JP2004173105A - 野外活動記録作成方法及び野外活動記録作成システム - Google Patents
野外活動記録作成方法及び野外活動記録作成システム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004173105A JP2004173105A JP2002338468A JP2002338468A JP2004173105A JP 2004173105 A JP2004173105 A JP 2004173105A JP 2002338468 A JP2002338468 A JP 2002338468A JP 2002338468 A JP2002338468 A JP 2002338468A JP 2004173105 A JP2004173105 A JP 2004173105A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- information
- user
- creation
- created
- mobile terminal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Telephone Function (AREA)
Abstract
【課題】ユーザが手軽に野外活動を行うことができ、かつその野外活動において得られた情報の整理、加工を容易に行い、ひいては野外活動記録を効率的に作成し得る方法及びシステムを提供する。
【解決手段】野外活動記録作成システム1は、地図データベース31を備え、野外活動における移動軌跡上の複数位置にて生成された端末位置情報と、野外活動記録の素材として利用者が作成した利用者作成情報と、この利用者作成情報の作成位置を特定する位置特定情報とがそれぞれ対応付けられて利用者データベース35に記憶されている。そして、移動端末3の移動軌跡情報を生成して、所定領域の地図情報と対応付けて描画し、かつ、利用者作成情報を地図上におけるその作成位置と対応付ける。そして地図情報、移動軌跡情報、及び利用者作成情報を合成して野外活動記録情報として出力する。
【選択図】 図1
【解決手段】野外活動記録作成システム1は、地図データベース31を備え、野外活動における移動軌跡上の複数位置にて生成された端末位置情報と、野外活動記録の素材として利用者が作成した利用者作成情報と、この利用者作成情報の作成位置を特定する位置特定情報とがそれぞれ対応付けられて利用者データベース35に記憶されている。そして、移動端末3の移動軌跡情報を生成して、所定領域の地図情報と対応付けて描画し、かつ、利用者作成情報を地図上におけるその作成位置と対応付ける。そして地図情報、移動軌跡情報、及び利用者作成情報を合成して野外活動記録情報として出力する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、野外活動の記録を作成する方法及びシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、種々のフィールド(例えば、里山など)における野外活動が、学校などにおける教育活動の一環として、或いは様々なグループのふれあい活動として行われている。そして、このような野外活動を行う際には、野外活動を行う活動者はその活動状況を写真などに収めたり、あるいは、メモ、絵などとして紙などに記録しておく場合が多い。
【0003】
ところが、上記のような従来方法では、野外活動を行うために地図や、カメラ、ノートなどの情報収集用具を予め準備しなければならず、また活動の際には絶えずそれを携帯しながら移動等行わなければならないため、このような所持品が多いほど全体的に嵩張るものとなり活動が大変なものとなる。一方、軽装とするために上記道具を携帯せずに活動を行うと、十分な情報を残しにくく、後に活動記録を作成する際に支障が生じる。なお、野外活動に関連する先行技術文献として下記特許文献1のようなものがある。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−97927号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、携帯電話、ノートパソコン、カーナビゲーションを用いて地図情報が取得可能となるシステムが提供されており、このシステムによれば生活の種々の場面で地図情報が取得でき、上記のような野外活動においてもユーザ(野外活動を行う活動者)は場所を選ばずに手軽に地図情報を取得できることとなる。さらには、このような地図情報に観光情報や広告情報を付加して端末に表示するようなものが提供されており、これによれば、ユーザは地図情報だけでなく、広告情報や、観光情報などの情報を地図や雑誌を用いずとも手軽に取得できることとなる。また、媒体によっては、メモ、画像などの情報をユーザ入力により作成できるものがあるため、嵩張る用具を持ち歩かずとも情報収集が可能となる。
【0006】
しかしながら、上記のように収集した情報を用い、野外活動記録を作成する場合には、その収集情報を整理、加工しなければならないが、このような整理、加工作業は非常に大変であり、従来においてはこのような問題を解決し、野外活動記録を短時間にかつ容易に作成し得る方法は提供されていなかった。
【0007】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、ユーザが手軽に野外活動を行うことができ、かつその野外活動において得られた情報の整理、加工を容易に行い、ひいては野外活動記録を効率的に作成し得る方法及びシステムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、野外活動記録を作成する方法において、
地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
GPS情報を受信する受信装置を備えた移動端末が野外を移動した際に、その移動軌跡上の複数位置において前記GPS情報に基づいて生成された端末位置情報がそれぞれ時間情報と対応付けられて記憶される端末位置情報記憶手段と、
野外活動記録の素材となるべきものとして利用者が作成した画像情報、コメント情報等の利用者作成情報と、この利用者作成情報の作成位置を特定する位置特定情報とが対応付けられて記憶される利用者作成情報記憶手段とを用い、
前記端末位置情報に基づいて前記移動端末の移動軌跡情報を生成して所定領域の地図情報と対応付け、かつ前記位置特定情報に基づいて前記利用者作成情報を前記移動軌跡上におけるその作成位置と対応付けてそれら地図情報、移動軌跡情報、及び利用者作成情報を合成して野外活動記録情報として出力する構成としたところに特徴を有する。
【0009】
【発明の作用及び効果】
<請求項1の発明>
請求項1の発明のようにすれば、利用者が野外活動を行った移動軌跡と、利用者が作成したコメント、画像等の利用者作成情報、及びそのフィールドとなった地図を容易に対応付けることが可能となり、野外活動において得られた情報の整理、加工を効率的に行うことができることとなる。さらに言えば、移動軌跡上における利用者作成情報の作成位置、即ち、写真撮影した場所やコメント作成した場所が位置特定情報に基づいて容易にかつ正確に対応付けられることとなるため、情報量が多くて対応付けが困難である場合や、写真やコメントの作成位置がどの位置であるか忘れてしまったような場合であっても、野外活動を正確に反映した記録が作成されることとなる。
【0010】
<請求項2の発明>
さらに、請求項2の発明のように、画像情報作成時の時間情報に基づいて移動軌跡上の位置を特定して合成する方法を用いることにより、画像作成時の時間情報(具体的には作成時刻等)さえ判明すればその作成位置の対応付けが可能となるため、移動軌跡と画像とを複雑な装置構成やプログラムを用いずとも容易に対応付けることができ、野外活動記録の作成における労力を効果的に低減できる。
【0011】
<請求項3の発明>
また、請求項3のようにすれば、移動端末の移動軌跡に基づいて自動的に、かつ正確に領域設定することができるため、利用者(即ち、記録作成者)は必要となる地図範囲を考慮する必要がなくなり、野外活動記録の作成の労力を一層削減できることとなる。
【0012】
<請求項4の発明>
請求項4のような構成とすることにより、請求項1とほぼ同様の効果を奏する好適な装置構成を実現できる。
【0013】
<請求項5の発明>
また、請求項5のようにすれば、利用者が利用者作成情報の入力さえ行えば、位置特定情報生成手段により位置特定情報が生成されてその作成位置が特定可能となるため、利用者が位置を特定するための情報を入力する必要がなく、位置特定可能な利用者作成情報が容易にかつ手軽に作成・収集でき、野外活動の充実を図ることができる。
【0014】
<請求項6の発明>
また、請求項6のように、野外活動記録の素材となる図鑑情報などの素材情報が予め記憶手段に記憶されるようなシステム構成とし、利用者がその素材の中から所望のものを抽出できるように構成すれば、野外活動において有用な情報が現地で取得できることとなるため、自然に対しての理解度をその野外活動の場で効果的に高めることができ、特に教育の場に用いた場合においては、教育効果の高い充実した野外活動を行えることとなる。
【0015】
なお、請求項6の具体例1として以下のようにしてもよい。
即ち、前記素材情報の要素となる要素情報毎に、各々関連する場所を示す関連場所情報を付加した状態で前記素材情報記憶手段に記憶しておくようにしてもよい。このようにすれば、場所を指定しさえすれば、その場所に関連する要素情報が抽出することができるため、土地に関する情報取得を行う上で極めて効果的な構成となり、例えば、教育においてその土地に関する知識を深めようとする場合などにおいて、優れた教材となる。具体的に植物図鑑を例に挙げると、植物の種類毎に、その植物が生育する場所を対応付けて記憶しておくようにすることができる。このようにすると、場所を指定すればその場所に関連する植物を抽出することが可能となり、実物と図鑑の情報を即座に対応付けることができ、ひいては植物に関する興味や知識向上を図ることが可能となる。
【0016】
さらに、上記の具体例1に以下の要件を付加してもよい。
即ち、前記移動端末において前記GPS情報に基づいて生成される現在地に対応する現在地情報を生成し、その現在地情報に対応する要素情報を、前記素材情報の中から抽出するように前記素材情報抽出手段を構成し、その抽出される素材情報を前記利用者作成情報として用いるようにしてもよい。例えば、植物図鑑ならば生成された現在地情報に対応する植物(具体的は例えば現在地に生育する植物一覧や、現在地にのみ生育する植物一覧等)を抽出し、移動端末の表示画面上に表示するようにできる。このようにすれば、現在地に関連する要素情報を即座に抽出できるため、その現在地に関する情報収集や知識を深める上で一層効果的な構成となる。
【0017】
<請求項7の発明>
さらに、請求項7のようにすることにより、移動端末において、他の移動端末に関する位置情報や利用者作成情報が取得できることとなるため、他の移動端末の野外活動状況をリアルタイムに取得できることとなり、野外活動記録の作成における利便性向上とともに、野外活動自体の利便性をも高めることができ、極めて有用な装置構成を実現できる。具体的には、例えば、他の移動端末が作成したデータを流用したり、或いは、他の移動端末との間の情報連絡(例えば、野外活動におけるアドバイス等)も行いやすくなるため、より内容の充実した野外活動及びその記録作成を行うことができる。
【0018】
また、請求項7の具体的構成として以下のようにしてもよい。
即ち、複数ある移動端末の少なくともいずれかを教師等の管理者用の移動端末とする一方、それ以外のいずれかを生徒等の被管理者用の移動端末とし、その管理者用の移動端末から前記サーバに対して要求情報が送信されることに基づき、前記サーバは前記被管理者用の移動端末に関する端末位置情報又は利用者作成情報の少なくともいずれかを、前記管理者用の移動端末に向けて出力するようにできる。この場合、その出力先の管理者側の移動端末上で被管理者用の移動端末に関する事項が表示されるようにすれば効果的である。例えば、このような装置を教育用の教材と用いた場合に、生徒が移動端末を携帯した状態で野外活動を行うようにし、それら生徒の移動端末の情報が教師の移動端末に送信されるような構成とすれば、生徒がどの位置におり、どのような活動を行っているかが確認できることとなり、管理が十分行き届いた安全な野外活動を行え、野外活動中における教師から生徒へのアドバイス等も行いやすくなる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態を図1ないし図10を参照しつつ説明する。
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係る野外活動記録作成システム1(以下、単にシステム1ともいう)は、移動可能に構成されたコンピュータなどからなる移動端末3と、この移動端末3とインターネット等の通信ネットワークを介して接続されるサーバ2とを備えた構成をなしており、これら移動端末3とサーバ2の間で双方向通信可能に構成されている。
【0020】
サーバ2は、コンピュータ20を主体として構成されており、外部と通信(例えば、インターネット通信)を行うための通信手段21(モデム、ルータ、その他の通信装置等)と、CPUからなる演算処理手段22と,ROM,RAM,ハードディスクドライブ等の固定記憶手段や,各種外部記憶媒体に記憶したり、外部記憶媒体に記憶される情報の読み出しを行う外部記憶手段などからなる記憶手段23と、マウス、キーボード、その他の入力手段24と、プリンタ、モニタ等の出力手段25とを備えて構成されている。外部記憶装置としては、スティック状,カード状に構成された半導体メモリーを利用した脱着可能な記憶媒体を用いるものや、光磁気ディスクやフレキシブルディスクなどリムーバブルな各種ディスクを記憶媒体として用いるような装置を利用できる。さらに、地図情報を記憶する地図データベース31と、道路や施設に関する情報を記憶する道路・施設データベース32と、自然環境に関する情報が記憶される自然環境データベース33、及び、上記データベース31〜33に記憶される情報以外の静止画、動画等のデジタル画像が記憶されるデジタル画像データベース34がそれぞれ設けられている。
【0021】
地図データベース31は、例えば所定範囲毎のセグメントデータが複数記憶される構成にて地図情報が記憶されるものであり、所定の領域を指定すれば、その指定に対応する領域の地図情報を読み出し可能となっている。道路・施設データベース32は、道路や鉄道などの交通機関の路線に関する情報や、公共施設などの施設に関する情報が地図上における所在地に対応するように記憶されている。地図データベース31の地図情報と、道路・施設データベース32の道路や施設などの情報は合成可能に構成されており、その合成により地図上に道路、路線、施設などが表示可能となっている。さらに、自然環境データベース33は、動植物、地質、土壌などの自然や環境に関する画像、説明等の情報が格納されている。また、デジタル画像データベース34は、上記情報以外の各種情報が格納されており、例えば、土地、地域に関連した画像情報(その土地に関連した著名人の画像、土地毎の習慣や行事の画像等)や、土地、地域に関連する事項の説明情報など各種画像をデータベース化できる。
【0022】
さらに、上記のようなデータベースに加え、当該システムの利用者に関する情報が蓄積された利用者データベース35が設けられている。利用者データベース35においては、図9(a)のように各利用者毎の情報(具体的には各利用者が野外活動にて収集した情報)がデータベース化されており、各々の利用者情報は、図9(b)のように野外活動における移動軌跡上の複数位置における端末位置情報(「位置」と称される項目:ここでは3次元の座標情報)がそれぞれ時間情報(「時間」と称される項目)と対応付けられて記憶されている。この端末位置情報は、対象となる利用者が、いつ、どの位置で野外活動を行っていたのかが特定できるように構成されるものである。さらに、各利用者情報には、野外活動記録の素材となるべきものとして利用者が作成した画像情報、コメント情報等の利用者作成情報と、利用者作成情報の作成位置を特定する位置特定情報(ここではその作成位置に関する時間情報)とが対応付けられて記憶されている。この位置特定情報は、例えば画像の撮影がどの位置でおこなわれたのか、或いはコメントの作成がどの位置で行われたのかというようなことを特定するための情報である。ここで、位置特定情報をその作成位置に関する時間情報としているのは、端末位置情報が時間情報と対応付けられて記憶されるため、時間が判明すれば、その時間に活動していた位置が特定できるからである。なお、位置特定情報としてこのような時間情報を用いてもよいが、位置を特定するための具体的な座標を位置特定情報としてもよい。また、時間情報としては、時刻情報を用いることができるが、時刻に限らず、経過時間情報などでもよい。例えば、出発時刻からの経過時間を記憶するような構成であってもよい。本実施形態では、この利用者データベースが端末位置情報記憶手段、利用者作成情報記憶手段として機能している。
【0023】
なお、図1では、コンピュータ20と各データベース31〜35を別装置として構成しているが、コンピュータ20の内部、具体的には記憶手段23においてこのようなデータベースを設けても良い。また、図1では、データベース31〜35は、それぞれのデータベースが別々の記憶媒体に記憶されるように構成されているが、このうちの2種以上、若しくは全部のデータベースが同一の記憶媒体における別々の記憶領域に記憶されるようにしてもよい。
【0024】
そして、本実施形態においては、上記のような利用者情報を用い、その利用者情報における端末位置情報及び時間情報に基づいて図2のように移動端末3の移動軌跡情報を生成し、地図上に移動軌跡の描画情報50を表示するようにし、かつ時間情報に基づいて写真51a、コメント51b等を、移動軌跡の描画情報50上におけるその作成位置53と対応付けるようにする。さらにそれら地図情報、移動軌跡情報、及び利用者作成情報を合成し、野外活動記録情報として図2のようなフィールドノートを出力することとなる。なお、ここでは、利用者作成情報とその作成位置との対応付けとして、作成位置53から引き延ばされるようにして利用者作成情報51が描画されているが、この対応付け例はあくまで一例であり、作成位置と利用者作成情報が対応しているものと判断できる構成であれば別の例を用いてもよい。例えば、作成位置にそれぞれ符号等の識別情報(例えば「▲1▼」等)を付し、その作成位置の符号に対応する符号を利用者作成情報51に付す(同様に「▲1▼」等として付す)ようにすれば、それぞれが対応しているものとわかるため、このような方法を用いてもよい。以下、これらの情報の収集に用いる装置の構成やこれらの情報の具体的内容、及び野外活動記録の具体的な作成方法などについて順次詳述する。
【0025】
まず、野外活動における情報収集に用いる移動端末3について図3を参照して説明する。
図3に示すように、移動端末3は、所定の入力を行うための入力手段11と、外部と通信を行うための通信手段12(モデム、ルータ、その他の通信装置等)と、CPUからなる演算処理手段13と、必要なデータ及びプログラムを演算処理手段13にて読取可能な状態で記憶するための記憶手段14と、データを視覚的に出力するための出力手段15とをケースに一体的に組み付けたコンピュータ部10を主体としてハードウェアが構成されるものである。入力手段11は、ケースと一体的に組みつけられたキーボードやボタン、レバー、或いは後述するタッチパネル入力部等により構成され、記憶手段14は、ROM,RAM,ハードディスクドライブなどの当該ケース内に固定される固定記憶装置や、記憶媒体がケース外部に取り出し可能に構成される外部記憶装置などにより構成される。外部記憶装置としては、サーバ2に関しての説明と同様に、スティック状,カード状に構成された半導体メモリーを利用した脱着可能な記憶媒体を用いるものや、光磁気ディスクやフレキシブルディスクなどリムーバブルな各種ディスクを記憶媒体として用いるものが挙げられる。なお、図示はしていないが内蔵電源も備えている。
【0026】
具体的には、ハードキーボードを有さず、手のひらにのる程度の大きさに設計されたものはパームトップコンピュータあるいはPDA(Personal Digital Assistantの略)と称されるものを用いると、持ち歩くのに非常に便利であるため野外活動において好適に用いることができる。このパームトップコンピュータやPDAでは、入力手段11を、データを視覚的に出力するための液晶表示部と、その液晶表示部に対し表示内容を透視可能な状態で重ね配置され、電気的に設定される入力区画に指やペン等の入力指示体にて触れることにより所定の入力を行うタッチパネル入力部を備えた構成とすることができる。さらに、記憶手段14として、バックアップ電源付RAM、PROM又はEPROMなどの固定記憶装置を用いて必要なデータ及びプログラムをCPUが読取可能な状態で記憶することができ、一方、収集した情報を記憶するため、スティック状、カード状に形成された外部記憶媒体に対する記憶を行う外部記憶装置を設けることができる。なお、PDAやパームトップコンピュータに限らず、移動端末3としてラップトップパソコンあるいはノートパソコン等を使用してもよく、携帯式の電話装置(いわゆる携帯電話、PHSと称されるもの)を用いるようにしてもよい。
【0027】
さらに、移動端末3においては、GPS衛星よりGPS情報を受信するGPS情報受信手段17が設けられており、このGPS情報受信手段17は、移動端末3におけるコンピュータ部のケースの内部に固定的に配置されるか、又は取付け可能に構成され、このGPS情報受信手段17により受信されたGPS情報(例えば現在地を特定するための座標情報)が通信手段12を介して、又は直接、CPU13に入力されるようになっている。
【0028】
また、画像撮影装置18が設けられており、この画像撮影装置18は、デジタルカメラ、或いはデジタルビデオカメラなどとして構成され、画像情報を生成する画像情報生成手段と、その画像が撮影された時間に関する情報を生成する画像撮影時間情報生成手段と、撮影された画像情報を、その撮影時間情報(具体的には撮影時刻の情報)と対応付けて記憶する画像記憶手段とが設けられている。なお、画像情報生成手段は、画像撮影装置18内部に設けられたCPUやマイコンなどの演算処理手段を主体として成るものであり、画像情報記憶手段は、画像撮影装置18内部の記憶手段としては、例えば、移動端末3と同様の固定記憶装置や外部記憶装置を用いることができるが、スティック状,カード状に構成された半導体メモリーを利用した脱着可能な記憶媒体を用いる外部記憶装置を使用すると、装置構成が小型となり、情報の移動も簡単に行えることとなる。なお、この画像撮影装置18と移動端末3のコンピュータ部10は同一ケースに組み込まれたかたちで、例えばカメラ付きPDAなどとして構成してもよいし、それぞれ別々に構成してもよい。このような画像撮影装置18にて撮影される画像は、利用者作成情報として、又は利用者作成情報の一部として構成されることとなり、上記の撮影時間情報は、その画像撮影位置を特定するための位置特定情報として機能することとなる。
【0029】
そして、このように構成される移動端末3において、端末位置情報及び利用者作成情報は図4のような流れをとりつつ生成される。なお、本実施形態では、移動端末の位置を所定時間毎(例えば、数分後ごと、或いは数十分ごと等)に検出するような処理を行う一方、利用者からの入力があった場合にその地点の利用者作成情報を生成する例を示している。
【0030】
図4に示すフローチャートは、移動端末3が野外活動において移動した際の、その移動端末3の位置情報を、時間情報とともに記憶する処理の流れを示すものであり、この処理プログラムについては記憶手段14内(具体的にはROM、RAM、EPROM、HDD等)に記憶しておくことができ、野外活動に際し、これを起動して用いることができる。まず図4のS100のように、当該処理の実行開始、または前回処理から所定時間経過した場合にYESに進み、GPS情報受信手段17(図3)にてGPS情報を受信し(S110)、かつ、そのGPS情報の受信時刻の情報をその端末位置に対応する時間情報として生成する(S120)。なお、この受信時刻を得るための時計プログラムはコンピュータ部10内に設けておいてもよく、GPS情報受信手段17内に設けておいてもよい。いずれにしても、GPS情報の受信と時計プログラムに基づいて端末位置に対応する時刻情報が生成されることとなる。そして、その受信したGPS情報に基づき、端末位置情報としてその移動端末3の座標情報を生成し(S130)、その後、S140のようにその座標情報と上記の時刻情報を対応付けて記憶することにより、図6(a)のように端末位置情報(座標情報)と時間情報(時刻情報)とが対応付けられて記憶手段14に記憶されることとなる。これにより、野外活動における移動軌跡上の地図上の座標位置と、その座標位置にて野外活動を行っていた時刻の対応が明確となる。なお、図4の例では、所定時間毎に端末位置情報を登録する処理を行っているが、これに限らず、例えば移動端末2が所定距離移動した毎に端末位置情報を登録する処理を行うようにしてもよい。また、S100の分岐は、無限ループを意図するものではなく、所定時間の経過をトリガとしてS110に進むことを示している。
【0031】
また、図5のフローチャートの処理は、利用者から野外活動記録を作成するための素材となるべきデータの入力があった場合についての流れを示し、この処理プログラムについては、図4のプログラムと同様に記憶手段14内に記憶しておいてもよいし、図4のプログラムとは別の装置に設けておいてよい。例えば、コンピュータ部10内に、図4、図5を行うための双方のプログラムを設けておいてもよいし、図4のプログラムをコンピュータ部10内に設け、図5のプログラムを画像撮影装置18内に設けるような構成であってもよい。
【0032】
この利用者作成情報登録処理プログラムが記憶手段14内に記憶されている場合を例に挙げて説明すると、この処理プログラムの起動後において、図5のように、利用者から素材となるコメント情報、画像情報などのデータ入力があった場合には、S200においてYESに進み、その入力情報に基づいて利用者作成情報を生成する(S210)。なお、ここでいう利用者作成情報は、野外活動に関連する情報として利用者が作成したもの全般を指すものである。そして、利用者作成情報と対応した時間情報を、例えばその利用者作成情報を作成した時刻の時刻情報として生成し(S220)、それら生成された利用者作成情報と時間情報(即ち、時刻情報)とを対応付けて図6(b)のように記憶手段14に記憶することとなる。これにより、利用者作成情報と、その利用者作成情報の作成時刻情報との対応が明確となるため、その時刻情報をよりどころとすればその作成位置を地図上において特定できることとなる。この例においては、演算処理手段13(即ちCPU)が利用者作成情報生成手段、位置特定情報生成手段として機能することとなる。また、S200の分岐は、無限ループを意図するものではなく、利用者からのデータ入力をトリガとしてS210に進むことを示している。なお、図4及び図5のフローチャートはあくまで一例であり、端末位置情報を時間情報と対応付けて記憶できる処理方法、或いは利用者作成情報を時間情報と対応付けて記憶できる処理方法であればそれぞれ別の方法を用いてもよい。
【0033】
また、本実施形態において、移動端末3の記憶手段14には、野外活動記録の素材となる図鑑情報などの素材情報が図7(a)のような構成にて予めデータベースとして記憶されており、素材情報記憶手段として機能している。そして、利用者から素材を選択する選択情報が入力(例えば入力手段11により入力)されることに基づいて、そのデータベースから選択情報に対応した素材情報が抽出され、その抽出された素材情報に基づいて利用者作成情報が生成されて利用者情報として登録されるようになっている。この具体的な処理の流れとしては図8の図鑑情報登録処理のような例を挙げることができ、この例においては演算処理手段13(即ちCPU)が利用者作成情報生成手段、素材情報抽出手段として機能することとなる。
【0034】
図8のフローチャートは図鑑情報を利用者作成情報として登録する流れを示しており、図5の利用者作成情報登録処理の一実施例を示すものである。
当該処理が開始されると、まず移動端末3のモニタ上に初期画面が表示される(S300)。この初期画面は例えば図7(a)のように記憶される複数種類の図鑑の中から利用者が要望する種類の図鑑を選ばせるような画面として構成することができる。例えば、花図鑑、動物図鑑、土地の風習などの図鑑等、複数種の図鑑の項目表示を行い、いずれかの図鑑を選択させるようにする。そして、S310にて図鑑が選択されると、該当する図鑑において対象物を選択するための選択用画面を表示する(S320)。この選択用画面は、例えば、対象物の名称や画像を一覧表示して選択させるようにしたり、或いは名称をテキスト入力させるような構成とすることもできる。例えば、図7(b)のようにデータ構成される植物図鑑の場合、各々の植物の画像を移動端末3のモニタ上に一覧表示して選ばせるようにすることができる。
【0035】
そしていずれかの対象物が選択された場合にはS330においてYESに進み、その選択された対象物の詳細情報を表示する(S340)。植物図鑑情報において、いずれかの植物が選択された場合に、その植物の詳細情報(例えば説明情報や画像情報)を表示することができる。選択がない場合にはS330にてNOに進み、初期画面に戻る場合にはS370にてYESに進んで再び初期画面を表示して別の図鑑を選択できるようにする。また、終了する場合にはS370にてNOに進む。そして、S340にて表示された詳細情報を利用者作成情報として登録する場合にはS350にてYESに進み、S360にてその対象物の情報をその作成時刻情報と対応付けて登録する。登録せず、当該図鑑のほかの対象物を選択する場合には380にてYESに進んで再び対象物選択用の画面を表示し、一方、終了する場合にはS380にてNOに進むこととなる。
【0036】
また、上記説明では、移動端末3の記憶手段14を素材情報記憶手段として機能させる例を示したが、サーバ2側でこのような機能をもたせてもよい。この場合には、例えば自然環境データベース33内に図7のようなデータをもたせて、これを素材情報記憶手段として機能させるようにすることができる。この場合、移動端末3において素材を選択する選択情報が入力された場合に、その入力された選択情報をサーバ2に送信するようにする。そして、サーバ2はその選択情報を受信し、自然環境データベース33から選択情報に対応した素材情報を抽出し、移動端末3に向けて出力することとなる。このようにすれば、必要に応じて素材情報をサーバからダウンロードすれば良いため、移動端末3側に多量のデータを備えておく必要がなく、移動端末3に記憶されるデータ量を効果的に削減でき、ひいては移動端末3の小型化に寄与することとなる。なおこの場合にはCPUからなる演算処理手段22が素材情報抽出手段として機能することとなる。
【0037】
次に、上記のようにして記憶された端末位置情報及び利用者作成情報を用いて野外活動記録を作成する方法について説明する。
まず、利用者データベース35の具体的構成について説明する。
サーバ2における利用者データベース35には、図9(a)に示すような利用者毎の利用者情報が記憶されており、それら記憶される利用者情報は、具体的には図9(b)のような構成をなしている。このような情報は、各移動端末3にて生成・記憶された図6(a)(b)のような情報がサーバ2に送られて構成されるものである。具体的には移動端末3が野外を移動した際に、その移動軌跡上の複数位置においてGPS情報に基づいて生成された端末位置情報(ここではXYZのそれぞれの座標を示す座標情報)が、その生成された時刻の時刻情報(時刻T1,T2,T3等)と対応付けて記憶されており、これによれば、移動端末3がいつどの位置で活動していたのかが明確となる。さらに、各利用者情報には、野外活動記録の素材となるべきものとして当該利用者が作成した画像情報、コメント情報等の利用者作成情報とともに、移動軌跡上におけるそれら画像やコメントの対象となる位置において利用者が野外活動を行っていた時刻の時刻情報が対応して記憶されている。従って、野外活動中にその場で利用者作成情報を作成した場合にはその作成時刻が記憶されることとなる。このようにすることにより、利用者作成情報がいつ作成されたのかが明確となっており、その作成された時刻の時刻情報に基づいて、作成位置が特定可能となっている。
【0038】
そして、野外活動記録を作成する場合には、図10に示すように、まず端末位置情報を利用者データベース35より読み出し(S400)、この読み出された情報に基づいて必要となる地図の範囲を決定する(S410)。この決定の方法は種々考えられるが、例えば、端末位置情報のXYZの座標情報は、それぞれ緯度、経度、及び高度を示すものとすることができ、対象となるすべての端末位置情報が含まれるような緯度範囲、経度範囲を求め、これら範囲に所定の幅を持たせたかたちで地図の範囲を決定するといった方法が挙げられる。そして、決定された範囲の地図情報を地図データベース31から読み出し(S420)、さらに、この地図情報と、収集された端末位置情報及び利用者作成情報とを合成して図2のようなフィールドノートを野外活動記録として作成することができる。本実施形態においては、演算処理手段22が地図範囲の設定を行う地図範囲設定手段として機能し、かつ、このような合成を行う合成手段として機能する。
【0039】
なお、この合成については、図11に示すような方法が考えられる。
図11では、端末位置情報に基づいて移動軌跡を描画する方法を示しており、端末位置を順次定めるとともに、その端末位置をたどることにより図2に示すように描画された移動軌跡50が作成される。なお、ここでは地図上において2次元的に移動軌跡を描画する例について示しているが、3次元的に描画するようにしてもよい。一方、描画された移動軌跡50上において、利用者作成情報を組み込む方法としては図11(b)のような方法が挙げられる。図11(b)の方法では、利用者作成情報の対象位置に係る時刻情報に基づいてその対応位置を検出するようにしている。検出の方法としては、検出対象となる利用者作成情報の時刻情報に対し、時刻情報が前後する2つの端末位置情報(ここでは時刻T1、T2の端末位置情報)を検出し、前後する時間の中点位置をその生成位置とみなすようにしてもよく、生成時間に最も近い時間の端末位置をその生成位置とみなすようにしてもよい。または、前後する2点の端末位置及び時刻情報に基づいて所定の補間式により補間するようにして該当位置を求めるようにしてもよい。このようにして移動軌跡の描画情報50と、写真51aやコメント51bなどにより構成される利用者作成情報51と、その利用者作成情報の地図上における作成位置53との対応付けを行い、図2のような野外活動記録が作成される。なお、このような野外活動記録は、電子ファイルとして記憶しておいてもよく、プリンタによって印刷してもよい。
【0040】
なお、上記の例では、サーバ2の利用者データベース35に、複数の利用者についての利用者情報が格納され、その中から野外活動記録の作成対象となる利用者についての利用者情報を読み出して野外活動記録を作成する例を示したが、これはサーバ2において端末位置情報や利用者作成情報を記憶する一形態であり、このような方法に限定されない。例えば、データベース化せずに、作成対象となる利用者情報を単に記憶手段23に記憶しておき、その記憶される利用者情報に基づいて描画することも可能である。
【0041】
本実施形態において、図4、図5、図8のようなフローチャートを例示したが、このような処理プログラムは、移動端末3における記憶手段に設けておくことができ、図10や、後述する図12のような処理プログラムはサーバ2内の記憶手段に設けておくことができる。なお、これらの処理プログラムはあくまで例示であり、これらと同様の目的を達成できる別の処理プログラム構成としてもよい。
【0042】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
第2実施形態では、端末位置情報及び利用者作成情報を一旦移動端末3の記憶手段14(図3参照)に記憶しておき、野外活動終了後にその情報をサーバに移し変えるような方法を用いている。この場合、野外活動中には、端末位置情報と、写真、コメント、その他の利用者作成情報とを小型記憶媒体(例えば、スティック状、カード状の外部記憶媒体)中に記憶しておき、野外活動終了後にサーバに転送したり、或いは小型記録媒体をサーバ2側に移動させて移し変えるような方法を用いることができる。移し変えられた情報は、サーバ2内の記憶手段23又は利用者DBにおいて図9(b)のように記憶されて野外活動記録の作成に用いられることとなる。なお、移動端末3自体の構成やサーバ2自体の構成については、上記第1実施形態と同様とすることができる。
【0043】
また、図3の構成では、コンピュータ10と画像撮影装置18が一体化又は情報送信可能に接続された例を示したが、それぞれ別々の装置として構成してもよい。具体的には端末位置情報を記憶する記憶媒体と、画像情報を記憶する記憶媒体を別々に設けて野外活動を行い、各々別々の記憶媒体にて記憶された端末位置情報及び画像情報を時間情報に基づいて対応付けるようにしてもよい。この場合、画像撮影装置18において、画像を撮影する際に時間情報(具体的には撮影時刻)と対応付けて撮影し、記憶手段(外部記憶媒体)に記憶する。そして、外部記憶媒体をサーバ2側に移動させて情報を移し変え、その時間情報に基づいて図7(b)のようにデータ合成する。このように、別々の端末位置情報と利用者作成情報を別々の記憶媒体で記憶したとしても、時間情報が判明していれば移動軌跡上の位置が特定できることとなる。
【0044】
<第3実施形態>
図12及び図13は本発明の第3実施形態を示す。
第3実施形態においては、図1のように、複数の移動端末3が電気通信回線を介してサーバと双方向通信可能に接続される構成において、いずれかの移動端末3に関する端末位置情報又は利用者作成情報の少なくともいずれかがサーバ2を介して他の移動端末3に出力するといった方法を用いている。そして、移動端末3の表示画面上に他の移動端末の位置情報や作成情報が表示される構成をなしている。
【0045】
具体的には図12のフローチャートに示されるように、例えば利用者Aの移動端末3から他の移動端末3(例えば利用者Bの移動端末3)の利用者情報の読み出し要求がサーバ2に対してなされた場合(S500)には、S510にてその読み出しの対象となる利用者Bの移動端末3に係る利用者情報を利用者データベース35より抽出する。そして該当する利用者Bの移動端末3の利用者情報があればS520においてYESに進み、該当する移動端末の利用者情報の中から要求に対応するものを読み出して、その要求元の移動端末3に向けて出力する。図13では利用者Aの移動端末3の表示画面上において、その利用者Aの移動軌跡とともに、利用者B,Cの移動端末3に関する描画される移動軌跡50の表示例を示している。この場合には、利用者Aの移動端末3からサーバ2に対して利用者B、Cの端末位置情報を要求し、それら要求した端末位置情報に基づいて図9に示す描画方法により描画すればよい。また、図13に示すように、利用者作成情報の対象位置53や、図2のように利用者作成情報51を表示させるようにしてもよい。
【0046】
例えば、端末位置情報が要求された場合には、その読み出し対象となる移動端末の端末位置情報を抽出し、要求元の移動端末に向けて出力する。要求元の移動端末においては、読み出された端末位置情報が表示画面上に表示されることとなる。なお、この読み出しの際には、読み出し対象の端末位置に対応する地図情報を一緒に読み出すようにしてもよい。なお、利用者作成情報が要求された場合でも同様に処理を行い、要求元の移動端末の表示画面上に、読み出し対象の移動端末の利用者作成情報を表示することができる。一方、S520において、該当するものがなければ、存在しない旨をその要求元の移動端末に向けて出力し当該処理を終了する。
【0047】
なお、読み出し対象となる移動端末は1つに限らず、2以上の移動端末の情報を要求元の表示画面上に出力するようにしてもよい。このような装置を教育用の教材と用いた場合、例えばユーザAの移動端末3を教師用のものとし、ユーザBやユーザCの移動端末3を生徒用のものとして構成した場合、教師用の移動端末3が生徒用の移動端末3に関する利用者情報を要求するようにすれば、教師用の移動端末の表示画面上に生徒の位置や野外活動状況が表示されることとなり、管理が十分行き届いた野外活動を行えることとなる。
【0048】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1) 上記実施形態において、作成される野外活動記録として、地図、移動軌跡、写真、コメントが展開されるものを例示したが、移動軌跡上の所定位置にリンクを設けるようにしてもよい。例えば、移動軌跡上の所定位置をクリックするとその位置に関連する利用者作成情報がリンクに基づいて表示されるようにしてもよい。
(2) 上記実施形態においては、利用者作成情報として写真、コメントを例に挙げて説明したが、音声情報としてもよい。この例としては、移動端末3に組付けた形態で、又はこの移動端末3と接続した形態でマイクを設け、入力される音声情報を音声ファイルとして記憶する方法が挙げられる。この場合、音声ファイルは利用者作成情報として時間情報と対応付けられて記憶されることとなる。また、音声情報を含む動画ファイルとして構成してもよい。
【0049】
(3) 上記実施形態においては、コメントなどの情報を、そのコメントの対象となる位置において入力する例について示したが、後でこのようなコメントを入力するようにしてもよい。例えば、作成時刻とコメントをメモなどとして紙に残しておき、後からこのようなコメント情報をその作成時刻と対応付けて入力し、図6(b)又は図9(b)のように登録してもよい。時刻情報さえ判明すれば、そのコメントの作成位置が後からでも容易に対応付けられることとなる。
(4) 上記野外活動記録を、カーナビゲーションシステム等のナビゲーションシステムに適用してもよい。例えば、カーナビゲーションシステム上で、利用者作成情報や移動軌跡情報を読み出せるようにすれば、自身が行った野外活動の記録を情報として入力し、カーナビゲーションシステムを自分専用にカスタマイズするといったことも可能になり、ナビゲーションシステムの有用性が一層高められる。また、利用者が作成・収集した端末位置情報、利用者作成情報を直接、又は所定の加工処理や分析処理を施して他の利用者のナビゲーションシステムに表示できるようにすれば、ナビゲーションシステムの利用者は、各々の土地に関しての、より具体的な情報が取得できることとなる。
(5) 上記いずれの実施形態においても以下の構成を付加することができる。即ち、利用者が収集した端末位置情報に基づき、野外活動全体を通しての移動端末の移動距離を算出手段(例えば演算処理手段22)により算出し、得られた移動距離情報と、その利用者の身体に関する身体データ(具体的には体重データ等)とに基づいて野外活動における運動量に関するデータ(例えば消費カロリーデータ等)を求め、それを出力するようにしてもよい。上記のように端末位置情報は座標情報として表すことができるため、座標間の距離をそれぞれ求め、その座標間距離の総計をとることにより野外活動全体における移動距離が算出できる。野外活動記録の効率的な作成とともに、その野外活動における運動量をも求めることができるため、付加価値の高いシステムが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る野外活動記録作成システムを概念的に説明する概念図
【図2】野外活動記録の一例を示す説明図
【図3】移動端末の構成の一例を概念的に示す概念図
【図4】端末位置情報登録処理の流れを例示するフローチャート
【図5】利用者作成情報登録処理のの流れを例示するフローチャート
【図6】端末位置情報及び利用者作成情報のデータ構成をそれぞれ示す説明図
【図7】図鑑情報のデータ構成を例示する説明図
【図8】図鑑情報を用いて利用者作成情報を登録する処理を例示するフローチャート
【図9】サーバに記憶される利用者情報のデータ構成を示す説明図
【図10】野外活動記録を作成する処理の流れを例示するフローチャート
【図11】端末位置情報に基づく移動軌跡の描画方法、及び移動軌跡と利用者作成情報の合成方法を示す説明図
【図12】他の移動端末の情報を表示する処理について例示するフローチャート
【図13】他の移動端末の情報を表示する表示例について示す説明図
【符号の説明】
1…野外活動記録作成システム
2…サーバ
3…移動端末
11…入力手段
13…演算処理手段(位置特定情報生成手段、利用者作成情報生成手段、素材情報抽出手段)
14…記憶手段(素材情報記憶手段)
22…演算処理手段
31…地図データベース(地図情報記憶手段)
35…利用者データベース(端末位置情報記憶手段、利用者作成情報記憶手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、野外活動の記録を作成する方法及びシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、種々のフィールド(例えば、里山など)における野外活動が、学校などにおける教育活動の一環として、或いは様々なグループのふれあい活動として行われている。そして、このような野外活動を行う際には、野外活動を行う活動者はその活動状況を写真などに収めたり、あるいは、メモ、絵などとして紙などに記録しておく場合が多い。
【0003】
ところが、上記のような従来方法では、野外活動を行うために地図や、カメラ、ノートなどの情報収集用具を予め準備しなければならず、また活動の際には絶えずそれを携帯しながら移動等行わなければならないため、このような所持品が多いほど全体的に嵩張るものとなり活動が大変なものとなる。一方、軽装とするために上記道具を携帯せずに活動を行うと、十分な情報を残しにくく、後に活動記録を作成する際に支障が生じる。なお、野外活動に関連する先行技術文献として下記特許文献1のようなものがある。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−97927号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、携帯電話、ノートパソコン、カーナビゲーションを用いて地図情報が取得可能となるシステムが提供されており、このシステムによれば生活の種々の場面で地図情報が取得でき、上記のような野外活動においてもユーザ(野外活動を行う活動者)は場所を選ばずに手軽に地図情報を取得できることとなる。さらには、このような地図情報に観光情報や広告情報を付加して端末に表示するようなものが提供されており、これによれば、ユーザは地図情報だけでなく、広告情報や、観光情報などの情報を地図や雑誌を用いずとも手軽に取得できることとなる。また、媒体によっては、メモ、画像などの情報をユーザ入力により作成できるものがあるため、嵩張る用具を持ち歩かずとも情報収集が可能となる。
【0006】
しかしながら、上記のように収集した情報を用い、野外活動記録を作成する場合には、その収集情報を整理、加工しなければならないが、このような整理、加工作業は非常に大変であり、従来においてはこのような問題を解決し、野外活動記録を短時間にかつ容易に作成し得る方法は提供されていなかった。
【0007】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、ユーザが手軽に野外活動を行うことができ、かつその野外活動において得られた情報の整理、加工を容易に行い、ひいては野外活動記録を効率的に作成し得る方法及びシステムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、野外活動記録を作成する方法において、
地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
GPS情報を受信する受信装置を備えた移動端末が野外を移動した際に、その移動軌跡上の複数位置において前記GPS情報に基づいて生成された端末位置情報がそれぞれ時間情報と対応付けられて記憶される端末位置情報記憶手段と、
野外活動記録の素材となるべきものとして利用者が作成した画像情報、コメント情報等の利用者作成情報と、この利用者作成情報の作成位置を特定する位置特定情報とが対応付けられて記憶される利用者作成情報記憶手段とを用い、
前記端末位置情報に基づいて前記移動端末の移動軌跡情報を生成して所定領域の地図情報と対応付け、かつ前記位置特定情報に基づいて前記利用者作成情報を前記移動軌跡上におけるその作成位置と対応付けてそれら地図情報、移動軌跡情報、及び利用者作成情報を合成して野外活動記録情報として出力する構成としたところに特徴を有する。
【0009】
【発明の作用及び効果】
<請求項1の発明>
請求項1の発明のようにすれば、利用者が野外活動を行った移動軌跡と、利用者が作成したコメント、画像等の利用者作成情報、及びそのフィールドとなった地図を容易に対応付けることが可能となり、野外活動において得られた情報の整理、加工を効率的に行うことができることとなる。さらに言えば、移動軌跡上における利用者作成情報の作成位置、即ち、写真撮影した場所やコメント作成した場所が位置特定情報に基づいて容易にかつ正確に対応付けられることとなるため、情報量が多くて対応付けが困難である場合や、写真やコメントの作成位置がどの位置であるか忘れてしまったような場合であっても、野外活動を正確に反映した記録が作成されることとなる。
【0010】
<請求項2の発明>
さらに、請求項2の発明のように、画像情報作成時の時間情報に基づいて移動軌跡上の位置を特定して合成する方法を用いることにより、画像作成時の時間情報(具体的には作成時刻等)さえ判明すればその作成位置の対応付けが可能となるため、移動軌跡と画像とを複雑な装置構成やプログラムを用いずとも容易に対応付けることができ、野外活動記録の作成における労力を効果的に低減できる。
【0011】
<請求項3の発明>
また、請求項3のようにすれば、移動端末の移動軌跡に基づいて自動的に、かつ正確に領域設定することができるため、利用者(即ち、記録作成者)は必要となる地図範囲を考慮する必要がなくなり、野外活動記録の作成の労力を一層削減できることとなる。
【0012】
<請求項4の発明>
請求項4のような構成とすることにより、請求項1とほぼ同様の効果を奏する好適な装置構成を実現できる。
【0013】
<請求項5の発明>
また、請求項5のようにすれば、利用者が利用者作成情報の入力さえ行えば、位置特定情報生成手段により位置特定情報が生成されてその作成位置が特定可能となるため、利用者が位置を特定するための情報を入力する必要がなく、位置特定可能な利用者作成情報が容易にかつ手軽に作成・収集でき、野外活動の充実を図ることができる。
【0014】
<請求項6の発明>
また、請求項6のように、野外活動記録の素材となる図鑑情報などの素材情報が予め記憶手段に記憶されるようなシステム構成とし、利用者がその素材の中から所望のものを抽出できるように構成すれば、野外活動において有用な情報が現地で取得できることとなるため、自然に対しての理解度をその野外活動の場で効果的に高めることができ、特に教育の場に用いた場合においては、教育効果の高い充実した野外活動を行えることとなる。
【0015】
なお、請求項6の具体例1として以下のようにしてもよい。
即ち、前記素材情報の要素となる要素情報毎に、各々関連する場所を示す関連場所情報を付加した状態で前記素材情報記憶手段に記憶しておくようにしてもよい。このようにすれば、場所を指定しさえすれば、その場所に関連する要素情報が抽出することができるため、土地に関する情報取得を行う上で極めて効果的な構成となり、例えば、教育においてその土地に関する知識を深めようとする場合などにおいて、優れた教材となる。具体的に植物図鑑を例に挙げると、植物の種類毎に、その植物が生育する場所を対応付けて記憶しておくようにすることができる。このようにすると、場所を指定すればその場所に関連する植物を抽出することが可能となり、実物と図鑑の情報を即座に対応付けることができ、ひいては植物に関する興味や知識向上を図ることが可能となる。
【0016】
さらに、上記の具体例1に以下の要件を付加してもよい。
即ち、前記移動端末において前記GPS情報に基づいて生成される現在地に対応する現在地情報を生成し、その現在地情報に対応する要素情報を、前記素材情報の中から抽出するように前記素材情報抽出手段を構成し、その抽出される素材情報を前記利用者作成情報として用いるようにしてもよい。例えば、植物図鑑ならば生成された現在地情報に対応する植物(具体的は例えば現在地に生育する植物一覧や、現在地にのみ生育する植物一覧等)を抽出し、移動端末の表示画面上に表示するようにできる。このようにすれば、現在地に関連する要素情報を即座に抽出できるため、その現在地に関する情報収集や知識を深める上で一層効果的な構成となる。
【0017】
<請求項7の発明>
さらに、請求項7のようにすることにより、移動端末において、他の移動端末に関する位置情報や利用者作成情報が取得できることとなるため、他の移動端末の野外活動状況をリアルタイムに取得できることとなり、野外活動記録の作成における利便性向上とともに、野外活動自体の利便性をも高めることができ、極めて有用な装置構成を実現できる。具体的には、例えば、他の移動端末が作成したデータを流用したり、或いは、他の移動端末との間の情報連絡(例えば、野外活動におけるアドバイス等)も行いやすくなるため、より内容の充実した野外活動及びその記録作成を行うことができる。
【0018】
また、請求項7の具体的構成として以下のようにしてもよい。
即ち、複数ある移動端末の少なくともいずれかを教師等の管理者用の移動端末とする一方、それ以外のいずれかを生徒等の被管理者用の移動端末とし、その管理者用の移動端末から前記サーバに対して要求情報が送信されることに基づき、前記サーバは前記被管理者用の移動端末に関する端末位置情報又は利用者作成情報の少なくともいずれかを、前記管理者用の移動端末に向けて出力するようにできる。この場合、その出力先の管理者側の移動端末上で被管理者用の移動端末に関する事項が表示されるようにすれば効果的である。例えば、このような装置を教育用の教材と用いた場合に、生徒が移動端末を携帯した状態で野外活動を行うようにし、それら生徒の移動端末の情報が教師の移動端末に送信されるような構成とすれば、生徒がどの位置におり、どのような活動を行っているかが確認できることとなり、管理が十分行き届いた安全な野外活動を行え、野外活動中における教師から生徒へのアドバイス等も行いやすくなる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態を図1ないし図10を参照しつつ説明する。
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係る野外活動記録作成システム1(以下、単にシステム1ともいう)は、移動可能に構成されたコンピュータなどからなる移動端末3と、この移動端末3とインターネット等の通信ネットワークを介して接続されるサーバ2とを備えた構成をなしており、これら移動端末3とサーバ2の間で双方向通信可能に構成されている。
【0020】
サーバ2は、コンピュータ20を主体として構成されており、外部と通信(例えば、インターネット通信)を行うための通信手段21(モデム、ルータ、その他の通信装置等)と、CPUからなる演算処理手段22と,ROM,RAM,ハードディスクドライブ等の固定記憶手段や,各種外部記憶媒体に記憶したり、外部記憶媒体に記憶される情報の読み出しを行う外部記憶手段などからなる記憶手段23と、マウス、キーボード、その他の入力手段24と、プリンタ、モニタ等の出力手段25とを備えて構成されている。外部記憶装置としては、スティック状,カード状に構成された半導体メモリーを利用した脱着可能な記憶媒体を用いるものや、光磁気ディスクやフレキシブルディスクなどリムーバブルな各種ディスクを記憶媒体として用いるような装置を利用できる。さらに、地図情報を記憶する地図データベース31と、道路や施設に関する情報を記憶する道路・施設データベース32と、自然環境に関する情報が記憶される自然環境データベース33、及び、上記データベース31〜33に記憶される情報以外の静止画、動画等のデジタル画像が記憶されるデジタル画像データベース34がそれぞれ設けられている。
【0021】
地図データベース31は、例えば所定範囲毎のセグメントデータが複数記憶される構成にて地図情報が記憶されるものであり、所定の領域を指定すれば、その指定に対応する領域の地図情報を読み出し可能となっている。道路・施設データベース32は、道路や鉄道などの交通機関の路線に関する情報や、公共施設などの施設に関する情報が地図上における所在地に対応するように記憶されている。地図データベース31の地図情報と、道路・施設データベース32の道路や施設などの情報は合成可能に構成されており、その合成により地図上に道路、路線、施設などが表示可能となっている。さらに、自然環境データベース33は、動植物、地質、土壌などの自然や環境に関する画像、説明等の情報が格納されている。また、デジタル画像データベース34は、上記情報以外の各種情報が格納されており、例えば、土地、地域に関連した画像情報(その土地に関連した著名人の画像、土地毎の習慣や行事の画像等)や、土地、地域に関連する事項の説明情報など各種画像をデータベース化できる。
【0022】
さらに、上記のようなデータベースに加え、当該システムの利用者に関する情報が蓄積された利用者データベース35が設けられている。利用者データベース35においては、図9(a)のように各利用者毎の情報(具体的には各利用者が野外活動にて収集した情報)がデータベース化されており、各々の利用者情報は、図9(b)のように野外活動における移動軌跡上の複数位置における端末位置情報(「位置」と称される項目:ここでは3次元の座標情報)がそれぞれ時間情報(「時間」と称される項目)と対応付けられて記憶されている。この端末位置情報は、対象となる利用者が、いつ、どの位置で野外活動を行っていたのかが特定できるように構成されるものである。さらに、各利用者情報には、野外活動記録の素材となるべきものとして利用者が作成した画像情報、コメント情報等の利用者作成情報と、利用者作成情報の作成位置を特定する位置特定情報(ここではその作成位置に関する時間情報)とが対応付けられて記憶されている。この位置特定情報は、例えば画像の撮影がどの位置でおこなわれたのか、或いはコメントの作成がどの位置で行われたのかというようなことを特定するための情報である。ここで、位置特定情報をその作成位置に関する時間情報としているのは、端末位置情報が時間情報と対応付けられて記憶されるため、時間が判明すれば、その時間に活動していた位置が特定できるからである。なお、位置特定情報としてこのような時間情報を用いてもよいが、位置を特定するための具体的な座標を位置特定情報としてもよい。また、時間情報としては、時刻情報を用いることができるが、時刻に限らず、経過時間情報などでもよい。例えば、出発時刻からの経過時間を記憶するような構成であってもよい。本実施形態では、この利用者データベースが端末位置情報記憶手段、利用者作成情報記憶手段として機能している。
【0023】
なお、図1では、コンピュータ20と各データベース31〜35を別装置として構成しているが、コンピュータ20の内部、具体的には記憶手段23においてこのようなデータベースを設けても良い。また、図1では、データベース31〜35は、それぞれのデータベースが別々の記憶媒体に記憶されるように構成されているが、このうちの2種以上、若しくは全部のデータベースが同一の記憶媒体における別々の記憶領域に記憶されるようにしてもよい。
【0024】
そして、本実施形態においては、上記のような利用者情報を用い、その利用者情報における端末位置情報及び時間情報に基づいて図2のように移動端末3の移動軌跡情報を生成し、地図上に移動軌跡の描画情報50を表示するようにし、かつ時間情報に基づいて写真51a、コメント51b等を、移動軌跡の描画情報50上におけるその作成位置53と対応付けるようにする。さらにそれら地図情報、移動軌跡情報、及び利用者作成情報を合成し、野外活動記録情報として図2のようなフィールドノートを出力することとなる。なお、ここでは、利用者作成情報とその作成位置との対応付けとして、作成位置53から引き延ばされるようにして利用者作成情報51が描画されているが、この対応付け例はあくまで一例であり、作成位置と利用者作成情報が対応しているものと判断できる構成であれば別の例を用いてもよい。例えば、作成位置にそれぞれ符号等の識別情報(例えば「▲1▼」等)を付し、その作成位置の符号に対応する符号を利用者作成情報51に付す(同様に「▲1▼」等として付す)ようにすれば、それぞれが対応しているものとわかるため、このような方法を用いてもよい。以下、これらの情報の収集に用いる装置の構成やこれらの情報の具体的内容、及び野外活動記録の具体的な作成方法などについて順次詳述する。
【0025】
まず、野外活動における情報収集に用いる移動端末3について図3を参照して説明する。
図3に示すように、移動端末3は、所定の入力を行うための入力手段11と、外部と通信を行うための通信手段12(モデム、ルータ、その他の通信装置等)と、CPUからなる演算処理手段13と、必要なデータ及びプログラムを演算処理手段13にて読取可能な状態で記憶するための記憶手段14と、データを視覚的に出力するための出力手段15とをケースに一体的に組み付けたコンピュータ部10を主体としてハードウェアが構成されるものである。入力手段11は、ケースと一体的に組みつけられたキーボードやボタン、レバー、或いは後述するタッチパネル入力部等により構成され、記憶手段14は、ROM,RAM,ハードディスクドライブなどの当該ケース内に固定される固定記憶装置や、記憶媒体がケース外部に取り出し可能に構成される外部記憶装置などにより構成される。外部記憶装置としては、サーバ2に関しての説明と同様に、スティック状,カード状に構成された半導体メモリーを利用した脱着可能な記憶媒体を用いるものや、光磁気ディスクやフレキシブルディスクなどリムーバブルな各種ディスクを記憶媒体として用いるものが挙げられる。なお、図示はしていないが内蔵電源も備えている。
【0026】
具体的には、ハードキーボードを有さず、手のひらにのる程度の大きさに設計されたものはパームトップコンピュータあるいはPDA(Personal Digital Assistantの略)と称されるものを用いると、持ち歩くのに非常に便利であるため野外活動において好適に用いることができる。このパームトップコンピュータやPDAでは、入力手段11を、データを視覚的に出力するための液晶表示部と、その液晶表示部に対し表示内容を透視可能な状態で重ね配置され、電気的に設定される入力区画に指やペン等の入力指示体にて触れることにより所定の入力を行うタッチパネル入力部を備えた構成とすることができる。さらに、記憶手段14として、バックアップ電源付RAM、PROM又はEPROMなどの固定記憶装置を用いて必要なデータ及びプログラムをCPUが読取可能な状態で記憶することができ、一方、収集した情報を記憶するため、スティック状、カード状に形成された外部記憶媒体に対する記憶を行う外部記憶装置を設けることができる。なお、PDAやパームトップコンピュータに限らず、移動端末3としてラップトップパソコンあるいはノートパソコン等を使用してもよく、携帯式の電話装置(いわゆる携帯電話、PHSと称されるもの)を用いるようにしてもよい。
【0027】
さらに、移動端末3においては、GPS衛星よりGPS情報を受信するGPS情報受信手段17が設けられており、このGPS情報受信手段17は、移動端末3におけるコンピュータ部のケースの内部に固定的に配置されるか、又は取付け可能に構成され、このGPS情報受信手段17により受信されたGPS情報(例えば現在地を特定するための座標情報)が通信手段12を介して、又は直接、CPU13に入力されるようになっている。
【0028】
また、画像撮影装置18が設けられており、この画像撮影装置18は、デジタルカメラ、或いはデジタルビデオカメラなどとして構成され、画像情報を生成する画像情報生成手段と、その画像が撮影された時間に関する情報を生成する画像撮影時間情報生成手段と、撮影された画像情報を、その撮影時間情報(具体的には撮影時刻の情報)と対応付けて記憶する画像記憶手段とが設けられている。なお、画像情報生成手段は、画像撮影装置18内部に設けられたCPUやマイコンなどの演算処理手段を主体として成るものであり、画像情報記憶手段は、画像撮影装置18内部の記憶手段としては、例えば、移動端末3と同様の固定記憶装置や外部記憶装置を用いることができるが、スティック状,カード状に構成された半導体メモリーを利用した脱着可能な記憶媒体を用いる外部記憶装置を使用すると、装置構成が小型となり、情報の移動も簡単に行えることとなる。なお、この画像撮影装置18と移動端末3のコンピュータ部10は同一ケースに組み込まれたかたちで、例えばカメラ付きPDAなどとして構成してもよいし、それぞれ別々に構成してもよい。このような画像撮影装置18にて撮影される画像は、利用者作成情報として、又は利用者作成情報の一部として構成されることとなり、上記の撮影時間情報は、その画像撮影位置を特定するための位置特定情報として機能することとなる。
【0029】
そして、このように構成される移動端末3において、端末位置情報及び利用者作成情報は図4のような流れをとりつつ生成される。なお、本実施形態では、移動端末の位置を所定時間毎(例えば、数分後ごと、或いは数十分ごと等)に検出するような処理を行う一方、利用者からの入力があった場合にその地点の利用者作成情報を生成する例を示している。
【0030】
図4に示すフローチャートは、移動端末3が野外活動において移動した際の、その移動端末3の位置情報を、時間情報とともに記憶する処理の流れを示すものであり、この処理プログラムについては記憶手段14内(具体的にはROM、RAM、EPROM、HDD等)に記憶しておくことができ、野外活動に際し、これを起動して用いることができる。まず図4のS100のように、当該処理の実行開始、または前回処理から所定時間経過した場合にYESに進み、GPS情報受信手段17(図3)にてGPS情報を受信し(S110)、かつ、そのGPS情報の受信時刻の情報をその端末位置に対応する時間情報として生成する(S120)。なお、この受信時刻を得るための時計プログラムはコンピュータ部10内に設けておいてもよく、GPS情報受信手段17内に設けておいてもよい。いずれにしても、GPS情報の受信と時計プログラムに基づいて端末位置に対応する時刻情報が生成されることとなる。そして、その受信したGPS情報に基づき、端末位置情報としてその移動端末3の座標情報を生成し(S130)、その後、S140のようにその座標情報と上記の時刻情報を対応付けて記憶することにより、図6(a)のように端末位置情報(座標情報)と時間情報(時刻情報)とが対応付けられて記憶手段14に記憶されることとなる。これにより、野外活動における移動軌跡上の地図上の座標位置と、その座標位置にて野外活動を行っていた時刻の対応が明確となる。なお、図4の例では、所定時間毎に端末位置情報を登録する処理を行っているが、これに限らず、例えば移動端末2が所定距離移動した毎に端末位置情報を登録する処理を行うようにしてもよい。また、S100の分岐は、無限ループを意図するものではなく、所定時間の経過をトリガとしてS110に進むことを示している。
【0031】
また、図5のフローチャートの処理は、利用者から野外活動記録を作成するための素材となるべきデータの入力があった場合についての流れを示し、この処理プログラムについては、図4のプログラムと同様に記憶手段14内に記憶しておいてもよいし、図4のプログラムとは別の装置に設けておいてよい。例えば、コンピュータ部10内に、図4、図5を行うための双方のプログラムを設けておいてもよいし、図4のプログラムをコンピュータ部10内に設け、図5のプログラムを画像撮影装置18内に設けるような構成であってもよい。
【0032】
この利用者作成情報登録処理プログラムが記憶手段14内に記憶されている場合を例に挙げて説明すると、この処理プログラムの起動後において、図5のように、利用者から素材となるコメント情報、画像情報などのデータ入力があった場合には、S200においてYESに進み、その入力情報に基づいて利用者作成情報を生成する(S210)。なお、ここでいう利用者作成情報は、野外活動に関連する情報として利用者が作成したもの全般を指すものである。そして、利用者作成情報と対応した時間情報を、例えばその利用者作成情報を作成した時刻の時刻情報として生成し(S220)、それら生成された利用者作成情報と時間情報(即ち、時刻情報)とを対応付けて図6(b)のように記憶手段14に記憶することとなる。これにより、利用者作成情報と、その利用者作成情報の作成時刻情報との対応が明確となるため、その時刻情報をよりどころとすればその作成位置を地図上において特定できることとなる。この例においては、演算処理手段13(即ちCPU)が利用者作成情報生成手段、位置特定情報生成手段として機能することとなる。また、S200の分岐は、無限ループを意図するものではなく、利用者からのデータ入力をトリガとしてS210に進むことを示している。なお、図4及び図5のフローチャートはあくまで一例であり、端末位置情報を時間情報と対応付けて記憶できる処理方法、或いは利用者作成情報を時間情報と対応付けて記憶できる処理方法であればそれぞれ別の方法を用いてもよい。
【0033】
また、本実施形態において、移動端末3の記憶手段14には、野外活動記録の素材となる図鑑情報などの素材情報が図7(a)のような構成にて予めデータベースとして記憶されており、素材情報記憶手段として機能している。そして、利用者から素材を選択する選択情報が入力(例えば入力手段11により入力)されることに基づいて、そのデータベースから選択情報に対応した素材情報が抽出され、その抽出された素材情報に基づいて利用者作成情報が生成されて利用者情報として登録されるようになっている。この具体的な処理の流れとしては図8の図鑑情報登録処理のような例を挙げることができ、この例においては演算処理手段13(即ちCPU)が利用者作成情報生成手段、素材情報抽出手段として機能することとなる。
【0034】
図8のフローチャートは図鑑情報を利用者作成情報として登録する流れを示しており、図5の利用者作成情報登録処理の一実施例を示すものである。
当該処理が開始されると、まず移動端末3のモニタ上に初期画面が表示される(S300)。この初期画面は例えば図7(a)のように記憶される複数種類の図鑑の中から利用者が要望する種類の図鑑を選ばせるような画面として構成することができる。例えば、花図鑑、動物図鑑、土地の風習などの図鑑等、複数種の図鑑の項目表示を行い、いずれかの図鑑を選択させるようにする。そして、S310にて図鑑が選択されると、該当する図鑑において対象物を選択するための選択用画面を表示する(S320)。この選択用画面は、例えば、対象物の名称や画像を一覧表示して選択させるようにしたり、或いは名称をテキスト入力させるような構成とすることもできる。例えば、図7(b)のようにデータ構成される植物図鑑の場合、各々の植物の画像を移動端末3のモニタ上に一覧表示して選ばせるようにすることができる。
【0035】
そしていずれかの対象物が選択された場合にはS330においてYESに進み、その選択された対象物の詳細情報を表示する(S340)。植物図鑑情報において、いずれかの植物が選択された場合に、その植物の詳細情報(例えば説明情報や画像情報)を表示することができる。選択がない場合にはS330にてNOに進み、初期画面に戻る場合にはS370にてYESに進んで再び初期画面を表示して別の図鑑を選択できるようにする。また、終了する場合にはS370にてNOに進む。そして、S340にて表示された詳細情報を利用者作成情報として登録する場合にはS350にてYESに進み、S360にてその対象物の情報をその作成時刻情報と対応付けて登録する。登録せず、当該図鑑のほかの対象物を選択する場合には380にてYESに進んで再び対象物選択用の画面を表示し、一方、終了する場合にはS380にてNOに進むこととなる。
【0036】
また、上記説明では、移動端末3の記憶手段14を素材情報記憶手段として機能させる例を示したが、サーバ2側でこのような機能をもたせてもよい。この場合には、例えば自然環境データベース33内に図7のようなデータをもたせて、これを素材情報記憶手段として機能させるようにすることができる。この場合、移動端末3において素材を選択する選択情報が入力された場合に、その入力された選択情報をサーバ2に送信するようにする。そして、サーバ2はその選択情報を受信し、自然環境データベース33から選択情報に対応した素材情報を抽出し、移動端末3に向けて出力することとなる。このようにすれば、必要に応じて素材情報をサーバからダウンロードすれば良いため、移動端末3側に多量のデータを備えておく必要がなく、移動端末3に記憶されるデータ量を効果的に削減でき、ひいては移動端末3の小型化に寄与することとなる。なおこの場合にはCPUからなる演算処理手段22が素材情報抽出手段として機能することとなる。
【0037】
次に、上記のようにして記憶された端末位置情報及び利用者作成情報を用いて野外活動記録を作成する方法について説明する。
まず、利用者データベース35の具体的構成について説明する。
サーバ2における利用者データベース35には、図9(a)に示すような利用者毎の利用者情報が記憶されており、それら記憶される利用者情報は、具体的には図9(b)のような構成をなしている。このような情報は、各移動端末3にて生成・記憶された図6(a)(b)のような情報がサーバ2に送られて構成されるものである。具体的には移動端末3が野外を移動した際に、その移動軌跡上の複数位置においてGPS情報に基づいて生成された端末位置情報(ここではXYZのそれぞれの座標を示す座標情報)が、その生成された時刻の時刻情報(時刻T1,T2,T3等)と対応付けて記憶されており、これによれば、移動端末3がいつどの位置で活動していたのかが明確となる。さらに、各利用者情報には、野外活動記録の素材となるべきものとして当該利用者が作成した画像情報、コメント情報等の利用者作成情報とともに、移動軌跡上におけるそれら画像やコメントの対象となる位置において利用者が野外活動を行っていた時刻の時刻情報が対応して記憶されている。従って、野外活動中にその場で利用者作成情報を作成した場合にはその作成時刻が記憶されることとなる。このようにすることにより、利用者作成情報がいつ作成されたのかが明確となっており、その作成された時刻の時刻情報に基づいて、作成位置が特定可能となっている。
【0038】
そして、野外活動記録を作成する場合には、図10に示すように、まず端末位置情報を利用者データベース35より読み出し(S400)、この読み出された情報に基づいて必要となる地図の範囲を決定する(S410)。この決定の方法は種々考えられるが、例えば、端末位置情報のXYZの座標情報は、それぞれ緯度、経度、及び高度を示すものとすることができ、対象となるすべての端末位置情報が含まれるような緯度範囲、経度範囲を求め、これら範囲に所定の幅を持たせたかたちで地図の範囲を決定するといった方法が挙げられる。そして、決定された範囲の地図情報を地図データベース31から読み出し(S420)、さらに、この地図情報と、収集された端末位置情報及び利用者作成情報とを合成して図2のようなフィールドノートを野外活動記録として作成することができる。本実施形態においては、演算処理手段22が地図範囲の設定を行う地図範囲設定手段として機能し、かつ、このような合成を行う合成手段として機能する。
【0039】
なお、この合成については、図11に示すような方法が考えられる。
図11では、端末位置情報に基づいて移動軌跡を描画する方法を示しており、端末位置を順次定めるとともに、その端末位置をたどることにより図2に示すように描画された移動軌跡50が作成される。なお、ここでは地図上において2次元的に移動軌跡を描画する例について示しているが、3次元的に描画するようにしてもよい。一方、描画された移動軌跡50上において、利用者作成情報を組み込む方法としては図11(b)のような方法が挙げられる。図11(b)の方法では、利用者作成情報の対象位置に係る時刻情報に基づいてその対応位置を検出するようにしている。検出の方法としては、検出対象となる利用者作成情報の時刻情報に対し、時刻情報が前後する2つの端末位置情報(ここでは時刻T1、T2の端末位置情報)を検出し、前後する時間の中点位置をその生成位置とみなすようにしてもよく、生成時間に最も近い時間の端末位置をその生成位置とみなすようにしてもよい。または、前後する2点の端末位置及び時刻情報に基づいて所定の補間式により補間するようにして該当位置を求めるようにしてもよい。このようにして移動軌跡の描画情報50と、写真51aやコメント51bなどにより構成される利用者作成情報51と、その利用者作成情報の地図上における作成位置53との対応付けを行い、図2のような野外活動記録が作成される。なお、このような野外活動記録は、電子ファイルとして記憶しておいてもよく、プリンタによって印刷してもよい。
【0040】
なお、上記の例では、サーバ2の利用者データベース35に、複数の利用者についての利用者情報が格納され、その中から野外活動記録の作成対象となる利用者についての利用者情報を読み出して野外活動記録を作成する例を示したが、これはサーバ2において端末位置情報や利用者作成情報を記憶する一形態であり、このような方法に限定されない。例えば、データベース化せずに、作成対象となる利用者情報を単に記憶手段23に記憶しておき、その記憶される利用者情報に基づいて描画することも可能である。
【0041】
本実施形態において、図4、図5、図8のようなフローチャートを例示したが、このような処理プログラムは、移動端末3における記憶手段に設けておくことができ、図10や、後述する図12のような処理プログラムはサーバ2内の記憶手段に設けておくことができる。なお、これらの処理プログラムはあくまで例示であり、これらと同様の目的を達成できる別の処理プログラム構成としてもよい。
【0042】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
第2実施形態では、端末位置情報及び利用者作成情報を一旦移動端末3の記憶手段14(図3参照)に記憶しておき、野外活動終了後にその情報をサーバに移し変えるような方法を用いている。この場合、野外活動中には、端末位置情報と、写真、コメント、その他の利用者作成情報とを小型記憶媒体(例えば、スティック状、カード状の外部記憶媒体)中に記憶しておき、野外活動終了後にサーバに転送したり、或いは小型記録媒体をサーバ2側に移動させて移し変えるような方法を用いることができる。移し変えられた情報は、サーバ2内の記憶手段23又は利用者DBにおいて図9(b)のように記憶されて野外活動記録の作成に用いられることとなる。なお、移動端末3自体の構成やサーバ2自体の構成については、上記第1実施形態と同様とすることができる。
【0043】
また、図3の構成では、コンピュータ10と画像撮影装置18が一体化又は情報送信可能に接続された例を示したが、それぞれ別々の装置として構成してもよい。具体的には端末位置情報を記憶する記憶媒体と、画像情報を記憶する記憶媒体を別々に設けて野外活動を行い、各々別々の記憶媒体にて記憶された端末位置情報及び画像情報を時間情報に基づいて対応付けるようにしてもよい。この場合、画像撮影装置18において、画像を撮影する際に時間情報(具体的には撮影時刻)と対応付けて撮影し、記憶手段(外部記憶媒体)に記憶する。そして、外部記憶媒体をサーバ2側に移動させて情報を移し変え、その時間情報に基づいて図7(b)のようにデータ合成する。このように、別々の端末位置情報と利用者作成情報を別々の記憶媒体で記憶したとしても、時間情報が判明していれば移動軌跡上の位置が特定できることとなる。
【0044】
<第3実施形態>
図12及び図13は本発明の第3実施形態を示す。
第3実施形態においては、図1のように、複数の移動端末3が電気通信回線を介してサーバと双方向通信可能に接続される構成において、いずれかの移動端末3に関する端末位置情報又は利用者作成情報の少なくともいずれかがサーバ2を介して他の移動端末3に出力するといった方法を用いている。そして、移動端末3の表示画面上に他の移動端末の位置情報や作成情報が表示される構成をなしている。
【0045】
具体的には図12のフローチャートに示されるように、例えば利用者Aの移動端末3から他の移動端末3(例えば利用者Bの移動端末3)の利用者情報の読み出し要求がサーバ2に対してなされた場合(S500)には、S510にてその読み出しの対象となる利用者Bの移動端末3に係る利用者情報を利用者データベース35より抽出する。そして該当する利用者Bの移動端末3の利用者情報があればS520においてYESに進み、該当する移動端末の利用者情報の中から要求に対応するものを読み出して、その要求元の移動端末3に向けて出力する。図13では利用者Aの移動端末3の表示画面上において、その利用者Aの移動軌跡とともに、利用者B,Cの移動端末3に関する描画される移動軌跡50の表示例を示している。この場合には、利用者Aの移動端末3からサーバ2に対して利用者B、Cの端末位置情報を要求し、それら要求した端末位置情報に基づいて図9に示す描画方法により描画すればよい。また、図13に示すように、利用者作成情報の対象位置53や、図2のように利用者作成情報51を表示させるようにしてもよい。
【0046】
例えば、端末位置情報が要求された場合には、その読み出し対象となる移動端末の端末位置情報を抽出し、要求元の移動端末に向けて出力する。要求元の移動端末においては、読み出された端末位置情報が表示画面上に表示されることとなる。なお、この読み出しの際には、読み出し対象の端末位置に対応する地図情報を一緒に読み出すようにしてもよい。なお、利用者作成情報が要求された場合でも同様に処理を行い、要求元の移動端末の表示画面上に、読み出し対象の移動端末の利用者作成情報を表示することができる。一方、S520において、該当するものがなければ、存在しない旨をその要求元の移動端末に向けて出力し当該処理を終了する。
【0047】
なお、読み出し対象となる移動端末は1つに限らず、2以上の移動端末の情報を要求元の表示画面上に出力するようにしてもよい。このような装置を教育用の教材と用いた場合、例えばユーザAの移動端末3を教師用のものとし、ユーザBやユーザCの移動端末3を生徒用のものとして構成した場合、教師用の移動端末3が生徒用の移動端末3に関する利用者情報を要求するようにすれば、教師用の移動端末の表示画面上に生徒の位置や野外活動状況が表示されることとなり、管理が十分行き届いた野外活動を行えることとなる。
【0048】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1) 上記実施形態において、作成される野外活動記録として、地図、移動軌跡、写真、コメントが展開されるものを例示したが、移動軌跡上の所定位置にリンクを設けるようにしてもよい。例えば、移動軌跡上の所定位置をクリックするとその位置に関連する利用者作成情報がリンクに基づいて表示されるようにしてもよい。
(2) 上記実施形態においては、利用者作成情報として写真、コメントを例に挙げて説明したが、音声情報としてもよい。この例としては、移動端末3に組付けた形態で、又はこの移動端末3と接続した形態でマイクを設け、入力される音声情報を音声ファイルとして記憶する方法が挙げられる。この場合、音声ファイルは利用者作成情報として時間情報と対応付けられて記憶されることとなる。また、音声情報を含む動画ファイルとして構成してもよい。
【0049】
(3) 上記実施形態においては、コメントなどの情報を、そのコメントの対象となる位置において入力する例について示したが、後でこのようなコメントを入力するようにしてもよい。例えば、作成時刻とコメントをメモなどとして紙に残しておき、後からこのようなコメント情報をその作成時刻と対応付けて入力し、図6(b)又は図9(b)のように登録してもよい。時刻情報さえ判明すれば、そのコメントの作成位置が後からでも容易に対応付けられることとなる。
(4) 上記野外活動記録を、カーナビゲーションシステム等のナビゲーションシステムに適用してもよい。例えば、カーナビゲーションシステム上で、利用者作成情報や移動軌跡情報を読み出せるようにすれば、自身が行った野外活動の記録を情報として入力し、カーナビゲーションシステムを自分専用にカスタマイズするといったことも可能になり、ナビゲーションシステムの有用性が一層高められる。また、利用者が作成・収集した端末位置情報、利用者作成情報を直接、又は所定の加工処理や分析処理を施して他の利用者のナビゲーションシステムに表示できるようにすれば、ナビゲーションシステムの利用者は、各々の土地に関しての、より具体的な情報が取得できることとなる。
(5) 上記いずれの実施形態においても以下の構成を付加することができる。即ち、利用者が収集した端末位置情報に基づき、野外活動全体を通しての移動端末の移動距離を算出手段(例えば演算処理手段22)により算出し、得られた移動距離情報と、その利用者の身体に関する身体データ(具体的には体重データ等)とに基づいて野外活動における運動量に関するデータ(例えば消費カロリーデータ等)を求め、それを出力するようにしてもよい。上記のように端末位置情報は座標情報として表すことができるため、座標間の距離をそれぞれ求め、その座標間距離の総計をとることにより野外活動全体における移動距離が算出できる。野外活動記録の効率的な作成とともに、その野外活動における運動量をも求めることができるため、付加価値の高いシステムが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る野外活動記録作成システムを概念的に説明する概念図
【図2】野外活動記録の一例を示す説明図
【図3】移動端末の構成の一例を概念的に示す概念図
【図4】端末位置情報登録処理の流れを例示するフローチャート
【図5】利用者作成情報登録処理のの流れを例示するフローチャート
【図6】端末位置情報及び利用者作成情報のデータ構成をそれぞれ示す説明図
【図7】図鑑情報のデータ構成を例示する説明図
【図8】図鑑情報を用いて利用者作成情報を登録する処理を例示するフローチャート
【図9】サーバに記憶される利用者情報のデータ構成を示す説明図
【図10】野外活動記録を作成する処理の流れを例示するフローチャート
【図11】端末位置情報に基づく移動軌跡の描画方法、及び移動軌跡と利用者作成情報の合成方法を示す説明図
【図12】他の移動端末の情報を表示する処理について例示するフローチャート
【図13】他の移動端末の情報を表示する表示例について示す説明図
【符号の説明】
1…野外活動記録作成システム
2…サーバ
3…移動端末
11…入力手段
13…演算処理手段(位置特定情報生成手段、利用者作成情報生成手段、素材情報抽出手段)
14…記憶手段(素材情報記憶手段)
22…演算処理手段
31…地図データベース(地図情報記憶手段)
35…利用者データベース(端末位置情報記憶手段、利用者作成情報記憶手段)
Claims (7)
- 地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
GPS情報を受信する受信装置を備えた移動端末が野外を移動した際に、その移動軌跡上の複数位置において前記GPS情報に基づいて生成された端末位置情報がそれぞれ時間情報と対応付けられて記憶される端末位置情報記憶手段と、
野外活動記録の素材となるべきものとして利用者が作成した画像情報、コメント情報等の利用者作成情報と、この利用者作成情報の作成位置を特定する位置特定情報とが対応付けられて記憶される利用者作成情報記憶手段とを用い、
前記端末位置情報に基づいて前記移動端末の移動軌跡情報を生成して所定領域の地図情報と対応付け、かつ前記位置特定情報に基づいて前記利用者作成情報を前記移動軌跡上におけるその作成位置と対応付けてそれら地図情報、移動軌跡情報、及び利用者作成情報を合成して野外活動記録情報として出力することを特徴とする野外活動記録作成方法。 - 前記利用者作成情報は画像情報を有する一方、前記位置特定情報は前記画像情報における画像作成時の時間情報を含み、
さらに、前記画像作成時の時間情報に基づき、その時間情報に対応した移動軌跡上の位置を特定し、その位置と前記画像情報とを対応付けて合成することを特徴とする請求項1記載の野外活動記録作成方法。 - 前記端末位置情報に基づいて合成すべき地図の領域を設定することを特徴とする請求項1または請求項2記載の野外活動記録作成方法。
- 地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
GPS情報を受信する受信装置を備えた移動端末が野外を移動した際に、その移動軌跡上の複数位置において前記GPS情報に基づいて生成された端末位置情報がそれぞれ時間情報と対応付けられて記憶される端末位置情報記憶手段と、
野外活動記録の素材となるべきものとして利用者が作成した画像情報、コメント情報等の利用者作成情報と、この利用者作成情報の作成位置を特定する位置特定情報とが対応付けられて記憶される利用者作成情報記憶手段とを有し、
前記端末位置情報に基づいて前記移動端末の移動軌跡情報を生成して所定領域の地図情報と対応付け、かつ前記位置特定情報に基づいて前記利用者作成情報を前記移動軌跡上のその作成位置と対応付け、さらにそれら地図情報、移動軌跡情報、及び利用者作成情報を合成して野外活動記録情報として出力することを特徴とする野外活動記録作成システム。 - 前記移動端末は、利用者による操作が可能となるよう構成された入力手段を有するものであり、
さらに、前記利用者からの入力に基づき前記利用者作成情報を生成する利用者作成情報生成手段と、
その利用者作成情報の作成位置に係る位置特定情報を生成する位置特定情報生成手段とを備えたことを特徴とする請求項4記載の野外活動記録作成システム。 - 野外活動記録の素材となる図鑑情報などの素材情報がデータベースとして記憶される素材情報記憶手段と、
利用者から素材を選択する選択情報が入力されることに基づいて、前記素材情報記憶手段からその選択情報に対応した素材情報を抽出する素材情報抽出手段と、
を有し、
前記利用者作成情報生成手段は、その抽出された素材情報を利用者作成情報として生成することを特徴とする請求項5記載の野外活動記録作成システム。 - 複数の移動端末が電気通信回線を介してサーバと双方向通信可能に接続されており、
いずれかの移動端末に関する端末位置情報又は利用者作成情報の少なくともいずれかが前記サーバを介して他の移動端末に出力され、この他の移動端末の表示画面上に表示されるようになっていることを特徴とする請求項4ないし請求項6のいずれかに記載の野外活動記録作成システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002338468A JP2004173105A (ja) | 2002-11-21 | 2002-11-21 | 野外活動記録作成方法及び野外活動記録作成システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002338468A JP2004173105A (ja) | 2002-11-21 | 2002-11-21 | 野外活動記録作成方法及び野外活動記録作成システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004173105A true JP2004173105A (ja) | 2004-06-17 |
Family
ID=32701694
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002338468A Pending JP2004173105A (ja) | 2002-11-21 | 2002-11-21 | 野外活動記録作成方法及び野外活動記録作成システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004173105A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008190956A (ja) * | 2007-02-02 | 2008-08-21 | Fujitsu Ltd | 移動端末装置および画像表示システム |
JP2017207888A (ja) * | 2016-05-18 | 2017-11-24 | 株式会社オーエムアイ | 多面的機能支払支援装置、多面的機能支払支援方法、およびプログラム |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10143520A (ja) * | 1996-11-07 | 1998-05-29 | Toshiba Corp | マルチメディア情報端末装置 |
JP2001134595A (ja) * | 1999-11-08 | 2001-05-18 | Mega Chips Corp | 地理情報システム |
JP2002073689A (ja) * | 2000-08-31 | 2002-03-12 | Kajima Corp | 情報収集システム |
-
2002
- 2002-11-21 JP JP2002338468A patent/JP2004173105A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10143520A (ja) * | 1996-11-07 | 1998-05-29 | Toshiba Corp | マルチメディア情報端末装置 |
JP2001134595A (ja) * | 1999-11-08 | 2001-05-18 | Mega Chips Corp | 地理情報システム |
JP2002073689A (ja) * | 2000-08-31 | 2002-03-12 | Kajima Corp | 情報収集システム |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008190956A (ja) * | 2007-02-02 | 2008-08-21 | Fujitsu Ltd | 移動端末装置および画像表示システム |
JP2017207888A (ja) * | 2016-05-18 | 2017-11-24 | 株式会社オーエムアイ | 多面的機能支払支援装置、多面的機能支払支援方法、およびプログラム |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7356406B2 (en) | Land software tool | |
Ryan et al. | Enhanced reality fieldwork: the context aware archaeological assistant | |
Erle et al. | Mapping hacks: tips & tools for electronic cartography | |
US20090136226A1 (en) | Camera with photo tracklog producing function and method for producing photo tracklog | |
JP5334159B2 (ja) | 電子地図上での写真表示方法及びシステム | |
JP2007528523A (ja) | ディジタル画像の改善された組織化及び検索のための装置及び方法 | |
JP3915106B2 (ja) | 画像検索装置 | |
Ryan et al. | Fieldnote: A handheld information system for the field | |
TW200925898A (en) | Method and system for generating shared records web page file | |
Harkema et al. | Historypin for library image collections: New modes of access for unique materials at the University of Saskatchewan library | |
JP2007264268A (ja) | 位置表示装置 | |
Carboni et al. | GeoPix: image retrieval on the geo web, from camera click to mouse click | |
Hansen et al. | Mobile Learning in Context—Context-aware Hypermedia in the Wild. | |
JP2004171408A (ja) | 野外活動情報利用方法及び野外活動情報利用システム | |
JP3501501B2 (ja) | 情報処理装置及びその方法 | |
JP2004173105A (ja) | 野外活動記録作成方法及び野外活動記録作成システム | |
McCaffrey et al. | Using digital mapping tools and 3-D visualisation to improve undergraduate fieldwork | |
Nguyen et al. | Sharing hierarchical mobile multimedia content using the MobiTOP system | |
Levy et al. | Cyber-archaeology in the holy land | |
JP2006350550A (ja) | アルバムコンテンツ自動作成方法及びシステム | |
Touya et al. | MapDraw-an online tool to draw anything you want on top of a map | |
TW201042473A (en) | Data searching method and image searching device | |
Dodsworth et al. | Discovering and using historical geographic resources on the Web: A practical guide for Librarians | |
Ruiz | Geocoded Photography. | |
Dorner et al. | Uncertainty in the spatial metadata of historical photographs: A geomatic and photogrammetric driven argumentation |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050905 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070201 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070206 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070605 |