JP2004215375A - 発電ダンパ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の運動状態にかかわらず十分な減衰力を発生させ、併せて、省エネルギを実現することが可能となる発電ダンパ装置を提供する。
【解決手段】界磁巻線により励磁される磁界と電機子巻線との相対移動によって発電する発電機1と、車輪の変位により懸架装置KSに蓄積された変位エネルギによって前記磁界と前記電機子巻線とを相対移動させる伝動機構100を備え、伝動機構100により発電機1を作動させて前記変位エネルギを電気エネルギに回生して振動を減衰させる発電ダンパ装置で、車両の運動状態を検出する状態検出センサ16と、前記磁界が前記電機子巻線に対して変化するように前記界磁巻線に通電して励磁する励磁電源部17と、状態検出センサ16の検出情報に基づいて、前記磁界と前記電機子巻線との相対移動に対する減衰力を増加させるように励磁電源部17を駆動制御する制御部18を備える。
【選択図】 図4
【解決手段】界磁巻線により励磁される磁界と電機子巻線との相対移動によって発電する発電機1と、車輪の変位により懸架装置KSに蓄積された変位エネルギによって前記磁界と前記電機子巻線とを相対移動させる伝動機構100を備え、伝動機構100により発電機1を作動させて前記変位エネルギを電気エネルギに回生して振動を減衰させる発電ダンパ装置で、車両の運動状態を検出する状態検出センサ16と、前記磁界が前記電機子巻線に対して変化するように前記界磁巻線に通電して励磁する励磁電源部17と、状態検出センサ16の検出情報に基づいて、前記磁界と前記電機子巻線との相対移動に対する減衰力を増加させるように励磁電源部17を駆動制御する制御部18を備える。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種車両に適用される発電ダンパ装置に関し、詳しくは、界磁巻線により励磁される磁界と電機子巻線との相対移動によって発電する発電機と、車輪の変位により懸架装置に蓄積された変位エネルギによって前記磁界と前記電機子巻線とを相対移動させる伝動機構を備え、前記伝動機構により前記発電機を作動させて前記変位エネルギを電気エネルギに回生して振動を減衰させる発電ダンパ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車等の車両の操縦安定性を確保するとともに乗心地を良くするために、懸架装置においては懸架バネに蓄えられた弾性エネルギ等を熱エネルギに変えて放散する油圧ダンパ装置が使用されている。
自動車の油圧ダンパ装置が消費するエネルギの一例について、入手したデータを解析して調べたところ、排気量1300ccクラスの自動車で少し荒れた舗装路を時速60kmで走行すると、639.9Wのエネルギを消費するという結果が得られた。即ち、一般家庭で良く使われている20Wの蛍光灯を32本点灯させるのと同じエネルギを油圧ダンパが消費していることになる。油圧ダンパのエネルギ消費は路面の状態が悪いと走行中継続することになり、排気量の大きな自動車ではさらに大きなエネルギ消費を伴うので、省エネの観点から無視できる値ではない。
【0003】
一方、近年では、車両に対する省エネルギ技術の要請は極めて高く、走行中に油圧ダンパによって消散しているエネルギを電気エネルギとして回生できる次世代の懸架装置用の発電ダンパ装置が求められている。このような情勢を示すように、例えば、1999年4月から「エネルギーの使用の合理化に関する法律」いわゆる「省エネ法」が施行され、自動車の燃費は現在商品化されている製品のうち最も優れているもの以上にするというトップランナー方式が導入され、併せて勧告に従わなかった場合の公表、命令、罰則も規定されました。
【0004】
油圧ダンパを廃止して発電ダンパ装置を実用化しようとする技術としては、従来、以下のようなものが提案されている。
先ず、「自動車の磁力式サスペンション装置」と題する特許公開公報(特許文献1参照)には、懸架装置に蓄えた変位エネルギを発電機によって電気エネルギに変換するという発想を見ることができる。しかし、この装置では、回生した電気エネルギを可変抵抗器で熱エネルギとして放散することによって振動減衰を行っており、省エネの観点が見られない。
【0005】
次に、「振動減衰装置」と題する特許公開公報(特許文献2参照)では、振動速度が遅い領域では発電される電力が小さく減衰力も不足するので、エネルギが必要なアクチュエータを作動させて振動減衰させている。また、「振動エネルギを電気的なエネルギとして蓄えアクティブ制御を行う防振装置」と題する特許公開公報(特許文献3参照)では、2個の直流モータをばね下とばね上に配置し、ばね下の直流モータで発電し、この発電した電気エネルギを利用してばね上の直流モータをアクチュエータとして使い、ばね上の振動減衰を行っている。しかし、上記「振動減衰装置」及び「防振装置」では、アクチュエータを作動させて振動減衰を行っており、省エネを目指していないことは明らかである。
【0006】
次に、「車両のサスペンション装置」と題する特許公開公報(特許文献4参照)では、機械的な増速機構を使ってサスペンションでの変位を増幅して、発電効率を上げようとしているが、機械的な増速機構を用いているので、制御(減衰力の調節)には不適で重量が増加する不利もある。
【0007】
【特許文献1】
特開平4−129815号公報(第1−3頁、図1−図3)
【特許文献2】
特開平10−274281号公報(第2−5頁、図1−図6)
【特許文献3】
特開平11−65679号公報(第2−4頁、図1−図15)
【特許文献4】
特開2001−55033号公報(第2−3頁、図1−図2)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の発電ダンパ装置を実用化する上では、ダンパが吸収するエネルギの不足、特に、車両が凹凸の大きい路面を遅い車速で走行したときに、懸架装置のばねが蓄える変位エネルギ(変位量)は大きくなるが、ばねの変位に伴う磁束の変化率(変化速度)が小さいため、発電機での誘導起電力が弱く減衰力不足に陥ることが最大の問題であった。
【0009】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両の運動状態にかかわらず十分な減衰力を発生させることが可能であり、併せて、省エネルギを実現することが可能となる発電ダンパ装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る発電ダンパ装置の第一の特徴構成は、請求項1に記載した如く、車両の運動状態を検出する状態検出センサと、前記磁界が前記電機子巻線に対して変化するように前記界磁巻線に通電して励磁する励磁電源部と、前記状態検出センサの検出情報に基づいて、前記磁界と前記電機子巻線との相対移動に対する減衰力を増加させるように前記励磁電源部を駆動制御する制御部を備える点にある。
【0011】
同第二の特徴構成は、請求項2に記載した如く、上記第一の特徴構成に加えて、前記回生した電気エネルギを蓄積するとともに、蓄積した電気エネルギを前記励磁電源部に供給するエネルギ蓄積部を備えている点にある。
【0012】
同第三の特徴構成は、請求項3に記載した如く、上記第一又は第二の特徴構成に加えて、前記発電機は、前記界磁巻線による磁界と前記電機子巻線とが共通軸線周りに相対回転するロータリー式発電機である点にある。
【0013】
同第四の特徴構成は、請求項4に記載した如く、上記第一又は第二の特徴構成に加えて、前記発電機は、前記界磁巻線による磁界と前記電機子巻線とが軸線方向に相対移動するリニア式発電機である点にある。
【0014】
同第五の特徴構成は、請求項5に記載した如く、上記第一から第四のいずれかの特徴構成に加えて、前記励磁電源部は、励磁電流の通電と遮断により前記磁界を断続発生させるものである点にある。
【0015】
同第六の特徴構成は、請求項6に記載した如く、上記第一から第五のいずれかの特徴構成に加えて、前記励磁電源部は、前記磁界を前記電機子巻線に対して相対的に移動させるものである点にある。
【0016】
同第七の特徴構成は、請求項7に記載した如く、上記第一から第六のいずれかの特徴構成に加えて、前記伝動機構は、前記磁界と前記電機子巻線との相対移動速度を増加させるために、前記懸架装置に備えたバネの伸縮による変位を増大させる増速機構を備えている点にある。
【0017】
以下に、本発明に係る発電ダンパ装置の作用並びに効果を説明する。
第一の特徴構成によれば、界磁巻線により励磁される磁界と電機子巻線との相対移動によって発電する発電機を、車輪の変位により懸架装置に蓄積された変位エネルギによって上記磁界と電機子巻線とを相対移動させる伝動機構により作動させて、上記懸架装置に蓄積された変位エネルギを電気エネルギに回生して振動を減衰させるときに、車両の運動状態を検出する状態検出センサの検出情報に基づいて、制御部が上記界磁巻線により励磁される磁界が電機子巻線に対して変化するように界磁巻線に通電して励磁する励磁電源部を駆動制御して、上記磁界と電機子巻線との相対移動に対する減衰力を増加させる。
【0018】
すなわち、上記界磁巻線により励磁される磁界が電機子巻線に対して変化していないときは、その静止した励磁磁界と電機子巻線との相対移動に対する減衰力は、懸架装置に蓄積された変位エネルギによって上記励磁磁界と電機子巻線とが相対移動するときの相対移動速度だけによって定まるが、本願発明では、車両の運動状態に基づいて上記励磁磁界を電機子巻線に対して変化させて、その励磁磁界の変化によって発生した減衰力が上記静止磁界の場合の減衰力に加算されて減衰力を増加させることができる。そして、この場合、励磁磁界の変化状態を適宜調整することで減衰力を適切な値に設定することができる。
従って、車両の運動状態にかかわらず十分な減衰力を発生させることが可能である発電ダンパ装置が提供される。
【0019】
同第二の特徴構成によれば、前記発電機によって回生した電気エネルギがエネルギ蓄積部に蓄積されるとともに、エネルギ蓄積部に蓄積した電気エネルギが前記励磁電源部に供給される。
すなわち、本願発明の発電ダンパ装置では、懸架装置に蓄積された変位エネルギから前記発電機によって回生された電気エネルギと、前記減衰力を増加させるために前記励磁電源部に通電して磁界エネルギに変換されたのち前記発電機によって再度回生された電気エネルギとを合わせたエネルギがエネルギ蓄積部に蓄積され、そのエネルギ蓄積部に蓄積された電気エネルギが前記励磁電源部に供給されて上記変化する磁界の励磁に使われる。ここで、変位エネルギから電気エネルギへの変換、電気エネルギから磁気エネルギへの変換及び磁気エネルギから電気エネルギへの変換の各過程では、銅損、鉄損、機械損などの変換ロスが生じるが、これらのロスを小さくすることは可能である。
従って、前記減衰力の増加に併せて、省エネルギを実現することが可能となる発電ダンパ装置が提供される。
【0020】
同第三の特徴構成によれば、ロータリー式発電機が、懸架装置に蓄積された変位エネルギによって前記界磁巻線による磁界と前記電機子巻線とを共通軸線周りに相対回転させて発電する。
すなわち、前記伝動機構を懸架装置に蓄積された変位に伴い例えば先端部が上下方向に揺動する横アームなどで構成して、その横アームの基端部と車体側との間に上記ロータリー式発電機を設けるようにすると、従来の回転式の誘導発電機などを本願の発電ダンパ用の発電機として用いることができる。
従って、従来の回転式の誘導発電機などを利用した本発明の発電ダンパ装置の好適な実施形態が実現される。
【0021】
同第四の特徴構成によれば、リニア式発電機が、懸架装置に蓄積された変位エネルギによって前記界磁巻線による磁界と前記電機子巻線とを軸線方向に相対移動させて発電する。
すなわち、前記伝動機構を懸架装置に蓄積された変位に伴い例えば下端部が上下方向に揺動する縦アームなどで構成して、その縦アームの上端部と車体側との間に上記リニア式発電機を設けるようにすると、従来のリニアモータなどを本願の発電ダンパ用の発電機として用いることができる。
従って、従来のリニアモータなどを利用した本発明の発電ダンパ装置の好適な実施形態が実現される。
【0022】
同第五の特徴構成によれば、前記励磁電源部は、前記界磁巻線に対する励磁電流の通電と遮断により前記界磁巻線により励磁される磁界を断続発生させて、前記電機子巻線に対して変化させる。
すなわち、界磁巻線に励磁電流を通電して磁界を励磁した状態と励磁電流を遮断して磁界を励磁しない状態を繰り返すだけの簡易な電流駆動構成により、前記磁界を前記電機子巻線に対して変化させて前記減衰力を増加させる。
従って、簡易に構成できる本発明の発電ダンパ装置の好適な実施形態が提供される。
【0023】
同第六の特徴構成によれば、前記励磁電源部は、前記界磁巻線により励磁される磁界を前記電機子巻線に対して相対的に移動させることにより変化させる。
すなわち、前記懸架装置に蓄積された変位エネルギにより前記発電機において前記界磁巻線により励磁される磁界を前記電機子巻線に対して相対的に移動させて、前記減衰力を増加させる。
上記磁界と前記電機子巻線との相対移動について例示すれば、前記ロータリー式発電機の場合では、上記磁界として電機子巻線に対して相対回転させる回転磁界を生成し、また、前記リニア式発電機の場合では、上記磁界として電機子巻線に対して直線的に移動させる直線磁界を生成して、前記減衰力を増加させる。
従って、従来の回転式の誘導発電機などを利用して本発明の発電ダンパ装置を容易に実現することができる好適な実施形態が提供される。
【0024】
同第七の特徴構成によれば、前記伝動機構に備えた増速機構が、前記磁界と前記電機子巻線との相対移動速度を増加させるため、前記懸架装置に備えたバネの伸縮による変位エネルギの電気エネルギへの変換効率が増大する。
すなわち、前記懸架装置に蓄積された変位が比較的小さくても、増速機構によって前記懸架装置に備えたバネの伸縮による変位が増大して、前記磁界と前記電機子巻線との相対移動速度が増加するので、前記磁界と前記電機子巻線との相対移動に対する減衰力を大きくすることができる。
従って、前記懸架装置に生じた変位が比較的小さい場合においても十分な減衰力を発生させることが可能となる本発明の発電ダンパ装置の好適な実施形態が提供される。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明に係る発電ダンパ装置の実施形態について、以下、図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
先ず、界磁巻線により励磁される磁界を電機子巻線に対して変化させる方法として、インバーターの技術を使って、上記磁界を電機子巻線に対して相対的に回転させる回転磁界を利用する方法がある。
すなわち、バッテリー等から供給される直流を、インバーターの技術を使うことで任意の周波数を持つ交流に変換することが出来るので、これを利用することで必要な回転速度をもった回転磁界を作り出せる。例えば2極機の交流発電機ならば、fHzの交流の場合、磁界は1秒間にf回転する。
従って、第1実施形態では、界磁巻線W1により励磁される磁界と電機子巻線W2との相対移動によって発電する発電機1が、界磁巻線W1による磁界と電機子巻線W2とが共通軸線K周りに相対回転するロータリー式発電機1Aである。
【0026】
以下、回転磁界を使った発電ダンパの原理を、図1の三相同期発電機の回転界磁形と呼ばれる構造に基づいて説明する。
従来行われている発電方法は、ロータ3のコイルに電源から直流を流して電磁石とし、このロータ3を回転させてステータ2に三相起電力を発生させている。これに対して本発明の第1実施形態の発電ダンパでは、ステータ2のコイルを界磁巻線W1とし、ロータ3のコイルを共通軸線K周りに回転する電機子巻線W2として、懸架装置と連結されたロータ3が矢印Bの方向に回転しているときに、バッテリーの直流をインバーターで三相交流に変換してステータ2の3つの端子a,b,cに加え、ステータ2の界磁巻線W1に矢印Bと逆の矢印Aのような左回りの回転磁界を発生させる。
【0027】
これによって、ロータ3の電機子巻線W2はより多くの磁束を切るようになるので電磁誘導で単相のより高い起電力が生じる。このロータ3の電機子巻線W2に新たに生じた誘導電流によって発生する磁界とステータ2の回転磁界Aとの間で生じる電磁力が、ロータ3の運動に制動トルクを加える(減衰力が増大する)ために、これと連結された懸架装置の運動も減衰することになる。そして、ロータ3の電機子巻線W2に生じた電流はスリップリング4とブラシ5から取り出し、ロータ3に加えられた懸架装置の力学的エネルギーを電気エネルギーとして回生すると同時に、上記回転磁界を発生させるために加えられた電気エネルギも、電気磁気変換及び磁気電気変換の過程を経て再度電気エネルギとして回生する。
【0028】
回転磁界を加えることによる減衰力の増大効果は次のように説明される。
ロータ3の角速度をω1、ステータ2の界磁巻線W1に加えられた回転磁界の角速度をω2とする。磁束Φを正弦波で表わし、振幅をΦo,時間をtで表すと、相対角速度は(ω1+ω2)になるので、磁束Φは次式▲1▼で表わされる。
【0029】
【数1】
Φ=Φosin(ω1+ω2)t −−−−−−−−−−▲1▼
【0030】
電磁誘導により発生する電圧Eは、磁束Φの時間変化に比例するので、次式▲2▼となる。
【0031】
【数2】
E=−dΦ/dt=−Φo(ω1+ω2)cos(ω1+ω2)t −−−−−▲2▼
【0032】
ここで、cos(ω1+ω2)tの最大値は、次式▲3▼
【0033】
【数3】
|cos(ω1+ω2)t|≦1 −−−−−−−−−−−▲3▼
【0034】
より1になるので、Eの最大値Emは次式▲4▼のようになる。
【0035】
【数4】
Em=Φo(ω1+ω2) −−−−−−−−−−−▲4▼
【0036】
周波数をfとすると、ω=2πfであり、これを上式▲4▼に代入すると次式▲5▼となる。
【0037】
【数5】
Em=2πΦo(f1+f2) −−−−−−−−▲5▼
【0038】
この式▲5▼より、誘導電圧の最大値Emは振幅Φoが一定ならば周波数(f1+f2)に比例することが分かる。したがって、インバーターを使って高い周波数f2を界磁巻線W1に加えることによって、誘導電圧Emを高めることが出来る。また、磁界の強さΦoを強くすることによっても、Emは高めることが出来る。
従って、この方法によれば、減衰力は回転磁界の強さ(振幅)や速さ(角速度)を変更することによって変えることが出来る。
【0039】
ここで、本発明の発電ダンパにおけるエネルギーの流れを、エネルギー保存の法則から考察すると次のようになる。
入力エネルギ=懸架ばねの変位エネルギ(懸架装置に蓄積された変位エネルギ)+電源から供給された電気エネルギ
出力エネルギ=懸架ばねの変位エネルギから変換回生された電気エネルギ+電源から供給された電気エネルギが磁界のエネルギに変換されたのち再度変換回生された電気エネルギ
【0040】
この解析により、懸架ばねの変位エネルギーが電気エネルギーに変換され、また、磁界発生用に電源から供給された電気エネルギが再度電気エネルギーに変換されて電源に送られて、後述するように(図4参照)バッテリーに充電されることになる。また、このエネルギー変換の過程では、変換に伴う必然的なエネルギー損失として、導線の電気抵抗による銅損、鉄のヒステリシスによる鉄損、軸受摩擦による機械損が生じるが、これらは良く知られているように大きい値ではない。
以上のようにして、懸架ばねの変位エネルギを電気エネルギに変換すると共に、インバータの増幅作用で必要な減衰力を得ることが出来る。
【0041】
なお、図示はしないが、上記回転界磁形の発電機において、ロータ3を電機子巻線W2ではなく界磁巻線W1とし、ステータ2を界磁巻線W1ではなく電機子巻線W2とする構成において、ロータ3の界磁巻線W1に単相交流電流を流し、ロータ3の角変位に応じてステータ2の電機子巻線W2から、3相の誘導電流を取り出すことが出来るように変更することは、容易に推測される。
【0042】
図1では、回転界磁形と呼ばれる構造を利用したが、次に回転電機子形と呼ばれる構造を使った発電ダンパを図2に示す。図2の発電機1もロータリー式発電機1Bであり、ロータ6のコイルを界磁巻線W1とし、ステータ7のコイルを電機子巻線W2とする。ロータ6が懸架ばねの変位エネルギで矢印Aの方向に回転しているときに、バッテリーの直流をインバーターで三相交流に変換し、ロータ6の端子a,b,cに接続してロータ6の界磁巻線W1に矢印AAの回転磁界を発生させることによって、ステータ7の電機子巻線W2に単相のより大きい電流を発生させる。
以上の実施例では、三相同期発電機が2極の構造を有する場合を示したが、この極数が増加しても、発電ダンパとして利用できることは言うまでもない。
【0043】
次に、以上述べた発電ダンパ装置を、自動車の懸架装置に適用した場合における車輪まわりの装置構成を図3に示す。図3の懸架装置KSはストラット懸架装置と呼ばれる形式で、車輪11を支持するスイングアーム8の軸受部に前記ロータリー式発電機1A,1Bを設置した構造である。スイングアーム8の基端部を前記ロータリー式発電機1A,1Bのロータ3,6に連結し、ステータ2,7を車体フレーム10に固定する。さらに、スイングアーム8の先端部に支持パイプ9の下端部を連結し、支持パイプ9の上端部をスライドベアリング12によって車体フレーム10側の支持ロッド10Aに連結するとともに、コイルばね13によって車体フレーム10に支持させる。この構造で車体の重量はコイルばね13が支持し、コイルばね13に蓄積された変位エネルギによる上下運動の案内は、支持ロッド10Aがスライドベアリング12を介して支持パイプ9の内部に出入りすることで行われる。上記構造により、現在採用されている油圧ダンパは廃止される。
【0044】
従って、上記構造において、スイングアーム8や支持パイプ9等が、車輪11の変位により懸架装置KSに蓄積された変位エネルギによって、前記ロータリー式発電機1A,1Bにおいて前記界磁巻線W1により励磁される磁界と前記電機子巻線W2とを相対移動させる伝動機構100を構成する。そして、この発電ダンパ装置では、上記伝動機構100により前記ロータリー式発電機1A,1Bを作動させて前記懸架装置KSに蓄積された変位エネルギを電気エネルギに回生してコイルばね13の振動(即ち、車体の振動)を減衰させる。
【0045】
一般に車輪11の変位はそれほど大きくなく、スイングアーム8の回転軸部の角速度は小さいので、上記伝動機構100は、前記界磁巻線W1により励磁される磁界と前記電機子巻線W2との相対移動速度を増加させるために、前記懸架装置KSに備えたコイルバネ13の伸縮による変位速度を増大させる増速機構ZKを備えている。増速機構ZKは、具体的には、図3に示すように、スイングアーム8の基端部に固定された大径ギア14と、ロータリー式発電機1A,1Bのロータ軸に固定され且つ上記大径ギア14に噛み合う小径ギア15とで構成され、スイングアーム8の回転角速度に対してロータリー式発電機1A,1Bのロータの回転速度を増幅している。
【0046】
本発明の発電ダンパ装置のシステム全体の構成を図4に示す。図4のブロック線図に示すように、前記伝動機構100や発電機1等の他に、車両の運動状態を検出する状態検出センサ16と、前記界磁巻線W1により励磁される磁界が前記電機子巻線W2に対して変化するように前記界磁巻線W1に通電して励磁する励磁電源部17と、前記状態検出センサ16の検出情報に基づいて、前記界磁巻線W1により励磁される磁界と前記電機子巻線W2との相対移動に対する減衰力を発生させるように前記励磁電源部17を駆動制御する制御部18と、直流電圧を供給するバッテリー19を備えている。そして、上記励磁電源部17は、前記界磁巻線W1により励磁される磁界を前記電機子巻線W2に対して相対的に移動させるものであり、具体的には、上記磁界を電機子巻線W2に対して回転させるために、バッテリー19から供給される直流を任意の周波数の交流に変換するインバーター回路などで構成される。
【0047】
図4において、走行する自動車は前記懸架装置KSによって支えられ、発電ダンパの役割は懸架装置KSのコイルばね13のたわみ速度を調節し、ばね13に蓄えられた変位エネルギを電気エネルギに変換して適宜回収することである。この発電ダンパの働きによって、良い乗り心地と操縦性さらには安定性が確保される。ここで、従来の油圧ダンパに替わって発電ダンパを採用すると、変位エネルギーの一部が電気エネルギーとして回生されるが、車速が遅く荒れた路面を走行すると減衰力不足になる。この不足分を算出するために、まず車両の運動状態を表す状態量を前記状態検出センサ16で検出する。状態検出センサ16は、具体的には、車両の運動状態として、ばねの変位、ばね下加速度、ばね上加速度、車体の速度、ハンドルの操舵角等を検出する各種のセンサで構成され、各センサからの検出信号が制御部18に入力される。
【0048】
制御部18では、状態検出センサ16からの情報を解析して、不足する減衰力を算出する。このために、例えば、乗り心地を判断するためのばね上加速度波形に対して高速フーリエ変換を行って得られたパワースペクトルを、予め設定しておいた制御目標のパワースペクトルと比較して、減衰力の過不足を判断する。多くの場合は、減衰力が不足するので、この不足量を補うために、前記励磁電源部17を駆動制御して、前記界磁巻線W1に磁束線の変化を増大させるような電流を供給する。これによって、フレミングの右手の法則に従い、電機子巻線W2により大きな誘導電流が流れるため、界磁巻線W1に励磁される磁界との間でフレミングの左手の法則に従うトルクが発生し、このトルクが減衰力となって、発電機1のロータとこれに連結された懸架装置KSの運動が減衰させられる。
【0049】
発電ダンパ装置によって減衰力を切り換えて、良い乗り心地と操縦安定性を確保する具体例を説明する。例えば自動車が旋回する時、車体の速度を検出する車速センサとハンドルの操舵角を検出するステアリング・センサの信号を制御部18に入力し、制御部18の出力信号で減衰力を高い側に切換えて、車体のロール角を小さくする。急制動時のダイブ制御、急加速時のスクワット制御では、いずれも減衰力を高い側に切り替えて動きを抑制する。また、路面の凹凸に応じて減衰力を制御し、乗心地と車輪の接地性をうまく両立させることができる。このために、良路では減衰力を小さく、悪路では減衰力を高く設定する。
【0050】
図3では、車輪11が路面突起に乗り上げると、スイングアーム8が矢印Aの方向に回転すると同時にロータも矢印Bの方向に角変位し、支持パイプ9が矢印Cの方向に変位してコイルばね13を圧縮する。このときロータの角変位が発電機1の外部仕事になり、界磁巻線W1の発生する磁界を電機子巻線W2が切ることによって、発電機1において上記外部仕事が電気エネルギーに変換され回生される。なお、スイングアーム8は上下揺動して角変位の方向が変わるので、ホール素子やロータリーエンコーダのセンサー等によって、スイングアーム8の動きを検出して、前記回転磁界A,AAの方向を切り替える。
【0051】
図4に示すように、発電機1で回生された電気エネルギはバッテリー19に蓄えられるとともに、バッテリー19から励磁電源部17に直流電圧が供給されている。従って、このバッテリー19によって、前記発電機1が回生した電気エネルギを蓄積するとともに、蓄積した電気エネルギを前記励磁電源部17に供給するエネルギ蓄積部19が構成される。
【0052】
ところで、図4では図示を省略しているが、前記ロータリー式発電機1A,1Bの場合のように、発電ダンパで得られた電流が交流の場合はこれをコンバーターで直流に変換しバッテリー19を充電する。また、発生した回生電流をバッテリー19に直接供給すると、車輪11の振動が激しくなった場合、電流値が大きくなって過充電が起こったり、他の電気装置が破損したりすることがあるので、発生起電力が設定値よりも上昇した場合、回生電流を減少させて充電電圧を一定に保つために、電圧調整器をつけてもよい。
【0053】
以上のように、本発明の発電ダンパは、懸架装置KSに蓄えられるエネルギを全て発電機1で回生することを目的にして、バッテリー19から供給される電気エネルギを用いてインバータの技術を利用して移動磁界(回転磁界)を発生させるところに特徴がある。その結果、本発明の発電ダンパ装置により、リアルタイムの減衰力制御が容易になるので,最良の乗心地と操縦安定性を確保しながら,しかもエネルギを回生して省エネルギも実現できることになる。言い換えると、本発明の発電ダンパは、制御対象の振動をリアルタイムで制御できるので、いわゆるセミアクティブダンパを構成することによって、現在広く使われているパッシブ・ダンパよりも性能を向上させながら、省エネを達成することが出来る。
【0054】
〔第2実施形態〕
上記第1実施形態では、回転磁界を励磁する交流発電機型のロータリー式発電機を利用したが、第2実施形態では、図5に示す直流発電機型のロータリー式発電機1Cを利用して発電ダンパを構成している。以下、第1実施形態と相異する点について説明する。
図5に示すように、左右に位置する積層鉄板20にコイル21が巻かれておりこのコイル21に端子a,bから電流を流し電磁石を構成している。図5では矢印の方向に電流を流し、左側がN極で右側がS極になっている。したがって、左右の積層鉄板20が界磁で、巻かれたコイル21が界磁巻線W1に相当する。ロータコイル22が電機子巻線W2に相当する。尚、図では電機子巻線W2を簡単化して1巻の構造で図示している。このロータコイル22が前記懸架装置KSと連結され、懸架装置KSのばね13の変位エネルギでX−X’ 軸(共通軸線)周りに矢印Bの方向に角変位している状態にある。この時、コイル21による界磁磁界の磁束線をロータコイル22の電機子巻線W2が切ることで電磁誘導が生じるが、その場合に、誘導電圧を大きくするには、磁束線の変化率を大きくすることが必要である。以下に、その方法を説明する。
【0055】
バッテリー19の直流をチョッパの技術を使って、高頻度で通電・遮断して上記コイル21に供給すれば、磁束の変化率が大きくなる。そして、第2実施形態では、前記励磁電源部17が、励磁電流の通電と遮断により前記界磁巻線W1により励磁される磁界を断続発生させている。
【0056】
図6と図7に、バッテリー19の直流をチョッパで断続した時の駆動電流波形を示している。図において、ロータコイル22の回転方向の変化(懸架装置KSのコイルばね13の変位方向の変化)に対応させて、駆動電流Iの向き(正負)を反転変化させている(変化点をt1,t2で表わす)。なお、図7の電流波形は、パルスが立上がりと立下りで非対称になっている。この理由は、磁束の増加時と減少時とで電磁誘導の効果が相殺されるのを防ぐためである。このような電流を、界磁巻線W1の端子a,bから流して、電磁石とする。誘導起電力は、ロータコイル22(電機子巻線W2)が切る磁束の本数に比例するので、次々と新しい磁束に切り替えることによって同じ角変位であってもより大きい誘導電圧が発生する。
単位時間にロータコイル22が角変位して切る磁束線の数をnとし、チョッパによって磁束がm回断続したとすると、ロータコイル22が通過した磁束線の本数Nはn・m(N=n・m)となり、誘導起電力はm倍大きくなったことになる。
このようにして、発電ダンパのエネルギ吸収量はm倍になる。これを利用して、走行状態に対応してmを制御すれば、最適の減衰力を設定できる。
【0057】
懸架装置KSのコイルばね13の変位方向が逆になってロータコイル22(電機子巻線W2)の回る方向が逆になると、誘導電流の方向も逆になるので、これに対応して、界磁巻線W1の励磁電流の向きを反転させるために励磁電源部17から流す電流の方向も反対にすれば、スリップリング23とブラシ24からは電流の方向が変わらない直流を取り出すことが出来る。この場合は、誘導電流を整流せずに、バッテリー19に充電して蓄えることが可能になる。
これまでは、ステータ(積層鉄板)側の界磁用コイル21にチョッパ電流を流して電磁石としたが、これとは逆にロータ側を界磁にしてロータコイル22に電流を流し(ロータコイル22を界磁巻線W1とし)、ステータ側のコイル21を電機子巻線W2として誘導電流を取り出すことも可能である。
【0058】
〔第3実施形態〕
上述した第1、第2実施形態の発電ダンパは、界磁巻線W1による励磁磁界と電機子巻線W2が共通軸線周りに回転するロータリー式発電機を利用するものであった。これに対し、第3実施形態では、直線的に作動する筒型の油圧ダンパのように、前記界磁巻線W1による磁界と前記電機子巻線W2とが軸線方向に相対移動するリニア式発電機1Dを発電ダンパに利用している。以下、第1、第2実施形態と相異する点について説明する。
【0059】
図8にリニア式発電機1Dの構造を示す。中央パイプ26の外周面には、パイプ軸線と直角方向向きの複数の巻線25で構成される界磁巻線W1が規則正しく配列されており、その外側に位置する内パイプ27の内周面に、複数の円筒状巻線28からなる電機子巻線W2が配置されている。また、内パイプ27の外周には軸方向に移動する外パイプ29がはめ込まれている。外パイプ29の右半分は拡管によって内径が広げられ、その内径が広げられた位置に、スペーサー31を真ん中にして2個のドライベアリング30で前後を挟んだ構造のドライメタルからなる軸受パイプ36が配置され、内パイプ27と外パイプ29が軸方向に滑らかに移動する構造としている。そして、内パイプ27と外パイプ29の共通する軸方向Y−Y’ が、リニア式発電機1Dにおける軸線方向に相当する。なお、後述の磁気回路(図10参照)を形成するために、中央パイプ26と内パイプ27は軟鉄等の磁性材料で作製する。また、外パイプ29はアルミ製である。
【0060】
上記外パイプ29の左端には、蓋部材32が外周をかしめ加工で留められ、この蓋部材32に形成した円筒状の突起部32Aに中央パイプ26がはめ込まれて固着保持されており、中央パイプ26の左端部には内パイプ27と外パイプ29が衝突したときの衝撃力を緩和するために、ゴム製の緩衝リング33がはめられている。さらに、リニア式発電機1Dの両側には、夫々取付けリング34,35が設けられ、内パイプ27が右側の取付けリング34によって車体側に連結され、外パイプ29が左側の取付けリング35によって車輪側に連結されている。
【0061】
界磁巻線W1(巻線25)の結線方法の一例を、図9に示す。巻線25は、単純化して1巻で表わしている。図8に示すように、複数の巻線25は3つ毎に結線されて3群に分けられ、各群に対する電流供給端子a,b,cが設けられている。端子aに対応する巻線群はaで表示し、同様に端子b,cに対応する巻線群はb,cで表示している。そして、軸方向で隣り合う巻線は、互いに逆の方向に巻かれている。この端子a,b,cに、三相交流を流して、軸方向に移動する磁界を作り出す。
【0062】
図10に、界磁巻線W1により発生した磁界による磁気回路を示している。界磁巻線W1を構成する各巻線25は、パイプ軸と直角方向を向いた軟鉄の回りに巻かれており、隣り合う巻線25でNS,SN,NSというように逆向きの磁界が励磁されている。これによって、隣り合う巻線25では図のような互いに逆周りの磁気回路が形成され、中央パイプ26と内パイプ27が相対的に軸方向に移動することによって、電機子巻線W2(各円筒状巻線28)に誘導電圧が発生する。なお、中央パイプ26と内パイプ27の相対移動に伴って各円筒状巻線28に誘導される誘導電圧は極性(誘導電流の方向)が変化するので、各円筒状巻線28は誘導電圧を互いに打ち消す(キャンセルする)ことがないように直列接続するか、あるいは並列に接続する。この誘導電圧を増大する方法は、次の通りである。
【0063】
図8に示すように、懸架装置KSと連結された外パイプ29が車輪の変位によってAの方向に移動する時に、電機子巻線W2がBの方向に動くので界磁巻線W1にB方向と反対のA方向に移動する移動磁界を発生させることによって、電機子巻線W2はより多くの磁束を切るようになるので、フレミングの右手の法則によって電機子巻線W2に電磁誘導によって高い誘導電圧を生じる。この時流れる誘導電流と移動磁界Aとの間にフレミングの左手の法則によって現れる電磁力が強い制動力となって作用し、外パイプ29とこれに連結された懸架装置KSの運動が減衰する。このようにして、懸架装置KSの懸架ばねに蓄積された変位エネルギーが電気エネルギーとして回生される。
【0064】
上記リニア形発電機1Dを利用した発電ダンパを懸架装置KSに適用した装置構成例を図11に示す。図11において、スイングアーム8の基端部を上下揺動自在な状態で車体フレーム10に支持し、スイングアーム8の先端部に連結された支持パイプ9の上端部を懸架装置KSのコイルばね13によって車体フレーム10に支持させるとともに、上記支持パイプ9の上端部を前記リニア式発電機1Dの外パイプ29に連結している。上記構造において、車輪11の変位エネルギによってコイルばね13が伸縮し、このコイルばね13の伸縮に応じてリニア式発電機1Dの内パイプ27と外パイプ29が相対的に直線振動する。例えば、図11のように、車輪11が突起に乗り上げるとスイングアーム8が矢印のように上方に角変位し、支持パイプ9がコイルばね13を矢印Aの方向に圧縮する。このとき、外パイプ29が矢印Aの方向に移動する(このとき、内パイプ27はB方向に動く)ので、前述のように、界磁巻線W1(円筒状巻線25)に矢印A方向に移動する移動磁界を励磁することにより、減衰力を増大させることができる。
【0065】
リニア形発電ダンパでは、ロータリー形発電ダンパと比較して、ロータがスライダー(内パイプ27が相当する)に替わり、回転磁界が直線運動磁界に替わる事になる。
なお、図12に示すように、上記支持パイプ9の直線振動をボール・スクリュウの働きを利用して角振動に変換し、前記リニア式発電機1Dの代わりに前述のロータリー式発電機1A,1Bを使う方法も可能である。なお、この場合は、回転磁界の方向を直線振動の方向に応じて切り換えることが必要である。
【0066】
〔別実施形態〕
上記第1及び第2実施形態では、増速機構ZKを構成するのに歯車伝動(ギア機構)を利用したが、この他利用できる技術として、発電機1A,1Bの取り付け位置に自由度を持たせると共にスイングアーム8の角変位を拡大するために、ベルト伝動等を利用することも可能である。具体的には、発電機1A,1Bのロータ3,6とスイングアーム8の回転部にプーリーを取付け、2つのプーリーの間をVベルトでつなぐ、いわゆる動力伝達の方法を用いる。
【0067】
上記実施形態では、回生された電力を貯蔵するエネルギ蓄積部をバッテリー19で構成したが、バッテリー19以外に、コンデンサーやキャパシタ等を利用することも出来る。
【0068】
次に、図10に示すリニア式発電機の一部構造の変形例を図13に示す。この変形構造では、界磁巻線W1は内パイプ27のパイプ内周部にパイプ軸方向に向く状態で間隔を隔てて巻かれた複数の小径巻線40で構成され、パイプの各小径巻線40の間には鉄製のリング42がはめられ、隣接する各巻線40による磁極はNS,SN,NSのように反対向きの磁極になっている。中央パイプ26には長方形断面形状の溝が形成され、この溝に、複数の円筒状巻線41からなる電機子巻線W2が巻かれている。以上の構造によって、図13に示す磁気回路が形成され、内パイプ27と中央パイプ26を軸方向に相対移動させることにより、電機子巻線W2(各円筒状巻線41)に誘導電圧を発生させることができる。
【0069】
以上の説明では、本発明の発電ダンパを自動車のマクファーソン式懸架装置に適用した場合について記述したが、本発明の発電ダンパはこれに限定されることはなく、油圧ダンパ等の減衰要素が用いられる分野に広く及ぶものである。製品分野に関して言うと、自動車では、ダブルウィッシュボーン式、マルチリンク式等の懸架装置は勿論、航空機降着装置、鉄道車両懸架装置、建設機械懸架装置、農業機械懸架装置、オートバイ懸架装置、雪上車懸架装置等を具体的に挙げることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る発電ダンパの発電機構造を示す断面図
【図2】本発明の第1実施形態に係る発電ダンパの発電機構造の変形を示す断面図
【図3】本発明の第1及び第2実施形態に係る発電ダンパ装置を備えた懸架装置の構造を示す断面図
【図4】本発明の発電ダンパ装置の制御ブロック図
【図5】第2実施形態に係る発電ダンパの発電機構造を示す斜視図
【図6】第2実施形態における界磁の駆動電流波形図
【図7】第2実施形態における界磁の駆動電流波形図
【図8】第3実施形態に係る発電ダンパの発電機構造を示す断面図
【図9】第3実施形態における界磁巻線の結線図
【図10】第3実施形態における励磁磁界の磁気回路図
【図11】第3実施形態における発電ダンパ装置を備えた懸架装置の構造を示す断面図
【図12】伝動機構の変形例を示す概略構成図
【図13】別実施形態における励磁磁界の磁気回路図
【符号の説明】
1 発電機
1A ロータリー式発電機
1B ロータリー式発電機
1C ロータリー式発電機
1D リニア式発電機
11 車輪
16 状態検出センサ
17 励磁電源部
18 制御部
19 エネルギ蓄積部
100 伝動機構
KS 懸架装置
W1 界磁巻線
W2 電機子巻線
ZK 増速機構
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種車両に適用される発電ダンパ装置に関し、詳しくは、界磁巻線により励磁される磁界と電機子巻線との相対移動によって発電する発電機と、車輪の変位により懸架装置に蓄積された変位エネルギによって前記磁界と前記電機子巻線とを相対移動させる伝動機構を備え、前記伝動機構により前記発電機を作動させて前記変位エネルギを電気エネルギに回生して振動を減衰させる発電ダンパ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車等の車両の操縦安定性を確保するとともに乗心地を良くするために、懸架装置においては懸架バネに蓄えられた弾性エネルギ等を熱エネルギに変えて放散する油圧ダンパ装置が使用されている。
自動車の油圧ダンパ装置が消費するエネルギの一例について、入手したデータを解析して調べたところ、排気量1300ccクラスの自動車で少し荒れた舗装路を時速60kmで走行すると、639.9Wのエネルギを消費するという結果が得られた。即ち、一般家庭で良く使われている20Wの蛍光灯を32本点灯させるのと同じエネルギを油圧ダンパが消費していることになる。油圧ダンパのエネルギ消費は路面の状態が悪いと走行中継続することになり、排気量の大きな自動車ではさらに大きなエネルギ消費を伴うので、省エネの観点から無視できる値ではない。
【0003】
一方、近年では、車両に対する省エネルギ技術の要請は極めて高く、走行中に油圧ダンパによって消散しているエネルギを電気エネルギとして回生できる次世代の懸架装置用の発電ダンパ装置が求められている。このような情勢を示すように、例えば、1999年4月から「エネルギーの使用の合理化に関する法律」いわゆる「省エネ法」が施行され、自動車の燃費は現在商品化されている製品のうち最も優れているもの以上にするというトップランナー方式が導入され、併せて勧告に従わなかった場合の公表、命令、罰則も規定されました。
【0004】
油圧ダンパを廃止して発電ダンパ装置を実用化しようとする技術としては、従来、以下のようなものが提案されている。
先ず、「自動車の磁力式サスペンション装置」と題する特許公開公報(特許文献1参照)には、懸架装置に蓄えた変位エネルギを発電機によって電気エネルギに変換するという発想を見ることができる。しかし、この装置では、回生した電気エネルギを可変抵抗器で熱エネルギとして放散することによって振動減衰を行っており、省エネの観点が見られない。
【0005】
次に、「振動減衰装置」と題する特許公開公報(特許文献2参照)では、振動速度が遅い領域では発電される電力が小さく減衰力も不足するので、エネルギが必要なアクチュエータを作動させて振動減衰させている。また、「振動エネルギを電気的なエネルギとして蓄えアクティブ制御を行う防振装置」と題する特許公開公報(特許文献3参照)では、2個の直流モータをばね下とばね上に配置し、ばね下の直流モータで発電し、この発電した電気エネルギを利用してばね上の直流モータをアクチュエータとして使い、ばね上の振動減衰を行っている。しかし、上記「振動減衰装置」及び「防振装置」では、アクチュエータを作動させて振動減衰を行っており、省エネを目指していないことは明らかである。
【0006】
次に、「車両のサスペンション装置」と題する特許公開公報(特許文献4参照)では、機械的な増速機構を使ってサスペンションでの変位を増幅して、発電効率を上げようとしているが、機械的な増速機構を用いているので、制御(減衰力の調節)には不適で重量が増加する不利もある。
【0007】
【特許文献1】
特開平4−129815号公報(第1−3頁、図1−図3)
【特許文献2】
特開平10−274281号公報(第2−5頁、図1−図6)
【特許文献3】
特開平11−65679号公報(第2−4頁、図1−図15)
【特許文献4】
特開2001−55033号公報(第2−3頁、図1−図2)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の発電ダンパ装置を実用化する上では、ダンパが吸収するエネルギの不足、特に、車両が凹凸の大きい路面を遅い車速で走行したときに、懸架装置のばねが蓄える変位エネルギ(変位量)は大きくなるが、ばねの変位に伴う磁束の変化率(変化速度)が小さいため、発電機での誘導起電力が弱く減衰力不足に陥ることが最大の問題であった。
【0009】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両の運動状態にかかわらず十分な減衰力を発生させることが可能であり、併せて、省エネルギを実現することが可能となる発電ダンパ装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る発電ダンパ装置の第一の特徴構成は、請求項1に記載した如く、車両の運動状態を検出する状態検出センサと、前記磁界が前記電機子巻線に対して変化するように前記界磁巻線に通電して励磁する励磁電源部と、前記状態検出センサの検出情報に基づいて、前記磁界と前記電機子巻線との相対移動に対する減衰力を増加させるように前記励磁電源部を駆動制御する制御部を備える点にある。
【0011】
同第二の特徴構成は、請求項2に記載した如く、上記第一の特徴構成に加えて、前記回生した電気エネルギを蓄積するとともに、蓄積した電気エネルギを前記励磁電源部に供給するエネルギ蓄積部を備えている点にある。
【0012】
同第三の特徴構成は、請求項3に記載した如く、上記第一又は第二の特徴構成に加えて、前記発電機は、前記界磁巻線による磁界と前記電機子巻線とが共通軸線周りに相対回転するロータリー式発電機である点にある。
【0013】
同第四の特徴構成は、請求項4に記載した如く、上記第一又は第二の特徴構成に加えて、前記発電機は、前記界磁巻線による磁界と前記電機子巻線とが軸線方向に相対移動するリニア式発電機である点にある。
【0014】
同第五の特徴構成は、請求項5に記載した如く、上記第一から第四のいずれかの特徴構成に加えて、前記励磁電源部は、励磁電流の通電と遮断により前記磁界を断続発生させるものである点にある。
【0015】
同第六の特徴構成は、請求項6に記載した如く、上記第一から第五のいずれかの特徴構成に加えて、前記励磁電源部は、前記磁界を前記電機子巻線に対して相対的に移動させるものである点にある。
【0016】
同第七の特徴構成は、請求項7に記載した如く、上記第一から第六のいずれかの特徴構成に加えて、前記伝動機構は、前記磁界と前記電機子巻線との相対移動速度を増加させるために、前記懸架装置に備えたバネの伸縮による変位を増大させる増速機構を備えている点にある。
【0017】
以下に、本発明に係る発電ダンパ装置の作用並びに効果を説明する。
第一の特徴構成によれば、界磁巻線により励磁される磁界と電機子巻線との相対移動によって発電する発電機を、車輪の変位により懸架装置に蓄積された変位エネルギによって上記磁界と電機子巻線とを相対移動させる伝動機構により作動させて、上記懸架装置に蓄積された変位エネルギを電気エネルギに回生して振動を減衰させるときに、車両の運動状態を検出する状態検出センサの検出情報に基づいて、制御部が上記界磁巻線により励磁される磁界が電機子巻線に対して変化するように界磁巻線に通電して励磁する励磁電源部を駆動制御して、上記磁界と電機子巻線との相対移動に対する減衰力を増加させる。
【0018】
すなわち、上記界磁巻線により励磁される磁界が電機子巻線に対して変化していないときは、その静止した励磁磁界と電機子巻線との相対移動に対する減衰力は、懸架装置に蓄積された変位エネルギによって上記励磁磁界と電機子巻線とが相対移動するときの相対移動速度だけによって定まるが、本願発明では、車両の運動状態に基づいて上記励磁磁界を電機子巻線に対して変化させて、その励磁磁界の変化によって発生した減衰力が上記静止磁界の場合の減衰力に加算されて減衰力を増加させることができる。そして、この場合、励磁磁界の変化状態を適宜調整することで減衰力を適切な値に設定することができる。
従って、車両の運動状態にかかわらず十分な減衰力を発生させることが可能である発電ダンパ装置が提供される。
【0019】
同第二の特徴構成によれば、前記発電機によって回生した電気エネルギがエネルギ蓄積部に蓄積されるとともに、エネルギ蓄積部に蓄積した電気エネルギが前記励磁電源部に供給される。
すなわち、本願発明の発電ダンパ装置では、懸架装置に蓄積された変位エネルギから前記発電機によって回生された電気エネルギと、前記減衰力を増加させるために前記励磁電源部に通電して磁界エネルギに変換されたのち前記発電機によって再度回生された電気エネルギとを合わせたエネルギがエネルギ蓄積部に蓄積され、そのエネルギ蓄積部に蓄積された電気エネルギが前記励磁電源部に供給されて上記変化する磁界の励磁に使われる。ここで、変位エネルギから電気エネルギへの変換、電気エネルギから磁気エネルギへの変換及び磁気エネルギから電気エネルギへの変換の各過程では、銅損、鉄損、機械損などの変換ロスが生じるが、これらのロスを小さくすることは可能である。
従って、前記減衰力の増加に併せて、省エネルギを実現することが可能となる発電ダンパ装置が提供される。
【0020】
同第三の特徴構成によれば、ロータリー式発電機が、懸架装置に蓄積された変位エネルギによって前記界磁巻線による磁界と前記電機子巻線とを共通軸線周りに相対回転させて発電する。
すなわち、前記伝動機構を懸架装置に蓄積された変位に伴い例えば先端部が上下方向に揺動する横アームなどで構成して、その横アームの基端部と車体側との間に上記ロータリー式発電機を設けるようにすると、従来の回転式の誘導発電機などを本願の発電ダンパ用の発電機として用いることができる。
従って、従来の回転式の誘導発電機などを利用した本発明の発電ダンパ装置の好適な実施形態が実現される。
【0021】
同第四の特徴構成によれば、リニア式発電機が、懸架装置に蓄積された変位エネルギによって前記界磁巻線による磁界と前記電機子巻線とを軸線方向に相対移動させて発電する。
すなわち、前記伝動機構を懸架装置に蓄積された変位に伴い例えば下端部が上下方向に揺動する縦アームなどで構成して、その縦アームの上端部と車体側との間に上記リニア式発電機を設けるようにすると、従来のリニアモータなどを本願の発電ダンパ用の発電機として用いることができる。
従って、従来のリニアモータなどを利用した本発明の発電ダンパ装置の好適な実施形態が実現される。
【0022】
同第五の特徴構成によれば、前記励磁電源部は、前記界磁巻線に対する励磁電流の通電と遮断により前記界磁巻線により励磁される磁界を断続発生させて、前記電機子巻線に対して変化させる。
すなわち、界磁巻線に励磁電流を通電して磁界を励磁した状態と励磁電流を遮断して磁界を励磁しない状態を繰り返すだけの簡易な電流駆動構成により、前記磁界を前記電機子巻線に対して変化させて前記減衰力を増加させる。
従って、簡易に構成できる本発明の発電ダンパ装置の好適な実施形態が提供される。
【0023】
同第六の特徴構成によれば、前記励磁電源部は、前記界磁巻線により励磁される磁界を前記電機子巻線に対して相対的に移動させることにより変化させる。
すなわち、前記懸架装置に蓄積された変位エネルギにより前記発電機において前記界磁巻線により励磁される磁界を前記電機子巻線に対して相対的に移動させて、前記減衰力を増加させる。
上記磁界と前記電機子巻線との相対移動について例示すれば、前記ロータリー式発電機の場合では、上記磁界として電機子巻線に対して相対回転させる回転磁界を生成し、また、前記リニア式発電機の場合では、上記磁界として電機子巻線に対して直線的に移動させる直線磁界を生成して、前記減衰力を増加させる。
従って、従来の回転式の誘導発電機などを利用して本発明の発電ダンパ装置を容易に実現することができる好適な実施形態が提供される。
【0024】
同第七の特徴構成によれば、前記伝動機構に備えた増速機構が、前記磁界と前記電機子巻線との相対移動速度を増加させるため、前記懸架装置に備えたバネの伸縮による変位エネルギの電気エネルギへの変換効率が増大する。
すなわち、前記懸架装置に蓄積された変位が比較的小さくても、増速機構によって前記懸架装置に備えたバネの伸縮による変位が増大して、前記磁界と前記電機子巻線との相対移動速度が増加するので、前記磁界と前記電機子巻線との相対移動に対する減衰力を大きくすることができる。
従って、前記懸架装置に生じた変位が比較的小さい場合においても十分な減衰力を発生させることが可能となる本発明の発電ダンパ装置の好適な実施形態が提供される。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明に係る発電ダンパ装置の実施形態について、以下、図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
先ず、界磁巻線により励磁される磁界を電機子巻線に対して変化させる方法として、インバーターの技術を使って、上記磁界を電機子巻線に対して相対的に回転させる回転磁界を利用する方法がある。
すなわち、バッテリー等から供給される直流を、インバーターの技術を使うことで任意の周波数を持つ交流に変換することが出来るので、これを利用することで必要な回転速度をもった回転磁界を作り出せる。例えば2極機の交流発電機ならば、fHzの交流の場合、磁界は1秒間にf回転する。
従って、第1実施形態では、界磁巻線W1により励磁される磁界と電機子巻線W2との相対移動によって発電する発電機1が、界磁巻線W1による磁界と電機子巻線W2とが共通軸線K周りに相対回転するロータリー式発電機1Aである。
【0026】
以下、回転磁界を使った発電ダンパの原理を、図1の三相同期発電機の回転界磁形と呼ばれる構造に基づいて説明する。
従来行われている発電方法は、ロータ3のコイルに電源から直流を流して電磁石とし、このロータ3を回転させてステータ2に三相起電力を発生させている。これに対して本発明の第1実施形態の発電ダンパでは、ステータ2のコイルを界磁巻線W1とし、ロータ3のコイルを共通軸線K周りに回転する電機子巻線W2として、懸架装置と連結されたロータ3が矢印Bの方向に回転しているときに、バッテリーの直流をインバーターで三相交流に変換してステータ2の3つの端子a,b,cに加え、ステータ2の界磁巻線W1に矢印Bと逆の矢印Aのような左回りの回転磁界を発生させる。
【0027】
これによって、ロータ3の電機子巻線W2はより多くの磁束を切るようになるので電磁誘導で単相のより高い起電力が生じる。このロータ3の電機子巻線W2に新たに生じた誘導電流によって発生する磁界とステータ2の回転磁界Aとの間で生じる電磁力が、ロータ3の運動に制動トルクを加える(減衰力が増大する)ために、これと連結された懸架装置の運動も減衰することになる。そして、ロータ3の電機子巻線W2に生じた電流はスリップリング4とブラシ5から取り出し、ロータ3に加えられた懸架装置の力学的エネルギーを電気エネルギーとして回生すると同時に、上記回転磁界を発生させるために加えられた電気エネルギも、電気磁気変換及び磁気電気変換の過程を経て再度電気エネルギとして回生する。
【0028】
回転磁界を加えることによる減衰力の増大効果は次のように説明される。
ロータ3の角速度をω1、ステータ2の界磁巻線W1に加えられた回転磁界の角速度をω2とする。磁束Φを正弦波で表わし、振幅をΦo,時間をtで表すと、相対角速度は(ω1+ω2)になるので、磁束Φは次式▲1▼で表わされる。
【0029】
【数1】
Φ=Φosin(ω1+ω2)t −−−−−−−−−−▲1▼
【0030】
電磁誘導により発生する電圧Eは、磁束Φの時間変化に比例するので、次式▲2▼となる。
【0031】
【数2】
E=−dΦ/dt=−Φo(ω1+ω2)cos(ω1+ω2)t −−−−−▲2▼
【0032】
ここで、cos(ω1+ω2)tの最大値は、次式▲3▼
【0033】
【数3】
|cos(ω1+ω2)t|≦1 −−−−−−−−−−−▲3▼
【0034】
より1になるので、Eの最大値Emは次式▲4▼のようになる。
【0035】
【数4】
Em=Φo(ω1+ω2) −−−−−−−−−−−▲4▼
【0036】
周波数をfとすると、ω=2πfであり、これを上式▲4▼に代入すると次式▲5▼となる。
【0037】
【数5】
Em=2πΦo(f1+f2) −−−−−−−−▲5▼
【0038】
この式▲5▼より、誘導電圧の最大値Emは振幅Φoが一定ならば周波数(f1+f2)に比例することが分かる。したがって、インバーターを使って高い周波数f2を界磁巻線W1に加えることによって、誘導電圧Emを高めることが出来る。また、磁界の強さΦoを強くすることによっても、Emは高めることが出来る。
従って、この方法によれば、減衰力は回転磁界の強さ(振幅)や速さ(角速度)を変更することによって変えることが出来る。
【0039】
ここで、本発明の発電ダンパにおけるエネルギーの流れを、エネルギー保存の法則から考察すると次のようになる。
入力エネルギ=懸架ばねの変位エネルギ(懸架装置に蓄積された変位エネルギ)+電源から供給された電気エネルギ
出力エネルギ=懸架ばねの変位エネルギから変換回生された電気エネルギ+電源から供給された電気エネルギが磁界のエネルギに変換されたのち再度変換回生された電気エネルギ
【0040】
この解析により、懸架ばねの変位エネルギーが電気エネルギーに変換され、また、磁界発生用に電源から供給された電気エネルギが再度電気エネルギーに変換されて電源に送られて、後述するように(図4参照)バッテリーに充電されることになる。また、このエネルギー変換の過程では、変換に伴う必然的なエネルギー損失として、導線の電気抵抗による銅損、鉄のヒステリシスによる鉄損、軸受摩擦による機械損が生じるが、これらは良く知られているように大きい値ではない。
以上のようにして、懸架ばねの変位エネルギを電気エネルギに変換すると共に、インバータの増幅作用で必要な減衰力を得ることが出来る。
【0041】
なお、図示はしないが、上記回転界磁形の発電機において、ロータ3を電機子巻線W2ではなく界磁巻線W1とし、ステータ2を界磁巻線W1ではなく電機子巻線W2とする構成において、ロータ3の界磁巻線W1に単相交流電流を流し、ロータ3の角変位に応じてステータ2の電機子巻線W2から、3相の誘導電流を取り出すことが出来るように変更することは、容易に推測される。
【0042】
図1では、回転界磁形と呼ばれる構造を利用したが、次に回転電機子形と呼ばれる構造を使った発電ダンパを図2に示す。図2の発電機1もロータリー式発電機1Bであり、ロータ6のコイルを界磁巻線W1とし、ステータ7のコイルを電機子巻線W2とする。ロータ6が懸架ばねの変位エネルギで矢印Aの方向に回転しているときに、バッテリーの直流をインバーターで三相交流に変換し、ロータ6の端子a,b,cに接続してロータ6の界磁巻線W1に矢印AAの回転磁界を発生させることによって、ステータ7の電機子巻線W2に単相のより大きい電流を発生させる。
以上の実施例では、三相同期発電機が2極の構造を有する場合を示したが、この極数が増加しても、発電ダンパとして利用できることは言うまでもない。
【0043】
次に、以上述べた発電ダンパ装置を、自動車の懸架装置に適用した場合における車輪まわりの装置構成を図3に示す。図3の懸架装置KSはストラット懸架装置と呼ばれる形式で、車輪11を支持するスイングアーム8の軸受部に前記ロータリー式発電機1A,1Bを設置した構造である。スイングアーム8の基端部を前記ロータリー式発電機1A,1Bのロータ3,6に連結し、ステータ2,7を車体フレーム10に固定する。さらに、スイングアーム8の先端部に支持パイプ9の下端部を連結し、支持パイプ9の上端部をスライドベアリング12によって車体フレーム10側の支持ロッド10Aに連結するとともに、コイルばね13によって車体フレーム10に支持させる。この構造で車体の重量はコイルばね13が支持し、コイルばね13に蓄積された変位エネルギによる上下運動の案内は、支持ロッド10Aがスライドベアリング12を介して支持パイプ9の内部に出入りすることで行われる。上記構造により、現在採用されている油圧ダンパは廃止される。
【0044】
従って、上記構造において、スイングアーム8や支持パイプ9等が、車輪11の変位により懸架装置KSに蓄積された変位エネルギによって、前記ロータリー式発電機1A,1Bにおいて前記界磁巻線W1により励磁される磁界と前記電機子巻線W2とを相対移動させる伝動機構100を構成する。そして、この発電ダンパ装置では、上記伝動機構100により前記ロータリー式発電機1A,1Bを作動させて前記懸架装置KSに蓄積された変位エネルギを電気エネルギに回生してコイルばね13の振動(即ち、車体の振動)を減衰させる。
【0045】
一般に車輪11の変位はそれほど大きくなく、スイングアーム8の回転軸部の角速度は小さいので、上記伝動機構100は、前記界磁巻線W1により励磁される磁界と前記電機子巻線W2との相対移動速度を増加させるために、前記懸架装置KSに備えたコイルバネ13の伸縮による変位速度を増大させる増速機構ZKを備えている。増速機構ZKは、具体的には、図3に示すように、スイングアーム8の基端部に固定された大径ギア14と、ロータリー式発電機1A,1Bのロータ軸に固定され且つ上記大径ギア14に噛み合う小径ギア15とで構成され、スイングアーム8の回転角速度に対してロータリー式発電機1A,1Bのロータの回転速度を増幅している。
【0046】
本発明の発電ダンパ装置のシステム全体の構成を図4に示す。図4のブロック線図に示すように、前記伝動機構100や発電機1等の他に、車両の運動状態を検出する状態検出センサ16と、前記界磁巻線W1により励磁される磁界が前記電機子巻線W2に対して変化するように前記界磁巻線W1に通電して励磁する励磁電源部17と、前記状態検出センサ16の検出情報に基づいて、前記界磁巻線W1により励磁される磁界と前記電機子巻線W2との相対移動に対する減衰力を発生させるように前記励磁電源部17を駆動制御する制御部18と、直流電圧を供給するバッテリー19を備えている。そして、上記励磁電源部17は、前記界磁巻線W1により励磁される磁界を前記電機子巻線W2に対して相対的に移動させるものであり、具体的には、上記磁界を電機子巻線W2に対して回転させるために、バッテリー19から供給される直流を任意の周波数の交流に変換するインバーター回路などで構成される。
【0047】
図4において、走行する自動車は前記懸架装置KSによって支えられ、発電ダンパの役割は懸架装置KSのコイルばね13のたわみ速度を調節し、ばね13に蓄えられた変位エネルギを電気エネルギに変換して適宜回収することである。この発電ダンパの働きによって、良い乗り心地と操縦性さらには安定性が確保される。ここで、従来の油圧ダンパに替わって発電ダンパを採用すると、変位エネルギーの一部が電気エネルギーとして回生されるが、車速が遅く荒れた路面を走行すると減衰力不足になる。この不足分を算出するために、まず車両の運動状態を表す状態量を前記状態検出センサ16で検出する。状態検出センサ16は、具体的には、車両の運動状態として、ばねの変位、ばね下加速度、ばね上加速度、車体の速度、ハンドルの操舵角等を検出する各種のセンサで構成され、各センサからの検出信号が制御部18に入力される。
【0048】
制御部18では、状態検出センサ16からの情報を解析して、不足する減衰力を算出する。このために、例えば、乗り心地を判断するためのばね上加速度波形に対して高速フーリエ変換を行って得られたパワースペクトルを、予め設定しておいた制御目標のパワースペクトルと比較して、減衰力の過不足を判断する。多くの場合は、減衰力が不足するので、この不足量を補うために、前記励磁電源部17を駆動制御して、前記界磁巻線W1に磁束線の変化を増大させるような電流を供給する。これによって、フレミングの右手の法則に従い、電機子巻線W2により大きな誘導電流が流れるため、界磁巻線W1に励磁される磁界との間でフレミングの左手の法則に従うトルクが発生し、このトルクが減衰力となって、発電機1のロータとこれに連結された懸架装置KSの運動が減衰させられる。
【0049】
発電ダンパ装置によって減衰力を切り換えて、良い乗り心地と操縦安定性を確保する具体例を説明する。例えば自動車が旋回する時、車体の速度を検出する車速センサとハンドルの操舵角を検出するステアリング・センサの信号を制御部18に入力し、制御部18の出力信号で減衰力を高い側に切換えて、車体のロール角を小さくする。急制動時のダイブ制御、急加速時のスクワット制御では、いずれも減衰力を高い側に切り替えて動きを抑制する。また、路面の凹凸に応じて減衰力を制御し、乗心地と車輪の接地性をうまく両立させることができる。このために、良路では減衰力を小さく、悪路では減衰力を高く設定する。
【0050】
図3では、車輪11が路面突起に乗り上げると、スイングアーム8が矢印Aの方向に回転すると同時にロータも矢印Bの方向に角変位し、支持パイプ9が矢印Cの方向に変位してコイルばね13を圧縮する。このときロータの角変位が発電機1の外部仕事になり、界磁巻線W1の発生する磁界を電機子巻線W2が切ることによって、発電機1において上記外部仕事が電気エネルギーに変換され回生される。なお、スイングアーム8は上下揺動して角変位の方向が変わるので、ホール素子やロータリーエンコーダのセンサー等によって、スイングアーム8の動きを検出して、前記回転磁界A,AAの方向を切り替える。
【0051】
図4に示すように、発電機1で回生された電気エネルギはバッテリー19に蓄えられるとともに、バッテリー19から励磁電源部17に直流電圧が供給されている。従って、このバッテリー19によって、前記発電機1が回生した電気エネルギを蓄積するとともに、蓄積した電気エネルギを前記励磁電源部17に供給するエネルギ蓄積部19が構成される。
【0052】
ところで、図4では図示を省略しているが、前記ロータリー式発電機1A,1Bの場合のように、発電ダンパで得られた電流が交流の場合はこれをコンバーターで直流に変換しバッテリー19を充電する。また、発生した回生電流をバッテリー19に直接供給すると、車輪11の振動が激しくなった場合、電流値が大きくなって過充電が起こったり、他の電気装置が破損したりすることがあるので、発生起電力が設定値よりも上昇した場合、回生電流を減少させて充電電圧を一定に保つために、電圧調整器をつけてもよい。
【0053】
以上のように、本発明の発電ダンパは、懸架装置KSに蓄えられるエネルギを全て発電機1で回生することを目的にして、バッテリー19から供給される電気エネルギを用いてインバータの技術を利用して移動磁界(回転磁界)を発生させるところに特徴がある。その結果、本発明の発電ダンパ装置により、リアルタイムの減衰力制御が容易になるので,最良の乗心地と操縦安定性を確保しながら,しかもエネルギを回生して省エネルギも実現できることになる。言い換えると、本発明の発電ダンパは、制御対象の振動をリアルタイムで制御できるので、いわゆるセミアクティブダンパを構成することによって、現在広く使われているパッシブ・ダンパよりも性能を向上させながら、省エネを達成することが出来る。
【0054】
〔第2実施形態〕
上記第1実施形態では、回転磁界を励磁する交流発電機型のロータリー式発電機を利用したが、第2実施形態では、図5に示す直流発電機型のロータリー式発電機1Cを利用して発電ダンパを構成している。以下、第1実施形態と相異する点について説明する。
図5に示すように、左右に位置する積層鉄板20にコイル21が巻かれておりこのコイル21に端子a,bから電流を流し電磁石を構成している。図5では矢印の方向に電流を流し、左側がN極で右側がS極になっている。したがって、左右の積層鉄板20が界磁で、巻かれたコイル21が界磁巻線W1に相当する。ロータコイル22が電機子巻線W2に相当する。尚、図では電機子巻線W2を簡単化して1巻の構造で図示している。このロータコイル22が前記懸架装置KSと連結され、懸架装置KSのばね13の変位エネルギでX−X’ 軸(共通軸線)周りに矢印Bの方向に角変位している状態にある。この時、コイル21による界磁磁界の磁束線をロータコイル22の電機子巻線W2が切ることで電磁誘導が生じるが、その場合に、誘導電圧を大きくするには、磁束線の変化率を大きくすることが必要である。以下に、その方法を説明する。
【0055】
バッテリー19の直流をチョッパの技術を使って、高頻度で通電・遮断して上記コイル21に供給すれば、磁束の変化率が大きくなる。そして、第2実施形態では、前記励磁電源部17が、励磁電流の通電と遮断により前記界磁巻線W1により励磁される磁界を断続発生させている。
【0056】
図6と図7に、バッテリー19の直流をチョッパで断続した時の駆動電流波形を示している。図において、ロータコイル22の回転方向の変化(懸架装置KSのコイルばね13の変位方向の変化)に対応させて、駆動電流Iの向き(正負)を反転変化させている(変化点をt1,t2で表わす)。なお、図7の電流波形は、パルスが立上がりと立下りで非対称になっている。この理由は、磁束の増加時と減少時とで電磁誘導の効果が相殺されるのを防ぐためである。このような電流を、界磁巻線W1の端子a,bから流して、電磁石とする。誘導起電力は、ロータコイル22(電機子巻線W2)が切る磁束の本数に比例するので、次々と新しい磁束に切り替えることによって同じ角変位であってもより大きい誘導電圧が発生する。
単位時間にロータコイル22が角変位して切る磁束線の数をnとし、チョッパによって磁束がm回断続したとすると、ロータコイル22が通過した磁束線の本数Nはn・m(N=n・m)となり、誘導起電力はm倍大きくなったことになる。
このようにして、発電ダンパのエネルギ吸収量はm倍になる。これを利用して、走行状態に対応してmを制御すれば、最適の減衰力を設定できる。
【0057】
懸架装置KSのコイルばね13の変位方向が逆になってロータコイル22(電機子巻線W2)の回る方向が逆になると、誘導電流の方向も逆になるので、これに対応して、界磁巻線W1の励磁電流の向きを反転させるために励磁電源部17から流す電流の方向も反対にすれば、スリップリング23とブラシ24からは電流の方向が変わらない直流を取り出すことが出来る。この場合は、誘導電流を整流せずに、バッテリー19に充電して蓄えることが可能になる。
これまでは、ステータ(積層鉄板)側の界磁用コイル21にチョッパ電流を流して電磁石としたが、これとは逆にロータ側を界磁にしてロータコイル22に電流を流し(ロータコイル22を界磁巻線W1とし)、ステータ側のコイル21を電機子巻線W2として誘導電流を取り出すことも可能である。
【0058】
〔第3実施形態〕
上述した第1、第2実施形態の発電ダンパは、界磁巻線W1による励磁磁界と電機子巻線W2が共通軸線周りに回転するロータリー式発電機を利用するものであった。これに対し、第3実施形態では、直線的に作動する筒型の油圧ダンパのように、前記界磁巻線W1による磁界と前記電機子巻線W2とが軸線方向に相対移動するリニア式発電機1Dを発電ダンパに利用している。以下、第1、第2実施形態と相異する点について説明する。
【0059】
図8にリニア式発電機1Dの構造を示す。中央パイプ26の外周面には、パイプ軸線と直角方向向きの複数の巻線25で構成される界磁巻線W1が規則正しく配列されており、その外側に位置する内パイプ27の内周面に、複数の円筒状巻線28からなる電機子巻線W2が配置されている。また、内パイプ27の外周には軸方向に移動する外パイプ29がはめ込まれている。外パイプ29の右半分は拡管によって内径が広げられ、その内径が広げられた位置に、スペーサー31を真ん中にして2個のドライベアリング30で前後を挟んだ構造のドライメタルからなる軸受パイプ36が配置され、内パイプ27と外パイプ29が軸方向に滑らかに移動する構造としている。そして、内パイプ27と外パイプ29の共通する軸方向Y−Y’ が、リニア式発電機1Dにおける軸線方向に相当する。なお、後述の磁気回路(図10参照)を形成するために、中央パイプ26と内パイプ27は軟鉄等の磁性材料で作製する。また、外パイプ29はアルミ製である。
【0060】
上記外パイプ29の左端には、蓋部材32が外周をかしめ加工で留められ、この蓋部材32に形成した円筒状の突起部32Aに中央パイプ26がはめ込まれて固着保持されており、中央パイプ26の左端部には内パイプ27と外パイプ29が衝突したときの衝撃力を緩和するために、ゴム製の緩衝リング33がはめられている。さらに、リニア式発電機1Dの両側には、夫々取付けリング34,35が設けられ、内パイプ27が右側の取付けリング34によって車体側に連結され、外パイプ29が左側の取付けリング35によって車輪側に連結されている。
【0061】
界磁巻線W1(巻線25)の結線方法の一例を、図9に示す。巻線25は、単純化して1巻で表わしている。図8に示すように、複数の巻線25は3つ毎に結線されて3群に分けられ、各群に対する電流供給端子a,b,cが設けられている。端子aに対応する巻線群はaで表示し、同様に端子b,cに対応する巻線群はb,cで表示している。そして、軸方向で隣り合う巻線は、互いに逆の方向に巻かれている。この端子a,b,cに、三相交流を流して、軸方向に移動する磁界を作り出す。
【0062】
図10に、界磁巻線W1により発生した磁界による磁気回路を示している。界磁巻線W1を構成する各巻線25は、パイプ軸と直角方向を向いた軟鉄の回りに巻かれており、隣り合う巻線25でNS,SN,NSというように逆向きの磁界が励磁されている。これによって、隣り合う巻線25では図のような互いに逆周りの磁気回路が形成され、中央パイプ26と内パイプ27が相対的に軸方向に移動することによって、電機子巻線W2(各円筒状巻線28)に誘導電圧が発生する。なお、中央パイプ26と内パイプ27の相対移動に伴って各円筒状巻線28に誘導される誘導電圧は極性(誘導電流の方向)が変化するので、各円筒状巻線28は誘導電圧を互いに打ち消す(キャンセルする)ことがないように直列接続するか、あるいは並列に接続する。この誘導電圧を増大する方法は、次の通りである。
【0063】
図8に示すように、懸架装置KSと連結された外パイプ29が車輪の変位によってAの方向に移動する時に、電機子巻線W2がBの方向に動くので界磁巻線W1にB方向と反対のA方向に移動する移動磁界を発生させることによって、電機子巻線W2はより多くの磁束を切るようになるので、フレミングの右手の法則によって電機子巻線W2に電磁誘導によって高い誘導電圧を生じる。この時流れる誘導電流と移動磁界Aとの間にフレミングの左手の法則によって現れる電磁力が強い制動力となって作用し、外パイプ29とこれに連結された懸架装置KSの運動が減衰する。このようにして、懸架装置KSの懸架ばねに蓄積された変位エネルギーが電気エネルギーとして回生される。
【0064】
上記リニア形発電機1Dを利用した発電ダンパを懸架装置KSに適用した装置構成例を図11に示す。図11において、スイングアーム8の基端部を上下揺動自在な状態で車体フレーム10に支持し、スイングアーム8の先端部に連結された支持パイプ9の上端部を懸架装置KSのコイルばね13によって車体フレーム10に支持させるとともに、上記支持パイプ9の上端部を前記リニア式発電機1Dの外パイプ29に連結している。上記構造において、車輪11の変位エネルギによってコイルばね13が伸縮し、このコイルばね13の伸縮に応じてリニア式発電機1Dの内パイプ27と外パイプ29が相対的に直線振動する。例えば、図11のように、車輪11が突起に乗り上げるとスイングアーム8が矢印のように上方に角変位し、支持パイプ9がコイルばね13を矢印Aの方向に圧縮する。このとき、外パイプ29が矢印Aの方向に移動する(このとき、内パイプ27はB方向に動く)ので、前述のように、界磁巻線W1(円筒状巻線25)に矢印A方向に移動する移動磁界を励磁することにより、減衰力を増大させることができる。
【0065】
リニア形発電ダンパでは、ロータリー形発電ダンパと比較して、ロータがスライダー(内パイプ27が相当する)に替わり、回転磁界が直線運動磁界に替わる事になる。
なお、図12に示すように、上記支持パイプ9の直線振動をボール・スクリュウの働きを利用して角振動に変換し、前記リニア式発電機1Dの代わりに前述のロータリー式発電機1A,1Bを使う方法も可能である。なお、この場合は、回転磁界の方向を直線振動の方向に応じて切り換えることが必要である。
【0066】
〔別実施形態〕
上記第1及び第2実施形態では、増速機構ZKを構成するのに歯車伝動(ギア機構)を利用したが、この他利用できる技術として、発電機1A,1Bの取り付け位置に自由度を持たせると共にスイングアーム8の角変位を拡大するために、ベルト伝動等を利用することも可能である。具体的には、発電機1A,1Bのロータ3,6とスイングアーム8の回転部にプーリーを取付け、2つのプーリーの間をVベルトでつなぐ、いわゆる動力伝達の方法を用いる。
【0067】
上記実施形態では、回生された電力を貯蔵するエネルギ蓄積部をバッテリー19で構成したが、バッテリー19以外に、コンデンサーやキャパシタ等を利用することも出来る。
【0068】
次に、図10に示すリニア式発電機の一部構造の変形例を図13に示す。この変形構造では、界磁巻線W1は内パイプ27のパイプ内周部にパイプ軸方向に向く状態で間隔を隔てて巻かれた複数の小径巻線40で構成され、パイプの各小径巻線40の間には鉄製のリング42がはめられ、隣接する各巻線40による磁極はNS,SN,NSのように反対向きの磁極になっている。中央パイプ26には長方形断面形状の溝が形成され、この溝に、複数の円筒状巻線41からなる電機子巻線W2が巻かれている。以上の構造によって、図13に示す磁気回路が形成され、内パイプ27と中央パイプ26を軸方向に相対移動させることにより、電機子巻線W2(各円筒状巻線41)に誘導電圧を発生させることができる。
【0069】
以上の説明では、本発明の発電ダンパを自動車のマクファーソン式懸架装置に適用した場合について記述したが、本発明の発電ダンパはこれに限定されることはなく、油圧ダンパ等の減衰要素が用いられる分野に広く及ぶものである。製品分野に関して言うと、自動車では、ダブルウィッシュボーン式、マルチリンク式等の懸架装置は勿論、航空機降着装置、鉄道車両懸架装置、建設機械懸架装置、農業機械懸架装置、オートバイ懸架装置、雪上車懸架装置等を具体的に挙げることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る発電ダンパの発電機構造を示す断面図
【図2】本発明の第1実施形態に係る発電ダンパの発電機構造の変形を示す断面図
【図3】本発明の第1及び第2実施形態に係る発電ダンパ装置を備えた懸架装置の構造を示す断面図
【図4】本発明の発電ダンパ装置の制御ブロック図
【図5】第2実施形態に係る発電ダンパの発電機構造を示す斜視図
【図6】第2実施形態における界磁の駆動電流波形図
【図7】第2実施形態における界磁の駆動電流波形図
【図8】第3実施形態に係る発電ダンパの発電機構造を示す断面図
【図9】第3実施形態における界磁巻線の結線図
【図10】第3実施形態における励磁磁界の磁気回路図
【図11】第3実施形態における発電ダンパ装置を備えた懸架装置の構造を示す断面図
【図12】伝動機構の変形例を示す概略構成図
【図13】別実施形態における励磁磁界の磁気回路図
【符号の説明】
1 発電機
1A ロータリー式発電機
1B ロータリー式発電機
1C ロータリー式発電機
1D リニア式発電機
11 車輪
16 状態検出センサ
17 励磁電源部
18 制御部
19 エネルギ蓄積部
100 伝動機構
KS 懸架装置
W1 界磁巻線
W2 電機子巻線
ZK 増速機構
Claims (7)
- 界磁巻線により励磁される磁界と電機子巻線との相対移動によって発電する発電機と、車輪の変位により懸架装置に蓄積された変位エネルギによって前記磁界と前記電機子巻線とを相対移動させる伝動機構を備え、前記伝動機構により前記発電機を作動させて前記変位エネルギを電気エネルギに回生して振動を減衰させる発電ダンパ装置であって、
車両の運動状態を検出する状態検出センサと、前記磁界が前記電機子巻線に対して変化するように前記界磁巻線に通電して励磁する励磁電源部と、前記状態検出センサの検出情報に基づいて、前記磁界と前記電機子巻線との相対移動に対する減衰力を増加させるように前記励磁電源部を駆動制御する制御部を備える発電ダンパ装置。 - 前記回生した電気エネルギを蓄積するとともに、蓄積した電気エネルギを前記励磁電源部に供給するエネルギ蓄積部を備えている請求項1記載の発電ダンパ装置。
- 前記発電機は、前記界磁巻線による磁界と前記電機子巻線とが共通軸線周りに相対回転するロータリー式発電機である請求項1又は2記載の発電ダンパ装置。
- 前記発電機は、前記界磁巻線による磁界と前記電機子巻線とが軸線方向に相対移動するリニア式発電機である請求項1又は2記載の発電ダンパ装置。
- 前記励磁電源部は、励磁電流の通電と遮断により前記磁界を断続発生させるものである請求項1〜4のいずれかに記載の発電ダンパ装置。
- 前記励磁電源部は、前記磁界を前記電機子巻線に対して相対的に移動させるものである請求項1〜5のいずれかに記載の発電ダンパ装置。
- 前記伝動機構は、前記磁界と前記電機子巻線との相対移動速度を増加させるために、前記懸架装置に備えたバネの伸縮による変位を増大させる増速機構を備えている請求項1〜6のいずれかに記載の発電ダンパ装置。
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