JP2004165818A - VoIPアダプタ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】IPネットワークを利用して通話を行うVoIP通信において、通話を中断することなく通話品質の劣化を解消する。
【解決手段】広帯域回線を介して送受信する音声パケットデータは、VoIP通信部101で音声信号に変換され、VoIPアダプタ装置100の外部に接続された電話機との間で通話が可能となっている。通話品質検出部105で通話品質を監視し、IPネットワークにおけるトラヒック増加等の原因により音声パケットデータの遅延や消失が生じて、通話品質が判定基準記憶部106に記憶された判定基準を下まわった場合に、PSTN通信部102は、アドレス情報記憶部104に記憶されたIPアドレスに対応するPSTN回線における通話先の電話番号を検索して発呼し、通話回線切替部103は、通話を中断することなく自動的にPSTN回線を介する通常の通話に切り替える。
【選択図】 図1
【解決手段】広帯域回線を介して送受信する音声パケットデータは、VoIP通信部101で音声信号に変換され、VoIPアダプタ装置100の外部に接続された電話機との間で通話が可能となっている。通話品質検出部105で通話品質を監視し、IPネットワークにおけるトラヒック増加等の原因により音声パケットデータの遅延や消失が生じて、通話品質が判定基準記憶部106に記憶された判定基準を下まわった場合に、PSTN通信部102は、アドレス情報記憶部104に記憶されたIPアドレスに対応するPSTN回線における通話先の電話番号を検索して発呼し、通話回線切替部103は、通話を中断することなく自動的にPSTN回線を介する通常の通話に切り替える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、IPネットワークを利用して通話を行うVoIP通信を実現するためのVoIPアダプタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)や光ファイバ、CATV等を利用した広帯域通信の普及により、音声データを所定の長さに区切ってパケット化し、インターネット等のIPネットワークを経由して通話を行うVoIP(Voice over Internet Protocol)による通話サービスが注目され、インターネット電話として普及しつつある。このVoIPは、通信料金が距離に依存しないインターネット等を利用するため、長距離であっても電話料金を気にすることなく通話ができ、長距離通話になるほど電話料金を抑えることができるという利点がある(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
このVoIPによる通話サービスを実現するために、IPネットワークと電話機との間に設置して、電話機の送受話音声信号とIPネットワーク上のパケットデータとを相互に変換するVoIPアダプタ装置が知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0004】
VoIPアダプタ装置は、一方を電話機に接続し、他方をIPネットワークに接続して使用される。電話機から送話される音声信号は、VoIP装置でパケットデータに加工され、IPネットワーク上に送信されて通話先の電話機に伝えられる。一方、IPネットワークからは通話先の電話機からの音声がパケットデータとして送信されてきており、VoIP装置でこれを受信して分解処理し、音声信号に復元して電話機で受話する。これにより、通話先利用者との間で相互に通話が可能となる。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−197127号公報
【特許文献2】
特開2001−127902号公報
【特許文献3】
特開平11−275256号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、VoIP通信による通話時に、IPネットワークを流れるトラヒックが増加したり、通過経路の一部に障害や輻輳が発生すると、パケットデータの遅延や消失が起こり、音声品質が劣化して相手の音声が聞き取りにくくなったり、通話が途切れるなどの支障が生じて利用者が不快を感じるという問題がある。
【0007】
このように、通話の途中でIPネットワークにおけるトラヒック増加が原因で一時的に通話が困難になった場合は、トラヒックが減少するまで待てばよいが、会話応答がスムーズにいかなくなるという問題がある。
【0008】
また、他の通信手段、例えば従来のPSTN(Public Switched Telephon Network:公衆交換電話回線網)を介する通話や、携帯電話を用いて通話を継続する方法が考えられる。しかしこれらの場合は、一旦VoIP通信による通話を終了した上で、PSTNや携帯電話などの他の通信手段による発呼を行って通話を再開する必要があり、会話が一時中断すると共に、手間がかかるという問題がある。
【0009】
一方、IPネットワークにおいてQoS(Quality of Service)を適用して音声パケットデータを優先させ、VoIP通信の音声品質を改善することも考えられる。しかし、この場合は通話に利用するIPネットワークで使用されているルータ(中継機)がQoSに対応したものでなければならない。もし、既存のルータがQoSに対応していなければ、設備更新のために膨大なコストや時間がかかるという問題がある。また、トラヒック増加がネットワークの回線容量に対して大きい場合は、たとえQoSを適用してもパケットの遅延や消失を完全に防ぐことはできない。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、IPネットワークを利用して通話を行うVoIP通信において、通話の一時的な不具合を解消することが可能なVoIPアダプタ装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るVoIPアダプタ装置は、IPネットワークを利用して通話を行うVoIP通信を実現するVoIPアダプタ装置であって、前記VoIP通信における音声パケットデータの生成及び復元を行うVoIP通信手段と、前記VoIP通信における通話品質を判定する通話品質判定手段と、電話網を介した通話を行う電話網通信手段と、前記VoIP通信による通話と前記電話網を介した通話との回線を切り替える通話回線切替手段とを備え、前記通話品質判定手段において前記VoIP通信による通話の通話品質が所定の判定基準に満たない場合に、前記通話回線切替手段は前記VoIP通信による通話から前記電話網を介した通話に切り替えるように構成されるものである。
【0012】
また、前記VoIP通信におけるIPネットワーク上のIPアドレスと前記電話網における電話番号とを対応付けて記憶するアドレス情報記憶手段を備え、前記電話網通信手段は前記アドレス情報記憶手段に記憶された前記VoIP通信による通話先のIPアドレスに対応する前記電話番号に発呼し、切り替えるものである。
【0013】
上記構成によれば、広帯域回線を介してIPネットワークを利用して行うVoIP通信による通話において、所定の判定基準より通話品質が劣化したと判定された場合に、自動的に電話網を介した通常の通話に切り替えることができ、通話品質を維持しながら、かつ通話を中断することなく継続できる。これにより、VoIP通信における通話の一時的な不具合を解消することが可能となる。
【0014】
また、本発明は、上記VoIPアダプタ装置において、送話手段と受話手段とを有し、音声信号を入出力通話先との通話を行う送受話部を備えた構成を有している。
【0015】
上記構成によれば、VoIPアダプタ装置をVoIP通信における電話端末として使用することができ、利便性が向上する。
【0016】
また、本発明は、上記いずれかのVoIPアダプタ装置において、ADSL信号の変復調を行うADSLモデム手段を備え、前記VoIP通信手段は前記ADSLモデム手段を介してADSL回線と接続され、前記VoIP通信を行う広帯域回線としてADSL回線を用いた構成を有している。
【0017】
上記構成によれば、広帯域回線としてADSL回線を用いたVoIP通信による通話において、所定の判定基準より通話品質が劣化したと判定された場合に、自動的に電話網を介した通常の通話に切り替えることができ、通話品質を維持しながら、通話を中断することなく継続できる。
【0018】
また、本発明は、上記いずれかのVoIPアダプタ装置において、前記電話網における通話に用いるDTMFのトーン信号として、回線切替報知用の第1のトーン信号及び回線切替中止指示用の第2のトーン信号を再生するトーン信号再生手段と、前記トーン信号を検出するトーン信号検出手段とを備え、前記通話回線切替手段は、前記トーン信号検出手段により使用者の操作に基づく前記第2のトーン信号が検出された場合に、回線の切り替えを中止するように構成されるものである。
【0019】
上記構成によれば、VoIP通信による通話において、通話中に通話品質が劣化して通話回線を切り替える場合に、使用者は通話音声において回線切替報知用の第1のトーン信号を聞くことで回線の切り替えが行われることを認識できる。このとき、使用者の操作によって、回線切替中止指示用の第2のトーン信号を出力することで、VoIP通信による通話から電話網を介した通話への切り替えを中止することができる。よって、利用者が利用料金と通話品質のいずれを優先するかなどによって、電話網による通話に切り替えるか否かを利用者の意思で選択することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るVoIPアダプタ装置の構成を示すブロック図である。VoIPアダプタ装置100の一方は、コネクタ等のインタフェース107を介して広帯域回線と、モジュラジャック108を介して電話網としてのPSTN回線にそれぞれ接続され、他方はモジュラジャック109を介して図示しない電話機に接続されている。
【0021】
VoIPアダプタ装置100は、VoIP通信における音声パケットデータの生成(音声信号のIPパケット化)及び分解(IPパケットの音声信号への復元)を行うVoIP通信部(VoIP通信手段に相当する)101、PSTN回線を介して通常のアナログ音声信号を送受信するPSTN通信部(PSTN通信手段に相当する)102、通話を行う回線の切り替えを行う通話回線切替部(通話回線切替手段に相当する)103、VoIP通信におけるIPネットワーク上のIPアドレスとPSTN回線における電話番号とを対応付けて記憶したアドレス情報記憶部(アドレス情報記憶手段に相当する)104、VoIP通信における通話品質の劣化を所定の判定基準と比較する通話品質検出部(通話品質判定手段に相当する)105、通話品質の判定基準を記憶する判定基準記憶部106を有して構成される。
【0022】
次に、本実施形態のVoIPアダプタ装置100の動作について説明する。広帯域回線を介してIPネットワークに接続され、VoIP通信により通話先利用者と通話状態が確立している状態において、VoIPアダプタ装置100に接続された電話機からは、利用者の話すアナログ音声信号が通話回線切替部103を介してVoIP通信部101に伝送される。アナログ音声信号はVoIP通信部101においてディジタル音声信号に変換された後に符号化され、ヘッダその他の情報を付加したパケットデータとして加工されて広帯域回線上に送信される。
【0023】
一方、広帯域回線からは通話先利用者の話す音声データがパケットデータとして送信されてきており、VoIPアダプタ装置100は、インタフェース107を介してこれを受信する。受信されたパケットデータは、VoIP通信部101で分解処理が行われ、音声符号部分を抜き出して復号化が行われる。復号化されたディジタル音声信号はアナログ音声信号に変換され、通話回線切替部103を介して電話機に伝送される。これにより電話機では、通話先利用者の話す音声を聴くことができ、相互に通話が可能となる。
【0024】
上記した通話状態において、通話品質検出部105は、アナログ音声信号を常時監視して通話品質レベルを判定基準記憶部105に記憶された所定の通話品質の判定基準と比較する。判定基準としては、通話に支障のない程度のS/Nの値などを用いることができる。この場合、例えば音声帯域とそれ以外の帯域などによって信号成分とノイズ成分とを判別すればよい。そして、IPネットワークを流れるトラヒックが増加する等の原因でパケットデータの遅延や消失が起こり、通話品質が判定基準を下まわった場合は、通話回線切替部103に対して通話を行う回線を広帯域回線からPSTN回線に切り替える旨の指示を送る。
【0025】
通話回線切替部103は、この指示を受けてアドレス情報記憶部104で通話中のVoIP通信におけるIPアドレスからPSTN回線において通話先利用者が使用している電話機の電話番号を検索し、PSTN通信部102に伝える。
【0026】
PSTN通信部102は、指示された電話番号で発呼を行い、通話先利用者の電話機との接続を行う。通話回線切替部103は、接続が完了すると通話回線を広帯域回線からPSTN回線に切り替える。これにより、通話は中断することなくPSTN回線を介する通常の通話に切り替わる。また、IPネットワークにおいてトラヒックが減少する等して通信品質が改善すると、VoIP通信において劣化した通話品質は回復する。なお、PSTN回線経由の通話に切り換えた期間、広帯域回線を介したVoIP通信も継続して行い、通話品質が回復したときに再度VoIP通信による通話に切り換えることも可能である。
【0027】
以上のように、本実施形態の構成及び動作によれば、広帯域回線を介したVoIP通信で通話中に通話品質が劣化した場合に、自動的にPSTN回線を介する通常の通話に切り替わるので、通話品質を良好に維持したまま通話を継続することができる。
【0028】
なお、第1実施形態の上記の例では、電話機をモジュラジャック109を介してVoIP装置100の外部に接続する構成としたが、例えば図2に示す変形例のように、VoIP装置200の内部に送話手段と受話手段とを有してなる送受話部210を設けた構成とすることもできる。これにより、VoIP装置200をVoIP通信における電話端末として使用することができ、利便性が向上する。
【0029】
(第2実施形態)
図3は、本発明の第2実施形態に係るVoIPアダプタ装置の構成を示すブロック図である。VoIPアダプタ装置300の一方は、モジュラジャック108を介してPSTN回線(及びADSL回線)に接続され、他方はモジュラジャック109を介して図示しない電話機に接続されている。図3において、図1と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0030】
VoIPアダプタ装置300は、音声信号とADSL信号を分離するスプリッタ311、パケットデータをADSL信号に変調すると共に、ADSL信号からパケットデータを復調するADSLモデム(ADSLモデム手段に相当する)312、VoIP通信部101、PSTN通信部102、通話回線切替部103、アドレス情報記憶部104、通話品質検出部105、判定基準記憶部106を有して構成される。
【0031】
次に、VoIPアダプタ装置300の動作について説明する。PSTN回線の通信回線において音声信号にADSL信号が重畳され、ADSL回線を介してIPネットワークに接続されている。このADSL回線を介したIPネットワーク上でVoIP通信により通話先利用者と通話状態が確立している状態において、VoIPアダプタ装置300に接続された電話機からは、利用者の話すアナログ音声信号が通話回線切替部103を介してVoIP通信部101に伝送される。アナログ音声信号はVoIP通信部101でディジタル音声信号に変換されて符号化され、更にパケットデータとして加工される。パケットデータはADSLモデム312で変調されてADSL信号に変換され、スプリッタ311を介して音声信号に重畳されてADSL回線上に送信される。
【0032】
一方で、ADSL回線からは通話先利用者の話す音声データがADSL信号として到来し、スプリッタ311で受信、分離されてADSLモデム312に伝送される。ADSL信号は、ADSLモデム312においてパケットデータに復調された後、VoIPアダプタ装置100で分解処理が行われ、音声符号部分を抜き出して復号化が行われる。復号化されたディジタル音声信号はアナログ音声信号に変換され、通話回線切替部103を介して電話機に伝送される。これにより利用者の電話機で、通話先利用者の話す音声を聴くことができ、通話が成立する。
【0033】
また、通話品質検出部105は、アナログ音声信号を常時監視し、通話品質レベルを判定基準記憶部105に記憶された所定の通話品質の判定基準と比較する。そして、通話中にIPネットワークを流れるトラヒックが増加したり、データ通過経路の一部に障害や輻輳が発生する等の原因でパケットデータの遅延や消失が起こり、通話品質が判定基準を下まわった場合は、通話回線切替部103に指示を送り、PSTN回線を介する通常の通話に切り替える。
【0034】
このとき、アドレス情報記憶部104は、通話中のVoIP通信におけるIPアドレスを基にPSTN回線において通話先利用者が使用している電話機の電話番号を検索し、PSTN通信部103に伝える。
【0035】
PSTN通信部103は、検索した電話番号で発呼を行い、通話先利用者の電話機との接続を行う。接続が完了すると、通話回線切替部103は、ADSL回線を介したADSL信号によるVoIP通信の通話を通常のPSTN回線を介したアナログ音声信号による通話に切り替える。これにより、通話を中断することなくPSTN回線を介する通常の通話に切り替わる。また、IPネットワークにおいてトラヒックが減少する等して通信品質が改善すると、VoIP通信において劣化した通話品質は回復する。なお、PSTN回線経由の通話に切り換えた期間、ADSL回線によるVoIP通信も継続して行い、通話品質が回復したときに再度VoIP通信による通話に切り換えることも可能である。
【0036】
以上のように、第2実施形態の構成及び動作によれば、ADSL回線を介したVoIP通信において、通話中に通話品質が劣化した場合に、自動的にPSTN回線による通常の通話に切り替わるので、通話品質を良好に維持したまま通話を継続することができる。
【0037】
(第3実施形態)
図4は、本発明の第3実施形態に係るVoIPアダプタ装置の構成を示すブロック図である。VoIPアダプタ装置400は、第1実施形態と同様に、一方をコネクタ等のインタフェース107を介してIPネットワークを構成する広帯域回線と、モジュラジャック108を介してPSTN回線にそれぞれ接続され、他方をモジュラジャック109を介して図示しない電話機に接続される。図4において、図1と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0038】
VoIPアダプタ装置400は、VoIP通信部101、PSTN通信部102、通話回線切替部103、アドレス情報記憶部104、通話品質検出部105、判定基準記憶部106、更に、PSTN回線を介した通話において発呼などに用いるDTMF(Dial Tone Multi Frequency)のトーン信号を生成するトーン再生部(トーン信号再生手段に相当する)413と、アナログ音声信号の中からDTMFのトーン信号を検出するDTMF検出部(トーン信号検出手段に相当する)414とを有して構成される。
【0039】
次に、VoIPアダプタ装置400の動作について説明する。広帯域回線を介するVoIP通信により通話先利用者と通話状態が確立している状態において、通話品質が基準レベルを下まわった場合は、第1実施形態と同様に、通話回線切替部103は、広帯域回線を介するVoIP通信からPSTN回線による通常の通話に切り替えるために、PSTN回線に接続された通話先利用者の電話機の電話番号を検索し、発呼ダイヤル操作を行う。
【0040】
このとき、トーン再生部412は、回線切り替えを表す所定のトーン信号(回線切替報知信号となる第1のトーン信号)を生成してこれを通話中のアナログ音声信号に重畳し、広帯域回線を介するVoIP通信からPSTN回線による通常の通話に切り替えようとしていることを利用者に報知する。
【0041】
このとき、通話音声信号中の回線切替報知信号(第1のトーン信号)を聴いた利用者が、例えば通話品質より通話料金を優先し、VoIP通信の継続を望む場合は、電話機で所定のボタン操作を行う。これにより、回線切り替え中止を指示するための所定のトーン信号(回線切替中止指示信号となる第2のトーン信号)がトーン再生部412で生成されて出力され、DTMF検出部414は、この回線切替中止指示信号(第2のトーン信号)を検出し、通話回線切替部103に伝達する。通話回線切替部103はDTMF検出部414での回線切替中止指示信号検出に基づいて、VoIP通信からPSTN通信への切り替えを中止する。
【0042】
以上のように、第3実施形態の構成及び動作によれば、広帯域回線を介するVoIP通信において、通話中に通話品質が劣化した場合に、VoIP通信による通話を継続するかPSTN回線を介する通常の通話へ切り替えるかを利用者の意思で選択することができるので、利用者にとって適切な通話を継続することが可能となる。
【0043】
上述した本発明の各実施形態によれば、IPネットワークを利用して通話を行うVoIP通信において、通話品質が劣化した場合に自動的にPSTN回線による通常の通話に切り換えることによって、良好な通話品質を維持しつつ通話を中断することなく継続でき、通話の一時的な不具合を解消することができる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、IPネットワークを利用して通話を行うVoIP通信において、通話の一時的な不具合を解消することが可能なVoIPアダプタ装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るVoIP装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の第1実施形態の変形例に係るVoIP装置の構成を示すブロック図
【図3】本発明の第2実施形態に係るVoIP装置の構成を示すブロック図
【図4】本発明の第3実施形態に係るVoIP装置の構成を示すブロック図
【符号の説明】
100、200、300、400 VoIPアダプタ装置
101 VoIP通信部
102 PSTN通信部
103 通話回線切替部
104 アドレス情報記憶部
105 通話品質検出部
106 判定基準記憶部
107 広帯域回線インタフェース
108 PSTNインタフェース
109 電話機インタフェース
210 送受話部
311 スプリッタ
312 ADSLモデム
413 トーン再生部
414 DTMF検出部
【発明の属する技術分野】
本発明は、IPネットワークを利用して通話を行うVoIP通信を実現するためのVoIPアダプタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)や光ファイバ、CATV等を利用した広帯域通信の普及により、音声データを所定の長さに区切ってパケット化し、インターネット等のIPネットワークを経由して通話を行うVoIP(Voice over Internet Protocol)による通話サービスが注目され、インターネット電話として普及しつつある。このVoIPは、通信料金が距離に依存しないインターネット等を利用するため、長距離であっても電話料金を気にすることなく通話ができ、長距離通話になるほど電話料金を抑えることができるという利点がある(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
このVoIPによる通話サービスを実現するために、IPネットワークと電話機との間に設置して、電話機の送受話音声信号とIPネットワーク上のパケットデータとを相互に変換するVoIPアダプタ装置が知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0004】
VoIPアダプタ装置は、一方を電話機に接続し、他方をIPネットワークに接続して使用される。電話機から送話される音声信号は、VoIP装置でパケットデータに加工され、IPネットワーク上に送信されて通話先の電話機に伝えられる。一方、IPネットワークからは通話先の電話機からの音声がパケットデータとして送信されてきており、VoIP装置でこれを受信して分解処理し、音声信号に復元して電話機で受話する。これにより、通話先利用者との間で相互に通話が可能となる。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−197127号公報
【特許文献2】
特開2001−127902号公報
【特許文献3】
特開平11−275256号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、VoIP通信による通話時に、IPネットワークを流れるトラヒックが増加したり、通過経路の一部に障害や輻輳が発生すると、パケットデータの遅延や消失が起こり、音声品質が劣化して相手の音声が聞き取りにくくなったり、通話が途切れるなどの支障が生じて利用者が不快を感じるという問題がある。
【0007】
このように、通話の途中でIPネットワークにおけるトラヒック増加が原因で一時的に通話が困難になった場合は、トラヒックが減少するまで待てばよいが、会話応答がスムーズにいかなくなるという問題がある。
【0008】
また、他の通信手段、例えば従来のPSTN(Public Switched Telephon Network:公衆交換電話回線網)を介する通話や、携帯電話を用いて通話を継続する方法が考えられる。しかしこれらの場合は、一旦VoIP通信による通話を終了した上で、PSTNや携帯電話などの他の通信手段による発呼を行って通話を再開する必要があり、会話が一時中断すると共に、手間がかかるという問題がある。
【0009】
一方、IPネットワークにおいてQoS(Quality of Service)を適用して音声パケットデータを優先させ、VoIP通信の音声品質を改善することも考えられる。しかし、この場合は通話に利用するIPネットワークで使用されているルータ(中継機)がQoSに対応したものでなければならない。もし、既存のルータがQoSに対応していなければ、設備更新のために膨大なコストや時間がかかるという問題がある。また、トラヒック増加がネットワークの回線容量に対して大きい場合は、たとえQoSを適用してもパケットの遅延や消失を完全に防ぐことはできない。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、IPネットワークを利用して通話を行うVoIP通信において、通話の一時的な不具合を解消することが可能なVoIPアダプタ装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るVoIPアダプタ装置は、IPネットワークを利用して通話を行うVoIP通信を実現するVoIPアダプタ装置であって、前記VoIP通信における音声パケットデータの生成及び復元を行うVoIP通信手段と、前記VoIP通信における通話品質を判定する通話品質判定手段と、電話網を介した通話を行う電話網通信手段と、前記VoIP通信による通話と前記電話網を介した通話との回線を切り替える通話回線切替手段とを備え、前記通話品質判定手段において前記VoIP通信による通話の通話品質が所定の判定基準に満たない場合に、前記通話回線切替手段は前記VoIP通信による通話から前記電話網を介した通話に切り替えるように構成されるものである。
【0012】
また、前記VoIP通信におけるIPネットワーク上のIPアドレスと前記電話網における電話番号とを対応付けて記憶するアドレス情報記憶手段を備え、前記電話網通信手段は前記アドレス情報記憶手段に記憶された前記VoIP通信による通話先のIPアドレスに対応する前記電話番号に発呼し、切り替えるものである。
【0013】
上記構成によれば、広帯域回線を介してIPネットワークを利用して行うVoIP通信による通話において、所定の判定基準より通話品質が劣化したと判定された場合に、自動的に電話網を介した通常の通話に切り替えることができ、通話品質を維持しながら、かつ通話を中断することなく継続できる。これにより、VoIP通信における通話の一時的な不具合を解消することが可能となる。
【0014】
また、本発明は、上記VoIPアダプタ装置において、送話手段と受話手段とを有し、音声信号を入出力通話先との通話を行う送受話部を備えた構成を有している。
【0015】
上記構成によれば、VoIPアダプタ装置をVoIP通信における電話端末として使用することができ、利便性が向上する。
【0016】
また、本発明は、上記いずれかのVoIPアダプタ装置において、ADSL信号の変復調を行うADSLモデム手段を備え、前記VoIP通信手段は前記ADSLモデム手段を介してADSL回線と接続され、前記VoIP通信を行う広帯域回線としてADSL回線を用いた構成を有している。
【0017】
上記構成によれば、広帯域回線としてADSL回線を用いたVoIP通信による通話において、所定の判定基準より通話品質が劣化したと判定された場合に、自動的に電話網を介した通常の通話に切り替えることができ、通話品質を維持しながら、通話を中断することなく継続できる。
【0018】
また、本発明は、上記いずれかのVoIPアダプタ装置において、前記電話網における通話に用いるDTMFのトーン信号として、回線切替報知用の第1のトーン信号及び回線切替中止指示用の第2のトーン信号を再生するトーン信号再生手段と、前記トーン信号を検出するトーン信号検出手段とを備え、前記通話回線切替手段は、前記トーン信号検出手段により使用者の操作に基づく前記第2のトーン信号が検出された場合に、回線の切り替えを中止するように構成されるものである。
【0019】
上記構成によれば、VoIP通信による通話において、通話中に通話品質が劣化して通話回線を切り替える場合に、使用者は通話音声において回線切替報知用の第1のトーン信号を聞くことで回線の切り替えが行われることを認識できる。このとき、使用者の操作によって、回線切替中止指示用の第2のトーン信号を出力することで、VoIP通信による通話から電話網を介した通話への切り替えを中止することができる。よって、利用者が利用料金と通話品質のいずれを優先するかなどによって、電話網による通話に切り替えるか否かを利用者の意思で選択することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るVoIPアダプタ装置の構成を示すブロック図である。VoIPアダプタ装置100の一方は、コネクタ等のインタフェース107を介して広帯域回線と、モジュラジャック108を介して電話網としてのPSTN回線にそれぞれ接続され、他方はモジュラジャック109を介して図示しない電話機に接続されている。
【0021】
VoIPアダプタ装置100は、VoIP通信における音声パケットデータの生成(音声信号のIPパケット化)及び分解(IPパケットの音声信号への復元)を行うVoIP通信部(VoIP通信手段に相当する)101、PSTN回線を介して通常のアナログ音声信号を送受信するPSTN通信部(PSTN通信手段に相当する)102、通話を行う回線の切り替えを行う通話回線切替部(通話回線切替手段に相当する)103、VoIP通信におけるIPネットワーク上のIPアドレスとPSTN回線における電話番号とを対応付けて記憶したアドレス情報記憶部(アドレス情報記憶手段に相当する)104、VoIP通信における通話品質の劣化を所定の判定基準と比較する通話品質検出部(通話品質判定手段に相当する)105、通話品質の判定基準を記憶する判定基準記憶部106を有して構成される。
【0022】
次に、本実施形態のVoIPアダプタ装置100の動作について説明する。広帯域回線を介してIPネットワークに接続され、VoIP通信により通話先利用者と通話状態が確立している状態において、VoIPアダプタ装置100に接続された電話機からは、利用者の話すアナログ音声信号が通話回線切替部103を介してVoIP通信部101に伝送される。アナログ音声信号はVoIP通信部101においてディジタル音声信号に変換された後に符号化され、ヘッダその他の情報を付加したパケットデータとして加工されて広帯域回線上に送信される。
【0023】
一方、広帯域回線からは通話先利用者の話す音声データがパケットデータとして送信されてきており、VoIPアダプタ装置100は、インタフェース107を介してこれを受信する。受信されたパケットデータは、VoIP通信部101で分解処理が行われ、音声符号部分を抜き出して復号化が行われる。復号化されたディジタル音声信号はアナログ音声信号に変換され、通話回線切替部103を介して電話機に伝送される。これにより電話機では、通話先利用者の話す音声を聴くことができ、相互に通話が可能となる。
【0024】
上記した通話状態において、通話品質検出部105は、アナログ音声信号を常時監視して通話品質レベルを判定基準記憶部105に記憶された所定の通話品質の判定基準と比較する。判定基準としては、通話に支障のない程度のS/Nの値などを用いることができる。この場合、例えば音声帯域とそれ以外の帯域などによって信号成分とノイズ成分とを判別すればよい。そして、IPネットワークを流れるトラヒックが増加する等の原因でパケットデータの遅延や消失が起こり、通話品質が判定基準を下まわった場合は、通話回線切替部103に対して通話を行う回線を広帯域回線からPSTN回線に切り替える旨の指示を送る。
【0025】
通話回線切替部103は、この指示を受けてアドレス情報記憶部104で通話中のVoIP通信におけるIPアドレスからPSTN回線において通話先利用者が使用している電話機の電話番号を検索し、PSTN通信部102に伝える。
【0026】
PSTN通信部102は、指示された電話番号で発呼を行い、通話先利用者の電話機との接続を行う。通話回線切替部103は、接続が完了すると通話回線を広帯域回線からPSTN回線に切り替える。これにより、通話は中断することなくPSTN回線を介する通常の通話に切り替わる。また、IPネットワークにおいてトラヒックが減少する等して通信品質が改善すると、VoIP通信において劣化した通話品質は回復する。なお、PSTN回線経由の通話に切り換えた期間、広帯域回線を介したVoIP通信も継続して行い、通話品質が回復したときに再度VoIP通信による通話に切り換えることも可能である。
【0027】
以上のように、本実施形態の構成及び動作によれば、広帯域回線を介したVoIP通信で通話中に通話品質が劣化した場合に、自動的にPSTN回線を介する通常の通話に切り替わるので、通話品質を良好に維持したまま通話を継続することができる。
【0028】
なお、第1実施形態の上記の例では、電話機をモジュラジャック109を介してVoIP装置100の外部に接続する構成としたが、例えば図2に示す変形例のように、VoIP装置200の内部に送話手段と受話手段とを有してなる送受話部210を設けた構成とすることもできる。これにより、VoIP装置200をVoIP通信における電話端末として使用することができ、利便性が向上する。
【0029】
(第2実施形態)
図3は、本発明の第2実施形態に係るVoIPアダプタ装置の構成を示すブロック図である。VoIPアダプタ装置300の一方は、モジュラジャック108を介してPSTN回線(及びADSL回線)に接続され、他方はモジュラジャック109を介して図示しない電話機に接続されている。図3において、図1と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0030】
VoIPアダプタ装置300は、音声信号とADSL信号を分離するスプリッタ311、パケットデータをADSL信号に変調すると共に、ADSL信号からパケットデータを復調するADSLモデム(ADSLモデム手段に相当する)312、VoIP通信部101、PSTN通信部102、通話回線切替部103、アドレス情報記憶部104、通話品質検出部105、判定基準記憶部106を有して構成される。
【0031】
次に、VoIPアダプタ装置300の動作について説明する。PSTN回線の通信回線において音声信号にADSL信号が重畳され、ADSL回線を介してIPネットワークに接続されている。このADSL回線を介したIPネットワーク上でVoIP通信により通話先利用者と通話状態が確立している状態において、VoIPアダプタ装置300に接続された電話機からは、利用者の話すアナログ音声信号が通話回線切替部103を介してVoIP通信部101に伝送される。アナログ音声信号はVoIP通信部101でディジタル音声信号に変換されて符号化され、更にパケットデータとして加工される。パケットデータはADSLモデム312で変調されてADSL信号に変換され、スプリッタ311を介して音声信号に重畳されてADSL回線上に送信される。
【0032】
一方で、ADSL回線からは通話先利用者の話す音声データがADSL信号として到来し、スプリッタ311で受信、分離されてADSLモデム312に伝送される。ADSL信号は、ADSLモデム312においてパケットデータに復調された後、VoIPアダプタ装置100で分解処理が行われ、音声符号部分を抜き出して復号化が行われる。復号化されたディジタル音声信号はアナログ音声信号に変換され、通話回線切替部103を介して電話機に伝送される。これにより利用者の電話機で、通話先利用者の話す音声を聴くことができ、通話が成立する。
【0033】
また、通話品質検出部105は、アナログ音声信号を常時監視し、通話品質レベルを判定基準記憶部105に記憶された所定の通話品質の判定基準と比較する。そして、通話中にIPネットワークを流れるトラヒックが増加したり、データ通過経路の一部に障害や輻輳が発生する等の原因でパケットデータの遅延や消失が起こり、通話品質が判定基準を下まわった場合は、通話回線切替部103に指示を送り、PSTN回線を介する通常の通話に切り替える。
【0034】
このとき、アドレス情報記憶部104は、通話中のVoIP通信におけるIPアドレスを基にPSTN回線において通話先利用者が使用している電話機の電話番号を検索し、PSTN通信部103に伝える。
【0035】
PSTN通信部103は、検索した電話番号で発呼を行い、通話先利用者の電話機との接続を行う。接続が完了すると、通話回線切替部103は、ADSL回線を介したADSL信号によるVoIP通信の通話を通常のPSTN回線を介したアナログ音声信号による通話に切り替える。これにより、通話を中断することなくPSTN回線を介する通常の通話に切り替わる。また、IPネットワークにおいてトラヒックが減少する等して通信品質が改善すると、VoIP通信において劣化した通話品質は回復する。なお、PSTN回線経由の通話に切り換えた期間、ADSL回線によるVoIP通信も継続して行い、通話品質が回復したときに再度VoIP通信による通話に切り換えることも可能である。
【0036】
以上のように、第2実施形態の構成及び動作によれば、ADSL回線を介したVoIP通信において、通話中に通話品質が劣化した場合に、自動的にPSTN回線による通常の通話に切り替わるので、通話品質を良好に維持したまま通話を継続することができる。
【0037】
(第3実施形態)
図4は、本発明の第3実施形態に係るVoIPアダプタ装置の構成を示すブロック図である。VoIPアダプタ装置400は、第1実施形態と同様に、一方をコネクタ等のインタフェース107を介してIPネットワークを構成する広帯域回線と、モジュラジャック108を介してPSTN回線にそれぞれ接続され、他方をモジュラジャック109を介して図示しない電話機に接続される。図4において、図1と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0038】
VoIPアダプタ装置400は、VoIP通信部101、PSTN通信部102、通話回線切替部103、アドレス情報記憶部104、通話品質検出部105、判定基準記憶部106、更に、PSTN回線を介した通話において発呼などに用いるDTMF(Dial Tone Multi Frequency)のトーン信号を生成するトーン再生部(トーン信号再生手段に相当する)413と、アナログ音声信号の中からDTMFのトーン信号を検出するDTMF検出部(トーン信号検出手段に相当する)414とを有して構成される。
【0039】
次に、VoIPアダプタ装置400の動作について説明する。広帯域回線を介するVoIP通信により通話先利用者と通話状態が確立している状態において、通話品質が基準レベルを下まわった場合は、第1実施形態と同様に、通話回線切替部103は、広帯域回線を介するVoIP通信からPSTN回線による通常の通話に切り替えるために、PSTN回線に接続された通話先利用者の電話機の電話番号を検索し、発呼ダイヤル操作を行う。
【0040】
このとき、トーン再生部412は、回線切り替えを表す所定のトーン信号(回線切替報知信号となる第1のトーン信号)を生成してこれを通話中のアナログ音声信号に重畳し、広帯域回線を介するVoIP通信からPSTN回線による通常の通話に切り替えようとしていることを利用者に報知する。
【0041】
このとき、通話音声信号中の回線切替報知信号(第1のトーン信号)を聴いた利用者が、例えば通話品質より通話料金を優先し、VoIP通信の継続を望む場合は、電話機で所定のボタン操作を行う。これにより、回線切り替え中止を指示するための所定のトーン信号(回線切替中止指示信号となる第2のトーン信号)がトーン再生部412で生成されて出力され、DTMF検出部414は、この回線切替中止指示信号(第2のトーン信号)を検出し、通話回線切替部103に伝達する。通話回線切替部103はDTMF検出部414での回線切替中止指示信号検出に基づいて、VoIP通信からPSTN通信への切り替えを中止する。
【0042】
以上のように、第3実施形態の構成及び動作によれば、広帯域回線を介するVoIP通信において、通話中に通話品質が劣化した場合に、VoIP通信による通話を継続するかPSTN回線を介する通常の通話へ切り替えるかを利用者の意思で選択することができるので、利用者にとって適切な通話を継続することが可能となる。
【0043】
上述した本発明の各実施形態によれば、IPネットワークを利用して通話を行うVoIP通信において、通話品質が劣化した場合に自動的にPSTN回線による通常の通話に切り換えることによって、良好な通話品質を維持しつつ通話を中断することなく継続でき、通話の一時的な不具合を解消することができる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、IPネットワークを利用して通話を行うVoIP通信において、通話の一時的な不具合を解消することが可能なVoIPアダプタ装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るVoIP装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の第1実施形態の変形例に係るVoIP装置の構成を示すブロック図
【図3】本発明の第2実施形態に係るVoIP装置の構成を示すブロック図
【図4】本発明の第3実施形態に係るVoIP装置の構成を示すブロック図
【符号の説明】
100、200、300、400 VoIPアダプタ装置
101 VoIP通信部
102 PSTN通信部
103 通話回線切替部
104 アドレス情報記憶部
105 通話品質検出部
106 判定基準記憶部
107 広帯域回線インタフェース
108 PSTNインタフェース
109 電話機インタフェース
210 送受話部
311 スプリッタ
312 ADSLモデム
413 トーン再生部
414 DTMF検出部
Claims (5)
- IPネットワークを利用して通話を行うVoIP通信を実現するVoIPアダプタ装置であって、
前記VoIP通信における音声パケットデータの生成及び復元を行うVoIP通信手段と、
前記VoIP通信における通話品質を判定する通話品質判定手段と、
電話網を介した通話を行う電話網通信手段と、
前記VoIP通信による通話と前記電話網を介した通話との回線を切り替える通話回線切替手段とを備え、
前記通話品質判定手段において前記VoIP通信による通話の通話品質が所定の判定基準に満たない場合に、前記通話回線切替手段は前記VoIP通信による通話から前記電話網を介した通話に切り替えるように構成されたことを特徴とするVoIPアダプタ装置。 - 前記VoIP通信におけるIPネットワーク上のIPアドレスと前記電話網における電話番号とを対応付けて記憶するアドレス情報記憶手段を備え、
前記電話網通信手段は前記アドレス情報記憶手段に記憶された前記VoIP通信による通話先のIPアドレスに対応する前記電話番号に発呼し、切り替えることを特徴とする請求項1に記載のVoIPアダプタ装置。 - 送話手段と受話手段とを有し、音声信号を入出力通話先との通話を行う送受話部を備えたことを特徴とする請求項1に記載のVoIPアダプタ装置。
- ADSL信号の変復調を行うADSLモデム手段を備え、前記VoIP通信手段は前記ADSLモデム手段を介してADSL回線と接続され、前記VoIP通信を行う広帯域回線としてADSL回線を用いたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のVoIPアダプタ装置。
- 前記電話網における通話に用いるDTMFのトーン信号として、回線切替報知用の第1のトーン信号及び回線切替中止指示用の第2のトーン信号を再生するトーン信号再生手段と、前記トーン信号を検出するトーン信号検出手段とを備え、前記通話回線切替手段は、前記トーン信号検出手段により使用者の操作に基づく前記第2のトーン信号が検出された場合に、回線の切り替えを中止することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のVoIPアダプタ装置。
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JP2010147981A (ja) * | 2008-12-22 | 2010-07-01 | Nec Engineering Ltd | Ip−pbxシステム |
JP2010206448A (ja) * | 2009-03-03 | 2010-09-16 | Nec Access Technica Ltd | VoIP通信装置、VoIP通信装置の通信方法ならびに通信システム |
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CN105338206A (zh) * | 2014-05-29 | 2016-02-17 | 国基电子(上海)有限公司 | 网络电话网关及其处理紧急通话的方法 |
-
2002
- 2002-11-11 JP JP2002327053A patent/JP2004165818A/ja active Pending
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