【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化粧フィルム（化粧シートも含む）に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、各種樹脂フィルムに様々な化粧（装飾）を施してなる化粧フィルムは、例えば、包装用材料、オムツや生理用ナプキンなどの衛生用品のバックシート用材料等として広く用いられている。
【０００３】
このような化粧フィルムとして、例えば、表面および厚み方向全体にわたって大理石模様が形成されていてトップ層となる予め成形された透明樹脂フィルムと、予め成形された着色下地層とを、カレンダーロールで圧着し一体化させた化粧フィルムおよびその製造方法が開示されている（例えば、特許文献１参照。）。
【０００４】
しかし、上記化粧フィルムは、トップ層と着色下地層との２層からなるので、予め上記２層を個別に成形（製膜）する工程と成形された２層をカレンダーロールで圧着する工程とが必要であり、工程が煩雑となって作業性が悪く、コスト面でも不利であるという問題点がある。また、上記製造方法では、薄物の化粧フィルムを製造することができないという問題点もある。
【０００５】
また、別の化粧フィルムとして、例えば、ポリオレフィン系樹脂フィルムにポリオレフィン系樹脂エマルジョンで装飾模様を印刷してなる化粧フィルムが開示されている（例えば、特許文献２。）。
【０００６】
しかし、上記化粧フィルムは、印刷版に付与された装飾模様を繰り返した化粧しかできず、不規則な装飾模様の化粧を施すことが困難であるという問題点がある。また、ポリオレフィン系樹脂フィルムにアンカーコート（プライマーコート）を施した後に、ポリオレフィン系樹脂エマルジョンを印刷するので、工程が煩雑となって作業性が悪く、コスト面でも不利であるという問題点や、化粧フィルムの品質の安定化に関しても不具合が発生しやすいという問題点がある。
【０００７】
【特許文献１】
特開２００２−２３４１１６号公報
【特許文献２】
特開２００２−１５４３００号公報
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、薄物で不規則な装飾模様を有し、かつ、成形性（製膜性）が良好でコスト面でも有利な化粧フィルムを提供することにある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
請求項１に記載の発明（本発明）による化粧フィルムは、ポリオレフィン系樹脂１００重量部に対し、繊維長０．０１〜０．５ｍｍの繊維状物質０．１〜２０重量部が配合されてなるポリオレフィン系樹脂組成物が製膜されてなり、かつ、厚みが２０〜１００μｍであることを特徴とする。
【００１０】
本発明の化粧フィルムを形成するポリオレフィン系樹脂組成物に用いられるポリオレフィン系樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、熱可塑性ポリオレフィン系エラストマー等が挙げられる。これらのポリオレフィン系樹脂は、単独で用いられても良いし、２種類以上が併用されても良い。
【００１１】
上記ポリエチレン系樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどのいわゆるポリエチレン樹脂；エチレンと該エチレンと共重合可能なエチレン以外のα−オレフィンとのエチレンを主体とする共重合体；エチレンと該エチレンと共重合可能なα−オレフィン以外の重合性モノマーとのエチレンを主体とする共重合体等が挙げられる。これらのポリエチレン系樹脂は、単独で用いられても良いし、２種類以上が併用されても良い。
【００１２】エチレンと共重合可能なエチレン以外のα−オレフィンとしては、特に限定されるものではないが、例えば、プロピレン、１−ブテン、１−ペンテン、１−ヘキセン、４−メチル−１−ペンテン、１−ヘプテン、１−オクテン等が挙げられる。これらのエチレン以外のα−オレフィンは、単独で用いられても良いし、２種類以上が併用されても良い。
【００１３】
エチレンと共重合可能なα−オレフィン以外の重合性モノマーとしては、特に限定されるものではないが、例えば、酢酸ビニル、（メタ）アクリル酸、各種（メタ）アクリル酸エステル等が挙げられる。これらのα−オレフィン以外の重合性モノマーは、単独で用いられても良いし、２種類以上が併用されても良い。また、上記エチレン以外のα−オレフィンおよびα−オレフィン以外の重合性モノマーは、それぞれ単独で用いられても良いし、両者が併用されても良い。なお、ここで（メタ）アクリル酸とは、アクリル酸またはメタクリル酸を言う。
【００１４】
上記ポリプロピレン系樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、プロピレン単独重合体などのいわゆるポリプロピレン樹脂；プロピレンと該プロピレンと共重合可能なプロピレン以外のα−オレフィンとのプロピレンを主体とする共重合体；ポリプロピレン系樹脂と例えばポリエチレン系樹脂などのポリプロピレン系樹脂以外のポリオレフィン系樹脂とのポリプロピレン系樹脂を主体とする混合物等が挙げられる。これらのポリプロピレン系樹脂は、単独で用いられても良いし、２種類以上が併用されても良い。
【００１５】
プロピレンと共重合可能なプロピレン以外のα−オレフィンとしては、特に限定されるものではないが、例えば、エチレン、１−ブテン、１−ペンテン、１−ヘキセン、４−メチル−１−ペンテン、１−ヘプテン、１−オクテン等が挙げられる。これらのプロピレン以外のα−オレフィンは、単独で用いられても良いし、２種類以上が併用されても良い。
【００１６】
上記熱可塑性ポリオレフィン系エラストマーとは、常温ではゴム弾性を示し、高温では可塑化されて各種の成形加工が可能となるものであり、一般に、分子中にゴム弾性を有するソフトセグメント（ゴム成分）と塑性変形を防止するためのハードセグメント（分子拘束成分）とを共有していることが多く、成形可能な範囲においては部分架橋構造を有する場合もあるが、広範囲の三次元架橋構造（網目構造）は有していない。
【００１７】
上記熱可塑性ポリオレフィン系エラストマーとしては、特に限定されるものではないが、例えば、ソフトセグメントとしてポリエチレン、エチレンと少量のジエンとの共重合体、または、これらの部分架橋物等を有し、ハードセグメントとしてポリプロピレン等を有するブロック共重合体等からなるポリオレフィン系エラストマー等が挙げられる。これらの熱可塑性ポリオレフィン系エラストマーは、単独で用いられても良いし、２種類以上が併用されても良い。
【００１８】
本発明においては、上記ポリオレフィン系樹脂のなかでも、機械的強度、耐熱性、柔軟性および伸び等の物性とコストとのバランスに優れる化粧フィルムを得られることから、ポリエチレン系樹脂が好適に用いられ、とりわけ、上記物性とコストとのバランスにより優れる化粧フィルムを得られることから、低密度ポリエチレンなどのポリエチレン樹脂がより好適に用いられる。
【００１９】
本発明の化粧フィルムを形成するポリオレフィン系樹脂組成物に用いられる繊維状物質は、繊維長が０．０１〜０．５ｍｍであることが必要であり、好ましくは０．０５〜０．１ｍｍである。
【００２０】
繊維状物質の繊維長が０．０１ｍｍ未満であると、得られる化粧フィルムの装飾模様を装飾模様として判別することが困難となり、逆に繊維状物質の繊維長が０．５ｍｍを超えると、成形（製膜）時に化粧フィルムに穴空きが発生したり、化粧フィルムの表面から繊維状物質の端部が飛び出す恐れがある。
【００２１】
上記繊維状物質としては、特に限定されるものではないが、例えば、木綿、麻、絹、パルプなどの天然繊維；アクリル繊維、アセテート繊維、アラミド繊維、ナイロン、レーヨン（ビスコースレーヨン）、ビニリデン繊維、ビニロン、ポリアセタール繊維、ポリウレタン繊維、ポリエステル繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリクラール繊維などの合成繊維；これら天然繊維や合成繊維からなる織布や不織布等が挙げられる。これらの繊維状物質は、繊維長が０．０１〜０．５ｍｍのものである限り、単独で用いられても良いし、２種類以上が併用されても良い。
また、これらの繊維状物質は、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、着色されていても良い。
【００２２】
本発明の化粧フィルムを形成するポリオレフィン系樹脂組成物は、前記ポリオレフィン系樹脂１００重量部に対し、上記繊維状物質０．１〜２０重量部が配合されていることが必要であり、好ましくは上記繊維状物質０．５〜１５重量部が配合されていることである。
【００２３】
ポリオレフィン系樹脂１００重量部に対する繊維状物質の配合量が０．１重量部未満であると、得られる化粧フィルムに対する化粧（装飾）効果が不十分となり、逆にポリオレフィン系樹脂１００重量部に対する繊維状物質の配合量が２０重量部を超えると、成形（製膜）時に化粧フィルムに穴空きが発生したり、化粧フィルムの表面から繊維状物質の端部が飛び出す恐れがある。
【００２４】
ポリオレフィン系樹脂と繊維状物質との混合（混練）方法は、特に限定されるものではなく、例えば、加熱装置を備えた押出機や混合機を用いて、所定量のポリオレフィン系樹脂と所定量の繊維状物質とを直接的に均一に加熱溶融混合する方法を採っても良いし、また、予め所定量のポリオレフィン系樹脂の一部と所定量の繊維状物質とからなる繊維状物質マスターバッチを作製し、必要に応じてペレット化した後、この繊維状物質マスターバッチ（ペレット）と所定量のポリオレフィン系樹脂の残部とを均一に加熱溶融混合する方法を採っても良い。
【００２５】
本発明の化粧フィルムを形成するポリオレフィン系樹脂組成物には、必須成分であるポリオレフィン系樹脂および繊維状物質に加えるに、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、例えば、充填剤、増量剤、軟化剤（可塑剤）、着色剤、酸化防止剤（老化防止剤）、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤等の配合剤（添加剤）の１種類もしくは２種類以上が配合されていても良い。
【００２６】
本発明の化粧フィルムの成形（製膜）方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、Ｔダイ法による押出成形法、インフレーション法、キャスティング法等の公知のフィルム成形法が挙げられ、いずれの成形方法が採られても良い。また、本発明の化粧フィルムは、上記成形後に、１軸方向もしくは２軸方向に延伸処理が施されていても良い。
【００２７】
こうして得られる本発明の化粧フィルムは、厚みが２０〜１００μｍであることが必要である。
【００２８】
化粧フィルムの厚みが２０μｍ未満であると、化粧フィルムの機械的強度や強靱性が不十分となり、逆に化粧フィルムの厚みが１００μｍを超えると、化粧フィルムの柔軟性や触感が不十分となり、コスト高ともなる。
【００２９】
本発明の化粧フィルムは、単層構成であることが好ましいが、前記ポリオレフィン系樹脂組成物から形成され、かつ、厚み（総厚み）が２０〜１００μｍである限り、２層以上の多層構成であっても良い。
【００３０】
化粧フィルムを多層構成とする場合、その成形（製膜）方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、多層押出ラミネート法や多層共押出法等が挙げられ、いずれの成形方法が採られても良い。
【００３１】
【作用】
本発明の化粧フィルムは、ポリオレフィン系樹脂の特定量に対し、特定の範囲の繊維長を有する繊維状物質の特定量が配合されてなるポリオレフィン系樹脂組成物から形成され、かつ、厚みが特定の範囲となされているので、不規則な装飾模様を有することが可能であり、かつ、薄物でもある。
【００３２】
【発明の実施の形態】
本発明をさらに詳しく説明するため以下に実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【００３３】
（実施例１）
ポリオレフィン系樹脂として低密度ポリエチレン樹脂（以下、「ＬＤＰＥ」と記す）１００重量部に対し、６０重量％濃度に調製した酸化チタンマスターバッチ５重量部および繊維状物質として繊維長が０．０６ｍｍの木綿１重量部を配合し、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。次いで、上記ポリオレフィン系樹脂組成物のＴダイ法による押し出し成形を行って、厚みが３５μｍの単層構成の化粧フィルムを作製した。
【００３４】
（実施例２）
ポリオレフィン系樹脂としてＬＤＰＥ１００重量部に対し、６０重量％濃度に調製した酸化チタンマスターバッチ５重量部および繊維状物質として繊維長が０．１ｍｍの木綿１重量部を配合し、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。次いで、上記ポリオレフィン系樹脂組成物を用いたこと以外は実施例１の場合と同様にして、厚みが３５μｍの単層構成の化粧フィルムを作製した。
【００３５】
（実施例３）
ポリオレフィン系樹脂としてＬＤＰＥ１００重量部に対し、６０重量％濃度に調製した酸化チタンマスターバッチ５重量部および繊維状物質として繊維長が０．０６ｍｍの木綿５重量部を配合し、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。
次いで、上記ポリオレフィン系樹脂組成物を用いたこと以外は実施例１の場合と同様にして、厚みが３５μｍの単層構成の化粧フィルムを作製した。
【００３６】
（比較例１）
ポリオレフィン系樹脂としてＬＤＰＥ１００重量部に対し、６０重量％濃度に調製した酸化チタンマスターバッチ５重量部および繊維状物質として繊維長が０．０６ｍｍの木綿０．０５重量部を配合し、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。次いで、上記ポリオレフィン系樹脂組成物を用いたこと以外は実施例１の場合と同様にして、厚みが３５μｍの単層構成の化粧フィルムを作製した。
【００３７】
（比較例２）
ポリオレフィン系樹脂としてＬＤＰＥ１００重量部に対し、６０重量％濃度に調製した酸化チタンマスターバッチ５重量部および繊維状物質として繊維長が０．０６ｍｍの木綿３０重量部を配合し、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。次いで、上記ポリオレフィン系樹脂組成物を用いたこと以外は実施例１の場合と同様にして、厚みが１２０μｍの単層構成の化粧フィルムを作製した。
【００３８】
（比較例３）
ポリオレフィン系樹脂としてＬＤＰＥ１００重量部に対し、６０重量％濃度に調製した酸化チタンマスターバッチ５重量部および繊維状物質として繊維長が０．００５ｍｍの木綿１重量部を配合し、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。次いで、上記ポリオレフィン系樹脂組成物を用いたこと以外は実施例１の場合と同様にして、厚みが３５μｍの単層構成の化粧フィルムを作製した。
【００３９】
（比較例４）
ポリオレフィン系樹脂としてＬＤＰＥ１００重量部に対し、６０重量％濃度に調製した酸化チタンマスターバッチ５重量部および繊維状物質として繊維長が０．８ｍｍの木綿１重量部を配合し、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製した。次いで、上記ポリオレフィン系樹脂組成物を用いたこと以外は実施例１の場合と同様にして、厚みが３５μｍの単層構成の化粧フィルムを作製した。
【００４０】
実施例１〜実施例３および比較例１〜比較例４で得られた化粧フィルムの性能（▲１▼製膜性、▲２▼装飾性）を以下の方法で評価した。その結果は表１に示すとおりであった。
【００４１】
▲１▼製膜性
化粧フィルムの外観を目視で観察し、下記判定基準により製膜性を評価した。
〔判定基準〕
○‥‥厚みが薄く、穴空きの発生もなく、良好な製膜性であった。
×‥‥厚みが厚かったり、穴空きの発生があり、製膜性が悪かった。
▲２▼装飾性
化粧フィルムの外観を目視で観察し、下記判定基準により装飾性を評価した。
〔判定基準〕
○‥‥繊維状物質による装飾模様がはっきり認められた。
×‥‥繊維状物質による装飾模様がはっきり認められなかった。
【００４２】
【表１】
【００４３】
表１から明らかなように、本発明による実施例１〜実施例３の化粧フィルムは、いずれも優れた製膜性と優れた装飾性とを発現した。
【００４４】
これに対し、ポリオレフィン系樹脂（ＬＤＰＥ）１００重量部に対する繊維状物質（木綿）の配合量が０．１重量部未満であった比較例１の化粧フィルム、および、繊維長が０．０１ｍｍ未満の繊維状物質（木綿）を用いた比較例３の化粧フィルムは、ともに装飾性が悪かった。また、ポリオレフィン系樹脂（ＬＤＰＥ）１００重量部に対する繊維状物質（木綿）の配合量が２０重量部を超えていた比較例２の化粧フィルム、および、繊維長が０．５ｍｍを超えていた繊維状物質（木綿）を用いた比較例４の化粧フィルムは、ともに製膜性が悪かった。
【００４５】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の化粧フィルムは、薄物で不規則な装飾模様を有し、かつ、成形性（製膜性）が良好でコスト面でも有利であるので、例えば、包装用材料、オムツや生理用ナプキンなどの衛生用品のバックシート用材料等を始め、各種用途むけの化粧フィルムとして好適に用いられる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a decorative film (including a decorative sheet).
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Conventionally, decorative films obtained by applying various makeups (decorations) to various resin films have been widely used as, for example, packaging materials, materials for back sheets of sanitary articles such as diapers and sanitary napkins, and the like.
[0003]
As such a decorative film, for example, a preformed transparent resin film having a marble pattern formed on the entire surface and in the thickness direction and serving as a top layer, and a preformed colored base layer are pressed with a calender roll. An integrated decorative film and a method for manufacturing the same are disclosed (for example, see Patent Document 1).
[0004]
However, since the decorative film is composed of two layers, a top layer and a colored base layer, a step of individually forming (forming) the two layers in advance and a step of pressing the formed two layers by a calender roll are performed. It is necessary, and there is a problem that the process is complicated, the workability is poor, and the cost is disadvantageous. In addition, the above-described manufacturing method has a problem that a thin decorative film cannot be manufactured.
[0005]
Further, as another decorative film, for example, a decorative film in which a decorative pattern is printed on a polyolefin-based resin film with a polyolefin-based resin emulsion is disclosed (for example, Patent Document 2).
[0006]
However, the above-mentioned decorative film has a problem that it is only possible to repeat the decorative pattern applied to the printing plate, and that it is difficult to apply an irregular decorative pattern. In addition, since the polyolefin-based resin emulsion is printed after the polyolefin-based resin film is coated with the anchor coat (primer coat), the process is complicated, the workability is poor, and the cost is disadvantageous. There is also a problem that a problem easily occurs with respect to stabilization of film quality.
[0007]
[Patent Document 1]
JP 2002-234116 A [Patent Document 2]
JP-A-2002-154300
[Problems to be solved by the invention]
In view of the above problems, an object of the present invention is to provide a decorative film which is thin and has an irregular decorative pattern, has good moldability (film forming property), and is advantageous in cost.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The decorative film according to the first aspect of the present invention (the present invention) is prepared by mixing 0.1 to 20 parts by weight of a fibrous substance having a fiber length of 0.01 to 0.5 mm with respect to 100 parts by weight of a polyolefin resin. The polyolefin resin composition is formed into a film, and has a thickness of 20 to 100 μm.
[0010]
The polyolefin-based resin used in the polyolefin-based resin composition forming the decorative film of the present invention is not particularly limited, and examples thereof include a polyethylene-based resin, a polypropylene-based resin, and a thermoplastic polyolefin-based elastomer. . These polyolefin resins may be used alone or in combination of two or more.
[0011]
Examples of the polyethylene resin include, but are not particularly limited to, so-called polyethylene resins such as ultra-low density polyethylene, low density polyethylene, linear low density polyethylene, medium density polyethylene, and high density polyethylene; Copolymer of ethylene with α-olefin other than ethylene copolymerizable with ethylene as a main component; Copolymer of ethylene with polymerizable monomer other than α-olefin with ethylene as a main component of ethylene And the like. These polyethylene resins may be used alone or in combination of two or more.
The α-olefin other than ethylene copolymerizable with ethylene is not particularly limited, and examples thereof include propylene, 1-butene, 1-pentene, 1-hexene, and 4-methyl-1-pentene. , 1-heptene, 1-octene and the like. These α-olefins other than ethylene may be used alone or in combination of two or more.
[0013]
The polymerizable monomer other than the α-olefin copolymerizable with ethylene is not particularly limited, and examples thereof include vinyl acetate, (meth) acrylic acid, and various (meth) acrylates. These polymerizable monomers other than α-olefins may be used alone or in combination of two or more. Further, the α-olefin other than ethylene and the polymerizable monomer other than α-olefin may be used alone or in combination. Here, (meth) acrylic acid means acrylic acid or methacrylic acid.
[0014]
The above-mentioned polypropylene-based resin is not particularly limited. For example, a so-called polypropylene resin such as a propylene homopolymer; mainly composed of propylene of propylene and an α-olefin other than propylene copolymerizable with the propylene. Copolymer; a mixture mainly composed of a polypropylene resin and a polyolefin resin other than a polypropylene resin such as a polyethylene resin, for example, a polyethylene resin, and the like. These polypropylene resins may be used alone or in combination of two or more.
[0015]
Examples of the α-olefin other than propylene copolymerizable with propylene include, but are not particularly limited to, ethylene, 1-butene, 1-pentene, 1-hexene, 4-methyl-1-pentene, 1- Heptene, 1-octene and the like can be mentioned. These α-olefins other than propylene may be used alone or in combination of two or more.
[0016]
The thermoplastic polyolefin-based elastomer is one that exhibits rubber elasticity at normal temperature and is plasticized at high temperature to enable various molding processes. Generally, a soft segment (rubber component) having rubber elasticity in a molecule is used. It often shares a hard segment (molecular constrained component) to prevent plastic deformation, and may have a partially crosslinked structure as far as it can be molded, but has a wide range of three-dimensional crosslinked structure (network structure) Do not have.
[0017]
Examples of the thermoplastic polyolefin-based elastomer include, but are not particularly limited to, for example, polyethylene as a soft segment, a copolymer of ethylene and a small amount of a diene, or a partially crosslinked product thereof, and the like. Examples thereof include a polyolefin-based elastomer made of a block copolymer having polypropylene or the like. These thermoplastic polyolefin-based elastomers may be used alone or in combination of two or more.
[0018]
In the present invention, among the above-mentioned polyolefin-based resins, a mechanical strength, heat resistance, flexibility and elongation can be obtained, and a decorative film excellent in balance between cost and the like can be obtained. In particular, a polyethylene film such as a low-density polyethylene is more preferably used, since a decorative film excellent in balance between the above-mentioned properties and cost can be obtained.
[0019]
The fibrous substance used in the polyolefin resin composition forming the decorative film of the present invention needs to have a fiber length of 0.01 to 0.5 mm, and preferably 0.05 to 0.1 mm. .
[0020]
When the fiber length of the fibrous material is less than 0.01 mm, it is difficult to distinguish the decorative pattern of the obtained decorative film as a decorative pattern, and when the fiber length of the fibrous material exceeds 0.5 mm, the molding is performed. At the time of (film formation), there is a possibility that a hole is formed in the decorative film or an end of the fibrous substance jumps out of the surface of the decorative film.
[0021]
Examples of the fibrous substance include, but are not particularly limited to, natural fibers such as cotton, hemp, silk, and pulp; acrylic fibers, acetate fibers, aramid fibers, nylon, rayon (viscose rayon), and vinylidene fibers. And synthetic fibers such as vinylon, polyacetal fibers, polyurethane fibers, polyester fibers, polyvinyl chloride fibers, and polyclar fibers; and woven and nonwoven fabrics made of these natural fibers and synthetic fibers. These fibrous substances may be used alone or in combination of two or more as long as the fiber length is 0.01 to 0.5 mm.
In addition, these fibrous substances may be colored as necessary within a range that does not hinder achievement of the object of the present invention.
[0022]
The polyolefin-based resin composition for forming the decorative film of the present invention is required to contain 0.1 to 20 parts by weight of the fibrous substance with respect to 100 parts by weight of the polyolefin-based resin. 0.5 to 15 parts by weight of the fibrous substance is blended.
[0023]
If the amount of the fibrous substance is less than 0.1 part by weight based on 100 parts by weight of the polyolefin resin, the effect of the decorative (decorative) effect on the obtained decorative film becomes insufficient, and conversely, the amount of the fibrous substance based on 100 parts by weight of the polyolefin resin is reduced. If the compounding amount of the substance exceeds 20 parts by weight, holes may be formed in the decorative film at the time of molding (film formation), or the end of the fibrous substance may jump out of the surface of the decorative film.
[0024]
The method of mixing (kneading) the polyolefin resin and the fibrous substance is not particularly limited. For example, a predetermined amount of the polyolefin resin is mixed with a predetermined amount of an extruder or a mixer equipped with a heating device. A method of directly heating and melting and mixing a fibrous substance may be employed, or a fibrous substance master batch composed of a predetermined amount of a polyolefin resin and a predetermined amount of a fibrous substance may be used in advance. A method may be employed in which the fibrous material masterbatch (pellet) is prepared and pelletized as necessary, and then the fibrous substance masterbatch (pellet) and a predetermined amount of the remainder of the polyolefin-based resin are uniformly heated and melt-mixed.
[0025]
The polyolefin-based resin composition forming the decorative film of the present invention, in addition to the polyolefin-based resin and the fibrous substance as essential components, if necessary within a range that does not hinder achievement of the object of the present invention, for example, a filler , Extenders, softeners (plasticizers), coloring agents, antioxidants (antiaging agents), heat stabilizers, light stabilizers, ultraviolet absorbers, lubricants, antistatic agents, flame retardants and other compounding agents (additives) ) May be blended.
[0026]
The method of forming (forming) the decorative film of the present invention is not particularly limited, and examples thereof include known film forming methods such as an extrusion molding method by a T-die method, an inflation method, and a casting method. Either molding method may be adopted. Further, the decorative film of the present invention may be subjected to a stretching treatment in a uniaxial direction or a biaxial direction after the above-mentioned molding.
[0027]
The thus obtained decorative film of the present invention needs to have a thickness of 20 to 100 μm.
[0028]
If the thickness of the decorative film is less than 20 μm, the mechanical strength and toughness of the decorative film become insufficient, and if the thickness of the decorative film exceeds 100 μm, the flexibility and touch feeling of the decorative film become insufficient, resulting in cost. It can be high.
[0029]
The decorative film of the present invention preferably has a single-layer structure, but has a multilayer structure of two or more layers as long as it is formed from the polyolefin-based resin composition and has a thickness (total thickness) of 20 to 100 μm. May be.
[0030]
When the decorative film has a multilayer structure, the forming (film forming) method is not particularly limited, and examples thereof include a multilayer extrusion laminating method and a multilayer co-extrusion method. You may be.
[0031]
[Action]
The decorative film of the present invention is formed from a polyolefin-based resin composition in which a specific amount of a fibrous substance having a fiber length in a specific range is blended with respect to a specific amount of a polyolefin-based resin, and has a specific thickness. Since it is a range, it is possible to have an irregular decorative pattern, and it is also a thin object.
[0032]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
EXAMPLES The present invention will be described in more detail with reference to Examples, but the present invention is not limited to these Examples.
[0033]
(Example 1)
100 parts by weight of a low-density polyethylene resin (hereinafter referred to as "LDPE") as a polyolefin resin, 5 parts by weight of a titanium oxide masterbatch adjusted to a concentration of 60% by weight, and cotton having a fiber length of 0.06 mm as a fibrous substance One part by weight was blended to prepare a polyolefin-based resin composition. Next, the polyolefin resin composition was extruded by a T-die method to produce a single-layer decorative film having a thickness of 35 μm.
[0034]
(Example 2)
5 parts by weight of a titanium oxide master batch prepared to a concentration of 60% by weight and 100 parts by weight of cotton having a fiber length of 0.1 mm as a fibrous substance were blended with 100 parts by weight of LDPE as a polyolefin-based resin to prepare a polyolefin-based resin composition. Prepared. Next, a single-layer decorative film having a thickness of 35 μm was prepared in the same manner as in Example 1 except that the above-mentioned polyolefin-based resin composition was used.
[0035]
(Example 3)
5 parts by weight of a titanium oxide masterbatch adjusted to a concentration of 60% by weight and 100 parts by weight of LDPE as a polyolefin-based resin and 5 parts by weight of cotton having a fiber length of 0.06 mm as a fibrous substance were blended to obtain a polyolefin-based resin composition. Prepared.
Next, a single-layer decorative film having a thickness of 35 μm was prepared in the same manner as in Example 1 except that the above-mentioned polyolefin-based resin composition was used.
[0036]
(Comparative Example 1)
5 parts by weight of a titanium oxide masterbatch adjusted to a concentration of 60% by weight with respect to 100 parts by weight of LDPE as a polyolefin-based resin and 0.05 parts by weight of cotton having a fiber length of 0.06 mm as a fibrous substance were mixed. Was prepared. Next, a single-layer decorative film having a thickness of 35 μm was prepared in the same manner as in Example 1 except that the above-mentioned polyolefin-based resin composition was used.
[0037]
(Comparative Example 2)
100 parts by weight of LDPE as a polyolefin resin, 5 parts by weight of a titanium oxide master batch prepared to a concentration of 60% by weight, and 30 parts by weight of cotton having a fiber length of 0.06 mm as a fibrous substance were blended to obtain a polyolefin resin composition. Prepared. Next, a decorative film having a single-layer structure with a thickness of 120 μm was produced in the same manner as in Example 1 except that the above-mentioned polyolefin-based resin composition was used.
[0038]
(Comparative Example 3)
5 parts by weight of a titanium oxide masterbatch adjusted to a concentration of 60% by weight and 100 parts by weight of cotton having a fiber length of 0.005 mm as a fibrous substance are blended with 100 parts by weight of LDPE as a polyolefin-based resin to prepare a polyolefin-based resin composition. Prepared. Next, a single-layer decorative film having a thickness of 35 μm was prepared in the same manner as in Example 1 except that the above-mentioned polyolefin-based resin composition was used.
[0039]
(Comparative Example 4)
100 parts by weight of LDPE as a polyolefin resin, 5 parts by weight of a titanium oxide masterbatch adjusted to a concentration of 60% by weight, and 1 part by weight of cotton having a fiber length of 0.8 mm as a fibrous substance were blended. Prepared. Next, a single-layer decorative film having a thickness of 35 μm was prepared in the same manner as in Example 1 except that the above-mentioned polyolefin-based resin composition was used.
[0040]
The performances ((1) film forming property, (2) decorative property) of the decorative films obtained in Examples 1 to 3 and Comparative Examples 1 to 4 were evaluated by the following methods. The results were as shown in Table 1.
[0041]
(1) Film-forming properties The appearance of the decorative film was visually observed, and the film-forming properties were evaluated according to the following criteria.
(Judgment criteria)
○ ‥‥ The film was thin, had no holes, and had good film-forming properties.
× ‥‥ The film was thick or had holes, resulting in poor film-forming properties.
{Circle over (2)} The appearance of the decorative decorative film was visually observed, and the decorativeness was evaluated according to the following criteria.
(Judgment criteria)
○ ‥‥ The decorative pattern due to the fibrous substance was clearly recognized.
× ‥‥ The decorative pattern due to the fibrous material was not clearly recognized.
[0042]
[Table 1]
As is clear from Table 1, the decorative films of Examples 1 to 3 according to the present invention all exhibited excellent film-forming properties and excellent decorativeness.
[0044]
On the other hand, the decorative film of Comparative Example 1 in which the blending amount of the fibrous substance (cotton) was less than 0.1 part by weight with respect to 100 parts by weight of the polyolefin resin (LDPE), and the fiber length was less than 0.01 mm. The decorative film of Comparative Example 3 using the fibrous substance (cotton) had poor decorativeness. Further, the decorative film of Comparative Example 2 in which the blending amount of the fibrous substance (cotton) was more than 20 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the polyolefin resin (LDPE), and the fibrous material in which the fiber length was more than 0.5 mm The decorative film of Comparative Example 4 using the substance (cotton) had poor film-forming properties.
[0045]
【The invention's effect】
As described above, the decorative film of the present invention has a thin and irregular decorative pattern, and has good moldability (film-forming property) and is advantageous in terms of cost. It is suitably used as a cosmetic film for various uses, including materials for back sheets of sanitary articles such as diapers and sanitary napkins.