように、本発明に係わるサーモモジュール10は、対向する基板毎に例えばその中央部分を通って光を通過させることのできる光通過窓(光通過部)を有するものであり、該光通過窓を利用することにより、電子冷却の分野で従来のペルチェモジュールには無い使い方が可能になる。
【0050】
本発明に係わるペルチェモジュール10の用途の一例として、例えば、透過型液晶プロジェクションの液晶パネルを冷却する電子冷却装置が考えられる。
【0051】
図4は、本発明に係わるペルチェモジュール10を適用して成る透過型液晶プロジェクションの光学部品群の構成を示す概念図である。
【0052】
この液晶プロジェクションの光学部品群は、光源ランプ51と投射レンズ53との間に液晶パネル52を配置して構成される。
【0053】
この液晶プロジェクションでは、液晶パネル52での画像表示中に、光源ランプ51から出射された光を液晶パネル52を通過させて投射レンズ53に導き、該液晶パネル52に表示中の画像を投射レンズ53によって遠方の表示膜等に投射させるものである。
【0054】
この液晶プロジェクションに組み込まれた液晶パネル52は、光源ランプ51から出射された光の一部が熱に変換して高温となるため、熱劣化を起こす。従って、この熱劣化を防止し、液晶パネル52の性能を維持のためには、許容温度以下に保つように冷却することが必要となる。
【0055】
図4において、10Cは、液晶パネル52の冷却を目的として付加されるペルチェモジュールである。なお、このペルチェモジュール10Cは、図示ない電源回路や、制御回路等と共に、1つの電子冷却装置を形成している。
【0056】
図4において、ペルチェモジュール10Cは、例えば、第1の実施例に示したペルチェモジュール10A(図2参照)のように、上側(冷却側)基板11aと下側(放熱側)基板11bがサファイアガラスで構成され、これら基板11a,11b間の熱電変換素子未配列領域15が光を通過させる光通過部として機能する構造を母体とし、更には、放熱側基板11bの表面に放熱器20a,20bを付加して構成されるものである。
【0057】
この例では、ペルチェモジュール10Cはその上側基板(冷却側基板)11aの上面全体が液晶パネル52の光入射側面側に直接密着接合されている。
【0058】
その際、液晶パネル52の表示領域とペルチェモジュール10Cの光通過部との間に例えば図5に示すような位置決めが必要となる。
【0059】
図5は、図4における液晶パネル52とペルチェモジュール10Cの位置関係を示す図であり、液晶パネル52の表示領域521(光源ランプ51からの光を通過させる必要のある領域)がペルチェモジュール10Cの光通過部の光通過窓(熱電変換素子未配列領域15)内に収まるように位置決めがなされている。
【0060】
この位置決めによって、液晶パネル52は、表示領域521内を通る光がペルチェモジュール10Cの不透明部分により妨げられることがない状態で、その光入射側面の全面がペルチェモジュール10Cの冷却側基板11aに直接当接されることになる。
【0061】
この状態で、図示しないリード線14a,14bを通じて直流電源より適宜な極性で直流電流を流すと、冷却側基板11aが冷却されてこれに熱伝結合される液晶パネル52から熱を奪い、発熱側基板11bが発熱してこれに熱伝結合される放熱器20a,20bを介して周囲に熱を放出するように動作する。
【0062】
この場合、液晶パネル52はその光入射側面の全面がペルチェモジュール10Cの冷却側基板11aに直接当接されているため、液晶パネル52の端部にのみペルチェモジュールを当接していた従来の電子冷却装置に比べて、吸熱効率が増し、効率的な冷却が可能になる。
【0063】
これによって、液晶パネル52の熱劣化を防止し、性能維持を図ることができる。また、液晶パネル52の熱劣化が防止されるため、従来以上に光源ランプ51の光量を増やし、明るい画像を映し出すことができる。
【0064】
なお、図4においては、ペルチェモジュール10Cの冷却側基板11aを液晶パネル52の光入射側面に当接させた構造を示したが、液晶パネル52の光出射側面に当接させた構造としても良い。
【0065】
また、ペルチェモジュール10Cとして、第1の実施例に示したペルチェモジュール10Aを母体とする例を示したが、第2の実施例に示したペルチェモジュール10Bを母体とするものを用いても良い。
【0066】
この場合、ペルチェモジュール10Bは、打抜き部111aを有する基板11a側または透明部材から構成される基板11bのいずれかを冷却側基板として液晶パネル52の光入射側面または光出射側面のいずれかに当接されるように配置可能である。
【0067】
いずれの場合も、液晶パネル52の表示領域521が光通過部の光通過窓(熱電変換素子未配列領域15)内に収まるように位置決めがなされている必要があることは言うまでもない。
【0068】
この他、本発明は、上記し、且つ図面に示す実施形態に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。
【0069】
例えば、本発明に係わるペルチェモジュールにおいて、熱電変換素子を挟持して対向する両基板は、光通過窓に当る部分が、基板の中央部分のみならず、任意の位置に任意の形で設けられるものであっても良い。
【0070】
また、本発明に係わるペルチェモジュールにおいて、両基板は、全面が透明でなくても少なくともその一部が透明であってその透明部分によって上述した光通過窓を実現し得るものであれば良い。
【0071】
また、上記実施例では、本発明に係わる熱電変換素子モジュールを透過型液晶プロジェクションの液晶パネルの冷却に用いる例を挙げたが、該モジュールは、各種装置における透過型光学部品の冷却全般に適用可能である。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、熱電変換素子モジュールは、基板が透明部材によって構成されると共に、モジュール全体として、両側の基板を通して光学的に透明な領域が形成された構造を有するものである。
かかる熱電変換素子モジュールによれば、該モジュールの冷却側基板の全面を冷却対象の光学部品に直接接合し、かつ、光学部品の光を通過する領域が当該モジュールの透明領域内に収まるように位置合わせして配置することによって、光学部品における光の通過を妨げることなく該光学部品の全面を効率的に冷却でき、当該光学部品の温度上昇による性能劣化を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる熱電変換素子モジュール10の構成を示す概念斜視構成図。
【図2】第1の実施例に係わるペルチェモジュールの構造を示す図。
【図3】第2の実施例に係わるペルチェモジュールの構造を示す図。
【図4】本発明に係わるペルチェモジュールを適用して成る透過型液晶プロジェクションの光学部品群の構成を示す概念図。
【図5】図4における液晶パネル52とペルチェモジュール10Cの位置関係を示す図。
【符号の説明】
10,10A,10B 熱電変換素子モジュール(ペルチェモジュール)
11a,11b 基板
111a 打抜き部
12a N型熱電変換素子
12b P型熱電変換素子
13a 上側接合板
13b 下側接合板
14a,14b リード線
15 熱電変換素子未配列領域
20a,20b 放熱器
51 光源ランプ
52 液晶パネル
521 表示領域
53 投射レンズ
【発明の属する技術分野】
本発明は、対向する基板間にペルチェ効果を有する熱電変換素子を挟持して成る熱電変換素子モジュール及びこれを用いた電子冷却装置に係わり、詳しくは、液晶プロジェクション等の光学部品実装装置内の光学部品の冷却に有用な熱電変換素子モジュール及びこれを用いた電子冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ペルチェ効果を利用して冷却、加熱を行う熱電変換素子モジュールを用いた電子冷却装置として、例えば、液晶プロジェクションに実装される液晶パネル等の光学部品の冷却を行なう電子冷却装置が知られている。
【0003】
この種の電子冷却装置としては、例えば、特許文献1に記載するように、ペルチェ素子の低温端部に吸熱器を伝熱結合すると共に、冷却用ダクトと冷却用ファンを設け、ペルチェ素子に電流を流した状態で、冷却用ファンによって取り入れ吸熱器によって冷却された外気を、冷却用ダクトを通じて光学部品に送って冷却する構造を有するものがある。
【0004】
しかしながら、かかる従来の電子冷却装置では、ペルチェ素子の低温端部に伝熱結合した冷却器に触れた外気により間接的に光学部品を冷却するために、冷却効率が悪かった。
【0005】
この他、冷却対象の光学部品である例えば液晶パネルにペルチェ素子を当接させて直接に冷却する方法(特許文献1の明細書中、段落0012参照)もあった。
【0006】
しかしながら、この場合において、通常、ペルチェ素子は不透明の基板を用いて構成されているため、液晶パネルの光を通過しない端部にペルチェ素子の低温端部を電熱結合させた構造しか取り得ず、端部のみしか冷却対象とならないことから、やはり冷却効率の低下は免れなかった。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−355937号公報
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の電子冷却装置に用いられる熱電変換素子モジュールは、基板が不透明な材質で構成されていたため、液晶プロジェクション等の光学部品実装装置内の光学部品を冷却する場合、熱電変換素子モジュールの低温端部に伝熱結合した冷却機構に触れた外気等を送りこんで間接的に光学部品を冷却するか、あるいは、光学部品の光を通過しない端部に熱電変換素子モジュールの低温端部を電熱結合させて部分的に冷却する構造しか取り得ず、冷却効率が悪いという問題点があった。
【0008】
本発明は上述の問題点を解消し、光学部品の全面に直接当接させても光の通過に影響を及ぼすことなく該光学部品を効率良く冷却でき、液晶プロジェクション等の光学部品実装装置内の光学部品の効率的冷却に有用な熱電変換素子モジュール及びこれを用いた電子冷却装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、対向する基板間にペルチェ効果を有する熱電変換素子を挟持して成る熱電変換素子モジュールにおいて、前記基板が透明部材によって構成されると共に、モジュール全体として、両側の基板を通して光学的に透明な領域が形成された構造を有することを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、前記基板間に前記熱電変換素子を配列しない未配列領域を設け、前記未配列領域と、両側の基板における前記未配列領域に対応する領域との積層により前記透明領域が形成されることを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、対向する基板間にペルチェ効果を有する熱電変換素子を挟持して成る熱電変換素子モジュールにおいて、前記基板のうちの少なくともいずれか一方が透明部材により構成されると共に、両側の基板を通して光を通過させる光通過部を有することを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、上記請求項3記載の発明において、両側の前記基板が透明部材から構成されると共に、前記基板間に前記熱電変換素子を配列しない未配列領域を設け、前記未配列領域と、両側の基板における前記未配列領域に対応する透明領域との積層により前記光通過部が形成されることを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の発明は、上記請求項3記載の発明において、一方の基板が透明部材から構成され、他方の基板が所定領域の打抜き部を有する非透明部材から構成されると共に、前記基板間に前記熱電変換素子を配列しない未配列領域を前記打抜き部に対応して設け、一方の基板の前記打抜き部、前記未配列領域、他方の基板における前記未配列領域に対応する透明領域の積層により前記光通過部が形成されることを特徴とする。
【0014】
請求項6記載の発明は、上記請求項1または3記載の発明において、前記透明部材は、サファイアガラスから成ることを特徴とする。
【0015】
請求項7記載の発明は、上記請求項1または3記載の発明において、前記透明部材は、表面にダイヤモンドを被覆したガラスから成ることを特徴とする。
【0016】
請求項8記載の発明は、対向する基板間にペルチェ効果を有する熱電変換素子を挟持して成る熱電変換素子モジュールを用いて光学部品実装装置に実装された光学部品を冷却する電子冷却装置において、前記熱電変換素子モジュールは、前記基板が透明部材によって構成されると共に、モジュール全体として、両側の基板を通して光学的に透明な領域が形成された構造を有し、前記熱電変換素子モジュールの冷却側基板の全面が前記光学部品に直接接合され、かつ、前記光学部品の光を通過する領域が当該モジュールの前記透明領域内に収まるように位置合わせされて成ることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明に係わる熱電変換素子モジュール(以下、ペルチェモジュールと略称する)10の構成を示す概念斜視構成図である。
【0019】
このペルチェモジュール10は、N型熱電変換素子(ペルチェ素子)12aとP型熱電変換素子(ペルチェ素子)12bを縦及び横方向に交互に複数対並べたうえで、隣接する素子同士を上側の接合板(電極板)13aと下側の接合板13bとで電気的に直列接続となるよう相互に接合し、これらを上側の基板10aと下側の基板10b間に挟持せしめた構造を有する。
【0020】
上側の各接合板13aと下側の各接合板13bは、それぞれ、上側基板11aと下側基板11bに対して熱伝結合されている。
【0021】
また、下側の接合板13bのうちの端部の2つは電源端子として共用され、それぞれ、リード線14a,14bが接続されている。
【0022】
このペルチェモジュール10において、上側基板11aと下側基板11bは光学的に透明な部材(例えば、サファイアガラス)から構成されている。
【0023】
また、上側基板11aと下側基板11bとの間に挟持される熱電変換素子12a,12bは、当該基板11a,11bに沿った全体として四角形を成す領域内の外周部にのみ配列され、その中央部分(熱電変換素子未配列領域15:この例では四角形)には未配列となっている。
【0024】
このように、上側基板11aと下側基板11bを透明部材で構成したペルチェモジュール10によれば、上述した熱電変換素子未配列領域15と上下両側の基板11a,11bにおける熱電変換素子未配列領域15に対応する透明領域とが光通過窓として機能し、上側基板11aと下側基板11bを通して光を通過させることができる。
【0025】
つまり、本発明に係わるペルチェモジュール10は、熱電変換素子12a,12bを挟持する上下の基板11a,11bを通して光を通過させる光通過部(熱電変換素子未配列領域15によって規定される)を有するものである。
【0026】
言い換えれば、このペルチェモジュール10は、モジュール全体として、両側の基板11a,11bを通して光学的に透明な領域(光通過部)が形成された構造を有するものである。
【0027】
このペルチェモジュール10に対して、図示しない直流電源からリード線14a,14bを介してN型からP型の方向に直流電流を流すと、上側の接合板13aは冷却してこれに熱伝結合される上側基板11aを介して周囲から熱を奪い、下側の接合板13bは発熱してこれに熱伝結合される下側基板11bを介して周囲に熱を放出するように動作する。
【0028】
つまり、上記給電パターンの際には、上側基板11aが冷却側基板として機能し、下側基板11bが発熱側基板として機能する。
【0029】
この場合、上側基板11aを対象物に当接配置したうえで、上記給電パターンで直流電源を供給することで、当該冷却側基板11aを介して上記対象物を冷却することができる。
【0030】
なお、このペルチェモジュール10では、上記とは逆の給電パターンにより、P型からN型の方向に直流電流を流すと、下側基板11bが冷却側基板として機能し、上側基板11aが発熱側基板として機能する。
【0031】
次に、本発明に係わるペルチェモジュール10の実施例について説明する。
【0032】
第1の実施例:
図2は、第1の実施例に係わるペルチェモジュール10Aの構造を示す図であり、特に、同図(a)は上面図を示し、同図(b)は同図(a)の側面図を示している。
【0033】
なお、図2において、熱電変換素子12(12a,12b)間を電気的に直列に接続せしめる上側接合板13a,下側接合板13bについては、説明の便宜上、図示を省略している。
【0034】
このペルチェジュール10Aにおいて、上側の基板11aと下側の基板11bとの間にN型熱電変換素子12aとP型熱電変換素子12bを縦及び横方向に交互に複数対並べたうえで、隣接する素子同士を上側の接合板13a(図示せず)と下側の接合板13b(図示せず)とで電気的に直列接続となるよう相互に接合した点は、図1に示したペルチェモジュール10と同様である。
【0035】
このペルチェモジュール10Aにおいて、上側の基板11a及び下側の基板11bは、共に、サファイアガラスによって構成される。
【0036】
また、上側基板11aと下側基板11bとの間に挟持される熱電変換素子12a,12bは、当該基板11a,11bに沿った全体として四角形を成す領域内の外周部にのみ配列され、その中央部分(熱電変換素子未配列領域15:この例では四角形)には未配列となっている。
【0037】
このように、上側基板11aと下側基板11bをサファイアガラス(透明部材)で構成したペルチェモジュール10Aによれば、上述した熱電変換素子未配列領域15と上下両側の基板11a,11bにおける熱電変換素子未配列領域15に対応する透明領域との積層構造が光通過部として機能し、上側基板11aと下側基板11bを通して光を通過させることができる。
【0038】
このペルチェモジュール10Aに対して、図示しない直流電源からリード線14a,14bを介してN型からP型の方向に直流電流を流すことで、上側基板11aを冷却側基板として機能させ、下側基板11bを発熱側基板として機能させることができる。
【0039】
なお、上側基板11aと下側基板11bは光学的に透明な部材であればサファイアガラスに限るものではなく、例えば、通常のガラスの表面にダイヤモンドを塗布を施したものを用いても良い。
【0040】
第2の実施例:
図3は、第2の実施例に係わるペルチェモジュール10Bの構造を示す図であり、特に、同図(a)は上面図を示し、同図(b)は同図(a)のA−A線による概念断面構成図を示している。
【0041】
なお、図3において、熱電変換素子12(12a,12b)間を電気的に直列に接続せしめる上側接合板13a,下側接合板13bについては、説明の便宜上、図示を省略している。
【0042】
このペルチェモジュール10Bにおいて、上側の基板11aと下側の基板11bとの間にN型熱電変換素子12aとP型熱電変子12bを縦及び横方向に交互に複数対並べたうえで、隣接する素子同士を上側の接合板13a(図示せず)と下側の接合板13b(図示せず)とで電気的に直列接続となるよう相互に接合した点は、図1に示したペルチェモジュール10と同様である。
【0043】
このペルチェモジュール10Bにおいて、例えば、下側の基板11bは光学的に透明な部材、例えば、サファイアガラスによって構成されている。
【0044】
一方、上側の基板11aは不透明な部材(セラミック等)から成る。但し、この上側の基板11aには、該基板11aの中央部分を例えば四角形に打抜いた打抜き部111aが形成される。
【0045】
また、上側基板11aと下側基板11bとの間に挟持される熱電変換素子12a,12bは、当該基板11a,11bに沿った全体として四角形を成す領域内の外周部にのみ配列され、その中央部分、つまり上記打抜き部111aに対応する領域(熱電変換素子未配列領域)には未配列となっている。
【0046】
このように、上側基板11aに打抜き部111aを設け、下側基板11bを透明部材で構成したペルチェモジュール10Bによれば、上側基板11aの打抜き部111a、熱電変換素子未配列領域、下側基板11bにおける上記熱電変換素子未配列領域に対応する透明領域の積層構造が光を通過させる光通過部として機能し、上側基板11aと下側基板11bを通して光を通過させることができる。
【0047】
このペルチェモジュール10Bに対して、図示しない直流電源からリード線14a,14bを介してN型からP型の方向に直流電流を流すことで、上側基板11aを冷却側基板として機能させ、下側基板11bを発熱側基板として機能させることができる。
【0048】
なお、この第2の実施例に係わるペルチェモジュール10Bにおいては、上述した光通過部を持たせるという意味では、上側基板11aを透明部材で構成し、下側基板11bに打抜き部111bを設けた構造としても良い。
【0049】
上記第1及び第2の実施例に示したように、本発明に係わるサーモモジュール10は、対向する基板毎に例えばその中央部分を通って光を通過させることのできる光通過窓(光通過部)を有するものであり、該光通過窓を利用することにより、電子冷却の分野で従来のペルチェモジュールには無い使い方が可能になる。
【0050】
本発明に係わるペルチェモジュール10の用途の一例として、例えば、透過型液晶プロジェクションの液晶パネルを冷却する電子冷却装置が考えられる。
【0051】
図4は、本発明に係わるペルチェモジュール10を適用して成る透過型液晶プロジェクションの光学部品群の構成を示す概念図である。
【0052】
この液晶プロジェクションの光学部品群は、光源ランプ51と投射レンズ53との間に液晶パネル52を配置して構成される。
【0053】
この液晶プロジェクションでは、液晶パネル52での画像表示中に、光源ランプ51から出射された光を液晶パネル52を通過させて投射レンズ53に導き、該液晶パネル52に表示中の画像を投射レンズ53によって遠方の表示膜等に投射させるものである。
【0054】
この液晶プロジェクションに組み込まれた液晶パネル52は、光源ランプ51から出射された光の一部が熱に変換して高温となるため、熱劣化を起こす。従って、この熱劣化を防止し、液晶パネル52の性能を維持のためには、許容温度以下に保つように冷却することが必要となる。
【0055】
図4において、10Cは、液晶パネル52の冷却を目的として付加されるペルチェモジュールである。なお、このペルチェモジュール10Cは、図示ない電源回路や、制御回路等と共に、1つの電子冷却装置を形成している。
【0056】
図4において、ペルチェモジュール10Cは、例えば、第1の実施例に示したペルチェモジュール10A(図2参照)のように、上側(冷却側)基板11aと下側(放熱側)基板11bがサファイアガラスで構成され、これら基板11a,11b間の熱電変換素子未配列領域15が光を通過させる光通過部として機能する構造を母体とし、更には、放熱側基板11bの表面に放熱器20a,20bを付加して構成されるものである。
【0057】
この例では、ペルチェモジュール10Cはその上側基板(冷却側基板)11aの上面全体が液晶パネル52の光入射側面側に直接密着接合されている。
【0058】
その際、液晶パネル52の表示領域とペルチェモジュール10Cの光通過部との間に例えば図5に示すような位置決めが必要となる。
【0059】
図5は、図4における液晶パネル52とペルチェモジュール10Cの位置関係を示す図であり、液晶パネル52の表示領域521(光源ランプ51からの光を通過させる必要のある領域)がペルチェモジュール10Cの光通過部の光通過窓(熱電変換素子未配列領域15)内に収まるように位置決めがなされている。
【0060】
この位置決めによって、液晶パネル52は、表示領域521内を通る光がペルチェモジュール10Cの不透明部分により妨げられることがない状態で、その光入射側面の全面がペルチェモジュール10Cの冷却側基板11aに直接当接されることになる。
【0061】
この状態で、図示しないリード線14a,14bを通じて直流電源より適宜な極性で直流電流を流すと、冷却側基板11aが冷却されてこれに熱伝結合される液晶パネル52から熱を奪い、発熱側基板11bが発熱してこれに熱伝結合される放熱器20a,20bを介して周囲に熱を放出するように動作する。
【0062】
この場合、液晶パネル52はその光入射側面の全面がペルチェモジュール10Cの冷却側基板11aに直接当接されているため、液晶パネル52の端部にのみペルチェモジュールを当接していた従来の電子冷却装置に比べて、吸熱効率が増し、効率的な冷却が可能になる。
【0063】
これによって、液晶パネル52の熱劣化を防止し、性能維持を図ることができる。また、液晶パネル52の熱劣化が防止されるため、従来以上に光源ランプ51の光量を増やし、明るい画像を映し出すことができる。
【0064】
なお、図4においては、ペルチェモジュール10Cの冷却側基板11aを液晶パネル52の光入射側面に当接させた構造を示したが、液晶パネル52の光出射側面に当接させた構造としても良い。
【0065】
また、ペルチェモジュール10Cとして、第1の実施例に示したペルチェモジュール10Aを母体とする例を示したが、第2の実施例に示したペルチェモジュール10Bを母体とするものを用いても良い。
【0066】
この場合、ペルチェモジュール10Bは、打抜き部111aを有する基板11a側または透明部材から構成される基板11bのいずれかを冷却側基板として液晶パネル52の光入射側面または光出射側面のいずれかに当接されるように配置可能である。
【0067】
いずれの場合も、液晶パネル52の表示領域521が光通過部の光通過窓(熱電変換素子未配列領域15)内に収まるように位置決めがなされている必要があることは言うまでもない。
【0068】
この他、本発明は、上記し、且つ図面に示す実施形態に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。
【0069】
例えば、本発明に係わるペルチェモジュールにおいて、熱電変換素子を挟持して対向する両基板は、光通過窓に当る部分が、基板の中央部分のみならず、任意の位置に任意の形で設けられるものであっても良い。
【0070】
また、本発明に係わるペルチェモジュールにおいて、両基板は、全面が透明でなくても少なくともその一部が透明であってその透明部分によって上述した光通過窓を実現し得るものであれば良い。
【0071】
また、上記実施例では、本発明に係わる熱電変換素子モジュールを透過型液晶プロジェクションの液晶パネルの冷却に用いる例を挙げたが、該モジュールは、各種装置における透過型光学部品の冷却全般に適用可能である。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、熱電変換素子モジュールは、基板が透明部材によって構成されると共に、モジュール全体として、両側の基板を通して光学的に透明な領域が形成された構造を有するものである。
かかる熱電変換素子モジュールによれば、該モジュールの冷却側基板の全面を冷却対象の光学部品に直接接合し、かつ、光学部品の光を通過する領域が当該モジュールの透明領域内に収まるように位置合わせして配置することによって、光学部品における光の通過を妨げることなく該光学部品の全面を効率的に冷却でき、当該光学部品の温度上昇による性能劣化を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる熱電変換素子モジュール10の構成を示す概念斜視構成図。
【図2】第1の実施例に係わるペルチェモジュールの構造を示す図。
【図3】第2の実施例に係わるペルチェモジュールの構造を示す図。
【図4】本発明に係わるペルチェモジュールを適用して成る透過型液晶プロジェクションの光学部品群の構成を示す概念図。
【図5】図4における液晶パネル52とペルチェモジュール10Cの位置関係を示す図。
【符号の説明】
10,10A,10B 熱電変換素子モジュール(ペルチェモジュール)
11a,11b 基板
111a 打抜き部
12a N型熱電変換素子
12b P型熱電変換素子
13a 上側接合板
13b 下側接合板
14a,14b リード線
15 熱電変換素子未配列領域
20a,20b 放熱器
51 光源ランプ
52 液晶パネル
521 表示領域
53 投射レンズ
Claims (8)
- 対向する基板間にペルチェ効果を有する熱電変換素子を挟持して成る熱電変換素子モジュールにおいて、
前記基板が透明部材によって構成される
と共に、
モジュール全体として、両側の基板を通して光学的に透明な領域が形成された構造
を有することを特徴とする熱電変換素子モジュール。 - 前記基板間に前記熱電変換素子を配列しない未配列領域を設け、
前記未配列領域と、両側の基板における前記未配列領域に対応する領域との積層により前記透明領域が形成される
ことを特徴とする熱電変換素子モジュール。 - 対向する基板間にペルチェ効果を有する熱電変換素子を挟持して成る熱電変換素子モジュールにおいて、
前記基板のうちの少なくともいずれか一方が透明部材により構成される
と共に、
両側の基板を通して光を通過させる光通過部
を有することを特徴とする熱電変換素子モジュール。 - 両側の前記基板が透明部材から構成される
と共に、
前記基板間に前記熱電変換素子を配列しない未配列領域を設け、
前記未配列領域と、両側の基板における前記未配列領域に対応する透明領域との積層により前記光通過部が形成される
ことを特徴とする請求項3記載の熱電変換素子モジュール。 - 一方の基板が透明部材から構成され、
他方の基板が所定領域の打抜き部を有する非透明部材から構成される
と共に、
前記基板間に前記熱電変換素子を配列しない未配列領域を前記打抜き部に対応して設け、
一方の基板の前記打抜き部、前記未配列領域、他方の基板における前記未配列領域に対応する透明領域の積層により前記光通過部が形成される
ことを特徴とする請求項3記載の熱電変換素子モジュール。 - 前記透明部材は、サファイアガラスから成ることを特徴とする請求項1または3記載の熱電変換素子モジュール。
- 前記透明部材は、表面にダイヤモンドを被覆したガラスから成ることを特徴とする請求項1または3記載の熱電変換素子モジュール。
- 対向する基板間にペルチェ効果を有する熱電変換素子を挟持して成る熱電変換素子モジュールを用いて光学部品実装装置に実装された光学部品を冷却する電子冷却装置において、
前記熱電変換素子モジュールは、
前記基板が透明部材によって構成されると共に、モジュール全体として、両側の基板を通して光学的に透明な領域が形成された構造
を有し、
前記熱電変換素子モジュールの冷却側基板の全面が前記光学部品に直接接合され、かつ、前記光学部品の光を通過する領域が当該モジュールの前記透明領域内に収まるように位置合わせされて成る
ことを特徴とする電子冷却装置。
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Cited By (2)
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WO2009066620A1 (ja) * | 2007-11-20 | 2009-05-28 | Kelk Ltd. | 熱電モジュール |
EP2506600B1 (en) * | 2011-04-01 | 2016-06-15 | Niraimathi Appavu Mariappan | Power supply for a hearing aid or hearing assistance system |
-
2003
- 2003-01-14 JP JP2003006002A patent/JP2004221259A/ja active Pending
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