JP2004195792A - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ノズル数の増加に伴なって駆動信号発生回路にかかる負荷(圧力発生手段)の数も増大し、電流供給源を構成する電気的素子の複数化、大容量化を招く。
【解決手段】ヘッド駆動部88は、4個のヘッドHBk、HC、HM、HYで共有する駆動波形を生成するDAC103と、駆動波形Vcomを増幅する3個の電流増幅部105a、105b、105cとを有し、各ヘッドHBk、HC、HM、HYについて、それぞれ1つのヘッドは3個の駆動ユニット111a、111b、111cに分割し、1つの電流増幅部105aは異なるヘッドHBk、HC、HM、HYにまたがる複数の駆動ユニット111aに駆動波形を印加する。
【選択図】 図10
【解決手段】ヘッド駆動部88は、4個のヘッドHBk、HC、HM、HYで共有する駆動波形を生成するDAC103と、駆動波形Vcomを増幅する3個の電流増幅部105a、105b、105cとを有し、各ヘッドHBk、HC、HM、HYについて、それぞれ1つのヘッドは3個の駆動ユニット111a、111b、111cに分割し、1つの電流増幅部105aは異なるヘッドHBk、HC、HM、HYにまたがる複数の駆動ユニット111aに駆動波形を印加する。
【選択図】 図10
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開2000−263818号公報
【特許文献2】特開平10−157102号公報
【0003】
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ等の画像記録装置(画像形成装置)として用いるインクジェット記録装置は、インク滴を吐出するノズルと、このノズルが連通する加圧液室(吐出室、圧力室、加圧室、液室、インク流路、流路等とも称される。)と、この加圧液室内のインクを加圧する圧力発生手段とを備えた液滴吐出ヘッドとしてのインクジェットヘッドを搭載したものである。
【0004】
インクジェットヘッドとしては、加圧液室内のインクを加圧する圧力発生手段として圧電素子などの電気機械変換素子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させるいわゆるピエゾ型のもの、或いは、発熱抵抗体を用いてインク流路内でインクを加熱して気泡を発生させることによる圧力でインク滴を吐出させるいわゆるサーマル型のもの、インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力によって振動板を変形させることで、インク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電型のものなどが知られている。
【0005】
このようなインクジェットヘッドを記録ヘッドとして搭載するインクジェット
記録装置におけるヘッド駆動制御装置としては、例えば
【特許文献1】に記載されているように、ブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各ヘッドを搭載し、すべてのヘッドのすべての圧電素子に対して共通の駆動波形(駆動信号)COMを生成して、各圧電素子毎に記録信号に応じてオン/オフされるスイッチ回路を介して駆動信号COMを印加するようにしたものが知られている。
【0006】
また、
【特許文献2】に記載されているように、ブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各ヘッドを搭載し、各ヘッド毎に、駆動波形を生成する波形生成部と低インピーダンス出力回路とを備えて、低インピーダンス出力回路からの駆動波形を各ヘッド毎にすべての圧電素子に対して共通の駆動波形を印加するようにしたものも知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、
【特許文献1】に記載のインクジェット記録装置にあっては、駆動波形は1つの駆動信号発生回路によって生成されるが、近年、印刷速度が高速化するに従ってノズル数が増加しているため、駆動信号発生回路にかかる負荷(圧電素子)も増大している。
【0008】
このように、駆動信号発生回路にかかる負荷が増大すると、駆動信号発生回路の圧電素子を駆動させるための負荷電流が大きくなり、電流供給源を構成する電気的素子が1つではまかないきれなくなり、より大電力用の素子を使用するか、複数の素子を使用しなければならなくなり、コストが増加する。
【0009】
また、
【特許文献2】に記載のインクジェット記録装置にあっては、各色毎のヘッドを駆動するためにそれぞれに低インピーダンス出力回路(バッファアンプ、SEPP)を含む駆動回路を構成するため、例えばブラック(Bk)のみの画像を出力する場合には、Bk用の出力回路のみが作動しており、Bk用の出力回路の素子のみが大きな発熱を生ずることになる。C、M、Yの単色画像のみの出力の場合も同様になるので、トータル的には回路規模として膨大なものが必要になる。
【0010】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、駆動波形を出力する回路の素子の稼動を均一化して、発熱を低減し、回路規模、放熱手段に要するコストを低減するインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明に係るインクジェット記録装置は、1つのヘッド内が複数の駆動ユニットに分割された複数のヘッドを駆動するヘッド駆動手段を備え、このヘッド駆動手段は、駆動波形を生成出力する波形生成部と、この波形生成部からの駆動波形を増幅する複数の電流増幅部とを有し、1つの電流増幅部の出力で異なるヘッドにまたがる複数の駆動ユニットを駆動する構成とした。
【0012】
ここで、複数のヘッドは異なる色のインク毎に設けられ、1つの電流増幅部は異なる色のインクの駆動ユニットを駆動する構成とできる。
【0013】
本発明に係るインクジェット記録装置は、複数のノズルからなる複数のノズル列を有し、1つのノズル列内が複数の駆動ユニットに分割されたヘッドを駆動するヘッド駆動手段を備え、このヘッド駆動手段は、駆動波形を生成出力する波形生成部と、この波形生成部からの駆動波形を増幅する複数の電流増幅部とを有し、1つの電流増幅部の出力で異なるノズル列にまたがる複数の駆動ユニットを駆動する構成とした。
【0014】
ここで、複数のノズル列は、異なる色のインク毎に設けられ、1つの電流増幅部は異なる色のインクの駆動ユニットを駆動する構成とできる。
【0015】
これらの本発明に係るインクジェット記録装置においては、複数の駆動ユニットは、それぞれほぼ同数のノズルに対応した圧力発生手段を駆動することが好ましい。
【0016】
また、複数の電流増幅部の出力は、各ヘッドの駆動ユニットを構成する圧力発生手段及び駆動する圧力発生手段を選択する選択回路を有するヘッド基板に中継基板を介して結線され、中継基板は入出力コネクト部のパタ−ンが両者ともにストレ−ト配線で結線可能に基板内配線されていることが好ましい。この場合、ヘッド基板は中継基板に結線され、ヘッド基板内の駆動波形信号の配線は他の信号の配線と交差しないことが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。図1は本発明に係る画像記録装置としてのインクジェット記録装置の機構部の概略斜視説明図、図2は同機構部の側面説明図である。
【0018】
このインクジェット記録装置装置は、記録装置本体1の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ、キャリッジに搭載したインクジェットヘッドからなる記録ヘッド、記録ヘッドへのインクを供給するインクカートリッジ等で構成される印字機構部2等を収納し、給紙カセット4或いは手差しトレイ5から給送される用紙3を取り込み、印字機構部2によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ6に排紙する。
【0019】
印字機構部2は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド11と従ガイドロッド12とでキャリッジ13を主走査方向に摺動自在に保持し、このキャリッジ13にはイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出するインクジェットヘッドからなる記録ヘッド14をインク滴吐出方向を下方に向けて装着し、キャリッジ13の上側には記録ヘッド14に各色のインクを供給するための各インクタンク(インクカートリッジ)15を交換可能に装着している。
【0020】
インクカートリッジ15は上方に大気と連通する大気口、下方には記録ヘッド14へインクを供給する供給口を、内部にはインクが充填された多孔質体を有しており、多孔質体の毛管力により記録ヘッド14へ供給されるインクをわずかな負圧に維持している。このインクカートリッジ15からインクを記録ヘッド14内に供給する。
【0021】
ここで、キャリッジ13は後方側(用紙搬送方向下流側)を主ガイドロッド11に摺動自在に嵌装し、前方側(用紙搬送方向上流側)を従ガイドロッド12に摺動自在に載置している。そして、このキャリッジ13を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ17で回転駆動される駆動プーリ18と従動プーリ19との間にタイミングベルト20を張装し、このタイミングベルト20をキャリッジ13に固定しており、主走査モータ17の正逆回転によりキャリッジ13が往復駆動される。
【0022】
また、記録ヘッド14として、ここでは各色、すなわち4個のインクジェットヘッドを用いているが、各色のインク滴を吐出する複数のノズルからなる複数のノズル列を有する1個のインクジェットヘッドでもよい。さらに、記録ヘッド14としては、後述するように、インク流路の壁面の少なくとも一部を形成する振動板と、この振動板を圧電素子で変形させるピエゾ型インクジェットヘッドを用いているが、これに限らずサーマル型ヘッド、静電型ヘッドなども用いることができる。
【0023】
一方、給紙カセット4にセットした用紙3を記録ヘッド14の下方側に搬送するために、給紙カセット4から用紙3を分離給装する給紙ローラ21及びフリクションパッド22と、用紙3を案内するガイド部材23と、給紙された用紙3を反転させて搬送する搬送ローラ24と、この搬送ローラ24の周面に押し付けられる搬送コロ25及び搬送ローラ24からの用紙3の送り出し角度を規定する先端コロ26とを設けている。搬送ローラ24は副走査モータ27によってギヤ列を介して回転駆動される。
【0024】
そして、キャリッジ13の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ24から送り出された用紙3を記録ヘッド14の下方側で案内する用紙ガイド部材である印写受け部材29を設けている。この印写受け部材29の用紙搬送方向下流側には、用紙3を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ31、拍車32を設け、さらに用紙3を排紙トレイ6に送り出す排紙ローラ33及び拍車34と、排紙経路を形成するガイド部材35,36とを配設している。
【0025】
記録時には、キャリッジ13を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド14を駆動することにより、停止している用紙3にインクを吐出して1行分を記録し、用紙3を所定量搬送後次の行の記録を行う。記録終了信号または、用紙3の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ用紙3を排紙する。
【0026】
また、キャリッジ13の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、記録ヘッド14の吐出不良を回復するための回復装置37を配置している。回復装置37は、キャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を有している。キャリッジ13は印字待機中にはこの回復装置37側に移動されてキャッピング手段で記録ヘッド14をキャッピングされ、吐出口部(ノズル孔)を湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出する(パージする)ことにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
【0027】
吐出不良が発生した場合等には、キャッピング手段で記録ヘッド14の各インクジェットヘッドの吐出口(ノズル)を密封し、チューブを通して吸引手段で吐出口からインクとともに気泡等を吸い出し、吐出口面に付着したインクやゴミ等はクリーニング手段により除去され吐出不良が回復される。また、吸引されたインクは、本体下部に設置された廃インク溜(不図示)に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
【0028】
次に、このインクジェット記録装置の記録ヘッド14を構成するインクジェットヘッドについて図3乃至図5を参照して説明する。なお、図3は同ヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図、図4は同ヘッドの液室短手方向に沿う断面説明図、図5は同ヘッドの要部平面説明図である。
【0029】
このインクジェットヘッドは、単結晶シリコン基板で形成した流路板41と、この流路板41の下面に接合した振動板42と、流路板41の上面に接合したノズル板43とを有し、これらによって液滴であるインク滴を吐出するノズル45がノズル連通路45aを介して連通するインク流路である加圧室46、加圧室46にインクを供給するための共通液室48にインク供給口49を介して連通する流体抵抗部となるインク供給路47を形成している。
【0030】
そして、振動板42の外面側(液室と反対面側)に各加圧室46に対応して加圧室46内のインクを加圧するための圧力発生手段(アクチュエータ手段)である電気機械変換素子としての積層型圧電素子52を接合し、この圧電素子52をベース基板53に接合している。また、圧電素子52の間には加圧室46、46間の隔壁部41aに対応して支柱部54を設けている。ここでは、圧電素子部材にハーフカットのダイシングによるスリット加工を施すことで櫛歯状に分割して、1つ毎に圧電素子52と支柱部54して形成している。支柱部54も構成は圧電素子51と同じであるが、駆動電圧を印加しないので単なる支柱となる。
【0031】
さらに、振動板42の外周部はフレーム部材44にギャップ材を含む接着剤50にて接合している。このフレーム部材44には、共通液室48となる凹部、この共通液室48に外部からインクを供給するための図示しないインク供給穴を形成している。このフレーム部材44は、例えばエポキシ系樹脂或いはポリフェニレンサルファイトで射出成形により形成している。
【0032】
ここで、流路板41は、例えば結晶面方位(110)の単結晶シリコン基板を水酸化カリウム水溶液(KOH)などのアルカリ性エッチング液を用いて異方性エッチングすることで、ノズル連通路45a、加圧室46、インク供給路47となる凹部や穴部を形成したものであるが、単結晶シリコン基板に限られるものではなく、その他のステンレス基板や感光性樹脂などを用いることもできる。
【0033】
振動板42は、ニッケルの金属プレートから形成したもので、例えばエレクトロフォーミング法(電鋳法)で作製しているが、この他の金属板や樹脂板或いは金属と樹脂板との接合部材などを用いることもできる。この振動板42は加圧室46に対応する部分に変形を容易にするための薄肉部(ダイアフラム部)55及び圧電素子52と接合するための厚肉部(島状凸部)56を形成するとともに、支柱部54に対応する部分及びフレーム部材44との接合部にも厚肉部57を形成し、平坦面側を流路板41に接着剤接合し、島状凸部56を圧電素子52に接着剤接合し、更に厚肉部57を支柱部54及びフレーム部材44に接着剤50で接合している。なお、ここでは、振動板42を2層構造のニッケル電鋳で形成している。この場合、ダイアフラム部55の厚みは3μm、幅は35μm(片側)としている。
【0034】
ノズル板43は各加圧室46に対応して直径10〜35μmのノズル45を形成し、流路板41に接着剤接合している。このノズル板43としては、ステンレス、ニッケルなどの金属、金属とポリイミド樹脂フィルムなどの樹脂との組み合せ、、シリコン、及びそれらの組み合わせからなるものを用いることができる。ここでは、電鋳工法によるNiメッキ膜等で形成している。また、ノズル43の内部形状(内側形状)は、ホーン形状(略円柱形状又は略円錘台形状でもよい。)に形成し、このノズル45の穴径はインク滴出口側の直径で約20〜35μmとしている。さらに、各列のノズルピッチは150dpiとした。
【0035】
また、ノズル板43のノズル面(吐出方向の表面:吐出面)には、図示しない撥水性の表面処理を施した撥水処理層を設けている。撥水処理層としては、例えば、PTFE−Ni共析メッキやフッ素樹脂の電着塗装、蒸発性のあるフッ素樹脂(例えばフッ化ピッチなど)を蒸着コートしたもの、シリコン系樹脂・フッ素系樹脂の溶剤塗布後の焼き付け等、インク物性に応じて選定した撥水処理膜を設けて、インクの滴形状、飛翔特性を安定化し、高品位の画像品質を得られるようにしている。
【0036】
圧電素子52は、厚さ10〜50μm/1層のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の圧電層61と、厚さ数μm/1層の銀・パラジューム(AgPd)からなる内部電極層62とを交互に積層したものであり、内部電極62を交互に端面の端面電極(外部電極)である個別電極63、共通電極64に電気的に接続したものである。この圧電常数がd33である圧電素子52の伸縮により加圧室46を収縮、膨張させるようになっている。圧電素子52に駆動信号が印加され充電が行われると伸長し、また圧電素子52に充電された電荷が放電すると反対方向に収縮するようになっている。
【0037】
なお、圧電素子部材の一端面の端面電極はハーフカットによるダイシング加工で分割されて個別電極63となり、他端面の端面電極は切り欠き等の加工による制限で分割されずにすべての圧電素子52で導通した共通電極64となる。
【0038】
そして、圧電素子52の個別電極63には駆動信号を与えるために半田接合又はACF(異方導電性膜)接合若しくはワイヤボンディングでFPCケーブル65を接続し、このFPCケーブル65には各圧電素子52に選択的に駆動波形を印加するための駆動回路(ドライバIC)を接続している。また、共通電極64は、圧電素子の端部に電極層を設けて回し込んでFPCケーブル65のグラウンド(GND)電極に接続している。
【0039】
このように構成したインクジェットヘッドにおいては、例えば、記録信号に応じて圧電素子52に駆動波形(10〜50Vのパルス電圧)を印加することによって、圧電素子52に積層方向の変位が生起し、振動板42を介して加圧室46内のインクが加圧されて圧力が上昇し、ノズル45からインク滴が吐出される。
【0040】
その後、インク滴吐出の終了に伴い、加圧室46内のインク圧力が低減し、インクの流れの慣性と駆動パルスの放電過程によって加圧室46内に負圧が発生してインク充填行程へ移行する。このとき、図示しないインクタンクから供給されたインクは共通液室48に流入し、共通液室47からインク供給口49を経て流体抵抗部47を通り、加圧室46内に充填される。
【0041】
なお、流体抵抗部47は、吐出後の残留圧力振動の減衰に効果が有る反面、表面張力による最充填(リフィル)に対して抵抗になる。流体抵抗部47の流体抵抗値を適宜に選択することで、残留圧力の減衰とリフィル時間のバランスが取れ、次のインク滴吐出動作に移行するまでの時間(駆動周期)を短くできる。
【0042】
次に、このインクジェット記録装置の制御部の概要について図6を参照して説明する。
この制御部は、この記録装置全体の制御を司るマイクロコンピュータ(以下、「CPU」と称する。)80と、所要の固定情報を格納したROM81と、ワーキングメモリ等として使用するRAM82と、ホスト側から転送される画像データ(ドットデータ或いはドットパターンデータと称する。)を格納する画像メモリ(ラスデータメモリ)83と、パラレル入出力(PIO)ポート84と、パラレル入出力(PIO)ポート86と、ヘッド駆動回路88及びドライバ89等を備えている。
【0043】
ここで、PIOポート84にはホストのプリンタドライバ側から転送される画像データなどの各種情報及びデータ、操作パネル90からの各種指示、選択情報、環境温度を検出する温度センサ92などの各種センサからの検知信号等が入力され、またこのPIOポート84を介してホスト側や操作パネル90側に対して所要の情報が送出される。
【0044】
ヘッド駆動回路88は、PIOポート86を介して与えられる各種データ及び信号に基づいて、記録ヘッド14を構成する各インクジェットヘッドの圧電素子52に対して選択的に駆動波形を印加してインク滴を吐出させる。さらに、ドライバ89は、PIOポート86を介して与えられる駆動データに応じて主走査モータ17及び副走査モータ27を各々駆動制御することで、キャリッジ13を主走査方向に移動走査し、搬送ローラ24を回転させて用紙3を所定量搬送させる。
【0045】
この制御部のうちのヘッド駆動制御装置に係わる部分について図7を参照して説明する。なお、同図では、本発明の1つの駆動ユニットの駆動制御に係る部分のみを図示している。
ここで、記録ヘッド14を構成する4個のインクジェットヘッドHは、上述したように複数(ここでは128個とする。)のノズル45に対応する128個の圧力発生手段である圧電素子52を有し、各圧電素子52の一方の電極は共通化して共通電極Com(上記の共通電極64である。)としてグランドに接続し、他方の電極は各圧電素子52毎に個別化して選択電極SEL(上記の個別電極63である。)としている。なお、実際にはノズル45は2列設けているので、256個のノズル45を有することになる。
【0046】
ヘッド駆動制御部は、前記CPU、ROM、RAM及び周辺回路を含む主制御部101と記録ヘッド14を構成するインクジェットヘッドを駆動するためのヘッド駆動部88aを備えている。
【0047】
主制御部101は、パ−ソナルコンピュ−タなどの情報処理端末、デジタルカメラ、スキャナなどの画像処理端装置等のホスト側から与えられる画像情報を入力して、ヘッド駆動部88に対してヘッドを駆動するタイミングに合わせて、8bitの電圧デ−タを順次、波形生成部であるD/A変換回路(DAC)103に出力する。
【0048】
DAC103は、与えられた電圧デ−タを例えば0V〜2Vの出力範囲を8bitの分解能で出力する。8bitのデ−タ入力ステップが250nsの場合、駆動波形(駆動信号)の立ち上がり時定数tr=5μs、駆動電圧Vp=30V(フルスケ−ル)のとき、DAC103の出力は20ステップの時間刻みで、約0.1V/ステップで0〜2Vまで上昇する。
【0049】
また、駆動波形の立下り時も同様に、立下り時定数tf=10μsであれば40ステップで5〜3Vまで下降する。さらに、駆動波形に要する時間(立ち上がり開始から、立下り終了までの時間)が50μsとすると、200ステップでフルスケ−ル5Vの駆動波形が形成され、ヘッドの駆動タイミングに合わせて繰り返し出力される。
【0050】
このDAC103から出力される駆動波形はアンプ104を介して3〜30V(フルスケ−ル時)の範囲でDAC出力レベルに応じて電圧増幅される。電圧増幅された駆動波形は、SEPP回路(NPNトランジスタQ1及びPNPトランジスタQ2)等で構成される低インピ−ダンス回路からなる電流増幅部105を介して、選択回路であるPZT選択回路106へ与えられる。
【0051】
ここで、図8に駆動波形の一例を示している。本実施形態におけるヘッドの駆動方式においては、駆動波形の立下り波形要素(a→b)の時間に圧電素子52はヘッド基板(ベース基板)53方向に収縮変位するので、加圧液室46内の容積は拡大し、加圧液室46は減圧される。そして、上記拡大された加圧液室46は駆動波形のホールド波形要素(b→c)時間の間、保持された後、立ち上がり波形要素(c→d)の時間に圧電素子52がノズル板43方向に拡大変位するので、加圧液室46は縮小し、発生される加圧圧力でノズル45からインク滴が噴射される。
【0052】
一方、主制御部101は、インク滴を噴射させるノズル45を指定するためのシリアルデ−タSD(ノズルデ−タ)とシフトクロックSCLK、ラッチ信号/LATをPZT選択回路106へ入力する。
【0053】
PZT選択回路106は、シフトクロックSCLK、およびノズルデータSDを入力とするシフトレジスタ回路(256bit)と、シフトレジスタ回路の各レジスト値をラッチ信号/LATによってラッチするためのラッチ回路(256bit)と、256ビットのレベルシフタ回路と、レベルシフタ回路でオン/オフが制御されるアナログスイッチ群とからなる。
【0054】
アナログスイッチ群は、各圧電素子52の選択電極63に接続され、駆動波形が入力されている。そしてシフトレジスタ回路にシフトクロックSCLK、ノズルデータSDを取りこみ、ラッチ信号/LATによって取りこんだシリアルデ−タをラッチ回路でラッチしてレベルシフタ回路に入力する。このレベルシフタ回路は、データの内容に応じて各圧電素子52に接続されるアナログスイッチをオンすることで、駆動波形が選択された圧電素子52に印加される。
【0055】
このように各圧電素子に印加される駆動波形は、前記DAC103に入力される8bitの電圧デ−タ値を250nsの時間刻みで制御されるので、駆動電圧Vp及び立ち上げ時定数trは、DAC103に入力する電圧デ−タを可変することで容易に制御することができる。
【0056】
そこで、上述したインクジェット記録装置における記録ヘッド14の4個のインクジェットヘッド(以下「ヘッドHBk、ヘッドHC、ヘッドHM、ヘッドHY」とする。)を駆動する本発明に係るヘッド駆動手段であるヘッド駆動部の全体構成について図9及び図10を参照して説明する。
【0057】
ヘッド駆動部88は、4個のヘッドHBk、HC、HM、HYで共有する前述した主制御部101からの電圧データをD/A変換して駆動波形を生成する波形生成手段としてのDAC103及びOPアンプ等で構成した電圧増幅部104と、電圧増幅部104から出力される駆動波形Vcomを入力して電流増幅するNPNトランジスタQ1及びPNPトランジスタQ2等から構成される3個の電流増幅部105a、105b、105cとを有している。
【0058】
ここで、4個のヘッドHBk、HC、HM、HYについて、それぞれ1つのヘッドは複数(この例では3個)の駆動ユニット111a、111b、111cに分割している。すなわち、ヘッドHBk、HC、HM、HYのノズル列のノズルに対応する複数の圧電素子52を所要数毎にグループ化して、各グループを1つの駆動ユニットとしている。
【0059】
そして、各ヘッドHBk、HC、HM、HYの駆動ユニット111aに対応する各PZT選択回路106aには、電流増幅部105aからの出力Vcomaが結線されている(印加されるようにしている)。同様に、各ヘッドHBk、HC、HM、HYの駆動ユニット111bに対応する各PZT選択回路106bには、電流増幅部105bからの出力Vcombが結線されている。また、各ヘッドHBk、HC、HM、HYの駆動ユニット111cに対応する各PZT選択回路106cには、電流増幅部105cからの出力Vcomcが結線されている。したがって、1つの電流増幅部の出力で異なるヘッドにまたがる駆動ユニットを駆動するようにしている。
【0060】
一方、各ヘッドHBk、HC、HM、HYの1つのヘッドに含まれるPZT選択回路106a、106b、106cには主制御部101からの対応するシフトクロックSCLK、ノズルデータSD、ラッチ信号/LATが共通に入力される。
【0061】
このように構成したヘッド駆動部の作用について説明する。
先ず、モノクロのみの画像を印刷するとき、ヘッドHBkのみが駆動されるが、上述したような結線になっているので、ヘッド(圧電素子)駆動のための充放電電流は、ヘッドHBkの各駆動ユニット111a、111b、111cに対して電流増幅部105a、105b、107cから供給されることになる。
【0062】
このため、従来のように1組の電流増幅部からの電流供給ではなく、3組の電流増幅部から電流供給されることになるので、各電流増幅部を構成するトランジスタの発熱は分散されることになる。
【0063】
また、カラ−画像、特にポスター画像のように背景色にベタ画像部分が多い場合も同様で、従来は使用するインク色に依存して電流増幅部のトランジスタが稼動するので、発熱が特定のトランジスタに集中していたが、上記のヘッド駆動部では稼動するトランジスタが分散されるので、各トランジスタの発熱は小さくなる。
【0064】
すなわち、1つのヘッドの1つのノズル列に対応する複数の圧力発生手段を所要数毎に複数の駆動ユニットとして分割して、各分割ユニットをそれぞれ異なる電流増幅部の出力で駆動する。
【0065】
このように、1つの電流増幅部が異なるヘッドにまたがる複数の駆動ユニットを駆動することで、印刷画像に出力される色(インク)が偏っても、特定の電流増幅部に電流が集中しないので、電流増幅部の発熱を分散させることができ、放熱手段の簡素化、低コスト化を図れる。
【0066】
ここで、ヘッドの駆動ユニットによるノズル分割例について図11及び図12を参照して説明する。
図11に示す例は、前述したように各色のインクを吐出する各ヘッドHBk、HC、HM、HYで記録ヘッドを構成し、各ヘッドHBk、HC、HM、HYについて1つのヘッド内を複数の駆動ユニットに分割した例であり、各駆動ユニット111a、111b、111cに対応するノズル領域Na、Nb、Ncのノズル数がほぼ均等になるように3分割した例である。この場合には、電流増幅部105a、105b、105cを構成するトランジスタの電力容量は略同じでよい。勿論、2分割でも4分割以上でもよい。
【0067】
また、図12に示す例は、ブラックインクを吐出するヘッドHBkと、シアン、マゼンタ、イエローのインクを吐出するカラ−ヘッドHCAとで記録ヘッドを構成したものである。カラーヘッドHCAはシアンインクを吐出する複数のノズルからなるノズル列NC、マゼンタインクを吐出する複数のノズルからなるノズル列NM、イエローインクを吐出する複数のノズルからなるノズル列NYを有している。
【0068】
そして、ヘッドBkについては前述したように1つのヘッド内を3つの駆動ユニットに分割している。また、カラーヘッドHCAについても複数のノズル列NC、NM、NYについて、1つのノズル列を3つの駆動ユニットに分割している。、これらのヘッドBk、HCAの各駆動ユニット111a、111b、111cに対応するノズル領域Na、Nb、Ncのノズル数はほぼ均等になるように決定している。
【0069】
このようにヘッドHBkが有するノズル数よりもカラーヘッドHCAが有するノズル数が多い場合でも、各駆動ユニットが担うノズル数を均等にすることで各電流増幅部を構成するトランジスタは同じサイズのものを使うことができる。
【0070】
なお、本発明において各駆動ユニットが担うノズル数は必ずしも均等にする必要はなく、担うノズル数に応じてトランジスタサイズを選定すればよい。ただし、複数の駆動ユニットは、それぞれほぼ同数のノズルに対応した圧力発生手段を駆動することで、各電流増幅部を構成するトランジスタとして同サイズの品種を選定することができ、異なるサイズのトランジスタが混在する場合に比べて、低コストで、搭載面積も小さくできる。
【0071】
また、上記図12の説明からも分かるように、複数のノズルからなる複数のノズル列を有するヘッドを用いる場合、つまり、各色のインクを吐出する複数のノズル列を有するヘッドを備える場合も、1つのノズル列を複数の駆動ユニットに分割して、波形生成部及び複数の電流増幅部を備えて、1つの電流増幅部が異なるノズル列にまたがって複数の駆動ユニットを駆動するように構成することで、印刷画像に出力される色(インク)が偏っても、特定の電流増幅部に電流が集中しないので、電流増幅部の発熱を分散させることができ、放熱手段の簡素化、低コスト化を図れる。
【0072】
次に、実装の形態について図13及び図14を参照して説明する。
先ず、図13に示すように、上述した主制御部101、波形生成部(DAC)103、、電圧増幅部104、電流増幅部105a、105b、105cを本体制御基板に実装し、この本体制御基板側から、駆動波形信号Vcoma、Vcomb、VcomcをFFC又はFPCなどの伝達手段121を介して、キャリッジ13内に設けた中継基板122に電送する構成とする。
【0073】
一方、図14に示すように、圧電素子(PZT)52及びPZT選択回路106a、106b、106cが搭載される各ヘッド基板123Bk、123C、123M、123Yは、駆動波形信号Vcoma、Vcomb、Vcomcを供給する配線(パターン)が、ストレ−トになるように、すなわち、スルーホールで基板裏面を介して他の信号の配線(パターン)と立体交差することがないようにパタ−ニングされ、FFC又はFPCなどの伝達手段124Bk、124C、124M、124Yを介して中継基板122に結線される。なお、駆動波形信号Vcom以外の他の制御信号は図示を省略する。
【0074】
また、中継基板122は、各ヘッド基板123Bk、123C、123M、123Yから結線されたVcoma、Vcomb、Vこmcが本体制御基板にストレ−トで受信できるように配線される。この場合、中継基板122として、両面基板、4層基板等の多層基板を用いれば、容易にパタ−ニングできる。また、上記ヘッド基板123Bk、123C、123M、123Yはパタ−ニングがストレ−ト配線で済むので、片面のみのパタ−ニングで済む。
【0075】
このように、中継基板は、入出力コネクト部のパタ−ンが両者ともにストレ−ト配線で結線できるように基板内配線しているので、汎用で安価なFFCやFPCを入出力ケ−ブルと接続することができるので、ハ−ネスコストを低減することができる。また、ヘッド基板は、駆動波形信号(電流増幅部の出力)は他の信号と交差しないので、信号間の干渉(ノイズ)を受けにくく、波形品質を向上させることができる。
【0076】
なお、ここでの説明では、電圧増幅部及び電流増幅部を本体制御基板に搭載しているが、必要に応じて中継基板に搭載することも可能であり、この場合も本発明を適用することができる。
【0077】
また、上記実施形態では電気機械変換素子を用いるインクジェットヘッドの駆動について説明したが、これに限るものではなく、前述したように静電型ヘッドやサーマル型ヘッド、その他形状記憶合金を用いるヘッドなど、その他の圧力発生手段を用いるヘッドの駆動にも適用することができる。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、1つの電流増幅部が異なるヘッド又はノズル列にまたがる複数の駆動ユニットを駆動することができるので、特定のヘッド又はノズル列を使用する場合でも駆動波形を出力する回路の素子の稼動が均一化され、発熱が低減し、回路規模、放熱手段に要するコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェット記録装置の機構部の一例を示す斜視説明図
【図2】同記録装置の機構部の側断面説明図
【図3】同記録装置の記録ヘッドを構成するインクジェットヘッドの一例を説明するヘッドの液室長辺方向に沿う断面説明図
【図4】同ヘッドの液室短辺方向に沿う断面説明図
【図5】同ヘッドの要部平面説明図
【図6】同記録装置の制御部の概要を説明するブロック図
【図7】同制御部のヘッド駆動制御に係わる部分の1ヘッド分のブロック図
【図8】駆動波形の例を説明する説明図
【図9】同制御部のヘッド駆動部の説明に供するブロック図
【図10】同じくヘッド駆動部の説明に供するブロック図
【図11】ノズル領域と駆動ユニットの分割例の説明に供する説明図
【図12】ノズル領域と駆動ユニットの他の分割例の説明に供する説明図
【図13】同ヘッド駆動部の実装の形態の説明に供する説明図
【図14】同じく実装の形態の説明に供する説明図
【符号の説明】
13…キャリッジ、14…記録ヘッド、41…流路板、42…振動板、43…ノズル板、45…ノズル、46…加圧室、52…圧電素子、88…ヘッド駆動部、103…DAC(波形生成部)、104…電圧増幅部、105、105a、105b、105c…電流増幅部、111a、111b、111c…駆動ユニット。
【産業上の利用分野】
本発明はインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開2000−263818号公報
【特許文献2】特開平10−157102号公報
【0003】
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ等の画像記録装置(画像形成装置)として用いるインクジェット記録装置は、インク滴を吐出するノズルと、このノズルが連通する加圧液室(吐出室、圧力室、加圧室、液室、インク流路、流路等とも称される。)と、この加圧液室内のインクを加圧する圧力発生手段とを備えた液滴吐出ヘッドとしてのインクジェットヘッドを搭載したものである。
【0004】
インクジェットヘッドとしては、加圧液室内のインクを加圧する圧力発生手段として圧電素子などの電気機械変換素子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させるいわゆるピエゾ型のもの、或いは、発熱抵抗体を用いてインク流路内でインクを加熱して気泡を発生させることによる圧力でインク滴を吐出させるいわゆるサーマル型のもの、インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力によって振動板を変形させることで、インク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電型のものなどが知られている。
【0005】
このようなインクジェットヘッドを記録ヘッドとして搭載するインクジェット
記録装置におけるヘッド駆動制御装置としては、例えば
【特許文献1】に記載されているように、ブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各ヘッドを搭載し、すべてのヘッドのすべての圧電素子に対して共通の駆動波形(駆動信号)COMを生成して、各圧電素子毎に記録信号に応じてオン/オフされるスイッチ回路を介して駆動信号COMを印加するようにしたものが知られている。
【0006】
また、
【特許文献2】に記載されているように、ブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各ヘッドを搭載し、各ヘッド毎に、駆動波形を生成する波形生成部と低インピーダンス出力回路とを備えて、低インピーダンス出力回路からの駆動波形を各ヘッド毎にすべての圧電素子に対して共通の駆動波形を印加するようにしたものも知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、
【特許文献1】に記載のインクジェット記録装置にあっては、駆動波形は1つの駆動信号発生回路によって生成されるが、近年、印刷速度が高速化するに従ってノズル数が増加しているため、駆動信号発生回路にかかる負荷(圧電素子)も増大している。
【0008】
このように、駆動信号発生回路にかかる負荷が増大すると、駆動信号発生回路の圧電素子を駆動させるための負荷電流が大きくなり、電流供給源を構成する電気的素子が1つではまかないきれなくなり、より大電力用の素子を使用するか、複数の素子を使用しなければならなくなり、コストが増加する。
【0009】
また、
【特許文献2】に記載のインクジェット記録装置にあっては、各色毎のヘッドを駆動するためにそれぞれに低インピーダンス出力回路(バッファアンプ、SEPP)を含む駆動回路を構成するため、例えばブラック(Bk)のみの画像を出力する場合には、Bk用の出力回路のみが作動しており、Bk用の出力回路の素子のみが大きな発熱を生ずることになる。C、M、Yの単色画像のみの出力の場合も同様になるので、トータル的には回路規模として膨大なものが必要になる。
【0010】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、駆動波形を出力する回路の素子の稼動を均一化して、発熱を低減し、回路規模、放熱手段に要するコストを低減するインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明に係るインクジェット記録装置は、1つのヘッド内が複数の駆動ユニットに分割された複数のヘッドを駆動するヘッド駆動手段を備え、このヘッド駆動手段は、駆動波形を生成出力する波形生成部と、この波形生成部からの駆動波形を増幅する複数の電流増幅部とを有し、1つの電流増幅部の出力で異なるヘッドにまたがる複数の駆動ユニットを駆動する構成とした。
【0012】
ここで、複数のヘッドは異なる色のインク毎に設けられ、1つの電流増幅部は異なる色のインクの駆動ユニットを駆動する構成とできる。
【0013】
本発明に係るインクジェット記録装置は、複数のノズルからなる複数のノズル列を有し、1つのノズル列内が複数の駆動ユニットに分割されたヘッドを駆動するヘッド駆動手段を備え、このヘッド駆動手段は、駆動波形を生成出力する波形生成部と、この波形生成部からの駆動波形を増幅する複数の電流増幅部とを有し、1つの電流増幅部の出力で異なるノズル列にまたがる複数の駆動ユニットを駆動する構成とした。
【0014】
ここで、複数のノズル列は、異なる色のインク毎に設けられ、1つの電流増幅部は異なる色のインクの駆動ユニットを駆動する構成とできる。
【0015】
これらの本発明に係るインクジェット記録装置においては、複数の駆動ユニットは、それぞれほぼ同数のノズルに対応した圧力発生手段を駆動することが好ましい。
【0016】
また、複数の電流増幅部の出力は、各ヘッドの駆動ユニットを構成する圧力発生手段及び駆動する圧力発生手段を選択する選択回路を有するヘッド基板に中継基板を介して結線され、中継基板は入出力コネクト部のパタ−ンが両者ともにストレ−ト配線で結線可能に基板内配線されていることが好ましい。この場合、ヘッド基板は中継基板に結線され、ヘッド基板内の駆動波形信号の配線は他の信号の配線と交差しないことが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。図1は本発明に係る画像記録装置としてのインクジェット記録装置の機構部の概略斜視説明図、図2は同機構部の側面説明図である。
【0018】
このインクジェット記録装置装置は、記録装置本体1の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ、キャリッジに搭載したインクジェットヘッドからなる記録ヘッド、記録ヘッドへのインクを供給するインクカートリッジ等で構成される印字機構部2等を収納し、給紙カセット4或いは手差しトレイ5から給送される用紙3を取り込み、印字機構部2によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ6に排紙する。
【0019】
印字機構部2は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド11と従ガイドロッド12とでキャリッジ13を主走査方向に摺動自在に保持し、このキャリッジ13にはイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出するインクジェットヘッドからなる記録ヘッド14をインク滴吐出方向を下方に向けて装着し、キャリッジ13の上側には記録ヘッド14に各色のインクを供給するための各インクタンク(インクカートリッジ)15を交換可能に装着している。
【0020】
インクカートリッジ15は上方に大気と連通する大気口、下方には記録ヘッド14へインクを供給する供給口を、内部にはインクが充填された多孔質体を有しており、多孔質体の毛管力により記録ヘッド14へ供給されるインクをわずかな負圧に維持している。このインクカートリッジ15からインクを記録ヘッド14内に供給する。
【0021】
ここで、キャリッジ13は後方側(用紙搬送方向下流側)を主ガイドロッド11に摺動自在に嵌装し、前方側(用紙搬送方向上流側)を従ガイドロッド12に摺動自在に載置している。そして、このキャリッジ13を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ17で回転駆動される駆動プーリ18と従動プーリ19との間にタイミングベルト20を張装し、このタイミングベルト20をキャリッジ13に固定しており、主走査モータ17の正逆回転によりキャリッジ13が往復駆動される。
【0022】
また、記録ヘッド14として、ここでは各色、すなわち4個のインクジェットヘッドを用いているが、各色のインク滴を吐出する複数のノズルからなる複数のノズル列を有する1個のインクジェットヘッドでもよい。さらに、記録ヘッド14としては、後述するように、インク流路の壁面の少なくとも一部を形成する振動板と、この振動板を圧電素子で変形させるピエゾ型インクジェットヘッドを用いているが、これに限らずサーマル型ヘッド、静電型ヘッドなども用いることができる。
【0023】
一方、給紙カセット4にセットした用紙3を記録ヘッド14の下方側に搬送するために、給紙カセット4から用紙3を分離給装する給紙ローラ21及びフリクションパッド22と、用紙3を案内するガイド部材23と、給紙された用紙3を反転させて搬送する搬送ローラ24と、この搬送ローラ24の周面に押し付けられる搬送コロ25及び搬送ローラ24からの用紙3の送り出し角度を規定する先端コロ26とを設けている。搬送ローラ24は副走査モータ27によってギヤ列を介して回転駆動される。
【0024】
そして、キャリッジ13の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ24から送り出された用紙3を記録ヘッド14の下方側で案内する用紙ガイド部材である印写受け部材29を設けている。この印写受け部材29の用紙搬送方向下流側には、用紙3を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ31、拍車32を設け、さらに用紙3を排紙トレイ6に送り出す排紙ローラ33及び拍車34と、排紙経路を形成するガイド部材35,36とを配設している。
【0025】
記録時には、キャリッジ13を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド14を駆動することにより、停止している用紙3にインクを吐出して1行分を記録し、用紙3を所定量搬送後次の行の記録を行う。記録終了信号または、用紙3の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ用紙3を排紙する。
【0026】
また、キャリッジ13の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、記録ヘッド14の吐出不良を回復するための回復装置37を配置している。回復装置37は、キャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を有している。キャリッジ13は印字待機中にはこの回復装置37側に移動されてキャッピング手段で記録ヘッド14をキャッピングされ、吐出口部(ノズル孔)を湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出する(パージする)ことにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
【0027】
吐出不良が発生した場合等には、キャッピング手段で記録ヘッド14の各インクジェットヘッドの吐出口(ノズル)を密封し、チューブを通して吸引手段で吐出口からインクとともに気泡等を吸い出し、吐出口面に付着したインクやゴミ等はクリーニング手段により除去され吐出不良が回復される。また、吸引されたインクは、本体下部に設置された廃インク溜(不図示)に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
【0028】
次に、このインクジェット記録装置の記録ヘッド14を構成するインクジェットヘッドについて図3乃至図5を参照して説明する。なお、図3は同ヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図、図4は同ヘッドの液室短手方向に沿う断面説明図、図5は同ヘッドの要部平面説明図である。
【0029】
このインクジェットヘッドは、単結晶シリコン基板で形成した流路板41と、この流路板41の下面に接合した振動板42と、流路板41の上面に接合したノズル板43とを有し、これらによって液滴であるインク滴を吐出するノズル45がノズル連通路45aを介して連通するインク流路である加圧室46、加圧室46にインクを供給するための共通液室48にインク供給口49を介して連通する流体抵抗部となるインク供給路47を形成している。
【0030】
そして、振動板42の外面側(液室と反対面側)に各加圧室46に対応して加圧室46内のインクを加圧するための圧力発生手段(アクチュエータ手段)である電気機械変換素子としての積層型圧電素子52を接合し、この圧電素子52をベース基板53に接合している。また、圧電素子52の間には加圧室46、46間の隔壁部41aに対応して支柱部54を設けている。ここでは、圧電素子部材にハーフカットのダイシングによるスリット加工を施すことで櫛歯状に分割して、1つ毎に圧電素子52と支柱部54して形成している。支柱部54も構成は圧電素子51と同じであるが、駆動電圧を印加しないので単なる支柱となる。
【0031】
さらに、振動板42の外周部はフレーム部材44にギャップ材を含む接着剤50にて接合している。このフレーム部材44には、共通液室48となる凹部、この共通液室48に外部からインクを供給するための図示しないインク供給穴を形成している。このフレーム部材44は、例えばエポキシ系樹脂或いはポリフェニレンサルファイトで射出成形により形成している。
【0032】
ここで、流路板41は、例えば結晶面方位(110)の単結晶シリコン基板を水酸化カリウム水溶液(KOH)などのアルカリ性エッチング液を用いて異方性エッチングすることで、ノズル連通路45a、加圧室46、インク供給路47となる凹部や穴部を形成したものであるが、単結晶シリコン基板に限られるものではなく、その他のステンレス基板や感光性樹脂などを用いることもできる。
【0033】
振動板42は、ニッケルの金属プレートから形成したもので、例えばエレクトロフォーミング法(電鋳法)で作製しているが、この他の金属板や樹脂板或いは金属と樹脂板との接合部材などを用いることもできる。この振動板42は加圧室46に対応する部分に変形を容易にするための薄肉部(ダイアフラム部)55及び圧電素子52と接合するための厚肉部(島状凸部)56を形成するとともに、支柱部54に対応する部分及びフレーム部材44との接合部にも厚肉部57を形成し、平坦面側を流路板41に接着剤接合し、島状凸部56を圧電素子52に接着剤接合し、更に厚肉部57を支柱部54及びフレーム部材44に接着剤50で接合している。なお、ここでは、振動板42を2層構造のニッケル電鋳で形成している。この場合、ダイアフラム部55の厚みは3μm、幅は35μm(片側)としている。
【0034】
ノズル板43は各加圧室46に対応して直径10〜35μmのノズル45を形成し、流路板41に接着剤接合している。このノズル板43としては、ステンレス、ニッケルなどの金属、金属とポリイミド樹脂フィルムなどの樹脂との組み合せ、、シリコン、及びそれらの組み合わせからなるものを用いることができる。ここでは、電鋳工法によるNiメッキ膜等で形成している。また、ノズル43の内部形状(内側形状)は、ホーン形状(略円柱形状又は略円錘台形状でもよい。)に形成し、このノズル45の穴径はインク滴出口側の直径で約20〜35μmとしている。さらに、各列のノズルピッチは150dpiとした。
【0035】
また、ノズル板43のノズル面(吐出方向の表面:吐出面)には、図示しない撥水性の表面処理を施した撥水処理層を設けている。撥水処理層としては、例えば、PTFE−Ni共析メッキやフッ素樹脂の電着塗装、蒸発性のあるフッ素樹脂(例えばフッ化ピッチなど)を蒸着コートしたもの、シリコン系樹脂・フッ素系樹脂の溶剤塗布後の焼き付け等、インク物性に応じて選定した撥水処理膜を設けて、インクの滴形状、飛翔特性を安定化し、高品位の画像品質を得られるようにしている。
【0036】
圧電素子52は、厚さ10〜50μm/1層のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の圧電層61と、厚さ数μm/1層の銀・パラジューム(AgPd)からなる内部電極層62とを交互に積層したものであり、内部電極62を交互に端面の端面電極(外部電極)である個別電極63、共通電極64に電気的に接続したものである。この圧電常数がd33である圧電素子52の伸縮により加圧室46を収縮、膨張させるようになっている。圧電素子52に駆動信号が印加され充電が行われると伸長し、また圧電素子52に充電された電荷が放電すると反対方向に収縮するようになっている。
【0037】
なお、圧電素子部材の一端面の端面電極はハーフカットによるダイシング加工で分割されて個別電極63となり、他端面の端面電極は切り欠き等の加工による制限で分割されずにすべての圧電素子52で導通した共通電極64となる。
【0038】
そして、圧電素子52の個別電極63には駆動信号を与えるために半田接合又はACF(異方導電性膜)接合若しくはワイヤボンディングでFPCケーブル65を接続し、このFPCケーブル65には各圧電素子52に選択的に駆動波形を印加するための駆動回路(ドライバIC)を接続している。また、共通電極64は、圧電素子の端部に電極層を設けて回し込んでFPCケーブル65のグラウンド(GND)電極に接続している。
【0039】
このように構成したインクジェットヘッドにおいては、例えば、記録信号に応じて圧電素子52に駆動波形(10〜50Vのパルス電圧)を印加することによって、圧電素子52に積層方向の変位が生起し、振動板42を介して加圧室46内のインクが加圧されて圧力が上昇し、ノズル45からインク滴が吐出される。
【0040】
その後、インク滴吐出の終了に伴い、加圧室46内のインク圧力が低減し、インクの流れの慣性と駆動パルスの放電過程によって加圧室46内に負圧が発生してインク充填行程へ移行する。このとき、図示しないインクタンクから供給されたインクは共通液室48に流入し、共通液室47からインク供給口49を経て流体抵抗部47を通り、加圧室46内に充填される。
【0041】
なお、流体抵抗部47は、吐出後の残留圧力振動の減衰に効果が有る反面、表面張力による最充填(リフィル)に対して抵抗になる。流体抵抗部47の流体抵抗値を適宜に選択することで、残留圧力の減衰とリフィル時間のバランスが取れ、次のインク滴吐出動作に移行するまでの時間(駆動周期)を短くできる。
【0042】
次に、このインクジェット記録装置の制御部の概要について図6を参照して説明する。
この制御部は、この記録装置全体の制御を司るマイクロコンピュータ(以下、「CPU」と称する。)80と、所要の固定情報を格納したROM81と、ワーキングメモリ等として使用するRAM82と、ホスト側から転送される画像データ(ドットデータ或いはドットパターンデータと称する。)を格納する画像メモリ(ラスデータメモリ)83と、パラレル入出力(PIO)ポート84と、パラレル入出力(PIO)ポート86と、ヘッド駆動回路88及びドライバ89等を備えている。
【0043】
ここで、PIOポート84にはホストのプリンタドライバ側から転送される画像データなどの各種情報及びデータ、操作パネル90からの各種指示、選択情報、環境温度を検出する温度センサ92などの各種センサからの検知信号等が入力され、またこのPIOポート84を介してホスト側や操作パネル90側に対して所要の情報が送出される。
【0044】
ヘッド駆動回路88は、PIOポート86を介して与えられる各種データ及び信号に基づいて、記録ヘッド14を構成する各インクジェットヘッドの圧電素子52に対して選択的に駆動波形を印加してインク滴を吐出させる。さらに、ドライバ89は、PIOポート86を介して与えられる駆動データに応じて主走査モータ17及び副走査モータ27を各々駆動制御することで、キャリッジ13を主走査方向に移動走査し、搬送ローラ24を回転させて用紙3を所定量搬送させる。
【0045】
この制御部のうちのヘッド駆動制御装置に係わる部分について図7を参照して説明する。なお、同図では、本発明の1つの駆動ユニットの駆動制御に係る部分のみを図示している。
ここで、記録ヘッド14を構成する4個のインクジェットヘッドHは、上述したように複数(ここでは128個とする。)のノズル45に対応する128個の圧力発生手段である圧電素子52を有し、各圧電素子52の一方の電極は共通化して共通電極Com(上記の共通電極64である。)としてグランドに接続し、他方の電極は各圧電素子52毎に個別化して選択電極SEL(上記の個別電極63である。)としている。なお、実際にはノズル45は2列設けているので、256個のノズル45を有することになる。
【0046】
ヘッド駆動制御部は、前記CPU、ROM、RAM及び周辺回路を含む主制御部101と記録ヘッド14を構成するインクジェットヘッドを駆動するためのヘッド駆動部88aを備えている。
【0047】
主制御部101は、パ−ソナルコンピュ−タなどの情報処理端末、デジタルカメラ、スキャナなどの画像処理端装置等のホスト側から与えられる画像情報を入力して、ヘッド駆動部88に対してヘッドを駆動するタイミングに合わせて、8bitの電圧デ−タを順次、波形生成部であるD/A変換回路(DAC)103に出力する。
【0048】
DAC103は、与えられた電圧デ−タを例えば0V〜2Vの出力範囲を8bitの分解能で出力する。8bitのデ−タ入力ステップが250nsの場合、駆動波形(駆動信号)の立ち上がり時定数tr=5μs、駆動電圧Vp=30V(フルスケ−ル)のとき、DAC103の出力は20ステップの時間刻みで、約0.1V/ステップで0〜2Vまで上昇する。
【0049】
また、駆動波形の立下り時も同様に、立下り時定数tf=10μsであれば40ステップで5〜3Vまで下降する。さらに、駆動波形に要する時間(立ち上がり開始から、立下り終了までの時間)が50μsとすると、200ステップでフルスケ−ル5Vの駆動波形が形成され、ヘッドの駆動タイミングに合わせて繰り返し出力される。
【0050】
このDAC103から出力される駆動波形はアンプ104を介して3〜30V(フルスケ−ル時)の範囲でDAC出力レベルに応じて電圧増幅される。電圧増幅された駆動波形は、SEPP回路(NPNトランジスタQ1及びPNPトランジスタQ2)等で構成される低インピ−ダンス回路からなる電流増幅部105を介して、選択回路であるPZT選択回路106へ与えられる。
【0051】
ここで、図8に駆動波形の一例を示している。本実施形態におけるヘッドの駆動方式においては、駆動波形の立下り波形要素(a→b)の時間に圧電素子52はヘッド基板(ベース基板)53方向に収縮変位するので、加圧液室46内の容積は拡大し、加圧液室46は減圧される。そして、上記拡大された加圧液室46は駆動波形のホールド波形要素(b→c)時間の間、保持された後、立ち上がり波形要素(c→d)の時間に圧電素子52がノズル板43方向に拡大変位するので、加圧液室46は縮小し、発生される加圧圧力でノズル45からインク滴が噴射される。
【0052】
一方、主制御部101は、インク滴を噴射させるノズル45を指定するためのシリアルデ−タSD(ノズルデ−タ)とシフトクロックSCLK、ラッチ信号/LATをPZT選択回路106へ入力する。
【0053】
PZT選択回路106は、シフトクロックSCLK、およびノズルデータSDを入力とするシフトレジスタ回路(256bit)と、シフトレジスタ回路の各レジスト値をラッチ信号/LATによってラッチするためのラッチ回路(256bit)と、256ビットのレベルシフタ回路と、レベルシフタ回路でオン/オフが制御されるアナログスイッチ群とからなる。
【0054】
アナログスイッチ群は、各圧電素子52の選択電極63に接続され、駆動波形が入力されている。そしてシフトレジスタ回路にシフトクロックSCLK、ノズルデータSDを取りこみ、ラッチ信号/LATによって取りこんだシリアルデ−タをラッチ回路でラッチしてレベルシフタ回路に入力する。このレベルシフタ回路は、データの内容に応じて各圧電素子52に接続されるアナログスイッチをオンすることで、駆動波形が選択された圧電素子52に印加される。
【0055】
このように各圧電素子に印加される駆動波形は、前記DAC103に入力される8bitの電圧デ−タ値を250nsの時間刻みで制御されるので、駆動電圧Vp及び立ち上げ時定数trは、DAC103に入力する電圧デ−タを可変することで容易に制御することができる。
【0056】
そこで、上述したインクジェット記録装置における記録ヘッド14の4個のインクジェットヘッド(以下「ヘッドHBk、ヘッドHC、ヘッドHM、ヘッドHY」とする。)を駆動する本発明に係るヘッド駆動手段であるヘッド駆動部の全体構成について図9及び図10を参照して説明する。
【0057】
ヘッド駆動部88は、4個のヘッドHBk、HC、HM、HYで共有する前述した主制御部101からの電圧データをD/A変換して駆動波形を生成する波形生成手段としてのDAC103及びOPアンプ等で構成した電圧増幅部104と、電圧増幅部104から出力される駆動波形Vcomを入力して電流増幅するNPNトランジスタQ1及びPNPトランジスタQ2等から構成される3個の電流増幅部105a、105b、105cとを有している。
【0058】
ここで、4個のヘッドHBk、HC、HM、HYについて、それぞれ1つのヘッドは複数(この例では3個)の駆動ユニット111a、111b、111cに分割している。すなわち、ヘッドHBk、HC、HM、HYのノズル列のノズルに対応する複数の圧電素子52を所要数毎にグループ化して、各グループを1つの駆動ユニットとしている。
【0059】
そして、各ヘッドHBk、HC、HM、HYの駆動ユニット111aに対応する各PZT選択回路106aには、電流増幅部105aからの出力Vcomaが結線されている(印加されるようにしている)。同様に、各ヘッドHBk、HC、HM、HYの駆動ユニット111bに対応する各PZT選択回路106bには、電流増幅部105bからの出力Vcombが結線されている。また、各ヘッドHBk、HC、HM、HYの駆動ユニット111cに対応する各PZT選択回路106cには、電流増幅部105cからの出力Vcomcが結線されている。したがって、1つの電流増幅部の出力で異なるヘッドにまたがる駆動ユニットを駆動するようにしている。
【0060】
一方、各ヘッドHBk、HC、HM、HYの1つのヘッドに含まれるPZT選択回路106a、106b、106cには主制御部101からの対応するシフトクロックSCLK、ノズルデータSD、ラッチ信号/LATが共通に入力される。
【0061】
このように構成したヘッド駆動部の作用について説明する。
先ず、モノクロのみの画像を印刷するとき、ヘッドHBkのみが駆動されるが、上述したような結線になっているので、ヘッド(圧電素子)駆動のための充放電電流は、ヘッドHBkの各駆動ユニット111a、111b、111cに対して電流増幅部105a、105b、107cから供給されることになる。
【0062】
このため、従来のように1組の電流増幅部からの電流供給ではなく、3組の電流増幅部から電流供給されることになるので、各電流増幅部を構成するトランジスタの発熱は分散されることになる。
【0063】
また、カラ−画像、特にポスター画像のように背景色にベタ画像部分が多い場合も同様で、従来は使用するインク色に依存して電流増幅部のトランジスタが稼動するので、発熱が特定のトランジスタに集中していたが、上記のヘッド駆動部では稼動するトランジスタが分散されるので、各トランジスタの発熱は小さくなる。
【0064】
すなわち、1つのヘッドの1つのノズル列に対応する複数の圧力発生手段を所要数毎に複数の駆動ユニットとして分割して、各分割ユニットをそれぞれ異なる電流増幅部の出力で駆動する。
【0065】
このように、1つの電流増幅部が異なるヘッドにまたがる複数の駆動ユニットを駆動することで、印刷画像に出力される色(インク)が偏っても、特定の電流増幅部に電流が集中しないので、電流増幅部の発熱を分散させることができ、放熱手段の簡素化、低コスト化を図れる。
【0066】
ここで、ヘッドの駆動ユニットによるノズル分割例について図11及び図12を参照して説明する。
図11に示す例は、前述したように各色のインクを吐出する各ヘッドHBk、HC、HM、HYで記録ヘッドを構成し、各ヘッドHBk、HC、HM、HYについて1つのヘッド内を複数の駆動ユニットに分割した例であり、各駆動ユニット111a、111b、111cに対応するノズル領域Na、Nb、Ncのノズル数がほぼ均等になるように3分割した例である。この場合には、電流増幅部105a、105b、105cを構成するトランジスタの電力容量は略同じでよい。勿論、2分割でも4分割以上でもよい。
【0067】
また、図12に示す例は、ブラックインクを吐出するヘッドHBkと、シアン、マゼンタ、イエローのインクを吐出するカラ−ヘッドHCAとで記録ヘッドを構成したものである。カラーヘッドHCAはシアンインクを吐出する複数のノズルからなるノズル列NC、マゼンタインクを吐出する複数のノズルからなるノズル列NM、イエローインクを吐出する複数のノズルからなるノズル列NYを有している。
【0068】
そして、ヘッドBkについては前述したように1つのヘッド内を3つの駆動ユニットに分割している。また、カラーヘッドHCAについても複数のノズル列NC、NM、NYについて、1つのノズル列を3つの駆動ユニットに分割している。、これらのヘッドBk、HCAの各駆動ユニット111a、111b、111cに対応するノズル領域Na、Nb、Ncのノズル数はほぼ均等になるように決定している。
【0069】
このようにヘッドHBkが有するノズル数よりもカラーヘッドHCAが有するノズル数が多い場合でも、各駆動ユニットが担うノズル数を均等にすることで各電流増幅部を構成するトランジスタは同じサイズのものを使うことができる。
【0070】
なお、本発明において各駆動ユニットが担うノズル数は必ずしも均等にする必要はなく、担うノズル数に応じてトランジスタサイズを選定すればよい。ただし、複数の駆動ユニットは、それぞれほぼ同数のノズルに対応した圧力発生手段を駆動することで、各電流増幅部を構成するトランジスタとして同サイズの品種を選定することができ、異なるサイズのトランジスタが混在する場合に比べて、低コストで、搭載面積も小さくできる。
【0071】
また、上記図12の説明からも分かるように、複数のノズルからなる複数のノズル列を有するヘッドを用いる場合、つまり、各色のインクを吐出する複数のノズル列を有するヘッドを備える場合も、1つのノズル列を複数の駆動ユニットに分割して、波形生成部及び複数の電流増幅部を備えて、1つの電流増幅部が異なるノズル列にまたがって複数の駆動ユニットを駆動するように構成することで、印刷画像に出力される色(インク)が偏っても、特定の電流増幅部に電流が集中しないので、電流増幅部の発熱を分散させることができ、放熱手段の簡素化、低コスト化を図れる。
【0072】
次に、実装の形態について図13及び図14を参照して説明する。
先ず、図13に示すように、上述した主制御部101、波形生成部(DAC)103、、電圧増幅部104、電流増幅部105a、105b、105cを本体制御基板に実装し、この本体制御基板側から、駆動波形信号Vcoma、Vcomb、VcomcをFFC又はFPCなどの伝達手段121を介して、キャリッジ13内に設けた中継基板122に電送する構成とする。
【0073】
一方、図14に示すように、圧電素子(PZT)52及びPZT選択回路106a、106b、106cが搭載される各ヘッド基板123Bk、123C、123M、123Yは、駆動波形信号Vcoma、Vcomb、Vcomcを供給する配線(パターン)が、ストレ−トになるように、すなわち、スルーホールで基板裏面を介して他の信号の配線(パターン)と立体交差することがないようにパタ−ニングされ、FFC又はFPCなどの伝達手段124Bk、124C、124M、124Yを介して中継基板122に結線される。なお、駆動波形信号Vcom以外の他の制御信号は図示を省略する。
【0074】
また、中継基板122は、各ヘッド基板123Bk、123C、123M、123Yから結線されたVcoma、Vcomb、Vこmcが本体制御基板にストレ−トで受信できるように配線される。この場合、中継基板122として、両面基板、4層基板等の多層基板を用いれば、容易にパタ−ニングできる。また、上記ヘッド基板123Bk、123C、123M、123Yはパタ−ニングがストレ−ト配線で済むので、片面のみのパタ−ニングで済む。
【0075】
このように、中継基板は、入出力コネクト部のパタ−ンが両者ともにストレ−ト配線で結線できるように基板内配線しているので、汎用で安価なFFCやFPCを入出力ケ−ブルと接続することができるので、ハ−ネスコストを低減することができる。また、ヘッド基板は、駆動波形信号(電流増幅部の出力)は他の信号と交差しないので、信号間の干渉(ノイズ)を受けにくく、波形品質を向上させることができる。
【0076】
なお、ここでの説明では、電圧増幅部及び電流増幅部を本体制御基板に搭載しているが、必要に応じて中継基板に搭載することも可能であり、この場合も本発明を適用することができる。
【0077】
また、上記実施形態では電気機械変換素子を用いるインクジェットヘッドの駆動について説明したが、これに限るものではなく、前述したように静電型ヘッドやサーマル型ヘッド、その他形状記憶合金を用いるヘッドなど、その他の圧力発生手段を用いるヘッドの駆動にも適用することができる。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、1つの電流増幅部が異なるヘッド又はノズル列にまたがる複数の駆動ユニットを駆動することができるので、特定のヘッド又はノズル列を使用する場合でも駆動波形を出力する回路の素子の稼動が均一化され、発熱が低減し、回路規模、放熱手段に要するコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェット記録装置の機構部の一例を示す斜視説明図
【図2】同記録装置の機構部の側断面説明図
【図3】同記録装置の記録ヘッドを構成するインクジェットヘッドの一例を説明するヘッドの液室長辺方向に沿う断面説明図
【図4】同ヘッドの液室短辺方向に沿う断面説明図
【図5】同ヘッドの要部平面説明図
【図6】同記録装置の制御部の概要を説明するブロック図
【図7】同制御部のヘッド駆動制御に係わる部分の1ヘッド分のブロック図
【図8】駆動波形の例を説明する説明図
【図9】同制御部のヘッド駆動部の説明に供するブロック図
【図10】同じくヘッド駆動部の説明に供するブロック図
【図11】ノズル領域と駆動ユニットの分割例の説明に供する説明図
【図12】ノズル領域と駆動ユニットの他の分割例の説明に供する説明図
【図13】同ヘッド駆動部の実装の形態の説明に供する説明図
【図14】同じく実装の形態の説明に供する説明図
【符号の説明】
13…キャリッジ、14…記録ヘッド、41…流路板、42…振動板、43…ノズル板、45…ノズル、46…加圧室、52…圧電素子、88…ヘッド駆動部、103…DAC(波形生成部)、104…電圧増幅部、105、105a、105b、105c…電流増幅部、111a、111b、111c…駆動ユニット。
Claims (7)
- インク滴を吐出する複数のノズルが連通する各加圧液室に対応してそれぞれ設けられた圧力発生手段を有する、複数のヘッドを備えたインクジェット記録装置において、1つのヘッド内が複数の駆動ユニットに分割された前記複数のヘッドを駆動するヘッド駆動手段を備え、このヘッド駆動手段は、駆動波形を生成出力する波形生成部と、この波形生成部からの駆動波形を増幅する複数の電流増幅部とを有し、1つの前記電流増幅部の出力で異なるヘッドにまたがる複数の駆動ユニットを駆動することを特徴とするインクジェット記録装置。
- 請求項1に記載のインクジェット記録装置において、前記複数のヘッドは異なる色のインク毎に設けられ、前記1つの電流増幅部は異なる色のインクの駆動ユニットを駆動することを特徴とするインクジェット記録装置。
- インク滴を吐出する複数のノズルが連通する各加圧液室に対応してそれぞれ設けられた圧力発生手段を有し、前記複数のノズルからなる複数のノズル列を有するヘッドを備えたインクジェット記録装置において、1つのノズル列内が複数の駆動ユニットに分割された前記ヘッドを駆動するヘッド駆動手段を備え、このヘッド駆動手段は、駆動波形を生成出力する波形生成部と、この波形生成部からの駆動波形を増幅する複数の電流増幅部とを有し、1つの前記電流増幅部の出力で異なるノズル列にまたがる複数の駆動ユニットを駆動することを特徴とするインクジェット記録装置。
- 請求項3に記載のインクジェット記録装置において、前記複数のノズル列は、異なる色のインク毎に設けられ、前記1つの電流増幅部は異なる色のインクの駆動ユニットを駆動することを特徴とするインクジェット記録装置。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載のインクジェット記録装置において、前記複数の駆動ユニットは、それぞれほぼ同数のノズルに対応した圧力発生手段を含むことを特徴とするインクジェット記録装置。
- 請求項1ないし5のいずれかに記載のインクジェット記録装置において、前記複数の電流増幅部の出力は、各ヘッドの駆動ユニットを構成する圧力発生手段及び駆動する圧力発生手段を選択する選択回路を有するヘッド基板に中継基板を介して結線され、前記中継基板は入出力コネクト部のパタ−ンが両者ともにストレ−ト配線で結線可能に基板内配線されていることを特徴とするインクジェット記録装置。
- 請求項6に記載のインクジェット記録装置において、前記ヘッド基板は前記中継基板に結線され、ヘッド基板内の駆動波形信号の配線は他の信号の配線と交差しないことを特徴とするインクジェット記録装置。
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Cited By (5)
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JP2006272906A (ja) * | 2005-03-30 | 2006-10-12 | Seiko Epson Corp | 液体吐出装置、及び、液体吐出方法 |
JP2006272907A (ja) * | 2005-03-30 | 2006-10-12 | Seiko Epson Corp | 液体吐出装置、及び、液体吐出方法 |
KR101012939B1 (ko) | 2007-07-25 | 2011-02-08 | 세이코 엡슨 가부시키가이샤 | 액상체의 토출 방법, 컬러 필터의 제조 방법, 유기 el소자의 제조 방법 |
EP2386247A1 (en) | 2004-12-28 | 2011-11-16 | Sony Corporation | Bioimaging apparatus |
US8764143B2 (en) | 2011-06-01 | 2014-07-01 | Ricoh Company, Limited | Image forming apparatus and drive-voltage generating circuit |
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2002
- 2002-12-18 JP JP2002366620A patent/JP2004195792A/ja active Pending
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