JP2004181829A - 積層チューブおよびこれを備えるインクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】インクジェット記録装置のインク送液チューブを、光硬化型インクと接触する内層に耐インク性材料を使用し、外層に遮光性の材料を用いて積層構造に形成することにより、溶剤や油分が主wt%の光硬化性インクを変質および硬化させること無く送液できる。また、硬質材からなる耐インク性部材を薄層に形成し、外層に柔軟性を有する遮光性の材料を用いて、積層構造とすることによりチューブの可撓性が保てる。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノズルより光硬化型インク滴を噴射して記録媒体に文字や図形等の記録を行うインクジェット記録装置の印字ヘッドに接続しているインク送液管としてのチューブに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、液体や各種インクの送液管、或いは流路手段として可撓性チューブがよく用いられている。これらチューブを介して記録ヘッドにインクを供給し、ノズルからインクを吐出することにより記録媒体に文字や図形を記録するインクジェット記録装置のインクとしては、水性インク、油性インク、溶剤インクおよび紫外線等を照射すると硬化する光硬化型インク等が使用されている。これらの各種インクにおいて、用いられる主溶媒の材質の違いから、それぞれに適した材質の送液管が選定されている。
【0003】
また、耐インク性の内層と、透湿性、空気透過率を考慮した3層、或いは2層のインク供給チューブが示されている(例えば、特許文献1参照。)。さらに、耐インク性、空気透過率を考慮した廃インクが通る、キャップに連通するチューブが示されている(例えば、特許文献2参照。)。さらに、内層に耐燃料透過性を有するフッ素系樹脂等を使用して、外層を柔軟性、難燃性、耐寒性、耐油性及び耐候性を考慮した燃料供給用のフィラーホースとしての積層チューブが示されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平2―111555号公報
【特許文献2】
特開平2―175158号公報
【特許文献3】
特開平11―151768号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、主として紫外線を照射することで硬化する非水系のインク(以下、光硬化型インクと称する)を供給する送液管として、金属パイプ、フッ素樹脂チューブ等が用いられるが、小型化と安価が要求されるインクジェット記録装置に対して、成形性と柔軟性が無く加工・組立性が劣るため不適である。また、薄肉のフッ素樹脂チューブ用いると成形形態が保たれず湾曲させた際に、チューブの折れが発生し易くインク流障害となり不適である。蛇腹状にすることで湾曲性は改善されるが、蛇腹の折り目部に気泡等の異物が滞留するためインクの送液チューブに不適である。
【0006】
また、特許文献1、2に示されている積層チューブは水性インクを対象としており、空気透過率や透湿性を重視している。光硬化型インクは溶媒の有機溶剤や油分が多く、耐インク性も異なる。なによりも、外光(主に、紫外線)によって硬化するので遮光性が重要であり、両者ともこれらの条件(耐インク性、遮光性)を満たしておらず、光硬化型インクの送液チューブとして不適である。さらに、特許文献3に示されるフィラーホースとしての積層チューブは、例えば、特許文献1に示されるような可動的に配管されるインク供給チューブや小型化が望まれる記録装置における狭空間での配管、或いはチューブ外表部から内径中心方向(剪断方向)に繰返して圧縮応力を印加するチューブポンプ用チューブとしては不適である。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、光硬化型インクの変質および硬化すること無く連続して送液可能な、耐インク性と、遮光性と柔軟性とを備える光硬化型インクの送液管としての積層チューブを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の積層チューブは、インクジェット記録装置の印字ヘッドに接続されて、光硬化型インクを供給する送液管として用いられ、インクと接する内層に耐インク特性の材料を使用し、その外層に遮光性の材料を使用して積層構造に形成されている。さらに、その内層にフッ素系樹脂を使用し、外層に黒色のゴム材料を使用し、前述の内層を耐インク性の硬質材料(例えば、フッ素系樹脂等)を用いて薄層に形成し、前述の外層用部材に柔軟性の優れた材料(例えば、ゴム材)を用いて積層構造に形成したことを特徴とする。
【0009】
本発明の構成のインクジェット記録装置は、ノズルから光硬化型インクを吐出する印字ヘッドとインク貯留部との間を接続する送液管として、上述の積層構造のチューブを用いて、インクと接触するチューブの内層を耐インク性の硬質材料を使用して薄層に形成し、外光と接する外層に柔軟性を有する遮光性の材料を使用して積層構造としたことを特徴とする。
【0010】
したがって、インクと接するチューブの内層を耐インク性材料としてフッ素系樹脂を用い、外層を遮光性材料で形成したことにより、溶媒として有機溶剤や油成分からなる光硬化型インクに光が照射されず、インクの硬化が進行すること無く送液することができる。さらに、硬質の耐インク性部材を薄層に形成した内層と、柔軟性に優れた遮光性の材料により形成する外層とを積層構造にすることで、チューブの可撓性が適度に保てる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、インクジェット記録装置を示す概略断面図である。このインクジェット記録装置1に使用するインク2は、紫外線を照射することにより硬化する特性を有する紫外線硬化型インクである(以下、光硬化型インクと称する)。
【0012】
光硬化型インク2としては、例えば、色材として顔料もしくは染料等を1〜3wt%、環状構造を有するラジカル重合系のアクリルモノマーを50〜70wt%、ラジカル重合系の脂肪族ウレタンアクリレート系オリゴマーを10〜20wt%、3官能のアクリレート系オリゴマーを10〜20wt%、ラジカル系光重合開始剤を3〜5wt%、有機高分子分散在を0.5〜3wt%、混合したものを使用している。
【0013】
本実施の形態のインクジェット記録装置1は、装置内下方に配置した記録媒体3を収納した給紙部4と、この給紙部4から給送された前記記録媒体3を給送する給送手段5と、この給送手段5から給送される記録媒体3を搬送する媒体搬送手段6とを設けている。
【0014】
また、装置内中央部に配置し前記媒体搬送手段6で搬送された記録媒体3に、光硬化型インク2を吐出させるカラーインクジェット記録ヘッド機構(以下、記録ヘッド機構と称する)7と、この記録ヘッド機構7により記録媒体3に着弾した光硬化型インク2に紫外線を照射してプレ硬化させるプレ硬化手段としての第1紫外線照射装置8と、この第1紫外線照射装置8によりプレ硬化した光硬化型インク2に対してさらに紫外線を照射して本硬化させる本硬化手段としての第2紫外線照射装置19と、この第2紫外線照射装置19により本硬化した記録媒体3を排出する排出部20とを設けている。
【0015】
上述の給送手段5は、給紙部4に収納された記録媒体3を分離ローラ11により最上位から1枚ずつ分離し、2対の給紙ローラ12a,12b,12c,12dで媒体搬送手段6へと給送するようになっている。この媒体搬送手段6は、ステッピングモータ13により駆動する駆動ローラ14と従動ローラ15とに媒体搬送ベルト6aを掛け渡して搬送路を形成している。搬送ベルト6aの内側には、テンションローラ17を複数設け、搬送ベルト6aの弛みをとるとともに所定の張力を維持するようになっている。
【0016】
また、記録媒体3を従動ローラ15と搬送ローラ18とで挟み込み媒体搬送ベルト6aに吸着させた状態で図中矢印A方向に搬送し、上述の記録ヘッド機構7の対向位置を通過させ、さらに、排出部20を構成する排出ローラ20a,20b,20c,20dによって排出紙収容部20fに排出するようになっている。
【0017】
また、上述の記録ヘッド機構7は、媒体搬送ベルト6aの上方に配置され、記録媒体3の搬送方向の上流側から下流側へ向かって順に、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色の光硬化型インク2をそれぞれ収納する印字ヘッド(7a、7b、7c、7d)を備えている。この印字ヘッド(7a、7b、7c、7d)は、記録媒体3の搬送方向と交差する方向に、記録媒体3の幅全体を充分にカバーできる幅に亙って多数の微細な液体吐出口、すなわち、ノズル9を配列したライン型ヘッドであり、各色の光硬化型インク2をノズル9から吐出するようになっている。これらの、各印字ヘッド(7a、7b、7c、7d)はノズルから各色の光硬化インク2を吐出させるのに、例えば、ピエゾ素子等の電気機械変換体からなる圧力発生手段を使用している。
【0018】
上述の第1紫外線照射装置8は、各印字ヘッド(7a、7b、7c、7d)に近接の下流側にそれぞれ媒体搬送手段6に対向して設置され、記録媒体3の幅全体に紫外線を照射して各色の光硬化型インク2をプレ硬化できるようになっている。これらの第1紫外線照射装置8は、例えば、高圧水銀灯あるいはエキシマランプ等の紫外線(UV)ランプを設け、この紫外線ランプにより紫外線を照射するようになっている。
【0019】
さらに、この第1紫外線照射装置8が光硬化型インクをプレ硬化するための紫外線照射量は、各印字ヘッド(7a、7b、7c、7d)から記録媒体3上に吐出されたドットが隣り合った場合、例えば、印字ヘッド7aからのドットと印字ヘッド7bからのドットが隣り合った場合にドット同士が混ざり合わない程度に増粘させる光量に調整されている。各色のインクにより紫外線の積算光量と重合度(インクの固まり具合)は異なるので、例えば、本実施形態では重合度40〜60%程度になるように、第1紫外線照射装置8がプレ硬化するための紫外線照射量は、積算光量が50mJ/cm2程度になるように調整されている。
【0020】
上述の、第2紫外線照射装置19は、媒体搬送ベルト6aの下流側の最後端、すなわち、ブラックの印字ヘッド7dの下流側に設置された第1紫外線照射装置8のさらに下流側に設置され、記録媒体3の幅全体に紫外線を照射して各色の光硬化型インク2を本硬化できるようになっている。この、第2紫外線照射装置19もインクをプレ硬化させるための第1紫外線照射装置8と同様に、例えば、高圧水銀灯あるいはエキシマランプ等の紫外線(UV)ランプを設け、この紫外線ランプにより紫外線を照射するようになっている。
【0021】
図2は、前述の記録ヘッド機構7におけるインク供給機構を示した模式図である。図2に示すように、各色の印字ヘッド(7a、7b、7c、7d)は、各色のインク圧力室72と連通された多数のノズル9を有する複数の印字ヘッドユニット71から構成されている。さらに、各色のインクタンク35を別置きする構成としたので、複数の印字ヘッドユニット71を接続・結合して一体的に形成できる。本実施の形態では、技術的、コスト的な優位性を担保するために、4個の印字ヘッドユニット71の接続体として形成されている。上述のヘッド機構7を構成する各色の印字ヘッド(7a、7b、7c、7d)には、それぞれインク供給管31およびインク戻し管33を介して各色用のインクタンク35に接続されている。
【0022】
これらのインク供給管31には、プッシュ型の送りポンプ32が接続されており、インク戻し管33にはプル型の戻しポンプ34がそれぞれに接続されている。したがって、両ポンプ(32,34)を同時駆動することにより、各色の光硬化型インク2が、各色のインクタンク35と各色の印字ヘッド(7a、7b、7c、7d)との間を循環供給可能に構成されている。
【0023】
図3は、図2のA―A断面図で示される本発明の実施の形態に係る積層構造の積層チューブ30の構成を示している。各色の光硬化型インク2のインク供給管31とインク戻し管33に用いられる、この積層チューブ30は、インクと接触するチューブの内層を耐インク性の優れたフッ素系樹脂を用いて薄層に形成し、外光と接する外層に柔軟性の優れたウレタンゴム材料(黒色)を使用して積層構造に形成している。
【0024】
図3に示すように、内層30aは,硬質材料であるフッ素樹脂(PVDF)を肉厚0.1mmに成形し、外層30bに厚さ1mmの黒色のウレタンゴム(硬度20〜75度、JISA)を用いて積層構造に形成している。この積層チューブ30は、所定の柔軟性確保されて、チューブの可撓性が保たれるので、湾曲部の折れ曲りによるインク流障害が無なり、狭空間での配管引き回しが容易に行える。また、インクジェットヘッド部(例えば、キャリア)が可動式のシリアルプリンタ(例えば、特許文献1参照。)においても好適に使用できる。チューブの可撓性を保つためには、内層のフッ素樹脂の肉厚tを、0.05≦t<1.0の範囲とすれば、外層には遮光性の高い柔軟性の優れた材料を選定することにより種々の組合せが可能である。
【0025】
次に、表1に示す(1)〜(4)の異なるサンプルのチューブの光硬化型インクに対する有効性を確認するために行った試験について説明する。特性を比較するためにサンプルとして、(1)汎用の半透明パーフロロゴムチューブと、(2)黒色ウレタンゴムチューブと、(3)内層(PVDF、t=0.1mm)/外層(半透明ウレタンゴム製)の積層チューブと、(4)本発明に係る積層チューブで、内層(PVDF、t=0.1mm)/外層(黒色ウレタンゴム製)の積層チューブとを用いた。これらのチューブを所定の長さに切断し、重量を計測してから所定量の同一の光硬化型インクを充填し、両端を金属製のクリップで閉じてから蛍光灯下に1週間放置する。紫外線連続暴露後における、チューブ内面に残留物の有無、チューブの膨潤(重量変化)の有無、インク特性(粘度、表面張力)変化の有無を調査した。
【0026】
その試験結果を表1に示している。
【0027】
【表1】
【0028】
表1に示したようにのように、(1)半透明パーフロロゴムチューブは、紫外線の連続暴露によるインクの硬化が発生し、チューブに内面に付着物があった。しかしながら、チューブの膨潤とインク特性の変化(以下、インクの変質と称する)が無かった。(2)黒色ウレタンゴムチューブは、チューブ内面に付着物は無いが、チューブの膨潤とインクの変質が発生していた。(3)内層・PVDF/外層・半透明ウレタンゴム製積層チューブは、紫外線の連続暴露によるインクの硬化が発生しチューブの内面に付着が発生していた。本発明に係る積層チューブ、(4)内層・PVDF/外層・黒色ウレタンゴム製積層チューブは、チューブ内面に付着物が無く、チューブの膨潤とインクの変質も無かった。
【0029】
したがって、本発明に係る構成の上記(4)内層・PVDF/外層・黒色ウレタンゴム製積層チューブからなる積層チューブ30は、上述の結果から明らかなように、光硬化型インクの送液管、或いは流路管に適している。つまり、インク送り管31、インク戻し管33として使用する送液チューブに適している。さらに、上述の結果にあるように、チューブの膨潤とインクの変質が無かった(1)パーフロロゴムチューブの材料であるパーフロロゴム材は、積層チューブ30の内層用の部材に適している。唯、フッ素系樹脂のコスト価に比し高価という難点がある。
【0030】
ところで、耐光硬化型インク性の材料をコスト価を考慮し選定すると、フッ素系樹脂のように比較的硬度の高い材料となる。そこで、内層に用いる硬質の耐インク性材料を薄層に形成し、外層に柔軟性を有する遮光性の材料を使用して積層構造とし、柔軟性を確保することでチューブの可撓性が保てる。これにより、光硬化型インクの送液管、或いは流路管としての用途が拡大される。また、外層の有色(黒色)ゴム材質の硬度や弾性を調整することで、繰返し圧縮応力に対する耐久性の向上が図れる。また、例えば、キャリアが可動式のシリアルプリンタ(例えば、特許文献1参照。)においても好適に使用できる。
【0031】
なお、本実施の形態のインクジェット記録装置1、および本発明に係る積層チューブ30による光硬化型インク2の循環型インク供給の実施形態は、本発明を特定するものでは無い。
【発明の効果】
本発明によれば、光硬化型インクの送液チューブを、インクと接触する内層に耐インク性の材料を使用し、外層に遮光性の材料を用いて積層構造にすることにより、溶剤や油分が主wt%の光硬化型インクの変質およびインクの硬化を発生させること無く送液できる。また、硬質材からなる耐インク性部材を薄層に形成し、外層に柔軟性を有する遮光性の材料を用いて積層構造とすることにより、チューブの可撓性が保てる。したがって、光硬化型インクの流路用チューブとしての用途の拡大が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるインクジェット記録装置の機構部を示す概略図。
【図2】同インクジェット記録装置の記録ヘッド機構のインク循環を示す概略図。
【図3】本発明の実施の形態に係る積層チューブを示す図2のA―A断面図。
【符号の説明】
1 ・・インクジェット記録装置
2 ・・光硬化型インク
7 ・・記録ヘッド機構
71 ・・印字ヘッドユニット
9 ・・ノズル
8,19・・第1、第2紫外線照射装置
30 ・・積層チューブ
30a ・・内層
30b ・・外層
Claims (6)
- インクジェット記録装置の印字ヘッドに接続されて、光硬化型インクを供給する送液管として用いられるチューブにおいて、
インクと接する内層に耐インク特性の材料を使用し、外層に遮光性の材料を使用して積層構造に形成したことを特徴とする積層チューブ。 - 前記内層にフッ素系樹脂を使用したことを特徴とする請求項1記載の積層チューブ。
- 前記内層にパーフロロゴムを使用したことを特徴とする請求項1記載の積層チューブ。
- 前記外層に黒色のゴム材料を使用したことを特徴とする請求項1記載の積層チューブ。
- 前記チューブの内層を耐インク性の硬質材料を用いて薄層に形成し、前記チューブの外層に柔軟性を有する遮光性の材料を用いて積層構造に形成したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の積層チューブ。
- ノズルより光硬化型インク滴を吐出する印字ヘッドとインク貯留部との間を接続し、前記インク貯留部から供給するインク送液管としてチューブを用いてなるインクジェット記録装置において、
前記チューブを、前記インクと接する内層に耐インク特性の硬質材料を使用して薄層に形成し、外光と接する外層に柔軟性を有する遮光性の材料を使用して、積層構造としたことを特徴とするインクジェット記録装置。
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