JP2004188761A - 記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】位置検出手段に基づいて、記録を制御するシリアルタイプの記録装置において、コストアップ、サイズアップを伴うことなく、記録材(インクタンク等)の交換を検知可能とすることにより、確実かつ無駄のない記録を可能とする記録装置を提供する。
【解決手段】記録媒体に画像を形成する記録ヘッドと、前記記録媒体を副走査方向へ搬送するための搬送手段及びガイド手段と、前記記録ヘッドを保持し主走査方向に走査可能なキャリッジおよび該キャリッジ位置を認識する位置検出手段と、該位置検出手段による情報により、記録制御またはキャリッジ走査制御する手段とを有する記録装置において、
記録材の交換位置でのユーザ操作によるキャリッジ挙動を該位置検出手段によって検出することにより、記録材が交換されたことを認識できる構成とした。
【選択図】 図1
【解決手段】記録媒体に画像を形成する記録ヘッドと、前記記録媒体を副走査方向へ搬送するための搬送手段及びガイド手段と、前記記録ヘッドを保持し主走査方向に走査可能なキャリッジおよび該キャリッジ位置を認識する位置検出手段と、該位置検出手段による情報により、記録制御またはキャリッジ走査制御する手段とを有する記録装置において、
記録材の交換位置でのユーザ操作によるキャリッジ挙動を該位置検出手段によって検出することにより、記録材が交換されたことを認識できる構成とした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はファクシミリ,複写機,プリンター等の記録装置に係り、特に記録ヘッドに装着される記録材の交換の認識に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ、複写機、ファクシミリ等の機能を有する記録装置、あるいはコンピュータやワードプロセッサ等を含む複合型電子機器やワークステーションの出力機器として用いられる記録装置は、画像情報に基づいて用紙やプラスチック薄板などの被記録材(記録媒体)に画像を記録していくように構成されている。このような記録装置は、記録方式により、インクジェット式、ワイヤードット式、サーマル式、レーザービーム式などに分けることができる。
【0003】
被記録材の搬送方向(副走査方向)と交差する方向の主走査するシリアルスキャン方式を採るシリアルタイプの記録装置においては、被記録材に沿って移動するキャリッジ上に搭載した記録手段によって画像を記録(主走査)し、1行分の記録を終了した後に所定量の紙送り(ピッチ搬送)を行い、その後に再び停止した記録媒体に対して、次の行の画像を記録(主走査)するという動作を繰り返すことにより、被記録材全体の記録が行われる。
上記記録装置のうち、インクジェット記録装置は、記録手段(記録ヘッド)から被記録材にインクを吐出して記録を行うものであり、記録手段のコンパクト化が容易であり、高精細な画像を高速で記録することができ、普通紙に特別の処理を必要とせずに記録することができ、ランニングコストが安く、ノンインパクト方式であるため騒音が少なく、しかも、多色のインクを使用してカラー画像を記録するのが容易であるなどの利点を有している。
また、キャリッジ上に記録ヘッドと交換可能なインクタンク(記録材)を搭載した構成は、省スペースやユーザメンテナンス性に優れており、インクジェット記録装置の主流となっている。
【0004】
特に、熱エネルギを利用してインクを吐出するインクジェット式の記録手段(記録ヘッド)は、エッチング、蒸着、スパッタリングなどの半導体製造プロセスを経て、基板上に成膜された電気熱変換体、電極、液路壁、天板などを形成することにより、高密度の液路配置(吐出口配置)を有するものを容易に製造することができ、一層のコンパクト化を図ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の記録装置においては、以下に述べる問題があった。
インクタンクを交換した場合には、記録前準備として、インクタンクと記録ヘッドのジョイント部から記録ヘッド先端のインク吐出部までインクを導くことが必要である。
【0006】
これに対し、光学式センサによるインク量確認や、インクタンクへのID付与等の認識手段を有する構成においては、この手段によって、インクタンク交換を認識し、記録前準備を行っているが、コストアップは大きいものとなるし、ID付与では、プラスチック製のタンクに金属をジョイントさせることで、リサイクル性等を損ねるといった問題も発生していた。
一方、認識手段を持たない構成では、ユーザがインクタンクを交換した時に、プリンタドライバからの操作やキー操作等により、記録前準備を行う必要がある。
この場合には、操作忘れによる記録不良といった問題となる。
もう一方では、外装カバーにスイッチを設け、これを開けた場合には、インクタンクを交換可能な位置にキャリッジが移動し、外装カバーを閉めるとキャリッジが元の記録待機位置に戻る構成として、この操作があった場合には、実際にインクタンクの交換の有無にかかわらず、記録前準備を行い上記操作忘れを回避している。しかし、実際にインクタンクを交換していない場合(記録媒体の厚みに対応させるレバー選択やジャム処理等)においても、記録前準備を行うこととなり、記録材の無駄、記録前準備に要する時間を無駄にしていた。
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、コストアップやサイズアップを伴うことなく、記録材(インクタンク)交換の認識を可能とする記録装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、記録媒体に画像を形成する記録ヘッドと、前記記録媒体を副走査方向へ搬送するための搬送手段及びガイド手段と、前記記録ヘッドを保持し主走査方向に走査可能なキャリッジおよび該キャリッジ位置を認識する位置検出手段と、該検出手段による情報により、記録制御またはキャリッジ走査制御する手段とを有する記録装置において、
記録材の交換位置でのユーザ操作によるキャリッジ挙動を該位置検出手段によって検出することにより、記録材の交換を認識することを特徴とする。
【0008】
上記ユーザ操作によるキャリッジ挙動の検出による記録材の交換認識は、
前記交換位置に移動後、移動検出→一定量の停止→移動検出のパターンであった場合に交換したと認識する構成としている。
【0009】
記録材の交換位置でのユーザ操作によるキャリッジ挙動位置検出は、記録制御またはキャリッジ走査制御のための位置検出方法とは異なる構成としている。
該記録装置の外装カバーの開閉を認識できるカバースイッチを設け、カバーオープン時に記録材の交換位置でのユーザ操作を可能に構成している。
【0010】
記録材の交換を認識した場合にのみ、記録材交換後のための記録前準備を行う構成としている。
【0011】
記録材交換位置でのユーザ操作によるキャリッジ挙動を該位置検出手段によって検出すること、および該位置検出をトリガーとしたキャリッジ動作によって、記録材の有無状態を検出することにより、記録材の交換を認識する構成としている。
【0012】
前記記録材の有無状態検出は、該交換位置近傍に記録装置の内部部品により突き当て手段、各記録材を記録ヘッドから外した場合に突出する小突起であり、該キャリッジ動作により、該突き当て手段と該小突起との相互位置を認識する構成としている。
上記記録材の交換認識を記録材の残量認識のための情報とする構成としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して、本発明に係る記録装置を実施する形態について説明する。ここでは記録装置としてインクジェット記録装置を例にとるが、本発明はこれに限られない。
【0014】
(第1の実施の形態)
先ず、本発明の記録材の交換認識構成を説明するにあたって、当該記録材交換構成を適用できるインクジェット記録装置の概略構成について図1、図2及び図3を用いて説明する。図3は本発明に好適なインクジェット記録装置本体の斜視図であり、図1は図3から上部ケース50および外装カバー51をはずした状態の斜視説明図、図2は本発明に好適なインクジェット記録装置本体の主要部断面図を示す。
【0015】
本実施形態のインクジェット記録装置は、自動給紙装置(オートシートフィーダ;ASF)と一体型の記録装置であり、図1および図2に示すように給紙部1、送紙部13、排紙部33、キャリッジ部25、クリーニング部38等を装備している。
【0016】
給紙部1は装置本体の設置面に対して30°〜60°の角度の傾きで装置本体に取り付けられており、ここにセットされた記録シートPは記録後水平に排出されるように構成されている。給紙部1には、給紙ローラ2、可動サイドガイド4、フレーム5、圧板6、圧板ばね7、駆動ギア列23等を装備している。駆動ギア列23に連結したカムにより、圧板6を上下させ、記録シートP(不図示)と給紙ローラ2との圧接、離反を行うとともに、給紙ローラ2の回転に伴い、記録シートPがピックアップされ、給紙ローラ2に付勢され、トルクリミッタを内蔵したリタードローラ8により、1枚ずつ分離される。分離された記録シートPは後述する送紙部13へ送られる。給紙ローラ2と上記カムは、記録シートPを送紙部13へ送り込むまで1回転し、再び圧板6を給紙ローラ2に対してリリースした状態で給紙ローラ2への駆動が切られ、このイニシャル状態(初期状態)を保持する。
【0017】
送紙部13は、搬送ローラ14、ピンチローラ15、ピンチローラガイド16、ピンチローラばね17、PEセンサレバー18、PEセンサ19、PEセンサばね20、プラテン22等を装備している。送紙部13に送られた記録シートPは、プラテン22とピンチローラガイド16にガイドされて、搬送ローラ14とピンチローラ15とのニップ部に送られる。このローラ対14,15のシート搬送方向上流側にはPEセンサレバー18が設けられており、記録シートPの先端を検知し、記録シートPの記録開始位置を定める基準となる。
【0018】
ピンチローラ15は、ピンチローラガイド16をピンチローラばね17により付勢することで、搬送ローラ14に押圧されており、搬送ローラ14の回転に従動回転して記録シートPの搬送力を生み出している。搬送ローラ14とピンチローラ15との間に搬送された記録シートPは、LFモータ(不図示)を駆動することにより、搬送ローラ14およびピンチローラ15を回転させてプラテン22上を記録開始位置まで所定量搬送される。そして記録ヘッド24により所定の画像情報に基づいた記録を行なうように構成されている。
【0019】
記録ヘッド24は搬送ローラ14及びピンチローラ15により搬送された記録シートPにインク像を記録するものである。この装置における記録手段としては、記録ヘッド24からインクを吐出して記録するインクジェット記録方式を用いている。即ち、この記録ヘッドは微細な液体吐出口(オリフィス)、液路及びこの液路の一部に設けられるエネルギー作用部と、該作用部にある液体に作用させる液滴形成エネルギーを発生するエネルギー発生手段を備えている。
【0020】
このようなエネルギーを発生するエネルギー発生手段としてはピエゾ素子等の電気機械変換体を用いた記録方法、レーザー等の電磁波を照射して発熱させ、該発熱による作用で液滴を吐出させるエネルギー発生手段を用いた記録方法、あるいは発熱抵抗体を有する発熱素子等の電気熱変換体によって液体を加熱して液体を吐出させるエネルギー発生手段を用いた記録方法等がある。
【0021】
その中でも熱エネルギーによって液体を吐出させるインクジェット記録方法に用いられる記録ヘッドは、記録用の液滴を吐出して吐出用液滴を形成するための液体吐出口(オリフィス)を高密度に配列することができるために高解像度の記録をすることが可能である。その中でも電気熱変換体をエネルギー発生手段として用いた記録ヘッドは、コンパクト化も容易であり、且つ最近の半導体分野における技術の進歩と信頼性の向上が著しいIC技術やマイクロ加工技術の長所を十二分に活用でき、高密度実装化が容易で、製造コストも安価なことから有利である。
【0022】
キャリッジ部25は、記録ヘッド24を取り付けるキャリッジ26と、キャリッジ26をシート搬送方向(副走査方向)と交差する方向(例えば直角方向)に往復走査(主走査)させるためのガイド軸27と、キャリッジ26の後端を保持し、記録ヘッド24と記録シートPとの間の距離を維持するガイドレール28と、キャリッジモータ29の駆動をキャリッジ26に伝達するタイミングベルト30と、タイミングベルト30を張設するアイドルプーリ31と、記録ヘッド24へ電気基板(不図示)からのヘッド駆動信号を伝達するためのフレキシブルケーブル(不図示)等を装備している。記録ヘッド24はインクタンク40,41と別体で構成され、インクタンク交換可能であり、キャリッジ26と一体となって走査されることにより、プラテン22上を搬送される記録シートPにインク像を記録する。
【0023】
排紙部33は、排紙ローラ34と、排紙ローラ34に搬送ローラ14の駆動を伝達する伝達ギア(不図示)と、記録シートPの排出を補助する拍車36と、排紙トレイ(不図示)等を装備している。排紙ローラ34および拍車36により記録後の記録シートPを記録面を汚すことなく排紙トレイ(不図示)上に排出する。
【0024】
クリーニング部38は、記録ヘッド24のクリーニングを行なうチューブポンプ(不図示)と、記録ヘッド24の液体吐出口(オリフィス)の乾燥を抑えるためのキャップ(不図示)と、及び搬送ローラ14からの駆動をポンプ(不図示)に伝達するギア列(不図示)等を装備している。上記ギア列(不図示)は、クリーニング部38での切換え手段により、クリーニング時以外は、搬送ローラ14の駆動はチューブポンプ(不図示)へは伝達しない。
【0025】
また、搬送ローラ14等を駆動するLFモータ(不図示)は、図示しないドライバにより送られる信号に応じて、所定の角度だけ回転するステッピングモータを用いている。一方、キャリッジ26を駆動するキャリッジモータ29は、DCモータであり、キャリッジ26上に搭載されたエンコーダ素子42により、シャーシ100の両側の側板100a、100bで一定張力で保持されたリニアスケール43のスリットを検出して、フィードバックによるキャリッジ位置制御および記録制御が実施される。
【0026】
以上の構成により、記録装置本体は給紙、印刷、排紙の印字シーケンス、および記録ヘッドの保護が可能となっている。
【0027】
次に図4、図5、図6、図7を参照して、本発明の記録材の交換認識手段を説明する。図4は、図3の状態で外装カバー51を開けた時にキャリッジ26がインクタンク交換部に移動した位置での一部詳細斜視図を示し、図5は同一部詳細平面図を示す。また、図6はエンコーダ素子の出力信号を示したものである。
【0028】
図4、図5において、インクタンク40には黒インク、インクタンク41にはシアン、マゼンタ、イエローの3色のインクが充填され、記録ヘッド24上でのジョイント部(24Bk、24C、24M、24Y)を介して、各色のノズル列に連結している。
【0029】
インクタンク40は該ジョイント部周囲に設けられた弾性部材と記録ヘッド24の壁24aの間で確実に保持され、インクの漏れやがたつきを抑制している。
この構成の元にインクタンク40を記録ヘッド24からはずす場合には、手がかり部40aをA方向に引いて、記録ヘッド壁24aから外した後、上方(B方向)に引き上げる順序で対応する。これは、ほぼ一連の動作として、操作可能である。装着する場合には、この逆の順序で行う。インクタンク41についても同様である。
【0030】
以上の構成においては、はずし動作においても装着動作においても、エンコーダの検出可能な方向(主走査方向)とは90°ずれてはいるものの、キャリッジ26は主走査方向の摺動性は非常に良いため、操作時にはエンコーダにより、微小のずれを検出することが可能である。
【0031】
この出力波形を示したものが図6である。図6において、このエンコーダシステムは基本ピッチが300dpi(1インチ当たり300スリット)であり、各相の1周期がこれに相当する。また、A相に対するB相の遅れを見ることで、移動方向を検出することができる。
【0032】
以上の構成の元にインクタンクの交換を行った場合には、図7に示すように2つのキャリッジ移動の間に一定量の停止のあるエンコーダ出力信号が得られる。
ここでは、はずし動作において一方向に移動し、装着動作においてはずし動作と逆方向に移動し、移動量も若干小さかった例を示している。これによって、インクタンクの交換が行われたことを認識可能となり、外装カバーオープン時にインクタンク交換をしなかった場合においても、記録前準備のためのインクや時間の無駄を無くすことが可能となる。
【0033】
なお、この実施の形態において、他の操作(紙間調整レバー)などを何度か触ることでインクタンク交換として認識してしまう誤検知も皆無とは言えないが、まれであり、効果が大きく軽減してしまうレベルでないことは明白である。
【0034】
(第2の実施の形態)
実施例1においては、図5における300dpiでの検出例を示したが、これは、CRモータ制御や記録制御においては、図8に示すように、エンコーダ素子の性能上、1周期内でのXとYの比率が正確に1:1でないこと、A相とB相が正確に90°(−90°)の遅れでないため、A相の立ち上がりを基準として、駆動するパルスを形成する制御をおこなっている構成であり、ここでのインクタンク交換検出については、1周期の中の精度自体は大きな意味を持たないため、各相の立ち上がり、立ち下がりを検出することで、1200dpi相当の検出をすることができる。1200dpiであれば、約20μmの移動をも検出することができるため、操作時のキャリッジ移動について、さらに確実性を持たせることができる。
【0035】
(第3の実施の形態)
実施例1および2においては、インクタンクを交換したこと自体を認識する構成としたが、以下の構成とすることによって、複数のインクタンクを有する構成において、交換されたインクタンクの種類を認識することが可能となる。
【0036】
図9はキャリッジ周辺の側面概略図を示し、図10は図5と同様の平面図を示す。ここで、(各インクタンクに対応)キャリッジ26上には回転可能に支持されるとともに、ばね(不図示)により、C方向に付勢されたタンクレバー60(61)が装着されている。このタンクレバー60(61)は、インクタンク40(41)が装着されている場合には、60a(61a)の位置、はずした場合には、60b(61b)の位置に回転する構成であり、該60b(61b)の位置にある場合には、キャリッジ26をD方向に移動させることで、シャーシ100上に設けられた突き当て部100cに突き当たる構成となっている。
【0037】
以上の構成の元に、図11にフローで説明する。S101で外装カバーを開けたことを不図示のカバーSWで検出し、S102でインクタンク交換位置にキャリッジを移動する。次にS103において、移動を検出して、S104でキャリッジをD方向に一定量(どちらのタンクレバーがでも突き当たる量)移動させる。ここで、インクタンク40(41)をはずした場合であれば、S105でキャリッジの一定量移動で突き当たりが発生し、移動量によって、S106、S107でインクタンク40であるか、インクタンク41であるかを判定する。
【0038】
一方、S103において、移動を検出しなかった場合や、S105でキャリッジの突き当たりを検出しなかった場合には、このシーケンスの中でループし、一定時間xを越えた所で、記録ヘッド保護のため、S108の記録待機位置に移動する。
【0039】
S106、S107ではずされたインクタンクの種類を認識した後に、S111で2回目の移動を検出し(インクタンク装着と想定)、S112の外装カバークローズでS113の記録待機位置に移動、S114の交換されたインクタンクについてのみ、記録前準備を行い、S115で記録を行う。S111で移動を検出できなかった場合には、S103と同様に一定時間xを越えた所で、記録ヘッド保護のため、S108の記録待機位置に移動する。
【0040】
この構成によれば、複数のインクタンクを有する構成において、交換されたインクタンクの種類を認識することができ、インクタンク交換位置に移動した後にインクタンクが交換されなかった場合のインクの無駄や記録準備のための時間の無駄の削除に加え、交換された記録材のみについて、記録前準備を行うことが可能となり、一層、有利な構成とすることができる。
【0041】
ここでは、2つのインクタンク構成を例として説明したが、ここで説明したカラータンク内のシアン、マゼンタ、イエローを各色独立としたいわゆる4色独立(黒+カラー3色)、あるいは薄いシアン、薄いマゼンタを加えた6色独立タンクの構成においても成立することは明らかである。さらに、インクタンク有無状態の検出構成についても、ここで示した突き当て構成に限定されるものでなく、他の手段であっても同様の効果を得られることは明らかである。
【0042】
そして、本発明のインクタンク交換認識については、インクタンクの残量をカウントする際のリセット手段として適用することができ、記録装置として、ユーザ操作性を大きく向上させることができる。また、他の検出手段と併用することで、さらに操作性を向上できることは明白である。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、 記録媒体に画像を形成する記録ヘッドと、前記記録媒体を副走査方向へ搬送するための搬送手段及びガイド手段と、前記記録ヘッドを保持し主走査方向に走査可能なキャリッジおよび該キャリッジ位置を認識する位置検出手段と、該検出手段による情報により、記録制御またはキャリッジ走査制御する手段とを有する記録装置において、記録材の交換位置でのユーザ操作によるキャリッジ挙動を該位置検出手段によって検出することにより、記録材が交換されたことを認識できる構成とした。
【0044】
この構成とすることによって、記録装置のコストアップ、サイズアップ等を伴うことなく、記録材が交換された場合にのみ、確実に記録準備(インク吸引等)を行うことができ、記録材交換位置に移動した後に記録材が交換されなかった場合の記録材の無駄や記録準備のための時間の無駄をなくすことができる。
【0045】
さらに、記録材の着脱による状態変化を検出する構成を付与することによって、複数の記録材を有する構成において、各記録材の交換を認識可能とした。
具体例としては、交換位置近傍に突き当て手段を設けるとともに、各記録材を記録ヘッドから外した場合に突出する小突起を設け、キャリッジ挙動をトリガーとして、キャリッジの移動を行い、該突き当て手段と該小突起との相互位置を認識することで、記録材の有無状態を検出することにより、各記録材の交換を認識可能とした。
これによれば、該突起を直接認識することにより、さらに確実に記録材の交換を認識できるとともに、各色が独立した記録材の場合や、黒色とカラーが別となった記録材の様に複数の記録材を有する構成において、交換された記録材の種類をも認識することも可能となり、前記、記録材交換位置に移動した後に記録材が交換されなかった場合の記録材の無駄や記録準備のための時間の無駄の削除に加え、交換された記録材のみについて、記録前準備を行うことが可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に好適な記録装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】本発明に好適な記録装置の概略構成を示す縦断面図である。
【図3】本発明に好適な記録装置の概略構成を示す斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る、インクタンク交換部に移動した位置での一部詳細斜視図
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る、インクタンク交換部に移動した位置での一部詳細平面図
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る、エンコーダの出力波形の説明図
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る、エンコーダの出力波形の説明図
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る、エンコーダの出力波形の説明図
【図9】本発明の第3の実施の形態に係る、インクタンク交換部に移動した位置での側面概略図
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る、インクタンク交換部に移動した位置での一部詳細平面図
【図11】本発明の第3の実施の形態に係る、インクタンク交換部でのフローチャート
【符号の説明】
1 給紙部
2 給紙ローラ
4 可動サイドガイド
5 フレーム
6 圧板
7 圧板ばね
8 リタードローラ
13 送紙部
14 搬送ローラ
15 ピンチローラ
16 ピンチローラガイド
17 ピンチローラばね
18 PEセンサレバー
19 PE(ペーパーエンド)センサ
20 PEセンサばね
22 プラテン
23 駆動ギア列
24 記録ヘッド
25 キャリッジ部
26 キャリッジ
27 ガイド軸
28 ガイドレール
29 キャリッジモータ
30 タイミングベルト
31 アイドルプーリ
33 排紙部
34 排紙ローラ
36 拍車
38 クリーニング部
40,41 インクタンク
42 エンコーダ素子
43 リニアスケール
50 上部ケース
51 外装カバー
52 外装ベース
100 シャーシ
100a、100b シャーシ(側板)
【発明の属する技術分野】
本発明はファクシミリ,複写機,プリンター等の記録装置に係り、特に記録ヘッドに装着される記録材の交換の認識に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ、複写機、ファクシミリ等の機能を有する記録装置、あるいはコンピュータやワードプロセッサ等を含む複合型電子機器やワークステーションの出力機器として用いられる記録装置は、画像情報に基づいて用紙やプラスチック薄板などの被記録材(記録媒体)に画像を記録していくように構成されている。このような記録装置は、記録方式により、インクジェット式、ワイヤードット式、サーマル式、レーザービーム式などに分けることができる。
【0003】
被記録材の搬送方向(副走査方向)と交差する方向の主走査するシリアルスキャン方式を採るシリアルタイプの記録装置においては、被記録材に沿って移動するキャリッジ上に搭載した記録手段によって画像を記録(主走査)し、1行分の記録を終了した後に所定量の紙送り(ピッチ搬送)を行い、その後に再び停止した記録媒体に対して、次の行の画像を記録(主走査)するという動作を繰り返すことにより、被記録材全体の記録が行われる。
上記記録装置のうち、インクジェット記録装置は、記録手段(記録ヘッド)から被記録材にインクを吐出して記録を行うものであり、記録手段のコンパクト化が容易であり、高精細な画像を高速で記録することができ、普通紙に特別の処理を必要とせずに記録することができ、ランニングコストが安く、ノンインパクト方式であるため騒音が少なく、しかも、多色のインクを使用してカラー画像を記録するのが容易であるなどの利点を有している。
また、キャリッジ上に記録ヘッドと交換可能なインクタンク(記録材)を搭載した構成は、省スペースやユーザメンテナンス性に優れており、インクジェット記録装置の主流となっている。
【0004】
特に、熱エネルギを利用してインクを吐出するインクジェット式の記録手段(記録ヘッド)は、エッチング、蒸着、スパッタリングなどの半導体製造プロセスを経て、基板上に成膜された電気熱変換体、電極、液路壁、天板などを形成することにより、高密度の液路配置(吐出口配置)を有するものを容易に製造することができ、一層のコンパクト化を図ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の記録装置においては、以下に述べる問題があった。
インクタンクを交換した場合には、記録前準備として、インクタンクと記録ヘッドのジョイント部から記録ヘッド先端のインク吐出部までインクを導くことが必要である。
【0006】
これに対し、光学式センサによるインク量確認や、インクタンクへのID付与等の認識手段を有する構成においては、この手段によって、インクタンク交換を認識し、記録前準備を行っているが、コストアップは大きいものとなるし、ID付与では、プラスチック製のタンクに金属をジョイントさせることで、リサイクル性等を損ねるといった問題も発生していた。
一方、認識手段を持たない構成では、ユーザがインクタンクを交換した時に、プリンタドライバからの操作やキー操作等により、記録前準備を行う必要がある。
この場合には、操作忘れによる記録不良といった問題となる。
もう一方では、外装カバーにスイッチを設け、これを開けた場合には、インクタンクを交換可能な位置にキャリッジが移動し、外装カバーを閉めるとキャリッジが元の記録待機位置に戻る構成として、この操作があった場合には、実際にインクタンクの交換の有無にかかわらず、記録前準備を行い上記操作忘れを回避している。しかし、実際にインクタンクを交換していない場合(記録媒体の厚みに対応させるレバー選択やジャム処理等)においても、記録前準備を行うこととなり、記録材の無駄、記録前準備に要する時間を無駄にしていた。
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、コストアップやサイズアップを伴うことなく、記録材(インクタンク)交換の認識を可能とする記録装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、記録媒体に画像を形成する記録ヘッドと、前記記録媒体を副走査方向へ搬送するための搬送手段及びガイド手段と、前記記録ヘッドを保持し主走査方向に走査可能なキャリッジおよび該キャリッジ位置を認識する位置検出手段と、該検出手段による情報により、記録制御またはキャリッジ走査制御する手段とを有する記録装置において、
記録材の交換位置でのユーザ操作によるキャリッジ挙動を該位置検出手段によって検出することにより、記録材の交換を認識することを特徴とする。
【0008】
上記ユーザ操作によるキャリッジ挙動の検出による記録材の交換認識は、
前記交換位置に移動後、移動検出→一定量の停止→移動検出のパターンであった場合に交換したと認識する構成としている。
【0009】
記録材の交換位置でのユーザ操作によるキャリッジ挙動位置検出は、記録制御またはキャリッジ走査制御のための位置検出方法とは異なる構成としている。
該記録装置の外装カバーの開閉を認識できるカバースイッチを設け、カバーオープン時に記録材の交換位置でのユーザ操作を可能に構成している。
【0010】
記録材の交換を認識した場合にのみ、記録材交換後のための記録前準備を行う構成としている。
【0011】
記録材交換位置でのユーザ操作によるキャリッジ挙動を該位置検出手段によって検出すること、および該位置検出をトリガーとしたキャリッジ動作によって、記録材の有無状態を検出することにより、記録材の交換を認識する構成としている。
【0012】
前記記録材の有無状態検出は、該交換位置近傍に記録装置の内部部品により突き当て手段、各記録材を記録ヘッドから外した場合に突出する小突起であり、該キャリッジ動作により、該突き当て手段と該小突起との相互位置を認識する構成としている。
上記記録材の交換認識を記録材の残量認識のための情報とする構成としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して、本発明に係る記録装置を実施する形態について説明する。ここでは記録装置としてインクジェット記録装置を例にとるが、本発明はこれに限られない。
【0014】
(第1の実施の形態)
先ず、本発明の記録材の交換認識構成を説明するにあたって、当該記録材交換構成を適用できるインクジェット記録装置の概略構成について図1、図2及び図3を用いて説明する。図3は本発明に好適なインクジェット記録装置本体の斜視図であり、図1は図3から上部ケース50および外装カバー51をはずした状態の斜視説明図、図2は本発明に好適なインクジェット記録装置本体の主要部断面図を示す。
【0015】
本実施形態のインクジェット記録装置は、自動給紙装置(オートシートフィーダ;ASF)と一体型の記録装置であり、図1および図2に示すように給紙部1、送紙部13、排紙部33、キャリッジ部25、クリーニング部38等を装備している。
【0016】
給紙部1は装置本体の設置面に対して30°〜60°の角度の傾きで装置本体に取り付けられており、ここにセットされた記録シートPは記録後水平に排出されるように構成されている。給紙部1には、給紙ローラ2、可動サイドガイド4、フレーム5、圧板6、圧板ばね7、駆動ギア列23等を装備している。駆動ギア列23に連結したカムにより、圧板6を上下させ、記録シートP(不図示)と給紙ローラ2との圧接、離反を行うとともに、給紙ローラ2の回転に伴い、記録シートPがピックアップされ、給紙ローラ2に付勢され、トルクリミッタを内蔵したリタードローラ8により、1枚ずつ分離される。分離された記録シートPは後述する送紙部13へ送られる。給紙ローラ2と上記カムは、記録シートPを送紙部13へ送り込むまで1回転し、再び圧板6を給紙ローラ2に対してリリースした状態で給紙ローラ2への駆動が切られ、このイニシャル状態(初期状態)を保持する。
【0017】
送紙部13は、搬送ローラ14、ピンチローラ15、ピンチローラガイド16、ピンチローラばね17、PEセンサレバー18、PEセンサ19、PEセンサばね20、プラテン22等を装備している。送紙部13に送られた記録シートPは、プラテン22とピンチローラガイド16にガイドされて、搬送ローラ14とピンチローラ15とのニップ部に送られる。このローラ対14,15のシート搬送方向上流側にはPEセンサレバー18が設けられており、記録シートPの先端を検知し、記録シートPの記録開始位置を定める基準となる。
【0018】
ピンチローラ15は、ピンチローラガイド16をピンチローラばね17により付勢することで、搬送ローラ14に押圧されており、搬送ローラ14の回転に従動回転して記録シートPの搬送力を生み出している。搬送ローラ14とピンチローラ15との間に搬送された記録シートPは、LFモータ(不図示)を駆動することにより、搬送ローラ14およびピンチローラ15を回転させてプラテン22上を記録開始位置まで所定量搬送される。そして記録ヘッド24により所定の画像情報に基づいた記録を行なうように構成されている。
【0019】
記録ヘッド24は搬送ローラ14及びピンチローラ15により搬送された記録シートPにインク像を記録するものである。この装置における記録手段としては、記録ヘッド24からインクを吐出して記録するインクジェット記録方式を用いている。即ち、この記録ヘッドは微細な液体吐出口(オリフィス)、液路及びこの液路の一部に設けられるエネルギー作用部と、該作用部にある液体に作用させる液滴形成エネルギーを発生するエネルギー発生手段を備えている。
【0020】
このようなエネルギーを発生するエネルギー発生手段としてはピエゾ素子等の電気機械変換体を用いた記録方法、レーザー等の電磁波を照射して発熱させ、該発熱による作用で液滴を吐出させるエネルギー発生手段を用いた記録方法、あるいは発熱抵抗体を有する発熱素子等の電気熱変換体によって液体を加熱して液体を吐出させるエネルギー発生手段を用いた記録方法等がある。
【0021】
その中でも熱エネルギーによって液体を吐出させるインクジェット記録方法に用いられる記録ヘッドは、記録用の液滴を吐出して吐出用液滴を形成するための液体吐出口(オリフィス)を高密度に配列することができるために高解像度の記録をすることが可能である。その中でも電気熱変換体をエネルギー発生手段として用いた記録ヘッドは、コンパクト化も容易であり、且つ最近の半導体分野における技術の進歩と信頼性の向上が著しいIC技術やマイクロ加工技術の長所を十二分に活用でき、高密度実装化が容易で、製造コストも安価なことから有利である。
【0022】
キャリッジ部25は、記録ヘッド24を取り付けるキャリッジ26と、キャリッジ26をシート搬送方向(副走査方向)と交差する方向(例えば直角方向)に往復走査(主走査)させるためのガイド軸27と、キャリッジ26の後端を保持し、記録ヘッド24と記録シートPとの間の距離を維持するガイドレール28と、キャリッジモータ29の駆動をキャリッジ26に伝達するタイミングベルト30と、タイミングベルト30を張設するアイドルプーリ31と、記録ヘッド24へ電気基板(不図示)からのヘッド駆動信号を伝達するためのフレキシブルケーブル(不図示)等を装備している。記録ヘッド24はインクタンク40,41と別体で構成され、インクタンク交換可能であり、キャリッジ26と一体となって走査されることにより、プラテン22上を搬送される記録シートPにインク像を記録する。
【0023】
排紙部33は、排紙ローラ34と、排紙ローラ34に搬送ローラ14の駆動を伝達する伝達ギア(不図示)と、記録シートPの排出を補助する拍車36と、排紙トレイ(不図示)等を装備している。排紙ローラ34および拍車36により記録後の記録シートPを記録面を汚すことなく排紙トレイ(不図示)上に排出する。
【0024】
クリーニング部38は、記録ヘッド24のクリーニングを行なうチューブポンプ(不図示)と、記録ヘッド24の液体吐出口(オリフィス)の乾燥を抑えるためのキャップ(不図示)と、及び搬送ローラ14からの駆動をポンプ(不図示)に伝達するギア列(不図示)等を装備している。上記ギア列(不図示)は、クリーニング部38での切換え手段により、クリーニング時以外は、搬送ローラ14の駆動はチューブポンプ(不図示)へは伝達しない。
【0025】
また、搬送ローラ14等を駆動するLFモータ(不図示)は、図示しないドライバにより送られる信号に応じて、所定の角度だけ回転するステッピングモータを用いている。一方、キャリッジ26を駆動するキャリッジモータ29は、DCモータであり、キャリッジ26上に搭載されたエンコーダ素子42により、シャーシ100の両側の側板100a、100bで一定張力で保持されたリニアスケール43のスリットを検出して、フィードバックによるキャリッジ位置制御および記録制御が実施される。
【0026】
以上の構成により、記録装置本体は給紙、印刷、排紙の印字シーケンス、および記録ヘッドの保護が可能となっている。
【0027】
次に図4、図5、図6、図7を参照して、本発明の記録材の交換認識手段を説明する。図4は、図3の状態で外装カバー51を開けた時にキャリッジ26がインクタンク交換部に移動した位置での一部詳細斜視図を示し、図5は同一部詳細平面図を示す。また、図6はエンコーダ素子の出力信号を示したものである。
【0028】
図4、図5において、インクタンク40には黒インク、インクタンク41にはシアン、マゼンタ、イエローの3色のインクが充填され、記録ヘッド24上でのジョイント部(24Bk、24C、24M、24Y)を介して、各色のノズル列に連結している。
【0029】
インクタンク40は該ジョイント部周囲に設けられた弾性部材と記録ヘッド24の壁24aの間で確実に保持され、インクの漏れやがたつきを抑制している。
この構成の元にインクタンク40を記録ヘッド24からはずす場合には、手がかり部40aをA方向に引いて、記録ヘッド壁24aから外した後、上方(B方向)に引き上げる順序で対応する。これは、ほぼ一連の動作として、操作可能である。装着する場合には、この逆の順序で行う。インクタンク41についても同様である。
【0030】
以上の構成においては、はずし動作においても装着動作においても、エンコーダの検出可能な方向(主走査方向)とは90°ずれてはいるものの、キャリッジ26は主走査方向の摺動性は非常に良いため、操作時にはエンコーダにより、微小のずれを検出することが可能である。
【0031】
この出力波形を示したものが図6である。図6において、このエンコーダシステムは基本ピッチが300dpi(1インチ当たり300スリット)であり、各相の1周期がこれに相当する。また、A相に対するB相の遅れを見ることで、移動方向を検出することができる。
【0032】
以上の構成の元にインクタンクの交換を行った場合には、図7に示すように2つのキャリッジ移動の間に一定量の停止のあるエンコーダ出力信号が得られる。
ここでは、はずし動作において一方向に移動し、装着動作においてはずし動作と逆方向に移動し、移動量も若干小さかった例を示している。これによって、インクタンクの交換が行われたことを認識可能となり、外装カバーオープン時にインクタンク交換をしなかった場合においても、記録前準備のためのインクや時間の無駄を無くすことが可能となる。
【0033】
なお、この実施の形態において、他の操作(紙間調整レバー)などを何度か触ることでインクタンク交換として認識してしまう誤検知も皆無とは言えないが、まれであり、効果が大きく軽減してしまうレベルでないことは明白である。
【0034】
(第2の実施の形態)
実施例1においては、図5における300dpiでの検出例を示したが、これは、CRモータ制御や記録制御においては、図8に示すように、エンコーダ素子の性能上、1周期内でのXとYの比率が正確に1:1でないこと、A相とB相が正確に90°(−90°)の遅れでないため、A相の立ち上がりを基準として、駆動するパルスを形成する制御をおこなっている構成であり、ここでのインクタンク交換検出については、1周期の中の精度自体は大きな意味を持たないため、各相の立ち上がり、立ち下がりを検出することで、1200dpi相当の検出をすることができる。1200dpiであれば、約20μmの移動をも検出することができるため、操作時のキャリッジ移動について、さらに確実性を持たせることができる。
【0035】
(第3の実施の形態)
実施例1および2においては、インクタンクを交換したこと自体を認識する構成としたが、以下の構成とすることによって、複数のインクタンクを有する構成において、交換されたインクタンクの種類を認識することが可能となる。
【0036】
図9はキャリッジ周辺の側面概略図を示し、図10は図5と同様の平面図を示す。ここで、(各インクタンクに対応)キャリッジ26上には回転可能に支持されるとともに、ばね(不図示)により、C方向に付勢されたタンクレバー60(61)が装着されている。このタンクレバー60(61)は、インクタンク40(41)が装着されている場合には、60a(61a)の位置、はずした場合には、60b(61b)の位置に回転する構成であり、該60b(61b)の位置にある場合には、キャリッジ26をD方向に移動させることで、シャーシ100上に設けられた突き当て部100cに突き当たる構成となっている。
【0037】
以上の構成の元に、図11にフローで説明する。S101で外装カバーを開けたことを不図示のカバーSWで検出し、S102でインクタンク交換位置にキャリッジを移動する。次にS103において、移動を検出して、S104でキャリッジをD方向に一定量(どちらのタンクレバーがでも突き当たる量)移動させる。ここで、インクタンク40(41)をはずした場合であれば、S105でキャリッジの一定量移動で突き当たりが発生し、移動量によって、S106、S107でインクタンク40であるか、インクタンク41であるかを判定する。
【0038】
一方、S103において、移動を検出しなかった場合や、S105でキャリッジの突き当たりを検出しなかった場合には、このシーケンスの中でループし、一定時間xを越えた所で、記録ヘッド保護のため、S108の記録待機位置に移動する。
【0039】
S106、S107ではずされたインクタンクの種類を認識した後に、S111で2回目の移動を検出し(インクタンク装着と想定)、S112の外装カバークローズでS113の記録待機位置に移動、S114の交換されたインクタンクについてのみ、記録前準備を行い、S115で記録を行う。S111で移動を検出できなかった場合には、S103と同様に一定時間xを越えた所で、記録ヘッド保護のため、S108の記録待機位置に移動する。
【0040】
この構成によれば、複数のインクタンクを有する構成において、交換されたインクタンクの種類を認識することができ、インクタンク交換位置に移動した後にインクタンクが交換されなかった場合のインクの無駄や記録準備のための時間の無駄の削除に加え、交換された記録材のみについて、記録前準備を行うことが可能となり、一層、有利な構成とすることができる。
【0041】
ここでは、2つのインクタンク構成を例として説明したが、ここで説明したカラータンク内のシアン、マゼンタ、イエローを各色独立としたいわゆる4色独立(黒+カラー3色)、あるいは薄いシアン、薄いマゼンタを加えた6色独立タンクの構成においても成立することは明らかである。さらに、インクタンク有無状態の検出構成についても、ここで示した突き当て構成に限定されるものでなく、他の手段であっても同様の効果を得られることは明らかである。
【0042】
そして、本発明のインクタンク交換認識については、インクタンクの残量をカウントする際のリセット手段として適用することができ、記録装置として、ユーザ操作性を大きく向上させることができる。また、他の検出手段と併用することで、さらに操作性を向上できることは明白である。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、 記録媒体に画像を形成する記録ヘッドと、前記記録媒体を副走査方向へ搬送するための搬送手段及びガイド手段と、前記記録ヘッドを保持し主走査方向に走査可能なキャリッジおよび該キャリッジ位置を認識する位置検出手段と、該検出手段による情報により、記録制御またはキャリッジ走査制御する手段とを有する記録装置において、記録材の交換位置でのユーザ操作によるキャリッジ挙動を該位置検出手段によって検出することにより、記録材が交換されたことを認識できる構成とした。
【0044】
この構成とすることによって、記録装置のコストアップ、サイズアップ等を伴うことなく、記録材が交換された場合にのみ、確実に記録準備(インク吸引等)を行うことができ、記録材交換位置に移動した後に記録材が交換されなかった場合の記録材の無駄や記録準備のための時間の無駄をなくすことができる。
【0045】
さらに、記録材の着脱による状態変化を検出する構成を付与することによって、複数の記録材を有する構成において、各記録材の交換を認識可能とした。
具体例としては、交換位置近傍に突き当て手段を設けるとともに、各記録材を記録ヘッドから外した場合に突出する小突起を設け、キャリッジ挙動をトリガーとして、キャリッジの移動を行い、該突き当て手段と該小突起との相互位置を認識することで、記録材の有無状態を検出することにより、各記録材の交換を認識可能とした。
これによれば、該突起を直接認識することにより、さらに確実に記録材の交換を認識できるとともに、各色が独立した記録材の場合や、黒色とカラーが別となった記録材の様に複数の記録材を有する構成において、交換された記録材の種類をも認識することも可能となり、前記、記録材交換位置に移動した後に記録材が交換されなかった場合の記録材の無駄や記録準備のための時間の無駄の削除に加え、交換された記録材のみについて、記録前準備を行うことが可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に好適な記録装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】本発明に好適な記録装置の概略構成を示す縦断面図である。
【図3】本発明に好適な記録装置の概略構成を示す斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る、インクタンク交換部に移動した位置での一部詳細斜視図
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る、インクタンク交換部に移動した位置での一部詳細平面図
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る、エンコーダの出力波形の説明図
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る、エンコーダの出力波形の説明図
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る、エンコーダの出力波形の説明図
【図9】本発明の第3の実施の形態に係る、インクタンク交換部に移動した位置での側面概略図
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る、インクタンク交換部に移動した位置での一部詳細平面図
【図11】本発明の第3の実施の形態に係る、インクタンク交換部でのフローチャート
【符号の説明】
1 給紙部
2 給紙ローラ
4 可動サイドガイド
5 フレーム
6 圧板
7 圧板ばね
8 リタードローラ
13 送紙部
14 搬送ローラ
15 ピンチローラ
16 ピンチローラガイド
17 ピンチローラばね
18 PEセンサレバー
19 PE(ペーパーエンド)センサ
20 PEセンサばね
22 プラテン
23 駆動ギア列
24 記録ヘッド
25 キャリッジ部
26 キャリッジ
27 ガイド軸
28 ガイドレール
29 キャリッジモータ
30 タイミングベルト
31 アイドルプーリ
33 排紙部
34 排紙ローラ
36 拍車
38 クリーニング部
40,41 インクタンク
42 エンコーダ素子
43 リニアスケール
50 上部ケース
51 外装カバー
52 外装ベース
100 シャーシ
100a、100b シャーシ(側板)
Claims (8)
- 記録媒体に画像を形成する記録ヘッドと、前記記録媒体を副走査方向へ搬送するための搬送手段及びガイド手段と、前記記録ヘッドを保持し主走査方向に走査可能なキャリッジおよび該キャリッジ位置を認識する位置検出手段と、該検出手段による情報により、記録制御またはキャリッジ走査制御する手段とを有する記録装置において、
記録材交換位置でのユーザ操作によるキャリッジ挙動を該位置検出手段によって検出することにより、記録材の交換を認識することを特徴とする記録装置。 - 前記ユーザ操作によるキャリッジ挙動の検出による記録材の交換認識は、
前記交換位置に移動後、移動検出→一定量の停止→移動検出のパターンであった場合に交換したと認識すること特徴とする請求項1に記載の記録装置。 - 前記、記録材の交換位置でのユーザ操作によるキャリッジ挙動位置検出は、記録制御またはキャリッジ走査制御のための位置検出方法とは異なることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
- 該記録装置の外装カバーを開閉を認識できるカバースイッチを設け、カバーオープン時に記録材の交換位置でのユーザ操作を可能としたことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
- 記録材の交換を認識した場合にのみ、記録材交換後のための記録前準備を行うことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
- 記録媒体に画像を形成する記録ヘッドと、前記記録媒体を副走査方向へ搬送するための搬送手段及びガイド手段と、前記記録ヘッドを保持し主走査方向に走査可能なキャリッジおよび該キャリッジ位置を認識する位置検出手段と、該検出手段による情報により、記録制御またはキャリッジ走査制御する手段とを有する記録装置において、
記録材交換位置でのユーザ操作によるキャリッジ挙動を該位置検出手段によって検出すること、および該位置検出をトリガーとしたキャリッジ動作によって、記録材の有無状態を検出することにより、記録材の交換を認識することを特徴とする記録装置。 - 前記記録材の有無状態検出は、該交換位置近傍に記録装置の内部部品により突き当て手段、各記録材を記録ヘッドから外した場合に突出する小突起であり、該キャリッジ動作により、該突き当て手段と該小突起との相互位置を認識することを特徴とする請求項6に記載の記録装置。
- 上記記録材の交換認識を記録材の残量認識のための情報とすることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011005735A (ja) * | 2009-06-25 | 2011-01-13 | Olympus Corp | 画像記録装置及び画像記録装置の初期化制御方法 |
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2002
- 2002-12-11 JP JP2002359098A patent/JP2004188761A/ja active Pending
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