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JP2004209878A - 生分解性予備成形物、及びその製造方法 - Google Patents

生分解性予備成形物、及びその製造方法 Download PDF

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JP2004209878A
JP2004209878A JP2003001114A JP2003001114A JP2004209878A JP 2004209878 A JP2004209878 A JP 2004209878A JP 2003001114 A JP2003001114 A JP 2003001114A JP 2003001114 A JP2003001114 A JP 2003001114A JP 2004209878 A JP2004209878 A JP 2004209878A
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Japan
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preform
food residue
biodegradable plastic
vegetable food
glyoxal
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JP2003001114A
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English (en)
Inventor
Akito Nakamura
明人 中村
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SANMEITO KK
Original Assignee
SANMEITO KK
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Abstract

【課題】植物性残滓と生分解性プラスチックとを含む、新規な予備成形物、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】植物性食物残滓と生分解性プラスチック原料の比重の異なる原料にグリオキサール剤を少量配合することによって、従来必要であった植物性食物残滓とコーンスターチの混合ペレットを製造する工程を排除し、直接成形機ホッパーに投入できる均質化された予備成形物を得ることができる。更に保管、運搬管理も従来の石油系プラスチックと同様であり、成形された成形品の分散性よく物性的にも向上する。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、植物性食物残滓、生分解性プラスチック及びグリオキサールを含むことを特徴とする成形用組成物、及び該組成物から得られた予備成形物及び成形品、並びにこれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、成形技術を利用して製造された石油由来のプラスチック製品は、成形性、コスト、強度等の点から高く評価されさまざまな分野で幅広く使用されている。しかし、石油由来のプラスチック製品は廃棄処理に問題を有しており、焼却又は埋め立て処理時にダイオキシンをはじめとする有害ガスが発生する等、環境を汚染するとされている。又、石油は有限資源であり近い将来枯渇すると危倶されている。この為或る程度無限に供給ができ又、廃棄後有害ガスを伴わず速やかに水と二酸化炭素に分解される、生分解性プラスチックが注目されている。しかし、生分解性プラスチックは原料のコストが高く、流動性に劣ると言う問題を有しており広く普及に至っていない。
【0003】
また、食品加工業界においては豆腐製造時に排出されるおから、玄米を精米する時に排出される米ぬか、コーヒー豆の搾り滓、籾米の精製時に発生する籾殻などの植物性食物残滓が大量に排出され、一部食品や肥料、飼料として使用されているが、再利用されず殆んどが産業廃棄物として処理され、処理法に問題を有している。
【0004】
これら生分解性プラスチックと植物性食物残滓とから生分解性プラスチック成形品を製造しようとする試みが行われてきた。
特開2001−81201号公報には、「植物性残滓粉末と繋ぎ材としてのコーンスターチからなる混合ペレットと生分解性プラスチックとを混合攪拌し、得られた混合材を成形機内に投入して特定形状に成型することを特徴とする成形品の製造方法」が開示されている。
【0005】
また、本願出願人による特願2001−179980号には、「植物性食物残滓を含有する生分解性プラスチック成形品の製造方法であって、(1)前記植物性食物残滓を熱風乾燥することにより含水率が13%以下及び平均粒径が30μm以下の乾燥粉末を作製し、(2)前記乾燥粉末とコーンスターチを、重量比(乾燥粉末/コーンスターチ)を95/5〜8/2の割合で混練し、(3)前記混練したものを押出成形機に投入して円柱状の混合ペレットを作製し、(4)前記混合ペレットと生分解性プラスチックを、重量比(混合ペレット/生分解性プラスチック)を51/49〜35/65の割合で混合し、(5)さらに炭酸カルシウムを加えて混合した後成形機内に投入して、特定形状に成形することを特徴とする方法。」が開示されている。
【0006】
これらの特許出願においては、植物性食物残滓粉末と生分解性プラスチックとに著しい比重差(例えば、植物性食物残滓粉末の比重は約0.3〜0.6、例えば約0.4であり、生分解プラスチックの比重は約1.1〜1.3、例えば約1.2である)があるため、まず植物性食物残滓粉末をペレットに成形して比重を調節し、次にこの予備成形物と生分解性プラスチックとを混合して成形品を得ている。しかし、植物性食物残滓粉末を予備成形物とする際に繋ぎ材としてコーンスターチを使用するため、製品表面にコーンスターチの白色が出るという問題がある。また製品中の成分の分散が不十分なため引張り性、曲げ性、耐衝撃性等の製品の物性面に低下がみられる場合がある。また、特に産業的な大量生産の場合のように、植物性食物残滓とコーンスターチとから調製された予備成形ペレットを、生分解性プラスチックとの混合前に保管する必要がある場合には、予備成形物の吸湿性が高いため、カビ等が発生するばかりでなく、予備成形物の含水率が増加し、これに対応するためその都度生分解性プラスチックとの混合成形の条件を変更しなければならない煩わしさがある。
【0007】
従って本発明は、成形性が良く、価格的にも安価で物性的に優れた新規な予備成形物及び成形品の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明の目的は、成形工程、及び製品の品質・機能に悪影響するという問題を有していた、植物性食物残滓とコーンスターチの混合によるペレットの製造工程を排除し、植物性食物残滓と生分解性プラスチックとの直接混合を可能とし、もって製造工程を簡素化し、さらに安定した良好な物性を持った予備成形物、及び成形品の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者は植物性食物残滓粉末と生分解性プラスチック原料の比重の異なる原料にグリオキサール剤を少量配合することによって、植物性食物残滓を前もってペレット化することなく、植物性食物残滓粉末と生分解性プラスチックが均質に混合できることを発見した。そしてこれによって植物性食物残滓と生分解性プラスチック原料の均質混合物を得るために従来必須であった植物性食物残滓とコーンスターチの混合ペレットを製造する工程を排除し、直接成形機ホッパーに投入できる均質化された予備成形物を得ることに成功した。更に保管、運搬管理も従来の石油系プラスチックと同様であり、成形された成形品の分散性よく物性的にも向上することが判明し本発明に至った。
【0009】
<発明の態様>
本発明に従い、
・植物性食物残滓、生分解性プラスチック及びグリオキサールを混合することを特徴とする、成形用組成物の製造方法が開示される。
【0010】
・植物性食物残滓、生分解性プラスチック及びグリオキサールを混合することを特徴とする、成形用組成物の製造方法であって、植物性食物残滓の生分解性プラスチックに対する重量比が約30:70〜約50:50であることを特徴とする方法が開示される。
【0011】
・植物性食物残滓、生分解性プラスチック及びグリオキサールを混合することを特徴とする、成形用組成物の製造方法であって、グリオキサールの量が植物性食物残滓及び生分解性プラスチックの合計量に対して約0.4〜1.2重量%であることを特徴とする方法が開示される。
【0012】
・植物性食物残滓、生分解性プラスチック及びグリオキサールを含む材料を混合して、組成物を得る工程、
該組成物を予備形成して予備成形物を得る工程を含む、予備成形物の製造方法が開示される。
【0013】
・該予備成形物の製造方法において、予備成形が押出機による押出成形であり、押出機のスクリューがニーディング部及びリバーススクリューを含む方法が開示される。
【0014】
・植物性食物残滓、生分解性プラスチック及びグリオキサールを含む材料を混合して、組成物を得る工程、
該組成物を予備形成して予備成形物を得る工程、及び
予備形成物を成形して成形品を得る工程を含む、成形品の製造方法が開示される。
【0015】
・該成形品の製造方法において、成形品を得るための成形法が射出成形、押出成形、エアーブロー成形、インフレーション法及びカレンダー法から選択される1種であり、成形法によって生分解プラスチックのメルトインデックス(MI)が選択される方法が開示される。
【0016】
・該成形品の製造方法において、生分解性プラスチックが、化学合成系及び天然物利用系のものから選択される1種以上であることを特徴とする、方法が開示される。
【0017】
・グリオキサールを加えることを特徴とする、植物性食物残滓と生分解性プラスチックとの均質混合方法が開示される。
・植物性食物残滓、生分解性プラスチック及びグリオキサールを含むことを特徴とする成形用組成物が開示される。
【0018】
・植物性食物残滓、生分解性プラスチック及びグリオキサールを含むことを特徴とする、予備成形物が開示される。
・植物性食物残滓、生分解性プラスチック及びグリオキサールを含むことを特徴とする、成形品が開示される。
【0019】
・グリオキサールを含むことを特徴とする、植物性食物残滓と生分解性プラスチックとを混合するための混合助剤が開示される。
さらに、本発明に従い、おから、米ぬか、籾殻又はコーヒー滓から選ばれる一種以上の植物性食物残滓と生分解性プラスチックとからなることを特徴とする予備成形物の製造方法が開示される。
【0020】
また、本発明に従い、上記予備成形物は、植物性食物残滓粉末と生分解性プラスチックの混合比が重量比で30〜50:70〜50であることを特徴とする予備成形物の製造方法が開示される。
【0021】
また、本発明に従い、上記の予備成形物は成形機による成形後の製品の物性を高めると同時に植物性食物残滓の分散を促進向上させるためグリオキサール剤を混合させることを特徴とする製造方法が開示される。
【0022】
また、本発明に従い、上記成形機による原料の混錬、分散を更に促進向上させる為、押出機スクリューパターンに特徴を持つ製造方法が開示される。
さらに本発明に従い、植物性食物残滓粉末と生分解性プラスチックの比重差に違いのある原料を、直接混合し押出機で製造後成形品製造の成形機に直接投入できる予備成形物を得ることを特徴とした製造方法が開示される。
【0023】
さらに、上記植物性食物残滓粉末が、13%以下、好ましくは8〜10%の含水率、及び20ミクロン以下、好ましくは20〜40ミクロンの均一化された粒子の大きさを有し、米ぬかは脱脂後であることを特徴とする製造方法が開示される。
【0024】
さらに、上記予備成形物は、射出成形、押出成形、エアーブロー成形、インフレーション法及びカレンダー法等製造方法に合わせた生分解性プラスチックのメルトインデツクス(MI)を選択混合できることを特徴とする製造方法が開示される。
【0025】
さらに、上記生分解性プラスチックは、化学合成系、或いは天然物利用系から選ばれる一種以上であることを特徴とする予備成形物の製造方法、及び成形品の製造方法が開示される。
【0026】
さらに、本発明の植物性食物残滓を含有する生分解性プラスチック予備成形物の製造方法は、(1)植物性食物残滓を熱風乾燥することにより原料含水率を約5〜約15、好ましくは約8〜約10%、及び粉砕工程から平均粒径が20〜40μmの乾燥粉末を作成し、(2)前記乾燥粉末と生分解性プラスチックを重量比30〜50:70〜50の割合に対して40重量%グリオキサール水溶液を1〜3%配合、混練し(3)押出機に投入し、円柱状の予備成形物を作製後、(4)任意製品製造に応じた成形機内に投入し、特定形状に成形することを特徴とする。
【0027】
また、植物性食物残滓とコーンスターチを混合した混合ペレットを用いず直接、植物性食物残滓粉末と生分解性プラスチックを混練し、押出機に投入し成形用予備成形物を製造することを特徴とする製造方法が開示される。
【0028】
また、比重差の大きい植物性食物残滓粉末と生分解性プラスチックをグリオキサールを配合することで成分が均一に分散化された予備成形物を作製することを特徴とする製造方法が開示される。
【0029】
また成形現場において石油由来の予備成形物と同様の使用が可能な予備成形物を供給することが特徴の製造方法が開示される。(成形現場において植物性食物残滓とコーンスターチの混合ペレットと生分解性プラスチックを混合、攪拌投入する必要はない。)
<原料>
1.植物性食物残滓
本発明において用いることができる植物性食物残滓としてはおから、米ぬか、籾殻、コーヒー滓が挙げられる。おからは豆腐製造工程で排出される豆乳のしぼりかすであり、主な成分は繊維であるが幾分かのタンパク質、脂肪等が含まれている。おからを用いる時は表皮が残留しているものより、残留していないほうが最終製品の製造に適している。表皮が残留しているおからを用いると、最終製品の表面に露出し、剥離の原因になったり製品物性の低下を招く原因になるため、粉砕して20ミクロン以下の粒子にすれば表皮のないおからと同様の効果を有する。
【0030】
米ぬかは、玄米を精米する時排出される粉末であるが多量の油脂を含有しているため、そのまま用いると成形時に油脂分が悪影響して、品質の良い予備成形物及び製品が得られない。そのため米ぬかは、脱脂機で油脂分を抽出されたものを使用する。得られた脱脂米ぬかの粒子は均一なため、粉砕することなくそのまま使用できる。
【0031】
籾殻は、籾米を精製する時に排出される米の表皮であるが、粒子が大きいため粉砕機で20ミクロン以下に粉砕しなければ、原料として使用できない。表皮の裏側に若干の油脂分を有しているが、予備成形物、及び成形製品の製造上品質に大きな問題を有するものではない。
【0032】
コーヒー滓は、予め皮と肉質部を除いた杯にコーヒー豆を粉砕して煎った後排出される残滓であり、例えば缶コーヒー用のコーヒー飲料を製造する場合に大量に排出される。含水率が高いため乾燥が必要となるが、粒子の大きさに付いてはそのままでも用いることができるが、好ましくは20ミクロン以下に粉砕されたものが適している。
【0033】
好ましくは植物性食物残滓は粉末の形態である。粉末は通常1mm以下の固体である。
2.生分解性プラスチック
生分解性プラスチックは、その由来、起源から分類すると微生物産生系、化学合成系、天然物利用系の三つに大別できる。一方化学構造に基づいて分類するとポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリビニルアルコール、多糖とその誘導体となる。バクテリア等の微生物により分解、或いは加水分解されるものであればいずれのプラスチックでも本発明において使用できる。例えば、化学合成系の中にポリ乳酸生分解性プラスチックがあり、メルトインデツクスの違うものが種々ある。メルトインデックスの数値の高いグレードは射出成形用に適しており、逆に低いグレードは押出成形用に適している。硬度の高い成形品を得るにはポリ乳酸が好ましく逆に柔らかい成形品を得るには、ポリブチレンサクシネート(PBS)が好ましい。これらのプラスチックは土中、水中において微生物の働きにより水と二酸化炭素に分解され、燃焼に要する発熱カロリーも少ない。ポリ乳酸による成形品は、土中、水中において分子量は減少するものの、1〜2年では形状・物性の変化は見られないが、本発明による予備成形物を原材料とした成形品は、大気中では形状・物性を保持しているが、土中、水中では遅くても約6〜7ケ月で完全分解される。本発明に適した商業的に入手できる生分解性プラスチックとしては、株式会社島津製作所の「ラクティ(R)」(ポリ乳酸系)及び昭和高分子株式会社の「ビオノーレ(R)」(ポリブチレンサクシネート・アジペート)などが挙げられる。生分解プラスチックは、例えばペレット状の形態で入手できる。
【0034】
3.グリオキサール
グリオキサールは、化学式(CHO)によって示される化学物質であり、例えば40重量%の水溶液の状態で市販されている。本発明においては、このような水溶液を使用することができる。
【0035】
<製造方法>
1.混合
混合される原料の植物性食物残滓である、おから、コーヒー滓、籾殻等を乾燥して水分含量通常13重量%以下、好ましくは8〜10重量%とする。水分含量を13重量%以下にすることにより、予備成形物の製造時の結合性、分散性を向上させることができ、又成形品製造時の原料の流動性等成形性を向上させることができる。又、米ぬかを使用する場合は脱脂機により油分を90重量%以上、好ましくは93〜95重量%脱脂しなければならない。粉砕工程で粉砕された植物性食物残滓粉末と生分解性プラスチックを攪拌機に投入し約5分間以上攪拌する。攪拌時間は好ましくは、約8〜10分間である。植物性食物残滓と生分解性プラスチックの混合比率は10:90〜50:50、好ましくは30:70〜50:50である。成形品の使用用途によってこの混合比率は異なるが、分解性を早期に要求する場合は、植物性食物残滓と生分解性プラスチックの混合比率は50:50が好ましく、強度、耐久性を要求する製品の場合は30:70が好ましい。いずれも土中、及びコンポスト内において、水と二酸化炭素に分解されるが、分解速度はそれぞれ異なり前者は約3〜4カ月、後者は約6〜7カ月である。又、各混合比率に対するグリオキサールの配合割合は前者の場合約1.2%、後者の場合約0.4%が好ましい。一般に、植物性食物残滓粉末の混合比率が高くなるほどグリオキサールの配合比率を高くする必要がある。
【0036】
2.予備形成物の製造
予備成形の方法としては種々の公知の方法が使用できるが、押出成形が好ましい。また予備成形物は、球状、円筒状、板状などいずれの形態の成形用圧縮塊(ペレット、タブレット、ピル、ビスケット等とも呼ばれる)であってもよい。
【0037】
一例として、本発明の予備成形は、市販の押出成形機を用い攪拌工程で得られた混合物を原料ホッパーから投入し、更に定量フィーダーを用い混合物を定量的にシリンダー内に投入するのが好ましい。得られる予備成形物中の成分の分散化を促進させる為、押出機のスクリューにニーディング部(材料を混ぜる箇所)を少なくとも一ケ所設けることが好ましい。例えばニーディング部スクリューの角度は15°で6枚組で設定できる。好ましくはニーディング部の直後にリバース(戻り)スクリューを設けることで、より良好な混合物の分散化が得られる。このようなニーディング部及びリバーススクリューを有するスクリューの一例を図1に示す。上記、成形条件で先端ダイス口から押し出された予備成形物は、例えば円柱状であり、その大きさは、必ずしも限定されないが例えば直径4〜5mm、長さ5〜7mmの範囲である。上記のサイズは、通常の成形機用原材料として用いられている石油由来によるプラスチック原材料と同等であり、そのことにより汎用化されている市販成形機に通常の原材料として用いることができる。得られた予備成形物は、一般に乾燥工程は必要とせず、所望により冷却工程を経て梱包される。(自然冷却でもよい)
3.成形品の製造
成形品の製造に使用する方法は、射出成形、押出成形、エアーブロー成形、インフレーション法、カレンダー法等の公知の方法を目的に応じて適宜使用可能である。
【0038】
例えば、上記の押出成型機で得られた予備成形物は、そのまま成型機のホッパーに投入、成型条件を設定すれば市販の射出成形機、押出成形機等で成形品の製造に利用できる。例えば、図1に示すように慣用されている一般的なプラスチック射出成形機用のインラインスクリュー式の機械が使用できる。
【0039】
<成形品の用途>
本発明の成形品は従来の射出成形機により成型されていた石油由来のプラスチック製品と同等の成形性や強度を保持しているため、従来のプラスチック製品と同様の用途での使用が可能である。また、本発明の成形品は植物性食物残滓を混合しているため、繊維質を多量に含有し、従来のプラスチック製品の成形時に添加していた反り防止剤等の添加も必要なく従来のプラスチックと同等の形状、強度等を有している。
【0040】
<成形品の廃棄処理>
本発明の製造方法によって製造された成形品は、生分解性プラスチックと植物性食物残滓の混合物であり、速やかに土に還すことが出来る。特に、植物性食物残滓としておからを用いた場合には、おからがバクテリア等の微生物の活動を活発化して、より速やかに経時変化が促進され土に還すことが出来る。さらに、本発明の製造方法により製造された成形品は従来の石油由来のプラスチック製品のような有害物質は発生しない。従って廃棄する場合、本発明成形品は、土にそのまま還しても良く、又、焼却、コンポスト処理しても良い。
【0041】
【実施例】
実施例1
以下の製造方法により予備成形物を製造した。
【0042】
植物性食物残滓として粒径30ミクロン前後、含有水分10%前後に調整したおから3kg、生分解性プラスチック7kg、及び植物性食物残滓と生分解性プラスチックの合計量に対して、1重量%の40重量%グリオキサール水溶液を添加し、混合機に投入して約5分間混合した。生分解性プラスチックとしては、ポリ乳酸系生分解性プラスチックで株式会社島津製作所の商品名「ラクティ」の#9030を使用した。
【0043】
得られた混合物を市販の押出機(池貝製PCM46/2−35押出機)に投入し、押出機先端(ダイス穴)から予備成形物を得た。押出成形機の成形条件は、
フィーダー:50rpm
トルク:5%
シリンダー平均設定温度:160℃
圧力:10kg/cm
樹脂温度:161℃
押出量:30kg/時
スクリュー回転速度:40rpm
アダプター温度:170℃
ニーディング部:1カ所
ベント口:1カ所,0.025MPa
であった。
【0044】
上記成形条件で先端ダイス口から押し出された予備成形物の大きさが直径4〜5mm、長さ5〜7mmの範囲になるようカッター速度を調整し、円柱状の予備成形物を得た。なお、生分解性プラスチックのメルトインデックスが高い数値の材料は、上記シリンダー設定温度を約20℃低く設定し約150℃の条件下で成形が必要である。
【0045】
実施例2
実施例1で得られた予備成形物を図2に示す市販の射出成形機で成形品を製造した。成形条件等は表1に記載した通りである。
【0046】
【表1】
Figure 2004209878
【0047】
図2に示す射出成形機用のインラインスクリュー式の機械は、ホッパーと加熱シリンダーと金型からなっている。この加熱シリンダーの上には4個のヒーター(H3、H2、H1、HN)が装置されている。H3は金型のキャビティのゲートから最も遠くに位置し、H2、H1、HNの順に射出ノズルに近づくように配置されている。射出成形機に投入された予備成形物はホッパーを通って、更にヒーターによって加熱された加熱シリンダー内に送給される。加熱シリンダーの内部ではスクリュー(図示しない)の回転により、混合物が可塑化されて物質の溶融体として、スクリューの先端部に滞積される。溶融体の蓄積圧力によってスクリューが一定距離後退した後に今度は逆に前進に転じてプランジー(図示しない)として働き、ノズルから溶融体はピンゲートに向かって射出される。
【0048】
射出された溶融体は金型のキャビティの中で一定時間保持され、固定して図3に示す成形品(電子部品入れ)となった後、金型から取り出した。この成形品の肉厚は0.7mmであり、寸法は縦方向が18cm、横方向が8cm、高さが1.5cmの形状であった。
【0049】
生分解性プラスチック及び植物性食物残滓混合原料は石油系由来のプラスチックに比して、基本的に流動性が悪く、金型内において成形しようとする製品形状の先端まで材料が入りにくく、現象としてショートと言われる不完全製品となりやすい。しかし、本実施例において得られた成形品である電子部品入れにつては高い流動性を必要とするピンゲート方式を採用したにも関わらず、いずれもガス溜りを原因とする膨れやくもりは見られず表面にも割れ及びショートと呼ばれる流動不足も見られなかった。又、直線部においても反り等もなく、従来の石油由来のプラスチック成形品と同等の品質が得られた。
【0050】
【発明の効果】
以上のように、本発明の予備形成物及びそれを使用した成形品の製造方法にあっては、植物性食物残滓粉末とコーンスターチを混合するという作業工程を排除することができる。また、グリオキサールを配合することで今まで品質的に確保出来なかった均一分散化された予備成形物の作製をすることが出来、更にその効果で原材料保管中の劣化及び成形現場における混合作業も排除され、得られた成形品も従来のプラスチック製品と同等の品質が確保される。従って従来のプラスチック原材料と同様に取扱い使用が出来る。
【0051】
本発明の製造方法で製造された成形品は、土にそのまま還すことにより廃棄処理することが出来る他、又、焼却しても、従来の石油由来のプラスチック製品とは異なり、有害物質は発生しない等の環境に対し優れた効果を有するものである。
更に上記予備成形物は、食品工業界等で産業廃棄物として処理される残滓をリサイクル化した植物性食物残滓を混合しており、100%生分解性プラスチックで成形される。成形品製造原料価格の低減化を図ることが出来、高価な生分解性プラスチックの汎用性を高める一因となり得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ニーディング部及びリバーススクリューパターンを含む、本発明に適した予備成形用押出機のスクリューの略図である。
【図2】図2は、射出形成機の略図である。
【図3】図3は本発明の予備成形物から成形された電子部品入れの略図である。

Claims (13)

  1. 植物性食物残滓、生分解性プラスチック及びグリオキサールを混合することを特徴とする、成形用組成物の製造方法。
  2. 植物性食物残滓の生分解性プラスチックに対する重量比が約30:70〜約50:50であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. グリオキサールの量が植物性食物残滓及び生解性プラスチックの合計量に対して、約0.4〜1.2重量%であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 植物性食物残滓、生分解性プラスチック及びグリオキサールを含む材料を混合して、組成物を得る工程、
    該組成物を予備形成して予備成形物を得る工程を含む、予備成形物の製造方法。
  5. 予備成形が押出機による押出成形であり、押出機のスクリューがニーディング部及びリバーススクリューを含む、請求項4に記載の方法。
  6. 植物性食物残滓、生分解性プラスチック及びグリオキサールを含む材料を混合して、組成物を得る工程、
    該組成物を予備形成して予備成形物を得る工程、及び
    予備形成物を成形して成形品を得る工程を含む、成形品の製造方法。
  7. 成形品を得るための成形法が射出成形、押出成形、エアーブロー成形、インフレーション法及びカレンダー法から選択される1種であり、成形法によって生分解プラスチックのメルトインデックス(MI)が選択される、請求項6に記載の方法。
  8. 生分解性プラスチックが、化学合成系及び天然物利用系のものから選択される1種以上であることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  9. グリオキサールを加えることを特徴とする、植物性食物残滓と生分解性プラスチックとの均質混合方法。
  10. 植物性食物残滓、生分解性プラスチック及びグリオキサールを含むことを特徴とする成形用組成物。
  11. 植物性食物残滓、生分解性プラスチック及びグリオキサールを含むことを特徴とする、予備成形物。
  12. 植物性食物残滓、生分解性プラスチック及びグリオキサールを含むことを特徴とする、成形品。
  13. グリオキサールを含むことを特徴とする、植物性食物残滓と生分解性プラスチックとを混合するための混合助剤。
JP2003001114A 2003-01-07 2003-01-07 生分解性予備成形物、及びその製造方法 Pending JP2004209878A (ja)

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