JP2004188447A - 鋳造砂型製造用の模型 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属の鋳造に使用する砂型を製造するための模型であって、高い寸法精度をもったものを提供すること。
【解決手段】比誘電率εrおよび(または)誘電損失tanδが低偉材量を選択し、熱可塑性または熱硬化性の樹脂100重量部に、セラミック物質の粉末を10〜50重量部混合し、得られたマイクロ波特性の良好な混合材料をいったんブロック形状またはニアネットシェイプ形状に成形し、これを機械加工して、目的とする鋳造砂型の形状を有するキャビティをもった模型を得る。この模型を用いた砂型の製造は、水性バインダーを使用し、マイクロ波照射により有利に行なうことができる。
【選択図】 なし
【解決手段】比誘電率εrおよび(または)誘電損失tanδが低偉材量を選択し、熱可塑性または熱硬化性の樹脂100重量部に、セラミック物質の粉末を10〜50重量部混合し、得られたマイクロ波特性の良好な混合材料をいったんブロック形状またはニアネットシェイプ形状に成形し、これを機械加工して、目的とする鋳造砂型の形状を有するキャビティをもった模型を得る。この模型を用いた砂型の製造は、水性バインダーを使用し、マイクロ波照射により有利に行なうことができる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属の鋳造に使用する砂型を製造するための模型、その製造方法およびこの模型を使用した砂型の製造方法に関する。本発明において、「マイクロ波特性が良好」とは、その材料の比誘電率εrおよび(または)誘電損失tanδが低く、従ってマイクロ波の照射を受けたときに、温度が上昇する度合いの低いことを意味する。
【0002】
【従来の技術】
金属の鋳造に使用する砂型を製造するためには、一般に、砂型に対してポジ/ネガの関係にある模型を用意しておき、そのキャビティに、珪砂を代表とする耐火物粉末に、水性バインダー、たとえば水ガラスや硫酸マグネシウムの水溶液を混合したものを充填し、マイクロ波を照射して水性バインダーを発熱させ、水分を蒸発させて耐火物粉末を一体化させる、という手法によっている。このとき、水分の除去を助けるよう、減圧することが多い。
【0003】
従来、上記の砂型製造作業に用いる、砂型に対してポジ/ネガの関係にある模型を製造するには、模型に対してネガ/ポジの関係にある原型を用意し、そのキャビティに液状のシリコーン樹脂やエポキシ樹脂を注入して、それを触媒の作用で固化させる、という方法が採用されていた。
【0004】
鋳造に精密さが要求されるようになると、いきおい砂型製造用の模型も寸法精度の高いものが必要になるが、従来の製造方法では、模型の寸法精度に限界がある。それは、原型に注入した樹脂が硬化するときに縮小が避けられないからである。複雑な形状の砂型を製造するには、模型を多数に分割して組み合わせる必要があり、それら模型の形状寸法が合致しないと、砂型の製造に差し支える。従来技術によるときは、すべての工程を手作業で行なわなければならず、能率がよくない上に、コストが高くなることが避けられない。
【0005】
とくに、大量に生産される鋳造品の代表である自動車エンジンの部品についてみると、水冷部を形作るジャケット中子や、エンジンブロックを形作るブロック中子は、いくつもの中子を組み合わせて構成するため、それぞれが高い精度を持っていなければならない。これらの模型は、CAD・CAMによりNC加工をして仕上げたい。そこで、原型に樹脂を注入固化させて得た模型を機械加工して精度を高めたいが、シリコーン樹脂はゴムに近い性質であって機械加工が困難であるし、エポキシ樹脂は欠けやすく、細かい細工は容易にできない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、このような実情にかんがみ、機械加工が可能であって、高い寸法精度をもった鋳造砂型製造用の模型材料、この模型材料を用いた模型、およびその製造方法を提供することにある。この鋳造砂型製造用の模型を用いて砂型を製造する方法を提供することも、本発明の目的に含まれる。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成する本発明の鋳造砂型製造用の模型材料は、熱可塑性または熱硬化性の合成樹脂100重量部に、セラミック物質の粉末を10〜50重量部混合した、マイクロ波特性の良好な混合物をブロック形状に成形してなるものである。
【0008】
したがって本発明の鋳造砂型製造用の模型は、上記のブロック形状の模型材料で製造した鋳造砂型製造用の模型である。
【0009】
【発明の実施形態】
上記した鋳造砂型製造用の模型の製造方法は、熱可塑性または熱硬化性の合成樹脂100重量部に、セラミック物質の粉末を10〜50重量部混合し、得られたマイクロ波特性の良好な混合物をブロック形状またはニアネットシェイプ形状に成形して模型材料とし、この模型材料を機械加工して目的とする鋳造砂型の形状を有するキャビティを与えることからなる。模型材料をブロック形状、代表的には直方体や円柱状に成形すれば、それから任意の形状の模型を製造できるが、最終的な模型の形状になるべく近いニアネットシェイプ形状にすることができれば、材料の歩留まりがよいし、機械加工量が少なくてすむから、工具の損耗という点からも有利である。
【0010】
本発明の模型材料には、マイクロ波特性が良好なこと、すなわち、砂型製造時のマイクロ波照射によりそれ自体の温度が上昇する度合いが低いものを用いる。そのためには、材料の比誘電率εrおよび(または)誘電損失tanδが低いことが望ましい。よく知られているように、マイクロ波が誘電物質を通過する際に発生するエネルギーQは、次の式で表される。
Q=0.556×10−10εr・tanδ・f・E2 [W/m3]
ここで、εr:比誘電率 tanδ:誘電損失
f:マイクロ波の周波数 E2:電界の強さ[V/m]
【0011】
材料とする合成樹脂は、後の機械加工を行なう場合に温度が高まること、また砂型の製造時は常にマイクロ波による発熱があることを考えると、熱可塑性樹脂よりも熱硬化性樹脂の方が有利である。模型使用時のマイクロ波による発熱の度合いを考え合わせると、フッ素樹脂またはシリコーン樹脂がとりわけに好適である。そのほか、ポリスチレン、ポリカーボネート、ナイロン6、ABS樹脂およびポリプロピレンが有用である。
【0012】
セラミック物質の粉末は、やはり、上記したマイクロ波特性の良好なものが好ましいが、そのほかに、混合物を機械加工するときに、工具を損傷する度合いが低いことが望ましい。シリカ、アルミナ、ジルコニアなどが代表的であるが、ステアタイト粉末が、軟らかで工具を損わない点で有利である。べリリア粉末も同様に工具にとって好ましいが、高価なことが難点である。そのほか、ホウケイ酸ガラス粉末も有用である。
【0013】
合成樹脂に対する粉末の混合割合は、合成樹脂100重量部に対して10〜50重量部の範囲からえらぶとよい。10重量部に達しない配合では、粉末を添加する効果が乏しく、50重量部を超える配合をすると、混合物の機械的性質が低下し、機械加工時にむしれを生じたり、工具の損傷が甚だしくなったりする。製造した模型の耐久性もよくない。
【0014】
模型の形状は、2個の割り型とすることが代表的な態様であるが、複雑な形状の砂型を製造するための模型であれば、3個またはそれ以上の割り型にすることもあるし、単純なテーパをもつ中子などを製造するための模型であれば、1個の型で、一方から他方に製品を抜き出すようにすることもできる。
【0015】
本発明の模型を使用した鋳造砂型の製造は、常法によることができる。すなわち、上記の模型のキャビティに、鋳造用の砂に水性バインダーを添加した材料を充填し、常圧ないし減圧下にマイクロ波を照射してバインダーを固化させ、その後、脱型して鋳造砂型を得る工程である。充填は、流し込み−突き固めによってもよいし、空気流を利用した吹き込み、さらにはキャビティを減圧にしておいて材料を吸い込む方法を選んでもよい。
【0016】
【実施例1】
フッ素樹脂「テフロン」800J(三井デュポンフロロケミカル製)粉末100重量部に対し、200メッシュ通過の珪石粉末20重量部を添加し、ミキサーで混合した。この粉末混合物を加圧加熱して一体化し、それをさらに加熱炉に入れて焼成し、縦30cm×横15cm×高さ14cmの直方体の形をしたブロックを形成した。このブロックを機械加工して、図1に示す形状の、自動車エンジンの吸気ポート用中子を製造するための模型を得た。図1において、符号(1A)および(1B)は左右の割型、符号(3)はキャビティである。
【0017】
この模型を使用し、6.5号珪砂に水ガラス(ダイソー製「C」グレード、モル比32)を4%配合し、ワールミキサーで混合した。混合物を空気圧4kg/cm2で模型内に吹き込み、模型ごと真空装置付きマイクロ波装置に入れ、80HPaの減圧下に2分間、マイクロ波(出力2kW)を照射した。表面の安定した中子(砂重量約700g)を得ることができた。中子を取り出したときの、この模型の表面温度は約45℃であって、冷却の必要なく連続的に中子を製造するために使用できた。
【0018】
【実施例2】
珪石粉末20重量部に代えて、ガラス繊維を破砕して粉末状にしたもの25重量部を使用し、上記の例を繰り返した。離型性がすぐれた模型が得られた。
【0019】
【実施例3】
シリコーン樹脂「TSE221−3U」(GE東芝シリコーン製)100重量部にガラス繊維粉末15重量部を添加し、混合ののち、0.5〜1.0kg/cm2の圧力を加えながら、170℃に10分間、つづいて200℃に10分間加熱することにより、直径100mm×高さ100mmの円柱状ブロックを製造した。このブロックを旋盤で加工し、図2に示す形状の、直径が段階的に変化する中子を製造するための、それに応じたキャビティ(3)をもった一体の模型(2)を製造した。キャビティの深さは100mm、最大径25mm、最小径7mmである。
【0020】
この模型に、7号珪砂に水ガラスの溶液4%を混合した砂型材料を充填し、マイクロ波照射により固化させた。この模型は離型性がよく、木槌で軽く衝撃を加えるだけで、中子の砂型を取り出すことができた。同じ形状のテフロン製の模型は、さらに離型性が高く、手で押し出すだけで中子を取り出すことができた。
【0021】
【発明の効果】
本発明に従って鋳造砂型製造用の模型を製造すれば、合成樹脂・セラミック粉末混合物の用意からはじまって、ブロック形状またはニアネットシェイプ形状への成形、ついで機械加工の工程を経て、寸法精度の高い模型部品を製造することが容易であり、その結果、寸法精度の高い砂型が製造できる。本発明において模型製造の対象とする成形品は、適量のセラミック粉末を混合したことにより、合成樹脂単独の成形品よりも剛性が高く、正確な切削加工が可能であり、薄肉の部分や鋭角のエッジをもった部分に関しても、設計どおりの模型を造ることができる。材料の選択が適切であって、マイクロ波特性が良好な模型を製造すれば、砂型製造時の模型の熱膨張が小さくてすむから、寸法精度の高い砂型を製造するという目的に、よりよく合致する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において製造した模型の形状を示す図であって、Aは2個の割型の一方について内面をみた側面図、Bは2個の割型を合わせた平面図。
【図2】本発明の実施例において製造した模型のキャビティ形状を示す拡大縦断面図。
【符号の説明】
1A,1B 中子製造用の模型(左右の割型)
2 中子製造用の模型(一体)
3 キャビティ
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属の鋳造に使用する砂型を製造するための模型、その製造方法およびこの模型を使用した砂型の製造方法に関する。本発明において、「マイクロ波特性が良好」とは、その材料の比誘電率εrおよび(または)誘電損失tanδが低く、従ってマイクロ波の照射を受けたときに、温度が上昇する度合いの低いことを意味する。
【0002】
【従来の技術】
金属の鋳造に使用する砂型を製造するためには、一般に、砂型に対してポジ/ネガの関係にある模型を用意しておき、そのキャビティに、珪砂を代表とする耐火物粉末に、水性バインダー、たとえば水ガラスや硫酸マグネシウムの水溶液を混合したものを充填し、マイクロ波を照射して水性バインダーを発熱させ、水分を蒸発させて耐火物粉末を一体化させる、という手法によっている。このとき、水分の除去を助けるよう、減圧することが多い。
【0003】
従来、上記の砂型製造作業に用いる、砂型に対してポジ/ネガの関係にある模型を製造するには、模型に対してネガ/ポジの関係にある原型を用意し、そのキャビティに液状のシリコーン樹脂やエポキシ樹脂を注入して、それを触媒の作用で固化させる、という方法が採用されていた。
【0004】
鋳造に精密さが要求されるようになると、いきおい砂型製造用の模型も寸法精度の高いものが必要になるが、従来の製造方法では、模型の寸法精度に限界がある。それは、原型に注入した樹脂が硬化するときに縮小が避けられないからである。複雑な形状の砂型を製造するには、模型を多数に分割して組み合わせる必要があり、それら模型の形状寸法が合致しないと、砂型の製造に差し支える。従来技術によるときは、すべての工程を手作業で行なわなければならず、能率がよくない上に、コストが高くなることが避けられない。
【0005】
とくに、大量に生産される鋳造品の代表である自動車エンジンの部品についてみると、水冷部を形作るジャケット中子や、エンジンブロックを形作るブロック中子は、いくつもの中子を組み合わせて構成するため、それぞれが高い精度を持っていなければならない。これらの模型は、CAD・CAMによりNC加工をして仕上げたい。そこで、原型に樹脂を注入固化させて得た模型を機械加工して精度を高めたいが、シリコーン樹脂はゴムに近い性質であって機械加工が困難であるし、エポキシ樹脂は欠けやすく、細かい細工は容易にできない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、このような実情にかんがみ、機械加工が可能であって、高い寸法精度をもった鋳造砂型製造用の模型材料、この模型材料を用いた模型、およびその製造方法を提供することにある。この鋳造砂型製造用の模型を用いて砂型を製造する方法を提供することも、本発明の目的に含まれる。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成する本発明の鋳造砂型製造用の模型材料は、熱可塑性または熱硬化性の合成樹脂100重量部に、セラミック物質の粉末を10〜50重量部混合した、マイクロ波特性の良好な混合物をブロック形状に成形してなるものである。
【0008】
したがって本発明の鋳造砂型製造用の模型は、上記のブロック形状の模型材料で製造した鋳造砂型製造用の模型である。
【0009】
【発明の実施形態】
上記した鋳造砂型製造用の模型の製造方法は、熱可塑性または熱硬化性の合成樹脂100重量部に、セラミック物質の粉末を10〜50重量部混合し、得られたマイクロ波特性の良好な混合物をブロック形状またはニアネットシェイプ形状に成形して模型材料とし、この模型材料を機械加工して目的とする鋳造砂型の形状を有するキャビティを与えることからなる。模型材料をブロック形状、代表的には直方体や円柱状に成形すれば、それから任意の形状の模型を製造できるが、最終的な模型の形状になるべく近いニアネットシェイプ形状にすることができれば、材料の歩留まりがよいし、機械加工量が少なくてすむから、工具の損耗という点からも有利である。
【0010】
本発明の模型材料には、マイクロ波特性が良好なこと、すなわち、砂型製造時のマイクロ波照射によりそれ自体の温度が上昇する度合いが低いものを用いる。そのためには、材料の比誘電率εrおよび(または)誘電損失tanδが低いことが望ましい。よく知られているように、マイクロ波が誘電物質を通過する際に発生するエネルギーQは、次の式で表される。
Q=0.556×10−10εr・tanδ・f・E2 [W/m3]
ここで、εr:比誘電率 tanδ:誘電損失
f:マイクロ波の周波数 E2:電界の強さ[V/m]
【0011】
材料とする合成樹脂は、後の機械加工を行なう場合に温度が高まること、また砂型の製造時は常にマイクロ波による発熱があることを考えると、熱可塑性樹脂よりも熱硬化性樹脂の方が有利である。模型使用時のマイクロ波による発熱の度合いを考え合わせると、フッ素樹脂またはシリコーン樹脂がとりわけに好適である。そのほか、ポリスチレン、ポリカーボネート、ナイロン6、ABS樹脂およびポリプロピレンが有用である。
【0012】
セラミック物質の粉末は、やはり、上記したマイクロ波特性の良好なものが好ましいが、そのほかに、混合物を機械加工するときに、工具を損傷する度合いが低いことが望ましい。シリカ、アルミナ、ジルコニアなどが代表的であるが、ステアタイト粉末が、軟らかで工具を損わない点で有利である。べリリア粉末も同様に工具にとって好ましいが、高価なことが難点である。そのほか、ホウケイ酸ガラス粉末も有用である。
【0013】
合成樹脂に対する粉末の混合割合は、合成樹脂100重量部に対して10〜50重量部の範囲からえらぶとよい。10重量部に達しない配合では、粉末を添加する効果が乏しく、50重量部を超える配合をすると、混合物の機械的性質が低下し、機械加工時にむしれを生じたり、工具の損傷が甚だしくなったりする。製造した模型の耐久性もよくない。
【0014】
模型の形状は、2個の割り型とすることが代表的な態様であるが、複雑な形状の砂型を製造するための模型であれば、3個またはそれ以上の割り型にすることもあるし、単純なテーパをもつ中子などを製造するための模型であれば、1個の型で、一方から他方に製品を抜き出すようにすることもできる。
【0015】
本発明の模型を使用した鋳造砂型の製造は、常法によることができる。すなわち、上記の模型のキャビティに、鋳造用の砂に水性バインダーを添加した材料を充填し、常圧ないし減圧下にマイクロ波を照射してバインダーを固化させ、その後、脱型して鋳造砂型を得る工程である。充填は、流し込み−突き固めによってもよいし、空気流を利用した吹き込み、さらにはキャビティを減圧にしておいて材料を吸い込む方法を選んでもよい。
【0016】
【実施例1】
フッ素樹脂「テフロン」800J(三井デュポンフロロケミカル製)粉末100重量部に対し、200メッシュ通過の珪石粉末20重量部を添加し、ミキサーで混合した。この粉末混合物を加圧加熱して一体化し、それをさらに加熱炉に入れて焼成し、縦30cm×横15cm×高さ14cmの直方体の形をしたブロックを形成した。このブロックを機械加工して、図1に示す形状の、自動車エンジンの吸気ポート用中子を製造するための模型を得た。図1において、符号(1A)および(1B)は左右の割型、符号(3)はキャビティである。
【0017】
この模型を使用し、6.5号珪砂に水ガラス(ダイソー製「C」グレード、モル比32)を4%配合し、ワールミキサーで混合した。混合物を空気圧4kg/cm2で模型内に吹き込み、模型ごと真空装置付きマイクロ波装置に入れ、80HPaの減圧下に2分間、マイクロ波(出力2kW)を照射した。表面の安定した中子(砂重量約700g)を得ることができた。中子を取り出したときの、この模型の表面温度は約45℃であって、冷却の必要なく連続的に中子を製造するために使用できた。
【0018】
【実施例2】
珪石粉末20重量部に代えて、ガラス繊維を破砕して粉末状にしたもの25重量部を使用し、上記の例を繰り返した。離型性がすぐれた模型が得られた。
【0019】
【実施例3】
シリコーン樹脂「TSE221−3U」(GE東芝シリコーン製)100重量部にガラス繊維粉末15重量部を添加し、混合ののち、0.5〜1.0kg/cm2の圧力を加えながら、170℃に10分間、つづいて200℃に10分間加熱することにより、直径100mm×高さ100mmの円柱状ブロックを製造した。このブロックを旋盤で加工し、図2に示す形状の、直径が段階的に変化する中子を製造するための、それに応じたキャビティ(3)をもった一体の模型(2)を製造した。キャビティの深さは100mm、最大径25mm、最小径7mmである。
【0020】
この模型に、7号珪砂に水ガラスの溶液4%を混合した砂型材料を充填し、マイクロ波照射により固化させた。この模型は離型性がよく、木槌で軽く衝撃を加えるだけで、中子の砂型を取り出すことができた。同じ形状のテフロン製の模型は、さらに離型性が高く、手で押し出すだけで中子を取り出すことができた。
【0021】
【発明の効果】
本発明に従って鋳造砂型製造用の模型を製造すれば、合成樹脂・セラミック粉末混合物の用意からはじまって、ブロック形状またはニアネットシェイプ形状への成形、ついで機械加工の工程を経て、寸法精度の高い模型部品を製造することが容易であり、その結果、寸法精度の高い砂型が製造できる。本発明において模型製造の対象とする成形品は、適量のセラミック粉末を混合したことにより、合成樹脂単独の成形品よりも剛性が高く、正確な切削加工が可能であり、薄肉の部分や鋭角のエッジをもった部分に関しても、設計どおりの模型を造ることができる。材料の選択が適切であって、マイクロ波特性が良好な模型を製造すれば、砂型製造時の模型の熱膨張が小さくてすむから、寸法精度の高い砂型を製造するという目的に、よりよく合致する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において製造した模型の形状を示す図であって、Aは2個の割型の一方について内面をみた側面図、Bは2個の割型を合わせた平面図。
【図2】本発明の実施例において製造した模型のキャビティ形状を示す拡大縦断面図。
【符号の説明】
1A,1B 中子製造用の模型(左右の割型)
2 中子製造用の模型(一体)
3 キャビティ
Claims (5)
- 熱可塑性または熱硬化性の合成樹脂100重量部に、セラミック物質の粉末を10〜50重量部混合した、マイクロ波特性の良好な混合物をブロック形状に成形してなる鋳造砂型製造用の模型材料。
- 合成樹脂が、フッ素樹脂またはシリコーン樹脂であり、セラミック物質の粉末が、シリカ、アルミナまたはジルコニアである請求項1の模型材料。
- 請求項1または2に記載の模型材料で製造した、鋳造砂型製造用の模型。
- 請求項3に記載した鋳造砂型製造用の模型を製造する方法であって、熱可塑性または熱硬化性の合成樹脂100重量部に、セラミック物質の粉末を10〜50重量部混合し、得られたマイクロ波特性の良好な混合物をブロック形状またはニアネットシェイプ形状に成形して模型材料とし、この模型材料を機械加工して目的とする鋳造砂型の形状を有するキャビティを与えることからなる製造方法。
- 請求項4に記載の模型のキャビティに、鋳造用の砂に水性バインダーを添加した材料を充填し、常圧ないし減圧下にマイクロ波を照射してバインダーを固化させたのち、脱型して鋳造砂型を得ることからなる鋳造砂型の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002358370A JP2004188447A (ja) | 2002-12-10 | 2002-12-10 | 鋳造砂型製造用の模型 |
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---|---|---|---|
JP2002358370A JP2004188447A (ja) | 2002-12-10 | 2002-12-10 | 鋳造砂型製造用の模型 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004188447A true JP2004188447A (ja) | 2004-07-08 |
Family
ID=32758108
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002358370A Pending JP2004188447A (ja) | 2002-12-10 | 2002-12-10 | 鋳造砂型製造用の模型 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004188447A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006175510A (ja) * | 2004-12-24 | 2006-07-06 | Toyota Motor Corp | 水溶性中子の造型方法及び造形装置 |
CN103272999A (zh) * | 2013-05-27 | 2013-09-04 | 南昌航空大学 | 一种适合于铣削加工成形的型砂及其砂坯制备方法 |
CN111660402A (zh) * | 2019-03-06 | 2020-09-15 | 新东工业株式会社 | 增材制造系统以及容器 |
-
2002
- 2002-12-10 JP JP2002358370A patent/JP2004188447A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006175510A (ja) * | 2004-12-24 | 2006-07-06 | Toyota Motor Corp | 水溶性中子の造型方法及び造形装置 |
JP4485343B2 (ja) * | 2004-12-24 | 2010-06-23 | トヨタ自動車株式会社 | 水溶性中子の造型方法及び造形装置 |
CN103272999A (zh) * | 2013-05-27 | 2013-09-04 | 南昌航空大学 | 一种适合于铣削加工成形的型砂及其砂坯制备方法 |
CN103272999B (zh) * | 2013-05-27 | 2015-07-01 | 南昌航空大学 | 一种适合于铣削加工成形的型砂及其砂坯制备方法 |
CN111660402A (zh) * | 2019-03-06 | 2020-09-15 | 新东工业株式会社 | 增材制造系统以及容器 |
US11504908B2 (en) | 2019-03-06 | 2022-11-22 | Sintokogio, Ltd. | Additive manufacturing system and container |
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