JP2004201000A - プリント配線板および信号伝送装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】隣接する配線間でクロストークが発生することを十分に抑制し、所望の特性インピーダンスを得るとともに、小型化を図ることができ、かつ容易に製造することができるプリント配線板および信号伝送装置を提供する。
【解決手段】プリント配線板は、信号線5および6と、信号線5および6間に設けられて、信号線5および6に沿って延在する接地導体7と、信号線5および6が延在する方向に並んで信号線5および6間に設けられた複数のビアホール9を有し、信号線5および6と接地導体7とを取り囲む絶縁層10と、絶縁層10の表面に形成された接地導体板3および4と、ビアホール9内に設けられて、接地導体板3および4と接続されたビアホール導体膜8とを備える。信号線5および6で伝送される信号の最も短い波長をλとすると、隣接するビアホール導体膜8の間隔Dは、λ/100≦D≦λ/10の関係を満たす。
【選択図】 図2
【解決手段】プリント配線板は、信号線5および6と、信号線5および6間に設けられて、信号線5および6に沿って延在する接地導体7と、信号線5および6が延在する方向に並んで信号線5および6間に設けられた複数のビアホール9を有し、信号線5および6と接地導体7とを取り囲む絶縁層10と、絶縁層10の表面に形成された接地導体板3および4と、ビアホール9内に設けられて、接地導体板3および4と接続されたビアホール導体膜8とを備える。信号線5および6で伝送される信号の最も短い波長をλとすると、隣接するビアホール導体膜8の間隔Dは、λ/100≦D≦λ/10の関係を満たす。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、一般的には、プリント配線板およびそのプリント配線板を備える信号伝送装置に関し、より特定的には、一方向に延びて信号を伝送する複数の配線が隣接して設けられたプリント配線板およびそのプリント配線板を備える信号伝送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線板上で高速信号を伝搬させるために用いられる伝送線路の一例としてストリップライン構造がある。ストリップライン構造では、信号線を覆う絶縁層の上下を接地導体によって挟む構造をとる。このような構造をとるプリント配線板において複数の配線が隣接して設けられている場合、1本の配線に信号が伝送されるとその配線から電磁波が放射され、その電磁波の電磁気的結合によって隣接する配線にクロストークが発生する。そして、このようなクロストークの発生を抑制することを目的とした多層プリント配線板の構造およびその製造方法が、特開平9−283930号公報に開示されている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1に開示されている多層プリント配線板は、信号回路導体と、信号回路導体を囲うように設けられたアース回路導体と、信号回路導体とアース回路導体との間を充填し、積層構造をとるフィルム状銅張積層板およびフィルム状接着基材と、アース回路導体を上下方向から挟持する銅張積層板とを備える。このように構成された多層プリント配線板によれば、信号回路導体を完全にアース回路で覆った同軸回路に形成し、放射ノイズおよびクロストークノイズのない伝送線路を実現することができる。
【0004】
このような多層プリント配線板を製造するためには、所定のパターンでアース回路導体が形成された銅張積層板と、所定のパターンでアース回路導体および信号回路導体が形成された半硬化状態のフィルム状銅張積層板とを準備する。そして、その銅張積層板およびフィルム状銅張積層板と、半硬化状態のフィルム状接着基材とを積層して一体化することによって、同軸回路が形成された多層プリント配線板を完成する。
【0005】
また、クロストークの発生を抑制することを目的とした伝送線路およびパッケージが、特開平9−223894号公報に開示されている(特許文献2)。
【0006】
特許文献2に開示されている伝送線路は、導電性の金属ブロックと、絶縁性基板と、信号線導体と、接地導体とを備える。絶縁性基板の上面には信号線導体および接地導体が、絶縁性基板の下面には接地導体が設けられている。絶縁性基板には、上面から下面にまで達するビアホールが形成されており、絶縁性基板の上下面にそれぞれ形成された接地導体がビアホールにより電気的に結合されている。金属ブロックが、絶縁性基板の上下面で接地導体に接触するように設けられている。金属ブロックには、信号線導体で所望の特性インピーダンスが得られるように信号線導体を囲む溝が形成されている。
【0007】
このように接地導体と、接地導体間を接続するビアホールと、接地導体に接続された金属ブロックとで信号線導体を囲むことによって、信号線導体を中心導体とする擬似同軸構造を構成することができる。これにより、隣接する信号線導体の相互間で電磁界が漏れない構造となるので、隣接路線間のクロストークを低減することができる。
【0008】
【特許文献1】
特開平9−283930号公報
【0009】
【特許文献2】
特開平9−223894号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1で開示されている多層プリント配線板では、信号回路導体を完全にアース回路で覆う同軸回路を形成するために、半硬化状態のフィルム状銅張積層板およびフィルム状接着基材を積層している。このため、多層プリント配線板を完成させるためには、これら積層する部材を別々に準備し、部材間の位置決めを行なわなければならない。そして、このような工程により多層プリント配線板の製造工程が複雑化するという問題が発生する。
【0011】
また、これらフィルム状の銅張積層板および接着基材は1枚の厚みが薄く、信号回路導体で所望の特性インピーダンスを実現するためにはこれらの部材を多数枚積層しなければならない。しかし、積層する枚数が増大するに従って積層物の厚みの誤差は累積するため、完成した状態において積層物の厚みを適当に制御することが困難になる。これにより、信号回路導体で所望の特性インピーダンスを得ることができないという問題が発生する。
【0012】
また、特許文献2で開示されている伝送線路では、信号線導体を擬似同軸構造にすることを目的として、絶縁性基板には接地導体の各々を電気的に結合するビアホールが設けられている。しかし、ビアホールが設けられる間隔が大きい場合には、ビアホールとそのビアホールに隣接するビアホールとの間から電磁波が漏れ、隣接する信号線導体間でクロストークが発生するおそれがある。
【0013】
また、信号線導体を擬似同軸構造にすること、および信号線導体で所望の特性インピーダンスを得ることを目的として、溝が形成された金属ブロックが使用されている。しかし、このような金属ブロックを使用することは、伝送線路が設けられたプリント配線板の厚みを増大させることとなり、特に金属ブロックが多数積層される多層プリント配線板ではこのことが大きな問題となる。また、金属ブロックを使用することによって、従来のプリント配線板の製造ラインにブロックを取り付けるための新たな設備を増設しなければならない。
【0014】
そこでこの発明の目的は、上記の課題を解決することであり、隣接する配線間でクロストークが発生することを十分に抑制し、所望の特性インピーダンスを得るとともに、小型化を図ることができ、かつ容易に製造することができるプリント配線板および信号伝送装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この発明に従ったプリント配線板は、一方向に延在し、所定の間隔を隔てて設けられた第1および第2の配線と、第1および第2の配線間に設けられて、第1および第2の配線に沿って延在する第1の接地導体と、第1および第2の配線が延在する方向に並んで第1および第2の配線間に設けられた複数の貫通孔を有し、第1および第2の配線と第1の接地導体とを取り囲む絶縁層と、絶縁層の表面に形成されて、第1および第2の配線を挟み込む第2の接地導体と、複数の貫通孔内に設けられて、第2の接地導体と電気的に接続された第3の接地導体とを備える。第1および第2の配線で伝送される信号の最も短い波長をλとすると、隣接する第3の接地導体の間隔Dは、λ/100≦D≦λ/10の関係を満たす。
【0016】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1におけるプリント配線板を示す平面図である。図2は、図1中のII−II線上に沿った断面図である。
【0018】
図1および図2を参照して、プリント配線板1は、距離を隔てて設けられ、互いに向い合って延在する接地導体板3および4と、接地導体板3と接地導体板4との間に別々に設けられ、信号を伝送するための信号線5および6と、接地導体板3と接地導体板4との間に設けられ、信号線5と信号線6との間に位置する接地導体7と、接地導体板3から接地導体板4に達する複数のビアホール9を有し、接地導体板3と接地導体板4との間を充填する絶縁層10と、ビアホール9の内部に設けられ、接地導体板3と接地導体板4とを電気的に接続するビアホール導体膜8とを備える。プリント配線板1では、信号線5および6を覆う絶縁層10の上下面に接地導体板3および4が設けられており、ストリップライン構造の伝送線路を構成している。
【0019】
接地導体板3および4は厚み9μmの銅箔から形成されている。接地導体板3および4はともに接地されている。接地導体板3および4の間で、信号線5および6が並んで一方向に延びている。信号線5および6の各々には、その一方端から他方端に向けてそれぞれ独立した信号が伝送される。
【0020】
信号線5および6の間で、信号線5からの距離と信号線6からの距離が等しくなる位置には接地導体7が設けられている。接地導体7は、信号線5および6に平行に延びている。接地導体7は接地されている。信号線5および6ならびに接地導体7は、接地導体板3および4に平行な平面上に設けられている。信号線5および6ならびに接地導体7は銅によって形成されている。
【0021】
接地導体板3および4の間を充填し、信号線5および6ならびに接地導体7を覆うように絶縁層10が設けられている。絶縁層10は、ガラスエポキシなどのエポキシ樹脂、BT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂、またはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などのフッ素樹脂から形成されている。
【0022】
絶縁層10には、接地導体板3から接地導体板4にまで達する複数のビアホール9が形成されている。ビアホール9は、接地導体7を貫通しており、信号線5からの距離と信号線6からの距離が等しくなる位置に形成されている。ビアホール9は、接地導体7が延びる方向、つまり信号線5および6が延びる方向に並んで複数設けられている。隣接するビアホール9の間隔がDとなるようにビアホール9が設けられている。
【0023】
ビアホール9の側壁には、銅から形成されたビアホール導体膜8が設けられている。ビアホール導体膜8は、接地導体板3および4に接触して設けられており、ビアホール導体膜8も接地電位となっている。ビアホール導体膜8は、ビアホール9が設けられた間隔Dで並んで設けられている。信号線5および6に伝送される信号の最も高い周波数から決定される波長をλとするとき、隣接するビアホール導体膜8の間隔Dは、λ/100≦D≦λ/10の関係を満たしている。なお、隣接するビアホール導体膜8の間隔Dとは、隣接するビアホール導体膜8において最も近接している部分が離れている距離をいう。このように構成されたプリント配線板1の厚みは0.5mm程度となる。
【0024】
なお、本実施の形態では、ビアホール9の側壁を覆うようにビアホール導体膜8を形成してビアホール9の内部に空間が残されているが、ビアホール9の内部を完全に充填するようにビアホール導体膜8を設けても良い。
【0025】
図3は、図2中に示す信号線から放射される電磁波の電場分布を示す断面図である。図3を参照して、信号線5の一方端から他方端に向けて信号が伝送されると、信号線5から電磁波が放射される。信号線5から上方に向かう電磁波による電気力線11は、信号線5と接地導体板3とを結び、信号線5から下方に向かう電磁波による電気力線12は、信号線5と接地導体板4とを結ぶ。
【0026】
信号線5に信号が伝送されることによって、信号線5から信号線6に向かう方向へも電磁波が発せられる。この電磁波による電気力線の一部分13は、信号線5と信号線6との間に設けられた接地導体7へと至る。
【0027】
また、接地電位にあるビアホール導体膜8は、信号線5に平行に複数並んで設けられている。隣接するビアホール導体膜8の間に開口部分が形成されており、その開口部分をスロットアンテナと同等に考えると、隣接するビアホール導体膜8の間隔Dがλ/2のとき最も効率良く電磁波が開口部分を通過する。しかし、隣接するビアホール導体膜8の間隔Dを徐々に小さくしていくとビアホール導体膜8によって通過が遮られる電磁波が多くなる。これにより、信号線5から放射された電磁波が信号線6に至ることを抑制できる。
【0028】
また、ビアホール導体膜8は、隣接するビアホール導体膜8の間隔Dがλ/100≦D≦λ/10の関係を満たすように設けられている。隣接するビアホール導体膜8の間隔Dがλ/10よりも大きい場合、電磁波が隣接するビアホール導体膜8の間から漏れることを十分に抑制できない。また、隣接するビアホール導体膜8の間隔Dがλ/100よりも小さい場合、隣接するビアホール導体膜8の間隔Dを徐々に小さくしていっても、それ以上隣接するビアホール導体膜8の間からの電磁波の漏れ量を小さくすることはできない。その一方で、ビアホール導体膜8を設けるためのビアホール9を形成する間隔を小さくしなければならない。これにより、ビアホール9の加工が困難になったり加工時間が増大するという問題が発生する。
【0029】
そこで、隣接するビアホール導体膜8の間隔Dがλ/100≦D≦λ/10の関係を満たすことによって、上述の問題を解決することができる。そして、信号線5から信号線6に向かう電気力線14のほとんどがビアホール導体膜8によって遮られることとなる。
【0030】
なお、図3では信号線5から放射される電磁波の電場分布のみを示しこれについて説明したが、信号線6から放射される電磁波の電場分布に関しても、上述の説明と同様に考えることができる。
【0031】
図4は、ストリップライン線路を示す断面図である。図4を用いて、ストリップライン線路の特性インピーダンスについて説明する(出典;Simon Ramo、他名,「FIELDS AND WAVES IN COMMUNICATION ELECTRONICS(Third Edition)」,John Wiley & Sons, Inc.,1994年,p.410,411)。
【0032】
図4を参照して、信号線20を覆う絶縁層19の上下面に接地導体板18および17が設けられている。信号線20と接地導体板18および17との間の距離をd、信号線20の厚さおよび幅をtおよびw、絶縁層19の誘電率および透磁率をそれぞれεおよびμとする。信号線20の厚さtが信号線20と接地導体板18および17との間の距離dに比べて十分に小さいとき、信号線20の特性インピーダンスZ0は(1)式に表わすことができる。
【0033】
【数1】
【0034】
(1)式中のK(k)は第1種完全楕円積分であり、(2)式で定義することができる。また、(1)式中のkは(3)式で与えられる。
【0035】
【数2】
【0036】
【数3】
【0037】
したがって、ストリップライン線路の特性インピーダンスは、信号線20と接地導体板18および19との間の距離d、ならびに信号線20の幅wによって決定される。
【0038】
図2を参照して、信号線5および6と接地導体板3および4との間の距離、ならびに信号線5および6の幅を適当な値にすることで、信号線5および6の特性インピーダンスを所望の値にする。
【0039】
この発明の実施の形態1に従ったプリント配線板1は、一方向に延在し、所定の間隔を隔てて設けられた第1および第2の配線としての信号線5および6と、信号線5および6間に設けられて、信号線5および6に沿って延在する第1の接地導体としての接地導体7と、信号線5および6が延在する方向に並んで信号線5および6間に設けられた複数の貫通孔としてのビアホール9を有し、信号線5および6と接地導体7とを取り囲む絶縁層10と、絶縁層10の表面に形成されて、信号線5および6を挟み込む第2の接地導体としての接地導体板3および4と、ビアホール9内に設けられて、接地導体板3および4と電気的に接続された第3の接地導体としてのビアホール導体膜8とを備える。信号線5および6で伝送される信号の最も短い波長をλとすると、隣接するビアホール導体膜8の間隔Dは、λ/100≦D≦λ/10の関係を満たす。
【0040】
一方向に延在し、所定の間隔を隔てて設けられた信号線5および6と、信号線5および6間に設けられて、信号線5および6に沿って延在する接地導体7と、信号線5および6の延在する方向に並んで信号線5および6間に設けられた複数のビアホール9を有し、信号線5および6と接地導体7とを取り囲む絶縁層10と、絶縁層10の表面に形成されて、信号線5および6を挟み込むフィルム状の第2の接地導体としての接地導体板3および4と、ビアホール9内に設けられて、接地導体板3および4と電気的に接続されたビアホール導体膜8とを備える。
【0041】
信号線5および6ならびに接地導体7は、ほぼ同一平面上に設けられている。信号線5および6ならびに接地導体7は、ほぼ同一平面上に設けられており、かつ同一の材料としての銅から形成されている。ビアホール導体膜8は、接地導体7に接触するように設けられている。
【0042】
図5から図10は、図1中に示すプリント配線板の製造方法の工程を示す断面図である。図5から図10および図2を用いて、図1中に示すプリント配線板1の製造方法について説明する。なお、以下に説明する製造方法は一例であり、他の製造方法によってもプリント配線板1を製造することができる。
【0043】
図5を参照して、銅箔上にプリプレグおよび銅箔を順次積層し、接地導体板3、絶縁層10aおよび銅箔32の積層体を形成する。なお、本実施の形態では、厚み9μmの銅箔を使用するが、12μm、18μmまたは35μmなどの厚みの銅箔を適宜用いても良い。
【0044】
図6を参照して、銅箔32上にフォトレジスト34を形成する。所定の開口パターンが設けられたフォトマスク33をフォトレジスト34上にセットして、フォトマスク33上からフォトレジスト34に向けて紫外線を照射する。続いてフォトレジスト34に現像工程を行なうと、フォトマスク33に設けられた開口パターンに対応してフォトレジスト34には凹部35が形成される。
【0045】
図7を参照して、フォトレジスト34をマスクとして銅箔32にエッチングを行なう。これにより、絶縁層10a上に信号線5および6ならびに接地導体7を所定の形状で形成する。その後、フォトレジスト34を除去する。
【0046】
図8および図9を参照して、信号線5および6ならびに接地導体7上にプリプレグおよび銅箔を順次積層し、絶縁層10bおよび接地導体板3の積層体を所定の位置に形成する。その後、この積層体を加熱し、接地導体板3および4を挟持するように荷重を加える。これにより、絶縁層10aおよび10bは一体化し、接地導体板3および4の間で信号線5および6ならびに接地導体7を覆う絶縁層10が形成される。
【0047】
図10を参照して、接地導体板3から接地導体板4にまで達し、接地導体7を貫通するように孔あけを行ない、所定の間隔Dで設けられた複数のビアホール9を形成する。図2を参照して、ビアホール9の側壁を覆うように銅メッキを行ない、ビアホール9の内部にビアホール導体膜8を形成する。なお、ビアホール9の内部を導電性ペーストで充填し、ビアホール導体膜8を形成しても良い。以上の工程により、プリント配線板1が完成する。
【0048】
このように構成されたプリント配線板1によれば、信号線5および6の間に設けられた接地導体7およびビアホール導体膜8がシールドの役割を果たし、信号線5および6のいずれか一方の信号線から放射された電磁波が他方の信号線に到達することを抑制できる。また、ビアホール導体膜8を設けるためのビアホール9は、接地導体板3、絶縁層10および接地導体板4の積層体に直接孔あけ加工を行なうことによって容易に形成することができる。以上の理由から、隣接する信号線5および6間でクロストークが発生することを十分に抑制するとともに、容易に製造することができるプリント配線板1を実現することができる。
【0049】
また、接地導体板3および4の間に設けられる絶縁層10は、プリプレグからなる絶縁層10aおよび10bの2層から形成される。このため、信号線5および6と接地導体板3および4との間の距離を比較的正確に制御することができる。これにより、信号線5および6の特性インピーダンスを所望の値にすることができる。
【0050】
また、接地導体板3および4を厚みが数μmから数10μmのオーダーの銅箔から形成して、接地導体板3および4をフィルム状としている。これにより、完成した積層体の厚みを小さくしてプリント配線板1の小型化を図ることができる。このような効果は、接地導体板3の上から、絶縁層、信号線および接地導体板を繰り返し積層し、プリント配線板1を多層プリント配線板とする場合に特に顕著に発揮される。
【0051】
また、信号線5および6ならびに接地導体7は、ほぼ同一平面上に設けられている。信号線5に沿って伝播する電磁波によって生じる電気力線の一部は信号線5および6の間を結び、クロストークの原因となる。その信号線5および6を結ぶ線上に接地導体7が設けられているため、信号線5および6からの電磁波を最も効率良く遮ることができる。また、接地導体7によって接地導体板3および4が向かい合う空間で電磁波を上下方向に均等に遮ることができる。このため、電磁波が強くなった箇所で電磁波が隣接するビアホール導体膜8の間から漏れることを防止できる。
【0052】
さらに、信号線5および6ならびに接地導体7は、同一材料から形成されている。このため、絶縁層10a上に銅箔32を設け、この銅箔32に所定のフォトリソグラフィー工程を行なうことによって、信号線5および6ならびに接地導体7を同時に形成することができる。これにより、プリント配線板1をさらに容易に製造することができる。
【0053】
また、ビアホール導体膜8は、接地導体7に接触するように設けられている。ビアホール導体膜8は接地導体板3および4に接続されているため接地電位となっているが、接続不良などによりビアホール導体膜8の接地が得られていない場合もある。このような場合に、接地導体板3および4以外にもビアホール導体膜8が接地電位の部材に接触している箇所を増やすことによって、ビアホール導体膜8の接地をより高い確率で確保することができる。これにより、隣接する信号線5および6間で発生するクロストークをより確実に抑制することができる。
【0054】
隣接するビアホール導体膜8の間隔Dが、λ/100≦D≦λ/10の関係を満たすようにビアホール導体膜8を設けることによって、信号線5および6間で発生するクロストークを十分に抑制できるか立証するために以下に説明する実施例を行なった。
【0055】
図11は、この実施例を説明するためのモデルケースを示す模式図である。図11を参照して、信号線37および38が近接して延在している。信号線37の一方端および他方端をポート42および43と呼び、信号線38の一方端および他方端をポート44および45と呼ぶこととする。信号線37および38のポート42から45にはそれぞれ抵抗が設けられており、その先で接地されている。信号線37のポート42には、信号線37に信号を伝送するための信号源41が設けられている。
【0056】
信号源41から信号線37に信号を伝送すると信号線37から電磁波が放射され、信号線38には電磁結合(相互作用)によりクロストークが発生する。このとき、ポート42から45における電圧をそれぞれV42、V43、V44およびV45とすると、信号線38において信号源41に近いポート44で発生する近端クロストーク値は、20log10(V44/V42)(単位;dB)で表わされ、信号線38において信号源41に遠いポート45で発生する遠端クロストーク値は、20log10(V45/V42)(単位;dB)で表わされる。このように定義されるクロストークは、クロストーク値が小さいほどクロストークの発生が抑制されていることを示す。
【0057】
この実施例では、図1中のプリント配線板1を図11に示すモデルケースにあてはめてクロストーク抑制の効果の確認を試みた。図1を参照して、信号線5および6の線路間距離L1を1mm、信号線5および6の幅Wを250μm、信号線5および6の線路長L2を2cmとした。図1中の信号線5および6を図11中の信号線37および38に該当させるように、プリント配線板1に信号源などをセットした。信号線5および6の各ポートに接続される抵抗の抵抗値を50(Ω)とした。
【0058】
また、信号線5および6間において電磁波を遮るシールド方法として、ビアホール導体膜8(間隔D=1mm)のみを設けた場合と、接地導体7とビアホール導体膜8(間隔D=0.2mm、0.3mm、1mm、2mm、3mm、3.5mm)とを設けた場合と、全くシールドを設けなかった場合とを想定した。
【0059】
以上に説明した条件のもとで、信号源から信号線5に最大信号伝送周波数10(GHz)の信号を伝送した。なお、信号の最大信号伝送周波数は、スペクトラムアナライザまたはオシロスコープなどの測定器具を使用して測定することが可能である。そして、モーメント法を用いた電磁場解析を行ない、信号線6における近端クロストーク値および遠端クロストーク値を求めた。その結果を表1に示す。なお、信号線5および6の両端部におけるインピーダンスは整合されているものとする。また、信号線5に伝送した信号の最大信号伝送周波数10(GHz)から導出される信号の最も短い波長λは3cmとなる。
【0060】
【表1】
【0061】
表1を参照して、シールド無しの場合およびビアホール導体膜8のみを設けた場合では、ほかのシールド方法の場合と比較してクロストーク値が大きい値となった。また、接地導体7とビアホール導体膜8とを設けた場合では、ビアホール導体膜8の間隔Dが小さくなるに従ってクロストーク値が小さい値になる傾向を読み取れた。このことから、クロストークを効果的に抑制するためには、ビアホール導体膜8および接地導体7の両方が必要であることを確認できた。また、ビアホール導体膜8の間隔D、つまりシールドの開口部の大きさが小さいほどクロストークを抑制できることを確認できた。
【0062】
また、接地導体7とビアホール導体膜8とを設けた場合において、ビアホール導体膜8の間隔Dが0.2mmおよび0.3mmのときを比較すると、近端クロストーク値および遠端クロストーク値に変化はなかった。このことから、ビアホール導体膜8の間隔Dを、λ/100=0.3mm≦Dの範囲を超えて小さくしても、それ以上クロストークを抑制できないことを確認できた。
【0063】
また、プリント配線板1を実用的な高速伝送システムへ適用する場合を考えて、Bit Error Rateを10-15程度以下にするためには、信号のアイパターンの開口をできるだけ大きくし、ジッタをできるだけ小さくする必要がある。このため、隣接する伝送線路に誘起される電圧を信号電圧の1%以下に抑えようとすると、線路長50cmの実用的な伝送線路におけるクロストーク値を、−40(dB)(=20log100.01)以下にする必要がある。
【0064】
但し、この実施例では線路長L2が2cmの信号線5および6を使用している。このため、線路長50cmの伝送線路と比較してこの実施例では、線路長を用いて近似的に計算すると30(dB)(≒20log10(50/2))程度クロストーク値が小さくなって求められていると考えられる。したがって、クロストーク値が−70(dB)程度以下となっていれば、実用的な伝送線路においても所望の特性を得ることができるものと判断される。
【0065】
なお、上述の説明中のBit Error Rateとは、伝送ビット数のうちエラーが生じるビット確率を示す。たとえば、Bit Error Rateが10-15であるというのは、1015ビットの情報を伝送したとき確率的に1ビットのエラーが発生することを示す。
【0066】
また、アイパターンとは、ランダムビットパターンを伝送して、受信した信号波形を重ね書きして得られたパターンをいう。図12は、アイパターンとして検出された信号波形を示す波形図である。図12では、縦軸に電圧を、横軸に時間をとっている。図12を参照して、位相差をもつように重ね合わされた信号波形によってアイパターンが形成されている。信号波形の間には、アイパターンの開口部48が形成されている。受信側に接続されたレシーバ素子において受け取った信号がデジタル信号の0であるか1であるかを判定するためには、アイパターンの開口部48がある程度開いている必要がある。このアイパターンの開口部48が開く度合いは、クロストークノイズの大きさ、伝送線路途中での反射、ならびに伝送線路の導体損および誘電体損などの影響によって変化する。
【0067】
また、信号波形が重なり合う部分47の時間ゆらぎをジッタという。ジッタを小さくするとアイパターンの開口部48を大きくすることができる。
【0068】
表1を参照して、接地導体7とビアホール導体膜8とを設けた場合においてビアホール導体膜8の間隔Dが、D≦λ/10=3mmの関係を満たすとき、クロストーク値は−70(dB)以下の数値となった。このことから、D≦λ/10の関係を満たすようにビアホール導体膜8を設けることによって、信号線5および6間で発生するクロストークを十分に抑制できることを確認できた。
【0069】
(実施の形態2)
図13は、この発明の実施の形態2におけるプリント配線板を示す平面図である。図14は、図13中のXIV−XIV線上に沿った断面図である。実施の形態2におけるプリント配線板は、実施の形態1におけるプリント配線板1と基本的には同様の構造を備える。以下において、重複する構造の説明は省略する。
【0070】
図13および図14を参照して、接地導体板3および4の間には、縦列するビアホール導体膜8を中心にして、一方の側には信号線51aおよび51bが、他方の側には信号線53aおよび53bが対称となる位置に設けられている。信号線51aおよび51bは近接して位置決めされており一方向に延びている。信号線53aおよび53bは近接して位置決めされており一方向に延びている。信号線51a、51b、53aおよび53b、ならびに接地導体7は、接地導体板3および4に平行な平面上に設けられている。信号線51a、51b、53aおよび53bは銅によって形成されている。
【0071】
信号線51aおよび51bが一対となって差動信号線51を構成している。信号線51aおよび51bには、大きさが等しく符号の異なる信号がそれぞれ伝送される。同様に、信号線53aおよび53bが一対となって差動信号線53を構成している。信号線53aおよび53bには、大きさが等しく符号の異なる信号がそれぞれ伝送される。
【0072】
差動信号線51および53の伝送方式は差動伝送方式と呼ばれている。差動伝送方式では一対の線路の差信号を用いるため、外部からそれぞれの線路に同じ大きさのノイズが加わった場合に、ノイズの影響を無視できるという特徴を有する。
【0073】
この発明の実施の形態2に従ったプリント配線板は、第1の配線としての信号線51aに伝送される信号と大きさが等しく符号が異なる信号が伝送され、信号線51aに沿って延在する第3の配線としての信号線51bと、第2の配線としての信号線53aに伝送される信号と大きさが等しく符号が異なる信号が伝送され、信号線53aに沿って延在する第4の配線としての信号線53bとをさらに備える。信号線53aと信号線51bとの間に接地導体7が位置するように信号線51bが位置決めされている。信号線51aと信号線53bとの間に接地導体7が位置するように信号線53bが位置決めされている。
【0074】
信号線51aおよび51bと信号線53aおよび53bとの各々は、接地導体板3および4に平行な平面上に設けられている。
【0075】
このように構成されたプリント配線板によれば、実施の形態1に記載の効果によって、差動信号線51および53の間で発生するクロストークを抑制することができる。加えて、差動信号線51および53を構成する信号線51a、51b、53aおよび53bを接地導体板3および4に平行な平面上に設けているため、接地導体板3および4間の距離を小さくすることができる。これによりプリント配線板の厚さを薄くすることができる。
【0076】
(実施の形態3)
図15は、この発明の実施の形態3におけるプリント配線板を示す断面図である。図15は、図1中のII−II線上に沿った断面図に相当する。図15を参照して、実施の形態3におけるプリント配線板は、実施の形態2におけるプリント配線板と比較して、差動信号線を構成する一対の信号線の配置が異なる。以下において、重複する構造の説明は省略する。
【0077】
信号線51aおよび51bと信号線53aおよび53bとの各々は、接地導体板3および4に垂直な平面上に設けられている。接地導体板3および4に平行な平面上であって、かつ縦列するビアホール導体膜8を中心にして対称な位置には、信号線51aおよび53aが配置されている。信号線51aおよび53aが位置する平面上であって信号線51aおよび53aの間には、信号線51aおよび53aに平行して延びる接地導体65が設けられている。
【0078】
同様に、接地導体板3および4に平行な平面上であって、かつ縦列するビアホール導体膜8を中心にして対称な位置には、信号線51bおよび53bが配置されている。信号線51bおよび53bが位置する平面上であって信号線51bおよび53bの間には、信号線51bおよび53bに平行に延びる接地導体66が設けられている。
【0079】
この発明の実施の形態3に従ったプリント配線板では、信号線51aおよび51bと信号線53aおよび53bとの各々は、接地導体板3および4に垂直な平面上に設けられている。
【0080】
このように構成されたプリント配線板によれば、実施の形態1に記載の効果によって、差動信号線51および53の間で発生するクロストークを抑制することができる。また、接地導体65および66を差動信号線51および53間の所定の位置に設けているため、差動信号線51および53からの電磁波を効果的に遮ることができる。加えて、差動信号線51および53を構成する信号線51aおよび51bと信号線53aおよび53bとがそれぞれ接地導体板3および4に垂直な平面上に設けているため、差動信号線51および53がプリント配線板上で占有する面積を小さくすることができる。これにより、プリント配線板の面積を小さくすることができる。
【0081】
(実施の形態4)
図16は、この発明の実施の形態4におけるプリント配線板を示す平面図である。図16を参照して、実施の形態4におけるプリント配線板は、実施の形態1におけるプリント配線板1と基本的に同様の構造を備える。但し、実施の形態4におけるプリント配線板では、ビアホール導体膜8が、信号線5および6が延びる方向に千鳥状に並んで設けられている。隣接するビアホール導体膜8の間隔Dは、λ/100≦D≦λ/10の関係を満たしている。
【0082】
このように構成されたプリント配線板によれば、実施の形態1に記載の効果と同様の効果を奏することができる。
【0083】
(実施の形態5)
図17は、この発明の実施の形態5における信号伝送装置を示す斜視図である。図17を参照して、信号伝送装置70は、実施の形態1におけるプリント配線板1と、信号を送出するためのトランスミッタ71と、信号を受信するためのレシーバ72とを備える。
【0084】
プリント配線板1に設けられた信号線5および6の一方端5aおよび6aが、トランスミッタ71に接続されている。信号線5および6の他方端5bおよび6bがレシーバ72に接続されている。
【0085】
トランスミッタ71は、たとえば伝送速度10(Gbps)の高速デジタル信号を送出する素子で、複数のパラレル信号を入力としてそれらを高速シリアル信号として出力するもので、マルチプレクサ(MULTIPLEXER)とも呼ばれる。トランスミッタ71からの高速シリアル信号は、プリント配線板1の信号線5および6を伝送されレシーバ72に達する。レシーバ72は、高速シリアル信号を受け取り、クロック信号を再生しながらパラレル信号を出力する。レシーバ72は、デマルチプレクサ(DEMULTIPLEXER)とも呼ばれる。
【0086】
この発明の実施の形態5に従った信号伝送装置70は、プリント配線板1と、信号線5および6に電気的に接続された半導体素子としてのトランスミッタ71およびレシーバ72とを備える。
【0087】
このように構成された信号伝送装置70によれば、実施の形態1に記載の効果を奏することによって、プリント配線板1を介してトランスミッタ71からレシーバ72に向けて信号を伝送する際のクロストークによる信号の劣化を防止することができる。
【0088】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0089】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明に従えば、隣接する配線間でクロストークが発生することを十分に抑制し、所望の特性インピーダンスを得るとともに、小型化を図ることができ、かつ容易に製造することができるプリント配線板および信号伝送装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1におけるプリント配線板を示す平面図である。
【図2】図1中のII−II線上に沿った断面図である。
【図3】図2中に示す信号線から放射される電磁波の電場分布を示す断面図である。
【図4】ストリップライン線路を示す断面図である。
【図5】図1中に示すプリント配線板の製造方法の第1工程を示す断面図である。
【図6】図1中に示すプリント配線板の製造方法の第2工程を示す断面図である。
【図7】図1中に示すプリント配線板の製造方法の第3工程を示す断面図である。
【図8】図1中に示すプリント配線板の製造方法の第4工程を示す断面図である。
【図9】図1中に示すプリント配線板の製造方法の第5工程を示す断面図である。
【図10】図1中に示すプリント配線板の製造方法の第6工程を示す断面図である。
【図11】この実施例を説明するためのモデルケースを示す模式図である。
【図12】アイパターンとして検出された信号波形を示す波形図である。
【図13】この発明の実施の形態2におけるプリント配線板を示す平面図である。
【図14】図13中のXIV−XIV線上に沿った断面図である。
【図15】この発明の実施の形態3におけるプリント配線板を示す断面図である。
【図16】この発明の実施の形態4におけるプリント配線板を示す平面図である。
【図17】この発明の実施の形態5における信号伝送装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 プリント配線板、3,4 接地導体板、5,6,51a,51b,53a,53b 信号線、7,65,66 接地導体、8 ビアホール導体膜、9 ビアホール、10,10a,10b 絶縁層、51,53 差動信号線、70 信号伝送装置、71 トランスミッタ、72 レシーバ。
【発明の属する技術分野】
この発明は、一般的には、プリント配線板およびそのプリント配線板を備える信号伝送装置に関し、より特定的には、一方向に延びて信号を伝送する複数の配線が隣接して設けられたプリント配線板およびそのプリント配線板を備える信号伝送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線板上で高速信号を伝搬させるために用いられる伝送線路の一例としてストリップライン構造がある。ストリップライン構造では、信号線を覆う絶縁層の上下を接地導体によって挟む構造をとる。このような構造をとるプリント配線板において複数の配線が隣接して設けられている場合、1本の配線に信号が伝送されるとその配線から電磁波が放射され、その電磁波の電磁気的結合によって隣接する配線にクロストークが発生する。そして、このようなクロストークの発生を抑制することを目的とした多層プリント配線板の構造およびその製造方法が、特開平9−283930号公報に開示されている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1に開示されている多層プリント配線板は、信号回路導体と、信号回路導体を囲うように設けられたアース回路導体と、信号回路導体とアース回路導体との間を充填し、積層構造をとるフィルム状銅張積層板およびフィルム状接着基材と、アース回路導体を上下方向から挟持する銅張積層板とを備える。このように構成された多層プリント配線板によれば、信号回路導体を完全にアース回路で覆った同軸回路に形成し、放射ノイズおよびクロストークノイズのない伝送線路を実現することができる。
【0004】
このような多層プリント配線板を製造するためには、所定のパターンでアース回路導体が形成された銅張積層板と、所定のパターンでアース回路導体および信号回路導体が形成された半硬化状態のフィルム状銅張積層板とを準備する。そして、その銅張積層板およびフィルム状銅張積層板と、半硬化状態のフィルム状接着基材とを積層して一体化することによって、同軸回路が形成された多層プリント配線板を完成する。
【0005】
また、クロストークの発生を抑制することを目的とした伝送線路およびパッケージが、特開平9−223894号公報に開示されている(特許文献2)。
【0006】
特許文献2に開示されている伝送線路は、導電性の金属ブロックと、絶縁性基板と、信号線導体と、接地導体とを備える。絶縁性基板の上面には信号線導体および接地導体が、絶縁性基板の下面には接地導体が設けられている。絶縁性基板には、上面から下面にまで達するビアホールが形成されており、絶縁性基板の上下面にそれぞれ形成された接地導体がビアホールにより電気的に結合されている。金属ブロックが、絶縁性基板の上下面で接地導体に接触するように設けられている。金属ブロックには、信号線導体で所望の特性インピーダンスが得られるように信号線導体を囲む溝が形成されている。
【0007】
このように接地導体と、接地導体間を接続するビアホールと、接地導体に接続された金属ブロックとで信号線導体を囲むことによって、信号線導体を中心導体とする擬似同軸構造を構成することができる。これにより、隣接する信号線導体の相互間で電磁界が漏れない構造となるので、隣接路線間のクロストークを低減することができる。
【0008】
【特許文献1】
特開平9−283930号公報
【0009】
【特許文献2】
特開平9−223894号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1で開示されている多層プリント配線板では、信号回路導体を完全にアース回路で覆う同軸回路を形成するために、半硬化状態のフィルム状銅張積層板およびフィルム状接着基材を積層している。このため、多層プリント配線板を完成させるためには、これら積層する部材を別々に準備し、部材間の位置決めを行なわなければならない。そして、このような工程により多層プリント配線板の製造工程が複雑化するという問題が発生する。
【0011】
また、これらフィルム状の銅張積層板および接着基材は1枚の厚みが薄く、信号回路導体で所望の特性インピーダンスを実現するためにはこれらの部材を多数枚積層しなければならない。しかし、積層する枚数が増大するに従って積層物の厚みの誤差は累積するため、完成した状態において積層物の厚みを適当に制御することが困難になる。これにより、信号回路導体で所望の特性インピーダンスを得ることができないという問題が発生する。
【0012】
また、特許文献2で開示されている伝送線路では、信号線導体を擬似同軸構造にすることを目的として、絶縁性基板には接地導体の各々を電気的に結合するビアホールが設けられている。しかし、ビアホールが設けられる間隔が大きい場合には、ビアホールとそのビアホールに隣接するビアホールとの間から電磁波が漏れ、隣接する信号線導体間でクロストークが発生するおそれがある。
【0013】
また、信号線導体を擬似同軸構造にすること、および信号線導体で所望の特性インピーダンスを得ることを目的として、溝が形成された金属ブロックが使用されている。しかし、このような金属ブロックを使用することは、伝送線路が設けられたプリント配線板の厚みを増大させることとなり、特に金属ブロックが多数積層される多層プリント配線板ではこのことが大きな問題となる。また、金属ブロックを使用することによって、従来のプリント配線板の製造ラインにブロックを取り付けるための新たな設備を増設しなければならない。
【0014】
そこでこの発明の目的は、上記の課題を解決することであり、隣接する配線間でクロストークが発生することを十分に抑制し、所望の特性インピーダンスを得るとともに、小型化を図ることができ、かつ容易に製造することができるプリント配線板および信号伝送装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この発明に従ったプリント配線板は、一方向に延在し、所定の間隔を隔てて設けられた第1および第2の配線と、第1および第2の配線間に設けられて、第1および第2の配線に沿って延在する第1の接地導体と、第1および第2の配線が延在する方向に並んで第1および第2の配線間に設けられた複数の貫通孔を有し、第1および第2の配線と第1の接地導体とを取り囲む絶縁層と、絶縁層の表面に形成されて、第1および第2の配線を挟み込む第2の接地導体と、複数の貫通孔内に設けられて、第2の接地導体と電気的に接続された第3の接地導体とを備える。第1および第2の配線で伝送される信号の最も短い波長をλとすると、隣接する第3の接地導体の間隔Dは、λ/100≦D≦λ/10の関係を満たす。
【0016】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1におけるプリント配線板を示す平面図である。図2は、図1中のII−II線上に沿った断面図である。
【0018】
図1および図2を参照して、プリント配線板1は、距離を隔てて設けられ、互いに向い合って延在する接地導体板3および4と、接地導体板3と接地導体板4との間に別々に設けられ、信号を伝送するための信号線5および6と、接地導体板3と接地導体板4との間に設けられ、信号線5と信号線6との間に位置する接地導体7と、接地導体板3から接地導体板4に達する複数のビアホール9を有し、接地導体板3と接地導体板4との間を充填する絶縁層10と、ビアホール9の内部に設けられ、接地導体板3と接地導体板4とを電気的に接続するビアホール導体膜8とを備える。プリント配線板1では、信号線5および6を覆う絶縁層10の上下面に接地導体板3および4が設けられており、ストリップライン構造の伝送線路を構成している。
【0019】
接地導体板3および4は厚み9μmの銅箔から形成されている。接地導体板3および4はともに接地されている。接地導体板3および4の間で、信号線5および6が並んで一方向に延びている。信号線5および6の各々には、その一方端から他方端に向けてそれぞれ独立した信号が伝送される。
【0020】
信号線5および6の間で、信号線5からの距離と信号線6からの距離が等しくなる位置には接地導体7が設けられている。接地導体7は、信号線5および6に平行に延びている。接地導体7は接地されている。信号線5および6ならびに接地導体7は、接地導体板3および4に平行な平面上に設けられている。信号線5および6ならびに接地導体7は銅によって形成されている。
【0021】
接地導体板3および4の間を充填し、信号線5および6ならびに接地導体7を覆うように絶縁層10が設けられている。絶縁層10は、ガラスエポキシなどのエポキシ樹脂、BT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂、またはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などのフッ素樹脂から形成されている。
【0022】
絶縁層10には、接地導体板3から接地導体板4にまで達する複数のビアホール9が形成されている。ビアホール9は、接地導体7を貫通しており、信号線5からの距離と信号線6からの距離が等しくなる位置に形成されている。ビアホール9は、接地導体7が延びる方向、つまり信号線5および6が延びる方向に並んで複数設けられている。隣接するビアホール9の間隔がDとなるようにビアホール9が設けられている。
【0023】
ビアホール9の側壁には、銅から形成されたビアホール導体膜8が設けられている。ビアホール導体膜8は、接地導体板3および4に接触して設けられており、ビアホール導体膜8も接地電位となっている。ビアホール導体膜8は、ビアホール9が設けられた間隔Dで並んで設けられている。信号線5および6に伝送される信号の最も高い周波数から決定される波長をλとするとき、隣接するビアホール導体膜8の間隔Dは、λ/100≦D≦λ/10の関係を満たしている。なお、隣接するビアホール導体膜8の間隔Dとは、隣接するビアホール導体膜8において最も近接している部分が離れている距離をいう。このように構成されたプリント配線板1の厚みは0.5mm程度となる。
【0024】
なお、本実施の形態では、ビアホール9の側壁を覆うようにビアホール導体膜8を形成してビアホール9の内部に空間が残されているが、ビアホール9の内部を完全に充填するようにビアホール導体膜8を設けても良い。
【0025】
図3は、図2中に示す信号線から放射される電磁波の電場分布を示す断面図である。図3を参照して、信号線5の一方端から他方端に向けて信号が伝送されると、信号線5から電磁波が放射される。信号線5から上方に向かう電磁波による電気力線11は、信号線5と接地導体板3とを結び、信号線5から下方に向かう電磁波による電気力線12は、信号線5と接地導体板4とを結ぶ。
【0026】
信号線5に信号が伝送されることによって、信号線5から信号線6に向かう方向へも電磁波が発せられる。この電磁波による電気力線の一部分13は、信号線5と信号線6との間に設けられた接地導体7へと至る。
【0027】
また、接地電位にあるビアホール導体膜8は、信号線5に平行に複数並んで設けられている。隣接するビアホール導体膜8の間に開口部分が形成されており、その開口部分をスロットアンテナと同等に考えると、隣接するビアホール導体膜8の間隔Dがλ/2のとき最も効率良く電磁波が開口部分を通過する。しかし、隣接するビアホール導体膜8の間隔Dを徐々に小さくしていくとビアホール導体膜8によって通過が遮られる電磁波が多くなる。これにより、信号線5から放射された電磁波が信号線6に至ることを抑制できる。
【0028】
また、ビアホール導体膜8は、隣接するビアホール導体膜8の間隔Dがλ/100≦D≦λ/10の関係を満たすように設けられている。隣接するビアホール導体膜8の間隔Dがλ/10よりも大きい場合、電磁波が隣接するビアホール導体膜8の間から漏れることを十分に抑制できない。また、隣接するビアホール導体膜8の間隔Dがλ/100よりも小さい場合、隣接するビアホール導体膜8の間隔Dを徐々に小さくしていっても、それ以上隣接するビアホール導体膜8の間からの電磁波の漏れ量を小さくすることはできない。その一方で、ビアホール導体膜8を設けるためのビアホール9を形成する間隔を小さくしなければならない。これにより、ビアホール9の加工が困難になったり加工時間が増大するという問題が発生する。
【0029】
そこで、隣接するビアホール導体膜8の間隔Dがλ/100≦D≦λ/10の関係を満たすことによって、上述の問題を解決することができる。そして、信号線5から信号線6に向かう電気力線14のほとんどがビアホール導体膜8によって遮られることとなる。
【0030】
なお、図3では信号線5から放射される電磁波の電場分布のみを示しこれについて説明したが、信号線6から放射される電磁波の電場分布に関しても、上述の説明と同様に考えることができる。
【0031】
図4は、ストリップライン線路を示す断面図である。図4を用いて、ストリップライン線路の特性インピーダンスについて説明する(出典;Simon Ramo、他名,「FIELDS AND WAVES IN COMMUNICATION ELECTRONICS(Third Edition)」,John Wiley & Sons, Inc.,1994年,p.410,411)。
【0032】
図4を参照して、信号線20を覆う絶縁層19の上下面に接地導体板18および17が設けられている。信号線20と接地導体板18および17との間の距離をd、信号線20の厚さおよび幅をtおよびw、絶縁層19の誘電率および透磁率をそれぞれεおよびμとする。信号線20の厚さtが信号線20と接地導体板18および17との間の距離dに比べて十分に小さいとき、信号線20の特性インピーダンスZ0は(1)式に表わすことができる。
【0033】
【数1】
【0034】
(1)式中のK(k)は第1種完全楕円積分であり、(2)式で定義することができる。また、(1)式中のkは(3)式で与えられる。
【0035】
【数2】
【0036】
【数3】
【0037】
したがって、ストリップライン線路の特性インピーダンスは、信号線20と接地導体板18および19との間の距離d、ならびに信号線20の幅wによって決定される。
【0038】
図2を参照して、信号線5および6と接地導体板3および4との間の距離、ならびに信号線5および6の幅を適当な値にすることで、信号線5および6の特性インピーダンスを所望の値にする。
【0039】
この発明の実施の形態1に従ったプリント配線板1は、一方向に延在し、所定の間隔を隔てて設けられた第1および第2の配線としての信号線5および6と、信号線5および6間に設けられて、信号線5および6に沿って延在する第1の接地導体としての接地導体7と、信号線5および6が延在する方向に並んで信号線5および6間に設けられた複数の貫通孔としてのビアホール9を有し、信号線5および6と接地導体7とを取り囲む絶縁層10と、絶縁層10の表面に形成されて、信号線5および6を挟み込む第2の接地導体としての接地導体板3および4と、ビアホール9内に設けられて、接地導体板3および4と電気的に接続された第3の接地導体としてのビアホール導体膜8とを備える。信号線5および6で伝送される信号の最も短い波長をλとすると、隣接するビアホール導体膜8の間隔Dは、λ/100≦D≦λ/10の関係を満たす。
【0040】
一方向に延在し、所定の間隔を隔てて設けられた信号線5および6と、信号線5および6間に設けられて、信号線5および6に沿って延在する接地導体7と、信号線5および6の延在する方向に並んで信号線5および6間に設けられた複数のビアホール9を有し、信号線5および6と接地導体7とを取り囲む絶縁層10と、絶縁層10の表面に形成されて、信号線5および6を挟み込むフィルム状の第2の接地導体としての接地導体板3および4と、ビアホール9内に設けられて、接地導体板3および4と電気的に接続されたビアホール導体膜8とを備える。
【0041】
信号線5および6ならびに接地導体7は、ほぼ同一平面上に設けられている。信号線5および6ならびに接地導体7は、ほぼ同一平面上に設けられており、かつ同一の材料としての銅から形成されている。ビアホール導体膜8は、接地導体7に接触するように設けられている。
【0042】
図5から図10は、図1中に示すプリント配線板の製造方法の工程を示す断面図である。図5から図10および図2を用いて、図1中に示すプリント配線板1の製造方法について説明する。なお、以下に説明する製造方法は一例であり、他の製造方法によってもプリント配線板1を製造することができる。
【0043】
図5を参照して、銅箔上にプリプレグおよび銅箔を順次積層し、接地導体板3、絶縁層10aおよび銅箔32の積層体を形成する。なお、本実施の形態では、厚み9μmの銅箔を使用するが、12μm、18μmまたは35μmなどの厚みの銅箔を適宜用いても良い。
【0044】
図6を参照して、銅箔32上にフォトレジスト34を形成する。所定の開口パターンが設けられたフォトマスク33をフォトレジスト34上にセットして、フォトマスク33上からフォトレジスト34に向けて紫外線を照射する。続いてフォトレジスト34に現像工程を行なうと、フォトマスク33に設けられた開口パターンに対応してフォトレジスト34には凹部35が形成される。
【0045】
図7を参照して、フォトレジスト34をマスクとして銅箔32にエッチングを行なう。これにより、絶縁層10a上に信号線5および6ならびに接地導体7を所定の形状で形成する。その後、フォトレジスト34を除去する。
【0046】
図8および図9を参照して、信号線5および6ならびに接地導体7上にプリプレグおよび銅箔を順次積層し、絶縁層10bおよび接地導体板3の積層体を所定の位置に形成する。その後、この積層体を加熱し、接地導体板3および4を挟持するように荷重を加える。これにより、絶縁層10aおよび10bは一体化し、接地導体板3および4の間で信号線5および6ならびに接地導体7を覆う絶縁層10が形成される。
【0047】
図10を参照して、接地導体板3から接地導体板4にまで達し、接地導体7を貫通するように孔あけを行ない、所定の間隔Dで設けられた複数のビアホール9を形成する。図2を参照して、ビアホール9の側壁を覆うように銅メッキを行ない、ビアホール9の内部にビアホール導体膜8を形成する。なお、ビアホール9の内部を導電性ペーストで充填し、ビアホール導体膜8を形成しても良い。以上の工程により、プリント配線板1が完成する。
【0048】
このように構成されたプリント配線板1によれば、信号線5および6の間に設けられた接地導体7およびビアホール導体膜8がシールドの役割を果たし、信号線5および6のいずれか一方の信号線から放射された電磁波が他方の信号線に到達することを抑制できる。また、ビアホール導体膜8を設けるためのビアホール9は、接地導体板3、絶縁層10および接地導体板4の積層体に直接孔あけ加工を行なうことによって容易に形成することができる。以上の理由から、隣接する信号線5および6間でクロストークが発生することを十分に抑制するとともに、容易に製造することができるプリント配線板1を実現することができる。
【0049】
また、接地導体板3および4の間に設けられる絶縁層10は、プリプレグからなる絶縁層10aおよび10bの2層から形成される。このため、信号線5および6と接地導体板3および4との間の距離を比較的正確に制御することができる。これにより、信号線5および6の特性インピーダンスを所望の値にすることができる。
【0050】
また、接地導体板3および4を厚みが数μmから数10μmのオーダーの銅箔から形成して、接地導体板3および4をフィルム状としている。これにより、完成した積層体の厚みを小さくしてプリント配線板1の小型化を図ることができる。このような効果は、接地導体板3の上から、絶縁層、信号線および接地導体板を繰り返し積層し、プリント配線板1を多層プリント配線板とする場合に特に顕著に発揮される。
【0051】
また、信号線5および6ならびに接地導体7は、ほぼ同一平面上に設けられている。信号線5に沿って伝播する電磁波によって生じる電気力線の一部は信号線5および6の間を結び、クロストークの原因となる。その信号線5および6を結ぶ線上に接地導体7が設けられているため、信号線5および6からの電磁波を最も効率良く遮ることができる。また、接地導体7によって接地導体板3および4が向かい合う空間で電磁波を上下方向に均等に遮ることができる。このため、電磁波が強くなった箇所で電磁波が隣接するビアホール導体膜8の間から漏れることを防止できる。
【0052】
さらに、信号線5および6ならびに接地導体7は、同一材料から形成されている。このため、絶縁層10a上に銅箔32を設け、この銅箔32に所定のフォトリソグラフィー工程を行なうことによって、信号線5および6ならびに接地導体7を同時に形成することができる。これにより、プリント配線板1をさらに容易に製造することができる。
【0053】
また、ビアホール導体膜8は、接地導体7に接触するように設けられている。ビアホール導体膜8は接地導体板3および4に接続されているため接地電位となっているが、接続不良などによりビアホール導体膜8の接地が得られていない場合もある。このような場合に、接地導体板3および4以外にもビアホール導体膜8が接地電位の部材に接触している箇所を増やすことによって、ビアホール導体膜8の接地をより高い確率で確保することができる。これにより、隣接する信号線5および6間で発生するクロストークをより確実に抑制することができる。
【0054】
隣接するビアホール導体膜8の間隔Dが、λ/100≦D≦λ/10の関係を満たすようにビアホール導体膜8を設けることによって、信号線5および6間で発生するクロストークを十分に抑制できるか立証するために以下に説明する実施例を行なった。
【0055】
図11は、この実施例を説明するためのモデルケースを示す模式図である。図11を参照して、信号線37および38が近接して延在している。信号線37の一方端および他方端をポート42および43と呼び、信号線38の一方端および他方端をポート44および45と呼ぶこととする。信号線37および38のポート42から45にはそれぞれ抵抗が設けられており、その先で接地されている。信号線37のポート42には、信号線37に信号を伝送するための信号源41が設けられている。
【0056】
信号源41から信号線37に信号を伝送すると信号線37から電磁波が放射され、信号線38には電磁結合(相互作用)によりクロストークが発生する。このとき、ポート42から45における電圧をそれぞれV42、V43、V44およびV45とすると、信号線38において信号源41に近いポート44で発生する近端クロストーク値は、20log10(V44/V42)(単位;dB)で表わされ、信号線38において信号源41に遠いポート45で発生する遠端クロストーク値は、20log10(V45/V42)(単位;dB)で表わされる。このように定義されるクロストークは、クロストーク値が小さいほどクロストークの発生が抑制されていることを示す。
【0057】
この実施例では、図1中のプリント配線板1を図11に示すモデルケースにあてはめてクロストーク抑制の効果の確認を試みた。図1を参照して、信号線5および6の線路間距離L1を1mm、信号線5および6の幅Wを250μm、信号線5および6の線路長L2を2cmとした。図1中の信号線5および6を図11中の信号線37および38に該当させるように、プリント配線板1に信号源などをセットした。信号線5および6の各ポートに接続される抵抗の抵抗値を50(Ω)とした。
【0058】
また、信号線5および6間において電磁波を遮るシールド方法として、ビアホール導体膜8(間隔D=1mm)のみを設けた場合と、接地導体7とビアホール導体膜8(間隔D=0.2mm、0.3mm、1mm、2mm、3mm、3.5mm)とを設けた場合と、全くシールドを設けなかった場合とを想定した。
【0059】
以上に説明した条件のもとで、信号源から信号線5に最大信号伝送周波数10(GHz)の信号を伝送した。なお、信号の最大信号伝送周波数は、スペクトラムアナライザまたはオシロスコープなどの測定器具を使用して測定することが可能である。そして、モーメント法を用いた電磁場解析を行ない、信号線6における近端クロストーク値および遠端クロストーク値を求めた。その結果を表1に示す。なお、信号線5および6の両端部におけるインピーダンスは整合されているものとする。また、信号線5に伝送した信号の最大信号伝送周波数10(GHz)から導出される信号の最も短い波長λは3cmとなる。
【0060】
【表1】
【0061】
表1を参照して、シールド無しの場合およびビアホール導体膜8のみを設けた場合では、ほかのシールド方法の場合と比較してクロストーク値が大きい値となった。また、接地導体7とビアホール導体膜8とを設けた場合では、ビアホール導体膜8の間隔Dが小さくなるに従ってクロストーク値が小さい値になる傾向を読み取れた。このことから、クロストークを効果的に抑制するためには、ビアホール導体膜8および接地導体7の両方が必要であることを確認できた。また、ビアホール導体膜8の間隔D、つまりシールドの開口部の大きさが小さいほどクロストークを抑制できることを確認できた。
【0062】
また、接地導体7とビアホール導体膜8とを設けた場合において、ビアホール導体膜8の間隔Dが0.2mmおよび0.3mmのときを比較すると、近端クロストーク値および遠端クロストーク値に変化はなかった。このことから、ビアホール導体膜8の間隔Dを、λ/100=0.3mm≦Dの範囲を超えて小さくしても、それ以上クロストークを抑制できないことを確認できた。
【0063】
また、プリント配線板1を実用的な高速伝送システムへ適用する場合を考えて、Bit Error Rateを10-15程度以下にするためには、信号のアイパターンの開口をできるだけ大きくし、ジッタをできるだけ小さくする必要がある。このため、隣接する伝送線路に誘起される電圧を信号電圧の1%以下に抑えようとすると、線路長50cmの実用的な伝送線路におけるクロストーク値を、−40(dB)(=20log100.01)以下にする必要がある。
【0064】
但し、この実施例では線路長L2が2cmの信号線5および6を使用している。このため、線路長50cmの伝送線路と比較してこの実施例では、線路長を用いて近似的に計算すると30(dB)(≒20log10(50/2))程度クロストーク値が小さくなって求められていると考えられる。したがって、クロストーク値が−70(dB)程度以下となっていれば、実用的な伝送線路においても所望の特性を得ることができるものと判断される。
【0065】
なお、上述の説明中のBit Error Rateとは、伝送ビット数のうちエラーが生じるビット確率を示す。たとえば、Bit Error Rateが10-15であるというのは、1015ビットの情報を伝送したとき確率的に1ビットのエラーが発生することを示す。
【0066】
また、アイパターンとは、ランダムビットパターンを伝送して、受信した信号波形を重ね書きして得られたパターンをいう。図12は、アイパターンとして検出された信号波形を示す波形図である。図12では、縦軸に電圧を、横軸に時間をとっている。図12を参照して、位相差をもつように重ね合わされた信号波形によってアイパターンが形成されている。信号波形の間には、アイパターンの開口部48が形成されている。受信側に接続されたレシーバ素子において受け取った信号がデジタル信号の0であるか1であるかを判定するためには、アイパターンの開口部48がある程度開いている必要がある。このアイパターンの開口部48が開く度合いは、クロストークノイズの大きさ、伝送線路途中での反射、ならびに伝送線路の導体損および誘電体損などの影響によって変化する。
【0067】
また、信号波形が重なり合う部分47の時間ゆらぎをジッタという。ジッタを小さくするとアイパターンの開口部48を大きくすることができる。
【0068】
表1を参照して、接地導体7とビアホール導体膜8とを設けた場合においてビアホール導体膜8の間隔Dが、D≦λ/10=3mmの関係を満たすとき、クロストーク値は−70(dB)以下の数値となった。このことから、D≦λ/10の関係を満たすようにビアホール導体膜8を設けることによって、信号線5および6間で発生するクロストークを十分に抑制できることを確認できた。
【0069】
(実施の形態2)
図13は、この発明の実施の形態2におけるプリント配線板を示す平面図である。図14は、図13中のXIV−XIV線上に沿った断面図である。実施の形態2におけるプリント配線板は、実施の形態1におけるプリント配線板1と基本的には同様の構造を備える。以下において、重複する構造の説明は省略する。
【0070】
図13および図14を参照して、接地導体板3および4の間には、縦列するビアホール導体膜8を中心にして、一方の側には信号線51aおよび51bが、他方の側には信号線53aおよび53bが対称となる位置に設けられている。信号線51aおよび51bは近接して位置決めされており一方向に延びている。信号線53aおよび53bは近接して位置決めされており一方向に延びている。信号線51a、51b、53aおよび53b、ならびに接地導体7は、接地導体板3および4に平行な平面上に設けられている。信号線51a、51b、53aおよび53bは銅によって形成されている。
【0071】
信号線51aおよび51bが一対となって差動信号線51を構成している。信号線51aおよび51bには、大きさが等しく符号の異なる信号がそれぞれ伝送される。同様に、信号線53aおよび53bが一対となって差動信号線53を構成している。信号線53aおよび53bには、大きさが等しく符号の異なる信号がそれぞれ伝送される。
【0072】
差動信号線51および53の伝送方式は差動伝送方式と呼ばれている。差動伝送方式では一対の線路の差信号を用いるため、外部からそれぞれの線路に同じ大きさのノイズが加わった場合に、ノイズの影響を無視できるという特徴を有する。
【0073】
この発明の実施の形態2に従ったプリント配線板は、第1の配線としての信号線51aに伝送される信号と大きさが等しく符号が異なる信号が伝送され、信号線51aに沿って延在する第3の配線としての信号線51bと、第2の配線としての信号線53aに伝送される信号と大きさが等しく符号が異なる信号が伝送され、信号線53aに沿って延在する第4の配線としての信号線53bとをさらに備える。信号線53aと信号線51bとの間に接地導体7が位置するように信号線51bが位置決めされている。信号線51aと信号線53bとの間に接地導体7が位置するように信号線53bが位置決めされている。
【0074】
信号線51aおよび51bと信号線53aおよび53bとの各々は、接地導体板3および4に平行な平面上に設けられている。
【0075】
このように構成されたプリント配線板によれば、実施の形態1に記載の効果によって、差動信号線51および53の間で発生するクロストークを抑制することができる。加えて、差動信号線51および53を構成する信号線51a、51b、53aおよび53bを接地導体板3および4に平行な平面上に設けているため、接地導体板3および4間の距離を小さくすることができる。これによりプリント配線板の厚さを薄くすることができる。
【0076】
(実施の形態3)
図15は、この発明の実施の形態3におけるプリント配線板を示す断面図である。図15は、図1中のII−II線上に沿った断面図に相当する。図15を参照して、実施の形態3におけるプリント配線板は、実施の形態2におけるプリント配線板と比較して、差動信号線を構成する一対の信号線の配置が異なる。以下において、重複する構造の説明は省略する。
【0077】
信号線51aおよび51bと信号線53aおよび53bとの各々は、接地導体板3および4に垂直な平面上に設けられている。接地導体板3および4に平行な平面上であって、かつ縦列するビアホール導体膜8を中心にして対称な位置には、信号線51aおよび53aが配置されている。信号線51aおよび53aが位置する平面上であって信号線51aおよび53aの間には、信号線51aおよび53aに平行して延びる接地導体65が設けられている。
【0078】
同様に、接地導体板3および4に平行な平面上であって、かつ縦列するビアホール導体膜8を中心にして対称な位置には、信号線51bおよび53bが配置されている。信号線51bおよび53bが位置する平面上であって信号線51bおよび53bの間には、信号線51bおよび53bに平行に延びる接地導体66が設けられている。
【0079】
この発明の実施の形態3に従ったプリント配線板では、信号線51aおよび51bと信号線53aおよび53bとの各々は、接地導体板3および4に垂直な平面上に設けられている。
【0080】
このように構成されたプリント配線板によれば、実施の形態1に記載の効果によって、差動信号線51および53の間で発生するクロストークを抑制することができる。また、接地導体65および66を差動信号線51および53間の所定の位置に設けているため、差動信号線51および53からの電磁波を効果的に遮ることができる。加えて、差動信号線51および53を構成する信号線51aおよび51bと信号線53aおよび53bとがそれぞれ接地導体板3および4に垂直な平面上に設けているため、差動信号線51および53がプリント配線板上で占有する面積を小さくすることができる。これにより、プリント配線板の面積を小さくすることができる。
【0081】
(実施の形態4)
図16は、この発明の実施の形態4におけるプリント配線板を示す平面図である。図16を参照して、実施の形態4におけるプリント配線板は、実施の形態1におけるプリント配線板1と基本的に同様の構造を備える。但し、実施の形態4におけるプリント配線板では、ビアホール導体膜8が、信号線5および6が延びる方向に千鳥状に並んで設けられている。隣接するビアホール導体膜8の間隔Dは、λ/100≦D≦λ/10の関係を満たしている。
【0082】
このように構成されたプリント配線板によれば、実施の形態1に記載の効果と同様の効果を奏することができる。
【0083】
(実施の形態5)
図17は、この発明の実施の形態5における信号伝送装置を示す斜視図である。図17を参照して、信号伝送装置70は、実施の形態1におけるプリント配線板1と、信号を送出するためのトランスミッタ71と、信号を受信するためのレシーバ72とを備える。
【0084】
プリント配線板1に設けられた信号線5および6の一方端5aおよび6aが、トランスミッタ71に接続されている。信号線5および6の他方端5bおよび6bがレシーバ72に接続されている。
【0085】
トランスミッタ71は、たとえば伝送速度10(Gbps)の高速デジタル信号を送出する素子で、複数のパラレル信号を入力としてそれらを高速シリアル信号として出力するもので、マルチプレクサ(MULTIPLEXER)とも呼ばれる。トランスミッタ71からの高速シリアル信号は、プリント配線板1の信号線5および6を伝送されレシーバ72に達する。レシーバ72は、高速シリアル信号を受け取り、クロック信号を再生しながらパラレル信号を出力する。レシーバ72は、デマルチプレクサ(DEMULTIPLEXER)とも呼ばれる。
【0086】
この発明の実施の形態5に従った信号伝送装置70は、プリント配線板1と、信号線5および6に電気的に接続された半導体素子としてのトランスミッタ71およびレシーバ72とを備える。
【0087】
このように構成された信号伝送装置70によれば、実施の形態1に記載の効果を奏することによって、プリント配線板1を介してトランスミッタ71からレシーバ72に向けて信号を伝送する際のクロストークによる信号の劣化を防止することができる。
【0088】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0089】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明に従えば、隣接する配線間でクロストークが発生することを十分に抑制し、所望の特性インピーダンスを得るとともに、小型化を図ることができ、かつ容易に製造することができるプリント配線板および信号伝送装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1におけるプリント配線板を示す平面図である。
【図2】図1中のII−II線上に沿った断面図である。
【図3】図2中に示す信号線から放射される電磁波の電場分布を示す断面図である。
【図4】ストリップライン線路を示す断面図である。
【図5】図1中に示すプリント配線板の製造方法の第1工程を示す断面図である。
【図6】図1中に示すプリント配線板の製造方法の第2工程を示す断面図である。
【図7】図1中に示すプリント配線板の製造方法の第3工程を示す断面図である。
【図8】図1中に示すプリント配線板の製造方法の第4工程を示す断面図である。
【図9】図1中に示すプリント配線板の製造方法の第5工程を示す断面図である。
【図10】図1中に示すプリント配線板の製造方法の第6工程を示す断面図である。
【図11】この実施例を説明するためのモデルケースを示す模式図である。
【図12】アイパターンとして検出された信号波形を示す波形図である。
【図13】この発明の実施の形態2におけるプリント配線板を示す平面図である。
【図14】図13中のXIV−XIV線上に沿った断面図である。
【図15】この発明の実施の形態3におけるプリント配線板を示す断面図である。
【図16】この発明の実施の形態4におけるプリント配線板を示す平面図である。
【図17】この発明の実施の形態5における信号伝送装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 プリント配線板、3,4 接地導体板、5,6,51a,51b,53a,53b 信号線、7,65,66 接地導体、8 ビアホール導体膜、9 ビアホール、10,10a,10b 絶縁層、51,53 差動信号線、70 信号伝送装置、71 トランスミッタ、72 レシーバ。
Claims (9)
- 一方向に延在し、所定の間隔を隔てて設けられた第1および第2の配線と、
前記第1および第2の配線間に設けられて、前記第1および第2の配線に沿って延在する第1の接地導体と、
前記第1および第2の配線が延在する方向に並んで前記第1および第2の配線間に設けられた複数の貫通孔を有し、前記第1および第2の配線と前記第1の接地導体とを取り囲む絶縁層と、
前記絶縁層の表面に形成されて、前記第1および第2の配線を挟み込む第2の接地導体と、
前記複数の貫通孔内に設けられて、前記第2の接地導体と電気的に接続された第3の接地導体とを備え、
前記第1および第2の配線で伝送される信号の最も短い波長をλとすると、隣接する前記第3の接地導体の間隔Dは、λ/100≦D≦λ/10の関係を満たす、プリント配線板。 - 一方向に延在し、所定の間隔を隔てて設けられた第1および第2の配線と、
前記第1および第2の配線間に設けられて、前記第1および第2の配線に沿って延在する第1の接地導体と、
前記第1および第2の配線の延在する方向に並んで前記第1および第2の配線間に設けられた複数の貫通孔を有し、前記第1および第2の配線と前記第1の接地導体とを取り囲む絶縁層と、
前記絶縁層の表面に形成されて、前記第1および第2の配線を挟み込むフィルム状の第2の接地導体と、
前記複数の貫通孔内に設けられて、前記第2の接地導体と電気的に接続された第3の接地導体とを備える、プリント配線板。 - 前記第1および第2の配線、ならびに前記第1の接地導体は、ほぼ同一平面上に設けられている、請求項1または2に記載のプリント配線板。
- 前記第1および第2の配線、ならびに前記第1の接地導体は、ほぼ同一平面上に設けられており、かつ同一の材料から形成されている、請求項1または2に記載のプリント配線板。
- 前記第3の接地導体は、前記第1の接地導体に接触するように設けられている、請求項1から4のいずれか1項に記載のプリント配線板。
- 前記第1の配線に伝送される信号と大きさが等しく符号が異なる信号が伝送され、前記第1の配線に沿って延在する第3の配線と、前記第2の配線に伝送される信号と大きさが等しく符号が異なる信号が伝送され、前記第2の配線に沿って延在する第4の配線とをさらに備え、前記第2の配線と前記第3の配線との間に前記第1の接地導体が位置するように前記第3の配線が位置決めされ、前記第1の配線と前記第4の配線との間に前記第1の接地導体が位置するように前記第4の配線が位置決めされている、請求項1から5のいずれか1項に記載のプリント配線板。
- 前記第1および第3の配線と前記第2および第4の配線との各々は、前記第2の接地導体に平行な平面上に設けられている、請求項6に記載のプリント配線板。
- 前記第1および第3の配線と前記第2および第4の配線との各々は、前記第2の接地導体に垂直な平面上に設けられている、請求項6に記載のプリント配線板。
- 請求項1から8のいずれか1項に記載のプリント配線板と、前記第1および第2の配線に電気的に接続された半導体素子とを備える、信号伝送装置。
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