[go: up one dir, main page]

JP2004170959A - 投影用スクリーン - Google Patents

投影用スクリーン Download PDF

Info

Publication number
JP2004170959A
JP2004170959A JP2003372054A JP2003372054A JP2004170959A JP 2004170959 A JP2004170959 A JP 2004170959A JP 2003372054 A JP2003372054 A JP 2003372054A JP 2003372054 A JP2003372054 A JP 2003372054A JP 2004170959 A JP2004170959 A JP 2004170959A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
layer
projection screen
refractive index
reflection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003372054A
Other languages
English (en)
Inventor
Hitoshi Katakura
等 片倉
Hirofumi Kondo
洋文 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2003372054A priority Critical patent/JP2004170959A/ja
Publication of JP2004170959A publication Critical patent/JP2004170959A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Optical Filters (AREA)
  • Overhead Projectors And Projection Screens (AREA)
  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)

Abstract

【課題】明光下でも高コントラストの画像を表示できる所定視野角の投影用スクリーンを実現する。
【解決手段】基材23上に、三原色波長領域の光に対して高反射特性を有し、前記三原色波長領域以外の少なくとも可視波長領域の光に対して高吸収特性を有する光反射性粒子21を含有する反射拡散層22が形成されてなり、前記反射拡散層22の表面に光拡散制御板24が設けられ、前記基材23の背面に黒色系光吸収層25が設けられていることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、光反射性粒子を用いた投影用スクリーンに係り、特に明光下でもプロジェクターの投影画像を明瞭に見ることができる反射型の投影用スクリーンに関する。
会議等においては、資料を提示する方法として液晶プロジェクター、スライドプロジェクター等を用いてスクリーン上に拡大表示することが一般に行われている。この種のプロジェクターとしては、例えば、光源から出射された光線を赤(R)、緑(G)、青(B)の各色の光線に分離して所定の光路に収束させる照明光学系と、R、G、B各色の光束をそれぞれ光変調する液晶パネル(ライトバルブ)と、光変調されたR、G、B各色の光束を合成する光合成部とを備え、光合成部により合成されたカラー画像を投射レンズによりスクリーンに拡大投影するものがある。
また、最近では、光源に狭帯域三原色光源、例えばR、G、B各色の狭帯域光を発するレーザー発振器を使用し、液晶パネルの代わりにグレーティングライトバルブ(GLV:Grating Light Valve)を用いてR、G、B各色の光束を空間的に変調するプロジェクターも開発されている。
このようなプロジェクターに用いられる投影用スクリーンは、従来、ナイロンなど合成繊維により織り込まれた布の表面に、粒子径の異なるシリカ球を分散させた透明樹脂を塗布して作製される。これにより、入射したプロジェクター画像光が散乱反射され、広い視野角とある程度の反射によるコントラスト特性を得ることができる。
また、視野角が広く、パソコン画像等の白地の多い静止画像を明瞭に映し出すことができる投影用スクリーンとして、図5に示すように光反射性を有する樹脂シート(基材91)上に、青色を反射し青色の補色を透過するパール顔料92bと光拡散材の透明樹脂ビーズ92aを分散させてなる光拡散層92を設けたものも提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
ところで、粉体核粒子を屈折率の異なる多層膜で被覆することにより特定の波長の光を選択的に反射する光選択反射性を付与した粉体が開発され、その干渉色により種々の色調のカラーインキや機能性カラーインキに適用できることが示されている(特許文献2参照。)。
特開平11−194424号公報 特開平10−60350号公報
上述した従来の投影用スクリーンでは、入射したプロジェクター画像光だけでなく、外光も散乱反射されるため、太陽光、蛍光灯や白色光などの外光光源がプロジェクターにより投影された画像に重畳されると、その外光光源の強度によっては、著しいコントラストの低下を招来することとなり、プロジェクター投影時は、室内照明を消灯し、カーテンを閉めて外光をさえぎるなどの処置を一般的に施していた。
本発明は、プロジェクター画像光のみ反射して散乱させることができれば、映写環境にかかわらず常に高コントラストの投影画像を映し出すことができることに着目してなされたもので、明光下でも高コントラストの画像を表示することができる広視野角の投影用スクリーンを提供することを目的とする。
また、本発明は、明光下でも高コントラストの画像を表示することができる視野角の制御された投影用スクリーンを提供することを目的とする。
本願発明者は、粉体粒子を屈折率の異なる特定の多層膜で被覆して光選択反射性を付与した粉体をスクリーンに応用すれば、プロジェクター画像光のみ反射して散乱させることが可能で、映写環境にかかわらず常に高コントラストの投影画像を映し出す投影用スクリーンとすることができることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明の投影用スクリーンは、基材上に、三原色波長領域の光に対して高反射特性を有し、三原色波長領域以外の少なくとも可視波長領域の光に対して高吸収特性を有する光反射性粒子を含有する反射拡散層が形成されてなることを特徴とする。
上記基材は、光吸収性を有する黒色系であることが好ましい。
また、上記光反射性粒子は、可視波長領域の光を吸収するコアと、三原色波長領域の光に対して高反射特性を有し、三原色波長領域以外の少なくとも可視波長領域の光に対して高透過特性を有する被覆層とで構成される。このような反射特性を有する被覆層は、高屈折率層とこれより屈折率の低い低屈折率層を交互に積層した光学多層膜とすることで実現する。この場合の光学多層膜は、コアに接する側と外表面側に高屈折率層を配置した少なくとも3層以上の積層膜が好ましい。
高屈折率層の材料としては、屈折率1.5以上の可視波長領域(350nm〜800nm)で透明な材料、例えば酸化チタン(TiO)、酸化セリウム(CeO)、硫化亜鉛(ZnS)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化アンチモン(Sb)、酸化インジウム(In)、酸化ハフニウム(HfO)等が用いられ、低屈折率層の材料としては、屈折率1.5未満の可視波長領域(350nm〜800nm)で透明な材料、例えば酸化ケイ素(SiO)、フッ化マグネシウム(MgF)、フッ化カルシウム(CaF)、フッ化リチウム(LiF)等が用いられる。また、コアの材料としては、黒色の材料、例えばマグネタイト、カーボン等が用いられる。
上記光学多層膜は、前記高屈折率層の厚さより、前記低屈折率層の厚さを大とすることが好ましく、上記光反射性粒子の被覆層における高屈折率層及び低屈折率層は、屈折率をn、厚さをdとしたとき、その光学膜厚ndが、λ=550nmのときのQWOT値で10.4〜11.4又は8.8〜9.2の範囲となるように膜厚調整することが好ましい。
ここで、QWOTとはλ/4を単位とする光学的距離であり、次式で表される。
QWOT=nd/(λ/4)
上記基材の上に形成される反射拡散層は、光反射性粒子と、結合剤と、溶媒とからなる溶液を前記基材上に塗布することによって形成することができる。また、基材の裏面にカーボンブラック等を含有した黒インキを塗布したり、黒色フィルムを貼り合わせることにより、基材に光吸収性を持たせ、光反射性粒子間を透過した光を吸収させることで、よりコントラストの向上を図ることもできる。
また、本発明の投影用スクリーンは、基材上に、三原色波長領域の光に対して高反射特性を有し、三原色波長領域以外の少なくとも可視波長領域の光に対して高吸収特性を有する光反射性粒子を含有する反射拡散層が形成されてなり、反射拡散層の表面に光拡散制御手段が設けられ、基材の背面には黒色系光吸収層が設けられていることを特徴とする。
上記光拡散制御手段は、所望の光拡散角に調整された板状及びもしくはフィルム状部材が前記反射拡散層上に形成されたものであることが好ましい。
本発明の効果として、請求項1〜8の発明によれば、三原色波長領域の光に対して選択的に高反射特性を有する光反射性粒子をスクリーンの基材上に配置することにより、この粒子によりプロジェクター光のみを散乱反射し、外光は吸収することができるため、明光下でも高コントラストの画像を表示できる広視野角の投影用スクリーンを実現することができる。すなわち、三原色波長領域の光からなるプロジェクター光のみを大きい散乱角度で反射して拡散し、外光である三原色波長領域以外の光は吸収するため、映写環境にかかわらず常に高コントラストの投影画像を表示することができる。
請求項9の発明によれば、基材に光吸収層を持たせることにより、光反射性粒子の層を透過した光を吸収させることができ、投影画像のコントラストをより向上させることができる。
請求項10の発明によれば、光反射性粒子で反射された三原色波長領域の光からなるプロジェクター光を、拡散角が制御された拡散制御板を用いて、拡散を制御することにより、指向性を持った投影用スクリーンが実現可能になる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の投影用スクリーンの一実施の形態を示すもので、平均粒径5〜数10μmの粒径の異なる光反射性粒子1を結合剤にて分散してなる反射拡散層2が基材3上に形成されている。
光反射性粒子1は、マグネタイトやカーボンのような光吸収材となる黒色の粒子をコアにして、屈折率1.5以上の高屈折率材料からなる高屈折率層と屈折率1.5未満の低屈折率材料からなる低屈折率層を交互に積層した光学多層膜からなる被覆層が形成されている。この光学多層膜は、高屈折率層と低屈折率層の膜厚dをそれぞれの屈折率nに応じて所定範囲に調整することで、R(640nm〜780nm)、G(490nm〜560nm)、B(450nm〜490nm)の三原色波長領域光を反射し、それ以外の波長領域光(迷光)は透過する選択的反射特性を有することができる。この光学多層膜における積層数は3以上の奇数が好ましく、黒色粒子に高屈折率層、低屈折率層、高屈折率層の順に積層される。被覆層を透過した光は黒色粒子のコアで吸収されるため、光反射性粒子1としては、三原色波長領域光に対しては高反射特性を示し、それ以外の波長領域光に対しては高吸収特性を示すことになる。
上記光学多層膜には、少なくとも可視波長領域(350nm〜800nm)で透明な材料が使用されるが、屈折率1.5以上の高屈折率材料としては、TiO、CeO、ZnS、ZrO、Sb、In、HfO等が挙げられる。また、1.5未満の低屈折率材料としては、SiO、MgF、CaF、LiF等が挙げられる。
上記光学多層膜をコアの黒色粒子表面に形成する方法としては、化学反応を利用して成膜する化学的方法と、機械的に被覆する機械的方法があるが、膜厚のコントロールを考えた場合には化学反応を利用したほうが有利である。例えば、粒子にSiO膜及びTiO膜を被覆する化学的方法としては、以下の方法がある。
(1) SiO膜の場合
KCl、HBO−NaOH系の緩衝液を所定の濃度に調整し、粒子を懸濁させ、ケイ酸ナトリウム(NaSiO)水溶液を滴下した後、希釈洗浄を行ってシリカで被覆した粒子を得る。(瀬上正晴:水溶液中に置ける微粒子表面へのSiO及びTiO製膜:平成12年度資源、素材学会春季大会講演要旨)
(2) TiO膜の場合
粒子を酢酸及び酢酸ナトリウム緩衝液中に懸濁させ、硫酸チタン(Ti(SiO))水溶液を滴下し、水酸化チタンを表面に析出させる。この粒子を洗浄乾燥後に大気中で500℃で熱処理し、TiO被覆粒子を得る。(瀬上正晴:水溶液中に置ける微粒子表面へのSiO及びTiO製膜:平成12年度資源、素材学会春季大会講演要旨)
低屈折率層としてSiO膜、高屈折率層としてTiO膜を用いた場合、上記(1)(2)の方法により、黒色粒子にTiO膜とSiO膜を交互に積層して光学多層膜を形成することができる。上記化学的方法においては、膜厚の制御は溶液のpH、温度、緩衝溶液組成等によって容易に行うことができる。なお、粒径の異なる光反射性粒子はコアの粒径を変えることにより容易に得ることができる。
また、アルコール中における金属アルコキシドの加水分解を利用した新子らの手法(新子貴史、岸本章、中塚勝人:粉末及び粉末冶金42巻p.1415(1995))によっても、微粒子表面に積層膜を形成することは可能である。
基材3は、種々の材料を用いることができる。例えば、硬質の基材としては、アクリル、ポリカーボネート、メタクリルスチレン、スチレン等の板材料が挙げられる。可とう性のある基材としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンなどのフィルムが挙げられる。
また、基材として黒色フィルムなど光吸収性を有する黒色系を用いてもよい。図2にその一例を示す。平均粒径5〜数10μmの粒径の異なる光反射性粒子1を結合剤にて分散してなる反射拡散層2が黒色基材4上に形成された構成となっている。
反射拡散層2は、光反射性粒子1を均一に分散した塗料を基材3に塗布することにより形成される。塗料は、光反射性粒子1を結合剤となるポリメチルメタクリレート(PMMA)、フッ素系樹脂、スチレン系樹脂などの各種UVもしくは熱硬化性透明樹脂に添加し、通常の混合機、アジターミル、ディスパー、ホモジナイザー、サンドグラインダー、ボールミル、超音波分散機などを用いることにより調製することができる。
また、塗料の塗布方法としては、例えばバーコート、押出しコート、リバースロールコート、ディッピングコート、噴霧コート、グラビアコート、ダイコート方法などが挙げられる。
上記構成の投影用スクリーンに、フロントプロジェクターからの投影光が入射すると、プロジェクター光のR、G、B各色の波長領域光は、反射拡散層2中に均一に分散されている大小さまざまな光反射性粒子1により乱反射される。一方、三原色波長領域以外の波長領域の外光は、光反射性粒子1に吸収される。これによって、明光下においても高コントラストの画像が広視野角でスクリーンに表示される。
上記の説明からも明らかなように、本実施の形態においては、黒色粒子に光学多層膜を被覆することにより、三原色波長領域の光を反射し、それ以外の波長領域の光を吸収する光反射性粒子を得ることができ、この新規な光反射性粒子の層をスクリーン表面に設けることにより、R、G、B各色の波長領域のプロジェクター光のみスクリーン表面で反射拡散させ、それ以外の波長領域の外光は吸収させることができ、これにより、映写環境にかかわらず常に高コントラストの画像を表示することができる広視野角の投影用スクリーンが実現する。
また、三原色波長領域の光を選択的に反射する光学多層膜は光反射性粒子1の表層にあるため、図1に示すように光反射性粒子1を配置した場合には、光学多層膜は反射拡散層2の中で凹凸のある膜となっており、スクリーン表面に光学多層膜が平面的に形成される場合に比べて、反射特性の入射角依存性が少なく、スクリーンに入射するプロジェクター光の角度が垂直方向から大きくずれても反射率の低下を招くことなく高コントラストの画像を表示することができ、結果的にスクリーンの視野角を広げることができる。
次に、本発明に係る投影用スクリーンの他の実施の形態を説明する。図3は、本発明の投影用スクリーンの他の実施の形態を示すもので、投影用スクリーン20は、基材23上に光反射性粒子21が結合剤にて分散されてなる反射拡散層22、光拡散制御板24が形成され、基材23裏面に黒色系光吸収層25が形成されてなる。ここで、光反射性粒子21、反射拡散層22、基材23は、図1に示した実施の形態と同じものでよい。
光拡散制御板24は、母材中に屈折率の異なる物質を分散させることにより、その界面反射によって所望の拡散角をもたせたものでよい。例えば、熱可塑性樹脂と低分子液晶との組み合わせからなるもの、低分子液晶と光架橋性低分子液晶との組み合わせからなるもの、ポリビニールアルコールと低分子液晶との組み合わせからなるものなどがある。また、表面形状が円形、長方形、矩形による凹凸状態により所望の拡散角をもたせたものでもよい。例えば、光透過性基材シートと、該基材シート上面に塗設された結合剤ならびにビーズを含むビーズ層から構成された拡散フィルムがある。
また、光拡散制御板24は、結晶性樹脂からなる連続相と非結晶樹脂からなる細長い分散相粒子とで構成し、分散相粒子の長軸方向を光拡散制御板の一定方向に配向させ、連続相と分散相粒子との屈折率差を利用して光拡散の異方性をもたせたものであってもよい。また、押出し成形時にドローしながら成膜する方法や冷却したフィルムを一軸延伸する方法などにより、連続相を構成する樹脂中に分散相を構成する成分が分散して配向されたフィルム状のものでもよい。また、透明樹脂シート中にガラスファイバーが一定の面方向に配向され、かつ分散されてなる板状のものであってもよい。
上記いずれの光拡散制御板も所望の拡散角に調整されたもので、板状あるいはフィルム状のものを反射拡散層22の表面に貼り合わせることにより形成する。これにより反射拡散層22で反射された画像光の拡散を制御することにより、指向性を持った、すなわち視野角の制御された映像を得ることができる。
黒色系光吸収層25は、基材23裏面に黒インキ等の塗布などにより形成される層であり、光反射性粒子21に吸収されずに反射拡散層22を透過した光(残存光)を吸収するものである。
図4に示すような構成で投影用スクリーン20を適用した場合、投影用スクリーン20への入射光のうち、フロントプロジェクター30からの投影光のR、G、B各色の波長領域光は、反射拡散層22中の光反射性粒子21により反射され、さらに光拡散制御板24により拡散が制御されて指向性をもった画像光となる。また、投影用スクリーン20への入射光のうち、三原色波長領域以外の波長領域の光は光反射性粒子21に吸収され、さらに反射拡散層22を透過した光(残存光)は黒色系光吸収層25に吸収される。
以上の構成により、映写環境として周辺照明90があるような明光下においても高コントラストの画像を所定の視野角で投影用スクリーン20に表示することが可能になる。
以下、実施例について本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されない。
<実施例1>
約0.9μmの球状マグネタイトを酢酸及び酢酸ナトリウムpH3.5〜5.0の緩衝液中に懸濁させ、Ti(SO)水溶液を滴下し、水酸化チタンを表面に析出させた。この粒子を洗浄乾燥後に大気中で500℃で熱処理して、屈折率2.4、厚さ622nmのTiO膜を被覆した粒子を得た。その後、そのTiO被覆粒子を、pH8.5〜10.5に調整したKCl、HBO−NaOH系の緩衝液に分散させ、10重量%のNaSiO水溶液を滴下した。これにより屈折率1.46、厚み1020nmのSiO層を被着させた。さらに、上記TiO膜被覆の操作を繰り返し、3層成膜を行った。
<実施例2>
実施例1と同様にして、上記操作をさらに繰り返し、5層成膜を行った。
上記のようにして作製した光反射性粒子について、RGB各色波長領域の光の反射率を測定した結果、以下の通りであった。反射率の測定及び反射ピークの波長位置測定はフィルメトリクス社製の膜厚測定器F−20を用いた。
実施例1…68%(B領域)、67%(G領域)、64%(R領域)
実施例2…87%(B領域)、86%(G領域)、84%(R領域)
これより3層以上の積層数であれば、十分な反射特性が得られることが分かった。
光反射性粒子に対する結合剤との配合比率は、概ね10〜30重量%程度が望ましい。配合比率が10重量%を切ると光反射性粒子が表面から脱離しやすくなり、スクリーンとしての性能を維持できず、30重量%を超えたあたりから、粒子比率が低下するため、反射率が低下する。
<実験例1>
(塗料の調製)
実施例1と同様の製法により、マグネタイト粒子に膜厚670nmのTiO膜と膜厚1102nmのSiO膜を順次積層し、3層膜の光反射性粒子を作製した。得られた光反射性粒子10g、メチルイソブチルケトン30g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬製)1.5gをアジターミルにて2時間攪拌した。その後、開始剤としてダロキュア1173(メルク社製)を15mg添加した。
(スクリーンの作製)
厚さ188μmのPETベースフィルム(東レ製)上に、上記塗料をバーコーターにより5μmの厚さに塗布した。その後、UV硬化装置(アイグラフィックス製 ECS−401GX)を用いて、コンベアスピード5m/分、2kWで硬化した。その後、裏面を黒インクで塗布しスクリーンを作製した。
(スクリーンの反射特性の評価)
作製した上記スクリーンの反射スペクトルを測定し、R(640nm〜780nm)、G(490nm〜560nm)、B(450nm〜490nm)の波長領域に反射ピークが入っているか確認した。
<実験例2〜9>
光反射性粒子の高屈折率層(TiO)及び低屈折率層(SiO)の厚みを表1に示すように変えた以外は、実験例1と同様にしてスクリーンを作製し、その反射特性を評価した。
<実験例10>
(塗料の調整)
実施例1と同様の製法により、マグネタイト粒子に膜厚653nmのTiO膜と膜厚1074nmのSiO膜を順次積層し、3層膜の光反射性粒子を作製した。得られた光反射性粒子10g、メチルイソブチルケトン30g、フッ素系樹脂LC930(ダイキン工業性)1.5gをアジターミルにて2時間攪拌した。
(スクリーンの作製)
厚さ188μmのPETベースフィルム(東レ製)上に、上記塗料をバーコーターにより5μmの厚さに塗布した。その後、アニール炉で90度、30分で熱硬化処理を行った。さらに、裏面を黒インクで塗布しスクリーンを作製した。
実験例1〜10の実験結果を表1に示す。なお、表1において、光学膜厚は、各層の屈折率nと物理膜厚dとの積ndであり、λ=550nmのときのQWOTで表されている(1QWOT=λ/4)。また、反射特性の評価として、反射ピーク位置がR(640nm〜780nm)、G(490nm〜560nm)、B(450nm〜490nm)の各波長範囲に入っているものを評価○、RGBのいずれかの波長範囲から外れているものを評価×とした。
Figure 2004170959
表1から明らかように、実験例2〜実験例4、実験例7、実験例8、実験例10は、反射ピークが3つともR(640nm〜780nm)、G(490nm〜560nm)、B(450nm〜490nm)の各波長領域に入っているが、実験例1は反射ピークが2つGとBの各波長領域から長波長側に外れ、実験例5はRとBの各波長領域から短波長側に外れている。また、実験例6はGの波長領域から長波長側に、実験例9はBの波長領域から短波長側に反射ピークが外れている。このことから、光反射性粒子の高屈折率層及び低屈折率層の光学膜厚は10.4〜11.4QWOT又は8.8〜9.2QWOTの範囲であることが好ましい。
<実験例11>
実験例1で作製したスクリーンの表面に、拡散角が水平方向±10度、垂直方向±10度に制御された光拡散制御板(米国POC社製、LSD20x20)を、リンテック社製の両面粘着シートを用いて貼り合わせた。
<実験例12>
実験例11のスクリーンの裏面に黒インキを塗布して黒色光吸収層を形成した。
その後、実験例11のスクリーンとともにスクリーン輝度の角度依存性をミノルタ社製分光輝度計CS1000を用いて測定し、最大輝度が半分になる角度(半値角)を求めた。比較のために、実験例1のスクリーンについても同様の測定を行った。このスクリーンに関してもスクリーン輝度の角度依存性を測定した。
<実験例13>
厚さ188μmのPETフィルムを同じ厚さの黒色フィルム(帝人株式会社製)に変えた以外は実験例2と同様にしてスクリーンを作成した。その後、実験例11と同様にして該スクリーンの表面に光拡散制御板を貼り合わせた。
その後、実験例12と同様にしてスクリーン輝度の角度依存性を測定した。
実験例1、11、12及び実験例13の半値角度を表2に示す。角度はスクリーンに垂直な方向を0度、スクリーン面を90度として測定を行った。また、スクリーン正面を向いて右方向をプラス角、左方向をマイナス角とした。
表2に示すように、実験例1では、広い視野角を有しているため、公衆に情報を提供する場合に好適である。これに対して、実験例11,12,13では狭い視野角を有しているため、博物館展示など多数の展示品がある場合に好適であり、視野角を制限することにより効果的な画像情報を提供することができる。
Figure 2004170959
本発明の一実施の形態の投影用スクリーンを示す断面図である。 本発明において基材を黒色フィルムとした投影用スクリーンを示す断面図である。 本発明の他の実施の形態の投影用スクリーンを示す断面図である。 本発明の投影用スクリーンを用いた構成示す概略図である。 従来の投影用スクリーンの構成例を示す断面図である。
符号の説明
1,21…光反射性粒子、2,22…反射拡散層、3,23,91…基材、4…基材(黒色)、20…投影用スクリーン、24…光拡散制御板、25…黒色系光吸収層、30…フロントプロジェクター、90…周辺照明、92…光拡散層、92a…透明樹脂ビーズ、92b…パール顔料、93…光遮蔽層、

Claims (8)

  1. 基材上に、三原色波長領域の光に対して高反射特性を有し、前記三原色波長領域以外の少なくとも可視波長領域の光に対して高吸収特性を有する光反射性粒子を含有する反射拡散層が形成されてなることを特徴とする投影用スクリーン。
  2. 前記基材は、光吸収性を有する黒色系であることを特徴とする請求項1記載の投影用スクリーン。
  3. 前記光反射性粒子は、可視波長領域の光を吸収するコアと、前記三原色波長領域の光に対して高反射特性を有し、前記三原色波長領域以外の少なくとも可視波長領域の光に対して高透過特性を有する被覆層とを備えることを特徴とする請求項1記載の投影用スクリーン。
  4. 前記被覆層は、高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層した光学多層膜からなり、前記光学多層膜は、最内層と最外層が高屈折率層で構成されることを特徴とする請求項3記載の投影用スクリーン。
  5. 前記光学多層膜は、前記高屈折率層の厚さより、前記低屈折率層の厚さを大とし、各層の屈折率をn、厚みをdとしたとき、光学膜厚ndが、λ=550nmのときのQWOT値で10.4〜11.4又は8.8〜9.2の範囲にあることを特徴とする請求項4記載の投影用スクリーン。
  6. 前記反射拡散層は、前記光反射性粒子と、結合剤と、溶媒とからなる溶液を前記基材上に塗布することによって形成されていることを特徴とする請求項1記載の投影用スクリーン。
  7. 基材上に、三原色波長領域の光に対して高反射特性を有し、前記三原色波長領域以外の少なくとも可視波長領域の光に対して高吸収特性を有する光反射性粒子を含有する反射拡散層が形成されてなり、
    前記反射拡散層の表面に光拡散制御手段が設けられ、
    前記基材の背面には黒色系光吸収層が設けられていることを特徴とする投影用スクリーン。
  8. 前記光拡散制御手段は、所望の光拡散角に調整された板状及びもしくはフィルム状部材が前記反射拡散層上に形成されたものであることを特徴とする請求項7記載の投影用スクリーン。

JP2003372054A 2002-11-07 2003-10-31 投影用スクリーン Pending JP2004170959A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003372054A JP2004170959A (ja) 2002-11-07 2003-10-31 投影用スクリーン

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002323433 2002-11-07
JP2003372054A JP2004170959A (ja) 2002-11-07 2003-10-31 投影用スクリーン

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004170959A true JP2004170959A (ja) 2004-06-17

Family

ID=32716016

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003372054A Pending JP2004170959A (ja) 2002-11-07 2003-10-31 投影用スクリーン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004170959A (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006084584A (ja) * 2004-09-14 2006-03-30 Seiko Instruments Inc 液晶表示装置
JP2006209092A (ja) * 2004-12-28 2006-08-10 Toray Ind Inc スクリーン用反射体およびスクリーン
WO2006123613A1 (ja) * 2005-05-17 2006-11-23 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. レーザ画像表示装置およびレーザ画像表示スクリーン
JP2006334850A (ja) * 2005-05-31 2006-12-14 Dainippon Printing Co Ltd ホワイトボード
FR2895095A1 (fr) * 2005-12-20 2007-06-22 Thomson Licensing Sas Ecran de projection frontale et systeme de projection correspondant
US7515336B2 (en) 2001-12-21 2009-04-07 Bose Corporation Selective reflecting
US7517091B2 (en) 2005-05-12 2009-04-14 Bose Corporation Color gamut improvement in presence of ambient light
US7520624B2 (en) 2001-12-21 2009-04-21 Bose Corporation Light enhancing
US7535636B2 (en) 2001-12-21 2009-05-19 Bose Corporation Selective reflecting
US7710645B2 (en) 2007-06-29 2010-05-04 Bose Corporation Selective reflecting for laser projector
US8081368B2 (en) 2007-03-29 2011-12-20 Bose Corporation Selective absorbing
JP2018054809A (ja) * 2016-09-28 2018-04-05 クラレプラスチックス株式会社 筆記マーカーで筆記・消字が可能な映写用スクリーンフィルム

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7535636B2 (en) 2001-12-21 2009-05-19 Bose Corporation Selective reflecting
US7520624B2 (en) 2001-12-21 2009-04-21 Bose Corporation Light enhancing
US7515336B2 (en) 2001-12-21 2009-04-07 Bose Corporation Selective reflecting
JP2006084584A (ja) * 2004-09-14 2006-03-30 Seiko Instruments Inc 液晶表示装置
JP2006209092A (ja) * 2004-12-28 2006-08-10 Toray Ind Inc スクリーン用反射体およびスクリーン
US7517091B2 (en) 2005-05-12 2009-04-14 Bose Corporation Color gamut improvement in presence of ambient light
WO2006123613A1 (ja) * 2005-05-17 2006-11-23 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. レーザ画像表示装置およびレーザ画像表示スクリーン
JP5237635B2 (ja) * 2005-05-17 2013-07-17 パナソニック株式会社 レーザ画像表示装置およびレーザ画像表示スクリーン
US7796331B2 (en) 2005-05-17 2010-09-14 Panasonic Corporation Laser image display device and laser image display screen
JP2006334850A (ja) * 2005-05-31 2006-12-14 Dainippon Printing Co Ltd ホワイトボード
FR2895095A1 (fr) * 2005-12-20 2007-06-22 Thomson Licensing Sas Ecran de projection frontale et systeme de projection correspondant
WO2007071693A1 (fr) * 2005-12-20 2007-06-28 Thomson Licensing Ecran de projection frontale et systeme de projection correspondant
US8081368B2 (en) 2007-03-29 2011-12-20 Bose Corporation Selective absorbing
US7710645B2 (en) 2007-06-29 2010-05-04 Bose Corporation Selective reflecting for laser projector
JP2018054809A (ja) * 2016-09-28 2018-04-05 クラレプラスチックス株式会社 筆記マーカーで筆記・消字が可能な映写用スクリーンフィルム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4238792B2 (ja) 光拡散シート及びその製造方法、並びにスクリーン
JP4826582B2 (ja) 光拡散板とその製造方法
JP3332211B2 (ja) プロジェクタ用反射型スクリーン
US7327517B2 (en) Optical multilayer film and reflective screen
US7848008B2 (en) Structural color display
JP2004170959A (ja) 投影用スクリーン
TWI310875B (ja)
JPH0659107A (ja) 光拡散性シート
JP2006221070A (ja) 反射型スクリーン
CN100489653C (zh) 屏幕及其制备方法
TW201022828A (en) Lens unit and projection screen incorporating the lens
JP2004361923A (ja) スクリーン及びその製造方法
WO2006062123A1 (ja) 反射型スクリーン
JPH09211729A (ja) 反射型スクリーン
JP5230100B2 (ja) 反射型スクリーン
CN101770043A (zh) 透镜单元以及利用该透镜单元制成的投影幕
JP6793211B2 (ja) 光拡散粒子、光拡散透過シート、及び光拡散粒子を製造する方法
JP2005266264A (ja) スクリーン
JP5239120B2 (ja) 透過型スクリーン
JP2006337906A (ja) 光拡散フィルム及びスクリーン
JPWO2006030710A1 (ja) 反射型スクリーン
WO2017047056A1 (ja) 光拡散透過シート
JP2004325964A (ja) 液晶カラーフィルター用反射板、液晶カラーフィルター及び液晶ディスプレイ
JP2006335028A (ja) 光拡散シート複製用金型の製造方法、光拡散シート及びその製造方法、並びにスクリーン
JP2006301311A (ja) 光機能性拡散板、反射型スクリーン及びその製造方法