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JP2004166564A - モノクローナル抗体および結核症診断法 - Google Patents

モノクローナル抗体および結核症診断法 Download PDF

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JP2004166564A
JP2004166564A JP2002334886A JP2002334886A JP2004166564A JP 2004166564 A JP2004166564 A JP 2004166564A JP 2002334886 A JP2002334886 A JP 2002334886A JP 2002334886 A JP2002334886 A JP 2002334886A JP 2004166564 A JP2004166564 A JP 2004166564A
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protein
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Takashi Suzuki
隆 鈴木
Masayo Ogawa
雅代 小川
Hitoshi Nagahora
仁 長洞
Masaaki Onda
昌明 恩田
Yasuharu Nanba
靖治 難波
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BL KK
Biodynamics Laboratory Inc
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Abstract

【課題】各種ヒト型結核菌およびウシ型結核菌が分泌する各種の蛋白質MPT64および蛋白質MPB64に対して幅広く免疫反応するモノクローナル抗体を提供することにより、より精度の高い結核診断法を提供する。
【解決手段】Mycobacterium由来の特定のアミノ酸配列からなる2種類のペプチドに対するモノクローナル抗体、および、これら2種のモノクローナル抗体を併用するサンドイッチ式免疫測定法からなる結核症診断方法。これら2種のモノクローナル抗体の何れか一方を予め所定位置に固定せしめて形成された捕捉部位を備える膜担体を用意し、他方のモノクローナル抗体と所定量の被験試料とを適当な展開溶媒に混合するとともに、前記捕捉部位に向けて前記膜担体にてクロマト展開せしめ、前記被験試料中に含まれる結核菌由来の蛋白を前記捕捉部位に捕捉させることを特徴とするイムノクロマトグラフィー測定法。
【選択図】 なし

Description

【発明の属する技術分野】
【0001】
本発明は、新規なモノクローナル抗体、その用途および製造に関し、さらに詳細には、各種ヒト型結核菌およびウシ型結核菌が分泌する多型な蛋白質MPT64および蛋白質MPB64の間で保存された領域を特異的に認識するモノクローナル抗体、その結核症診断用途および製造に関する。
【0002】
【従来の技術】
結核菌群は分類学的には抗酸菌に属する菌群である。抗酸菌には、ヒト型結核菌(マイコバクテリウム ツベルクローシス Mycobacterium tuberculosis)、ウシ型結核菌(マイコバクテリウム ボビス Mycobacterium bovis)、ネズミ型結核菌(マイコバクテリウム ミクロチ Mycobacterium microti)、トリ型結核菌(マイコバクテリウム アビウム Mycobacterium avium)および冷血動物結核菌などが知られている。しかして、これらの中でヒトの結核症に関与するのは、ほとんど全てヒト型結核菌であるが、稀には、ウシ型結核菌による感染がある。また、ヒト型結核菌、ウシ型結核菌、マイコバクテリウム アフリカナム(Mycobacterium africanum)およびネズミ型結核菌以外のマイコバクテリウム属に属する微生物は、非定型抗酸菌と呼ばれている。
【0003】
ヒト型結核菌(マイコバクテリム ツベルクローシス Mycobacterium tuberclosis)は、蛋白質MPT64(本明細書においては MPT64蛋白 とも記す)を特異的に産生し、菌体外へ分泌する。一方、BCG菌株のウシ型結核菌(マイコバクテリウム ボビス BCG(Mycobacterium bovis BCG)、以下、 BCG菌 と記す)は、蛋白質MPB64(本明細書においては MPB64蛋白 とも記す)を特異的に産生し、菌体外へ分泌する。そして、MPT64蛋白はMPB64蛋白と同一の物質であることが知られている。
【0004】
M. Harboeらは、このMPB64蛋白をBCG菌から分離、精製して、その性質などについて研究して報告している(Morten Harboe et. al., Properties of Protein MPB64, MPB70, and MPB80 of Mycobacterium bovis BCG., INFECTION AND IMMUNITY, Vol.52, 293−302, 1986)。また、特開平1−247094号公報も、MPB64蛋白は、ヒトに感染して結核症と酷似した症状を呈する非定型抗酸菌によっては産生されないが、ウシ型結核菌のBCG菌によって産生され、かつMPT64蛋白と同一物質であり、BCG菌およびヒト型結核菌に特異な蛋白質であるとしている。
【0005】
従って、このことは抗MPB64蛋白抗体は抗原をMPB64蛋白とする抗体であるが、同時にMPT64蛋白の抗体でもあることを意味する。従って、病原性的には無害なBCG菌を培養し、その培養液からBCG菌によって産生されたMPB64蛋白を抽出、精製し、該MPB64蛋白を抗原として抗MPB64蛋白抗体を作成し、その抗体を用いた抗原抗体反応(免疫反応)によって被検体中の結核菌を検出することにより、ヒトの結核症を明確、かつ迅速に判別することができる結核症の簡便な診断法を確立することが可能となる。なお、MPB64蛋白をコードする遺伝子の塩基配列およびアミノ酸配列はR. Yamaguchiらによって既に報告されている(Yamaguchi,R. et al., Cloning and Characterization of the Gene for Immunogenic Protein MPB64 of Mycobacterium bovis BCG, Infection and Immunity, Vol. 57, 283−288, 1989)。
【0006】
抗MPB64蛋白抗体を使用した結核菌の検査薬および検出方法として、たとえば、特開平7−110332号公報記載の方法が知られている。この方法における免疫学的方法として、逆受身血球凝集反応(RPHA)、逆受身ラテックス凝集反応(RPLA)および固相酵素免疫測定法(ELISA)などが記載されている。前二者においては凝集時間が、たとえば、3時間程度と長く、感度が低く、かつ定量性は全くないなどの不都合な問題がある。後者においては、前二者に比較して試験操作が煩雑で、かつ通常は特殊な機械を使用する関係上、安全キャビネット中での実施が容易ではないなどの欠点がある。
【0007】
そこで、本発明者らは、特開平11−108931号公報において、MPT64蛋白が混在する被検体を呈色標識抗MPB64蛋白モノクローナル抗体と免疫反応により結合せしめ、これによって生じた抗原抗体複合体を第二抗MPB64蛋白抗体により捕捉することを特徴とするイムノクロマトグラフィー測定法などによる結核菌検出法を提案した。しかしながら、最近、前記の免疫反応において、ヒト型結核菌のうちで陰性を示す或る種の結核菌が見受けられることが明らかとなった。
【0008】
【特許文献1】特開平1−247094号公報
【特許文献2】特開平7−110332号公報
【特許文献3】特開平11−108931号公報
【非特許文献1】Morten Harboe et. al., Properties of Protein MPB64, MPB70, and MPB80 of Mycobacterium bovis BCG., INFECTION AND IMMUNITY, Vol.52, 293−302, 1986
【非特許文献2】Yamaguchi, R. et al., Cloning and Characterization of the Gene for Immunogenic Protein MPB64 of Mycobacterium bovis BCG, Infection and Immunity, Vol. 57, 283−288, 1989
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、従来の抗MPB64蛋白モノクローナル抗体が認識しないヒト型結核菌が存在することに鑑み、各種ヒト型結核菌およびウシ型結核菌が分泌する各種のMPT64蛋白およびMPB64蛋白に対して幅広く免疫反応するモノクローナル抗体を提供することにより、より精度の高い結核診断法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述の目的の下に鋭意研究した結果、結核菌の中にはMPT64蛋白をコードする遺伝子のレベルでミューテーションが起きているものがあり、遺伝子に多型が存在することを見出した一方で、そのN末端付近の配列は多型の中でも保存されていることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、従来の抗MPB64蛋白モノクローナル抗体が認識しないヒト型結核菌のうち、1つは、配列表の配列番号1で示される塩基配列において、66番目のアミノ酸のロイシン(Leu)から86番目のアミノ酸のプロリン(Pro)までの21個のアミノ酸をコードする遺伝子が欠損していることがわかった。また、他の1つは、配列表の配列番号1で示される塩基配列において、第266番目のシトシン(C)が欠損し、それ以降のコドンがフレームシフトを起こしていることがわかった。また、別の1つは、配列表の配列番号1で示される塩基配列において、512番目から687番目までの176bpの塩基が欠損していることがわかった。
【0012】
その一方で、上記何れのヒト型結核菌においても、配列表の配列番号1で示される塩基配列において、24番目のアミノ酸のアラニン(Ala)から65番目のアミノ酸のセリン(Ser)までの42個のアミノ酸配列からなるペプチド(以下MPB64Δ(24−65a.a.)ペプチド と記す)をコードする遺伝子(以下 MPB64Δ(24−65a.a.)遺伝子 と記す)が保存されていることがわかった。
【0013】
かくして、本発明者は、MPB64Δ(24−65a.a.)ペプチドに対するモノクローナル抗体を取得することに鋭意研究した結果、配列表の配列番号1の24番目のアミノ酸であるアラニン(Ala)から41番目のアミノ酸であるシステイン(Cys)までの18個のアミノ酸配列(配列番号3のアミノ酸配列)からなるペプチド(以下 MPB64ΔAペプチド と記すこともある)および42番目のアミノ酸であるグルタミン(Gln)から65番目のアミノ酸であるセリン(Ser)までの24個のアミノ酸配列(配列番号4のアミノ酸配列)からなるペプチド(以下 MPB64ΔBペプチド と記すこともある)のいずれも抗原性が強く、抗原決定基あるいはエピトープを含む領域であるとの知見が得られた。
【0014】
したがって、本発明の第1の局面によれば、配列番号3または4のアミノ酸配列からなるペプチドに対するモノクローナル抗体が提供される。かくして、MPB64ΔAペプチドとMPB64ΔBペプチドの2種類の抗原のそれぞれに対する抗体が得られたので、変異の有無に拘わらず、これを使用して結核菌を検出することが可能となる。また、これら2種のモノクローナル抗体は、MPB64Δ(24−65a.a.)ペプチドのそれぞれ異なる領域に位置するMPB64ΔAペプチドおよびMPB64ΔBペプチドを認識するので、これら2種のモノクローナル抗体を併用することで、精度の高いサンドイッチ式免疫測定法が実施できる。
【0015】
したがって、本発明の第2の局面によれば、配列番号3のアミノ酸配列からなるペプチドに対するモノクローナル抗体と、配列番号4のアミノ酸配列からなるペプチドに対するモノクローナル抗体とを併用するサンドイッチ式免疫測定法からなる結核症診断方法が提供される。ここにおいて、配列番号3のアミノ酸配列からなるペプチドに対するモノクローナル抗体及び配列番号4のアミノ酸配列からなるペプチドに対するモノクローナル抗体の何れか一方を担体に固定しておくこともでき、例えば、ELISA測定系やイムノクロマトグラフィー測定法に応用できる。
【0016】
かくして、本発明の第3の局面によれば、配列番号3のアミノ酸配列からなるペプチドに対するモノクローナル抗体及び配列番号4のアミノ酸配列からなるペプチドに対するモノクローナル抗体の何れか一方を予め所定位置に固定せしめて形成された捕捉部位を備える膜担体を用意し、他方のモノクローナル抗体と所定量の被験試料との混合液を、前記捕捉部位に向けて前記膜担体にてクロマト展開せしめ、前記被験試料中に含まれる結核菌由来の蛋白と前記他方のモノクローナル抗体との複合体を前記捕捉部位に捕捉させることを特徴とするイムノクロマトグラフィー測定法が提供される。ここにおいて、上記他方のモノクローナル抗体は適当な標識物質で標識しておくと好都合である。
【0017】
また、本発明の第4の局面によれば、配列番号3のアミノ酸配列からなるペプチドに対するモノクローナル抗体と、配列番号4のアミノ酸配列からなるペプチドに対するモノクローナル抗体と、膜担体とを少なくとも備え、前記モノクローナル抗体の何れか一方は前記膜担体の所定位置に予め固定されて捕捉部位を形成し、前記モノクローナル抗体の他方は適当な標識物質で標識され、かつ、前記捕捉部位から離隔した位置で前記膜担体にてクロマト展開可能なように配置されてなる結核症診断用イムノクロマト法テストストリップが提供される。
また、配列番号3および4のアミノ酸配列からなるペプチドがMPT64蛋白またはMPB64蛋白の免疫原性を示すことは従来知られていなかった。したがって、本発明の第5の局面によれば、以下の(a)〜(c)の何れか1つのペプチドが提供される:
(a)配列番号3のアミノ酸配列からなるペプチド、
(b)配列番号4のアミノ酸配列からなるペプチド、
(c)配列番号3または4のアミノ酸配列において1または数個のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列からなり、かつMPT64蛋白またはMPB64蛋白の免疫原性を示すペプチド。
さらに、本発明の第6の局面によれば、以下の(a)〜(c)の何れか1つのペプチドをコードする遺伝子が提供される:
(a)配列番号3のアミノ酸配列からなるペプチド、
(b)配列番号4のアミノ酸配列からなるペプチド、
(c)配列番号3または4のアミノ酸配列において1または数個のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列からなり、かつMPT64蛋白またはMPB64蛋白の免疫原性を示すペプチド。
配列番号3および4には特定の遺伝子配列が記載されているが、上記アミノ酸配列をコードする限り、コドンの縮重に基づく変更が許容され、また、MPT64蛋白またはMPB64蛋白の免疫原性を示す限り、1または数個のアミノ酸の欠失、置換または付加による変更が許容されることは言うまでもない。
また、この遺伝子は、常法により、各種の発現ベクターに組み込むことが可能であり、さらに、当該組換えベクターを適当な宿主に導入して形質転換して上記遺伝子を発現させることにより、MPT64蛋白またはMPB64蛋白の免疫原性を示す組換えタンパク質を製造することができる。宿主は、遺伝子工学で通常使用されている大腸菌などの細菌や酵母などが好適であるが、これらに限定されるものではない。
したがって、本発明のさらに他の局面によれば、上記遺伝子を含有する組換えベクター、当該組換えベクターを含む形質転換体、および、当該形質転換体によって発現された前記組換えベクター由来の、MPT64蛋白またはMPB64蛋白の免疫原性を示す組換えタンパク質が提供される。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明のモノクローナル抗体の製造および本発明のモノクローナル抗体を使用するヒト結核症の診断法における各ステップは、それぞれ、それ自体、公知の免疫学的手法に準拠して行なわれる。
【0019】
すなわち、MPB64蛋白に対する2種の特異的モノクローナル抗体は、例えば、Mycobacterium bovis 東京株のようなウシ型結核菌の培養上清から抽出精製したMPB64蛋白を抗原としてマウスのような動物を免疫したのち、この免疫された動物の脾臓細胞とミエローマ細胞とを細胞融合して得られた融合細胞をHAT含有培地でセレクトした後に増殖せしめる。
【0020】
増殖せしめた株を前記のようにして得られたMPB64蛋白を使用して、たとえば、酵素標識免疫法などにより抗MPB64蛋白抗体産生株を選別する。さらに、MPB64Δ(24−65a.a.)遺伝子、MPB64ΔAペプチドをコードする遺伝子(以下、 MPB64ΔA遺伝子 と記す)またはMPB64ΔBペプチドをコードする遺伝子(以下、 MPB64ΔB遺伝子 と記す)を組み込んだ発現プラスミドを構築し、その発現蛋白を使用して、酵素標識免疫法などにより本発明のモノクローナル抗体産生株を選別する。
【0021】
別法として、MPB64ΔA遺伝子またはMPB64ΔB遺伝子を組み込んだ発現プラスミド構築し、その発現蛋白を抗原としてマウスのような動物を免疫したのち、免疫されたマウスのような動物の脾臓細胞とミエローマ細胞とを細胞融合して得られた融合細胞使用して、上記と同様の選別を行ってもよい。
【0022】
MPB64Δ(24−65a.a.)遺伝子、MPB64ΔA遺伝子またはMPB64ΔB遺伝子は、化学合成によって得ることができ、また、MPB64Δ(24−65a.a.)遺伝子を鋳型として適当なプライマーを用いてポリメラーゼ連鎖反応によって増幅させることによって得ることもできる。これらの遺伝子は、両末端に適当な制限酵素部位を付加するなど、常法により適当な発現プラスミドに組み込むことができる。
【0023】
本発明の2種のモノクローナル抗体はそれぞれMPB64蛋白の2種の異なる抗原決定基あるいはエピトープを認識するので、両者を従来のサンドイッチ式免疫測定法に使用することで、従来よりも精度の高い結核症診断を実施できる。上記2種のモノクローナル抗体の何れか一方を固定しておくことも可能であり、これにより、例えば、イムノクロマトグラフィー測定法を容易に実施できる。
【0024】
イムノクロマトグラフィー測定法は、公知のイムノクロマト法テストストリップの構成に準拠して容易に実施できる。一般に、イムノクロマト法テストストリップは、抗原の第一の抗原決定基にて抗体抗原反応可能な第一の抗体と、前記抗原の第二の抗原決定基にて抗体抗原反応可能で且つ標識された第二の抗体と、膜担体とを少なくとも備え、前記第一の抗体は前記膜担体の所定位置に予め固定されて捕捉部位を形成し、前記第二の抗体は前記捕捉部位から離隔した位置で前記膜担体にてクロマト展開可能なように配置されて構成される。具体的には、例えば、図3に示されるイムノクロマト法テストストリップが挙げられる。本発明においては、配列番号3のアミノ酸配列からなるペプチドに対するモノクローナル抗体と、配列番号4のアミノ酸配列からなるペプチドに対するモノクローナル抗体との何れか一方を第一の抗体として使用し、他方を第二の抗体として使用できる。
【0025】
図3において、数字1は粘着シート、2は含浸部材、3は膜担体、31は捕捉部位、4は吸収用部材、5は試料添加用部材を示している。図示の例では、膜担体3は、幅5mm、長さ36mmの細長い帯状のニトロセルロース製メンブレンフィルターで作成されている。該膜担体3には、そのクロマト展開始点側の末端から7.5mmの位置に、抗原の第一の抗原決定基にて抗体抗原反応する第一の抗体が固定され、検体の捕捉部位31が形成される。図示の例では、膜担体3は、ニトロセルロース製メンブレンフィルターを用いているが、被験試料に含まれる検体をクロマト展開可能で、かつ、上記捕捉部位31を形成する抗体を固定可能なものであれば、いかなるものであってもよく、他のセルロース類膜、ナイロン膜、ガラス繊維膜なども使用できる。
【0026】
含浸部材2は、前記第一の抗原決定基と異なる部位に位置する第二の抗原決定基にて前記抗原と抗体抗原反応する第二の抗体を含浸せしめた部材からなる。当該第二の抗体は、適当な標識物質で予め標識される。図示の例では、含浸部材2として、5mm×15mmの帯状のガラス繊維不織布を用いているが、これに限定されるものではなく、例えば、セルロース類布(濾紙、ニトロセルロース膜等)、ポリエチレン、ポリプロピレン等の多孔質プラスチック布類なども使用できる。
【0027】
第二の抗体の標識物質としては、使用可能なものであればいかなる物質であってもよく、呈色標識物質、酵素標識物質、放射線標識物質などが挙げられる。このうち、捕捉部位31での色の変化を肉眼で観察することにより迅速かつ簡便にに判定できる点から、呈色標識物質を用いることが好ましい。呈色標識物質としては、金コロイド、白金コロイド等の金属コロイドの他、赤色および青色などのそれぞれの顔料で着色されたポリスチレンラテックスなどの合成ラテックスや、天然ゴムラテックスなどのラテックスが挙げられ、このうち、金コロイドなどの金属コロイドが特に好ましい。当該含浸部材2は、標識された第二の抗体の懸濁液を前記ガラス繊維不織布等の部材に含浸せしめ、これを乾燥させることなどによって作製できる。
【0028】
図3に示されるように、膜担体3を粘着シート1の中程に貼着し、該膜担体3のクロマト展開の開始点側(すなわち図3の左側、以下「上流側」と記す、また、その逆の側、すなわち図3の右側を、以下「下流側」と記す)の末端の上に、含浸部材2の下流側末端を重ね合わせて連接するとともに、この含浸部材2の上流側部分を粘着シート1に貼着して本発明のイムノクロマト法テストストリップを作成できる。さらに、必要に応じて、含浸部材2の上面に試料添加用部材5の下流側部分を載置するとともに、該試料添加用部材5の上流側部分を粘着シート1に貼着してもよく、また、膜担体3の下流側部分の上面に吸収用部材4の上流側部分を載置するとともに、該吸収用部材4の下流側部分を粘着シート1に貼着せしめることもできる。
【0029】
試料添加用部材5としては、例えば、多孔質ポリエチレンおよび多孔質ポリプロピレンなどのような多孔質合成樹脂のシートまたはフィルム、ならびに、濾紙および綿布などのようなセルロース製の紙または織布もしくは不織布を用いることができる。吸収用部材4は、液体をすみやかに吸収、保持できる材質のものであればよく、綿布、濾紙、およびポリエチレン、ポリプロピレン等からなる多孔質プラスチック不織布等を挙げることができるが、特に濾紙が最適である。
【0030】
さらに、市販品の場合、図3のイムノクロマト法テストストリップは、試料添加用部材5と捕捉部位31の上方にそれぞれ被験試料注入部と判定部が開口された適当なプラスチック製ケース内に収容されて提供される。
【0031】
かくして、適当な展開溶媒中に所定量の生体試料を混合してクロマト展開可能な混合液を被験試料として得た後、当該混合液を図3に示されるイムノクロマト法テストストリップの試料添加用部材5上に注入すると、該混合液は、該試料添加用部材5を通過して含浸部材2において、標識された第二の抗体と混合する。その際、該混合液中に検体が存在すれば、抗原抗体反応により検体と第二の抗体との複合体が形成される。この複合体は、膜担体3中をクロマト展開されて捕捉部位31に到達し、そこに固定された第一の抗体と抗原抗体反応して捕捉される。このとき、標識物質として金コロイドなどの呈色標識物質が使用されていれば、当該呈色標識物質の集積により発色するので、直ちに、検体の有無を判定することができる。
【0032】
【実施例】
次の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0033】
参考例1(MPB64蛋白の精製)
MPB64蛋白は、Mycobacterium bovis BCG TOKYO 172(ATCC 35737)の培養上清からMorten Harboeらの方法(Morten Harboe et. al., Properties of Protein MPB64, MPB70, and MPB80 of Mycobacterium bovis BCG., INFECTION AND IMMUNITY, Vol.52, 293−302, 1986)に準拠して抽出精製した。すなわち、Mycobacterium bovis BCG TOKYO 172を培養後、その培養上清を75%飽和硫安分画し、生じた沈殿物を、DEAE−Sephadex A−50カラムクロマト、次にDEAE−Sepharose CL−6Bカラムクロマト操作により分画した。ゲル電気泳動法により確認したMPB64蛋白相当画分を、限外ろ過濃縮後、さらに、DEAE−Sepharose CL−6Bカラムクロマト、限外ろ過濃縮、さらにSephacryl S−200カラムクロマトを行い、精製した。
【0034】
参考例2(MPB64蛋白によるマウス免疫とハイブリドーマの作製)
参考例1で得られたMPB64蛋白200μg(50μl)をフロインドの完全アジュバンド50μlと混合してエマルジョンを作製し、これをBalb/cメスマウス皮下に注射した。この免疫操作を3週間後に再度行い、さらに3週間後にタイター価の上昇を確認した後、50μg(50μl)の上記MPB64蛋白そのものを腹腔に注射し、3日後に脾臓を摘出し、その脾臓細胞とマウス・ミエローマ細胞(SPII細胞)とを50%ポリエチレングリコール(分子量1500)溶液を用いて細胞融合した。融合細胞は、一般的方法のHAT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)含有培養液で選別後、PRMI1640培地(日水製薬(株)製、10%牛胎児血清(FBS(Fetal Bovine Serum))含有RPMI(Roswell Park Memorial Institute)培地)で培養増殖させた。
【0035】
参考例3(MPB64蛋白特異的抗体産生ハイブリドーマの選別)
参考例1で得られたMPB64蛋白をリン酸緩衝液(PBS)で2μg/mlに希釈し、その100μlを96穴プレートの各ウェルに添加し、室温で約16時間放置して固相化した。このMPB64蛋白固相化プレートを0.2% BSA(ウシ血清アルブミン)含有PBS溶液でブロッキング処理した後、抗MPB64蛋白抗体産生株の選別に使用した。
【0036】
すなわち、参考例2で得られた種々のハイブリドーマの培養上清をそれぞれ採取し、その100μlを上記プレートの各ウェルに添加した。約1時間室温でインキュベーション後、培養上清を廃棄し、プレートを洗浄した。それに、ビオチン標識抗マウス・IgG(H+L)抗体を100μl添加し、約30分間室温でインキュベーション後に反応液を廃棄し、その後、プレートを洗浄した。
【0037】
そのプレートに、アビジンとビオチン標識ホースラディッシュ・ぺルオキシダーゼ(以下 HRP−ビオチン と記す)との複合体溶液を100μl添加し、約30分間室温でインキュベーション後、反応液を廃棄し、プレートを洗浄した。洗浄プレートにHRP基質、TMBZ(3,3’,5,5’−tetramethylbenzidine)と過酸化水素との混合溶液を100μl添加し、室温で10分間反応後、0.2Nリン酸溶液50μlを添加し反応を停止した。各ウェルの色度をマイクロプレートリーダーで測定し、その強度を指標に抗MPB64蛋白抗体産生株を選別した。
【0038】
実施例1(MPB64Δ(24−65a.a.)ペプチドの大腸菌における発現)
MPB64Δ(24−65a.a.)ペプチドを認識する抗体を取得することを目的に、MPB64Δ(24−65a.a.)遺伝子を備えた発現プラスミドを作成し,大腸菌で発現させた。
【0039】
まず、MPB64Δ(24−65a.a.)遺伝子を含む配列表の配列番号2に示されるDNAの両ストランドを化学合成した。なお、この合成遺伝子では、ベクター挿入後に正常に融合タンパクが発現されるように、MPB64Δ(24−65a.a.)遺伝子のN末端側及びC末端側にそれぞれ7塩基及び6塩基のDNA配列が付加されている。
【0040】
化学合成した互いに相補的な2本のDNAオリゴマー各38pmolを総量34μl水溶液にし、100℃で1分間加熱した後、室温まで自然に冷やし、アニールした。このDNA溶液を50mM Tris−HCl(pH8.0),10mM MgCl,5mM DTT,T4 ポリヌクレオチドキナーゼ 54単位の総量50μlの溶液にして37℃、1時間反応させた。反応後、フェノール抽出し、エーテルで洗浄後、2.5倍量のエタノールと1/10量の3M酢酸ナトリウムを加えDNAのエタノール沈澱を行った。この沈澱を減圧乾燥後、17μlの滅菌水を加え大腸菌発現ベクター導入用DNA断片とした。
【0041】
このようにして得られたDNA断片を下記に示す方法で大腸菌発現用ベクターに導入した。
大腸菌発現用ベクターpRSET A 10μgを10mM Tris−HCl(pH7.5)、7mM MgCl、60mM NaCl、7mM 2−メルカプトエタノール、PvuII 100単位の総計50μl反応溶液中で37℃、1時間反応させた。反応後、100℃、5分、熱処理をし、2.5倍量のエタノールと1/10量の3M酢酸ナトリウムを加えDNAのエタノール沈殿を行った。沈殿を減圧乾燥後、50mM Tris−HCl(pH8.0)、20単位 子牛胸腺アルカリフォスファターゼの総量50μl反応溶液を加え50℃で30分間反応させた。反応後、マイクロピュア−EZ遠心式酵素リムーバー(ミリポア)でろ過し、子牛胸腺アルカリフォスファターゼを除去した。ろ過液に2.5倍量のエタノールと1/10量の3M酢酸ナトリウムを加えDNAのエタノール沈殿を行った。この沈殿を減圧乾燥後、10μlの滅菌水を加えMPB64Δ(24−65a.a.)遺伝子DNA断片挿入用大腸菌発現ベクター断片とした。
【0042】
この大腸菌発現ベクター断片0.1μgと上記で調製した発現ベクター導入用DNA断片0.5μgを混合し、滅菌水を加えて2μlにした後、2μlのライゲーションキット(Ligation High, TOYOBO)溶液を加え、16℃で30分間反応させた。反応後、反応混合液4μlをE.Coli TOP10F’株コンピテントセル(Invitrogene)50μlに加え、0℃で30分間静置し、42℃で30秒間、次いで0℃で5分間静置した。この混合液に、トリプトン2%、イーストエクストラクト0.5%、NaCl 0.05%、KCl 0.0186%、MgCl 10mM、MgSO 10mM、グルコース20mMを含有するSOC培地500μlを加え37℃で30分間震盪した。
【0043】
次に6000rpmで1分間遠心し、上清を半量捨て、再懸濁し、アンピシリン50μg/ml、0.1mM IPTG(イソプロピル−1−チオ−D−ガラクトシド 以下同様)、0.004%X−galを含むLB寒天培地(トリプトン1%、イーストエクストラクト0.5%、NaCl 1%、アガー 1.5%)に塗布し、37℃にて一晩培養してβ−ガラクトシターゼ活性非保有株の白色クローンを得た。これらのクローン約50個のコロニーをLB培地(50μg/mlアンピシリン含有)にて一晩培養し、常法にてプラスミドDNAを抽出精製した後、PvuII サイトの外側にある制限酵素サイトEcoRI及びBamHIで消化した。この消化溶液をアガロース電気泳動に供し、9クローンに関して目的のEcoRI−BamHI切断断片フラグメントに相当する大きさの断片を確認した。
【0044】
次に、これらクローンのEcoRI−BamHI切断断片フラグメントをダイデオキシ法による塩基配列決定法(Pro.N.A.S.USA,74,5463 (1977))により配列を決定した。その結果、目的の方向に挿入されており、かつ、正しいアミノ酸配列を有するMPB64Δ(24−65a.a.)遺伝子発現プラスミド1クローンを得た。
【0045】
上記で調製したMPB64Δ(24−65a.a.)遺伝子発現プラスミドを常法に従ってE.Coli BL21 Gold(DE3)株(Stratagene)に形質転換した。形質転換した菌株をLB培地(50μg/mlアンピシリン含有)中37℃で一晩震盪培養した。この培養液2mlを新たにLB培地(50μg/mlアンピシリン含有)に加え、37℃で約4時間震盪培養し600nmの吸光度が0.5になった時点で、0.5M IPTGを最終濃度0.5mMになるように加え、さらに37℃で3時間震盪培養を行った。
【0046】
培養後、菌体を遠心分離にて集め−80℃にて保存した。集めた菌体の少量をSDS(ドデシル硫酸ナトリウム 以下同様)−ポリアクリルアミドゲル電気泳動用サンプルバッファー(60mMトリス、2%SDS、5%2−メルカプトエタノール、10%グリセロール、0.1%ブロモフェノールブルー)20μlに懸濁、100℃で2分間処理し溶解した後、ラエンムリの方法(Nature 277, 680 (1970) )に従って、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動と抗ヒスチジンタグ抗体を用いたウエスタンブロット法により解析した。その結果、4つのクローン全てにおいてMPB64Δ(24−65a.a.)遺伝子がコードするMPB64Δ(24−65a.a.)ペプチドが発現していることを確認できた。
【0047】
実施例2(MPB64Δ(24−65a.a.)ペプチドを認識する抗体を産生するハイブリドーマの選別)
実施例1で得られたMPB64Δ(24−65a.a.)ペプチドを発現する大腸菌を培養し、溶菌後、その溶解液の中から、MPB64Δ(24−65a.a.)ペプチドを含有する蛋白をニッケル結合カラムを用いて分離精製した。精製した蛋白を2μg/mlの濃度でPBSに溶解後、その100μlを96穴ELISAプレートの各ウェルに添加し、固相化した。
【0048】
その後、参考例3に記述した操作方法により、参考例3で得られたMPB64蛋白に特異的な抗体を産生するハイブリドーマの中から、MPB64Δ(24−65a.a.)ペプチドを特異的に認識する抗体産生株の選別を行った。参考例3で約300株のMPB64蛋白特異的抗体産生株が得られたが、その内、MPB64Δ(24−65a.a.)ペプチドを特異的に認識する抗体産生株はわずか6株であった。
【0049】
実施例3(MPB64ΔAペプチドまたはMPB64ΔBペプチドを持つ組み換え蛋白の作製)
実施例1で得られたMPB64Δ(24−65a.a.)遺伝子発現プラスミドを鋳型として、MPB64ΔAペプチドまたはMPB64ΔBペプチドの発現プラスミドを構築し、大腸菌内で発現させた。
【0050】
すなわち、実施例1で得られたMPB64Δ(24−65a.a.)遺伝子発現プラスミドを鋳型として、MPB64ΔA遺伝子およびMPB64ΔB遺伝子の2つの遺伝子断片を増幅した。
【0051】
増幅におけるポリメラーゼ連鎖反応は、100 ngの実施例1で得られたMPB64Δ(24−65a.a.)遺伝子発現プラスミド、およびプライマーペア(それぞれ100 pmole)、12.5 nmoleのdATP(デオキシアデノシントリフォスフェート)、dTTP(デオキシチミジントリフォスフェート)、dCTP(デオキシシチジントリフォスフェート)、dGTP(デオキシグアノシントリフォスフェート)のそれぞれ、5μmoleの塩化カリウム、5μmoleのトリス塩酸(pH8.3)、150 nmoleの塩化マグネシウム、10 mgのゼラティンを含む、100μlの水溶液を調製し、これに2ユニットのTaqポリメラーゼ2000(フナコシ株式会社から購入)を加え、94℃で1分、55℃で1分間、72℃で3分間の反応を20回繰り返して行った。
【0052】
この反応後の100μlの水溶液を、0.7%のアガロース電気泳動に供した。電気泳動は、100ボルト、約30分で、緩衝液は1×TE(40 mMトリス酢酸、1mMエチレンジアミンテトラ酢酸、pH 8.0)を使用した。
【0053】
電気泳動後、アガロースゲルを10μg/mlのエチジュウムブロマイド水溶液に2時間浸したのち、アガロースゲルをDNA用紫外線照射器上に置き、紫外線を照射し、オレンジ色に光るDNAのバンドをカミソリで切り出し、さらに細かく切り、1.5 ml 容積のチューブに入れ、これに切り出したアガロースゲルと同量(体積)のTE緩衝液(10 mMトリス塩酸、1mMエチレンジアミンテトラ酢酸、pH 8.0)で飽和したフェノールを加え、攪拌し、−80℃冷凍庫で凍らせた。
【0054】
1時間後、冷凍庫から上記チューブを出し室温に置き解かした後、15,000rpmで5分間遠心分離し、この上清を1.5 ml 容積のチューブに採取した。この上清をクロロホルムで抽出を2回行ない、遠心分離した上清を取り、これに10分の1量(体積)の3 M酢酸ナトリウム(pH 7.0)を加えた後、最終濃度70%になるようにエチルアルコールを加え、再び、−80℃冷凍庫で凍らせた。1時間後、冷凍庫から上記1.5 ml 容積のチューブを出し、15,000rpmで10分間遠心分離し、沈殿をロータリーエパポレターにて乾燥させた。
【0055】
乾燥した沈殿を5μlのTE緩衝液に溶解し、各2 mMのdATP、dTTP、dCTP、dGTPを1μl、100 mMトリス塩酸を2μl、50 mMの塩化マグネシウムを2μl、2ユニットのT4ポリメラーゼを加え、最終体積を純水で20μlとし、10分間、室温に放置し、その後、75℃で10分間処理した。この20μlの反応液に230μlのTE緩衝液を加え混ぜ、TE緩衝液で飽和したフェノールを加え、攪拌し、15,000rpmで5分間遠心分離し、この上清を1.5 ml 容積のチューブに移し、クロロホルムによる抽出を2回おこない、遠心分離した上清を取り、前記と同じ工程でエチルアルコールにより沈殿させ、乾燥させた。
【0056】
乾燥した沈殿を20μlのTE緩衝液に溶解し、このうち5μlに、100 mMトリス塩酸を2μl、50 mMの塩化マグネシウムを2μl、1μlの10 mM ATP、2ユニットのT4ポリメラーゼを加え、最終体積を純水で20μlとし、37℃で1時間保った。この20μlの反応液に230μlのTE緩衝液を加え混ぜ、前記と同じ工程で、フェノールとクロロホルムで処理し、エチルアルコールにより沈殿させ、乾燥させた。
【0057】
乾燥した沈殿を20μlのTE緩衝液に溶解し、このうち2μlを0.5 ml 容積のチューブに移し、試薬LigationHigh(東洋紡績株式会社から購入)2μlと混ぜ、16℃で15時間、反応させた。凍結XL1−Blue大腸菌(フナコシ株式会社から購入)100μlを1.5 ml 容積のチューブに用意し、これに20倍希釈した2‐メルカプトエタノールを加え、10分間、氷上で時々振り、前記の16℃で反応させたDNA溶液を2μl加え、30分間、氷上で放置後、42℃に保温した恒温漕に45秒漬け、直ぐに氷上へもどし、900μlのLB培地(1 % bacto−tryptone、 0.5 % bacto−yeast extract、1 % 塩化ナトリウム)を加え、37℃で1時間培養し、これを50 mg/mlのアンピシリンを含むLB寒天プレートに接種し、37℃で18時間、保温した。
【0058】
LB寒天プレートに生じた大腸菌コロニー(それぞれ25個)を50 mg/mlのアンピシリンを含む3mlのLB培地に接種し、37℃で18時間、培養し、この培養液を、9,000rpmで5分間遠心分離し、沈殿させ、菌体を回収した。この菌体からキアゲンプラスミドミニキット(株式会社キアゲンの商品)によりプラスミドを調製した。得られたプラスミドについて ABI PRISM Genetic Analyzer(アプライドバイオシステムジャパン株式会社)によりその塩基配列を調べた。それぞれ25個のプラスミドのうち、MPB64ΔA遺伝子またはMPB64ΔB遺伝子を含む目的の発現プラスミドが数個得られた。
【0059】
上記操作により目的の発現プラスミドが得られたことから、これらを大腸菌に導入した。すなわち、凍結BL21 Gold大腸菌(フナコシ株式会社から購入)100μlを1.5 ml 容積のチューブに入れ、これに20倍希釈した2‐メルカプトエタノールを加え、10分間、氷上で時々振り、上記目的の発現プラスミドの10 ng/μl溶液を1μl加え、30分間、氷上で放置後、42℃に保温した恒温漕に45秒漬け、直ぐに氷上へもどし、900μlのLB(1 % bacto−tryptone、 0.5 % bacto−yeast extract、 1 % 塩化ナトリウム)を加え、37℃で1時間培養し、これを50μg/mlのアンピシリンを含むLB寒天プレートに接種し、37℃で18時間、保温した。
【0060】
生じた大腸菌コロニー(それぞれ4個)を3mlのLB培地に接種し、37℃で18時間培養した。この培養液を100mlのLB培地(50μg/mlのアンピシリンを含む)に入れ、37℃で培養し、OD600が0.6になったときに、100mM IPTGを1ml加え、さらに3時間培養した後、5,000rpmで20分間遠心分離し、沈殿させ、菌体を回収した。1.5 ml 容積のチューブにて、1ml培地あたりの菌体を200μlの10mMリン酸緩衝液に懸濁した後、200μlの2×SDSPAGE サンプリング液(50 mM トリス、1%ラウリル硫酸ナトリウム、5%2‐メルカプトエタノール)を加え、混合し、95℃で5分間、熱処理をし、このうち10μlをSDSポリアクリルアミド電気泳動およびウェスターン・イムノブロッティングに供与したところ、図1および図2のようにそれぞれのペプチドが発現していることが示された。なお、図1は、ゲルコードブルー((株)フナコシから購入)により蛋白質染色した結果であり、図2は、抗ヒスチジンタグ抗体(マウスIgG)にビオチン化抗マウスIgG抗体を反応させ、VECTASTAIN ABC Standard Kit((株)フナコシから購入)により呈色反応させた結果である。
【0061】
図1および図2のそれぞれにおいて、−および+は、それぞれ、IPTG誘導前およびIPTG誘導後を示す。また、Lane 1はM (分子量マーカー)を、Lane 2 および 3 はMPB64ΔA遺伝子を持つ発現ベクター導入大腸菌から得られた蛋白可溶化画分を、Lane 4 および 5 はMPB64ΔB遺伝子を持つ発現ベクター導入大腸菌から得られた蛋白質可溶化画分をそれぞれ示している。
【0062】
実施例4(MPB64ΔAペプチドおよびMPB64ΔBペプチドを認識する抗体を産生するハイブリドーマの選別)
実施例3で得られた形質転換大腸菌を培養し、IPTGによる蛋白発現誘導を行った後、溶菌操作を行い可溶性蛋白質を回収した。その可溶化画分の中から、MPB64ΔAペプチド含有発現蛋白質およびMPB64ΔBペプチド含有発現蛋白質をニッケル結合カラムを用いて分離精製した。それら精製蛋白質を2μg/mlの濃度でPBSに溶解後、その100μlを96穴ELISAプレートの各ウェルに添加し、固相化した。その後、参考例3に記述した操作方法により、MPB64Δ(24−65a.a.)ペプチドを認識する抗体産生ハイブリドーマ(すなわち実施例2で得られた6種)の培養上清を用いて、その特異性について検討した。
【0063】
その結果、6種のハイブリドーマの内、4種のハイブリドーマがMPB64ΔAペプチドを認識する抗体を、2種のハイブリドーマがMPB64ΔBペプチドを認識する抗体を産生していることが判明した。
【0064】
実施例5(選別したハイブリドーマの特性)
実施例4で最終的に得られた6種のハイブリドーマの特性を検討するため、参考例3で記述した免疫測定方法により、3種の抗原に対する反応性を検討した。用いた抗原は、以下の3種であった。
抗原64:MPB64蛋白;
抗原64ΔA:MPB64ΔAペプチド含有発現蛋白質;
抗原64ΔB:MPB64ΔBペプチド含有発現蛋白質。
【0065】
上記の3種の蛋白質をELISAプレートに固相化した後、前記6種のハイブリドーマの培養上清を添加し、ビオチン標識抗マウスIgG(H+L)抗体添加、アビジン−HRP標識ビオチン複合体添加、HRP基質添加、発色反応、比色定量の作業を順次行い、6種のハイブリドーマ産生抗体の特性を検討した。
【0066】
【表1】
Figure 2004166564
【0067】
【表2】
Figure 2004166564
【0068】
上記表1および表2のそれぞれから、ハイブリドーマ1−2G、2−6D、3−2Cおよび4−7Fは何れもMPB64ΔAペプチドに対する抗体産生細胞であり、ハイブリドーマ5−3Fおよび6−8Fは何れもMPB64ΔBペプチドに対する抗体産生細胞であることが示された。
【0069】
実施例6(MPB64ΔAペプチドおよびMPB64ΔBペプチドに対する特異抗体を用いたMPB64抗原のELISA測定系の作製)
実施例1で得られたMPB64Δ(24−65a.a.)ペプチドを含む発現蛋白質を抗原とし、実施例5で示したMPB64ΔAペプチドに対する抗体産生細胞であるハイブリドーマ1−2GおよびMPB64ΔBペプチドに対する抗体産生細胞であるハイブリドーマ5−3Fを用いてELISAにより反応性を確認した。
【0070】
ハイブリドーマ5−3Fが産生した抗体5−3Fを96穴プレートのウェルに50μl添加し、1晩冷所で固相化し、各ウェルをブロッキングし、続いて洗浄した後、MPB64Δ(24−65a.a.)ペプチドを含む発現蛋白質を各ウェルに100μl添加し、室温で2時間反応させた。各ウェルを洗浄し、ハイブリドーマ1−2Gが産生した抗体1−2GをPOD(ペルオキシダーゼ)標識して各ウェルに100μl添加した後、室温で1時間反応させた後、各ウェルを洗浄した後、ペルオキシダーゼ用発色キットSTの構成品である3,3’,5,5’−テトラメチルベンチジン(TMBZ)液(株式会社タウンズの製品)を各ウェルに100μl添加して発色させ、室温で10分間反応させた後、2N硫酸100μlを添加して反応を停止させた。各ウェルの色度を、測定波長450nmでマイクロプレートリーダーにより測定した。
【0071】
対照として、参考例3で得られたが実施例2で選別されなかった2種のハイブリドーマが産生する2種のモノクローナル抗体(抗体Aおよび抗体Bとする)を用いたELISAにより、反応性を確認した。なお、このELISA測定系は、抗体Aを固相化し、抗体BをPOD標識した以外は、前記と同様であった。結果を表3に示す。なお、抗体A及びBは、免疫反応において抗原であるMPT64蛋白またはMPB64蛋白に対する結合部位が相互に異なる従来のモノクローナル抗体である。
【0072】
【表3】
Figure 2004166564
【0073】
なお、固相化抗体5−3Fの代わりにハイブリドーマ6−8Fが産生する抗体を用いても測定値は殆ど変わらなかった。また、標識化抗体1−2Gの代わりにハイブリドーマ2−6D、3−2Cおよび4−7Fが産生するいずれの抗体を用いても測定値は殆ど変わらなかった。
【0074】
この結果は、従来のモノクローナル抗体がMPB64蛋白のN末端付近を認識しないのに対し、本発明の新規なモノクローナル抗体はMPB64蛋白のN末端付近を認識することを示している。
【0075】
実施例7(本発明によるヒト型結核菌の変異株1のELISA)
結核病患者1からの被検体由来の結核菌を小川培地で培養し、ヒト型結核菌と認められたコロニーを1白金耳掻き取り、500mlのPBS(リン酸緩衝液 以下同様)に懸濁させた懸濁液を抗原液1とした。なお、この結核菌抗原蛋白MPB64遺伝子(Infect. Immun. 62(5),2058−2064, Cloning and epitope mapping of MPT64(1994))を調べた処、配列表の配列番号1のDNA配列のうち、196番目から258番目までの63bpのDNA配列の欠落が確認された。
【0076】
上記抗体1−2Gおよび5−3Fを用いてELISAにより反応性を確認した。すなわち、抗体5−3Fを96穴プレートのウェルに50μl添加し、1晩冷所に放置して固相化し、各ウェルをブロッキングし、続いて洗浄した後、上記で調製した結核菌変異株の抗原液1を各ウェルに100μl添加し、室温で2時間反応させた。
【0077】
各ウェルを洗浄し、POD標識した抗体1−2Gを各ウェルに100μl添加後、室温で1時間反応させ、続いて各ウェルを洗浄後、TMBZ液を各ウェルに100μl添加して発色させ、室温で10分間反応後、2N硫酸100μlを添加して反応を停止させた。各ウェルの色度を、測定波長450nmでマイクロプレートリーダーにより測定した。結果を表4に示す。
【0078】
対照として、上記抗原液1を用いて、実施例6で使用した2種のモノクローナル抗体(抗体Aおよび抗体B)を用いたELISAにより、反応性を確認した。すなわち、抗体Aを固相化し、抗体BをPOD標識した以外は、前記と同様な手順を行なった。結果を表4に示す。
【0079】
【表4】
Figure 2004166564
【0080】
なお、固相化抗体5−3Fの代わりにハイブリドーマ6−8Fが産生する抗体を用いても測定値は殆ど変わらなかった。また、標識化抗体1−2Gの代わりにハイブリドーマ2−6D、3−2Cおよび4−7Fが産生する抗体のいずれを用いても測定値は殆ど変わらなかった。
【0081】
これらの結果から、結核病患者の診断において、結核菌の分泌蛋白質であるMPB64の遺伝子の変異株に感染した場合、従来の抗体を用いたアッセイでは偽陰性になってしまうのに対し、本発明の新規モノクローナル抗体を用いた場合では陽性となり、正しい診断を行なうことが可能となったことが判る。
【0082】
実施例8(本発明のモノクローナル抗体を用いたイムノクロマト測定系によるヒト型結核菌の変異株の検出)
結核病患者2からの被検体由来の結核菌を小川培地で培養し、ヒト型結核菌と認められたコロニーを1白金耳掻き取り、500mlのPBSに懸濁させた懸濁液を抗原液2とした。なお、この結核菌抗原蛋白MPB64遺伝子を調べた処、配列表の配列番号1のDNA配列の512番目から687番目に当たる176pbの欠落が確認された。
【0083】
上記抗体1−2Gおよび5−3Fを用いてイムノクロマトグラフィー法により反応性を確認した。
【0084】
すなわち、図3に示される要領でイムノクロマト法テストストリップを作成した。抗体5−3Fを膜担体に固定して捕捉部位を形成する抗体として用い、抗体1−2Gを金コロイド標識抗体として用いた。このようにして作成したイムノクロマト法テストストリップの試料滴下部に、上記で得られた抗原液2を100μl滴下し、室温で15分放置後、捕捉部位における呈色を肉眼で判定した処、赤紫色の呈色が見られ、捕捉部位に上記抗原が捕捉されたことが示された。
【0085】
対照として、上記抗原液2を用いて、実施例6で使用した2種のモノクローナル抗体(抗体Aおよび抗体B)を用い、反応性を確認した。すなわち、抗体Aを膜担体に固定して捕捉部位を形成する抗体として用い、抗体Bを金コロイド標識抗体として用いた以外、上記と同様のイムノクロマト法テストストリップを作成した。そして、その試料滴下部に、上記で得られた抗原液2を100μl滴下し、室温で15分放置後、捕捉部位における呈色を肉眼で判定した処、呈色は見られず、捕捉部に上記抗原が捕捉されなかったことを示した。
【0086】
これらの結果から、イムノクロマト法テストストリップにおいても、本発明の新規モノクローナル抗体を使用することにより、結核病患者の診断において結核菌変異株による偽陰性を回避することが可能となることが判る。
【0087】
【発明の効果】
本発明によれば、被検体中のヒト型結核菌および/またはウシ型結核菌のそれぞれを変異株または非変異株に拘わらず免疫学的手法により検知することが可能となる。
【0088】
【配列表】
Figure 2004166564
Figure 2004166564
Figure 2004166564
Figure 2004166564

【図面の簡単な説明】
【図1】PB64ΔA遺伝子を持つ発現ベクター導入大腸菌から得られた蛋白可溶化画分(Lane 2及び3)およびPB64ΔB遺伝子を持つ発現ベクター導入大腸菌から得られた蛋白質可溶化画分(Lane 4及び5)のそれぞれのSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動像を示す写真である。
【図2】PB64ΔA遺伝子を持つ発現ベクター導入大腸菌から得られた蛋白可溶化画分(Lane 2及び3)およびPB64ΔB遺伝子を持つ発現ベクター導入大腸菌から得られた蛋白質可溶化画分(Lane 4及び5)のそれぞれのウェスターン・イミュノブロッティング転写像を示す写真である。
【図3】aはイムノクロマト法テストストリップの平面図、bはaで示されたイムノクロマト法テストストリップの縦断面図。
【符号の説明】
1 粘着シート
2 含浸部材
3 膜担体
31 捕捉部位
4 吸収用部材
5 試料添加用部材

Claims (14)

  1. 配列番号3または4のアミノ酸配列からなるペプチドに対するモノクローナル抗体。
  2. 配列番号3のアミノ酸配列からなるペプチドに対するモノクローナル抗体と、配列番号4のアミノ酸配列からなるペプチドに対するモノクローナル抗体とを併用するサンドイッチ式免疫測定法からなる結核症診断方法。
  3. 配列番号3のアミノ酸配列からなるペプチドに対するモノクローナル抗体及び配列番号4のアミノ酸配列からなるペプチドに対するモノクローナル抗体の何れか一方を担体に固定しておく請求項2に記載の診断方法。
  4. 配列番号3のアミノ酸配列からなるペプチドに対するモノクローナル抗体及び配列番号4のアミノ酸配列からなるペプチドに対するモノクローナル抗体の何れか一方を予め所定位置に固定せしめて形成された捕捉部位を備える膜担体を用意し、他方のモノクローナル抗体と所定量の被験試料との混合液を、前記捕捉部位に向けて前記膜担体にてクロマト展開せしめ、前記被験試料中に含まれる結核菌由来の蛋白と前記他方のモノクローナル抗体との複合体を前記捕捉部位に捕捉させることを特徴とするイムノクロマトグラフィー測定法。
  5. 前記他方のモノクローナル抗体は金属コロイドまたはラテックスで標識されている請求項4に記載の測定法。
  6. 前記膜担体がニトロセルロース膜である請求項4に記載の測定法。
  7. 配列番号3のアミノ酸配列からなるペプチドに対するモノクローナル抗体と、配列番号4のアミノ酸配列からなるペプチドに対するモノクローナル抗体と、膜担体とを少なくとも備え、前記モノクローナル抗体の何れか一方は前記膜担体の所定位置に予め固定されて捕捉部位を形成し、前記モノクローナル抗体の他方は適当な標識物質で標識され、かつ、前記捕捉部位から離隔した位置で前記膜担体にてクロマト展開可能なように配置されてなる結核症診断用イムノクロマト法テストストリップ。
  8. 前記標識物質が金コロイドまたはラテックスである請求項7に記載のイムノクロマト法テストストリップ。
  9. 前記膜担体がニトロセルロース膜である請求項7に記載のイムノクロマト法テストストリップ。
  10. 以下の(a)〜(c)の何れか1つのペプチド:
    (a)配列番号3のアミノ酸配列からなるペプチド、
    (b)配列番号4のアミノ酸配列からなるペプチド、
    (c)配列番号3または4のアミノ酸配列において1または数個のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列からなり、かつMPT64蛋白またはMPB64蛋白の免疫原性を示すペプチド。
  11. 以下の(a)〜(c)の何れか1つのペプチドをコードする遺伝子:
    (a)配列番号3のアミノ酸配列からなるペプチド、
    (b)配列番号4のアミノ酸配列からなるペプチド、
    (c)配列番号3または4のアミノ酸配列において1または数個のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列からなり、かつMPT64蛋白またはMPB64蛋白の免疫原性を示すペプチド。
  12. 請求項11の遺伝子を含有する組換えベクター。
  13. 請求項12の組換えベクターを含む形質転換体。
  14. 請求項13の形質転換体によって発現された前記組換えベクター由来の、MPT64蛋白またはMPB64蛋白の免疫原性を示す組換えタンパク質。
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