JP2004212631A - 地図データ処理システム - Google Patents
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Abstract
【課題】受信側が非常に多く存在し、かつ常に通信ネットワークに接続できる環境にあるとは限らないという状況に適した、データ配信を行う枠組みを提供する。
【解決手段】地図データベースに記憶される地図データより、群連鎖反応符号化方式に基づきP個以上の符号化データを生成し、該符号化データごとに生成したパケットを放送波により放送する地図データ配信手段と、前記地図データ配信手段から放送されたパケット中の任意の異なるP個のパケットを受信し、群連鎖反応符号化方式に基づき該P個のパケットから前記地図データを復元する情報処理手段と、を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】地図データベースに記憶される地図データより、群連鎖反応符号化方式に基づきP個以上の符号化データを生成し、該符号化データごとに生成したパケットを放送波により放送する地図データ配信手段と、前記地図データ配信手段から放送されたパケット中の任意の異なるP個のパケットを受信し、群連鎖反応符号化方式に基づき該P個のパケットから前記地図データを復元する情報処理手段と、を備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等に地図データを配信する場合に適した地図データ処理技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
データの損失を考慮したデータ配信方式としては、例えばTCPのように送信側と受信側との間に1対1のコネクションを形成してデータの受信を確認する確認応答方式、対象データを複数のパケットに分割し、かかる複数のパケットを連続的にサイクリックに繰り返して送信するカルーセル方式などが知られている。
【0003】
更に、特許文献1には、配信されるファイルに対して高度な数学的理論に基づく所定の関数を用いた演算を行うことにより所定のパケットを生成し、配信されるファイルを構成している一部のパケットが欠落した場合であっても、所定の数のパケットを受信していればファイルを復元することができる方式(以下、群連鎖反応符号化方式と呼ぶ。)が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2001−189665号公報
【発明が解決しようとする課題】
従来のナビゲーションシステム等の地図データ利用システムでは、CD−ROMやDVD−ROMなどの記録媒体により地図データが提供されるのが一般的であるが、このような構成では地図データを新たに配布したり、更新する場合に、記録媒体の購入、差し替え等の必要があり煩雑であるため、通信ネットワークを介して地図データをデータ配信する構成が検討されている。
【0005】
しかし、確認応答方式でデータ配信を行おうとすると、受信側である自動車等の台数が非常に多いことから、送信側のサーバの負荷が大きくなり、十分に処理しきれないという問題が生じる。これに対し、カルーセル方式では、上記のようなサーバ負荷の問題は生じない一方、1つのパケットが受信できなかった場合に再びそのパケットを受信するためには全体サイクルが一巡するのを待たなければならないという問題が生じる。特に、エンジンオフやトンネル等による遮蔽の影響など、自動車等は常に通信ネットワークに接続できる環境にあるとは限らないため、1サイクルにわたって受信が継続できることを前提とするカルーセル方式によるデータ配信は、自動車等に対するデータ配信に必ずしも適しているとは言えない。
【0006】
ここで、群連鎖反応符号化方式は、特許文献1に記載されているように、生成された複数のパケットのうちの任意の組み合せのパケットに基づいてデータを復元できるため、カルーセル方式のような問題は生じない。しかし、特許文献1は、群連鎖反応符号化方式については詳細に開示するものの、かかる方式を利用した具体的なアプリケーションについては何ら開示していない。
【0007】
本願の発明者は、受信側が非常に多く存在し、かつ常に通信ネットワークに接続できる環境にあるとは限らないという、自動車等にデータ配信する場合に特有の状況を考察し、かかる状況に適したデータ配信方式を検討した結果、群連鎖反応符号化方式に基づくデータ配信がより好ましいと考えるに至った。
【0008】
そこで、本発明は、群連鎖反応符号化方式を利用して自動車に対してデータ配信を行う枠組みを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の地図データ処理システムは、地図データベースに記憶される地図データより、群連鎖反応符号化方式に基づきP個以上の符号化データを生成し、該符号化データごとに生成したパケットを放送波により放送する地図データ配信手段と、前記地図データ配信手段から放送されたパケット中の任意の異なるP個のパケットを受信し、群連鎖反応符号化方式に基づき該P個のパケットから前記地図データを復元する情報処理手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
好適には、前記情報処理手段は、前記地図データを利用してナビゲーション機能を提供することを特徴とする。
【0011】
また好適には、前記情報処理手段は、走行体に実装された状態で動作することを特徴とする。
【0012】
また好適には、更に、前記符号化データごとに生成したパケットの一部又は全部を所定の通信方式により送信する通信手段を備え、前記情報端末は、前記放送に基づきS個(P>S)のパケットを受信し、前記通信手段からの送信に基づき前記S個のパケットと異なるT個(S+T=P)のパケットを受信し、前記S個のパケット及び前記T個のパケットから前記地図データを復元することを特徴とする。
【0013】
本発明の地図データ処理システムは、地図データ配信手段から放送波により放送される符号化データを受信し、該符号化データに基づき地図データを復元する地図データ処理システムであって、前記符号化データは、地図データを対象として群連鎖反応符号化方式に基づき生成された符号化データであり、地図データ処理システムは、前記地図データ配信手段から放送されたP個以上の符号化データのうち任意の異なるP個の符号化データから、群連鎖反応符号化方式に基づき前記地図データを復元することを特徴とする。
【0014】
本発明の地図データ処理方法は、地図データベースに記憶される地図データより、群連鎖反応符号化方式に基づきP個以上の符号化データを生成して、該符号化データごとにパケットを生成するパケット生成工程と、前記パケットを放送波により放送する放送工程と、放送された前記パケット中の任意の異なるP個のパケットを受信する工程と、受信した前記P個のパケットから群連鎖反応符号化方式に基づき前記地図データを復元する工程と、を備えることを特徴とする。
【0015】
本明細書において、物の発明は方法の発明として把握することができ、方法の発明は物の発明として把握することができる。また、上記発明は、コンピュータに所定の機能を実現させるプログラムを記録した記録媒体またはプログラムそのものとしても成立する。なお、記録媒体は、例えば、光ディスク、磁気ディスク、半導体メモリなどの各種の記憶媒体を含む。また、プログラムは、前記記録媒体を通じて又はネットワークを介して、コンピュータにインストールまたはロードすることができる。
【0016】
また、本明細書において、手段とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その手段が有する機能をソフトウェアによって実現する場合やハードウェア回路によって実現する場合も含む。また、1つの手段が有する機能が2つ以上の物理的手段により実現されても、2つ以上の手段の機能が1つの物理的手段により実現されても良い。
【0017】
さらにまた、本明細書における手段は、ハードウェア、ソフトウェアまたはハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせにより実現可能である。ハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせによる実行は、例えば、所定のプログラムを有するコンピュータ・システムにおける実行が該当する。そして、1つの手段が有する機能が2つ以上のハードウェア、ソフトウェアまたはハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせにより実現されても、2つ以上の手段の機能が1つのハードウェア、ソフトウェアまたはハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせにより実現されても良い。
【0018】
【発明の実施の形態】
(群連鎖反応符号化方式の説明)
最初に、群連鎖反応符号化方式について説明する。
【0019】
群連鎖反応符号化方式は、入力ファイルのデータを表す入力記号に基づき、出力記号(群連鎖反応符号化方式に基づく符号化データ)を生成する符号化方式である。概念的には、符号部において、入力記号をパラメータとする冗長な連立方程式(パラメータ数Kよりも式の数の方が多い連立方程式)を作り、該連立方程式を出力記号として出力すると考えることができる。この場合、復号部では、原則として任意のP個(P≧K)の方程式があれば解(入力記号)を求める、すなわち入力ファイルのデータを復元することが可能となる。
【0020】
以下、特許文献1を部分的に引用して、更に説明する。
【0021】
群連鎖反応符号化を用いて、出力記号の群が必要に応じて入力ファイルから送信者によって生成される。出力記号の各群は、出力記号の他の群がどのように生成されるかにかかわらず生成され得る。どの時点においても、送信者は、出力記号の群生成工程を停止し得る。送信者が出力記号の群生成工程をいつ停止または再開するかについては、制約を必要としない。一旦生成された後、出力記号のこれらの群は、パケット内に配置され、送信先へ送信される。この場合、各パケットは、出力記号の群を1つ以上含む。群連鎖反応符号化の具体的な例では、各群は、1つの出力記号を含む。
【0022】
用語「ファイル」は、1つ以上のソースに格納され、1つ以上の送信先へ1単位として送達される任意のデータのことである。したがって、ファイルサーバまたはコンピュータ記憶装置からのドキュメント、イメージ、およびファイルはすべて、送達され得る「ファイル」の例である。ファイルは、既知のサイズを有するか(ハードディスク上に格納された1メガバイトのイメージなど)、または未知のサイズを有する(ストリーミングソースの出力から取り出されるファイルなど)。いずれの場合も、ファイルは入力記号のシーケンスであり、各入力記号はファイル内の位置および値を有する。
【0023】
送信は、ファイルを送達するためにデータを1以上の送信者から1以上の受信者にチャネルを介して送信する処理のことである。1送信者が完全なチャネルによって任意数の受信者に接続される場合、すべてのデータが正しく受信されるので受信されたデータが入力ファイルの正確なコピーであり得る。ここで、大半の現実のチャネルの場合のようにチャネルが完全でないと仮定するか、またはいくつかシステムの場合のように1より多い送信者からデータが送信されると仮定するか、またはいくつかシステムの場合のように送信されるデータの一部が途中で故意に脱落されると仮定する。多くのチャネルの欠点のうち、ここで関心のある2つの欠点は、データイレーズおよびデータ不完全性(データイレーズの特殊な場合として処理され得る)である。データイレーズが生じるのは、チャネルがデータを損失または脱落させる場合である。データ不完全性が生じるのは、データをうちのいくつかが受信者を通り過ぎてしまうまで受信者がデータの受信を開始しないか、受信者が送信終了前にデータの受信を停止するか、または受信者がデータ受信の停止および再開を断続的に行う場合である。
【0024】
データ不完全性の例として、移動衛星送信者が、入力ファイルを表すデータを送信し、受信者が範囲に入る前に送信を開始する。受信者が一旦範囲に入ると、衛星が範囲を出るまでデータが受信され得る。この場合、受信者は、衛星放送受信アンテナの向きを変更して(この間はデータを受信しない)、範囲内に入った別の衛星によって送信されている同じ入力ファイルについてのデータの受信を開始し得る。この記載を読むことにより明らかなように、データ不完全性は、データイレーズの特殊な場合である。なぜなら、受信者は、あたかも受信者が常に範囲内に存在しているが、チャネルは受信者がデータ受信を開始する時点までのすべてのデータを損失するかのように、データ不完全性を処理し得る(および受信者は同じ問題を有する)。また、通信システム設計において周知のように、検出可能な誤りは、単に検出可能な誤りを有するデータブロックまたは記号のすべてを脱落させることによってイレーズと等価になり得る。
【0025】
別の例としては、ルータは、そのバッファがフルまたはフルに近い(混雑状態)場合に故意にパケットを脱落させ、かつ競合するパケットに対して公平であるようにおよび/または強制的に速度制限をするように故意にパケットを脱落させる。
【0026】
いくつかの通信システムにおいて、受信者は、複数の送信者または複数の接続を有する1送信者によって生成されるデータを受信する。例えば、ダウンロードの速度を上げるために、受信者は、同時に1より多い送信者に接続して同じファイルに関するデータを送信する。別の例として、マルチキャスト送信において、複数のマルチキャストデータストリームは、受信者がこれらデータストリームのその1つ以上に接続できるよう送信され、そのストリームが送信者に接続されるチャネルの帯域に総送信速度を整合させる。すべてのそのような場合において重要なのは、たとえ送信速度が異なるストリーム間で大きく異なる場合であっても、かつ任意の損失パターンがある場合でも、すべての送信データが受信者に対して独立に使用されること、すなわち、複数のソースデータがストリーム間で冗長でないことである。
【0027】
一般に、送信とは、送信者から受信者へ送信者と受信者とを接続するチャネルを介してデータを移動する行為である。そのチャネルは、チャネルがデータを取得した際にチャネルがそのデータを送信者から受信者へ移動させる実時間チャネルであり得る。あるいは、チャネルは、送信者から受信者への送信中にデータの一部またはすべてを格納する記憶チャネルでもよい。後者の例は、ディスク記憶装置または他の記憶装置である。この例では、データを生成するプログラムまたはデバイスは、データを記憶装置に送信する送信者として考えられ得る。受信者は、記憶装置からデータを読み出すプログラムまたはデバイスである。送信者がデータを記憶装置へ書き込むために使用する機構、記憶装置自体、および受信者が記憶装置からデータを読み出すための機構が、集合的にチャネルを形成する。これらの機構または記憶装置がデータを損失する可能性がある場合、そのような損失をチャネル中のデータイレーズとして処理し得る。
【0028】
送信者および受信者がデータイレーズチャネルによって分離される場合、入力ファイルの正確なコピーを送信するのではなくて、その代わりにイレーズの回復を補助する入力ファイルから生成されたデータを送信するのが好ましい。エンコーダとは、そのようなタスクを処理する回路、デバイス、モジュール、または符号セグメントである。エンコーダの動作の見る1つの方法は、エンコーダが入力記号から出力記号の群を生成することであり、ここで入力記号値のシーケンスが入力ファイルを表す。したがって、各入力記号は、入力ファイル内の位置、および値を有する。デコーダとは、受信者によって受信された出力記号の群から入力記号を再構築する回路、デバイス、モジュール、または符号セグメントである。
【0029】
群連鎖反応符号化は、任意の特定のタイプの入力記号に限定されないが、入力記号のタイプはアプリケーションによって決定されることが多い。一般に、入力記号に対する値は、2M個の記号(ここでMは正の整数)のアルファベットから選択される。そのような場合、入力記号は、入力ファイルからのMビットのデータシーケンスによって表現され得る。Mの値は、アプリケーションの使用、チャネル、および群の最大サイズに基づいて決定されることが多い。例えば、パケットベースインターネットチャネルに対しては、1024バイトのサイズのペイロードを有するパケットが適切であり得る(1バイトは8ビット)。この例において、各パケットが出力記号の1群および8バイトの補助情報を含むと仮定し、かつすべての群が4個の出力記号を含むと仮定すると、入力記号サイズのMは、(1024−8)/4、すなわち254バイトが適切であり得る。別の例として、MPEGパケット規格を使用するいくつかの衛星システムがある。この場合、各パケットのペイロードは188バイトを含む。この例において、各パケットは出力記号の1群および4バイトの補助情報を含むと仮定し、かつすべての群が2個の出力記号を有すると仮定すると、記号サイズのMは、(188−4)/2、すなわち97バイトが適切であり得る。群連鎖反応符号化を使用する汎用通信システムにおいて、入力記号サイズ(すなわち、M、入力記号によって符号化されたビット数)などのアプリケーション特定パラメータは、アプリケーションによって設定された変数である。
【0030】
出力記号の各群は、その群における出力記号の各々に対する値を有する。以下を考慮する1つの好ましい実施形態において、出力記号の各群は、「キー」と呼ばれる識別子を有する。好ましくは、出力記号の各群のキーは、受信者によって容易に決定され、受信者が出力記号のある群を出力記号の別の群と区別できるようにする。好ましくは、出力記号の群のキーは、出力記号の他のすべての群のキーと異なる。また好ましくは、受信者が受信された出力記号の群のキーを決定するためには、送信中に含まれるデータは可能な限り少ない方がよい。
【0031】
キーイングの簡単な形態では、エンコーダによって生成された出力記号の連続した群に対するキーのシーケンスは、連続した整数のシーケンスである。この場合、各キーは、「シーケンス番号」と呼ばれる。各送信パケット中の出力記号値の1群がある場合、シーケンス番号がパケット中に含まれ得る。一般にシーケンス番号が少数のバイト(例えば、4バイト)に収まるので、いくつかのシステムにおいては、出力記号値の群とともにシーケンス番号を含むことは経済的である。例えば、各1024バイトのUDPインターネットパケットを使用して、シーケンス番号用に各パケット内に4バイトを割当ててもわずかに0.4%の負担がかかるだけである。
【0032】
他のシステムでは、1より多くのデータからキーを生成するのが好ましい。例えば、1以上の送信者からの同じ入力ファイルに基づいて生成された1より多くのデータストリームを受信する受信者を含むシステムを考える。ここで、送信データはパケットのストリームであり、各パケットは、出力記号の1群を含む。すべてのそのようなストリームが、キーと同じシーケンス番号のセットを使用する場合、受信者は、同じシーケンス番号を有する出力記号の群を受信する可能性がある。同じキーを有するか、または同じシーケンス番号を有する場合の出力記号の群は、入力ファイルについて同一の情報を含むので、受信者は、無駄な重複データを受信する。したがって、そのような場合、キーがシーケンス番号と対になった固有のストリーム識別子を含むことが好ましい。
【0033】
例えば、UDPインターネットパケットの1ストリームに対して、データストリームの固有の識別子は、送信者のIPアドレス、および送信者がパケットを送信するために使用しているポート数を含み得る。送信者のIPアドレスおよびストリームのポート数は、各UDPパケットのヘッダの一部であるので、キーのこれらの部分が受信者に確実に利用され得るように各パケット中に必要なさらなるスペースはない。送信者は、単にシーケンス番号を各パケットに対応の出力記号の群とともに挿入することのみを必要とし、受信者は、シーケンス番号およびパケットヘッダから受信された出力記号の1群のキー全体を再生成し得る。別の例として、IPマルチキャストパケットの1ストリームに対して、データストリームの固有の識別子は、IPマルチキャストアドレスを含み得る。IPマルチキャストアドレスは各IPマルチキャストパケットのヘッダの一部であるので、UDPパケットについての上記説明は、この場合についても同様に適用される。
【0034】
出力記号の群の位置によるキーイングは、それが可能な場合は好ましい。位置キーイングは、CD−ROM(コンパクトディスク読み取り専用メモリ)などの記憶装置から出力記号の群を読み出すために十分機能し得る。ここで、出力記号の1群のキーは、CD−ROM上の位置(すなわち、トラック、プラスセクタ、セクタ内のプラス位置など)である。位置キーイングはまた、ATM(非同期転送モード)システムなどの回路ベース送信システムのために十分機能し得る。ここで、整列したデータセルは、厳しいタイミング制約下で送信される。この形態のキーイングを使用すると、受信者は、出力記号の1群のキーを、そのキーを明確に送信するのに必要なスペースを有することなく、再生成し得る。当然、位置キーイングは、そのような位置情報が利用でき確実であることを必要とする。
【0035】
位置によるキーイングはまた、他のキーイング方法と組み合わせ得る。例えば、各パケットが出力記号の1より多くの群を含むパケット送信システムを考える。この場合、出力記号の群のキーは、固有のストリーム識別子、シーケンス番号、および出力記号の群のパケット内の位置から構築され得る。データイレーズは一般に全パケットの損失を生じるので、受信者は一般にパケットを全部受信する。この場合、受信者は、パケットのヘッダ(固有のストリーム識別子を含む)、パケット中のシーケンス番号、および出力記号の群のパケット内の位置を再生成し得る。
【0036】
いくつかのシステムにおいて好ましいキーイングの別の形態は、ランダムキーイングである。これらのシステムにおいては、乱数(疑似乱数)が、生成され、出力記号の各群に対するキーの少なくとも1部として使用され、および出力記号の群とともに明確に送信される。異なる物理的位置で異なる送信者によって生成されるキーに対してさえ(可能なキーの範囲が十分大きいと仮定する)、ランダムキーイングの1つの性質は、同じ値を有するキーの割合が小さい可能性がある。この形態のキーイングは、インプリメンテーションが簡単であるため、いくつかのシステムにおいては他の形態よりも利点を有し得る。
【0037】
上記のように、群連鎖反応符号化が有用であるのは、データイレーズの可能性があるか、または受信者が、送信が開始および終了するちょうどその時点で受信を開始および終了しない場合である。後者の条件は、本明細書中で「データ不完全性」と呼ばれる。これらの条件は、群連鎖反応符号化が使用される場合、通信プロセスに悪影響を与えない。なぜなら、受信される群連鎖反応符号化が、情報追加型であるように、極めて独立しているからである。出力記号の群のほとんどの任意集合が十分に独立しているので、大部分が情報追加型である(これは、本明細書中に記載の群連鎖反応符号化システムに対する場合である)ならば、任意の適切な数のパケットを使用して、入力ファイルを回復し得る。100パケットがデータイレーズを起こすノイズの発生によって損失する場合、その発生の後でさらに100パケットを取り上げてイレーズされたパケットの損失を置き換え得る。送信器が送信を開始した際に受信器が送信器に同調できず何千のパケットが損失した場合、受信器は、他の送信期間から(あるいは、別の送信器からの場合もある)その何千のパケットを取り上げる。群連鎖反応符号化を使用すると、受信者は、任意の特定のパケットのセットを取り上げることに制約されず、従って1送信器からいくつかのパケット受信し、別の送信器に切り換え、いくつかのパケットを損失し、所定の送信の開始または終了を逸しても、なお入力ファイルを回復し得る。受信器−送信器調整のない送信に接続および切断する機能は、通信プロセスを大きく簡略化する。
【0038】
群連鎖反応符号化を使用してファイルを送信するステップは、入力ファイルから入力記号を生成、形成、または抽出し、その入力記号を1以上の出力記号の群に符号化するステップ(ここで、出力記号の各群は、出力記号のすべての他の群とは独立なキーに基づいて生成される)、および出力記号の群を1以上の受信者にチャネルを介して送信するステップを含む。群連鎖反応符号化を使用する入力ファイルの1コピーを受信(および再構築)するステップは、1以上のデータストリームから出力記号の群のあるセットまたはサブセットを受信するステップ、および受信された出力記号の群の値およびキーから入力記号を復号化するステップを含む。
【0039】
エンコーダは、入力ファイルのデータおよびキーを使用して、出力記号の1群を生成する。ここで、入力ファイルは、入力アルファベットからそれぞれ選択される順列の複数の入力記号であり、キーは、キーアルファベットから選択され、群サイズは、正の整数として選択され、各出力記号は、出力アルファベットから選択される。キーIを有する出力記号の1群は、生成されるべき出力記号の群の群サイズG(I)を決定するステップ(ここで、群サイズGは、複数のキー上の少なくとも2つの値の間で変化し得る正の整数である)、生成されるべき出力記号の群の重みW(I)を決定するステップ(ここで、重みWは、複数のキー上の少なくとも2つの値の間で変化する正の整数である)、Iの関数にしたがって、出力記号の群に関連付けられるW(I)個の入力記号を選択するステップ、および選択されたW(I)個の入力記号の所定の値関数F(I)からG(I)個の出力記号値の群B(I)=B_1(I),...,B_G(I)(I)を生成するステップによって生成される。エンコーダは、1回以上呼び出され得、各回別のキーを用い、各回出力記号の1群を生成する。出力記号の群は、一般に互いに独立であり、無限の数(Iの解像度に従う)が、必要ならば生成され得る。
【0040】
デコーダは、出力記号の1以上の群の値および可能ならすでに回復された他の入力記号の値についての情報から入力記号を回復し得る。したがって、デコーダは、出力記号のいくつかの群からいくつかの入力記号を回復し得る。これにより、デコーダは、その復号された入力記号およびすでに受信された出力記号の群などからの他の入力記号を復号し得、したがってこれにより、ファイルの入力記号の回復の「連鎖反応」が受信者側で再構築される。
【0041】
(第1実施形態)
次に、本発明の実施の一形態を説明する。図1はこの発明の実施の形態1による地図データ処理システムを示す構成図である。図に示すように、地図データ処理システムは、地図データ配信システム10と、複数の情報処理装置20とを含んで構成される。
【0042】
地図データ配信システム10は、地図データを記憶する地図データベース11、地図データより群連鎖反応符号化方式に基づき複数のパケットを生成するパケット生成手段12、各パケットを放送波(衛星放送波、地上放送波のいずれであってもよい)により放送する放送手段13を含んで構成されている。
【0043】
情報処理装置20は、地図データ配信システム10から放送されたパケットを受信し、該パケットから群連鎖反応符号化方式に基づき地図データを復元する受信/復元手段21、地図データ(復元された地図データ又は/及び記憶媒体等により提供される地図データ)を記憶する地図データ記憶手段22、地図データを利用してナビゲーション機能を提供するナビゲーション手段23を含んで構成されている。情報処理装置20は、図に示すように原則として自動車等の走行体に実装されて使用される。
【0044】
地図データベース11及び地図データ記憶手段22は、例えば所定エリアごとに、該エリアの識別番号、該エリアに該当する部分地図データ(地図画像データ、道路等のネットワーク(トポロジー)情報、POI(ポイントオブインタレスト)情報など)、該部分地図データのバージョン番号などを対応づけて記憶している。地図データベース11及び地図データ記憶手段22は、通常のハードディスクを用いて構成できるほか、地図データが記録される記録媒体及びその読み出し/書き込み部等を備える構成、又はそれらの組み合わせとしてもよい。
【0045】
ナビゲーション手段23は、ユーザからの操作を受け付ける入力IF部、地図データを表示するためのディスプレイ、ユーザ操作に基づいて経路検索等を実行し、地図データ記憶手段22を参照して必要な地図データを読み出し、所定の形態でディスプレイに表示する制御部など、通常のナビゲーションシステムと同様の構成・機能を備えている。
【0046】
パケット生成手段12、放送手段13、受信/復元手段21については、以下の動作説明において併せて説明する。なお、各ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更して又は並列に実行することができる。
【0047】
(地図データ配信システム10の動作:図2、図3)
パケット生成手段12は、放送対象とするエリアを選択し、地図データベース11を参照して前記選択したエリアに対応する地図データを読み出す(S100)。エリアの選択方法としては、例えば地図データが更新されたエリアを選択する、地図データ配信システム10の所在地に関連したエリアを選択する、所定の順番でエリアを選択する、などが考えられる。
【0048】
パケット生成手段12は、前記読み出した地図データについて、群連鎖反応符号化方式に基づいて復元する場合に必要な符号化データの数P(以下、「復元必要データ数P」と呼ぶ。)を決定する(S101)。復元必要データ数Pは、例えば次のようにして決定することができる。1)入力記号数Kを求める(地図データサイズをX、符号化データのサイズをYとした場合、K=X/Y)。2)入力記号数KをK以上の素数値K’に変更する。3)K’に所定量の冗長量を付加した値をPとする。この冗長性は出コードを確実に行うために必要なものであり、例えばP=K’+5×SQR(K’)とすることができる。ここで、冗長率をP/K’と定義すると、K(K’)が大きいほど冗長率は小さくて済むことになる。例えばK’=10000の場合、P=1.05×K’と同等である。
【0049】
次に、パケット生成手段12は、前記読み出した地図データについて、群連鎖反応符号化方式に基づき符号化データを生成する(S102)(図4参照)。このとき、前記読み出した地図データについて既に生成した符号化データがある場合、かかる生成済みの符号化データとは異なるように、符号化データを生成する必要がある。
【0050】
次に、パケット生成手段12は、前記生成した符号化データについてパケットを生成する(S103)。パケットは、例えば図4に示すように、符号化データにエリア識別情報、地図データのバージョン情報、地図データサイズX(又は、復元必要データ数P)を付加して構成することが考えられる。
【0051】
次に、放送手段13は、パケット生成手段12が生成したパケットについて、放送波により放送する(S104)。放送手段13の構成は原則として従来の放送装置と同様に構成することができる。
【0052】
ここで、群連鎖反応符号化方式によれば、P個以上のパケット中の任意の異なるP個のパケットに基づき地図データを復元することが可能であるため、パケット生成手段12において生成すべきパケット数N(符号化データ数N)は、N≧Pの関係を満たしてさえいれば、どのように定めてもよい。
【0053】
図2はNを不定値とした場合のフローチャートの例であり、図3はNとして具体的な値を定めた場合のフローチャートの例である。
【0054】
図2に示すフローチャートの場合、パケット生成手段12は、前記読み出した地図データについて生成したパケット数(符号化データの数)がP個以上となっているかどうかを判断し(S105)、P個以上となっていない場合はS102に戻る。一方、P個以上となっている場合でも、前記読み出した地図データについて処理を続ける間は、S102に戻り符号化データを生成する(S106)。
【0055】
図3に示すフローチャートの場合、パケット生成手段12は、パケットをN個生成した時点で前記読み出した地図データについてパケット生成を中止する(S105’)。そして、放送手段13は、前記読み出した地図データについて処理を続ける間、パケット生成手段12が生成したN個のパケットを繰り返し放送する(S106’、S107’)。
【0056】
なお、N個のパケットを繰り返し放送する場合、各パケットの取り扱いが同等である必要は必ずしもなく、例えば各パケットの放送割合(単位時間あたりの放送回数)が異なっていてもよい。ただし、受信側において異なるP個のパケットを効率よく受信できるように、N個のパケットを1セットとして、該セットを周期的に放送することが望ましい。
【0057】
(受信/復元手段21の動作:図5)
受信/復元手段21は、地図データ配信システム10の放送手段13により放送されたパケットを受信する(S200)。
【0058】
受信/復元手段21は、受信したパケットから、エリア識別情報、地図データバージョン情報を抽出し、これらの情報に基づき、受信したパケットに含まれる符号化データが当該情報処理装置20において取得すべき地図データのものであるかどうかを判断する(S201)。判断方法としては、例えば、地図データ記憶手段22に記憶されていないエリアの地図データに関するものであった場合に取得すべきと判断する、地図データ記憶手段22に記憶されている地図データより新しいバージョンの地図データに関するものであった場合に取得すべきと判断する、などが考えられる。
【0059】
受信/復元手段21は、取得すべきでないと判断した場合は受信したパケットを破棄し(S202)、次のパケットの処理に移る(S210)。
【0060】
一方、取得すべきと判断した場合、エリア識別情報及び地図データバージョン情報に対応づけて、受信したパケットに含まれる符号化データを記憶する(S203)。
【0061】
このとき、受信/復元手段21は、該符号化データがエリア識別情報及び地図データバージョン情報に関して記憶した1つめの符号化データであるかどうかを判断し(S204)、1つめの場合は、エリア識別情報及び地図データバージョン情報に対応する受信パケット数に1をセットするとともに、受信したパケットより地図データサイズX(又は、復元必要データ数P)を抽出し、これをエリア識別情報及び地図データバージョン情報に対応づけて記憶する(S205)。一方、1つめでない場合は、対応する受信パケット数に1を加算する(S206)。
【0062】
次に、受信/復元手段22は、エリア識別情報及び地図データバージョン情報ごとに、受信パケット数が復元必要データ数Pに達したかどうかを判断する(S207)。なお、S205において地図データサイズXを抽出し記憶している場合は、S101において説明した方法と同様の方法により地図データサイズXに基づき復元必要データ数Pを決定し、これに基づき判断すればよい。
【0063】
受信/復元手段22は、達していないと判断した場合、次のパケットの処理に移る(S210)。
【0064】
一方、達していると判断した場合は、群連鎖反応符号化方式に基づいてP個のパケットに含まれる符号化データから地図データを復元する(S208)。なお、群連鎖反応符号化方式に基づく復元方法は特許文献1に詳細に開示されているため、当業者であれば該文献を参照することにより受信/復元手段21における復元処理を構成することが可能である。したがって、ここでは群連鎖反応符号化方式に基づく復元方法についての詳しい説明は避ける。
【0065】
この場合、受信/復元手段21は、地図データ記憶手段22を参照し、エリア識別情報及び地図データバージョン情報に対応づけて、復元した地図データを登録又は更新し(S209)、次のパケットの処理に移る(S210)。
【0066】
図6に示す例を用いて情報処理装置20の動作を説明する。この例では、P=4であり、図に示す番号順にパケットが放送されているものとする。そして、受信/復元手段21は、番号1、2のパケットについては受信できたが(図6(a)、(b))、番号3のパケットについては電波状態が悪く受信することができなかったものとする(図6(c))。この場合、次の番号4のパケットに続いて(図6(d))、番号5のパケットを受信した段階で(図6(e))、異なる4個のパケット(番号1、2、4、5)が揃うため、受信/復元手段21は、受信できなかった番号3のパケットが再び放送されるのを待つことなく、番号1、2、4、5のパケットに基づいて地図データの復元処理を実行することができる。
【0067】
このように本実施形態では、地図データ配信システム10(放送手段13)において放送波により地図データに関する符号化データを放送し、自動車等に実装される情報処理装置20(受信/復元手段21)において放送された符号化データを受信して地図データを復元し、これを記憶してナビゲーション機能に利用する構成としたので、記録媒体を介して地図データを配布する従来方法に比べて、効率よく新たな地図データや更新された地図データを配布することが可能となる。また、放送波に基づいて放送/受信する構成としているため、確認応答方式のように受信側の台数に依存して配信側システムの負荷が増大してしまうことを回避することができる。
【0068】
更に、群連鎖反応符号化方式に基づき、生成されたP個以上のパケット中の任意の異なるP個のパケットに基づいて地図データを復元することができるため、受信/復元手段21が所定のパケットを受信できなかった場合でも、カルーセル方式のように受信できなかったパケットが再び放送されるまで待つ必要はなく、タイムリーに地図データを復元して利用することが可能となる。そのため、例えばエンジンオフの状態や、トンネルの内部など放送波が届かない環境にある場合など、自動車等に特有の状況、すなわち受信/復元手段21が常に継続的にパケットを受信できるとは限らないという状況においても、効率よく地図データを配信する枠組みを提供することができる。
【0069】
(変形例)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく種々に変形して適用することが可能である。例えば、生成されたP個以上のパケット中の任意の異なるP個のパケットに基づいて地図データを復元することができる方式であれば、群連鎖反応符号化方式以外の方式、例えばリードソロモン符号化方式やトルネード符号化方式など、他の符号化方式を採用する構成としてもよい。
【0070】
また例えば、地図データ配信システム10が、地図データベース11、パケット生成手段12、放送手段13のうち、少なくともいずれかについて複数備える構成としてもよい。この場合、放送手段13によって放送する地図データを変える構成としてもよく、例えば放送手段13等が設置されているエリア又はその近隣エリアの地図データを放送する構成などを考えることができる。
【0071】
また例えば、放送手段13において複数の周波数(チャンネル)を使用し、チャンネルごとに異なる地図データを放送する構成としてもよい。この場合、情報処理装置20において、必要に応じて受信チャンネルを自動的に切り替えることで、自動車が所在するエリアの地図データや、ナビゲーション手段23により設定された目的地までの経路上の地図データなどを自動的に選択して受信する構成とすることができる。
【0072】
また例えば、情報処理装置20において、ユーザからの入力に基づいて、放送を受信してパケットを取得するかどうか、地図データを復元するかどうか(地図データ記憶手段22の記憶内容を更新するかどうか)などを判断する構成としてもよい。
【0073】
また例えば、上記実施形態では、放送波により放送する構成のみ説明しているが、本発明は必ずしもこのような構成に限られず、放送波による放送と、放送波による放送とは異なる通信方式(例えば、IEEE 802.11bの無線LAN方式など)とを組み合せて、地図データを配信する構成とすることもできる。例えば、図7に示すように、ガソリンスタンド等に所定の無線LAN方式に基づく通信手段を設置し、該通信手段より、パケット生成手段12(放送手段13にパケットを供給するパケット生成手段と必ずしも同一である必要はない)が生成したN個のパケットの一部又は全部を送信するように構成する。また、情報処理装置20に前記通信手段と通信可能な構成を設けておく。この場合、情報処理装置20では、走行中に放送手段13からの放送を受信してS個のパケットを取得する一方、ガソリンスタンド等に停車中に前記通信手段より前記S個のパケットと異なる残りのT個(T=P−S)のパケットについて高速に受信することが可能となり、放送波と無線LAN方式とを組み合せて効率よくパケットを取得することが可能となる。
【0074】
また例えば、上記実施形態では、図5に示すフローチャートに基づきシーケンシャルな処理として受信/復元手段21の動作を説明しているが、本発明は必ずしもこのような構成に限られず、受信工程(S200)、記憶工程(S201〜S206)、復元工程(S207〜S209)についてそれぞれ並列に実行する構成とすることもできる。
【0075】
また例えば、上記実施形態では、復元必要データ数Pと符号化データを1つのパケットに含めて放送する構成について説明しているが、本発明は必ずしもこのような構成に限られず、符号化データとは別のパケットを用いて復元必要データ数Pを放送する構成としてもよい。この場合、復元必要データ数Pを含むパケットの放送チャンネルは、符号化データを含むパケットの放送チャンネルと必ずしも同一である必要はない。更に、復元必要データ数Pを予め定めることができる場合は、情報処理装置20にデフォルトとして復元必要データ数Pを記憶させておく構成や、復元必要データ数Pを記憶する記憶媒体等を配布して情報処理装置20の使用者に通知する構成などを考えることもできる。
【0076】
また例えば、上記実施形態では、自動車に情報端末を実装する構成を例として説明しているが、受信側が非常に多く存在し、かつ常に通信ネットワークに接続できる環境にあるとは限らないという状況であれば、自動車以外のもの(例えば、電車や航空機等の走行体、携帯電話やPDA等の携帯端末、学校等の固定施設など)に情報端末を実装又は設置して使用したり、情報端末単体で使用する場合においても、本発明の効果を得ることができる。
【0077】
【発明の効果】
本発明によれば、群連鎖反応符号化方式を利用してパケットを生成/復元するとともに、放送波を利用して自動車にパケットを配信する構成を採用しているため、自動車等にデータ配信する場合に適した枠組みを提供することができる。
【0078】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態である地図データ処理システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】地図データ配信システム10の動作例を示すフローチャートである。
【図3】地図データ配信システム10の動作例を示すフローチャートである。
【図4】地図データ配信システム10における符号化データ及びパケットの生成工程を説明するための図である。
【図5】受信/復元手段21の動作を示すフローチャートである。
【図6】受信/復元手段21の動作を説明するための図である。
【図7】第1の実施形態の変形例を説明するための図である。
【符号の説明】
10 地図データ配信システム
11 地図データベース
12 パケット生成手段
13 放送手段
20 情報処理装置
21 受信/復元手段
22 地図データ記憶手段
23 ナビゲーション手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等に地図データを配信する場合に適した地図データ処理技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
データの損失を考慮したデータ配信方式としては、例えばTCPのように送信側と受信側との間に1対1のコネクションを形成してデータの受信を確認する確認応答方式、対象データを複数のパケットに分割し、かかる複数のパケットを連続的にサイクリックに繰り返して送信するカルーセル方式などが知られている。
【0003】
更に、特許文献1には、配信されるファイルに対して高度な数学的理論に基づく所定の関数を用いた演算を行うことにより所定のパケットを生成し、配信されるファイルを構成している一部のパケットが欠落した場合であっても、所定の数のパケットを受信していればファイルを復元することができる方式(以下、群連鎖反応符号化方式と呼ぶ。)が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2001−189665号公報
【発明が解決しようとする課題】
従来のナビゲーションシステム等の地図データ利用システムでは、CD−ROMやDVD−ROMなどの記録媒体により地図データが提供されるのが一般的であるが、このような構成では地図データを新たに配布したり、更新する場合に、記録媒体の購入、差し替え等の必要があり煩雑であるため、通信ネットワークを介して地図データをデータ配信する構成が検討されている。
【0005】
しかし、確認応答方式でデータ配信を行おうとすると、受信側である自動車等の台数が非常に多いことから、送信側のサーバの負荷が大きくなり、十分に処理しきれないという問題が生じる。これに対し、カルーセル方式では、上記のようなサーバ負荷の問題は生じない一方、1つのパケットが受信できなかった場合に再びそのパケットを受信するためには全体サイクルが一巡するのを待たなければならないという問題が生じる。特に、エンジンオフやトンネル等による遮蔽の影響など、自動車等は常に通信ネットワークに接続できる環境にあるとは限らないため、1サイクルにわたって受信が継続できることを前提とするカルーセル方式によるデータ配信は、自動車等に対するデータ配信に必ずしも適しているとは言えない。
【0006】
ここで、群連鎖反応符号化方式は、特許文献1に記載されているように、生成された複数のパケットのうちの任意の組み合せのパケットに基づいてデータを復元できるため、カルーセル方式のような問題は生じない。しかし、特許文献1は、群連鎖反応符号化方式については詳細に開示するものの、かかる方式を利用した具体的なアプリケーションについては何ら開示していない。
【0007】
本願の発明者は、受信側が非常に多く存在し、かつ常に通信ネットワークに接続できる環境にあるとは限らないという、自動車等にデータ配信する場合に特有の状況を考察し、かかる状況に適したデータ配信方式を検討した結果、群連鎖反応符号化方式に基づくデータ配信がより好ましいと考えるに至った。
【0008】
そこで、本発明は、群連鎖反応符号化方式を利用して自動車に対してデータ配信を行う枠組みを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の地図データ処理システムは、地図データベースに記憶される地図データより、群連鎖反応符号化方式に基づきP個以上の符号化データを生成し、該符号化データごとに生成したパケットを放送波により放送する地図データ配信手段と、前記地図データ配信手段から放送されたパケット中の任意の異なるP個のパケットを受信し、群連鎖反応符号化方式に基づき該P個のパケットから前記地図データを復元する情報処理手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
好適には、前記情報処理手段は、前記地図データを利用してナビゲーション機能を提供することを特徴とする。
【0011】
また好適には、前記情報処理手段は、走行体に実装された状態で動作することを特徴とする。
【0012】
また好適には、更に、前記符号化データごとに生成したパケットの一部又は全部を所定の通信方式により送信する通信手段を備え、前記情報端末は、前記放送に基づきS個(P>S)のパケットを受信し、前記通信手段からの送信に基づき前記S個のパケットと異なるT個(S+T=P)のパケットを受信し、前記S個のパケット及び前記T個のパケットから前記地図データを復元することを特徴とする。
【0013】
本発明の地図データ処理システムは、地図データ配信手段から放送波により放送される符号化データを受信し、該符号化データに基づき地図データを復元する地図データ処理システムであって、前記符号化データは、地図データを対象として群連鎖反応符号化方式に基づき生成された符号化データであり、地図データ処理システムは、前記地図データ配信手段から放送されたP個以上の符号化データのうち任意の異なるP個の符号化データから、群連鎖反応符号化方式に基づき前記地図データを復元することを特徴とする。
【0014】
本発明の地図データ処理方法は、地図データベースに記憶される地図データより、群連鎖反応符号化方式に基づきP個以上の符号化データを生成して、該符号化データごとにパケットを生成するパケット生成工程と、前記パケットを放送波により放送する放送工程と、放送された前記パケット中の任意の異なるP個のパケットを受信する工程と、受信した前記P個のパケットから群連鎖反応符号化方式に基づき前記地図データを復元する工程と、を備えることを特徴とする。
【0015】
本明細書において、物の発明は方法の発明として把握することができ、方法の発明は物の発明として把握することができる。また、上記発明は、コンピュータに所定の機能を実現させるプログラムを記録した記録媒体またはプログラムそのものとしても成立する。なお、記録媒体は、例えば、光ディスク、磁気ディスク、半導体メモリなどの各種の記憶媒体を含む。また、プログラムは、前記記録媒体を通じて又はネットワークを介して、コンピュータにインストールまたはロードすることができる。
【0016】
また、本明細書において、手段とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その手段が有する機能をソフトウェアによって実現する場合やハードウェア回路によって実現する場合も含む。また、1つの手段が有する機能が2つ以上の物理的手段により実現されても、2つ以上の手段の機能が1つの物理的手段により実現されても良い。
【0017】
さらにまた、本明細書における手段は、ハードウェア、ソフトウェアまたはハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせにより実現可能である。ハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせによる実行は、例えば、所定のプログラムを有するコンピュータ・システムにおける実行が該当する。そして、1つの手段が有する機能が2つ以上のハードウェア、ソフトウェアまたはハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせにより実現されても、2つ以上の手段の機能が1つのハードウェア、ソフトウェアまたはハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせにより実現されても良い。
【0018】
【発明の実施の形態】
(群連鎖反応符号化方式の説明)
最初に、群連鎖反応符号化方式について説明する。
【0019】
群連鎖反応符号化方式は、入力ファイルのデータを表す入力記号に基づき、出力記号(群連鎖反応符号化方式に基づく符号化データ)を生成する符号化方式である。概念的には、符号部において、入力記号をパラメータとする冗長な連立方程式(パラメータ数Kよりも式の数の方が多い連立方程式)を作り、該連立方程式を出力記号として出力すると考えることができる。この場合、復号部では、原則として任意のP個(P≧K)の方程式があれば解(入力記号)を求める、すなわち入力ファイルのデータを復元することが可能となる。
【0020】
以下、特許文献1を部分的に引用して、更に説明する。
【0021】
群連鎖反応符号化を用いて、出力記号の群が必要に応じて入力ファイルから送信者によって生成される。出力記号の各群は、出力記号の他の群がどのように生成されるかにかかわらず生成され得る。どの時点においても、送信者は、出力記号の群生成工程を停止し得る。送信者が出力記号の群生成工程をいつ停止または再開するかについては、制約を必要としない。一旦生成された後、出力記号のこれらの群は、パケット内に配置され、送信先へ送信される。この場合、各パケットは、出力記号の群を1つ以上含む。群連鎖反応符号化の具体的な例では、各群は、1つの出力記号を含む。
【0022】
用語「ファイル」は、1つ以上のソースに格納され、1つ以上の送信先へ1単位として送達される任意のデータのことである。したがって、ファイルサーバまたはコンピュータ記憶装置からのドキュメント、イメージ、およびファイルはすべて、送達され得る「ファイル」の例である。ファイルは、既知のサイズを有するか(ハードディスク上に格納された1メガバイトのイメージなど)、または未知のサイズを有する(ストリーミングソースの出力から取り出されるファイルなど)。いずれの場合も、ファイルは入力記号のシーケンスであり、各入力記号はファイル内の位置および値を有する。
【0023】
送信は、ファイルを送達するためにデータを1以上の送信者から1以上の受信者にチャネルを介して送信する処理のことである。1送信者が完全なチャネルによって任意数の受信者に接続される場合、すべてのデータが正しく受信されるので受信されたデータが入力ファイルの正確なコピーであり得る。ここで、大半の現実のチャネルの場合のようにチャネルが完全でないと仮定するか、またはいくつかシステムの場合のように1より多い送信者からデータが送信されると仮定するか、またはいくつかシステムの場合のように送信されるデータの一部が途中で故意に脱落されると仮定する。多くのチャネルの欠点のうち、ここで関心のある2つの欠点は、データイレーズおよびデータ不完全性(データイレーズの特殊な場合として処理され得る)である。データイレーズが生じるのは、チャネルがデータを損失または脱落させる場合である。データ不完全性が生じるのは、データをうちのいくつかが受信者を通り過ぎてしまうまで受信者がデータの受信を開始しないか、受信者が送信終了前にデータの受信を停止するか、または受信者がデータ受信の停止および再開を断続的に行う場合である。
【0024】
データ不完全性の例として、移動衛星送信者が、入力ファイルを表すデータを送信し、受信者が範囲に入る前に送信を開始する。受信者が一旦範囲に入ると、衛星が範囲を出るまでデータが受信され得る。この場合、受信者は、衛星放送受信アンテナの向きを変更して(この間はデータを受信しない)、範囲内に入った別の衛星によって送信されている同じ入力ファイルについてのデータの受信を開始し得る。この記載を読むことにより明らかなように、データ不完全性は、データイレーズの特殊な場合である。なぜなら、受信者は、あたかも受信者が常に範囲内に存在しているが、チャネルは受信者がデータ受信を開始する時点までのすべてのデータを損失するかのように、データ不完全性を処理し得る(および受信者は同じ問題を有する)。また、通信システム設計において周知のように、検出可能な誤りは、単に検出可能な誤りを有するデータブロックまたは記号のすべてを脱落させることによってイレーズと等価になり得る。
【0025】
別の例としては、ルータは、そのバッファがフルまたはフルに近い(混雑状態)場合に故意にパケットを脱落させ、かつ競合するパケットに対して公平であるようにおよび/または強制的に速度制限をするように故意にパケットを脱落させる。
【0026】
いくつかの通信システムにおいて、受信者は、複数の送信者または複数の接続を有する1送信者によって生成されるデータを受信する。例えば、ダウンロードの速度を上げるために、受信者は、同時に1より多い送信者に接続して同じファイルに関するデータを送信する。別の例として、マルチキャスト送信において、複数のマルチキャストデータストリームは、受信者がこれらデータストリームのその1つ以上に接続できるよう送信され、そのストリームが送信者に接続されるチャネルの帯域に総送信速度を整合させる。すべてのそのような場合において重要なのは、たとえ送信速度が異なるストリーム間で大きく異なる場合であっても、かつ任意の損失パターンがある場合でも、すべての送信データが受信者に対して独立に使用されること、すなわち、複数のソースデータがストリーム間で冗長でないことである。
【0027】
一般に、送信とは、送信者から受信者へ送信者と受信者とを接続するチャネルを介してデータを移動する行為である。そのチャネルは、チャネルがデータを取得した際にチャネルがそのデータを送信者から受信者へ移動させる実時間チャネルであり得る。あるいは、チャネルは、送信者から受信者への送信中にデータの一部またはすべてを格納する記憶チャネルでもよい。後者の例は、ディスク記憶装置または他の記憶装置である。この例では、データを生成するプログラムまたはデバイスは、データを記憶装置に送信する送信者として考えられ得る。受信者は、記憶装置からデータを読み出すプログラムまたはデバイスである。送信者がデータを記憶装置へ書き込むために使用する機構、記憶装置自体、および受信者が記憶装置からデータを読み出すための機構が、集合的にチャネルを形成する。これらの機構または記憶装置がデータを損失する可能性がある場合、そのような損失をチャネル中のデータイレーズとして処理し得る。
【0028】
送信者および受信者がデータイレーズチャネルによって分離される場合、入力ファイルの正確なコピーを送信するのではなくて、その代わりにイレーズの回復を補助する入力ファイルから生成されたデータを送信するのが好ましい。エンコーダとは、そのようなタスクを処理する回路、デバイス、モジュール、または符号セグメントである。エンコーダの動作の見る1つの方法は、エンコーダが入力記号から出力記号の群を生成することであり、ここで入力記号値のシーケンスが入力ファイルを表す。したがって、各入力記号は、入力ファイル内の位置、および値を有する。デコーダとは、受信者によって受信された出力記号の群から入力記号を再構築する回路、デバイス、モジュール、または符号セグメントである。
【0029】
群連鎖反応符号化は、任意の特定のタイプの入力記号に限定されないが、入力記号のタイプはアプリケーションによって決定されることが多い。一般に、入力記号に対する値は、2M個の記号(ここでMは正の整数)のアルファベットから選択される。そのような場合、入力記号は、入力ファイルからのMビットのデータシーケンスによって表現され得る。Mの値は、アプリケーションの使用、チャネル、および群の最大サイズに基づいて決定されることが多い。例えば、パケットベースインターネットチャネルに対しては、1024バイトのサイズのペイロードを有するパケットが適切であり得る(1バイトは8ビット)。この例において、各パケットが出力記号の1群および8バイトの補助情報を含むと仮定し、かつすべての群が4個の出力記号を含むと仮定すると、入力記号サイズのMは、(1024−8)/4、すなわち254バイトが適切であり得る。別の例として、MPEGパケット規格を使用するいくつかの衛星システムがある。この場合、各パケットのペイロードは188バイトを含む。この例において、各パケットは出力記号の1群および4バイトの補助情報を含むと仮定し、かつすべての群が2個の出力記号を有すると仮定すると、記号サイズのMは、(188−4)/2、すなわち97バイトが適切であり得る。群連鎖反応符号化を使用する汎用通信システムにおいて、入力記号サイズ(すなわち、M、入力記号によって符号化されたビット数)などのアプリケーション特定パラメータは、アプリケーションによって設定された変数である。
【0030】
出力記号の各群は、その群における出力記号の各々に対する値を有する。以下を考慮する1つの好ましい実施形態において、出力記号の各群は、「キー」と呼ばれる識別子を有する。好ましくは、出力記号の各群のキーは、受信者によって容易に決定され、受信者が出力記号のある群を出力記号の別の群と区別できるようにする。好ましくは、出力記号の群のキーは、出力記号の他のすべての群のキーと異なる。また好ましくは、受信者が受信された出力記号の群のキーを決定するためには、送信中に含まれるデータは可能な限り少ない方がよい。
【0031】
キーイングの簡単な形態では、エンコーダによって生成された出力記号の連続した群に対するキーのシーケンスは、連続した整数のシーケンスである。この場合、各キーは、「シーケンス番号」と呼ばれる。各送信パケット中の出力記号値の1群がある場合、シーケンス番号がパケット中に含まれ得る。一般にシーケンス番号が少数のバイト(例えば、4バイト)に収まるので、いくつかのシステムにおいては、出力記号値の群とともにシーケンス番号を含むことは経済的である。例えば、各1024バイトのUDPインターネットパケットを使用して、シーケンス番号用に各パケット内に4バイトを割当ててもわずかに0.4%の負担がかかるだけである。
【0032】
他のシステムでは、1より多くのデータからキーを生成するのが好ましい。例えば、1以上の送信者からの同じ入力ファイルに基づいて生成された1より多くのデータストリームを受信する受信者を含むシステムを考える。ここで、送信データはパケットのストリームであり、各パケットは、出力記号の1群を含む。すべてのそのようなストリームが、キーと同じシーケンス番号のセットを使用する場合、受信者は、同じシーケンス番号を有する出力記号の群を受信する可能性がある。同じキーを有するか、または同じシーケンス番号を有する場合の出力記号の群は、入力ファイルについて同一の情報を含むので、受信者は、無駄な重複データを受信する。したがって、そのような場合、キーがシーケンス番号と対になった固有のストリーム識別子を含むことが好ましい。
【0033】
例えば、UDPインターネットパケットの1ストリームに対して、データストリームの固有の識別子は、送信者のIPアドレス、および送信者がパケットを送信するために使用しているポート数を含み得る。送信者のIPアドレスおよびストリームのポート数は、各UDPパケットのヘッダの一部であるので、キーのこれらの部分が受信者に確実に利用され得るように各パケット中に必要なさらなるスペースはない。送信者は、単にシーケンス番号を各パケットに対応の出力記号の群とともに挿入することのみを必要とし、受信者は、シーケンス番号およびパケットヘッダから受信された出力記号の1群のキー全体を再生成し得る。別の例として、IPマルチキャストパケットの1ストリームに対して、データストリームの固有の識別子は、IPマルチキャストアドレスを含み得る。IPマルチキャストアドレスは各IPマルチキャストパケットのヘッダの一部であるので、UDPパケットについての上記説明は、この場合についても同様に適用される。
【0034】
出力記号の群の位置によるキーイングは、それが可能な場合は好ましい。位置キーイングは、CD−ROM(コンパクトディスク読み取り専用メモリ)などの記憶装置から出力記号の群を読み出すために十分機能し得る。ここで、出力記号の1群のキーは、CD−ROM上の位置(すなわち、トラック、プラスセクタ、セクタ内のプラス位置など)である。位置キーイングはまた、ATM(非同期転送モード)システムなどの回路ベース送信システムのために十分機能し得る。ここで、整列したデータセルは、厳しいタイミング制約下で送信される。この形態のキーイングを使用すると、受信者は、出力記号の1群のキーを、そのキーを明確に送信するのに必要なスペースを有することなく、再生成し得る。当然、位置キーイングは、そのような位置情報が利用でき確実であることを必要とする。
【0035】
位置によるキーイングはまた、他のキーイング方法と組み合わせ得る。例えば、各パケットが出力記号の1より多くの群を含むパケット送信システムを考える。この場合、出力記号の群のキーは、固有のストリーム識別子、シーケンス番号、および出力記号の群のパケット内の位置から構築され得る。データイレーズは一般に全パケットの損失を生じるので、受信者は一般にパケットを全部受信する。この場合、受信者は、パケットのヘッダ(固有のストリーム識別子を含む)、パケット中のシーケンス番号、および出力記号の群のパケット内の位置を再生成し得る。
【0036】
いくつかのシステムにおいて好ましいキーイングの別の形態は、ランダムキーイングである。これらのシステムにおいては、乱数(疑似乱数)が、生成され、出力記号の各群に対するキーの少なくとも1部として使用され、および出力記号の群とともに明確に送信される。異なる物理的位置で異なる送信者によって生成されるキーに対してさえ(可能なキーの範囲が十分大きいと仮定する)、ランダムキーイングの1つの性質は、同じ値を有するキーの割合が小さい可能性がある。この形態のキーイングは、インプリメンテーションが簡単であるため、いくつかのシステムにおいては他の形態よりも利点を有し得る。
【0037】
上記のように、群連鎖反応符号化が有用であるのは、データイレーズの可能性があるか、または受信者が、送信が開始および終了するちょうどその時点で受信を開始および終了しない場合である。後者の条件は、本明細書中で「データ不完全性」と呼ばれる。これらの条件は、群連鎖反応符号化が使用される場合、通信プロセスに悪影響を与えない。なぜなら、受信される群連鎖反応符号化が、情報追加型であるように、極めて独立しているからである。出力記号の群のほとんどの任意集合が十分に独立しているので、大部分が情報追加型である(これは、本明細書中に記載の群連鎖反応符号化システムに対する場合である)ならば、任意の適切な数のパケットを使用して、入力ファイルを回復し得る。100パケットがデータイレーズを起こすノイズの発生によって損失する場合、その発生の後でさらに100パケットを取り上げてイレーズされたパケットの損失を置き換え得る。送信器が送信を開始した際に受信器が送信器に同調できず何千のパケットが損失した場合、受信器は、他の送信期間から(あるいは、別の送信器からの場合もある)その何千のパケットを取り上げる。群連鎖反応符号化を使用すると、受信者は、任意の特定のパケットのセットを取り上げることに制約されず、従って1送信器からいくつかのパケット受信し、別の送信器に切り換え、いくつかのパケットを損失し、所定の送信の開始または終了を逸しても、なお入力ファイルを回復し得る。受信器−送信器調整のない送信に接続および切断する機能は、通信プロセスを大きく簡略化する。
【0038】
群連鎖反応符号化を使用してファイルを送信するステップは、入力ファイルから入力記号を生成、形成、または抽出し、その入力記号を1以上の出力記号の群に符号化するステップ(ここで、出力記号の各群は、出力記号のすべての他の群とは独立なキーに基づいて生成される)、および出力記号の群を1以上の受信者にチャネルを介して送信するステップを含む。群連鎖反応符号化を使用する入力ファイルの1コピーを受信(および再構築)するステップは、1以上のデータストリームから出力記号の群のあるセットまたはサブセットを受信するステップ、および受信された出力記号の群の値およびキーから入力記号を復号化するステップを含む。
【0039】
エンコーダは、入力ファイルのデータおよびキーを使用して、出力記号の1群を生成する。ここで、入力ファイルは、入力アルファベットからそれぞれ選択される順列の複数の入力記号であり、キーは、キーアルファベットから選択され、群サイズは、正の整数として選択され、各出力記号は、出力アルファベットから選択される。キーIを有する出力記号の1群は、生成されるべき出力記号の群の群サイズG(I)を決定するステップ(ここで、群サイズGは、複数のキー上の少なくとも2つの値の間で変化し得る正の整数である)、生成されるべき出力記号の群の重みW(I)を決定するステップ(ここで、重みWは、複数のキー上の少なくとも2つの値の間で変化する正の整数である)、Iの関数にしたがって、出力記号の群に関連付けられるW(I)個の入力記号を選択するステップ、および選択されたW(I)個の入力記号の所定の値関数F(I)からG(I)個の出力記号値の群B(I)=B_1(I),...,B_G(I)(I)を生成するステップによって生成される。エンコーダは、1回以上呼び出され得、各回別のキーを用い、各回出力記号の1群を生成する。出力記号の群は、一般に互いに独立であり、無限の数(Iの解像度に従う)が、必要ならば生成され得る。
【0040】
デコーダは、出力記号の1以上の群の値および可能ならすでに回復された他の入力記号の値についての情報から入力記号を回復し得る。したがって、デコーダは、出力記号のいくつかの群からいくつかの入力記号を回復し得る。これにより、デコーダは、その復号された入力記号およびすでに受信された出力記号の群などからの他の入力記号を復号し得、したがってこれにより、ファイルの入力記号の回復の「連鎖反応」が受信者側で再構築される。
【0041】
(第1実施形態)
次に、本発明の実施の一形態を説明する。図1はこの発明の実施の形態1による地図データ処理システムを示す構成図である。図に示すように、地図データ処理システムは、地図データ配信システム10と、複数の情報処理装置20とを含んで構成される。
【0042】
地図データ配信システム10は、地図データを記憶する地図データベース11、地図データより群連鎖反応符号化方式に基づき複数のパケットを生成するパケット生成手段12、各パケットを放送波(衛星放送波、地上放送波のいずれであってもよい)により放送する放送手段13を含んで構成されている。
【0043】
情報処理装置20は、地図データ配信システム10から放送されたパケットを受信し、該パケットから群連鎖反応符号化方式に基づき地図データを復元する受信/復元手段21、地図データ(復元された地図データ又は/及び記憶媒体等により提供される地図データ)を記憶する地図データ記憶手段22、地図データを利用してナビゲーション機能を提供するナビゲーション手段23を含んで構成されている。情報処理装置20は、図に示すように原則として自動車等の走行体に実装されて使用される。
【0044】
地図データベース11及び地図データ記憶手段22は、例えば所定エリアごとに、該エリアの識別番号、該エリアに該当する部分地図データ(地図画像データ、道路等のネットワーク(トポロジー)情報、POI(ポイントオブインタレスト)情報など)、該部分地図データのバージョン番号などを対応づけて記憶している。地図データベース11及び地図データ記憶手段22は、通常のハードディスクを用いて構成できるほか、地図データが記録される記録媒体及びその読み出し/書き込み部等を備える構成、又はそれらの組み合わせとしてもよい。
【0045】
ナビゲーション手段23は、ユーザからの操作を受け付ける入力IF部、地図データを表示するためのディスプレイ、ユーザ操作に基づいて経路検索等を実行し、地図データ記憶手段22を参照して必要な地図データを読み出し、所定の形態でディスプレイに表示する制御部など、通常のナビゲーションシステムと同様の構成・機能を備えている。
【0046】
パケット生成手段12、放送手段13、受信/復元手段21については、以下の動作説明において併せて説明する。なお、各ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更して又は並列に実行することができる。
【0047】
(地図データ配信システム10の動作:図2、図3)
パケット生成手段12は、放送対象とするエリアを選択し、地図データベース11を参照して前記選択したエリアに対応する地図データを読み出す(S100)。エリアの選択方法としては、例えば地図データが更新されたエリアを選択する、地図データ配信システム10の所在地に関連したエリアを選択する、所定の順番でエリアを選択する、などが考えられる。
【0048】
パケット生成手段12は、前記読み出した地図データについて、群連鎖反応符号化方式に基づいて復元する場合に必要な符号化データの数P(以下、「復元必要データ数P」と呼ぶ。)を決定する(S101)。復元必要データ数Pは、例えば次のようにして決定することができる。1)入力記号数Kを求める(地図データサイズをX、符号化データのサイズをYとした場合、K=X/Y)。2)入力記号数KをK以上の素数値K’に変更する。3)K’に所定量の冗長量を付加した値をPとする。この冗長性は出コードを確実に行うために必要なものであり、例えばP=K’+5×SQR(K’)とすることができる。ここで、冗長率をP/K’と定義すると、K(K’)が大きいほど冗長率は小さくて済むことになる。例えばK’=10000の場合、P=1.05×K’と同等である。
【0049】
次に、パケット生成手段12は、前記読み出した地図データについて、群連鎖反応符号化方式に基づき符号化データを生成する(S102)(図4参照)。このとき、前記読み出した地図データについて既に生成した符号化データがある場合、かかる生成済みの符号化データとは異なるように、符号化データを生成する必要がある。
【0050】
次に、パケット生成手段12は、前記生成した符号化データについてパケットを生成する(S103)。パケットは、例えば図4に示すように、符号化データにエリア識別情報、地図データのバージョン情報、地図データサイズX(又は、復元必要データ数P)を付加して構成することが考えられる。
【0051】
次に、放送手段13は、パケット生成手段12が生成したパケットについて、放送波により放送する(S104)。放送手段13の構成は原則として従来の放送装置と同様に構成することができる。
【0052】
ここで、群連鎖反応符号化方式によれば、P個以上のパケット中の任意の異なるP個のパケットに基づき地図データを復元することが可能であるため、パケット生成手段12において生成すべきパケット数N(符号化データ数N)は、N≧Pの関係を満たしてさえいれば、どのように定めてもよい。
【0053】
図2はNを不定値とした場合のフローチャートの例であり、図3はNとして具体的な値を定めた場合のフローチャートの例である。
【0054】
図2に示すフローチャートの場合、パケット生成手段12は、前記読み出した地図データについて生成したパケット数(符号化データの数)がP個以上となっているかどうかを判断し(S105)、P個以上となっていない場合はS102に戻る。一方、P個以上となっている場合でも、前記読み出した地図データについて処理を続ける間は、S102に戻り符号化データを生成する(S106)。
【0055】
図3に示すフローチャートの場合、パケット生成手段12は、パケットをN個生成した時点で前記読み出した地図データについてパケット生成を中止する(S105’)。そして、放送手段13は、前記読み出した地図データについて処理を続ける間、パケット生成手段12が生成したN個のパケットを繰り返し放送する(S106’、S107’)。
【0056】
なお、N個のパケットを繰り返し放送する場合、各パケットの取り扱いが同等である必要は必ずしもなく、例えば各パケットの放送割合(単位時間あたりの放送回数)が異なっていてもよい。ただし、受信側において異なるP個のパケットを効率よく受信できるように、N個のパケットを1セットとして、該セットを周期的に放送することが望ましい。
【0057】
(受信/復元手段21の動作:図5)
受信/復元手段21は、地図データ配信システム10の放送手段13により放送されたパケットを受信する(S200)。
【0058】
受信/復元手段21は、受信したパケットから、エリア識別情報、地図データバージョン情報を抽出し、これらの情報に基づき、受信したパケットに含まれる符号化データが当該情報処理装置20において取得すべき地図データのものであるかどうかを判断する(S201)。判断方法としては、例えば、地図データ記憶手段22に記憶されていないエリアの地図データに関するものであった場合に取得すべきと判断する、地図データ記憶手段22に記憶されている地図データより新しいバージョンの地図データに関するものであった場合に取得すべきと判断する、などが考えられる。
【0059】
受信/復元手段21は、取得すべきでないと判断した場合は受信したパケットを破棄し(S202)、次のパケットの処理に移る(S210)。
【0060】
一方、取得すべきと判断した場合、エリア識別情報及び地図データバージョン情報に対応づけて、受信したパケットに含まれる符号化データを記憶する(S203)。
【0061】
このとき、受信/復元手段21は、該符号化データがエリア識別情報及び地図データバージョン情報に関して記憶した1つめの符号化データであるかどうかを判断し(S204)、1つめの場合は、エリア識別情報及び地図データバージョン情報に対応する受信パケット数に1をセットするとともに、受信したパケットより地図データサイズX(又は、復元必要データ数P)を抽出し、これをエリア識別情報及び地図データバージョン情報に対応づけて記憶する(S205)。一方、1つめでない場合は、対応する受信パケット数に1を加算する(S206)。
【0062】
次に、受信/復元手段22は、エリア識別情報及び地図データバージョン情報ごとに、受信パケット数が復元必要データ数Pに達したかどうかを判断する(S207)。なお、S205において地図データサイズXを抽出し記憶している場合は、S101において説明した方法と同様の方法により地図データサイズXに基づき復元必要データ数Pを決定し、これに基づき判断すればよい。
【0063】
受信/復元手段22は、達していないと判断した場合、次のパケットの処理に移る(S210)。
【0064】
一方、達していると判断した場合は、群連鎖反応符号化方式に基づいてP個のパケットに含まれる符号化データから地図データを復元する(S208)。なお、群連鎖反応符号化方式に基づく復元方法は特許文献1に詳細に開示されているため、当業者であれば該文献を参照することにより受信/復元手段21における復元処理を構成することが可能である。したがって、ここでは群連鎖反応符号化方式に基づく復元方法についての詳しい説明は避ける。
【0065】
この場合、受信/復元手段21は、地図データ記憶手段22を参照し、エリア識別情報及び地図データバージョン情報に対応づけて、復元した地図データを登録又は更新し(S209)、次のパケットの処理に移る(S210)。
【0066】
図6に示す例を用いて情報処理装置20の動作を説明する。この例では、P=4であり、図に示す番号順にパケットが放送されているものとする。そして、受信/復元手段21は、番号1、2のパケットについては受信できたが(図6(a)、(b))、番号3のパケットについては電波状態が悪く受信することができなかったものとする(図6(c))。この場合、次の番号4のパケットに続いて(図6(d))、番号5のパケットを受信した段階で(図6(e))、異なる4個のパケット(番号1、2、4、5)が揃うため、受信/復元手段21は、受信できなかった番号3のパケットが再び放送されるのを待つことなく、番号1、2、4、5のパケットに基づいて地図データの復元処理を実行することができる。
【0067】
このように本実施形態では、地図データ配信システム10(放送手段13)において放送波により地図データに関する符号化データを放送し、自動車等に実装される情報処理装置20(受信/復元手段21)において放送された符号化データを受信して地図データを復元し、これを記憶してナビゲーション機能に利用する構成としたので、記録媒体を介して地図データを配布する従来方法に比べて、効率よく新たな地図データや更新された地図データを配布することが可能となる。また、放送波に基づいて放送/受信する構成としているため、確認応答方式のように受信側の台数に依存して配信側システムの負荷が増大してしまうことを回避することができる。
【0068】
更に、群連鎖反応符号化方式に基づき、生成されたP個以上のパケット中の任意の異なるP個のパケットに基づいて地図データを復元することができるため、受信/復元手段21が所定のパケットを受信できなかった場合でも、カルーセル方式のように受信できなかったパケットが再び放送されるまで待つ必要はなく、タイムリーに地図データを復元して利用することが可能となる。そのため、例えばエンジンオフの状態や、トンネルの内部など放送波が届かない環境にある場合など、自動車等に特有の状況、すなわち受信/復元手段21が常に継続的にパケットを受信できるとは限らないという状況においても、効率よく地図データを配信する枠組みを提供することができる。
【0069】
(変形例)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく種々に変形して適用することが可能である。例えば、生成されたP個以上のパケット中の任意の異なるP個のパケットに基づいて地図データを復元することができる方式であれば、群連鎖反応符号化方式以外の方式、例えばリードソロモン符号化方式やトルネード符号化方式など、他の符号化方式を採用する構成としてもよい。
【0070】
また例えば、地図データ配信システム10が、地図データベース11、パケット生成手段12、放送手段13のうち、少なくともいずれかについて複数備える構成としてもよい。この場合、放送手段13によって放送する地図データを変える構成としてもよく、例えば放送手段13等が設置されているエリア又はその近隣エリアの地図データを放送する構成などを考えることができる。
【0071】
また例えば、放送手段13において複数の周波数(チャンネル)を使用し、チャンネルごとに異なる地図データを放送する構成としてもよい。この場合、情報処理装置20において、必要に応じて受信チャンネルを自動的に切り替えることで、自動車が所在するエリアの地図データや、ナビゲーション手段23により設定された目的地までの経路上の地図データなどを自動的に選択して受信する構成とすることができる。
【0072】
また例えば、情報処理装置20において、ユーザからの入力に基づいて、放送を受信してパケットを取得するかどうか、地図データを復元するかどうか(地図データ記憶手段22の記憶内容を更新するかどうか)などを判断する構成としてもよい。
【0073】
また例えば、上記実施形態では、放送波により放送する構成のみ説明しているが、本発明は必ずしもこのような構成に限られず、放送波による放送と、放送波による放送とは異なる通信方式(例えば、IEEE 802.11bの無線LAN方式など)とを組み合せて、地図データを配信する構成とすることもできる。例えば、図7に示すように、ガソリンスタンド等に所定の無線LAN方式に基づく通信手段を設置し、該通信手段より、パケット生成手段12(放送手段13にパケットを供給するパケット生成手段と必ずしも同一である必要はない)が生成したN個のパケットの一部又は全部を送信するように構成する。また、情報処理装置20に前記通信手段と通信可能な構成を設けておく。この場合、情報処理装置20では、走行中に放送手段13からの放送を受信してS個のパケットを取得する一方、ガソリンスタンド等に停車中に前記通信手段より前記S個のパケットと異なる残りのT個(T=P−S)のパケットについて高速に受信することが可能となり、放送波と無線LAN方式とを組み合せて効率よくパケットを取得することが可能となる。
【0074】
また例えば、上記実施形態では、図5に示すフローチャートに基づきシーケンシャルな処理として受信/復元手段21の動作を説明しているが、本発明は必ずしもこのような構成に限られず、受信工程(S200)、記憶工程(S201〜S206)、復元工程(S207〜S209)についてそれぞれ並列に実行する構成とすることもできる。
【0075】
また例えば、上記実施形態では、復元必要データ数Pと符号化データを1つのパケットに含めて放送する構成について説明しているが、本発明は必ずしもこのような構成に限られず、符号化データとは別のパケットを用いて復元必要データ数Pを放送する構成としてもよい。この場合、復元必要データ数Pを含むパケットの放送チャンネルは、符号化データを含むパケットの放送チャンネルと必ずしも同一である必要はない。更に、復元必要データ数Pを予め定めることができる場合は、情報処理装置20にデフォルトとして復元必要データ数Pを記憶させておく構成や、復元必要データ数Pを記憶する記憶媒体等を配布して情報処理装置20の使用者に通知する構成などを考えることもできる。
【0076】
また例えば、上記実施形態では、自動車に情報端末を実装する構成を例として説明しているが、受信側が非常に多く存在し、かつ常に通信ネットワークに接続できる環境にあるとは限らないという状況であれば、自動車以外のもの(例えば、電車や航空機等の走行体、携帯電話やPDA等の携帯端末、学校等の固定施設など)に情報端末を実装又は設置して使用したり、情報端末単体で使用する場合においても、本発明の効果を得ることができる。
【0077】
【発明の効果】
本発明によれば、群連鎖反応符号化方式を利用してパケットを生成/復元するとともに、放送波を利用して自動車にパケットを配信する構成を採用しているため、自動車等にデータ配信する場合に適した枠組みを提供することができる。
【0078】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態である地図データ処理システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】地図データ配信システム10の動作例を示すフローチャートである。
【図3】地図データ配信システム10の動作例を示すフローチャートである。
【図4】地図データ配信システム10における符号化データ及びパケットの生成工程を説明するための図である。
【図5】受信/復元手段21の動作を示すフローチャートである。
【図6】受信/復元手段21の動作を説明するための図である。
【図7】第1の実施形態の変形例を説明するための図である。
【符号の説明】
10 地図データ配信システム
11 地図データベース
12 パケット生成手段
13 放送手段
20 情報処理装置
21 受信/復元手段
22 地図データ記憶手段
23 ナビゲーション手段
Claims (6)
- 地図データベースに記憶される地図データより、群連鎖反応符号化方式に基づきP個以上の符号化データを生成し、該符号化データごとに生成したパケットを放送波により放送する地図データ配信手段と、
前記地図データ配信手段から放送されたパケット中の任意の異なるP個のパケットを受信し、群連鎖反応符号化方式に基づき該P個のパケットから前記地図データを復元する情報処理手段と、を備えることを特徴とする地図データ処理システム。 - 前記情報処理手段は、前記地図データを利用してナビゲーション機能を提供することを特徴とする請求項1記載の地図データ処理システム。
- 前記情報処理手段は、走行体に実装された状態で動作することを特徴とする請求項1又は2記載の地図データ処理システム。
- 更に、前記符号化データごとに生成したパケットの一部又は全部を所定の通信方式により送信する通信手段を備え、
前記情報処理手段は、前記放送に基づきS個(P>S)のパケットを受信し、前記通信手段からの送信に基づき前記S個のパケットと異なるT個(S+T=P)のパケットを受信し、前記S個のパケット及び前記T個のパケットから前記地図データを復元することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の地図データ処理システム。 - 地図データ配信手段から放送波により放送される符号化データを受信し、該符号化データに基づき地図データを復元する地図データ処理システムであって、
前記符号化データは、地図データを対象として群連鎖反応符号化方式に基づき生成された符号化データであり、
地図データ処理システムは、前記地図データ配信手段から放送されたP個以上の符号化データのうち任意の異なるP個の符号化データから、群連鎖反応符号化方式に基づき前記地図データを復元することを特徴とする地図データ処理システム。 - 地図データベースに記憶される地図データより、群連鎖反応符号化方式に基づきP個以上の符号化データを生成して、該符号化データごとにパケットを生成するパケット生成工程と、
前記パケットを放送波により放送する放送工程と、
放送された前記パケット中の任意の異なるP個のパケットを受信する工程と、
受信した前記P個のパケットから群連鎖反応符号化方式に基づき前記地図データを復元する工程と、を備えることを特徴とする地図データ処理方法。
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Cited By (2)
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JP2007328477A (ja) * | 2006-06-07 | 2007-12-20 | Hitachi Ltd | 通信システム、通信端末および情報処理装置 |
KR101526386B1 (ko) * | 2013-07-10 | 2015-06-08 | 현대자동차 주식회사 | 도로 정보 처리 장치 및 도로 정보 처리 방법 |
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2002
- 2002-12-27 JP JP2002381869A patent/JP2004212631A/ja active Pending
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