JP2004219276A - 尿検体の採取・保存器具用ろ過フィルター - Google Patents
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Abstract
【解決手段】尿検体流入側10aのフィルター孔径を尿検体流出側10bのフィルター孔径より大きくした非対称孔径のメンブレンフィルターからなるものとしている。すなわち、尿検体流入側10aのフィルター孔径を1〜50μm、尿検体流出側10bのフィルター孔径を0.05〜0.2μmにしたものとしている。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、臨床診断分野の尿検査において、尿検体を採取して保存するのに使用される尿検体の採取・保存器具に用いられるろ過フィルター関にするものである。
【0002】
【従来の技術】
尿検査は、被験者に対して検体採取時の負担を与えずに測定することができるため、外来初診時及び集団検診時でのスクリーニング検査や経過観察の日常検査等において広く用いられている。
【0003】
被験者から採取した尿検体は、内因性あるいは外因性の細菌や、酸素及び光等により比較的短時間で変性するため、採取後3〜4時間以内に測定するのが好ましいとされている。尿検体を採取後3〜4時間以上放置する場合は、密閉状態で冷蔵あるいは冷凍状態で保存する必要があり、集団検診などにおける大量の尿検体を検査する際には、一般的に冷蔵あるいは冷凍保存し、検査時に尿検体を常温状態に戻した後に測定を行う。
【0004】
上記尿検体は、内因性あるいは外因性の細菌により、外気中にそのまま放置しておくことで細菌が繁殖し、尿検体中の成分が変化してしまうことがある。さらに、尿検体中には酸素や光に対して不安定な成分が存在するため、外気中に放置することで正確な測定ができなくなることがある。特に、集団検診のように大量の尿検体を測定する場合、短時間内で測定を行うために測定者及び測定装置を常駐、常置させるか、尿検体を冷蔵あるいは冷凍状態で密栓保管し、測定時に解凍するといった非効率的な選択をする必要が生じる。また、測定手段を所有しない地域あるいは施設で採取された尿検体は、必然的に冷蔵あるいは冷凍状態で密栓保管するだけでなく、測定できる施設へ輸送する際にも、その状態を維持するといった非経済的な輸送方法が必要となってくる。
【0005】
そのため、採取した尿検体を常温状態で数日間保存しても、尿検体中の成分が変化することなく、正確な測定が行えると共に、集団検診の際にも採取した尿検体を冷蔵あるいは冷凍などの処理を施すことなく、簡便に輸送して検査することが可能な尿検体の採取・保存器具が、本発明者等によって発明されている。
【0006】
本発明者等によって発明された尿検体の採取・保存器具は、図7、8に示したように、尿検体のろ過フィルター21を保持したフィルターホルダー22と、栓体23によって減圧密封された尿検体の回収容器24とからなる。フィルターホルダー22は、ろ過フィルター21を保持する空間Sを有し、上部の検体送り出し側には外筒22aを設けたものとし、この外筒22a内に空間Sに連通する注射針25を設けたものとし、さらに下部の検体取り込み側には空間Sに連通する検体吸引管26を設けたものとしている。空間Sに検体吸引管26を連通するには、空間Sを下方から密閉するようにした蓋27の連通孔27aに検体吸引管26を連通したものとしている。そして、フィルターホルダー22の外筒22a内に、回収容器24を栓体23側から挿入可能としたものとしている。
【0007】
このような尿検体の採取・保存器具において、前記ろ過フィルター21は、蛋白質等の尿中被検成分の吸着性が低いセルロースアセテートやポリスルホン或いはポリエーテルスルホン等を材質とし、孔径は細菌を通さず検体をスムーズにろ過できるように0.05μm〜0.2μmであるのが好ましいとしている(特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−311021号公報(第2頁右欄〜第3頁左欄、図1、
図2)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の尿検体の採取・保存器具に使用するろ過フィルター21では、孔径は細菌を通さず検体をスムーズにろ過できるように0.05μm〜0.2μmであるのが好ましいとしているが、そのろ過フィルターの厚さ方向(尿検体流入側から尿検体流出側への方向)に同じ大きさの孔径を有するものとしているため、尿検体の種類によっては、例えば糖尿病疾患等の各種患者や高齢者などの尿検体などには様々な粒子物質が含まれており、目詰まりを起こし易く尿検体をスムーズにろ過することができなという問題点を有していた。
【0010】
そこで、この発明は、上記従来の問題点を解決することをその課題としており、尿検体に様々な粒子物質が含まれていたとしても、目詰まりを起こし難く尿検体をスムーズにろ過することができる尿検体の採取・保存器具用ろ過フィルターを提供することを目的としたなされたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そのため、この発明の尿検体の採取・保存器具用ろ過フィルターは、尿検体流入側10aのフィルター孔径を尿検体流出側10bのフィルター孔径より大きくした非対称孔径のメンブレンフィルターからなるものとしている。
【0012】
すなわち、この発明の尿検体の採取・保存器具用ろ過フィルターは、尿検体流入側10aのフィルター孔径を1〜50μm、尿検体流出側10bのフィルター孔径を0.05〜0.2μmにしたものとしている。
【0013】
そして、この発明の尿検体の採取・保存器具用ろ過フィルターは、前記尿検体の採取・保存器具が、容器ホルダー1の下方にカバ−体2を連結してなる尿検体の採取ホルダー3と、栓体4によって減圧密閉された尿検体の容器5とからなり、容器ホルダー1の筒体6内には、前記空間Sに連通する注射針11を設けたものとし、カバ−体2の基部8の下方には、空間Sに連通する検体吸引管12を設けたものとしている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0015】
先ず、図1〜3はこの発明のろ過フィルターが用いられる尿検体の採取・保存器具を示しており、尿検体を変性させずに長時間保存することを可能にしており、回収容器ホルダー1の下方にフィルターホルダー2を連結した尿検体の採取ホルダー3と、栓体4によって減圧密閉された尿検体の回収容器5とからなるものとしている。
【0016】
前記回収容器ホルダー1は、筒体6の下方に筒状部7を設けたものとし、フィルターホルダー2は、基体8の上方に筒状部9を設けたものとし、この回収容器ホルダー1の筒体6内に、回収容器5を栓体4側から挿入可能としている。
【0017】
そして、前記筒状部7と筒状部9を嵌合することによってこれらの内部に形成される空間Sに、この嵌合によって作用する力によってろ過フィルター10の外周部を押圧して、このろ過フィルター10を保持したものとしている。すなわち、前記筒状部7と筒状部9を嵌合するには、筒状部7の内周面に筒状部9の外周面が接するようにして、筒状部7に筒状部9を無理嵌めする。これによって筒状部9の筒状端9aが、ろ過フィルター10の外周部を押圧して、このろ過フィルター10が密閉された状態で空間Sに保持されるようにしている。さらに、回収容器ホルダー1の筒体6内には、前記空間Sに連通する注射針11を設けたものとし、フィルターホルダー2の基体8の下方には、空間Sに連通する検体吸引管12を設けたものとしている。
【0018】
そして、前記尿検体の採取・保存器具に用いられたこの発明のろ過フィルター10は、図4に示したように尿検体流入側10a(検体吸引管12側)のフィルター孔径を尿検体流出側10b(注射針11側)のフィルター孔径より大きくした非対称孔径のメンブレンフィルターとしている。すなわち、尿検体流入側10a(検体吸引管12側)のフィルター孔径を1〜50μm、尿検体流出側10b(注射針11側)のフィルター孔径を0.05〜0.2μmにしたものとしている。そして、前記ろ過フィルター10の材質は、蛋白質等の尿中被検成分の吸着性が低いセルロースアセテートやポリスルホン或いはポリエーテルスルホン等としたものとしている。このようなろ過フィルター10として、具体的にはミリポア社製の「ミリポアエクスプレスメンブレンフィルタ−」を挙げることができる。このミリポア社製の「ミリポアエクスプレスメンブレンフィルタ−」は、材質をポリエーテルスルホンとし、厚さを150〜200μmとしている。
【0019】
以上のように構成したこの発明のろ過フィルターを用いた尿検体の採取・保存器具は、図1、3に示したように、回収容器ホルダー1の筒体6内に回収容器5を栓体4側から注射針11の手前まで挿入した状態にする。そして、図5に示したように、採尿カップUなどに採取した尿検体に検体吸引管12を浸し、回収容器ホルダー1の筒体6内に前記回収容器5をさらに挿入し、その栓体4に注射針11を突き刺す。すると、減圧密閉された回収容器5の引圧により、採尿カップUなどに採取した尿検体は、検体吸引管12からろ過フィルター10を通り、回収容器5へ流入して回収されることになる。
【0020】
この場合、前記尿検体は、尿検体流入側10a(検体吸引管12側)のフィルター孔から尿検体流出側10b(注射針11側)のフィルター孔を通過するが、ろ過フィルター10は、尿検体流入側10aのフィルター孔の径が尿検体流出側10bのフィルター孔の径より大きいので、この尿検体流入側10aで尿検体に含まれる様々な粒子物質が捕捉されても、尿検体流入側10aのフィルター孔が閉塞され難く、尿検体流入側10aから尿検体流出側10bへの流路は確保され、目詰まりを起こし難くなる。したがって、前記尿検体は、ろ過フィルター10をスムーズに通過して、尿検体に含まれる様々な粒子物質や細菌が除去されることになる。
【0021】
さらに、図6に示したように、回収容器ホルダー1から回収容器5を外すことにより、栓体4に突き刺した注射針11を引き抜けば、前記尿検体は、回収容器5に採取・保存された状態となる。
【0022】
【発明の効果】
この発明の尿検体の採取・保存器具用ろ過フィルタ−は、以上に述べたように構成されており、尿検体に様々な粒子物質が含まれていたとしても、目詰まりを起こし難く尿検体をスムーズにろ過することができるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のろ過フィルターを用いた尿検体の採取・保存器具の斜視図である。
【図2】図1に示すこの発明のろ過フィルターを用いた尿検体の採取・保存器具の採取ホルダーの分解斜視図である。
【図3】図1に示すこの発明のろ過フィルターを用いた尿検体の採取・保存器具の断面図である。
【図4】この発明のろ過フィルターのフィルター孔径を示す模式図である。
【図5】図1に示すこの発明のろ過フィルターを用いた尿検体の採取・保存器具の使用状態を示す斜視図である。
【図6】図1に示すこの発明のろ過フィルターを用いた尿検体の採取・保存器具の使用状態を示す斜視図である。
【図7】従来のろ過フィルターを用いた尿検体の採取・保存器具の斜視図である。
【図8】従来のろ過フィルターを用いた尿検体の採取・保存器具の断面図である。
【符号の説明】
1 容器ホルダー
2 カバー体
3 採取ホルダー
4 栓体
5 容器
6 筒部
8 基部
10 ろ過フィルター
10a 尿検体流入側
10b 尿検体流出側
11 注射針
12 検体吸引管
S 空間
Claims (3)
- 尿検体流入側(10a)のフィルター孔径を尿検体流出側(10b)のフィルター孔径より大きくした非対称孔径のメンブレンフィルターからなることを特徴とする尿検体の採取・保存器具用ろ過フィルター。
- 尿検体流入側(10a)のフィルター孔径を1〜50μm、尿検体流出側(10b)のフィルター孔径を0.05〜0.2μmにしたことを特徴とする請求項1記載の尿検体の採取・保存器具用ろ過フィルター。
- 前記尿検体の採取・保存器具が、容器ホルダー(1)の下方にカバ−体(2)を連結してなる尿検体の採取ホルダー(3)と、栓体(4)によって減圧密閉された尿検体の容器(5)とからなり、容器ホルダー(1)の筒体(6)内には、前記空間(S)に連通する注射針(11)を設けたものとし、カバ−体(2)の基部(8)の下方には、空間(S)に連通する検体吸引管(12)を設けたものとしたことを特徴とする請求項1または記載の尿検体の採取・保存器具用ろ過フィルター。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003007637A JP2004219276A (ja) | 2003-01-15 | 2003-01-15 | 尿検体の採取・保存器具用ろ過フィルター |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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JP2004219276A true JP2004219276A (ja) | 2004-08-05 |
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Family Applications (1)
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JP (1) | JP2004219276A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009297643A (ja) * | 2008-06-12 | 2009-12-24 | Noritake Co Ltd | 濾過用フィルターエレメント及び濾過装置 |
JP2013500478A (ja) * | 2009-07-30 | 2013-01-07 | 蘇州海路生物技術有限公司 | 改良型多機能標本ケース |
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2003
- 2003-01-15 JP JP2003007637A patent/JP2004219276A/ja active Pending
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