JP2004217071A - 走行車等の旋回制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】走行用ミッションケースに内装している旋回制御機構の改良。
【解決手段】圧油吐出量を変更操作可能な斜板1aを有しポンプ及びモータとして共用使用する同一仕様で一対の可変型油圧器1を専用の油圧回路部2により重接連結を行い、この一対の旋回用可変型油圧器1と走行用油圧式無段変速装置4とを操向クラッチ3を有するギヤ連動機構の適宜位置に配設した走行用ミッションケース5において、このケース5の一方側の外壁5aに該無段変速装置4を、反対側の外壁5bに該可変型油圧器1を配置し、該無段変速装置4の油補充用のチャージポンプ4aを該可変型油圧器1の油補充用として共用使用し、該可変型油圧器1の伝達容量を該無段変速装置4の伝達容量より小さくしたことを特徴とする走行車等の旋回制御装置の構成とする。
【選択図】 図1
【解決手段】圧油吐出量を変更操作可能な斜板1aを有しポンプ及びモータとして共用使用する同一仕様で一対の可変型油圧器1を専用の油圧回路部2により重接連結を行い、この一対の旋回用可変型油圧器1と走行用油圧式無段変速装置4とを操向クラッチ3を有するギヤ連動機構の適宜位置に配設した走行用ミッションケース5において、このケース5の一方側の外壁5aに該無段変速装置4を、反対側の外壁5bに該可変型油圧器1を配置し、該無段変速装置4の油補充用のチャージポンプ4aを該可変型油圧器1の油補充用として共用使用し、該可変型油圧器1の伝達容量を該無段変速装置4の伝達容量より小さくしたことを特徴とする走行車等の旋回制御装置の構成とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、走行車等の旋回制御装置に関し、副変速部や操向クラッチ等を設けたギヤ連動機構を有する走行用ミッションケースにおいて、走行用の油圧式無段変速装置と旋回用のポンプ及びモータとして共用使用する可変型油圧器とにより、マイルド・ブレーキ・スピン旋回等の各旋回モードを無段で連続して実行可能なもの等の分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来の走行車等の旋回制御装置は、油圧ポンプによって駆動される油圧モータを走行用ミッションケースの左右側位置に各々配設すると共に、この左右の油圧モータの作動速度を各別に調整制御することにより、左右の走行駆動輪の駆動軸との間に配列収納して設けた変速伝動用のギヤ連動機構を介して、左右側への旋回作用を実行させるようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
実開昭62ー13724号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このように、走行用ミッションケースのギヤ連動機構を介して、左右の油圧ポンプ及び左右の油圧モータによる左右各別に独立した駆動を行い車体の直進走行や旋回作用を実行させるものでは、これらの油圧ポンプと油圧モータを左右側に各々重複して配備していることにより大変にコストが嵩むと共に、操縦についても、直進安定性を確保するため左右側への方向修正に熟練した技術を必要とするという難点があり、必然的に、不具合発生の頻度も高くなって厄介なメンテナンス多発の恐れがある。
【0005】
上記の如き、コストや操縦についての課題及びメンテナンス性に対する改良を行うものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、圧油吐出量を変更操作可能な斜板1aを有しポンプ及びモータとして共用使用する同一仕様で一対の可変型油圧器1を専用の油圧回路部2により重接連結を行い、この一対の可変型油圧器1を操向クラッチ3を有するギヤ連動機構の適宜位置に配設し、通常速度の旋回外側に対し旋回内側の速度を可変型油圧器1(ポンプ作用側)の圧油吐出量に応じ可変型油圧器1(モータ作用側)を制御して旋回作用を行わせると共に、前後進を無段階に変速可能とする走行用の油圧式無段変速装置4を配設した走行用ミッションケース5において、このミッションケース5の一方側の外壁5aに該油圧式無段変速装置4を配置すると共に、反対側の外壁5bに該一対の可変型油圧器1を配置したことを特徴とする走行車等の旋回制御装置の構成とする。
【0007】
このような構成により、走行用ミッションケース5の外壁5aに取り付けた走行用の油圧式無段変速装置4の作動による直進状態から、例えば、左側へ旋回作用を行わせるときは、左の操向クラッチ3を切ると共に、該ミッションケース5の外壁5bに取り付けている前後に重接配置した一対の可変型油圧器1のうち、右側伝動系に連動する可変型油圧器1の斜板1aの傾斜角度変更によりポンプとして圧油を吐出させ、この圧油吐出量の減少に応じ左側伝動系に連動する可変型油圧器1をモータとして減速制御することにより、右側伝動系に対し左側伝動系を減速して直進状態から左側への旋回作用を行わせることができる。なお、左側旋回時と対象的な部位の作用により右側への旋回作用を行わせることができる。
これらの作用を行う一対の可変型油圧器1を、油圧式無段変速装置4を配置している外壁5aと反対側で構成物の少ない外壁5bに配置することにより、該ミッションケース5を分解することなく可変型油圧器1の点検を行うことができる。
【0008】
請求項2の発明は、圧油吐出量を変更操作可能な斜板1aを有しポンプ及びモータとして共用使用する同一仕様で一対の可変型油圧器1を専用の油圧回路部2により重接連結を行い、この一対の可変型油圧器1を操向クラッチ3を有するギヤ連動機構の適宜位置に配設し、通常速度の旋回外側に対し旋回内側の速度を可変型油圧器1(ポンプ作用側)の圧油吐出量に応じ可変型油圧器1(モータ作用側)を制御して旋回作用を行わせると共に、前後進を無段階に変速可能とする走行用の油圧式無段変速装置4を配設した走行用ミッションケース5において、この油圧式無段変速装置4の油補充用として使用するチャージポンプ4aを、一対の可変型油圧器1の油圧回路部2の油補充用として共用使用したことを特徴とする請求項1記載の走行車等の旋回制御装置の構成とする。
【0009】
このような構成により、走行用ミッションケース5の外壁5aに取り付けた走行用の油圧式無段変速装置4の作動による直進状態から、例えば、左側へ旋回作用を行わせるときは、左の操向クラッチ3を切ると共に、該ミッションケース5の外壁5bに取り付けている前後に重接配置した一対の可変型油圧器1のうち、右側伝動系に連動する可変型油圧器1の斜板1aの傾斜角度変更によりポンプとして圧油を吐出させ、この圧油吐出量の減少に応じ左側伝動系に連動する可変型油圧器1をモータとして減速制御することにより、右側伝動系に対し左側伝動系を減速して直進状態から左側への旋回作用を行わせることができる。なお、左側旋回時と対象的な部位の作用により右側への旋回作用を行わせることができる。
これらの作用を行う一対の可変型油圧器1の油圧回路部2における油補充を、油圧式無段変速装置4の油圧回路部における油補充用のチャージポンプ4aと共用使用させることにより、ポンプ等の部品点数の削減と、油圧回路の伝動を簡略化することができる。
【0010】
請求項3の発明は、圧油吐出量を変更操作可能な斜板1aを有しポンプ及びモータとして共用使用する同一仕様で一対の可変型油圧器1を専用の油圧回路部2により重接連結を行い、この一対の可変型油圧器1を操向クラッチ3を有するギヤ連動機構の適宜位置に配設し、通常速度の旋回外側に対し旋回内側の速度を可変型油圧器1(ポンプ作用側)の圧油吐出量に応じ可変型油圧器1(モータ作用側)を制御して旋回作用を行わせると共に、前後進を無段階に変速可能とする走行用の油圧式無段変速装置4を配設した走行用ミッションケース5において、該一対の可変型油圧器1の伝達容量を、該油圧式無段変速装置4の伝達容量より小さく設定したことを特徴とする請求項1記載の走行車等の旋回制御装置の構成とする。
【0011】
このような構成により、走行用ミッションケース5の外壁5aに取り付けた走行用の油圧式無段変速装置4の作動による直進状態から、例えば、左側へ旋回作用を行わせるときは、左の操向クラッチ3を切ると共に、該ミッションケース5の外壁5bに取り付けている前後に重接配置した一対の可変型油圧器1のうち、右側伝動系に連動する可変型油圧器1の斜板1aの傾斜角度変更によりポンプとして圧油を吐出させ、この圧油吐出量の減少に応じ左側伝動系に連動する可変型油圧器1をモータとして減速制御することにより、右側伝動系に対し左側伝動系を減速して直進状態から左側への旋回作用を行わせることができる。なお、左側旋回時と対象的な部位の作用により右側への旋回作用を行わせることができる。
これらの作用を行う一対の可変型油圧器1によって駆動される旋回内側の伝達トルクは、旋回外側を駆動する油圧式無段変速装置4の伝達トルクより小さいため、一対の可変型油圧器1は伝達容量を小さく設定することが可能となり、外装形状を小型に形成することができる。
【0012】
【発明の効果】
請求項1の発明では、上記作用の如く、走行用の油圧式無段変速装置4の作動による直進状態から、旋回作用を行わせるときは操向クラッチ3を切ると共に、一対の可変型油圧器1のうち、右側伝動系に連動する可変型油圧器1の斜板1aの傾斜角度変更によりポンプとして吐出させた圧油流量に応じ、左側伝動系に連動する可変型油圧器1をモータとして減速制御することにより直進状態から旋回作用を行わせることができる。これらの作用を行う一対の可変型油圧器1を、油圧式無段変速装置4を配置している外壁5aと反対側で構成物の少ない外壁5bに配置することにより、該ミッションケース5のを構成物に邪魔されることなく可変型油圧器1の旋回量やバランス調整のためのメンテナンスを容易に行うことができると共に、速度に応じた回転数で一対の可変型油圧器1を駆動できるから油の粘性によるロスが大幅に低減され、伝導効率のアップと発熱の抑制を計りショックもなく、安定した直進走行及び旋回作用を行わせることができる。
【0013】
請求項2の発明では、上記作用の如く、走行用の油圧式無段変速装置4の作動による直進状態から、旋回作用を行わせるときは操向クラッチ3を切ると共に、一対の可変型油圧器1のうち、右側伝動系に連動する可変型油圧器1の斜板1aの傾斜角度変更によりポンプとして吐出させた圧油流量に応じ、左側伝動系に連動する可変型油圧器1をモータとして減速制御することにより直進状態から旋回作用を行わせることができる。これらの作用を行う一対の可変型油圧器1の油圧回路部2における油補充を、油圧式無段変速装置4の油圧回路部における油補充用のチャージポンプ4aと共用使用させることにより、このポンプ4aの回転数がエンジンからの駆動により変動が少なく作動油を安定して供給できると共に、油圧系統の伝動を簡略化できるためポンプ等の部品点数の削減が可能となり、コスト低減を計ることができる。
【0014】
請求項3の発明では、上記作用の如く、走行用の油圧式無段変速装置4の作動による直進状態から、旋回作用を行わせるときは操向クラッチ3を切ると共に、一対の可変型油圧器1のうち、右側伝動系に連動する可変型油圧器1の斜板1aの傾斜角度変更によりポンプとして吐出させた圧油流量に応じ、左側伝動系に連動する可変型油圧器1をモータとして減速制御することにより直進状態から旋回作用を行わせることができる。これらの作用を行う一対の可変型油圧器1による旋回内側の伝達容量を、油圧式無段変速装置4による旋回外側の伝達容量より小さく設定することが可能であり、外装形状を小型に形成することができるから、前記ミッションケース5への内装性が容易となり該ケース5をコンパクトに構成できると共に、組立の容易化,メンテナンス性の向上,コストダウン等の効果がある。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施例を走行車等としてのコンバインについて図面に基づき説明する。
図8はコンバインの全体構成を示すもので、車台6の下部側に土壌面を走行する左右一対の走行クローラ7を張設した走行装置8を配設すると共に、該車台6上にフィードチェン9に挟持して搬送供給される穀稈の脱穀を行い、この脱穀された穀粒を選別回収して一時貯留するグレンタンク10と、このグレンタンク10に貯留された穀粒を機外へ排出する排穀オーガ11を備えた脱穀装置12を載置し、この脱穀装置12の後端部に排藁処理装置13を装架構成させる。
【0016】
該脱穀装置12の前方に、前端側から未刈穀稈を分草する分草体14と、分草された穀稈を引き起こす引起部15と、引き起こされた穀稈を刈り取る刈刃部16と、この刈り取られた穀稈を掻き込むと共に、搬送途上において扱深さを調節して搬送される穀稈を引き継いで該フィードチェン9へ受け渡しする供給調節搬送部17等を有する刈取装置18を、油圧駆動による刈取昇降シリンダ19により土壌面に対して昇降自在なるよう該車台6の前端部へ懸架構成させる。
【0017】
該刈取装置18の一側にコンバインの操作制御を行う操作装置20と、この操作のための操作席21を設け、この操作席21の後方側には前記グレンタンク10を配置し、下方側にはエンジン22を搭載すると共に、該操作装置20と操作席21を覆うキャビン23を配置する。これら走行装置8,脱穀装置12,刈取装置18,操作装置20,エンジン22,キャビン23等によってコンバインの車体24を構成させる。
【0018】
該走行装置8は車台6の前部側に走行用ミッションケース5を装架しており、図1に示す如く、このミッションケース5の上部側外壁5aに走行用の油圧式無段変速装置4を連動可能に接合し、この無段変速装置4の可変油圧ポンプ4Pに軸止した入力プーリ25へ該エンジン22から動力を伝達可能に伝動ベルト等を張設すると共に、この可変油圧ポンプ4Pによって駆動される油圧モータ4Mに、第1軸としての入力軸26を連動連結して構成させる。
【0019】
該ミッションケース5に内装したギヤ連動機構は、入力軸26に軸止した入力ギヤ27と、第2軸としての変速駆動軸28にスプライン等により摺動可能に軸回転させる三連の変速伝動ギヤ29の大径ギヤとを噛合連動させると共に、該変速駆動軸28の外方に突出させた軸端部に、該刈取装置18を駆動する一方向回転の刈取駆動プーリ30を軸止して構成させる。
【0020】
該変速駆動軸28に摺動させる変速伝動ギヤ29と、第3軸としての変速伝動軸31に軸止する高速駆動ギヤ32,中速駆動ギヤ33,低速駆動ギヤ34とを各々噛合連動させることによって、高速,中速,低速に変速する副変速部を構成させる。
【0021】
該変速伝動軸31の外方に突出させた軸端部に、該ミッションケース5に接合するブレーキケース35に内装した駐車ブレーキ36を軸止し、該ブレーキケース35に駐車ブレーキ36を制動させるブレーキ操作アーム36aを支承して構成させる。
【0022】
該変速伝動軸31に軸止した中速駆動ギヤ33と、第4軸としての操向クラッチ軸37のセンターに軸止する左右側に各々クラッチ爪aを有した操向センタギヤ38とを噛合連動させ、この操向センタギヤ38の両側に、そのクラッチ爪aと各々噛合接続させるクラッチ爪bを有した左右の操向クラッチ3を左右摺動可能に遊転軸承して構成させる。
【0023】
該左右の操向クラッチ3は、各々クラッチ大径ギヤ3aとクラッチ小径ギヤ3b及びシフタ溝3cとを設け、このシフタ溝3cに嵌入したシフタ(図面なし)の作用により操向クラッチ3を入・切させると共に、この操向クラッチ3の入り復帰を補助する左右のリターンスプリング39を各々装填して構成させる。
【0024】
図2に示す如く、角筒状で専用の油圧回路部2に、平面視で前後側位置に重接配置して連結支承する同一仕様で一対の可変型油圧器1を、該ミッションケース5の外壁5bから内部に向けて装着し、この前後側位置の可変型油圧器1の両シリンダ軸1cに回転可能に支承した両シリンダ部1bの外周近傍に等間隔で配列した多数個の両棒状ピストン1dを、両シリンダ部1bの回転によって中心部を両シリンダ軸1cに受けて傾動可能な両斜板1aに沿って各々往復作動を行い、油圧ポンプ又は油圧モータとして共用作用可能に構成させる。
【0025】
該油圧回路部2から前記ミッションケース5内に突出させた前後側位置の両シリンダ軸1cの軸端部に各々シリンダギヤ40,41を軸止すると共に、前側のシリンダギヤ40は右の操向クラッチ3のクラッチ大径ギヤ3aと、後側のシリンダギヤ41は左の操向クラッチ3のクラッチ大径ギヤ3aと各々噛合連動して構成させる。
【0026】
該左右の操向クラッチ3のクラッチ小径ギヤ3bと、第5軸としての走行中間軸42に遊転軸承する左右の走行中間ギヤ43とを噛合連動し、この各走行中間ギヤ43の外側に各々結合した左右の走行中間小径ギヤ43aと、第6軸としての左右の車軸44の一端部に各々軸止した車軸ギヤ45とを噛合連動させると共に、左右の車軸44を該ミッションケース5から外側へ突出させた軸端部に前記左右の走行クローラ7を駆動する左右の走行駆動輪46を軸止して構成させる。
【0027】
車体24の旋回作用を実行させるパワステレバー47を前記操作装置20の一側に配設すると共に、このパワステレバー47の左右側への傾動操作により、該左右の操向クラッチ3を入・切させる左右のパワステスイッチ47aと、該前後の可変型油圧器1の斜板1aの傾動角度を検出して傾動作用を制御する前後の斜板センサ48とを作用可能に配設して構成させる。
【0028】
図3に示す如く、車体24の旋回作用を実行させる電気回路としてCPUを主体的に配し自動回路の演算制御を行うコントローラ49を設け、このコントローラ49の入力側に、該左右のパワステスイッチ47aと、該前後の斜板センサ48とを接続して構成させる。
【0029】
該コントローラ49の出力側に、該前後の斜板センサ48の検出値によって斜板1aの傾斜角度の調節を行う前後の斜板シリンダ50を制御する前後の斜板制御電磁弁51と、左右の操向クラッチ3の入・切を行うシフタ(図面なし)作動用の左右のプッシュシリンダ52を制御するクラッチ制御電磁弁53と、該油圧回路部2の閉鎖・開放を切り替える油圧回路切替弁54aの切替え制御を行う回路制御電磁弁54とを各々接続して構成させる。
【0030】
図4に示す如く、車体24の旋回作用を実行させる自動制御用の油圧回路として、油圧ポンプ55からの圧油を各々該前後の斜板制御電磁弁51,クラッチ制御電磁弁53,回路制御電磁弁54へ各々供給すると共に、前後の斜板制御電磁弁51と前後の斜板シリンダ50,クラッチ制御電磁弁53と左右のプッシュシリンダ52,回路制御電磁弁54と油圧回路切替弁54aを各々油圧作動可能に接続して構成させる。
【0031】
該前後側位置の可変型油圧器1を専用の油圧回路部2の循環回路によりミッションオイルと分離して接続し、この油圧回路部2を閉鎖又は開放可能に油圧回路切替弁54aに接続させると共に、該可変型油圧器1よりも伝達容量が大きい前記油圧式無段変速装置4の可変油圧ポンプ4Pと油圧モータ4Mを油圧回路部4Cの循環回路により接続し、この油圧回路部4Cと該油圧回路部2とに各々油圧オイルを補給調整する共用のチャージポンプ4aを接続補給可能に構成させる。
【0032】
なお、該前後の斜板シリンダ50と前後の可変型油圧器1の斜板1aとを各々作用可能に連結して構成させる。
エンジン22からの動力を、走行用の油圧式無段変速装置4の可変油圧ポンプ4Pへ入力し、この可変油圧ポンプ4Pによって駆動される油圧モータ4Mによる主変速動力を入力軸26に入力連動し、この入力軸26の入力ギヤ27から変速駆動軸28に摺動する三連の変速伝動ギヤ29の大径ギヤに連動し、この変速伝動ギヤ29を摺動させて変速伝動軸31の高速駆動ギヤ32,中速駆動ギヤ33,低速駆動ギヤ34に各々連動させることによって副変速駆動を行わせる。
【0033】
この副変速された動力によって変速伝動軸31の中速駆動ギヤ33から操向クラッチ軸37の操向センタギヤ38に連動し、この操向センタギヤ38の左右のクラッチ爪aと、左右側に位置した左右の操向クラッチ3のクラッチ爪bとを各別に噛合接続させて操向クラッチ3の入・切作用を行わせる。
【0034】
車体24を直進させるときは、該左右の操向クラッチ3を同時に入りとすることにより、この操向クラッチ3のクラッチ小径ギヤ3bから走行中間軸42の左右の走行中間ギヤ43へ各々連動し、この走行中間ギヤ43から走行中間小径ギヤ43aを経て左右の車軸44の車軸ギヤ45へ連動させ、この車軸ギヤ45により左右の走行駆動輪46を同時に駆動させて左右の走行クローラ7を同速駆動させて直進走行を行わせる。
【0035】
次に、車体24を左(又は右)側へ旋回させるときは、パワステレバー47の左(又は右)側への傾動操作による左(又は右)のパワステスイッチ47aのONにより、左(又は右)のプッシュシリンダ52を作動し左(又は右)の操向クラッチ3の切り作用を行わせる。
【0036】
この左(又は右)の操向クラッチ3の切り作用により前(又は後)側の斜板シリンダ50を作動し前(又は後)側の可変型油圧器1の斜板1aを、斜板センサ48の検出値により最大傾斜位置から中立方向への傾動作用を行わせるが、この傾動作用と同時に、回路制御電磁弁54の作用による油圧回路切替弁54aの切り替えにより油圧回路部2を閉鎖させる。
【0037】
該前(又は後)側の斜板1aの傾動作用により、入り状態の右(又は左)の操向クラッチ3のクラッチ大径ギヤ3aから、前(又は後)側のシリンダギヤ40(又は41)を経て前(又は後)側のシリンダ軸1cを介してシリンダ部1bを回転させ、多数個の棒状ピストン1dが斜板1aに沿って往復作動を行い油圧ポンプとして、斜板1aの傾斜状態に応じて圧油流量を大小に変化発生させる。
【0038】
この変化する圧油流量は閉鎖された油圧回路部2を経て、後(又は前)側の可変型油圧器1を油圧ポンプと逆の作用を行う油圧モータとして駆動させ、後(又は前)側のシリンダギヤ41(又は40)から静止している左(又は右)の操向クラッチ3のクラッチ大径ギヤ3aを連動させる。
【0039】
この左(又は右)の操向クラッチ3のクラッチ大径ギヤ3aからクラッチ小径ギヤ3bを経て左(又は右)の走行中間ギヤ43へ連動し、この走行中間ギヤ43から走行中間小径ギヤ43aを経て左(又は右)の車軸ギヤ45へ連動させ、この車軸ギヤ45を経て走行駆動輪46を駆動し左(又は右)の走行クローラ7を減速走行させる。
【0040】
このように、油圧モータとしての後(又は前)側の可変型油圧器1の斜板1aの位置を最大傾斜位置から中立位置へ、更に中立位置から逆方向の傾斜位置へ制御することによって、定速走行の右(又は左)の走行クローラ7に対し左(又は右)の走行クローラ7の走行を、緩やかに減速させるマイルド旋回,走行を停止させるブレーキ旋回,1/4程度逆回転させるスピン旋回等の各旋回作用を、車体24を停止させることなく無段で連続して円滑に行わせることができる。
【0041】
車体24を旋回作用から直進走行に復帰させるときは、前記パワステレバー47を中立位置に戻し左右のパワステスイッチ47aのOFFにより、該前後側位置の可変型油圧器1の斜板1aの傾斜位置を斜板センサ48の検出値により同一位置とした後、該左右のプッシュシリンダ52の作動を停止し左右の操向クラッチ3を同時に入り状態にすると共に、該油圧回路部2を開放させて直進走行を行わせる。
【0042】
このような作用を行うものにおいて、前記操作席21側に配置したエンジン22や走行用の油圧式無段変速装置4等の装着により構成物の多い該ミッションケース5の外壁5aに対し、構成物の少ない反対側の外壁5bに該前後側位置の可変型油圧器1を脱着可能に内装するようにしているから、旋回量やバランス調整等のためのメンテナンスを該ミッションケース5の構成物に邪魔されることなく容易に行うとができる。
【0043】
更に、該前後側位置の可変型油圧器1を、該ミッションケース5の外壁5b側に片寄せて装着内装しているから、該操向クラッチ3等によるギヤ連動機構との干渉がなく、ギヤ類の配列が容易となりトラブルを防止することができる。
また、前記車軸44を車軸ギヤ45に対しスプライン等により脱着可能に結合させ、該ミッションケース5の外側へ突出させた車軸44の軸部を支承する車軸支持パイプ56に設けたフランジ56aによって該ケース5に締結させることにより、従来では、泥浸入や異物等により車軸44が損傷を受けたような場合、該ミッションケース5を分解して補修を行う必要があったものを、分解を行うことなく補修が可能となるからメンテナンス性を大幅に向上させることができる。
【0044】
また、該走行用の油圧式無段変速装置4の油圧回路部4cの循環回路に配置した油圧オイルを補給調整するチャージポンプ4aを、該前後側位置の可変型油圧器1の油圧回路部2の循環回路に共用使用することにより、該チャージポンプ4aの回転数がエンジンからの駆動により変動が少なく作動油を安定して供給できると共に、油圧系統の伝動を簡略化できるためポンプ等の部品点数の削減が可能となりコスト低減を計ることができる。
【0045】
また、該油圧式無段変速装置4における旋回外側を駆動する軸トルクに対し、旋回内側を駆動する該前後側位置の可変型油圧器1の軸トルクは1/3程度以下と小さく伝達容量を抑えることができるから、該可変型油圧器1の外装形状を小型に形成することが可能となり、該ミッションケース5への内装性が容易となり該ケース5をコンパクトに構成できると共に、組立の容易化,メンテナンス性の向上,コストダウン等に効果がある。
【0046】
また、該前後側位置の可変型油圧器1における油圧回路部2の油圧ポート2aを、該ミッションケース5の外壁5bより外部に露出させることにより、該ケース5の内部に大きなスペースを確保する必要もなく可変型油圧器1を脱着可能に内装することができるから、油圧関連系の配管やメンテナンス性が容易になると共に、該可変型油圧器1を取り外すことにより、該ケース5の外壁5bが大きく開放され内部のギヤ連動機構等のメンテナンスが容易となる。
【0047】
また、該ミッションケース5における駐車ブレーキ36を、前記変速駆動軸28の変速部位から操向クラッチ軸37の操向部位の間に位置した変速伝動軸31に設けることにより、変速部位より上手では、変速を中立位置にシフトしたときはブレーキの制動が不能となり、操向部位より下手では、伝動系が左右に分かれ構成が複雑になる等の不具合を阻止して確実な制動が可能となるから、信頼性の向上とコストダウンを計ることができる。
【0048】
なお、該駐車ブレーキ36を、前記左右の操向クラッチ3を同時に切りとならないよう前記単一のクラッチ制御電磁弁53による作用構成とすることにより、該駐車ブレーキ36のブレーキ性能を特段に向上させ駐車時の制動を的確に行わせることができる。
【0049】
また、図5に示す如く、該前後側位置の可変型油圧器1における油圧回路部2に、前記左右の操向クラッチ3の入・切を行う左右のプッシュシリンダ52を作動可能に接続することにより、旋回作用時に該可変型油圧器1の斜板1aの操作によって油圧回路部2に圧力差が生じたときは、自動的に操向クラッチ3を切り旋回可能な状態にすることができるから、該斜板1aの操作と操向クラッチ3の作用とを連動させることによって、電気や油圧を含む操作系統が簡略化され、信頼性の向上とコストダウンを計ることができる。
【0050】
また、前記ミッションケース5に内装したギヤ連動機構において、副変速部が異なるギヤ連動機構として、図6に示す如く、該入力軸26に軸止した大径ギヤ57aと小径ギヤ57bとからなる二連の入力ギヤ57と、第2軸としての変速駆動軸28にスプライン等により摺動可能に軸回転させる大径ギヤ58aと小径ギヤ58bとからなる二連の変速伝動ギヤ58とを噛合連動して構成させる。
【0051】
該変速駆動軸28に摺動させる変速伝動ギヤ58と、第3軸としての変速伝動軸31に軸止する高中速駆動ギヤ59と低速駆動ギヤ60とを各々噛合連動させることによって、高速,中速,低速に変速する副変速部を形成し、該低速駆動ギヤ60の外側に前記操向クラッチ3を駆動する操向駆動ギヤ61を軸止すると共に、該変速駆動軸28の外方に突出させた軸端部に、該刈取装置18を駆動する一方向回転の該刈取駆動プーリ30を軸止して構成させる。
【0052】
このような構成により、入力ギヤ57の大径ギヤ57aから変速伝動ギヤ58の小径ギヤ58bへ連動し、この小径ギヤ58bを経て大径ギヤ58aから高中速駆動ギヤ59へ連動して高速変速を行うと共に、入力ギヤ57の小径ギヤ57bから変速伝動ギヤ58の大径ギヤ58aを介して高中速駆動ギヤ59へ連動して中速変速を行い、更に、入力ギヤ57の小径ギヤ57bから変速伝動ギヤ58の大径ギヤ58aへ連動し、この大径ギヤ58aを経て小径ギヤ58bから低速駆動ギヤ60へ連動して低速変速を行わせる。
【0053】
従来では、走行速度を変速しても刈取回転数は一定であったため、高速走行で刈取りを行うと刈取装置18の相対速度が極めて遅くなって刈跡が悪くなったり、引起し性能が発揮できず刈残し等の不具合が発生していた。しかし、刈取駆動プーリ30を駆動する変速駆動軸28の回転数が中・低速走行では一定であるため、低速走行では刈取相対速度が上がり倒伏適応性が確保できると共に、高速走行では刈取回転数が上昇するため、中速走行時の刈取状態に近い作業性能を確保することができる。
【0054】
また、前記ミッションケース5に内装したギヤ連動機構において、前記操向クラッチ3が異なるギヤ連動機構として、図7に示す如く、該第4軸としての操向クラッチ軸37のセンタに軸止した操向センタギヤ38の代わりに、両面にクラッチ爪cを有した操向センタクラッチ62を左右摺動可能に軸回転させると共に、この操向センタクラッチ62の両側に該操向クラッチ3の代わりとして、該クラッチ爪cと噛合接続するクラッチ爪dを各々有する左右の操向クラッチ63を遊転軸承して構成させる。
【0055】
該左右の操向クラッチ63は、各々クラッチ大径ギヤ63aとクラッチ小径ギヤ63bとを設け、該操向センタクラッチ62の左右摺動により左右の操向クラッチ63の何れかと常に噛合接続させると共に、該操向クラッチ軸37の一方の軸端に副変速部からの動力を伝動する操向伝動ギヤ64を軸止し、左右のクラッチ大径ギヤ63aは前記前後の可変型油圧器1へ、クラッチ小径ギヤ63bは前記走行中間軸42の左右の走行中間ギヤ43へ各々連動可能に構成させる。
【0056】
このような構成により、操向センタクラッチ62の左右摺動により常に左右何れかの操向クラッチ63と噛合接続しているから、従来の如く、同時に操向クラッチ3を切り状態とする場合のように、該可変型油圧器1の油圧回路が停止状態とはならず、接続時のショックの防止と耐久性の向上を計ることができる。
【0057】
更に、該操向センタクラッチ62の採用により2個のシフタが不要になると共に、該ミッションケース5を組立てる際に該ケース5を合わせた後シフタピンを挿入する必要がなく、組立て及びメンテナンス性の容易化と品質の安定化を計ることができる。
【0058】
また、コンバインにおける作業時に旋回作用を行うとき、旋回内側の走行クローラ7に対する接地摩擦による部分的な負担やシャクリが発生する。この発生緩和のため、図9,図10に示す如く、前記刈取装置18の主フレーム65から連結ロット66を介して、左右のリンク67及びケース68aに収納した緩衝スプリング68を経て、該走行クローラ7の中央近傍において車台6に支承する左右の揺動アーム69を上下回動させ加圧転輪70を上下動可能に連結構成させる。
【0059】
このような構成により、旋回作用時における刈取装置18の上昇により、連結ロット66とリンク67及び緩衝スプリング68を介して揺動アーム69を引っ張り下降回動させ加圧転輪70を押し下げる。この押し下げ力は加圧転輪70に掛かる分担荷重の半分程度とし、緩衝スプリング68は粘土の固着を防止するためケース68a内に収納させる。
【0060】
このように旋回作用時に、旋回内側の加圧転輪70を押し下げることにより、旋回時のシャクリを緩和して円滑で小回りが利く走行ができ操作性・居住性の向上を計ることができると共に、該刈取装置18の昇降と連動させることにより路上走行や圃場内での旋回時等必要なときに加圧が可能なため、該走行クローラ7への部分的な負担を軽減し耐久性を向上させ、刈取作業時のピッチングも少なくして安定した作業を行わせることができる。
【0061】
また、図11に示す如く、前記操作装置20の操作パネル20a面に設置した該パワステレバー47は、オペレータの乗降通路幅の関係で該操作席21から離れており長時間運転すると疲労が増すため、同じ機能を持つリモコン装置71を手元に携帯することにより、操作席21に座ったままの楽な姿勢で作業を行うことができるようにするものである。
【0062】
該リモコン装置71は、単一のパワステレバー47による方向・旋回及び刈取昇降操作と同一操作が行える操作機能を備えるもので、その上面にはオペレータがパワステレバー47と同じ主要操作を親指で操作できる単一の操作レバー71aと、その下部側には親指以外の手指で操作できる機能切替え用の切替スイッチ71bとを配置して把握容易に形成させると共に、旋回センサ71c,昇降センサ71d,磁気方位センサ71eを各々内装して構成させる。
【0063】
該操作装置20の操作パネル20a面の正面右側に、該パワステレバー47及び該旋回センサ71c,昇降センサ71dと、その一側に主変速の変速操作を行う主変速レバー72及び主変速センサ72aと、副変速部の変速操作を行う副変速レバー73及び副変速センサ73aと、該切替スイッチ71b及び磁気方位センサ71eと、操作席21の後部に前記排穀オーガ11の移動操作を行うオーガ操作レバー74及び該旋回センサ71c,昇降センサ71dとを各々配設して構成させる。
【0064】
該リモコン装置71及び操作パネル20aに各々設けている、切替スイッチ71b,旋回センサ71c,昇降センサ71d,磁気方位センサ71e,主変速センサ72a,副変速センサ73aを、CPUを主体的に配して自動回路の演算制御を行うコントローラ77の入力側へ接続すると共に、その出力側へ油圧ポンプ75により駆動される各種の圧力制御弁76を接続して構成させる。
【0065】
このような構成により、該コントローラ74によりパワステ回路〜リモコン回路、及びオーガ操作回路〜リモコン回路と並列的に接続し、これらの共通回路を該切替スイッチ71bで切り替えできるようにすることで混線を防止することができると共に、磁気方位センサ71eにより地磁気が車体24に対して規定以上ズレルか、又はオペレータの足の位置の相違により、どの方向を向いているかを判断して操作の方向を自動的に切り替える。
【0066】
オペレータが後向きで操作を行うときは、通常と左右操作の向きが逆になるよう自動的に切り替え設定を行い、この操作時に前後方向を変えた場合には安全のため操作が完了するまで切り替えを行わないようにすることにより、走行時や籾排出時等において、自動的に前進方向と逆になるよう切り替えることで違和感なく安全な操作を行うことができる。
【0067】
該リモコン装置71を排穀オーガ11の操作と兼用することで、設置コストが安く、操作時にオーガ操作レバー74を持ち替える必要がないため迅速で確実な排出作業を行うことができる。
なお、該リモコン装置71の把握部に感圧センサ71fを設け、把握部を握ったきはパワステレバー47の機能を無効にするよう設定を行うか、又はパワステレバー47とリモコン装置71とを同時に操作した場合は後で操作した方を優先的に作動させるよう設定を行い、リモコン装置71を意識的に操作することにより、オペレータの意図が明確となり安全な操作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】走行用ミッションケースにおけるギヤ連動機構の配列状態を示す正面展開図。
【図2】走行用ミッションケースにおける可変型油圧器及び油圧回路部を示す平面図。
【図3】走行用ミッションケースの旋回作用を実行させる電気回路を示すブロック図。
【図4】走行用ミッションケースの旋回作用を実行させる油圧回路を示すブロック図。
【図5】走行用ミッションケースの旋回作用を実行させる油圧回路を示すブロック図。
【図6】走行ミッションケースの図1と異なるギヤ連動機構の一部を示す正面展開図。
【図7】走行ミッションケースの図1と異なるギヤ連動機構の一部を示す正面展開図。
【図8】コンバインにおける全体構成を示す側面図。
【図9】刈取昇降作用により走行クローラの一部を押下げる転輪の機構を示す斜視図。
【図10】刈取昇降作用により走行クローラの一部を押下げる転輪の状態を示す側面図。
【図11】コンバイン本体の操作装置と別個にリモコン装置を設けた状態を示す斜視図。
【符号の説明】
1. 可変型油圧器
1a.斜板
2. 油圧回路部
3. 操向クラッチ
4. 油圧式無段変速装置
4a.チャージポンプ
5. 走行用ミッションケース
5a.外壁
5b.外壁
【発明の属する技術分野】
この発明は、走行車等の旋回制御装置に関し、副変速部や操向クラッチ等を設けたギヤ連動機構を有する走行用ミッションケースにおいて、走行用の油圧式無段変速装置と旋回用のポンプ及びモータとして共用使用する可変型油圧器とにより、マイルド・ブレーキ・スピン旋回等の各旋回モードを無段で連続して実行可能なもの等の分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来の走行車等の旋回制御装置は、油圧ポンプによって駆動される油圧モータを走行用ミッションケースの左右側位置に各々配設すると共に、この左右の油圧モータの作動速度を各別に調整制御することにより、左右の走行駆動輪の駆動軸との間に配列収納して設けた変速伝動用のギヤ連動機構を介して、左右側への旋回作用を実行させるようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
実開昭62ー13724号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このように、走行用ミッションケースのギヤ連動機構を介して、左右の油圧ポンプ及び左右の油圧モータによる左右各別に独立した駆動を行い車体の直進走行や旋回作用を実行させるものでは、これらの油圧ポンプと油圧モータを左右側に各々重複して配備していることにより大変にコストが嵩むと共に、操縦についても、直進安定性を確保するため左右側への方向修正に熟練した技術を必要とするという難点があり、必然的に、不具合発生の頻度も高くなって厄介なメンテナンス多発の恐れがある。
【0005】
上記の如き、コストや操縦についての課題及びメンテナンス性に対する改良を行うものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、圧油吐出量を変更操作可能な斜板1aを有しポンプ及びモータとして共用使用する同一仕様で一対の可変型油圧器1を専用の油圧回路部2により重接連結を行い、この一対の可変型油圧器1を操向クラッチ3を有するギヤ連動機構の適宜位置に配設し、通常速度の旋回外側に対し旋回内側の速度を可変型油圧器1(ポンプ作用側)の圧油吐出量に応じ可変型油圧器1(モータ作用側)を制御して旋回作用を行わせると共に、前後進を無段階に変速可能とする走行用の油圧式無段変速装置4を配設した走行用ミッションケース5において、このミッションケース5の一方側の外壁5aに該油圧式無段変速装置4を配置すると共に、反対側の外壁5bに該一対の可変型油圧器1を配置したことを特徴とする走行車等の旋回制御装置の構成とする。
【0007】
このような構成により、走行用ミッションケース5の外壁5aに取り付けた走行用の油圧式無段変速装置4の作動による直進状態から、例えば、左側へ旋回作用を行わせるときは、左の操向クラッチ3を切ると共に、該ミッションケース5の外壁5bに取り付けている前後に重接配置した一対の可変型油圧器1のうち、右側伝動系に連動する可変型油圧器1の斜板1aの傾斜角度変更によりポンプとして圧油を吐出させ、この圧油吐出量の減少に応じ左側伝動系に連動する可変型油圧器1をモータとして減速制御することにより、右側伝動系に対し左側伝動系を減速して直進状態から左側への旋回作用を行わせることができる。なお、左側旋回時と対象的な部位の作用により右側への旋回作用を行わせることができる。
これらの作用を行う一対の可変型油圧器1を、油圧式無段変速装置4を配置している外壁5aと反対側で構成物の少ない外壁5bに配置することにより、該ミッションケース5を分解することなく可変型油圧器1の点検を行うことができる。
【0008】
請求項2の発明は、圧油吐出量を変更操作可能な斜板1aを有しポンプ及びモータとして共用使用する同一仕様で一対の可変型油圧器1を専用の油圧回路部2により重接連結を行い、この一対の可変型油圧器1を操向クラッチ3を有するギヤ連動機構の適宜位置に配設し、通常速度の旋回外側に対し旋回内側の速度を可変型油圧器1(ポンプ作用側)の圧油吐出量に応じ可変型油圧器1(モータ作用側)を制御して旋回作用を行わせると共に、前後進を無段階に変速可能とする走行用の油圧式無段変速装置4を配設した走行用ミッションケース5において、この油圧式無段変速装置4の油補充用として使用するチャージポンプ4aを、一対の可変型油圧器1の油圧回路部2の油補充用として共用使用したことを特徴とする請求項1記載の走行車等の旋回制御装置の構成とする。
【0009】
このような構成により、走行用ミッションケース5の外壁5aに取り付けた走行用の油圧式無段変速装置4の作動による直進状態から、例えば、左側へ旋回作用を行わせるときは、左の操向クラッチ3を切ると共に、該ミッションケース5の外壁5bに取り付けている前後に重接配置した一対の可変型油圧器1のうち、右側伝動系に連動する可変型油圧器1の斜板1aの傾斜角度変更によりポンプとして圧油を吐出させ、この圧油吐出量の減少に応じ左側伝動系に連動する可変型油圧器1をモータとして減速制御することにより、右側伝動系に対し左側伝動系を減速して直進状態から左側への旋回作用を行わせることができる。なお、左側旋回時と対象的な部位の作用により右側への旋回作用を行わせることができる。
これらの作用を行う一対の可変型油圧器1の油圧回路部2における油補充を、油圧式無段変速装置4の油圧回路部における油補充用のチャージポンプ4aと共用使用させることにより、ポンプ等の部品点数の削減と、油圧回路の伝動を簡略化することができる。
【0010】
請求項3の発明は、圧油吐出量を変更操作可能な斜板1aを有しポンプ及びモータとして共用使用する同一仕様で一対の可変型油圧器1を専用の油圧回路部2により重接連結を行い、この一対の可変型油圧器1を操向クラッチ3を有するギヤ連動機構の適宜位置に配設し、通常速度の旋回外側に対し旋回内側の速度を可変型油圧器1(ポンプ作用側)の圧油吐出量に応じ可変型油圧器1(モータ作用側)を制御して旋回作用を行わせると共に、前後進を無段階に変速可能とする走行用の油圧式無段変速装置4を配設した走行用ミッションケース5において、該一対の可変型油圧器1の伝達容量を、該油圧式無段変速装置4の伝達容量より小さく設定したことを特徴とする請求項1記載の走行車等の旋回制御装置の構成とする。
【0011】
このような構成により、走行用ミッションケース5の外壁5aに取り付けた走行用の油圧式無段変速装置4の作動による直進状態から、例えば、左側へ旋回作用を行わせるときは、左の操向クラッチ3を切ると共に、該ミッションケース5の外壁5bに取り付けている前後に重接配置した一対の可変型油圧器1のうち、右側伝動系に連動する可変型油圧器1の斜板1aの傾斜角度変更によりポンプとして圧油を吐出させ、この圧油吐出量の減少に応じ左側伝動系に連動する可変型油圧器1をモータとして減速制御することにより、右側伝動系に対し左側伝動系を減速して直進状態から左側への旋回作用を行わせることができる。なお、左側旋回時と対象的な部位の作用により右側への旋回作用を行わせることができる。
これらの作用を行う一対の可変型油圧器1によって駆動される旋回内側の伝達トルクは、旋回外側を駆動する油圧式無段変速装置4の伝達トルクより小さいため、一対の可変型油圧器1は伝達容量を小さく設定することが可能となり、外装形状を小型に形成することができる。
【0012】
【発明の効果】
請求項1の発明では、上記作用の如く、走行用の油圧式無段変速装置4の作動による直進状態から、旋回作用を行わせるときは操向クラッチ3を切ると共に、一対の可変型油圧器1のうち、右側伝動系に連動する可変型油圧器1の斜板1aの傾斜角度変更によりポンプとして吐出させた圧油流量に応じ、左側伝動系に連動する可変型油圧器1をモータとして減速制御することにより直進状態から旋回作用を行わせることができる。これらの作用を行う一対の可変型油圧器1を、油圧式無段変速装置4を配置している外壁5aと反対側で構成物の少ない外壁5bに配置することにより、該ミッションケース5のを構成物に邪魔されることなく可変型油圧器1の旋回量やバランス調整のためのメンテナンスを容易に行うことができると共に、速度に応じた回転数で一対の可変型油圧器1を駆動できるから油の粘性によるロスが大幅に低減され、伝導効率のアップと発熱の抑制を計りショックもなく、安定した直進走行及び旋回作用を行わせることができる。
【0013】
請求項2の発明では、上記作用の如く、走行用の油圧式無段変速装置4の作動による直進状態から、旋回作用を行わせるときは操向クラッチ3を切ると共に、一対の可変型油圧器1のうち、右側伝動系に連動する可変型油圧器1の斜板1aの傾斜角度変更によりポンプとして吐出させた圧油流量に応じ、左側伝動系に連動する可変型油圧器1をモータとして減速制御することにより直進状態から旋回作用を行わせることができる。これらの作用を行う一対の可変型油圧器1の油圧回路部2における油補充を、油圧式無段変速装置4の油圧回路部における油補充用のチャージポンプ4aと共用使用させることにより、このポンプ4aの回転数がエンジンからの駆動により変動が少なく作動油を安定して供給できると共に、油圧系統の伝動を簡略化できるためポンプ等の部品点数の削減が可能となり、コスト低減を計ることができる。
【0014】
請求項3の発明では、上記作用の如く、走行用の油圧式無段変速装置4の作動による直進状態から、旋回作用を行わせるときは操向クラッチ3を切ると共に、一対の可変型油圧器1のうち、右側伝動系に連動する可変型油圧器1の斜板1aの傾斜角度変更によりポンプとして吐出させた圧油流量に応じ、左側伝動系に連動する可変型油圧器1をモータとして減速制御することにより直進状態から旋回作用を行わせることができる。これらの作用を行う一対の可変型油圧器1による旋回内側の伝達容量を、油圧式無段変速装置4による旋回外側の伝達容量より小さく設定することが可能であり、外装形状を小型に形成することができるから、前記ミッションケース5への内装性が容易となり該ケース5をコンパクトに構成できると共に、組立の容易化,メンテナンス性の向上,コストダウン等の効果がある。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施例を走行車等としてのコンバインについて図面に基づき説明する。
図8はコンバインの全体構成を示すもので、車台6の下部側に土壌面を走行する左右一対の走行クローラ7を張設した走行装置8を配設すると共に、該車台6上にフィードチェン9に挟持して搬送供給される穀稈の脱穀を行い、この脱穀された穀粒を選別回収して一時貯留するグレンタンク10と、このグレンタンク10に貯留された穀粒を機外へ排出する排穀オーガ11を備えた脱穀装置12を載置し、この脱穀装置12の後端部に排藁処理装置13を装架構成させる。
【0016】
該脱穀装置12の前方に、前端側から未刈穀稈を分草する分草体14と、分草された穀稈を引き起こす引起部15と、引き起こされた穀稈を刈り取る刈刃部16と、この刈り取られた穀稈を掻き込むと共に、搬送途上において扱深さを調節して搬送される穀稈を引き継いで該フィードチェン9へ受け渡しする供給調節搬送部17等を有する刈取装置18を、油圧駆動による刈取昇降シリンダ19により土壌面に対して昇降自在なるよう該車台6の前端部へ懸架構成させる。
【0017】
該刈取装置18の一側にコンバインの操作制御を行う操作装置20と、この操作のための操作席21を設け、この操作席21の後方側には前記グレンタンク10を配置し、下方側にはエンジン22を搭載すると共に、該操作装置20と操作席21を覆うキャビン23を配置する。これら走行装置8,脱穀装置12,刈取装置18,操作装置20,エンジン22,キャビン23等によってコンバインの車体24を構成させる。
【0018】
該走行装置8は車台6の前部側に走行用ミッションケース5を装架しており、図1に示す如く、このミッションケース5の上部側外壁5aに走行用の油圧式無段変速装置4を連動可能に接合し、この無段変速装置4の可変油圧ポンプ4Pに軸止した入力プーリ25へ該エンジン22から動力を伝達可能に伝動ベルト等を張設すると共に、この可変油圧ポンプ4Pによって駆動される油圧モータ4Mに、第1軸としての入力軸26を連動連結して構成させる。
【0019】
該ミッションケース5に内装したギヤ連動機構は、入力軸26に軸止した入力ギヤ27と、第2軸としての変速駆動軸28にスプライン等により摺動可能に軸回転させる三連の変速伝動ギヤ29の大径ギヤとを噛合連動させると共に、該変速駆動軸28の外方に突出させた軸端部に、該刈取装置18を駆動する一方向回転の刈取駆動プーリ30を軸止して構成させる。
【0020】
該変速駆動軸28に摺動させる変速伝動ギヤ29と、第3軸としての変速伝動軸31に軸止する高速駆動ギヤ32,中速駆動ギヤ33,低速駆動ギヤ34とを各々噛合連動させることによって、高速,中速,低速に変速する副変速部を構成させる。
【0021】
該変速伝動軸31の外方に突出させた軸端部に、該ミッションケース5に接合するブレーキケース35に内装した駐車ブレーキ36を軸止し、該ブレーキケース35に駐車ブレーキ36を制動させるブレーキ操作アーム36aを支承して構成させる。
【0022】
該変速伝動軸31に軸止した中速駆動ギヤ33と、第4軸としての操向クラッチ軸37のセンターに軸止する左右側に各々クラッチ爪aを有した操向センタギヤ38とを噛合連動させ、この操向センタギヤ38の両側に、そのクラッチ爪aと各々噛合接続させるクラッチ爪bを有した左右の操向クラッチ3を左右摺動可能に遊転軸承して構成させる。
【0023】
該左右の操向クラッチ3は、各々クラッチ大径ギヤ3aとクラッチ小径ギヤ3b及びシフタ溝3cとを設け、このシフタ溝3cに嵌入したシフタ(図面なし)の作用により操向クラッチ3を入・切させると共に、この操向クラッチ3の入り復帰を補助する左右のリターンスプリング39を各々装填して構成させる。
【0024】
図2に示す如く、角筒状で専用の油圧回路部2に、平面視で前後側位置に重接配置して連結支承する同一仕様で一対の可変型油圧器1を、該ミッションケース5の外壁5bから内部に向けて装着し、この前後側位置の可変型油圧器1の両シリンダ軸1cに回転可能に支承した両シリンダ部1bの外周近傍に等間隔で配列した多数個の両棒状ピストン1dを、両シリンダ部1bの回転によって中心部を両シリンダ軸1cに受けて傾動可能な両斜板1aに沿って各々往復作動を行い、油圧ポンプ又は油圧モータとして共用作用可能に構成させる。
【0025】
該油圧回路部2から前記ミッションケース5内に突出させた前後側位置の両シリンダ軸1cの軸端部に各々シリンダギヤ40,41を軸止すると共に、前側のシリンダギヤ40は右の操向クラッチ3のクラッチ大径ギヤ3aと、後側のシリンダギヤ41は左の操向クラッチ3のクラッチ大径ギヤ3aと各々噛合連動して構成させる。
【0026】
該左右の操向クラッチ3のクラッチ小径ギヤ3bと、第5軸としての走行中間軸42に遊転軸承する左右の走行中間ギヤ43とを噛合連動し、この各走行中間ギヤ43の外側に各々結合した左右の走行中間小径ギヤ43aと、第6軸としての左右の車軸44の一端部に各々軸止した車軸ギヤ45とを噛合連動させると共に、左右の車軸44を該ミッションケース5から外側へ突出させた軸端部に前記左右の走行クローラ7を駆動する左右の走行駆動輪46を軸止して構成させる。
【0027】
車体24の旋回作用を実行させるパワステレバー47を前記操作装置20の一側に配設すると共に、このパワステレバー47の左右側への傾動操作により、該左右の操向クラッチ3を入・切させる左右のパワステスイッチ47aと、該前後の可変型油圧器1の斜板1aの傾動角度を検出して傾動作用を制御する前後の斜板センサ48とを作用可能に配設して構成させる。
【0028】
図3に示す如く、車体24の旋回作用を実行させる電気回路としてCPUを主体的に配し自動回路の演算制御を行うコントローラ49を設け、このコントローラ49の入力側に、該左右のパワステスイッチ47aと、該前後の斜板センサ48とを接続して構成させる。
【0029】
該コントローラ49の出力側に、該前後の斜板センサ48の検出値によって斜板1aの傾斜角度の調節を行う前後の斜板シリンダ50を制御する前後の斜板制御電磁弁51と、左右の操向クラッチ3の入・切を行うシフタ(図面なし)作動用の左右のプッシュシリンダ52を制御するクラッチ制御電磁弁53と、該油圧回路部2の閉鎖・開放を切り替える油圧回路切替弁54aの切替え制御を行う回路制御電磁弁54とを各々接続して構成させる。
【0030】
図4に示す如く、車体24の旋回作用を実行させる自動制御用の油圧回路として、油圧ポンプ55からの圧油を各々該前後の斜板制御電磁弁51,クラッチ制御電磁弁53,回路制御電磁弁54へ各々供給すると共に、前後の斜板制御電磁弁51と前後の斜板シリンダ50,クラッチ制御電磁弁53と左右のプッシュシリンダ52,回路制御電磁弁54と油圧回路切替弁54aを各々油圧作動可能に接続して構成させる。
【0031】
該前後側位置の可変型油圧器1を専用の油圧回路部2の循環回路によりミッションオイルと分離して接続し、この油圧回路部2を閉鎖又は開放可能に油圧回路切替弁54aに接続させると共に、該可変型油圧器1よりも伝達容量が大きい前記油圧式無段変速装置4の可変油圧ポンプ4Pと油圧モータ4Mを油圧回路部4Cの循環回路により接続し、この油圧回路部4Cと該油圧回路部2とに各々油圧オイルを補給調整する共用のチャージポンプ4aを接続補給可能に構成させる。
【0032】
なお、該前後の斜板シリンダ50と前後の可変型油圧器1の斜板1aとを各々作用可能に連結して構成させる。
エンジン22からの動力を、走行用の油圧式無段変速装置4の可変油圧ポンプ4Pへ入力し、この可変油圧ポンプ4Pによって駆動される油圧モータ4Mによる主変速動力を入力軸26に入力連動し、この入力軸26の入力ギヤ27から変速駆動軸28に摺動する三連の変速伝動ギヤ29の大径ギヤに連動し、この変速伝動ギヤ29を摺動させて変速伝動軸31の高速駆動ギヤ32,中速駆動ギヤ33,低速駆動ギヤ34に各々連動させることによって副変速駆動を行わせる。
【0033】
この副変速された動力によって変速伝動軸31の中速駆動ギヤ33から操向クラッチ軸37の操向センタギヤ38に連動し、この操向センタギヤ38の左右のクラッチ爪aと、左右側に位置した左右の操向クラッチ3のクラッチ爪bとを各別に噛合接続させて操向クラッチ3の入・切作用を行わせる。
【0034】
車体24を直進させるときは、該左右の操向クラッチ3を同時に入りとすることにより、この操向クラッチ3のクラッチ小径ギヤ3bから走行中間軸42の左右の走行中間ギヤ43へ各々連動し、この走行中間ギヤ43から走行中間小径ギヤ43aを経て左右の車軸44の車軸ギヤ45へ連動させ、この車軸ギヤ45により左右の走行駆動輪46を同時に駆動させて左右の走行クローラ7を同速駆動させて直進走行を行わせる。
【0035】
次に、車体24を左(又は右)側へ旋回させるときは、パワステレバー47の左(又は右)側への傾動操作による左(又は右)のパワステスイッチ47aのONにより、左(又は右)のプッシュシリンダ52を作動し左(又は右)の操向クラッチ3の切り作用を行わせる。
【0036】
この左(又は右)の操向クラッチ3の切り作用により前(又は後)側の斜板シリンダ50を作動し前(又は後)側の可変型油圧器1の斜板1aを、斜板センサ48の検出値により最大傾斜位置から中立方向への傾動作用を行わせるが、この傾動作用と同時に、回路制御電磁弁54の作用による油圧回路切替弁54aの切り替えにより油圧回路部2を閉鎖させる。
【0037】
該前(又は後)側の斜板1aの傾動作用により、入り状態の右(又は左)の操向クラッチ3のクラッチ大径ギヤ3aから、前(又は後)側のシリンダギヤ40(又は41)を経て前(又は後)側のシリンダ軸1cを介してシリンダ部1bを回転させ、多数個の棒状ピストン1dが斜板1aに沿って往復作動を行い油圧ポンプとして、斜板1aの傾斜状態に応じて圧油流量を大小に変化発生させる。
【0038】
この変化する圧油流量は閉鎖された油圧回路部2を経て、後(又は前)側の可変型油圧器1を油圧ポンプと逆の作用を行う油圧モータとして駆動させ、後(又は前)側のシリンダギヤ41(又は40)から静止している左(又は右)の操向クラッチ3のクラッチ大径ギヤ3aを連動させる。
【0039】
この左(又は右)の操向クラッチ3のクラッチ大径ギヤ3aからクラッチ小径ギヤ3bを経て左(又は右)の走行中間ギヤ43へ連動し、この走行中間ギヤ43から走行中間小径ギヤ43aを経て左(又は右)の車軸ギヤ45へ連動させ、この車軸ギヤ45を経て走行駆動輪46を駆動し左(又は右)の走行クローラ7を減速走行させる。
【0040】
このように、油圧モータとしての後(又は前)側の可変型油圧器1の斜板1aの位置を最大傾斜位置から中立位置へ、更に中立位置から逆方向の傾斜位置へ制御することによって、定速走行の右(又は左)の走行クローラ7に対し左(又は右)の走行クローラ7の走行を、緩やかに減速させるマイルド旋回,走行を停止させるブレーキ旋回,1/4程度逆回転させるスピン旋回等の各旋回作用を、車体24を停止させることなく無段で連続して円滑に行わせることができる。
【0041】
車体24を旋回作用から直進走行に復帰させるときは、前記パワステレバー47を中立位置に戻し左右のパワステスイッチ47aのOFFにより、該前後側位置の可変型油圧器1の斜板1aの傾斜位置を斜板センサ48の検出値により同一位置とした後、該左右のプッシュシリンダ52の作動を停止し左右の操向クラッチ3を同時に入り状態にすると共に、該油圧回路部2を開放させて直進走行を行わせる。
【0042】
このような作用を行うものにおいて、前記操作席21側に配置したエンジン22や走行用の油圧式無段変速装置4等の装着により構成物の多い該ミッションケース5の外壁5aに対し、構成物の少ない反対側の外壁5bに該前後側位置の可変型油圧器1を脱着可能に内装するようにしているから、旋回量やバランス調整等のためのメンテナンスを該ミッションケース5の構成物に邪魔されることなく容易に行うとができる。
【0043】
更に、該前後側位置の可変型油圧器1を、該ミッションケース5の外壁5b側に片寄せて装着内装しているから、該操向クラッチ3等によるギヤ連動機構との干渉がなく、ギヤ類の配列が容易となりトラブルを防止することができる。
また、前記車軸44を車軸ギヤ45に対しスプライン等により脱着可能に結合させ、該ミッションケース5の外側へ突出させた車軸44の軸部を支承する車軸支持パイプ56に設けたフランジ56aによって該ケース5に締結させることにより、従来では、泥浸入や異物等により車軸44が損傷を受けたような場合、該ミッションケース5を分解して補修を行う必要があったものを、分解を行うことなく補修が可能となるからメンテナンス性を大幅に向上させることができる。
【0044】
また、該走行用の油圧式無段変速装置4の油圧回路部4cの循環回路に配置した油圧オイルを補給調整するチャージポンプ4aを、該前後側位置の可変型油圧器1の油圧回路部2の循環回路に共用使用することにより、該チャージポンプ4aの回転数がエンジンからの駆動により変動が少なく作動油を安定して供給できると共に、油圧系統の伝動を簡略化できるためポンプ等の部品点数の削減が可能となりコスト低減を計ることができる。
【0045】
また、該油圧式無段変速装置4における旋回外側を駆動する軸トルクに対し、旋回内側を駆動する該前後側位置の可変型油圧器1の軸トルクは1/3程度以下と小さく伝達容量を抑えることができるから、該可変型油圧器1の外装形状を小型に形成することが可能となり、該ミッションケース5への内装性が容易となり該ケース5をコンパクトに構成できると共に、組立の容易化,メンテナンス性の向上,コストダウン等に効果がある。
【0046】
また、該前後側位置の可変型油圧器1における油圧回路部2の油圧ポート2aを、該ミッションケース5の外壁5bより外部に露出させることにより、該ケース5の内部に大きなスペースを確保する必要もなく可変型油圧器1を脱着可能に内装することができるから、油圧関連系の配管やメンテナンス性が容易になると共に、該可変型油圧器1を取り外すことにより、該ケース5の外壁5bが大きく開放され内部のギヤ連動機構等のメンテナンスが容易となる。
【0047】
また、該ミッションケース5における駐車ブレーキ36を、前記変速駆動軸28の変速部位から操向クラッチ軸37の操向部位の間に位置した変速伝動軸31に設けることにより、変速部位より上手では、変速を中立位置にシフトしたときはブレーキの制動が不能となり、操向部位より下手では、伝動系が左右に分かれ構成が複雑になる等の不具合を阻止して確実な制動が可能となるから、信頼性の向上とコストダウンを計ることができる。
【0048】
なお、該駐車ブレーキ36を、前記左右の操向クラッチ3を同時に切りとならないよう前記単一のクラッチ制御電磁弁53による作用構成とすることにより、該駐車ブレーキ36のブレーキ性能を特段に向上させ駐車時の制動を的確に行わせることができる。
【0049】
また、図5に示す如く、該前後側位置の可変型油圧器1における油圧回路部2に、前記左右の操向クラッチ3の入・切を行う左右のプッシュシリンダ52を作動可能に接続することにより、旋回作用時に該可変型油圧器1の斜板1aの操作によって油圧回路部2に圧力差が生じたときは、自動的に操向クラッチ3を切り旋回可能な状態にすることができるから、該斜板1aの操作と操向クラッチ3の作用とを連動させることによって、電気や油圧を含む操作系統が簡略化され、信頼性の向上とコストダウンを計ることができる。
【0050】
また、前記ミッションケース5に内装したギヤ連動機構において、副変速部が異なるギヤ連動機構として、図6に示す如く、該入力軸26に軸止した大径ギヤ57aと小径ギヤ57bとからなる二連の入力ギヤ57と、第2軸としての変速駆動軸28にスプライン等により摺動可能に軸回転させる大径ギヤ58aと小径ギヤ58bとからなる二連の変速伝動ギヤ58とを噛合連動して構成させる。
【0051】
該変速駆動軸28に摺動させる変速伝動ギヤ58と、第3軸としての変速伝動軸31に軸止する高中速駆動ギヤ59と低速駆動ギヤ60とを各々噛合連動させることによって、高速,中速,低速に変速する副変速部を形成し、該低速駆動ギヤ60の外側に前記操向クラッチ3を駆動する操向駆動ギヤ61を軸止すると共に、該変速駆動軸28の外方に突出させた軸端部に、該刈取装置18を駆動する一方向回転の該刈取駆動プーリ30を軸止して構成させる。
【0052】
このような構成により、入力ギヤ57の大径ギヤ57aから変速伝動ギヤ58の小径ギヤ58bへ連動し、この小径ギヤ58bを経て大径ギヤ58aから高中速駆動ギヤ59へ連動して高速変速を行うと共に、入力ギヤ57の小径ギヤ57bから変速伝動ギヤ58の大径ギヤ58aを介して高中速駆動ギヤ59へ連動して中速変速を行い、更に、入力ギヤ57の小径ギヤ57bから変速伝動ギヤ58の大径ギヤ58aへ連動し、この大径ギヤ58aを経て小径ギヤ58bから低速駆動ギヤ60へ連動して低速変速を行わせる。
【0053】
従来では、走行速度を変速しても刈取回転数は一定であったため、高速走行で刈取りを行うと刈取装置18の相対速度が極めて遅くなって刈跡が悪くなったり、引起し性能が発揮できず刈残し等の不具合が発生していた。しかし、刈取駆動プーリ30を駆動する変速駆動軸28の回転数が中・低速走行では一定であるため、低速走行では刈取相対速度が上がり倒伏適応性が確保できると共に、高速走行では刈取回転数が上昇するため、中速走行時の刈取状態に近い作業性能を確保することができる。
【0054】
また、前記ミッションケース5に内装したギヤ連動機構において、前記操向クラッチ3が異なるギヤ連動機構として、図7に示す如く、該第4軸としての操向クラッチ軸37のセンタに軸止した操向センタギヤ38の代わりに、両面にクラッチ爪cを有した操向センタクラッチ62を左右摺動可能に軸回転させると共に、この操向センタクラッチ62の両側に該操向クラッチ3の代わりとして、該クラッチ爪cと噛合接続するクラッチ爪dを各々有する左右の操向クラッチ63を遊転軸承して構成させる。
【0055】
該左右の操向クラッチ63は、各々クラッチ大径ギヤ63aとクラッチ小径ギヤ63bとを設け、該操向センタクラッチ62の左右摺動により左右の操向クラッチ63の何れかと常に噛合接続させると共に、該操向クラッチ軸37の一方の軸端に副変速部からの動力を伝動する操向伝動ギヤ64を軸止し、左右のクラッチ大径ギヤ63aは前記前後の可変型油圧器1へ、クラッチ小径ギヤ63bは前記走行中間軸42の左右の走行中間ギヤ43へ各々連動可能に構成させる。
【0056】
このような構成により、操向センタクラッチ62の左右摺動により常に左右何れかの操向クラッチ63と噛合接続しているから、従来の如く、同時に操向クラッチ3を切り状態とする場合のように、該可変型油圧器1の油圧回路が停止状態とはならず、接続時のショックの防止と耐久性の向上を計ることができる。
【0057】
更に、該操向センタクラッチ62の採用により2個のシフタが不要になると共に、該ミッションケース5を組立てる際に該ケース5を合わせた後シフタピンを挿入する必要がなく、組立て及びメンテナンス性の容易化と品質の安定化を計ることができる。
【0058】
また、コンバインにおける作業時に旋回作用を行うとき、旋回内側の走行クローラ7に対する接地摩擦による部分的な負担やシャクリが発生する。この発生緩和のため、図9,図10に示す如く、前記刈取装置18の主フレーム65から連結ロット66を介して、左右のリンク67及びケース68aに収納した緩衝スプリング68を経て、該走行クローラ7の中央近傍において車台6に支承する左右の揺動アーム69を上下回動させ加圧転輪70を上下動可能に連結構成させる。
【0059】
このような構成により、旋回作用時における刈取装置18の上昇により、連結ロット66とリンク67及び緩衝スプリング68を介して揺動アーム69を引っ張り下降回動させ加圧転輪70を押し下げる。この押し下げ力は加圧転輪70に掛かる分担荷重の半分程度とし、緩衝スプリング68は粘土の固着を防止するためケース68a内に収納させる。
【0060】
このように旋回作用時に、旋回内側の加圧転輪70を押し下げることにより、旋回時のシャクリを緩和して円滑で小回りが利く走行ができ操作性・居住性の向上を計ることができると共に、該刈取装置18の昇降と連動させることにより路上走行や圃場内での旋回時等必要なときに加圧が可能なため、該走行クローラ7への部分的な負担を軽減し耐久性を向上させ、刈取作業時のピッチングも少なくして安定した作業を行わせることができる。
【0061】
また、図11に示す如く、前記操作装置20の操作パネル20a面に設置した該パワステレバー47は、オペレータの乗降通路幅の関係で該操作席21から離れており長時間運転すると疲労が増すため、同じ機能を持つリモコン装置71を手元に携帯することにより、操作席21に座ったままの楽な姿勢で作業を行うことができるようにするものである。
【0062】
該リモコン装置71は、単一のパワステレバー47による方向・旋回及び刈取昇降操作と同一操作が行える操作機能を備えるもので、その上面にはオペレータがパワステレバー47と同じ主要操作を親指で操作できる単一の操作レバー71aと、その下部側には親指以外の手指で操作できる機能切替え用の切替スイッチ71bとを配置して把握容易に形成させると共に、旋回センサ71c,昇降センサ71d,磁気方位センサ71eを各々内装して構成させる。
【0063】
該操作装置20の操作パネル20a面の正面右側に、該パワステレバー47及び該旋回センサ71c,昇降センサ71dと、その一側に主変速の変速操作を行う主変速レバー72及び主変速センサ72aと、副変速部の変速操作を行う副変速レバー73及び副変速センサ73aと、該切替スイッチ71b及び磁気方位センサ71eと、操作席21の後部に前記排穀オーガ11の移動操作を行うオーガ操作レバー74及び該旋回センサ71c,昇降センサ71dとを各々配設して構成させる。
【0064】
該リモコン装置71及び操作パネル20aに各々設けている、切替スイッチ71b,旋回センサ71c,昇降センサ71d,磁気方位センサ71e,主変速センサ72a,副変速センサ73aを、CPUを主体的に配して自動回路の演算制御を行うコントローラ77の入力側へ接続すると共に、その出力側へ油圧ポンプ75により駆動される各種の圧力制御弁76を接続して構成させる。
【0065】
このような構成により、該コントローラ74によりパワステ回路〜リモコン回路、及びオーガ操作回路〜リモコン回路と並列的に接続し、これらの共通回路を該切替スイッチ71bで切り替えできるようにすることで混線を防止することができると共に、磁気方位センサ71eにより地磁気が車体24に対して規定以上ズレルか、又はオペレータの足の位置の相違により、どの方向を向いているかを判断して操作の方向を自動的に切り替える。
【0066】
オペレータが後向きで操作を行うときは、通常と左右操作の向きが逆になるよう自動的に切り替え設定を行い、この操作時に前後方向を変えた場合には安全のため操作が完了するまで切り替えを行わないようにすることにより、走行時や籾排出時等において、自動的に前進方向と逆になるよう切り替えることで違和感なく安全な操作を行うことができる。
【0067】
該リモコン装置71を排穀オーガ11の操作と兼用することで、設置コストが安く、操作時にオーガ操作レバー74を持ち替える必要がないため迅速で確実な排出作業を行うことができる。
なお、該リモコン装置71の把握部に感圧センサ71fを設け、把握部を握ったきはパワステレバー47の機能を無効にするよう設定を行うか、又はパワステレバー47とリモコン装置71とを同時に操作した場合は後で操作した方を優先的に作動させるよう設定を行い、リモコン装置71を意識的に操作することにより、オペレータの意図が明確となり安全な操作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】走行用ミッションケースにおけるギヤ連動機構の配列状態を示す正面展開図。
【図2】走行用ミッションケースにおける可変型油圧器及び油圧回路部を示す平面図。
【図3】走行用ミッションケースの旋回作用を実行させる電気回路を示すブロック図。
【図4】走行用ミッションケースの旋回作用を実行させる油圧回路を示すブロック図。
【図5】走行用ミッションケースの旋回作用を実行させる油圧回路を示すブロック図。
【図6】走行ミッションケースの図1と異なるギヤ連動機構の一部を示す正面展開図。
【図7】走行ミッションケースの図1と異なるギヤ連動機構の一部を示す正面展開図。
【図8】コンバインにおける全体構成を示す側面図。
【図9】刈取昇降作用により走行クローラの一部を押下げる転輪の機構を示す斜視図。
【図10】刈取昇降作用により走行クローラの一部を押下げる転輪の状態を示す側面図。
【図11】コンバイン本体の操作装置と別個にリモコン装置を設けた状態を示す斜視図。
【符号の説明】
1. 可変型油圧器
1a.斜板
2. 油圧回路部
3. 操向クラッチ
4. 油圧式無段変速装置
4a.チャージポンプ
5. 走行用ミッションケース
5a.外壁
5b.外壁
Claims (3)
- 圧油吐出量を変更操作可能な斜板1aを有しポンプ及びモータとして共用使用する同一仕様で一対の可変型油圧器1を専用の油圧回路部2により重接連結を行い、この一対の可変型油圧器1を操向クラッチ3を有するギヤ連動機構の適宜位置に配設し、通常速度の旋回外側に対し旋回内側の速度を可変型油圧器1(ポンプ作用側)の圧油吐出量に応じ可変型油圧器1(モータ作用側)を制御して旋回作用を行わせると共に、前後進を無段階に変速可能とする走行用の油圧式無段変速装置4を配設した走行用ミッションケース5において、このミッションケース5の一方側の外壁5aに該油圧式無段変速装置4を配置すると共に、反対側の外壁5bに該一対の可変型油圧器1を配置したことを特徴とする走行車等の旋回制御装置。
- 圧油吐出量を変更操作可能な斜板1aを有しポンプ及びモータとして共用使用する同一仕様で一対の可変型油圧器1を専用の油圧回路部2により重接連結を行い、この一対の可変型油圧器1を操向クラッチ3を有するギヤ連動機構の適宜位置に配設し、通常速度の旋回外側に対し旋回内側の速度を可変型油圧器1(ポンプ作用側)の圧油吐出量に応じ可変型油圧器1(モータ作用側)を制御して旋回作用を行わせると共に、前後進を無段階に変速可能とする走行用の油圧式無段変速装置4を配設した走行用ミッションケース5において、該油圧式無段変速装置4の油補充用として使用するチャージポンプ4aを、該一対の可変型油圧器1の油補充用として共用使用したことを特徴とする請求項1記載の走行車等の旋回制御装置。
- 圧油吐出量を変更操作可能な斜板1aを有しポンプ及びモータとして共用使用する同一仕様で一対の可変型油圧器1を専用の油圧回路部2により重接連結を行い、この一対の可変型油圧器1を操向クラッチ3を有するギヤ連動機構の適宜位置に配設し、通常速度の旋回外側に対し旋回内側の速度を可変型油圧器1(ポンプ作用側)の圧油吐出量に応じ可変型油圧器1(モータ作用側)を制御して旋回作用を行わせると共に、前後進を無段階に変速可能とする走行用の油圧式無段変速装置4を配設した走行用ミッションケース5において、該一対の可変型油圧器1の伝達容量を、該油圧式無段変速装置4の伝達容量より小さく設定したことを特徴とする請求項1記載の走行車等の旋回制御装置。
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- 2003-01-15 JP JP2003006985A patent/JP2004217071A/ja active Pending
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