JP2004169055A - 被削性に優れた時効硬化型高強度ベイナイト鋼部品およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】重量比にて,C:0.06〜0.20%,Si:0.03〜1.00%,Mn:1.00〜3.00%,P:0.030%以下,S:0.04〜0.30%,Cr:0.50〜2.00%,Mo:0.05〜1.00%,Al:0.001〜0.060%,V:0.30〜1.00%,N:0.0080〜0.0200%,Ca:0.0005〜0.0100%,Mg:0.0005〜0.0100%を含有し,残部Fe及び不純物元素からなり,面積率で30%以下(0%を含む)のフェライトパーライト,又はマルテンサイトを含む組織からなる鋼を,熱間鍛造後,550〜700℃の温度にて時効処理を施す。
【選択図】 図1
Description
【技術分野】
本発明は,自動車の足廻り部品,クランクシャフト,コネクティングロッド等への適用に適した鋼であって,通常使用されている鋼に比べ高強度を有するにもかかわらず,機械加工による最終形状への仕上加工ラインで従来鋼に比較して大きく生産性を低下させることなく加工が可能な被削性を有する時効硬化型高強度ベイナイト鋼部品及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
自動車の足廻り部品,クランクシャフト,コンロッド等には鋳物も多く使用されているが,強度を重視する場合には,炭素鋼や若干の合金元素を添加した低合金鋼を熱間鍛造することにより製造されている。鋳物は熱間鍛造品に比べ被削性に優れるという利点があるが,強度の面では劣り,ヤング率も低いという欠点があるため,鋳物により上記エンジン部品を製造しても,ユーザーからの強い軽量化要求に対応できる材料の提供は不可能である。そのため,前記した熱間鍛造品について,鋳物に比べ高強度であるという特徴を最大限活かしつつ,優れた被削性を得るための試みが盛んに行われている。
【0003】
従来,これらの熱間鍛造品に対しては,省エネと熱処理コストの削減に対する強い要求から,熱間鍛造後に焼入焼もどし(調質)を施すことなく使用可能な非調質鋼や,焼もどしのみで使用できる焼入省略鋼が使用されてきた。
【0004】
しかしながら,高強度を得るということは言い換えれば硬さが高くなるということであり,被削性の低下を意味する。従って,高強度と優れた被削性の両立は容易ではなく,現在に到るまで多くの開発者が高強度熱間鍛造用鋼の開発に取り組んできているが,試作で極めて少量しか生産しないことがわかっている場合を除き,大量生産を行う場合での機械加工に支障のない高強度鋼の開発は困難であるのが現実であった。従って,実際の生産ラインで安定して大量生産が可能な被削性を得ようとすると,切削時での鍛造品の表面硬さには限界があり,結果として鍛造品の高強度化に限界が生じていた。具体的には,ビッカース硬さで300台の前半の硬さ(引張強さで大体1000MPa程度)までが大量生産可能な硬さの限界であると考えられてきた。
【0005】
このような現状に対し,従来熱間鍛造用として多数開発され,かつ使用されてきた非調質鋼は,十分な高強度が得られず,ユーザーからの軽量化要求に十分に対応できないか,あるいは静的強度面では満足できる特性が得られる場合であっても,必要な被削性確保のために多量の被削性向上元素の添加が必要となり,それが鋼中の介在物の増加等をもたらして疲労特性が低下するという問題を生じていた。
【0006】
引張強さが1000MPaを超える高い強度と被削性の両立という問題を解決するための新しい提案は,困難な課題解決を必要とするため,まだ多くはないが,例えば特開2000−17374号に示される発明が提案されている。この発明は,Vを増量し時効処理することにより強度向上を図ることと,必要な機械加工を析出硬化による強度向上を図る前(時効処理前)に行うことによって機械加工を可能にし,高強度化と被削性確保の両立を図ろうとするものである(特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−17374号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,上記した発明には,次の問題がある。
この発明は,基本的にVの析出硬化による強度向上効果が十分に得られていない時効処理前の状態で必要な機械加工をし,その後に時効処理を行って高強度化を達成することを特徴としている。しかしながら,その硬さは時効処理後に比べ時効処理前の硬さが低いというだけで,時効処理前の段階であっても大量生産を行う生産ラインにおいて,切削加工が必ず容易であるというわけではない。本発明者等が調査した結果,時効処理前と時効処理後の硬さの間には大きな相関関係があり,時効処理後において高い強度を得ようとすると,時効処理前においても硬さがかなり高いレベルにならざるを得ないことがわかった。
【0009】
また,この発明は最終的な機械加工を行ってから時効処理することを特徴としている。しかしながら,指定されている時効処理温度は550〜700℃と変態温度にかなり近い温度であり,熱処理後の冷却時の温度分布,熱処理前の鍛造品に存在していた残留応力の影響等から,熱処理後に歪を生じる場合がある。従って,機械加工して最終製品の形状に仕上加工を行った後は,熱処理なしに使用することができる鋼を開発する必要があった。
【0010】
本発明は,上記課題を解決するために成されたものであり,その目的は最終形状に機械加工した後に熱処理しなくても高強度を確保でき,かつ大量生産ラインで大きく生産性を低下させることなく切削による仕上加工が可能な,被削性に優れた時効硬化型高強度ベイナイト鋼部品及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
以上説明した課題を解決するために,硬さがHv300台後半の硬さであっても被削性改善に効果があり,他の非調質鋼のHv300台前半の硬さの鋼と同等以上の被削性を得るための方策を詳細に検討した。その結果,Vを他の非調質鋼に比べ多量に添加し,時効処理によりベイナイト組織中にVの炭窒化物を多量に微細析出させると,微細析出したV炭窒化物が機械加工時に工具面に付着して保護し,工具摩耗の防止に効果のあること,このV多量添加+時効処理をCaとMgの複合添加鋼に対して実施すると,その複合効果により,Hv300台後半の高い硬さを有する鋼であっても他のV量が低い非調質鋼でHv300台前半の鋼とほぼ同等の被削性を示すことを見出し,課題の解決に成功したものである。
その結果,前記した先願では時効処理前に機械加工によって最終形状に加工しておき,その後時効処理することを特徴としていたが,本発明である高強度ベイナイト鋼部品では,時効処理後であっても機械加工を行うことが可能になるという大きな効果が得られる。
【0012】
以上説明した検討を進めた結果得られた本発明の時効硬化型ベイナイト鋼部品は,重量比にて,V:0.30〜1.00%,Ca:0.0005〜0.0100%,Mg:0.0005〜0.0100%を含有するベイナイト主体の組織を有する低合金鋼であって,面積率で30%以下(0%を含む)のフェライトパーライト,又はマルテンサイトを含む組織からなり,熱間鍛造後の時効処理により高強度化を図ったことを特徴とする。
【0013】
本発明において注目すべきことは,従来非調質鋼において,析出強化による強度の確保のために添加され,被削性とは無関係とされてきたVを通常より多量に添加し,時効処理により多量に微細析出させた場合には,析出したVの炭窒化物が機械加工時に工具面に付着して工具摩耗を少なく抑え,工具寿命を改善すること,この効果によって時効処理後であっても被削性が大きく低下せず,硬さが高くても機械加工が可能となったこと,以上の効果がCa,Mg,Sの複合添加鋼において,特に顕著に得られることを見出した点にある。
【0014】
前記した先願では時効処理前において機械加工することを特徴としていたが,時効処理によりV炭窒化物を多量微細析出させたことによるV炭窒化物の工具面への付着促進とCa,Mgの複合添加による被削性向上に対する相乗効果によって,Vの析出硬化による硬さの増加に伴い生じる被削性の低下分を含めても,大きく被削性が低下することがなく,時効処理後であっても機械加工を可能とすることができる。
【0015】
次に,請求項1からなる被削性に優れた時効硬化型高強度ベイナイト鋼部品の各化学成分範囲の限定理由について説明する。
【0016】
S:0.04〜0.30%,
Sは鋼中でCaS,MgS,MnS,(Ca,Mn)S,(Ca,Mg)S,(Ca,Mg,Mn)S等の硫化物系介在物を形成し,被削性向上に効果のある元素である。従って,被削性改善を目的とする本発明にとっては添加することが不可欠となる元素であり,最低でも0.04%以上の含有が必要である。しかし,Sの多量添加は被削性改善には効果的であるが,延伸したMnSが増加して異方性が生じ,圧延直角方向での強度特性低下の原因となる。また,介在物の増加により疲労特性低下の原因にもなるため,添加量の上限を規制することが必要であり,上限を0.30%とした。
【0017】
V:0.30〜1.00%,
Vは多くの熱間鍛造用非調質鋼にとって熱処理せずに必要な強度を得るために不可欠な元素であるとして使用されてきた。しかし,その添加目的は必要な強度確保であって被削性向上を目的に添加されたことはなかった。本発明においても,時効処理によって微細かつ多量に析出させたV炭窒化物が,析出硬化によって強度を高めるのは勿論の事である。しかし,本発明は,さらに前記効果に加えて多量に析出したV炭窒化物が機械加工時に工具面に付着して工具を保護し工具摩耗を防止するという優れた効果を見出した結果完成したものである。
【0018】
以上説明した効果を十分に得るためには,従来から使用されている非調質鋼の多くがそうであるような0.05〜0.20%程度の添加では不十分であり,少なくとも0.30%以上,好ましくは0.51%以上の含有が必要である。しかし,必要以上に多量に添加してもその効果が飽和し,コスト増加を招くので,上限を1.00%とした。
【0019】
Ca:0.0005〜0.0100%,Mg:0.0005〜0.0100%,
Ca,Mgは被削性を向上させるために添加する元素である。そして,Ca,Mgを前記したSと共に複合添加した場合において,時効処理後においても被削性が大きく劣化することがなく,時効処理後の機械加工を可能にするために必要不可欠な元素である。このような高硬度領域における機械加工可能な被削性を確保するためには,Sに加えてCa,Mgの複合添加が不可欠であり,2元素共に0.0005%以上の含有が必要である。しかし,その添加量には適正な範囲があり,多量に含有させても効果が飽和してコスト高となるだけであるので,上限をそれぞれ0.0100%とした。
【0020】
次に,請求項1からなる高強度ベイナイト鋼部品の化学成分以外の限定理由について説明する。
本発明の時効硬化型高強度ベイナイト鋼部品は,その組織の主体をベイナイトとすることを特徴としている。これはベイナイト組織としないと優れた強度を確保することが難しくなるからである。しかし,実際の製造を考えると,部品の寸法によっては熱間鍛造後の空冷によって組織が完全なベイナイトとなりにくい場合もあり,他の組織の存在を全く許容しない場合には,製造が難しくなる場合が生じる。従って,面積率で30%以内の範囲でフェライト・パーライト又はマルテンサイト組織の存在を許容したのである。しかしながら,フェライト・パーライト組織が増加すると時効処理による強度向上効果を十分に得ることができず,高強度を確保できなくなること,マルテンサイト組織が増加すると必要以上に硬さが高くなりすぎて被削性が低下することから,その組織の存在を30%以内に規制した。
【0021】
次に,請求項2の発明について説明する。
本発明の時効硬化型高強度ベイナイト鋼部品は,請求項2として記載したように,時効処理後の硬さをHv340以上とするのが好ましい。
これは,時効処理後の硬さをHv340以上とすることによって,従来鋼から本発明鋼に変更した場合に,大きな軽量化効果を得ることが可能となるからである。また,硬さがHv340未満となる強度レベルであれば,従来の非調質鋼でも狙いとする強度を確保可能であり,かつ機械加工による仕上げ加工が,大量生産ラインでも可能であり,本発明による効果を十分に活かすことが難しくなるためである。本発明は,Hv340以上の硬さ領域で使用すると,従来鋼では得られない大きな被削性向上効果が得られるものである。
【0022】
なお,本発明では前記したように多量のV炭窒化物の析出により機械加工時の工具面保護を促進させ,被削性向上を図っており,従来鋼と同じ硬さで比較すると著しく優れた被削性を有している。しかしながら,硬さが上昇するほど被削性が低下する傾向にある点については従来鋼と同様であるので,実際の生産性を考慮すると時効処理後の硬さをHv400以下で使用するのが好ましい。Hv400以下で使用することにより,確実に優れた被削性を確保することができる。
【0023】
次に請求項3の発明について説明する。
請求項1,2では,本発明のポイントとなる成分及び組織についてのみ限定した発明を示したが,高強度かつ優れた被削性を確保するためには,ポイントとなる成分だけでなく,他の成分も最適化した範囲内に規制することが好ましい。以下その範囲及び限定理由について説明する。
【0024】
C:0.06〜0.20%,
Cは,本発明鋼の強度を確保するために不可欠な元素である。また,時効処理による強度の向上効果と,工具面を保護し,工具摩耗を防止するために不可欠なV炭窒化物を十分な量析出させるために必要な元素であり,本発明にとって最も重要な元素である。しかし,添加しすぎると被削性が低下し,V炭窒化物の工具面保護とCa,Mgの複合添加による被削性向上効果を加味しても大量生産可能な被削性を得ることが難しくなるので,添加範囲を0.06〜0.20%とした。
【0025】
Si:0.03〜1.00%,
Siは脱酸のために製鋼時に必要となる元素であり,その量を低減すると鋼の製造が難しくなる。従って,製造上問題のないSi量を確保するために,その添加量の下限を0.03%に設定した。望ましくは,0.10%以上とするのが良い。しかし,脱酸に必要な量を確保すれば製造に支障はなく,かえって添加しすぎると介在物であるSiO2が増加して被削性が低下する原因となるので,上限を1.00%とした。
【0026】
Mn:1.00〜3.00%,
Mnは焼入性を向上させて,熱間鍛造後の組織の主体をベイナイトとするために必要不可欠な元素である。従って,そのために必要な最低限の量を添加する必要があり,下限を1.00%とした。しかし,添加しすぎると焼入性が増加しすぎてマルテンサイトが生成し,その生成量が限界を超えて増加すると,硬度が高くなりすぎて被削性が劣化するため,上限を3.00%とした。
【0027】
P:0.030%以下,
Pは製造時に少量の混入が避けられない不純物であるが,極力低減しようとすると使用するスクラップの選定や製鋼時の処理に負担がかかり,製造コストの増加につながることとなる。本発明においては,コストを重視するため,Pの含有率を特別な低減処理が必要のない範囲に設定するが,多量に含有すると熱間加工性や靭性に悪影響を及ぼすため,製造に問題の生じないレベルで規制する必要があり,上限値を0.030%とした。
【0028】
Cr:0.50〜2.00%,
Crは,Mnと同様に熱間鍛造後の組織をベイナイト化するために必要な元素であり,組織の主体をベイナイトとするためには,最低でも0.50%以上の含有が必要である。しかし,添加量を増加するとMnと同様に焼入性が向上しすぎてマルテンサイトが増加し,組織をベイナイト主体とすることが難しくなり,硬さも増加して被削性が低下するため,上限を2.00%とした。
【0029】
Mo:0.05〜1.00%,
Moも,Mn,Crと同様に焼入性を向上させて組織をベイナイト主体とするために必要な元素であるとともに,時効処理時に炭化物として析出し,時効硬化による強度向上効果を有する元素である。従って,0.05%以上の含有が必要である。しかし,Moは高価な元素であるため多量の添加はコスト高につながるとともに,必要以上に添加しても効果が飽和してコスト上昇に見合う効果が得られなくなるため,上限を1.00%とした。
【0030】
Al:0.001〜0.060%,
Alは,Siと同様に脱酸元素であり製鋼時に必要な元素であるため,下限を0.001%とした。しかし,本発明にとってAlは製鋼時の脱酸処理に必要な量が確保できていれば良く,特に他に添加する目的がなく,多量に含有するとアルミナ系介在物が増加して被削性低下の原因になるため,上限を0.060%とした。
【0031】
N:0.0080〜0.0200%,
Nは,時効処理後においてVと結合して鋼中に炭窒化物を形成し,前記した通り機械加工時に使用する工具摩耗を防止する効果を有する元素である。Nは添加しなくても大気中から混入し,不純物として存在するが,不純物として含有するN量では安定して前記効果を十分に得ることができない。本発明では,前記した効果を確実に得ることができないと,目的を達成できないため,不純物量を超えて添加する必要があり,下限を0.0080%とした。望ましくは0.0100%以上とするのが良い。しかし,多量に含有させても効果は飽和し,かつ製造も困難となるため,上限を0.0200%とした。
【0032】
次に請求項4の発明について説明する。
請求項4は,本発明の前記した特徴を最大限活かすための製造方法に関するものである。本発明は,V炭窒化物をいかに微細かつ多量に析出させるかで得られる強度,被削性の効果が変化する。請求項4は効果を大きく得るための最適な製造方法を提案するものである。
【0033】
時効処理によってV炭窒化物を十分に析出させるためには,熱間鍛造時の加熱によって,Vを鋼中に十分に固溶させる必要がある。そのために本発明では熱間鍛造時の加熱温度を1150〜1300℃とする。この温度は熱間鍛造において特殊な条件ではないが,温度を適正範囲にする必要性を認識せずに鍛造を実施した場合には,当然前記温度範囲外となって,十分な高強度が得られなくなる可能性がある。本発明者等はそのようなことがないように,適した製造条件を明確にしたものである。
【0034】
温度の下限を1150℃としたのは,これより低い温度ではVが十分に固溶しなくなり,時効処理による強度向上効果が十分に得られなくなる可能性があるからである。また,温度の上限を1300℃としたのは,1300℃以下の温度への加熱によって十分にVを固溶させることが可能であり,これより温度が高くなってもエネルギーが無駄になるだけであり,かつ結晶粒が粗大化して,得られる強度特性に悪影響を及ぼす可能性があるからである。
【0035】
次に時効処理温度を550〜700℃としたのは,工具の摩耗防止に効果が得られる程度のV炭窒化物量を析出させるために適した温度であるからである。また,V炭窒化物が析出しないと析出強化により強度の向上効果も得ることができない。
【0036】
時効処理温度が550℃未満である場合には,V炭窒化物の析出量が少なく前記した効果が十分に得られず,本発明で狙いとしている特徴が得られない。また,時効処理温度を700℃超とした場合には,過時効現象を起こし,強度向上効果が小さくなるためである。
【0037】
なお,550〜700℃の範囲で時効温度を変化させると,化学成分によっても多少の差異があるが,大体550〜600℃の間では温度が上昇するほどV炭窒化物の析出量が増加して硬さが上昇し,600〜650℃の間の温度で硬さがピークとなる温度があり,それ以上の温度にすると硬さが低下していくという傾向になる。従って,550〜700℃の範囲内で時効温度を適切に調整することにより,Hv340以上の狙いとする硬さに容易に調整することができる。
【0038】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の高強度ベイナイト鋼部品を,請求項4の方法にて製造することにより,高強度であるにもかかわらず,大量生産による機械加工が可能な時効硬化型高強度ベイナイト鋼部品を得ることができる。
【0039】
【実施例】
次に,本発明の特徴を実施例により明らかにする。表1は,実施例に用いた供試材の化学成分を示すものである。
【0040】
【表1】
【0041】
表1において,1〜5鋼は本発明の鋼部品の成分,組織の条件を満足する鋼(以下本発明鋼と記す。)であり,6〜10鋼は,一部の条件(成分,ベイナイト率)が本発明の範囲外である比較鋼であり,11〜13鋼は従来鋼であり,そのうち11鋼は,従来のベイナイト型焼入省略鋼であり,12,13鋼は,JISのSCr440,SCM440に相当する鋼である。
【0042】
供試材は,30kgVIM溶解炉で溶解した鋼塊を1250℃に加熱後,φ55(被削性評価用)又はφ30(被削性評価以外)の丸棒に鍛伸し,一度空冷した後,再度1200℃に30分加熱保持後自然空冷して準備した。再度加熱保持したのは,鍛伸中に温度がばらつく可能性があるため,再度温度が正確に保持できる炉内に装入し熱処理することによって,温度のばらつきによる影響を極力抑えるためと実際の鍛造時の加熱,空冷処理を正確にシミュレートするためである。但し,10鋼については,組織の影響を調査するため,1200℃に加熱後徐冷して,意図的にベイナイト率が低下するように調整した。その後,1〜11鋼については,後述の表2に示す各温度(温度保持時間30分)の時効処理を行い,12,13鋼については,880℃にて焼入れ後580℃にて焼もどし処理を行い,後述の試験を行った。
【0043】
試験は,高強度と被削性の両立が可能であるかを評価するために,引張試験,小野式回転曲げ疲労試験,硬さ,被削性評価試験を実施した。また,ミクロ組織と強度,被削性との関係調査のためミクロ組織観察を実施した。次に各試験の実施方法について説明する。
【0044】
引張試験は,JIS4号引張試験片を作製して,引張速度1mm/minの条件で行い,0.2%耐力と引張強さを測定した。
【0045】
小野式回転曲げ疲労試験は,平行部φ8の平滑試験片を作製し,107回転での疲労強度を求め,これと引張強さとの比率をとった耐久比を求めることにより評価した。
【0046】
硬さは,時効処理を行った供試材については時効処理後,従来鋼である12,13鋼については焼入焼もどし後のビッカース硬さ(荷重10kgf)を測定した。
【0047】
被削性の評価は,φ55の鍛伸材からφ50,長さ190mmの試験片を作製し,試験片側面を切込み深さ2mm,送り速度0.3mm/rev,円周方向の切削速度150m/分の条件でCVDコーティングされた超硬バイトでの旋削試験を実施し,バイトの横逃げ面摩耗量が0.15mmとなるまでの切削時間を測定することにより評価した。なお,後述の表2には従来の焼入省略鋼である11鋼の寿命に到るまでの切削時間を100とし,整数比で示した。
【0048】
ミクロ組織観察は,前記引張試験片の試験後のつかみ部を切断,研磨したものを試料として用い,光学顕微鏡にて倍率400倍で観察し,組織中のベイナイト組織の比率をポイントカウンテイング法により測定した。
以上説明した方法で評価した結果を表2(ベイナイト率は表1)に示す。
【0049】
【表2】
【0050】
表2に示されるように,本発明鋼である1〜5鋼は,全てベイナイト主体の組織(ベイナイト率70%以上)を有しており,かつ表2には示していないが,高倍率で走査型電子顕微鏡観察をすることにより多量の微細なV炭窒化物の析出が確認された。そして,Hv367〜Hv394という高い硬さを示し,1022MPa以上の耐力と1207MPa以上の引張強さという切削工程が必須となる部品としては,従来の常識では製造が困難なレベルの高い強度,硬さを有していた。
しかしながら,表2に示すように,従来のベイナイト型焼入省略鋼(硬さHv343=従来鋼における機械加工可能な硬さ上限レベル相当)である11鋼と比べて同等以上の,優れた被削性を示すことが確認できた。
【0051】
これに対し,比較鋼である6鋼はV含有率が低いため,時効による強度向上効果が小さくなって耐久比が劣るとともに,V炭窒化物の析出量が少ないため,工具面の保護が不十分となって被削性が劣るものであり,7,8鋼は被削性向上のために添加しているCa,Mgのいずれか一方の添加量が少ないため,強度は本発明鋼と同等であるが,被削性が劣るものであり,9鋼はMn,Cr量が少なく,10鋼は冷却速度が遅いためにベイナイト率が低く,その影響で時効処理後の強度が劣るものである。
【0052】
また,従来の焼入省略鋼である11鋼は,6鋼と同様の理由で強度が劣るとともに,本発明鋼に比べ硬さが低いにもかかわらず,被削性が劣るものであり,SCr440,SCM440である12,13鋼は,被削性を向上させる元素が全く添加されていないため被削性が大きく劣るとともに,焼入焼もどし処理を行っても強度が目標値に達しないものである。12,13鋼の場合,焼きもどし温度の調整によってさらに高強度とすることは可能であるが,その場合には表2に示す結果よりさらに被削性が劣化することになる。
【0053】
以上説明した通り,本発明鋼は,高強度で硬さが高く,従来であれば大量生産が困難な高強度を有しているにもかかわらず,優れた被削性を有している。そこで,この理由を調査するために,被削性評価テストが終了した後の超硬バイトを電子線マイクロアナライザ(EPMA)で成分の分析を実施し,工具表面に変化が生じていないかについて調査した。その結果,本発明鋼からなる供試材を切削したバイトには,図1に示す通り,工具表面にVを多く含む付着物層の存在を確認することができた(図1の左上部が被削性評価試験時の工具と供試材との接触部分)。それに対し,11鋼のようにVを0.10%程度しか含有していない従来の非調質鋼を切削したバイトには,付着物層はみられたが,その量に大きな差異がみられた。
【0054】
本発明鋼は,従来多く用いられている非調質鋼に比べVを多量に添加し,さらに時効処理によって,時効処理前に比べV炭窒化物が多量に析出した組織としている。この点と前記した図1に示される結果から判断すると,多量のV炭窒化物が切削時において工具面を保護する効果を及ぼし,その結果工具寿命が改善したものと推察される。
【0055】
次に,Vの添加量による効果を明確にするための別の実施例を示す。表1に示した供試材の1鋼に相当する鋼についてV以外の成分添加量を一定とし,Vのみ添加量を変化させた鋼を準備し,前記した実施例と時効処理温度を除き同じ方法で試験片を準備し,実験を行った。なお,本実験ではV添加量の差による被削性への影響を明確にするため,時効処理温度を変化させて時効処理後の硬さがHv360程度と一定値になるように調整し,同一硬さで被削性がどのように変化するか調査した。なお,被削性の評価方法は前記した実施例と同じである。結果を表3に示す。結果は,V量が0.10%の場合の工具寿命を100とし,整数比で示した。
【0056】
【表3】
【0057】
Vが0.10%と少ない場合には,時効処理後においても硬さがHv360に達しないため硬さがHvで約20低い状態で実験を行った。表3に示されるように,硬さが同一となるように調整してあるにもかかわらず,V添加量が多い供試材の方が,優れた被削性を示した。本実施例の場合,異なっているのはV添加量のみであり,従来から被削性を改善するとして知られている元素の添加量に差異はないこと,前記した実施例で説明した通り被削性評価試験後の工具面にVを含む付着物が確認されたこと等から,供試材中に多量に析出させたV炭窒化物が工具面を保護する役割を果たし,工具寿命が改善したものと推定される。
【0058】
次に,時効処理条件の最適範囲を把握するための別の実施例を示す。
前記した実施例では,時効処理温度については各供試材毎に一条件で実施し,多種類の供試鋼を熱処理した場合の結果について示したが,時効処理温度が変化した場合の影響を正確に把握するため,表1に示す供試鋼のうち1鋼と3鋼を選択し,それぞれについて時効処理条件を変化させて,前記した実施例と同じ評価を行った。結果を表4に示す。
【0059】
【表4】
【0060】
表4から明らかなように,550℃未満の温度での時効処理した場合,時効処理による強度向上効果が不十分となり,引張強度,耐久比共に低下することがわかる。そして,550〜700℃で時効処理した場合には,時効処理により高強度化し,高強度を容易に達成できることがわかる。
また,700℃を超える時効処理は,強度が低下しはじめるため,700℃以下の温度での時効処理が適切な条件であることがわかる。
【0061】
なお,以上説明した実施例では,全て鍛伸後の加熱温度を1200℃に固定した結果について説明している。しかしながら,本発明者等は別途加熱温度を変更して同様に実験を行っており,加熱温度が1150〜1300℃の範囲内において以上説明した結果とほぼ同じ結果が得られることが確認できた。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明の被削性に優れた時効硬化型高強度ベイナイト鋼部品は,通常のベイナイト型非調質鋼に比べ多量のVを添加し,Ca,Mgを複合添加した鋼を用い,550〜700℃で時効処理することによって,高い強度を達成すると同時に大量生産可能なレベルの被削性を確保することができる。
従って,本発明からなる高強度ベイナイト鋼部品の使用により従来に比べ高い応力での設計が可能となり,大幅な軽量化が可能となり,産業上寄与するところは極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明鋼の被削性評価テスト後の工具に付着した層のV量を示す図面代用写真。
Claims (4)
- 重量比にて,S:0.04〜0.30%,V:0.30〜1.00%,Ca:0.0005〜0.0100%,Mg:0.0005〜0.0100%を含有するベイナイト主体の組織を有する低合金鋼であって,面積率で30%以下(0%を含む)のフェライトパーライト,又はマルテンサイトを含む組織からなり,熱間鍛造後の時効処理により高強度化を図ったことを特徴とする被削性に優れた時効硬化型高強度ベイナイト鋼部品。
- 時効処理後の硬さをHv340以上としたことを特徴とする請求項1記載の被削性に優れた時効硬化型高強度ベイナイト鋼部品。
- 重量比にて,C:0.06〜0.20%,Si:0.03〜1.00%,Mn:1.00〜3.00%,P:0.030%以下,S:0.04〜0.30%,Cr:0.50〜2.00%,Mo:0.05〜1.00%,Al:0.001〜0.060%,V:0.30〜1.00%,N:0.0080〜0.0200%,Ca:0.0005〜0.0100%,Mg:0.0005〜0.0100%を含有し,残部Fe及び不純物元素からなることを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の被削性に優れた時効硬化型高強度ベイナイト鋼部品。
- 請求項1〜3のいずれか1項で規定された範囲内の成分を含有する鋼を1150〜1300℃に加熱して熱間鍛造後,550〜700℃の温度にて時効処理を施すことにより,ベイナイト組織中にV炭窒化物を多量に微細析出させることを特徴とする被削性に優れた時効硬化型高強度ベイナイト鋼部品の製造方法。
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