JP2004186255A - 薄膜構造体形成基板のダイシング方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ダイシング工程で薄膜構造体が破損されないダイシング方法を提供する。
【解決手段】薄膜構造体形成基板3は、基板1の中空部1aの位置に、センサや高周波デバイス等の薄膜構造体2を持つ。この薄膜構造体形成基板3の薄膜構造体2側の面に樹脂による保護層11を形成する。その反対側の面にダイシング用シート5を貼り付け、真空吸引してダイシングステージに固定する。次いで、薄膜構造体形成基板3をダイシングブレード4により個別のチップ12に切断(ダイシング)する。その後、保護層11を樹脂剥離液等により除去する。薄膜構造体2が保護層11で保護されているので、ダイシング工程で薄膜構造体2が破損する恐れは少ない。デバイス層(薄膜構造体2)が上面にあり、通常のLSI製造工程におけるダイシングの場合と同じなので、反転せずにそのままチップマウンター等によりプリント基板に実装できる。ダイシング用シート5で薄膜構造体2が汚染される問題も生じない。
【選択図】 図2
【解決手段】薄膜構造体形成基板3は、基板1の中空部1aの位置に、センサや高周波デバイス等の薄膜構造体2を持つ。この薄膜構造体形成基板3の薄膜構造体2側の面に樹脂による保護層11を形成する。その反対側の面にダイシング用シート5を貼り付け、真空吸引してダイシングステージに固定する。次いで、薄膜構造体形成基板3をダイシングブレード4により個別のチップ12に切断(ダイシング)する。その後、保護層11を樹脂剥離液等により除去する。薄膜構造体2が保護層11で保護されているので、ダイシング工程で薄膜構造体2が破損する恐れは少ない。デバイス層(薄膜構造体2)が上面にあり、通常のLSI製造工程におけるダイシングの場合と同じなので、反転せずにそのままチップマウンター等によりプリント基板に実装できる。ダイシング用シート5で薄膜構造体2が汚染される問題も生じない。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明に属する技術分野】
この発明は、センサや高周波デバイス等のデバイスとしての薄膜構造体が多数形成された基板をダイシングブレードで切断して個別のチップに分離するに際して、薄膜構造体を破損せずに基板を切断することを可能にする薄膜構造体形成基板のダイシング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ICやLSI等の製造工程において、シリコン・ウエハー等の基板上に多数形成されたデバイスを個別のチップに分離する場合、一般にダイシングソーを用いて切断を行う。切断に際しては、ダイシングソーの厚さ数十ミクロン(μm)のダイシングブレードを30000〜4000rpmという高速で回転させ、さらに、その冷却用および切削屑の洗浄用として、純水を吹き付けながら切断していく。このとき、基板はダイシングステージに真空吸引により固定されている。
【0003】
図4は、シリコン・ウエハー等の基板1上に、センサや高周波デバイス等を薄膜で形成した後、基板1の一部をエッチングにより除去し中空部1aを形成して、薄膜部分をダイヤフラム状の薄膜構造体2とした薄膜構造体形成基板3を、個別のチップに切断する場合の従来のダイシング方法を説明するもので、上記のICやLSIの場合と同様な切断方法を採用したものである。すなわち、ダイシングブレード4を30000〜4000rpmという高速で回転させ、さらに、その冷却用および切削屑の洗浄用として、純水を吹き付けながら切断していく。その際、基板1は、下面に貼り付けたダイシング用シート5側が真空吸引されてダイシングステージに固定されている。
【0004】
上記薄膜構造体形成基板3のようにダイヤフラム構造を持つ基板を、ICやLSIの場合と同様な切断方法で切断した場合、薄膜構造体2が真空吸引やダイシングブレード4の冷却および切屑除去のために吹き付ける純水の圧力により破れ、デバイスとして機能しなくなるという問題があった。
そこで、この問題を解決するものとして、図5に示すダイシング方法(特許平05−095046参照)が提案されている。このダイシング方法は、薄膜構造体をセンサとするものであるが、次の▲1▼〜▲5▼の工程で行なう。
▲1▼エッチングによる基板除去部分にアピエゾンワックス、フォトレジスト等の保護用樹脂7を均一に塗布し、その上面を平坦にする(図5(a))。
▲2▼基板1のセンサ2形成面にダイシング用シート5を貼り付ける(図5(b))。
▲3▼これをダイシング用シート5の面が下になるようにダイシングソーにセットして真空吸引により固定し、基板1をダイシングブレード4により切断して個別のセンサチップにする(図5(c))。
▲4▼ダイシング用シート5からセンサチップ8を剥がす(図5(d))。
▲5▼前記保護用樹脂7を溶解・除去して完成する(図5(e))。
【0005】
【特許文献1】
特開平05−095046号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の通り、薄膜構造体形成基板3をICやLSIの場合と同様なダイシング方法で切断する図4のダイシング方法では、薄膜構造体2が破損するという問題がある。
一方、図5のダイシング方法は、薄膜構造体(センサ)2の損傷は防止できるが、薄膜構造体体2が直接ダイシング用シート5に接着するため、剥離時の衝撃で薄膜構造体2が損傷する問題や、ダイシング用シート5の接着剤で薄膜構造体2が汚染されるという問題があった。また、ダイシング済みのチップは、通常チップマウンターと呼ばれるチップ移送機によりプリント基板等に実装されるが、図5の方法では、デバイス形成面が通常と逆側となるため、実装工程に入る前に反転しなければならず煩雑であるというの問題があった。
【0007】
本発明は上記従来の欠点を解消するためになされたもので、薄膜構造体がダイシング工程で破損される問題を解消できるとともに、ダイシング用シートで汚染される問題も発生せず、さらに、次の実装工程への移行が簡略化される薄膜構造体形成基板のダイシング方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する請求項1の発明は、基板にセンサや高周波デバイス等のデバイスを薄膜で多数形成した後、各薄膜部分の基板の一部をエッチングにより除去し中空部を形成して、各薄膜部分をそれぞれダイヤフラム状の薄膜構造体とした薄膜構造体形成基板を、ダイシングブレードにより個別のチップに切断する薄膜構造体形成基板のダイシング方法であって、
前記薄膜構造体形成基板の薄膜構造体側の面に樹脂による保護層を形成し、この薄膜構造体形成基板をダイシングブレードにより個別のチップに切断した後、前記保護層を除去することを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、基板にセンサや高周波デバイス等のデバイスを薄膜で多数形成した後、各薄膜部分の基板の一部をエッチングにより除去し中空部を形成して、各薄膜部分をそれぞれダイヤフラム状の薄膜構造体とした薄膜構造体形成基板を、ダイシングブレードにより個別のチップに切断する薄膜構造体形成基板のダイシング方法であって、
前記薄膜構造体形成基板の薄膜構造体側の面に樹脂による保護層を形成し、かつ、薄膜構造体側と反対側の面にダイシング用シートを貼り付け、ダイシング用シート側を真空吸引して基板載置台に固定し、次いで、薄膜構造体形成基板をダイシングブレードにより個別のチップに切断し、次いで、前記保護層およびダイシング用シートを除去することを特徴とする。
【0010】
請求項3は、請求項1又は2の薄膜構造体形成基板のダイシング方法における保護層を、樹脂を塗布することにより形成することを特徴とする。
【0011】
請求項4は、請求項1又は2の薄膜構造体形成基板のダイシング方法における保護層を、粘着性の保護シートを貼り付けて形成することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1、図2は本発明の一実施形態の薄膜構造体形成基板のダイシング方法を説明するもので、図1(イ)、(ロ)、(ハ)は前半の工程、図2(ニ)、(ホ)、(ヘ)は後半の工程を示す。
図1(イ)はこの実施形態のダイシング方法で対象とする薄膜構造体形成基板3の一部分を示した断面図である。この薄膜構造体形成基板3は、シリコン・ウエハー等の基板1に、センサや高周波デバイス等のデバイスを薄膜で多数形成した後、各薄膜部分の基板1の一部をエッチングにより除去し中空部1aを形成して、薄膜部分をダイヤフラム状の薄膜構造体2としたものである。
まず、この薄膜構造体形成基板3の薄膜構造体2側の面に、例えばフォトレジストその他の保護用樹脂を均一に塗布して、保護層11を形成する(図1(ロ))。
次いで、薄膜構造体2側を上にして薄膜構造体形成基板3の下面にダイシング用シート5を貼り付け、ダイシング用シート5側を真空吸引してダイシングステージ(ダイシングソーの基板載置台)に固定する(図1(ハ))。ダイシング用シート5は、樹脂の基材フィルムの片面に粘着剤層を形成したもので、一般的な半導体製造におけるダイシング工程で用いられるものを用いることができる。
【0013】
次いで、薄膜構造体形成基板3をダイシングブレード4により個別のチップに切断する(図2(ニ))。この切断工程は一般的なダイシング工程であり、ダイシングブレード4を30000〜4000rpmという高速で回転させ、さらに、その冷却用および切削屑の洗浄用として、純水を吹き付けながら切断していくが、薄膜構造体2上に保護層11が存在するので、薄膜構造体2が真空吸引やダイシングブレード4の冷却および切屑除去のために吹き付ける純水の圧力により破損する問題はほとんど生じない。
【0014】
次いで、樹脂の保護層11を、プラズマエッチングや樹脂剥離液等の適宜の手段で剥離する(図2(ホ))。
次いで、ダイシング用シート5から、それぞれデバイス層(薄膜構造体2)を備えた個々のチップ12を剥がす(図2(ヘ))。
【0015】
上記の工程により、薄膜構造体形成基板3を個々のチップ12に分離することができる。そして、図示は省略するが、デバイス層(薄膜構造体2)が上面にあり、通常のLSI製造工程におけるダイシングの場合と同じなので、このチップ12は次の実装工程で、反転せずにこのままチップマウンターによりプリント基板に実装することが可能である。
【0016】
上記のダイシング方法の効果を確認するために、図1(イ)の構造で厚さ2〜3μmの薄膜構造体2が多数形成された薄膜構造体形成基板3について、次の条件で切断試験を行なったが、薄膜構造体2の破損は一切認められなかった。
保護層:厚さ3μmのフォトレジスト(スピンコートにより塗布)。
ダイシングブレード回転数:30000rpm。
切断速度:10mm/秒。
【0017】
上述の実施形態では、保護層11をフォトレジスト等の樹脂を塗布して形成したが、図3(図1(ハ)に相当する)に示すように、粘着性の保護シート21を薄膜構造体形成基板3の薄膜構造体2側の面に貼り付けてもよい。保護シート21は、通常のLSI製造工程におけるウエハー裏面研削時に回路形成面の保護のために貼り付ける表面保護シートを使用できるが、紫外線照射で粘着力が低下して剥離可能となるUV剥離型、あるは加熱により剥離可能となる熱剥離型、又はその混合型等の低汚染型のシートが好ましい。
【0018】
【発明の効果】
本発明の薄膜構造体形成基板のダイシング方法によれば、薄膜構造体側の面に保護層を形成してダイシングブレードにより切断するので、ダイシング工程で薄膜構造体が破損することを効果的に防止できる。
また、ダイシング時にデバイス層(薄膜構造体)が上面にあり、通常のLSI製造工程におけるダイシングの場合と同じなので、ダイシングして得たチップは次の実装工程で、反転せずにそのままチップマウンター等によりプリント基板に実装することができ、チップマウンター等による実装作業が容易になる。
また、基板を真空吸引により固定可能にするためのダイシング用シートは、薄膜構造体側ではなく反対側に貼り付けるので、デバイス面(薄膜構造体)がダイシング用シートの粘着剤で汚染される問題も発生しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の薄膜構造体形成基板のダイシング方法で、薄膜構造体形成基板をダイシングする際の前半の工程を説明する図で、(イ)〜(ハ)の順に行なわれる。
【図2】図1に続く後半の工程を説明する図で、(ニ)〜(ヘ)の順に行なわれる。
【図3】本発明のダイシング方法において、保護シートを貼り付けて保護層を形成した実施形態を説明する図である。
【図4】従来方法を説明する図で、薄膜構造体形成基板を通常のLSI等と同様なダイシング方法で切断する場合の図である。
【図5】他の従来方法を説明する図で、ダイシング時の薄膜構造体の破損防止を図ったダイシング方法を説明する図である。
【符号の説明】
1 基板(シリコン・ウエハー)
2 薄膜構造体
3 薄膜構造体形成基板
4 ダイシングブレード
5 ダイシング用シート
11 (樹脂を塗布して形成した)保護層
21 (保護シートを貼り付けて形成した)保護層
【発明に属する技術分野】
この発明は、センサや高周波デバイス等のデバイスとしての薄膜構造体が多数形成された基板をダイシングブレードで切断して個別のチップに分離するに際して、薄膜構造体を破損せずに基板を切断することを可能にする薄膜構造体形成基板のダイシング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ICやLSI等の製造工程において、シリコン・ウエハー等の基板上に多数形成されたデバイスを個別のチップに分離する場合、一般にダイシングソーを用いて切断を行う。切断に際しては、ダイシングソーの厚さ数十ミクロン(μm)のダイシングブレードを30000〜4000rpmという高速で回転させ、さらに、その冷却用および切削屑の洗浄用として、純水を吹き付けながら切断していく。このとき、基板はダイシングステージに真空吸引により固定されている。
【0003】
図4は、シリコン・ウエハー等の基板1上に、センサや高周波デバイス等を薄膜で形成した後、基板1の一部をエッチングにより除去し中空部1aを形成して、薄膜部分をダイヤフラム状の薄膜構造体2とした薄膜構造体形成基板3を、個別のチップに切断する場合の従来のダイシング方法を説明するもので、上記のICやLSIの場合と同様な切断方法を採用したものである。すなわち、ダイシングブレード4を30000〜4000rpmという高速で回転させ、さらに、その冷却用および切削屑の洗浄用として、純水を吹き付けながら切断していく。その際、基板1は、下面に貼り付けたダイシング用シート5側が真空吸引されてダイシングステージに固定されている。
【0004】
上記薄膜構造体形成基板3のようにダイヤフラム構造を持つ基板を、ICやLSIの場合と同様な切断方法で切断した場合、薄膜構造体2が真空吸引やダイシングブレード4の冷却および切屑除去のために吹き付ける純水の圧力により破れ、デバイスとして機能しなくなるという問題があった。
そこで、この問題を解決するものとして、図5に示すダイシング方法(特許平05−095046参照)が提案されている。このダイシング方法は、薄膜構造体をセンサとするものであるが、次の▲1▼〜▲5▼の工程で行なう。
▲1▼エッチングによる基板除去部分にアピエゾンワックス、フォトレジスト等の保護用樹脂7を均一に塗布し、その上面を平坦にする(図5(a))。
▲2▼基板1のセンサ2形成面にダイシング用シート5を貼り付ける(図5(b))。
▲3▼これをダイシング用シート5の面が下になるようにダイシングソーにセットして真空吸引により固定し、基板1をダイシングブレード4により切断して個別のセンサチップにする(図5(c))。
▲4▼ダイシング用シート5からセンサチップ8を剥がす(図5(d))。
▲5▼前記保護用樹脂7を溶解・除去して完成する(図5(e))。
【0005】
【特許文献1】
特開平05−095046号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の通り、薄膜構造体形成基板3をICやLSIの場合と同様なダイシング方法で切断する図4のダイシング方法では、薄膜構造体2が破損するという問題がある。
一方、図5のダイシング方法は、薄膜構造体(センサ)2の損傷は防止できるが、薄膜構造体体2が直接ダイシング用シート5に接着するため、剥離時の衝撃で薄膜構造体2が損傷する問題や、ダイシング用シート5の接着剤で薄膜構造体2が汚染されるという問題があった。また、ダイシング済みのチップは、通常チップマウンターと呼ばれるチップ移送機によりプリント基板等に実装されるが、図5の方法では、デバイス形成面が通常と逆側となるため、実装工程に入る前に反転しなければならず煩雑であるというの問題があった。
【0007】
本発明は上記従来の欠点を解消するためになされたもので、薄膜構造体がダイシング工程で破損される問題を解消できるとともに、ダイシング用シートで汚染される問題も発生せず、さらに、次の実装工程への移行が簡略化される薄膜構造体形成基板のダイシング方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する請求項1の発明は、基板にセンサや高周波デバイス等のデバイスを薄膜で多数形成した後、各薄膜部分の基板の一部をエッチングにより除去し中空部を形成して、各薄膜部分をそれぞれダイヤフラム状の薄膜構造体とした薄膜構造体形成基板を、ダイシングブレードにより個別のチップに切断する薄膜構造体形成基板のダイシング方法であって、
前記薄膜構造体形成基板の薄膜構造体側の面に樹脂による保護層を形成し、この薄膜構造体形成基板をダイシングブレードにより個別のチップに切断した後、前記保護層を除去することを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、基板にセンサや高周波デバイス等のデバイスを薄膜で多数形成した後、各薄膜部分の基板の一部をエッチングにより除去し中空部を形成して、各薄膜部分をそれぞれダイヤフラム状の薄膜構造体とした薄膜構造体形成基板を、ダイシングブレードにより個別のチップに切断する薄膜構造体形成基板のダイシング方法であって、
前記薄膜構造体形成基板の薄膜構造体側の面に樹脂による保護層を形成し、かつ、薄膜構造体側と反対側の面にダイシング用シートを貼り付け、ダイシング用シート側を真空吸引して基板載置台に固定し、次いで、薄膜構造体形成基板をダイシングブレードにより個別のチップに切断し、次いで、前記保護層およびダイシング用シートを除去することを特徴とする。
【0010】
請求項3は、請求項1又は2の薄膜構造体形成基板のダイシング方法における保護層を、樹脂を塗布することにより形成することを特徴とする。
【0011】
請求項4は、請求項1又は2の薄膜構造体形成基板のダイシング方法における保護層を、粘着性の保護シートを貼り付けて形成することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1、図2は本発明の一実施形態の薄膜構造体形成基板のダイシング方法を説明するもので、図1(イ)、(ロ)、(ハ)は前半の工程、図2(ニ)、(ホ)、(ヘ)は後半の工程を示す。
図1(イ)はこの実施形態のダイシング方法で対象とする薄膜構造体形成基板3の一部分を示した断面図である。この薄膜構造体形成基板3は、シリコン・ウエハー等の基板1に、センサや高周波デバイス等のデバイスを薄膜で多数形成した後、各薄膜部分の基板1の一部をエッチングにより除去し中空部1aを形成して、薄膜部分をダイヤフラム状の薄膜構造体2としたものである。
まず、この薄膜構造体形成基板3の薄膜構造体2側の面に、例えばフォトレジストその他の保護用樹脂を均一に塗布して、保護層11を形成する(図1(ロ))。
次いで、薄膜構造体2側を上にして薄膜構造体形成基板3の下面にダイシング用シート5を貼り付け、ダイシング用シート5側を真空吸引してダイシングステージ(ダイシングソーの基板載置台)に固定する(図1(ハ))。ダイシング用シート5は、樹脂の基材フィルムの片面に粘着剤層を形成したもので、一般的な半導体製造におけるダイシング工程で用いられるものを用いることができる。
【0013】
次いで、薄膜構造体形成基板3をダイシングブレード4により個別のチップに切断する(図2(ニ))。この切断工程は一般的なダイシング工程であり、ダイシングブレード4を30000〜4000rpmという高速で回転させ、さらに、その冷却用および切削屑の洗浄用として、純水を吹き付けながら切断していくが、薄膜構造体2上に保護層11が存在するので、薄膜構造体2が真空吸引やダイシングブレード4の冷却および切屑除去のために吹き付ける純水の圧力により破損する問題はほとんど生じない。
【0014】
次いで、樹脂の保護層11を、プラズマエッチングや樹脂剥離液等の適宜の手段で剥離する(図2(ホ))。
次いで、ダイシング用シート5から、それぞれデバイス層(薄膜構造体2)を備えた個々のチップ12を剥がす(図2(ヘ))。
【0015】
上記の工程により、薄膜構造体形成基板3を個々のチップ12に分離することができる。そして、図示は省略するが、デバイス層(薄膜構造体2)が上面にあり、通常のLSI製造工程におけるダイシングの場合と同じなので、このチップ12は次の実装工程で、反転せずにこのままチップマウンターによりプリント基板に実装することが可能である。
【0016】
上記のダイシング方法の効果を確認するために、図1(イ)の構造で厚さ2〜3μmの薄膜構造体2が多数形成された薄膜構造体形成基板3について、次の条件で切断試験を行なったが、薄膜構造体2の破損は一切認められなかった。
保護層:厚さ3μmのフォトレジスト(スピンコートにより塗布)。
ダイシングブレード回転数:30000rpm。
切断速度:10mm/秒。
【0017】
上述の実施形態では、保護層11をフォトレジスト等の樹脂を塗布して形成したが、図3(図1(ハ)に相当する)に示すように、粘着性の保護シート21を薄膜構造体形成基板3の薄膜構造体2側の面に貼り付けてもよい。保護シート21は、通常のLSI製造工程におけるウエハー裏面研削時に回路形成面の保護のために貼り付ける表面保護シートを使用できるが、紫外線照射で粘着力が低下して剥離可能となるUV剥離型、あるは加熱により剥離可能となる熱剥離型、又はその混合型等の低汚染型のシートが好ましい。
【0018】
【発明の効果】
本発明の薄膜構造体形成基板のダイシング方法によれば、薄膜構造体側の面に保護層を形成してダイシングブレードにより切断するので、ダイシング工程で薄膜構造体が破損することを効果的に防止できる。
また、ダイシング時にデバイス層(薄膜構造体)が上面にあり、通常のLSI製造工程におけるダイシングの場合と同じなので、ダイシングして得たチップは次の実装工程で、反転せずにそのままチップマウンター等によりプリント基板に実装することができ、チップマウンター等による実装作業が容易になる。
また、基板を真空吸引により固定可能にするためのダイシング用シートは、薄膜構造体側ではなく反対側に貼り付けるので、デバイス面(薄膜構造体)がダイシング用シートの粘着剤で汚染される問題も発生しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の薄膜構造体形成基板のダイシング方法で、薄膜構造体形成基板をダイシングする際の前半の工程を説明する図で、(イ)〜(ハ)の順に行なわれる。
【図2】図1に続く後半の工程を説明する図で、(ニ)〜(ヘ)の順に行なわれる。
【図3】本発明のダイシング方法において、保護シートを貼り付けて保護層を形成した実施形態を説明する図である。
【図4】従来方法を説明する図で、薄膜構造体形成基板を通常のLSI等と同様なダイシング方法で切断する場合の図である。
【図5】他の従来方法を説明する図で、ダイシング時の薄膜構造体の破損防止を図ったダイシング方法を説明する図である。
【符号の説明】
1 基板(シリコン・ウエハー)
2 薄膜構造体
3 薄膜構造体形成基板
4 ダイシングブレード
5 ダイシング用シート
11 (樹脂を塗布して形成した)保護層
21 (保護シートを貼り付けて形成した)保護層
Claims (4)
- 基板にセンサや高周波デバイス等のデバイスを薄膜で多数形成した後、各薄膜部分の基板の一部をエッチングにより除去し中空部を形成して、各薄膜部分をそれぞれダイヤフラム状の薄膜構造体とした薄膜構造体形成基板を、ダイシングブレードにより個別のチップに切断する薄膜構造体形成基板のダイシング方法であって、
前記薄膜構造体形成基板の薄膜構造体側の面に樹脂による保護層を形成し、この薄膜構造体形成基板をダイシングブレードにより個別のチップに切断した後、前記保護層を除去することを特徴とする薄膜構造体形成基板のダイシング方法。 - 基板にセンサや高周波デバイス等のデバイスを薄膜で多数形成した後、各薄膜部分の基板の一部をエッチングにより除去し中空部を形成して、各薄膜部分をそれぞれダイヤフラム状の薄膜構造体とした薄膜構造体形成基板を、ダイシングブレードにより個別のチップに切断する薄膜構造体形成基板のダイシング方法であって、
前記薄膜構造体形成基板の薄膜構造体側の面に樹脂による保護層を形成し、かつ、薄膜構造体側と反対側の面にダイシング用シートを貼り付け、ダイシング用シート側を真空吸引して基板載置台に固定し、次いで、薄膜構造体形成基板をダイシングブレードにより個別のチップに切断し、次いで、前記保護層およびダイシング用シートを除去することを特徴とする薄膜構造体形成基板のダイシング方法。 - 前記保護層を、樹脂を塗布することにより形成することを特徴とする請求項1又は2記載の薄膜構造体形成基板のダイシング方法。
- 前記保護層を、粘着性の保護シートを貼り付けて形成することを特徴とする請求項1又は2記載の薄膜構造体形成基板のダイシング方法。
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Cited By (3)
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US7944125B2 (en) | 2007-12-14 | 2011-05-17 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Surface acoustic wave device |
JP2019129259A (ja) * | 2018-01-25 | 2019-08-01 | セイコーNpc株式会社 | ウエハの製造方法 |
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-
2002
- 2002-11-29 JP JP2002348953A patent/JP2004186255A/ja active Pending
Cited By (4)
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US7944125B2 (en) | 2007-12-14 | 2011-05-17 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Surface acoustic wave device |
JP2019129259A (ja) * | 2018-01-25 | 2019-08-01 | セイコーNpc株式会社 | ウエハの製造方法 |
JP6997638B2 (ja) | 2018-01-25 | 2022-01-17 | セイコーNpc株式会社 | ウエハの製造方法 |
US10916436B2 (en) | 2019-07-08 | 2021-02-09 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Plasma dicing method |
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