JP2004204922A - 流体モータの駆動回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】制御弁67の切換応答速度を速くするとともに、メイン通路19、20におけるキャビテーションを効果的に抑制する。
【解決手段】切換弁11が流れ位置Aから中立位置Cに切換えられると、流体モータ18がポンプ作用を行って供給側メイン通路19から流体を吸引し排出側メイン通路20に吐出する。このとき、制御弁67が連通位置(右側位置F)に切換わって接続通路(補充通路)69、モータドレン通路73同士を連通する。このとき、ブレーキ圧の影響で流体モータ18からモータドレン通路73に漏れ出た多くの流体が流体モータ18の近傍においてそのまま供給側メイン通路19に流入し、該供給側メイン通路19に充分な量の流体が補充される。
【選択図】 図1
【解決手段】切換弁11が流れ位置Aから中立位置Cに切換えられると、流体モータ18がポンプ作用を行って供給側メイン通路19から流体を吸引し排出側メイン通路20に吐出する。このとき、制御弁67が連通位置(右側位置F)に切換わって接続通路(補充通路)69、モータドレン通路73同士を連通する。このとき、ブレーキ圧の影響で流体モータ18からモータドレン通路73に漏れ出た多くの流体が流体モータ18の近傍においてそのまま供給側メイン通路19に流入し、該供給側メイン通路19に充分な量の流体が補充される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、排出側メイン通路にカウンターバランス弁が設けられた流体モータの駆動回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開昭58−131405号公報
【特許文献2】
特開2001−214901号公報
【特許文献3】
特開2002−39108号公報
【0003】
従来の流体モータの駆動回路としては、例えば前記特許文献1に記載されているようなものが、また、関連した技術としては特許文献2、3に記載されているようなものが知られている。ここで、前記特許文献1に記載されているものは、流体モータと切換弁とを接続する一対のメイン通路と、これらメイン通路の途中に設けられ、前記流体モータがポンプ作用を行ったとき、排出側メイン通路における流体の流れを制限するカウンターバランス弁と、供給側メイン通路に接続された第1補充通路と、排出側メイン通路に接続された第2補充通路と、前記第1、第2補充通路間に設けられ、第1、第2補充通路同士を連通する連通位置と、これら両通路同士を遮断する遮断位置とに切換わることができる制御弁と、前記制御弁にカウンターバランス弁を通じて供給側メイン通路の内圧を導き、スプリングと協働して制御弁を遮断位置に切換えることができる第1パイロット通路と、前記制御弁にカウンターバランス弁と切換弁との間の排出側メイン通路から内圧を導き、該制御弁を連通位置に切換えることができる第2パイロット通路とを備えたものである。
【0004】
そして、このような駆動回路において、切換弁を流れ位置から中立位置に切換えて供給側、排出側メイン通路を共にタンクに接続すると、流体モータが慣性によりポンプ作用を行うため、供給側メイン通路内が負圧となる。このとき、前記負圧は第1パイロット通路を通じて制御弁に導かれるが、この制御弁には第2パイロット通路を通じて排出側メイン通路内の背圧が導かれているため、該制御弁は前記背圧によりスプリングに対抗して遮断位置から連通位置に切換わり、これにより、排出側メイン通路内の流体が供給側メイン通路に流入して、供給側メイン通路におけるキャビテーションが抑制される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、このような従来の流体モータの駆動回路にあっては、前述のように流体モータがポンプ作用を行うと、カウンターバランス弁が流れを制限するため、排出側メイン通路の内圧が上昇して、流体モータからの流体漏れが多くなり、これにより、排出側メイン通路から供給側メイン通路への流体の流入量が不足してキャビテーションを発生するおそれがある。このとき、タンクから供給側メイン通路に流体が吸引されてキャビテーションが防止されることも考えられるが、このような流体回路が土木建設機械の駆動装置に用いられている場合には、流体モータがタンクから遠く離れているため、前述のような吸引が充分に行われず、結果としてキャビテーションが発生してしまうことがあるという問題点がある。
【0006】
また、前述のような駆動回路にあっては、第2パイロット通路を通じてカウンターバランス弁と切換弁との間の排出側メイン通路から制御弁に内圧を導くようにしているが、この部位の排出側メイン通路はカウンターバランス弁より下流側であるため、流体モータがポンプ作用を行っているときも背圧程度の低圧であり、この結果、制御弁に作用する流体圧差も小さくて制御弁切換の応答速度が遅くなってしまうという問題点もある。
【0007】
この発明は、制御弁切換の応答速度が速く、かつ、キャビテーションを効果的に抑制することができる流体モータの駆動回路を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、流体モータと切換弁とを接続する一対のメイン通路と、排出側メイン通路の途中に設けられ、前記流体モータがポンプ作用を行ったとき、排出側メイン通路における流体の流れを制限するカウンターバランス弁と、供給側メイン通路に接続された補充通路と、前記流体モータのモータドレン通路と、前記補充通路とモータドレン通路との間に設けられ、補充、モータドレン通路同士を連通する連通位置と、補充、モータドレン通路同士を遮断する遮断位置とに切換わることができる制御弁と、前記制御弁に供給側メイン通路の内圧を導き、該制御弁を遮断位置に切換えることができる第1パイロット通路と、前記制御弁に流体モータとカウンターバランス弁との間の排出側メイン通路から内圧を導き、該制御弁を連通位置に切換えることができる第2パイロット通路とを備え、前記流体モータがポンプ作用を行ったとき、第2パイロット通路を通じて排出側メイン通路の内圧を制御弁に導くことで、該制御弁を連通位置に切換え、モータドレン通路内の流体を供給側メイン通路に補充できるようにすることにより達成することができる。
【0009】
今、切換弁が流れ位置から中立位置に切換えられ、供給側メイン通路を通じての流体モータに対する高圧流体の供給が停止したとする。このとき、流体モータは慣性により回転してポンプ作用を行い、供給側メイン通路から流体を吸引して排出側メイン通路に吐出し、一方、カウンターバランス弁は排出側メイン通路における流体の流れを制限するため、流体モータとカウンターバランス弁との間の排出側メイン通路に高圧のブレーキ圧が発生し、該流体モータに流体制動が与えられる。
【0010】
このようにして流体モータとカウンターバランス弁との間の排出側メイン通路に発生した高圧のブレーキ圧は第2パイロット通路を通じて制御弁に導かれ、該制御弁を遮断位置から連通位置に切換える。このとき、制御弁には前述のような高圧のブレーキ圧が導かれるため、制御弁は高速で切換わり、切換の応答速度が速くなる。
【0011】
ここで、前述のように流体モータのポンプ作用により供給側メイン通路から流体が吸引されると、該供給側メイン通路の内圧が負圧になろうとするが、このとき、前述のように制御弁が連通位置に切換わって補充通路とモータドレン通路(流体モータ内のモータドレン室を含む)とを連通しているため、モータドレン通路内の流体が補充通路を通じて供給側メイン通路に流入する。
【0012】
このとき、排出側メイン通路の内圧が高圧のブレーキ圧まで上昇するため、流体モータからの流体漏れが多くなるが、この流体モータから漏れた流体がそのまま該流体モータの近傍においてモータドレン通路から供給側メイン通路に戻されるため、供給側メイン通路に充分な量の流体が迅速に補充され、キャビテーションが効果的に抑制される。
【0013】
また、請求項2に記載のように構成すれば、制御弁の切換速度がさらに高速となってキャビテーションの抑制効果がさらに向上する。
さらに、請求項3に記載のように構成すれば、連通位置に切換わる直前(バイパス位置に切換わっているとき)に、流体モータから排出側メイン通路に吐出された流体を、小さな管路抵抗の下で大量に供給側メイン通路に戻すことができ、これにより、流体モータの減速フィーリングを向上させることができるとともに、騒音を低減させることもできる。
【0014】
また、前述のように流体モータがポンプ作用を開始すると、その直後に流体モータからの漏れが最大となってモータドレン通路の内圧がピーク圧となるが、このピーク圧が排出側メイン通路より高くなる場合がある。この場合には、請求項4に記載のように構成することで、制御弁がバイパス位置にあっても、チェック弁を開いてモータドレン通路から流体を供給側メイン通路に戻し、ドレン圧の低減(サージ圧の発生防止)を図るとともに、キャビテーションをより確実に抑制するようにしている。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1、2において、10はパワーショベル等の大型土木建設機械の走行駆動に用いられる駆動回路であり、この駆動回路10は一方の流れ位置(平行流位置)Aと、他方の流れ位置(交差流位置)Bと、中立位置Cとに切換わることができる切換弁11を有し、この切換弁11と流体ポンプ12およびタンク13とはそれぞれ供給路14および排出路15により互いに接続されている。18は、例えば傾転角を2段階に切換え可能な斜板を有する可変流量型の流体モータであり、この流体モータ18は正逆回転可能である。
【0016】
前記流体モータ18と切換弁11とは一対のメイン通路19、20により接続され、これらのメイン通路19、20はその途中に二股に分岐した分岐路19a、b、20a、bを有する。21は前記メイン通路19、20の途中、詳しくは分岐路19a、20aに設けられたカウンターバランス弁であり、このカウンターバランス弁21は、前記流体モータ18がポンプ作用を行なっているとき、排出側メイン通路における流体モータ18からタンク13に向かう流体の流れを制限して該流体モータ18に流体制動を付与する。
【0017】
ここで、前記カウンターバランス弁21は1個だけ設けられメイン通路19、20に共用となっているが、前述した流体の流れの制限は、切換弁11が流れ位置Aに切換わり、メイン通路19が供給側、メイン通路20が排出側となっているとき、排出側であるメイン通路20において行われ、一方、切換弁11が流れ位置Bに切換わり、メイン通路20が供給側、メイン通路19が排出側となっているとき、排出側であるメイン通路19において行われる。
【0018】
このようにカウンターバランス弁21は排出側メイン通路の途中に設けられ、該排出側メイン通路における流体の流れを制限するが、この実施形態では、切換弁11の切換によりメイン通路19、20の双方が排出側メイン通路となりうるので、メイン通路19、20に共用のカウンターバランス弁21が設けられているのである。なお、このカウンターバランス弁は共用ではなく、メイン通路19、20にそれぞれ別個に設けるようにしてもよい。
【0019】
24は前記流体モータ18の近傍に設置されたブロック状のケーシングであり、このケーシング24内にはスプール室25と、このスプール室25の軸方向両端にそれぞれ連通し該スプール室25より大径である一対のスプリング室26、27が形成され、これらスプリング室26、27の外側開口はケーシング24に固定されたキャップ28、29によりそれぞれ閉止されている。このスプール室25内にはカウンターバランス弁21のスプール30が摺動可能に挿入され、このスプール30の外周には軸方向に離れた一対の環状溝31、32が形成されるとともに、これら環状溝31、32の軸方向外端部にはそれぞれノッチ(絞り)33、34が形成されている。
【0020】
37、38はケーシング24内に形成され、前記分岐路19a、b、20a、bの一部を構成する一対の第1流体路であり、これら第1流体路37、38の一端はケーシング24の外面に開口するとともに、分岐路19a、b、20a、bより切換弁11側のメイン通路19、20にそれぞれ接続され、他端はスプール30の環状溝31、32に対向するようスプール室25にそれぞれ開口している。41、42は前記スプール30内に形成された一対の連通路であり、これら連通路41、42の一端は前記環状溝31、32の底部に開口し、他端はスプール30の軸方向一端面および軸方向他端面にそれぞれ開口している。
【0021】
この結果、メイン通路19から第1流体路37、連通路41を通じてスプリング室26に高圧の流体が導かれると、スプール30は流体圧を受けて軸方向他側に移動し、これにより、カウンターバランス弁21が中立位置Hから左側位置Jに切換わり、一方、メイン通路20から第1流体路38、連通路42を通じてスプリング室27に高圧の流体が導かれると、スプール30は流体圧を受けて軸方向一側に移動し、これにより、カウンターバランス弁21は中立位置Hから右側位置Kに切換わる。このようにこれら連通路41、42はスプール30のパイロット通路として機能するが、その途中には該スプール30の移動速度を調節する絞り43、44が設けられている。
【0022】
47、48はケーシング24内に形成され、前記分岐路19a、b、20a、bの一部を構成する一対の第2流体路であり、これら第2流体路47、48には分岐路19a、b、20a、bより流体モータ18側のメイン通路19、20がそれぞれ接続されている。また、これら第2流体路47、48は第1流体路37、38に連通するとともに、第1流体路37、38より軸方向外側のスプール室25に開口し、その途中には切換弁11側(第1流体路37、38)から流体モータ18に向かう流れのみを許容し、逆方向の流れを遮断するチェック弁49、50がそれぞれ介装されている。
【0023】
そして、前記メイン通路19が供給側となってスプール30が軸方向他側に移動したとき、第1流体路38と第2流体路48とが環状溝32、ノッチ34を介して互いに連通する一方、第1流体路37と第2流体路47とは互いに遮断され、逆にメイン通路20が供給側となってスプール30が軸方向一側に移動したとき、第1流体路37と第2流体路47とが環状溝31、ノッチ33を介して互いに連通する一方、第1流体路38と第2流体路48とは互いに遮断される。
【0024】
ここで、前記チェック弁49、50はポペット51、52と、これらポペット51、52を付勢して弁座に押付けることにより、第1流体路37、38を第2流体路47、48からそれぞれ遮断するスプリング53、54とから構成されている。55、56は前記スプリング室26、27内にそれぞれ収納されたスプリングであり、これらのスプリング55、56は前記カウンターバランス弁21のスプール30を中立位置Hに復帰させるよう付勢する。また、前記スプリング室26、27内には略円筒状のリテーナ57、58がそれぞれ収納され、リテーナ57はスプリング55とスプール30の軸方向一端面との間に介装され、また、リテーナ58はスプリング56とスプール30の軸方向他端面との間に介装されている。
【0025】
そして、これらリテーナ57、58はスプール30が軸方向に移動したとき、該スプール30に押されてスプリング55、56を圧縮しながらスプール室25とスプリング室26、27との境界に設けられた段差61、62からそれぞれ離隔するよう移動するとともに、スプール30が中立位置Hに復帰したときには、軸方向内端面がこれら段差61、62にそれぞれ当接する。このようにリテーナ57、58が段差61、62に当接すると、該リテーナ57、58は段差61、62に規制され、スプール30が軸方向に移動しても該スプール30に追従して軸方向内側に移動することはない。前述したスプール30、スプリング55、56、リテーナ57、58は全体として、前記カウンターバランス弁21を構成する。
【0026】
64は前記ケーシング24に形成されスプール室25に平行に延びる貫通したスプール室であり、このスプール室64の両端開口はケーシング24に固定されたキャップ65によりそれぞれ閉止されている。66は前記スプール室64内に軸方向に移動可能に収納された制御弁67のスプールであり、このスプール66の軸方向中央部外周には環状溝68が形成されている。69、70はケーシング24に形成された一対の接続通路であり、これら接続通路69、70の一端はカウンターバランス弁21およびチェック弁49、50より切換弁11側のメイン通路19、20、詳しくは第1流体路37、38にそれぞれ連通し、その他端は制御弁67に接続、詳しくは制御弁67のスプール室64に軸方向に離れて開口している。
【0027】
ここで、メイン通路19、20は前述のように切換弁11の切換えにより供給側、排出側となることができるため、これら接続通路69、70は供給側または排出側メイン通路に接続されることになるが、供給側メイン通路に接続されている接続通路69または70が補充通路と、一方、排出側メイン通路に接続されている残りの接続通路69または70がバイパス通路となる。
【0028】
73は流体モータ18のモータドレン通路(流体モータ18内に形成されているモータドレン室を含む)であり、このモータドレン通路73は流体モータ18から漏出した流体を一時溜めながら最終的にはタンク13に排出する。74はケーシング24に形成され前記モータドレン通路73の一部を構成する連通孔であり、この連通孔74は前記環状溝68に常時連通するようスプール室64に開口している。この結果、前記制御弁67は補充通路としての接続通路69、70と、モータドレン通路73との間に設けられていることになり、また、制御弁67と排出側メイン通路(19または20)とはバイパス通路としての接続通路69または70により接続されていることになる。
【0029】
77、78はケーシング24に形成された一対のパイロット通路であり、これらパイロット通路77、78の一端は流体モータ18と制御弁67との間のメイン通路19、20、詳しくは第2流体路47、48に接続され、他端はスプール室64の軸方向一端部および軸方向他端部に接続されている。そして、これらパイロット通路77、78のうち、供給側メイン通路に接続されているパイロット通路が第1パイロット通路となるが、この第1パイロット通路はスプール66の軸方向端面に供給側メイン通路の内圧を導いて該スプール66を軸方向端まで移動させ、制御弁67を供給側メイン通路に接続されている補充通路(接続通路69または70)とモータドレン通路73とを遮断させる遮断位置に切換える。
【0030】
一方、これらパイロット通路77、78のうち、排出側メイン通路に接続されているパイロット通路が第2パイロット通路となるが、この第2パイロット通路は、流体モータ18がポンプ作用を行っているとき、スプール66の軸方向端面に流体モータ18と制御弁67との間の排出側メイン通路の内圧(ブレーキ圧)を導いて該スプール66を軸方向端まで移動させ、制御弁67を補充通路(接続通路69または70)とモータドレン通路73とを環状溝68を通じて連通させる連通位置に切換える。ここで、制御弁67が前述した連通位置に切換わっているとき、排出側メイン通路に接続されているバイパス通路(接続通路69または70)は、補充通路(接続通路69または70)およびモータドレン通路73の双方から遮断されている。
【0031】
例えば、メイン通路19が供給側メイン通路、メイン通路20が排出側メイン通路であるときには、パイロット通路77が第1パイロット通路、パイロット通路78が第2パイロット通路となるとともに、制御弁67は左側位置Eに切換わるが、この制御弁67の左側位置Eは遮断位置である。そして、この状態で流体モータ18がポンプ作用を行うと、制御弁67は右側位置Fに切換わるが、この制御弁67の右側位置Fが連通位置である。
【0032】
一方、メイン通路20が供給側メイン通路、メイン通路19が排出側メイン通路であるときには、パイロット通路78が第1パイロット通路、パイロット通路77が第2パイロット通路となるとともに、制御弁67は右側位置Fに切換わるが、この制御弁67の右側位置Fは遮断位置である。そして、この状態で流体モータ18がポンプ作用を行うと、制御弁67は左側位置Eに切換わるが、この制御弁67の左側位置Eは連通位置である。
【0033】
このように制御弁67はスプール66の軸方向移動により、補充通路、モータドレン通路73同士を連通する連通位置と、補充通路、モータドレン通路73同士を遮断する遮断位置とに切換わることができるが、これら連通位置と遮断位置との間に、さらに、バイパス位置Gが設けられている。このバイパス位置Gは、スプール66がスプール室64の軸方向中央部にあるときの位置で、制御弁67が、このバイパス位置Gに切換わると、補充通路(接続通路69または70)と、バイパス通路(残りの接続通路69または70)およびモータドレン通路73とを環状溝31を通じて連通させる。
【0034】
そして、このように制御弁67の連通位置と遮断位置との間にバイパス位置Gを設けるようにすれば、制御弁67が遮断位置から連通位置に切換わる直前(バイパス位置Gに切換わっているとき)に流体モータ18から排出側メイン通路に吐出された流体を、小さな管路抵抗の下で大量に供給側メイン通路に戻すことができ、これにより、流体モータ18の減速フィーリングを向上させることができるとともに、騒音を低減させることもできる。
【0035】
81、82は前記パイロット通路77、78の途中に設けられた絞りであり、これらの絞り81、82は、パイロット通路77、78を通過する流体の流量を制限することで、制御弁67のスプール66の移動速度を低下させ、これにより、制御弁67がバイパス位置Gに位置している時間を長くして排出側メイン通路から供給側メイン通路への流体補充量を増大させている。
【0036】
85は前記モータドレン通路73の途中に介装されたチェック弁であり、このチェック弁85は制御弁67が連通、遮断、バイパス位置のいずれの位置に切換わっているときも、制御弁67から流体モータ18への流体の流れを阻止し、制御弁67からの流体漏れを防止するようにしている。
【0037】
一方、このチェック弁85は流体モータ18から制御弁67への流体の流れを許容するため、後述のようにキャビテーションの強力な抑制およびモータドレン通路73におけるサージ圧の発生を防止することができる。即ち、流体モータ18がポンプ作用を開始すると、この開始直後に排出側メイン通路におけるブレーキ圧が最大となって、流体モータ18からの漏れが最大となるため、モータドレン通路73の内圧がピーク圧となるが、このピーク圧が排出側メイン通路(メイン通路19または20)より高い場合には、制御弁67がバイパス位置Gにあっても、チェック弁85が開いてモータドレン通路73から流体が供給側メイン通路に戻され、ドレン圧の低減が図られるとともに、排出側メイン通路におけるキャビテーションが強力に抑制されるのである。
【0038】
また、この実施形態では、制御弁67のスプール66とキャップ65との間に中立復帰用のスプリングを設けておらず、該制御弁67に対する切換力は、第1、第2パイロット通路(パイロット通路77、78)を通じてスプール66の軸方向端面に付与される流体力のみとしている。この結果、制御弁67の移動(切換)速度が高速となり、キャビテーションの抑制効果を向上させることができる。
【0039】
次に、この発明の第1実施形態の作用について説明する。
今、切換弁11が流れ位置Aに切換わっており、この結果、流体ポンプ12から吐出された高圧流体が供給路14およびチェック弁49を押し開きながら分岐路19bを含む供給側のメイン通路19を通過して流体モータ18に流入し、流体モータ18を回転させているとする。このとき、供給側のメイン通路19を流れる高圧流体は連通路41を通じてカウンターバランス弁21のスプール30の軸方向一端面に導かれているため、該スプール30は図2に示すように、スプリング56に対向して軸方向他側に移動させられ、カウンターバランス弁21は左側位置Jに切換わっている。
【0040】
これにより、第1流体路38と第2流体路48とが環状溝32を介して連通し、流体モータ18から流出した低圧流体は分岐路20aを含む排出側のメイン通路20および排出路15を通じてタンク13に戻される。また、このとき、第2流体路47(メイン通路19)を流れる高圧流体はパイロット通路77を通じて制御弁67のスプール66の軸方向一端面に導かれているため、該スプール66は軸方向他側に移動させられて、制御弁67は左側位置E(遮断位置)に切換わっており、補充通路としての接続通路69とモータドレン通路73とは互いに遮断されている。
【0041】
次に、切換弁11が流れ位置Aから中立位置Cに切換えられ、メイン通路19を通じての流体モータ18に対する高圧流体の供給が停止すると、流体モータ18は慣性により回転を継続してポンプ作用を行い、供給側であるメイン通路19から流体を吸引して排出側であるメイン通路20に吐出する。
【0042】
この結果、メイン通路19および連通路41の内圧が低下して、スプール30がスプリング56の付勢力により軸方向一側に移動し、カウンターバランス弁21は左側位置Jから中立位置Hに切換わり始める。これにより、分岐路20aにおける流路面積が徐々に狭くなって排出側メイン通路20における流体の流れが制限され、この結果、流体モータ18とカウンターバランス弁21との間に位置する排出側メイン通路20に高圧のブレーキ圧が発生し、該流体モータ18に流体制動が与えられる。
【0043】
このようにして流体モータ18とカウンターバランス弁21との間の排出側メイン通路20に発生した高圧のブレーキ圧は第2パイロット通路としてのパイロット通路78を通じて制御弁67、詳しくはスプール66の軸方向他端面に導かれ、該スプール66を軸方向一側に向かって移動させる。このように制御弁67には前述のような高圧のブレーキ圧が導かれるため、制御弁67は高速で切換わり、切換の応答速度が速くなる。
【0044】
そして、前述したスプール66の軸方向一側への移動により、制御弁67は、まず、図3に示すように左側位置Eからバイパス位置Gに切換わり、メイン通路20とメイン通路19とが接続通路70、環状溝68、接続通路69を通じて互いに連通する。これにより、制御弁67が遮断位置である左側位置Eから連通位置である右側位置Fに切換わる直前に、流体モータ18から吐出された高圧流体は、排出側メイン通路20から小さな管路抵抗の下で大量に供給側メイン通路19に戻され、供給側メイン通路19におけるキャビテーションが効果的に抑制される。
【0045】
なお、このように制御弁67がバイパス位置Gに切換わっているとき、流体モータ18からの漏れによりモータドレン通路73の内圧が排出側メイン通路20の内圧より高くなると、チェック弁85が開いてモータドレン通路73からドレン流体がメイン通路19に戻され、キャビテーションが強力に抑制されるとともに、モータドレン通路73におけるサージ圧の発生が防止される。
【0046】
そして、カウンターバランス弁21のスプール30がさらに軸方向一側に移動して、カウンターバランス弁21が中立位置Hに切換わるとともに、制御弁67のスプール66が、図4に示すように軸方向一側端まで移動して、制御弁67が連通位置である右側位置Fに切換わると、補充通路である接続通路69とモータドレン通路73(連通孔74)とが互いに連通する。この結果、前述のように流体モータ18のポンプ作用によりメイン通路19から流体が吸引されて、該メイン通路19の内圧が負圧になろうとしても、モータドレン通路73内の流体が補充通路である接続通路69を通じて供給側のメイン通路19に流入する。
【0047】
このとき、メイン通路20内のブレーキ圧が高圧となるため、流体モータ18からの流体漏れが多くなるが、この流体モータ18から漏れた流体がそのまま該流体モータ18の近傍においてモータドレン通路73からメイン通路19に戻されるため、メイン通路19に充分な量の流体が迅速に補充され、前述のキャビテーションが効果的に抑制される。
【0048】
次に、切換弁11を中立位置Cから流れ位置Bに切換えると、前述とは逆に、メイン通路20が供給側メイン通路となって高圧の供給流体が流過し、一方、メイン通路19が排出側メイン通路となって低圧の戻り流体が流過し、流体モータ18が前述と逆方向に回転する。このとき、接続通路69がバイパス通路、接続通路70が補充通路と、また、パイロット通路78が第1パイロット通路、パイロット通路77が第2パイロット通路となる。また、このとき、カウンターバランス弁21は連通路42を通じてメイン通路20から導かれた高圧のパイロット圧により右側位置Kに切換わり、制御弁67はパイロット通路78を通じてメイン通路20から導かれた高圧のパイロット圧により右側位置(遮断位置)Fに切換わる。
【0049】
ここで、切換弁11を前述のように中立位置Cから流れ位置Bに切換えた直後にも、流体モータ18の慣性によってメイン通路20の圧力が上昇し、これにより、流体モータ18からの流体の漏れ量が多くなってモータドレン通路73の圧力が上昇しようとするが、このモータドレン通路73内のドレン圧が排出側メイン通路19内の圧力より高くなると、チェック弁85が開いてモータドレン通路73内のドレンがメイン通路19に流出して、モータドレン通路73におけるサージ圧の発生が防止され、斜板の傾転角等に悪影響が生じる事態が阻止される。次に、切換弁11を流れ位置Bから中立位置Cに切換えると、カウンターバランス弁21は中立位置Hに復帰し、制御弁67は左側位置(連通位置)Eに切換わるが、このときの作動は前述と同様である。
【0050】
図5はこの発明の第2実施形態を示す図であり、例えば、ウインチ等の駆動に用いている。この実施形態においては、切換弁11は流れ位置Aと中立位置Cの2位置にのみ切換可能であり、この結果、常時、メイン通路19が供給側メイン通路、メイン通路20が排出側メイン通路となるとともに、流体モータ18は一方向にのみ回転することとなる。ここで、この流体モータ18の回転は図示していないウインチドラムに伝達されるが、この流体モータ18とウインチドラムとの間に介装された歯車機構を切換えることで、ウインチドラムを正逆回転させるようにしている。
【0051】
また、前記メイン通路19の途中にはカウンターバランス弁は設けられておらず、メイン通路20の途中にのみカウンターバランス弁21が設けられているが、このカウンターバランス弁21は切換弁11が流れ位置Aから中立位置Cに切換えられ、流体モータ18がポンプ作用を行ったとき、排出側メイン通路20における流体の流れを制限し、流体モータ18に流体制動を付与する。さらに、前述のように供給、排出側メイン通路が決定されているため、接続通路69が補充通路、接続通路70がバイパス通路と、また、パイロット通路77が第1パイロット通路、パイロット通路78が第2パイロット通路となる。なお、他の構成は前述の第1実施形態とほぼ同様であり、また、作用についても第1実施形態とほぼ同様である。
【0052】
なお、前述の実施形態においては、切換弁11が中立位置Cに切換わっているとき、メイン通路19と20とは互いに遮断されていたが、この発明においては、これらを互いに連通させるようにしてもよい。また、前述の実施形態においては、駆動回路11を大型の土木建設機械に適用したが、小型の土木建設機械に適用するようにしてもよい。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、制御弁切換の応答速度を速くすることができるとともに、キャビテーションを効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態を示すその回路図である。
【図2】カウンターバランス弁、制御弁近傍の平面断面図である。
【図3】制御弁がバイパス位置に切換わったときの状態を示す図2と同様の平面断面図である。
【図4】制御弁が連通位置に切換わったときの状態を示す図2と同様の平面断面図である。
【図5】この発明の第2実施形態を示すその回路図である。
【符号の説明】
10…駆動回路 11…切換弁
18…流体モータ 19、20…メイン通路
21…カウンターバランス弁 67…制御弁
69、70…補充・バイパス通路 73…モータドレン通路
77、78…パイロット通路 85…チェック弁
【発明の属する技術分野】
この発明は、排出側メイン通路にカウンターバランス弁が設けられた流体モータの駆動回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開昭58−131405号公報
【特許文献2】
特開2001−214901号公報
【特許文献3】
特開2002−39108号公報
【0003】
従来の流体モータの駆動回路としては、例えば前記特許文献1に記載されているようなものが、また、関連した技術としては特許文献2、3に記載されているようなものが知られている。ここで、前記特許文献1に記載されているものは、流体モータと切換弁とを接続する一対のメイン通路と、これらメイン通路の途中に設けられ、前記流体モータがポンプ作用を行ったとき、排出側メイン通路における流体の流れを制限するカウンターバランス弁と、供給側メイン通路に接続された第1補充通路と、排出側メイン通路に接続された第2補充通路と、前記第1、第2補充通路間に設けられ、第1、第2補充通路同士を連通する連通位置と、これら両通路同士を遮断する遮断位置とに切換わることができる制御弁と、前記制御弁にカウンターバランス弁を通じて供給側メイン通路の内圧を導き、スプリングと協働して制御弁を遮断位置に切換えることができる第1パイロット通路と、前記制御弁にカウンターバランス弁と切換弁との間の排出側メイン通路から内圧を導き、該制御弁を連通位置に切換えることができる第2パイロット通路とを備えたものである。
【0004】
そして、このような駆動回路において、切換弁を流れ位置から中立位置に切換えて供給側、排出側メイン通路を共にタンクに接続すると、流体モータが慣性によりポンプ作用を行うため、供給側メイン通路内が負圧となる。このとき、前記負圧は第1パイロット通路を通じて制御弁に導かれるが、この制御弁には第2パイロット通路を通じて排出側メイン通路内の背圧が導かれているため、該制御弁は前記背圧によりスプリングに対抗して遮断位置から連通位置に切換わり、これにより、排出側メイン通路内の流体が供給側メイン通路に流入して、供給側メイン通路におけるキャビテーションが抑制される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、このような従来の流体モータの駆動回路にあっては、前述のように流体モータがポンプ作用を行うと、カウンターバランス弁が流れを制限するため、排出側メイン通路の内圧が上昇して、流体モータからの流体漏れが多くなり、これにより、排出側メイン通路から供給側メイン通路への流体の流入量が不足してキャビテーションを発生するおそれがある。このとき、タンクから供給側メイン通路に流体が吸引されてキャビテーションが防止されることも考えられるが、このような流体回路が土木建設機械の駆動装置に用いられている場合には、流体モータがタンクから遠く離れているため、前述のような吸引が充分に行われず、結果としてキャビテーションが発生してしまうことがあるという問題点がある。
【0006】
また、前述のような駆動回路にあっては、第2パイロット通路を通じてカウンターバランス弁と切換弁との間の排出側メイン通路から制御弁に内圧を導くようにしているが、この部位の排出側メイン通路はカウンターバランス弁より下流側であるため、流体モータがポンプ作用を行っているときも背圧程度の低圧であり、この結果、制御弁に作用する流体圧差も小さくて制御弁切換の応答速度が遅くなってしまうという問題点もある。
【0007】
この発明は、制御弁切換の応答速度が速く、かつ、キャビテーションを効果的に抑制することができる流体モータの駆動回路を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、流体モータと切換弁とを接続する一対のメイン通路と、排出側メイン通路の途中に設けられ、前記流体モータがポンプ作用を行ったとき、排出側メイン通路における流体の流れを制限するカウンターバランス弁と、供給側メイン通路に接続された補充通路と、前記流体モータのモータドレン通路と、前記補充通路とモータドレン通路との間に設けられ、補充、モータドレン通路同士を連通する連通位置と、補充、モータドレン通路同士を遮断する遮断位置とに切換わることができる制御弁と、前記制御弁に供給側メイン通路の内圧を導き、該制御弁を遮断位置に切換えることができる第1パイロット通路と、前記制御弁に流体モータとカウンターバランス弁との間の排出側メイン通路から内圧を導き、該制御弁を連通位置に切換えることができる第2パイロット通路とを備え、前記流体モータがポンプ作用を行ったとき、第2パイロット通路を通じて排出側メイン通路の内圧を制御弁に導くことで、該制御弁を連通位置に切換え、モータドレン通路内の流体を供給側メイン通路に補充できるようにすることにより達成することができる。
【0009】
今、切換弁が流れ位置から中立位置に切換えられ、供給側メイン通路を通じての流体モータに対する高圧流体の供給が停止したとする。このとき、流体モータは慣性により回転してポンプ作用を行い、供給側メイン通路から流体を吸引して排出側メイン通路に吐出し、一方、カウンターバランス弁は排出側メイン通路における流体の流れを制限するため、流体モータとカウンターバランス弁との間の排出側メイン通路に高圧のブレーキ圧が発生し、該流体モータに流体制動が与えられる。
【0010】
このようにして流体モータとカウンターバランス弁との間の排出側メイン通路に発生した高圧のブレーキ圧は第2パイロット通路を通じて制御弁に導かれ、該制御弁を遮断位置から連通位置に切換える。このとき、制御弁には前述のような高圧のブレーキ圧が導かれるため、制御弁は高速で切換わり、切換の応答速度が速くなる。
【0011】
ここで、前述のように流体モータのポンプ作用により供給側メイン通路から流体が吸引されると、該供給側メイン通路の内圧が負圧になろうとするが、このとき、前述のように制御弁が連通位置に切換わって補充通路とモータドレン通路(流体モータ内のモータドレン室を含む)とを連通しているため、モータドレン通路内の流体が補充通路を通じて供給側メイン通路に流入する。
【0012】
このとき、排出側メイン通路の内圧が高圧のブレーキ圧まで上昇するため、流体モータからの流体漏れが多くなるが、この流体モータから漏れた流体がそのまま該流体モータの近傍においてモータドレン通路から供給側メイン通路に戻されるため、供給側メイン通路に充分な量の流体が迅速に補充され、キャビテーションが効果的に抑制される。
【0013】
また、請求項2に記載のように構成すれば、制御弁の切換速度がさらに高速となってキャビテーションの抑制効果がさらに向上する。
さらに、請求項3に記載のように構成すれば、連通位置に切換わる直前(バイパス位置に切換わっているとき)に、流体モータから排出側メイン通路に吐出された流体を、小さな管路抵抗の下で大量に供給側メイン通路に戻すことができ、これにより、流体モータの減速フィーリングを向上させることができるとともに、騒音を低減させることもできる。
【0014】
また、前述のように流体モータがポンプ作用を開始すると、その直後に流体モータからの漏れが最大となってモータドレン通路の内圧がピーク圧となるが、このピーク圧が排出側メイン通路より高くなる場合がある。この場合には、請求項4に記載のように構成することで、制御弁がバイパス位置にあっても、チェック弁を開いてモータドレン通路から流体を供給側メイン通路に戻し、ドレン圧の低減(サージ圧の発生防止)を図るとともに、キャビテーションをより確実に抑制するようにしている。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1、2において、10はパワーショベル等の大型土木建設機械の走行駆動に用いられる駆動回路であり、この駆動回路10は一方の流れ位置(平行流位置)Aと、他方の流れ位置(交差流位置)Bと、中立位置Cとに切換わることができる切換弁11を有し、この切換弁11と流体ポンプ12およびタンク13とはそれぞれ供給路14および排出路15により互いに接続されている。18は、例えば傾転角を2段階に切換え可能な斜板を有する可変流量型の流体モータであり、この流体モータ18は正逆回転可能である。
【0016】
前記流体モータ18と切換弁11とは一対のメイン通路19、20により接続され、これらのメイン通路19、20はその途中に二股に分岐した分岐路19a、b、20a、bを有する。21は前記メイン通路19、20の途中、詳しくは分岐路19a、20aに設けられたカウンターバランス弁であり、このカウンターバランス弁21は、前記流体モータ18がポンプ作用を行なっているとき、排出側メイン通路における流体モータ18からタンク13に向かう流体の流れを制限して該流体モータ18に流体制動を付与する。
【0017】
ここで、前記カウンターバランス弁21は1個だけ設けられメイン通路19、20に共用となっているが、前述した流体の流れの制限は、切換弁11が流れ位置Aに切換わり、メイン通路19が供給側、メイン通路20が排出側となっているとき、排出側であるメイン通路20において行われ、一方、切換弁11が流れ位置Bに切換わり、メイン通路20が供給側、メイン通路19が排出側となっているとき、排出側であるメイン通路19において行われる。
【0018】
このようにカウンターバランス弁21は排出側メイン通路の途中に設けられ、該排出側メイン通路における流体の流れを制限するが、この実施形態では、切換弁11の切換によりメイン通路19、20の双方が排出側メイン通路となりうるので、メイン通路19、20に共用のカウンターバランス弁21が設けられているのである。なお、このカウンターバランス弁は共用ではなく、メイン通路19、20にそれぞれ別個に設けるようにしてもよい。
【0019】
24は前記流体モータ18の近傍に設置されたブロック状のケーシングであり、このケーシング24内にはスプール室25と、このスプール室25の軸方向両端にそれぞれ連通し該スプール室25より大径である一対のスプリング室26、27が形成され、これらスプリング室26、27の外側開口はケーシング24に固定されたキャップ28、29によりそれぞれ閉止されている。このスプール室25内にはカウンターバランス弁21のスプール30が摺動可能に挿入され、このスプール30の外周には軸方向に離れた一対の環状溝31、32が形成されるとともに、これら環状溝31、32の軸方向外端部にはそれぞれノッチ(絞り)33、34が形成されている。
【0020】
37、38はケーシング24内に形成され、前記分岐路19a、b、20a、bの一部を構成する一対の第1流体路であり、これら第1流体路37、38の一端はケーシング24の外面に開口するとともに、分岐路19a、b、20a、bより切換弁11側のメイン通路19、20にそれぞれ接続され、他端はスプール30の環状溝31、32に対向するようスプール室25にそれぞれ開口している。41、42は前記スプール30内に形成された一対の連通路であり、これら連通路41、42の一端は前記環状溝31、32の底部に開口し、他端はスプール30の軸方向一端面および軸方向他端面にそれぞれ開口している。
【0021】
この結果、メイン通路19から第1流体路37、連通路41を通じてスプリング室26に高圧の流体が導かれると、スプール30は流体圧を受けて軸方向他側に移動し、これにより、カウンターバランス弁21が中立位置Hから左側位置Jに切換わり、一方、メイン通路20から第1流体路38、連通路42を通じてスプリング室27に高圧の流体が導かれると、スプール30は流体圧を受けて軸方向一側に移動し、これにより、カウンターバランス弁21は中立位置Hから右側位置Kに切換わる。このようにこれら連通路41、42はスプール30のパイロット通路として機能するが、その途中には該スプール30の移動速度を調節する絞り43、44が設けられている。
【0022】
47、48はケーシング24内に形成され、前記分岐路19a、b、20a、bの一部を構成する一対の第2流体路であり、これら第2流体路47、48には分岐路19a、b、20a、bより流体モータ18側のメイン通路19、20がそれぞれ接続されている。また、これら第2流体路47、48は第1流体路37、38に連通するとともに、第1流体路37、38より軸方向外側のスプール室25に開口し、その途中には切換弁11側(第1流体路37、38)から流体モータ18に向かう流れのみを許容し、逆方向の流れを遮断するチェック弁49、50がそれぞれ介装されている。
【0023】
そして、前記メイン通路19が供給側となってスプール30が軸方向他側に移動したとき、第1流体路38と第2流体路48とが環状溝32、ノッチ34を介して互いに連通する一方、第1流体路37と第2流体路47とは互いに遮断され、逆にメイン通路20が供給側となってスプール30が軸方向一側に移動したとき、第1流体路37と第2流体路47とが環状溝31、ノッチ33を介して互いに連通する一方、第1流体路38と第2流体路48とは互いに遮断される。
【0024】
ここで、前記チェック弁49、50はポペット51、52と、これらポペット51、52を付勢して弁座に押付けることにより、第1流体路37、38を第2流体路47、48からそれぞれ遮断するスプリング53、54とから構成されている。55、56は前記スプリング室26、27内にそれぞれ収納されたスプリングであり、これらのスプリング55、56は前記カウンターバランス弁21のスプール30を中立位置Hに復帰させるよう付勢する。また、前記スプリング室26、27内には略円筒状のリテーナ57、58がそれぞれ収納され、リテーナ57はスプリング55とスプール30の軸方向一端面との間に介装され、また、リテーナ58はスプリング56とスプール30の軸方向他端面との間に介装されている。
【0025】
そして、これらリテーナ57、58はスプール30が軸方向に移動したとき、該スプール30に押されてスプリング55、56を圧縮しながらスプール室25とスプリング室26、27との境界に設けられた段差61、62からそれぞれ離隔するよう移動するとともに、スプール30が中立位置Hに復帰したときには、軸方向内端面がこれら段差61、62にそれぞれ当接する。このようにリテーナ57、58が段差61、62に当接すると、該リテーナ57、58は段差61、62に規制され、スプール30が軸方向に移動しても該スプール30に追従して軸方向内側に移動することはない。前述したスプール30、スプリング55、56、リテーナ57、58は全体として、前記カウンターバランス弁21を構成する。
【0026】
64は前記ケーシング24に形成されスプール室25に平行に延びる貫通したスプール室であり、このスプール室64の両端開口はケーシング24に固定されたキャップ65によりそれぞれ閉止されている。66は前記スプール室64内に軸方向に移動可能に収納された制御弁67のスプールであり、このスプール66の軸方向中央部外周には環状溝68が形成されている。69、70はケーシング24に形成された一対の接続通路であり、これら接続通路69、70の一端はカウンターバランス弁21およびチェック弁49、50より切換弁11側のメイン通路19、20、詳しくは第1流体路37、38にそれぞれ連通し、その他端は制御弁67に接続、詳しくは制御弁67のスプール室64に軸方向に離れて開口している。
【0027】
ここで、メイン通路19、20は前述のように切換弁11の切換えにより供給側、排出側となることができるため、これら接続通路69、70は供給側または排出側メイン通路に接続されることになるが、供給側メイン通路に接続されている接続通路69または70が補充通路と、一方、排出側メイン通路に接続されている残りの接続通路69または70がバイパス通路となる。
【0028】
73は流体モータ18のモータドレン通路(流体モータ18内に形成されているモータドレン室を含む)であり、このモータドレン通路73は流体モータ18から漏出した流体を一時溜めながら最終的にはタンク13に排出する。74はケーシング24に形成され前記モータドレン通路73の一部を構成する連通孔であり、この連通孔74は前記環状溝68に常時連通するようスプール室64に開口している。この結果、前記制御弁67は補充通路としての接続通路69、70と、モータドレン通路73との間に設けられていることになり、また、制御弁67と排出側メイン通路(19または20)とはバイパス通路としての接続通路69または70により接続されていることになる。
【0029】
77、78はケーシング24に形成された一対のパイロット通路であり、これらパイロット通路77、78の一端は流体モータ18と制御弁67との間のメイン通路19、20、詳しくは第2流体路47、48に接続され、他端はスプール室64の軸方向一端部および軸方向他端部に接続されている。そして、これらパイロット通路77、78のうち、供給側メイン通路に接続されているパイロット通路が第1パイロット通路となるが、この第1パイロット通路はスプール66の軸方向端面に供給側メイン通路の内圧を導いて該スプール66を軸方向端まで移動させ、制御弁67を供給側メイン通路に接続されている補充通路(接続通路69または70)とモータドレン通路73とを遮断させる遮断位置に切換える。
【0030】
一方、これらパイロット通路77、78のうち、排出側メイン通路に接続されているパイロット通路が第2パイロット通路となるが、この第2パイロット通路は、流体モータ18がポンプ作用を行っているとき、スプール66の軸方向端面に流体モータ18と制御弁67との間の排出側メイン通路の内圧(ブレーキ圧)を導いて該スプール66を軸方向端まで移動させ、制御弁67を補充通路(接続通路69または70)とモータドレン通路73とを環状溝68を通じて連通させる連通位置に切換える。ここで、制御弁67が前述した連通位置に切換わっているとき、排出側メイン通路に接続されているバイパス通路(接続通路69または70)は、補充通路(接続通路69または70)およびモータドレン通路73の双方から遮断されている。
【0031】
例えば、メイン通路19が供給側メイン通路、メイン通路20が排出側メイン通路であるときには、パイロット通路77が第1パイロット通路、パイロット通路78が第2パイロット通路となるとともに、制御弁67は左側位置Eに切換わるが、この制御弁67の左側位置Eは遮断位置である。そして、この状態で流体モータ18がポンプ作用を行うと、制御弁67は右側位置Fに切換わるが、この制御弁67の右側位置Fが連通位置である。
【0032】
一方、メイン通路20が供給側メイン通路、メイン通路19が排出側メイン通路であるときには、パイロット通路78が第1パイロット通路、パイロット通路77が第2パイロット通路となるとともに、制御弁67は右側位置Fに切換わるが、この制御弁67の右側位置Fは遮断位置である。そして、この状態で流体モータ18がポンプ作用を行うと、制御弁67は左側位置Eに切換わるが、この制御弁67の左側位置Eは連通位置である。
【0033】
このように制御弁67はスプール66の軸方向移動により、補充通路、モータドレン通路73同士を連通する連通位置と、補充通路、モータドレン通路73同士を遮断する遮断位置とに切換わることができるが、これら連通位置と遮断位置との間に、さらに、バイパス位置Gが設けられている。このバイパス位置Gは、スプール66がスプール室64の軸方向中央部にあるときの位置で、制御弁67が、このバイパス位置Gに切換わると、補充通路(接続通路69または70)と、バイパス通路(残りの接続通路69または70)およびモータドレン通路73とを環状溝31を通じて連通させる。
【0034】
そして、このように制御弁67の連通位置と遮断位置との間にバイパス位置Gを設けるようにすれば、制御弁67が遮断位置から連通位置に切換わる直前(バイパス位置Gに切換わっているとき)に流体モータ18から排出側メイン通路に吐出された流体を、小さな管路抵抗の下で大量に供給側メイン通路に戻すことができ、これにより、流体モータ18の減速フィーリングを向上させることができるとともに、騒音を低減させることもできる。
【0035】
81、82は前記パイロット通路77、78の途中に設けられた絞りであり、これらの絞り81、82は、パイロット通路77、78を通過する流体の流量を制限することで、制御弁67のスプール66の移動速度を低下させ、これにより、制御弁67がバイパス位置Gに位置している時間を長くして排出側メイン通路から供給側メイン通路への流体補充量を増大させている。
【0036】
85は前記モータドレン通路73の途中に介装されたチェック弁であり、このチェック弁85は制御弁67が連通、遮断、バイパス位置のいずれの位置に切換わっているときも、制御弁67から流体モータ18への流体の流れを阻止し、制御弁67からの流体漏れを防止するようにしている。
【0037】
一方、このチェック弁85は流体モータ18から制御弁67への流体の流れを許容するため、後述のようにキャビテーションの強力な抑制およびモータドレン通路73におけるサージ圧の発生を防止することができる。即ち、流体モータ18がポンプ作用を開始すると、この開始直後に排出側メイン通路におけるブレーキ圧が最大となって、流体モータ18からの漏れが最大となるため、モータドレン通路73の内圧がピーク圧となるが、このピーク圧が排出側メイン通路(メイン通路19または20)より高い場合には、制御弁67がバイパス位置Gにあっても、チェック弁85が開いてモータドレン通路73から流体が供給側メイン通路に戻され、ドレン圧の低減が図られるとともに、排出側メイン通路におけるキャビテーションが強力に抑制されるのである。
【0038】
また、この実施形態では、制御弁67のスプール66とキャップ65との間に中立復帰用のスプリングを設けておらず、該制御弁67に対する切換力は、第1、第2パイロット通路(パイロット通路77、78)を通じてスプール66の軸方向端面に付与される流体力のみとしている。この結果、制御弁67の移動(切換)速度が高速となり、キャビテーションの抑制効果を向上させることができる。
【0039】
次に、この発明の第1実施形態の作用について説明する。
今、切換弁11が流れ位置Aに切換わっており、この結果、流体ポンプ12から吐出された高圧流体が供給路14およびチェック弁49を押し開きながら分岐路19bを含む供給側のメイン通路19を通過して流体モータ18に流入し、流体モータ18を回転させているとする。このとき、供給側のメイン通路19を流れる高圧流体は連通路41を通じてカウンターバランス弁21のスプール30の軸方向一端面に導かれているため、該スプール30は図2に示すように、スプリング56に対向して軸方向他側に移動させられ、カウンターバランス弁21は左側位置Jに切換わっている。
【0040】
これにより、第1流体路38と第2流体路48とが環状溝32を介して連通し、流体モータ18から流出した低圧流体は分岐路20aを含む排出側のメイン通路20および排出路15を通じてタンク13に戻される。また、このとき、第2流体路47(メイン通路19)を流れる高圧流体はパイロット通路77を通じて制御弁67のスプール66の軸方向一端面に導かれているため、該スプール66は軸方向他側に移動させられて、制御弁67は左側位置E(遮断位置)に切換わっており、補充通路としての接続通路69とモータドレン通路73とは互いに遮断されている。
【0041】
次に、切換弁11が流れ位置Aから中立位置Cに切換えられ、メイン通路19を通じての流体モータ18に対する高圧流体の供給が停止すると、流体モータ18は慣性により回転を継続してポンプ作用を行い、供給側であるメイン通路19から流体を吸引して排出側であるメイン通路20に吐出する。
【0042】
この結果、メイン通路19および連通路41の内圧が低下して、スプール30がスプリング56の付勢力により軸方向一側に移動し、カウンターバランス弁21は左側位置Jから中立位置Hに切換わり始める。これにより、分岐路20aにおける流路面積が徐々に狭くなって排出側メイン通路20における流体の流れが制限され、この結果、流体モータ18とカウンターバランス弁21との間に位置する排出側メイン通路20に高圧のブレーキ圧が発生し、該流体モータ18に流体制動が与えられる。
【0043】
このようにして流体モータ18とカウンターバランス弁21との間の排出側メイン通路20に発生した高圧のブレーキ圧は第2パイロット通路としてのパイロット通路78を通じて制御弁67、詳しくはスプール66の軸方向他端面に導かれ、該スプール66を軸方向一側に向かって移動させる。このように制御弁67には前述のような高圧のブレーキ圧が導かれるため、制御弁67は高速で切換わり、切換の応答速度が速くなる。
【0044】
そして、前述したスプール66の軸方向一側への移動により、制御弁67は、まず、図3に示すように左側位置Eからバイパス位置Gに切換わり、メイン通路20とメイン通路19とが接続通路70、環状溝68、接続通路69を通じて互いに連通する。これにより、制御弁67が遮断位置である左側位置Eから連通位置である右側位置Fに切換わる直前に、流体モータ18から吐出された高圧流体は、排出側メイン通路20から小さな管路抵抗の下で大量に供給側メイン通路19に戻され、供給側メイン通路19におけるキャビテーションが効果的に抑制される。
【0045】
なお、このように制御弁67がバイパス位置Gに切換わっているとき、流体モータ18からの漏れによりモータドレン通路73の内圧が排出側メイン通路20の内圧より高くなると、チェック弁85が開いてモータドレン通路73からドレン流体がメイン通路19に戻され、キャビテーションが強力に抑制されるとともに、モータドレン通路73におけるサージ圧の発生が防止される。
【0046】
そして、カウンターバランス弁21のスプール30がさらに軸方向一側に移動して、カウンターバランス弁21が中立位置Hに切換わるとともに、制御弁67のスプール66が、図4に示すように軸方向一側端まで移動して、制御弁67が連通位置である右側位置Fに切換わると、補充通路である接続通路69とモータドレン通路73(連通孔74)とが互いに連通する。この結果、前述のように流体モータ18のポンプ作用によりメイン通路19から流体が吸引されて、該メイン通路19の内圧が負圧になろうとしても、モータドレン通路73内の流体が補充通路である接続通路69を通じて供給側のメイン通路19に流入する。
【0047】
このとき、メイン通路20内のブレーキ圧が高圧となるため、流体モータ18からの流体漏れが多くなるが、この流体モータ18から漏れた流体がそのまま該流体モータ18の近傍においてモータドレン通路73からメイン通路19に戻されるため、メイン通路19に充分な量の流体が迅速に補充され、前述のキャビテーションが効果的に抑制される。
【0048】
次に、切換弁11を中立位置Cから流れ位置Bに切換えると、前述とは逆に、メイン通路20が供給側メイン通路となって高圧の供給流体が流過し、一方、メイン通路19が排出側メイン通路となって低圧の戻り流体が流過し、流体モータ18が前述と逆方向に回転する。このとき、接続通路69がバイパス通路、接続通路70が補充通路と、また、パイロット通路78が第1パイロット通路、パイロット通路77が第2パイロット通路となる。また、このとき、カウンターバランス弁21は連通路42を通じてメイン通路20から導かれた高圧のパイロット圧により右側位置Kに切換わり、制御弁67はパイロット通路78を通じてメイン通路20から導かれた高圧のパイロット圧により右側位置(遮断位置)Fに切換わる。
【0049】
ここで、切換弁11を前述のように中立位置Cから流れ位置Bに切換えた直後にも、流体モータ18の慣性によってメイン通路20の圧力が上昇し、これにより、流体モータ18からの流体の漏れ量が多くなってモータドレン通路73の圧力が上昇しようとするが、このモータドレン通路73内のドレン圧が排出側メイン通路19内の圧力より高くなると、チェック弁85が開いてモータドレン通路73内のドレンがメイン通路19に流出して、モータドレン通路73におけるサージ圧の発生が防止され、斜板の傾転角等に悪影響が生じる事態が阻止される。次に、切換弁11を流れ位置Bから中立位置Cに切換えると、カウンターバランス弁21は中立位置Hに復帰し、制御弁67は左側位置(連通位置)Eに切換わるが、このときの作動は前述と同様である。
【0050】
図5はこの発明の第2実施形態を示す図であり、例えば、ウインチ等の駆動に用いている。この実施形態においては、切換弁11は流れ位置Aと中立位置Cの2位置にのみ切換可能であり、この結果、常時、メイン通路19が供給側メイン通路、メイン通路20が排出側メイン通路となるとともに、流体モータ18は一方向にのみ回転することとなる。ここで、この流体モータ18の回転は図示していないウインチドラムに伝達されるが、この流体モータ18とウインチドラムとの間に介装された歯車機構を切換えることで、ウインチドラムを正逆回転させるようにしている。
【0051】
また、前記メイン通路19の途中にはカウンターバランス弁は設けられておらず、メイン通路20の途中にのみカウンターバランス弁21が設けられているが、このカウンターバランス弁21は切換弁11が流れ位置Aから中立位置Cに切換えられ、流体モータ18がポンプ作用を行ったとき、排出側メイン通路20における流体の流れを制限し、流体モータ18に流体制動を付与する。さらに、前述のように供給、排出側メイン通路が決定されているため、接続通路69が補充通路、接続通路70がバイパス通路と、また、パイロット通路77が第1パイロット通路、パイロット通路78が第2パイロット通路となる。なお、他の構成は前述の第1実施形態とほぼ同様であり、また、作用についても第1実施形態とほぼ同様である。
【0052】
なお、前述の実施形態においては、切換弁11が中立位置Cに切換わっているとき、メイン通路19と20とは互いに遮断されていたが、この発明においては、これらを互いに連通させるようにしてもよい。また、前述の実施形態においては、駆動回路11を大型の土木建設機械に適用したが、小型の土木建設機械に適用するようにしてもよい。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、制御弁切換の応答速度を速くすることができるとともに、キャビテーションを効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態を示すその回路図である。
【図2】カウンターバランス弁、制御弁近傍の平面断面図である。
【図3】制御弁がバイパス位置に切換わったときの状態を示す図2と同様の平面断面図である。
【図4】制御弁が連通位置に切換わったときの状態を示す図2と同様の平面断面図である。
【図5】この発明の第2実施形態を示すその回路図である。
【符号の説明】
10…駆動回路 11…切換弁
18…流体モータ 19、20…メイン通路
21…カウンターバランス弁 67…制御弁
69、70…補充・バイパス通路 73…モータドレン通路
77、78…パイロット通路 85…チェック弁
Claims (4)
- 流体モータと切換弁とを接続する一対のメイン通路と、排出側メイン通路の途中に設けられ、前記流体モータがポンプ作用を行ったとき、排出側メイン通路における流体の流れを制限するカウンターバランス弁と、供給側メイン通路に接続された補充通路と、前記流体モータのモータドレン通路と、前記補充通路とモータドレン通路との間に設けられ、補充、モータドレン通路同士を連通する連通位置と、補充、モータドレン通路同士を遮断する遮断位置とに切換わることができる制御弁と、前記制御弁に供給側メイン通路の内圧を導き、該制御弁を遮断位置に切換えることができる第1パイロット通路と、前記制御弁に流体モータとカウンターバランス弁との間の排出側メイン通路から内圧を導き、該制御弁を連通位置に切換えることができる第2パイロット通路とを備え、前記流体モータがポンプ作用を行ったとき、第2パイロット通路を通じて排出側メイン通路の内圧を制御弁に導くことで、該制御弁を連通位置に切換え、モータドレン通路内の流体を供給側メイン通路に補充できるようにしたことを特徴とする流体モータの駆動回路。
- 前記制御弁に対する切換力は、第1、第2パイロット通路を通じての流体力のみとした請求項1記載の流体モータの駆動回路。
- 前記制御弁の連通位置と遮断位置との間にバイパス位置を設けるとともに、排出側メイン通路と制御弁とを接続するバイパス通路を設け、前記制御弁がバイパス位置に切換わったとき、補充通路とバイパス通路とを連通させる一方、前記制御弁が連通位置に切換わったとき、バイパス通路を補充、モータドレン通路から遮断するようにした請求項1または2記載の流体モータの駆動回路。
- 前記制御弁がバイパス位置に切換わったとき、補充通路をモータドレン通路にも接続するとともに、該モータドレン通路の途中に制御弁への流体の流れを許容する一方、制御弁からの流体の流れを阻止するチェック弁を介装した請求項3記載の流体モータの駆動回路。
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2002
- 2002-12-25 JP JP2002373613A patent/JP2004204922A/ja not_active Withdrawn
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A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20041013 |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060307 |