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JP2004196875A - 軟質ポリウレタンモールドフォーム及びその製造方法 - Google Patents

軟質ポリウレタンモールドフォーム及びその製造方法 Download PDF

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JP2004196875A
JP2004196875A JP2002364227A JP2002364227A JP2004196875A JP 2004196875 A JP2004196875 A JP 2004196875A JP 2002364227 A JP2002364227 A JP 2002364227A JP 2002364227 A JP2002364227 A JP 2002364227A JP 2004196875 A JP2004196875 A JP 2004196875A
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JP
Japan
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flexible polyurethane
mold
foam
foaming
stock solution
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Application number
JP2002364227A
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English (en)
Inventor
Takashi Niimi
高志 新美
Naoto Sugiyama
直人 杉山
Takasato Asada
拳吏 浅田
Kenji Kumagai
健司 熊谷
Masaaki Zenba
正顕 善場
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Publication date
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Abstract

【解決手段】全密度が30kg/m3未満であり、JIS K−6401に準じた湿熱残留ひずみ試験における湿熱残留ひずみが25%未満であり、且つASTM D−3574に準じた圧縮特性試験における、5kgf荷重負荷時の撓み量が3mm以上であることを特徴とする軟質ポリウレタンモールドフォーム。
【効果】本発明の軟質ポリウレタンモールドフォームは、表面のタッチ感が柔らかく、耐久性に優れ、しかも軽量なポリウレタンモールドフォームであり、車両用内装材、家具用クッション材、寝具、雑貨等に好適に使用される。この軟質ポリウレタンモールドフォームは、本発明の製造方法により効率よく得ることができる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軟質ポリウレタンモールドフォーム及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、軟質ポリウレタンモールドフォームとしては、その原材料の化学構造からくる反応活性、反応形態の差で、ホットキュアタイプ(コンベンショナルフォーム)とコールドキュアタイプまたは常温キュアタイプ(HRフォーム)とに分類される。
コンベンショナルフォームは軽量化が可能で、しかも耐久性に優れるという点で非常に優れた材料である。しかしながら、製品表面のタッチ感が硬く、触り心地が悪いという致命的な欠点があり、ここ数年にて急激に需要が減少している。一方、HRフォームはコンベンショナルフォームの最大の欠点である表面タッチ感の硬さが改善されたものであるが、HRフォームに比して重量が重く(HRフォーム比で、約20%程度の重量増)、耐久性に劣るという欠点がある。
耐久性に劣るということは、フォームの形状安定性が悪いということを意味し、種々の不具合の原因となる。例えば、ベッド用クッションの厚みが使用に伴って低下したり、車両用クッションが使用に伴い、厚みや硬さが変化したりするといった不具合の原因となる。特に車両用クッションにおいては長時間の車両運転により、設計当初のクッション厚みや硬さが低下し、運転者の定位置が下降し、座り心地や乗り心地が悪化することとなる。
【0003】
上記問題を解決するため、原料の合成技術や配合設計技術の改善により、HRフォームの軽量化技術が進化している。しかしながら、未だ、耐久性の悪化を抑制しつつ成形性が確保された原料及び配合設計技術は出現しておらず、軽量で耐久性に優れ、しかも表面のタッチ感が柔らかな軟質ポリウレタンモールドフォームの出現が望まれていた。
【0004】
【非特許文献1】
岩田敬治著「ポリウレタン樹脂ハンドブック」日刊工業新聞社、
昭和62年9月25日、P.178〜204。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、軽量で耐久性に優れ、しかも表面のタッチ感が柔らかな軟質ポリウレタンモールドフォーム及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討の結果、軽量で耐久性に優れ、しかも表面のタッチ感が柔らかな軟質ポリウレタンモールドフォームを見出し、本発明をなすに至った。また、その軟質ポリウレタンモールドフォームの製造においては、イソシアネート成分とポリオール成分とを含む軟質ポリウレタン発泡原液を金型内に注入し、その後発泡硬化させる製造方法を採用するにあたり、発泡原液内におけるイソシアネート当量を最適化することによって、軽量で耐久性に優れ、しかも表面のタッチ感が柔らかな軟質ポリウレタンモールドフォームを効率よく製造可能であることを知見し、本発明をなすに至った。
【0007】
即ち、本発明は、下記の軟質ポリウレタンモールドフォーム及びその製造方法を提供する。
請求項1:
全密度が30kg/m3未満であり、JIS K−6401に準じた湿熱残留ひずみ試験における湿熱残留ひずみが25%未満であり、且つASTM D−3574に準じた圧縮特性試験における、5kgf荷重負荷時の撓み量が3mm以上であることを特徴とする軟質ポリウレタンモールドフォーム、
請求項2:
前記軟質ポリウレタンモールドフォームが、イソシアネート基を供給するポリイソシアネート成分とヒドロキシ基を供給するポリオール成分とを含む軟質ポリウレタン発泡原液を金型内に注入し、その後発泡硬化させることによって得られた軟質ポリウレタンモールドフォームであって、前記発泡原液内におけるイソシアネート当量が70以上80未満である請求項1記載の軟質ポリウレタンモールドフォーム、
請求項3:
前記発泡原液を金型内に注入する際の金型温度が40〜60℃であり、且つ、発泡原液を発泡硬化させる際の金型温度が80〜120℃である請求項2記載の軟質ポリウレタンモールドフォーム、
請求項4:
前記ポリオール成分の数平均分子量が2000以上3000未満である請求項2又は3記載の軟質ポリウレタンモールドフォーム、
請求項5:
前記ポリオール成分に含まれるエチレンオキシドユニットの含有率が15〜20重量%である請求項2,3又は4記載の軟質ポリウレタンモールドフォーム、請求項6:
イソシアネート基を供給するポリイソシアネート成分とヒドロキシ基を供給するポリオール成分とを含む軟質ポリウレタン発泡原液を金型内に注入し、その後前記軟質ポリウレタン発泡原液を発泡硬化させて軟質ポリウレタンモールドフォームを製造する方法であって、前記発泡原液内におけるイソシアネート当量が70以上80未満であることを特徴とする軟質ポリウレタンモールドフォームの製造方法、
請求項7:
前記発泡原液を金型内に注入する際の金型温度が40〜60℃であり、且つ、発泡原液を発泡硬化させる際の金型温度が80〜120℃である請求項6記載の軟質ポリウレタンモールドフォームの製造方法、
請求項8:
前記ポリオール成分の数平均分子量が2000以上3000未満である請求項6又は7記載の軟質ポリウレタンモールドフォームの製造方法、
請求項9:
前記ポリオール成分に含まれるエチレンオキシドユニットの含有率が15〜20重量%である請求項6,7又は8記載の軟質ポリウレタンモールドフォームの製造方法。
【0008】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の軟質ポリウレタンモールドフォームは、全密度が30kg/m3未満であり、JIS K−6401に準じた湿熱残留ひずみ試験における湿熱残留ひずみが25%未満であり、且つASTM D−3574に準じた圧縮特性試験における、5kgf荷重負荷時の撓み量が3mm以上であることを特徴とする軟質ポリウレタンモールドフォームであって、軟質ポリウレタンモールドフォームの有する表面の柔らかなタッチ感を保持しつつ、しかも、軽量性と耐久性をも両立させた、従来には無い全く新しい、優れた特性を有する軟質ポリウレタンモールドフォームである。
全密度としては、30kg/m3未満、好ましくは20kg/m3以上30kg/m3未満、更に好ましくは22kg/m3以上25kg/m3未満である。
JIS K−6401に準じた湿熱残留ひずみ試験における湿熱残留ひずみとしては、25%未満、好ましくは5%以上25%未満、更に好ましくは10%以上15%未満である。
ASTM D−3574に準じた圧縮特性試験における、5kgf荷重負荷時の撓み量としては、3mm以上、好ましくは3〜5mm、更に好ましくは4〜4.5mmである。
全密度、湿熱残留ひずみ、撓み量のいずれが上記範囲を逸脱しても、本発明の目的は達成し得ない。
なお、ASTM D−3574に準じた圧縮特性試験における、10kgf荷重負荷時の撓み量としては、好ましくは10〜20mm、更に好ましくは13〜15mmであり、同15kgf荷重負荷時の撓み量としては、好ましくは21〜27mm、更に好ましくは23〜26mmであり、同20kgf荷重負荷時の撓み量としては、好ましくは30〜40mm、更に好ましくは33〜35mmである。5kgf、10kgf、15kgf、20kgf荷重負荷時の撓み量が上記範囲であると、従来のHRフォームの当該値とほぼ同等の値となり(当該試験により得られる応力−歪曲線が、従来のHRフォームの示す応力−歪曲線にほぼ重なることを意味する)、従来のHRフォーム品と同等の表面のタッチ感、触り心地を達成することができる。
【0009】
本発明の上記軟質ポリウレタンモールドフォームは、イソシアネート基を供給するポリイソシアネート成分とヒドロキシ基を供給するポリオール成分とを含む軟質ポリウレタン発泡原液を金型内に注入し、その後発泡硬化させる際に、イソシアネート当量を最適化することによって効率よく得ることができるものである。
【0010】
まず、本発明に好適に用いられる、イソシアネート基を供給するポリイソシアネート成分とヒドロキシ基を供給するポリオール成分とを含む軟質ポリウレタン発泡原液について説明する。
上記ポリイソシアネート成分としては、軟質ポリウレタンモールドフォームの製造に通常用いられているものを用いることができる。特に限定されるものではないが、例えば、トリレンジイソシアネート(2,4−体や2,6−体等の異性体比率は特に限定されないが、2,4−体/2,6−体が80/20〜65/35(重量比)のものが好ましく使用される。)や、トリレンジイソシアネートとポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(例えば三井化学社製コスモネートM−200)の混合物を挙げることができる。トリレンジイソシアネートとポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートの混合物を使用する場合には、トリレンジイソシアネート/ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート=98/2〜50/50(重量比)であることが好適である。
【0011】
ここで、イソシアネート成分の使用量として、イソシアネート当量(軟質ポリウレタン発泡原液中の活性水素量(モル)を100とした時の、軟質ポリウレタン発泡原液中のイソシアネ−ト基の当量(モル)比)としては70以上、上限として80未満、好ましくは75以下である。イソシアネート当量が70未満であると、軟質ポリウレタンモールドフォームのスキン強度が損なわれる場合があり、一方80以上であると、柔らかさが損なわれる場合がある。
【0012】
本発明で使用されるポリオール成分としては、軟質ポリウレタンモールドフォームの製造において通常用いられているものを用いることができる。例えば開始剤としてジプロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ショ糖等の活性水素化合物にエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトロヒドロフラン、スチレンオキシド等の1種または2種以上を付加重合せしめて得られるポリオール類が使用される。ポリオールの一部がエチレン性不飽和単量体で変性された、いわゆるポリマーポリオールを、該ポリオール中に混合して使用することも可能である。
【0013】
上記ポリオール類の付加重合形式は特に限定されないが、軟質ポリウレタンモールドフォームの成形性、発泡性等の観点から、末端オキシエチレン基が5〜20重量%以下であることが好ましい。末端オキシエチレン量が5重量%未満であると、キュアー性が低下する場合があり、一方、20重量%を超えると、独立気泡で収縮する場合がある。
本発明で使用されるポリオール成分の水酸基価としては、通常30〜100mgKOH/gであって、好ましくは40〜80mgKOH/gである。これらのポリオール成分は単独または混合して用いられる。なお、水酸基価はJIS K
1557に準じて測定することができる(以下同様である)。
【0014】
本発明に用いられるポリオール成分として、より具体的には、例えば2価〜6価等の多価アルコール、ポリオキシアルキレンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリマーポリオール等が挙げられる。特に、ポリオキシアルキレンポリオール、ポリエステルポリオールを用いることが好ましく、ポリオキシアルキレンポリオールを用いることが更に好ましい。これらのポリオール成分は単独で用いてもよいが複数を併用してもよい。
【0015】
また、上記ポリオール成分の数平均分子量としては、2000以上3000未満であることが好ましい。ポリオール成分の数平均分子量が2000未満であるとキュアー性が低下する場合があり、一方3000以上であると、柔らかさが損なわれる場合がある。
【0016】
上記ポリオール成分に含まれるエチレンオキシドユニットの含有率(重量%)としては、15〜20重量%であることが好ましい。エチレンオキシドユニットの含有量が15重量%未満であると、キュアー性が低下する場合があり、一方20重量%を超えると、独立気泡で収縮する場合がある。
【0017】
本発明における、イソシアネート成分とポリオール成分とを含む軟質ポリウレタン発泡原液は、上記の様なイソシアネート成分及びポリオール成分を、発泡剤、発泡触媒あるいは整泡剤の存在下で金型中にて反応させることが好ましい。
【0018】
水は、ポリイソシアナートと反応して炭酸ガスを発生させることから、ポリウレタン樹脂を発泡させることができ、本発明においても発泡剤として用いることができる。本発明の主旨を損なわない範囲であれば水と共に、地球環境保護の目的で開発されたクロロフルオロカーボン類や、ヒドロキシクロロフルオロカーボン類(HCFC−134a等)、炭化水素類(シクロペンタン等)、その他の発泡剤を併用してもよい。また、水以外の発泡剤のみで発泡してもよい。
本発明における発泡剤の使用量としては、ポリオール成分100重量部に対して通常2.5〜8重量部、好ましくは5〜7重量部である。発泡剤の使用量が2.5重量部未満であると、キュアー性が低下する場合があり、8重量部を超えると、へたり性が悪化する場合がある。
【0019】
本発明において用いられる発泡触媒としては、ポリウレタンに通常使用される公知のもの、例えばカルボン酸の金属塩(酢酸ナトリウム、オクチル酸鉛、オクチル酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、スタナスオクトエート等);アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のアルコキシドもしくはフェノキシド(ナトリウムメトキシド、ナトリウムフェノキシド等);3級アミン類(トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン、ジメチルアミノメチルフェノール、ピリジン等);4級アンモニウム塩(テトラエチルヒドロキシルアンモニウム等);並びに、スズ、アンチモン等の金属を含有する有機金属化合物(テトラフェニルスズ、トリブチルアンチモンオキサイド等)等を用いることができる。これらのうち好ましいものは、3級アミン類、スズまたはアンチモンを含有するカルボン酸の金属塩もしくは有機金属化合物およびこれらの2種以上の併用である。発泡触媒の使用量としては、ポリオール成分100重量部に対して、0.005〜10重量部であることが好ましい。発泡触媒の使用量が0.005重量部未満であると、キュアー性が低下する場合があり、10重量部を超えると、独立気泡で収縮する場合がある。
【0020】
整泡剤としては、ポリウレタンフォームの製造に通常使用できるものが用いられ、具体例としては、ジメチルシロキサン系整泡剤、例えば日本ユニカー(株)製の「SZ1105」、「SZ1142」、「SZ1160」、「L−5740M」、「L−5740S」、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製の「SRX294A」、「PRX607」、「SF−2962」等が挙げられる。
本発明における整泡剤の使用量としては、ポリオール成分100重量部に対して通常0.5〜5.0重量部、好ましくは0.8〜3.0重量部である。整泡剤の使用量が0.5重量部未満であると、セルが不安定になる場合があり、5.0重量部を超えると、独立気泡で収縮する場合がある。
【0021】
本発明における、イソシアネート成分とポリオール成分とを含む軟質ポリウレタン発泡原液には、上記の様なイソシアネート成分、ポリオール成分、発泡剤、発泡触媒、および整泡剤に加え、更に架橋剤、難燃剤、顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤等のその他添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で用いることができる。
架橋剤としては、例えばグリセリン等の脂肪族多価アルコール類;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類などが用いられる。また、水酸基価が200〜1800mgKOH/gであるポリオキシアルキレンポリオールを架橋剤として用いることもできる。これら架橋剤の使用量としては、ポリオール成分100重量部に対して、0.5〜10重量部の間であることが好ましい。
【0022】
本発明における上記イソシアネート成分とポリオール成分とを含む軟質ポリウレタン発泡原液の粘度としては、成形性の観点から500〜2500mPa・sであることが好ましい。
【0023】
本発明の軟質ポリウレタンモールドフォームの製造方法は、上記イソシアネート成分と上記ポリオール成分とを含む軟質ポリウレタン発泡原液を金型内に注入し、その後前記軟質ポリウレタン発泡原液を発泡硬化させて軟質ポリウレタンモールドフォームを製造する方法であって、前記発泡原液内におけるイソシアネート当量が70以上80未満であることを特徴とするものである。イソシアネート成分とポリオール成分とを含む軟質ポリウレタン発泡原液としては、好ましくは上記に説明した各配合成分よりなるものであることが好ましい。
【0024】
本発明において、上記発泡原液を金型内に注入する際の金型温度としては、通常40〜60℃であり、好ましくは45〜50℃である。上記発泡原液を金型内に注入する際の金型温度が60℃より高いと、クラックが発生する場合があり、一方、40℃未満であると、キュアー性が低下する場合がある。
また、上記発泡原液を発泡硬化させる際の金型温度としては、通常80〜120℃であり、好ましくは80〜100℃である。上記発泡原液を発泡硬化させる際の金型温度が120℃より高いと、キュアー温度が高く、火災が発生する場合があり、一方、80℃未満であると、キュアー性が低下する場合がある。
【0025】
本発明の軟質ポリウレタンモールドフォームの製造方法においては、通常の軟質ポリウレタンモールドフォームの場合と同様、高圧発泡機や低圧発泡機等を用いて、上記配合成分を混合することができる。
イソシアネート成分とポリオール成分は発泡直前で混合することが好ましい。その他の成分は必要に応じて予めイソシアネート成分またはポリオール成分と予め混合することが一般的であり、それら混合物は混合後直ちに使用しても、貯留し必要量を適宜使用してもよい。その他の成分の混合は必要に応じて適宜その混合の組み合わせ、混合順序、混合後の貯留時間等を決定することができる。
【0026】
低圧発泡機を用いる場合には、2種を超える成分の混合が可能であるため、ポリオール系、発泡剤系、イソシアナート系等に分割して混合することもできる。
混合方法は発泡機のマシンヘッド混合室内で混合を行うダイナミックミキシング、送液配管内で混合を行うスタティックミキシングの何れでも良く、また両者を併用してもよい。発泡直前で実施される混合や物理発泡剤等のガス状成分と液状成分の混合はスタティックミキシングで、貯留可能成分同士の混合はダイナミックミキシングで実施される場合が多い。
【0027】
このような混合により得られた混合液を金型(モールド)内に吐出し、発泡硬化させ、その後脱型が行われる。
発泡硬化させる際の硬化時間としては通常30秒〜15分、好ましくは8〜12分である。硬化時間が30秒未満であると、キュアー性が低下する場合があり、硬化時間が15分より長いと、エネルギーコストがかさむ場合がある。
【0028】
上記脱型を円滑に行うため、金型には予め離型剤を塗布しておくことも好適である。使用する離型剤としては、成形加工分野で通常用いられる離型剤を用いればよく、特に限定されるものではないが、発泡原液の不要な発泡を抑制する観点から、本発明においては水−エマルジョン系離型剤(スキンレスタイプ)が好適に用いられる。
また、発泡原液注入時の金型温度をより均一に制御する観点から、脱型の際には金型の冷却を行うことが好ましい。冷却方法としては水冷法、空冷法のいずれも採用し得るが、コストの観点から、本発明においては空冷法が好適である。なお、冷却温度としては、20〜25℃であることが好ましい。
【0029】
上記の製造方法により、本発明の軟質ポリウレタンモールドフォームを効率よく得ることができる。
【発明の効果】
本発明の軟質ポリウレタンモールドフォームは、表面のタッチ感が柔らかく、耐久性に優れ、しかも軽量なポリウレタンモールドフォームであり、車両用内装材、家具用クッション材、寝具、雑貨等に好適に使用される。この軟質ポリウレタンモールドフォームは、本発明の製造方法により効率よく得ることができる。
【0030】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
【0031】
〔実施例1,2、比較例1〜3〕
表1の配合(特に断りがない場合、数値は重量部を表す)に従って発泡原液を作成した。CANNON製L型ヘッドを備えた高圧発泡機を用い、表2に示す条件下にて、金型内に発泡原液を注入し、発泡硬化させて軟質ポリウレタンモールドフォームを作成した。発泡硬化させる際の硬化時間は10分間であった。
得られた軟質ポリウレタンモールドフォームの評価結果を表2に併記する。
【0032】
【表1】
Figure 2004196875
イソシアネート成分
三井武田ケミカル(株)製、商標T−80。イソシアネート基価48.2重量%。
ポリエーテルポリオール
旭硝子(株)製、商標EL228。水酸基価71.4重量%。数平均分子量2500。
PPG1
三洋化成工業(株)製、商品名FA207。水酸基価56重量%。数平均分子量3000。
PPG2
三洋化成工業(株)製、商品名KC264。水酸基価34重量%。数平均分子量5000。
エチレンオキシド含有率(重量%)
ポリオール成分に含まれるエチレンオキシドユニットの含有率(重量%)
触媒
東ソー(株)製、商品名TEDA−L33。
整泡剤
日本ユニカー(株)製、商品名SZ1142。
イソシアネート当量
上記配合原料中のイソシアネート成分の配合量(重量部)とポリオール成分の配合量(重量部)とから、下記式により算出した。
【数1】
Figure 2004196875
【0033】
【表2】
Figure 2004196875
冷却方法
a:空冷、b:水冷、c:冷却無し。
使用離型剤
x:水−エマルジョン系離型剤(スキンレスタイプ)。コニシ(株)製、商品名URE907。
y:水−エマルジョン系離型剤。中京油脂(株)製、商品名SF378W。
z:溶剤系離型剤。中京油脂(株)製、商品名F476。
全密度(kg/m 3
JIS K 6400に記載の方法により、全密度の測定を実施した。全密度は、JIS規格で規定している「見掛け密度」を指す。本発明では、表皮スキン有りの直方体フォームサンプルを用いて全密度の測定を行った。
軽量性
以下の基準に従って評価した。
○:上記全密度が30kg/m3未満。
△:上記全密度が30kg/m3以上35kg/m3未満。
×:上記全密度が35kg/m3以上。
乾熱圧縮残留歪み(%)
JIS K 6400に記載の圧縮残留ひずみの測定方法により、乾熱圧縮残留歪みの測定を実施した。ただし、測定に際しては成形した軟質フォームのコア部を50×50×25mm切り抜き、これを試験片として使用した。試験片を50%の厚みまで圧縮し、平行平面板に挟み、70℃の条件下に、22時間放置した。そして、22時間放置後、この試験片を取り出して30分後、その厚みを測定し、試験前の厚みの値と比較し、歪み率を測定し、この歪み率を乾熱圧縮永久歪みとした。
湿熱圧縮残留歪み(%)
JIS K 6400に記載の圧縮残留ひずみの測定方法により、湿熱圧縮残留歪みの測定を実施した。ただし、測定に際しては成形した軟質フォームのコア部を50×50×25mm切り抜き、これを試験片として使用した。試験片を50%の厚みまで圧縮し、平行平面板に挟み、50℃、相対湿度95%の条件下に、22時間放置した。そして、22時間放置後、この試験片を取り出して30分後、その厚みを測定し、試験前の厚みの値と比較し、歪み率を測定し、この歪み率を湿熱圧縮残留歪みとした。
耐久性
以下の基準に従って評価した。
○:上記湿熱圧縮残留歪みが25%未満。
×:上記湿熱圧縮残留歪みが25%以上。
撓み量(mm)
ASTM D−3574に準じた圧縮特性試験における、5〜20kgf荷重負荷時の撓み量。
表面タッチ感
以下の基準に従って評価した。
○:上記5kgf荷重負荷時の撓み量が3mm以上。
△:上記5kgf荷重負荷時の撓み量が1.5mm以上3mm未満。
×:上記5kgf荷重負荷時の撓み量が1.5mm未満。

Claims (9)

  1. 全密度が30kg/m3未満であり、JIS K−6401に準じた湿熱残留ひずみ試験における湿熱残留ひずみが25%未満であり、且つASTM D−3574に準じた圧縮特性試験における、5kgf荷重負荷時の撓み量が3mm以上であることを特徴とする軟質ポリウレタンモールドフォーム。
  2. 前記軟質ポリウレタンモールドフォームが、イソシアネート基を供給するポリイソシアネート成分とヒドロキシ基を供給するポリオール成分とを含む軟質ポリウレタン発泡原液を金型内に注入し、その後発泡硬化させることによって得られた軟質ポリウレタンモールドフォームであって、前記発泡原液内におけるイソシアネート当量が70以上80未満である請求項1記載の軟質ポリウレタンモールドフォーム。
  3. 前記発泡原液を金型内に注入する際の金型温度が40〜60℃であり、且つ、発泡原液を発泡硬化させる際の金型温度が80〜120℃である請求項2記載の軟質ポリウレタンモールドフォーム。
  4. 前記ポリオール成分の数平均分子量が2000以上3000未満である請求項2又は3記載の軟質ポリウレタンモールドフォーム。
  5. 前記ポリオール成分に含まれるエチレンオキシドユニットの含有率が15〜20重量%である請求項2,3又は4記載の軟質ポリウレタンモールドフォーム。
  6. イソシアネート基を供給するポリイソシアネート成分とヒドロキシ基を供給するポリオール成分とを含む軟質ポリウレタン発泡原液を金型内に注入し、その後前記軟質ポリウレタン発泡原液を発泡硬化させて軟質ポリウレタンモールドフォームを製造する方法であって、前記発泡原液内におけるイソシアネート当量が70以上80未満であることを特徴とする軟質ポリウレタンモールドフォームの製造方法。
  7. 前記発泡原液を金型内に注入する際の金型温度が40〜60℃であり、且つ、発泡原液を発泡硬化させる際の金型温度が80〜120℃である請求項6記載の軟質ポリウレタンモールドフォームの製造方法。
  8. 前記ポリオール成分の数平均分子量が2000以上3000未満である請求項6又は7記載の軟質ポリウレタンモールドフォームの製造方法。
  9. 前記ポリオール成分に含まれるエチレンオキシドユニットの含有率が15〜20重量%である請求項6,7又は8記載の軟質ポリウレタンモールドフォームの製造方法。
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