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JP2004197611A - 遠心圧縮機 - Google Patents

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JP2004197611A
JP2004197611A JP2002365597A JP2002365597A JP2004197611A JP 2004197611 A JP2004197611 A JP 2004197611A JP 2002365597 A JP2002365597 A JP 2002365597A JP 2002365597 A JP2002365597 A JP 2002365597A JP 2004197611 A JP2004197611 A JP 2004197611A
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JP
Japan
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diffuser
guide
air chamber
centrifugal compressor
passage
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Application number
JP2002365597A
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English (en)
Inventor
Mitsunori Oda
光範 小田
Yasuyuki Shibui
康行 渋井
Nobuyuki Iketani
信之 池谷
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IHI Corp
Original Assignee
Ishikawajima Harima Heavy Industries Co Ltd
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  • Control Of Positive-Displacement Air Blowers (AREA)
  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Abstract

【課題】流体の漏れを防止して効率低下を防ぐことができると共に、簡単な制御弁の構成及び制御で安定して作動させることができ、低流量側での作動領域を拡大し得ると共に高流量側で効率向上できる遠心圧縮機を提供する。
【解決手段】遠心圧縮機10には、案内羽根32を有する案内羽根ユニット30がハブ側通路壁15に形成された円環状の案内孔20に摺動移動可能に嵌合し、操作機構40によって突出・退避可能に設けられている。操作機構40は、案内孔20の背面側の流体室41がダイアフラム42によって前後の気室41F,41Rに仕切られ、後方側の気室41Rに突出スプリング43が配設されると共にこの気室41Rに制御弁を介して負圧源が接続され、更に、後方側の気室41Rとディフューザ通路14とが通気孔50によって連通されて構成されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用過給機の圧縮機等に用いられる遠心圧縮機に関し、詳しくは、ディフューザ通路に案内羽根が突出・退避可能に設けられて成る遠心圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
遠心圧縮機は、インペラとスクロールの間に形成された円環状のディフューザ通路によって、インペラから吐出される流体の運動エネルギーを圧力エネルギーに変換するように構成されている。また、ディフューザ通路に流体の流れを制御する案内羽根を設けてエネルギー変換の効率向上を図ったものもある。
【0003】
ディフューザ通路に案内羽根を備える遠心圧縮機は、低流量域では効率を向上し得る一方高流量域では案内羽根を備えないものに比較して効率が低下し、高効率を得られる流量範囲が狭くなるという欠点がある。このため、広い流量範囲にわたって高い効率を求められる車両用過給機等では、引用文献1乃至4に開示されるように、案内羽根をディフューザ壁に出没可能に設け、案内羽根がディフューザ通路内に突出した状態とディフューザ通路から退避した状態とに切り替えることのできる構成が種々提案されている。このような構成により、低流量域では案内羽根を突出させて効率を高めることができると共に高流量時には案内羽根をディフューザ通路内から退避させることで効率の低下を防ぐことができ、広い流量範囲で高い効率を得ることができる。
【0004】
ここで、特許文献4における案内羽根の出没構造は、断面図である図5に示すように、案内羽根61の背後に形成された流体室62内に、ダイアフラム等の弾性仕切部材63がスプリング64によってディフューザ通路65側に付勢されて設けられており、この弾性仕切部63が流体圧によって移動駆動されて案内羽根61を出没させるようになっている。
【0005】
弾性仕切部材63によって仕切られた前後の気室62F,62Rは第一開閉弁によって連通・遮断可能に、また、反ディフューザ側の気室62Rは負圧源と第二開閉弁によって連通・遮断可能とされるが、図示構成では電磁三方弁66がこれら第一開閉弁及び第二開閉弁の機能を兼ねている。つまり、この電磁三方弁66は、前後の気室62F,62Rを連通する状態と、ディフューザ側の気室62Fが閉じて反ディフューザ側の気室62Rが負圧源に連通した状態とに切り替え得るように構成されている。
【0006】
そして、前後の気室62F,62Rを連通させることでスプリング64の付勢力によって弾性仕切部材63がディフューザ側に移動して案内羽根61をディフューザ通路65内に突出させ、ディフューザ側の気室62Fを閉じて反ディフューザ側の気室62Rを負圧源に連通させることでスプリング64の付勢力に抗して弾性仕切部材63を反ディフューザ側に移動させて案内羽根61をディフューザ通路65内から退避させるようになっているものである。
【0007】
【特許文献1】
特開昭64−66419号公報
【特許文献2】
特開平5−99199号公報
【特許文献3】
特開2000−205186号公報
【特許文献4】
特開2001−329996号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のごとき案内羽根をディフューザ壁に出没可能に設けた従来構成の遠心圧縮機では、案内羽根はディフューザ壁に形成された案内羽根の断面形状と対応する形状の孔を介して出没するように構成されていることから、孔と案内羽根の間に存する摺動に必要な隙間を介して流体が漏出して効率が低下するという問題があった。また、案内羽根と対応した複雑な形状の孔を多数形成しなければならないため、加工が面倒で時間を要すると共にコストアップとなるという問題もあった。
【0009】
更に、上述の特許文献4における案内羽根の移動構造では、ディフューザ側の気室62F内はディフューザ通路65内の流体圧が漏洩して反ディフューザ側の気室62R内に対して高圧となる。つまり、前後の気室62F,62Rに圧力差が生ずることとなり、このために、退避状態の案内羽根61をディフューザ通路65内に突出させるスプリング64にはこの圧力差に抗する大きな付勢力が必要となる。しかし、構成上軸方向の厚さが限られる気室62R内に配設し得るスプリング64で大きな付勢力を得ることは困難であり、その結果、突出動作が不安定となるという問題がある。この問題は、特にタービンが隣接する車両用ターボチャージャーにおいて著しい。
【0010】
また、案内羽根61の突出・退避の切り替えを行う電磁三方弁66は前後の気室62F,62Rの圧力差に耐え得る特殊なものが必要であってコストを要し、それを避けるために二つの制御弁を独立して設けると弁制御が複雑で面倒なものとなる。
【0011】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、流体の漏れを防止して効率低下を防ぐことができると共に、簡単な制御弁の構成及び制御で安定して作動させることができ、低流量側での作動領域を拡大し得ると共に高流量側で効率向上できる遠心圧縮機を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決する為の手段】
上記目的を達成する本発明の遠心圧縮機は、インペラの吐出側とスクロールを連通するディフューザ通路の対向するディフューザ壁の少なくとも一方に、案内羽根が移動操作手段によって突出・退避可能に設けられて成る遠心圧縮機において、前記案内羽根は、一方のディフューザ壁に形成された円環状の案内孔に摺動移動可能に嵌合した円環状の基板部材に立設されており、前記移動操作手段は、前記案内孔の背後に形成された流体室と、前記基板部材と結合され前記流体室を前後に仕切って配設された弾性仕切部材と、該弾性仕切部材を前記案内羽根の突出側に付勢する突出付勢手段と、前記弾性仕切部材の後方側の気室に負圧を印加して前記弾性仕切部材を移動駆動する負圧印加手段と、前記後方側の気室と前記ディフューザ通路とを連通する通気孔と、を備えて構成されていることを特徴とする。
【0013】
この構成により、案内羽根は基板部材が案内孔内を摺動して出没するためにシール面の形状は単純な円環状であり容易に製作し得ると共に流体の漏洩を防ぐことができ、移動操作手段の弾性仕切部材も流体の漏洩を防ぐ。移動操作手段は、突出付勢手段による弾性仕切部材の突出付勢によって案内羽根をディフューザ通路内に突出させ、負圧印加手段によって弾性仕切部材の後方側の気室に負圧を印加することで弾性仕切部材を突出付勢手段の付勢力に抗して後方側に移動させることで案内羽根をディフューザ通路内から退避させる。後方側の気室とディフューザ通路とを連通する通気孔は、後方側の気室にディフューザ通路の圧力を供給するように作用し、これによって前後の気室の圧力差がなくなって突出付勢手段に大きな付勢力を要することなく案内羽根の安定作動が可能となる。
【0014】
また、上記構成に加え、上記案内羽根の先端には、突出時に対向する他方のディフューザ壁の一部を形成すると共に退避時に上記案内孔を閉塞して前記一方のディフューザ壁を形成する円環状の先端板部材が設けられて構成されていることを特徴とする。
【0015】
この構成により、案内羽根の退避時には、先端板部材が案内孔を閉塞して流体の漏洩を防ぐ。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明に係る遠心圧縮機の一構成例であるエンジンの吸気を加圧供給する車両用過給機の遠心圧縮機の縦断面図,図2はそのA−A線に相当するケーシングを除いた一部破断断面図である。尚、図2は上半分は案内羽根がディフューザ通路内に突出した状態,下半分は案内羽根がディフューザ通路から退避した状態を示している。また、図3は図1中のX部で示すディフューザ通路部分の拡大断面図であって案内羽根がディフューザ通路内に突出した状態を示し,図4は図3の状態から案内羽根が退避した状態を示す図である。
【0017】
図1に示す遠心圧縮機10は、ハウジング11内に、図示しないタービンによって回転駆動されるタービン軸9に取り付けられたインペラ12が配設され、その吐出側とハウジング11の外周側に形成されたスクロール13とがディフューザ通路14によって連通している。
【0018】
ディフューザ通路14は、ディフューザ壁としての対向するハブ側通路壁15とシュラウド側通路壁16によって挟まれた所定幅の円環状の通路であり、そのハブ側通路壁15はスクロール13とそのハブ側の開口端部に締着されたボディプレート19の間に介設された外周カバープレート17と内周カバープレート18によって構成され、シュラウド側通路壁16はハウジング11の壁面で構成されている。
【0019】
ハブ側通路壁15を構成する外周カバープレート17と内周カバープレート18は、それぞれ所定厚さの円環状であってインペラ12の回転軸を中心として同心状に設けられており、これら外周カバープレート17の内周縁と内周カバープレート18の外周縁でハブ側通路壁15に円環状の案内孔20を形成している。また、その案内孔20の背面側にはボディプレート19によって操作手段としての操作機構40の流体室41が形成されている。
【0020】
案内孔20には、案内羽根32を備える案内羽根ユニット30がインペラ12の回転軸と平行な方向に移動可能に設けられている。この案内羽根ユニット30は移動操作手段としての操作機構40によって移動操作されて、案内羽根32がディフューザ通路14内に位置する突出状態と、ディフューザ通路14から引っ込んだ退避状態の何れかの状態を択一的に採り得るようになっている。
【0021】
案内羽根ユニット30は、基板部材としての円環状のディフューザプレート31に案内羽根32が周方向に等間隔で例えば13〜17枚立設され、その先端に先端板部材としての円環状のクラウンプレート33が設けられて構成されている。そして、この案内羽根ユニット30がディフューザ通路14内に突出した状態では、図3に示すようにクラウンプレート33の外面がシュラウド側通路壁16に密着してその内面がシュラウド側の通路壁となると共にディフューザプレート31が案内孔20の開口部を閉塞してハブ側の通路壁を形成する。また、案内羽根ユニット30がディフューザ通路14から退避した状態では、図4に示すようにクラウンプレート33が案内孔20を閉塞してハブ側の通路壁を形成するようになっている。
【0022】
ディフューザプレート31は、案内孔20に摺動可能に嵌合する所定厚さの円環状で、その外周内側には段差部31Aが形成されている。一方、案内孔20の外周内側を形成する外周カバープレート17の角部には段差部20Aが形成されており、案内羽根ユニット30が突出した状態では段差部31Aが段差部20Aに当接してその位置を規定すると共に空気の漏洩を防ぐようになっている。尚、これに代えて、ディフューザプレート31の内周に形成された段差部が案内孔20の内周内側に形成された段差部に当接して案内羽根ユニット30の位置を規定すると共に空気の漏洩を防ぐ構成としても良い。
【0023】
クラウンプレート33は、案内孔20をディフューザ通路14側から閉塞し得る内外径の円環状で、案内羽根32側の内面はインペラ12の中心軸と直交する平面となっている。また、外面は、ディフューザ通路14の入口側が先細りの傾斜面33A、後端側が平面部33Bとなっている。平面部33Bは、案内羽根32の移動方向と直交する平面で、所定幅に形成されている。これにより、クラウンプレート33は,ディフューザ通路14の入口側は先端が尖った楔状で出口側は所定の一定厚さの板状の断面形状を呈している。そして、図4に示す案内羽根ユニット30がディフューザ通路14から退避した状態では、尖った先端部が内周カバープレート18に当接して滑らかに連続する壁面を形成するようになっている。
【0024】
一方、シュラウド側通路壁16のクラウンプレート33と対向する部位は、クラウンプレート33の外面と対応して傾斜部16Aと平面部16Bが連続する形状に形成されており、案内羽根ユニット30がディフューザ通路14内に突出した状態では、クラウンプレート33の傾斜面33Aがシュラウド側通路壁16のの傾斜部16Aに、クラウンプレート33の平面部33Bがシュラウド側通路壁16の平面部16Bにそれぞれ当接し、クラウンプレート33の内面とハウジング11とが滑らかに連続するようになっている。
【0025】
このように、クラウンプレート33がシュラウド側通路壁16に傾斜面33Aと平面部33Bで当接することにより、クラウンプレート33の平面部33Bがシュラウド側通路壁16の平面部16Bに気密的に密着し、クラウンプレート33とシュラウド側通路壁16の間の隙間を介してスクロール側からディフューザ通路14の入口側へ空気が環流することを防ぐことができる。つまり、クラウンプレート33の外面全体が傾斜面では、クラウンプレート33の全周に亘ってシュラウド側通路壁16に気密的に密着させることが難しく、両者の間に形成された隙間を介してスクロール側からディフューザ通路14の入口側へ空気の環流が生じて効率低下を来してしまうが、本構成のように平面部33Bを設けることによってクラウンプレート33の全周に亘って気密的に密着させることが容易となり、効率低下を防ぐことができるものである。尚、クラウンプレート33の外面にゴム等の弾性密着層を焼き付け等によって形成しても良く、そうすればより一層気密性を高めることができる。
【0026】
操作機構40は、図3,4に示すように、案内孔20の背面側にボディプレート19によって密閉形成された流体室41の内部に、弾性仕切部材としてのダイアフラム42が当該流体室41内を前後の気室41F,41Rに仕切って設けられ、その後方側の気室41Rに突出付勢手段としての突出スプリング43が配設されると共にこの気室41Rに図示しないが制御弁を介して負圧源が接続されて構成されている。
【0027】
ダイアフラム42は流体室41と対応する円環状であってその幅方向中央が案内羽根ユニット30のディフューザプレート31に締着され、突出スプリング43によって前方側に押圧付勢されている。
【0028】
突出スプリング43は、コイルスプリングであって、気室41R内にその周方向に複数配設され、リテーナー44を介してダイアフラム42を前方側に押圧付勢している。
【0029】
このように構成された操作機構40は、通常状態ではダイアフラム42が突出スプリング43によって前方側に押圧付勢されて案内羽根ユニット30を突出状態とし、制御弁の開放によって気室41Rに負圧源の負圧を印加することでダイアフラム42を突出スプリング43の付勢力に抗して後方側に変位させて案内羽根ユニット30を退避状態とするように作用する。
【0030】
ここで、後方側の気室41Rとディフューザ通路14とを連通する通気孔50が、外周カバープレート17とボディプレート19を貫通して設けられている。
【0031】
通気孔50は、外周カバープレート17を厚さ方向に貫通する通気孔51とボディプレート19を厚さ方向に貫通する通気孔52とが、外周カバープレート17とボディプレート19の接合面で連通するように形成されている。その径及び数は、気室41Rにディフューザ通路の圧力を作用させ得、且つ、負圧源からの負圧の印加によるダイアフラム42の移動操作を妨げることがないように最小限に設定される。例えば、周方向に一カ所、径1mm程度で形成すれば良い。
【0032】
このような通気孔50を備えることにより、ディフューザ通路14の圧力が後方側の気室41Rに作用することとなって、ディフューザ通路14の圧力が漏洩する前方側の気室41Fと後方側の気室41Rと内圧が均等化され、その結果、小さな付勢力の突出スプリング43で案内羽根ユニット30を突出操作して突出状態を安定的に保つことができる。つまり、通気孔50が無い場合には前方側の気室41Fの圧力のみが高くなってダイアフラム42に作用することから案内羽根ユニット30を突出させる突出スプリング43にはこの圧力に抗する大きな付勢力が必要となるが、通気孔50によって前後の気室41F,41Rの圧力差をなくすことで小さな力で駆動し得るものである。尚、本構成では、通気孔50のディフューザ通路14への開口位置は案内羽根ユニット30が退避状態の時にクラウンプレート33によって覆われる位置に設定されているが、通気孔50が密閉閉塞されて後方側の気室41Rへの圧力供給が不能となる虞がある場合には、クラウンプレート33の通気孔50の開口部と対応する位置に貫通孔を設ければ良い。
【0033】
上記のごとく構成された遠心圧縮機10は、低流量域では操作機構40の制御弁を閉じた状態として、案内羽根32がディフューザ通路14内に位置するように案内羽根ユニット30をディフューザ通路14内に突出させ、高流量域では制御弁を開いて案内羽根ユニット30をディフューザ通路14から退避させる。これにより、低流量域では案内羽根32によって効率を高めることができると共に高流量域における効率の低下を防ぐことができ、広い流量範囲で高い効率を得ることができる。
【0034】
案内羽根ユニット30の移動は操作機構40の一つの制御弁の開閉制御のみによって可能であって極めて単純であり、制御弁も単純なもので良いために安価に構成できる。
【0035】
案内羽根ユニット30がディフューザ通路14内に突出した状態では、案内孔20をディフューザプレート31が閉塞すると共にディユーザプレート31の段差部31Aが案内孔20の段差部20Aに当接してディフューザ通路14内の空気の流体室41への漏出を防ぎ、また、流体室41内のダイアフラム42が気密を保持するために空気の漏洩による効率低下を防ぐことができる。クラウンプレート33の内面はケーシング11と滑らかに連続するため、インペラ12から吐出される空気を円滑に流すことができる。
【0036】
一方、案内羽根ユニット30がディフューザ通路14から退避した状態では、案内孔20をクラウンプレート33が閉塞してディフューザ通路14内の空気の流体室41への漏洩を防ぎ、また、クラウンプレート33の外面がカバープレート18と滑らかに連続してインペラ12から吐出される空気を円滑に流すことができる。
【0037】
尚、上記構成例は、車両用過給機に適用した遠心圧縮機について説明したが、本発明は車両用過給機に限らず、広い流量範囲で運転する他の遠心圧縮機にも同様に適用することができる。また、案内羽根はディフューザ通路のハブ側の壁面に設けられているが、スペース的な余裕があればシュラウド側の壁面に設けても良いものである。更に、通気孔の位置及び形状も上記構成例に限定されるものではなく、適宜変更可能なものである。
【0038】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係る遠心圧縮機によれば、案内羽根は、一方のディフューザ壁に形成された円環状の案内孔に摺動移動可能に嵌合した円環状の基板部材に立設されており、移動操作手段は、前記案内孔の背後に形成された流体室と、基板部材と結合され流体室を前後に仕切って配設された弾性仕切部材と、該弾性仕切部材を案内羽根の突出側に付勢する突出付勢手段と、弾性仕切部材の後方側の気室に負圧を印加して弾性仕切部材を移動駆動する負圧印加手段と、後方側の気室とディフューザ通路とを連通する通気孔と、を備えて構成されていることにより、案内羽根が出没移動する案内孔は単純な円環状であるために製作が容易で安価に製作できると共に、移動操作手段の弾性仕切部材と相俟って流体の漏洩が無く効率低下を防ぐことができる。また、移動操作手段は、その後方側の気室に通気孔を介してディフューザ通路の圧力が供給されて前後の気室に圧力差がなくなることから小さな付勢力の突出付勢手段によっての案内羽根の安定作動が可能であり、更に、弾性仕切部材の後方側の気室への負圧の供給・停止のみによって案内羽根の出没移動が可能であるため、単純で安価に構成できると共に制御も容易となるものである。つまり、流体の漏れを防止して効率低下を防ぐことができると共に、簡単な制御弁の構成及び制御で安定して作動させることができ、低流量側での作動領域を拡大し得ると共に高流量側で効率向上できるものである。
【0039】
また、上記構成に加え、案内羽根の先端には、突出時に対向する他方のディフューザ壁の一部を形成すると共に退避時に案内孔を閉塞して一方のディフューザ壁を形成する円環状の先端板部材が設けられて構成されていることにより、案内羽根の退避時に先端板部材が案内孔を閉塞して流体の漏洩を阻止し、効率の低下を防ぐことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る遠心圧縮機の一構成例であるエンジンの吸気を加圧供給する車両用過給機の遠心圧縮機の縦断面図である。
【図2】図1のA−A線に相当するケーシングを除いた一部破断断面図である。
【図3】図1のX部拡大断面図であって案内羽根がディフューザ通路内に突出した状態を示す図である。
【図4】図3から案内羽根が退避した状態を示す図である。
【図5】従来例としての案内羽根の出没構造を示す遠心圧縮機の断面図である。
【符号の説明】
10 遠心圧縮機
12 インペラ
13 スクロール
14 ディフューザ通路
15 ハブ側通路壁(ディフューザ壁)
16 シュラウド側通路壁(ディフューザ壁)
20 案内孔
31 ディフューザプレート(基板部材)
32 案内羽根
33 クラウンプレート(先端板部材)
40 操作機構(移動操作手段)
41 流体室
41F 気室
41R 気室(弾性仕切部材の後方側の気室)
42 ダイアフラム(弾性仕切部材)
43 突出スプリング(突出付勢手段)
50 通気孔

Claims (2)

  1. インペラの吐出側とスクロールを連通するディフューザ通路の対向するディフューザ壁の少なくとも一方に、案内羽根が移動操作手段によって突出・退避可能に設けられて成る遠心圧縮機において、
    前記案内羽根は、一方のディフューザ壁に形成された円環状の案内孔に摺動移動可能に嵌合した円環状の基板部材に立設されており、
    前記移動操作手段は、前記案内孔の背後に形成された流体室と、前記基板部材と結合され前記流体室を前後に仕切って配設された弾性仕切部材と、該弾性仕切部材を前記案内羽根の突出側に付勢する突出付勢手段と、前記弾性仕切部材の後方側の気室に負圧を印加して前記弾性仕切部材を移動駆動する負圧印加手段と、前記後方側の気室と前記ディフューザ通路とを連通する通気孔と、を備えて構成されていることを特徴とする遠心圧縮機。
  2. 上記案内羽根の先端には、突出時に対向する他方のディフューザ壁の一部を形成すると共に退避時に上記案内孔を閉塞して前記一方のディフューザ壁を形成する円環状の先端板部材が設けられて構成されていることを特徴とする請求項1に記載の遠心圧縮機。
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