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JP2004170573A - カラー共焦点顕微鏡システムとその調整に使用される二次元テストパターン - Google Patents

カラー共焦点顕微鏡システムとその調整に使用される二次元テストパターン Download PDF

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JP2004170573A
JP2004170573A JP2002334641A JP2002334641A JP2004170573A JP 2004170573 A JP2004170573 A JP 2004170573A JP 2002334641 A JP2002334641 A JP 2002334641A JP 2002334641 A JP2002334641 A JP 2002334641A JP 2004170573 A JP2004170573 A JP 2004170573A
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JP2002334641A
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Satoru Matsushita
悟 松下
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Keyence Corp
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Keyence Corp
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Abstract

【課題】共焦点画像とカラー画像とのずれを自動的に修正する機能を備えたカラー共焦点顕微鏡システムとその自動調整に適した二次元テストパターンを提供する。
【解決手段】カラー共焦点顕微鏡システム1は、試料表面を光で走査し、試料表面からの光を共焦点光学系を介して受光素子で受光し、受光情報を処理して得られる超深度画像等の共焦点画像と、共焦点光学系と一部の光軸を共通にする非共焦点光学系を介して試料表面からの光をカラー撮像素子で受光して得られるカラー画像とを合成することによってカラー共焦点画像を生成する機能を備えている。また、二次元テストパターンを撮像したときに、共焦点画像の二次元パターンがカラー画像の二次元パターンに一致するように、試料表面を光で走査するためのレゾナントスキャナー14a及びガルバノスキャナー14bの自動調整を行う走査調整手段75〜79を備えている。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、共焦点光学系を介して得られた試料表面の超深度画像等の共焦点画像と、非共焦点光学系を介して得られたカラー画像とを合成することによってカラー共焦点画像を生成する機能を備えたカラー共焦点顕微鏡システムと、その調整に使用される二次元テストパターンに関する。
【0002】
【従来の技術】
共焦点顕微鏡は、試料表面を光で走査し、試料表面からの光を共焦点光学系を介して受光素子で受光し、受光情報を処理して得られる超深度画像(焦点深度が非常に深い画像)等の共焦点画像を画面に表示する。対物レンズの焦点と試料との距離を光軸方向(すなわち試料の高さ方向)に変化させると、共焦点光学系を介して受光素子に入射する光の量、すなわち受光量が変化し、試料の表面にピントが合ったときに受光量が最大となる。したがって、最大受光量が得られるときの対物レンズの焦点と試料との距離から試料表面の各点の高さ情報が求められる。
【0003】
求められた試料表面の高さ分布情報は、例えば三次元表示によって表示装置の画面上に表示される。あるいは、高さ分布を輝度分布や色分布に置き換えて画面上に表示することができる。表示装置としてCRT(陰極線管)やLCD(液晶表示装置)が使用され、共焦点顕微鏡に制御用のコントローラ、表示装置、コンソール等が接続されて共焦点顕微鏡システムが構成される。
【0004】
また、対物レンズの焦点と試料との距離を光軸方向に所定ピッチで変化させながら試料表面の各点の最大受光量(ピントが合ったときの受光量)を取得し、各点の最大受光量をつなぎ合わせることにより、焦点深度の非常に深い試料表面の白黒画像を得ることができる。この画像が超深度画像である。
【0005】
また、任意の注目画素で最大受光量が得られるように対物レンズの焦点と試料との距離を固定した場合は、注目画素の部分と高低差が大きい部分の画素の受光量は著しく小さくなり、注目画素と同じ高さの部分のみが明るい白黒画像が得られる。この画像をスライス画像ということにする。また、超深度画像及びスライス画像を総称して共焦点画像ということにする。
【0006】
更に、共焦点光学系と一部の光軸を共通にする非共焦点光学系を備えた共焦点顕微鏡がある。白色光で照射された試料からの光を非共焦点光学系を介してカラー撮像素子で受光することにより、超深度画像と同じ範囲の試料表面のカラー画像を得ることができる。このカラー画像は超深度画像と異なり焦点深度の浅いものであるが、試料表面概略を観察する際に、あるいは目的の部分の共焦点画像を得るために試料の位置決めを行う際に役立つ。
【0007】
各画素単位において、共焦点系にて最も焦点の合った高さ、つまり各画素における高さ方向で最大光量を有する高さ情報を基に、その高さに対応する位置のカラー画像を取り出すことを全ての画素に対して行い焦点の合った画像を得る。この画像をカラーピーク画像と称する。
【0008】
また、カラーピーク画像の輝度信号を超深度画像の輝度信号で置き換えるような合成処理を行うことにより、焦点深度の深いカラー画像(これをカラー超深度画像という)を得ることができる。同様に、スライス画像とカラー画像との合成処理によってカラースライス画像を得ることができる。カラーピーク画像、カラー超深度画像及びカラースライス画像を総称してカラー共焦点画像ということにする。また、このようなカラー共焦点画像を生成する機能を備えた共焦点顕微鏡(システム)を特にカラー共焦点顕微鏡(システム)という。
【0009】
上記のようなカラー共焦点顕微鏡を用いてきれいなカラー共焦点画像(特にカラー超深度画像)を生成するための重要な条件の一つとして、共焦点光学系から得られた共焦点画像と非共焦点光学系から得られたカラー画像とが一致する(二次元平面で重なる)ことが必要である。もし、共焦点画像とカラー画像とにずれがあれば、それらの画像を合成して得られるカラー共焦点画像は不鮮明なものになってしまう。
【0010】
共焦点光学系と非共焦点光学系は一部の光軸(対物レンズを通る光軸を含む)を共通にしており、試料からの光が対物レンズを通った後に受光素子に向かう共焦点光学系とカラー撮像素子に向かう非共焦点光学系とに分かれるように構成されている。非共焦点光学系の撮像範囲は光学倍率によって一意に決まるが、共焦点光学系の撮像範囲(測定範囲)は試料表面を走査する光の走査(偏向)振幅を変えることによって変化させることができる。また、そのオフセットを変えることによって測定範囲の中心をずらすことができる。
【0011】
従来のカラー共焦点顕微鏡システムでは、図11に示すような二次元テストパターンを撮像(測定)したときの共焦点画像(スライス画像)とカラー画像とを画面上に表示し、両者がぴったり重なるように光による走査の振幅やオフセットの手動調整を行っている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような手動調整は熟練を要する難易度の高い作業であり、慣れていないユーザには正しく調整することが困難である。また、走査振幅やオフセット等の調整状態は周囲温度等の環境条件によって多少変動するので、きれいなカラー共焦点画像を得るためには環境条件の変化に応じてできるだけ頻繁に調整することが望ましい。
【0013】
更に、近年のカラー共焦点顕微鏡の中には多機能化に伴って走査線の数、走査領域、往復走査の有無等の走査条件をユーザが変更設定できるようになっているものがある。この場合、走査条件を変更するたびに走査振幅やオフセット等の調整を行う必要がある。また、対物レンズ(の光学倍率)を変更するたびに、走査振幅やオフセット等の調整を行う必要がある。このような調整を頻繁に行うことは、操作に慣れているユーザにとってもわずらわしく感じられる。
【0014】
本発明は、上記のような従来の課題に鑑み、カラー共焦点画像を生成するための共焦点画像とカラー画像とのずれを自動的に修正する自動調整機能を備えたカラー共焦点顕微鏡システムとその自動調整に適した二次元テストパターンを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明によるカラー共焦点顕微鏡システムは、試料表面を光で走査し、試料表面からの光を共焦点光学系を介して受光素子で受光し、受光情報を処理して得られる超深度画像等の共焦点画像と、共焦点光学系と一部の光軸を共通にする非共焦点光学系を介して試料表面からの光をカラー撮像素子で受光して得られるカラー画像とを合成することによってカラー共焦点画像を生成する機能を備えたカラー共焦点顕微鏡システムであって、所定の二次元テストパターンを撮像したときに、共焦点画像の二次元パターンがカラー画像の二次元パターンに一致するように、試料表面を光で走査するための水平偏向装置及び垂直偏向装置の自動調整を行う走査調整手段を備えていることを特徴とする。
【0016】
このような構成によれば、自動調整によって水平偏向装置及び垂直偏向装置の調整が行われるので、共焦点画像とカラー画像とが一致し(重なり)、両画像の合成処理によってきれいなカラー共焦点画像が得られる。従来のようにユーザが手動調整を行う必要がなく、不慣れなユーザにとって使いやすくなると共に熟練ユーザも手動調整の煩わしさから開放される。
【0017】
好ましい実施形態において、水平偏向装置がレゾナント(共振型)スキャナーで構成され、垂直偏向装置がガルバノ(電磁型)スキャナーで構成され、走査調整手段はレゾナントスキャナーの位相、振幅及びオフセットと、ガルバノスキャナーの振幅及びオフセットとを自動調整する。レゾナントスキャナーは高速スキャンを実現できる点で優れており、ガルバノスキャナーは高速スキャンには適さないが印加電圧信号によって位相まで正確に制御することができ、線形動作領域を広くとれる点で優れている。これらのスキャナーを組み合わせることによってコストパフォーマンスに優れた二次元走査(偏向)が実現される。この場合に水平偏向装置であるレゾナントスキャナーについては振幅及びオフセットだけでなく位相も調整することにより、できるだけ線形動作に近い領域を使用して共焦点画像とカラー画像との一致精度を高めることができる。
【0018】
また、本発明による二次元テストパターンは、上記のカラー共焦点顕微鏡システムの自動調整に使用されるものであって、水平方向に一定ピッチで並んだ複数の垂直バーと垂直方向に一定ピッチで並んだ複数の水平バーとが組み合わされて成り、水平バー及び垂直バーのそれぞれについて、多数のバーが一定ピッチで連続的に並んだ部分と数本だけのバーが一定ピッチで並んだ部分とを備えていることを特徴とする。
【0019】
このような二次元テストパターンを用いることにより、水平方向及び垂直方向のそれぞれについて、カラー画像の複数のバーのピッチ及び位置と共焦点画像の複数のバーのピッチ及び位置との情報に基づいて、水平偏向装置及び垂直偏向装置の各調整量を決定し、自動調整を行うことができる。特に、数本(例えば3本)のバーのみが一定ピッチで並んだ部分で共焦点画像及びカラー画像のバーの位置を比較することにより、1ピッチ分ずれてしまうような誤調整を回避して確実にオフセット調整を行うことができる。
【0020】
また、本発明によるコンピュータプログラムは、上記のようなカラー共焦点顕微鏡システムに通信インターフェイスを介して接続されたコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、水平方向に一定ピッチで並んだ複数の垂直バーと垂直方向に一定ピッチで並んだ複数の水平バーとが組み合わされた二次元テストパターンの共焦点画像の画像データをカラー共焦点顕微鏡システムから受信するステップと、受信した共焦点画像に含まれる水平方向に並んだ複数の垂直バーが略等間隔になるように水平偏向装置の位相調整量を決定するステップと、共焦点画像に含まれる複数の垂直バーの間隔が二次元テストパターンのカラー画像に含まれる複数の垂直バーの間隔に等しくなるように水平偏向装置の振幅調整量を決定するステップと、共焦点画像に含まれる複数の垂直バーの位置がカラー画像に含まれる水平方向に並んだ複数の垂直バーの位置に等しくなるように水平偏向装置のオフセット調整量を決定するステップと、共焦点画像に含まれる垂直方向に並んだ複数の水平バーの間隔がカラー画像に含まれる複数の水平バーの間隔に等しくなるように垂直偏向装置の振幅調整量を決定するステップと、共焦点画像に含まれる垂直方向に並んだ複数の水平バーの位置がカラー画像に含まれる複数の水平バーの位置に等しくなるように垂直偏向装置のオフセット調整量を決定するステップと、決定された各調整量をカラー共焦点顕微鏡システムに送信し、再びカラー共焦点顕微鏡システムから送信される調整後の共焦点画像のデータを待つステップとを共焦点画像の二次元パターンとカラー画像の二次元パターンとが略一致するまで繰り返す処理をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0021】
このようなコンピュータプログラムを用いることにより、ユーザがコンピュータの画面上で必要に応じて自動調整の実行を指令するだけで、共焦点画像とカラー画像とが一致する(重なる)ように共焦点顕微鏡システムの水平偏向装置及び垂直偏向装置の自動調整が実行される。
【0022】
なお、二次元テストパターンのカラー画像は自動調整中に変化しないので、一度カラー共焦点顕微鏡システムから受信したカラー画像のデータを記憶しておけば、繰り返し読み出して共焦点画像との比較に使用することができる。もちろん、カラー画像のデータを共焦点画像のデータと共に毎回カラー共焦点顕微鏡システムから受信するようにしてもよい。
【0023】
このようなコンピュータプログラムは、例えばCD−ROMのようなコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で供給され、記憶媒体からコンピュータにインストールされて実行される。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
図1は、本発明の実施形態に係るカラー共焦点顕微鏡システムの概略構成を示している。カラー共焦点顕微鏡システム(以下、単に共焦点顕微鏡システムという)1は、共焦点光学系2及び非共焦点光学系3を有する共焦点顕微鏡と、共焦点顕微鏡のレーザ駆動回路44、第1AD変換器41、CCD駆動回路43、第2AD変換器42、対物レンズ移動機構40、マイクロコンピュータを用いた制御部46等を含むコントローラと、コントローラに接続された表示装置47及び入力装置(コンソール)48とを備えている。
【0026】
まず、共焦点顕微鏡の共焦点光学系2とその信号処理について説明する。共焦点光学系2は、試料wkに単色光(例えばレーザ光)を照射するための光源10、第1コリメートレンズ11、偏光ビームスプリッタ12、1/4波長板13、水平偏向装置14a、垂直偏向装置14b、第1リレーレンズ15、第2リレーレンズ16、対物レンズ17、結像レンズ18、ピンホール板9、受光素子19等を含んでいる。
【0027】
光源10には、例えば赤色レーザ光を発する半導体レーザが用いられる。レーザ駆動回路44によって駆動される光源10から出たレーザ光は、第1コリメートレンズ11を通り、偏光ビームスプリッタ12で光路を曲げられ、1/4波長板13を通過する。この後、水平偏向装置14a及び垂直偏向装置14bによって水平(横)方向及び垂直(縦)方向に偏向された後、第1リレーレンズ15及び第2リレーレンズ16を通過し、対物レンズ17によって試料ステージ30上に置かれた試料wkの表面に集光される。
【0028】
水平偏向装置14aはレゾナント(共振型)スキャナーで構成され、垂直偏向装置14bはガルバノ(電磁型)スキャナーで構成されている。両者でレーザ光を水平及び垂直方向に偏向させることにより、試料wkの表面をレーザ光で走査する。説明の便宜上、水平方向をX方向、垂直方向をY方向ということにする。対物レンズ17は、対物レンズ移動機構40によりZ方向(光軸方向)に駆動される。これにより、対物レンズ17の焦点と試料wkとの光軸方向(すなわち試料wkの高さ方向)での距離を変化させることができる。
【0029】
ただし、対物レンズ17の焦点と試料wkとの光軸方向での距離は、他の方法で変化させることもできる。例えば、対物レンズ17をZ方向に駆動する代わりに試料ステージ30をZ方向に駆動してもよい。あるいは、対物レンズ17と試料wkとの間に屈折率が変化するレンズを挿入することにより、対物レンズ17の焦点をZ方向に移動させる構成も可能である。
【0030】
本実施形態の共焦点顕微鏡では、制御部46からの制御信号によって対物レンズ移動機構40を介して対物レンズ17がZ軸方向に電動で移動可能であると共に、試料ステージ30は、ステージ手動操作機構31を介して手動操作によってX方向、Y方向及びZ方向に変位可能である。また、入力装置48のキー操作(例えばアップ/ダウンキーの操作)によって制御部46及び対物レンズ移動機構40を介して対物レンズ17を上下動することも可能である。
【0031】
試料wkで反射されたレーザ光は、上記の光路を逆に辿る。すなわち、対物レンズ17、第2リレーレンズ16及び第1リレーレンズ15を通り、水平偏向装置14a及び垂直偏向装置14bを介して1/4波長板13を再び通る。この結果、レーザ光は偏光ビームスプリッタ12を透過し、結像レンズ18によって集光される。集光されたレーザ光は、結像レンズ18の焦点位置に配置されたピンホール板9のピンホールを通過して受光素子19に入射する。受光素子19は、例えばフォトマルチプライヤチューブ(光電子増倍管)やフォトダイオードで構成され、受光量を電気信号に変換する。受光量に相当する電気信号は、出力アンプ及びゲイン制御回路(図示せず)を介して第1AD変換器41に与えられ、ディジタル値に変換される。
【0032】
上記のような構成の共焦点光学系2により、試料wkの高さ(深さ)情報を取得することができる。以下に、その原理を簡単に説明する。
【0033】
上述のように、対物レンズ17が対物レンズ移動機構40によってZ方向(光軸方向)に駆動されると、対物レンズ17の焦点と試料wkとの光軸方向での相対距離が変化する。そして、対物レンズ17の焦点が試料wkの表面に結ばれたときに、試料wkの表面で反射されたレーザ光は上記の光路を経て結像レンズ18で集光され、ほとんどすべてのレーザ光がピンホール板9のピンホールを通過する。したがって、このときに、受光素子19の受光量が最大になる。逆に、対物レンズ17の焦点が試料wkの表面からずれている状態では、結像レンズ18によって集光されたレーザ光はピンホール板9からずれた位置に焦点を結ぶので、一部のレーザ光しかピンホールを通過することができない。その結果、受光素子19の受光量は著しく低下する。
【0034】
したがって、試料wkの表面の任意の点について、対物レンズ17をZ方向(光軸方向)に駆動しながら受光素子19の受光量を検出すれば、その受光量が最大になるときの対物レンズ17のZ方向位置(対物レンズ17の焦点と試料wkとの光軸方向での距離)を高さ情報として一義的に求めることができる。
【0035】
実際には、対物レンズ17を1ステップ(1ピッチ)移動するたびに水平偏向装置14a及び垂直偏向装置14bによって試料wkの表面を走査して受光素子19の受光量を得る。対物レンズ17をZ方向での測定範囲の下端から上端までZ方向に移動させたとき、走査範囲内の各点(画素)について、Z方向位置に応じて変化する受光量データが得られる。
【0036】
図2は、対物レンズ17のZ方向位置に応じて変化する受光量データの例を示すグラフである。このような受光量データに基づいて、最大受光量とそのときのZ方向位置が各点(画素)ごとに得られる。したがって、試料wkの表面高さのXY平面での分布が得られる。この処理は、マイクロコンピュータを用いた制御部46によって実行される。
【0037】
得られた表面高さの分布情報は、いくつかの方法で表示装置47のモニタ画面に表示することができる。例えば3次元表示によって試料の高さ分布(表面形状)を立体的に表示することができる。あるいは、高さデータを輝度データに変換することにより、明るさの二次元分布として表示できる。高さデータを色差データに変換することにより、高さの分布を色の分布として表示することもできる。
【0038】
また、XY走査範囲内の各点(画素)について得られた受光量を輝度データとする輝度信号から、試料wkの表面画像(白黒画像)が得られる。各画素における最大受光量を輝度データとして輝度信号を生成すれば、表面高さの異なる各点でピントの合った焦点深度の非常に深い超深度画像が得られる。また、任意の注目画素で最大受光量が得られた高さ(Z方向位置)に固定した場合は、注目画素の部分と高低差が大きい部分の画素の受光量は著しく小さくなり、注目画素と同じ高さの部分のみが明るい画像(すなわちスライス画像)が得られる。
【0039】
つぎに、共焦点顕微鏡に備えられた非共焦点光学系3とその信号処理について説明する。非共焦点光学系3は、試料wkに白色光(カラー画像撮影用の照明光)を照射するための白色光源20、第2コリメートレンズ21、第1ハーフミラー22、第2ハーフミラー23、カラーCCD(イメージセンサー)24等を含んでいる。また、非共焦点光学系3は共焦点光学系2の対物レンズ17を共用しており、2つの光学系1,2の光軸は部分的に一致している。
【0040】
白色光源20には例えば白色ランプが用いられるが、特に専用の光源を設けず、自然光又は室内光を利用してもよい。白色光源20から出た白色光は、第2コリメートレンズ21を通り、第1ハーフミラー22で光路を曲げられ、対物レンズ17によって試料ステージ30上に置かれた試料wkの表面に集光される。
【0041】
試料wkで反射された白色光は、対物レンズ17、第1ハーフミラー22、第2リレーレンズ16を通過し、第2ハーフミラー23で反射されてカラーCCD24に入射して結像する。カラーCCD24は、共焦点光学系2のピンホール板9のピンホールと共役又は共役に近い位置に設けられている。カラーCCD24で撮像されたカラー画像は、CCD駆動回路43によって読み出され、そのアナログ出力信号は第2AD変換器42に与えられ、ディジタル値に変換される。このようにして得られたカラー画像は、試料wkの観察用の拡大カラー画像として表示装置47のモニタ画面に表示される。
【0042】
また、共焦点光学系2で得られた超深度画像と非共焦点光学系3で得られた通常のカラー画像とを組み合わせて、すべての画素で略ピントの合った焦点深度の深いカラー超深度画像を生成し、表示することもできる。例えば、非共焦点光学系3で得られたカラー画像を構成する輝度信号を共焦点光学系2で得られた超深度画像の輝度信号で置き換える合成処理により、カラー超深度画像を生成することができる。同様に、非共焦点光学系3で得られたカラー画像を構成する輝度信号を共焦点光学系2で得られたスライス画像の輝度信号で置き換える合成処理により、カラースライス画像を生成することができる。
【0043】
上記のようなカラー画像に関する処理についても、制御部46を含むコントローラが司る。コントローラにはコンソール(操作卓)のような入力装置48やCRT(陰極線管)又はLCD(液晶表示装置)のような表示装置47が接続されている。
【0044】
ユーザは、表示装置47の画面上に表示されるガイダンスにしたがって入力装置48を用いて種々の測定用パラメータを設定することができる。例えば、対物レンズ17のZ方向移動範囲(測定範囲)や移動ピッチを設定する。あるいは、試料wkの表面の光反射率等に応じて受光素子19の受光感度(PMTゲイン)やNDフィルタによる減衰量の設定を行うことにより、画面に表示された超深度画像やスライス画像が適当な明るさ(輝度)になるように調整する。また、カラーCCD24によるカラー画像の取得のためのシャッタースピードやゲイン及びホワイトバランスの設定を行う。
【0045】
また、本実施形態の共焦点顕微鏡システム1(のコントローラ)には、パーソナルコンピュータのような外部コンピュータシステムを接続するための通信インターフェイスも備えられている。共焦点顕微鏡システム1の制御を行うための専用ソフトウェアをインストールした外部コンピュータシステムを共焦点顕微鏡システム1に接続することにより、取得された試料wkの画像情報や高さ分布情報等の加工をシームレスに行うことが可能になる。
【0046】
図3は、共焦点顕微鏡システム1のコントローラに外部コンピュータシステム50を接続したハードウェア構成例を示すブロック図である。外部コンピュータシステム50は、CRT又はLCD等の表示装置51、キーボード52、マウス(他のポインティングデバイスでもよい)53、RS232C、USB(ユニバーサルシリアルバス)、IEEE1394等の通信インターフェイス54、処理装置(CPU)55、半導体記憶媒体である主メモリ56、補助記憶装置である固定ディスク装置57及びリムーバブルディスク装置58を備えている。
【0047】
共焦点顕微鏡システム1の制御を行うための専用ソフトウェアは、CD−ROMのような記憶媒体59に記憶された状態で供給され、CD−ROMドライブ装置のようなリムーバブルディスク装置58によって記憶媒体59から読み出され、固定ディスク装置57にインストールされる。固定ディスク装置57にインストールされた専用ソフトウェアは、主メモリ56にロードされ、処理装置55によって実行される。このような専用ソフトウェアによって実行される処理には、共焦点顕微鏡システム1の測定条件の設定を行うための処理や測定の結果得られた画像の処理等が含まれている。また、後述するように、水平偏向装置14a及び垂直偏向装置14bの自動調整を行うためのプログラムが専用ソフトウェアに含まれている。
【0048】
図4は、専用ソフトウェアによる表示装置51の画面表示の例を示す図である。表示装置51に表示される画面表示60において、左側の画像表示領域61は共焦点顕微鏡システム1から得られたカラー画像、超深度画像、スライス画像、高さ分布画像等の測定結果を表示するための領域であり、その右側に測定条件の設定のための縦長の操作部領域62が表示されている。
【0049】
図5は、図4の画面表示60における操作部領域62の拡大図である。操作部領域62のプッシュボタンやスライドバーの操作及び各プルダウンメニューの選択等をマウス53を用いて行うことにより、各測定パラメータのマニュアル設定を行うことができる。例えば、ゲイン調整用スライドレバー63をマウス53のドラッグ操作によって上下移動すれば、受光素子19の受光感度(PMTゲイン)が変化し、画像の明るさ(輝度)を調整することができる。また、その隣のNDフィルタ調整用スライドレバー64を上下移動して光の減衰量を変化させることによっても画像の明るさ(輝度)を調整することができる。
【0050】
あるいは、ディスタンスの右側の三角マーク65をマウス53でクリックしたときに現れるプルダウンメニューから適切な数値を選択することにより、対物レンズ17のZ方向移動範囲(測定範囲)を設定することができる。その下のピッチについても同様に、三角マーク66をクリックしたときに現れるプルダウンメニューから適切な数値を選択することにより、適切なZ方向移動ピッチを設定することができる。
【0051】
また、測定モードの三角マーク68をマウス53でクリックしたときに現れるプルダウンメニューから超深度画像、カラー超深度画像(カラーピーク)、スライス画像、高さ分布画像等の測定モードを選択することができる。その下のスキャン設定の三角マーク69をマウス53でクリックしたときに現れるプルダウンメニューには、「ノーマル」、「パート1/2」、「パート1/3」、「スキップ」、「スキップ1/2」の5種類の走査モードが選択肢として含まれている。ユーザはマウス53を用いてこれらの選択肢の中から1つの走査モードを選択することができる。
【0052】
「ノーマル」は通常の走査モードであり、走査範囲が光学倍率によって決まるXY平面における測定範囲の全体であると共に走査線数が最大数(例えば768本)である。「パート1/2」では、垂直走査範囲が全体の中央部1/2となり、走査線数もそれに応じて1/2(例えば384本)になる。「パート1/3」では、垂直走査範囲が全体の中央部1/3となり、走査線の数もそれに応じて1/3になる。
【0053】
「スキップ」では、走査範囲は測定範囲の全体であるが、走査線数が1/2になる。つまり、隣接する走査線の間隔が2倍に広がっている。「スキップ1/2」では、隣接する走査線の間隔が2倍に広がり、かつ、垂直走査範囲が全体の中央部1/2となる。したがって、走査線数は1/4になる。なお、いずれの走査モードでも水平走査範囲は変化せず測定範囲全体の水平方向長さに等しい。また、スキップによって隣接する走査線の間隔が2倍に広がる場合は、補間処理によって走査線の間の画素データが生成される。
【0054】
図5において、「スキャン設定」と表示された箇所の下側に「ダブルスキャン」と表示され、その左側にチェックボックス70が設けられている。ユーザがマウス53を用いてこのチェックボックス70にチェックを入れると水平走査に関して往復走査が設定され、チェックを外すと通常の一方向走査が設定される。
【0055】
水平走査のための水平偏向装置14aはレゾナント(共振型)スキャナーで構成され、所定の電圧を印加すれば自励式にミラーの反射面が所定の周波数で振動する。したがって、往路と復路の所要時間が同じ(半周期)であり位相変化も同等であるので往復走査が可能である。往復走査を行う場合は一方向走査の場合に比べて、一垂直走査当たりの水平走査回数が同じであれば見かけ上2倍の走査線数が得られることになり、その分だけ測定精度が良くなる。逆に、一垂直走査当たりの水平走査回数を半分に低減しても、見かけ上の走査線数が同じであるので、測定精度の低下はほとんどないことになる。一垂直走査当たりの水平走査回数が半分に低減されれば、測定全体の所要時間が半分近くまで低減される。
【0056】
上記のように、ユーザは5通りの走査モードのうちの1つを選択し、かつ、一方向走査又は往復走査を選択することにより、計10通りの走査方法を設定することができる。測定モード、走査モード、対物レンズ17のZ方向移動範囲や移動ピッチ等の測定条件を適切に設定した後に、測定ボタン67を押下すれば自動測定が始まり、所定の測定時間経過後に超深度画像(又はカラー超深度画像)や高さ分布画像が画面表示60の画像表示領域61に現れる。測定時間は、上記の対物レンズ17のZ方向移動範囲及び移動ピッチ、走査モード、往復走査の有無等によって変化する。また、スライス画像の場合はリアルタイムで表示される。すなわち、例えば手動操作によって試料ステージ30を上下動させると、画像表示領域61に表示されているスライス画像がZ方向位置の変化に追随して変化する。
【0057】
前述のように、本実施形態の共焦点顕微鏡システム1では、共焦点光学系2で得られた超深度画像又はスライス画像と非共焦点光学系3で得られたカラー画像とを合成してカラー超深度画像又はカラースライス画像(これらを総称してカラー共焦点画像という)を生成する機能を備えている。この際、きれいな(精度の高い)カラー共焦点画像を得るには、共焦点光学系2から得られた共焦点画像(超深度画像又はスライス画像)と非共焦点光学系3から得られたカラー画像とが一致する(二次元平面でパターンが重なる)ことが必要である。共焦点画像とカラー画像とにずれがあれば、それらの画像を合成して得られるカラー共焦点画像は不鮮明なものになってしまう。そこで、本実施形態の共焦点顕微鏡システム1は、二次元テストパターンを撮像したときの共焦点画像の二次元パターンがカラー画像の二次元パターンに一致するように、水平偏向装置14a及び垂直偏向装置14bの自動調整を行う機能を備えている。ユーザは、図5の操作部領域62において、オートセットボタン71を押下することにより、上記の自動調整を実行させる。
【0058】
図6は、水平偏向装置14a及び垂直偏向装置14bの自動調整に関するシステム構成を示すブロック図である。外部コンピュータシステム(PC)50に接続された共焦点顕微鏡システム1の主としてソフトウェアで構成される自動調整に関する機能が各手段73〜83として示されている。すなわち、共焦点顕微鏡システム1(のコントローラ)には、ガルバノスキャナー(垂直偏向装置)14bを駆動するガルバノ駆動手段80、レゾナントスキャナー(水平偏向装置)14aを駆動するレゾナント駆動手段81、それぞれの駆動手段80,81のオフセットや振幅等を調整するガルバノオフセット調整手段75、ガルバノ振幅調整手段76、レゾナントオフセット調整手段77、レゾナント振幅調整手段78、レゾナント位相調整手段79が備えられている。また、通信制御手段73、測定モード制御手段74、調整量記憶手段82及び補間手段83が備えられている。
【0059】
自動調整の実行が開始されると、外部コンピュータシステム50から通信制御手段73を介して各調整手段75〜79に調整量が送信され、各調整手段75〜79の制御にしたがって各駆動手段80,81がガルバノスキャナー14b又はレゾナントスキャナー14aを駆動する。その後、後述する調整結果が通信制御手段73を介して外部コンピュータシステム50に送信される。調整結果が所定の精度を満たすまで、外部コンピュータシステム50から各調整手段75〜79への調整量の送信と調整結果の外部コンピュータシステム50へのフィードバックが繰り返される。調整結果が所定の精度を満たして調整が終了すると、そのときの測定モードの情報と共に調整量が調整量記憶手段82に記憶される。
【0060】
測定モードごとに自動調整が実行され各測定モードの調整量が調整量記憶手段82に記憶されている状態で、ユーザが測定モードを変更すると、測定モード制御手段74が調整量記憶手段82からその測定モードに対応する調整量を読み出し、ガルバノ駆動手段80及びレゾナント駆動手段81に調整量を設定する。
【0061】
また、調整量は段階的(離散的)であり、その間の調整量が適切な場合は、補間手段83が補間処理によって求めた調整量がガルバノ駆動手段80及びレゾナント駆動手段81に設定される。例えば、光学倍率を変更するたびに自動調整を行う場合に、すべての光学倍率について自動調整を行って調整量を記憶するのではなく、実用的な間隔で自動調整及び調整量の記憶を行い、その間の調整量を補間処理によって求める。こうすることにより、自動調整の実行回数と調整量の記憶データ量を低減することができる。
【0062】
図7は、水平偏向装置14a及び垂直偏向装置14bの自動調整に関する外部コンピュータシステム50の処理例を示すフローチャートである。また、図8は、水平偏向装置14a及び垂直偏向装置14bの自動調整に使用される二次元テストパターンの例を示す図である。
【0063】
図8において、(a)は例えばガラスプレートにフォトリソグラフィーの方法を用いて精密に印刷された繰り返しパターンである二次元テストパターン85を示している。また、その一部分85aを拡大したものが(b)に示されている。この二次元テストパターン85は、光学ズームやレンズの倍率に対応するため、同形状で且つ大きさが異なる複数のパターンが用意されている。
【0064】
この二次元テストパターン85は、水平方向に一定ピッチで並んだ複数の垂直バーと垂直方向に一定ピッチで並んだ複数の水平バーとが組み合わされて成り、水平バー及び垂直バーのそれぞれについて、多数のバーが一定ピッチで連続的に並んだ部分と数本だけのバーが一定ピッチで並んだ部分とを備えている。すなわち、図8(b)において、水平方向に延びる部分86は多数の垂直バーが水平方向に一定ピッチで並んだ部分であると同時に、数本(図では3本)だけの水平バーが垂直方向に一定ピッチで並んだ部分である。同様に、垂直方向に延びる部分87は、多数の水平バーが垂直方向に一定ピッチで並んだ部分であると同時に、数本(3本)だけの垂直バーが水平方向に一定ピッチで並んだ部分である。
【0065】
図7のフローチャートにおいて、ステップ#101で外部コンピュータシステム(以下、PCと略記する)50は、二次元テストパターンのカラーCCD24によるカラー画像のデータを共焦点顕微鏡システム1から受信する。受信したカラー画像は次のステップ#102でメモリ(主メモリ56又は固定ディスク装置57)に記憶される。
【0066】
次のステップ#103において、PC50は同じく二次元テストパターンの共焦点画像(超深度画像又はスライス画像)のデータをカラー共焦点顕微鏡システム1から受信する。なお、前述のようにスライス画像はリアルタイムで得られるが、超深度画像は測定条件によって得られるまでの時間(測定時間)が大きく変化する。二次元テストパターンは、高さがほとんど変化しないのでスライス画像で十分にパターンを識別できる。超深度画像を用いて自動調整を行う場合は、対物レンズ17のZ方向移動範囲を狭く設定すると共に移動回数を少なく設定することにより、調整量を変更したときの超深度画像が略リアルタイムで得られるようにする必要がある。
【0067】
次のステップ#104において、PC50はレゾナント位相調整量(水平偏向装置14aの位相調整量)を決定する。すなわち、共焦点画像に含まれる複数の垂直バーが略等間隔になるようにレゾナント位相調整量が決定される。水平偏向装置14aに用いられているレゾナントスキャナーは、所定の電圧を印加すれば振動するピエゾ素子を用いてミラーの反射面を所定の周波数で振動させる。したがって、その角速度は正弦波状に変化するので、正弦波のゼロクロスを中心とする略直線状に変化する部分を用いてスキャンを行う必要がある。
【0068】
図9は、二次元テストパターンの共焦点画像において、レゾナント位相が大きくずれた状態の例を示す図である。この例では、複数の垂直バーが等間隔ではなく、右に行くほど狭くなっている(図9においてP1>P2)。このような状態は、スキャンに使用される領域(位相)が正弦波のゼロクロスを中心とする略直線状部分から山側又は谷側に大きくずれていることを意味する。PC50(の処理装置55)は、図9の画像の処理(微分処理やランレンス処理等)によって各垂直バーの間隔を求める。そして、その間隔が等しくなる(P1=P2となる)方向のレゾナント位相調整量を決定し、決定されたレゾナント位相調整量が保存される。
【0069】
次のステップ#105において、PC50は、上記のようにして決定されたレゾナント調整量を共焦点顕微鏡システム1(のコントローラ)に送信する。レゾナント調整量を受信したコントローラ(の各調整手段75〜79)は前述のようにしてレゾナント駆動手段81を介してレゾナントスキャナー14aを駆動する。
【0070】
次のステップ#106で調整が完了したか否かがチェックされ、完了していなければステップ#103に戻り、ステップ#106までの処理を繰り返す。レゾナント位相調整が完了すれば、ステップ#107以降のレゾナント振幅調整及びガルバノ振幅調整に移行する。
【0071】
PC50は、ステップ#107で二次元テストパターンの共焦点画像のデータをカラー共焦点顕微鏡システム1から再び受信し、ステップ#108でレゾナント振幅調整量(水平偏向装置14aの振幅調整量)を決定する。すなわち、共焦点画像に含まれる複数の垂直バーの間隔がメモリから読み出したカラー画像に含まれる複数の垂直バーの間隔に等しくなるようにレゾナント振幅調整量が決定される。上記と同様にカラー画像を処理して各垂直バーの間隔が求められ、共焦点画像の垂直バーの間隔がカラー画像の垂直バーの間隔に等しくなる方向のレゾナント振幅調整量が決定される。
【0072】
次のステップ#109においてPC50は、ガルバノ振幅調整量(垂直偏向装置14bの振幅調整量)を決定する。すなわち、共焦点画像に含まれる複数の水平バーの間隔(図8(b)の水平バーが連続している部分87を用いる)がカラー画像に含まれる複数の水平バーの間隔に等しくなるように垂直偏向装置14bの振幅調整量が決定される。
【0073】
次のステップ#110においてPC50は、上記のようにして決定された2つの振幅調整量を共焦点顕微鏡システム1(のコントローラ)に送信する。各調整量を受信したコントローラ(の各調整手段75〜79)は前述のようにして各駆動手段80,81を介してガルバノスキャナー14b及びレゾナントスキャナー14aを駆動する。
【0074】
次のステップ#111で2つの振幅調整が完了したか否かがチェックされ、完了していなければステップ#107に戻り、ステップ#111までの処理を繰り返す。2つの振幅調整が完了すれば、ステップ#112以降のレゾナントオフセット調整及びガルバノオフセット調整に移行する。
【0075】
PC50は、ステップ#112で二次元テストパターンの共焦点画像のデータをカラー共焦点顕微鏡システム1から再び受信し、ステップ#113でレゾナントオフセット調整量(水平偏向装置14aのオフセット調整量)を決定する。すなわち、共焦点画像に含まれる複数の垂直バーの位置がメモリから読み出したカラー画像に含まれる複数の垂直バーの位置に等しくなるようにレゾナントオフセット調整量が決定される。
この際に、垂直バーが連続している部分86(図8(b)参照)で垂直バーの位置を比較したのでは、半ピッチ分以上ずれている場合にそのずれを正しく検出することができなくなる。そこで、垂直バーが3本だけ並んでいる部分87(図8(b)参照)を用いて垂直バーの位置を比較する。そして、共焦点画像の垂直バーの位置がカラー画像の垂直バーの位置に等しくなる方向のレゾナントオフセット調整量が決定される。
【0076】
次のステップ#114においてPC50は、ガルバノオフセット調整量(垂直偏向装置14bのオフセット調整量)を決定する。すなわち、共焦点画像に含まれる複数の水平バーの位置がカラー画像に含まれる複数の水平バーの間隔に等しくなるように垂直偏向装置14bの振幅調整量が決定される。この際に、ステップ#113で説明したのと同じ理由により、図8(b)の水平バーが3本だけ並んでいる部分86が用いられる。
【0077】
次のステップ#115においてPC50は、上記のようにして決定された2つのオフセット調整量を共焦点顕微鏡システム1(のコントローラ)に送信する。各調整量を受信したコントローラ(の各調整手段75〜79)は前述のようにして各駆動手段80,81を介してガルバノスキャナー14b及びレゾナントスキャナー14aを駆動する。
【0078】
次のステップ#116で2つのオフセット調整が完了したか否かがチェックされ、完了していなければステップ#112に戻り、ステップ#116までの処理を繰り返す。
【0079】
上記のように、位相調整、振幅調整、オフセット調整の順番で各調整が実行される。垂直偏向装置14bに使用されるガルバノ(電磁型)スキャナーはレゾナントスキャナーと異なり、駆動信号(電圧)に応じて直線的にミラーの角度が変化し角速度が略一定であるので、位相調整の必要は無い。振幅及びオフセットの調整だけで共焦点画像とカラー画像とが垂直方向において一致する(重なる)ようにすることができる。また、振幅調整及びオフセット調整については、レゾナントスキャナ(水平偏向装置)14aとガルバノスキャナー(垂直偏向装置)14bを同時に調整することができる。
【0080】
なお、図7のフローチャートでは、二次元テストパターンのカラー画像については、最初に一度だけ共焦点顕微鏡システム1から受信してメモリに記憶しておき、各調整段階において共焦点画像のみを毎回受信する。そして、メモリから読み出したカラー画像と調整後の共焦点画像とを比較している。これは、自動調整中に共焦点画像は変化するがカラー画像は変化しないからである。しかし、転送速度が十分速い場合はカラー画像を共焦点画像と共に毎回共焦点顕微鏡システムから受信するようにしてもよい。
【0081】
図10は、水平偏向装置14a及び垂直偏向装置14bの自動調整中の画面表示例を示す図である。この例では、自動調整の作業状況及び調整状況を示すウィンドウ88が画像表示領域61に重ねて表示されている。調整状況として水平偏向装置(レゾナント)14a及び垂直偏向装置(ガルバノ)14bの各調整量の現在値が表示されている。
【0082】
上記で説明した水平偏向装置14a及び垂直偏向装置14bの自動調整は、測定モードごとに、あるいは対物レンズ17ごとに、ユーザが例えば画面上で自動調整開始を指示することによって実行される。変形例として、ユーザがあらかじめ指定した複数の測定モードについて、1回の実行指令によってまとめて自動調整を行い、各測定モードにおける各調整量を記憶するように構成してもよい。これにより、測定モードごとに自動調整の実行を指示する手間が省ける。また、ユーザが使用する可能性の無い測定モードについては自動調整の実行対象として指定しないことにより、無駄な自動調整時間を省くことができる。
【0083】
以上、本発明の実施形態を適宜変形例を含めながら説明したが、本発明は上記の実施形態に限らず、種々の形態で実施することが可能である。
【0084】
例えば、上記の実施形態では、外部コンピュータシステム50に共焦点顕微鏡システム1の制御を行うための専用ソフトウェアをインストールし、外部コンピュータシステム50と共焦点顕微鏡システム1のコントローラ(制御部46)との協働によって水平偏向装置及び垂直偏向装置の自動調整を実現するが、本発明はそのような実施形態に限られるわけではない。共焦点顕微鏡システム1に標準装備の表示装置47及び入力装置48を用い、コントローラ(制御部46)の処理のみによって水平偏向装置及び垂直偏向装置の自動調整を実現することも可能である。
また、上記の実施形態の共焦点顕微鏡は反射型の顕微鏡であるが、透過型の共焦点顕微鏡にも本発明を適用することができる。透過型の顕微鏡の場合は、試料の裏面から共焦点光学系のレーザ光及び非共焦点光学系の白色光が照射される。共焦点光学系の光源はレーザ光源を含む単色光源はもちろんのこと、複数波長を含むものであってもよい。非共焦点光学系の光源は自然光又は室内光で代用することもできる。
【0085】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明のカラー共焦点顕微鏡システムと二次元テストパターンによれば、自動調整によって水平偏向装置及び垂直偏向装置の調整が行われるので、共焦点画像とカラー画像とが一致し、両画像の合成処理によってきれいなカラー共焦点画像が得られる。従来のようにユーザが手動調整を行う必要がなく、不慣れなユーザにとって使いやすくなると共に熟練ユーザも手動調整の煩わしさから開放される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るカラー共焦点顕微鏡システムの概略構成を示す図である。
【図2】対物レンズのZ方向位置に応じて変化する受光量データの例を示すグラフである。
【図3】共焦点顕微鏡システムのコントローラに外部コンピュータシステムを接続したハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図4】専用ソフトウェアによる表示装置の画面表示の例を示す図である。
【図5】図4の画面表示における操作部領域の拡大図である。
【図6】水平偏向装置及び垂直偏向装置の自動調整に関するシステム構成を示すブロック図である。
【図7】水平偏向装置及び垂直偏向装置の自動調整に関する外部コンピュータシステムの処理例を示すフローチャートである。
【図8】水平偏向装置及び垂直偏向装置の自動調整に使用される二次元テストパターンの例を示す図である。
【図9】二次元テストパターンの共焦点画像において、レゾナント位相が大きくずれた状態の例を示す図である。
【図10】水平偏向装置及び垂直偏向装置の自動調整中の画面表示例を示す図である。
【図11】従来の二次元テストパターンの例を示す図である。
【符号の説明】
1 共焦点顕微鏡システム
2 共焦点光学系
3 非共焦点光学系
14a 水平偏向装置(レゾナントスキャナー)
14b 垂直偏向装置(ガルバノスキャナー)
19 受光素子
47,51 表示装置
59 記憶媒体
60 画面表示
61 画像表示領域
62 操作部領域
75〜79 走査調整手段
85 二次元テストパターン
86 垂直バーが連続的に並んだ部分(3本だけの水平バーが並んだ部分)
87 水平バーが連続的に並んだ部分(3本だけの垂直バーが並んだ部分)
wk 試料

Claims (5)

  1. 試料表面を光で走査し、試料表面からの光を共焦点光学系を介して受光素子で受光し、受光情報を処理して得られる超深度画像等の共焦点画像と、前記共焦点光学系と一部の光軸を共通にする非共焦点光学系を介して前記試料表面からの光をカラー撮像素子で受光して得られるカラー画像とを合成することによってカラー共焦点画像を生成する機能を備えたカラー共焦点顕微鏡システムであって、
    所定の二次元テストパターンを撮像したときに、前記共焦点画像の二次元パターンが前記カラー画像の二次元パターンに一致するように、前記試料表面を光で走査するための水平偏向装置及び垂直偏向装置の自動調整を行う走査調整手段を備えていることを特徴とするカラー共焦点顕微鏡システム。
  2. 前記水平偏向装置がレゾナントスキャナーで構成され、前記垂直偏向装置がガルバノスキャナーで構成され、前記走査調整手段は前記レゾナントスキャナーの位相、振幅及びオフセットと、前記ガルバノスキャナーの振幅及びオフセットとを自動調整することを特徴とする
    請求項1記載のカラー共焦点顕微鏡システム。
  3. 請求項1又は2記載のカラー共焦点顕微鏡システムの自動調整に使用される二次元テストパターンであって、
    水平方向に一定ピッチで並んだ複数の垂直バーと垂直方向に一定ピッチで並んだ複数の水平バーとが組み合わされて成り、水平バー及び垂直バーのそれぞれについて、多数のバーが一定ピッチで連続的に並んだ部分と数本だけのバーが一定ピッチで並んだ部分とを備えていることを特徴とする二次元テストパターン。
  4. 請求項2記載のカラー共焦点顕微鏡システムに通信インターフェイスを介して接続されたコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、
    水平方向に一定ピッチで並んだ複数の垂直バーと、垂直方向に一定ピッチで並んだ複数の水平バーとが組み合わされた二次元テストパターンの共焦点画像のデータをカラー共焦点顕微鏡システムから受信するステップと、
    前記共焦点画像に含まれる複数の垂直バーが略等間隔になるように水平偏向装置の位相調整量を決定するステップと、
    前記共焦点画像に含まれる複数の垂直バーの間隔が前記二次元テストパターンのカラー画像に含まれる複数の垂直バーの間隔に等しくなるように前記水平偏向装置の振幅調整量を決定するステップと、
    前記共焦点画像に含まれる複数の垂直バーの位置が前記カラー画像に含まれる複数の垂直バーの位置に等しくなるように前記水平偏向装置のオフセット調整量を決定するステップと、
    前記共焦点画像に含まれる複数の水平バーの間隔が前記カラー画像に含まれる複数の水平バーの間隔に等しくなるように垂直偏向装置の振幅調整量を決定するステップと、
    前記共焦点画像に含まれる複数の水平バーの位置が前記カラー画像に含まれる複数の水平バーの位置に等しくなるように前記垂直偏向装置のオフセット調整量を決定するステップと、
    決定された各調整量をカラー共焦点顕微鏡システムに送信し、再びカラー共焦点顕微鏡システムから送信される調整後の共焦点画像のデータを待つステップとを前記共焦点画像の二次元パターンと前記カラー画像の二次元パターンとが略一致するまで繰り返す処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
  5. 請求項4記載のコンピュータプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
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