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JP2004176117A - セラミックス表面への銅メタライズ方法 - Google Patents

セラミックス表面への銅メタライズ方法 Download PDF

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JP2004176117A JP2002342920A JP2002342920A JP2004176117A JP 2004176117 A JP2004176117 A JP 2004176117A JP 2002342920 A JP2002342920 A JP 2002342920A JP 2002342920 A JP2002342920 A JP 2002342920A JP 2004176117 A JP2004176117 A JP 2004176117A
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広明 ▲高▼橋
Hiroaki Takahashi
Tomoyuki Kawahara
智之 川原
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Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

【課題】表面にガラスフリットや活性金属を形成したりする必要なく、窒化物系セラミックスや炭化物系セラミックスの表面に直接、密着性高く銅をメタライズすることができるセラミックス表面へのメタライズ方法を提供する。
【解決手段】窒化物系セラミックスあるいは炭化物系セラミックスの少なくとも一方からなるセラミックスの表面に銅をメタライズする。この際に、焼結工程を経て得られたセラミックスを熱処理することによって、セラミックスの表層にセラミックス焼結助剤からなる酸化物を露呈させる工程と、セラミックスの表層の結晶粒子を除去する処理をすることによって、セラミックスの表層にセラミックス焼結助剤からなる酸化物を露呈させる工程とを経た後に、セラミックスの表面にPVD法で銅をメタライズする。セラミックスの表層に露呈させたセラミックス焼結助剤からなる酸化物に対する銅の高い密着強度を確保することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、窒化アルミニウムや炭化珪素などの窒化物系セラミックスや炭化物系セラミックスの表面に銅をメタライズする方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
窒化アルミニウムなどの窒化物系セラミックスや炭化珪素などの炭化物系セラミックスは、回路形成用、ヒートシンク用、絶縁用などの基板として利用する場合、その表面に金属膜をメタライズする必要がある。そしてメタライズする金属としては、電気伝導特性や経済性等の理由により、銅を主導体として用いるのが一般的である。
【0003】
このようにセラミックスの表面に金属をメタライズする方法としては、無電解めっき法、厚膜法、薄膜法などが従来から用いられているが、セラミックスと金属とは異種材料であるので、セラミックスの表面に対する金属膜の密着性を高めることが従来から大きな課題になっている。
【0004】
例えば、特許文献1に開示されている厚膜法では、ガラスフリットを含有する厚膜ペーストをセラミックスの上に塗布し焼成することによって、ガラスフリットをセラミックスとメタライズした金属膜との接着材として作用させ、セラミックスと金属膜との接着強度を確保するようにしている。この方法では、セラミックスとメタライズした金属膜との接着強度が比較的大きいことが利点として挙げられるが、一方で、ガラスフリットの上に形成した金属膜にガラス成分が分散し、電気伝導特性が低下するなどの問題が生じるおそれがある。
【0005】
また、別の例として、特許文献2に開示されている薄膜法では、セラミックスの表面にチタンやクロム等の活性金属を膜として形成し、この活性金属の膜の上にメタライズすることによって、活性金属を介してセラミックスとメタライズした金属膜との接着強度を確保するようにしている。この方法では、セラミックスとメタライズした金属膜との接着強度が比較的大きいことが利点として挙げられるが、一方で、セラミックスとメタライズした金属膜との間にチタンやクロム等の電気伝導特性に劣る材料からなる活性金属膜を形成しなければならないため、電気伝導特性が低下するなどの問題が生じるおそれがある。
【0006】
さらに、別の例として、特許文献3や特許文献4に開示されている方法では、セラミックスの表面に凹凸を形成することによって、アンカー効果によりセラミックスと金属膜との接着強度を確保するようにしている。この方法によれば、前記した従来例の様に、セラミックスとメタライズした金属膜との間に接着剤の目的の異種材料を介することなく、セラミックスの表面に直接、主導体となる任意の金属膜をメタライズできることが利点として挙げられるが、一方で、セラミックス上のメタライズ金属はアンカー効果による物理的な接合力で接着しているにすぎず、更なる接着強度の向上が課題として残るものである。
【0007】
【特許文献1】
特開昭62−176960号公報
【特許文献2】
特開昭64−84648号公報
【特許文献3】
特開昭62−88394号公報
【特許文献4】
特開昭62−182184号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、表面にガラスフリットや活性金属を形成したりする必要なく、窒化物系セラミックスや炭化物系セラミックスの表面に直接、密着性高く銅をメタライズすることができるセラミックス表面へのメタライズ方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係るセラミックス表面へのメタライズ方法は、窒化物系セラミックスあるいは炭化物系セラミックスの少なくとも一方からなるセラミックスの表面に銅をメタライズするにあたって、焼結工程を経て得られたセラミックスを熱処理することによって、セラミックスの表層にセラミックス焼結助剤からなる酸化物を露呈させる工程と、セラミックスの表層の結晶粒子を除去する処理をすることによって、セラミックスの表層にセラミックス焼結助剤からなる酸化物を露呈させる工程とを経た後に、セラミックスの表面にPVD法で銅をメタライズすることを特徴とするものである。
【0010】
また請求項2の発明は、請求項1において、セラミックスを腐食させる処理液にセラミックスを浸漬することによって、セラミックスの表層の結晶粒子を除去する処理をすることを特徴とするものである。
【0011】
また請求項3の発明は、請求項1又は2において、セラミックスの表面にPVD法で銅をメタライズした後、この表面に電解銅めっきをすることを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0013】
本発明においてメタライズの対象とするセラミックスは、窒化物系セラミックスあるいは炭化物系セラミックスである。窒化物系セラミックスとしては、例えば窒化アルミニウム、窒化珪素、窒化ホウ素などがあり、炭化物系セラミックスとしては、例えば炭化珪素、炭化ホウ素などがある。
【0014】
これらのセラミックスは概ね次の作業によって得ることができる。まず所望のセラミックス粉末に、酸化物からなる焼結助剤、溶剤、バインダー等を添加して混練し、グリーンシートを作製する。そしてこのグリーンシートを高温で焼結する焼結工程を経て、セラミックスを得ることができる。ここで、焼結助剤としては、例えば、Y、MgO、CaO、BeO、Al等が用いられるものであり、セラミックス粉末に対して0.1〜10質量%の範囲で添加されている。また、焼結工程におけるグリーンシートの焼結は、例えば1200〜2100℃の範囲の高温で行われる。
【0015】
上記のように焼結して得られるセラミックスは、セラミックス結晶粒子の界面間に10質量%以下の焼結助剤からなる酸化物が形成されている。そしてこの焼結助剤からなる酸化物とPVD法でメタライズした銅の間にCu−O共晶液相が形成され、このCu−O共晶液相を介して焼結助剤からなる酸化物に対してPVD法でメタライズした銅膜は高い密着強度で密着し、セラミックス表面に対する銅膜の密着強度を高く得ることができるという知見を得て、本発明をなしたものである。
【0016】
図1(a)は焼結して得られたセラミックス焼結体の組織を示すものであり、セラミックス結晶粒子1の界面間に10質量%以下のセラミックス焼結助剤からなる酸化物2が形成されている。焼結助剤からなる酸化物2はセラミックスの表層に大きく露出していないので、焼結助剤からなる酸化物2に対する銅膜の密着強度は十分ではなく、セラミックス表面に対する銅膜の密着性を高く得ることはできない。
【0017】
そこで本発明では、焼結工程を経て得られたセラミックスを熱処理する。このようにセラミックスを熱処理すると、焼結助剤からなる酸化物がセラミックスの表層に移動し、図1(b)に示すようにセラミックスの表層に焼結助剤からなる酸化物2が大きく露出する。次に、セラミックスの表層のセラミックス結晶粒子1を除去する。このように表層の結晶粒子1を除去すると、図1(c)に示すように結晶粒子1の裏側に隠れていた焼結助剤からなる酸化物2が露出し、セラミックスの表層に焼結助剤からなる酸化物2が大きく露出する。
【0018】
従って、このような処理の工程の後に、セラミックスの表面にPVD法で銅膜3をメタライズすると、図1(d)のようにセラミックスの表層に大きく露出している焼結助剤からなる酸化物2に対する銅膜3の高い密着強度を確保することができ、セラミックス表面に対する銅膜3の密着性を高めることができるものである。
【0019】
ここで、セラミックス焼結体を上記のように熱処理する条件は、焼結助剤からなる酸化物2をセラミックスの表層に移動させることができればよく、特に制限されるものではないが、熱処理の温度は500℃以上、熱処理の保持時間は30分以上が好ましく、熱処理の際の昇温速度や降温速度等は適宜設定することができる。熱処理温度が500℃未満の場合や、熱処理の保持時間が30分未満の場合は、熱処理が不十分であって焼結助剤からなる酸化物2をセラミックスの表層に十分に移動させることができず、銅膜3の密着強度を高める効果を十分に得ることができない。熱処理温度の上限は特に設定されないが、セラミックスを焼結して作製する際の焼結温度を超える温度で熱処理すると、焼結品の品質が変化するおそれがあるので、熱処理温度は焼結温度以下に設定するのが望ましい。また熱処理の保持時間の上限も特に設定されないが、エネルギー消費のうえから保持時間は5時間以下に設定するのが望ましい。
【0020】
また、上記のようにセラミックスの表層のセラミックス結晶粒子1を除去する方法としては、例えば、セラミックスを腐食させる処理液にセラミックスを浸漬することによって、セラミックスの表層の結晶粒子1を除去する処理を採用することができる。セラミックスを腐食させる処理液としては、セラミックス焼結助剤からなる酸化物2は溶解しないがセラミックス結晶粒子1は溶解する酸性或いは、中性或いは、アルカリ性の薬液を用いることができるものであり、例えば水酸化ナトリウムなどのアルカリ溶液を用いることができる。そして処理液にセラミックスを浸漬することによって、処理液が接触するセラミックスの表層の結晶粒子1のみを除去することができ、焼結助剤からなる酸化物2をセラミックスの表層に露呈させることができるものである。具体的な処理条件の例としては、処理液として水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ溶液を用いる場合、濃度を10〜30質量%、浸漬処理の温度を40〜80℃、浸漬処理の時間10〜60分に設定するのが望ましい。ちなみに、上記の条件の上限を超えると、セラミックスの表層の結晶粒子1の除去が過剰となり、セラミックス基材そのものの機械的強度が低下してしまう可能性があるので、好ましくない。また上記の条件の下限を下回ると、目的とする結晶粒子1の除去が不十分となり、セラミックスの表面に対する銅膜3の密着性を最大限に引き出すことができない可能性があって好ましくない。
【0021】
また、PVD法によるメタライズ方法としては、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱蒸着法等を採用することができる。PVD法による銅メタライズにおいては、成膜時の付着原子のエネルギーは10eV程度となり、このエネルギーを温度でいいかえると10万℃程度となり、銅メタライズで形成される銅膜とセラミックスとの接着に必要なCu−O共晶液相を焼結助剤からなる酸化物の界面に形成させることができるものである。また、PVD法によって銅メタライズを行なうにあたって、セラミックスの表面をアルコール洗浄したり、水分蒸散除去効果を狙った予熱を行なったり、酸素プラズマやイオンボンバード等の前処理を行なったりすることが好ましい。
【0022】
本発明の根幹は、焼結助剤からなる酸化物2をセラミックスの表層により大きな表面積で露呈させ、かつ、PVD法による銅メタライズにおいて、露呈した焼結助剤からなる酸化物2の表面を銅膜3で覆うことで、銅膜3と焼結助剤からなる酸化物2との間にCu−O共晶液相を形成し、強固な密着強度を得ることであるが、さらに、セラミックスの表面にPVD法による銅メタライズを行なった後、この銅メタライズで形成した銅膜3に通電しながらこの上に電解銅めっきを施すことによって、厚付けめっきを行うようにしてもよく、アプリケーションに必要な所望の膜厚に銅膜を調整することが可能になるものである。例えばPVD法によりセラミックスの表面に成膜する銅膜3の膜厚を0.5μm程度とし、所望の膜厚までの残りの成膜を電解銅めっきで行うことによって、生産効率良く厚い膜厚の銅膜を形成することができ、またPVD法により成膜した銅膜3の残留応力による密着性への悪影響を回避することもできるものである。また、必要に応じて、銅メタライズの後、ニッケル、金等の多層メタライズを行なうようにしてもよい。
【0023】
【実施例】
次に、本発明の実施例及び比較例を示す。
【0024】
(実施例1)
窒化アルミニウム粉末に焼結助剤としてYを3質量%、CaOを1質量%配合して調製したセラミックス組成物を成形し、グリーンシートを調製した。次にこのグリーンシートを1800℃で2時間、焼結処理することによって窒化アルミニウム焼結体を調製した(図1(a)参照)。
【0025】
そして、この窒化アルミニウムを、常圧且つ不活性雰囲気下において、温度1700℃、保持時間3時間の条件で熱処理を行なうことによって、窒化アルミニウムの表層にセラミックス焼結助剤からなる酸化物を露呈させた(図1(b)参照)。
【0026】
次いで、この窒化アルミニウムを、60℃に加温した20質量%水酸化ナトリウム水溶液中に30分間浸漬して、窒化アルミニウムの表層の結晶粒子を除去することによって、窒化アルミニウムの表層にセラミックス焼結助剤からなる酸化物をさらに大きく露呈させた(図1(c)参照)。
【0027】
この後、この窒化アルミニウムをアルコール洗浄して表面の汚れを除去した後、予熱ゾーン、プラズマ処理ゾーン、スパッタリングゾーンとからなる連続スパッタリング装置に導入し、装置内の各ゾーンを1.2×10−4Paに保ち、まず加熱ゾーンにて、窒化アルミニウムを200℃に加熱し、続いてプラズマ処理ゾーンにて、酸素プラズマ処理を行った。続いてスパッタリングゾーンにて、アルゴンガスを導入して0.5Paの圧力に調整し、無酸素銅をターゲットとして直流電力を1kwで与え、成膜速度を毎分0.1μmとしてスパッタリングを行い、膜厚が0.3μmのメタライズ銅膜を窒化アルミニウムの表面に形成した(図1(d)参照)。
【0028】
次に、上記の窒化アルミニウムとメタライズ銅膜との接着強度を測定する為、メタライズ銅膜の表面に電解銅めっきを施し、銅膜厚を10μmに調整した。そして、この銅膜においてフォトエッチング法により2×2mmの正方形の銅膜パターンを形成し、この銅膜パターンの上に0.8mmφの錫めっき軟銅線を半田付けし、この軟銅線を引っ張ることによって、銅膜パターンをセラミックスの表面から引き剥がす時の強度を測定した。測定結果、引き剥がし強度は98.2Nであり、極めて強固な密着強度を有することが確認できた。
【0029】
(実施例2)
炭化珪素粉末に焼結助剤としてMgOを0.5質量%、BeOを2質量%配合して調製したセラミックス組成粉末を加圧し、粉末成形のシートを作製した。そしてこの粉末成形のシートを2050℃で2時間、焼結処理することによって炭化珪素焼結体を調製した(図1(a)参照)。
【0030】
そして、この炭化珪素を、常圧且つ不活性雰囲気下において、温度1900℃、保持時間4時間の条件で熱処理を行なうことによって、炭化珪素の表層にセラミックス焼結助剤からなる酸化物を露呈させた(図1(b)参照)。
【0031】
次いで、この炭化珪素を、50℃に加温した10質量%水酸化カリウム水溶液中に30分間浸漬して、炭化珪素の表層の結晶粒子を除去することによって、炭化珪素の表層にセラミックス焼結助剤からなる酸化物をさらに大きく露呈させた(図1(c)参照)。
【0032】
後は、実施例1と同様にして銅のメタライズを行ない(図1(d)参照)、さらに実施例1と同様の方法で銅膜の引き剥がし強度を測定した。測定結果、引き剥がし強度は83.5Nであり、極めて強固な密着強度を有することが確認できた。
【0033】
(実施例3)
実施例1と同様にして作製した窒化アルミニウムを用い、常圧且つ不活性雰囲気下において、温度1700℃、保持時間3時間の条件で熱処理を行なうことによって、窒化アルミニウムの表層にセラミックス焼結助剤からなる酸化物を露呈させた(図1(b)参照)。
【0034】
次に、この窒化アルミニウムを、50℃に加温した26質量%水酸化ナトリウム水溶液中に15分間浸漬して、窒化アルミニウムの表層の結晶粒子を除去することによって、窒化アルミニウムの表層にセラミックス焼結助剤からなる酸化物をさらに大きく露呈させた(図1(c)参照)。
【0035】
次いで、この窒化アルミニウムをアルコール洗浄して表面の汚れを除去した後、予熱ゾーン、RF処理ゾーン、スパッタリングゾーンとからなる連続スパッタリング装置に導入し、装置内の各ゾーンを1.2×10−4Paに保ち、まず加熱ゾーンにて、この窒化アルミニウムを200℃に加熱し、続いてRF処理ゾーンにて、アルゴンガスを導入して10Paの圧力に調整し、この窒化アルミニウムに13.56MHzの高周波を200Wの出力で8分間与え、イオンボンバードを行った。続いてスパッタリングゾーンにて、アルゴンガスを導入して0.5Paの圧力に調整し、無酸素銅をターゲットとして直流電力を1kwで与え、成膜速度を毎分0.1μmとしてスパッタリングを行い、膜厚が0.3μmのメタライズ銅膜を窒化アルミニウムの表面に形成した(図1(d)参照)。
【0036】
そして実施例1と同様の方法で銅膜の引き剥がし強度を測定した。測定結果、引き剥がし強度は98.7Nであり、極めて強固な密着強度を有することが確認できた。
【0037】
(比較例1)
実施例1と同様にして作製した窒化アルミニウムを用い、実施例1のような熱処理や水酸化ナトリウム処理を実施しないで、窒化アルミニウムの表面に実施例1と同様の条件により銅をメタライズした。
【0038】
そして実施例1と同様の方法で銅膜の引き剥がし強度を測定した。測定結果、引き剥がし強度は9.6Nであり実使用上満足できる密着強度は得られなかった。
【0039】
(比較例2)
実施例1と同様にして作製した窒化アルミニウムを用い、この窒化アルミニウムを実施例1と同様にして水酸化ナトリウム水溶液で処理し、窒化アルミニウムの表層の結晶粒子を除去した。
【0040】
次に、この窒化アルミニウムの表面に、無電解銅めっきにて膜厚が3μmの銅膜を形成した。
【0041】
そして実施例1と同様の方法で銅膜の引き剥がし強度を測定した。測定結果、引き剥がし強度は4.9Nであり、実使用上満足できる密着強度は得られなかった。CVD法である無電解銅めっきではセラミックス焼結助剤からなる酸化物との間にCu−O共晶液相は形成されないので、密着強度を得ることができないことが確認できた。
【0042】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1に係るセラミックス表面への銅メタライズ方法は、窒化物系セラミックスあるいは炭化物系セラミックスの少なくとも一方からなるセラミックスの表面に銅をメタライズするにあたって、焼結工程を経て得られたセラミックスを熱処理することによって、セラミックスの表層にセラミックス焼結助剤からなる酸化物を露呈させる工程と、セラミックスの表層の結晶粒子を除去する処理をすることによって、セラミックスの表層にセラミックス焼結助剤からなる酸化物を露呈させる工程とを経た後に、セラミックスの表面にPVD法で銅をメタライズするようにしたので、セラミックス焼結助剤からなる酸化物とPVD法でメタライズした銅との界面にCu−O共晶液相が形成され、セラミックスの表層に大きく露呈させたセラミックス焼結助剤からなる酸化物に対する銅の高い密着強度を得ることができ、セラミックスの表面と銅との間に強固な密着性を得ることができるものであり、ガラスフリットや活性金属を形成したりする必要なく、セラミックスの表面に直接形成されるメタライズ銅の密着性を高めることができるものである。
【0043】
また請求項2の発明は、請求項1において、セラミックスを腐食させる処理液にセラミックスを浸漬することによって、セラミックスの表層の結晶粒子を除去する処理をするようにしたので、処理液にセラミックスを浸漬するという簡便な方法でセラミックスの表層にセラミックス焼結助剤からなる酸化物を露呈させることができるものである。
【0044】
また請求項3の発明は、請求項1又は2において、セラミックスの表面にPVD法で銅をメタライズした後、この表面に電解銅めっきをするようにしたので、PVD法で形成した銅膜に通電することによって電解銅めっきをすることができ、銅膜を所望の任意の膜厚に形成することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a),(b),(c),(d)はそれぞれ概略断面図である。
【符号の説明】
1 セラミックス結晶粒子
2 セラミックス焼結助剤からなる酸化物
3 銅膜

Claims (3)

  1. 窒化物系セラミックスあるいは炭化物系セラミックスの少なくとも一方からなるセラミックスの表面に銅をメタライズするにあたって、焼結工程を経て得られたセラミックスを熱処理することによって、セラミックスの表層にセラミックス焼結助剤からなる酸化物を露呈させる工程と、セラミックスの表層の結晶粒子を除去する処理をすることによって、セラミックスの表層にセラミックス焼結助剤からなる酸化物を露呈させる工程とを経た後に、セラミックスの表面にPVD法で銅をメタライズすることを特徴とするセラミックス表面への銅メタライズ方法。
  2. セラミックスを腐食させる処理液にセラミックスを浸漬することによって、セラミックスの表層の結晶粒子を除去する処理をすることを特徴とする請求項1に記載のセラミックス表面への銅メタライズ方法。
  3. セラミックスの表面にPVD法で銅をメタライズした後、この表面に電解銅めっきをすることを特徴とする請求項1又は2に記載のセラミックス表面への銅メタライズ方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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