JP2004188484A - 薄板への小径ピンの固着方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】肉薄な薄板に穿設した透孔の内径寸法にばらつきがあっても小径なピンを強固にかしめ固着することができる薄板への小径ピンの固着方法を提供する。
【解決手段】可塑性を有する金属板等の薄板に透孔が形成され、この透孔にピンの一端を嵌合すると共にかしめにより固着する突軸固着方法であって、透孔2に小径ピン3の一端を嵌合した後、押圧具10により小径ピン3の周囲の薄板1を板厚方向に押圧し、薄板1の肉を小径ピン3の一端方向に移動させることにより強圧してかしめ固着する。
【選択図】 図1
【解決手段】可塑性を有する金属板等の薄板に透孔が形成され、この透孔にピンの一端を嵌合すると共にかしめにより固着する突軸固着方法であって、透孔2に小径ピン3の一端を嵌合した後、押圧具10により小径ピン3の周囲の薄板1を板厚方向に押圧し、薄板1の肉を小径ピン3の一端方向に移動させることにより強圧してかしめ固着する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、板厚の小さな薄板に小径ピンの一端を固着する方法に関し、特に、薄板の板厚が0.6mm以下の薄板に外径寸法が0.8mm以下の小径ピンを固着する固着方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年における各種機器の軽薄短小化は加速度を増し、種々の加工が微少化している。このような軽薄短小化される機器の部品加工においても、金属板等からなる板材に軸等の小径ピンを形成する加工が行われている。一例としては、図7に示すように、板材から軸等のピンを一体に突出形成する方法が行われる。この形成方法は、プレス機に設置したダイに金属板からなる薄板50を載置した後、裏面からパンチによって凹部50aを押圧形成すると同時に凹部50aの肉を上記ダイの穴に移行させて表面側にピン51を突出させている。
【0003】
ところが、このような方法は、ピン51の高さを薄板50の板厚の2倍程度とすることが限界であり、長尺な高さのピンを形成することができない問題点がある。しかも、ピン51を形成するときに薄板50に応力を与えることから、図7に示すように、薄板50の特にピン51の周囲が変形して平面度を悪化させる要因となる。このような変形は、平押し加工等によって矯正しても、形成時に与えた応力よって経時的に変化することから、熱処理等の他の変形を防止するための処理を行う必要が生ずる。
【0004】
薄板に必要十分な高さのピンを形成する方法としては、一般に薄板に穿設した穴にピンを圧入によって固着する方法が行われる。図8(A)(B)(C)は固着方法を示している。図8(A)は、ピン61を植設するための薄板60であり、ピン61の外径寸法よりもやや小さな内径寸法φ1の穴60aが穿設される。通常の場合、加工された薄板60は、次の工程において、化成処理等によってバリ取りを行う他、メッキ等の表面処理が施される。薄板60にメッキを行う場合には、剥離等を避けるために表面に付着した油脂を除去すると共に、メッキに適する面粗度とするために化成処理等の前処理が施される。
【0005】
ところが、化成処理によって浸食される深さはほぼ一定であるため、薄板の場合には板厚に対する浸食が大きくなる。従って、必然的に図8(B)に示すように、処理後の穴60aの内径寸法φ2が大きくなる。特に上下の表面に近い開口部分が浸食されることから、穴60aの断面形状が略鼓形に形成される。この穴60aにピン61を圧入した場合には、穴径が大きいことに加え、薄板のために圧入代が小さいことから十分な圧力が得られず、しかも、穴60aが略鼓形に形成されていることから、ピン61が薄板60から離脱することがあり、また、図8(C)に示すようにピン61が傾斜する問題が生ずる。
【0006】
薄板にピンを固着する方法として、かしめによる方法が採用されている。特開2002−248531号公報(特許文献1)に開示された方法は、板金70の軸71を接合する位置には、図9(A)に示すように、多角形孔72を穿設し、この多角形孔72に軸71の段差部71aの先端が多角形孔72から突出するように挿通する。次に、断面を円形に形成した軸71の段差部71aの先端を、上記多角形孔72と略同一形状のパンチを用い、板金70の多角形孔72とほぼ同一形状に塑性変形させてかしめる。
【0007】
このようにかしめられた軸71の段差部71aは、多角形孔72の孔側面と多角形の面で面接触させることにより軸71の回転を規制し、より高い回転トルクに耐えることができるようにしている。
【0008】
【特許文献1】
特開特開2002−248531号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述したピンを薄板にかしめによって固着する方法は、多角形孔72と略同一形状のパンチを用いて軸71の段差部71aの先端を塑性変形させてかしめるので、板金70の表面には段差部71aの先端のかしめ部73が突出する。薄型化させようとする機器の部品としては、かしめ部73の突出が障害となる。また、軸71の外径寸法を0.8mm以下の小径とした場合には、段差部71aの形成が困難になる。更に、小径となった段差部71aをかしめるときに、パンチと段差部71aの中心を高精度に一致させる必要なあり、微少寸法のすれが生じてもかしめ部73が偏奇するため、かしめ強度が低下する問題がある。
【0010】
本発明は、上記実状に鑑み、肉薄な薄板に穿設した透孔の内径寸法にばらつきがあっても小径なピンを強固にかしめ固着することができる薄板への小径ピンの固着方法を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の薄板への小径ピンの固着方法は、可塑性を有する金属板等の薄板に透孔が形成され、この透孔にピンの一端を嵌合すると共にかしめにより固着する突軸固着方法であって、上記透孔に小径ピンの一端を嵌合した後、押圧具により上記小径ピンの周囲の上記薄板を板厚方向に押圧し、上記薄板の肉を上記小径ピンの一端方向に移動させることにより強圧してかしめ固着することを特徴としている。
【0012】
かかる請求項1に記載の発明によれば、薄板の肉を小径ピンの一端方向に移動させることによりかしめ固着するので、薄板の形成した透孔の内径寸法にばらつきがあっても、小径ピンを強固に固着することができる。また、薄板の肉の移動によって小径ピンを固着するので、0.8mm以下の小径なピンであっても容易にかしめ固着することができる。更に、小径ピンの一端面を薄板と同一面とすることが可能であり、部品の薄型化が実現できる。
【0013】
また、本発明の請求項2に記載の発明は、上記薄板は板厚が0.6mm以下であり、上記小径ピンの外径寸法が0.8mm以下であることを特徴としている。
【0014】
かかる請求項2に記載の発明によれば、板厚が0.6mm以下の薄板に、外径寸法が0.8mm以下の小径ピンであっても、薄板の肉を移動させることにより小径ピンを固着するので、容易にかしめ固着できる。
【0015】
更に、本発明の請求項3に記載の発明は、上記薄板は、ポンチによって上記透孔を穿設した後、上記薄板や上記透孔内に化成処理もしくはメッキを施したことを特徴としている。
【0016】
かかる請求項3に記載の発明によれば、化成処理もしくはメッキによって薄板や透孔内の内径寸法が大きくばらつくが、薄板の肉の移動によってピンを固着するので、透孔の内径寸法のばらつきを吸収することができ、必要な強度によって小径ピンをかしめ固着することができる。
【0017】
また、本発明の請求項4に記載の発明は、上記押圧具は、上記小径ピンの挿入を許容すると共に上記小径ピンの長さより上記薄板の板厚分だけ短い深さの嵌合穴と、この嵌合穴の周囲に突出形成した押圧部とを有する保持具と、上記薄板を押圧部方向に押圧する押圧パンチからなり、上記小径ピンを上記嵌合穴に挿入すると共に上記透孔を上記小径ピンの一端に挿入して上記薄板の一方面を上記押圧部に載置した後、上記薄板の他方面から先端面を平坦に形成した押圧パンチを押圧し、上記押圧部により上記透孔の周囲を押圧して上記薄板の肉を上記小径ピンの一端方向に移動させることを特徴としている。
【0018】
かかる請求項4に記載の発明によれば、保持具の嵌合穴に小径ピンを挿入することにより固定させ、この状態から保持具の押圧部により薄板の肉を小径ピンの方向に移動させて固着するので、小径ピンの外径寸法が0.8mm以下の小径であっても保持具の嵌合穴に挿入することによって精度良くかしめ固着することができる。また、保持具に形成した嵌合穴の周囲に押圧部を突出形成したので、ピンとかしめ部との位置が一定となり、かしめ固着のばらつきを解消することができる。
【0019】
更にまた、本発明の請求項5に記載の発明は、上記小径ピンの挿入を許容すると共に上記小径ピンの長さより上記薄板の板厚分だけ短い深さの嵌合穴と、この嵌合穴の周囲に突出形成した押圧部とを有する保持具と、上記嵌合穴の周囲に対向させて突出形成した押圧部を有する押圧パンチからなり、上記小径ピンを上記嵌合穴に挿入すると共に上記透孔を上記小径ピンの一端に挿入して上記薄板の一方面を上記保持具に載置した後、上記薄板の他方面から上記押圧パンチを押圧し、上記押圧部により上記透孔の周囲を押圧して上記薄板の肉を上記小径ピンの一端方向に移動させることを特徴としている。
【0020】
かかる請求項5に記載の発明によれば、保持具の嵌合穴に小径ピンを挿入することにより固定し、この状態から薄板を押圧パンチの押圧部により押圧して薄板の肉を小径ピン方向に移動させて固着するので、小径ピンの外径寸法が0.8mm以下の小径であっても保持具の嵌合穴に挿入することにより、変形させることなく精度良くかしめ固着することができる。
【0021】
更に、本発明の請求項6に記載の発明は、上記押圧部は、上記薄板の板厚が半分以下の高さを有し、上記小径ピンを中心とした環状の突堤状に突出形成され、内周面にテーパ面を形成した略擂り鉢状に形成したことを特徴としている。
【0022】
かかる請求項6に記載の発明によれば、小径ピンを中心とした環状の突堤状に突出形成した押圧部を内周面にテーパ面を形成した略擂り鉢状に形成すると、薄板を押圧部によって押圧したとき、上記テーパ面によって肉が小径ピンの方向に移動し、小径ピンを更に強固に固着することが可能となる。このとき、押圧部の高さを薄板の半分以下に形成しても、小径ピンの方向に移動する肉の量が増加しているので、少ない押圧量で強固な固着が可能となる。
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0023】
図1および図2は、本発明にかかる薄板への小径ピンの固着方法によって、薄板1に小径ピン3を固着した状態を示している。鉄、ステンレス、銅、真鍮等の金属板からなる薄板1は、0.6mm以下の肉薄の板厚である。薄板1にポンチ等により穿設された透孔2には、外径寸法が0.8mm以下の鉄、ステンレス、銅、真鍮等の金属材からなる円柱状の小径ピン3の基端側が、上述する固着方法によって一体的に固着されている。そして、薄板1の外周近傍には、凹部4が形成されている。
【0024】
上記薄板1の表面、および、小径ピン3には、図2に示すように、化成処理および、またメッキ等の表面処理が施され、点線で示す処理層5、6が形成されている。化成処理はメッキ等の表面処理を施す前処理として行うものであり、薄板1の表面とメッキ層との剥離を防止するために、表面に付着した異物を除去すると共に、所定の粗さの面粗度に仕上げるための処理であり、この種の金属部品に対して通常行われる処理である。化成処理を行った後に、メッキ、防錆処理、或いは塗装等の表面処理が施される。このような表面処理は、薄板1、小径ピン3を加工した後に行われ、従って、薄板1の透孔2内にも表面処理が施される。
【0025】
このような0.8mm以下の小径ピン3を固着する透孔2は、内径寸法がほぼ0.8mm以下のために、板厚方向の中心部分は処理され難い。この結果、透孔2は、表面側の内径寸法が大きく、中心部分に至るに従って内径寸法が小さくなり、断面形状が略鼓型に形成され、しかも、表面処理は必ずしも一定ではないので透孔2の内径寸法は大きくばらつきが生ずる。一方、小径ピン3も小径のために、表面処理を施した場合には、上記薄板1と同様に外径寸法にばらつきが生ずる。
【0026】
次に、薄板1のばらつきが大きい内径寸法の透孔2に、ばらつきの大きな外径寸法を有する小径ピン3をかしめによって固着する方法について、図3に基づいて説明する。
【0027】
図3において、薄板1に小径ピン3をかしめ固着する押圧具10は、小径ピン3を位置決め固定するための嵌合穴11aを形成した保持具11と、この保持具11の底面側に当接して嵌合穴11aを閉塞するように設けた閉塞板12と、保持具11の上面側から薄板1を押圧する先端面を平坦に形成した押圧パンチ13から構成されている。
【0028】
保持具11に形成された嵌合穴11aの周囲には、押圧部14が突出形成されている。押圧部14は、嵌合穴11aを囲むように環状に一体形成され、保持具11の上面からの高さ、および、厚さは、薄板1の板厚のおよそ2分の1から4分の1程度に設定されている。従って、嵌合穴11aの軸方向寸法は、押圧部14が突出形成されたことにより保持具11の厚さよりも大きくなる。また、保持具11の高さは、小径ピン3の長さから薄板1の板厚を差し引いた寸法に設定される。保持具11の上面側は、上記押圧部14を除き平坦に形成されている。
【0029】
以上のように構成された保持具11に対し、図3(A)に示すように、保持具11の嵌合穴11aに小径ピン3を挿入し、図3(B)に示すように、小径ピン3の他端を閉塞板12に当接させ、保持具11の上面側から小径ピン3の一端を突出させる。このとき、小径ピン3の突出寸法は、薄板1の板厚にほぼ等しい寸法となっている。次に、図3(B)に示すように、薄板1の透孔2を小径ピン3の一端に挿入し、透孔2の周囲を押圧部14の上面に載置する。その後、押圧パンチ13により薄板1の他方面を押圧することにより、薄板1の透孔2の周囲が押圧部14により圧潰され、図3(C)に示すように凹所4が形成され、この凹所4の肉が小径ピン3の一端方向に移動する。この結果、小径ピン3の一端は薄板1の肉によって強圧され、強固にかしめ固着される。
【0030】
押圧パンチ13を押圧すると、やがて押圧パンチ13の先端面が小径ピン3の一端面に当接すると共に、薄板1の一方面が保持具11の上面に面接合する。これにより押圧パンチ13の移動が制限されるので、適正な肉の移動量によって小径ピン3をかしめ固着することができる。また、薄板1が押圧パンチ13の先端面と保持具11の上面との間で平押しが行われることから、薄板1の平面度を良好にすることも可能となる。
【0031】
以上のように、図3によって示した実施態様によれば、薄板1の透孔2に嵌合した小径ピン3を、薄板1の肉を小径ピン3の一端方向に移動させることによりかしめ固着するので、透孔2の内径寸法のばらつき、或いは、小径ピン3の外径寸法のばらつきがあっても、小径ピン3を強固にかしめ固着することができる。しかも、外径寸法を0.8mm以下とした小径のピン3であっても、小径ピン3を塑性変形しないので、容易にかしめ固着することができる。また、小径ピン3を保持具10の嵌合穴11aに挿入した状態でかしめ固着するので、高精度なかしめ固着が実現できる。更に、嵌合穴11aの周囲に押圧部14を突出形成したので、小径ピン3をかしめ固着する位置が一定となり、ばらつきを解消することができる等の特徴を有する。
【0032】
上述した実施態様において、保持具11の嵌合穴11aの周囲に突出形成した押圧部14を、図4(A)に示すように、嵌合穴11aを囲むように環状に一体形成したが、図4(B)に示すように、複数個の押圧突起を環状に配列するようにしても良い。即ち、保持具11の嵌合穴11aの周囲を囲むように、複数個の押圧突起15が等角度間隔に配列している。この押圧突起15も前述した押圧部14と同様に、保持具11の上面からの高さ、および、厚さを、薄板1の板厚のおよそ2分の1から4分の1程度に設定されている。
【0033】
このように、複数個の押圧突起15を形成した保持具11に対し、前述の実施態様と同様に、保持具11の嵌合穴11aに小径ピン3を挿入して保持した後、保持具11の上面側に突出した小径ピン3の一端に薄板1の透孔2を挿入すると共に、透孔2の周囲を押圧部14の上面に載置する。その後、押圧パンチ13により薄板1の他方面を押圧することにより、薄板1の透孔2の周囲を押圧突起15により圧潰し、薄板1の肉を小径ピン3の一端方向に移動させる。小径ピン3の一端は、薄板1の肉の移動によって強圧され、強固にかしめ固着される。
【0034】
このとき、複数個の押圧突起15によって移動する薄板1の肉の量は、前述した実施態様の押圧部14より少なくなるが、薄板1の透孔2の内径寸法と小径ピン3の外径寸法の精度が比較的良好のときは、薄板1の肉の移動量が少なくて良いので、寸法精度のばらつきに応じて、複数個の押圧突起15を採用することが好ましい。尚、押圧突起15の個数は、適宜に設定可能であるが、かしめ固着の強度を小径ピン3の全周に対して一定とするために、等角度に配列することが望ましい。
【0035】
図5は、本発明の第2の実施態様を示し、押圧部を押圧パンチに突出形成したものである。薄板1に小径ピン3をかしめ固着する押圧具20は、小径ピン3を位置決め固定するための嵌合穴21aを形成すると共に、上面を平坦に形成した保持具21と、この保持具21の底面側に当接して嵌合穴21aを閉塞するように設けた閉塞板22と、保持具21の上面側から薄板1を押圧する押圧パンチ23から構成されている。
【0036】
押圧パンチ23の先端面には、保持具21に形成された嵌合穴21aと軸中心を一致させた押圧部24が突出形成されている。押圧部24は、押圧パンチ23を下降させたとき、嵌合穴21aを囲むように環状に一体形成され、保持具11の上面からの高さ、および、厚さは、薄板1の板厚のおよそ2分の1から4分の1程度に設定されている。また、保持具21の高さは、小径ピン3の長さから薄板1の板厚を差し引いた寸法に設定される。押圧パンチ23の先端面は、上記押圧部24を除き平坦に形成されている。
【0037】
次に、以上のように構成された押圧具20を用いて、薄板1の小径ピン3透孔2に小径ピン3の一端をかしめ固着する方法を説明する。先ず、図5(A)に示すように、保持具21の嵌合穴21aに小径ピン3を挿入すると共に、小径ピン3の他端を閉塞板22に当接させ、保持具11の上面側から小径ピン3の一端を突出させる。更に、薄板1の透孔2を小径ピン3の一端に挿入し、薄板1を保持具11の上面に載置する。このとき、小径ピン3の突出寸法が薄板1の板厚にほぼ等しい寸法となっているので、小径ピン3の端面と薄板1とは同一平面の形成される。その後、図5(B)に示すように、押圧パンチ23により薄板1の他方面を押圧することにより、薄板1の透孔2の周囲が押圧パンチ23に突出形成した押圧部24により圧潰され、薄板1の肉が小径ピン3の一端方向に移動する。この結果、小径ピン3の一端は、移動した肉に強圧されて強固にかしめ固着される。
【0038】
以上のように、図5によって示した第2の実施態様によれば、前述した実施態様と同様に、外径寸法を0.8mm以下とした小径のピン3であっても、薄板1の透孔2に嵌合した小径ピン3を、薄板1の肉を小径ピン3の一端方向に移動させることによりかしめ固着するので、透孔2の内径寸法のばらつき、或いは、小径ピン3の外径寸法にばらつきがある場合にも、小径ピン3を塑性変形することなく強固にかしめ固着することができる。また、薄板1に対して押圧パンチ23の押圧部24を裏面側から押圧して凹所を形成させ、この肉を小径ピン3方向に移動させて固着するので、小径ピン3を突出させた薄板1の表面側は平坦に形成されることから、美観を損なうことを未然に防止することができる。尚、この第2の実施態様においても、押圧パンチ23に突出形成した押圧部24を図4(B)に示すように、複数個の押圧突起を環状に配列するようにしても良い。
【0039】
図6は、押圧部の変形例を示している。以下、この例を前述した第1の実施態様に基づいて説明する。保持具11の嵌合穴11aの周囲に形成した押圧部30は、嵌合穴11aを囲むように環状の突堤状に一体に突出形成され、内周面は中心方向に至るに従って低くしたテーパ面31を形成した略擂り鉢状に形成している。そして、この押圧部30の高さを薄板1の板厚に対して半分以下の高さに設定している。更に、保持具11の上面側は、上記押圧部30を除き平坦に形成されている。
【0040】
以上のように構成された保持具11に対し、保持具11の嵌合穴11aに小径ピン3を挿入すると共に、他端を閉塞板12に当接させ、保持具11の上面側から小径ピン3の一端を突出させる。次に、薄板1の透孔2を小径ピン3の一端に挿入し、透孔2の周囲を押圧部30の上面に載置する。その後、押圧パンチ13により薄板1の他方面を押圧することにより、薄板1の透孔2の周囲が押圧部30により圧潰され、薄板1の肉が小径ピン3の一端方向に移動する。押圧パンチ13を押圧したとき、押圧部30の内周面に形成したテーパ面31によって、薄板1の肉が矢示のように小径ピン3の方向に集中的に向けられる。この結果、前述した押圧部よりも多くの肉が小径ピン3方向に移行し、小径ピン3の一端は薄板1の肉の移動によって強圧され、強固にかしめ固着される。
【0041】
以上のように、押圧部30の内周面にテーパ面31を形成することにより、小径ピン3の一端方向に移動させる薄板1の肉の移動量を多くなるので、押圧部30が前述した実施態様の押圧部よりも低く設定しても小径ピン3を強固にかしめ固着することが可能となる。従って、板厚を0.3mm以下とした薄板1のように、本来の肉量が少ない場合であっても、テーパ面31による肉の移動量を多くすることにより、必要十分な強度により小径ピン3をかしめ固着することが可能となる。また、押圧部30の押圧深さと押圧力を小さくできることから、薄板1に与えるストレスを小さくすることができるので、薄板1の変形を軽減することができると共に、小径ピン3を高精度にかしめ固着することができる。
【0042】
本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、本発明を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、薄板1の透孔2にかしめ固着する小径ピン3は、円柱状のみならず、角柱状、或いは円錐台状や角錐台状であっても良く、また、小径ピン3の先端を平坦、円錐状等に変更しても良い。更に、保持具11と押圧パンチ13が対向する面を平坦面に形成したが、小径ピン3をかしめ固着するときに、曲げ加工、絞り加工、或いは切断加工等を同時に行うように保持具11と押圧パンチ13が対向する面を各種の加工に合わせるように構成しても良い。
【0043】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、請求項1記載の発明にかかる薄板への小径ピンの固着方法では、薄板の形成した透孔に嵌合した小径ピンを、薄板の肉をピンの一端方向に移動させることによりかしめ固着するので、薄板の形成した透孔の内径寸法、或いは、小径ピンの外径寸法にばらつきがあっても、強固に固着することができる。また、小径ピンの外径寸法が0.8mm以下であっても、小径ピンを塑性変形させることなく容易にかしめ固着することができる。更に、ピンの一端面を薄板と同一面とすることが可能であり、部品の薄型化が実現できる。
【0044】
また、請求項2に記載の薄板への小径ピンの固着方法によれば、薄板の板厚が0.6mm以下、小径ピンの外径寸法が0.8mm以下であっても、薄板の肉の移動によってピンを固着するので、容易にかしめ固着できる。
【0045】
さらに、請求項3に記載の薄板への小径ピンの固着方法によれば、化成処理もしくはメッキによって薄板の透孔内の内径寸法に大きなばらつきがあっても、薄板の肉の移動によってピンを固着するので、透孔の内径寸法のばらつきを吸収することができ、必要な強度によって小径なピンをかしめ固着することができる。
【0046】
また、請求項4に記載の薄板への小径ピンの固着方法によれば、保持具の嵌合穴にピンを挿入することによりピンを固定させるので、ピンの外径寸法が0.8mm以下の小径であっても精度良くかしめ固着することができる。また、保持具に形成した嵌合穴の周囲に押圧部を突出形成したので、ピンとかしめ部との位置が一定となり、かしめ固着のばらつきを解消することができる。
【0047】
更にまた、請求項5に記載の薄板への小径ピンの固着方法によれば、保持具の嵌合穴にピンを挿入することによりピンを固定させ、この状態から薄板を押圧パンチの押圧部により押圧して薄板に凹所を形成させると共に肉をピン方向に移動させて固着するので、ピンの外径寸法が0.8mm以下の小径であっても保持具の嵌合穴に挿入することにより、変形させることなく精度良くかしめ固着することができる。
【0048】
また、請求項6に記載の薄板への小径ピンの固着方法によれば、押圧部を内周面にテーパ面を形成した略擂り鉢状に形成すると、薄板を押圧部によって押圧したとき、上記テーパ面によって小径ピンの方向への肉の移動量が増加し、少ない押圧量でも更に強固に固着することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる薄板への小径ピンの固着方法による一実施態様を示す斜視図である。
【図2】本発明にかかる薄板への小径ピンの固着方法によって薄板に固着された小径ピンを示す断面図である。
【図3】(A)乃至(C)は、本発明にかかる薄板への小径ピンの固着方法の工程を示す工程説明図である。
【図4】(A)(B)は、本発明にかかる押圧部の例を示す要部平面図である。
【図5】(A)(B)は、本発明にかかる薄板への小径ピンの固着方法の第2の実施態様を示す工程説明図である。
【図6】本発明にかかる薄板への小径ピンの固着方法の押圧部の変形例を示す断面図である。
【図7】従来の方法によって薄板へピンを形成した状態を示す断面図である。
【図8】(A)乃至(C)は、従来の薄板へのピンの固着方法を示す説明図である。
【図9】(A)(B)は、従来のかしめによって薄板へピンを形成する方法を示す斜視図、断面図である。
【符号の説明】
1 薄板
2 透孔
3 小径ピン
4 凹部
10 押圧具
11 保持具
11a 嵌合穴
12 閉塞板
13 押圧パンチ
14 押圧部
30 押圧部
31 テーパ面
【発明の属する技術分野】
本発明は、板厚の小さな薄板に小径ピンの一端を固着する方法に関し、特に、薄板の板厚が0.6mm以下の薄板に外径寸法が0.8mm以下の小径ピンを固着する固着方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年における各種機器の軽薄短小化は加速度を増し、種々の加工が微少化している。このような軽薄短小化される機器の部品加工においても、金属板等からなる板材に軸等の小径ピンを形成する加工が行われている。一例としては、図7に示すように、板材から軸等のピンを一体に突出形成する方法が行われる。この形成方法は、プレス機に設置したダイに金属板からなる薄板50を載置した後、裏面からパンチによって凹部50aを押圧形成すると同時に凹部50aの肉を上記ダイの穴に移行させて表面側にピン51を突出させている。
【0003】
ところが、このような方法は、ピン51の高さを薄板50の板厚の2倍程度とすることが限界であり、長尺な高さのピンを形成することができない問題点がある。しかも、ピン51を形成するときに薄板50に応力を与えることから、図7に示すように、薄板50の特にピン51の周囲が変形して平面度を悪化させる要因となる。このような変形は、平押し加工等によって矯正しても、形成時に与えた応力よって経時的に変化することから、熱処理等の他の変形を防止するための処理を行う必要が生ずる。
【0004】
薄板に必要十分な高さのピンを形成する方法としては、一般に薄板に穿設した穴にピンを圧入によって固着する方法が行われる。図8(A)(B)(C)は固着方法を示している。図8(A)は、ピン61を植設するための薄板60であり、ピン61の外径寸法よりもやや小さな内径寸法φ1の穴60aが穿設される。通常の場合、加工された薄板60は、次の工程において、化成処理等によってバリ取りを行う他、メッキ等の表面処理が施される。薄板60にメッキを行う場合には、剥離等を避けるために表面に付着した油脂を除去すると共に、メッキに適する面粗度とするために化成処理等の前処理が施される。
【0005】
ところが、化成処理によって浸食される深さはほぼ一定であるため、薄板の場合には板厚に対する浸食が大きくなる。従って、必然的に図8(B)に示すように、処理後の穴60aの内径寸法φ2が大きくなる。特に上下の表面に近い開口部分が浸食されることから、穴60aの断面形状が略鼓形に形成される。この穴60aにピン61を圧入した場合には、穴径が大きいことに加え、薄板のために圧入代が小さいことから十分な圧力が得られず、しかも、穴60aが略鼓形に形成されていることから、ピン61が薄板60から離脱することがあり、また、図8(C)に示すようにピン61が傾斜する問題が生ずる。
【0006】
薄板にピンを固着する方法として、かしめによる方法が採用されている。特開2002−248531号公報(特許文献1)に開示された方法は、板金70の軸71を接合する位置には、図9(A)に示すように、多角形孔72を穿設し、この多角形孔72に軸71の段差部71aの先端が多角形孔72から突出するように挿通する。次に、断面を円形に形成した軸71の段差部71aの先端を、上記多角形孔72と略同一形状のパンチを用い、板金70の多角形孔72とほぼ同一形状に塑性変形させてかしめる。
【0007】
このようにかしめられた軸71の段差部71aは、多角形孔72の孔側面と多角形の面で面接触させることにより軸71の回転を規制し、より高い回転トルクに耐えることができるようにしている。
【0008】
【特許文献1】
特開特開2002−248531号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述したピンを薄板にかしめによって固着する方法は、多角形孔72と略同一形状のパンチを用いて軸71の段差部71aの先端を塑性変形させてかしめるので、板金70の表面には段差部71aの先端のかしめ部73が突出する。薄型化させようとする機器の部品としては、かしめ部73の突出が障害となる。また、軸71の外径寸法を0.8mm以下の小径とした場合には、段差部71aの形成が困難になる。更に、小径となった段差部71aをかしめるときに、パンチと段差部71aの中心を高精度に一致させる必要なあり、微少寸法のすれが生じてもかしめ部73が偏奇するため、かしめ強度が低下する問題がある。
【0010】
本発明は、上記実状に鑑み、肉薄な薄板に穿設した透孔の内径寸法にばらつきがあっても小径なピンを強固にかしめ固着することができる薄板への小径ピンの固着方法を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の薄板への小径ピンの固着方法は、可塑性を有する金属板等の薄板に透孔が形成され、この透孔にピンの一端を嵌合すると共にかしめにより固着する突軸固着方法であって、上記透孔に小径ピンの一端を嵌合した後、押圧具により上記小径ピンの周囲の上記薄板を板厚方向に押圧し、上記薄板の肉を上記小径ピンの一端方向に移動させることにより強圧してかしめ固着することを特徴としている。
【0012】
かかる請求項1に記載の発明によれば、薄板の肉を小径ピンの一端方向に移動させることによりかしめ固着するので、薄板の形成した透孔の内径寸法にばらつきがあっても、小径ピンを強固に固着することができる。また、薄板の肉の移動によって小径ピンを固着するので、0.8mm以下の小径なピンであっても容易にかしめ固着することができる。更に、小径ピンの一端面を薄板と同一面とすることが可能であり、部品の薄型化が実現できる。
【0013】
また、本発明の請求項2に記載の発明は、上記薄板は板厚が0.6mm以下であり、上記小径ピンの外径寸法が0.8mm以下であることを特徴としている。
【0014】
かかる請求項2に記載の発明によれば、板厚が0.6mm以下の薄板に、外径寸法が0.8mm以下の小径ピンであっても、薄板の肉を移動させることにより小径ピンを固着するので、容易にかしめ固着できる。
【0015】
更に、本発明の請求項3に記載の発明は、上記薄板は、ポンチによって上記透孔を穿設した後、上記薄板や上記透孔内に化成処理もしくはメッキを施したことを特徴としている。
【0016】
かかる請求項3に記載の発明によれば、化成処理もしくはメッキによって薄板や透孔内の内径寸法が大きくばらつくが、薄板の肉の移動によってピンを固着するので、透孔の内径寸法のばらつきを吸収することができ、必要な強度によって小径ピンをかしめ固着することができる。
【0017】
また、本発明の請求項4に記載の発明は、上記押圧具は、上記小径ピンの挿入を許容すると共に上記小径ピンの長さより上記薄板の板厚分だけ短い深さの嵌合穴と、この嵌合穴の周囲に突出形成した押圧部とを有する保持具と、上記薄板を押圧部方向に押圧する押圧パンチからなり、上記小径ピンを上記嵌合穴に挿入すると共に上記透孔を上記小径ピンの一端に挿入して上記薄板の一方面を上記押圧部に載置した後、上記薄板の他方面から先端面を平坦に形成した押圧パンチを押圧し、上記押圧部により上記透孔の周囲を押圧して上記薄板の肉を上記小径ピンの一端方向に移動させることを特徴としている。
【0018】
かかる請求項4に記載の発明によれば、保持具の嵌合穴に小径ピンを挿入することにより固定させ、この状態から保持具の押圧部により薄板の肉を小径ピンの方向に移動させて固着するので、小径ピンの外径寸法が0.8mm以下の小径であっても保持具の嵌合穴に挿入することによって精度良くかしめ固着することができる。また、保持具に形成した嵌合穴の周囲に押圧部を突出形成したので、ピンとかしめ部との位置が一定となり、かしめ固着のばらつきを解消することができる。
【0019】
更にまた、本発明の請求項5に記載の発明は、上記小径ピンの挿入を許容すると共に上記小径ピンの長さより上記薄板の板厚分だけ短い深さの嵌合穴と、この嵌合穴の周囲に突出形成した押圧部とを有する保持具と、上記嵌合穴の周囲に対向させて突出形成した押圧部を有する押圧パンチからなり、上記小径ピンを上記嵌合穴に挿入すると共に上記透孔を上記小径ピンの一端に挿入して上記薄板の一方面を上記保持具に載置した後、上記薄板の他方面から上記押圧パンチを押圧し、上記押圧部により上記透孔の周囲を押圧して上記薄板の肉を上記小径ピンの一端方向に移動させることを特徴としている。
【0020】
かかる請求項5に記載の発明によれば、保持具の嵌合穴に小径ピンを挿入することにより固定し、この状態から薄板を押圧パンチの押圧部により押圧して薄板の肉を小径ピン方向に移動させて固着するので、小径ピンの外径寸法が0.8mm以下の小径であっても保持具の嵌合穴に挿入することにより、変形させることなく精度良くかしめ固着することができる。
【0021】
更に、本発明の請求項6に記載の発明は、上記押圧部は、上記薄板の板厚が半分以下の高さを有し、上記小径ピンを中心とした環状の突堤状に突出形成され、内周面にテーパ面を形成した略擂り鉢状に形成したことを特徴としている。
【0022】
かかる請求項6に記載の発明によれば、小径ピンを中心とした環状の突堤状に突出形成した押圧部を内周面にテーパ面を形成した略擂り鉢状に形成すると、薄板を押圧部によって押圧したとき、上記テーパ面によって肉が小径ピンの方向に移動し、小径ピンを更に強固に固着することが可能となる。このとき、押圧部の高さを薄板の半分以下に形成しても、小径ピンの方向に移動する肉の量が増加しているので、少ない押圧量で強固な固着が可能となる。
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0023】
図1および図2は、本発明にかかる薄板への小径ピンの固着方法によって、薄板1に小径ピン3を固着した状態を示している。鉄、ステンレス、銅、真鍮等の金属板からなる薄板1は、0.6mm以下の肉薄の板厚である。薄板1にポンチ等により穿設された透孔2には、外径寸法が0.8mm以下の鉄、ステンレス、銅、真鍮等の金属材からなる円柱状の小径ピン3の基端側が、上述する固着方法によって一体的に固着されている。そして、薄板1の外周近傍には、凹部4が形成されている。
【0024】
上記薄板1の表面、および、小径ピン3には、図2に示すように、化成処理および、またメッキ等の表面処理が施され、点線で示す処理層5、6が形成されている。化成処理はメッキ等の表面処理を施す前処理として行うものであり、薄板1の表面とメッキ層との剥離を防止するために、表面に付着した異物を除去すると共に、所定の粗さの面粗度に仕上げるための処理であり、この種の金属部品に対して通常行われる処理である。化成処理を行った後に、メッキ、防錆処理、或いは塗装等の表面処理が施される。このような表面処理は、薄板1、小径ピン3を加工した後に行われ、従って、薄板1の透孔2内にも表面処理が施される。
【0025】
このような0.8mm以下の小径ピン3を固着する透孔2は、内径寸法がほぼ0.8mm以下のために、板厚方向の中心部分は処理され難い。この結果、透孔2は、表面側の内径寸法が大きく、中心部分に至るに従って内径寸法が小さくなり、断面形状が略鼓型に形成され、しかも、表面処理は必ずしも一定ではないので透孔2の内径寸法は大きくばらつきが生ずる。一方、小径ピン3も小径のために、表面処理を施した場合には、上記薄板1と同様に外径寸法にばらつきが生ずる。
【0026】
次に、薄板1のばらつきが大きい内径寸法の透孔2に、ばらつきの大きな外径寸法を有する小径ピン3をかしめによって固着する方法について、図3に基づいて説明する。
【0027】
図3において、薄板1に小径ピン3をかしめ固着する押圧具10は、小径ピン3を位置決め固定するための嵌合穴11aを形成した保持具11と、この保持具11の底面側に当接して嵌合穴11aを閉塞するように設けた閉塞板12と、保持具11の上面側から薄板1を押圧する先端面を平坦に形成した押圧パンチ13から構成されている。
【0028】
保持具11に形成された嵌合穴11aの周囲には、押圧部14が突出形成されている。押圧部14は、嵌合穴11aを囲むように環状に一体形成され、保持具11の上面からの高さ、および、厚さは、薄板1の板厚のおよそ2分の1から4分の1程度に設定されている。従って、嵌合穴11aの軸方向寸法は、押圧部14が突出形成されたことにより保持具11の厚さよりも大きくなる。また、保持具11の高さは、小径ピン3の長さから薄板1の板厚を差し引いた寸法に設定される。保持具11の上面側は、上記押圧部14を除き平坦に形成されている。
【0029】
以上のように構成された保持具11に対し、図3(A)に示すように、保持具11の嵌合穴11aに小径ピン3を挿入し、図3(B)に示すように、小径ピン3の他端を閉塞板12に当接させ、保持具11の上面側から小径ピン3の一端を突出させる。このとき、小径ピン3の突出寸法は、薄板1の板厚にほぼ等しい寸法となっている。次に、図3(B)に示すように、薄板1の透孔2を小径ピン3の一端に挿入し、透孔2の周囲を押圧部14の上面に載置する。その後、押圧パンチ13により薄板1の他方面を押圧することにより、薄板1の透孔2の周囲が押圧部14により圧潰され、図3(C)に示すように凹所4が形成され、この凹所4の肉が小径ピン3の一端方向に移動する。この結果、小径ピン3の一端は薄板1の肉によって強圧され、強固にかしめ固着される。
【0030】
押圧パンチ13を押圧すると、やがて押圧パンチ13の先端面が小径ピン3の一端面に当接すると共に、薄板1の一方面が保持具11の上面に面接合する。これにより押圧パンチ13の移動が制限されるので、適正な肉の移動量によって小径ピン3をかしめ固着することができる。また、薄板1が押圧パンチ13の先端面と保持具11の上面との間で平押しが行われることから、薄板1の平面度を良好にすることも可能となる。
【0031】
以上のように、図3によって示した実施態様によれば、薄板1の透孔2に嵌合した小径ピン3を、薄板1の肉を小径ピン3の一端方向に移動させることによりかしめ固着するので、透孔2の内径寸法のばらつき、或いは、小径ピン3の外径寸法のばらつきがあっても、小径ピン3を強固にかしめ固着することができる。しかも、外径寸法を0.8mm以下とした小径のピン3であっても、小径ピン3を塑性変形しないので、容易にかしめ固着することができる。また、小径ピン3を保持具10の嵌合穴11aに挿入した状態でかしめ固着するので、高精度なかしめ固着が実現できる。更に、嵌合穴11aの周囲に押圧部14を突出形成したので、小径ピン3をかしめ固着する位置が一定となり、ばらつきを解消することができる等の特徴を有する。
【0032】
上述した実施態様において、保持具11の嵌合穴11aの周囲に突出形成した押圧部14を、図4(A)に示すように、嵌合穴11aを囲むように環状に一体形成したが、図4(B)に示すように、複数個の押圧突起を環状に配列するようにしても良い。即ち、保持具11の嵌合穴11aの周囲を囲むように、複数個の押圧突起15が等角度間隔に配列している。この押圧突起15も前述した押圧部14と同様に、保持具11の上面からの高さ、および、厚さを、薄板1の板厚のおよそ2分の1から4分の1程度に設定されている。
【0033】
このように、複数個の押圧突起15を形成した保持具11に対し、前述の実施態様と同様に、保持具11の嵌合穴11aに小径ピン3を挿入して保持した後、保持具11の上面側に突出した小径ピン3の一端に薄板1の透孔2を挿入すると共に、透孔2の周囲を押圧部14の上面に載置する。その後、押圧パンチ13により薄板1の他方面を押圧することにより、薄板1の透孔2の周囲を押圧突起15により圧潰し、薄板1の肉を小径ピン3の一端方向に移動させる。小径ピン3の一端は、薄板1の肉の移動によって強圧され、強固にかしめ固着される。
【0034】
このとき、複数個の押圧突起15によって移動する薄板1の肉の量は、前述した実施態様の押圧部14より少なくなるが、薄板1の透孔2の内径寸法と小径ピン3の外径寸法の精度が比較的良好のときは、薄板1の肉の移動量が少なくて良いので、寸法精度のばらつきに応じて、複数個の押圧突起15を採用することが好ましい。尚、押圧突起15の個数は、適宜に設定可能であるが、かしめ固着の強度を小径ピン3の全周に対して一定とするために、等角度に配列することが望ましい。
【0035】
図5は、本発明の第2の実施態様を示し、押圧部を押圧パンチに突出形成したものである。薄板1に小径ピン3をかしめ固着する押圧具20は、小径ピン3を位置決め固定するための嵌合穴21aを形成すると共に、上面を平坦に形成した保持具21と、この保持具21の底面側に当接して嵌合穴21aを閉塞するように設けた閉塞板22と、保持具21の上面側から薄板1を押圧する押圧パンチ23から構成されている。
【0036】
押圧パンチ23の先端面には、保持具21に形成された嵌合穴21aと軸中心を一致させた押圧部24が突出形成されている。押圧部24は、押圧パンチ23を下降させたとき、嵌合穴21aを囲むように環状に一体形成され、保持具11の上面からの高さ、および、厚さは、薄板1の板厚のおよそ2分の1から4分の1程度に設定されている。また、保持具21の高さは、小径ピン3の長さから薄板1の板厚を差し引いた寸法に設定される。押圧パンチ23の先端面は、上記押圧部24を除き平坦に形成されている。
【0037】
次に、以上のように構成された押圧具20を用いて、薄板1の小径ピン3透孔2に小径ピン3の一端をかしめ固着する方法を説明する。先ず、図5(A)に示すように、保持具21の嵌合穴21aに小径ピン3を挿入すると共に、小径ピン3の他端を閉塞板22に当接させ、保持具11の上面側から小径ピン3の一端を突出させる。更に、薄板1の透孔2を小径ピン3の一端に挿入し、薄板1を保持具11の上面に載置する。このとき、小径ピン3の突出寸法が薄板1の板厚にほぼ等しい寸法となっているので、小径ピン3の端面と薄板1とは同一平面の形成される。その後、図5(B)に示すように、押圧パンチ23により薄板1の他方面を押圧することにより、薄板1の透孔2の周囲が押圧パンチ23に突出形成した押圧部24により圧潰され、薄板1の肉が小径ピン3の一端方向に移動する。この結果、小径ピン3の一端は、移動した肉に強圧されて強固にかしめ固着される。
【0038】
以上のように、図5によって示した第2の実施態様によれば、前述した実施態様と同様に、外径寸法を0.8mm以下とした小径のピン3であっても、薄板1の透孔2に嵌合した小径ピン3を、薄板1の肉を小径ピン3の一端方向に移動させることによりかしめ固着するので、透孔2の内径寸法のばらつき、或いは、小径ピン3の外径寸法にばらつきがある場合にも、小径ピン3を塑性変形することなく強固にかしめ固着することができる。また、薄板1に対して押圧パンチ23の押圧部24を裏面側から押圧して凹所を形成させ、この肉を小径ピン3方向に移動させて固着するので、小径ピン3を突出させた薄板1の表面側は平坦に形成されることから、美観を損なうことを未然に防止することができる。尚、この第2の実施態様においても、押圧パンチ23に突出形成した押圧部24を図4(B)に示すように、複数個の押圧突起を環状に配列するようにしても良い。
【0039】
図6は、押圧部の変形例を示している。以下、この例を前述した第1の実施態様に基づいて説明する。保持具11の嵌合穴11aの周囲に形成した押圧部30は、嵌合穴11aを囲むように環状の突堤状に一体に突出形成され、内周面は中心方向に至るに従って低くしたテーパ面31を形成した略擂り鉢状に形成している。そして、この押圧部30の高さを薄板1の板厚に対して半分以下の高さに設定している。更に、保持具11の上面側は、上記押圧部30を除き平坦に形成されている。
【0040】
以上のように構成された保持具11に対し、保持具11の嵌合穴11aに小径ピン3を挿入すると共に、他端を閉塞板12に当接させ、保持具11の上面側から小径ピン3の一端を突出させる。次に、薄板1の透孔2を小径ピン3の一端に挿入し、透孔2の周囲を押圧部30の上面に載置する。その後、押圧パンチ13により薄板1の他方面を押圧することにより、薄板1の透孔2の周囲が押圧部30により圧潰され、薄板1の肉が小径ピン3の一端方向に移動する。押圧パンチ13を押圧したとき、押圧部30の内周面に形成したテーパ面31によって、薄板1の肉が矢示のように小径ピン3の方向に集中的に向けられる。この結果、前述した押圧部よりも多くの肉が小径ピン3方向に移行し、小径ピン3の一端は薄板1の肉の移動によって強圧され、強固にかしめ固着される。
【0041】
以上のように、押圧部30の内周面にテーパ面31を形成することにより、小径ピン3の一端方向に移動させる薄板1の肉の移動量を多くなるので、押圧部30が前述した実施態様の押圧部よりも低く設定しても小径ピン3を強固にかしめ固着することが可能となる。従って、板厚を0.3mm以下とした薄板1のように、本来の肉量が少ない場合であっても、テーパ面31による肉の移動量を多くすることにより、必要十分な強度により小径ピン3をかしめ固着することが可能となる。また、押圧部30の押圧深さと押圧力を小さくできることから、薄板1に与えるストレスを小さくすることができるので、薄板1の変形を軽減することができると共に、小径ピン3を高精度にかしめ固着することができる。
【0042】
本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、本発明を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、薄板1の透孔2にかしめ固着する小径ピン3は、円柱状のみならず、角柱状、或いは円錐台状や角錐台状であっても良く、また、小径ピン3の先端を平坦、円錐状等に変更しても良い。更に、保持具11と押圧パンチ13が対向する面を平坦面に形成したが、小径ピン3をかしめ固着するときに、曲げ加工、絞り加工、或いは切断加工等を同時に行うように保持具11と押圧パンチ13が対向する面を各種の加工に合わせるように構成しても良い。
【0043】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、請求項1記載の発明にかかる薄板への小径ピンの固着方法では、薄板の形成した透孔に嵌合した小径ピンを、薄板の肉をピンの一端方向に移動させることによりかしめ固着するので、薄板の形成した透孔の内径寸法、或いは、小径ピンの外径寸法にばらつきがあっても、強固に固着することができる。また、小径ピンの外径寸法が0.8mm以下であっても、小径ピンを塑性変形させることなく容易にかしめ固着することができる。更に、ピンの一端面を薄板と同一面とすることが可能であり、部品の薄型化が実現できる。
【0044】
また、請求項2に記載の薄板への小径ピンの固着方法によれば、薄板の板厚が0.6mm以下、小径ピンの外径寸法が0.8mm以下であっても、薄板の肉の移動によってピンを固着するので、容易にかしめ固着できる。
【0045】
さらに、請求項3に記載の薄板への小径ピンの固着方法によれば、化成処理もしくはメッキによって薄板の透孔内の内径寸法に大きなばらつきがあっても、薄板の肉の移動によってピンを固着するので、透孔の内径寸法のばらつきを吸収することができ、必要な強度によって小径なピンをかしめ固着することができる。
【0046】
また、請求項4に記載の薄板への小径ピンの固着方法によれば、保持具の嵌合穴にピンを挿入することによりピンを固定させるので、ピンの外径寸法が0.8mm以下の小径であっても精度良くかしめ固着することができる。また、保持具に形成した嵌合穴の周囲に押圧部を突出形成したので、ピンとかしめ部との位置が一定となり、かしめ固着のばらつきを解消することができる。
【0047】
更にまた、請求項5に記載の薄板への小径ピンの固着方法によれば、保持具の嵌合穴にピンを挿入することによりピンを固定させ、この状態から薄板を押圧パンチの押圧部により押圧して薄板に凹所を形成させると共に肉をピン方向に移動させて固着するので、ピンの外径寸法が0.8mm以下の小径であっても保持具の嵌合穴に挿入することにより、変形させることなく精度良くかしめ固着することができる。
【0048】
また、請求項6に記載の薄板への小径ピンの固着方法によれば、押圧部を内周面にテーパ面を形成した略擂り鉢状に形成すると、薄板を押圧部によって押圧したとき、上記テーパ面によって小径ピンの方向への肉の移動量が増加し、少ない押圧量でも更に強固に固着することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる薄板への小径ピンの固着方法による一実施態様を示す斜視図である。
【図2】本発明にかかる薄板への小径ピンの固着方法によって薄板に固着された小径ピンを示す断面図である。
【図3】(A)乃至(C)は、本発明にかかる薄板への小径ピンの固着方法の工程を示す工程説明図である。
【図4】(A)(B)は、本発明にかかる押圧部の例を示す要部平面図である。
【図5】(A)(B)は、本発明にかかる薄板への小径ピンの固着方法の第2の実施態様を示す工程説明図である。
【図6】本発明にかかる薄板への小径ピンの固着方法の押圧部の変形例を示す断面図である。
【図7】従来の方法によって薄板へピンを形成した状態を示す断面図である。
【図8】(A)乃至(C)は、従来の薄板へのピンの固着方法を示す説明図である。
【図9】(A)(B)は、従来のかしめによって薄板へピンを形成する方法を示す斜視図、断面図である。
【符号の説明】
1 薄板
2 透孔
3 小径ピン
4 凹部
10 押圧具
11 保持具
11a 嵌合穴
12 閉塞板
13 押圧パンチ
14 押圧部
30 押圧部
31 テーパ面
Claims (6)
- 可塑性を有する金属板等の薄板に透孔が形成され、この透孔にピンの一端を嵌合すると共にかしめにより固着する突軸固着方法であって、
上記透孔に小径ピンの一端を嵌合した後、押圧具により上記小径ピンの周囲の上記薄板を板厚方向に押圧し、上記薄板の肉を上記小径ピンの一端方向に移動させることにより強圧してかしめ固着することを特徴とする薄板への小径ピンの固着方法。 - 上記薄板は板厚が0.6mm以下であり、上記小径ピンの外径寸法が0.8mm以下である請求項1に記載の薄板への小径ピンの固着方法。
- 上記薄板は、ポンチによって上記透孔を穿設した後、上記薄板や上記透孔内に化成処理もしくはメッキを施した請求項1および2に記載の薄板への小径ピンの固着方法。
- 上記押圧具は、上記小径ピンの挿入を許容すると共に上記小径ピンの長さより上記薄板の板厚分だけ短い深さの嵌合穴と、この嵌合穴の周囲に突出形成した押圧部とを有する保持具と、上記薄板を押圧部方向に押圧する押圧パンチからなり、上記小径ピンを上記嵌合穴に挿入すると共に上記透孔を上記小径ピンの一端に挿入して上記薄板の一方面を上記押圧部に載置した後、上記薄板の他方面から先端面を平坦に形成した押圧パンチを押圧し、上記押圧部により上記透孔の周囲を押圧して上記薄板の肉を上記小径ピンの一端方向に移動させる請求項1乃至3に記載の薄板への小径ピンの固着方法。
- 上記押圧具は、上記小径ピンの挿入を許容すると共に上記小径ピンの長さより上記薄板の板厚分だけ短い深さの嵌合穴と、この嵌合穴の周囲に突出形成した押圧部とを有する保持具と、上記嵌合穴の周囲に対向させて突出形成した押圧部を有する押圧パンチからなり、上記小径ピンを上記嵌合穴に挿入すると共に上記透孔を上記小径ピンの一端に挿入して上記薄板の一方面を上記保持具に載置した後、上記薄板の他方面から上記押圧パンチを押圧し、上記押圧部により上記透孔の周囲を押圧して上記薄板の肉を上記小径ピンの一端方向に移動させる請求項1乃至3に記載の薄板への小径ピンの固着方法。
- 上記押圧部は、上記薄板の板厚が半分以下の高さを有し、上記小径ピンを中心とした環状の突堤状に突出形成され、内周面にテーパ面を形成した略擂り鉢状に形成した請求項1乃至5に記載の薄板への小径ピンの固着方法。
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2002
- 2002-12-13 JP JP2002362473A patent/JP2004188484A/ja active Pending
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