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JP2004172496A - 光電変換素子および光電変換素子の製造方法 - Google Patents

光電変換素子および光電変換素子の製造方法 Download PDF

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JP2004172496A JP2002338542A JP2002338542A JP2004172496A JP 2004172496 A JP2004172496 A JP 2004172496A JP 2002338542 A JP2002338542 A JP 2002338542A JP 2002338542 A JP2002338542 A JP 2002338542A JP 2004172496 A JP2004172496 A JP 2004172496A
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Yuichi Sato
雄一 佐藤
Tetsuto Yoneyama
哲人 米山
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TDK Corp
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Abstract

【課題】太陽電池の光反射性電極において、光反射性電極表面に緻密なテクスチャ構造を得る。光電変換層に入射した光を多方向へ効率良く散乱反射させ、変換効率を改善する。
【解決手段】基板21、光反射性電極22、光電変換層23、透明電極24を少なくとも有して構成される太陽電池において、光反射電極を平面視上の形状が六角形もしくは実質的に六角形である単位テクスチャ11を表面に有する構造とする。また、基板21と光反射性電極22との間に、表面にテクスチャ構造をもつテクスチャ層25を有する構造とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、光電変換素子、なかでも光センサおよび太陽電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
単結晶シリコンや多結晶シリコン膜を用いた光電変換層を持つ太陽電池や光センサ等の光電変換素子が実用化されている。多結晶シリコン膜を用いた光電変換層を持つ光電変換素子は、CVDで形成された多結晶シリコン膜などを用い、少なくとも一つのPIN接合が形成されている。このような光電変換素子は、基板の表面に、入射光を反射する光反射性電極と、光電変換層と、透明電極とを少なくとも有する構造が一般的である。
【0003】
さらに、光反射性電極は、その表面を凹凸形状にし、いわゆるテクスチャ構造とすることも一般的である。このような、テクスチャ構造は、光電変換層に入射し、吸収されずに光反射性電極に達した光を散乱反射させ、光電変換層に再度入射させることにより、光の吸収効率を高めることを目的としている。
【0004】
テクスチャ構造は、例えば、単結晶シリコン太陽電池の場合、単結晶シリコン基板をエッチングすることにより形成される。具体的には、加温した水酸化ナトリウム(NaOH)または水酸化カリウム(KOH)水溶液にイソプロピルアルコールを添加し、得られた混合液にSi(100)ウエハを浸漬することにより、四角錐状の突起を有するテクスチャ構造が得られる。また、炭酸ナトリウム(NaCO)水溶液をエッチング液とし、単結晶シリコン基板をそのエッチング液に浸漬して単結晶シリコン基板の表面に微細な凹凸形状のテクスチャ構造を形成することも開示されている(特許文献1参照。)。
【0005】
一方、光電変換層が多結晶シリコン膜などにより構成される太陽電池の場合、可撓性を有する有機フィルムを基板に用い、シリコンを0.1〜6.0重量%含有するアルミニウムをターゲットとし、基板温度を50℃〜200℃としてスパッタすることによりテクスチャ構造を有する光反射性電極(下部電極)を形成する太陽電池の製造方法が開示されている(特許文献2参照。)。
【0006】
また、金属基板上に酸化チタン、アルミナ、シリカなどの顔料を配合した電気絶縁性を有する耐熱性樹脂をコートすることにより、表面粗さRmaxが0.3〜1.5μmの凹凸を有する基板を形成する太陽電池の製造方法が開示されている(特許文献3参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−183378号公報
【0008】
【特許文献2】
特開平9−69642号公報
【0009】
【特許文献3】
特開平11−177111号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の光反射性電極表面上のテクスチャ構造は、規則性がなく、形状がランダムに形成されていた。このような形状がランダムなテクスチャ構造は、光反射性電極表面上のテクスチャ構造の密度にばらつきを生じていた。このため、光反射性電極表面における光の散乱反射が十分ではなく、光電変換層の効率が十分ではなかった。
【0011】
また、四角錐状の突起を有するテクスチャ構造の場合、テクスチャ構造に規則性を得ることはできるが、単位面積内に形成されるテクスチャの密度は低くならざるを得なかった。そして、四角錐状のテクスチャ構造においては、光を散乱反射する反射面は、4面のみであることから、光の反射方向が限定されてしまい、光を散乱反射させる効果が十分ではなかった。
【0012】
本発明は、上記問題点を鑑み、太陽電池、特に可撓性を有する有機樹脂フィルムを用いた太陽電池の、光反射性電極表面上のテクスチャ構造を高密度に緻密かつ均質なテクスチャ構造を形成することができ、光を多方向へ散乱反射させることが可能であることから、光電変換効率を向上し、太陽電池の起電力により生じる光電流の増加を図り、入射光の有効利用を図り、高性能な太陽電池を得ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決する本発明の光電変換素子は、基板と光反射性電極と光電変換層と透明電極とを少なくとも有する光電変換素子であって、前記光反射性電極は、平面視上の形状が六角形もしくは実質的に六角形である単位テクスチャを表面に有することを特徴とする。
【0014】
このような構成により、光反射性電極表面を高密度に緻密かつ均質なテクスチャ構造を形成することができ、光を多方向へ散乱反射させることが可能であることから、光電変換効率を向上することができる。
【0015】
前記基板は、可撓性を有することが好ましい。可撓性を有する基板は、形状に自由度を増すとともに、巻き取り展開が可能であるため、生産上の利点を有する。
【0016】
前記基板は、有機樹脂フィルムであることが好ましい。基板を有機フィルムとすることで、基板上にテクスチャ構造を容易にかつ高精度に形成できる。
【0017】
また、前記基板は、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリイミド、ポリアミドまたはポリミドアミドから選択された材料から構成されることが好ましい。基板をこのような材料とすることで、製造工程時の加熱に対する耐熱性が得られる。
【0018】
そして、前記基板と前記光反射性電極との間に、表面にテクスチャ構造をもつテクスチャ層を有する構成とすることもできる。このような構成とすることで、光反射性電極表面のテクスチャ構造を高精度に形成することができる。
【0019】
前記テクスチャ層は、樹脂から構成されていることが好ましい。このように樹脂から構成されることで、テクスチャ構造を容易にかつ高精度に形成することができる。
【0020】
前記テクスチャ層は、ポリイミド樹脂から構成されていることが好ましい。このようにポリイミド樹脂から構成されることで、耐熱性を得ることができる。
【0021】
本発明の光電変換素子としては、例えば、太陽電池や光センサ等がある。
【0022】
また、本発明の光電変換素子の製造方法は、基板と光反射性電極と光電変換層と透明電極とを少なくとも有する光電変換素子の製造方法であって、前記基板の表面に、平面視上の形状が六角形もしくは実質的に六角形である単位テクスチャを有するテクスチャ構造を形成したのち、前記光反射性電極と、前記光電変換層と、前記透明電極とを積層することが好ましい。
【0023】
このように製造することで、高い変換効率を有する光電変換素子を容易な製造プロセスで製造することができる。
【0024】
そして、本発明の光電変換素子の製造方法は、基板と光反射性電極と光電変換層と透明電極とを少なくとも有する光電変換素子の製造方法であって、前記基板の表面に、平面視上の形状が六角形もしくは実質的に六角形である単位テクスチャを有するテクスチャ構造をもつテクスチャ層を形成したのち、前記光反射性電極と前記光電変換層と前記透明電極とを積層することもできる。このように光電変換素子を製造することで、光反射性電極表面のテクスチャ構造を高精度に形成することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の光電変換素子は、基板と光反射性電極と光電変換層と透明電極とを少なくとも有する。そして、光反射性電極は、平面視上の形状が六角形もしくは実質的に六角形である単位テクスチャを表面に有する。
【0026】
図1に本発明の光電変換素子の平面図を示す。本発明の光電変換素子は、光が入射する側から観察した場合、光反射性電極上に六角形もしくは実質的に六角形である単位テクスチャ11が観察される。光反射性電極の表面をこのような構造とすることで、光反射性電極表面を高密度に緻密かつ均質なテクスチャ構造とすることができ、光を多方向へ散乱反射させることができる。すなわち、平面視上の形状が六角形もしくは実質的に六角形である単位テクスチャを有する構造は、ランダムな形状や四角錐状等の形状に比べて単位面積あたり高密度にかつ緻密なテクスチャ構造とすることができる。また、平面視上の形状が六角形もしくは実質的に六角形である単位テクスチャは、反射面を6面有し、外部から光電変換層に入射した光を多方向へ効率良く散乱反射させることができる。
【0027】
この平面視上の形状が六角形である単位テクスチャとは、凸型状の形状の場合、六角錐状の形状であり、凹型状の形状であれば、六角錘状にくぼんだ形状となる。単位テクスチャは、平面視上の形状が必ずしも正確な六角形ではなくても良く、六角錘の稜となるエッジの部分が鈍る場合もあり、実質的に六角形であれば良い。このような単位テクスチャを光反射性電極の表面上に複数配置して、テクスチャ構造が形成される。それぞれの単位テクスチャは、すべてが同じ大きさ、形状のものを配置しても良いし、異なる大きさ、形状のものを配置しても良い。
また、テクスチャ構造は、図1(a)に示すように単位テクスチャ11を最密となるように隙間無く配置しても良いし、図1(b)に示すように単位テクスチャ11を間隔をあけて配置しても良い。さらに、テクスチャ構造は、単位テクスチャを規則性に従って配置しても良く、ランダムに配置しても良い。
【0028】
また、光反射性電極の表面のテクスチャ構造は、光電変換層の表面にも反映される。このため、光電変換層の表面は、光反射性電極の表面のパターンと同様のテクスチャ構造となる。
【0029】
本発明の光電変換素子においては、外部から入射した光は、透明電極を透過し、光電変換層表面に到達する。光電変換層表面に到達した光は、光電変換層に入射あるいは光電変換層の表面で反射される。そして、光電変換層の表面で反射された光は、光電変換層表面のテクスチャ構造の他面に入射して、吸収される。一方、光電変換層に入射した光のうち、光電変換層で吸収されずに光反射性電極表面に達した光は、テクスチャ構造である光反射性電極表面で反射され、光電変換層に再度入射される。さらに、光反射性電極で反射され、光電変換層に再度入射した光のうち、光電変換層に吸収されずに光電変換層の表面に達した光は、光電変換層の凹凸表面で再び反射され、光電変換層に入射される。このように光電変換層内に入射した光が反射を繰り返すことで、反射光が光電変換層内を進む距離が長くなり、光は、光電変換層に効率良く吸収され、太陽電池の光電変換効率は高くなる。
光反射性電極表面のテクスチャ構造は、例えば、基板の表面に電極を形成したのち、テクスチャ構造パターンがあらかじめ形成された母型に基板を押圧して、電極表面にテクスチャ構造を転写することにより形成される。また、基板表面の凹凸は、下部電極である光反射性電極表面に反映される。従って、基板表面にテクスチャ構造として微細な凹凸を形成した場合、この凹凸は、反射性電極表面に反映される。このため、基板表面にテクスチャ構造を形成しても光反射性電極表面をテクスチャ構造とすることができる。このように、基板表面にテクスチャ構造を形成した場合、光反射性電極、光電変換層および透明電極を連続して形成し、積層することができるため、製造プロセスが容易となり、好適である。
【0030】
以下、本発明の光電変換素子各部の構成と、製造方法について、太陽電池を例として説明する。図2(a)に示す本発明の光電変換素子である太陽電池は、基板21と光反射性電極22と光電変換層23と透明電極24とを有する構成である。
【0031】
基板は、剛性または可撓性を有するものを用いることができる。可撓性を有する基板は、形状に自由度を増すとともに、巻き取り展開が可能であるため、生産上の利点を有する。可撓性を有する基板の構成材料は、特に限定されないが、光電変換層の形成時の加熱に対する耐熱性から、金属箔または耐熱性を有する有機樹脂フィルムを好適に用いることができる。特に、有機樹脂フィルムは、テクスチャ構造を容易にかつ高精度に形成できることから好ましい。具体的には、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリイミド、ポリアミドまたはポリミドアミドなどの耐熱性有機樹脂フィルムを用いることができる。特に、ポリイミドは、光電変換膜をCVD法により形成時の加熱に対する耐熱性の点で優れており、好適に用いることができる。
【0032】
基板表面のテクスチャ構造は、テクスチャ構造パターンを有する母型に基板を押圧し、パターンを転写することにより形成することができる。この方法では、まず、テクスチャ構造パターンを転写する母型を作製する。母型表面上のテクスチャ構造パターンの形成は、製版技術を利用することが好ましい。製版技術としては、電子彫刻製版を用いることができる。
【0033】
電子彫刻製版では、まず、鉄やステンレスなどからなる母材の表面にめっき法などによりCu層を形成する。このとき、必要に応じてNiからなる下地層をあらかじめ形成しても良い。そして、CADや画像処理等により作成したデータを用いてCu層表面を直接形状加工し、母型とする。形状加工にはダイヤモンド針やレーザービームを用いる。このようにしてパターニングされたCu層表面に、硬度および耐久性の向上のために保護層を形成する。保護層は、めっき法により形成されたCr層やNi層を用いることができる。あるいは、CVD法により形成されたDLC膜を用いても良い。
【0034】
また、母型を用いて押圧によりテクスチャ層にパターンを転写すると、転写されたパターンの稜となるエッジの部分が鈍る場合がある。このような場合であっても、散乱反射の効果は十分に得ることができる。
【0035】
また、図2(b)に示すように、基板21と光反射性電極22との間に、テクスチャ構造をもつテクスチャ層25を有し、さらに、光電変換層23と透明電極24とを積層した構造としても良い。このような構成とすることで、光反射性電極表面のテクスチャ構造を高精度に形成することができる。テクスチャ層は、例えば、テクスチャ構造パターンをあらかじめ表面に形成した母型を用いて、押圧することによりテクスチャ層にパターンを転写することにより形成できる。この場合、テクスチャ層を構成する材料は、パターンを母型から容易にかつ高精度に転写、形成できることから、樹脂を用いることが好ましい。このような樹脂としてはポリイミド樹脂や熱硬化型樹脂を用いることができ、特に耐熱性の点からポリイミド樹脂が好ましい。
【0036】
このようなテクスチャ層は、例えば、基板の表面に樹脂からなる塗膜を形成した後、テクスチャ構造パターンを有する母型に塗膜を押圧し、パターンを転写することにより形成することができる。母型表面のテクスチャ構造パターンは、前述した製版技術を利用することが好ましい。製版技術としては、電子彫刻製版を用いることができる。そして、母型に塗膜を押圧し、パターンを転写する際は、パターンの転写が容易となるように母型を加熱することが好ましい。加熱温度は、50〜400℃であることが好ましい。加熱温度が低いとテクスチャ構造パターンの転写精度が劣り、また、加熱温度が高いとフィルム基板に変形を生じる。
また、テクスチャ構造パターンを転写した後、基板を加熱し、乾燥させることが好ましい。乾燥温度は50〜200℃の温度が好ましい。乾燥温度が低いと転写後のテクスチャ構造が変形する場合があり、乾燥温度が高いとテクスチャ層にクラックを生じることがある。
【0037】
光反射性電極は、太陽電池に入射し、光電変換層で吸収されずに透過した光を散乱反射し、光電変換層に再び入射させる。このように光を散乱反射させることで、光を効率良く光電変換層で吸収させる機能を有する。光反射性電極は、アルミニウム(Al)や銀(Ag)の金属単層膜を用いることができる。また、光学干渉による増反射効果を得ることを目的として、透光性導電膜をこれらの金属単層膜と組み合わせても良い。光反射性電極は、光電変換層形成時に水素プラズマに晒されることになる。それにより、透光性が劣化するおそれがあるため、透光性導電膜は、水素プラズマに対する耐性が優れた材料が好ましい。具体的には、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)が好ましい。
【0038】
光電変換層は、pn接合またはpin接合、好ましくはpin接合を有する。
本発明の光電変換素子は、テクスチャ構造を設けることにより変換効率を向上させる。このため、光電変換層の構成は特に限定されずどのような構成の光電変換層を有する場合においても変換効率を向上する効果を得ることができる。光電変換層の構成材料は、一般的なシリコンのほか、GaAs、InP、Cd/CdTeなどの材料を用いることができる。また、変換可能な波長領域を拡大するために異なる化合物からなる層を積層したいわゆるタンデム構造としても良い。
【0039】
光電変換層は、プラズマCVD法などの真空成膜法により形成することができる。形成方法および形成条件は特に限定されず、構成材料に応じて適宜設定すれば良い。
【0040】
透明電極は、透明導電材料により構成される。用いられる透明導電材料は、特に限定はないが、透明性、導電性に優れた材料、例えば、酸化インジウム(ITO)や、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)等が好ましい。また、透明電極の厚さは、10〜100nmとすることが好ましい。透明電極の形成方法は特に限定されないが、スパッタ法などの真空成膜法を用いることができる。
【0041】
また、光電変換素子は、通常複数のセルが直列に接続された構成とすることが一般的である。透明電極は、金属電極に比べて比抵抗が高いことから、各セルにおいて光電変換された起電力を各セルの透明電極から収集するための収集電極が設けられる。このような収集電極は透明電極上に金属膜により形成される。さらに、各セルの収集電極と、隣接するセルの光反射性電極(下部電極)とを直列接続するため、配線電極が設けられるとともに、直列接続の両末端には、正極、負極側の引き出し電極が設けられる。
【0042】
そして、光電変換素子は、機械的な損傷や、大気による酸化、腐食などによる損傷を防ぐため、透明電極を形成したのち、入射側表面を樹脂などの封止部材を設けることが一般的である。このような封止部材は、基板の裏面側にも設けることも同様に上記の損傷を防ぐために一般的である。したがって、本発明の光電変換素子においても、上記の損傷を防ぐため、基板の入射側表面および裏面にこのような封止部材を設けることが好ましい。
【0043】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。本実施例では、光電変換素子の一例として太陽電池を作製し、評価した。
【0044】
基板として、厚さ50μmのポリイミドフィルムを用い、このポリイミドフィルム基板の表面に、テクスチャ層を形成した。テクスチャ層の表面形状は、平面視上の形状が六角形である正六角錐の形状の単位テクスチャを有する形状とした。テクスチャ層を形成は、上記のポリイミドフィルム基板の片面にポリイミド系樹脂を溶媒(Nーメチルー2−ピロリドン)で固形分17重量%となるように希釈した塗布液を塗布したのち、あらかじめ作製したテクスチャロールを母型としてテクスチャ構造パターンを転写した。その際、テクスチャロールは300℃に加熱した。そして、テクスチャ構造パターンの転写の後、120℃の温度で乾燥させた。
【0045】
テクスチャロールは、ステンレス材を母材として、表面に、電子彫刻製版により一辺を8μm、高さを4μmとする正六角錐の形状の単位テクスチャを周期13.86(=8×31/2)μmとしたテクスチャ構造を形成した。尚、この周期は一辺を8μmとする正六角形の最小幅の値であり、この周期で配置することにより、単位テクスチャを隙間なく最密に配置することができる。そして、テクスチャロールの表面は、Crめっき膜を形成し、保護膜とした。
【0046】
光反射性電極は、厚さ300nmのアルミニウム(Al)膜および厚さ90nmのGa添加ZnOからなる透光性導電膜を積層した構成とし、DCスパッタ法により形成した。スパッタ条件を以下に示す。
(Al層)
ターゲット:アルミニウム
スパッタガス:アルゴン
ガス圧力:66.7Pa
投入電力:2.2W/cm
基板温度:室温
(ZnO層)
ターゲット:Ga+ZnO焼結体
スパッタガス:アルゴン
ガス圧力:66.7Pa
投入電力:0.5W/cm
基板温度:室温
【0047】
光電変換層は、n層、i層およびp層からなる多結晶シリコン層を下記条件でプラズマCVD法により形成した。
(n層)
使用ガス、流量:PH/H/SiH=0.06sccm/800sccm/5sccm
圧力:133.3Pa
投入電力:50mW/cm
基板温度:220℃
厚さ:50nm
(i層)
使用ガス、流量:H/SiH=1000sccm/20sccm
圧力:26.7Pa
投入電力:600mW/cm
基板温度:220℃
厚さ:1600nm
(p層)
使用ガス、流量:B/H/SiH=0.02sccm/900sccm/4sccm
圧力:66.7Pa
投入電力:180mW/cm
基板温度:120℃
厚さ:15nm
上部電極は、厚さ60nmのITO膜とし、DCスパッタ法により形成した。スパッタ条件を以下に示す。
ターゲット:In+SnO焼結体
スパッタガス:Ar/O=0.4Pa/0.08Pa
投入電力:0.3W/cm
基板温度:室温
【0048】
さらに、配線電極および取り出し電極を形成して、太陽電池とした。また、テクスチャ層を設けなかったこと以外は実施例と同様にして太陽電池を作製し、従来例1とした。そして、テクスチャ層を、一辺を13.86μm、高さを4μmとする正四角錐の形状の単位テクスチャを周期13.86μmに配列したテクスチャ構造を有するテクスチャ層を形成したこと以外は実施例と同様にして太陽電池を作製し、従来例2とした。
【0049】
実施例および従来例1および2の太陽電池について、ソーラーシミュレータを用い、上部電極側から光を照射し、光電変換特性を評価した。その結果、実施例の太陽電池は従来例1および2に比べ光電流が増加することが確認された。変換効率の比較では、実施例は、8.75%であり、一方、従来例1および2は、それぞれ6.40%、7.65%であった。すなわち、実施例の太陽電池の変換効率は、テクスチャ層を設けていない従来例1に対して、約27%改善され、正四角錐の形状の単位テクスチャを有する従来例2に対して、約13%改善された。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光電変換素子の効果は明らかである。すなわち、本発明の光電変換素子は、光反射性電極表面を高密度に緻密かつ均質なテクスチャ構造を形成することができ、光を多方向へ散乱反射させることが可能であることから、光電変換効率を向上し、太陽電池の起電力により生じる光電流の増加を図り、入射光の有効利用を図り、高性能な太陽電池とすることができる。
【0051】
そして、本発明の電気化学デバイスの製造方法によれば、高い変換効率を有する光電変換素子を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光電変換素子の平面図である。
【図2】本発明の光電変換素子の一例である太陽電池の部分断面図である。
【符号の説明】
11 単位テクスチャ
21 基板
22 光反射性電極
23 光電変換層
24 透明電極
25 テクスチャ層

Claims (11)

  1. 基板と光反射性電極と光電変換層と透明電極とを少なくとも有する光電変換素子であって、
    前記光反射性電極は、平面視上の形状が六角形もしくは実質的に六角形である単位テクスチャを表面に有することを特徴とする光電変換素子。
  2. 前記基板は、可撓性を有することを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記基板は、有機樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
  4. 前記基板は、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリイミド、ポリアミドまたはポリミドアミドから選択された材料から構成されることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
  5. 前記基板と前記光反射性電極との間に、表面にテクスチャ構造をもつテクスチャ層を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光電変換素子。
  6. 前記テクスチャ層は、樹脂から構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光電変換素子。
  7. 前記テクスチャ層は、ポリイミド樹脂から構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の光電変換素子。
  8. 前記光電変換素子は太陽電池であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の光電変換素子。
  9. 前記光電変換素子は光センサであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の光電変換素子。
  10. 基板と光反射性電極と光電変換層と透明電極とを少なくとも有する光電変換素子の製造方法であって、
    前記基板の表面に、平面視上の形状が六角形もしくは実質的に六角形である単位テクスチャを有するテクスチャ構造を形成したのち、前記光反射性電極と、前記光電変換層と、前記透明電極とを積層することを特徴とする光電変換素子の製造方法。
  11. 基板と、光反射性電極と、光電変換層と、透明電極とを少なくとも有する光電変換素子の製造方法であって、
    前記基板の表面に、平面視上の形状が六角形もしくは実質的に六角形である単位テクスチャを有するテクスチャ構造をもつテクスチャ層を形成したのち、前記光反射性電極と、前記光電変換層と、前記透明電極とを積層することを特徴とする光電変換素子の製造方法。
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